JP2007237568A - 積層シ−ト、エンボス意匠シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板 - Google Patents

積層シ−ト、エンボス意匠シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板 Download PDF

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Abstract

【課題】エンボス耐熱性を有するエンボス意匠を良好に付与することができ、金属板へのラミネート適性が良好であり、特に、精密エンボス意匠をも良好に転写することができる積層シート、エンボス意匠シート、エンボス意匠シート被覆金属板、および建築内装材等を提供する。
【解決手段】A層、およびB層の2層を有する積層シートにおいて、A層を、25〜75質量%の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂、および、75〜25質量%の芳香族ポリカーボネート系樹脂を含有する樹脂混合物を主体とし、所定の貯蔵弾性率を有する厚みが20μm以上である無配向の樹脂層とし、B層を、融点が215〜235℃であるポリブチレンテレフタレート系樹脂、または、融点が215〜235℃であるポリトリメチレンテレフタレート系樹脂を、70〜95質量%含有するものであり、厚みが30μm以上である無配向の樹脂層として、さらに、積層シートの層厚みを50〜300μmの範囲とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、AV機器、エアコンカバー等の家電製品筐体部材、合板製家具部材、鋼製家具部材、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材等のユニットバス部材、クローゼットドア材、パーティション材等の建築内装材等のエンボス意匠を有する被覆材用途に好適に用いることができる、積層シート、および、この積層シートにエンボス意匠を付与したエンボス意匠シート、さらに、このエンボス意匠シートにより金属板を被覆して形成したエンボス意匠シート被覆金属板に関する。
従来、上記エンボス意匠を有する被覆材としては、エンボス意匠を付与した軟質塩化ビニル系樹脂シート(以下、「軟質PVCシ−ト」という。)で合成樹脂成形品、合板、木質繊維板、金属板等を被覆したものが用いられてきた。軟質PVCシ−トの特徴としては、
(1)エンボス付与適性に優れることから、意匠性に富んだ被覆材を得ることができる。
(2)一般的に背反要素である加工性と表面の傷入り性のバランスが比較的良好である。
(3)各種添加剤との相容性に優れること、および長年にわたり添加剤による物性向上検討が行われて来たことから、耐久性に優れた樹脂皮膜を得ることが容易である。
等の点を挙げることができる。
この軟質PVCの長尺シ−トに連続的にエンボス意匠を付与する方法として、製膜後のシートを再加熱により軟化させ、エンボス意匠を彫刻したロール(以下、本明細書において、このロールを「エンボスロール」という。)で抑えて柄を連続的に転写させる方法が一般的に用いられている。なお、シートを加熱する方法として、加熱した金属ロールに接触させて加熱するような接触型や、赤外ヒーターや、熱風ヒーター等によってロール等に接触させることなく加熱する非接触型等がある。実際の製造ラインでは、どちらか一方だけが用いられる場合もあるが、一般的には双方が併用されることが多い。また、これら一連の工程を有する設備をエンボス付与機等と称する。
また、このエンボス付与機においては、エンボスロールの交換脱着を容易に行える設計が盛り込まれているのが一般的である。エンボスロールの直径は押出し製膜設備のキャスティングロール等と比較して小さく、多種のエンボスロールを用意しておくことでエンボス意匠の変更を容易かつ経済的に行うことができる。よって、本方法は、小ロット対応に適したエンボス付与方法といえる。
また、着色された軟質PVCシートの表面にグラビア印刷法等により印刷柄を施した後、透明な軟質PVCシートを積層一体化し、この積層シートをエンボス付与機へ連続的に通すことにより、エンボス意匠と同時に、印刷意匠を有する軟質PVCシートが製造されていた。この場合、エンボス付与機でのシート予熱を利用して、2層のシートを熱融着で積層一体化すること等が行われており、積層のための特別な工程を必要としないことから生産性が良く、コスト面でも優れたものであった。
さらに、このような軟質PVCシートで被覆した樹脂被覆金属板の最表面に、シルク印刷法により、各種図柄を印刷することが行われており、これは、簡易で小ロット対応性に優れた、意匠の付与方法として行われていた。これにより、透明な軟質PVCシートの下に付与されたグラビア印刷による印刷層と、最表面に付与されたシルク印刷法による印刷層の二重の印刷層を有する樹脂被覆金属板が製造されていた。
このように、軟質PVCシ−トは、それ自体が優れた特徴を有すると共に、軟質PVCシートへのエンボス付与技術、および印刷技術が確立されており、種々の形態のPVCシート被覆金属板が製造されていた。しかし、近年VOC問題や内分泌撹乱作用の問題、燃焼時に塩化水素ガスその他の塩素含有ガスを発生する問題等から、塩化ビニル系樹脂の使用は、制限を受けるようになってきた。
そこで、軟質PVCシートに替えて、加工性と表面傷付き性に優れたポリエステル系樹脂より形成されるシートを、エンボス意匠を有する樹脂被覆金属板の用途に用いることが検討された。このようなシートとして特許文献1には、非晶質ポリエステル樹脂を主成分とする基材フィルム層と、透明な非晶質ポリエステル樹脂を主成分とする保護フィルム層とを積層したポリエステル樹脂製積層化粧シートが提案されている。
また、特許文献2では、実質的に非晶性あるいは低結晶性である樹脂組成物または前記実質的に非晶性あるいは低結晶性である樹脂組成物を多く含むエンボス付与可能層と、実質的に結晶性である樹脂組成物もしくは前記実質的に結晶性である樹脂組成物を多く含み、エンボス付与機での加熱時に積層シートに張力を付与すると同時にエンボス付与機での加熱金属への非粘着性を付与する層、とで構成される2層構造の積層樹脂シートとすることで、現行のPVC用のエンボス加工装置を用いてもシート溶断、加熱ロールへの貼り付きや巻き付きの不具合が生じずに、現行のPVC用のエンボス加工装置を用いることができることが提案されている。
特開2000−233480号公報 WO03045690号公報
しかし、特許文献1における積層化粧シートにおいては、2層のいずれの層も非晶性のポリエステル樹脂を主成分とすることから、エンボス付与機でシートが加熱された際の張力が充分なものとはならないため、シートの幅縮み、皺入り、破断等を生ずるおそれがあり、エンボス付与機により安定してエンボス意匠を有するシートを生産することが難しかった。また、一般的に用いることができる非晶性ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が100℃より低いことから、このような積層シートをユニットバス用途の樹脂被覆金属板に使用した場合に、その評価項目に含まれる沸騰水浸漬試験を実施した際、沸騰水中で樹脂層の弾性率が著しく低下し流動変形を起こし、外観不良となる恐れがあった。
特許文献2に記載の積層樹脂シートは、エンボス意匠の転写性に優れた実質的に非晶性のポリエステル系樹脂を主体とする層と、エンボス付与機の加熱ロールへの非粘着性や、エンボス付与機で加熱された際も充分な張力を保持する特定の結晶性ポリエステル系樹脂を主体とする層とに機能分化することでエンボス付与適性を改善したものである。同時に、結晶性ポリエステル系樹脂を主体とする層を有することから、この積層樹脂シートをラミネートした樹脂被覆金属板に関しても、沸騰水浸漬時の流動変形が効果的に防止されており、外観不良を生じないものである。また、最表面へのシルク印刷適性も良好なものである。
しかし、このような特許文献2に記載の積層樹脂シートにおいても、いわゆる精密エンボス意匠と呼ばれる非常に凹凸が浅く、緻密なエンボス意匠をエンボス付与機により転写することに関しては、軟質PVCシートに比べて良好とはいえず、改善が求められていた。このように、精密エンボス意匠の転写性が劣ってしまうのは、該構成の実質的に非晶性のポリエステル系樹脂を主成分とする層にエンボス意匠を付与する際に、エンボス意匠の耐熱性を確保するためにエンボスロールが比較的高温に設定されており、このエンボスロールの温度が、エンボス意匠を付与する層の非晶性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)より高いこととなるため、若干のエンボス戻りが発生してしまうことが原因である。
つまり、エンボスロールとの接触においてエンボス意匠が付与された後、このエンボス付与された樹脂が、ガラス転移温度以下に冷却され、エンボス意匠が固定されるのは、積層樹脂シートがエンボスロールの下流側に設置されている冷却ロールと接触した時点となるため、エンボス戻りが発生する時間的余裕が生じてしまっており、版自体の凹凸が元来極めて浅い精密エンボスにおいては、わずかなエンボス戻りが生じたとしても、その転写が不満足なものとなるからである。
そこで、本発明においては、エンボス耐熱性を有するエンボス意匠を良好に付与することができ、金属板へのラミネート適性が良好であり、特に、精密エンボス意匠をも良好に転写することができる積層シート、エンボス意匠シート、エンボス意匠シート被覆金属板、および建築内装材等を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、これにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、A層(10)、およびB層(20)の2層を有する積層シートであって、A層(10)が、樹脂混合物を主体とする層であって、該樹脂混合物が、該樹脂混合物全体の質量を基準(100質量%)として、25質量%以上、75質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂、および、25質量%以上、75質量%以下の芳香族ポリカーボネート系樹脂を含有するものであり、A層(10)について単独で測定した動的粘弾性引張り法10Hzでの100℃の貯蔵弾性率が、6×10Pa以上、6×10Pa以下であり、厚みが20μm以上である無配向の樹脂層であり、B層(20)が、樹脂成分を主体とする層であって、樹脂成分が、該樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点が215℃以上、235℃以下であるポリブチレンテレフタレート系樹脂、または、融点が215℃以上、235℃以下であるポリトリメチレンテレフタレート系樹脂を、70質量%以上、95質量%以下含有するものであり、厚みが30μm以上である無配向の樹脂層であり、積層シートの総厚みが50μm以上、300μm以下である精密エンボス意匠の付与適性に優れた積層シート(100A)である。
第1の本発明において、A層(10)の樹脂混合物を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂は、芳香族ポリエステル系樹脂であって、該芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分が、テレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸を主体とするものであり、該芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジオール成分が、該ジオール成分全体を基準として、50モル%以上、75モル%以下の1.4−シクロヘキサンジメタノール、および、25モル%以上、50モル%以下のエチレングリコールを含有するものであることが好ましい。このような芳香族ポリエステル系樹脂を使用することによって、芳香族ポリカーボネート系樹脂との相溶性が良好となり、エンボス耐熱性をより良好にすることができ、また、沸騰水浸漬試験における樹脂層の流動変形をより効果的に防止して、流動変形に伴う外観変化を防ぐことができる。
また、第1の本発明において、A層(10)は、樹脂混合物を主体とする層であって、樹脂混合物が、樹脂混合物全体の質量を基準(100質量%)として、25質量%以上、50質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂、および、50質量%以上、75質量%以下の芳香族ポリカーボネート系樹脂を含有するものであり、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、テレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とするものであり、ジオール成分が、ジオール成分全体を基準(100モル%)として、25モル%以上、50モル%未満の1.4−シクロヘキサンジメタノール、および、50モル%より多く、75モル%以下のエチレングリコールを含有する芳香族ポリエステル系樹脂であることが好ましい。この場合、前段落に記載したA層(10)の好ましい形態よりも、樹脂混合物の相溶性が若干劣るが、沸騰水浸漬試験において十分に外観変化を防止することができると共に、商業的に入手しやすい材料であるので、原料供給の安定性とコストのメリットを得ることができる。
第1の本発明において、A層(10)は実質的に透明であり、A層(10)とB層(20)との間に印刷により付与された印刷柄C(30)を有する構成とすることもできる。これにより、精密エンボス意匠等のエンボス意匠に加えて印刷意匠を有する積層シート(100B)を得ることができる。
また、さらに、印刷柄C(30)とB層(20)との間に、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる着色された無配向の樹脂層(D層)(40)が配置されている構成とすることもできる。これにより、D層(40)はA層(10)と同様にエンボスロールによる押圧で変形される層であることから、比較的薄いA層(10)を用いて印刷柄C(30)の透視性を良好なものとしながら、精密エンボス意匠だけでなく、深いエンボス意匠を転写することも可能となる。
D層(40)を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、芳香族ポリエステル系樹脂であって、芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分を、テレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸を主体とするものとし、芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジオール成分を、ジオール成分全体を基準(100モル%)として、25モル%以上、75モル%以下の1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)と、25モル%以上、75モル%以下のエチレングリコールを含有するものとすることが好ましい。D層(40)の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂として、このような商業的に入手しやすい材料を用いることで原料供給の安定性とコストのメリットを得ることができる。
第2の本発明は、第1の本発明の積層シート(100)におけるA層(10)側表面にエンボス版により形成された凹凸形状を有する、エンボス意匠シートである。ここで、「エンボス版」とは、エンボス意匠が形成された版をいい、その形状は特に限定されず、板状であっても、ロール状であってもよい。なお、従来の軟質PVCシートに使用されていたエンボス付与機300においては、エンボス版として、ロール状のエンボスロール350を使用している。本発明のエンボス意匠シートは、エンボス付与性、および、エンボス耐熱性が良好である。また、精密エンボス意匠を付与できると共に、D層(40)を形成した場合は、通常の深いエンボス意匠を付与することもできる。
第3の本発明は、第2の本発明のエンボス意匠シート(100)、および金属板(70)を備え、エンボス意匠シートにおけるB層(20)側の表面が接着剤(60)を介して金属板(70)上にラミネートされている、エンボス意匠シート被覆金属板(200)である。本発明の金属板(200)は、上記の積層シートおよびエンボス意匠シートの有利な効果を有すると共に、表面硬度が高く(傷入り性が優れている。)、加工性が良好であるという特徴を有する。
第4の本発明は、上記のエンボス意匠シート被覆金属板(200)を用いた、ユニットバス部材である。なお、ユニットバス部材としては、例えば、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材を挙げることができる。本発明のエンボス意匠シート被覆金属板(200)は、エンボス耐熱性が良好であることから、ユニットバス部材として好適に用いることができる。
第5の本発明は、上記のエンボス意匠シート被覆金属板(200)を用いた、建築内装材である。なお、建築内装材としては、クローゼットドア材、パーティション材を挙げることができる。
第6の本発明は、上記のエンボス意匠シート被覆金属板(200)を用いた、鋼製家具部材である。
第7の本発明は、上記のエンボス意匠シート被覆金属板(200)を用いた、家電製品筐体部材である。本発明のエンボス意匠シート被覆金属板(200)は、エンボス意匠、印刷柄C(30)による意匠、および、A層(10)表面へのシルク印刷による意匠を付与することができるため、これらの意匠を組み合わせることによって、上記した第4〜第7の本発明で示したような種々の用途に対応することができる。
本発明の積層シート(100)は、A層(10)を備えることによって、エンボス付与機におけるエンボス転写性を優れたものとすることができる。特に、精密エンボス意匠と呼ばれる非常に凹凸が浅く、緻密なエンボス意匠の転写性に関しても、従来の軟質PVCシートにおける場合以上に、優れたものとすることができる。また、エンボス耐熱性、特に沸騰水浸漬後のエンボス意匠の残存性を良好なものとすることができる。また、A層(10)側の表面に、従来の軟質PVC被覆鋼板の表面にシルク印刷を施すために用いられてきたシルク印刷インクをそのまま用いて、シルク印刷意匠を付与することが可能である。また、A層(10)を表面に有することによって、表面硬度を良好なものとすることができる。
また、B層(20)を備えることによって、エンボス付与機で本発明の積層シート(100)が加熱された際に、積層シート(100)に十分なシート張力を付与することができ、幅縮み、皺入り、シート破断等を生じることなく良好なエンボス意匠の付与が可能である。また、B層(20)は、エンボス付与機の加熱ロール(310)に対して非粘着性を示すため、本発明の積層シート(100)をエンボス付与性に優れたものとすることができる。また、B層(20)は、金属板(70)にラミネートする場合に金属板(70)の温度を比較的低温にしても十分な接着強度を得ることが可能な層であり、本発明の積層シート(100)に金属板ラミネート適性を付与することができ、従来の軟質PVCシートと同様な条件により、金属板にラミネートすることができる。
また、A層(10)およびB層(20)の2層からなる構成とすることにより、A層(10)単層の場合に比べ、より高温でのエンボス転写が可能となり、これにより、エンボス意匠を転写した本発明のエンボス意匠シート(100)を、エンボス耐熱性に優れたものとすることができる。また、A層(10)およびB層(20)からなる積層シート(100)を共押出により作製した場合は、反りが生じない、取扱性の良好な積層シート(100)とすることができる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
本発明の積層シートの層構成を、図1に模式的に示した。図1(a)に、A層10およびB層20の二層からなる積層シート100A、図1(b)に、A層10とB層20との間に印刷柄C30を有する積層シート100B、図1(c)に、印刷柄C30とB層20との間にD層40を有する積層シート100Cをそれぞれ示した。以下、各層についてそれぞれ説明する。
なお、本発明の積層「シート」は、厚みが50〜300μmの範囲をとることから、「フィルムおよびシート」と記すのがより正しいが、本明細書および特許請求の範囲においては、一般的には「フィルム」と呼称する範囲に関しても便宜上「シート」という単一呼称を用いた。
また、「無配向」という表現は、積層シートに何らかの性能を付与するために意図して延伸操作等の配向処理を行ったものではないということを意味し、押出し製膜時にキャスティングロールによる引き取りで発生する配向等まで存在していないという意味ではない。
<A層10>
A層10は、積層シート100A〜100Cを図2に示したようなエンボス付与機300に通した際、加熱軟化されてエンボスロール350により押圧されエンボス意匠が転写される層である。従って、A層10はエンボスロール350で押圧される時点で一般的なエンボス付与機300でのシート加熱温度の上限である190℃を超える融点(Tm)を示すような高い結晶性を有する樹脂組成であってはなない。
また、A層10は、ガラス転移温度が100℃に満たない実質的に非晶性のポリエステル系樹脂のみからなる層であってはならない。これは、エンボスロール350の温度を該樹脂のガラス転移温度以下に設定することにより、エンボス意匠の転写と同時に、積層シート100はエンボスロール350側から冷却され、エンボス意匠の冷却固定がなされることから、精密エンボス意匠を転写することはできるが、実質的に非晶性のポリエステル系樹脂のガラス転移温度が100℃に満たないことから、エンボス耐熱性に劣り、特に沸騰水浸漬後のエンボス戻りが顕著なものとなるためである。
上記のような観点から、本発明においては、A層10を樹脂混合物を主体とする層として、この樹脂混合物が、樹脂混合物全体の質量を基準(100質量%)として、25質量%以上、75質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂、および、25質量%以上、75質量%以下の芳香族ポリカーボネート系樹脂を含有するものとしている。一般的に入手可能な実質的に非晶性のポリエステル系樹脂は、ガラス転移温度が100℃に満たないが、本発明のA層10を構成する樹脂混合物においては、芳香族ポリカーボネート系樹脂とのブレンド組成物とすることにより、100℃を超えるガラス転移温度を有する樹脂混合物とすることができる。なお、ここでの「主体とする」とは、A層10全体の質量を基準(100質量%)として、樹脂混合物を70質量%以上、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは、90質量%以上含有することである。
(実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂)
A層10の樹脂混合物を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂としては、芳香族ポリエステル系樹脂であって、かかる芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分が、テレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸を主体とするものであり、また、かかる芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジオール成分が、ジオール成分全体を基準(100モル%)として、50モル%以上、75モル%以下の1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)、および、25モル%以上、50モル%以下のエチレングリコールを含有するものであることが好ましい。なお、ここでの、「主体とする」とは、ジカルボン酸成分全体を基準(100モル%)として、テレフタル酸またはジメチルテレフタル酸を70モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは98モル%以上含むことをいう。
このような芳香族ポリエステル系樹脂は、A層10の樹脂混合物中において、芳香族ポリカーボネート系樹脂との相容性が優れているため、任意の比率で混合して使用することができる。また、相溶性に優れる結果として、この樹脂混合物を主体とするA層10のエンボス耐熱性を向上させる効果が顕著となる。また、沸騰水浸漬試験におけるA層10の流動変形を効果的に防止して、流動変形に伴う外観変化を防ぐことができる。さらに、上記芳香族ポリエステル系樹脂は、商業ベースで量産されていることから、安定した供給が得られ、価格面のメリットもあることから好ましい。このような組成範囲の芳香族ポリエステル系樹脂としては、イーストマン・ケミカル・カンパニー社の「PCTG・5445」を挙げることができる。なお、ジオール成分における1.4−シクロヘキサンジメタノールの量が多すぎる場合は、結晶性の影響が顕著になってしまう。
A層10を構成する樹脂混合物に含まれる芳香族ポリエステル系樹脂としては、この芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分がテレフタル酸またはジメチルテレフタル酸を主体とするものであり、また、この芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジオール成分が、このジオール成分全体を基準(100モル%)として、25モル%以上、50モル%未満の1.4−シクロヘキサンジメタノール、および、50モル%より多く、75モル%以下のエチレングリコールを含有するものを用いることもできる。ただ、このような芳香族ポリエステル系樹脂は、上記したジオール成分の50モル%以上を1.4−シクロヘキサンジメタノールとする芳香族ポリエステル系樹脂に比べて、芳香族ポリカーボネート系樹脂との相容性がやや劣るようになる。その結果、樹脂混合物の混練の状態によっては、A層10のヘイズ(曇価)が大きい積層シート100しか得られない場合があるが、ヘイズが大きいことが問題とならない場合には、特に支障なく用いることができる。また、同様の理由により、エンボス耐熱性を向上させる効果がやや劣っている。そこで、エンボス耐熱性を充分なものとするために、A層を構成する樹脂混合物の組成を、この樹脂混合物全体の質量を基準(100質量%)として、25質量%以上、50質量%以下の芳香族ポリエステル系樹脂、および、50質量%以上、75質量%以下の芳香族ポリカーボネート系樹脂を含有するものとすることが好ましい。なお、このような組成範囲の芳香族ポリエステル系樹脂としては、イーストマン・ケミカル・カンパニー社の「イースターPETG・6763」等が挙げられ、これを用いた場合は、コスト面のメリットを得ることができる。
ただし、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂としては、これらに限定されるものではなく、特定の条件では結晶性を示すが通常の条件では非晶性樹脂として取り扱うことが可能な、ネオペンチルグリコール共重合PETで結晶性を示さないもの、または、結晶性の低いもの、イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレート系樹脂、あるいは、イソフタル酸を共重合したポリブチレンテレフタレート樹脂で結晶性の低いもの等、共重合成分により結晶化を阻害した組成のポリエステル系樹脂も、A層10の樹脂混合物を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂として用いることができる。
なお、これらの中でも、1.4−シクロヘキサンジメタノールのジオール成分に占める比率が、50モル%未満の場合でも、特定のポリアルキレングリコールセグメントを構成成分として有するポリエステル系樹脂においては、芳香族ポリカーボネート系樹脂との樹脂混合物において、比較的良好な相容性を示すことが知られており(特願2004−034388号公報)、このポリエステル系樹脂もA層10の樹脂混合物を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂として、好ましく用いることができる。このような特徴を有するポリエステル系樹脂としては、三菱レイヨン社製の「ダイヤナイトDN−124」を挙げることができる。
(芳香族ポリカーボネート樹脂)
A層10の樹脂混合物を構成する芳香族ポリカーボネート樹脂としては、特に制限はないが、ビスフェノールAとホスゲンを原料とする、あるいはホスゲンを用いないものの同一の分子構造を有するもっとも汎用的なビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂を支障なく用いることができ、世界的に広く用いられている材料であることからコストのメリットを得ることができる。
上記のA層10を構成する樹脂混合物中において、芳香族ポリカーボネート系樹脂は、この樹脂混合物全体の質量を基準(100質量%)として、25質量%以上、75質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、70質量%以下であることがさらに好ましい。A層10を構成する樹脂混合物中の、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が小さすぎるとエンボス耐熱性を向上させる効果が乏しくなる。一方、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が大きすぎると、ユニットバス用途の意匠シート被覆金属板に更なる意匠を付与するために、A層10の表面に付加されることがあるシルク印刷インクの溶剤成分に起因する折り曲げ加工部の樹脂層の割れが発生しやすくなる。
本発明に用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量としては、20000以上、40000以下のものを用いることが好ましく、22000以上、30000以下のものを用いることがさらに好ましい。ここで、粘度平均分子量が小さすぎると、特に低温衝撃強度が低下することが知られており、一方、粘度平均分子量が大きすぎると、溶融粘度が非常に高くなり成形加工性が低下し、また、重合に長時間を要することから生産サイクルやコストの点から好ましくない。
(貯蔵弾性率)
上記で説明した樹脂混合物を主体とするA層10について単独で、貯蔵弾性率(E’)を測定した。貯蔵弾性率(E’)の測定は、JIS K 7244−4:1999「プラスチック−動的機械特性の試験方法−第4部:引張振動−非共振法」に準じて行った。具体的には、動的粘弾性測定装置を用いて、引張り法により、測定周波数10Hzで測定して、100℃での貯蔵弾性率(E’)を求めた。このような条件によって測定した、A層10単独の貯蔵弾性率(E’)は、6×10Pa以上、6×10Pa以下であることが好ましい。この測定条件において、樹脂混合物の貯蔵弾性率がこれより低い場合は、エンボス耐熱性、特に沸騰水浸漬後のエンボス意匠の残存性が不十分なものとなりやすい。また、これより高い貯蔵弾性率を示すものは、通常の熱可塑性樹脂としては得ることが難しい。
(添加剤等)
A層10の下に印刷柄C30が存在しない場合は、A層10に意匠性の付与や下地金属の隠蔽のために顔料を添加しても良い。使用される顔料は、上記目的のために樹脂着色用として一般的に用いられているもので良く、その添加量に関しても上記目的のために一般的に添加される量で良い。一例としては、白系の着色では隠蔽効果の高い酸化チタン顔料をベースとして、色味の調整を有彩色の無機、有機の顔料で行うことができる。
また、A層10には、その性質を損なわない範囲において、あるいは本発明の目的以外の物性をさらに向上させるために、各種添加剤を適宜な量添加しても良い。添加剤としては、燐系・フェノール系他の各種酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、衝撃改良剤、加工助剤、金属不活化剤、残留重合触媒不活化剤、造核剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、充填材等の広汎な樹脂材料に一般的に用いられているものを挙げることができる。
(層厚)
A層10の好ましい厚みは20μm以上、250μm以下であり、30μm以上、150μm以下であることがさらに好ましい。精密エンボス意匠のみを転写する場合は、さらにA層10の厚みを薄くしても、エンボス意匠の転写性に問題は出ないが、単層のシートとしての取り扱い性に問題を生じやすい。また、通常のエンボス意匠の転写にも支障がない厚みを有する共通性のある積層シート100としておく方が、生産上有利である。逆に、厚みが厚すぎると、積層シートの総厚みの上限が決まっていることから、B層20の厚みを薄くする必要が生じ、積層シートを加熱した際の耐破断性を得難くなるため好ましくない。また、A層10として150μmまでの厚みがあれば、従来、軟質PVCシートにエンボス意匠を付与するために用いていた、図2に示したようなエンボスロール350のほとんどを使用することが可能となる。
<B層20>
B層20は積層シート100をエンボス付与機に通した際に、従来の軟質PVCと同様の温度まで加熱された積層シート100の幅縮み、皺入り、破断等を防ぐ機能を付与するために設けられる。
(PBT系樹脂、PTT系樹脂)
B層20は、樹脂成分を主体とする層であって、この樹脂成分は、融点が215℃以上、235℃以下のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂、または、融点が215℃以上、235℃以下のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)系樹脂を含有する。なお、ここでの「主体とする」とは、B層20全体の質量を基準(100質量%)として、樹脂成分を70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有することをいう。融点が215℃以上必要なのは、従来の軟質PVCシートにエンボス付与機でエンボス意匠を転写する場合にシートが支持体無しでヒーターによって加熱される温度が160℃〜190℃程度であるのに対し、B層20の樹脂成分として、融点215℃未満のPBT系樹脂、または、PTT系樹脂用いた場合は、160℃〜190℃という加熱温度で十分な張力を得ることが困難となりやすいためである。また、融点の上限が235℃であるのは、融点がこれより高いPBT系樹脂、または、PTT系樹脂をB層20の主成分として用いた場合は、従来の軟質PVCよりなるシートを金属板にラミネートする場合と同様の温度では金属板との強固な密着力を得ることが難くなるためである。
また、B層20の樹脂成分として、上記のPBT系樹脂またはPTT樹脂を使用する理由は、これら樹脂は結晶化速度が比較的速いため、上記の融点範囲を有する実質的に結晶性のポリエステル系樹脂として好適だからである。従って、製膜工程とエンボス付与工程の間に特別な養生工程等が不要であり、B層20を製膜工程にて結晶化することができ、エンボス付与工程での加熱金属への非粘着性や耐溶融破断性を有するB層20を得ることができるからである。
上記のPBT系樹脂またはPTT系樹脂を用いる他の理由としては、結晶化した状態でもPET系樹脂に比べて良好な加工性を得られること、および、PBT系樹脂に関しては、近年、押出し製膜グレードなどの用途展開が活発になり、各種溶融粘度や融点を有するPBT樹脂原料を入手しやすくなったことも挙げられる。
B層20の樹脂成分における上記のPBT系樹脂またはPTT系樹脂の含有割合としては、B層20における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、その下限が、70質量%であることが好ましく、80質量%であることがさらに好ましい。含有割合が少なすぎる場合は、結晶化した状態でB層20を得ても、積層シート100に好ましい溶融張力を付与することが困難となる。また、含有割合の上限は、95質量%であることが好ましく、90質量%であることがさらに好ましい。含有割合が多すぎる場合は、積層シート100を金属板70にラミネートする際の接着積層面側であるB層20の結晶性が高くなりすぎ、従来の加熱条件では金属板70と良好な密着強度を得ることが難しくなる。また、B層20をA層10との共押し出し製膜法で得る場合、あるいは、B層20と以下で説明するD層40との共押し出し製膜法で得る場合に、製膜後の積層シートの反りが顕著になり、取り扱いに支障を来たすおそれがあるためである。
融点が215℃以上、235℃以下のPBT系樹脂としては、酸成分がテレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸であり、ジオール成分が1.4−ブタンジオールの各単一成分を縮重合して得られた(意図せざる共重合成分は含まれていても良い)ホモ・ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いることができる。このような組成のPBT系樹脂としては、三菱エンジニアリングプラスチックス社製の「ノバデュラン・5020H」等が挙げられ、これを用いた場合は、コスト面のメリットや供給の安定性等のメリットを得ることができる。また、融点が215℃以上、235℃以下の範囲のPTT系樹脂としては、ホモ・ポリトリメチレンテレフタレート樹脂であるシェル社製の「コルテラ・CP509200」を挙げることができる。
(その他の樹脂成分)
B層20の樹脂成分であって、上記のPBT系樹脂およびPTT系樹脂以外の樹脂成分としては、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂としては、前述のA層10の樹脂混合物を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂と同一のものを用いることができ、例えば、イーストマン・ケミカル・カンパニー社製「イースターPETG・6763」、同社製「PCTG・5445」を挙げることができる。このような実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を用いることが好ましい理由は、B層20の上記のPBT系樹脂およびPTT系樹脂以外の樹脂成分として、ホモPET等の結晶化速度は遅いが、結晶性の高い樹脂を用いた場合は、経時的にPET系樹脂の結晶化が進行し、PET系樹脂の結晶相の加工性がPBT系樹脂等の結晶相の加工性より劣ることから、B層20の加工性が経時的に悪化し、結果的に積層シート100およびそれを用いて製造したエンボス意匠シート被覆金属板200の加工性が低下するおそれがあるためである。
(層厚)
B層20の好ましい厚みは、30μm以上、200μm以下であり、40μm以上、100μm以下であることがさらに好ましい。これより厚みが薄い場合は、エンボス付与機での張力付与層としての機能が不十分になりやすく、逆に、これより厚くしても、エンボス意匠シート被覆金属板200としての基本的な各種機能は飽和すると同時にコスト高となる。
さらに、B層20は、「特願2004−285225号公報」に記載されるように、エンボス付与機300での張力付与機能を担う層と、加熱ロール310への粘着防止機能を担う層の2層より構成されていてもよい。この場合、金属板70へのラミネート温度をさらに低温にしても、良好な密着力を確保できる効果が得られる。
(添加剤等)
B層20には、意匠性の付与や下地金属の隠蔽のために顔料を添加しても良い。印刷柄C30を付与した場合で、後に説明するD層40を付与しない場合は主としてB層20に顔料を添加することになる。使用される顔料やその添加量に関してはA層10に添加する場合と同様である。
また、B層20が付与される目的の一つである加熱金属ロールとの非粘着性をより強固にするため、適宜な量の滑剤を添加しても良い。滑剤としては、ポリエステル樹脂への添加用として一般的に用いられるものを用いることができ、例えば、モンタン酸系の滑剤である「リコワックスOP」(クラリアント・ジャパン社製)を挙げることができる。滑剤の添加量は、B層20の樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、0.2質量%以上、3質量%以下程度の一般的な量でよい。
あるいは、エンボス付与機での積層シート100の張力をより強力なものとするため、線状超高分子量アクリル系樹脂(例えば、三菱レイヨン社製の「メタブレンP−531」等がある。)や、フィブリル状に展開する易分散処理を施したポリテトラフルオロエチレン等の加工助剤(例えば、三菱レイヨン社製の「メタブレンA−3000」等がある。)を添加しても良く、この場合も、B層20の樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、0.2質量%以上、3質量%以下程度の一般的な量でよい。
さらに、エンボス付与機での非粘着性や耐溶融破断性を得るために必要な、結晶性を押出し製膜ラインでB層20に充分に付与するために、結晶核剤を添加して結晶化速度の向上を図っても良い。また、B層20には、A層10において説明した各種の添加剤や他の汎用樹脂を少量含んでいてもよい。
<印刷柄C30>
本発明の積層シート100においては、図1(b)に層構成を示したように、A層10が実質的に透明であり、A層10とB層20との間に印刷による印刷柄C30が付与されている構成とすることができる。印刷柄C30は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の公知の方法で施され、石目調、木目調、幾何学模様、抽象模様等、任意の柄が施される。
印刷柄C30は、A層10と積層することになるB層20の表面に印刷を施すことにより形成してもよいし、B層20と積層することになるA層10の表面に印刷を施すことにより形成してもよい。また、以下において説明するD層40を設ける場合は、A層10と積層することになるD層40の表面に形成してもよいし、また、D層40と積層することになるA層10の表面に形成してもよい。一般的には、B層20あるいはD層40の表面に印刷柄C30を形成することが、高い結晶性を有する樹脂からなる層を含むシートに印刷を施すことになるため、印刷ラインでの取り扱いが容易となり、好ましい。
<D層40>
上記の印刷柄C30を有する積層シート100Bにおいて、印刷柄C30とB層20との間に、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる着色された無配向の樹脂層(D層)40を配置した積層シート100Cとすることができる。この形態の層構成を図1(c)に示した。なお、ここでの「主体として」とは、D層40全体の質量を基準(100質量%)として、D層40が、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を70質量%以上、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有することをいう。
D層40は、実質的に非晶性のポリエステル樹脂を主体としてなる層であり、A層10と同様に加熱軟化されてエンボスロール350により押圧されエンボス意匠が転写される層である。D層40を有する形態においては、A層10の厚みを薄くすることができるので、A層10の下に印刷柄C30が付与されている構成において、印刷柄C30の透視性をあまり低下させずに、深いエンボス意匠を転写することができる。従って、精密エンボス意匠に限定される場合はD層40は特に設ける必要はないが、深みのある通常のエンボス意匠を転写する場合において、印刷柄C30の透視性を良好にしたい場合に、このようなD層40を設ける構成は、好ましい。
また、ポリエステル系樹脂は比較的光黄変を受けやすい樹脂であることから、透明なA層10の厚みをあまり厚くすると経時的な黄変が目立つようになる可能性があるので、これを避ける点でも、A層10の厚みを比較的薄くしておき、D層40を付与した構成とすることが好ましい。
D層40の主体となる実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂としては、A層10の樹脂混合物を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂と同一のものを使用することができる。D層40は、実質的に非晶性のポリエステル系樹脂を主体として構成されているため、D層40単体では、沸騰水浸漬時に流動変形を生ずるおそれがある。しかし、D層40の上下を沸騰水浸漬性を有する層に挟まれて存在するため、D層40の厚みが250μm程度以下である場合は、積層シート100として、沸騰水浸漬試験に耐性を有することができる。よって、D層40の厚みとしては、25μm以上、250μm以下であることが好ましく、50μm以上、150μm以下であることがより好ましい。
あるいは、積層シート100の耐沸騰水浸漬性をより一層確実なものとするため、D層40をA層10と同様の樹脂混合物、つまり、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂および芳香族ポリカーボネート系樹脂からなる樹脂混合物により構成することもできる。また、同様の目的で、実質的に非晶性のポリエステル系樹脂を主体としながら、D層40における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、20質量%以上、40質量%以下のポリブチレンテレフタレート系樹脂、または、20質量%以上、40質量%以下のポリトリメチレンテレフタレート系樹脂とのブレンド組成物としても良い。
さらに、B層20がその目的上、上記したPBT系樹脂、または、PTT系樹脂を含有する樹脂成分を主体としてなる結晶性の高い樹脂層であるのに対し、D層40は、実質的に非結晶性のポリエステル樹脂を主体としてなるか、芳香族ポリカーボネート系樹脂との樹脂混合物よりなることから、B層20に比べて、D層40の方が、A層10との熱融着適性が良好であると考えられる。そこで、B層20とD層40とを共押出し製膜により一体で製膜しておくことで、積層シート100の各層間に強固な密着性を得ることが可能となり、各層間の剥離のおそれを軽減することができる。
D層40には、A層10、B層20と同様の各種添加剤を適宜な量添加しても良く、また印刷柄C30をD層40の表面に付与する場合は、印刷の発色を良くするためにD層40に顔料を添加することが特に好ましい。なお、顔料の添加量については、A層10における場合と同様である。
<積層シート100>
積層シート100全体での好ましい厚みは、50μm以上、300μm以下である。積層シート100の厚みが薄すぎる場合は、下地の視覚的隠蔽確保のために着色層に多量の顔料を添加する必要があり、その結果加工性の低下を来たすおそれがある。一方、積層シート100の厚みが厚すぎる場合は、軟質PVC樹脂被覆金属板の折り曲げ加工などの成形加工に従来から用いて来た成形金型の使用が困難になるなど、初期の2次加工性そのものに問題を生じるおそれがある。
積層シート100全体として必要とされる下地金属板70の視覚的隠蔽効果に関しては、用途によって重要度が異なってくるが、例えば、内装建材用途のエンボス意匠シート被覆金属板200においては、JIS K5600−4−1:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)に準拠して測定した隠蔽率が積層シート100の構成で0.95以上であることが好ましい。
隠蔽率がこれより低いと金属板70等、下地となる基材の色味が、積層シート100の色味に反映されて、これらの色味が変化した際、積層シート100の表面から観察される色味も変化して見えるため好ましくない。ただし、この理由による色味の変化が特に問題とならない用途においては、隠蔽率は0.95以上にこだわらなくても良い。
<積層シートの製造方法>
本発明の積層シート100の製造方法としては各種公知の方法、Tダイを備えた押出し機によるキャスト製膜法やインフレーション法等を採用することができる。
各層を単独で製膜した後に、後工程で積層一体化して積層シート100としても良いが、図1(a)に示す印刷柄C30を含まない積層シート100Aでは、A層10およびB層20に対応する2台の押出機とフィードブロック若しくはマルチマニホールドダイを用いた共押出製膜法で一体に製膜するのが最も効率的であり好ましい。
図1(b)に示す積層シート100Bでは、A層10およびB層20をそれぞれ単層で製膜し、印刷柄CをA層10あるいはB層20に施した後、積層一体化する。
図1(c)に示す積層シート100Cでは、A層10は単層で製膜しておき、共押出し法で一体に製膜したD層40およびB層20のD層40側表面に印刷柄C30を施した後、積層一体化するのが好ましい。この場合、印刷柄C30を施すのはA層10のD層40と積層する側の表面でも良い。
印刷柄C30の樹脂バインダーの種類は特に制限されないが、このバインダー種を適宜選択することにより、A層10とB層20、あるいは、A層10とD層40との間の積層一体化を熱融着積層とすることができる。あるいは、印刷柄C30の付与時に、同時に熱接着性の塗布層を付与して、熱融着積層することもできる。このA層10と他の層との熱融着積層による一体化は、エンボス付与機の加熱ロールへの導入部分で実施するのが工程上好ましい。ただし、A層10と他の層との積層一体化は必ずしもエンボス付与機での熱融着積層によらないで、他工程で熱融着積層を行っても良い。また、ドライラミ接着剤等による積層とすることもできる。
<エンボス意匠シート>
上記の方法により製造した積層シート100A、100B、100Cは、A層10側表面にエンボス版により凹凸形状を付与し、エンボス意匠シートとすることができる。図1(d)は、積層シート100Bにエンボス意匠を付与した構成であり、図1(e)は、積層シート100Cにエンボス意匠を付与した構成である。エンボス版としては、エンボス意匠が形成された版であれば、その形状は特に限定されず、板状であっても、ロール状であってもよい。なお、以下において説明する従来の軟質PVCシートに使用されていたエンボス付与機300においては、エンボス版として、ロール状のエンボスロール350を使用している。
図2に、従来、軟質PVCシートにエンボス意匠を付与するために一般的に用いられて来たエンボス付与機300の一例を示す。図示した一実施形態のエンボス付与機300は、加熱ロール310、テイクオフロール320、赤外線ヒーター330、ニップロール340、エンボスロール350および冷却ロール360により構成されている。図2に示す形態では、単層で製膜したA層10と、印刷柄C30を施したB層20およびD層40の二層共押出しシートを供給し、上記のようにエンボス付与機の加熱ロール310で熱融着積層を行っている様子を示している。
本発明の積層シート100は、エンボス付与機300により従来の軟質PVCシートと同様にエンボス意匠を付与することができる。B層20が本発明の特徴を備えていることにより、100℃〜140℃程度に加熱された加熱ロール310に対して非粘着性を有しており、またヒーター330によるシート加熱温度である160℃〜190℃でも、B層20が本発明の特徴を有していることから積層シート100の幅縮み、皺入り、破断等を生ずることなく、またA層10は良好なエンボス付与適性を有していることで良好な外観のエンボス意匠が付与されたエンボス意匠シート100を得ることができる。かつ、エンボスロール350の温度をA層10の樹脂混合物の貯蔵弾性率が6×10Paを下回る温度よりやや低い温度に適宜調整することで、積層シート100がエンボスロール350と接触した際、エンボス意匠の付与と同時に冷却によるエンボス意匠の固定がなされることから、エンボス戻りを生じ難く、精密エンボス意匠に対しても良好な転写性を得ることができる。また、D層40を備えた構成においては、通常の深いエンボス意匠を付与することもでき、その転写性も良好なものとすることができる。
<エンボス意匠シート被覆金属板>
図1(f)に層構成を模式的に示したように、本発明のエンボス意匠シート被覆金属板200は、上記により作製したエンボス意匠シート100および金属板70を備え、エンボス意匠シート100におけるB層20側表面が接着剤60を介して金属板70上にラミネートされた構成を有している。
本発明のエンボス意匠シート被覆金属板200に用いる金属板70としては、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼鈑、アルミニウム・マグネシウム・亜鉛合金メッキ鋼鈑、ステンレス鋼板等の各種鋼板やアルミニウム板、アルミニウム系合金板、チタン系合金板等が使用でき、これらは通常の化成処理を施した後に使用しても良い。金属板70の厚さは、エンボス意匠シート被覆金属板200の用途等により異なるが、0.1mm以上、10mm以下の範囲で選ぶことができる。
エンボス意匠シート100を金属板70にラミネートする方法は特に制限はないが、接着剤によるラミネートが一般的である。接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等の一般的に使用される熱硬化型接着剤を挙げることができる。この中でも、シートがポリエステル系樹脂からなることから、ポリエステル系の接着剤を用いるのが好ましい。エンボス意匠シート被覆金属板200を得る方法としては、金属板70にリバースコーター、キスコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用して、エンボス意匠シート100を貼り合せる金属面に、乾燥後の接着剤膜厚が2μm以上、10μm以下程度になるように上記の熱硬化型接着剤を塗布する。
ついで、赤外線ヒーターおよび、または熱風加熱炉により塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板70の表面温度を、220℃以上、250℃以下程度の温度に保持しつつ、直ちにロールラミネータを用いてエンボス意匠シート100のB層20側が接着面となるように被覆、冷却することによりエンボス意匠シート被覆金属板200を得ることができる。
また、本発明のエンボス意匠シート被覆金属板200は、良好な加工性を有すると共に、印刷柄C30による意匠、エンボス意匠、および、A層側表面へのシルク印刷による意匠を組み合わせて、様々な意匠を構成することができる。よって、種々の用途に広範に対応することができ、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材等のユニットバス部材、クローゼットドア材、バーティション材、パネル材等の建築内装材、鋼製家具部材、AV機器、エアコンカバー等の家電製品筐体部材として好適に用いることができる。
本発明をより具体的かつ詳細に説明するために、次に実施例を示すが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
<積層シートの製造>
(実施例1〜13、比較例1〜13)
実施例1〜13、および比較例1〜12の積層シートは、φ65mmの2台の二軸混練押出機を使用して、マルチマニホールド方式の共押出しによって、Tダイより流出した樹脂をキャスティングロールで引き取る一般的方法により二層積層シートとして製造した。また、比較例13のシートは、同様な二軸混練押出機を1台使用して、A層のみの単層で製膜して製造した。なお、A層およびB層の両方に、各層の樹脂成分を100質量部として、24質量部の酸化チタンを主体とする白色系顔料を添加した。表1にA層の樹脂組成、厚み、貯蔵弾性率を示した。また、表2にB層の樹脂組成、厚みを示した。また、表3に積層シートにおけるA層およびB層の組み合わせを示した。
Figure 2007237568
Figure 2007237568
Figure 2007237568
(実施例14〜実施例17)
実施例14〜17の積層シートは、φ65mmの二軸混練押出機を用いて、Tダイにより単層の透明なシートとしてA層を押出し製膜し、これとは別にφ65mmの2台の二軸混練押出機を使用して、マルチマニホールド方式の共押出しによって、Tダイより流出した樹脂をキャスティングロールで引き取る一般的方法によりD層とB層の二層積層シートを得た。こうして得られたD層およびB層のD層側表面に、アクリル・ウレタン系インクを用いたグラビア印刷により石目調の模様を印刷した。その後、印刷を施したD層側表面に、A層を図2に示すようにエンボス付与機の加熱ロール部分で熱融着積層により積層一体化した。B層およびD層の両方に、各層の樹脂成分を100質量部として、20質量部の酸化チタンを主体とする白色系顔料を添加した。表4にD層の樹脂組成、厚みを示した。また、表5に、積層シートにおけるA層、D層およびB層の組み合わせを示した。
Figure 2007237568
Figure 2007237568
上記の実施例、および比較例で使用した原料は以下の通りである。
(1)イースターPETG・6763
イーストマン・ケミカル・カンパニー社製の非結晶性ポリエステル樹脂である(表中においては、「PETG・6763」と省略している。)。ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、ジオール成分の約30モル%が1.4−シクロヘキサンジメタノール、約70モル%がエチレングリコールである。融点:無し、ガラス転移温度:78℃。
(2)PCTG・5445
イーストマン・ケミカル・カンパニー社製の実質的に非結晶性のポリエステル樹脂として扱うことが可能なポリエステル樹脂である。ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、ジオール成分の約65モル%が1.4−シクロヘキサンジメタノール、約35モル%がエチレングリコールである。融点:無し、ガラス転移温度:86℃。
(3)ダイヤナイトDN−124
三菱レイヨン社製の実質的に非晶性のポリエステルエラストマーである。ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、ジオール成分の約26モル%が1.4−シクロヘキサンジメタノール、約68モル%がエチレングリコール、約6モル%が数平均分子量約1000のポリテトラメチレングリコールである。融点:無し、ガラス転移温度:19℃
(4)ノバレックス7025A
三菱エンジニアリングプラスチックス社製のビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂である。粘度平均分子量25000、融点:無し、ガラス転移温度:149.5℃
(5)ノバデュラン5020S
三菱エンジニアリングプラスチックス社製の(ホモ)ポリブチレンテレフタレート樹脂である。測定された融点は224℃であった。
(6)コルテラCP509200
シェル社製の(ホモ)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂である。測定された融点は225℃であった。
<積層シートへのエンボス付与>
図2に示すような軟質塩化ビニル系シートへのエンボス付与に一般的に使用されているエンボス付与機300を用いてエンボス意匠の転写を行った。エンボス付与機の工程概要としては、まず加熱ロール310を用いた接触型加熱によりシートの予備加熱を行う。なお、実施例14〜17の印刷柄を有するシートに関しては、この加熱ロール310部において、A層と、D層およびB層からなる積層シートとを、熱融着積層した。続いて、赤外ヒーター330を用いた非接触型加熱により任意の温度までシートを加熱し、エンボスロール350によりエンボス意匠を転写してエンボス意匠シートとするものである。
本実施例および比較例のシートにエンボス意匠を施した工程を説明すると、加熱ロール310は110℃に設定し、ついでエンボスロール350と接する直前のシート表面温度が180℃になるように赤外ヒーター330で加熱を行った。エンボスロール350は温水循環機により110℃に温調されている。なお、エンボスロールは、精密エンボス意匠と通常エンボス意匠との二種類のエンボス意匠に対応する二種類のエンボスロールを使用した。精密エンボス意匠とは、Ry(最大高さ)=14μm、Ra(中心線平均粗さ)=2.2μmの微細なプリズム状突起が転写されるエンボス意匠である。また、通常エンボス意匠とは、Ry(最大高さ)=57μm、Ra(中心線平均粗さ)=6.5μmの抽象柄(皮目調)が転写されるエンボス意匠である。
<エンボス意匠シート被覆金属板の作成>
市販されているポリ塩化ビニル被覆金属板用のポリエステル系接着剤を、積層シートを貼り合せる金属板表面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度になるようにして塗布した。次いで、赤外線ヒーターおよび熱風加熱炉により塗布面の溶剤乾燥および加熱を行った。そして、厚み0.45mmの亜鉛メッキ鋼板の表面温度を235℃に保持しつつ、直ちにロールラミネータを用いてシートを被覆・冷却することによりエンボス意匠シート被覆金属板を得た。
<積層シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板の評価>
上記の実施例および比較例で得た、積層シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板について、以下の各項目を評価した。結果を表6および表7にまとめて示した。
(1)貯蔵弾性率(E’)の測定
各実施例および比較例におけるA層についての貯蔵弾性率(E’)の測定は、岩本製作所製粘弾性スペクトロメーターを使用して行った。実施例14〜17において、A層を単層で製膜したものに関しては、単層のA層をそのまま測定試料とした。また、実施例1〜13、および、比較例1〜12において、A層とB層とを共押し出し製膜で作成したものに関しては、同一組成のA層のみを別途単層で製膜して測定試料とした。貯蔵弾性率(E’)の測定は、JIS K 7244−4:1999「プラスチック−動的機械特性の試験方法−第4部:引張振動−非共振法」に準じて行った。具体的には、上記の粘弾性スペクトロメーターを用いて、引張り法により、測定周波数10Hzにおいて、−100℃から昇温速度3℃/分で昇温し、250℃までの測定を実施した後、100℃における貯蔵弾性率(E’)を読みとった。この100℃における貯蔵弾性率(E’)を、表1に示した。
(2)積層シートの取り扱い性:反りの強弱
実施例1〜13、および比較例1〜13に関しては、共押し出し製膜法で作成した、エンボス付与前のA層およびB層からなる積層シートの取り扱い性を評価した。これら積層シートをMD方向15cm×TD方向30cmに切り出して、B層側が下面となるように定盤の上に置き、反りの状態を観察した。反りが強く完全に円筒状になってしまう場合や、定盤面から10cm以上の高さのアーチ状に反り返る場合を取り扱い性が悪いとして「×」、10cm未満であるが5cm以上の反りが出る場合を「△」、それ未満の反りの場合は、取り扱い性は良いとして「○」とした。
(3)エンボス付与適性:耐粘着性
図2に示すエンボス付与機300でエンボス意匠を付与した際に、加熱ロール310に積層シートが粘着して剥離困難になったもの、および剥離は可能であったがシートの伸び・変形が顕著であったものは「×」、軽度の粘着を示したが作業の継続が可能であり、シートの伸び・変形も実用上支障の無い範囲であったものを「△」、粘着しなかったものは「○」で示した。
(4)エンボス付与適性:耐溶断性
図2に示すエンボス付与機300でエンボス意匠を付与した際に、ヒーター330によるシート加熱中にシートが溶断したもの、およびシートの顕著な伸びや皺入り等を発生したものは「×」、軽度なシートの伸び・幅縮み等を生じたが実用上支障のない範囲であったものを「△」、これらの問題を生じなかったものは「○」で示した。この評価で「×」となったものに関しては、以降の評価を実施していない。
(5)エンボス付与適性:精密エンボス転写性
図2に示すエンボス付与機300でエンボス意匠を付与したシートを、目視で観察し、綺麗にエンボス意匠が転写しているものを「○」、これに比べてやや転写が浅い場合を「△」、転写が悪く、浅いエンボス意匠になっているもの、あるいは、エンボス意匠に無関係に単に表面が荒れているものを「×」で示した。この評価で「×」となったものに関しては、以降の評価を実施していない。
(6)エンボス付与適性:通常エンボス転写性
図2に示すエンボス付与機300でエンボス意匠を付与したシートを、目視で観察し、綺麗にエンボス意匠が転写しているものを「○」、これに比べてやや転写が浅い場合を「△」、転写が悪く、浅いエンボス意匠になっているもの、あるいは、エンボス意匠に無関係に単に表面が荒れているものを「×」で示した。この評価で「×」となったものに関しては、以降の評価を実施していない。なお、本評価は、実施例2と、実施例14〜17についてのみ実施した。
(7)エンボス耐熱性:高温気中暴露後
図2に示すエンボス付与機300でエンボス意匠を付与したシートをラミネートした金属板を105℃の熱風循環式オーブン中に3時間静置した後目視で観察した。オーブンに投入する前と比較してエンボス意匠の形状がほとんど変化していないものを「○」、これに比べてややエンボス戻りが発生している場合を「△」、エンボス戻りが顕著な場合、あるいは、エンボス意匠が完全に消失し単に表面が荒れているものを「×」で示した。
(8)エンボス耐熱性:沸騰水浸漬後
図2に示すエンボス付与機300でエンボス意匠を付与したシートをラミネートした金属板を沸騰水中に3時間浸漬した後目視で観察し、沸騰水に投入する前と比較してエンボス意匠の形状がほとんど変化していないものを「○」、これに比べてややエンボス戻りが発生している場合を「△」、エンボス戻りが顕著な場合、あるいはエンボス意匠が完全に消失し単に表面が荒れているものを「×」で示した。
(9)加工性(樹脂被覆金属板の折り曲げ加工性)
樹脂被覆金属板に衝撃密着曲げ試験を行い、曲げ加工部のシートの面状態を目視で判定し、ほとんど変化がないものを「○」、若干クラックが発生したものを「△」、割れが発生したものを「×」として表示した。なお、衝撃密着曲げ試験は次のようにして行った。被覆金属板の長さ方向および幅方向からそれぞれ50mm×150mmの試料を作製し、23℃で1時間以上保った後、折り曲げ試験機を用いて180°(内曲げ半径2mm)に折り曲げ、その試料に直径75mm、質量5kgの円柱形の錘を50cmの高さから落下させた。
(10)表面硬度(樹脂被覆金属板の鉛筆硬度試験)
積層シートを金属板にラミネートした積層シート被覆金属板について、JIS K5600−5−4:1999「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」に従い実施した。23℃の恒温室内で、80mm×60mmに切り出した樹脂被覆金属板の樹脂シート面に対し45°の角度を保ちつつ9.8Nの荷重を掛けた状態で線引きをできる治具を使用して線引きを行い、該部分の樹脂シートの面状態を目視で判定し、2Bの鉛筆で全く傷が付かなかったものを「○」、2Bでは傷が入るが、3Bの鉛筆では全く傷が付かなかったものを「△」、3Bの鉛筆でも傷が付いたものを「×」として表示した。
(11)シルク印刷適性(シルク印刷部分の折り曲げ加工性)
積層シートを金属板にラミネートした積層シート被覆金属板について、その樹脂層側最表面(A層側表面)にシルク印刷法によりベタ印刷を施し、この印刷層の乾燥硬化後に、上記(9)に記載したと同様の衝撃密着曲げ試験を実施した。曲げ加工部のシートの面状態を目視で判定し、ほとんど変化がないものを「○」、若干クラックが発生したものを「△」、割れが発生したものを「×」として表示した。シルク印刷のインクとしては、セイコーアドバンス社製の1液常乾型アクリル系インク「ABS」を使用した。
Figure 2007237568
Figure 2007237568
<評価結果>
<実施例1〜13、および比較例1〜13>
比較例13は、本発明に用いることのできるA層を単層で用いた場合であるが、エンボス付与機でのシート加熱によりシートの溶融破断を生じてしまった。
比較例1、および、比較例4の積層シートは、A層として実質的に非晶性のポリエステル系樹脂のみを用いたものであり、エンボス付与機での粘着や溶融破断はなかったが、良好な精密エンボス意匠の転写が得られなかった。これは、エンボスロールの温度が、A層の実質的に非晶性のポリエステル系樹脂のガラス転移温度より高いため、エンボス付与後の積層シートが、冷却ロールに到達するまでにエンボス戻りを生じたものと考えられる。
比較例2、および、比較例5の積層シートは、A層として、実質的に非晶性のポリエステル系樹脂と、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド組成物を用いた場合であるが、
比較例2では、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が低く、結果として100℃の貯蔵弾性率が低いため、100℃に温調したエンボスロールでは精密エンボス意匠の良好な転写を得ることができなかった。
比較例5に関しては、比較例2に用いた非晶性ポリエステル樹脂より、芳香族ポリカーボネート系樹脂との相容性に劣るものを用いた場合であり、比較例2よりポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が高いにもかかわらず、100℃の貯蔵弾性率が不足している。
これらに対して、比較例3、および、比較例6では、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が、本発明の範囲より多い場合であり、精密エンボス意匠の転写性は良好であったが、シルク印刷によりベタ印刷を施した部分に折り曲げ加工を施すと、割れを発生する結果となった。ポリカーボネート系樹脂の比率が75%質量を超えると、溶剤クラックを生じ易くなるものと考えられる。A層が芳香族ポリカーボネート系樹脂のみから成る比較例8についても同様の結果が得られている。
比較例7は、非晶性ポリエステル系樹脂として、ガラス転移温度の低い柔軟性ポリエステルを用いたものであるが、100℃での貯蔵弾性率が本発明の範囲より低く、精密エンボス意匠の良好な転写が得られなかった。
比較例9は、A層の厚みが本発明の範囲より薄い場合であり、精密エンボス意匠の良好な転写が得られなかった。
比較例10は、B層のPBT系樹脂の割合が本発明の範囲より低い場合であり、比較例11は、B層の厚みが本発明の範囲より薄い場合である。ともに、エンボス付与機でのシート加熱により、著しい積層シートの伸びを発生し、安定したエンボス付与が困難であった。
比較例12は、B層のPBT系樹脂のブレンド比率が、本発明の範囲より多い場合であり、共押し出し法で作成したA層との積層シートは、反りが顕著で取り扱いに支障を生じた。
これらに対し、実施例1〜13においては、積層シートへの精密エンボス意匠の転写性も良好であり、エンボス付与機での作業性も問題なく、シート被覆金属板にシルク印刷を施した後に折り曲げ加工を施しても、溶剤クラックに起因する樹脂層の割れを生ずることがなかった。
<実施例14〜17>
実施例14〜17は、A層とB層との間にD層を有し、さらにD層とA層との間に印刷柄Cを有する構成である。いずれの構成においても、A層、B層、およびD層の各層は、本発明の好ましい範囲にあることから、精密エンボス意匠の転写性は良好であるが、D層の付与により、通常の粗さを有するエンボス意匠の転写性も良好なものとなっている。また、表7に比較のために示したが、D層を有さない実施例2について、通常エンボス意匠の転写性を評価したが、劣った結果を示した。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う積層シート、エンボス意匠シート、エンボス意匠シート被覆金属板および建築内装材等もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
図1(a)〜図1(c)は、本発明の積層シートの層構成を示した説明図である。また、図1(d)〜図1(e)は、本発明のエンボス意匠シートの層構成を示した説明図である。また、図1(f)は、本発明のエンボス意匠シート被覆金属板の層構成を示した説明図である。 図2は、従来より軟質PVCのシートにエンボス意匠を付与するために一般的に用いられてきたエンボス付与機の模式図である。
符号の説明
10 A層
20 B層
30 印刷柄C
40 D層
60 接着剤
70 金属板
100A、100B、100C 積層シート
100D、100E エンボス意匠シート
200 エンボス意匠シート被覆金属板
310 加熱ロール
320 テイクオフロール
330 赤外線ヒーター
340 ニップロール
350 エンボスロール
360 冷却ロール

Claims (12)

  1. A層、およびB層の2層を有する積層シートであって、
    前記A層が、樹脂混合物を主体とする層であって、該樹脂混合物が、該樹脂混合物全体の質量を基準として、25質量%以上、75質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂、および、25質量%以上、75質量%以下の芳香族ポリカーボネート系樹脂を含有するものであり、
    動的粘弾性測定装置を用いて、引張り法により周波数10Hzで、該A層について単独で測定した、100℃での貯蔵弾性率(E')が、6×10Pa以上、6×10Pa以下であり、厚みが20μm以上である無配向の樹脂層であり、
    前記B層が、樹脂成分を主体とする層であって、該樹脂成分が、該樹脂成分全体の質量を基準として、融点が215℃以上、235℃以下であるポリブチレンテレフタレート系樹脂、または、融点が215℃以上、235℃以下であるポリトリメチレンテレフタレート系樹脂を、70質量%以上、95質量%以下含有するものであり、
    厚みが30μm以上である無配向の樹脂層であり、
    積層シートの総厚みが50μm以上、300μm以下である精密エンボス意匠の付与適性に優れた積層シート。
  2. 前記A層の樹脂混合物を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、芳香族ポリエステル系樹脂であって、該芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分が、テレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸を主体とするものであり、該芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジオール成分が、該ジオール成分全体を基準として、50モル%以上、75モル%以下の1.4−シクロヘキサンジメタノール、および、25モル%以上、50モル%以下のエチレングリコールを含有するものである、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記A層が、樹脂混合物を主体とする層であって、該樹脂混合物が、該樹脂混合物全体の質量を基準として、25質量%以上、50質量%以下の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂、および、50質量%以上、75質量%以下の芳香族ポリカーボネート系樹脂を含有するものであり、
    該実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、テレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とするものであり、ジオール成分が、該ジオール成分全体を基準として、25モル%以上、50モル%未満の1.4−シクロヘキサンジメタノール、および、50モル%より多く、75モル%以下のエチレングリコールを含有する、芳香族ポリエステル系樹脂である、請求項1に記載の積層シート。
  4. 前記A層が実質的に透明であり、前記A層と前記B層との間に印刷により付与された印刷柄Cを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
  5. 前記印刷柄Cと前記B層との間に、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる着色された無配向の樹脂層(D層)が配置されている、請求項4に記載の積層シート。
  6. 前記D層を構成する実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、芳香族ポリエステル系樹脂であって、該芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分が、テレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸を主体とするものであり、該芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジオール成分が、該ジオール成分全体を基準として、25モル%以上、75モル%以下の1.4−シクロヘキサンジメタノール、および、25モル%以上、75モル%以下のエチレングリコールを含有するものである、請求項5に記載の積層シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層シートにおける前記A層側表面にエンボス版により形成された凹凸形状を有する、エンボス意匠シート。
  8. 請求項7に記載のエンボス意匠シート、および金属板を備え、該エンボス意匠シートにおける前記B層側の表面が接着剤を介して該金属板上にラミネートされている、エンボス意匠シート被覆金属板。
  9. 請求項8に記載のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、ユニットバス部材。
  10. 請求項8に記載のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、建築内装材。
  11. 請求項8に記載のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、鋼製家具部材。
  12. 請求項8に記載のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、家電製品筐体部材。
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