JP2000017093A - 微細空隙含有白色ポリエステルフィルム - Google Patents

微細空隙含有白色ポリエステルフィルム

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JP2000017093A
JP2000017093A JP19042498A JP19042498A JP2000017093A JP 2000017093 A JP2000017093 A JP 2000017093A JP 19042498 A JP19042498 A JP 19042498A JP 19042498 A JP19042498 A JP 19042498A JP 2000017093 A JP2000017093 A JP 2000017093A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度のクッション性を有し、印字、印画適性
に優れた白色ポリエステルフィルムを生産性よく提供す
る。 【解決手段】 メルトフローレートが1〜100g/1
0分であるポリメチルペンテンを1重量%以上3重量%
未満、熱可塑性ポリエステルエラストマーを0.1〜
2.0重量%および平均粒径が0.1〜4μmの硫酸バ
リウム粒子を10〜25重量%含有するポリエステルか
らなる二軸配向ポリエステルフィルムであって、該二軸
配向ポリエステルフィルムが、見掛け密度1.31〜
1.45g/cm3かつ空洞率が10〜22%であるこ
とを特徴とする微細空隙含有白色ポリエステルフィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細空隙含有白色ポ
リエステルフィルムに関し、さらに詳しくは硫酸バリウ
ム粒子、ポリメチルペンテン樹脂および熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーを含有し、熱転写シート、画像紙、
離形シート、カード、ラベル、表示板、白板等の基板に
有用な微細空隙含有白色ポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、無機顔料もしくは他種ポリマーを
添加することにより白色化したポリエステルフィルムは
カード、ラベル、表示板、白板、印面紙、画像紙等の基
板として使用され、また電飾板、製図用、ラベル用等の
基板として光透過、光拡散性を有する乳白フィルムが使
用されている。
【0003】これらの白色フィルムや乳白フィルムを得
るために、白色無機粒子を適当量ポリエステル中に添加
含有させることはよく知られている。例えば、特公昭6
0−30930号公報には、硫酸バリウム粒子を分散含
有せしめた二軸延伸ポリエステルフィルムが開示され、
硫酸バリウム粒子のまわりにボイド(空所)が形成さ
れ、高い不透明度が得られ、印画紙用べースとして好適
であることが記載されている。硫酸バリウム粒子を分散
含有せしめた二軸延伸ポリエステルフィルムは、ボイド
形成に起因するフィルムの柔軟性、パール調光沢を有す
る表面性などの特微から、印画紙用べースの他に、各種
のハードコピー用フィルムのべース、離形シート、その
他種々の用途への展開が期待できる。
【0004】しかし、この二軸延伸ポリエステルフィル
ムはその表面性、即ち表面粗さ、光沢度が表裏で異なる
という問題があった。この欠点を解消するために、脂肪
族金属塩を併用することが、特公平7−68371号公
報に開示されている。しかしながら、用途の拡大、特に
プリンター用印字基材用途の拡大に伴い、印字適性を改
良しながら、さらに機械的強度の保持への要求に応えな
ければならないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解決し、適度のクッション性を有
し、印字、印画適性に優れた白色ポリエステルフィルム
を生産性よく提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、硫酸バリウム粒子とポリメチ
ルペンテン樹脂および熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーとを含有させることにより、白色のパール調の光沢を
持ち、印字適性に優れた二軸配向ポリエステルフィルム
を得ることができることを見出し本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、メルトフローレートが
1〜100g/10分であるポリメチルペンテンを1重
量%以上3重量%未満、熱可塑性ポリエステルエラスト
マーを0.1〜2.0重量%および平均粒径が0.1〜
4μmの硫酸バリウム粒子を10〜25重量%含有する
ポリエステルからなる二軸配向ポリエステルフィルムで
あって、該二軸配向ポリエステルフィルムが、見掛け密
度1.31〜1.45g/cm3かつ空洞率が10〜2
2%であることを特徴とする微細空隙含有白色ポリエス
テルフィルムである。
【0008】本発明におけるポリエステルは、酸成分と
グリコール成分とを重縮合反応させて得られる飽和ポリ
エステルであって、テレフタル酸を酸成分、エチレング
リコールをグリコール成分として製造されるポリエチレ
ンテレフタレートがその代表例として挙げられる。かか
るポリエステルは、ホモポリマーであってもよく、また
第三成分を共重合したものでもよい。本発明においては
エチレンテレフタレート単位を70モル%以上、好まし
くは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上
有するポリエステルが好ましい。
【0009】また本発明においてはポリエステルの重合
度が低すぎると、機械的強度が低下するので、その固有
粘度は0.4以上、さらに0.5〜1.2、特に0.5
5〜0.85であることが好ましい。なお、固有粘度
は、O−クロロフェノール中、35℃で測定した値であ
る。
【0010】本発明におけるポリメテルペンテン(以
下、PMPと略することがある)は、80モル%以上、
好ましくは90モル%以上が4−メチル−1−ペンテン
を重合して得られるポリマーである。かかるPMPに
は、4−メチル−1−ペンテン以外の成分を共重合する
こともできる。4−メチル−1−ペンテン以外の成分と
してはエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル
−1−ブテン等が例示される。
【0011】かかるPMPのメルトフローレート(以
下、MFRと略することがある)は1〜100g/10
分の範囲にある必要があり、好ましくは5〜80g/1
0分、さらに好ましくは8〜50g/10分の範囲であ
る。MFRが1g/10分未満の場合、未延伸シートを
延伸する工程でのフィルムの破断頻度が高くなり好まし
くない。またMFRが100g/10分を超えると、最
終的に得られるフィルムの見掛け密度が高くなり、フィ
ルムの印字適性の改良という当初の目的に反する上、軽
量化できないため好ましくない。
【0012】また、PMPのポリエステル中への添加量
は、ポリエステル樹脂に対し1重量%以上3重量%未満
の範囲、好ましくは1.5〜2.5重量%の範囲であ
る。かかる添加量が1重量%未満の場合、最終的に得ら
れるフィルムの見掛け密度が高くなり、空洞率が減少し
印字適性が低下するため好ましくない。他方3重量%以
上であると、未延伸シートを延伸する工程でのフィルム
の破断頻度が高くなり好ましくない。
【0013】本発明においては、ポリエステルにPMP
を配合させるが、この前に予め該PMP樹脂を必要濃度
以上に、例えば5〜15重量%をポリエステルに対して
含有するマスターチップを作成し、製膜に先立ってポリ
エステルチップで希釈して所望のPMP濃度を得ること
がPMPの分散性を高める上で好ましい。必要に応じて
このマスターチップに硫酸バリウムや他の白色無機顔料
を含有(例えば練り込み含有させる)させても良い。こ
の白色無機顔料の代表例として、硫酸バリウム、酸化チ
タン、酸化珪素、タルク、炭酸カルシウム、酸化マグネ
シウム等があげられる。また、無機顔料の平均粒径は
0.1〜4μmが望ましい。
【0014】ポリエステルとPMP樹脂の混合、または
白色無機顔料とPMP樹脂およびポリエステル樹脂の混
合は公知の混合手段を用いることができるが、溶融混練
法で行うのが好ましい。たとえば、PMP樹脂およびポ
リエステル樹脂を、必要に応じて白色無機顔料を一軸ま
たは二軸押出磯で溶融混練し、マスターチップとする方
法が挙げられる。
【0015】本発明における熱可塑性ポリエステルエラ
ストマー(以下、TPEEと略することがある)は、P
MP添加によるデラミ(層状剥離)性の発生を抑制する
効果がある。かかるTPEEは、熱可塑性ポリエステル
をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)
グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポ
リエーテルエステルブロック共重合体であり、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−
2,6ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン
酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリ
ウム等の如き芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸、コハク
酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ
酸、ダイマー酸の如き脂肪族ジカルボン酸またはこれら
のエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸
成分の少なくとも一種、エチレングリコール、トリメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪
族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカ
ンジメタノールなどの脂環族ジオールまたはこれらのエ
ステル形成性誘導体などから選ばれた低分子ジオール成
分の少なくとも一種および平均分子量が約400〜50
00のポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ
(1,2−および1,3−プロピレンオキシド)グリコ
ール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エ
チレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エ
チレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体など
のポリ(アルキレンオキシド)グリコールのうち少なく
とも一種の3成分からなるブロック共重合体を挙げるこ
とができる。
【0016】これらの中、デラミ性改良の点から、ポリ
テトラメテレンテレフタレート系ポリエステルをハード
セグメントとし、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエ
ーテルエステルが好ましい。このハードセグメントを構
成するポリエステル部分は、テレフタル酸またはこれと
イソフタル酸を組合せた酸成分とテトラメチレングリコ
ール成分とからなるポリテトラメチレンテレフタレート
を主たる成分とするが、この酸成分の一部(通常30モ
ル%以下)を他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸
成分で置き換えることや、グリコール成分の一部(通常
30モル%以下)をテトラメチレングリコール成分以外
の低分子グリコール成分で置き換えたポリエステルであ
ってもよい。また、ソフトセグメントを構成するポリエ
ーテル部分の一部は、テトラメチレングリコール成分以
外のジオキシ成分で置き換えたポリエーテルであっても
よい。
【0017】本発明におけるTPEEには、安定剤、紫
外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消剤、着色剤、その他各種
の改良剤等も必要に応じ含有させることができる。また
TPEEの重合度は、固有粘度で0.8〜1.7、さら
には0.9〜1.5であることが好ましい。なお、固有
粘度は、ο−クロロフェノール中、35℃で測定した値
である。
【0018】本発明におけるTPEEの融点は160〜
230℃の範囲にあることが好ましく、さらに好ましく
は180〜220℃の範囲である。TPEEの融点が1
60℃未満または230℃より高い場合、フィルムの耐
デラミ性が改良されず、好ましくない。
【0019】本発明において、ポリエステル中へのTP
EEの配合割合はポリエステル樹脂に対し0.1〜2.
0重量%、好ましくは0.2〜1.5重量%である。T
PEEの添加量が0.1重量%未満の場合、最終的に得
られるフィルムの耐デラミ性が向上せず、好ましくな
い。また、2重量%を超えてTPEEを添加しても耐デ
ラミ性の効果は飽和してしまう。
【0020】本発明における硫酸バリウム粒子はその製
法によって限定されることはなく、例えば沈降性硫酸バ
リウム、水簸性硫酸バリウム等を好ましく挙げることが
できる。かかる硫酸バリウムは市場から容易に入手する
ことができる。硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.1〜
4μm、好ましくは0.4〜3μmさらに好ましくは
0.6〜1.8μmである。平均粒子径が0.1μm未
満であるとポリエステル中に均一に分散させることが困
難であり好ましくない。また4μmより大きい硫酸バリ
ウムは製造コストが高く、かつ得られた硫酸バリウムの
粗大粒子や凝集粒子によりフィルム延伸時の破断が多く
なり好ましくない。
【0021】硫酸バリウム粒子は粒子径ができるだけ揃
っていること、換言すると粒径分布がシャープであるこ
とが好ましく、この為ポリエステルに添加する迄の任意
の段階で分級処理を施すことが好ましい。この分級処理
は任意の方法を用いることができ、例えば濾別法、沈降
分級法、風力分級法、サンドグラインダー法等を挙げる
ことができる。
【0022】硫酸バリウム粒子のポリエステル中への添
加量は10〜25重量%であり好ましくは15〜20重
量%である。この含有量が10重量%より少ないと、所
望の空洞率が得られず、クッション性が低下するばかり
か白色度が不足し、フィルムに印刷をした場合鮮鋭性が
損なわれ好ましくない。また、ポリエステル中の硫酸バ
リウムの含有量が25重量%を超えると、フィルム延伸
時の破断が多くなり好ましくない。
【0023】本発明において、ポリエステルに硫酸バリ
ウムを配合させる方法としては、予め該硫酸バリウムを
必要濃度以上に、例えば30〜70重量%をポリエステ
ルに対して含有するマスターチップを作成し、製膜に先
立ってポリエステルチップで希釈して所望の硫酸バリウ
ム濃度を得ることが硫酸バリウムの分散性を高める上で
好ましい。その際の混合手段としては公知の混合手段を
用いることができるが、溶融混練法で行うのが好まし
い。
【0024】本発明においては硫酸バリウム粒子と共に
融点120〜320℃、さらに好ましくは融点が150
℃〜280℃の脂肪酸金属塩を添加してもよい。融点が
120℃より低いものはポリエステルの溶融押出時に気
化し易いこと、また製膜工程中の加熱工程で脂肪酸金属
塩がフィルム表面にブリードアウトし、製膜工程中のロ
ール表面を汚す等の問題が発生し、好ましくない。一方
融点が320℃より高いものはポリエステル中に均一に
分散せしめることが困難となり、好ましくない。また、
フィルムを形成するポリエステルとの関係で、脂肪酸金
属塩の融点は、該ポリエステルの融点より50℃以上高
くない、さらには20℃以上高くないことが好ましい。
上記融点を満足する脂肪酸金属塩の中でも炭素数8以上
の脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ま
しい。さらに具体的にはステアリン酸バリウム、ステア
リン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン
酸ナトリウム、パルミチン酸マグネシウム等が好ましく
例示できる。特に好ましくはステアリン酸バリウム、ス
テアリン酸リチウムを挙げることができる。
【0025】ポリエステル中の脂肪酸金属塩の含有量
は、硫酸バリウム粒子に対するモル比が0.005〜
0.050となるようにすることが望ましい。該含有比
が0.005より小さくなると、実質的に有効なポリエ
ステルの降温時結晶化を抑制する効果が発現しない。一
方該含有比が0.050を超えると、ポリエステルの結
晶化を抑制する効果がほぼ飽和して増大せず、さらに該
含有比が大きくなるとむしろ抑制効果が減少する傾向を
示すので好ましくない。この結晶化抑制効果により、延
伸工程での破断が防止でき、製品フィルムの表裏差を実
質的に無くすことができる。
【0026】硫酸バリウム粒子と脂肪酸金属塩の添加時
期は製膜以前の段階であれば特に制限されない。例えば
ポリエステル製造時、殊にエステル化反応もしくはエス
テル交換反応終了後に添加する方法、ポリエステル製造
後に添加する方法、一種の添加物を含有するポリエステ
ルに残りの添加物を混合し、溶融混練する方法、一種の
添加物を含有するポリエステルと残りの添加物を含有す
るポリエステルとを溶融混練する方法等を挙げることが
できる。さらに硫酸バリウム粒子と脂肪酸金属塩を同時
にポリエステルチップと混ぜ溶融混練してもよく、この
方法はポリエステルの結晶化を抑制する効果が他の方法
より顕著で好ましい。
【0027】なお、この添加含有量の調整方法として、
予め硫酸バリウム粒子と脂肪酸金属塩を所定比率で、か
つ高濃度のマスターチップを得、これを硫酸バリウム及
び脂肪酸金属塩未添加のポリエステルで希釈する方法を
好ましく用いることができる。また必要に応じて、例え
ば二軸延伸フィルムの隠蔽性(遮光性)の向上、表面粗
さの制御のため、硫酸バリウム以外の無機微粒子を適量
含有せしめてもよく、フィルムの色相を制御するために
蛍光増白剤、有色顔料、染料などを添加してもよい。
【0028】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て具体的に説明する。
【0029】本発明の二軸配向フィルムはその製造法に
よって制限されることはなく、例えば従来から知られて
いる逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法、インフレーショ
ン法等によって製造することができる。これらのうち逐
次二軸延伸法が好ましい。逐次二軸延伸法や同時二軸延
伸法においては、所定の組成のポリエステルをダイを通
して溶融押出し、予め20〜40℃程度に設定されたキ
ャスティングドラム上にて急冷固化せしめ未延伸フィル
ムを得る。得られた未延伸フィルムの厚みは0.25m
m以上であることが好ましい。未延伸フィルムはその
後、一般によく知られた条件で延伸するが、流れ方向に
1.5〜4.5倍、これと直角方向に1.5〜4.5
倍、面積倍率で6〜15倍に延伸するのが好ましい。延
伸温度は、90℃〜140℃が好ましい。
【0030】また二軸延伸後、必要に応じて熱固定を行
うことができる。熱固定温度は180〜250℃が好ま
しい。二軸延伸後のフィルム厚みは25〜250μmで
あることが好ましい。
【0031】必要に応じて工程中に表面改質剤(各種易
接着、帯電防止等)を片面または両面に塗布することが
できる。この場合塗布工程は縦延伸の後が好ましい。
【0032】本発明のフィルムの見掛け密度は、1.3
1〜1.45g/cm3の範囲であり、好ましくは1.
31〜1.40g/cm3の範囲である。1.31g/
cm3未満であると機械的な強度や延伸性が不足するた
め好ましくない。また1.45g/cm3より大きい場
合はクッション性が不足して印字適性が不十分で、かつ
重く好ましくない。
【0033】本発明のフィルムの空洞率は10〜22%
の範囲であり、好ましくは13〜20%の範囲である。
空洞率が10%未満ではクッション性が不足し、印字適
性が不十分であり望ましくない。また22%を超すと製
造時に延伸性が悪く、フィルム切断による歩留まりが低
下し望ましくない。
【0034】見掛け密度と空洞率は、前述に記載の配合
成分、配合量そして製膜条件の好ましい範囲を選択する
ことにより、好適な範囲の値が得られるものである。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、各特性値の測定方法は下記の通りである。
【0036】(1)見掛け密度 10cm×10cmの大きさの試料を採り、その試料の
厚みをマイクロメーターで測定し、試料の体積を求め、
次いで試料の重量を測定し、1cm当りの重量を算出
する。試料数を5枚として、その平均値を見掛け密度と
する。
【0037】(2)空洞率 下記式に従って計算して求めた。 空洞率(%)=(1−見掛け密度/真密度)×100 上記式中、真密度は、ポリマー密度、顔料密度および添
加量から計算して求めた値である。 (ポリエステルの密度:1.40g/cm3 硫酸バリウム
の密度:4.47g/cm3
【0038】(3)粒子の平均粒径 島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティ
クル サイズ アナライザー(Cenirifugal
Particle Size Analyzer)を
用いて測定した。得られる遠心沈降曲線を基に算出した
各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マス
パーセントに相当する粒径を読み取り、この値を上記平
均粒径とした(Book「粒度測定技術」日刊工業新聞
発行、1975年、頁242〜247参照)。
【0039】(4)融点 柳本製作所製MICRO MELTING POINT
APPARATUSを用いて測定した。
【0040】(5)メルトフローレート ASTM D−1238に準じ、260℃、5kg荷重
下で測定した。
【0041】(6)破断強度 引張試験機(東洋ボールドウィン製,テンシロン)を用
いて,温度20℃、相対湿度50%に調節された室内に
おいて、幅10mm、長さ150mmにサンプリングし
た該フィルムを、チャック間100mm、引張速度10
mm/分にて引っ張り、得られた応力−歪み曲線の破断
時の応力から求めた。
【0042】この破断強度が11kg/mm2未満であ
るとフィルムを所望のサイズに裁断する際破断を生じ易
く、またプリンターなどの印刷機器での搬送不良を起こ
し易くなるため好ましくない。
【0043】(7)濡れ性 接触角: 協和科学(株)製接触角精密測定装置CA
−1型を使用し、ASTM D2578−1967の方
法に準じて測定した。純水をフィルム地膚面(塗工され
ていない面)上に滴下、1分後の水滴の形状を写真撮影
し、画面上から接触角を読み取った。n=5の平均値を
接触角とする。 塗工性:縦延伸後のフィルムに実施例および比較例で
示した組成の水溶液(水分散性共重合ポリエステル樹
脂、水分散性アクリル樹脂、架橋アクリル樹脂フィラ
ー、界面活性剤を56:25:10:9の割合で含む4
%濃度水溶液)をロールコーターで塗布したときの塗布
面を目視観察し、下記の基準で評価した。 ○:塗液のはじきの無いもの ×:塗液のはじきの有るもの
【0044】(8)延伸性 未延伸シートをまず縦方向に、次いで横方向に所定条件
で延伸する時、フィルムの破断頻度により、下記の基準
で評価した。 ○:殆ど破断が起こらない △:時々破断するが製品はできる ×:度々破断し、定尺品ができない
【0045】(9)印字適性 フィルムの塗布面側に下記組成のインク受容層を3μm
(固形分)の厚みにバーコートした後、日立製 VY2
00プリンターにてプリントしプリント状態を観察し下
記の基準で評価した。 <顔料受容性組成物> ポリエステル樹脂 70重量部(バイロン200:東洋紡製) ポリエステル樹脂 30重量部(バイロン290:東洋紡製) アミノ変性シリコーン 5重量部(KF393:信越化学工業製) エポキシ変性シリコーン 5重量部(X22−343:信越化学工業製) メチルエチルケトン 350重量部 トルエン 350重量部 <評価基準> ○;印字、画像が鮮明 ×;印字、画像が不鮮明で一部欠落している
【0046】(10)耐デラミ性 フィルムの地膚面側(塗工処理されていない面)に18
mm幅のセロテープを貼り、貼付部分の10cmの長さ
に亘って直径20mmの金属ロールを圧着し、10往復
させてセロテープを密着させた後、セルハンテープを密
着させた後、セロハンテープの端を持って急速に引き剥
がす。この時セロハンテープにフィルムが剥ぎ取られた
面積の程度により、下記の基準で評価した。 ○:殆ど剥がれないか、剥がれても長径2mm以下の剥
がれが5個所以内 △:剥がれた面積が全体の30%未満 ×:剥がれた面積が全体の30%以上
【0047】(11)固有粘度 O−クロロフェノール溶液に溶かし35℃の条件にて測
定した。
【0048】[実施例1〜6、比較例1〜7]固有粘度
([η])が0.64のポリエチレンテレフタレート樹
脂(ポリエステルAと称する)、ポリエステルAと表1
に記載された平均粒径の沈降性硫酸バリウム粒子を夫々
170℃で3時間乾燥しポリマー中の硫酸バリウム濃度
が40重量%になるように二軸押出機に供給し、280
℃で溶融混練し、急冷固化して硫酸バリウムマスターチ
ップ(ポリエステルBと称する)、表1記載されたメル
トフローレートのポリメチルペンテン樹脂とTPEEお
よびポリエステルAとを混合し、二軸押出機で混練した
マスターチップ(ポリエステルCと称する)を作成し
た。そして、ポリマー中の硫酸バリウム濃度、ポリメチ
ルペンテンの含有量、メルトフローレートおよびTPE
Eの含有量が表1に記載される値となるように、ポリエ
ステルAと各マスターチップ(ポリエステルB、ポリエ
ステルC)をブレンドし、160℃で乾燥したのち、2
80℃で溶融押出し、40℃に保持したキャスティング
ドラム上で急冷固化せしめ未延伸フィルムを得た。該未
延伸フィルムを100℃で縦方向に2.8倍に延伸後、
フィルムの片面にテレフタル酸−イソフタル酸−スルホ
イソフタル酸−エチレングリコール−ネオペンチレング
リコール共重合体を56重量部、メタクリル酸メチル−
アクリル酸エチル−アクリル酸−メタクリルアミド−N
ーメチロールアクリルアミド共重合体を25重量部、架
橋アクリルフィラー(40nm径)を10重量部及びエ
チレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体を9重量
部の割合で含む4%濃度水溶液(塗液)を上記フィルム
の片面にロールコーターで塗布し、次いで120℃で横
方向に3.0倍に延伸したのち、240℃で熱処理し、
厚みが100μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた
フィルムの特性を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】実施例のフィルムは白色ポリエステルフィ
ルムとして満足な特性を示している一方、比較例のフィ
ルムは本発明の要件を満たしていないため、不満足な結
果である。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、適度のクッション性を
有し、印字、印画適性に優れた白色ポリエステルフィル
ムを、安定した製膜性をもって提供することができる。
本発明の微細空隙含有ポリエステルフィルムは、プリン
ター用画像紙を始めとして、被熱転写シート、カード、
表示板、白板、印画紙、電飾板、製図用紙、離形シー
ト、金属フィルム、蒸着粘着テープの基材として有用に
用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:04 505:00 B29L 7:00 C08L 67:00 Fターム(参考) 4F074 AA26 AA65 AA66 AB05 AC30 AE01 CA03 DA02 DA08 DA24 DA45 DA52 4F210 AA12 AA24K AA45 AB16 AE01 AG01 QA02 QA03 QC06 QD08 QG15 QG18 QW06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレートが1〜100g/1
    0分であるポリメチルペンテンを1重量%以上3重量%
    未満、熱可塑性ポリエステルエラストマーを0.1〜
    2.0重量%および平均粒径が0.1〜4μmの硫酸バ
    リウム粒子を10〜25重量%含有するポリエステルか
    らなる二軸配向ポリエステルフィルムであって、該二軸
    配向ポリエステルフィルムが、見掛け密度1.31〜
    1.45g/cm3かつ空洞率が10〜22%であるこ
    とを特徴とする微細空隙含有白色ポリエステルフィル
    ム。
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