JPH0929834A - フィルム - Google Patents

フィルム

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JPH0929834A
JPH0929834A JP17886695A JP17886695A JPH0929834A JP H0929834 A JPH0929834 A JP H0929834A JP 17886695 A JP17886695 A JP 17886695A JP 17886695 A JP17886695 A JP 17886695A JP H0929834 A JPH0929834 A JP H0929834A
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film
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JP17886695A
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Kenichi Okubo
賢一 大久保
Toshiya Yashiro
敏也 家城
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スリット性に優れ、かつ高弾性を有する、優れ
た高密度磁気記録媒体用フィルムを提供する。 【解決手段】フィルム長手方向の密度むらを1%未満と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用フ
ィルム、特に高密度磁気記録媒体用フィルム、さらに詳
しくはコンピュ−タのメモリ−用途であるデジタルデ−
タストレ−ジ用として好適に用いられるフィルムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオテ−プ、デ−タメモリ−用
テ−プなどの磁気記録媒体では高密度記録化が要求さ
れ、特公平3−26453号公報などの方法が提案され
ている。またそのベ−スフィルムについては平坦性、無
欠点性などが特に要求され、例えば特開昭58−155
940号公報などが提案されている。また特に近年、テ
−プは長時間化の傾向にあり、そのベ−スフィルムの薄
膜化および高弾性化が望まれており、その目的の達成の
ため特公平2−51463号公報などに芳香族ポリアミ
ドを用いた磁気記録媒体が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
手段を用いる場合に下記の問題がある。第1に、高弾性
化を達成するためフィルムを構成する分子を高配向化す
る手段が一般に用いられるが、その場合にフィルムの伸
度低下や密度上昇が起こる場合があり、磁気テ−プなど
の形にする場合、テ−プ幅のスリット工程でのテ−プの
切断部分(エッジ)に盛り上がりが生じるいわゆる“ハ
イエッジ”や、切断面の一部あるいは全部が不連続面と
なるいわゆる“バリ”となり、テ−プ切れやテ−プ屈
曲、あるいはスリット後にテ−プをリ−ル状に巻いた際
の該リ−ル端面が歪むなどの変形や該リ−ルからのテ−
プの巻きずれなどが発生する可能性がある。また、高配
向化した際のフィルムの長手方向や幅方向の伸度や密度
のむらが大きくなる可能性があり、そのむらの部分から
前述のスリット工程でのテ−プ切れ、テ−プ屈曲、およ
びテ−プリ−ルの変形や巻きずれを引き起こす可能性が
ある。そのためスリット性向上の目的で、例えば特開昭
57−162126号公報などが提案されているが、高
弾性を有するこの種のフィルムではこの手段による対応
では困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる問題点を解決する
ために、本発明は、以下の構成からなる。すなわち長手
方向の密度むらが1%未満であることを特徴とするフィ
ルムに関することである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるフィルムに
は、ポリエチレンテレフタレ−トやポリエチレン−2,
6−ナフタレ−トなどのポリエステル、芳香族ポリアミ
ドあるいは芳香族ポリイミドなどの有機高分子体が使用
されるが、フィルムの高弾性を達成するため、主として
芳香族ポリアミドまたは芳香族ポリイミドフィルムを使
用することが好ましい。ここで「主として」とは、芳香
族ポリアミドまたは芳香族ポリイミドを50モル%以上
含むことを指す。
【0006】芳香族ポリアミドとは、次の一般式(I)
および/または一般式(II)で表される繰り返し単位を
50モル%以上、好ましくは70モル%以上含むものか
らなる。一般式(I)
【化1】 一般式(II)
【化2】 ここでAr1 、Ar2 、Ar3 は、例えば、
【化3】 などが挙げられ、X、Yは−O−、−CH2 −、−CO
−、−SO2 −、−S−、−C(CH3 2 −等から選
ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれら
の芳香環上の水素原子の一部が、塩素、フッ素、臭素な
どのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、アルキル基、
アルコキシル基などの置換基で置換されているものも含
み、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の
置換基によって置換されているものも含む。なお、Ar
1 、Ar2 、Ar3 は同じかまたは異なってもよい。ま
たこれらは2種以上の共重合体であっても良いし、混合
体であっても良い。さらに上記以外の芳香族または脂肪
族の共重合成分を50モル%未満の割合で共重合されて
いても良い。ここで共重合可能な成分としてはシクロヘ
キシレンなどの脂環族化合物、ヘキシレンなどの脂肪族
化合物を挙げることができる。また上記の芳香環がパラ
位で結合されたものが、全芳香環の50モル%以上、好
ましくは75モル%以上をを占める重合体が、フィルム
のヤング率が高く耐熱性も良好となるため好ましい。ま
た芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特に塩素)
で置換された芳香環が全体の30モル%以上であると耐
湿性が向上し、吸湿による寸法変化、剛性低下などの特
性が改善されるために好ましい。なお、芳香族ポリイミ
ドとは、重合体の繰り返し単位の中に芳香環とイミド環
を1つ以上含むものであり、一般式(III )および/ま
たは一般式(IV)で表される繰り返し単位を50モル%
以上、好ましくは70モル%以上含むものである。
【0007】一般式(III )
【化4】 一般式(IV)
【化5】 ここでAr4 、Ar6 は少なくとも1個の芳香環を含
み、イミド環を形成する2つのカルボニル基は芳香環上
の隣接する炭素原子に結合している。このAr4 は、芳
香族テトラカルボン酸あるいはこの無水物に由来する。
代表例としては次のようなものが挙げられる。
【0008】
【化6】 ここでZは−O−、−CH2 −、−CO−、−SO
2 −、−S−、−C(CH3 2 −等から選ばれるが、
これに限定されるものではない。またAr6 は無水カル
ボン酸あるいはこのハライドに由来する。Ar5 、Ar
7 は例えば
【化7】 などが挙げられ、X、Yは−O−、−CH2 −、−CO
−、−SO2 −、−S−、−C(CH3 2 −等から選
ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれら
の芳香環上の水素原子の一部が、塩素、フッ素、臭素な
どのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、アルキル基、
アルコキシル基などの置換基で置換されているものも含
み、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の
置換基によって置換されているものも含む。また本発明
の芳香族ポリイミドには他の繰り返し単位が共重合、あ
るいは単に混合されていても良い。
【0009】また、本発明の芳香族ポリアミドあるいは
芳香族ポリイミドには、フィルムの物性を損なわない程
度に滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤その他の添加剤等が
添加されていても良い。
【0010】本発明のフィルムの少なくとも一方向のヤ
ング率が900Kg/mm2 以上であることが好まし
い。すなわち磁気テ−プの出力は、テ−プと磁気ヘッド
のヘッドタッチ性の向上に伴って上がるが、そのために
基材フィルムの高ヤング率が求められる。記録方法が固
定ヘッド方式の場合は長手方向の、ヘリカルスキャン方
式の場合は幅方向の高ヤング率が特に必要であり、フィ
ルムのいずれの方向のヤング率も900Kg/mm2
満であれば、いずれの記録方式を採用しても高出力は得
られないので好ましくない。なおフィルムの少なくとも
一方向のヤング率は、好ましくは1000Kg/mm2
以上、特に好ましくは1100Kg/mm2 以上であ
る。なお、すべての方向のヤング率が900Kg/mm
2 以上であることが好ましいのは言うまでもない。な
お、本発明のヤング率を達成するため、フィルムに非磁
性金属の層を設けても良い。
【0011】本発明のフィルムの一方の面は中心線平均
粗さで0.010μm未満であることが好ましい。すな
わち磁気記録媒体とする際の磁性体を施す側の面、すな
わち磁性面は電磁変換特性の向上のために平滑面である
ことが好ましいためである。なお好ましくは、中心線平
均粗さが0.008μm未満、より好ましくは0.00
6μm未満ある。一方、他方の面は、磁気記録媒体とし
た際の走行面となるので走行性向上のため、中心線平均
粗さで0.005〜0.030μmの範囲であることが
好ましい。上記の表面粗さを達成するために、本発明の
フィルムに粒子を含有せしめても良い。すなわち粒子径
が10〜500nm、さらに好ましくは50〜400n
mの範囲であり、材料としては、例えば架橋ポリビニル
ベンゼン、アクリル粒子、架橋ポリスチレン粒子などの
有機高分子粒子、あるいは酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、コロイダルシ
リカ等の無機粒子が挙げられる。なお該粒子の形状につ
いては、突起高さや突起の形状を制御しやすい観点から
球状粒子であることが好ましい。またフィルム表面に形
成する突起の高さをそれぞれ均一にするために、該粒子
の粒度分布が相対標準偏差で0.5以下であることが特
に好ましい。該粒子の含有量は0.001〜3重量%、
好ましくは0.01〜1重量%である。該粒子を含有せ
しめる方法としては、重合前、重合中、重合後のいずれ
に添加しても良い。
【0012】なお、本発明の基材フィルムは、少なくと
も2層以上からなる積層フィルムであることが好まし
い。
【0013】本発明のフィルムの少なくとも一方の面に
水溶性高分子や微細粒子、あるいはその両方とからなる
水性塗液を塗布せしめてなる塗膜を形成しても良い。
【0014】本発明のフィルムの長手方向の密度むらは
1%未満である必要がある。すなわち、フィルムの長手
方向の密度むらが1%以上であれば、磁気テ−プなどに
加工のためテ−プ幅にスリットする際に、途中でフィル
ム伸度や引き裂き抵抗などが変わるため、ハイエッジ、
バリが途中で発生し、結果としてフィルム切れや屈曲と
なったり、あるいはテ−プ化後にリ−ル状にした際のリ
−ル変形や巻きずれなどを引き起こすなどスリット性悪
化を引き起こすため好ましくない。ここで長手方向の密
度むらとは、フィルム長手方向の任意の位置で25cm
以上の長さを採取し、5cm周期での5点の密度をそれ
ぞれ測定し下記式から求める。
【0015】(5点中の最大値−5点中の最小値)÷
(5点の平均値)×100(%) なお、長手方向の密度むらを1%未満とするためには、
第一にフィルム長手方向の厚みむらを5%未満にする方
法、具体的には計量部分を備えたギヤポンプにてポリマ
−を定量吐出する方法など、第2に、フィルムを延伸あ
るいは熱処理する際にそれぞれの箇所での熱媒の時間に
対する温度変化を、最大時と最小時の差で10℃未満の
範囲に制御する方法など、および上記方法の2種類以上
の組み合わせが有効である。なお好ましくはフィルムの
長手方向の密度むらは0.7%未満、さらに好ましくは
0.5%未満である。
【0016】本発明のフィルムの幅方向の密度むらは1
%未満であることが好ましい。すなわち、幅方向の密度
むらが1%以上であれば、磁気テ−プなどに加工のため
テ−プ幅にスリットする際に幅方向でスリット性が異な
るため、均一な条件が得られず、結果として均一な製品
が得られないため好ましくない。ここで幅方向の密度む
らとは、フィルム長手方向の任意の位置でフィルム全幅
のサンプルを採取し、幅方向に、一方の端部、一方の端
部と中央部の中間、中央部、他方の端部と中央部の中
間、および他方の端部、の計5点の密度をそれぞれ測定
し下記式から求める。
【0017】(5点中の最大値−5点中の最小値)÷
(5点の平均値)×100(%) なお、幅方向の密度むらを1%未満とするためには、フ
ィルムの幅方向の厚みむらを5%未満にする方法、具体
的には口金リップのスリット間隙を均一にする方法、口
金の幅方向でのポリマ−吐出速度を均一にする方法や口
金の幅方向の温度分布で最大値と最小値の差を10℃未
満とする方法、第2にフィルムを延伸あるいは熱処理す
る際の設備、例えば加熱ロ−ル、ラジエ−ションヒ−タ
−、ステンタ−やオ−ブンなど、の幅方向の温度分布を
最大値と最小値の差で10℃未満の範囲に制御する方法
などが有効である。なお好ましくはフィルムの幅方向の
密度むらは0.7%未満、さらに好ましくは0.5%未
満である。
【0018】本発明のフィルムの平均密度ρ(g/cm
3 )が1.35〜1.55の範囲であることが好まし
い。すなわち、平均密度が1.55より大きければ、フ
ィルムの伸度や引裂きに対する抵抗が低下し、結果とし
てスリット性が低下するので好ましくない。また平均密
度が1.35未満であれば、吸湿による変形が大きくな
り、また塗工および/又はスリット時のフィルムの弾性
変形を引き起こし易く、テ−プ化後、リ−ル状にした際
に変形緩和によるリ−ル変形を引き起こすため好ましく
ない。ここで、平均密度とは、前述の、長手方向に5点
の測定値の平均値と、幅方向の5点の測定の平均値を足
して2で除した値である。なお、より好ましくは本発明
のフィルムの平均密度ρ(g/cm3 )は1.40〜
1.52の範囲であり、さらに好ましくは1.45〜
1.51の範囲である。
【0019】本発明のフィルムは、異物を除去するため
ポリマ−の溶融状態、あるいは溶液状態にて濾過精度と
して4000nm未満のフィルタ−を通過せしめてポリ
マ−中に存在する粗大異物を除去することが好ましい。
ここでフィルタ−の濾過精度とは、粒子をポリマ−ある
いは溶媒などに分散し、フィルタ−を通過させた時に、
丁度95%フィルタ−上に補足された粒子の粒径として
定義する。当然この濾過精度の値が小さくなるほど、よ
り小さな異物の除去が可能となる。なお好ましくは30
00nm未満、さらに好ましくは1500nm未満であ
る。なお複合フィルムとする場合は、少なくとも磁性面
側のポリマ−を通過させるフィルタ−は、上記の範囲で
あることが好ましい。また、キャスティングおよび延伸
装置の雰囲気を、周囲をエアフィルタ−にて覆う方法、
あるいはいわゆるクリ−ンル−ム化を採用しても良い。
この際の雰囲気のクリ−ン度は、好ましくはアメリカ連
邦規格Fed.Std.209Bに定めるクリ−ンル−
ム規格で、クラス1000よりクリ−ンであることであ
る。
【0020】なお本発明のフィルムは、厚みが7μm未
満であることが好ましい。すなわち厚みが7μm以上で
あれば、カセットにした際の長時間化が困難となる。な
お厚みは、好ましくは6μm未満、より好ましくは5μ
m未満である。
【0021】次に本発明フィルムの製造方法について述
べるがこれに限定されるものではない。芳香族ポリアミ
ドを使用する場合は、N−メチルピロリドン、ジメチル
アセトアミドなどの非プロトン性有機溶媒中で酸クロラ
イドとジアミンの溶液重合にて得る。この際に発生する
塩化水素は水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化
リチウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤あるいはエ
チレンオキサイド、トリエチルアミン、ジエタノ−ルア
ミンなどの有機の中和剤によって中和する。これらのポ
リマ溶液はそのまま製膜原液として使用しても良く、ま
た、一旦単離したのち有機溶剤あるいは硫酸などの無機
溶剤に再溶解して用いても良い。また表面粗さの調整な
どのため、粒子を添加する場合は、この際に添加するこ
とが好ましい。なお添加方法および希釈方法は公知の方
法が適用できる。このようにして得られた製膜原液を、
いわゆる溶液製膜法によってフィルム化する。なお、溶
液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがあり、い
ずれの方法を用いても差支えないが、ここでは乾湿式法
を例にとる。まず製膜原液を口金からドラム、エンドレ
スベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでか
かる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜自体が自己支持性を
持つまで乾燥する。この際に吸引あるいは圧空によって
製膜原液をベルトに密着せしめることが好ましい。ま
た、製膜原液の吐出については計量部分を備えたギヤポ
ンプを用いて定量吐出することが好ましい。続いて該薄
膜を支持体から剥離し、水中を通過させ脱塩、脱溶媒す
る。この際に該薄膜の延伸を行っても良い。続いて該薄
膜の両端を把持した状態で、幅方向の温度の最大値と最
小値の差が10℃以内であるステンタ−にて該薄膜を乾
燥する。さらに該薄膜の両端を把持した状態で、幅方向
の温度の最大値と最小値の差が10℃未満であるステン
タ−にて100〜400℃の温度範囲で5秒間以上熱処
理する。なお時間に対する温度変化について、それぞれ
の延伸あるいは熱処理の箇所で最大時と最小時の差を1
0℃未満とすることが好ましい。最終的には所定の幅に
裁断し製品とする。なお磁気記録媒体とするには、該フ
ィルムの表面に磁性体粉末を含んだ高分子バインダ−を
塗布する方法、あるいはコバルト等の磁性金属を減圧下
で蒸着する方法によって磁性体を施し、表面処理などを
施した後に所定の幅にスリットし、カセット等に組み込
み製品とする。このようにして得られたテ−プは、高密
度磁気記録媒体用途に特に好適である。
【0022】
【特性の測定法】本発明の特性値は次の測定法、評価基
準によるものである。
【0023】ヤング率の測定 フィルムを試料幅10mm、長さ150mmに切断し、
チャック間100mmにして引張速度300mm/分、
チャ−ト速度500mm/分、25℃の温度にて、イン
ストロンタイプの万能引張試験装置で引張る。得られた
荷重−伸び曲線の立上がり部の接線よりヤング率を求め
る。
【0024】表面粗さ(Ra) 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定
の平均値をもって値とした。
【0025】・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :0.5mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Raの定義は、たとえば奈良治郎著「表面粗さの
測定・評価法」(総合技術センタ−、1983)に示さ
れているものである。
【0026】フィルムの密度の測定 フィルムの各箇所の密度は、密度勾配管法により、四塩
化炭素とn−ヘプタンの混合液を用いて25.0℃で測
定した。
【0027】スリット性の評価 得られたフィルムの磁性面側に、以下の組成からなる磁
性塗膜を乾燥後の膜厚で2μmとなるように塗設した。
【0028】 ・γ−Fe2 3 微粉末:200重量部 ・ポリウレタン樹脂 : 30重量部 ・ニトロセルロ−ス : 10重量部 ・塩化ビニル : 10重量部 ・ポリイソシアネ−ト: 5重量部 (溶媒:メチルエチルケトン)このようにして得られた
磁性層塗設後のフィルムを、1/2インチにスリット
し、3000mの長さにリ−ル状に巻き取った。スリッ
ト性の評価は、得られたテ−プ端部の顕微鏡による観
察、およびリ−ル形状について下記基準により判定し
た。なおスリット性は○が良好であり、×が不良、△は
これらの中間である。
【0029】(エッジ端部の判定基準) ・端部の盛り上がりやバリが見られない :○ ・やや端部の盛り上がり、あるいはバリが見られる:△ ・端部の盛り上がり、およびバリが一目でわかる :× (リ−ル形状の判定基準) ・リ−ル端面の歪み、および巻きずれがない :○ ・軽度のリ−ル端面の歪み、あるいは部分的に巻きずれがある :△ ・リ−ル端面の歪みが一目で分かる、あるいは全面的に巻きずれがある:×
【0030】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を更に詳細に説明
する。
【0031】(実施例1)N−メチルピロリドン(NM
P)に芳香族ジアミン成分として85モル%に相当する
2−クロルパラフェニレンジアミンと、15モル%に相
当する4、4´−ジアミノジフェニルエ−テルとを溶解
させ、これに100モル%に相当する2−クロルテレフ
タル酸クロリド部を添加し、2時間撹拌し重合した。こ
れを水酸化リチウムで中和して、ポリマ−濃度10重量
%、粘度3000ポイズの芳香族ポリアミド溶液を得
た。この溶液に、一次粒径16nmの乾式シリカをポリ
マ当たり2重量%添加した。
【0032】このようにして得られたポリマ−溶液を用
いて、クリ−ン度がクラス1000の製膜室内で製膜し
た。まずこのポリマ−溶液を濾過精度4μmのフィルタ
−で濾過した後にベルト上に流延し、180℃の熱風で
2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己支持性を得たフィ
ルムをベルトから連続的に剥離した。次に水槽内へフィ
ルムを導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出
を行った。この際にフィルムの長手方向に1.2倍に延
伸を実施した。水抽出終了後、幅方向の平均温度280
℃のステンタ−にて乾燥、幅方向に1.3倍に延伸、お
よび熱処理を合計1.5分間行い、20℃/秒の速度で
徐冷した。この際のステンタ−について、幅方向の温度
分布を最大値と最小値の差を6℃とし、また時間に対す
る温度変化を最大時と最小時の差で4℃に制御した。最
終的に厚さ5μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。
得られたフィルムはテ−プにスリットした際のエッジ端
部の形状およびリ−ル形状ともに良好であった。
【0033】(実施例2)実施例1の方法において、ス
テンタ−について、幅方向の温度分布を最大値と最小値
の差を6℃とする代わりに4℃とし、また時間に対する
温度変化を最大時と最小時の差で4℃に制御する代わり
に2℃に制御した他は、実施例1と同じ方法で本発明を
実施した。実施例1に比べ、スリット性はさらに良好で
あった。
【0034】(実施例3)実施例1の方法において、フ
ィルム長手方向の1.2倍の延伸に対して1.15倍の
延伸に、幅方向の1.3倍の延伸に対して1.4倍延伸
する他は、実施例1と同じ方法で本発明を実施した。実
施例1に比べ、幅方向の高ヤング率が得られ、また実施
例1と同様に、スリット性は良好であった。
【0035】(実施例4)実施例1の方法において、ス
テンタ−について、幅方向の温度分布を最大値と最小値
の差を6℃とする代わりに15℃とする他は、実施例1
と同じ方法で本発明を実施した。実施例1に比べ、幅方
向でスリット性の違いがあり、一部バリのあるリ−ルが
あった。
【0036】(実施例5)実施例1の方法において、ス
テンタ−について幅方向の平均温度280℃の代わりに
320℃とし、乾燥、幅方向に1.3倍に延伸、および
熱処理を合計1.5分間行う代わりに合計3.0分間行
う他は、実施例1と同じ方法で本発明を実施した。実施
例1に比べ、ややバリがあるリ−ルが多かった。
【0037】(比較例1)実施例1の方法において、ス
テンタ−について、時間に対する温度変化を最大時と最
小時の差で4℃に制御する代わりに20℃に制御した他
は、実施例1と同じ方法で本発明を実施した。実施例1
に比べ、スリット性は悪化した。
【0038】(比較例2)実施例1の方法において、ス
テンタ−について、幅方向の温度分布を最大値と最小値
の差を6℃とする代わりに20℃とし、また時間に対す
る温度変化を最大時と最小時の差で4℃に制御する代わ
りに20℃に制御した他は、実施例1と同じ方法で本発
明を実施した。実施例1に比べ、スリット性は著しく悪
化した。
【0039】(比較例3)実施例1の方法において、ス
テンタ−について、幅方向の温度分布を最大値と最小値
の差を6℃とする代わりに20℃とし、また時間に対す
る温度変化を最大時と最小時の差で4℃に制御する代わ
りに20℃に制御し、さらに乾燥、幅方向に1.3倍に
延伸、および熱処理を合計1.5分間行う代わりに合計
3.0分間行う他は、実施例1と同じ方法で本発明を実
施した。実施例1に比べ、スリット性は著しく悪化し、
スリットの途中でフィルム切れの発生した箇所があっ
た。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明フィルムは、密度のむらの少ない
フィルムにより、スリット性に優れ、かつ高弾性を有す
る磁気テ−プ、特に詳しくは高密度磁気記録媒体テ−プ
に適した磁気記録媒体用フィルムを提供することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 C08L 77:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向の密度むらが1%未満であること
    を特徴とするフィルム。
  2. 【請求項2】該フィルムの少なくとも一方向のヤング率
    が900Kg/mm2 以上であることを特徴とする請求
    項1に記載のフィルム。
  3. 【請求項3】幅方向の密度むらが1%未満であることを
    特徴とする請求項1あるいは2に記載のフィルム。
  4. 【請求項4】該フィルムの平均密度ρ(g/cm3 )が
    1.35〜1.55の範囲であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
  5. 【請求項5】該フィルムが主として芳香族ポリアミドま
    たは芳香族ポリイミドからなることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のフィルム。
  6. 【請求項6】厚みが7μm未満であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム。
  7. 【請求項7】該フィルムが磁気記録媒体用途に使用され
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフ
    ィルム。
  8. 【請求項8】該フィルムが高密度磁気記録媒体用途に使
    用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載のフィルム。
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