JPH09293498A - リチウムイオン電池用負極及びその製造方法 - Google Patents
リチウムイオン電池用負極及びその製造方法Info
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- JPH09293498A JPH09293498A JP8106763A JP10676396A JPH09293498A JP H09293498 A JPH09293498 A JP H09293498A JP 8106763 A JP8106763 A JP 8106763A JP 10676396 A JP10676396 A JP 10676396A JP H09293498 A JPH09293498 A JP H09293498A
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Abstract
ラリーを、無開孔金属芯体に親密かつ強固に結着し得る
方法、及びそのように結着された集電効率のよいリチウ
ムイオン電池用負極を提供する。 【解決手段】 リチウムをインターカレート・デインタ
ーカレートまたは/およびドープ・脱ドープする炭素粒
子と、無開孔金属芯体と、前記炭素粒子を無開孔金属芯
体に結着する結着剤とを有してなるリチウムイオン電池
用負極において、前記結着剤が、少なくとも、炭素粒子
表面を被覆する第一の糊料と、第1の糊料で被覆された
前記炭素粒子を被覆する第2の糊料とで組成されること
を特徴とする。
Description
池用の負極に関するものである。
は、高電圧・高エネルギー密度であり、また自己放電が
少ないという特徴を有する。その一方、電解質のイオン
伝導速度が小さいため、十分な電流密度が得られにく
く、重負荷特性が悪いという欠点がある。このため、リ
チウムイオン電池においては、この欠点を補うべく、薄
く比面積の大きい正負電極を接近させて対抗配置する手
段が採用されている。
る負極は、炭素材料と結着剤とからなる活物質スラリー
を導電性芯体(金属箔など)に塗布し結着させる方法
(以下、スラリーコーティング法という)で製造されて
いるが、スラリーコーティング法においては、結着強度
を高めるため、多数の孔を設けた開孔芯体を用いるのが
一般的である。この理由は、開孔芯体を用いた場合には
開孔を介して芯体の表裏両面の活物質層が連結されるの
で、活物質層を芯体に強固に結着でき、またこの開孔が
イオンの表裏両面への移動を可能にするので、イオン伝
導の点で有利だからである。
の如く、電池性能を高めるために極薄の芯体(10〜2
0μm)を使用する必要があるが、極薄の芯体(金属
箔)に多数の開孔を設けた場合、芯体の強度が脆弱にな
り取扱性(電極の生産性)が悪くなる。よって、取扱性
・生産性の面から開孔芯体を用い難い。また、正負両極
の間でリチウムイオンを出し入れすることにより電気を
取り出すリチウムイオン電池においては、開孔芯体を用
いるのが妥当でない独自の理由が存在する。
リチウムイオンを出し入れするためには、セパレータを
介して直接相対向(最短距離における対向)する正負活
物質の容量が好適にバランスしている必要があり、相対
向する正負活物質容量に過不足があると、正極から放出
されたリチウムイオンが対向する負極の活物質に十分吸
収されない。このリチウムイオンは金属リチウム(デン
ドライト)として析出し、内部短絡等の原因となる。し
かして、電極芯体が開孔を有するものである場合、当然
に開孔内にも活物質が充填されているので、電極の厚み
方向の活物質量は、非開孔部分(孔がない部分)よりも
開孔部分の方が多い。また、開孔部分では正極から放出
されたリチウムイオンが、開孔を介して反対側の負極活
物質にまで入り込む。つまり、開孔部分と非開孔部分と
において、正負活物質容量のバランスが不連続的に変動
し、開孔が正負活物質量のバランスを壊す原因になるの
で、開孔芯体を使用するのは妥当でない。
ィング法を適用した場合、下記のような問題がある。
ティング法を適用した場合、芯体近傍の活物質スラリー
は、片側が無開孔芯体により外気と遮断され、これと反
対側も一定の厚みの活物質スラリー(溶液層)で覆われ
ているので、芯体近傍の活物質スラリーは、直接外気に
触れることができない状態にある。よって、芯体近傍の
活物質スラリーは、芯体から遠い表層の乾燥に伴う表層
側への拡散移動により徐々に乾燥されることになるが、
この溶媒の拡散移動に付随し結着剤成分も表層側に移動
する。このため、最も結着力を必要とする芯体/活物質
層界面の結着剤濃度が低下し、結着剤をあまり必要とし
ない表層面の結着剤濃度が高まる。つまり、従来のスラ
リーコーティング法を無開孔芯体に適用した場合には、
乾燥過程で芯体/活物質層界面に薄く、表層に濃いとい
う結着剤の偏在化現象が生じるので、孔を介した連結力
がないことに加え、結着剤の偏在化により一層密着性、
結着性が弱いものとなる。
着剤の偏在化という問題を解消するために、スラリーコ
ーティング法の改良法が種々提案されている。例えば、
特開昭62−160656号公報や特開平3−2257
50号公報では、予め活物質を含む活物質シートを作っ
ておき、これを導電性接着剤で金属箔集電体に接着させ
る技術が提案されている。
テフロンシート上で外側(シート面より離れる方向)に
バインダーリッチ面が形成されるようにして、活物質シ
ートを作製し、このバインダーリッチ面を集電体側に当
接させて圧着することにより、活物質と集電体との結着
強度を高める技術が提案されている。
の問題点を有しており、極薄のリチウムイオン電池用負
極における諸問題を解消でき難い。
には、上記したように電極の厚みを薄くし、正負電極の
対向面積を大きくする必要がある。しかし、極薄の活物
質シートのみを作製するのは容易ではなく、また仮に作
製できたとしても、極薄の活物質シートは脆弱で取扱性
が悪い。よって、技術的及び生産性の面から、この技術
はリチウムイオン電池用負極に妥当しない。
めた場合、芯体(集電体)/活物質層界面の電気抵抗の
上昇を招き、集電効率が低下するという問題がある。
を芯体に結着する方法は、2段階の工程(以下、2段階
法という)を必要とするので、活物質スラリーを直接芯
体に塗布・乾燥して結着する方法(スラリーコーティン
グ法)に比べ、生産性が悪い。
がすためには、活物質シートを十分に乾燥させる必要が
あるが、この場合、芯体に圧着しても親密で強固な結着
が得られ難くなる。特に、劈開性や自己滑沢性を有する
黒鉛を負極活物質とする場合においては、加圧によって
新たな表面(劈開面)が出現するので、十分な結着が得
られない。
リーコーティング法および2段階法における上記問題点
を解消することを目的とするものであり、炭素粒子から
なる活物質スラリーを親密かつ強固に無開孔金属芯体に
結着し得る方法、及びそのように結着された集電効率、
サイクル特性に優れるリチウムイオン電池用負極を提供
しようとするものである。
ーティング法につい種々な検討を加えた結果、炭素粒子
(活物質)を第1の糊料と第2の糊料で順次被覆する手
法により、上記目的が達成できることを見出し、以下の
構成の本発明を完成させた。
ムをインターカレート・デインターカレートまたは/お
よびドープ・脱ドープする炭素粒子と、無開孔金属芯体
と、前記炭素粒子を無開孔金属芯体に結着する結着剤
と、を有してなるリチウムイオン電池用負極において、
前記結着剤が、炭素粒子を被覆する第一の糊料と、第1
の糊料で被覆された前記炭素粒子を更に被覆する第2の
糊料とで組成されたことを特徴とする。
チウムイオン電池用負極において、前記第1の糊料が非
極性溶媒に溶解するものであり、前記第2の糊料が極性
溶媒に溶解するものであるか、又は前記第1の糊料が極
性溶媒に溶解するものであり、前記第2の糊料が非極性
溶媒に溶解するものであることを特徴とする。
チウムイオン電池用負極において、非極性溶媒が、シク
ロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシ
レンよりなる群から1種以上選択されるものであり、極
性溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、アルコール、
ケトン、水よりなる群から1種以上選択されるものであ
ることを特徴とする。
3記載のリチウムイオン電池用負極において、前記炭素
粒子が、黒鉛であることを特徴とする。
ムをインターカレート・デインターカレートまたは/お
よびドープ・脱ドープする炭素粒子と、無開孔金属芯体
と、前記炭素粒子を無開孔金属芯体に結着する少なくと
も第1の糊料と第2の糊料とで組成される結着剤とを有
してなるリチウムイオン電池用負極の製造方法であっ
て、炭素粒子と、第1の糊料を溶解した第1糊料溶液と
を混練し、炭素粒子表面に第1糊料を付着させた第1糊
料炭素粒子塊状体を作製する第一工程と、前記第1糊料
炭素粒子塊状体と、第2の糊料を溶解した第2糊料溶液
とを混練して、芯体塗布用の活物質スラリーを作製する
第二工程と、前記活物質スラリーを、無開孔金属芯体に
塗布し結着させる第三工程と、を備えることを特徴とす
る。
5記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法におい
て、第2糊料溶液の粘度を、第1糊料溶液の粘度よりも
低く調製することを特徴とする。
5又は6記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法に
おいて、第1糊料溶液の溶媒として非極性溶媒を用い、
第2糊料溶液として極性溶媒を用いるか、又は第1糊料
溶液の溶媒として極性溶媒を用い、第2糊料溶液として
非極性溶媒を用いることを特徴とする。
7記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法におい
て、前記非極性溶媒が、シクロヘキサン、n−ヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンよりなる群から1種
以上選択されるものであり、前記極性溶媒が、N−メチ
ル−2−ピロリドン、アルコール、ケトン、水よりなる
群から1種以上選択されるものであることを特徴とす
る。
5、6、7又は8記載のリチウムイオン電池用負極の製
造方法において、前記炭素粒子として黒鉛を用いること
を特徴とする。
覆する第一の糊料と、第1の糊料で被覆された前記炭素
粒子を更に被覆する第2の糊料とで炭素粒子相互および
炭素粒子からなる活物質層を芯体に結着させた構成を採
用している。この構成であると、スラリーコーティング
法における結着剤の拡散移動に起因して発生する芯体/
活物質層界面における結着力不足が解消でき、炭素粒子
相互および炭素粒子と芯体が均一かつ強力に結着された
負極が得られる。そして、本発明の作用効果は、劈開性
や自己滑沢性を有する黒鉛において顕著に発揮される。
以下、本発明の内容を本発明製造方法を中心にして説明
する。
第1糊料溶液と混練するが、この混練により炭素粒子の
表面を第1の糊料で被覆したもの(第1糊料炭素粒子塊
状体)を得られる。次いで、この第1糊料炭素粒子塊状
体を前者より低粘度の第2糊料溶液と混練することによ
り、第1の糊料で被覆された前記塊状体の表面を第2の
糊料で取り囲ませることができる。前記したように、活
物質スラリー中の結着剤は、乾燥過程における溶媒の移
動に随伴し、ある程度溶媒の移動方向に移動するが、こ
のような2層の糊料層で構成された活物質スラリーであ
ると、異なる物性を有する糊料層(極性溶媒に溶ける糊
料層と非極性溶媒に溶ける糊料層)が相互に他方の糊料
の移動を抑制するように作用するので、結着剤(糊料)
の偏在化が起こり難い。また、仮により粘度の小さい第
2糊料溶液の糊料が溶媒の移動に伴って移動したとして
も、炭素粒子表面近傍に存在する第1の糊料が芯体との
結着に寄与するので、芯体/活物質層界面の密着性が悪
くなるという問題が解消できる。
燥で負極を作製できる。したがって、活物質層の作製と
芯体に対する接着とを分け、2段階の工程で負極を作製
する前記方法(2段階法)に比較し生産性がよいと共
に、極薄電極の製造に適するという利点を有する。
用負極の断面模式図(片面のみ)を示す。図1に示すよ
うに、本発明負極では、炭素粒子(1)を第1の糊料
(2)が取り囲み、更にその周囲を第2の糊料(3)が
取り囲んだ状態が形成されている。そして、無開孔芯体
(4)近傍では、炭素粒子(1)を直接取り囲んだ第1
の糊料(2)が炭素粒子と芯体との結着に寄与してい
る。なお、本明細書においては、「被覆」を「付着」を
含む意味で使用してある。付着であっても、本発明の目
的がある程度達成できるからである。よって、「炭素粒
子を被覆する」とは、必ずしも炭素粒子が完全に包みこ
まれた状態を意味するものではない。
施の形態を明らかにする。
極性溶媒に溶解するものとし、第2の糊料を極性溶媒に
溶解するものとするか、又は第1の糊料を極性溶媒に溶
解するものとし、第2の糊料を非極性溶媒に溶解するも
のとして組成するのがよい。また、前記第1糊料溶液
は、より粘性の強い糊料を用いるか、或いは溶媒の使用
量を少なくすることにより、第2糊料溶液よりも高粘度
とした糊料溶液を用いるのがよい。更に、糊料溶液の調
製に際しては、互いに相溶性がない溶媒を使用するのが
よい。具体的には、第1糊料溶液の溶媒として非極性溶
媒を用い、第2糊料溶液として極性溶媒を用いるか、又
は第1糊料溶液の溶媒として極性溶媒を用い、第2糊料
溶液として非極性溶媒を用いるのが好ましい。
て、例えばオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピ
レン等)、ノルマルブチルゴム以外のゴム系樹脂(スチ
レンプロピレンゴム、ブタジエンゴム等)が使用可能で
ある。このうち、接着強度が強いという点でノルマルブ
チルゴム以外のゴム系樹脂が好適に使用できる。
例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、カルボキ
シメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどが使用
でき、このうち、ポリフッ化ビニリデンが化学的安定性
が高い点で好ましい。
サン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンよ
りなる群から1種以上選択されるものを使用するのがよ
い。
−ピロリドンなどの窒素化合物、メタノールなどのアル
コール類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセト
ンなどのケトン類、酢酸メチルなどのエステル類や水が
例示でき、好ましくはN−メチル−2−ピロリドン、ア
ルコール、ケトン、水よりなる群から1種以上選択され
るものを使用するのがよい。
ン、キシレンが挙げられ、特に好ましい極性溶媒とし
て、取扱性が良いという点で水が挙げられる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピル
ケトン、メチル−n−ブチルルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類をいい、
一般には、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケ
トン、ジイソブチルケトンが使用され、好ましくは経済
性の点からアセトンが使用される。
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノールなどのアルコール類をい
い、一般には粘性が小さく(又は分子量の小さく)、極
性が大きく、かつコストの面からメタノール、エタノー
ルが選択される。
料溶液と第2糊料溶液との関係を上記のように構成した
場合、溶媒の移動に伴って芯体/活物質層界面近傍の結
着剤濃度が低下するというスラリーコーティング法にお
ける問題点が一層よく解消できる。なぜなら、第1糊料
溶液が、第2糊料溶液よりも高粘度であれば、仮に第2
糊料溶液中の糊料が溶媒の移動に伴って電極の表層側に
に移動する現象が生じたとしても、より高粘度の第1糊
料溶液中の糊料は殆ど移動しない。また、炭素粒子表面
に付着ないし被覆された第1の糊料が、実質的に炭素粒
子相互の隙間(第2の糊料が移動する隙間)を少なくす
るように作用するので、第1の糊料の電極表層への移動
が抑制されるからである。ここで特に、両糊料および双
方の溶媒が互いに相溶性がないものである場合(極性溶
媒と非極性溶媒)には、一層効果的に糊料の移動を抑制
できる。
(負極活物質)として黒鉛を用いた場合において一層顕
著に発揮される。その理由は次の通りである。黒鉛は、
劈開性や自己滑沢性を有するので、予め黒鉛(活物質)
シートを作製し、これを芯体に加圧圧着する前記2段階
法を用いた場合、加圧に際し新たな劈開が現れる等のた
め十分な結着力が得られ難い。然るに、本発明方法であ
れば、電極の圧延時に新たな劈開面が出現したとして
も、劈開面近傍には第1糊料溶液が存在しており、更に
その周囲には第2糊料溶液が存在するので、これらの結
着剤が新たな劈開面を覆う結果、十分な結着力が得られ
る。
質が黒鉛粒子であっても、芯体との好適な密着性が確保
され、サイクルの進行による集電効率の低下や活物質の
脱落を防止できる。よって、コークスに比較し放電特性
に優れるという黒鉛の利点を有効に引き出すことができ
る。
金属材料からなる無開孔芯体が使用できるが、一般には
リチウムと合金化しにくく、箔化し易いことから、銅
箔、ニッケル箔などが使用される。
物質)としては、リチウムイオンをドープ・脱ドープ等
する所謂難黒鉛化炭素やコークス、又はリチウムイオン
をインターカレート・デインターカレートする黒鉛(天
然黒鉛、人工黒鉛を問わない)など、リチウムイオン電
池用負極に使用される種々の炭素材料が使用可能であ
る。また、これらの炭素粒子の粒子径は特に限定される
ものではなく、スラリ−性及び塗布性を考慮して、適当
に決めることができる。
明する。
天然黒鉛粉末・100重量部と、熱可塑性炭化水素系ゴ
ム(日本合成ゴム(株)製 DYNARON(商品名))をトル
エンに25wt%溶解した第1糊料溶液(6300cp
s) ・25重量部とを、ミキサーで30分間混練して第
1糊料炭素粒子塊状体(以下、高粘度塊状体という)を
作製した。この高粘度塊状体・100重量部に、第2糊
料溶液としてカルボキシメチルセルロースの0.5wt%
水溶液(80cps )を200重量部加え、ミキサーで
1時間混練して電極塗布用の活物質スラリーを作製し
た。この活物質スラリーの粘度は、1000cpsであ
った。なお、粘度は、B型粘度計で測定したものであ
る。
mの銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、ローラープレス
機で圧延して、電極厚み140μm(各面の活物質層厚
み60μm)、5cm×5cmの実施例1にかかるリチ
ウムイオン電池用負極を作製した。
天然黒鉛粉末・100重量%と、キシレン100重量部
に低密度ポリエチレン樹脂(日本石油社製日石スタフレ
ン)を30wt%溶解した第1糊料溶液(3600cp
s)・25重量部とを、ミキサーで30分間混練して、
高粘度塊状体を作製した。この高粘度塊状体・100重
量部に、第2糊料溶液としてカルボキシメチルセルロー
スの0.5wt%メタノール溶液(60cps)・150
重量部を加え、ミキサーで1時間混練して電極塗布用の
活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーの粘度
は、950cpsであった。
様にして、実施例2にかかるリチウムイオン電池用負極
を作製した。
天然黒鉛粉末・100重量部と、N−メチル−2ピロリ
ドンにポリビニリデンフロライドを30wt%溶解した第
1糊料溶液(4200cps)・20重量部とを、ミキ
サーで30分間混練して、高粘度塊状体を作製した。こ
の高粘度塊状体・100重量部に、カルボキシメチルセ
ルロースの0.5wt%シクロヘキサン溶液(40cp
s)を160重量部加え、ミキサーで1時間混練して、
電極塗布用の活物質スラリーを作製した。この活物質ス
ラリーの粘度は、930cpsであった。
様にして、実施例3にかかるリチウムイオン電池用負極
を作製した。
天然黒鉛粉末・100重量部と、N−メチル−2ピロリ
ドンに5wt%ポリビニリデンフロライドを溶解した溶液
(45cps)・200重量部とを、ミキサーで1時間
混練して電極塗布用の活物質スラリーを作製し、この活
物質スラリーを用い実施例1と同様にして、比較例1に
かかるリチウムイオン電池用負極を作製した。なお、こ
の活物質スラリーの粘度は、980cpsであった。
からなる活物質スラリーを、テフロンシートの上に塗布
し、自然乾燥して厚み85μmの塗布層を作製した。こ
の塗布層をテフロンシートから注意深く剥がし、芯体を
有さない活物質シートを得た。次いで、この活物質シー
トの外気と接していた面(テフロンシートに接していた
面と反対側の面)を、集電体である銅箔(20μm)の
表面に当接させ、その上からローラープレス機で加圧
し、活物質シートを銅箔に圧着した。このようにして、
活物質層の厚みが約60μm、縦横サイズが実施例1と
同様の比較例2(2段階法)にかかるリチウムイオン電
池用負極を作製した。
56号公報の技術に基づいて作製したものである。
験片の中央部に10mm×10mmの切り込み領域を設
定し、鋭利なカッターナイフで縦横に1mm間隔に切り
込みを入れ、100個の碁盤目を作った。この切り込み
領域全面に文房具用のセロテープを張りつけ、指先でよ
く押さえた後、セロテープを剥がした。そして、活物質
層が剥離しなかった碁盤目の数を数えた。また、活物質
層が剥離しなかった碁盤目に対応する箇所のセロテープ
の汚れ具合(黒鉛粒子の付着程度)を肉眼観察した。
質層の結着力の強さは、実施例1>実施例2>実施例3
>比較例2>>比較例1の順であった。この結果から、
本発明にかかる負極(実施例1〜3)の活物質層は、比
較負極に比べ格段に強力に芯体に結合されていることが
確認された。
施例2>実施例3となったのは、第1の糊料の結着力の
差、及び第1糊料溶液と第2糊料溶液の溶媒同志の相溶
性の差に起因するものと考えられる。
2の方が、芯体に対する結着力が強いにもかかわらず、
比較例1より比較例2の方がテープ汚れが大きいのは、
比較例2では、結着剤濃度の高い面が芯体に当接し、前
記面より結着剤濃度の低い面が表層面(テームを張り付
けた面)となっているからであり、表層の炭素粒子相互
(黒鉛粒子相互)の結着力が不十分と考えられる。した
がって、このような比較例2負極を用いてリチウムイオ
ン電池を構成した場合には、充放電サイクルの進行に伴
って電極表層から活物質が脱落する恐れがある。
法は、無開孔金属芯体と活物質層とからなる極薄のリチ
ウムイオン電池用負極に好適に適用でき、無開孔芯体と
活物質層との結合性、密着性を格段に向上させることが
できる。したがって、本発明によれば、集電効率に優
れ、長期サイクルによっても活物質の脱落や集電効率の
低下の少ない負極を安価に提供できるという効果が得ら
れる。
粒子を活物質とするリチウムイオン電池用負極において
一層顕著に発揮される。よって、黒鉛を活物質とするリ
チウムイオン電池用負極に本発明を適用した場合、放電
特性が優れるという黒鉛の利点を十分に発揮し得る高性
能なリチウムイオン電池を提供できる。
図(片面)である。
Claims (9)
- 【請求項1】 リチウムをインターカレート・デインタ
ーカレートまたは/およびドープ・脱ドープする炭素粒
子と、無開孔金属芯体と、前記炭素粒子を無開孔金属芯
体に結着する結着剤と、を有してなるリチウムイオン電
池用負極において、 前記結着剤が、炭素粒子を被覆する第一の糊料と、第1
の糊料で被覆された前記炭素粒子を更に被覆する第2の
糊料とで組成されたことを特徴とするリチウムイオン電
池用負極。 - 【請求項2】 前記第1の糊料が非極性溶媒に溶解する
ものであり、前記第2の糊料が極性溶媒に溶解するもの
であるか、又は前記第1の糊料が極性溶媒に溶解するも
のであり、前記第2の糊料が非極性溶媒に溶解するもの
であることを特徴とする、請求項1記載のリチウムイオ
ン電池用負極。 - 【請求項3】 非極性溶媒が、シクロヘキサン、n−ヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、キシレンよりなる群から
1種以上選択されるものであり、極性溶媒が、N−メチ
ル−2−ピロリドン、アルコール、ケトン、水よりなる
群から1種以上選択されるものであることを特徴とす
る、請求項2記載のリチウムイオン電池用負極。 - 【請求項4】 前記炭素粒子が黒鉛であることを特徴と
する、請求項1、2又は3記載のリチウムイオン電池用
負極。 - 【請求項5】 リチウムをインターカレート・デインタ
ーカレートまたは/およびドープ・脱ドープする炭素粒
子と、無開孔金属芯体と、前記炭素粒子を無開孔金属芯
体に結着する少なくとも第1の糊料と第2の糊料とで組
成される結着剤とを有してなるリチウムイオン電池用負
極の製造方法であって、 炭素粒子と、第1の糊料を溶解した第1糊料溶液とを混
練し、炭素粒子表面に第1糊料を付着させた第1糊料炭
素粒子塊状体を作製する第一工程と、 前記第1糊料炭素粒子塊状体と、第2の糊料を溶解した
第2糊料溶液とを混練して、芯体塗布用の活物質スラリ
ーを作製する第二工程と、 前記活物質スラリーを、無開孔金属芯体に塗布し結着さ
せる第三工程と、を備えるリチウムイオン電池用負極の
製造方法。 - 【請求項6】 第2糊料溶液の粘度を、第1糊料溶液の
粘度よりも低く調製することを特徴とする、請求項5記
載のリチウムイオン電池用負極の製造方法。 - 【請求項7】 第1糊料溶液の溶媒として非極性溶媒を
用い、第2糊料溶液として極性溶媒を用いるか、又は第
1糊料溶液の溶媒として極性溶媒を用い、第2糊料溶液
として非極性溶媒を用いることを特徴とする、請求項5
又は6記載のリチウムイオン電池用負極の製造方法。 - 【請求項8】 前記非極性溶媒が、シクロヘキサン、n
−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンよりなる群
から1種以上選択されるものであり、前記極性溶媒が、
N−メチル−2−ピロリドン、アルコール、ケトン、水
よりなる群から1種以上選択されるものであることを特
徴とする、請求項7記載のリチウムイオン電池用負極の
製造方法。 - 【請求項9】 前記炭素粒子として黒鉛を用いることを
特徴とする、請求項5、6、7又は8記載のリチウムイ
オン電池用負極の製造方法。
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