JP2013115022A - 固体電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解質の偏在を抑制することが可能な、固体電池用電極の製造方法を提供する。
【解決手段】活物質、バインダー、及び、溶媒を混合して活物質を分散させた活物質組成物を作製する工程と、作製した活物質組成物に固体電解質及びバインダーを添加して、スラリー状の電極組成物を作製する工程と、作製した電極組成物を塗布する塗布工程と、を有する、固体電池用電極の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質及び活物質を含有する固体電池用電極の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池(以下において、「リチウム電池」ということがある。)は、他の二次電池よりもエネルギー密度が高く、高電圧での動作が可能という特徴を有している。そのため、小型軽量化を図りやすい二次電池として携帯電話等の情報機器に使用されており、近年、電気自動車用やハイブリッド自動車用等、大型の動力用としての需要も高まっている。
リチウムイオン二次電池には、正極及び負極と、これらの間に配置される電解質層とが備えられ、電解質層に用いられる電解質としては、例えば非水系の液体状や固体状の物質が知られている。液体状の電解質(以下において、「電解液」という。)が用いられる場合には、電解液が正極や負極の内部へと浸透しやすい。そのため、正極や負極に含有されている活物質と電解液との界面が形成されやすく、性能を向上させやすい。ところが、広く用いられている電解液は可燃性であるため、安全性を確保するためのシステムを搭載する必要がある。一方、難燃性である固体状の電解質(以下において、「固体電解質」という。)を用いると、上記システムを簡素化できる。それゆえ、固体電解質を含有する層(以下において、「固体電解質層」という。)が備えられる形態のリチウムイオン二次電池(以下において、「固体電池」という。)の開発が進められている。
このようなリチウムイオン二次電池に関する技術として、例えば特許文献1には、リチウムイオン伝導性バインダーを含む溶媒中に活物質を分散させて活物質スラリーを調製する工程と、リチウムイオン伝導性バインダーを含む溶媒中に硫化物系固体電解質を分散させて固体電解質スラリーを調製する工程と、活物質スラリー及び固体電解質スラリーを、それぞれサイドガードを有する基板に滴下し、ブレードでスラリー厚みを調整して、さらに加熱乾燥及び剥離することにより活物質シート及び固体電解質シートをそれぞれ形成する工程と、を含むリチウム電池の製造方法が開示されている。そして、特許文献1の明細書段落0076には、固体電解質及び正極活物質を、リチウムイオン伝導性バインダーを溶解した溶媒中に添加して正極合材スラリーを得る旨、記載されており、同明細書段落0077には、固体電解質及び負極活物質を、リチウムイオン伝導性バインダーを溶解した溶媒中に添加して負極合材スラリーを得る旨、記載されている。特許文献1では、このようにして得た正極合材スラリーを基板に滴下する過程を経て正極合材シートを作製し、負極合材スラリーを基板に滴下する過程を経て負極合材シートを作製している。
特開2010−33918号公報
特許文献1に開示されている技術のように、バインダーを溶解した溶媒中に固体電解質及び活物質を同時に添加して作製した活物質スラリーを用いて活物質シート(正極・負極)を作製すると、活物質シートの表面に固体電解質が浮き、固体電解質と活物質とが分離してしまうという問題があった。意図しない相分離によって固体電解質が偏在すると、電極内部の局所的な電池反応が促進される可能性があるため、このような状態は抑制すべきである。
そこで本発明は、固体電解質の偏在を抑制することが可能な、固体電池用電極の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、活物質、バインダー、及び、溶媒を混合して活物質を分散させた活物質組成物を得た後、この活物質組成物に固体電解質及びバインダーを添加してスラリー状の電極組成物を作製し、作製した電極組成物を塗布する過程を経て電極を作製することにより、電極表面への固体電解質の浮きを抑制できることを知見した。本発明は、当該知見に基づいて完成させた。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、活物質、バインダー、及び、溶媒を混合して活物質を分散させた活物質組成物を作製する、活物質組成物作製工程と、作製した活物質組成物に固体電解質及びバインダーを添加して、スラリー状の電極組成物を作製する、電極組成物作製工程と、作製した電極組成物を塗布する塗布工程と、を有する、固体電池用電極の製造方法である。
活物質及び固体電解質を添加する時期を分け、且つ、バインダーを、活物質組成物を作製する際、及び、スラリー状の電極組成物を作製する際に分けて添加することにより、電極組成物内における活物質及び固体電解質の分散性を釣り合わせやすくなり、その結果、電極表面への固体電解質の浮き(固体電解質の偏在)を抑制することが可能になる。
また、上記本発明において、活物質組成物作製工程で使用されるバインダーの量、及び、電極組成物作製工程で添加されるバインダーの量が、略同量であることが好ましい。かかる形態とすることにより、電極表面への固体電解質の浮き(固体電解質の偏在)を防止することが可能になる。ここで、「略同量」とは、活物質組成物作製工程で使用されるバインダーの量(以下において、「A量」ということがある。)及び電極組成物作製工程で添加されるバインダーの量(以下において、「B量」ということがある。)の質量比が、A量:B量=40:60〜60:40であることをいう。固体電解質の偏在を防止しやすい形態にする観点から、本発明では、A量及びB量の質量比をA量:B量=45:55〜55:45とすることが好ましい。
また、上記本発明において、活物質が黒鉛であり、固体電解質が硫化物固体電解質であっても良い。かかる形態であっても、電極表面への固体電解質の浮き(固体電解質の偏在)を防止することが可能になる。
本発明によれば、固体電解質の偏在を抑制することが可能な、固体電池用電極の製造方法を提供することができる。
本発明の固体電池用電極の製造方法を説明する図である。 本発明の固体電池用電極の製造方法を説明する図である。 従来の固体電池用電極の製造方法を説明する図である。 本発明の固体電池用電極の製造方法で製造した負極を示す図である。 従来の固体電池用電極の製造方法で製造した負極を示す図である。 接着力の測定結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
図1及び図2は、本発明の固体電池用電極の製造方法(以下において、「本発明の製造方法」ということがある。)を説明する図である。図1に示したように、本発明の製造方法は、活物質組成物作製工程(S1)と、電極組成物作製工程(S2)と、塗布工程(S3)と、を有している。
活物質組成物作製工程(以下において、「S1」ということがある。)は、図2に示したように、活物質、バインダー、及び、溶媒を混合して、活物質を分散させた活物質組成物を作製する工程である。S1は、活物質、バインダー、及び、溶媒を混合して活物質組成物を作製可能であれば、その形態は特に限定されない。S1は、例えば、容器に、バインダーを溶媒に溶解して得られるバインダー溶液と、導電材等の添加剤を溶媒に添加して得られる添加剤溶液と、活物質とを投入して、容器内の物質を混合することにより、活物質組成物を作製する工程、とすることができる。
電極組成物作製工程(以下において、「S2」ということがある。)は、図2に示したように、S1で作製した活物質組成物に固体電解質及びバインダーを添加して、スラリー状の電極組成物を作製する工程である。S2は、活物質組成物に固体電解質及びバインダーを添加してスラリー状の電極組成物を作製可能であれば、その形態は特に限定されない。S2は、例えば、活物質組成物が入っている容器に、S1で使用したバインダー溶液と同一且つ同量のバインダー溶液、及び、固体電解質を投入して、容器内の物質を混合することにより、スラリー状の電極組成物を作製する工程、とすることができる。
塗布工程(以下において、「S3」ということがある。)は、図2に示したように、S2で作製した電極組成物を基材に塗布する工程である。
ここで、活物質に黒鉛を用い、固体電解質に硫化物固体電解質を用いて固体電池の負極を作製する場合、黒鉛及び硫化物固体電解質の比重は何れも約2.0であるため、大差はない。これに対し、粒径は、黒鉛が4〜10μmであるのに対し硫化物固体電解質は2.5μm程度であるため、1.6倍〜4倍程度の差がある。ストークスの式より、粒子の沈降速度は粒子半径の2乗に比例することから、黒鉛と硫化物固体電解質とでは、沈降速度が2.5倍以上になる。そのため、分散剤が存在しない塗膜では、黒鉛が先に沈む。このため、従来は、活物質シート作製時に固体電解質が浮き、固体電解質と活物質とが相分離していたと考えられる。
図3は、従来の固体電池用電極の製造方法を説明する図である。図3に示したように、従来は、活物質及び固体電解質を同時に溶媒へ添加して電極組成物を作製し、作製した電極組成物を用いて電極を製造していた。このようにして電極を製造すると、固体電解質が電極表面に浮き、活物質と固体電解質とが相分離していた。
相分離を抑制する方法として、活物質と固体電解質との粒径を揃えることが考えられる。しかしながら、電池に用いる黒鉛活物質の表面にはコーティングが施されているため、粉砕して粒径を小さくすることは困難である。また、固体電解質の粒径を大きくすることは、電池容量の低減に繋がるため、好ましくない。したがって、相分離を抑制するためには、活物質及び固体電解質の、溶媒への分散性を釣り合わせることが重要であると考えられる。
かかる観点から、本発明の製造方法では、活物質及び固体電解質を溶媒へ同時に添加して分散するのではなく、活物質を溶媒へ添加するステップと、固体電解質を溶媒へ添加するステップとを分け、さらに、バインダーも2回に分けて添加することとした。
バインダーは溶媒に可溶であるため、バインダーは結着及び分散の両方の作用を有している。S1乃至S3を経て固体電池用電極を製造する本発明の製造方法では、S1で活物質とバインダーとを接触させ、S2で固体電解質とバインダーとを接触させている。このように、活物質及び固体電解質をバインダーと接触させる機会を別々にすることで、活物質の分散性と固体電解質の分散性とを釣り合わせることが可能になる。したがって、本発明の製造方法によれば、固体電解質の偏在を抑制することが可能になる。
本発明の製造方法で固体電池用負極を製造する場合、活物質としては固体電池の負極に用いることが可能な公知の活物質を適宜用いることができる。そのような活物質としては、例えば、カーボン活物質、酸化物活物質、及び、金属活物質等を挙げることができる。カーボン活物質は、炭素を含有していれば特に限定されず、例えば黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。酸化物活物質としては、例えばNb、LiTi12、SiO等を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、Si、及び、Sn等を挙げることができる。また、負極活物質として、リチウム含有金属活物質を用いても良い。リチウム含有金属活物質としては、少なくともLiを含有する活物質であれば特に限定されず、Li金属であっても良く、Li合金であっても良い。Li合金としては、例えば、Liと、In、Al、Si、及び、Snの少なくとも一種とを含有する合金を挙げることができる。負極活物質の形状は、例えば粒子状、鱗片状等にすることができる。負極活物質の平均粒径(D50)は、例えば10nm以上100μm以下であることが好ましく、500nm以上30μm以下であることがより好ましい。また、負極における負極活物質の含有量は、特に限定されないが、質量%で、例えば40%以上70%以下とすることが好ましい。
本発明の製造方法で固体電池用正極を製造する場合、活物質としては固体電池の正極に用いることが可能な公知の活物質を適宜用いることができる。そのような活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)やニッケル酸リチウム(LiNiO)等の層状活物質のほか、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のオリビン型活物質や、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)等のスピネル型活物質等を例示することができる。正極活物質の形状は、例えば粒子状や薄膜状等にすることができる。正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。また、正極における正極活物質の含有量は、特に限定されないが、質量%で、例えば40%以上99%以下とすることが好ましい。
本発明の製造方法で固体電池用正極を製造する場合、正極活物質と固体電解質との界面に高抵抗層が形成され難くすることにより、電池抵抗の増加を防止しやすい形態にする観点から、正極活物質は、イオン伝導性酸化物で被覆されていることが好ましい。正極活物質を被覆するリチウムイオン伝導性酸化物としては、例えば、一般式LiAO(Aは、B、C、Al、Si、P、S、Ti、Zr、Nb、Mo、Ta又はWであり、x及びyは正の数である。)で表される酸化物を挙げることができる。具体的には、LiBO、LiBO、LiCO、LiAlO、LiSiO、LiSiO、LiPO、LiSO、LiTiO、LiTi12、LiTi、LiZrO、LiNbO、LiMoO、LiWO等を例示することができる。また、リチウムイオン伝導性酸化物は、複合酸化物であっても良い。正極活物質を被覆する複合酸化物としては、上記リチウムイオン伝導性酸化物の任意の組み合わせを採用することができ、例えば、LiSiO−LiBO、LiSiO−LiPO等を挙げることができる。また、正極活物質の表面をイオン伝導性酸化物で被覆する場合、イオン伝導性酸化物は、正極活物質の少なくとも一部を被覆してれば良く、正極活物質の全面を被覆していても良い。また、正極活物質を被覆するイオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上20nm以下であることがより好ましい。なお、イオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定することができる。
また、本発明の製造方法において、S1及びS2で投入するバインダーとしては、固体電池の正極や負極に使用可能な公知のバインダーを適宜用いることができる。そのようなバインダーとしては、ブタジエンゴム(BR)、変性ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を例示することができる。本発明の製造方法において、S1及びS2で投入されるバインダーの形態は特に限定されず、溶媒に溶解させた状態であっても良い。また、S1で投入されるバインダーの量及びS2で投入されるバインダーの量は特に限定されないが、固体電解質の偏在を抑制しやすくするために、S1で投入されるバインダーの量、及び、S2で投入されるバインダーの量を同量にすることが好ましい。
また、本発明の製造方法において、溶媒としては、固体電解質と反応しない公知の溶媒を適宜用いることができる。そのような溶媒としては、トルエンやヘプタン等の無極性溶媒を例示することができる。
また、本発明において、固体電解質としては、固体電池に使用可能な公知の固体電解質を適宜用いることができる。そのような固体電解質としては、LiO−B−P、LiO−SiO等の酸化物系非晶質固体電解質、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P、LiPS等の硫化物系非晶質固体電解質のほか、LiI、LiN、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(wはw<1)、Li3.6Si0.60.4等の結晶質酸化物・酸窒化物等を例示することができる。ただし、固体電池の性能を高めやすい固体電池用電極を製造可能な形態にする等の観点から、固体電解質は硫化物固体電解質を用いることが好ましい。
また、本発明の製造方法では、活物質、固体電解質、バインダー、及び、溶媒に加えて、導電性を向上させる導電材等の添加剤を用いても良い。本発明で使用可能な導電材としては、気相成長炭素繊維、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の炭素材料のほか、固体電池の使用時の環境に耐えることが可能な金属材料を例示することができる。
また、本発明の製造方法において、塗布工程で、電極組成物作製工程で作製した電極組成物が塗布される基材は特に限定されない。本発明の製造方法で固体電池用負極を製造する場合、塗布工程は、負極活物質を含む電極組成物を負極集電体に塗布する工程とすることができ、本発明の製造方法で固体電池用正極を製造する場合、塗布工程は、正極活物質を含む電極組成物を正極集電体に塗布する工程とすることができる。このような形態とする場合、本発明の製造方法では、固体電池の集電体として使用可能な正極集電体及び負極集電体を適宜用いることができる。正極集電体及び負極集電体は、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、Inからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料によって構成することができ、正極集電体及び負極集電体の形状は、例えば箔状にすることができる。本発明によって製造した固体電池用電極を備えた固体電池を製造する際には、例えば、正極活物質を用いてS1及びS2で作製したスラリー状の正極組成物を、S3で正極集電体の表面に塗布し、乾燥工程を経て、正極集電体及び正極を有する正極構造体を作製する。また、負極活物質を用いてS1及びS2で作製したスラリー状の負極組成物を、S3で負極集電体の表面に塗工し、乾燥工程を経て、負極集電体及び負極を有する負極構造体を作製する。そして、例えば、正極や負極の表面に、固体電解質を含むスラリー状の電極組成物を塗工する過程を経て固体電解質層を形成し、固体電解質層が正極及び負極によって挟まれるように積層した後、所定の圧力(例えば、400MPa程度)でプレスし、減圧しながら外装体で密封する等の過程を経ることにより、固体電池を製造することができる。
本発明に関する上記説明では、リチウムイオン二次電池用の電極を製造する形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されない。本発明は、正極と負極との間を、リチウムイオン以外のイオンが移動する形態の電池の電極を製造する際にも用いることができる。リチウムイオン以外のイオンとしては、ナトリウムイオンやカリウムイオン等を例示することができる。リチウムイオン以外のイオンが移動する形態とする場合、正極活物質、固体電解質、及び、負極活物質は、移動するイオンに応じて適宜選択すれば良い。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明についてさらに具体的に説明する。
990mgのヘプタン、272mgの添加剤(トリブチルアミン、ナカライテスク株式会社製)、A量のバインダー溶液(変性ブタジエンゴム、JSR株式会社製)、及び、1200mgの黒鉛を容器に投入し、超音波分散機(UH−50、株式会社エスエムテー製)にて30秒間に亘る分散処理を実施した。さらに、容器を振とう機(TTM−1、柴田科学株式会社製)に入れ、30分間以上に亘る攪拌処理を実施することにより、活物質を分散させた活物質組成物を作製した。なお、バインダー溶液は、ヘプタンを用いて5%[w/w]に調整した。
続いて、分散処理及び攪拌処理を経た容器に、876mgの硫化物固体電解質(リン−硫黄系硫化物電解質、外部への委託生産品)及びB量のバインダー溶液(変性ブタジエンゴム、JSR株式会社製)を投入し、超音波分散機(UH−50、株式会社エスエムテー製)にて30秒間に亘る分散処理を実施した。さらに、容器を振とう機(TTM−1、柴田科学株式会社製)に入れ、10分間以上に亘る攪拌処理を実施することにより、電極組成物を作製した。なお、A量及びB量の合計は264mgとした。
次に、ギャップ350μmのドクターブレード(太佑機材株式会社製)を用いて、作製した電極組成物を銅箔上へ塗工し、負極を作製した。A量及びB量を変更した3条件で負極を作製し、固体電解質の浮き(相分離)発生の有無を調べた。表1に、A量比率及びB量比率、並びに、相分離発生の有無の結果を示す。表1において、A量比率とは、A量及びB量の合計に対するA量の比率(A量/(A量+B量))であり、B量比率とは、A量及びB量の合計に対するB量の比率(B量/(A量+B量))である。
表1に示したように、A量とB量との比率には最適な割合が存在し、A量とB量とを同量(条件2)にすることにより、相分離の発生を防止することができた。A量とB量とを同量にして本発明の製造方法により製造した負極を図4に、負極活物質及び硫化物固体電解質を同時に添加して作製した電極組成物を銅箔上に塗布して製造した負極を図5に、それぞれ示す。図4に示したように、A量とB量とを同量にして作製した負極表面には、乾燥後も硫化物固体電解質に起因する模様が確認されなかった。これに対し、図5に示したように、負極活物質及び硫化物固体電解質を同時に添加して作製した電極組成物を用いると、銅箔上に塗布した直後から白い模様が塗膜上に発現し、この模様が固定化された。模様は白色であることから、硫化物固体電解質であり、表面に濃縮していると考えられる。
続いて、直径11.28mmの打ち抜き治具を用いて、図4に示した負極、及び、図5に示した負極をそれぞれ打ち抜き、直径8mmの両面テープを用いて垂直引張試験を実施した。装置は、アイコーエンジニアリング株式会社製の縦横兼用型電動スタンド(MODEL−2257)にデジタルプッシュプルゲージ(MODEL:RX−5)を使用した。引張速度は約40mm/minとし、5回の平均値を接着力とした。接着力の評価結果を図6に示す。
図6に示したように、本発明の製造方法で製造した負極(図4に示した負極)と銅箔との接着力は0.67N/cmであり、従来の製造方法で製造した負極(図5に示した負極)と銅箔との接着力は0.26N/cmであった。したがって、本発明の製造方法によれば、固体電解質の偏在を抑制することができ、且つ、負極と負極集電体との接着力を向上させることができた。負極と負極集電体との接着力を向上させることにより、固体電池の性能を向上させることが可能になるので、本発明によれば、固体電池の性能を向上させることが可能な固体電池用電極を製造可能であることが分かった。

Claims (3)

  1. 活物質、バインダー、及び、溶媒を混合して活物質を分散させた活物質組成物を作製する、活物質組成物作製工程と、
    作製した前記活物質組成物に固体電解質及びバインダーを添加して、スラリー状の電極組成物を作製する、電極組成物作製工程と、
    作製した前記電極組成物を塗布する塗布工程と、
    を有する、固体電池用電極の製造方法。
  2. 前記活物質組成物作製工程で使用されるバインダーの量、及び、前記電極組成物作製工程で添加されるバインダーの量が、略同量である、請求項1に記載の固体電池用電極の製造方法。
  3. 前記活物質が黒鉛であり、前記固体電解質が硫化物固体電解質である、請求項1又は2に記載の固体電池用電極の製造方法。
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