JP2015153647A - 固体電池の製造方法 - Google Patents

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真一郎 橘内
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Abstract

【課題】短絡を抑制し得る2層の固体電解質層を有する固体電池を製造することが可能な、固体電池の製造方法を提供する。【解決手段】第1電極層の表面に、硫化物固体電解質を含む第1固体電解質層を接触させた状態で、98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第1固体電解質層を第1電極層の表面へ配置する、第1固体電解質層配置工程と、第1電極層の表面へ配置された第1固体電解質層の表面に、硫化物固体電解質を含む第2固体電解質層を接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第1電極層の表面に配置された第1固体電解質層の表面へ第2固体電解質層を配置する、第2固体電解質層配置工程と、第1固体電解質層の表面へ配置された第2固体電解質層の表面に、第2電極層を接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与するプレス工程とを有する、固体電池の製造方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電池の製造方法に関する。
難燃性の固体電解質を用いた固体電解質層を有する金属イオン二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池等。以下において「固体電池」ということがある。)は、安全性を確保するためのシステムを簡素化しやすい等の長所を有している。
このような固体電池に関する技術として、例えば特許文献1には、箔及び該箔の少なくとも一方の面に配置されたバインダーを含有する固体電解質層を有する、箔・電解質積層体を準備する準備工程と、該準備工程で準備された箔・電解質積層体の、固体電解質層の表面に電極材を積層し、プレスして電極層を形成する電極層形成工程と、該電極層形成工程後に箔を除去する除去工程と、を有する固体電池の製造方法が開示されている。この特許文献1では、一対の電極層の間に1層の固体電解質層が配置された固体電池を製造することを想定している。
国際公開第2013/014759号
一対の電極層の間に2層の固体電解質層を配置することにより、固体電池の短絡を抑制しやすくなると考えられる。しかしながら、電極層の表面へ1つ目の固体電解質層(以下において、「第1固体電解質層」ということがある。)を転写する際のプレス圧力が大きすぎると、第1固体電解質層が割れやすく、第1固体電解質層の表面へ転写される2つ目の固体電解質層(以下において、「第2固体電解質層」ということがある。)も割れやすくなるため、短絡が生じやすい。また、例えば、電池の製造装置から金属粉が落下する等により表面に凹凸部を有する電極層へ、第1固体電解質及び第2固体電解質を転写する場合、第1固体電解質層や第2固体電解質層を転写する際のプレス圧力が不適切だと、電極層表面の凹凸部へ2層の固体電解質層を転写できない。さらに、電極層の表面に転写された2層の固体電解質層の表面へ、他の電極層を配置してプレスする際のプレス圧力が大きすぎると、第1固体電解質層や第2固体電解質層が割れやすいため、短絡が生じやすい。それゆえ、短絡を抑制し得る、2層の固体電解質層を有する固体電池を製造することが可能な、固体電池の製造方法を開発することが求められていた。
そこで本発明は、短絡を抑制し得る2層の固体電解質層を有する固体電池を製造することが可能な、固体電池の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、第1電極層の表面に、硫化物固体電解質を含む第1固体電解質層を接触させた状態で、98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第1固体電解質層を第1電極層の表面へ配置する第1固体電解質層配置工程と、第1電極層の表面へ配置された第1固体電解質層の表面に、硫化物固体電解質を含む第2固体電解質層を接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第1電極層の表面に配置された第1固体電解質層の表面へ第2固体電解質層を配置する第2固体電解質層配置工程と、第1固体電解質層の表面へ配置された第2固体電解質層の表面に、第2電極層を接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与するプレス工程と、を有する、固体電池の製造方法である。
本発明によれば、短絡を抑制し得る2層の固体電解質層を有する固体電池を製造することが可能な、固体電池の製造方法を提供することができる。
第1実施形態にかかる本発明の全固体電池の製造方法を説明する図である。 固体電池10を説明する図である。 第2実施形態にかかる本発明の全固体電池の製造方法を説明する図である。 固体電池20を説明する図である。 比較例1の第2固体電解質層配置工程を説明する図である。
本発明者らは、鋭意検討の結果、電極層の表面へ第1固体電解質層を転写する際のプレス圧力を98MPa以上196MPa以下とし、且つ、電極層の表面へ転写された第1固体電解質層の表面へ第2固体電解質層を転写する際のプレス圧力を、294MPa以上392MPa以下とし、且つ、第1固体電解質層の表面へ転写された第2固体電解質層の表面へ他の電極層を配置した後のプレス圧力を421.4MPa以下とすることにより、短絡を抑制し得る2層の固体電解質層を有する固体電池の製造が可能になることを知見した。本発明は、当該知見に基づいて完成させた。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
図1は、第1実施形態にかかる本発明の固体電池の製造方法(以下において、「第1実施形態の製造方法」という。)を説明する図である。図1に示した第1実施形態の製造方法は、第1電極層準備工程(S11)と、第1固体電解質層配置工程(S12)と、第2固体電解質層配置工程(S13)と、プレス工程(S14)と、を有している。
第1電極層準備工程(以下において、「S11」ということがある。)は、固体電池を構成すべき第1電極層を準備する工程である。第1実施形態の製造方法では、第1電極層が正極層であり、且つ、第2電極層が負極層であるとする。S11は正極層を準備できれば、その形態は特に限定されない。S11は、例えば、正極集電体の表面へ正極層を形成することにより、正極層を準備する工程、とすることができる。S11において、正極層の形成方法は特に限定されず、例えば、正極活物質と硫化物固体電解質とバインダーと導電助剤とを含むスラリー状の正極組成物を、正極集電体の表面へ配置した後に、所定の圧力でプレスする等の方法を用いることができる。
第1固体電解質層配置工程(以下において、「S12」ということがある。)は、S11で準備した第1電極層(正極層)の表面に、硫化物固体電解質を含む第1固体電解質層を接触させた状態で、98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第1固体電解質層を第1電極層の表面へ配置する工程である。S12は、正極層と第1固体電解質層とを接触させた状態で、98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第1固体電解質層を正極層の表面へ配置することができれば、その形態は特に限定されない。S12は、例えば、基材の表面に形成した第1固体電解質層と正極層とを接触させた状態で98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与した後、第1固体電解質層と接触している基材を剥がす(第1固体電解質層を正極層へと転写する)ことにより、第1固体電解質層を正極層の表面へ配置する工程、とすることができる。S12において、第1固体電解質層の形成方法は特に限定されず、例えば、硫化物固体電解質を含むスラリー状の固体電解質組成物を、Al箔等の基材の表面へ塗工する過程を経て作製することができる。
S12で付与するプレス圧力を98MPa以上にすることにより、短絡を抑制しやすい形態の第1固体電解質層(固められた第1固体電解質層)を作製することが可能になる。また、S12で付与するプレス圧力を196MPa以下にすることにより、異物が付着する等の理由によって第1電極層(正極層)の表面に凹凸がある場合であっても、割れていない第1固体電解質層を第1電極層(正極層)の表面へ配置することが可能になる。
第2固体電解質層配置工程(以下において、「S13」ということがある。)は、S12で第1電極層(正極層)の表面に配置した第1固体電解質層の表面に、硫化物固体電解質を含む第2固体電解質層を接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第2固体電解質層を第1固体電解質層の表面へと配置する工程である。S13は、第1電極層の表面に配置されている第1固体電解質層と第2固体電解質層とを接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第2固体電解質層を第1固体電解質層の表面へ配置することができれば、その形態は特に限定されない。S13は、例えば、基材の表面に形成した第2固体電解質層と、正極層の表面に配置されている第1固体電解質層とを接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与した後、第2固体電解質層と接触している基材を剥がす(第2固体電解質層を第1固体電解質層へと転写する)ことにより、第2固体電解質層を第1固体電解質層の表面へ配置する工程、とすることができる。S13において、第2固体電解質層の形成方法は特に限定されず、例えば、硫化物固体電解質を含むスラリー状の固体電解質組成物を、Al箔等の基材の表面へ塗工する過程を経て作製することができる。
S13で付与するプレス圧力を294MPa以上にすることにより、第1電極層の表面に凹凸がある場合であっても、凹凸部を含む第1電極層(正極層)の表面に第1固体電解質層を配置させたまま、当該第1固体電解質層の表面へ、短絡を抑制しやすい形態の第2固体電解質層(固められた第2固体電解質層)を配置する(第1電極層(正極層)の表面に第1固体電解質層及び第2固体電解質層を配置する)ことが可能になる。また、S13で付与するプレス圧力を392MPa以下にすることにより、割れていない第1固体電解質層及び第2固体電解質層を第1電極層(正極層)の表面へ配置することが可能になる。
プレス工程(以下において、「S14」ということがある。)は、S13で第1固体電解質層の表面に配置した第2固体電解質層の表面に、第2電極層(負極層)を接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与する工程である。S14は、第1固体電解質層の表面に配置されている第2固体電解質層と負極層とを接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与する工程であれば、その形態は特に限定されない。S14は、例えば、負極集電体の表面に形成した負極層と、第1固体電解質層の表面に配置されている第2固体電解質層とを接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与する工程、とすることができる。S14において、負極層の形成方法は特に限定されず、例えば、負極活物質と硫化物固体電解質とバインダーとを含むスラリー状の負極組成物を、負極集電体の表面へ配置した後に、所定の圧力でプレスする過程を経て作製することができる。
S14で付与するプレス圧力を421.4MPa以下にすることにより、第1固体電解質層及び第2固体電解質層の割れを防止することが可能になる。また、S14で付与するプレス圧力の下限値は、電池として作動するように負極層を第2固体電解質層の表面に配置可能であれば、特に限定されない。抵抗が低減された固体電池を製造しやすい形態にする等の観点からは、S14で付与するプレス圧力は98MPa以上とすることが好ましい。
S11乃至S14を有する第1実施形態の製造方法によれば、S12乃至S14で適切なプレス圧力が付与されるので、第1固体電解質層及び第2固体電解質層への割れの発生を防止しつつ、第1電極層及び第2電極層の間に2層構造の固体電解質層(第1固体電解質層及び第2固体電解質層)が配置された固体電池を製造することができる。このようにして製造された固体電池は、第1電極層(正極層)の表面が凹凸していても、その凹凸の影響が第2固体電解質層にまで及ばないので、短絡を抑制することができる。2層構造の固体電解質層を有することにより、短絡を抑制しやすくなるので、第1実施形態の製造方法によれば、短絡を抑制し得る2層の固体電解質層を有する固体電池を製造することが可能な、固体電池の製造方法を提供することができる。
図2は、第1実施形態の製造方法で製造可能な固体電池10を説明する図である。図2では、固体電池10の一部の断面を示している。図2に示した固体電池10は、正極集電体11と、該正極集電体11に接触している正極層12と、該正極層12に接触している第1固体電解質層13と、該第1固体電解質層13に接触している第2固体電解質層14と、該第2固体電解質層14に接触している負極層15と、該負極層15に接触している負極集電体16と、を有している。そして、正極層12の、第1固体電解質層13側の表面に大きな固体電解質粒子17が存在し、これによって、正極層12の、第1固体電解質層13側の表面は、凹凸を有している。このように、表面に凹凸を有している正極層12の上に第1固体電解質層13、第2固体電解質層14、及び、負極集電体16の表面に形成された負極層15を配置する場合であっても、第1実施形態の製造方法では、S12乃至S14で適切なプレス圧力が付与される。そのため、第1固体電解質層13及び第2固体電解質層14への割れの発生を防止しつつ、正極層12及び負極層15の間に2層構造の固体電解質層(第1固体電解質層13及び第2固体電解質層14)が配置された固体電池10を製造することができる。
図3は、第2実施形態にかかる本発明の固体電池の製造方法(以下において、「第2実施形態の製造方法」という。)を説明する図である。図3に示した第2実施形態の製造方法は、第1電極層準備工程(S21)と、第1固体電解質層配置工程(S22)と、第2固体電解質層配置工程(S23)と、プレス工程(S24)と、を有している。
第1電極層準備工程(以下において、「S21」ということがある。)は、固体電池を構成すべき第1電極層を準備する工程である。第2実施形態の製造方法では、第1電極層が負極層であり、且つ、第2電極層が正極層であるとする。S21は負極層を準備できれば、その形態は特に限定されない。S21は、例えば、負極集電体の表面へ負極層を形成することにより、負極層を準備する工程、とすることができる。S21において、負極層の形成方法は特に限定されず、例えば、負極活物質と硫化物固体電解質とバインダーとを含むスラリー状の負極組成物を、負極集電体の表面へ配置した後に、所定の圧力でプレスする等の方法を用いることができる。
第1固体電解質層配置工程(以下において、「S22」ということがある。)は、S21で準備した第1電極層(負極層)の表面に、硫化物固体電解質を含む第1固体電解質層を接触させた状態で、98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第1固体電解質層を第1電極層の表面へ配置する工程である。S22は、負極層と第1固体電解質層とを接触させた状態で、98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第1固体電解質層を負極層の表面へ配置することができれば、その形態は特に限定されない。S22は、例えば、基材の表面に形成した第1固体電解質層と負極層とを接触させた状態で98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与した後、第1固体電解質層と接触している基材を剥がす(第1固体電解質層を負極層へと転写する)ことにより、第1固体電解質層を負極層の表面へ配置する工程、とすることができる。S22において、第1固体電解質層の形成方法は特に限定されず、例えば、S12と同様の方法により作製することができる。
S22で付与するプレス圧力を98MPa以上にすることにより、短絡を抑制しやすい形態の第1固体電解質層(固められた第1固体電解質層)を作製することが可能になる。また、S22で付与するプレス圧力を196MPa以下にすることにより、異物が付着する等の理由によって第1電極層(負極層)の表面に凹凸がある場合であっても、割れていない第1固体電解質層を第1電極層(負極層)の表面へ配置することが可能になる。
第2固体電解質層配置工程(以下において、「S23」ということがある。)は、S22で第1電極層(負極層)の表面に配置した第1固体電解質層の表面に、硫化物固体電解質を含む第2固体電解質層を接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第2固体電解質層を第1固体電解質層の表面へと配置する工程である。S23は、第1電極層の表面に配置されている第1固体電解質層と第2固体電解質層とを接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、第2固体電解質層を第1固体電解質層の表面へ配置することができれば、その形態は特に限定されない。S23は、例えば、基材の表面に形成した第2固体電解質層と、負極層の表面に配置されている第1固体電解質層とを接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与した後、第2固体電解質層と接触している基材を剥がす(第2固体電解質層を第1固体電解質層へと転写する)ことにより、第2固体電解質層を第1固体電解質層の表面へ配置する工程、とすることができる。S23において、第2固体電解質層の形成方法は特に限定されず、例えば、S13と同様の方法により作製することができる。
S23で付与するプレス圧力を294MPa以上にすることにより、第1電極層の表面に凹凸がある場合であっても、凹凸部を含む第1電極層(負極層)の表面に第1固体電解質層を配置させたまま、当該第1固体電解質層の表面へ、短絡を抑制しやすい形態の第2固体電解質層(固められた第2固体電解質層)を配置する(第1電極層(負極層)の表面に第1固体電解質層及び第2固体電解質層を配置する)ことが可能になる。また、S23で付与するプレス圧力を392MPa以下にすることにより、割れていない第1固体電解質層及び第2固体電解質層を第1電極層(負極層)の表面へ配置することが可能になる。
プレス工程(以下において、「S24」ということがある。)は、S23で第1固体電解質層の表面に配置した第2固体電解質層の表面に、第2電極層(正極層)を接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与する工程である。S24は、第1固体電解質層の表面に配置されている第2固体電解質層と正極層とを接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与する工程であれば、その形態は特に限定されない。S24は、例えば、正極集電体の表面に形成した正極層と、第1固体電解質層の表面に配置されている第2固体電解質層とを接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与する工程、とすることができる。S24において、正極層の形成方法は特に限定されず、例えば、正極活物質と硫化物固体電解質とバインダーと導電助剤とを含むスラリー状の正極組成物を、正極集電体の表面へ配置した後に、所定の圧力でプレスする過程を経て作製することができる。
S24で付与するプレス圧力を421.4MPa以下にすることにより、第1固体電解質層及び第2固体電解質層の割れを防止することが可能になる。また、S24で付与するプレス圧力の下限値は、電池として作動するように正極層を第2固体電解質層の表面に配置可能であれば、特に限定されない。抵抗が低減された固体電池を製造しやすい形態にする等の観点からは、S24で付与するプレス圧力は98MPa以上とすることが好ましい。
S21乃至S24を有する第2実施形態の製造方法によれば、S22乃至S24で適切なプレス圧力が付与されるので、第1固体電解質層及び第2固体電解質層への割れの発生を防止しつつ、第1電極層及び第2電極層の間に2層構造の固体電解質層(第1固体電解質層及び第2固体電解質層)が配置された固体電池を製造することができる。このようにして製造された固体電池は、第1電極層(負極層)の表面が凹凸していても、その凹凸の影響が第2固体電解質層にまで及ばないので、短絡を抑制することができる。2層構造の固体電解質層を有することにより、短絡を抑制しやすくなるので、第2実施形態の製造方法によれば、短絡を抑制し得る2層の固体電解質層を有する固体電池を製造することが可能な、固体電池の製造方法を提供することができる。
図4は、第2実施形態の製造方法で製造可能な固体電池20を説明する図である。図4では、固体電池20の一部の断面を示している。図4に示した固体電池20は、負極集電体26と、該負極集電体26に接触している負極層25と、該負極層25に接触している第1固体電解質層23と、該第1固体電解質層23に接触している第2固体電解質層24と、該第2固体電解質層24に接触している正極層22と、該正極層22に接触している正極集電体21と、を有している。そして、負極層25の、第1固体電解質層23側の表面に大きな固体電解質粒子27が存在し、これによって、負極層25の、第1固体電解質層23側の表面は、凹凸を有している。このように、表面に凹凸を有している負極層25の上に第1固体電解質層23、第2固体電解質層24、及び、正極集電体21の表面に形成された正極層22を配置する場合であっても、第2実施形態の製造方法では、S22乃至S24で適切なプレス圧力が付与される。そのため、第1固体電解質層23及び第2固体電解質層24への割れの発生を防止しつつ、正極層22及び負極層25の間に2層構造の固体電解質層(第1固体電解質層23及び第2固体電解質層24)が配置された固体電池20を製造することができる。
本発明において、正極層に含有させる正極活物質としては、固体電池で使用可能な正極活物質を適宜用いることができる。そのような正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)やニッケル酸リチウム(LiNiO)等の層状活物質のほか、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のオリビン型活物質や、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)等のスピネル型活物質等を例示することができる。正極活物質の形状は、例えば粒子状や薄膜状等にすることができる。正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。また、正極層における正極活物質の含有量は、特に限定されず、質量%で、例えば40%以上99%以下とすることが好ましい。
また、上述のように、本発明では、固体電解質層のみならず、正極層や負極層にも、必要に応じて、固体電池に使用可能な公知の硫化物固体電解質を含有させることができる。そのような硫化物固体電解質としては、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P、LiPS等の硫化物系非晶質固体電解質等を例示することができる。
正極活物質と固体電解質との界面に高抵抗層が形成され難くすることにより、電池抵抗の増加を防止しやすい形態にする観点から、本発明で用いる正極活物質は、イオン伝導性酸化物で被覆されていることが好ましい。正極活物質を被覆するリチウムイオン伝導性酸化物としては、例えば、一般式LiAO(Aは、B、C、Al、Si、P、S、Ti、Zr、Nb、Mo、Ta又はWであり、x及びyは正の数である。)で表される酸化物を挙げることができる。具体的には、LiBO、LiBO、LiCO、LiAlO、LiSiO、LiSiO、LiPO、LiSO、LiTiO、LiTi12、LiTi、LiZrO、LiNbO、LiMoO、LiWO等を例示することができる。また、リチウムイオン伝導性酸化物は、複合酸化物であっても良い。正極活物質を被覆する複合酸化物としては、上記リチウムイオン伝導性酸化物の任意の組み合わせを採用することができ、例えば、LiSiO−LiBO、LiSiO−LiPO等を挙げることができる。また、正極活物質の表面をイオン伝導性酸化物で被覆する場合、イオン伝導性酸化物は、正極活物質の少なくとも一部を被覆してれば良く、正極活物質の全面を被覆していても良い。また、正極活物質を被覆するイオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上20nm以下であることがより好ましい。なお、イオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定することができる。
また、正極層は、リチウムイオン二次電池の正極層に含有させることが可能な公知のバインダーを用いて作製することができる。そのようなバインダーとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を例示することができる。
さらに、正極層には、導電性を向上させる導電助剤が含有されていても良い。正極層に含有させることが可能な導電助剤としては、気相成長炭素繊維、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の炭素材料のほか、固体電池の使用時の環境に耐えることが可能な金属材料を例示することができる。上記正極活物質、硫化物固体電解質、及び、バインダー等を液体に分散して調整したスラリー状の正極組成物を用いて正極層を作製する場合、使用可能な液体としてはヘプタン等を例示することができ、無極性溶媒を好ましく用いることができる。また、正極層の厚さは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。また、固体電池の性能を高めやすくするために、正極層はプレスする過程を経て作製されることが好ましい。本発明において、正極層をプレスする際の圧力は100MPa程度とすることができる。
また、負極層に含有させる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な公知の負極活物質を適宜用いることができる。そのような負極活物質としては、例えば、カーボン活物質、酸化物活物質、及び、金属活物質等を挙げることができる。カーボン活物質は、炭素を含有していれば特に限定されず、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。酸化物活物質としては、例えばNb、LiTi12、SiO等を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、Si、及び、Sn等を挙げることができる。また、負極活物質として、リチウム含有金属活物質を用いても良い。リチウム含有金属活物質としては、少なくともLiを含有する活物質であれば特に限定されず、Li金属であっても良く、Li合金であっても良い。Li合金としては、例えば、Liと、In、Al、Si、及び、Snの少なくとも一種とを含有する合金を挙げることができる。負極活物質の形状は、例えば粒子状、薄膜状等にすることができる。負極活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。また、負極層における負極活物質の含有量は、特に限定されず、質量%で、例えば40%以上99%以下とすることが好ましい。
さらに、負極層には、負極活物質や固体電解質を結着させるバインダーや導電性を向上させる導電助剤が含有されていても良い。負極層に含有させることが可能なバインダーや導電助剤としては、正極層に含有させることが可能な上記バインダーや導電助剤等を例示することができる。また、液体に上記負極活物質等を分散して調整したスラリー状の負極組成物を用いて負極層を作製する場合、負極活物質等を分散させる液体としては、ヘプタン等を例示することができ、無極性溶媒を好ましく用いることができる。また、負極層の厚さは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。また、固体電池の性能を高めやすくするために、負極層はプレスする過程を経て作製されることが好ましい。本発明において、負極層をプレスする際の圧力は200MPa以上とすることが好ましく、400MPa程度とすることより好ましい。
また、固体電解質層に含有させる硫化物固体電解質としては、固体電池に使用可能な公知の硫化物固体電解質を適宜用いることができる。そのような硫化物固体電解質としては、正極層や負極層に含有させることが可能な上記硫化物固体電解質等を例示することができる。このほか、固体電解質層には、可塑性を発現させる等の観点から、硫化物固体電解質同士を結着させるバインダーを含有させることができる。そのようなバインダーとしては、正極層に含有させることが可能な上記バインダー等を例示することができる。ただし、高出力化を図りやすくするために、硫化物固体電解質の過度の凝集を防止し且つ均一に分散された硫化物固体電解質を有する固体電解質層を形成可能にする等の観点から、固体電解質層に含有させるバインダーは5質量%以下とすることが好ましい。また、液体に上記硫化物固体電解質等を分散して調整したスラリー状の固体電解質組成物を基材に塗布する過程を経て固体電解質層を作製する場合、硫化物固体電解質等を分散させる液体としては、ヘプタン等を例示することができ、無極性溶媒を好ましく用いることができる。固体電解質層における硫化物固体電解質の含有量は、質量%で、例えば60%以上、中でも70%以上、特に80%以上であることが好ましい。固体電解質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なり、例えば、0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
また、正極層に接続される正極集電体や負極層に接続される負極集電体は、固体電池の集電体として使用可能な公知の金属を用いることができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、Inからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。
また、本発明の製造方法で製造した固体電池は、外装体に収容された状態で使用することができる。そのような外装体としては、固体電池で使用可能な公知のラミネートフィルム等を用いることができる。そのようなラミネートフィルムとしては、樹脂製のラミネートフィルムや、樹脂製のラミネートフィルムに金属を蒸着させたフィルム等を例示することができる。
以上説明したように、本発明の製造方法では、第1固体電解質層や第2固体電解質層に硫化物固体電解質を用いている。第1電極層と第2電極層との間に2層構造の固体電解質層を配置する構成は、酸化物系固体電解質等に代表される、硫化物固体電解質以外の固体電解質を用いた固体電池においても使用され得る。2層構造の固体電解質層を有する固体電池を製造する際に、第1固体電解質層のプレス圧力、第2固体電解質層のプレス圧力、及び、第2電極層を配置した後のプレス圧力を適切な値にする必要がある、という思想は、用いられる固体電解質の種類によらないと考えられる。したがって、本発明の思想は、硫化物固体電解質以外の固体電解質を用いる、2層構造の固体電解質層を備える固体電池を製造する際にも、適用することができる。そのような、硫化物固体電解質以外の固体電解質としては、LiO−B−P、LiO−SiO等の酸化物系非晶質固体電解質や、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(wはw<1)、Li3.6Si0.60.4等の結晶質酸化物・酸窒化物等を例示することができる。ただし、固体電池の性能を高めやすい形態にする等の観点から、本発明では、固体電解質として硫化物固体電解質を用いることが好ましい。
本発明に関する上記説明では、リチウムイオン二次電池を製造する形態を主に例示したが、本発明は当該形態に限定されない。本発明によって製造される固体電池は、正極層と負極層との間を、リチウムイオン以外のイオンが移動する形態であっても良い。そのようなイオンとしては、ナトリウムイオンやカリウムイオン等を例示することができる。リチウムイオン以外のイオンが移動する形態とする場合、正極活物質、固体電解質、及び、負極活物質は、移動するイオンに応じて適宜選択すれば良い。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
1.固体電池の作製
[実施例1]
・第1電極層準備工程
正極活物質である三元系活物質(LiNiCoMn (x+y+z=1))と、硫化物固体電解質と、バインダー(PVdF)と、導電助剤(気相成長炭素繊維)と、を用いて作製したスラリー状の正極組成物を、正極集電体(Al箔)の表面へ配置した後に、所定の圧力でプレスする過程を経て、正極集電体の表面に正極層を作製した。作製した正極層及び正極集電体の合計厚さは69μmであった。
・異物配置
作製した正極層の表面に凹凸を形成するために、直径1000μmで厚さ2μmの銅(異物)を正極層の表面に配置した。
・第1固体電解質層配置工程
硫化物固体電解質を含むスラリー状の固体電解質組成物をAl箔の表面へ塗工する過程を経て、Al箔の表面に厚さ9μmの第1固体電解質層を作製した。次に、この第1固体電解質層を、異物が配置された正極層の表面に接触させ、引き続き、196MPaのプレス圧力を付与した後、第1固体電解質層からAl箔を剥がすことにより、異物が配置された正極層の表面に第1固体電解質層を転写した。
・第2固体電解質層配置工程
硫化物固体電解質を含むスラリー状の固体電解質組成物をAl箔の表面へ塗工する過程を経て、Al箔の表面に厚さ9μmの第2固体電解質層を作製した。次に、この第2固体電解質層を、正極層の表面に配置されている第1固体電解質層の表面に接触させ、引き続き、294MPaのプレス圧力を付与した後、第2固体電解質層からAl箔を剥がすことにより、第1固体電解質層の表面に第2固体電解質層を転写した。
・プレス工程
負極活物質である天然黒鉛と、硫化物固体電解質と、バインダー(PVdF)とを用いて作製したスラリー状の負極組成物を、負極集電体(Cu箔)の表面へ配置した後に、所定の圧力でプレスする過程を経て、負極集電体の表面に負極層を作製した。作製した負極層及び負極集電体の合計厚さは90μmであった。このようにして負極集電体の表面に作製した負極層を、第1固体電解質層の表面に配置されている第2固体電解質層に接触させ、引き続き、421.4MPaのプレス圧力を付与することにより、第2固体電解質層と負極層とを密着させた。以上の工程を経ることにより、正極層と負極層との間に2層の固体電解質層が配置されている実施例1の固体電池を作製した。
[実施例2]
プレス工程で294MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例1と同様の条件で、実施例2の固体電池を作製した。
[実施例3]
プレス工程で196MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例1と同様の条件で、実施例3の固体電池を作製した。
[実施例4]
プレス工程で98MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例1と同様の条件で、実施例4の固体電池を作製した。
[実施例5]
第2固体電解質層配置工程で392MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例1と同様の条件で、実施例5の固体電池を作製した。
[実施例6]
プレス工程で196MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例5と同様の条件で、実施例6の固体電池を作製した。
[実施例7]
プレス工程で98MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例5と同様の条件で、実施例7の固体電池を作製した。
[実施例8]
第1固体電解質層配置工程で98MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例1と同様の条件で、実施例8の固体電池を作製した。
[比較例1]
第1固体電解質層配置工程、第2固体電解質層配置工程、及び、プレス工程で98MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例1と同様の条件で、比較例1の固体電池を作製した。
[比較例2]
第1固体電解質層配置工程で588MPaのプレス圧力を付与したほかは、比較例1と同様の条件で、比較例2の固体電池を作製した。
[比較例3]
第2固体電解質層配置工程で588MPaのプレス圧力を付与したほかは、比較例2と同様の条件で、比較例3の固体電池を作製した。
[比較例4]
プレス工程で588MPaのプレス圧力を付与したほかは、実施例1と同様の条件で、比較例4の固体電池を作製した。
2.短絡有無の調査
作製した実施例1乃至実施例8の固体電池、及び、比較例1乃至比較例4の固体電池に対して、同じ条件で充電したときの電圧の上昇形態を調査し、所定の電圧値に満たないか否かを確認することにより、短絡の有無を調査した。各固体電池の作製条件とともに、短絡の有無の調査結果を表1に示す。
3.結果
表1に示したように、本発明の製造方法で作製した実施例1乃至実施例8の固体電池は、短絡しなかった。また、第1固体電解質層配置工程及び第2固体電解質層配置工程を目視で観察した結果、実施例1乃至実施例8では、第1固体電解質層及び第2固体電解質層が割れず、正極層の表面に第1固体電解質層及び第2固体電解質層を配置することができた。この結果から、本発明の製造方法によれば、短絡を抑制し得る2層の固体電解質層を有する固体電池を製造可能であることが確認された。
これに対し、表1に示したように、本発明の製造方法とは異なる方法で作製した比較例1乃至比較例4の固体電池は、電圧が上がらず、短絡した。また、第1固体電解質層配置工程及び第2固体電解質層配置工程を目視で観察した結果、比較例1では、第2固体電解質層配置工程におけるプレス圧力が小さすぎたため、Al箔を第2固体電解質層から剥がす際に、異物部位の電解質層(第1固体電解質層及び第2固体電解質層)が正極層の表面へ転写されず、第1固体電解質層及び第2固体電解質層が剥がれた。この様子を図5に簡略化して示す。図5に示したように、比較例1では、第2固体電解質層配置工程で第2固体電解質層からAl箔を剥がす際に、異物部位の電解質層(第1固体電解質層及び第2固体電解質層)がAl箔とともに剥がれてしまったため、異物部位に第1固体電解質層及び第2固体電解質層を転写することができなかった。
また、比較例2及び比較例3では、第1固体電解質層配置工程におけるプレス圧力が大きすぎたため、第1固体電解質層が割れた。その結果、第2固体電解質層も割れ、短絡が生じた。
また、比較例4では、プレス工程におけるプレス圧力が大きすぎたため、第1固体電解質層及び第2固体電解質層が割れ、短絡が生じた。
10、20…固体電池
11、21…正極集電体
12、22…正極層
13、23…第1固体電解質層
14、24…第2固体電解質層
15、25…負極層
16、26…負極集電体
17、27…固体電解質粒子

Claims (1)

  1. 第1電極層の表面に、硫化物固体電解質を含む第1固体電解質層を接触させた状態で、98MPa以上196MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、前記第1固体電解質層を前記第1電極層の表面へ配置する、第1固体電解質層配置工程と、
    前記第1電極層の表面へ配置された前記第1固体電解質層の表面に、硫化物固体電解質を含む第2固体電解質層を接触させた状態で、294MPa以上392MPa以下のプレス圧力を付与する過程を経て、前記第1電極層の表面に配置された前記第1固体電解質層の表面へ前記第2固体電解質層を配置する、第2固体電解質層配置工程と、
    前記第1固体電解質層の表面へ配置された前記第2固体電解質層の表面に、第2電極層を接触させた状態で、421.4MPa以下のプレス圧力を付与するプレス工程と、を有する、固体電池の製造方法。
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