JP2017041392A - 全固体電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池寿命を長くすることが可能な全固体電池を提供する。【解決手段】正極及び負極、並びに、これらの間に配置された固体電解質層を備え、固体電解質層は、硫化物固体電解質を含み、負極は、芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料を負極活物質として含有する、全固体電池とする。【選択図】図1
Description
本発明は、全固体電池に関する。
難燃性の固体電解質を用いた固体電解質層を有する金属イオン二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池等。以下において「全固体電池」ということがある。)は、安全性を確保するためのシステムを簡素化しやすい等の長所を有している。
リチウムイオン二次電池に関する技術として、例えば特許文献1には、2以上の芳香族環構造を有するジカルボン酸アニオンである芳香族化合物を含む金属骨格層と、該カルボン酸アニオンに含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層と、を有する層状構造体を電極活物質として備えた、非水系二次電池用電極が開示されている。また、特許文献2には、2以上の芳香族環構造を有するジカルボン酸アニオンである芳香族化合物を含む有機骨格層と、該カルボン酸アニオンに含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層と、を有する層状構造体であって、且つ、比表面積Sx(m2/g)、平均粒径Lx(μm)である負極活物質と、比表面積Sy(m2/g)、平均長さLy(μm)である繊維状導電材と、比表面積Sz(m2/g)、平均粒径Lz(μm)である粒子状導電材と、を備え、負極活物質がX、繊維状導電材がY、及び粒子状導電材がZの割合で含まれているとき、
Log((SyY+SzZ)/SxX×10−1)×Log((LyY+LzZ)/LxX×101)≧0
を満たす、リチウム二次電池用負極が開示されている。
Log((SyY+SzZ)/SxX×10−1)×Log((LyY+LzZ)/LxX×101)≧0
を満たす、リチウム二次電池用負極が開示されている。
金属有機構造体材料を活物質とする、非水電解液を用いるリチウムイオン二次電池では、特許文献1や特許文献2に開示されているような、2以上の芳香族環構造を有する金属有機構造体材料を用いることにより、芳香族環構造が1つのみである金属有機構造体材料を活物質とする場合と比較して、リチウムイオンの挿入脱離容量を増やすことが可能になると考えられている。しかしながら、2以上の芳香族環構造を有する金属有機構造体材料を全固体電池の活物質として用いると、リチウムイオン脱離末期の抵抗が高くなるため、リチウムイオンの挿入容量に対するリチウムイオンの脱離容量の割合(以下において、当該割合を「リチウム挿入脱離効率」と称することがある。)が低くなり、その結果、電池寿命が短くなるという問題があった。
そこで本発明は、電池寿命を長くすることが可能な全固体電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、金属有機構造体材料に備えられる芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料を負極活物質として用いることにより、リチウムイオン脱離末期の抵抗増加が抑制されてリチウム挿入脱離効率が高くなる結果、全固体電池の長寿命化を図りやすくなることを知見した。これは、以下の理由によると考えられる。すなわち、2以上の芳香族環構造を有する負極活物質の場合、リチウムイオンが挿入脱離するアルカリ金属元素層間の距離が長く、充放電時にリチウムイオンが本来の挿入脱離部以外の芳香族環で反応する副反応が生じやすく、副反応したリチウムイオンは脱離し難いため、リチウム挿入脱離効率が低下しやすい。これに対し、リチウムイオン挿入脱離時の体積変化が大きい芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである負極活物質では、リチウムイオンが挿入脱離するアルカリ金属元素層間が狭く、上記副反応が生じ難くなり、リチウムイオンが脱離しやすくなる結果、全固体電池の長寿命化を図りやすくなる。本発明は、このような知見に基づいて完成させた。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、正極及び負極、並びに、これらの間に配置された固体電解質層を備え、該固体電解質層は、硫化物固体電解質を含み、負極は、芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料を負極活物質として含有する、全固体電池である。
本発明は、正極及び負極、並びに、これらの間に配置された固体電解質層を備え、該固体電解質層は、硫化物固体電解質を含み、負極は、芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料を負極活物質として含有する、全固体電池である。
芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料を、負極活物質として用いることにより、リチウムイオン脱離末期の抵抗増加を抑制することが可能になるので、リチウム挿入脱離効率を高くすることが可能になる。その結果、全固体電池の長寿命化を図ることが可能になる。
本発明によれば、電池寿命を長くすることが可能な全固体電池を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
図1は、本発明の全固体電池10を説明する図である。図1に示した全固体電池10は、正極1及び負極2と、これらの間に配置された固体電解質層3と、正極1に接続された正極集電体4と、負極2に接続された負極集電体5と、を有している。固体電解質層3には硫化物固体電解質が用いられており、負極2にはテレフタル酸リチウムが負極活物質として用いられている。全固体電池10は、芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料のテレフタル酸リチウムを、負極活物質として用いているので、リチウムイオン脱離末期の抵抗増加を抑制することが可能になる。その結果、リチウム挿入脱離効率を高くすることが可能になるので、電池の長寿命化を図ることが可能になる。すなわち、本発明によれば、長寿命化を図ることが可能な全固体電池10を提供することができる。
上述のように、負極2には、テレフタル酸リチウムを負極活物質として含有させる。負極2における負極活物質(テレフタル酸リチウム)の含有量は、特に限定されないが、質量%で、例えば40%以上99%以下とすることが好ましい。
また、本発明では、固体電解質層3のみならず、正極1や負極2にも、必要に応じて、全固体電池に使用可能な硫化物固体電解質を含有させることができる。そのような硫化物固体電解質としては、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P2S5、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5、Li2S−P2S5、Li3PS4等を例示することができる。
さらに、負極2には、負極活物質や硫化物固体電解質を結着させるバインダーや導電性を向上させる導電材が含有されていても良い。負極2に用いることが可能なバインダーとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を例示することができる。また、負極2に用いることが可能な導電材としては、気相成長炭素繊維、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の炭素材料のほか、全固体電池の使用時の環境に耐えることが可能な金属材料を例示することができる。上記負極活物質、硫化物固体電解質、及び、導電材等を液体に分散して調整したスラリー状の負極組成物を負極集電体等に塗布し乾燥させる等の過程を経て負極2を作製する場合、使用可能な液体としてはヘプタン等を例示することができ、無極性溶媒を好ましく用いることができる。また、負極2の厚さは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。また、全固体電池の性能を高めやすくするために、負極2はプレスする過程を経て作製されていることが好ましい。
また、固体電解質層3には、硫化物固体電解質が含有されている。そのような硫化物固体電解質としては、負極2に含有させることが可能な上記硫化物固体電解質等を例示することができる。このほか、固体電解質層3には、可塑性を発現させる等の観点から、硫化物固体電解質同士を結着させるバインダーを含有させることができる。そのようなバインダーとしては、負極2に含有させることが可能な上記バインダー等を例示することができる。ただし、高出力化を図りやすくするために、硫化物固体電解質の過度の凝集を防止し且つ均一に分散された硫化物固体電解質を有する固体電解質層3を形成可能にする等の観点から、固体電解質層3にバインダーを含有させる場合、バインダーは5質量%以下とすることが好ましい。また、液体に上記硫化物固体電解質等を分散して調整したスラリー状の固体電解質組成物を正極や負極等に塗布する過程を経て固体電解質層3を作製する場合、硫化物固体電解質等を分散させる液体としては、ヘプタン等を例示することができ、無極性溶媒を好ましく用いることができる。固体電解質層3における硫化物固体電解質材料の含有量は、質量%で、例えば60%以上、中でも70%以上、特に80%以上であることが好ましい。固体電解質層3の厚さは、電池の構成によって大きく異なるが、例えば、0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
本発明において、正極1に含有させる正極活物質としては、全固体電池で使用可能な正極活物質を適宜用いることができる。そのような正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)やニッケル酸リチウム(LiNiO2)等の層状活物質のほか、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)等のオリビン型活物質や、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn2O4)等のスピネル型活物質等を例示することができる。正極活物質の形状は、例えば粒子状や薄膜状等にすることができる。正極活物質の平均粒径(レーザー回折・散乱法に基づく粒子径分布測定装置によって測定した体積基準の粒子径分布において、微粒子側からの累積50体積%に相当するメジアン径D50。)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。また、正極1における正極活物質の含有量は、特に限定されず、質量%で、例えば40%以上99%以下とすることが好ましい。
また、本発明では、正極活物質と硫化物固体電解質との界面に高抵抗層が形成され難くすることにより、電池抵抗の増加を防止しやすい形態にする観点から、正極活物質は、イオン伝導性酸化物で被覆されていることが好ましい。正極活物質を被覆するリチウムイオン伝導性酸化物としては、例えば、一般式LixAOy(Aは、B、C、Al、Si、P、S、Ti、Zr、Nb、Mo、Ta又はWであり、x及びyは正の数である。)で表される酸化物を挙げることができる。具体的には、Li3BO3、LiBO2、Li2CO3、LiAlO2、Li4SiO4、Li2SiO3、Li3PO4、Li2SO4、Li2TiO3、Li4Ti5O12、Li2Ti2O5、Li2ZrO3、LiNbO3、Li2MoO4、Li2WO4等を例示することができる。また、リチウムイオン伝導性酸化物は、複合酸化物であっても良い。正極活物質を被覆する複合酸化物としては、上記リチウムイオン伝導性酸化物の任意の組み合わせを採用することができ、例えば、Li4SiO4−Li3BO3、Li4SiO4−Li3PO4等を挙げることができる。また、正極活物質の表面をイオン伝導性酸化物で被覆する場合、イオン伝導性酸化物は、正極活物質の少なくとも一部を被覆してれば良く、正極活物質の全面を被覆していても良い。また、正極活物質を被覆するイオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上20nm以下であることがより好ましい。なお、イオン伝導性酸化物の厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定することができる。
また、正極1には、正極活物質等を結着させるバインダーや導電性を向上させる導電材が含有されていても良い。正極1に含有させることが可能なバインダーや導電材としては、負極2に含有させることが可能な上記バインダーや導電材等を例示することができる。また、液体に上記正極活物質等を分散して調整したスラリー状の正極組成物を用いて正極1を作製する場合、正極活物質等を分散させる液体としては、ヘプタン等を例示することができ、無極性溶媒を好ましく用いることができる。また、正極1の厚さは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。また、全固体電池10の性能を高めやすくするために、正極1はプレスする過程を経て作製されていることが好ましい。
また、正極集電体4及び負極集電体5には、全固体電池の集電体として使用可能な公知の導電性材料を用いることができる。
図1に示した構造体は、ラミネートフィルム等の外装体に収容された状態で使用される。そのようなラミネートフィルムとしては、樹脂製のラミネートフィルムや、樹脂製のラミネートフィルムに金属を蒸着させたフィルム等を例示することができる。
図2Aは、液系の電解質を用いるリチウムイオン二次電池の、リチウムイオン挿入脱離時の比容量を説明する概念図であり、図2Bは、全固体電池の、リチウムイオン挿入脱離時の比容量を説明する概念図である。
電解質が液系の場合は、初回充電時に、SEI被膜生成などにリチウムイオンが消費されるため、図2Aに示したように、リチウム挿入脱離効率には、リチウムイオンの不可逆容量の影響が大きい。それゆえ、2以上の芳香族環構造を有する金属有機構造体材料を負極活物質として用いることにより、リチウムイオンの挿入容量を増大させることが有効である。
これに対し、図2Bに示したように、全固体電池の場合は、液系の電解質を用いる場合と異なり、初回充電時のリチウムイオンの不可逆容量が小さく、リチウム挿入脱離効率には、リチウムイオンの副反応の影響が大きい。芳香族環構造の数を1つのみにすることにより、リチウムイオンの副反応が生じ難くなるので、全固体電池では、芳香族環構造の数が1つのみである金属有機構造体材料を負極活物質として用いることにより、リチウム挿入脱離効率を高くすることが可能になる。このように、芳香族環構造の数を1つにすることにメリットがあるのは、全固体電池のみであると考えられる。
電解質が液系の場合は、初回充電時に、SEI被膜生成などにリチウムイオンが消費されるため、図2Aに示したように、リチウム挿入脱離効率には、リチウムイオンの不可逆容量の影響が大きい。それゆえ、2以上の芳香族環構造を有する金属有機構造体材料を負極活物質として用いることにより、リチウムイオンの挿入容量を増大させることが有効である。
これに対し、図2Bに示したように、全固体電池の場合は、液系の電解質を用いる場合と異なり、初回充電時のリチウムイオンの不可逆容量が小さく、リチウム挿入脱離効率には、リチウムイオンの副反応の影響が大きい。芳香族環構造の数を1つのみにすることにより、リチウムイオンの副反応が生じ難くなるので、全固体電池では、芳香族環構造の数が1つのみである金属有機構造体材料を負極活物質として用いることにより、リチウム挿入脱離効率を高くすることが可能になる。このように、芳香族環構造の数を1つにすることにメリットがあるのは、全固体電池のみであると考えられる。
有する芳香族環構造の数が1つのみである金属有機構造体材料の例を図3に、2つの芳香族環構造を有する金属有機構造体材料の例を図4A及び図4Bに、それぞれ示す。図3はテレフタル酸リチウムであり、図4Aは2,6−ナフタレンジカルボン酸リチウムであり、図4Bは4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムである。
本発明に関する上記説明では、芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料としてテレフタル酸リチウムを明示した。リチウム金属基準で0.5V〜3.0Vの電圧範囲でリチウムイオンの挿入脱離反応が生じる、芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料であれば、副反応が生じ難く、リチウムイオンが脱離しやすいと考えられるので、テレフタル酸リチウム以外の金属有機構造体材料を全固体電池の負極活物質として用いても、同様の効果を奏することが可能と考えられる。そのような金属有機構造体材料としては、フタル酸リチウム、イソフタル酸リチウム等を例示することができる。
1.全固体電池の作製
[実施例]
重量比で、負極活物質(テレフタル酸リチウム):導電材(アセチレンブラック、電気化学工業株式会社製):導電材(気相成長炭素繊維、昭和電工株式会社製):固体電解質(75Li2S−25P2S5)=38:6:6:50となるように、負極活物質、導電材、及び、固体電解質をそれぞれ秤量した後、これらを分散剤(ヘプタン)と混合することにより、スラリー状の負極組成物を作製した。その後、作製したスラリー状の負極組成物をシャーレ上にあけて乾燥することにより、負極合材粉末を得た。
このようにして得られた負極合剤粉末を型の中に配置し、さらにその上に、硫化物固体電解質粉末(75Li2S−25P2S5)を配置した後、これらをプレス成型することにより、負極及び固体電解質層を作製した。
その後、負極が配置されていない側の固体電解質層の表面に、正極(リチウム金属箔、株式会社ニラコ製)を貼り付け、続いて、正極及び負極のそれぞれに集電体(銅金属箔)を接続することにより、実施例の全固体電池を作製した。
[実施例]
重量比で、負極活物質(テレフタル酸リチウム):導電材(アセチレンブラック、電気化学工業株式会社製):導電材(気相成長炭素繊維、昭和電工株式会社製):固体電解質(75Li2S−25P2S5)=38:6:6:50となるように、負極活物質、導電材、及び、固体電解質をそれぞれ秤量した後、これらを分散剤(ヘプタン)と混合することにより、スラリー状の負極組成物を作製した。その後、作製したスラリー状の負極組成物をシャーレ上にあけて乾燥することにより、負極合材粉末を得た。
このようにして得られた負極合剤粉末を型の中に配置し、さらにその上に、硫化物固体電解質粉末(75Li2S−25P2S5)を配置した後、これらをプレス成型することにより、負極及び固体電解質層を作製した。
その後、負極が配置されていない側の固体電解質層の表面に、正極(リチウム金属箔、株式会社ニラコ製)を貼り付け、続いて、正極及び負極のそれぞれに集電体(銅金属箔)を接続することにより、実施例の全固体電池を作製した。
[比較例1]
負極活物質として、テレフタル酸リチウムに代えて、2つの芳香族環構造を有する金属有機構造体材料である2,6−ナフタレンジカルボン酸リチウムを用いたほかは、実施例と同様にして、比較例1の全固体電池を作製した。
負極活物質として、テレフタル酸リチウムに代えて、2つの芳香族環構造を有する金属有機構造体材料である2,6−ナフタレンジカルボン酸リチウムを用いたほかは、実施例と同様にして、比較例1の全固体電池を作製した。
[比較例2]
負極活物質として、テレフタル酸リチウムに代えて、2つの芳香族環構造を有する金属有機構造体材料である4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを用いたほかは、実施例と同様にして、比較例2の全固体電池を作製した。
負極活物質として、テレフタル酸リチウムに代えて、2つの芳香族環構造を有する金属有機構造体材料である4,4’−ビフェニルジカルボン酸リチウムを用いたほかは、実施例と同様にして、比較例2の全固体電池を作製した。
2.充放電試験
実施例の全固体電池、比較例1の全固体電池、及び、比較例2の全固体電池のそれぞれに対し、25℃の温度環境下で、電流0.1mAで電圧0.5V(vs.Li/Li+。以下において同じ。)までリチウムイオンを挿入(充電)した後、電圧0.5Vにて電流0.01mAまでリチウムイオンを挿入した(充電)。また、電流0.1mAで電圧1.5Vまでリチウムイオンを脱離(放電)した後、電圧1.5Vにて電流0.01mAまでリチウムイオンを脱離した(放電)。定電流(0.1mA)での容量をリチウムイオンの挿入容量及びリチウムイオンの脱離容量とし、リチウムイオンの挿入容量に対するリチウムイオンの脱離容量の割合を、リチウム挿入脱離効率とした。結果を表1に示す。また、実施例の全固体電池、比較例1の全固体電池、及び、比較例2の全固体電池の2サイクル目の充放電結果を、それぞれ、図5、図6、及び、図7に示す。
実施例の全固体電池、比較例1の全固体電池、及び、比較例2の全固体電池のそれぞれに対し、25℃の温度環境下で、電流0.1mAで電圧0.5V(vs.Li/Li+。以下において同じ。)までリチウムイオンを挿入(充電)した後、電圧0.5Vにて電流0.01mAまでリチウムイオンを挿入した(充電)。また、電流0.1mAで電圧1.5Vまでリチウムイオンを脱離(放電)した後、電圧1.5Vにて電流0.01mAまでリチウムイオンを脱離した(放電)。定電流(0.1mA)での容量をリチウムイオンの挿入容量及びリチウムイオンの脱離容量とし、リチウムイオンの挿入容量に対するリチウムイオンの脱離容量の割合を、リチウム挿入脱離効率とした。結果を表1に示す。また、実施例の全固体電池、比較例1の全固体電池、及び、比較例2の全固体電池の2サイクル目の充放電結果を、それぞれ、図5、図6、及び、図7に示す。
表1に示したように、実施例ではリチウム挿入脱離効率が91%であったのに対し、比較例1ではリチウム挿入脱離効率が86%であり、比較例2ではリチウム挿入脱離効率が78%であった。すなわち、芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料(テレフタル酸リチウム)を負極活物質として用いることにより、リチウム挿入脱離効率を高くすることが可能であった。したがって、本発明によれば、電池寿命の長い全固体電池を提供することが可能である。
1…正極
2…負極
3…固体電解質層
4…正極集電体
5…負極集電体
10…全固体電池
2…負極
3…固体電解質層
4…正極集電体
5…負極集電体
10…全固体電池
Claims (1)
- 正極及び負極、並びに、これらの間に配置された固体電解質層を備え、
前記固体電解質層は、硫化物固体電解質を含み、
前記負極は、芳香族環構造の数が1つのみであるジカルボン酸アニオンである金属有機構造体材料を負極活物質として含有する、全固体電池。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200018132A (ko) * | 2018-08-10 | 2020-02-19 | 삼성전자주식회사 | 리튬전지용 황화물계 고체 전해질, 그 제조방법 및 이를 포함하는 리튬전지 |
CN112259714A (zh) * | 2020-09-29 | 2021-01-22 | 东莞东阳光科研发有限公司 | 固态电池复合电极片及其制备方法、包含其的固态电池 |
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2015
- 2015-08-21 JP JP2015163387A patent/JP2017041392A/ja active Pending
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KR102626921B1 (ko) * | 2018-08-10 | 2024-01-19 | 삼성전자주식회사 | 리튬전지용 황화물계 고체 전해질, 그 제조방법 및 이를 포함하는 리튬전지 |
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