JP2010211975A - 二次電池用の電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極集電体から剥離し難く優れた接着性を有する電極活物質層を備える二次電池用の電極を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明により提供される二次電池用の電極を製造する方法は、水溶性の増粘材に水を加えて混練してなる粘度調整用水溶液を用意する工程(S10)、上記用意した粘度調整用水溶液に電極活物質を分散してなる粘性組成物Aと、該粘度調整用水溶液に結着材を分散してなる粘性組成物Bとをそれぞれ調製する工程(S20,S30)、上記粘性組成物Aおよび上記粘性組成物Bを共に混練し、電極活物質層形成用ペーストを調製する工程(S40);および、上記電極活物質層形成用ペーストを電極集電体に塗布して該集電体上に電極活物質層を形成する工程(S50)、を包含する。
【選択図】図3
【解決手段】本発明により提供される二次電池用の電極を製造する方法は、水溶性の増粘材に水を加えて混練してなる粘度調整用水溶液を用意する工程(S10)、上記用意した粘度調整用水溶液に電極活物質を分散してなる粘性組成物Aと、該粘度調整用水溶液に結着材を分散してなる粘性組成物Bとをそれぞれ調製する工程(S20,S30)、上記粘性組成物Aおよび上記粘性組成物Bを共に混練し、電極活物質層形成用ペーストを調製する工程(S40);および、上記電極活物質層形成用ペーストを電極集電体に塗布して該集電体上に電極活物質層を形成する工程(S50)、を包含する。
【選択図】図3
Description
本発明は、二次電池用の電極を製造する方法に関する。詳しくは、該電極の電極活物質層を形成するための組成物の調製工程に関する。
近年、リチウム二次電池やニッケル水素電池等の二次電池は、電気を駆動源とする車両搭載用電源、あるいはパソコン及び携帯端末その他の電気製品等に搭載される電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。
この種の二次電池の典型的な電極(正極および負極)は、電荷担体となる化学種を可逆的に吸蔵および放出し得る電極活物質を主成分とする電極活物質層(具体的には、正極活物質層および負極活物質層)が電極集電体の上に形成された構成の電極を備える。かかる電極活物質層は、電極活物質を結着材や増粘材等とともに適当な溶媒を添加して調製したペーストまたはスラリー状組成物(以下、「電極活物質層形成用ペースト」、「正極活物質層形成用ペースト」、または「負極活物質層形成用ペースト」と略称する場合がある。)を電極集電体に塗布することによって形成される。
この種の二次電池の典型的な電極(正極および負極)は、電荷担体となる化学種を可逆的に吸蔵および放出し得る電極活物質を主成分とする電極活物質層(具体的には、正極活物質層および負極活物質層)が電極集電体の上に形成された構成の電極を備える。かかる電極活物質層は、電極活物質を結着材や増粘材等とともに適当な溶媒を添加して調製したペーストまたはスラリー状組成物(以下、「電極活物質層形成用ペースト」、「正極活物質層形成用ペースト」、または「負極活物質層形成用ペースト」と略称する場合がある。)を電極集電体に塗布することによって形成される。
上記電極の製造方法に関する従来技術として、特許文献1〜4が挙げられる。特許文献1に記載の技術では、負極活物質、結着材、および増粘材を含む負極活物質層形成用ペーストを集電体に塗布した後に、該結着材および増粘材の軟化点よりも高い温度で熱処理することにより集電体と電極活物質層(ここでは合材層)との密着性を向上させている。また、特許文献2では、負極活物質層形成用ペースト中の組成物の含有割合を特定することにより良好なサイクル特性を有する電池を開示している。特許文献3に記載の技術では、結着材として用いられるカルボキシメチルセルロース金属塩のエーテル化度の値を設定し、炭素質材料同士の結着力を向上させている。さらに、特許文献4では、2種類の結着材の混合比を決めることにより電池特性に優れた電池を開示している。
ところで、上記結着材が電極活物質層形成用ペースト中において均等に分散(分布)されていないと、該ペーストが電極集電体の表面に塗布されて形成された電極活物質層は、該集電体から剥離し、該剥離した層片によって内部短絡を引き起こす虞がある。また、同ペースト中に含まれる増粘材についても、溶媒に十分に溶解して混練されていないと該ペースト中で凝集するため粘度が下がらず、該ペーストを上記集電体に薄く塗布することが困難となる。
さらに、二次電池の用途のなかには、ハイレート充放電を繰り返す態様で長期に亘って使用されることが想定されるものがある。例えば、車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車)の動力源として用いられる二次電池はその典型例であるが、かかる態様における二次電池では、電荷担体の移動に伴う電極活物質層への負荷が大きいため、電極活物質層の剥離(層内剥離を含む)が一層懸念される。
さらに、二次電池の用途のなかには、ハイレート充放電を繰り返す態様で長期に亘って使用されることが想定されるものがある。例えば、車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車)の動力源として用いられる二次電池はその典型例であるが、かかる態様における二次電池では、電荷担体の移動に伴う電極活物質層への負荷が大きいため、電極活物質層の剥離(層内剥離を含む)が一層懸念される。
そこで、本発明は二次電池用の電極の製造方法に関する従来の問題点を解決すべく創出されたものであり、その目的とするところは、剥離強度の強い、すなわち集電体から剥離し難く、集電体への優れた接着性を有する電極活物質層を備える、信頼性の高い二次電池用の電極を製造する方法を提供することである。また、このような電極を負極に備える二次電池、および該電池を備える車両を提供することを他の目的とする。
上記目的を実現するべく本発明により、電極集電体の表面に電極活物質層が形成された二次電池用の電極を製造する方法が提供される。ここで開示される製造方法は、以下の工程、すなわち、(1).水溶性の増粘材に水を加えて混練してなる粘度調整用水溶液を用意する工程、(2).上記用意した粘度調整用水溶液に電極活物質を分散してなる粘性組成物Aと、該粘度調整用水溶液に結着材を分散してなる粘性組成物Bとをそれぞれ調製する工程、(3).上記粘性組成物Aおよび上記粘性組成物Bを共に混練し、電極活物質層形成用ペーストを調製する工程;および、(4).上記電極活物質層形成用ペーストを電極集電体に塗布して該集電体上に電極活物質層を形成する工程、を包含する。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子(物理電池)を包含する用語である。
また、本明細書において「電極活物質」とは、二次電池において電荷担体となる化学種を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および脱離)可能な活物質をいう。
また、本明細書において「電極活物質」とは、二次電池において電荷担体となる化学種を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および脱離)可能な活物質をいう。
本発明によって提供される二次電池用の電極の製造方法では、水溶性の増粘材を予め水で溶解させて十分に混練した粘度調整用水溶液を用いて、電極活物質層を構成する他の組成物(典型的には電極活物質および結着材)とそれぞれ混合させている。すなわち、電極活物質を上記粘度調整用水溶液に分散(典型的には、固練り)した粘性組成物Aと、結着材を該粘度調整用水溶液に分散した粘性組成物Bとをそれぞれ調製した後、粘性組成物Aおよび粘性組成物Bを共に混練して電極活物質層形成用ペースト(スラリー状のものを含む。)を調製している。
このようにして、予め増粘材のみが溶解された粘度調整用水溶液と、水系溶媒に不溶性の電極活物質および結着材をそれぞれ別々に分散させるため、電極活物質層形成用ペースト中において上記組成物を均等に分散させることができる。これにより、該電極活物質層形成用ペーストを用いて電極集電体表面に形成された電極活物質層は該集電体から剥がれ難く、内部短絡を未然に防ぐことができる。その結果、信頼性に優れた二次電池を提供することができる。
このようにして、予め増粘材のみが溶解された粘度調整用水溶液と、水系溶媒に不溶性の電極活物質および結着材をそれぞれ別々に分散させるため、電極活物質層形成用ペースト中において上記組成物を均等に分散させることができる。これにより、該電極活物質層形成用ペーストを用いて電極集電体表面に形成された電極活物質層は該集電体から剥がれ難く、内部短絡を未然に防ぐことができる。その結果、信頼性に優れた二次電池を提供することができる。
本発明によって提供される製造方法の好ましい他の一態様では、上記電極活物質は、カーボン粒子である。カーボン粒子を電極活物質層形成用ペースト中において均等に分散させることによって該電極を備える二次電池の導電性を向上させることができる。本発明に係る方法によると、分散され難くいカーボン粒子を粘度調整用水溶液で予め分散してから、別途調製する結着材含有の粘性組成物Bと混練するため、電極活物質層形成用ペースト中において当該カーボン粒子からなる電極活物質が均等に分布される。これにより、導電性に優れた二次電池用の電極を製造することができる。
また、好ましくは、上記増粘材はセルロース誘導体である。増粘材として好ましいセルロース誘導体は、水系溶媒に溶解するポリマーであって、溶媒に溶解して混練することによって粘性を有する。
さらに好ましくは、上記結着材は水系溶媒に分散可能なポリマー(典型的には、非極性ポリマー)である。例えば、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)やポリエチレンオキサイド(PEO)等の非極性の分子に界面活性材が添加されたポリマーが挙げられる。上記増粘材が溶解された粘度調整用水溶液と結着材との組み合わせで分散することによって、電極活物質層形成用ペースト中における結着材の分散性が向上し、均等に分布される。これにより、剥離強度が向上された電極活物質層を電極集電体表面に備える二次電池用の電極を製造することができる。
さらに好ましくは、上記結着材は水系溶媒に分散可能なポリマー(典型的には、非極性ポリマー)である。例えば、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)やポリエチレンオキサイド(PEO)等の非極性の分子に界面活性材が添加されたポリマーが挙げられる。上記増粘材が溶解された粘度調整用水溶液と結着材との組み合わせで分散することによって、電極活物質層形成用ペースト中における結着材の分散性が向上し、均等に分布される。これにより、剥離強度が向上された電極活物質層を電極集電体表面に備える二次電池用の電極を製造することができる。
また、本発明によると、ここに開示されるいずれかの方法により製造された電極を負極に備える二次電池が提供される。さらに、そのような構成の二次電池を備える車両が提供される。本発明によって提供される二次電池用の負極は、車両に搭載される二次電池として適した品質(例えば、電極活物質層の剥離防止、および内部短絡の抑制等)を示すものであり得る。したがって、かかる二次電池は、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の電源として好適に使用され得る。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される二次電池用の電極を製造する方法の好適な実施形態の一つとして、電極集電体の表面に電極活物質層が形成されたリチウム二次電池(リチウムイオン電池)用の負極を製造する方法を例にして詳細に説明するが、本発明の適用対象をかかる電極または電池に限定する意図ではない。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、一実施形態に係る角型形状のリチウム二次電池を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1中のII−II線断面図である。
図1および図2に示されるように、本実施形態に係るリチウム二次電池100は、直方体形状の角型の電池ケース10と、該ケース10の開口部12を塞ぐ蓋体14とを備える。この開口部12より電池ケース10内部に扁平形状の電極体(捲回電極体20)及び電解質を収容することができる。また、蓋体14には、外部接続用の正極端子38と負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。
図1および図2に示されるように、本実施形態に係るリチウム二次電池100は、直方体形状の角型の電池ケース10と、該ケース10の開口部12を塞ぐ蓋体14とを備える。この開口部12より電池ケース10内部に扁平形状の電極体(捲回電極体20)及び電解質を収容することができる。また、蓋体14には、外部接続用の正極端子38と負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。
図2に示されるように、本実施形態では該ケース10内に捲回電極体20が収容されている。該電極体20は、長尺シート状の正極集電体32の表面に正極活物質層34が形成された正極シート30、長尺シート状の負極集電体42の表面に負極活物質層44が形成された負極シート40、および長尺シート状のセパレータ50からなる。そして、正極シート30及び負極シート40を2枚のセパレータ50と共に重ね合わせて捲回し、得られた捲回電極体20を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。
また、捲回される正極シート30において、その長手方向に沿う一方の端部には正極活物質層34が形成されずに正極集電体32が露出しており、一方、捲回される負極シート40においても、その長手方向に沿う一方の端部は負極活物質層44が形成されずに負極集電体42が露出している。そして、正極集電体32の該露出端部に正極端子38が、負極集電体42の該露出端部には負極端子48がそれぞれ接合され、上記扁平形状に形成された捲回電極体20の正極シート30または負極シート40と電気的に接続されている。正負極端子38,48と正負極集電体32,42とは、例えば超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合され得る。
以下、本実施形態に係るリチウム二次電池100の負極の各構成要素について説明する。ここで開示されるリチウム二次電池用の負極40は、負極集電体42の表面に負極活物質層44が形成された構成を備える。負極を構成する負極集電体42の構成材料としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、銅または銅を主成分とする合金が挙げられる。また、負極集電体42の形状は、該電極を用いて構築される電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形状であり得る。例えば、本実施形態に係る捲回型の電極体20を備える電池においては、シート状または箔状の負極集電体42を好ましく適用し得る。
負極活物質層44を構成する負極活物質としては、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、好適な負極活物質としてカーボン粒子が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も好適に使用され得る。特に黒鉛粒子は、粒径が小さく単位体積当たりの表面積が大きいことからより急速充放電(例えば高出力放電)に適した負極活物質となり得る。
ここに開示される方法で使用される電極活物質層形成用ペースト(本実施形態においては負極活物質層形成用ペースト)は、このような上記活物質が水系溶媒に分散された形態の水系組成物であり得る。また、ここに開示される負極活物質層44は、かかる負極活物質層形成用ペーストを用いて形成されたものであり得る。
ここで「水系溶媒」とは、水または水を主体とする混合溶媒を指す概念である。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、該水系溶媒の凡そ80質量%以上(より好ましくは凡そ90質量%以上、さらに好ましくは凡そ95質量%以上)が水である水系溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒が挙げられる。
ここで「水系溶媒」とは、水または水を主体とする混合溶媒を指す概念である。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、該水系溶媒の凡そ80質量%以上(より好ましくは凡そ90質量%以上、さらに好ましくは凡そ95質量%以上)が水である水系溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒が挙げられる。
上記負極活物質層形成用ペーストには、負極活物質および水系溶媒の他に、水系溶媒に溶解して増粘材として機能し得るポリマー材料が配合される。かかる水に溶解する水溶性のポリマー材料としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC;典型的にはナトリウム塩)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)等のセルロース誘導体、または、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。これらのうち、セルロース誘導体(例えばCMC)を特に好ましく使用し得る。なお、このようなポリマー材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、上記負極活物質層形成用ペーストには、結着材として機能し得る水に分散するポリマー材料が配合される。かかるポリマー材料としては、例えば、酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類、または、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂が例示される。なかでもスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)を好ましく使用し得る。なお、このようなポリマー材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、負極活物質層形成用ペーストに占める固形分濃度(溶媒を除く不揮発分)は、特に限定するものではないが、例えば凡そ40〜60質量%程度であり得る。そのうち固形分中に占める負極活物質の割合としては、凡そ50質量%以上とすることが好ましく、特に好ましくは80質量%以上、例えば、90〜99質量%である。また、負極活物質層形成用ペーストに占める結着材および増粘材等のポリマー材料は、それぞれ凡そ10質量%以下(例えば0.5〜5質量%)とすることが好ましい。
次に、本発明に係る二次電池用の電極の製造方法の好ましい態様の一例につき、リチウム二次電池(リチウムイオン電池)用の負極の製造方法を例にして、図3に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図3に示されるように、ここに開示される製造方法は、増粘材に水を加えて混練してなる粘度調整用水溶液を用意(または調製)する工程(ステップS10)と、該粘度調整用水溶液に電極活物質(本実施形態では負極活物質)を分散してなる粘性組成物Aを調製する工程(ステップS20)と、該粘度調整用水溶液に結着材を分散してなる粘性組成物Bと調製する工程(ステップS30)と、該粘性組成物Aおよび該粘性組成物Bを共に混練し、電極活物質層形成用ペースト(本実施形態では負極活物質層形成用ペースト)を調製する工程(ステップS40)と、該電極活物質層形成用ペーストを電極集電体(本実施形態では負極集電体42)に塗布して該集電体上に電極活物質層(本実施形態では負極活物質層44)を形成する工程(ステップS50)を経ることにより、二次電池用の電極(本実施形態ではリチウム二次電池用の負極40)を製造することができる。以下、上記工程を詳細に説明する。
図3に示されるように、ここに開示される製造方法は、増粘材に水を加えて混練してなる粘度調整用水溶液を用意(または調製)する工程(ステップS10)と、該粘度調整用水溶液に電極活物質(本実施形態では負極活物質)を分散してなる粘性組成物Aを調製する工程(ステップS20)と、該粘度調整用水溶液に結着材を分散してなる粘性組成物Bと調製する工程(ステップS30)と、該粘性組成物Aおよび該粘性組成物Bを共に混練し、電極活物質層形成用ペースト(本実施形態では負極活物質層形成用ペースト)を調製する工程(ステップS40)と、該電極活物質層形成用ペーストを電極集電体(本実施形態では負極集電体42)に塗布して該集電体上に電極活物質層(本実施形態では負極活物質層44)を形成する工程(ステップS50)を経ることにより、二次電池用の電極(本実施形態ではリチウム二次電池用の負極40)を製造することができる。以下、上記工程を詳細に説明する。
図3に示されるように、はじめに、ステップS10で、水に溶解するポリマー材料からなる増粘材(例えばCMC)に水を添加して十分に混練することにより、粘性を有する水溶液(粘度調整用水溶液)を用意または調製する工程を行う。かかる粘度調整用水溶液の調製は、増粘材の凝集物がなくなり、溶液全体に均等な粘性が得られるまで十分に混練装置を用いて混練するのが好ましい。混練に用いる装置は特に限定するものではないが、例えば、プラネタリーミキサー、遊星式撹拌装置、デスパー、ボールミル、ニーダ、ミキサー等が挙げられる。特に、プラネタリーミキサーはブレード軸がタンク内で遊星運動し強力に混練することができるため好適に用いられ得る。なお、ここに開示される一連の工程で行う混練は、それぞれ同じ装置を用いてもよく、混練対象物の粘性状態に応じて異なる装置を用いてもよい。
次に、ステップS20で、上記粘度調整用水溶液に負極活物質(例えばカーボン粒子)を添加し分散(固練り)することによって粘性組成物Aを調製する工程を行う(図3参照)。本実施形態で負極活物質として用いるカーボン粒子は、水に溶解されないが、粘度調整用水溶液に添加して固練りすることにより均等に分散させることができる。負極活物質が均等に分散された粘性組成物Aを調製することにより、ここに開示される方法を用いて製造される負極の導電性を向上させることが可能となる。
また、ステップS30では、上記粘度調整用水溶液に結着材を添加し分散することによって粘性組成物Bを調製する工程を行う(図3参照)。このように、水系溶媒に分散可能なポリマー(典型的には、非極性ポリマー)材料からなる結着材(例えばSBR)を、予め調製した粘度調整用水溶液に添加し分散させることにより、結着材が溶液中に均等に分散された粘性組成物Bを調製することができる。
次いで、上記ステップS40において、上記調製した粘性組成物Aと粘性組成物Bとを合わせて混練し、負極活物質層形成用ペースト(スラリーを含む)を調製する工程を行う(図3参照)。ここで、従来用いられている一般的な方法では、結着材は負極活物質層形成用ペーストの調製の最終工程で添加するため、増粘材または負極活物質が結着材と絡み難く、結着材を均等に分散させるのが困難であった。しかしながら、予め調製した粘度調整用水溶液に、負極活物質および結着材をそれぞれ別に添加して十分に分散させた粘性組成物Aと粘性組成物Bとを共に混練することによって、結着材の分散性が向上し、負極活物質層形成用ペースト中に均等に分散させることができる。
そして、上記ステップS50で、上記負極活物質層形成用ペーストを負極集電体42に塗布して該集電体上に負極活物質層44を形成する工程を行う(図3参照)。負極集電体42の表面に上記調製した負極活物質層形成用ペーストを塗布し、該ペーストに含まれる溶媒である水を乾燥させることにより負極活物質層44を形成することができる。このようにして結着材が均等に分散された負極活物質層形成用ペーストが用いられて負極集電体42表面に形成された負極活物質層44は剥離し難い。したがって、ここに開示される方法によると、電極活物質層の破れまたは剥離による内部短絡あるいは容量維持率の低下等が抑制された二次電池用の電極を製造することができる。
なお、かかる負極活物質層形成用ペーストを負極集電体42に塗布するにあたっては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、スリットコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーター等の塗布装置が挙げられる。また、必要に応じて、乾燥後、圧縮することにより、活物質層44を所望の厚みに調整することができる。かかる圧縮方法としては、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法を採用することができる。また、膜厚測定器で該厚みを測定し、プレス圧を調整して所望の厚さになるまで複数回圧縮してもよい。
なお、塗布する該ペーストの厚みまたは単位面積当たりの塗付量は、十分な導電経路(導電パス)を確保することができる限りにおいて特に限定するものではないが、例えば、負極集電体42の両面あたり100μm以下程度の厚み(片面の場合はその半分の厚み)となるように塗布し、プレス後における負極シート40の厚み(負極集電体42および両面に形成された負極活物質層44の合計厚み)が凡そ50μm(片面の場合はその半分の厚み)となるようにプレスすることが好ましい。
また、好ましい負極集電体42の単位面積あたりの塗布量、すなわち目付は、2.5mg/cm2以上50mg/cm2以下(例えば凡そ5.0mg/cm2)である。
また、好ましい負極集電体42の単位面積あたりの塗布量、すなわち目付は、2.5mg/cm2以上50mg/cm2以下(例えば凡そ5.0mg/cm2)である。
ここに開示される方法により製造された負極40を備えるリチウム二次電池100を構成するその他の材料および部材自体は、従来同種の電池に備えられるものと同様でよく、特に制限はない。以下、その他の構成要素について説明するが、本発明を係る実施形態に限定することを意図したものではない。
例えば、正極(正極シート)30は、シート状の正極集電体32(例えばアルミニウム箔)の上に正極活物質層34が形成された構成であり得る。上記正極活物質層34は、正極活物質、および必要に応じて添加される導電材、結着材、増粘材等の各種添加材を適当な溶媒に混合されてなる組成物(正極活物質層形成用ペースト)を正極集電体32に塗布し、該溶媒を乾燥させて圧縮成型することにより形成される。
上記、正極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出可能な材料が用いられ、従来からリチウム二次電池に用いられる物質(例えば層状構造の酸化物やスピネル構造の酸化物)の一種または二種以上を特に限定することなく使用される。例えば、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物等のリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。なお、一般式がLiMPO4(MはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種以上の元素;例えばLiFePO4、LiMnPO4)で表記されるオリビン型リン酸リチウムを上記正極活物質として用いてもよい。
上記導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末等を用いることができる。また、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。なお、これらのうち一種のみを用いられていても二種以上が併用されていてもよい。
また、電解質は、従来からリチウム二次電池に用いられる電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択される一種または二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えばリチウム電池の場合、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiI等から選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。
正極シート30と負極シート40との間に配置されるセパレータ50としては、両極の接触による電流の短絡を防止し、かつリチウムを通過させる材料が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂から成る多孔質フィルム(多孔質膜)を好適に使用し得る。
次に、一実施形態に係るリチウム二次電池100の構築について大まかな手順を説明する。上記作製した正極シート30及び負極シート40を2枚のセパレータ50と共に積重ね合わせて捲回し、積層方向から押しつぶして拉げさせることによって電極体を扁平形状に成形し、電池ケース10に収容して電解質を注入後、該ケース開口部12に蓋体14を装着し、封止することによって、本実施形態のリチウム二次電池100を構築することができる。なお、上記電池ケース10の構造、大きさ、材料(例えば金属製またはラミネートフィルム製であり得る)等について特に制限はない。
以下、本発明に関する試験例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
本発明に係る二次電池用の電極を作製し、該電極における電極活物質層の引張試験を行い剥離強度について評価した。以下、具体的な方法を示す。
[リチウム二次電池用の負極の作製]
実施例に係る二次電池用の電極として、リチウム二次電池用の負極を作製した。まず、増粘材としてCMCにイオン交換水を添加し、プラネタリーミキサー(商品名ハイビスディスパーミックス、プライミクス株式会社製)を用いて混練し、粘度調整用水溶液を調製した。凡そ半量の粘度調整用水溶液を取り分けて負極活物質としてグラファイトを添加し、上記混練装置を用いて固練りし粘性組成物Aを調製した。また、残り半量の粘度調整用水溶液に結着材としてSBRを添加し、混練装置を用いて分散させることにより粘性組成物Bを調製した。そして、粘性組成物Aと粘性組成物Bとを合わせて混練して負極活物質層形成用ペーストを調製し、該ペーストを負極集電体としての銅箔(厚さ10μm)に片面あたり凡そ40μmの厚みで、単位面積あたりの塗布量が5.0mg/cm2となるように片面に塗布した。塗付後、該ペースト中の溶媒を乾燥して除去し、片面あたりの負極活物質層の厚さが凡そ20μmになるようにプレスし、本実施例に係るリチウム二次電池用の負極を作製した。
なお、上記負極活物質層形成用ペースト中の負極活物質の質量と、増粘材CMCの質量と、結着材SBRの質量との各質量%比は、98:1:1とし、また、該ペーストに占める固形分の割合は50%となるようにイオン交換水の添加量を調整した。
実施例に係る二次電池用の電極として、リチウム二次電池用の負極を作製した。まず、増粘材としてCMCにイオン交換水を添加し、プラネタリーミキサー(商品名ハイビスディスパーミックス、プライミクス株式会社製)を用いて混練し、粘度調整用水溶液を調製した。凡そ半量の粘度調整用水溶液を取り分けて負極活物質としてグラファイトを添加し、上記混練装置を用いて固練りし粘性組成物Aを調製した。また、残り半量の粘度調整用水溶液に結着材としてSBRを添加し、混練装置を用いて分散させることにより粘性組成物Bを調製した。そして、粘性組成物Aと粘性組成物Bとを合わせて混練して負極活物質層形成用ペーストを調製し、該ペーストを負極集電体としての銅箔(厚さ10μm)に片面あたり凡そ40μmの厚みで、単位面積あたりの塗布量が5.0mg/cm2となるように片面に塗布した。塗付後、該ペースト中の溶媒を乾燥して除去し、片面あたりの負極活物質層の厚さが凡そ20μmになるようにプレスし、本実施例に係るリチウム二次電池用の負極を作製した。
なお、上記負極活物質層形成用ペースト中の負極活物質の質量と、増粘材CMCの質量と、結着材SBRの質量との各質量%比は、98:1:1とし、また、該ペーストに占める固形分の割合は50%となるようにイオン交換水の添加量を調整した。
次に、比較例に係る二次電池用の電極として、リチウム二次電池用の負極を作製した。本比較例では、上記実施例で用いた装置と同様のものを使用し、各構成材料についても同様の製品を用いた。また、負極活物質層形成用ペースト中の固形分の各質量%比、および固形分の割合についても実施例と同様になるようにして、以下の工程により負極を作製した。
まず、増粘材CMCにイオン交換水を添加し、プラネタリーミキサーを用いて混練し粘度調整用水溶液を調製した。凡そ半量の粘度調整用水溶液を取り分けて負極活物質グラファイトを添加し、プラネタリーミキサーを用いて固練りし、粘性組成物Aを調製した。また、残り半量の粘度調整用水溶液を加えて固練りし、さらにこの中に結着材SBRを添加し、分散させて負極活物質層形成用ペーストを調製した。該ペーストを調製した後は、実施例と同様の手順で同量の該ペーストを負極集電体である銅箔に塗布し、本比較例に係るリチウム二次電池用の負極を作製した。
まず、増粘材CMCにイオン交換水を添加し、プラネタリーミキサーを用いて混練し粘度調整用水溶液を調製した。凡そ半量の粘度調整用水溶液を取り分けて負極活物質グラファイトを添加し、プラネタリーミキサーを用いて固練りし、粘性組成物Aを調製した。また、残り半量の粘度調整用水溶液を加えて固練りし、さらにこの中に結着材SBRを添加し、分散させて負極活物質層形成用ペーストを調製した。該ペーストを調製した後は、実施例と同様の手順で同量の該ペーストを負極集電体である銅箔に塗布し、本比較例に係るリチウム二次電池用の負極を作製した。
[引張試験]
市販の引張試験機を用いて、電極活物質層の剥離強度について評価した。
上記作製した実施例および比較例に係る二次電池用の負極40を円形状にポンチで打ち抜きし、試験片をそれぞれ用意した。そして、図4に示すような引張試験機80の架台84に該試験片を固定した。このとき、該試験片は負極活物質層44が鉛直方向上側になるように負極集電体42を架台84に固定した。それから、引張治具82の下端部に両面テープ(φ10mm)86の片面を貼付し、もう一方の面を負極活物質層44に貼り付け、鉛直方向上側に0.5mm/secの速度で引張治具82を引っ張りあげて、負極活物質層44が負極集電体42から剥がれたときの引張強度(剥離強度)[kg]を測定した。
測定結果を表1に示す。
市販の引張試験機を用いて、電極活物質層の剥離強度について評価した。
上記作製した実施例および比較例に係る二次電池用の負極40を円形状にポンチで打ち抜きし、試験片をそれぞれ用意した。そして、図4に示すような引張試験機80の架台84に該試験片を固定した。このとき、該試験片は負極活物質層44が鉛直方向上側になるように負極集電体42を架台84に固定した。それから、引張治具82の下端部に両面テープ(φ10mm)86の片面を貼付し、もう一方の面を負極活物質層44に貼り付け、鉛直方向上側に0.5mm/secの速度で引張治具82を引っ張りあげて、負極活物質層44が負極集電体42から剥がれたときの引張強度(剥離強度)[kg]を測定した。
測定結果を表1に示す。
表1に示す結果から明らかなように、実施例に係るリチウム二次電池用の負極は、比較例に係るリチウム二次電池用の負極よりも、負極活物質層の剥離強度が大きいことが確認された。
このことから、実施例で調製した負極活物質層形成用ペーストを用いて形成された負極活物質層は、負極集電体から剥離し難く優れた接着性を有することが示された。
このことから、実施例で調製した負極活物質層形成用ペーストを用いて形成された負極活物質層は、負極集電体から剥離し難く優れた接着性を有することが示された。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、電池の種類は上述したリチウム二次電池に限られず、電極体構成材料や電解質が異なる種々の内容の電池であってもよい。また、該電池の大きさおよびその他の構成についても、用途(典型的には車載用)によって適切に変更することができる。
本発明に係る二次電池用の電極は、電極集電体から剥離し難く優れた接着性を有する電極活物質層を備える。かかる特性により、本発明に係る二次電池用の電極を備える二次電池は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。従って、図5に示されるように、かかる二次電池100(当該電池100を複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。)を電源として備える車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車のような電動機を備える自動車)を提供する。
1 車両
10 電池ケース
12 開口部
14 蓋体
20 捲回電極体
30 正極シート(正極)
32 正極集電体
34 正極活物質層
38 正極端子
40 負極シート(負極)
42 負極集電体
44 負極活物質層
48 負極端子
50 セパレータ
80 引張試験機
82 引張治具
84 架台
86 両面テープ
100 リチウム二次電池
10 電池ケース
12 開口部
14 蓋体
20 捲回電極体
30 正極シート(正極)
32 正極集電体
34 正極活物質層
38 正極端子
40 負極シート(負極)
42 負極集電体
44 負極活物質層
48 負極端子
50 セパレータ
80 引張試験機
82 引張治具
84 架台
86 両面テープ
100 リチウム二次電池
Claims (6)
- 電極集電体の表面に電極活物質層が形成された二次電池用の電極を製造する方法であって、以下の工程:
水溶性の増粘材に水を加えて混練してなる粘度調整用水溶液を用意する工程;
前記用意した粘度調整用水溶液に電極活物質を分散してなる粘性組成物Aと、該粘度調整用水溶液に結着材を分散してなる粘性組成物Bとをそれぞれ調製する工程;
前記粘性組成物Aおよび前記粘性組成物Bを共に混練し、電極活物質層形成用ペーストを調製する工程;および、
前記電極活物質層形成用ペーストを電極集電体に塗布して該集電体上に電極活物質層を形成する工程;
を包含する、製造方法。 - 前記電極活物質は、カーボン粒子である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記増粘材は、セルロース誘導体である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記結着材は、水系溶媒に分散可能なポリマーである、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られた電極を負極に備える二次電池。
- 請求項5に記載の二次電池を備える車両。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009054427A JP2010211975A (ja) | 2009-03-09 | 2009-03-09 | 二次電池用の電極の製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012046305A1 (ja) * | 2010-10-05 | 2012-04-12 | トヨタ自動車株式会社 | 電池の製造方法 |
JP2013062139A (ja) * | 2011-09-13 | 2013-04-04 | Toyota Motor Corp | 電極の評価方法 |
JP2015133252A (ja) * | 2014-01-14 | 2015-07-23 | 株式会社ジェイテクト | 蓄電材料の製造装置および製造方法 |
CN109860512A (zh) * | 2019-02-20 | 2019-06-07 | 湖南科霸汽车动力电池有限责任公司 | 镍氢电池正极浆料炼合工艺 |
-
2009
- 2009-03-09 JP JP2009054427A patent/JP2010211975A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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