JPH09288352A - 画像形成シートとこのシートを用いた画像形成方法およびこの画像形成方法により得られた簡易校正刷り - Google Patents

画像形成シートとこのシートを用いた画像形成方法およびこの画像形成方法により得られた簡易校正刷り

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JPH09288352A
JPH09288352A JP12643496A JP12643496A JPH09288352A JP H09288352 A JPH09288352 A JP H09288352A JP 12643496 A JP12643496 A JP 12643496A JP 12643496 A JP12643496 A JP 12643496A JP H09288352 A JPH09288352 A JP H09288352A
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photosensitive layer
image forming
substituted
forming sheet
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JP12643496A
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English (en)
Inventor
Shigeru Hirayama
茂 平山
Jiro Watanabe
二郎 渡辺
Shuichi Sugita
修一 杉田
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
Takeo Watanabe
岳男 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザ露光により感光層の露光部と未
露光部とで熱粘着力の差を生ぜしめ、熱圧転写によって
受像体に画像を形成できかつ高温高湿環境下でも保存安
定性が良好な画像形成シートと画像形成方法およびこの
方法により得られた簡易校正刷りを提供する。 【解決手段】 この画像形成シート10は、支持体1と、
この上に設けられ、色材と、エチレン性不飽和基を有す
る光重合性化合物と、光重合性を有しない有機重合体か
らなる熱粘着性の結合剤と、近赤外線吸収性のカチオン
染料と第4級ホウ素陰イオンとの錯体からなる光重合開
始剤と、ハロゲン基を含有するホウ素塩化合物から成る
増感剤とを含む感光層2と、保護膜3とでその主要部が
構成されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷工程における
簡易校正刷り(以下、「簡易プルーフ」という)やコン
ピュータ画像のハードコピーなどとして利用できる単色
画像または多色重ね合わせによるカラー画像を形成する
ための画像形成シートとこのシートを用いた画像形成方
法およびこの画像形成方法により得られた簡易プルーフ
に係り、特に、半導体レーザ露光によって感光層の露光
部と未露光部に熱粘着性および粘弾性の差を生ぜしめた
後、熱圧転写で受像体に画像形成することが可能で、か
つ、高温高湿環境下で保存した場合にも感光層内に光感
度を有さない析出物が生じ難い保存安定性良好な画像形
成シートと画像形成方法および簡易プルーフに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】印刷工程の中では一般に校正刷りが作製
され、発注主の意志確認に使用されるが、その他にも簡
易プルーフと呼ばれる仮の印刷物が作製されることが多
い。この簡易プルーフは、例えば被写体を撮影したカラ
ーフィルムなどの原稿からカラースキャナで色分解して
得られる色分解フィルムの仕上がりや、コンピュータで
作製された画像から直接露光して得られる色分解フィル
ムの状態を確認するなどの目的で印刷工程中に用いられ
るが、最近では、円圧式の平台校正機などで作製された
外部出稿用の校正刷りの代わりにも一部適用されはじめ
ている。
【0003】多色の重ね合わせによって簡易プルーフを
得る方法には、オーバレイ法とサープリント法とがあ
る。オーバレイ法は、色分解で作製された分色のネガも
しくはポジフィルムから作製された各色の簡易プルーフ
フィルムを、分解色数に応じて重ね合わせ、透過光で観
察する方法であり、簡易に多色印刷物の検査が行える利
点はあるが、各色フィルム支持体の介在による反射光の
干渉があったり、網点再現などの画像の質感が印刷物と
異なるなどの欠点がある。
【0004】一方、サープリント法は、透明または不透
明の受像体上に、写真感光材やトナーなどで形成された
単色の画像層を、分解色数に応じて順次積層してカラー
画像を形成する方法であって、網点形状などの再現性が
良好であり、また適切な受像体の選択すれば、仕上がり
印刷物に近似した画像が得られる利点を有する。
【0005】しかし、一般にサープリント法による画像
形成は感光層露光後の液体現像や、着色トナーの静電現
像などの煩雑な処理が必要となるので、簡易プルーフの
作製には多くの時間と労力を要する。
【0006】このサープリント法における問題点を改良
した簡易プルーフの作製法は、例えば特開昭63−14
7154号公報などに記載されている。この方法は、支
持体とカバーシートとの間に着色された感光層が設けら
れた感光性シートを用いるものであって、この感光層
は、紫外線に感度を持つラジカル重合開始剤と、発生し
たラジカルによって硬化する光重合性化合物とを含み、
色分解フィルムを介して水銀灯光源などから紫外線を照
射すると、露光部と未露光部との間に、熱圧時の受像体
に対する粘着力の差が生じるようになっている。
【0007】従って、この感光性シートに色分解された
画像を露光し、カバーシートを剥離し、感光層と受像紙
(受像体)とを熱圧着しながら支持体を引き剥すと、受
像紙上に熱粘着性の大きい感光層の部分が転写され、そ
の色の画像が形成される。この操作を同一受像紙上に位
置合わせしながら分解色数だけ繰り返せば、カラー簡易
プルーフが得られる。
【0008】この方法は、感光層の露光部と未露光部に
おける熱時の受像体への粘着力差を利用して画像転写を
行うため、受像体への粘着力と感光層の凝集力を適度に
バランスさせることで微細画像が再現でき、容易な熱圧
着と剥離を行うのみで、煩雑な現像処理を行うことなく
簡易プルーフの作製が可能である。さらに、感光層中の
色材を選択することで校正刷り用インキに近似した色調
が再現でき、しかも感光層の厚みが印刷インキの膜厚に
近いので、質感を仕上がりの印刷物に類似させることが
可能など、多くの利点を有する。
【0009】しかし、近年、印刷業界で用いられるよう
になってきたレイアウトスキャナや文字画像統合システ
ムなど、色分解された画像データを含むデジタル信号出
力に対して上記感光性シートを適用することには困難が
あった。
【0010】すなわち、これらのデジタル信号から、上
記感光性シートを用いて簡易プルーフを作製しようとす
ると、一案として、この信号を用いてレーザ光を変調
し、これを光源として上記感光性シート上を平面走査す
る方法が考えられる。
【0011】しかし、この感光性シートは紫外線のみに
感度を有するものであるから、露光に必要とされる高出
力紫外線を連続的に発振し得るレーザ装置が必要にな
る。このようなレーザ装置としてHe−CdレーザやA
rレーザなどが知られているが、いずれも設備が大型か
つ高価であり、ランニングコスト、取扱い性、安定性な
どに問題が多く実用的でない。
【0012】そこで、実際には画像データのデジタル信
号から一旦、銀塩のポジまたはネガフィルム上にスキャ
ニング露光し、液体現像して色分解画像フィルムを作製
し、この画像フィルムを上記感光性シートと重ねて水銀
灯などによる紫外線露光を行うという一連の煩雑な操作
が必要であった。このため、画像データや文字データを
デジタル的に一括処理するというレイアウトスキャナや
文字画像統合システムの利点が十分に生かされるもので
はなかった。
【0013】尚、これら以外に簡易プルーフを作製する
方式として、電子写真方式、昇華転写方式、インキジェ
ット方式なども知られている。
【0014】例えば、画像や文字のデジタルデータから
直接に簡易プルーフを作製するシステムとして「デジタ
ルダイレクトプルーフシステム(DDCP)」が開発さ
れ、その概要が「印刷雑誌Vol.73.8号、9号」
「日本印刷学会誌Vol.27、4号」などに記載され
ている。
【0015】上記電子写真方式の簡易プルーフは、その
トナー用顔料の色調を校正刷りインキのそれに合わせ易
いので色再現性は良好であるが、装置構成が複雑となり
大型で高価な装置になり易い欠点がある。
【0016】また、昇華転写法は、感熱ヘッドや半導体
レーザ光の熱によって昇華する染料を含むドナーフィル
ムからカラー画像を受像紙へ転写して簡易プルーフを得
る方法で、装置構成が簡単で小型かつ安価な点において
有利であるが、昇華染料の色再現性と染料昇華量による
階調表現と色相の再現性に問題があるため、色調を校正
刷りと合わせ難く、また印画物の網点再現も十分ではな
かった。更に、専用受像紙や昇華性インキシート(昇華
性染料を含むドナーフィルム)を必要とするため、ラン
ニングコストが嵩む欠点を有していた。
【0017】他方、高解像度の多色インキジェット方式
は、大判の出力が容易でランニングコストも安いなどの
利点を持つが、まだ装置が高価、出力用紙選択の幅が狭
い、印字時間も長くなり易いなどの問題を有している。
その他、低解像度の多色インキジェット方式、多色熱転
写インキリボン方式、多色ドットインパクトインキリボ
ン方式などは、パーソナルコンピュータのカラー出力程
度で十分な用途なら問題ないが、印刷物のプルーフまで
の高画質を得ることは現状では困難である。
【0018】このため、最近、上述した紫外線に感度を
有する感光性シートを用いた画像形成方法に代わって、
駆動電流による直接的な光強度変調が可能で小型かつ比
較的安価な半導体レーザを光源として用いる画像形成方
法の開発が進められている。但し、半導体レーザの発光
領域は一般的に近赤外領域なため、近赤外領域でも感度
を有する画像形成シート(感光性シート)が求められ
る。
【0019】そして、これ等画像形成シートについては
近赤外線感受性の重合開始剤に関する提案も含めて、例
えば、特開昭64−13142号公報、特開昭64−1
3140号公報、特開昭64−13141号公報、特開
昭64−13144号公報、特開昭64−17048号
公報、特開昭64−72150号公報、特開平1−22
9003号公報、特開平1−298348号公報、特開
平2−292560号公報、特開平2−291561号
公報、特開平3−221506号公報などに記載されて
いる。また、特開平5−265204号公報、特開平5
−197139号公報、特開平6−59450号公報に
は、半導体レーザによる近赤外線露光を行い、特公昭4
3−22901号公報などに述べられている剥離現象を
用いた画像形成方法も提案されている。
【0020】また、本発明者らも先に近赤外線に感度を
有する剥離方式の感光体、露光の際の酸素阻害が防止さ
れた構成の感光体、ビスイミダゾール系化合物やトリ
(置換)フェニルスルホニウム塩等の保存安定剤を感光
層内に配合し高温多湿雰囲気下で保存した場合の感度劣
化が防止された構成の感光体等を提案し(特開平7−1
14176号公報、特開平7−199461号公報、特
願平7−274957号明細書などを参照)、近赤外線
にも良好な感度を有する取扱性の良好な簡易プルーフ用
の画像形成シートを得ている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これら開発
された画像形成シートを印刷作業現場などの高温多湿雰
囲気下で保存した場合、上述した保存安定剤を感光層内
に配合していない画像形成シートにおいては経時的な感
度劣化を生じる一方、保存安定剤が配合された画像形成
シートにおいては経時的な感度劣化を起こし難いことが
確認されているが、上記保存安定剤の配合の有無に拘ら
ずこれら画像形成シートを高温多湿雰囲気下で保存した
場合、感光層内に光感度を有さない析出物が経時的に現
れ易く、析出物の発生部位が汚れとなって得られた簡易
プルーフの画質が低下するという新たな問題点が確認さ
れた。
【0022】すなわち、本発明の課題とするところは、
画像データなどのデジタル信号から、校正刷りに近い質
感と画像品質とを有する簡易プルーフやカラー画像を比
較的安価かつ容易に作製することができ、しかも高温高
湿環境下で保存した場合にも、その感光層内に光感度を
有さない析出物が生じ難い保存安定性良好な画像形成シ
ートと画像形成方法およびこの方法により得られた簡易
プルーフを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
画像形成シートを高温多湿雰囲気下で保存した場合にお
ける経時的な感度劣化と上記析出物の発生原因とは別で
あるとの予測の下、その原因解明のため鋭意研究を行っ
たところ、かかる原因として光重合開始剤の増感剤とし
て配合されているホウ素塩化合物の結晶化が関与してい
ることを突き止めた。更に、上記増感剤としてハロゲン
基を含有するホウ素塩化合物を適用した場合、このホウ
素塩化合物の結晶化が起こり難く上記析出物の発生を抑
制できることも見出だした。本発明はこの様な知見に基
づき完成されたものである。
【0024】すなわち、請求項1に係る発明は、支持体
上に、色材と、エチレン性不飽和基を有する光重合性化
合物と、光重合性を有しない有機重合体から成る熱粘着
性の結合剤と、下記一般式(1)
【0025】
【化3】 (式中、D+は近赤外線領域に光吸収を持つカチオン系
染料であり、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に
アルキル、アリール、アルカリール、アリル、アラルキ
ル、アルケニル、アルキニル、シリル、脂環式、飽和ま
たは不飽和複素環式、置換アルキル、置換アリール、置
換アルカリール、置換アリル、置換アラルキル、置換ア
ルケニル、置換アルキニルおよび置換シリルから成る群
より選ばれた置換基である。但し、R1、R2、R3また
はR4の少なくとも1置換基は炭素数1〜8のアルキル
基である)で示された近赤外線吸収性のカチオン染料と
第4級ホウ素陰イオンとの錯体から成る光重合開始剤と
を主成分とする感光層を備えた画像形成シートを前提と
し、上記光重合開始剤の増感剤として、下記一般式
(2)
【0026】
【化4】 (式中、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立にア
ルキル、アリール、置換アルキル、および置換アリール
から成る群より選ばれた置換基であり、少なくとも1置
換基に一つ以上のハロゲン基を含有している。但し、R
5、R6、R7またはR8の少なくとも1置換基は炭素数1
〜8のアルキル基である。また、Z+は任意の陽イオン
で、好ましくはアンモニウム陽イオンである)で示され
たハロゲン基を含有するホウ素塩化合物が上記感光層内
に含まれていることを特徴とするものである。
【0027】そして、この請求項1記載の発明に係る画
像形成シートによれば、上記感光層が従来の画像形成シ
ートと同様に近赤外線吸収性の光重合開始剤を含むの
で、この感光層に半導体レーザ光などの近赤外線を原画
像に対応して照射すると、光重合性化合物が重合して露
光部と未露光部とで加熱時の粘着性および粘弾性が変化
する。すなわち熱粘着性が変化した画像の潜像が形成さ
れる。この感光層を受像体と重ね合わせて熱圧を施せ
ば、熱粘着性が増大した部分が圧着によって支持体から
受像体側に画像として転写され、受像体と画像とで構成
される簡易プルーフ等の画像形成体が得られる。
【0028】また、上記感光層内には、光重合開示剤の
増感剤として上記一般式(2)で示されるハロゲン基を
含有するホウ素塩化合物が配合されており、この増感剤
はハロゲン基を含有しないホウ素塩化合物(従来の増感
剤)と較べ、画像形成シートが高温多湿雰囲気下に保存
された場合にもその結晶化が起こり難く、感光層内での
上述した析出物の発生を抑制できるため、この発明に係
る画像形成シートを高温高湿環境下に長期間保存しても
半導体レーザ光等に対する感度を持続させることが可能
となる。
【0029】尚、画像形成シートを高温多湿雰囲気下に
保存した場合にもハロゲン基を含有する上記ホウ素塩化
合物が感光層内に析出され難く、これにより画像形成シ
ートの半導体レーザ光等に対する感度が持続される理由
については未だ明らかではない。しかし、ハロゲン基を
含有する上記ホウ素塩化合物はハロゲン基を含有しない
従来の増感剤に較べて使用溶剤への溶解性が高いことを
確認しており、この溶解性の特性から、感光層内のエチ
レン性不飽和基を有する光重合性化合物や光重合性を有
しない有機重合体から成る熱粘着性の結合剤との親和性
が向上していることが予測される。そして、この材料親
和性に起因してハロゲン基を含有する上記ホウ素塩化合
物が感光層内で析出され難くなるため上記感度維持が図
られるものと本発明者等は推論している。
【0030】次に、ハロゲン基を含有する上記ホウ素塩
化合物については、後に述べるように上記一般式(2)
で示された置換基R5〜R8の少なくとも1つがハロゲン
置換アリール基であることが好ましい(請求項2)。
【0031】また、ハロゲン基を含有する上記ホウ素塩
化合物はハロゲン置換アリール基を含有しないホウ素塩
化合物と併用してもよい。そして、後に述べる理由か
ら、ハロゲン基を含有するホウ素塩化合物とハロゲン置
換アリール基を含有しないホウ素塩化合物との混合割合
は1:1〜1:0の範囲に設定され、また、ハロゲン基
を含有するホウ素塩化合物とハロゲン置換アリール基を
含有しないホウ素塩化合物との混合体から成る増感剤の
上記光重合開始剤に対する配合割合は、光重合開始剤1
重量部に対し0.1〜5重量部の範囲で配合することが
望ましい(請求項3)。
【0032】次に、この画像形成シートを用いた画像形
成方法は、上記画像形成シートの感光層に対し、原画像
に対応する信号で強度変調された半導体レーザ光を照射
して感光層の露光部と未露光部に熱粘着性の差を生ぜし
め、次いで上記感光層を受像体に重ねた後、熱圧をかけ
ながら剥離転写することで受像体上に上記原画像に対応
した画像を形成することができる(請求項4)。
【0033】尚、この画像形成方法により形成された原
画像に対応した画像と上記受像体とで簡易校正刷りを構
成することができる(請求項5)。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0035】図1は本発明の実施の形態に係る画像形成
シートの構成を示すの断面図である。すなわち、この画
像形成シート10は、透明な支持体1上に感光層2が設
けられ、更にその上に透明な保護膜3が積層された構造
になっている。この支持体1は二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムからなり、感光層2は、色材と、
光重合性化合物と、光重合性を有しない熱粘着性の結合
剤と、近赤外線吸収性のカチオン染料と第4級ホウ素陰
イオンとの錯体から成る光重合開始剤と、この光重合開
始剤の増感剤として機能しハロゲン基を含有するホウ素
塩化合物とを含む組成物により構成されている。また、
保護層3は離型処理された透明ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムからなる。
【0036】この画像形成シートを用いて、例えば簡易
プルーフを作製するには、先ずコンピュータ上などで作
製した色分解画像データをデジタル信号に変換し、半導
体レーザスキャナを駆動して画像形成シート10の支持
体1側または保護層3側から上記のデジタル信号に基づ
く近赤外線ビームを照射する。この画像露光によって感
光層2には、画像に対応した光重合性化合物の重合潜像
が形成される。次に、この画像形成シート10から保護
膜3を剥し取り、感光層2と受像紙(図示せず)とを重
ね合わせて熱圧ロールなどの間に挟み、一様な熱圧を施
す。これによって感光層2の熱粘着性が増大した部分が
受像紙側に転写され、受像紙上に単色の画像が形成され
る。
【0037】そして、同一受像紙上に、色分解数に応じ
て同様に画像露光した各色材を含む画像形成シートを、
位置合わせして重ねて熱圧転写すれば、受像紙上にカラ
ー画像が形成され簡易プルーフが得られる。
【0038】尚、半導体レーザ光による画像露光は、保
護膜3側から行っても支持体1側から行ってもよく、要
は露光に用いるレーザ光の吸収や感光層の硬化状況など
を考慮して照射すればよい。但し、保護膜3側からと支
持体1側からの露光とでは感光層2に形成される潜像が
互いに鏡像関係になるが、半導体レーザの出力による画
像はコンピュータ内で容易に反転させることができるの
で、どちらの側から照射するかによってこの選択を行え
ばよい。
【0039】以下、本発明に係る画像形成シートを構成
する各材料について具体例を挙げて順次説明する。
【0040】まず、上記支持体としては、適度な剛性を
有し熱圧負荷時にも平面性と寸法とを安定に保って感光
層を支持することができ、好ましくは近赤外線透過性の
シートであればいかなるものであってもよい。その例と
しては、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムなどを挙げることができる。特に、熱と水に
対して寸法安定性が高く、感光層の塗布時の作業性およ
び露光、転写時の操作性に優れている二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムが好適である。
【0041】これらの支持体はそのまま用いてもよい
が、感光層との粘着性を制御して良好な転写画像を形成
するためには、シリコーン樹脂やフッ素樹脂など適度な
撥油性物質による離型処理、コロナ放電またはプラズマ
処理などによる易接着処理などの表面処理を施すことが
好ましく、また、必要に応じて樹脂からなる感光層との
易接着層もしくは剥離層を設けることが望ましい。
【0042】次に、上記感光層に用いられる色材は、従
来から用いられている染料または顔料のいずれでもよ
く、それらの混合物であってもよい。カラーの簡易プル
ーフを作製する場合には、一般に、それぞれイエロー、
マゼンタ、シアン、およびブラックの色材を含む4枚1
組の画像形成シートが必要になる。
【0043】上記染料または顔料以外にも、補助的に、
例えば金属粉、白色顔料、蛍光顔料、体質顔料などを用
いる場合もある。従って、これらも本明細書における
「色材」に含まれるものである。
【0044】本発明の画像形成シートに用いることがで
きる色材としては、市販のもの以外にも、例えば「染料
便覧」(有機合成化学協会編、昭和45年刊)、「最新
顔料便覧」(日本顔料技術協会編、昭和51年刊)など
に記載されたものが使用できる。これらの広範な色材の
内の部分的な例としては、アゾ系、フタロシアニン系、
キナクリドン系、アントラキノン系、インジゴ系、メチ
ン系の各種有機顔料および染料、および各種無機顔料を
挙げることができる。
【0045】これらの染料や顔料は、必要なら公知の好
適な分散剤を用いたり、粒子表面の修飾を行うなどし
て、かつ公知の分散機などを用いて、溶剤を加えまたは
加えずに、感光層を構成する他の成分とともに均一に混
合する。画像の質感を調整するために必要なら、これら
の色材とともに、粉体や液体のマット化剤などを添加し
てもよい。
【0046】次に、上記感光層に用いられる光重合性化
合物は、フリーラジカル付加重合が可能な、または架橋
可能なエチレン性不飽和基を有する化合物であって、1
以上のエチレン性不飽和基、例えばビニル基またはアリ
ル基を有するモノマー、オリゴマー、または末端または
側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマーである。そ
の例としては、アクリル酸およびその塩、アクリル酸エ
ステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸およびその
塩、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、無
水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エス
テル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステ
ル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリル
エステル類およびこれらの誘導体などを挙げることがで
きる。
【0047】更に具体的な例を挙げれば、この光重合性
化合物は、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カルビ
トール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、スチレン、アクリロニ
トリル、N−ビニルピロリドン、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド付
加物の(メタ)アクリレートなどの低分子量化合物、エ
ポキシ樹脂やポリエステル樹脂の末端に(メタ)アクリ
レートが結合したポリマー、石油樹脂のアクリレート変
性体、不飽和ポリエステル樹脂などの高分子量化合物な
どである。これらは単独で用いても2種以上を併用して
用いてもよい。
【0048】また、上記感光層に用いる結合剤は、光重
合性を有しない有機重合体からなり、これは感光層に配
合されて色材の分散媒になるとともに、粘着力の調整剤
としても用いられるものである。この結合剤は上記光重
合性化合物と相容性であることが望ましい。一般的な結
合剤の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アク
リル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニル
エーテル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−メ
タクリレート共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共
重合体、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ジアリル
フタレート樹脂、各種合成ゴム例えばブタジエン−アク
リロニトリル共重合体などを挙げることができる。
【0049】また、この結合剤として、感熱接着剤とし
て知られている組成物を単独で、または上記結合剤と混
合して用いることもできる。この感熱接着剤は例えば、
弾性体、熱接着性付与剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤
などから構成される組成物であって、使用する弾性体に
よって、ゴム系、アクリル系、シリコーン系などに分類
される。弾性体は例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴ
ム例えばスチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、
クロロプレン、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、イ
ソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム、シリコーンゴム、ポリアクリル酸エステルまたはそ
の誘導体、シリコーン樹脂などであり、熱接着性付与剤
は例えば、ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン樹
脂、クマロン−インデン樹脂、石油樹脂類、テルペンフ
ェノール樹脂などであり、可塑剤は例えば、液状ポリブ
テン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレン、液状ポリ
アクリレートなどである。その他必要に応じて酸化防止
剤、老化防止剤、無機顔料などの添加剤が含まれていて
もよい。
【0050】次に、上記感光層に用いられる光重合開始
剤は、上記一般式(1)で示される近赤外線吸収性のカ
チオン染料と第4級ホウ素陰イオンとの錯体からなるも
のである。
【0051】好適な光重合開始剤の例を、その吸収波長
(λ、ピーク値)とともに表1〜表4に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】この光重合開始剤は、赤外線による前記光
重合性化合物の光重合を誘発する作用を有するものであ
って、感光層に用いる光重合性化合物の重量に対して
0.01重量%〜10重量%、更に好ましくは0.1重
量%〜5重量%の範囲内で配合することが好ましい。
【0057】この光重合開始剤と共に、フリーラジカル
連鎖反応の阻害要因となる酸素を吸収し得る自動酸化剤
を用いてもよい。この自動酸化剤の例としては、例えば
N,N−ジアルキルアニリンであって、そのo−、m−
またはp−位の1以上がアルキル基、フェニル基、アセ
チル基、エトキシカルボニル基、カルボニル基、カルボ
キシレート基、シリル基、またはアルコキシ基で置換さ
れたものを挙げることができる。特に、o−位がアルキ
ル基で置換された2,6−ジイソプロピル−N,N−ジ
メチルアニリン、2,6−ジエチル−N,N−ジメチル
アニリン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリ
ン、またはp−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリン
などが好適である。その添加量は、感光層に用いる光重
合性化合物の重量に対して0.01重量%〜10重量
%、更に好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲内と
することが好ましい。
【0058】次に、上記光重合開始剤の増感剤として作
用しかつハロゲン基を含有するホウ素塩化合物は上記一
般式(2)で示される化合物である。すなわち、一般式
(2)における上記置換基R5〜R8の少なくとも一つ
が、ハロゲン原子で置換された各種アルキル基、アリー
ル基、置換アルキル基、置換アリール基である化合物
で、上記ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子のいずれかである。置換ハロゲン
原子の数は1以上の任意の整数である。また、上記置換
基R5〜R8は、好ましくハロゲン置換アリール基であ
り、アリール基の例としてはフェニル基、ナフチル基、
ピリジン基、チエニル基などが挙げられる。
【0059】そして、一般式(2)で示された上記ホウ
素塩化合物の一方を構成する第4級ホウ素陰イオンの具
体例としては、トリ(o,m,あるいはp−フルオロフ
ェニル)−n−ブチルホウ素、トリ(o,m,あるいは
p−フルオロフェニル)−n−オクチルホウ素、トリ
(o,m,あるいはp−クロロフェニル)−n−ブチル
ホウ素、トリ(o,m,あるいはp−クロロフェニル)
−n−オクチルホウ素、トリ(o−メチル−p−フルオ
ロフェニル)−n−ブチルホウ素、トリ(o−メチル−
p−クロロフェニル)−n−ブチルホウ素、ジ(o,
m,あるいはp−フルオロフェニル)−ジn−ブチルホ
ウ素、トリ(4−クロロ−2−ピリジル)−n−ブチル
ホウ素などが挙げられる。
【0060】また、一般式(2)で示されたホウ素塩化
合物のもう一方を構成すると共に上記第4級ホウ素陰イ
オンの対イオンであるZ+は任意の陽イオンであり、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウムなどの金属陽イオ
ン、アンモニウム陽イオン、ピリジニウム陽イオン、ホ
スホニウム陽イオン、(オキソ)スルホニウム陽イオン
など挙げられるが、特に、下記一般式(3)で示される
アンモニウム陽イオンが好ましい。
【0061】
【化5】 (式中、R9、R10、R11およびR12はそれぞれ独立に
水素、アルキル、アリール、アルカリール、アリル、ア
ラルキル、アルケニル、アルキニル、シリル、脂環式、
飽和または不飽和複素環式、置換アルキル、置換アリー
ル、置換アルカリール、置換アリル、置換アラルキル、
置換アルケニル、置換アルキニルおよび置換シリルから
なる群から選ばれた置換基である)。
【0062】また、上記一般式(2)で示されたハロゲ
ン基を含有するホウ素塩化合物と併用できるハロゲン基
を有しないホウ素塩化合物としては、ハロゲン基を含有
しない第4級アンモニウム・ホウ素塩が例示され、具体
例としては、テトラメチルアンモニウムn−ブチルトリ
フェニルホウ素、テトラメチルアンモニウムn−ブチル
トリアニシルホウ素、テトラメチルアンモニウムn−オ
クチルトリフェニルホウ素、テトラメチルアンモニウム
n−オクチルトリアニシルホウ素、テトラエチルアンモ
ニウムn−ブチルトリフェニルホウ素、テトラエチルア
ンモニウムn−ブチルトリアニシルホウ素、トリメチル
水素アンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ素、トリ
エチル水素アンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ
素、四水素アンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ
素、テトラメチルアンモニウムテトラブチルホウ素、テ
トラエチルアンモニウムテトラブチルホウ素などを挙げ
ることができる。
【0063】更に、上記一般式(2)で示されたハロゲ
ン基を含有するホウ素塩化合物と併用できる別の種類の
増感剤としては、第4級ホスフィンホウ素塩やN−フェ
ニルグリシン、有機過酸化物などが例示される。
【0064】そして、上記第4級ホスフィンホウ素塩の
例としては、トリフェニルメチルホスフィンn−ブチル
トリフェニルホウ素、トリフェニルエチルホスフィンn
−ブチルトリフェニルホウ素、トリフェニルメチルホス
フィンn−ブチルトリアニシルホウ素、トリフェニルエ
チルホスフィンn−ブチルトリアニシルホウ素、テトラ
フェニルホスフィンn−ブチルトリフェニルホウ素、テ
トラフェニルホスフィンn−ブチルトリアニシルホウ素
などを挙げることができる。
【0065】また、有機過酸化物の例としては、ジアセ
チルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベン
ゾイルペルオキシド、p,p’−ジクロルジベンゾイル
ペルオキシド、p,p’−ジメトキシジベンゾイルペル
オキシド、およびp,p’−ジニトロソジベンゾイルペ
ルオキシドなどのジアシルペルオキシド類、t−ブチル
ハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、
および2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロ
ペルオキシドなどのハイドロペルオキシド類、メチルエ
チルケトンペルオキシドなどのケトンペルオキシド類、
t−ブチルペルオキシドベンゾエートおよび3,3’,
4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)
ベンゾフェノンなどのペルオキシカーボネート類などを
挙げることができる。特に、ジベンゾイルペルオキシ
ド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキ
シカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0066】尚、これら増感剤の総量および比率は、増
感効果や保存安定性を考慮して適宜設定されるが、増感
剤が添加される感光層の熱粘着性や粘弾性等、良好な画
像形成に関係する特性に悪影響を及ぼさないよう考慮し
て、適正な範囲を設定する必要がある。
【0067】そして、上記一般式(2)で示されたハロ
ゲン基を含有するホウ素塩化合物を単体で用いる場合あ
るいは他の増感剤と併用する場合、この増感剤の配合割
合は、上記光重合開始剤1重量部に対し0.1重量部〜
10重量部、好ましくは0.1重量部〜5重量部の範囲
内に設定することができる。
【0068】また、上記感光層内には、保存安定剤、特
に、高温多湿雰囲気下での保存安定剤として、下記一般
式(4)で示されるビスイミダゾール系化合物、ヒンダ
ードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、及
び、下記一般式(5)で示されるトリ(置換)フェニル
スルホニウム塩等を配合して用いてもよい。
【0069】
【化6】 (式中、L1、L2およびL3はそれぞれ独立にアリール
基または置換アリール基である)
【0070】
【化7】 (式中、X-はBF-、PF-、SbF-またはCF3SO-
など任意の陰イオンであり、L1、L2およびL3 はそれ
ぞれ独立に水素原子または任意の置換基である)
【0071】これらの保存安定剤は、特願平7ー101
482号明細書、特願平7ー101481号明細書、及
び、特願平7ー274957号明細書に記載されている
効果を示す。そして、これら保存安定剤の総量および比
率は、高温多湿環境下における保存安定性だけでなく、
保存安定剤が添加される感光層の熱粘着性や粘弾性等画
像形成特性も考慮して設定される。これ等の配合割合と
しては、光重合開始剤の1重量部に対して0.1重量部
〜10重量部、好ましくは0.1重量部〜5重量部の範
囲内で、単独でまたは混合して用いることができる。
0.1重量部未満では保存安定剤としての効果が十分に
得られず、また、10重量部を越えると溶解性の点など
から不都合を生ずるからである。
【0072】尚、上記感光層には上述した増感剤、保存
安定剤の他に、その安定剤としての作用を阻害しない種
類や量の範囲内において、他の保存安定剤や熱重合禁止
剤などを配合してもよい。これらの添加剤としては、p
−メトキシフェノール、ベンゾキノン、ハイドロキノ
ン、ピロガロール、ピリジン、アリールホスフェート、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどを挙げる
ことができる。これらは単独で、または2種以上を組み
合わせて用いてもよい。また、これ等の添加量は、光重
合開始剤の1重量部に対して10重量部以下であり、好
ましくは0.01重量部〜2重量部の範囲内である。
【0073】更に、本発明の画像形成シートにおける上
記感光層内には、上述した各種成分の他に適量のワック
スが配合されていてもよい。このワックスは、露光済み
画像形成シートの熱転写に際して感光層の熱流動性と凝
集力を調節して円滑な転写を可能にするとともに、転写
して得られた簡易プルーフなどの画像の光沢を調整する
こともできる。用いることのできるワックスの例として
は、動物系、植物系、鉱物系および石油系などの各種天
然ワックスの他に、合成炭化水素系、変性ワックス系、
脂肪族アルコール系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、グ
リセライド系、水素化ワックス系、合成ケトン系、合成
アミン系、アマイド系、塩素化炭化水素系、合成動物ロ
ウ系、α−オレフィンワックス系など各種の合成または
半合成ワックス類を挙げることができる。
【0074】また、上記感光層は、必要なら紫外線に感
度を有する公知の重合開始剤を含んでいてもよい。その
例としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチル
アミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4−ジメチル
アミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フ
ェナントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインフェニルエーテル、イソブチルベンゾ
インエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェ
ノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、
4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピオフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノ
ン、ミヒラーズケトン、ベンジルジメチルケタール、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソ
ブチロニトリル、2−クロロチオキサントン、2−メチ
ルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イ
ソプロピルチオキサントンなどを挙げることができる。
これらは単独または混合して用いることができる。これ
らの紫外線に感度を有する公知の重合開始剤は、受像体
に転写された後の画像についてこれを紫外線照射により
固定させる場合等に有効である。
【0075】そして、本発明の画像形成シートにおける
上記感光層は、これ等各成分を適当な溶剤の存在下また
は不存在下に混合と分散を行い、バーコーター、スピン
コーター、またはその他の各種量産向きのコーターなど
を用いて支持体上に塗布して形成することができる。こ
のとき用いられる溶剤としては、トルエン、キシレン、
イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素系、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
系、またはそれらの混合物などが好適であり、使用する
結合剤を溶解させるものを選択して使用する。
【0076】また、上記感光層の膜厚については、色材
の濃度、組成物の支持体への粘着力と凝集力、受像体へ
の熱粘着力や破断力、また受像体上に要求される画像の
光学密度などによって一律に決することはできないが、
普通は0.5μm〜5μmの範囲内とすることが好適で
ある。0.5μmより薄い場合は受像体上に転写された
画像に十分な光学密度が得られないことがあり、5μm
を越えると画像の解像度が低下したりニジミが発生した
りすることがあるからである。
【0077】本発明の画像形成シートにおいて、上記支
持体上に形成された感光層の表面は、剥離可能な保護膜
で被覆されていることが好ましい。この保護膜は、保護
膜側から感光層を露光することもできるように近赤外線
に対して透明であることが好ましい。材質としては、支
持体に用いたものと同様なものがいずれも使用可能であ
るが、光重合に際しては酸素が阻害要因となるので、感
光層との間に酸素層が形成されないように密着性が良好
で適度な剥離性を有するものが好ましい。その例として
はポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ま
たは適度に離型処理されたポリエチレンテレフタレート
フィルムなどを挙げることができる。
【0078】次に、本発明の画像形成シートを用いて受
像体上に画像を形成する方法を、カラー簡易プルーフの
場合を例として説明する。
【0079】先ずイエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ックなど色分解した色調と色数の画像形成シートを用意
し、各色の画像露光時のズレを防止するために、それぞ
れの画像形成シートにレジスターピン用の孔をあけるな
どの位置決め手段を施す。
【0080】色分解画像データなどで変調された半導
体レーザ光線によりそれぞれの画像形成シートの感光層
を画像露光してその露光部を硬化させ、感光層に各色画
像に対応する潜像を形成する。
【0081】保護膜を剥離し、感光層と紙などの受像
体とを重ね合わせ熱圧を加えて感光層の熱粘着部を受像
体に転写する。
【0082】転写後、直ちに支持体をその一端から剥
離し、受像体上に単色の転写画像を形成する。
【0083】上記、の手順を、同一受像体上に位
置合わせをした上で各色について繰り返すことによっ
て、求めるカラー簡易プルーフが得られる。
【0084】単色の簡易プルーフを作製するのであれ
ば、上記の転写操作は1回で済むことは言うまでもな
い。また、簡易プルーフ以外の受像体においても、基本
的に同様の操作によって転写画像が得られる。
【0085】なお、上記感光層は、未露光部が熱圧転写
されるように設計することが容易であり、一般には好ま
しくもあるが、必要に応じて露光部が転写されるように
設計することも可能である。
【0086】また、転写の過程で上記感光層を部分的に
除去するマット化シートを重ねて熱圧を施し剥離するな
ど、転写の過程でも画質や画像の制御を行うことがで
き、また転写後の画像が未硬化であることによって粘着
や色ズレを生じる場合は、光および/または熱による後
硬化によって画像を固定することもできる。
【0087】本発明の画像形成シートは、簡易プルーフ
の作製に有利に使用できるが、他の非量産性の印刷物、
例えば看板、ポスター、装飾品、銘板などにも簡便に適
用することができる。この場合、受像体は紙に限定され
るものではなく、他の面材、例えばプラスチック板、金
属板、ガラス板などであってもよい。
【0088】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0089】尚、実施例等において、『部』は重量部
を、『%』は重量%を表す。
【0090】[実施例1]下記成分から成る感光層組成
物を調製した。
【0091】 ポリエステル(バイロン300、東洋紡績社製) 15.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製) 10.0部 近赤外線重合開始剤(表2の錯体6−A) 0.3部 テトラブチルアンモニウム n−ブチルトリ(4−フルオロフェニル)ホウ素 0.6部 2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’− テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール 0.3部 カーボンブラック(MA−7、三菱化成社製) 4.4部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 28部 この感光層組成物を2mmφのガラスビーズとともに振
動式ミル(5400N2型、レッドデビル社製)で10
分間以上振動させて分散を行い、着色感光液を調製し
た。
【0092】支持体となる25μm厚のポリエチレンテ
レフタレートの面をコロナ処理した後、上記感光液を、
乾燥後の膜厚が1.5μmとなるようにワイヤバーコー
ターで塗布し、100℃の温風乾燥機で2分間乾燥し
た。
【0093】次に、保護膜となる80μm厚のポリエチ
レンフィルムをこの表面に密着させながら、70℃で1
m/分の速度でラミネートし、実施例1に係る半導体レ
ーザ用画像形成シートを作製した。
【0094】[実施例2]下記成分から成る感光層組成
物を調製した。
【0095】 ジアリルオルソフタレートプレポリマー (ダイソーダップK、ダイソー社製) 15.0部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (KAYARAD・DPHA、日本化薬社製) 10.2部 近赤外線重合開始剤(表4の錯体10−A) 0.2部 テトラブチルアンモニウムn−ブチル トリ(2−メチル4−フルオロフェニル)ホウ素 0.3部 テトラブチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ素 0.1部 カーボンブラック(MA−7、三菱化成社製) 4.4部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 28部 この感光層組成物を用い、実施例1と同様に分散、塗
布、ラミネートを行い実施例2に係る半導体レーザ用画
像形成シートを作製した。
【0096】[実施例3〜実施例5]実施例2で使用し
た感光層組成物のカーボンブラック4.4部のかわり
に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンの着色顔料を
使用した。
【0097】そして、実施例3は、イエロー用としてリ
オノールイエローFG1310(東洋インキ社製)を、
実施例4は、マゼンタ用としてカーミン7BFG441
2(東洋インキ社製)を、実施例5は、シアン用として
リオノールブルーFG7330(東洋インキ社製)を、
それぞれが固形分で18%となるようにカーボンブラッ
クを含まない感光層組成物に配合し、実施例1と同様に
分散、塗布、ラミネートを行い、それぞれ実施例3はイ
エロー画像用、実施例4はマゼンタ画像用、実施例5は
シアン画像用の画像形成シートをそれぞれ作製した。
【0098】[比較例1−1]実施例1と比較するため
に、実施例1の感光層組成物のテトラブチルアンモニウ
ムn−ブチルトリ(4−フルオロフェニル)ホウ素を、
テトラブチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ
素(ハロゲン基を有さない増感剤)に置換した外は実施
例1と同様な組成物を用い、実施例1と同様にして比較
例1−1に係る画像形成シートを作製した。
【0099】[比較例1−2]実施例1と比較するため
に、実施例1の感光層組成物から2,2’−ビス(o−
クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニ
ル−1,2’−ビイミダゾール(保存安定剤)を除外
し、テトラブチルアンモニウムn−ブチルトリ(4−フ
ルオロフェニル)ホウ素を、テトラブチルアンモニウム
n−ブチルトリフェニルホウ素(ハロゲン基を有さない
増感剤)に置換した外は実施例1と同様な組成物を用
い、実施例1と同様にして比較例1−2に係る画像形成
シートを作製した。
【0100】[比較例2−1]実施例2と比較するため
に、実施例2の感光層組成物のテトラブチルアンモニウ
ムn−ブチルトリ(2−メチル4−フルオロフェニル)
ホウ素を、全量テトラブチルアンモニウムn−ブチルト
リフェニルホウ素(ハロゲン基を有さない増感剤)に置
換した外は実施例2と同様な組成物を用い、実施例2と
同様にして比較例2−1に係る画像形成シートを作製し
た。
【0101】[比較例2−2]実施例2と比較するため
に、実施例2の感光層組成物のテトラブチルアンモニウ
ムn−ブチルトリ(2−メチル4−フルオロフェニル)
ホウ素を、全量テトラメチルアンモニウムn−ブチルト
リフェニルホウ素(ハロゲン基を有さない増感剤)に置
換した外は実施例2と同様な組成物を用い、実施例2と
同様にして比較例2−2に係る画像形成シートを作製し
た。
【0102】[試験例1]上記実施例1〜実施例5、お
よび比較例1−1〜比較例1−2、比較例2−1〜比較
例2−2に係る各画像形成シート試料について、その作
製後のレーザ光感度と高温高湿条件下に保存後のレーザ
光感度をそれぞれ測定し比較した。
【0103】用いたレーザ記録装置は、レーザ光照射系
として半導体レーザ(ソニー社製、SLU304XR)
とレーザドライバー(グローバル電子工業社製、GSB
3530)を用い、測定媒体移動系としてXYステージ
(中央精機社製、PS120EX・Y、コントローラC
AT−II、ドライバーパックSD−Pのセット)を用
いて構成した。
【0104】XYステージの移動は、コントローラに書
き込まれたプログラムで制御し、画像形成シートへのラ
スタ走査露光を、順次、主走査の停止状態からの加速、
定速移動、定速移動状態からの停止、副走査の一定距離
の移動、主走査逆方向への戻りからなる一連の運動の繰
り返しによって行う。このとき、副走査ごとに半導体レ
ーザの光出力を漸次増加し、走査範囲内で露光光量を変
化させ、画像形成シートのレーザ光感度を測定する。
【0105】レーザ記録装置は以下のように設定した。
【0106】ビーム径:100μmφ(50%) 主走査速度:40mm/秒、副走査ピッチ:100μm 走査範囲:15×10mm レーザ光照射強度(1回の試験露光中の変化幅):0.
6〜60mW(10〜1000mJ/cm2に相当) 感度測定用に試験露光した各画像形成シートを、印刷用
紙(神崎製紙社製、スーパーアート紙)と密着し、10
0℃、2m/秒、2kg圧に設定したラミネータを通し
て熱圧を加え、直ちに両者を剥離し、走査画像を印刷用
紙側に転写した。この画像を精査し、画像の転写が認め
られなくなる部位に相当する半導体レーザ光線の出力を
この画像形成シートの感度とした。
【0107】次に、未露光の各画像形成シート試料を温
度40℃、湿度75%RHに設定した恒温恒湿槽に30
日間保存し、前記と同様にして高温多湿環境下に保存し
た後の画像形成シートの感度を測定した。
【0108】結果を表5に示す。
【0109】
【表5】 (析出物の欄において、△は若干析出物があることを、
×は析出物の発生が顕著であることを示している)
【0110】表5の結果から、ハロゲン基を持たないホ
ウ素塩化合物を増感剤として添加した各比較例の試料
は、いずれも設定された保存条件下で析出物が見られた
のに対し、ハロゲン基を有するホウ素塩化合物を増感剤
として添加した各実施例の試料は、いずれも上記高温多
湿条件下での保存にも拘らず析出物がほとんど発生しな
かったことが確認された。また、感度の低下も少なく、
特にビイミダゾールを添加した実施例1に係る試料はほ
とんど低下しないことも確認された。これは、通常の室
温での保存であれば、数倍以上の保存寿命を有すること
を示している。 [試験例2]175線のテストカラー原稿をそれぞれブ
ラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの4色に色
分解して得られた各ポジフィルムと、それぞれの色に対
応する実施例2および実施例3〜実施例5の4色の画像
形成シートとをそれぞれレジスターピンで位置合わせし
て重ね合わせた後、それぞれ1.5m/秒で回転するド
ラムに巻き付けて固定し、上記試験例1に用いたと同じ
レーザドライバーで駆動される半導体レーザ光線を、光
学レンズ系でビーム径を40×20μmに調節して照射
し、80mWの光出力で露光して焼付けを行った。
【0111】露光したそれぞれの画像形成シートについ
て、1枚の前記印刷用紙と精密に位置合わせして重ね、
試験例1と同様にラミネータで熱圧転写する操作を繰り
返し、テストカラー原稿のカラー簡易プルーフを得た。
【0112】得られたカラー簡易プルーフは、十分満足
し得る解像度を有しており、ハイライト部からシャドウ
部に至るまで良好にテスト原稿を再現していた。ここに
得られたカラー簡易プルーフは、質感と解像力の両面で
紫外線露光式のカラー簡易プルーフと同等であった。
【0113】この試験を、実施例1の場合と同じ高温多
湿雰囲気下で保存した画像形成シート試料についても繰
り返したが、実質的に同様のカラー簡易プルーフが得ら
れた。この結果は、各実施例に係る画像形成シートが、
高温多湿の保存条件下でも感光層内に析出物の発生が起
こらず良好なベタ再現と地肌再現が行えることを示して
いる。すなわち、カラー簡易プルーフとして高い保存安
定性を有していることが確認された。
【0114】
【発明の効果】本発明の画像形成シートは、感光層が光
重合性化合物と近赤外線に感度を有する光重合開始剤と
を含むので、近赤外線の露光により熱粘着性が変化した
潜像が得られ、この露光部と未露光部との熱粘着性の差
を利用して受像体に熱圧転写することによって中間受像
体や特殊処理された受像紙を要せずに、直接に受像体に
画像を形成することができる効果を有する。
【0115】また、上記感光層内に一般式(2)で示さ
れたハロゲン基を含有するホウ素塩化合物から成る増感
剤が配合されており、この増感剤はハロゲン基を含有し
ないホウ素塩化合物(従来の増感剤)と較べ、画像形成
シートが高温多湿雰囲気下に保存された場合にもその結
晶化が起こり難く感光層内での上述した析出物の発生を
抑制できるため、作業現場などの高温多湿環境下の保存
でも良好な保存安定性が保たれ、実用的価値の高い画像
形成シートとなる効果を有する。
【0116】更に、本発明の画像形成シートは、上記特
性を有するので、これに原画像に対応する半導体レーザ
光線を照射して画像露光を行い、感光層の露光部と未露
光部とに熱粘着性の差を生ぜしめた後、この感光層を受
像紙に熱圧転写すれば、高い解像度と良好な質感を有す
る簡易プルーフを容易に得ることができる。
【0117】従って、本発明の画像形成シートを用いれ
ば、DDCPや高品質カラープリンタなどから出力され
るデジタル画像データから直接に、印刷物の質感と解像
度に極めて近似した簡易プルーフやカラー画像を簡易に
かつ速やかに作製することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成シートの一例を示す断面
図。
【符号の説明】
1 支持体 2 感光層 3 保護層 10 画像形成シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/029 G03F 7/029 7/033 7/033 7/34 7/34 (72)発明者 杉田 修一 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 鎌田 博稔 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 渡辺 岳男 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、 色材と、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物
    と、光重合性を有しない有機重合体から成る熱粘着性の
    結合剤と、下記一般式(1) 【化1】 (式中、D+は近赤外線領域に光吸収を持つカチオン系
    染料であり、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に
    アルキル、アリール、アルカリール、アリル、アラルキ
    ル、アルケニル、アルキニル、シリル、脂環式、飽和ま
    たは不飽和複素環式、置換アルキル、置換アリール、置
    換アルカリール、置換アリル、置換アラルキル、置換ア
    ルケニル、置換アルキニルおよび置換シリルから成る群
    より選ばれた置換基である。但し、R1、R2、R3また
    はR4の少なくとも1置換基は炭素数1〜8のアルキル
    基である)で示された近赤外線吸収性のカチオン染料と
    第4級ホウ素陰イオンとの錯体から成る光重合開始剤と
    を主成分とする感光層を備えた画像形成シートにおい
    て、 上記光重合開始剤の増感剤として、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立にア
    ルキル、アリール、置換アルキル、および置換アリール
    から成る群より選ばれた置換基であり、少なくとも1置
    換基に一つ以上のハロゲン基を含有している。但し、R
    5、R6、R7またはR8の少なくとも1置換基は炭素数1
    〜8のアルキル基である。また、Z+は任意の陽イオン
    で、好ましくはアンモニウム陽イオンである)で示され
    たハロゲン基を含有するホウ素塩化合物が上記感光層内
    に含まれていることを特徴とする画像形成シート。
  2. 【請求項2】上記一般式(2)で示されたホウ素塩化合
    物の置換基R5〜R8の少なくとも1つがハロゲン置換ア
    リール基であることを特徴とする請求項1記載の画像形
    成シート。
  3. 【請求項3】上記置換基R5〜R8の少なくとも1つがハ
    ロゲン置換アリール基であるホウ素塩化合物と、ハロゲ
    ン置換アリール基を含有しないホウ素塩化合物が1:1
    〜1:0の範囲で混合されて成る増感剤を、上記光重合
    開始剤1重量部に対し0.1〜5重量部の範囲で配合し
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形
    成シート。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の画像形成シー
    トの感光層に対し、原画像に対応する半導体レーザ光線
    を照射して感光層の露光部と未露光部に熱粘着性の差を
    生ぜしめ、次いで上記感光層を受像体に重ね合せかつ熱
    圧転写して受像体上に上記原画像に対応した画像を形成
    することを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】受像体と、請求項4記載の画像形成方法に
    より受像体上に形成された画像とで構成されることを特
    徴とする簡易校正刷り。
JP12643496A 1996-04-22 1996-04-22 画像形成シートとこのシートを用いた画像形成方法およびこの画像形成方法により得られた簡易校正刷り Pending JPH09288352A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100377004C (zh) * 2001-07-26 2008-03-26 富士胶片株式会社 影象形成材料和铵化合物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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