JP2957876B2 - 画像形成体および画像形成方法 - Google Patents

画像形成体および画像形成方法

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JP2957876B2 JP35223993A JP35223993A JP2957876B2 JP 2957876 B2 JP2957876 B2 JP 2957876B2 JP 35223993 A JP35223993 A JP 35223993A JP 35223993 A JP35223993 A JP 35223993A JP 2957876 B2 JP2957876 B2 JP 2957876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷用の簡易校正刷り
(以下、簡易プルーフと称する。)や、パーソナルコン
ピュータ用のカラー出力等に使用される単色あるいは多
色の重ね合わせによる画像形成に係り、特に、感光性層
の粘着力と内部凝集力もしくは、界面張力との作用によ
る画像形成を、半導体レーザ光の露光によって行うもの
である。
【0002】
【従来の技術】簡易プルーフとは、被写体を写したカラ
ーフィルム等の原稿から印刷物を作製する工程中で主に
使用されるものである。例えば、原稿の色分解を行う装
置であるカラースキャナからの色分解フィルムの仕上が
りを確認したり、印刷版を露光する色分解フィルムの状
態を確認する際等に使用されることが多い。また、露光
・現像された印刷版を円圧式の平台校正機で印刷した校
正刷にも、一部適用がされ始めている。
【0003】簡易プルーフは、多色の重ね合わせの方法
によって、オーバーレイ法とサープリント法に分類され
る。オーバーレイ法は、必要に応じて色分解された2色
或いは3色の着色体を重ねて見る方式であり、非常に簡
便に多色印刷物の検査が行える等の長所を有している。
しかし、各色の着色体の間に各々の支持体が入った状態
で観察しているため、得られた簡易プルーフは反射光沢
や網点の再現等が印刷物と異なり易く、印刷物と近い質
感が得にくいと言う欠点を有する。この方式の一例はア
メリカ特許第3136637号公報に記載されている。
【0004】サープリント法は、単一の支持体に色の異
なる数層の着色層を重ね合わせるものであり、各色に着
色された感光層やトナー等を、色分解された画像に応じ
て、透明もしくは不透明の支持体上に順次積層して形成
することで、印刷物に近似した画像を得ることができ
る。この方法は、着色層の間に支持体が入らないため、
網点形状の再現等は良好であり印刷物により近い画像を
得られるが、着色層の厚さが印刷物より厚いので、光沢
も高くなりやすいと言う欠点を有する。この方法の例と
しては、アメリカ特許第3671236号公報や同第3
136637号公報に記載されているものが挙げられ
る。
【0005】また、光重合及び熱転写の技術を応用した
画像形成法も知られている。支持体上の光重合性の感光
層を、色分解された画像で露光した後に、画像受像紙と
合わせて加圧及び加熱をすると、未露光部が転写された
画像が得られる。この工程を各色毎に繰り返すことで、
印刷物と近似した画像を作ることができる。この時、感
光層が色分解された画像と同色に着色されているなら、
そのまま、露光・転写工程を繰り返し行って最終的なプ
ルーフを作成すれば良い。しかし、未着色の感光層を適
用する場合は、未露光部の保持する粘着力を利用して、
着色されたトナーを適切に付着されることで、色分解さ
れた画像と同色の画像を可視化できる。この時、画像を
形成する着色層は各色のトナーの集合体で形成されてい
る。
【0006】しかし、どちらの場合にも、形成された画
像の膜厚が印刷物よりも厚くなるので、仕上がりの質感
が印刷物と異なり易い。また、各色の積層・露光・現像
の作業時間が長くなり易いので、生産性は低くなる傾向
を有している。これらの方法は、例えばアメリカ特許第
3060023号、同第3060024号、同第306
0025号、同第3481736号、同第360726
4号公報に記載されている。
【0007】サープリント法とオーバーレイ法の不具合
な性質を改良した簡易プルーフの作製法が、特開昭59
−97140号公報に記載されている。これの特徴は、
(イ)各色の分解画像の露光を同時に行うことが可能で
あり、(ロ)画像受像紙への転写時に、着色画像が光重
合性接着層の中に埋め込まれた状態となり、(ハ)光重
合性接着層は白色紙等へ転写可能なことが挙げられる。
よって、上記した方法よりも一層印刷物に近似した簡易
プルーフを比較的簡便に得られるが、工程中の現像作業
にアルカリ性物質を用いる必要があり、また、最終的に
得られる画像の向きが印刷物と反対になると言う欠点を
有する。
【0008】また、中間的な画像受像体や、特殊処理を
した画像受像紙を使用する必要が無く、印刷物と同様の
紙に、印刷物と同一向きの近似した簡易プルーフを、簡
便に作製する方法が特開昭63−147154号公報に
記載されている。この方法は、カバーシート及び支持体
の間に着色された感光層を設けた構成の感光性シートを
使用しており、色分解された画像を露光した後にカバー
シートを剥離、白紙等の受像紙と熱圧着を行いながら両
者を剥がす一連の工程を、各色毎に繰り返す事で簡易プ
ルーフを作製している。
【0009】この方法は、感光層の露光部及び未露光部
の粘着力の差と、各層間の界面での着色力の差を利用
し、感光層を支持体と受像紙間に凝集破壊させること
で、受像紙上の着色画像を形成している。この方法の特
徴は、感光層内の適度な内部凝集力と粘着力のバランス
から微細な画像再現が可能な事、特別な現像処理を必要
とせずに、画像露光後の受像紙との熱圧着で簡単にプル
ーフを作製できる事、感光層中の顔料が校正刷り用イン
キと近似したものを使用できるので色調も近い事、印刷
インキの膜厚と感光層の厚さが近く質感も近似している
事などが挙げられる。
【0010】しかし、この方法では、感光層中に光重合
性化合物とラジカル重合開始剤を含有しているので、光
重合反応の酸素阻害を避けるため、露光時には感光層と
空気とを遮断するカバーシートが必要となる。そのた
め、材料面からも、カバーシートをラミネートする工程
面からもコストアップとなることが避け難い。
【0011】以上述べた、各種の簡易プルーフは、主に
紫外線等を発生する光源の焼付け機で露光工程を行って
から作製されるので、原稿から色分解されたネガもしく
はポジフィルムを使用することが不可欠である。そのた
め、近年の印刷工程に採用され始めている、多数の画像
原稿をデジタルデータとして取り込み、配置や割り付け
等を自在に編集できる集版システムや、これに、文字情
報まで加えてのデザインと編集が統合的に行える様なシ
ステムとの連携が、直接的に行なえない。つまり、上記
システムで作製された統合的な画像を簡易プルーフでチ
ェックする場合は、システム中に記憶されている色分解
画像のデジタルデータを一旦ポジもしくはネガフィルム
上に出力してから、簡易プルーフで処理することになる
ので、画像データや文字データをデジタル的に一括処理
すると言う上記システムの長所を生かしていないことに
なる。
【0012】しかし最近は、画像や文字のデジタルデー
タから直接に簡易プルーフが作製可能なデジタルプルー
フシステムが開発され始めている。これらの概要は、
「印刷雑誌Vol.73.8号,9号」「日本印刷学会
誌Vol.27,4号」等の文献等に記載されている。
これらに記載されているデジタルプルーフシステムは、
ポジもしくはネガフィルムからアナログ的にプルーフを
作製する従来の感光材料を使用するが、画像データ等で
強度変調されたレーザー光等を露光用光源に使用して、
デジタルデータから簡易プルーフを作製する形式のもの
と、元々デジタルデータからのカラープリンタとして使
用されていたシステムを、プルーフへ適用したものとに
分類される。前者の一例としては、光半導体上に帯電と
露光によって形成された静電潜像を着色トナーで現像
し、各色毎に受像紙上へ重ねて転写することでプルーフ
を作製する、電子写真方式を用いた物が挙げられる。ま
た、後者の一例としては、感熱ヘッドや半導体レーザ光
等の熱エネルギーによって、熱で昇華する染料を含むド
ナーフィルムから受像紙へ色素画像を転写することで、
簡易プルーフを作製する方法が挙げられる。
【0013】前者は、校正刷り用インキに使用される顔
料と、各色のトナーを構成する顔料とが比較的容易に合
わせられるので、簡易プルーフの色調を校正刷りと近く
できる長所を持つが、一方で、装置構成が複雑で大きく
高価になり易いと言う欠点を有している。後者は、ドナ
ーフィルムと受像紙、熱源を基本構成とするもで、装置
構成が簡単で小型で比較的安価である長所を持つが、染
料色による色再現と染料濃度による階調再現を基本とす
るので、簡易プルーフの色調が校正刷りと合いにくく、
印刷物の網点再現も不得手である。また、他の方式とし
てインキジェット方式等による簡易プルーフもあるが、
いずれの方式も色調や網点の再現が校正刷りと近いレベ
ルにあるとは言い難い。
【0014】また一方で、パーソナルコンピュータのカ
ラー出力に使用されるカラープリンタには、多色のイン
クリボンによるドットインパクト方式、多色の熱溶融イ
ンキシートを用いる溶融熱転写方式、多色インキの微小
液滴を飛翔・付着させるインキジェット方式、多色の熱
昇華性インキシートを用いる昇華転写方式等があり、必
要に応じて、単色あるいは多色の重ね合わせのカラー画
像を形成している。
【0015】しかし、これらの方式は、熱源である感熱
ヘッドの単位ドットの微細化や、インキ噴出ヘッドの小
径化等が限界に近く、そのままでは高解像力の達成が困
難と言う欠点を有している。また、昇華転写方式は濃度
階調による階調再現法が適用できるので、他方式の再現
法である面積階調法とは異なり、現状の感熱ヘッドの解
像度でも十分な解像力と階調性を有するが、専用の受像
紙と昇華性インキのインキシートが必要となるので、安
価であるとは言い難い。つまり、安価にカラー画像出力
が可能なものは画質が不十分であり、画質が良好なもの
は高価になる傾向が見られる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を考慮して、それを解決すべくなされたもの
であり、その目的とするところは、画像データ等のデジ
タルデータから、校正刷りに近い質感及び品質レベルの
簡易プルーフや、比較的安価で高品質なカラー出力を、
容易に作製することが可能な画像形成方法と画像形成材
料を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成材料
は、光重合性化合物と、近赤外線に光感度を有する重
合開始剤とを含有する感光性層と、染料もしくは顔料
と、光重合性を有さない有機重合体結合剤とを含有する
着色層とが積層してなることを特徴とするものである。
【0018】本発明の画像形成体は、支持体上に、
光重合性化合物と近赤外線に光感度を有する重合開始剤
とを含有する感光性層と、染料もしくは顔料と、光重
合性を有さない有機重合体結合剤とを含有する着色層と
が順に積層されてなることを特徴とするものである。
【0019】本発明の画像形成方法では、 (1)支持体上に、光重合性化合物と、近赤外線に光感
度を有する重合開始剤を含有する感光性層と、染料もし
くは顔料と光重合性を有さない有機重合体結合剤を含有
する着色層とを順次積層して画像形成体を形成する。 (2)その画像形成体に、半導体レーザ光による画像露
光を行い、感光性層の露光部と非露光部とで粘着性の差
を生じさせる。 (3)画像形成体の着色層側に画像受像紙を重ねて加圧
後、剥離し、感光性層と着色層からなる画像形成材料を
画像受像紙上に転写する。
【0020】本発明の画像形成材料においては、重合開
始剤が、近赤外線を吸収する陽イオン染料と、ボレート
陰イオンの錯体であるか、または、近赤外吸収色素と還
元剤とハロゲン化銀とを含有しているものであることが
好ましい。
【0021】本発明の画像形成方法においては、必要に
応じて、画像形成体を画像受像紙に加圧する際に、加熱
処理が施される。
【0022】本発明の画像形成方法において、半導体レ
ーザ光の照射は画像形成体の支持体側から行なうことが
望ましい。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
画像形成方法は、上述した特開昭63−147154号
公報の画像形成方法とは異なり、支持体と、感光性層の
露光部と未露光部の各層間界面の接着力の差と、普通紙
を含む受像紙と着色層との加熱圧着時の粘着力、及び着
色層の破断力のバランスを利用して、露光部もしくは未
露光部の感光性層と着色層とを受像紙へ剥離及び転写す
るものである。この感光性層は、半導体レーザ光等の露
光で感光するような、光重合開始剤を含有している。ま
た、前記公報の画像形成方法に必要なカバーフィルム
は、本画像形成方法及び材料では不要となる。また、感
光性層を構成する光重合性化合物の種類や、光重合性を
持たない有機重合体結合剤との配合、着色層の有機重合
体化合物と染料または顔料等の種類や配合割合、さらに
支持体の種類や受像紙の種類によって、画像形成時に各
部で生じる力のバランスが変化するので、適当な構成を
選定して用いることが必要である。
【0024】半導体レーザ光による画像露光は、支持体
側からも着色層側からも可能であるが、近赤外光に透明
な吸収の少ない支持体側からの露光が望ましい。これ
は、最終的に受像紙上に形成される画像の向きと、走査
露光を行う半導体レーザ光を変調する画像データの出力
順等を考慮して決定される。
【0025】前記支持体としては種々のものが使用可能
であり、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等
が使用できるが、熱と水に対する寸法安定性や作業操作
性等の点から、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートが
望ましい。また、これらの支持体は、そのまま用いても
良いが、感光性層との粘着性を制御するために、シリコ
ン樹脂やフッ素樹脂等の適当な撥油性物質による離型処
理や、コロナ放電もしくはプラズマ処理による易接着処
理等の表面処理を施しても良い。
【0026】本発明の画像形成材料に使用される染料も
しくは顔料としては、従来から知られているものが使用
できるが、一般にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クの4色の色相を持つものが必要である。この他にも補
助的に金属粉、白色顔料、蛍光顔料等も使われる。これ
らは市販の物の他、各種文献等(例えば、「染料便覧」
有機合成科学協会編集、昭和45年刊、「最新顔料便
覧」日本顔料技術協会編集、昭和51年刊行)に記載の
ある公知のものが使用できる。部分的な例としては、ア
ゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキ
ノン系、インジゴ系、メチン系等の有機顔料または染
料、あるいは無機顔料が挙げられる。
【0027】これらの染料や顔料は適当な公知の手段を
以て、着色層中に混入もしくは含有させれば良い。ま
た、感光性層と着色層を適度にマット化するために粉体
の混入や処理も必要に応じて行い、得られる画像の質感
を良好に制御することも有効である。
【0028】本発明に使用される光重合性化合物は、フ
リーラジカル付加重合可能なもしくは架橋可能なエチレ
ン性不飽和化合物であって、1以上のエチレン性不飽和
基、例えばビニルまたはアリル基を有するモノマー、オ
リゴマーならびに末端もしくは側鎖にエチレン性不飽和
基を有するポリマーが使用できる。これらには、アクリ
ル酸、およびその塩、アクリル酸エステル類、アクリル
アミド類、メタクリル酸、およびその塩、メタクリル酸
エステル類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、マ
レイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、スチレン
類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル
複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類および
それらの誘導体等がある。
【0029】具体例としては、(メタ)アクリル酸、メ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ス
チレン、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、エ
チレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグルコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオ−ルジアクリレート、ペンタエリストールジ
アクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエ
リスト−ルヘキサアクリレート、フェノールのアルキレ
ンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート等の低分子
量の化合物や、エポキシ樹脂の末端に(メタ)アクリレ
ート、ポリエステルの末端に(メタ)アクリレートが結
合したポリマー、石油樹脂のアクリレート変性体、不飽
和ポリエステル等の高分子量の化合物が挙げられる。こ
れらの重合性化合物は、単独で使用しても二種類以上を
併用しても良い。
【0030】光重合性を持たない有機重合体結合剤は、
着色層中に混合されて染料や顔料の分散媒として用いら
れるが、感光性層に混合して粘着力の調整に用いられる
場合もある。後者では、光重合性化合物との相溶性が良
好なことが必要である。一般には熱可塑性樹脂の例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、ポ
リビニルアセタール、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン−アクリロニ
トリル共重合体、塩化ビニリデン−メタクリレート共重
合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、セルロー
ス誘導体、ポリオレフィン、ブタジエン−アクリロニト
リル共重合体のような合成ゴム、ジアリルフタレート樹
脂等が挙げられる。
【0031】また、着色層中の有機重合体結合剤とし
て、感圧・感熱接着剤を単独、もしくは混合させて用い
ても良く、ゴム系、アクリル系、シリコーン系の接着剤
が使用できる。これらは、弾性体、接着付与剤、可塑
剤、充填剤、及び老化防止剤等の助剤から構成されてい
て、詳しくは、弾性体として天然ゴム、合成イソプレ
ン、再生ゴム、SBRゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ
アクリル酸エステル、又はその誘導体、スチレン−イソ
プレン−スチレンゴム、シリコーンゴム、シリコーンレ
ジン等であり、接着付与剤はロジン系及びロジン誘導
体、ホリテルペン樹脂、クロマン−インデン樹脂、石油
系樹脂、テルペンフェノール樹脂等であり、可塑剤とし
ては、液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソ
プレン、液状ポリアクリレート等である。その他、必要
に応じて、酸化防止剤等の老化防止剤や無機顔料等の充
填剤を添加する。
【0032】さらに、着色層中にワックスを混合させて
も良く、例えば、動物系・植物系・鉱物系及び石油系の
天然ワックスや、合成炭化水素系、変成ワックス系、脂
肪族アルコールと酸系、脂肪酸エステルとグリセライド
系、水素化ワックス系、合成ケトン・アミン及びアマイ
ド系、塩素化炭化水素系、合成動物ロウ系、アルファー
オレフィン・ワックス系等の合成ワックスを挙げること
がてきる。
【0033】本発明に使用される近赤外線に光感度を有
する重合開始剤は、近赤外線に吸収を持つ陽イオン染料
とボレート陰イオンとの錯体や、特定の近赤外増感色素
で増感されたハロゲン化銀と還元剤との組合せによるも
の等が挙げられる。後者については、画像露光後に加熱
等の現像処理を行うことで、重合性化合物を硬化させる
ことができる。これらについては、特開平8−1114
02号公報や特開平3−179003号公報等と、特開
平3−80251号公報等に記載されたもの等を使用す
ることができる。
【0034】近赤外線に吸収を持つ陽イオン染料とボレ
ート陰イオンとの錯体からなる重合開始剤の例は、次の
一般式で示される。
【0035】
【化1】
【0036】式中、D+は近赤外領域に光吸収を持つ陽
イオン色素、R1,R2,R3,およびR4は独立的にアル
キル、アリール、アルカリール、アリル、アラルキル、
アルケニル、アルキニル、脂環式及び飽和または不飽和
複素環式基を示し、R1,R2,R3,及びR4の中の少な
くとも1個は炭素数1〜8のアルキル基である。好まし
い陰イオンは、例えばトリフェニルブチル−ボレート陰
イオンとトリアニシルブチル−ボレート陰イオンであ
る。これらは容易に解離してトリフェニルボランまたは
トリアニシルボランとブチルラジカルとなる。また、上
記陽イオン染料の種類は、シアニン、トリフェニルメタ
ン、アミニウム、ジインモニウム系色素である。本発明
に有用な錯体の例を(表1)〜(表3)に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】これらの錯体はフリーラジカル連鎖過程で
酸素を吸収しえる自動酸化剤との併用が好ましく、一例
としては、N,N−ジアルキルアニリンであって、オル
ト、メタもしくはパラ位の1以上がアルキル基、フェニ
ル基、アセチル基、エトキシカルボニル基、カルボニル
基、カルボキシレート基、シリル基、アルコキシ基、
N,N−ジアルキルアニリンであって、特にオルト位が
アルキル基で置換された2,6−ジイソピル−N,N−ジ
メチルアニリン、2,6−ジエチル−N,N−ジメチルア
ニリン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン、及び
p−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリン等が適当で
ある。
【0041】上記した陽イオン染料−ボレート陰イオン
錯体は、光重合性化合物を基準にして0.01〜10重
量%、好ましくは0.1〜5重量%を添加する。自動酸
化剤も同様な量を添加して用いる。
【0042】また、必要に応じて、紫外光に感度を持つ
公知の重合開始剤、例えばベンゾフェノン、4,4−ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−
4−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアント
ラキノン、フェナントラキノン、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等を混
合して使用しても良い。
【0043】近赤外吸収色素増感のハロゲン化銀と還元
剤等からなる重合開始剤の例として、一般式(化2)で
示される増感色素がある。
【0044】
【化2】
【0045】ここで、R16およびA10は各々同一であっ
ても異なっていてもよく、それぞれアルキル基(好まし
くは炭素原子数1〜8、例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基等の無
置換または置換アルキル基(置換基として例えばカルボ
キシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロ
キシル基等、これらは2つ以上を組み合わせて置換され
ていても良い))を表す。A10はこれらの置換基の他
に、フェニル基、ピリジル基、置換フェニル基又は置換
ピリジル基であっても良い。この置換フェニル基及び置
換ピリジル基における置換基としては、例えば、スルホ
基、カルボキシル基、シアノ基、塩素原子、フッ素原子
等のハロゲン原子、炭素原子数が1〜4のアルキル基、
炭素原子数が1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ
基、アシル基、アルコキシカルボニル基がある。
【0046】Y10は酸素原子、硫黄原子、セレン原子、
−C−R17,−R18(R17,R18はメチル基又はエチル
基)、=N−R19〔R19は炭素数5以下の無置換又は置
換されたアルキル基(置換基としてはヒドロキシル基、
ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ
基等がある)又はアリル基〕又は−CH=CH−を表
す。Y11は酸素原子、硫黄原子、=N−A11(A11はR
19と同義、又はフェニル基、ピリジン基、置換フェニル
基又は置換ピリジン基を表す。置換フェニル基又は置換
ピリジン基における置換基としては、例えばスルホ基、
カルボキシル基、シアノ基、塩素原子、フッ素原子等の
ハロゲン原子、炭素原子数が1〜4のアルキル基、炭素
原子数が1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、
アシル基、アルコキシカルボニル基がある。
【0047】Z13は無置換又は置換されたベンゼン環も
しくはナフチル環を形成するに必要な原子群を表す。置
換基としてはメチル基等の低級アルキル基、ハロゲン原
子、フェニル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
アルキルスルファモイル基、アルキルカルバモイル基、
アシル基、シアノ基、トルフルオロメチル基、ニトロ基
等がある。Y10〜Z13で作られる含窒素複素環として
は、例えばチアゾール核を含むもの、ゼレナゾール核を
含むもの、オキサゾール核を含むもの、キノリン核を含
むもの、3,3−ジアルキルインドレニリン核を含むも
の、イミダゾール核を含むものを挙げることができ、好
ましくはベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベ
ンゾオキサゾール核又はナフトオキサゾール核を含むも
のである。L5〜L10としては、置換メチン基を含むメ
チン基を表し、置換メチン基の例としては、メチル基、
エチル基、プロピル基等の低級アルキル基、フェニル基
等のアリール基、置換アルキル基(置換基としては例え
ばフェニル基なヒドロキシル基等)やアルコキシル基を
持つメチン基等が挙げられる。又、L6とL8およびL8
とL10が連結して5〜6員環を形成しても良い。近赤外
吸収色素の化合物の具体例を下記の(表4)〜(表7)
に記載する。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】その他の近赤外増感色素としては、特開平
3−80251号公報や特開昭59−180553号公
報、特開昭60−196757号公報に記載されている
化合物も使用できる。
【0053】上記の増感色素はハロゲン化銀1モル当た
り2×10-6モル〜5×10-4モルの割合で感光層に含
有される。
【0054】上記の増感色素に組み合わせる還元剤は、
ハロゲン化銀を還元する機能及び又は重合性化合物の重
合を促進(または抑制)する機能を有する。例えば、ハ
イドロキノン類、カテコール類、p−アミノフェノール
類、p−フェニレンジアミン類、3−ピラゾリドン類、
3−アミノピラゾール類、4−アミノ−5−ピラゾロン
類、5−アミノウラシル類、4,5−ジヒドロキシ−6
−アミノピリミジン類、レダクトン類、アミノレダクト
ン類、o−又はp−スルホンアミドフェノール類、o−
又はp−スルホンアミドナフトール類、2,4−ジスル
ホンアミドフェノール類、2,4−ジスルホンアミドナ
フトール類、o−又はp−アシルアミノフェノール類、
2−スルホンアミドインダノン類、4−スルホンアミド
−5−ピラゾロン類、3−スルホンアミドインドール
類、スルホンアミドピラゾロベンズイミダゾール類、ス
ルホンアミドピラゾロトリアゾール類、α−スルホンア
ミドケトン類、ヒドラソン類等がある。これらは単独又
は二種類以上を混合して使用されるが、種類や量等を調
整することで、ハロゲン化銀潜像が形成れさた部分、も
しくは形成されない部分のいづれかの重合性化合物を重
合させることができる。還元剤の添加量は銀塩に対し
て、10〜300モル%が適当である。
【0055】使用できるハロゲン化銀としては、塩化
銀、臭化銀、沃化銀、あるいは塩臭化銀、塩沃化銀、沃
臭化銀、塩沃臭化銀のいずれの粒子も用いることができ
る。結晶形は、規則的な立方体、八面体、十四面体や変
則的な球状、板状、双晶面を持つもの等のいづれでも良
く、複合形であっても良い。粒径は約0.01μm以下
でも、10μm以上であっても差し支えない。調整方法
としては、リサーチ・ディスクロージャー(RD)No
17643(1978年12月)や同No18716
(1979年11月)等に記載された方法が挙げられ
る。また、公知の写真用添加材についても、上記リサー
チ・ディスクロージャーに記載されている。
【0056】以上、近赤外吸収色素、還元剤、ハロゲン
化銀を組み合わせて構成される重合開始剤について述べ
たが、他の材料として強色増感剤、画像形成促進剤とし
ての塩基または塩基プレカーサを含ませることができ
る。強色増感剤としては、一般式(化3)で示されるも
のがある。
【0057】
【化3】
【0058】ここで、Aは2価の芳香族残基を、R3
4,R5及びR6は各々水素原子、ヒドロキシ基、アル
キル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン基、
ヘテロ環基、ヘテロシクリルチオ基、アリールチオ基、
アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラ
ルキルアミノ基、アリール基、メルカプト基を表してお
り、これらの基は置換されていても良い。詳細な化合物
については、特開平3−80251号公報に記載のもの
が使用可能である。
【0059】塩基または塩基プレカーサとしては、無機
の塩基及び有機の塩基、またはそれらの塩基プレカーサ
(脱炭酸型、熱分解型、反応型及び錯塩形成型等)が使
用しできる。これらについては、特開昭59−1805
49号公報や特開昭59−157637号公報等に記載
の化合物が挙げられる。
【0060】以上を組み合わせて構成される、近赤外線
に光感度を有する重合開始剤には、熱重合禁止剤を混合
しても良く、例えば、p−メトキシフェノール、ハイド
ロキノン、t−プチルカテコール、ピロガロール、ピリ
ジン、アリールホスフェイト等が挙げられる。
【0061】本発明の感光性層と着色層の合計の膜厚は
1〜5μm程度あれば良く、適正な塗布量は含有される
染料もしくは顔料の量によって異なるが、0.5g/m2
〜50g/m2程度が適当である。感光性層について
は、0.5〜4μm程度が適当であり、支持体への粘着
力と、着色層の受像紙への熱接着力や破断力等から調整
して決定される。塗布に関しては、例えば、バーコータ
ー、スピンコーターなどを用いることができ、量産に適
する各種のコーターで行うことが良い。
【0062】次に、本発明による画像形成過程を説明す
る。 各色の画像露光時のズレを防止するため、画像形成体
にレジスターピン用の穴を空ける等の位置決定手段を設
定する。 半導体レーザー光による画像露光を行い、画像形成材
料の感光性層の露光部を硬化させる。 着色層と、紙等の受像紙とを重ねて加圧下あるいは必
要に応じて加熱・加圧下で転写を行う。 支持体の一端を持って剥離することにより、感光性層
内に形成れさた画像が、設計された各種の力のバランス
で着色層と一緒に画像受像紙へと転写されて転写画像が
形成される。 尚、露光された部分を転写する方が、設計は容易であ
る。また、必要に応じて、転写画像の感光性層の粘着性
を消失させる後露光を行ったり、感光性層と一部の着色
層除去用のマット化シートを重ねての、加熱・加圧・剥
離作業を行っても良い。
【0063】以上の〜を、イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラックの各色の画像形成材料で繰り返すこと
で、4色の簡易プルーフやカラー画像を得ることができ
る。
【0064】
【作用】本発明は、感光性層中に光重合性化合物と近赤
外線に光感度を有する重合開始剤を含有させたので、感
光性層の支持体への粘着力と着色層の受像紙への接着力
等との作用によるカラー画像形成を、半導体レーザ露光
によって行うことが可能となる。したがって、画像や文
字のデジタルデータを基に画像露光を行なうことがで
き、配置や割付などを自在な編集を可能とする集版シス
テムや、文字情報等を加味した統合的な編集システムな
どを活用することができる。また、本発明であれば、感
光性層は空気中に暴露されていないため、露光時を含め
てカバーフィルムを必要としない。
【0065】
【実施例】次に、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって限定されるもので
はない。尚、部とは重量部を、%とは重量%を表す。
【0066】〈実施例1〉 (1)感光性層の作製 有機重合体結合剤としてポリエステル(バイロン30
0;東洋紡績(株)製)、光重合性化合物としてテトラ
エチレングリコールジアクリレート(A−4EG;新中
村化学(株)製)、トリメチロールプロパントリアクリ
レート(ATMPT;新中村化学(株)製)、重合開始
剤として(表2)の錯体番号6−A、ベンゾフェノン
(KAYACUREBP;日本化薬(株)製)を使用し
て、以下のようにして感光性層を作製した。ポリエステ
ル樹脂をMEK(メチルエチルケトン)に溶解(樹脂3
重量部,溶剤7重量部)し、ポリマー溶液を作製した。
次に、光重合性化合物をA−4EG:1重量部、ATM
PT:3重量部、樹脂:1重量部(固形分)となるよう
にポリマー溶液に混合させ、さらに、錯体番号6−A:
9重量部、ベンゾフェノン:1重量部の重合開始剤を溶
質の3重量%加えて感光液とした。この感光液を、支持
体となるコロナ処理された25μm厚のポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に、乾燥時の膜厚が1μmとな
るようにワイヤバーコーターで塗布した後、温風乾燥機
にて100℃2分間の乾燥を行い、支持体上に感光性層
を形成した。
【0067】(2)着色層の作製 顔料は、イエロー用がリオノールイエローFG80(東
洋インキ製造(株)製)、マゼンタ用がリオノールレッ
ド7BFG4412(東洋キンキ製造(株)製)、シア
ン用がリオノールブルーFG7330(東洋インキ製造
(株)製)、ブラック用がMA7(三菱カーボン(株)
製)を使用した。有機重合体結合剤として、アクリル樹
脂を合成した。これは、アクリル酸イソブチル50gと
アクリルアミド50gに、アゾビスイソブチルニトリル
5gとベンゼン250gを加えて窒素雰囲気下で撹拌
し、60℃で15時間反応を行い、Tgが約100℃、
分子量が約10000の共重合体としたものである。こ
のアクリル樹脂をトルエンへ溶解させ(樹脂3重量部、
溶剤7重量部)、ポリマー溶液を作製した。次に、この
ポリマー溶液に上記顔料を固形分で、イエロー18重量
%、マゼンタ18重量%、シアン18重量%、ブラック
9重量%となるように各々毎に混合し、2mmφのガラ
スビーズと共に振動式ミル(5400N2型、レッドデ
ビル社製)で10分以上振動させて分散を行い、各色に
着色された塗料を得た。この塗料を、上記形成した感光
性層の上に、乾燥時膜厚2μmとなるようにワイヤバー
コーターで塗布した後、温風乾燥機にて100℃2分間
の乾燥を行って着色層を形成した。こうして、各色毎の
画像形成体を得た。
【0068】(3)画像再現試験 テスト原稿を色分解したポジフィルムと、これに対応す
る4色それぞれの画像形成体とをレジスターピンで正確
な位置合わせを行った後、レーザドライバー(GSB3
530 グローバル電子工業(株)製)で駆動した半導
体レーザ(SLU304XR ソニー(株)製)によ
り、500mWの光出力で100mJ/cm2となるよ
うに露光し、画像形成を行った。次いで、印刷用紙に密
着させた後、適当な加圧(50Kg/cm2)と加温を
行い、その後、支持体のポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを印刷用紙から剥離して、色分解されたテスト原
稿の再現画像を得た。この再現画像には、500mJ/
cm2相当の後露光を行って、粘着性を消失させた。そ
の結果、転写された感光性層と着色層は、塗工膜厚とほ
ぼ同じ厚さであって、20本/mm程度の解像力を有し
ていた。
【0069】また、他の3色の画像形成材料について
も、同様な工程をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クの順で画像形成を行い、印刷用紙上にテスト原稿のカ
ラー再現画像を作成して、良好な簡易プルーフを作成し
た。得られた簡易プルーフの質感や解像力は、紫外線露
光用の組成を持つ簡易プルーフと同等程度で、品質は良
好であった。
【0070】〈実施例2〉 (1)感光性層の作製 下記の組成からなる感光性層用の感光液を調製した。有
機重合体結合剤としてはジアリルフタレート(DAPL
大阪酸素(株)製)、光重合性化合物としてはアクリ
ル樹脂(カヤラッドR604 日本化薬(株)製)、重
合開始剤としては、(表4)のC−1を増感色素とする
ハロゲン化銀と還元剤
【0071】
【化4】
【0072】
【化5】
【0073】との組み合わせを主剤に使用した。
【0074】調製は、まずジアリルフタレート樹脂をM
EKへ溶解させ(樹脂12重量部、溶剤70重量部)、
ポリマー溶液を作製した。次に、光重合性化合物をポリ
マー溶液に混合させ、R604:1重量部、樹脂:0.
5重量部(固形分)とした。さらに下記の開始剤を溶質
に対して20重量%を加え、50℃に保温しながら、ホ
モジナイザーで撹拌して感光液とした。
【0075】開始剤は、以下の手順で作製した。 :増感ハロゲン化銀乳剤の調製 ゼラチン水溶液(水1.2lに、ゼラチン25gと塩化
ナトリウム1.2gを加え、これを1Nの硫酸でpH3.
2に調整した後、60℃に保温)に、臭化カリウム11
7gを含有する水溶液800mlと硝酸銀溶液(水60
0mlに硝酸銀125gを溶解)を同時に15分間に渡
って等流量で添加した。その2分後にチオ硫酸ナトリウ
ム5mgを加えて60℃で1分間保持し、更に14分後
から沃化カリウム8.6gを含有する水溶液400ml
を5分間に渡って添加した後、60℃で5分間撹拌し
た。これに、ポリ(イソプチレン−コーマイレン酸モノ
ナトリウム)の10%水溶液12ml、リン酸10%水
溶液15mlを加えて沃臭化銀粒子を沈澱させ、水洗、
脱塩後、沃臭化銀乳剤460gを得た。その後、表4の
C−1増感色素を30mgとベンゾイミダゾール0.1
gを加えて、増感ハロゲン化銀乳剤を得た。
【0076】:固形分散物の調製 300mlのガラスビン中にゼラチンの3%水溶液16
0g、塩基プレカーサ、
【0077】
【化6】
【0078】を40gと、2mmφのガラスビーズ20
0mlを加え、上記振動ミルで分散して、塩基プレカー
サの固形分散物を得た。
【0079】上記調製した増感ハロゲン化銀乳剤を
4.5gと、固形分散物を38gに、(化4)に示さ
れる化合物を2.42gと、(化5)に示される化合物
を3.29g加えて混合して、開始剤とした。
【0080】上記感光液を、分散時間を増加させた他は
実施例1と同様の方法にて、分散、塗工した。乾燥は真
空乾燥機にて50℃10分間行って、感光性層を得た。
【0081】(2)着色層の作製 顔料は、イエロー用がリオノールイエローFG1310
(東洋インキ製造(株)製)、マゼンタ用がカーミン7
BFG4412(東洋インキ製造(株)製)、シアン用
がリオノールブルーFG7330(東洋インキ製造
(株)製)、ブラック用がMA7(三菱カーボン(株)
製)を使用した。有機重合体結合剤として、実施例1の
アクリル樹脂50重量部と、線状飽和ポリエステル樹脂
(ユニチカ(株)製 エリーテル3200)45重量
部、及びポリエチレンワックス5重量部を混合してトル
エンへ溶解させ(樹脂3重量部、溶剤7重量部)、ポリ
マー溶液を作製した。次に、このポリマー溶液に上記顔
料を固形分で、イエロー18重量%、マゼンタ18重量
%、シアン18重量%、ブラック9重量%となるように
各々毎に混合し、実施例1と同様の方法で、感光性層の
上に着色層を形成した。以上の工程で各色毎の画像形成
体を作製した。
【0082】(3)画像再現試験 この画像形成体を、実施例1と同様の方法で画像露光、
100℃で1分間熱現像を行った後、実施例1と同様に
印刷用紙上に転写した。その結果、テスト原稿を再現す
る良好なカラー画像が作成できた。解像力は30mm/
本程度の値を示した。
【0083】
【発明の効果】本発明による画像形成方法は、光重合性
化合物と近赤外線に光感度を有する重合開始剤を含有し
た感光性層を有する画像形成材料の形成された画像形成
体を利用したもので、粘着力と着色層の接着力を利用し
た画像形成方法のため、中間的受像体や特殊処理の受像
紙が不要で、良好な簡易プルーフを印刷用紙上へ簡便に
作成することが可能である。加えて、半導体レーザ光の
露光が可能となるため、画像や文字のデジタルデータか
ら直接に、印刷物の質感に近似した簡易プルーフやカラ
ー印字物を作成することができる。また、感光性層が直
接空気中に露出していないので、カバーフィルムを不要
とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/105 502 G03F 7/105 502 7/34 7/34 (72)発明者 鶴川 直一 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−147162(JP,A) 特開 昭57−142638(JP,A) 特開 昭57−138632(JP,A) 特開 昭63−129336(JP,A) 特開 平7−146548(JP,A) 特開 平6−59451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/004 G03F 7/027 G03F 7/028 G03F 7/105 G03F 7/34

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、光重合性化合物と近赤外線
    に光感度を有する重合開始剤とを含有する感光性層と、
    染料もしくは顔料と、光重合性を有さない有機重合体結
    合剤とを含有する着色層とが順に積層されてなることを
    特徴とする画像形成体。
  2. 【請求項2】 支持体上に、光重合性化合物と、近赤外
    線に光感度を有する重合開始剤を含有する感光性層と、
    染料もしくは顔料と光重合性を有さない有機重合体結合
    剤を含有する着色層とを順次積層して画像形成体を形成
    し、 該画像形成体に、半導体レーザ光による画像露光を行
    い、前記感光性層の露光部と非露光部とで粘着性の差を
    生じさせた後に、 画像形成体の着色層側に画像受像紙を重ねて加圧後、剥
    離し、感光性層と着色層からなる画像形成材料を画像受
    像紙上に転写することを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 重合開始剤が、近赤外線を吸収する陽イ
    オン染料と、ボレート陰イオンの錯体であることを特徴
    とする請求項1記載の画像形成
  4. 【請求項4】 重合開始剤が、近赤外吸収色素と還元剤
    とハロゲン化銀とを含有していることを特徴とする請求
    項1記載の画像形成
  5. 【請求項5】 画像形成体を画像受像紙に加圧する際
    に、加熱することを特徴とする請求項記載の画像形成
    方法。
  6. 【請求項6】 半導体レーザ光を画像形成体の支持体側
    から照射することを特徴とする請求項または記載の
    画像形成方法。
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