JP3191178B2 - 画像形成材料及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成材料及び画像形成方法

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JP3191178B2 JP21790892A JP21790892A JP3191178B2 JP 3191178 B2 JP3191178 B2 JP 3191178B2 JP 21790892 A JP21790892 A JP 21790892A JP 21790892 A JP21790892 A JP 21790892A JP 3191178 B2 JP3191178 B2 JP 3191178B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性の画像形成材料及
びそれを用いる画像形成方法に関し、更に詳しくは、支
持体上に設けられ、かつ露光によって接着力が変化する
感光性組成物層を有する感光材料を画像露光後、剥離現
像又は画像転写によって画像を形成することができ、か
つ可視又は近赤外線領域の光に高い感度を有する画像形
成用材料、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、フォトポリマー等の感光性材料
を用いた画像形成用材料及びそれを利用する画像形成方
法は知られており、カラー印刷における色校正用のカラ
ープルーフの作成等に用いられている。例えば、付加重
合又は架橋可能な化合物と光重合開始剤、更に必要に応
じて着色材や有機高分子化合物等よりなるバインダー成
分とからなる感光性組成物を支持体上に塗布して画像形
成用材料とし、その感光性組成物層を露光して露光部分
を硬化させ、未露光部分を溶解除去することにより画像
を形成する方法が知られている。しかし、従来の液体の
現像液を使用する方法は、環境汚染、作業者の安全性に
問題があり、又、装置が大型化するという欠点があっ
た。
【0003】一方、感光性材料を用いて液体処理を必要
としない所謂ドライ処理で画像を形成する方法として、
剥離現像を応用した方式や転写現像を用いた方式も古く
から知られている。剥離現像を応用した方式としては、
特公昭43-22901号等で開示されているように、透明支持
体、光重合性組成物層、第2支持体からなる材料に画像
を露光後、透明支持体と第2支持体を引き剥がすことに
より、一方の支持体に陽画を、他方の支持体上に陰画を
形成する画像形成方法が知られている。又、転写現像を
用いた画像形成方法としては、支持体上に少なくとも光
重合性組成物層を設けた画像形成材料に色分解ネガまた
はマスクを介して画像を露光し、露光後の光重合性組成
物層表面を、受像体に必要に応じて熱を加えながら加圧
密着させて未露光部を受像体上に転写して画像を形成す
る方法が、米国特許3,060,023号、同3,060,024号、同3,
060,025号、特開昭63-147154号等に開示されている。こ
うしたドライ処理による画像形成方法は、環境汚染、安
全性、装置の小型化の面から好ましい方法である。
【0004】近年、画像処理、光源、画像形成技術の進
歩に伴い、従来よりも長波の光に感度を有する感光性材
料が要望されている。しかし、上記の様な従来の画像形
成方法に利用される感光性組成物は、光重合開始剤とし
て、ベンゾフェノン、チオキサントン、キノン、チオア
クリドン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンジル、
ベンジルケタール等、感光波長が紫外線領域にあるもの
が用いられてきた。
【0005】感光性組成物の感光波長を可視光以上に長
波化する試みは、これ迄にも提案されており、可視光領
域に感光性を有する感光性組成物については、例えば特
開昭47-2528号、同54-155292号、同48-84183号、同54-1
51024号、同60-88005号、同58-40302号、同59-56403
号、同59-189340号、特開平2-69号、同2-189548号等に
記載がある。これらの感光性組成物は可視光への感光性
はあるが、未だ十分に実用的な感度とはいえず、レーザ
ー走査露光で画像を形成するには、長い露光時間が必要
であり効率的ではない。更に従来技術では、現在最も小
型、安価なレーザー光源である半導体レーザーの発振波
長である近赤外線領域に感度を持たないため、半導体レ
ーザーを使用できなかった。
【0006】近赤外光領域以上の長波長に感度を有する
感光性組成物として、特開昭62-143044号にはカチオン
性染料のボレート錯体を用いた新規な光重合開始剤を含
む系が開示され、更に該開始剤系を用いた画像形成方法
について提案されている。しかし前記公報中には、半導
体レーザーに対応できる780nm以上の波長に感光性を有
する光重合開始剤についての記述はなく、又、画像形成
方法もマイクロカプセルなどの複雑な構成を要するとい
う欠点があった。又、特開平2-4804号には、光重合開始
剤としてカチオン性染料とボレート化合物を組み合わせ
て半導体レーザーに対応できる600〜900nmの波長に感光
性を有する感光性材料が開示されている。しかし、従
来、半導体レーザーと光重合性組成物を用いた簡便なド
ライ処理のカラー画像形成方法は知られていなかった。
【0007】
【発明の目的】本発明は上述した問題に鑑みて為された
ものであり、発明の目的は、可視光以上の長波長のレー
ザー、特に近赤外光に波長を有する半導体レーザーを用
いた、高感度でかつ画像品質に優れ、しかも液体現像不
要で、簡便で小型な機構で画像形成が可能な新規な画像
形成方法を提示することにある。
【0008】
【発明の構成】発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
努力を重ねた結果、光重合開始剤として、特定のカチオ
ン染料のボレート錯体を含有する感光性組成物を有する
画像形成用材料を用いることにより、可視〜近赤外線領
域の光に極めて高い感光性を示し、良好な画像を形成し
得ることを解明し、本発明を完成した。即ち、本発明の
上記目的は、下記構成によって達成される。
【0009】(1)支持体上に少なくともクッション層、
剥離層、感光性インク層、剥離可能なカバーシートを順
次積層した画像形成材料において、該感光性インク層が
少なくとも付加重合又は架橋可能な化合物と、カチオン
性染料のボレート錯体とを含有する画像形成材料。
【0010】(2)(1)記載の画像形成材料を露光用ドラ
ムに巻き付ける搬送巻付工程、露光用ドラムに巻き付け
た画像形成材料に画像情報に応じて変調されたレーザー
光を走査露光する画像露光工程、画像露光後の画像形成
材料からカバーシートを剥離する剥離工程、カバーシー
トを剥離した画像形成材料と受像シートを加圧・圧着す
る密着工程、画像形成材料の支持体を剥離して未露光部
の感光性インク層を受像シート上に転写させる画像転写
工程、転写した未硬化画像に光を照射する後露光工程か
らなる画像形成方法。
【0011】(3)(1)記載の画像形成材料を露光用ドラ
ムに巻き付ける搬送巻付工程、露光用ドラムに巻き付け
た画像形成材料に画像情報に応じて変調されたレーザー
光を走査露光する画像露光工程、画像露光後の画像形成
材料からカバーシートを剥離する剥離工程、カバーシー
トを剥離した画像形成材料と受像シートを加圧・圧着す
る密着工程、密着した画像形成材料と受像シートの積層
体に光を照射する後露光工程、画像形成材料の支持体を
剥離して未露光部の感光性インク層を受像シート上に転
写させる画像転写工程からなる画像形成方法。
【0012】(4)(1)記載の画像形成材料を露光用ドラ
ムに巻き付ける搬送巻付工程、露光用ドラムに巻き付け
た画像形成材料に画像情報に応じて変調されたレーザー
光を走査露光する画像露光工程、画像露光後の画像形成
材料からカバーシートを剥離する剥離工程、カバーシー
トを剥離した画像形成材料と受像シートを加圧・圧着す
る密着工程、画像形成材料の支持体を剥離して未露光部
の感光性インク層を中間転写媒体上に転写させる画像転
写工程、中間転写記録媒体上の画像を受像シートに再転
写させる画像再転写工程、転写した未硬化画像に光を照
射する後露光工程からなる画像形成方法。
【0013】(5)画像露光工程における露光用ドラムが
40℃以上の一定温度に制御される(2)〜()のいずれか
に記載の画像形成方法。
【0014】(6)イエロー、マゼンタ及びシアン、又は
イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの着色材を含
有する感光性インク画像を同一の受像体上に重ねて転写
してフルカラー画像を形成する(2)〜(5)のいずれかに
記載の画像形成方法。
【0015】以下に本発明について詳述する。
【0016】本発明の画像形成材料は、支持体上に少な
くともクッション層、剥離層、付加重合又は架橋可能な
化合物と、カチオン性染料のボレート錯体とを含有する
感光性インク層、剥離可能なカバーシートが順次積層さ
れている。
【0017】使用される支持体としては寸法安定性が良
いものであればよく、具体的にはポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ア
セテートフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂フィル
ム等が用いられる。支持体の厚さは特に制約はないが、
通常2〜300μm、好ましくは5〜200μmのフィルムが用
いられる。支持体の裏面には走行安定性、帯電防止等の
機能を付与するために、バッキング層を設けることがで
きる。
【0018】クッション層はインクシートと受像シート
との密着を増す目的で設けられるが、前記支持体自体に
クッション性が付与されていてもよい。クッション性を
付与するには、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有す
る材料あるいは加熱により容易に軟化し密着性が向上す
る熱可塑性材料を使用すればよい。具体的には、天然ゴ
ム、アクリレートゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、アクリルゴム、弗素ゴム、ネオプレンゴム、クロロ
スルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリン、EPD
M(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、ウレタンエ
ラストマー等のエラストマー、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン、耐衝撃性ABS樹脂、ポリウレタ
ン、ABS樹脂、アセテート、セルロースアセテート、
アミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ニトロセル
ロース、ポリスチレン、エポキシ樹脂、フェノール-ホ
ルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、耐衝撃性アクリル
樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリ
ル-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、可塑剤入り塩化ビニル樹脂、塩化
ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
等の内、弾性率の小さな樹脂が挙げられる。又、これら
の材料を支持体に適用して、支持体自身にクッション性
を持たせることもできる。
【0019】クッション層の厚さは使用する樹脂の種
類、感光性インクの種類、受像シートの表面平滑性等の
様々な因子により異なるが、通常10〜100μmの範囲のも
のが用いられる。クッション層の形成は、塗工法、ラミ
ネート法、ホットメルトエクストルージョン法等の従来
から公知の方法で行うことができる。
【0020】本発明で用いられる剥離層は、該剥離層上
に形成された後述の感光性インク層の画像記録後の露光
部と未露光部の転写性をコントロールし、S/N比を改
良する。具体的な化合物としては、例えばシリコーン樹
脂、弗素樹脂、弗素系界面活性剤等の離型性化合物、ア
ルコール可溶性ポリアミド、アルコール可溶性ナイロ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアル
コール、等の樹脂、その他、特開平3-154057号の3頁左
上欄11行〜右上欄13行に例示の化合物を使用することが
できる。又、剥離層の膜厚は0.05〜5μmあればよく、
好ましくは0.1〜2μmあればよい。
【0021】感光性インク層には、第1の必須構成成分
として付加重合又は架橋可能な化合物が含まれる。付加
重合又は架橋可能な化合物としては、分子内にエチレン
性不飽和2重結合を少なくとも1個有する化合物が好ま
しく、具体的には2-エチルヘキシルアクリレート、2-ヒ
ドロキシエチルアクルレート、2-ヒドロキシプロピルア
クリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルオキシヘキサノリドアクリート、1,3-ジオキ
サンアルコールのε-カプロラクトン付加物のアクリレ
ート、1,3-ジオキソランアクリレート等の単官能アクリ
ル酸エステル、あるいはこれらのアクリレートをメタク
リレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに
代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイ
ン酸エステル;エチレングリコールジアクリレート、ト
リエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリ
トールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレー
ト、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジア
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシ
ピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、
ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε-カ
プロラクトン付加物のジアクリレート、2-(2-ヒドロキ
シ1,1-ジメチルエチル)-5-ヒドロキシメチル-5-エチル-
1,3-ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメ
チロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロール
アクリレートのε-カプロラクトン付加物、1,6-ヘキサ
ンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等
の2官能アクリル酸エステル、あるいはこれらのアクリ
レートをメタクリレート、イタコネート、クロトネー
ト、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸エステル;トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの
ε-カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレ
ート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアク
リレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメ
チロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル
酸エステル、あるいはこれらのアクリレートをメタクリ
レート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代
えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸エステル等を挙げることができる。中でも、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル化合物が特に好適に
使用できる。これらの化合物のうち1種又は2種以上を
混合して用いることが好ましい。
【0022】本発明の感光性インク層の第2の必須構成
成分は、光重合開始剤として含有されるカチオン染料の
ボレート錯体である。このカチオン型色素部とボレート
アニオンから形成される色素塩(以下、本発明の色素と
称する)のボレートアニオンとしては、下記一般式
(1)で示されるものが好ましい。
【0023】一般式(1) B-(R1)(R2)(R3)(R4) 式中、R1,R2,R3及びR4は各々、同一でも異なって
もよいアルキル基(例えばエチル、ブチル等)、アリー
ル基(例えばフェニル、ナフチル等)、アラルキル基
(例えばベンジル、フェネチル等)、アルケニル基(例
えばビニル、アリル等)、アルキニル基(例えばプロペ
ニル、ブチニル等)、シクロアルキル基(例えばシクロ
ヘキシル、シクロペンチル等)、複素環基(例えばチエ
ニル、ピリジル等)を表し、各基は更に置換基を有して
もよい。特に好ましくは、R1〜R4の少なくとも一つが
アリール基であり、少なくとも一つがアルキル基であ
る。アリール基としてはフェニル又はナフチル基が好ま
しく、アルキル基、アルコキシ基で置換されてもよい。
アルキル基としては炭素原子数1〜12のアルキル基が好
ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、オクチル、デシル等の各基が挙げら
れる。これらのアルキル基はハロゲン原子、アルコキシ
基、ヒドロキシル基、シアノ基、フェニル基等で置換さ
れてもよい。
【0024】カチオン型色素部としては、可視部〜赤外
部に吸収を有するカチオン性のシアニン、メロシアニ
ン、カルボシアニン、ローダミン、アゾメチン、インド
アニリン、アズレニウム、ポリメチン、トリアリールメ
タン、インドリン、チアジン、キサンテイン、アクリジ
ン及びオキサジン色素等が挙げられる。
【0025】光源として半導体レーザーを使用した走査
露光で画像を書き込むためにはカチオン型赤外色素が好
ましく、特にシアニン系、アズレニウム系、インドアリ
ニン系色素が好ましい。これらの色素としては、例えば
色材,61[4]215〜226頁に記載されているが、以下に
代表的具体例を挙げる。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】本発明においては、増感剤としてボレート
アニオンのアンモニウム塩(以下、アンモニウム塩と記
す)を添加することが好ましい。好ましいアンモニウム
塩としては、4級アンモニウムカチオンと上記一般式
(1)で表されるボレートアニオンからなる塩である。
アンモニウムカチオンとしては、テトラアルキルアンモ
ニウム[(R)4N]+が好ましく、該アルキル基(R)として
は、炭素原子数1〜12のアルキル基(例えばメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル、ドデシル等)が挙げられる。これらのアル
キル基はハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル
基、シアノ基、フェニル基等で置換されてもよい。
【0031】以上述べた本発明の感光性インク層を構成
する必須成分の配合量は特に限定されないが、好ましく
は、付加重合又は架橋可能な化合物100重量部に対し
て、本発明の色素は0.01〜20重量部、更に好ましくは0.
05〜10重量部であり、増感剤は0〜50重量部、更に好ま
しくは0〜20重量部である。
【0032】本発明の感光性インク層は、前記の各構成
成分の他に本組成物の改質、硬化後の物性改善を目的と
して、バインダー成分や熱溶融性物質を含有することが
好ましい。
【0033】熱溶融性化合物は、常温で固体であり、加
熱時に可逆的に液体となる化合物が用いられる。具体例
としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、
木蝋、オウリキュリー蝋、ライスワックス等の植物性ワ
ックス;蜜蝋、昆虫蝋、セラック蝋及び鯨蝋、ラノリン
等の動物性ワックス;パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス、ペトロラタム、エステルワックス
及び酸化ワックス等の石油系ワックス;並びに、モンタ
ン蝋、オゾケライト及びセレシン等の鉱物性ワックス;
フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワック
ス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導
体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、硬化ヒマシ
油、硬化ヒマシ油誘導体等の合成ワックス等、所謂ワッ
クス類を挙げることができ、更にこれらのワックス類の
他に、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸及び
べへン酸等の高級脂肪酸;パルミチルアルコール、ステ
アリルアルコール、ベヘニルアルコール、マルガニルア
ルコール、エイコサノール等の高級アルコール;パルミ
チン酸セチル、パルミチン酸ミリシル、ステアリン酸セ
チル等の高級脂肪酸エステル;アセトアミド、プロピオ
ン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド及びアミドワックス等のアミド類;
並びにステアリルアミン、ベヘニルアミン及びパルミチ
ルアミン等の高級アミン類なども好ましく用いられる。
その他、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカプロラ
クトン等の低融点の熱可塑性樹脂を使用することもでき
る。
【0034】上記熱溶融性材料としては40〜150℃に融
点を有する化合物を用いることが好ましい。熱溶融性材
料は、光重合性組成物中の他の化合物中に溶解又は分散
されていてもよいし、熱溶融性材料を溶媒又は分散媒中
に、溶解又は分散したものを、光重合性組成物中の他の
化合物中に添加混合してもよい。
【0035】熱溶融性材料の配合量は特に限定されない
が、感光性インクの0.1〜60重量%、好ましくは0.2〜40
重量%用いられる。
【0036】バインダー成分としては有機高分子化合物
が好ましく、これは他の成分との相溶性、粘着性、接着
性、被膜形成性、現像性、印刷適性、改善等の目的に応
じて、適宜選択すればよい。具体的化合物としては、ポ
リメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸アルキルエステル(アルキル基
としては、メチル、エチル、ブチル等)、アクリル酸ア
ルキルエステル(アルキル基としては、メチル、エチ
ル、ブチル等)とアクリロニトリル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、スチレン、ブタジエン、アクリル酸、メタ
クリル酸等との共重合物;ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン、スチレン、
スチレン・ブタジエン等とアクリロニトリルの共重合
物;ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアリキルエーテル(アルキル基は、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル等)、ポリビニルアルキルケト
ン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンイソフタレート;塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン;
塩化ゴム、環化ゴム、エチルセルロース、アセチルセル
ロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル;その他、各種イタコン酸共重合体、マレイン酸共重
合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げら
れ、これらの化合物群の中から、1種又は2種以上のも
のを組み合わせて用いることができる。更に、上記化合
物を主成分として30モル%以上含有する多元系共重合物
も好ましく用いることができる。
【0037】これらのバインダー成分は、前記付加重合
又は架橋可能な化合物100重量部に対して500重量部以
下、より好ましくは200重量部以下の範囲で添加混合し
て使用することができる。
【0038】本発明の感光性インク層には、必要に応じ
て更に熱重合防止剤、着色剤、可塑剤、樹脂、表面保護
剤、平滑化剤、塗布助剤、等の各種添加剤を含有させる
ことができる。
【0039】熱重合防止剤としては、キノン系、フェノ
ール系等の化合物が好ましく用いられる。例えば、ハイ
ドロキノン、ピロガロール、p-メトキシフェノール、カ
テコール、β-ナフトール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾ
ール等が挙げられる。
【0040】着色剤としては、カーボンブラック、酸化
チタン、酸化鉄、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、
アントラキノン系顔料等の顔料や、クリスタルバイオレ
ット、メチレンブルー、アゾ系染料、アントラキノン系
染料、シアニン系染料等の公知の顔料及び/又は染料を
用いることができる。
【0041】本発明を印刷用の色構成等に用いるカラー
プルーフに適用する場合には、着色剤として、色校正に
要求される常色、即ちイエロー、マゼンタ、シアン、ブ
ラックの各色に一致した色調の顔料及び/又は染料を用
いるのが好ましく、特に印刷インキに使用される各色の
顔料を使用するのが、印刷物に近似したカラー画像を得
るのに好適である。
【0042】次に例示するのは、この技術分野で公知の
顔料及び染料の内の若干例である(CIはカラーインデッ
クスを意味する)。
【0043】ピクトリアルピュアブルー(CI 42595)、
オーラミン(CI 41000)、カチロンブリリアントフラビ
ン(CI ベーシック13)、ローダミン6GCP(CI 4516
0)、ローダミンB(CI 45170)、サフラニンOK70:100
(CI 50240)、エリオグラウシンX(CI 42080)、ファ
ーストブラックHB(CI 26150)、No.1201リオノールイ
エロー(CI 21090)、リオノールイエローGRO(CI 2109
0)、シムラファーストイエロー8GF(CI 21105)、ベン
ジジンイエロー84T-564D(CI 21095)、シムラファース
トレッド4015(CI 12355)、リオノールレッド7B4401
(CI 15830)、ファーストゲンブルーTGR-L(CI 7416
0)、リオノールブルーSM(CI 26150)、カーボンブラ
ック。
【0044】感光性インク層中の着色剤の含有量は、目
標とする光学濃度等により適宜定められるが、好ましく
は感光性インク層全体の5〜50重量%、より好ましくは
10〜35重量%を用いる。
【0045】可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジ
エチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ジイソブチルフタレ
ート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタ
レート、イソノニルフタレート、ジブチルベンジルフタ
レート、ジアリールフタレート等のフタル酸エステル
類;ジメチルグリコールフタレート、メチルフタリルエ
チルグリコレート、メチルフタリルエチルグルコレート
等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリ-2-エチルヘキシルホスフェート等の燐酸エス
テル類;ブチルオレエート、グリセリンモノオレエート
等の脂肪族1塩基酸エステル類;ジブチルアジペート、
ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジオ
クチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジメチルセバ
ケート、ジオクチルセバケート、ジブチルマレエート等
の脂肪族2塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジ
ベンゾエート、トリエチレングルコールジ-2-エチルブ
チラート等の2価アルコールエステル類;枸櫞酸トリエ
チル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブ
チル等を使用することができる。
【0046】本発明の感光性インク層は、無溶剤にて支
持体上に塗布形成するか、又は適当な溶剤に溶解又は分
散して、支持上に塗布・乾燥して感光性組成物層を形成
することができる。感光性組成物層の膜厚は、目標とす
る光学濃度等により適宜定めることができるが、許容範
囲内であればできるだけ薄い方が解像力は高くなり、画
像品質は良好である。従って、該膜厚は0.1〜20μmの範
囲が好ましく、特に0.1〜6μmが好ましい。
【0047】本発明の画像形成材料では感光性インク層
の上にカバーシートを設ける。カバーシートとしては、
剥離に耐える機械的強度があること、可視光〜近赤外線
の透過性が良いこと(およそ300〜2000nmの波長におけ
る透過率が40%以上、好ましくは60%以上)、表面平滑
性が高いこと等が必要である。具体的には、ポリエチレ
ンテレフタレート、三酢酸セルロース、二酢酸セルロー
ス、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、セロファン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリイミ
ド等のプラスチックフィルムが単独で、又は2種以上の
複合体として使用できる。
【0048】カバーシートの厚さは、通常3〜200μm、
好ましくは5〜50μmの範囲のものが用いられる。
【0049】上記カバーシートは、感光性インク層の上
に前記カバーシートを加熱及び/又は加圧により積層す
るか、カバーシートとなる樹脂を適当な溶剤又は水に、
溶解又は分散した塗工液を、感光性インク層上に塗布・
乾燥して設けてもよい。又、カバーシート上に感光性イ
ンク層を塗布・乾燥して形成した後、支持体上クッショ
ン層と剥離層を設けた積層体にラミネートして形成して
もよい。
【0050】上述した構成の他、本発明の画像形成材料
では、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、必要に
応じてその他の層を設けることもできる。例えば、支持
体とクッション層の間や、クッション層と剥離層の間、
あるいは感光性インク層とカバーシートの間に接着力を
制御するための層、感光性層の上の酸素遮断層、支持体
の感光層を設けた面と反対側に設ける搬送改善層、帯電
防止層等を設けることも任意である。
【0051】次に本発明の画像形成方法について説明す
る。
【0052】本発明の画像形成方法では、まず画像形成
材料を露光用ドラムに巻き付ける(搬送巻付け工程)。
【0053】次に露光用ドラムに巻き付けた画像形成材
料に画像情報に応じて変調されたレーザー光を走査して
画像露光を行う(画像露光工程)。
【0054】このレーザー光源を用いることで、光をビ
ーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能である
ため、マスク材料を使用せずに直接書込みを行うことが
でき、又、感光性インク層にレーザービームの焦点を結
ぶよう光学系を設定することが容易にできるため、高解
像度の画像形成が可能となる。
【0055】本発明で用いられるレーザー光源は、一般
によく知られているYAGレーザー等の固体レーザー;He-
Neレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、そ
の他の放電励起分子レーザー、エキシマーレーザー等の
気体レーザー;化学レーザー、色素レーザー、半導体レ
ーザー等を使用することができる。中でも、アルゴンレ
ーザー、He-Neレーザー、半導体レーザー等が好ましく
用いられる。特に半導体レーザーは小型軽量で比較的に
高出力であるばかりでなく、その組成により発振波長を
変化させることができるので、使用する画像形成用材料
の感光波長域に合わせて適宜選択でき、しかも直接変調
が可能である等のメリットを有しており極めて好ましい
光源である。
【0056】好ましく用いられる半導体レーザーの組成
とその発振波長範囲を例示すれば、InGaPレーザー(0.6
5〜1.0μm)、AlGaAsレーザー(0.7〜1.0μm)、GaAsP
レーザー(0.7〜1.0μm)、InGaAsレーザー(1.0〜3.5
μm)、InAsPレーザー(1.0〜3.5μm)、CdSnP2 レーザ
ー(1.01μm)、GaSbレーザー(1.53μm)等である。上
記レーザーは単一あるいは複数の光源を用いてビームを
構成することができ、又、複数のビームで同時に露光を
行ってもよい。
【0057】又、画像露光に際し画像形成材料の温度を
一定温度に制御すれば、環境の温度に関わり無く再現性
の良い画像形成が可能となる。画像形成材料の温度は特
に制限はないが、40℃以上の温度に制御することが好ま
しい。常に40℃未満の温度に制御しようとすると、環境
によっては装置の温度が画像形成材料の温度以上に達す
る場合があり、冷却装置の設置等で装置が大型化してし
まう。40℃以上に制御する場合には、通常の使用環境に
おいては加熱装置のみでの温度制御が可能となるという
利点がある。又、画像露光時の画像形成材料の温度が高
ければ、画像露光時の感光性インク層の光重合又は光架
橋反応の速度が増大するため記録に要するエネルギーを
減少できる、即ち、記録感度を高くすることができる。
画像形成材料の温度の上限は、画像形成材料の材質や装
置の耐熱性によって異なるが、通常180℃以下、好まし
くは120℃以下である。又、温度制御は画像形成材料全
体を一定温度に制御してもよいし、画像露光時にレーザ
ービームが照射されている部分の近傍のみを局所的に制
御してもよい。局所的に制御する場合は、加熱装置がコ
ンパクトにできるという利点がある。
【0058】温度制御の方法は、露光用ドラムへのヒー
ターを組み込む方法や、周囲より赤外線ランプで照射す
る方法等の公知の方法で行うことができ、あるいは特願
平4-99436号に記載の方法などで行うことができる。
【0059】次に、画像露光後の画像形成材料からカバ
ーシートを剥離して感光性インク層を露出させる(剥離
工程)。
【0060】着色画像の受像体上への転写は、着色画像
形成後、支持体上の画像面と受像体の受像面を対向密着
させて加圧することで行うことができる。加圧にはニッ
プロールを通す等既知の方法で行うことができる。
【0061】カバーシートを剥離した画像形成材料の感
光性インク層側の面と受像シートを加圧・圧着して、感
光性インク層の露光していない未硬化部を受像紙に密着
させる(密着工程)。
【0062】本工程においては、必要に応じて加圧の際
に同時に加熱してもよい。加熱する場合の温度は40〜15
0℃が好ましい。密着工程における加圧及び/又は加熱
手段としては、ヒートローラーやヒートプレス等の公知
の方法を用いることができる。
【0063】更に画像形成材料の支持体を剥離して受像
紙に密着させた感光性インク層の未硬化部を受像シート
上に転写させて感光性インクの未硬化物による画像を形
成する(転写工程)。
【0064】受像シート上に転写した未硬化画像は、後
露光工程で更に光を照射することで硬化され、かつ未硬
化画像中に含まれる光重合開始剤が消色される(後露光
工程)。
【0065】この後露光工程により画像が安定化し、か
つ色再現性の良い鮮明なカラー画像を得ることができ
る。後露光工程は転写工程後ではなく、密着工程の後、
支持体を剥離する転写工程の前に行ってもよい。転写工
程の前に後露光することにより転写前に画像形成部分を
硬化することができるので、転写の際の感光性インク層
の転写量を一定にすることができ、なおかつ高濃度を得
ることができる。
【0066】本発明に用いられる受像シートとしては特
に限定的ではなく、コート紙、アート紙、上質紙、合成
紙等の紙や、塩化ビニル樹脂シート、ABS 樹脂シート、
ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナ
フタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテ
ルイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエ
ーテルケトンフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリ
スルホンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム等の
単層又はそれらを2層以上に積層した各種プラスチック
フィルム、各種の金属で形成されたフィルム、各種のセ
ラミックス類で形成されたフィルム等が挙げられる。親
水性表面を有する受像材料(例えば親水処理をしたアル
ミニウム板、親水化処理を施したプラスチックフィル
ム)上に画像記録を行えば、それを平版印刷用の版とし
て使用することが可能である。
【0067】更に最終的な画像を得るための受像シート
ではなく、一旦、中間転写媒体に画像を形成した後に、
更に別の受像シートに転写してもよい。中間転写媒体を
用いる場合、後露光工程は中間転写材料に転写した後に
行ってもよく、最終的な受像シートに転写した後に行っ
てもよい。中間転写媒体は通常、支持体と受像層とを有
し、又、支持体のみから形成されることもある。中間転
写媒体は画像が適正に形成されるよう寸法安定性に優れ
ると共に、前記密着工程で加熱する場合には、適度の耐
熱強度を有することが望ましい。
【0068】受像層は、バインダーと必要に応じて添加
される各種添加剤や、前記クッション性を付与するため
の物質とで形成することができる。受像層としては、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、
塩化ビニル系樹脂、各種変性オレフィン樹脂など極性の
比較的小さい(SP値の小さい)樹脂や、ガラス転移点
(Tg)が30℃以下の、スチレン系、1,2-ポリブタジエン
系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリ
アミド系などの熱可塑性エラストマーが好ましい。これ
らの樹脂はインクの再転写性が良いばかりでなく、紙な
ど最終の受像シートに密着しても、受像シートを剥がさ
ないことで有利である。
【0069】又、最終的な受像シートへの再転写性を改
善する目的で支持体との間にクッション層を設けること
が有効である。支持体と受像層との間に介装するクッシ
ョン層としては、前記画像形成材料において説明したク
ッション層と同様である。
【0070】なお、支持体とクッション層と受像層を有
する中間転写媒体における支持体の厚み、及び支持体だ
けで形成された中間転写媒体における支持体の厚みにつ
いては特に制限はない。又、クッション層の厚みは画像
形成材料におけるクッション層の厚みと同様である。受
像層の厚みは通常、0.1〜20μmであるが、クッション層
を受像層として用いる場合はこの限りではない。
【0071】感光性組性物層を有する画像形成材料への
レーザー走査による画像露光と、剥離現像又は画像転写
によるドライな処理を組み合わせることにより、環境上
の問題や廃液の処理が必要で、かつ大きな処理装置を必
要とする液体処理をすることなく、簡便に高精細な画像
形成を行うことができる。又、光源に半導体レーザーを
用い、半導体レーザーの波長に感光性を有する感光性組
成物と組み合わせて画像を形成する場合は、半導体レー
ザーが小さいことによる装置の小型化だけでなく、感光
性組成物に光重合開始剤として含有させるカチオン性染
料として、可視光に吸収を持たないか、もしくは吸収の
少ない染料を用いることができるので、特にカラー画像
の形成を行う場合に濁りのない良好な色を再現できると
いう利点を有している。
【0072】本発明では、単色の画像を受像シート又は
中間転写媒体上に形成した後、異なる色調の画像を順次
同一の受像シート上に転写することで複数の色調を有す
る画像を受像シート上に形成することができる。特にイ
エロー、マゼンタ、シアンあるいはイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックの各色の単色の画像を順次同一の
受像シート上に転写することで受像シートにフルカラー
画像を形成することができる。フルカラー画像を形成す
るための画像形成材料としては、それぞれ色の異なる複
数の画像形成材料を用いることで、複数の異なる色調の
単色画像を形成することができるが、好ましくは、イエ
ロー、マゼンタ及びシアン、又はイエロー、マゼンタ、
シアン及びブラックの着色材を含有する色の異なる複数
の感光性インクを、それぞれ同一の支持体上の別領域に
塗工した感光性インク層を有する、所謂、面順次型の画
像形成材料を用いることができる。このような面順次型
の画像形成材料を用いることで、画像形成装置内での画
像形成材料の搬送系の簡素化が可能となり、画像形成装
置を更にコンパクト化することが可能となる。
【0073】又、フルカラー画像形成用の画像形成用材
料として、色の識別用の検知マークを設けたものを用い
てもよい。着色画像の受像体上へのに転写は、着色画像
形成後、支持体上の画像面と受像体の受像面を対向密着
させて加圧することで行うことができる。又、必要に応
じて加圧の際に同時に加熱してもよい。加圧はニップロ
ールを通す等、既知の方法で行うことができる。
【0074】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0075】実施例1 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、エチレン-酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリ
ケミカル社製:EVー250)を厚さ20μmの層としてクッシ
ョン層とした。該クッション層上にポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製:ゴーセノールGL-05)を0.2μm
の厚さで設けて剥離層とした。下記組成の感光性インク
層組成物を乾燥膜厚1.0μmとなるように上記剥離層上に
ワイヤーバーコート法により塗布した。
【0076】感光性インク組成物 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製) 100重量部 塩素化ポリエチレン 50重量部 (山陽国策パルプ社製:スーパークロン907LTA) カルナバワックス 50重量部 カチオン染料のボレート錯体(化合物IR−1) 3重量部 有機硼素化合物 6重量部 (ブチルトリフェニル硼素のテトラブチルアンモニウム塩) トルエン 300重量部 メチルエチルケトン 300重量部 マゼンタ顔料 25重量部 (東洋インキ社製:リオノールレッド6BFG-4219X) 更に感光性インク層の上に、厚さ25μmの透明なポリエ
チレンテレフタレートフィルムを加圧ラミネートしてカ
バーシートを形成し、画像形成材料試料Aを得た。
【0077】画像形成材料試料Aをカバーシートを外側
にしてヒーターを内蔵した露光用ドラム外面に添着す
る。次に露光用ドラムを加熱せずに一定速度で回転させ
ながら、露光用ドラム外周方向より画像情報に変調され
た半導体レーザー(シャープ社製:LT090MD、出力100m
W)からのレーザービームを照射しながら画像形成材料
全面に亘って走査して画像露光を行う。レーザーは光学
系を経て画像形成材料表面で直径8μmのビーム径とな
るように集光されており、画像形成材料表面での平均エ
ネルギー密度は50mJ/cm2であった。又、画像露光の
間、露光用ドラムの温度は50℃であった。又、画像露光
終了時の露光用ドラムの温度は26℃であった。
【0078】画像露光終了後、画像形成材料を露光用ド
ラムに添着した状態のままカバーシートを画像形成材料
から剥離して、感光性インク層表面を露出させる。露出
した感光性インク層表面と受像シートであるアート紙
(三菱製紙社製:三菱特両アート62.5kg)を85℃に加熱
したニップロールで圧着しながら密着させる。次に画像
形成材料を受像シートから剥離して、受像シート上に感
光性インクの未露光部を像様に転写させる。画像を形成
した受像シートにキセノンランプにより光を照射して画
像を硬化させた。得られたマゼンタ画像は、光重合開始
剤であるカチオン染料のボレート錯体が消色され、色濁
りのない定着性に優れたものであり、かつ100本/mm以
上の解像度を有していた。
【0079】又、同様の操作を、露光用ドラムを内蔵の
ヒーターで50℃に加熱した状態で行ったところ、露光時
の画像形成材料表面での平均エネルギー密度35mJ/cm2
で同等の良好な画像が得られた。
【0080】実施例2 実施例1において、受像シートをアート紙から中間転写
媒体として白色PETフィルム(ダイヤホイルヘキスト
社製:W410,厚さ100μm)に代え、後露光をしない他
は実施例1と同様にして白色PETフィルム上に未硬化
の画像を得た。
【0081】この画像を普通紙(ベック平滑度200秒)
と重ね合わせて100℃に加熱したラミネーターを通した
後、白色PETフィルムを剥離して普通紙上に画像を再
転写した。更に実施例1と同様に後露光して画像を硬化
させたところ、実施例1と同様に色濁りもなく、定着
性、解像性に優れた(60本/mm以上)マゼンタ画像が得
られた。
【0082】実施例3 実施例1において、顔料を下記のものに代えた他は実施
例1と同様にして画像形成材料試料Y3,M3,C3及び
K3を作成した。
【0083】 試 料 顔 料 Y3 シアン:シアニンブル−4920(大日精化社製) M3 マゼンタ:セイカファーストカーミン1483(大日精化社製) C3 イエロー:セイカファーストイエローH-7(大日精化社製) K3 ブラック:カーボンブラック 得られた4色の画像形成材料試料Y3,M3,C3及び
K3を用いてカラー画像を形成した。即ち、初めに画像
形成材料Y3をカバーシートを外側にしてヒーターを内
蔵した露光用ドラム外面に添着した。次に露光用ドラム
を一定速度で回転させながら、露光用ドラム外周方向よ
りイエローの画像情報に対応して変調された半導体レー
ザーからのレーザービームを照射しながら画像形成材料
全面に亘って走査露光を行った。使用したレーザーの種
類、ビーム径、エネルギー密度は実施例1と同じものを
用い、露光用ドラムの温度は45℃とした。画像露光終了
後、画像形成材料を露光用ドラムに添着した状態のまま
カバーシートを画像形成材料から剥離して、感光性イン
ク層表面を露出させた後、感光性インク層表面とアート
紙(実施例1と同じもの)を85℃に加熱したニップロー
ルで圧着しながら密着させた。次に画像形成材料を受像
シートから剥離して受像シート上に感光性インクの未露
光部を像様に転写させ、更にキセノンランプにより光を
照射して画像の硬化、光重合開始剤の消色を行い、イエ
ロー画像を得た。
【0084】露光用ドラムから画像形成材料Y3を除い
た後、画像形成材料試料M3を露光用ドラムに添着し、
マゼンタの画像情報に対応して変調された半導体レーザ
ーからのレーザービームで走査露光する。カバーシート
を剥離した後、マゼンタ画像をイエロー画像を形成した
アート紙に密着、転写し、更にキセノンランプにより後
露光して画像の硬化及び光重合開始剤の消色を行った。
【0085】全く同様にして、画像形成材料試料C3,
K3を用いて、それぞれシアン、ブラック画像を順次ア
ート紙上に重ねて転写してフルカラー画像を得た。得ら
れたフルカラー画像は、画像の欠落もなく画像は良好に
転写し、かつ受像シートであるアート紙への画像の密着
性も優れたものであった。しかも画像部のみの転写画像
を得ることができ、印刷物に外観、品質が近似した画像
が得られた。
【0086】実施例4 下記組成の感光性インク層を用いて、感光性インク層の
乾燥膜厚を2.5μmとした他は実施例1と同様にして、画
像形成材料試料K4を作成した。
【0087】感光性インク組成物 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製) 100重量部 塩素化ポリエチレン(前出:スーパークロン907LTA) 50重量部 カルナバワックス 50重量部 カチオン染料のボレート錯体(化合物IR-1) 3重量部 有機硼素化合物 6重量部 (ブチルトリフェニル硼素のテトラブチルアンモニウム塩) トルエン 300重量部 メチルエチルケトン 300重量部 イエロー顔料(御国色素社性:MHI-534) 9重量部 マゼンタ顔料(御国色素社性:MHI-527) 9重量部 シアン顔料 (御国色素社性:MHI-454) 9重量部 画像形成材料試料K4を用い、受像シートとして厚さ10
0μm のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた
他は実施例1と全く同様にして画像を形成した。得られ
た黒色画像は、透過濃度が3.2と高濃度であり、かつ80
本/mm以上の高解像度が得られていた。
【0088】実施例5 実施例4と同じ画像形成材料試料K4と、ポリエチレン
テレフタレートフィルム受像シート(厚さ100μm)を用
い、実施例1と同様に搬送巻付工程、画像露光工程、剥
離工程、密着工程を行った後に、密着した画像形成材料
と受像シートの積層体にキセノンランプにて光を照射し
て、次に画像形成材料の支持体を剥離して受像シート上
に画像を形成した。得られた黒色画像は、実施例4と同
様に透過濃度が3.2と高濃度であり、かつ100本/mm以上
の高解像度なものであった。
【0089】
【発明の効果】本発明の画像形成方法によれば、環境上
問題のある液体現像を用いることなく、可視光以上の長
波長のレーザー、特に近赤外光領域の波長を有する半導
体レーザーを用いた小型の機構により、高感度、高画質
のカラープルーフに適した画像形成が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03F 7/11 503 B41M 5/26 J (56)参考文献 特開 平2−161446(JP,A) 特開 平2−108055(JP,A) 特開 平2−4804(JP,A) 特開 昭62−143044(JP,A) 特開 平4−181255(JP,A) 特開 昭61−179441(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/004 G03F 7/027 G03F 7/029 G03F 7/11

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくともクッション層、剥
    離層、感光性インク層、剥離可能なカバーシートを順次
    積層した画像形成材料において、該感光性インク層が少
    なくとも付加重合又は架橋可能な化合物と、カチオン性
    染料のボレート錯体とを含有することを特徴とする画像
    形成材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像形成材料を露光用ド
    ラムに巻き付ける搬送巻付工程、露光用ドラムに巻き付
    けた画像形成材料に画像情報に応じて変調されたレーザ
    ー光を走査露光する画像露光工程、画像露光後の画像形
    成材料からカバーシートを剥離する剥離工程、カバーシ
    ートを剥離した画像形成材料と受像シートを加圧・圧着
    する密着工程、画像形成材料の支持体を剥離して未露光
    部の感光性インク層を受像シート上に転写させる画像転
    写工程、転写した未硬化画像に光を照射する後露光工程
    からなることを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の画像形成材料を露光用ド
    ラムに巻き付ける搬送巻付工程、露光用ドラムに巻き付
    けた画像形成材料に画像情報に応じて変調されたレーザ
    ー光を走査露光する画像露光工程、画像露光後の画像形
    成材料からカバーシートを剥離する剥離工程、カバーシ
    ートを剥離した画像形成材料と受像シートを加圧・圧着
    する密着工程、密着した画像形成材料と受像シートの積
    層体に光を照射する後露光工程、画像形成材料の支持体
    を剥離して未露光部の感光性インク層を受像シート上に
    転写させる画像転写工程からなることを特徴とする画像
    形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の画像形成材料を露光用ド
    ラムに巻き付ける搬送巻付工程、露光用ドラムに巻き付
    けた画像形成材料に画像情報に応じて変調されたレーザ
    ー光を走査露光する画像露光工程、画像露光後の画像形
    成材料からカバーシートを剥離する剥離工程、カバーシ
    ートを剥離した画像形成材料と受像シートを加圧・圧着
    する密着工程、画像形成材料の支持体を剥離して未露光
    部の感光性インク層を中間転写媒体上に転写させる画像
    転写工程、中間転写記録媒体上の画像を受像シートに再
    転写させる画像再転写工程、転写した未硬化画像に光を
    照射する後露光工程からなることを特徴とする画像形成
    方法。
  5. 【請求項5】 画像露光工程における露光用ドラムが40
    ℃以上の一定温度に制御されることを特徴とする請求項
    2〜のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 イエロー、マゼンタ及びシアン、又はイ
    エロー、マゼンタ、シアン及びブラックの着色材を含有
    する感光性インク画像を同一の受像体上に重ねて転写し
    てフルカラー画像を形成することを特徴とする請求項2
    〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
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