JP3193149B2 - 画像形成材料及び画像形成方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像形成材料及びその
製造方法に関し、更に詳しくは、光重合可能な化合物を
利用することにより、解像度が良好で、画像の抜けの生
じない、ひいては画像の質感や濃度、解像性及び色再現
性が良好な画像形成材料及びその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エチレ
ン性不飽和結合を有する重合性化合物、光開始剤、着色
剤及び必要に応じて有機高分子バインダーからなる光重
合性組成物は、画像形成材料としてカラープルーフ等の
着色画像の作成に使用されている。

【０００３】しかしながら、これらの光重合性組成物
は、紫外光又は５００ｎｍ以下の可視光にのみしか感光
域を有しておらず、近年発展が著しいレーザー光、特に
半導体レーザー光での書き込みで光重合することは困難
であった。

【０００４】この問題点を克服するために、長波長の可
視光及び近赤外光に対する書き込みが可能な光重合性組
成物が幾つか提案されている。近赤外光領域以上の長波
長に感度を有する感光性組成物としては、例えば、特開
昭６２−１４３０４４号等においてカチオン性染料のボ
レート錯体を用いた新規な光重合開始剤を含む系が開示
され、更に、該開始剤系を用いた画像形成方法について
提案されている。

【０００５】しかし前記公報中には、半導体レーザーに
対応できる７８０ｎｍ以上の波長に感光性を有する光重
合開始剤についての記述はなく、又、画像形成方法もマ
イクロカプセルなどの複雑な構成を要するという欠点が
あった。また特開平２−４８０４号公報等には、光重合
開始剤としてカチオン性染料とボレート化合物とを組み
合わせて半導体レーザーに対応できる６００〜９００ｎ
ｍの波長に感光性を有する感光性材料が開示されてい
る。

【０００６】一方、ドライ処理で画像を形成する方法と
しては、剥離現像を応用した方式や転写現像を用いた方
式などが提案されている。剥離現像を応用した方式とし
ては、例えば、特開昭５８−２４７７５号、特開平０４
−１５３６５８号等の各公報において開示されているよ
うに、透明支持体、光重合性組成物層、及び第２支持体
からなる材料に画像を露光した後に、透明支持体と第２
支持体とを剥離することにより、一方の支持体に陽画
を、他方の支持体上に陰画を形成する画像形成方法が知
られている。

【０００７】また、転写現像を用いた画像形成方法とし
ては、支持体上に少なくとも光重合性組成物層を設けた
画像形成材料に色分解ネガ又はマスクを介して画像を露
光し、露光後の光重合性組成物層表面を、受像体に必要
に応じて熱を加えながら加圧密着させて未露光部を受像
体上に転写して画像を形成する方法が、例えば、米国特
許３，０６０，０２３号、同３，０６０，０２４号、同
３，０６０，０２５号の各明細書、特開昭６３−１４７
１５４号公報等に開示されている。こうしたドライ処理
による画像形成方法は、環境汚染、安全性、装置の小型
化の面から好ましい方法である。

【０００８】しかしながら、光重合性組成物の露光部と
未露光部の支持体との接着性及び／又は凝集力において
バランスが十分に確保されていない場合には、解像度が
劣ったり、画像の抜けを生じる場合があり、ひいては画
像の質感や濃度、解像性及び色再現性を重視するカラー
プルーフ等の用途に対しては、満足する性能を得ること
が困難であった。

【０００９】これらの欠点を克服する為に、画像形成方
法自体を工夫したり、特殊な被転写体を用いたり、エチ
レン性不飽和結合を有する重合性化合物、光重合開始
剤、着色剤及び必要に応じて有機高分子バインダーから
なる光重合性組成物を工夫したり、あるいは画像形成材
料の基材としてクッション性のあるものを用いたり、光
重合性組成物と基材との間にクッション性及び／又は熱
軟化性樹脂を有する中間層を設けること等が提案されて
いるが、解像度や画像の抜けに対して今だ十分とは言え
ない。

【００１０】本発明は、前記の事情に基づいてなされた
ものである。即ち、本発明の目的は、解像度が良好で、
画像の抜けの生じない、ひいては画像の質感や濃度、解
像性及び色再現性が良好な画像形成材料に関し、更には
本発明の画像形成材料に好適な製造方法を提供すること
にある。

【００１１】

【前記課題を解決するための手段】本発明者らは、前記
課題を解決するために鋭意検討の結果、第一支持体、光
重合性着色層、第二支持体を有する剥離現像方式に用い
られる画像形成材料においては、第一支持体と光重合性
着色層との間に、光重合可能な化合物及び／又は樹脂と
バインダー樹脂とを含有する剥離層を備えることによ
り、また、支持体上に光重合性着色層を備えた転写現像
方式に用いられる画像形成材料においては、支持体と光
重合性着色層との間に、光重合可能な化合物及び／又は
樹脂とバインダー樹脂とを含有する剥離層を備えること
により前記課題を解決できることを見い出し、更にそれ
に適した層構成も併せて見い出し、この発明に到達し
た。

【００１２】また、前述の画像形成材料を用いた好適な
画像形成方法も併せて検討し、この発明に到達した。

【００１３】即ち、前記課題を解決するための請求項１
に記載の発明は、第一支持体、光重合性着色層及び第二
支持体を有してなり、第一支持体側から像様に露光した
後に、第一支持体と第二支持体とを分離することによ
り、第一支持体には露光部の画像を、第二支持体上には
未露光部の画像をそれぞれ形成する画像形成材料におい
て、第一支持体と光重合性着色層との間に、光重合可能
な化合物及び／又は樹脂とバインダー樹脂とを含有する
剥離層を備えてなることを特徴とする画像形成材料であ
り、前記請求項２に記載の発明は、支持体上に光重合性
着色層を有してなり、像様に露光した後に、光重合性着
色層における表面を、被転写体上に加圧密着させて未露
光部を転写することにより被転写体に画像を形成する画
像形成材料において、支持体と光重合性着色層との間
に、光重合可能な化合物及び／又は樹脂とバインダー樹
脂とを含有する剥離層を備えてなることを特徴とする画
像形成材料であり、前記請求項３に記載の発明は、光重
合性着色層上に酸素遮断層を設けてなる前記請求項２に
記載の画像形成材料であり、前記請求項４に記載の発明
は、酸素遮断層が２軸延伸した透明樹脂フィルム又はシ
ートを有する前記請求項３に記載の画像形成材料であ
り、前記請求項５に記載の発明は、光重合性着色層が、
エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物、光重
合開始剤及び着色剤を含有する前記請求項１又は２に記
載の画像形成材料であり、前記請求項６に記載の発明
は、第一支持体、光重合可能な化合物及び／又は樹脂と
バインダー樹脂とを含有する剥離層、光重合性着色層、
第二支持体の順に積層される画像形成材料を像様に露光
した後に、第一支持体と第二支持体とを分離することに
より、第一支持体上に露光部の画像を、第二支持体上に
未露光部の画像を形成することを特徴とする画像形成方
法であり、前記請求項７に記載の発明は、支持体、光重
合可能な化合物及び／又は樹脂とバインダー樹脂とを含
有する剥離層、光重合性着色層、酸素遮断層の順に構成
される画像形成材料を像様に露光した後に、酸素遮断層
を除去し、光重合性着色層の表面と被転写体とを加圧密
着させた後、支持体と被転写体とを分離することによ
り、支持体に露光部の画像を、被転写体上に未露光部の
画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。

【００１４】以下、本発明の画像形成材料及びその製造
方法、更に本発明で用いられる画像形成方法について、
詳細に説明する。

【００１５】（１）画像形成材料及びその製造方法 本発明の画像形成材料は、以下の＜第一の態様＞及び＜
第二の態様＞の２つに分けることができる。

【００１６】＜第一の態様＞ 本発明の画像形成材料は、第一支持体、光重合性着色層
及び第二支持体を有するところの、剥離現像方式に用い
られる画像形成材料において、第一支持体と光重合性着
色層との間に、光重合可能な化合物及び／又は樹脂とバ
インダーとを含有する剥離層が存在する。

【００１７】第１の態様としては、図１に示すように、
第一支持体１上に、光重合可能な化合物及び／又は樹脂
とバインダーとを含有する剥離層（以下において剥離層
と略称することがある。）２と光重合性着色層３と第二
支持体４とをこの順に有してなる。

【００１８】前記第一及び第二支持体としては、紙、合
成紙（例えば、ポリプロピレンを主成分とする合成紙な
ど）、樹脂のフィルムあるいはシート、更には前記樹脂
を２層以上積層してなるプラスチックフィルム又はシー
ト、あるいは各種高分子材料、金属、セラミック若しく
は木材パルプやセルロースパルプ、サルファイトパルプ
などで抄造された紙等に、前記樹脂層を積層したフィル
ム又はシートなどを挙げることができる。更に、前記フ
ィルム又はシートの片面あるいは両面に多孔質構造の顔
料塗工層を備えたフィルム又はシートなども本発明では
好適に用いることができる。

【００１９】このような樹脂のフィルムあるいはシート
を構成する樹脂としては、例えば、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル等のアクリル樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリ
レート等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン
系樹脂、ナイロン、芳香族ポリアミド等のポリアミド系
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリパラバン酸、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノ
ール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられ
る。

【００２０】本発明において、樹脂からなる支持体は、
シートあるいはフィルム状に延伸し、ヒートセットした
ものが寸法安定性の面から好ましい。また、支持体は、
内部にミクロボイドがないものでも、あるいはミクロボ
イドのあるものでも、用途に応じて適宜に選択すること
ができる。

【００２１】本発明において用いられる紙は、天然パル
プ、合成パルプ、又はそれらの混合物から抄紙されるパ
ルプ紙等が好ましい。紙は、長網抄紙機等を用いて抄造
され、平滑度向上の目的で、抄紙後にマシンカレンダ
ー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカレ
ンダー処理されていることが好ましい。また、平滑性向
上のために、顔料を含有した樹脂層でコートした基紙も
本発明においては好適に用いることができる。

【００２２】前記紙としては、上質紙、アート紙、コー
ト紙、片艶紙、含浸紙、板紙等が挙げられる。

【００２３】なお、前記紙としては、白色微粒子を含有
するポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂のラミネート層を設ける際に、平滑性を持たせる
ためにベック平滑度を５０秒以上にするのが好ましく、
１００秒以上更には２００秒以上にするのが好ましい。
更に前記紙中には、必要に応じてサイズ剤、定着剤、紙
力増強剤、填料、帯電防止剤、染料、顔料、蛍光増白
剤、酸化防止剤、減摩剤等の添加剤が含まれていてもよ
い。

【００２４】本発明において、後述の画像形成方法で記
載するように、少なくとも支持体の片面側から光重合性
着色層に、長波長の可視光及び近赤外光を照射して画像
書き込みを行う。したがって、第一支持体及び／または
第二支持体は、長波長の可視光及び近赤外光を十分に透
過させる透明な樹脂のフィルムあるいはシートで構成さ
れる。

【００２５】なお、支持体の厚みは、通常２〜１，００
０μｍであり、好ましくは４．５〜５００μｍであり、
このような範囲の中から適宜に選定される。

【００２６】本発明では、第一支持体と光重合性着色層
との間に少なくとも光重合可能な化合物及び／又は樹脂
とバインダーとを含有する剥離層が設けられ、この少な
くとも光重合可能な化合物及び／又は樹脂とバインダー
とを含有する剥離層は、第一支持体との接着性を確保
し、更に光重合性着色層との剥離を確保するための層
（以下、剥離層と略する場合がある。）として設けられ
る。

【００２７】光重合可能な化合物及び／又は樹脂として
は、分子内にエポキシ基やエチレン性不飽和結合を有す
るもの等が好ましく、その中でも特にエチレン性不飽和
結合を有するものが、本発明においては好ましい。

【００２８】このようなエチレン性不飽和結合を有する
重合可能な化合物としては、架橋可能な公知のモノマー
を特に制限なく使用することができる。

【００２９】具体的モノマーとしては、例えば、２ーエ
チルヘキシルアクリレート、２−ヒドロキシエチルアク
ルレート、２−ヒドロキシプロピルアクリレート等の単
官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれら
のアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロ
トネート、マレエート等に代えた化合物、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジア
クリレート、ビスフェノールＡジアクリレート、ヒドロ
キシピバリン酸ネオペンチルグリコールのεーカプロラ
クトン付加物のジアクリレート等の２官能アクリル酸エ
ステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートを
メタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエ
ート等に代えた化合物、あるいはトリメチロールプロパ
ントリ（メタ）アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、ピロガロールトリアクリレート等の多官能
アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのア
クリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネ
ート、マレエート等に代えた化合物等を挙げることがで
きる。

【００３０】またエチレン性不飽和結合を有する樹脂と
しては、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又は
メタアクリル酸を導入し、光重合性を付与した、いわゆ
るプレポリマーと呼ばれるものも好適に使用できる。

【００３１】この他に特開昭５８−２１２９９４号、同
６１−６６４９号、同６２−４６６８８号、同６２−４
８５８９号、同６２−１７３２９５号、同６２−１８７
０９２号、同６３−６７１８９号、特開平１−２４４８
９１号等の各公報に記載の化合物などを挙げることがで
き、さらに「１１２９０の化学商品」化学工業日報社、
ｐ．２８６〜ｐ．２９４に記載の化合物、「ＵＶ・ＥＢ
硬化ハンドブック（原料編）」高分子刊行会、ｐ．１１
〜ｐ．６５に記載の化合物なども本発明においては好適
に用いることができる。

【００３２】これらの中で、分子内に２個以上のアクリ
ル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明において
は好ましく、更に分子量が１０，０００以下、より好ま
しくは５，０００以下のものが好ましい。また本発明で
は、これらのモノマーあるいはプレポリマーのうち１種
又は２種以上を混合して用いることができる。更に光重
合性の化合物及び／又は樹脂は、剥離層を形成する組成
物（以下において剥離層形成組成物と略称することがあ
る。）中に、通常は５０重量％以下、より好ましくは４
０重量％以下の割合で含有されるのが好ましい。

【００３３】これらの剥離層を形成するバインダー樹脂
としては、前述の光重合性着色層あるいは光重合性着色
層に対する接着力が強固なものでなければ特に制限はな
く、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマ
ール、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアル
コール誘導体、ゼラチン、カゼイン等の天然物、メチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロ
ース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリ
イミド樹脂などが挙げられる。また、前記バインダー樹
脂をシリコーンオイル（樹脂）、フッ素樹脂で変性した
ものも好適に用いることができ、更にはシリコーンオイ
ル（樹脂）、ポリエチレンワックス、アミドワックス、
テフロンパウダー等の固型ワックス類、弗素系、燐酸エ
ステル系の界面活性剤などの剥離剤を添加して層を形成
したものなども好適に用いることができる。

【００３４】剥離層の厚みとしては、０．１〜２０μｍ
が好ましく、０．２〜１０μｍがより好ましい。

【００３５】本発明において、上記の第一支持体と剥離
層との接着性を向上させるために、第一支持体を表面処
理してもよい。

【００３６】表面処理の方法としては、コロナ放電処
理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、
粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズ
マ処理、プライマー処理、グラフト化処理など公知の樹
脂表面改質技術をそのまま応用することができる。具体
的には「高分子表面の基礎と応用（下）」化学同人、２
章及び／又は「高分子新素材便覧」丸善、８章等に記載
の方法を参照でき、それらを一種あるいは二種以上を併
用することもできる。

【００３７】光重合性着色層に用いられる光開始剤とし
ては、下記一般式（化１）で表される化合物が好まし
い。

【００３８】

【化１】

【００３９】式中、Ｄｙｅ＋はカチオン性色素を表す。
Ｒ₁ 、Ｒ₂ 、Ｒ₃ 及びＲ₄ は各々同じであっても異なっ
ていてもよく、それぞれ置換又は非置換のアルキル基、
アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基又
はシアノ基を表し、且つＲ₁、Ｒ₂ 、Ｒ₃ 及びＲ₄ の少
なくとも一つはアルキル基であり、また、Ｒ₁ 、Ｒ₂、
Ｒ₃ 及びＲ₄ は、２個以上が互いに結合して環を形成し
てもよい。Ｄｙｅ＋で表されるカチオン性色素として
は、シアニン色素やポリメチン色素が好ましい。

【００４０】カチオン性色素の具体例としては、特開昭
６２−１４３０４４号、同６３−２０８０３６号、同６
４−８４２４５号、同６４−８８４４４号、特開平１−
１５２１０８号、同３−２０２６０９号等の各公報に記
載されているものを用いることができる。

【００４１】エチレン性不飽和結合を有する重合可能な
化合物としては、上述の剥離層に添加される化合物及び
／又は樹脂を好適に用いることができる。

【００４２】光重合性着色層には、必要に応じてバイン
ダー樹脂が用いられる。

【００４３】バインダ−樹脂しては、ポリエステル系樹
脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、セルロ−ス系樹脂、オレフィン
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、（メタ）アクリル系樹脂、
スチレン系樹脂、ポリカ−ボネート、ポリビニルアルコ
−ル、ポリビニルピロリドン、ポリサルフォン、ポリカ
プロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、尿素樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ゴム系樹脂等が挙
げられる。また、樹脂内に不飽和結合を有する樹脂、例
えばジアリルフタレート樹脂及びその誘導体、塩素化ポ
リプロピレンなどは前述のエチレン性不飽和結合を有す
る化合物と重合させることが可能なため用途に応じて好
適に用いることができる。

【００４４】バインダー樹脂としては、前述の樹脂の中
から、１種又は２種以上のものを組み合わせて用いるこ
とができる。これらのバインダー樹脂は、前記付加重合
若しくは架橋可能な化合物及び／又は樹脂１００重量部
に対して、５００重量部以下、より好ましくは２００重
量部以下の範囲で添加混合して使用するのが好ましい。

【００４５】本発明の光重合性着色層には、感度の向上
及び光開始剤の消色を促進する目的で下記一般式（化
２）で表されるホウ素酸塩を添加することが好ましい。

【００４６】

【化２】

【００４７】式中、Ｒ₁ 、Ｒ₂ 、Ｒ₃ 及びＲ₄ は一般式
（化１）で定義されたものと同義である。Ｘ⁺ は、カウ
ンターカチオン（例えばアルカリ金属カチオン、アンモ
ニウムカチオン、ホスフォニュウムカチオン等）を表
す。

【００４８】これらの化合物の具体例としては、例え
ば、特開昭６４−１３１４２号、特開平２−４８０４号
の各公報に記載されている。

【００４９】増感剤としては、特開昭６４−１３１４０
号公報に記載のトリアジン系化合物、特開昭６４−１３
１４１号公報に記載の芳香族オニウム塩、芳香族ハロニ
ウム塩、特開昭６４−１３１４３号公報に記載の有機過
酸化物を用いることができる。更に好ましい増感剤とし
ては、特公昭４５−３７３７７号公報や米国特許第３，
６５２，２７５号明細書に記載のビスイミダゾール化合
物が挙げられる。

【００５０】熱重合防止剤としては、キノン系、フェノ
ール系等の化合物が好ましく用いられる。例えば、ハイ
ドロキノン、ピロガロール、ｐ−メトキシフェノール、
カテコール、βーナフトール、２，６−ジーｔ−ブチル
ーｐ−クレゾール等が挙げられる。エチレン性不飽和結
合を有する重合可能な化合物とバインダー樹脂との合計
量１００量部に対して、１０重量部以下、好ましくは
０．０１〜５重量部程度が添加される。酸素クエンチャ
ーとしては、Ｎ，Ｎ−ジアルキルアニリン誘導体が好ま
しく、例えば、米国特許４，７７２，５４１号明細書の
第１１カラム５８行目から第１２カラム３５行目に記載
の化合物が挙げられる。

【００５１】可塑剤としては、フタル酸エステル類、ト
リメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、その
他飽和あるいは不飽和カルボン酸エステル類、クエン酸
エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、
エポキシステアリン酸エポキシ類、正リン酸エステル
類、亜燐酸エステル類、グリコールエステル類などが挙
げられる。

【００５２】熱溶融性化合物としては、常温で固体であ
り、加熱時に可逆的に液体となる化合物が用いられる。
前記熱溶融性物質としては、テルピネオール、メントー
ル、１，４−シクロヘキサンジオール、フェノール等の
アルコール類、アセトアミド、ベンズアミド等のアミド
類、クマリン、ケイ皮酸ベンジル等のエステル類、ジフ
ェニルエーテル、クラウンエーテル等のエーテル類、カ
ンファー、ｐ−メチルアセトフェノン等のケトン類、バ
ニリン、ジメトキシベンズアルデヒド等のアルデヒド
類、ノルボルネン、スチルベン等の炭化水素類、マルガ
リン酸等の高級脂肪酸、エイコサノール等の高級アルコ
ール、パルミチン酸セチル等の高級脂肪酸エステル、ス
テアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ベヘニルアミ
ン等の高級アミンなどに代表される単分子化合物、蜜ロ
ウ、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、エス
テルワックス、モンタンロウ、カルナバワックス、アミ
ドワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタ
リンワックスなどのワックス類、エステルガム、ロジン
マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂等のロジン誘導
体、フェノール樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、テルペン系炭化水素樹脂、シクロ
ペンタジエン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカプロ
ラクトン系樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコールなどのポリオレフィンオキサイドなどに
代表される高分子化合物などが挙げられる。

【００５３】本発明においては、上記の熱溶融性物質の
融点あるいは軟化点が１０〜１５０℃のものが好まし
い。

【００５４】光重合性着色層に含有される着色剤として
は、公知の画像形成に用いられる着色剤が挙げられ、得
られる画像の目的に応じて選択される。例えば、カーボ
ンブラック、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系色
素、アゾ系色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系
色素等の顔料や染料が挙げられる。

【００５５】着色剤の添加量としては、光重合性着色層
を形成する組成物中１〜５０重量％が好ましく、より好
ましくは５〜３０重量％である。

【００５６】光重合性着色層は、目的を損なわない範囲
で、必要に応じて酸化防止剤、フィラー、帯電防止剤な
どを添加してもよい。

【００５７】前記酸化防止剤としては、クロマン系化合
物、クラマン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロ
キノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダ
ン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物などが挙げら
れ、特開昭５９−１８２７８５号、同６０−１３０７３
５号、同６１−１５９６４４号、特開平１−１２７３８
７号の各公報、「１１２９０の化学商品」化学工業日報
社、ｐ．８６２〜ｐ．８６８等に記載の化合物、及び写
真その他の画像記録材料に耐久性を改善するものとして
公知の化合物を挙げることができる。

【００５８】前記フィラーとしては、無機微粒子や有機
微粒子を挙げることができる。無機微粒子としては、例
えば、シリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化
亜鉛、硫酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、酸性
白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができる。有
機微粒子としては、例えば、フッ素樹脂粒子、グアナミ
ン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の
樹脂粒子を挙げられる。

【００５９】前記帯電防止剤としては、カチオン系界面
活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子などのほか「１１
２９０の化学商品」化学工業日報社、ｐ．８７５〜ｐ．
８７６などに記載の化合物なども好適に用いることがで
きる。

【００６０】本発明における光重合性着色層は、単層で
構成されていてもよいし、組成が同一あるいは異なる二
層以上の層で構成されていてもよい。

【００６１】光重合性着色層の厚みは、用途により適時
選択されるが、０．２〜５μｍが好ましく、より好まし
くは０．５〜３μｍである。

【００６２】本発明では、上述の第一及び第二支持体、
剥離層、光重合性着色層以外に接着性、クッション性、
離型性等の改良のために他の層を設けてもよい。

【００６３】前記剥離層、光重合性着色層は、その形成
成分を溶媒に分散あるいは溶解して塗工液を調製し、こ
の塗工液を積層させる面に塗布し乾燥する塗工法や、剥
離可能なシート上に前記の層を形成した後、積層させる
面上に加熱及び／又は加圧することにより剥離層、光重
合性着色層を転写させる転写法等により形成することが
できる。

【００６４】上記塗工法に用いる溶媒としては、水、ア
ルコール類（例えばエタノール、プロパノール）、セロ
ソルブ類（例えばメチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ）、芳香族類（例えばトルエン、キシレン、クロルベ
ンゼン）、ケトン類（例えばアセトン、メチルエチルケ
トン）、エステル系溶剤（例えば酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなど）、エーテル類（例えばテトラヒドロフラン、ジ
オキサン）、塩素系溶剤（例えばクロロホルム、トリク
ロルエチレン）、アミド系溶剤（例えばジメチルホルム
アミド、Ｎ−メチルピロリドン）、ジメチルスルホキシ
ド等が挙げられる。

【００６５】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる面順次塗り別け塗布法、押し出し塗布法、ワ
イヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することがで
きる。

【００６６】前記の層は、積層させる面の表面全体に渡
って形成されていてもよいし、必要に応じて、表面の一
部に形成されていてもよい。

【００６７】なお、本発明において、第一支持体と剥離
層との接着強度が不十分な場合（例えば、積層する樹脂
同士の、ぬれ角度（接触角）の差が大きい場合、特に５
ｄｅｇ以上ある場合）は、剥離層を設ける前に、第一支
持体の表面処理を施しておくことが好ましい。

【００６８】この表面処理の方法としては、コロナ放電
処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処
理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プ
ラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理など公知
の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。
具体的には「高分子表面の基礎と応用（下）」化学同
人、２章及び／又は「高分子新素材便覧」丸善、８章等
に記載の方法を参照でき、それらを一種あるいは二種以
上を併用することもできる。

【００６９】第二支持体は、光重合性着色層の表面上に
樹脂フィルムを加圧又は加熱加圧することにより設ける
ことができる。なお、この際使用する樹脂フィルムは光
重合性着色層との接着性を制御するために、アクリル系
樹脂などの弱粘着剤層、ワックスやエチレンー酢酸ビニ
ルなどのホットメルト接着層、シリコーン及び／又はフ
ッ素化合物等の離型性化合物を添加した層などを設けた
ものでもよい。

【００７０】＜第二の態様＞ 本発明の画像形成材料は、支持体上に光重合性着色層を
有するところの、転写現像方式に用いられる画像形成材
料において、支持体と光重合性着色層との間に光重合可
能な化合物及び／又は樹脂とバインダーとを含有する剥
離層（以下において剥離層と略称することがある。）が
存在する。

【００７１】第二の態様としては、図２に示すように、
支持体５上に剥離層２と光重合性着色層３と必要に応じ
て設けられる酸素遮断層６とを有してなる。

【００７２】本発明の支持体は第一の態様の第一、第二
支持体と、剥離層及び光重合性着色層も第一の態様と同
様である。

【００７３】本発明においては、保存性改良のために、
光重合性着色層の上に酸素遮断層を設けることが好まし
い。

【００７４】酸素遮断層は、光重合性着色層の表面上に
塗工法で設けた樹脂層、転写箔のように樹脂層を転写し
たものあるいは樹脂フィルムをラミネートしたものでも
用途に応じて適宜に用いることができるが、自己支持性
の面から、又は後述する画像形成時の操作性、機械強
度、寸法安定性の面から樹脂フィルムを用いるのが好ま
しい。

【００７５】酸素遮断層は、後述の画像形成時に、酸素
遮断層上からレーザー光を照射し光重合を行う場合には
レーザー光の波長を吸収及び／又は散乱させないため
に、可視光、近赤外線の透過性がよいこと（波長がおよ
そ３００ｎｍ〜２，０００ｎｍにおいて透過率が４０％
以上、好ましくは６０％以上であること）、表面平滑性
が高いものが好ましい。

【００７６】酸素遮断層に用いられる樹脂としては、ポ
リビニルアルコール系樹脂、ポリエレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂、メチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂など
が挙げられ、更には支持体として用いることのできる樹
脂フィルムも本発明では好適に用いることができる。

【００７７】酸素遮断層の厚みは、通常０．１〜１００
μｍが好ましく、０．５〜５０μｍがより好ましい。

【００７８】本発明においては、上述の支持体、剥離
層、光重合性着色層、酸素遮断層以外にクッション性、
接着性、離型性等の改良のために他の層を設けてもよ
い。

【００７９】酸素遮断層と光重合性着色層との間には、
後述の画像形成の際に酸素遮断層と光重合性着色層との
離型性を十分にするために酸素遮断層側に離型処理を施
しておいてもよい。

【００８０】このような離型処理としては、酸素遮断層
を形成する樹脂に離型性物質を溶融混錬して押し出しフ
ィルムにしたものや、樹脂フィルムの片面に離型性物質
を含有する組成物を塗布して設けたものなどを好適に用
いることができる。更に塗布で設ける場合には、熱硬化
性の化合物あるいは活性エネルギー線で硬化しうる化合
物を含有するときには、酸素遮断層を構成する樹脂フィ
ルムに塗布した後、既存の方法で熱硬化し、あるいは活
性エネルギー線で硬化して離型層を形成したものを好適
に用いることができる。

【００８１】被転写体との密着性を確保するために、支
持体と剥離層との間にクッション性のある中間層を設け
てもよい。中間層は、熱を加えた時点で軟化するもの、
あるいはゴム弾性を有するものにより形成することがで
きる。更に、多孔質構造を有する層もクッション性を持
つ層として使用することができる。

【００８２】中間層に用いられる樹脂としては、ポリエ
ステル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ア
クリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂などを挙
げることができる。更に内部を多孔質化した樹脂層も本
発明では好適に用いることができる。本発明の画像形成
材料は、第一の態様と同様にして製造することができ
る。

【００８３】（２）画像形成方法 前述の光重合性着色層を有する画像形成用材料へのキセ
ノンフラッシュランプやレーザー走査による画像露光
と、剥離現像又は画像転写によるドライな処理を組み合
わせることにより、環境上問題や廃液の処理が必要で、
なおかつ大きな処理装置を必要とする液体処理をするこ
となく、簡便に、高精細な画像形成を行うことができ
る。

【００８４】画像を形成させるための光源としては、近
赤外線領域の波長（例えば７００ｎｍ〜２，０００ｎｍ
の波長範囲）を有し、光重合開始剤に対し活性な電磁波
を発生させるものは全て用いることができる。例えば、
レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュラン
プ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライ
ドランプ、タングステンランプ等を挙げることができ
る。

【００８５】キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボ
ンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンラン
プ等を用いて一括露光する場合には、画像形成材料の酸
素遮断層側に、所望露光画像のネガパターンを遮光性材
料で形成したマスク材料を重ね合わせ、露光すればよ
い。

【００８６】発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を
使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドラン
プ、タングステンランプ等の光源を、液晶、ＰＬＺＴ等
の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像
信号に応じたデジタル露光をすることが可能である。こ
の場合はマスク材料を使用せず、直接書き込みを行うこ
とができる。

【００８７】レーザーの場合には、光をビーム状に絞
り、画像データに応じた走査露光が可能であるため、マ
スク材料を使用せず、直接の書き込みを行うのに適して
いる。またレーザーを光源として用いる場合には、露光
面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の
画像形成が可能になる。

【００８８】本発明で用いられるレーザー光源として
は、近赤外線域に発振波長を有するものであればよく、
一般によく知られている、例えばＹＡＧレーザー、ガラ
スレーザー等の固体レーザー、Ｈｅ−Ｎｅレーザー、Ｃ
Ｏ₂ レーザー、ＣＯレーザー、その他の放電励起分子レ
ーザー、エキシマーレーザーなどの気体レーザー、化学
レーザー、色素レーザー、半導体レーザー等を使用する
ことができる。その中でも、ＹＡＧレーザー、Ｈｅ−Ｎ
ｅレーザー、半導体レーザーが好ましく、特に半導体レ
ーザーは小型、安価であり、その組成により発振波長を
変化させることができるので、使用する感光性組成物の
感光波長域に合わせて適宜に選択することも可能であり
好ましい。

【００８９】好ましく用いられる半導体レーザーの組成
とその発振波長範囲を例示すれば、ＩｎＧａＰレーザー
（０，６５〜１．０μｍ）、ＡｌＧａＡｓレ−ザ−
（０．７〜１．０μｍ）、ＧａＡｓＰレーザー（０．７
〜１．０μｍ）、ＩｎＧａＡｓレーザー（１．０〜３．
５μｍ）、ＩｎＡｓＰレーザー（１．０〜３．５ｍ）、
ＣｄＳｎＰ₂ レーザー（１．０１μｍ）、ＧａＳｂレー
ザー（１．５３μｍ）等である。

【００９０】さらに、半導体レーザーの波長で重合可能
な画像形成材料と組み合わせて画像を形成する場合は、
半導体レーザーが小さいことによる装置の小型化だけで
なく、光重合性着色層を形成する組成物に開始剤として
含有させるカチオン性染料として、可視光に吸収を持た
ない若しくは吸収の少ない染料を用いることができるの
で、特にカラー画像の形成を行う場合に濁りのない良好
な色を再現できるという利点を有している。

【００９１】本発明では、複数の異なる色調の単色の画
像を形成した後に、異なる色調の画像部を順次に同一の
受像体上に転写することで複数の色調を有する画像を受
像体上に形成することができる。特にイエロ−、マゼン
タ、シアンあるいはイエロ−、マゼンタ、シアン、ブラ
ックの各色の単色の画像を順次に同一の受像体上に転写
することで受像体上にフルカラー画像を形成することが
できる。

【００９２】フルカラー画像を形成するための画像形成
用材料としては、それぞれ色の異なる複数の画像形成用
材料を用いることにより、複数の異なる色調の単色画像
を形成することができるが、好ましくは、イエロー、マ
ゼンタ及びシアン、又はイエロー、マゼンタ、シアン及
びブラックの着色材を含有する色の異なる複数の光重合
性組成物をそれぞれ同一の支持体上の別領域に塗工した
光重合性着色層を有する、いわゆる面順次型の画像形成
用材料を用いることができる。このような面順次型の画
像形成用材料を用いることにより、画像形成装置内での
画像形成用材料の搬送系の簡素化が可能となり、画像形
成装置を更にコンパクト化することが可能になる。

【００９３】また、フルカラー画像形成用の画像形成用
材料として、色の識別用の検知マークを設けたものを用
いてもよい。

【００９４】剥離現像方式の場合には画像形成後、第一
の支持体と第二の支持体とを剥離することにより光重合
性着色層の未露光部分を第二の支持体上に、露光部分を
第一の支持体上に形成することができる。

【００９５】この方法においては、例えば図３に示すよ
うに、第一支持体１上に剥離層２と光重合性着色層３と
第二支持体４とをこの順に有してなる画像形成材料にお
いて、第一支持体側から所望のマスク等を用いて露光を
行なう。すると、図４に示すように、第一支持体１を通
過してきた光により、光重合性着色層３において露光さ
れた光重合性着色層部分３ａができる。そして、第二支
持体４を第一支持体側から剥離すると、図５に示すよう
に露光部分からなる画像を第一支持体上に、未露光部分
からなる画像を第二支持体上に形成することができる。

【００９６】転写現像方式の場合における光重合性着色
層の未露光部分を被転写体に転写する方法としては、酸
素遮断層を除去した後、光重合性着色層面と被転写体面
とを接するように配置し、加熱及び／又は加圧可能に構
成されたローラー状又は板状の部材に接触させる方法、
熱線を含む電磁波を照射する方法等を任意に選択するこ
とができる。転写温度、圧力等の転写条件は、露光され
た光重合性接着層の未露光部分のみが転写される条件を
適宜に設定すれば良い。さらに、転写時に加熱及び／又
は加圧の他に、振動を与え転写を促進することも好まし
い。

【００９７】形成後の画像の重合を完了させるため及び
光重合開始剤の消色を行うために照射される光は、レー
ザー、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カ
ーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステン
ランプ、赤外線ランプ、高圧水銀灯、蛍光灯、日光等、
光重合性接着層に添加されている光重合開始剤に作用す
るものであれば公知のいかなる光源も使用することがで
きる。露光強度、露光時間は少なくとも光重合開始剤の
消色が行われ、かつ画像形成材料として実用上問題ない
程度に硬化することができれば、光重合性着色層の組
成、露光装置の条件により適宜に設定すれば良い。この
場合は一括露光であっても走査露光であっても同様の効
果が得られる。

【００９８】形成後の画像の加熱硬化方法としては、公
知のいかなる加熱方法も使用できる。加熱温度、加熱時
間は少なくとも光重合開始剤の消色が行われ、かつ画像
形成材料として実用上問題ない程度に硬化することがで
きれば、光重合性着色層の組成、加熱装置の条件により
適宜に設定すればよい。

【００９９】この方法においては、例えば図６に示すよ
うに、支持体５上に、剥離層２と光重合性着色層３と酸
素遮断層６とをこの順に有してなる画像形成材料におい
て、酸素遮断層６側から任意に露光する。すると、図７
に示すように光重合性着色層３において露光された光重
合性着色層部分３ａができる。続いて、図８に示すよう
に、酸素遮断層６を光重合性着色層３から分離する。そ
して、図９に示すように光重合性着色層３と被写体７と
を接触させると共に支持体５側から適宜の条件にて画像
形成を行なう。すると、図１０に示すように、被写体７
に所望の画像を形成することができる。

【０１００】

【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、以下において「部」は、特に断りがな
い限り「有効成分としての重量部」を表わす。

【０１０１】以下のようにして本発明の画像形成材料、
及び比較例として光重合可能な化合物及び／又は樹脂を
含有する剥離層を持たない画像形成材料を作成した。本
発明及び比較例の画像形成材料の構成を表１及び表２に
示す。

【０１０２】−第一支持体、第二支持体、支持体− ａ）厚み１００μｍの延伸透明ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム｛ダイアホイルヘキスト（株）製、Ｔ１０
０｝ ｂ）厚み７５μｍの延伸透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム｛ダイアホイルヘキスト（株）製、Ｔ１０
０｝ ｃ）厚み５０μｍの延伸透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム｛ダイアホイルヘキスト（株）製、Ｔ１０
０｝ ｄ）厚み２５μｍの延伸透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム｛ダイアホイルヘキスト（株）製、Ｓ｝ ｅ）厚み１００μｍの延伸多孔質白色ポリエチレンテレ
フタレートフィルム｛ダイアホイルヘキスト（株）製、
Ｗ９００Ｊ｝ ｆ）厚みが１５０μｍで、両面ともベック平滑度が２５
０秒である上質紙に、平均粒径が０．３μｍである酸化
チタン１０部を含有する、密度０．９１４ｇ／ｃｍ³ 、
及びメルトフロレート７．０ｇ／１０分の低密度ポリエ
チレンを多孔質層面側３０μｍ、反対面側に２０μｍの
厚さで、それぞれ溶融押し出しし、樹脂被覆基材を製造
した。

【０１０３】ｇ）全体の厚み１１０μｍ、両面３０μｍ
の多孔質層付きポリエチレンテレフタレートフィルム
｛日清紡（株）製、ピーチコート ＷＥ−１１０｝ ー表面処理ー ａ）表面をコロナ放電処理した。

【０１０４】ｂ）表面を空気／メタン＝１０５／１００
のモル比で火炎処理した。

【０１０５】ｃ）表面を紫外線（低波長タイプ：１８９
ｎｍ）を１０分間照射して、紫外線処理した。

【０１０６】ｄ）表面を７５０ＫＶの電子線加速器から
電子線を照射して、放射線処理した。

【０１０７】−中間層− ａ）エチレンー酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含有量
１０％、メルトインデックス２０ｇ／１０分）を十分に
溶融混錬して押し出して、厚さ３０μｍの中間層を形成
した。

【０１０８】ｂ）１５重量％でトルエンに溶解したエチ
レンー酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含有量２８％、
メルトインデックス４００ｇ／１０分）を、塗布乾燥し
て厚さ１５μｍの中間層を形成した。

【０１０９】−剥離層− ａ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより塗布・乾燥し、厚さ１．０μｍの
剥離層を形成した。

【０１１０】 ポリビニルアルコール・・・・・・・・・１０部 ｛日本合成化学（株）製、ゴーセノールＧＬ−０５｝ ポリエチレングリコールジアリレート・・・２．５部 ｛東亜合成化学工業（株）製、ＡＲＯＮＩＸ Ｍ−２４
５｝ 蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・８７．５部 ｂ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより順次に塗布・乾燥し厚さ１μｍの
剥離層を形成した。

【０１１１】 ｃ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより順次に塗布・乾燥し厚さ５μｍの
剥離層を形成した。

【０１１２】 ｄ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより順次に塗布・乾燥し、厚さ０．５
μｍの剥離層を形成した。

【０１１３】 ポリアリレート・・・・・・・・・・・・１０部 ｛ユニチカ（株）製、Ｕポリマー Ｕ−１００｝ ビスフェノールＡジメタクリレート・・・・３．０部 ｛東京化成（株）製｝ ジオキサン・・・・・・・・・・・・・・８７部 ｅ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより順次に塗布・乾燥し厚さ０．５μ
ｍの剥離層を形成した。

【０１１４】 ｆ）厚み２５μｍのポリエチレンテレフタレ−トフィル
ム｛ダイアホイルヘキスト（株）製、Ｓ｝の片面に、下
記組成の剥離層形成塗工液、接着層形成塗工液をそれぞ
れ調製し、ワイヤ−バ−コ−ティング法により乾燥後の
厚みがそれぞれ０．５μｍ、５μｍの厚みになるよう
に、順次に塗布、乾燥して剥離層転写部材を形成した。
次いで、剥離層転写部材の接着層表面と支持体面を重ね
合わせ、ヒートロールで加熱加圧処理（温度１６０℃、
圧力１．０Ｋｇ／ｃｍ² 、送り速度１５ｃｍ／秒）して
剥離層を転写し形成。

【０１１５】剥離層形成塗工液； ポリビニルアセトアセタール・・・・・・１０部 ｛積水化学工業（株）製、エスレックＫＷ−１｝ ポリエチレングリコールジアリレート・・・４．０部 ｛新中村化学工業（株）製、ＮＫエステル１４Ｇ｝ 蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・８６部 接着層形成用塗工液： エチレンー酢酸ビニル共重合体・・・・・３５部 ｛三井・デュポン ポリケミカル（株）製、 エバフレックスＥＶ−４０Ｙ｝ トルエン・・・・・・・・・・・・・・・６５部 ｇ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより塗布・乾燥し厚さ０．５μｍの剥
離層を形成した。

【０１１６】 ポリビニルアルコール・・・・・・・・・１０部 ｛日本合成化学（株）製、ゴーセノールＧＬ−０５｝ 蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・８７．５部 ｈ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより順次に塗布・乾燥し厚さ１μｍの
剥離層を形成した。 ポリビニルアセトアセタール・・・・・・１０部 ｛積水化学工業（株）製、エスレックＫＷ−１｝ 蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・８７部 ｉ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより順次に塗布・乾燥し厚さ５μｍの
剥離層を形成した。

【０１１７】 ヒドロキシプロピルセルロース・・・・・１０部 ｛信越化学工業（株）製、信越ＨＰＣ ＬＥ−Ｇ｝ 蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・８７部 ｊ）下記の組成の剥離層形成塗工液を用い、ワイヤーバ
ーコーティングにより順次に塗布・乾燥し、厚み０．５
μｍの剥離層を形成した。

【０１１８】 ポリアリレート・・・・・・・・・・・・１０部 ｛ユニチカ（株）製、Ｕポリマー Ｕ−１００｝ ジオキサン・・・・・・・・・・・・・・８７部 −光重合性着色層− ａ）下記の組成の光重合性着色層形成塗工液を用い、ワ
イヤーバーコーティングにより剥離層上に、塗布・乾燥
し、厚み１．０μｍの光重合性着色層を形成した。

【０１１９】

【０１２０】

【化３】

【０１２１】

【化４】

【０１２２】ｂ）下記の組成の光重合性着色層形成塗工
液を用い、ワイヤーバーコーティングにより剥離層上
に、塗布・乾燥し厚さ１．０μｍの光重合性着色層を形
成した。

【０１２３】 ｃ）下記の組成の光重合性着色層形成塗工液を用い、ワ
イヤーバーコーティングにより剥離層上に、塗布・乾燥
し厚さ１．０μｍの光重合性着色層を形成した。

【０１２４】 ｄ）下記の組成の光重合性着色層形成塗工液を用い、ワ
イヤーバーコーティングにより剥離層上に、塗布・乾燥
し厚み２．５μｍの光重合性着色層を形成した。

【０１２５】

【０１２６】

【化５】

【０１２７】ー酸素遮断層ー ａ）下記の組成の酸素遮断層形成塗工液を用い、ワイヤ
ーバーコーティングにより光重合性着色層上に、塗布・
乾燥し厚み３．０μｍの酸素遮断層を形成した。

【０１２８】 ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・１５部 ｛日本合成化学（株）製、ゴーセノールＫＮ−０５｝ 蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・８５部 ｂ）厚み２５μｍの片面離型処理したポリエチレンテレ
フタレ−トフィルム｛ダイアホイルヘキスト（株）製、
ＭＲＢ｝の離型処理した面を、光重合性着色層と重ね合
わせ、ヒートロールで加熱加圧処理（温度９０℃、圧力
２．０Ｋｇ／ｃｍ² 、送り速度１０ｍｍ／秒）してポリ
エチレンテレフタレ−トフィルムを貼り合わせ酸素遮断
層を形成した。

【０１２９】ｃ）厚み２０μｍのポリエチレンフィルム
｛東然化学（株）製、ルピックＬ−１｝の片面を光重合
性着色層と重ね合わせ、ヒートロールで加熱加圧処理
（温度４０℃、圧力１．５Ｋｇ／ｃｍ² 、送り速度１０
ｍｍ／秒）してポリエチレンフィルムを貼り合わせ酸素
遮断層を形成した。

【０１３０】ｄ）厚み６μｍの片面離型処理したポリエ
チレンテレフタレートフィルム｛ダイアホイルヘキスト
（株）製、ＡＲ｝の片面を光重合性着色層と重ね合わ
せ、ヒートロールで加熱加圧処理（温度４０℃、圧力
１．５Ｋｇ／ｃｍ² 、送り速度１０ｍｍ／秒）してポリ
エチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて酸素遮
断層を形成した。

【０１３１】ー画像の形成ー ＜実施例１〜９５、比較例１〜１９＞ ａ）７２０ｎｍ以下の光をカットするフィルターを掛け
て、キセノンフラッシュランプ｛理想科学工業（株）
製、ゼノファクスＦＸ１８０を使用、露光時間は１ｍｍ
秒、露光エネルギーは１００ｍＪ／ｃｍ² ｝で一括露光
した後、第一支持体と第二支持体を引き剥がし、第一及
び第二体支持体上に形成された画像を、キセノンフラッ
シュランプで一括露光して第二支持体上のベタ画像の転
写性を下記の基準で評価するとともに、画像形成材料に
７２０ｎｍ以下の光をカットするフィルターを掛けて、
解像度チャートをマスクしてキセノンフラッシュランプ
で露光した後、第一支持体と第二支持体を引き剥がし、
第一及び第二体支持体上に形成された画像を、キセノン
フラッシュランプで一括露光して第二支持体上に再現さ
れている解像度を下記の基準で評価した。その結果を表
３に示す。

【０１３２】転写性；ルーゼックスＩＩ｛（株）ニレコ
製｝で２×２ｍｍのベタ画像部分のボイド率｛Ｘ｝を測
定 ◎………Ｘ≦０．１ ｛％｝ ○………０．１＜Ｘ≦０．５ ｛％｝ △………０．５＜Ｘ≦１．０ ｛％｝ ×………１．０＜Ｘ ｛％｝ 解像度；プレートコントロールウエッジ（ＵＧＲＡ社
製）を用い１５０線／インチの網点２〜９８％の再現性
を顕微鏡で観察し再現されている網点領域｛Ｚ｝を観察 ◎………２≦Ｚ≦９８ ｛％｝ ○………５≦Ｚ≦９５ ｛％｝ △………１０≦Ｚ≦９０ ｛％｝ ×………１５≦Ｚ≦８５ ｛％｝ ｂ）第一支持体上側から半導体レーザー｛シャープ
（株）製 ＬＴ０９０ＭＤ、出力１００ｍＷ、主波長８
３０ｎｍ｝を用いて走査露光｛ビーム径８μｍ、走査ピ
ッチ５μｍ｝を施した後、第一支持体と第二支持体を引
き剥がし、第一及び第二体支持体上に形成された画像
を、キセノンフラッシュランプで一括露光して第二支持
体上に再現されている感度（画像形成に必要最低の平均
露光量）、解像度及び転写性を下記の基準で評価した。
その結果を表４に示す。

【０１３３】感度；画像形成材料表面の平均露光量
｛Ｅ｝（必要最低の平均露光量） ◎………Ｅ≦５ ｛ｍＪ／ｍｍ² ｝ ○………５＜Ｅ≦１０ ｛ｍＪ／ｍｍ² ｝ △………１０＜Ｅ≦２０ ｛ｍＪ／ｍｍ² ｝ ×………２０＜Ｅ ｛ｍＪ／ｍｍ² ｝ 解像度；必要最低の平均露光量で画像を形成した際の１
ｍｍ当りの解像可能な線の本数｛Ｎ｝ ◎………１２０≦Ｎ ｛本｝ ○………８０≦Ｎ＜１２０ ｛本｝ △………４０≦Ｎ＜８０ ｛本｝ ×………Ｎ＜４０ ｛本｝ 転写性；ルーゼックスＩＩ｛（株）ニレコ製｝で２×２
ｍｍのベタ画像部分のボイド率｛Ｘ｝を測定 ◎………Ｘ≦０．１ ｛％｝ ○………０．１＜Ｘ≦０．５ ｛％｝ △………０．５＜Ｘ≦１．０ ｛％｝ ×………１．０＜Ｘ ｛％｝ ｃ）７２０ｎｍ以下の光をカットするフィルターを掛け
て、キセノンフラッシュランプで一括露光した後、画像
形成材料の酸素遮断層を除去し、光重合着色層を白色ポ
リエチレンテレフタレートフィルム｛ダイアホイルヘキ
スト（株）製、Ｗ４１０（１２５μｍ）｝、アート紙
｛三菱製紙（株）製、三菱特両アート（１０４．７ｇ／
ｍ² ）｝と対面させ、加熱加圧の処理｛温度；１００
℃、圧力；１Ｋｇ／ｃｍ² 、送り速度；２０ｍｍ／秒｝
により画像形成を行い、転写された画像を、キセノンフ
ラッシュランプで一括露光してベタ画像の転写性を下記
の基準で評価するとともに、画像形成材料に７２０ｎｍ
以下の光をカットするフィルターを掛けて、解像度チャ
ートをマスクしてキセノンフラッシュランプで露光した
後、次いで酸素遮断層を除去し、光重合性着色層をアー
ト紙と対面させ、加熱加圧の処理｛温度；１００℃、圧
力；１Ｋｇ／ｃｍ² 、送り速度；１０ｍｍ／秒｝により
画像形成を行い、転写された画像を、キセノンフラッシ
ュランプで一括露光してアート紙上に再現されている解
像度を下記の基準で評価した。その結果を表５に示す。

【０１３４】転写性；ルーゼックスＩＩ｛（株）ニレコ
製｝で２×２ｍｍのベタ画像部分のボイド率｛Ｘ｝を測
定 ◎………Ｘ≦０．１ ｛％｝ ○………０．１＜Ｘ≦０．５ ｛％｝ △………０．５＜Ｘ≦１．０ ｛％｝ ×………１．０＜Ｘ ｛％｝ 解像度；プレートコントロールウエッジ（ＵＧＲＡ社
製）を用い１５０線／インチの網点２〜９８％の再現性
を顕微鏡で観察し再現されている網点領域｛Ｚ｝を観察 ◎………２≦Ｚ≦９８ ｛％｝ ○………５≦Ｚ≦９５ ｛％｝ △………１０≦Ｚ≦９０ ｛％｝ ×………１５≦Ｚ≦８５ ｛％｝ ｄ）酸素遮断層側から半導体レーザー｛シャープ（株）
製 ＬＴ０９０ＭＤ、出力１００ｍＷ、主波長８３０ｎ
ｍ｝を用いて走査露光｛ビーム径８μｍ、走査ピッチ５
μｍ｝を施した後、酸素遮断層を剥離し、光重合性着色
層面を白紙ポリエチレンテレフタレートフィルム、アー
ト紙と対面させ、加熱加圧の処理｛温度；１００、圧
力；１．５Ｋｇ／ｃｍ² 、送り速度；２０ｍｍ／秒｝に
より画像形成を行い、転写された画像を、キセノンフラ
ッシュランプで一括露光して、白紙ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、アート紙上に再現されている感度
（画像形成に必要最低の平均露光量）、解像度及び転写
性を下記の基準で評価した。その結果を表６に示す。

【０１３５】感度；画像形成材料表面の平均露光量
｛Ｅ｝（必要最低の平均露光量） ◎………Ｅ≦５ ｛ｍＪ／ｍｍ² ｝ ○………５＜Ｅ≦１０ ｛ｍＪ／ｍｍ² ｝ △………１０＜Ｅ≦２０ ｛ｍＪ／ｍｍ² ｝ ×………２０＜Ｅ ｛ｍＪ／ｍｍ² ｝ 解像度；必要最低の平均露光量で画像を形成した際の１
ｍｍ当りの解像可能な線の本数｛Ｎ｝ ◎………１２０≦Ｎ ｛本｝ ○………８０≦Ｎ＜１２０ ｛本｝ △………４０≦Ｎ＜８０ ｛本｝ ×………Ｎ＜４０ ｛本｝ 転写性；ルーゼックスＩＩ｛（株）ニレコ製｝で２×２
ｍｍのベタ画像部分のボイド率｛Ｘ｝を測定 ◎………Ｘ≦０．１ ｛％｝ ○………０．１＜Ｘ≦０．５ ｛％｝ △………０．５＜Ｘ≦１．０ ｛％｝ ×………１．０＜Ｘ ｛％｝

【０１３６】

【表１】

【０１３７】

【表２】

【０１３８】

【表３】

【０１３９】

【表４】

【０１４０】

【表５】

【０１４１】

【表６】

【０１４２】

【発明の効果】本発明によると、解像度が良好で、画像
の抜けの生じない、ひいては画像の質感や濃度、解像性
及び色再現性が良好な画像形成材料およびその製造方法
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、第一支持体上に、剥離層と光重合性着
色層と第二支持体とをこの順に有してなる画像形成材料
の断面図である。

【図２】図２は、支持体上に、剥離層と光重合性着色層
と酸素遮断層とをこの順に有してなる画像形成材料の断
面図である。

【図３】図３は、第一支持体上に、剥離層と光重合性着
色層と第二支持体とをこの順に有してなる画像形成材料
において、第一支持体側から露光を行なうこと示す断面
概略説明図である。

【図４】図４は、第一支持体上に、剥離層と光重合性着
色層と第二支持体とをこの順に有してなる画像形成材料
における光重合性着色層が、露光された光重合性着色層
部分を有する状態を示す断面概略説明図である。

【図５】図５は、第一支持体と第二支持体とを引き剥し
た状態を示す断面概略説明図である。

【図６】図６は、支持体上に、剥離層と光重合性着色層
と酸素遮断層とをこの順に有してなる画像形成材料にお
いて、酸素遮断層側から露光を行なうこと示す断面概略
説明図である。

【図７】図７は、支持体上に、剥離層と光重合性着色層
と酸素遮断層とをこの順に有してなる画像形成材料にお
ける光重合性着色層が、露光された光重合性着色層部分
を有する状態を示す断面概略説明図である。

【図８】図８は、露光された光重合性着色層部分を有す
る画像形成材料において、酸素遮断層を引き剥した状態
を示す断面概略説明図である。

【図９】図９は、露光された光重合性着色層部分を有す
る画像形成材料における光重合性着色層と被写体とを接
触させた状態を示す断面概略説明図である。

【図１０】図１０は、支持体と被写体とを引き剥した状
態を示す断面概略説明図である。

【符号の説明】

１ 第一支持体 ２ 剥離層（光重合可能な化合物および／または樹脂含
有層） ３ 光重合性着色層 ３ａ 露光された光重合着色層部分 ４ 第二支持体 ５ 支持体 ６ 酸素遮断層 ７ 被写体

フロントページの続き (72)発明者 駒村 大和良 東京都日野市さくら町１番地 コニカ株 式会社内 (56)参考文献 特表 平７−503558（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03F 7/004 513 G03F 7/11 503 G03F 7/34

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第一支持体、光重合性着色層及び第二支
   持体を有してなり、第一支持体側から像様に露光した後
   に、第一支持体と第二支持体とを分離することにより、
   第一支持体には露光部の画像を、第二支持体上には未露
   光部の画像をそれぞれ形成する画像形成材料において、
   第一支持体と光重合性着色層との間に、光重合可能な化
   合物及び／又は樹脂とバインダー樹脂とを含有する剥離
   層を備えてなることを特徴とする画像形成材料。
2. 【請求項２】 支持体上に光重合性着色層を有してな
   り、像様に露光した後に、光重合性着色層における表面
   を、被転写体上に加圧密着させて未露光部を転写するこ
   とにより被転写体に画像を形成する画像形成材料におい
   て、支持体と光重合性着色層との間に、 光重合可能な
   化合物及び／又は樹脂とバインダー樹脂とを含有する剥
   離層を備えてなることを特徴とする画像形成材料。
3. 【請求項３】 光重合性着色層上に酸素遮断層を備えて
   なる前記請求項２に記載の画像形成材料。
4. 【請求項４】 酸素遮断層が２軸延伸した透明樹脂フィ
   ルム又はシートを有する前記請求項３に記載の画像形成
   材料。
5. 【請求項５】 光重合性着色層が、エチレン性不飽和結
   合を有する重合可能な化合物、光重合開始剤及び着色剤
   を含有する前記請求項１又は２に記載の画像形成材料。
6. 【請求項６】 第一支持体、 光重合可能な化合物及び
   ／又は樹脂とバインダー樹脂とを含有する剥離層、光重
   合性着色層、第二支持体の順に積層される画像形成材料
   を第一支持体側から像様に露光した後に、第一支持体と
   第二支持体とを分離することにより、第一支持体上に露
   光部の画像を、第二支持体上に未露光部の画像を形成す
   ることを特徴とする画像形成方法。
7. 【請求項７】 支持体、 光重合可能な化合物及び／又
   は樹脂とバインダー樹脂とを含有する剥離層、光重合性
   着色層、酸素遮断層の順に構成される画像形成材料を像
   様に露光した後に、酸素遮断層を除去し、光重合性着色
   層の表面と被転写体とを加圧密着させた後、支持体と被
   転写体とを分離することにより、支持体に露光部の画像
   を、被転写体上に未露光部の画像を形成することを特徴
   とする画像形成方法。