JPH07219218A - 画像形成材料 - Google Patents

画像形成材料

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JPH07219218A
JPH07219218A JP1461994A JP1461994A JPH07219218A JP H07219218 A JPH07219218 A JP H07219218A JP 1461994 A JP1461994 A JP 1461994A JP 1461994 A JP1461994 A JP 1461994A JP H07219218 A JPH07219218 A JP H07219218A
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JP
Japan
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photosensitive layer
forming material
image
resin
parts
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Application number
JP1461994A
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English (en)
Inventor
Takaaki Kuroki
孝彰 黒木
Tatsuichi Maehashi
達一 前橋
Hiroshi Watanabe
洋 渡邉
Toshihisa Takeyama
敏久 竹山
Tawara Komamura
大和良 駒村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な記録速度で、高濃度かつ高解像度で均
一な画像を簡便なドライプロセスで得ることのできる画
像形成材料を提供する。 【構成】 基材上に中間層、少なくともエチレン性不飽
和結合を有する重合可能な化合物と光重合開始剤及び着
色剤を含有する感光性層、活性光線透過性のカバーシー
トを、この順に積層した画像形成材料において、前記感
光性層中の重合可能な化合物の一部又は全てが常温固体
の化合物であることを特徴とする剥離現像可能な画像形
成材料。上記画像形成材料において、前記感光性層中の
重合可能な化合物の一部又は全てが常温固体の化合物で
あり、かつ前記感光性層が、ポリ(メタ)アクリル酸及
び/又はポリ(メタ)アクリル酸エステルを含有するこ
とを特徴とする剥離現像可能な画像形成材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光重合性による画像形成
材料に関し、更に詳しくは、高濃度かつ高解像度の画像
形成を実現するドライプロセスによる現像可能な画像形
成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン性不飽和結合を有する重合性化
合物、光重合開始剤、着色剤及び必要に応じて有機高分
子バインダーからなる光重合性組成物層(感光性層)を
有する画像形成材料は、カラープルーフ等の着色画像の
作成用途として、例えば特開昭61-188537号、同61-2868
58号等に開示されている。これらは感光性層を像様露光
した後、未露光部を液体で溶出して露光部よりなる画像
を形成・利用するものであり、現像装置の維持、現像液
の処理が工程の煩雑さを引き起こし、更には現像廃液の
処理が必要なため作業者の安全、環境適性の点からも多
くの課題を有している。
【0003】一方、ドライ処理で画像を形成する方法と
して、米国特許4,282,308号、同4,489,154号、特開昭58
-24775号、特開平4-153658号等で開示されるように、透
明支持体、感光性組成物層、第2支持体からなる材料に
画像を露光後、透明支持体と第2支持体を引き剥がすこ
とにより、一方の支持体上に陽画を、他方の支持体上に
陰画を形成する剥離現像方式や、米国特許3,060,023
号、同3,060,024号、同3,060,025号、特開昭63-147154
号等に開示されるように、支持体上に少なくとも感光性
組成物層を設けた画像形成材料に色分解ネガ又はマスク
を介して画像を露光し、露光後の感光性組成物層表面
を、受像体に必要に応じて熱を加えながら加圧・密着さ
せて未露光部を受像体上に転写して画像を形成する転写
現像方式などが提案されている。こうしたドライ処理に
よる画像形成方法は、環境汚染の皆無、安全性、装置の
小型化の面から好ましい。中でも、前者のように露光後
に二つの支持体を剥離するだけで画像を形成できるプロ
セスは、特別な現像装置を必要としないので低コストの
画像形成材料として優れている。
【0004】前記米国特許4,282,308号、同4,489,154号
には、透明支持体、感光性層、粘着性中間層、基材から
なる剥離現像型画像形成材料が開示されている。このよ
うな粘着性中間層を使用することは解像性の点からは好
ましい方法であるが、未だ解像性が十分とは言えない。
【0005】近年、刷版作成フィルムや医療用の画像出
力用途においても、ドライ処理による簡便かつ高精細な
画像形成材料の要望が高まってきている。しかし、一般
的に、これらの用途は高い透過濃度(例えば紫外部〜可
視部における濃度が3.0以上)、高い解像度(10μm以下
の小点再現)及び高速画像出力(30秒以下/A4判)が要
求されるため、従来の銀塩写真感材に代替できるような
ドライ記録材料は未だ見い出されていないのが現状であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の事情に
基づいてなされたものである。即ち、本発明の目的は、
剥離現像型画像形成材料の解像性向上を達成すること
で、十分な記録速度で高解像度、高濃度かつ均一な画像
を簡便なドライプロセスで得ることのできる画像形成材
料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者等は、鋭意検討の
結果、下記のような構成の剥離現像型画像形成材料によ
り上記目的が達成できることを見い出した。
【0008】(1)基材上に中間層、少なくともエチレン
性不飽和結合を有する重合可能な化合物と光重合開始剤
及び着色剤を含有する感光性層、活性光線透過性のカバ
ーシートを、この順に積層した画像形成材料において、
前記感光性層中の重合可能な化合物の一部又は全てが常
温固体の化合物である剥離現像可能な画像形成材料。
【0009】(2)常温固体の重合可能な化合物が50℃以
上の融点を有する(1)記載の剥離現像可能な画像形成材
料。
【0010】(3)常温固体の重合可能な化合物が、感光
性層中の固形分全重量の15%以上を占める(1)又は(2)
記載の剥離現像可能な画像形成材料。
【0011】(4)基材上に中間層、少なくともエチレン
性不飽和結合を有する重合可能な化合物と光重合開始剤
及び着色剤を含有する感光性層、活性光線透過性のカバ
ーシートを、この順に積層した画像形成材料において、
前記感光性層中の重合可能な化合物の一部又は全てが常
温固体の化合物であり、かつ前記感光性層が、ポリ(メ
タ)アクリル酸及び/又はポリ(メタ)アクリル酸エス
テルを含有する剥離現像可能な画像形成材料。
【0012】(5)常温固体の重合可能な化合物が50℃以
上の融点を有する(4)記載の剥離現像可能な画像形成材
料。
【0013】(6)常温固体の重合可能な化合物が、感光
性層中の固形分全重量の15%以上を占める(4)又は(5)
記載の剥離現像可能な画像形成材料。
【0014】以下、本発明を詳述する。
【0015】本発明の画像形成材料は、基材上に中間
層、少なくともエチレン性不飽和結合を有する重合可能
な化合物、光重合開始剤及び着色剤を含有する感光性
層、活性光線透過性のカバーシートを、この順に積層し
て構成される。
【0016】基材としては、紙、合成紙(例えばポリプ
ロピレンを主成分とする合成紙)、樹脂のフィルム又は
シート、更には前記樹脂を2層以上積層してなるプラス
チックフィルム又はシート、あるいは各種高分子材料、
金属、セラミックもしくは木材パルプやセルロースパル
プ、サルファイトパルプなどで抄造された紙等に、前記
樹脂層を積層したフィルム又はシートなどを挙げること
ができる。更に、前記フィルム又はシートの片面あるい
は両面に多孔質構造の顔料塗工層を設けた基材なども好
適に用いることができる。
【0017】このような樹脂のフィルム又はシートを構
成する樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル等のアクリル樹脂;ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリ
エステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;ナイロ
ン、芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエー
テルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリパラバン
酸、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、弗素樹
脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0018】本発明において、樹脂からなる基材はシー
ト又はフィルム状に延伸し、ヒートセットしたものが寸
法安定性の面から好ましく、基材は、内部にミクロボイ
ドがないものでも、あるいはミクロボイドのあるもので
も、用途に応じて適宜に選択することができる。
【0019】本発明において用いられる紙は、天然パル
プ、合成パルプ又はそれらの混合物から抄紙されるパル
プ紙等、いずれも好ましく、紙は長網抄紙機等を用いて
抄造され、平滑度向上の目的で、抄紙後にマシンカレン
ダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカ
レンダー処理することが好ましい。具体的には、上質
紙、アート紙、コート紙、片艶紙、含浸紙、板紙などが
挙げられる。又、平滑性向上のために、顔料を含有した
樹脂層でコートした紙も好適に用いることができる。具
体的には、白色微粒子を含有するポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂のラミネート層を設
けた紙等が挙げられる。この際に用いられる基紙は、平
滑性を持たせるためにベック平滑度50秒以上にするのが
好ましく、100秒以上、更には200秒以上の平滑性を有す
ることがより好ましい。更に、紙中には必要に応じてサ
イズ剤、定着剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、染
料、顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤、減摩剤等の添加剤
が含まれていてもよい。
【0020】本発明における基材の厚みは通常2〜300
μm、好ましくは4.5〜150μmであり、このような範囲の
中から適宜に選定される。
【0021】中間層は感光性層と基材とを適切な接着力
で接合する層である。この接着力及び感光性層との凝集
力の関係を満足させられるものであれば、公知の粘着
剤、接着剤組成物が中間層として使用可能である。本発
明における凝集力とは感光性層、中間層を破断するのに
要する単位面積当りの力を意味する。
【0022】粘着剤、接着剤組成物として好適に使用さ
れる化合物の具体例を挙げれば、天然ゴム、メタクリル
酸メチル又はスチレン又はアクリロニトリルモノマーを
グラフトした天然ゴム、環化天然ゴム、塩化天然ゴム、
イソプレンゴム、トランスポリイソプレンゴム、ポリブ
タジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、ニトリル
ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン-
プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、エ
チレン-酢酸ビニルゴム、アクリルゴム、エチレン-アク
リルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム類
や、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレンブロッ
ク共重合体(SBS)、SBSのポリブタジエンを水素添加し
たSEBS、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレンブ
ロック共重合体(SIS)等のスチレン系熱可塑性エラス
トマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ
ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可
塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマ
ー、1.2-ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチ
レン-酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビ
ニル系熱可塑性エラストマー、天然ゴム系熱可塑性エラ
ストマー、弗素ゴム系熱可塑性エラストマー、トランス
-ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリ
エチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラスト
マー類や、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリカプロラクトン樹脂、エポキシ樹脂、
フェノキシ樹脂、ゴム系樹脂等の熱可塑性樹脂である。
【0023】上記粘着剤、接着剤組成物として好適に使
用される化合物は単独で又は2種以上混合して使用する
ことができる。更に、上記化合物には、接着力及び凝集
力を調整する目的で熱溶融性化合物、可塑剤、充填剤等
を含有させることができる。
【0024】熱溶融化合物としては、可塑剤、充填剤と
しては、後述の感光性層において挙げるものと同様のも
のが使用できる。
【0025】中間層は、更に必要に応じて紫外線吸収
剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を添加させることができ
る。中間層は基材上に0.5〜50μmの乾燥膜厚で設けられ
ることが好ましく、特に好ましくは0.5〜30μmである。
【0026】中間層の形成方法としては、基材上又はカ
バーシート上に形成した感光性層上に中間層組成物をホ
ットメルト押出しで形成する方法、中間層組成物を水あ
るいは適当な有機溶剤に分散又は溶解して基材上又はカ
バーシート上に形成した感光性層上に塗布・乾燥して形
成する方法が用いられる。
【0027】感光性層は、少なくともエチレン性不飽和
結合を有する重合可能な化合物、光重合開始剤及び着色
剤を含有しており、本発明においては、重合可能な化合
物の一部又は全部が常温固体で有ることを特徴としてい
る。
【0028】本発明における常温固体の重合可能な化合
物とは、20℃において固体又は半固体状の化合物を指
し、例えばペンタエリスリトールジアクリレートモノス
テアレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、イソシアヌル酸エチレンオキシド(EO)変性トリ
アクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジメタク
リレート、メトキシポリエチレングリコール#1000メタ
クリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級
化物、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレー
ト、ベヘニルメタクリレート、ジブロモネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、トリブロモフェニルアクリ
レート、EO変性トリブロモフェノールアクリレート、
EO変性トリブロモフェノールメタクリレート、EO変
性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、EO
変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、
水添化ビスフェノールAジアクリレート、メタクリル酸
マグネシウム塩等を挙げることができるが、特に好まし
くは、重合可能な化合物の一部又は全てが、少なくとも
1種以上の融点40℃以上、好ましくは50℃以上の固体の
重合可能な化合物を含有する系である。
【0029】又、エチレン性不飽和結合を有する常温固
体の重合可能な樹脂としては、適当な分子量のオリゴマ
ーである脂肪族系ウレタン(メタ)アクリレート等が挙
げられる。この他に特開平2-58058号記載の化合物など
を挙げることができ、本発明においては、これらの常温
固体のモノマーあるいはプレポリマーを1種又は2種以
上混合して用いることができる。
【0030】更に本発明においては、感度・膜物性の改
良の目的から、常温液状のエチレン性不飽和結合を有す
る公知の重合可能な化合物を1種又は2種以上併用する
ことができる。
【0031】このようなエチレン性不飽和結合を有する
重合可能な化合物としては、架橋可能な公知のモノマー
を特に制限なく使用することができる。具体的モノマー
として、例えば2-エチルヘキシルアクリレート、2-ヒド
ロキシエチルアクルレート、2-ヒドロキシプロピルアク
リレート等の単官能アクリル酸エステル及びその誘導
体、あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、
イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化
合物;ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレート、ビスフェノールAジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε-カプロラクトン付加物のジアクリレート等の
2官能アクリル酸エステル及びその誘導体、あるいはこ
れらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、
クロトネート、マレエート等に代えた化合物;あるいは
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、ピロガロールトリア
クリレート等の多官能アクリル酸エステル及びその誘導
体、あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、
イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化
合物等を挙げることができる。
【0032】又、エチレン性不飽和結合を有する樹脂
は、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸又はメタア
クリル酸を導入し、光重合性を付与した、いわゆるプレ
ポリマーと呼ばれるものも好適に使用できる。この他に
特開昭58-212994号、同61-6649号、同62-46688号、同62
-48589号、同62-173295号、同62-187092号、同63-671
89号、特開平1-244891号等に記載の化合物などを挙げる
ことができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報
社,286〜294頁に記載の化合物、「UV・EB硬化ハン
ドブック(原料編)」高分子刊行会,11〜65頁に記載の
化合物なども好適に用いることができる。
【0033】エチレン性不飽和結合を有する重合可能な
化合物は、感光層形成組成物中、通常5重量%以上、よ
り好ましくは15重量%以上にするのが好ましく、その
内、常温で固体又はワックス状化合物は、エチレン性不
飽和結合を有する重合可能な化合物総量の5重量%以上
であることが好ましく、15重量%以上がより好ましい。
【0034】感光性層に用いられる光重合開始剤として
は、例えばフォトポリマーハンドブック(フォトポリマ
ー懇話会編:工業調査会発行,1989年)の39〜56頁に記
載の公知の光重合開始剤を任意に用いることが可能であ
るが、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物を
用いることにより感光性層の分光増感が容易に行え、従
って画像形成を紫外〜近赤外領域の任意の光源で行うこ
とができる。特に赤〜近赤外に感度を持たせることによ
り、近年、進歩の著しい半導体レーザーでの走査露光が
可能となり、高感度なデジタル画像形成材料として使用
することができる。
【0035】
【化1】
【0036】式中、Dye+はカチオン性色素、Mk+は遷移
金属配位錯体カチオンを表す。
【0037】R1、R2、R3及びR4は同じでも異なって
もよく、各々、アルキル基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基、複素環基又はシアノ基を表し、これ
らのアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニ
ル基、複素環基は更に置換基を有してもよい。ただし、
1、R2、R3及びR4の少なくとも一つは置換されても
よいアルキル基である。又、R1、R2、R3及びR4は2
個以上が互いに結合して環を形成してもよい。
【0038】R5及びR6は各々、水素原子、ハロゲン原
子又は1価の置換基を表す。
【0039】Xはヒドロキシル基又は−N(R7)(R8)基
(R7及びR8は各々、水素原子又は置換されてもよいア
ルキル基を表し、R5、R6又はR7は互いに結合して環
を形成してもよい)Mは遷移金属原子を表す。
【0040】kは1〜3、jは2又は3、mは1〜5、
nは1〜4の、それぞれ整数を表す。
【0041】Dye+で表されるカチオン性色素の具体例と
しては、特開昭62-143044号、同63-208036号、同64-842
45号、同64-88444号、特開平1-152108号、同3-202609号
等に記載されているものを用いることができる。好まし
い化合物の具体例を化合物群Aに挙げる。
【0042】≪化合物群A≫
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】
【化5】
【0047】Mk+で表される遷移金属配位錯体カチオン
の具体例としては、下記化合物群Bに挙げるものの以外
に特開平4-261405号等に記載のものを用いることができ
る。
【0048】≪化合物群B≫
【0049】
【化6】
【0050】 Mk+j k X R9101234 Co2+ 2 2 N(C2H5)2 NHCOC3H7(i) CH3 Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C2H5)2 NHCOC3H7(i) CH3 Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C2H5)(C2H4NHSO2CH3) Cl CH3 Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C2H5)(C2H4NHCOCH3) H CH3 Ph Ph Ph Bu Fe2+ 2 2 N(C2H5)(C2H4OH) CH3 CH3 Ph Ph Ph Bu Ir3+ 2 3 N(C2H5)2 NHCOC3H7(i) CH3 Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C2H5)2 CONHC4H9 CH3 Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C2H5)2 CONHC4H9 CH3 Ph Ph Ph iPr Co2+ 2 2 N(C2H5)2 NHCOC3H7(i) H Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C2H5)2 NHSO2CH3 CH3 Ph Ph Ph Bu Ru2+ 3 3 N(C2H5)2 NHCOC3H7(i) CH
Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C NHC
OC(i) CHNHSOCH Ph Ph Ph Bu Co2+ 2 2 N(C SO
N(C CH Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C NHC
OC(i) NHCOCH Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C)(CNHSOCH) Cl
CH Ph Ph Ph Bu Fe2+ 2 2 N(C NHC
ONHC(i) CH Ph Ph Ph Bu Ru2+ 2 2 N(C NHC
OC(i) CH Bu Bu Bu Bu Ru2+ 2 2 N(C NHC
OC(i) CH Ph Ph Ph Bz
【0051】
【化7】
【0052】ここでPh:phenyl,Bu:buthyl,iPr:i-
propyl,Bz:benzylを表す。
【0053】
【化8】
【0054】M2+11 Ru2+ Cl Ru2+ NHCOC3H7(i) Co2+ Cl 前記一般式(1)又は(2)で表される光重合開始剤
は、予め色素アニオン部を硼素酸にしたものを例示して
あるが、この化合物を添加しても、又、任意のアニオン
部を有する色素と下記一般式(3)で表される硼素酸塩
化合物を共存させ、感光性層内、又は感光性層塗工液中
でイオン交換により一般式(1)で表される化合物を生
成させても同様の機能を発現させることが可能である。
更に一般式(1)又は(2)の光重合開始剤を用いる場
合には、感度向上の目的で一般式(3)で表される硼素
酸塩を添加することが好ましい。
【0055】
【化9】
【0056】式中、R1、R2、R3及びR4は前記一般式
(1)又は(2)で定義されたものと同義であり、X+
はカウンターカチオン(例えばアルカリ金属カチオン、
アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどの周
期表5A族オニウム化合物、スルホニウム、テルロニウム
などの6A族オニウム化合物等)を表す。該化合物の具体
例は特開昭64-13142号、特開平2-4804号等に記載されて
いる。
【0057】感光性層には必要に応じてバインダー樹脂
が用いられる。バインダー樹脂としては、ポリエステル
系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリ
カプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、尿素
樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ゴム系樹脂等が
挙げられる。又、樹脂内に不飽和結合を有する樹脂、例
えばジアリルフタレート樹脂及びその誘導体、塩素化ポ
リプロピレンなどは前述のエチレン性不飽和結合を有す
る化合物と重合させることが可能なため用途に応じて好
適に用いることができる。バインダー樹脂として上記樹
脂の中から、1種又は2種以上のものを組み合わせて用
いることができるが、特に好ましくは(メタ)アクリル
系樹脂である。
【0058】本発明における(メタ)アクリル系樹脂と
は、前記エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合
物を1種以上と、例えばスチレン、アクリロニトリル、
アクリルアミド等の共重合可能な化合物を1種以上組み
合わせて、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト
共重合などの方法で得られる樹脂を言う。
【0059】これらのバインダー樹脂は、前記エチレン
性不飽和結合を有する重合可能な化合物100重量部に対
して500重量部以下、より好ましくは200重量部以下の範
囲で添加・混合して使用するのが好ましい。
【0060】本発明の感光性層は、含有せしめる着色剤
により、少なくとも350〜500nmの波長範囲において吸光
度(本発明における吸光度とは透過濃度を意味する)が
3.0以上になるよう構成されている。
【0061】着色剤としては、カーボンブラック、酸化
チタン、酸化鉄、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、
アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料等や、クリ
スタルバイオレット、メチレンブルー、アゾ系染料、ア
ントラキノン系染料、シアニン系染料等の公知の顔料及
び/又は染料が挙げられる。
【0062】これら着色剤を1種又は2種以上を組み合
わせて感光性層に含有せしめ、前記吸光度を満足させる
添加量としては、感光性層形成組成物中10〜80重量%が
好ましく、より好ましくは15〜70重量%である。
【0063】感光性層内へ着色剤を添加せしめるために
は、着色剤以外の感光性層組成物内に、着色剤をサンド
ミル、ボールミル、アトライター、超音波分散機、ジェ
ットミル、ホモジナイザー、遊星ミル等公用の装置を用
いて分散混合し、更に必要に応じて塗工液を濾過して使
用すればよい。着色剤の一部(又は1種)を感光性層内
に均一に溶解させて用いることも本発明では好ましい。
【0064】本発明の感光性層には、目的を損なわない
範囲で増感剤、熱重合禁止剤、熱溶融性化合物、酸素捕
捉剤、可塑剤等の他の成分を含有せしめることは任意で
ある。
【0065】増感剤としては特開昭64-13140号に記載の
トリアジン系化合物、特開昭64-13141号に記載の芳香族
オニウム塩、芳香族ハロニウム塩、特開昭64-13143号に
記載の有機過酸化物、特公昭45-37377号や米国特許3,65
2,275号に記載のビスイミダゾール化合物、チオール類
等が挙げられる。増感剤の添加量は、エチレン性不飽和
結合を有する重合可能な化合物とバインダーの合計量10
0重量部に対して10重量部以下、好ましくは0.01〜5重
量部程度が好ましい。
【0066】熱重合防止剤としてはキノン系、フェノー
ル系等の化合物が好ましく用いられる。例えば、ハイド
ロキノン、ピロガロール、p-メトキシフェノール、カテ
コール、β-ナフトール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾー
ル等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する重合
可能な化合物とバインダーの合計量100重量部に対して1
0重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部程度が添加さ
れる。
【0067】酸素クエンチャーとしてはN,N-ジアルキル
アニリン誘導体が好ましく、例えば米国特許4,772,541
号の第11カラム58行目〜第12カラム35行目に記載の化合
物が挙げられる。
【0068】可塑剤としては、フタル酸エステル類、ト
リメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、その
他飽和あるいは不飽和カルボン酸エステル類、枸櫞酸エ
ステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、ス
テアリン酸エポキシ類、正燐酸エステル類、亜燐酸エス
テル類、グリコールエステル類などが挙げられる。
【0069】熱溶融性化合物としては、常温で固体であ
り、加熱時に可逆的に液体となる化合物が用いられる。
熱溶融性物質としては、テルピネオール、メントール、
1,4-シクロヘキサンジオール、フェノール等のアルコー
ル類;アセトアミド、ベンズアミド等のアミド類;クマ
リン、桂皮酸ベンジル等のエステル類;ジフェニルエー
テル、クラウンエーテル等のエーテル類;カンファー、
p-メチルアセトフェノン等のケトン類;バニリン、ジメ
トキシベンズアルデヒド等のアルデヒド類;ノルボルネ
ン、スチルベン等の炭化水素類;マルガリン酸等の高級
脂肪酸、エイコサノール等の高級アルコール、パルミチ
ン酸セチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸アミ
ド等の高級脂肪酸アミド、ベヘニルアミン等の高級アミ
ンなどに代表される単分子化合物;蜜蝋、キャンデリラ
ワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モ
ンタン蝋、カルナバワックス、アミドワックス、ポリエ
チレンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの
ワックス類;エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロ
ジンフェノール樹脂等のロジン誘導体;フェノール樹
脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、テルペン系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカプロラクトン系樹
脂;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのポリオレフィンオキサイドなどに代表される高
分子化合物などを挙げることができる。
【0070】更に必要に応じて、感光性層には酸化防止
剤、フィラー(充填剤)、帯電防止剤などを添加しても
よい。
【0071】酸化防止剤としては、クロマン系化合物、
クラマン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノ
ン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系
化合物、硫黄系化合物、燐系化合物などが挙げられ、特
開昭59-182785号、同60-130735号、同61-159644号、特
開平1-127387号、「11290の化学商品」(前出)862〜86
8頁等に記載の化合物及び写真その他の画像記録材料に
耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げること
ができる。
【0072】フィラーとしては無機微粒子や有機樹脂粒
子を挙げることができる。この無機微粒子としてはシリ
カゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、タルク、クレー、カオリン、酸性白土、活性
白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子とし
ては弗素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂
粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子、帯電防止剤とし
ては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、
非イオン性界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒
子などの他、前出の「11290の化学商品」875〜876頁な
どに記載の化合物なども好適に用いられる。
【0073】感光性層は単層で形成されてもよいし、2
層以上の複数層で構成されてもよい。又、複数層で構成
する場合は組成の異なる感光層で構成してもよく、この
場合は着色剤を含有しない感光層を含んでもよい。感光
性層の厚みは0.2〜10μmが好ましく、より好ましくは0.
5〜5μmである。製版用フィルム用途においては、この
膜厚範囲内で、少なくとも500nm以下の波長範囲の吸光
度が3.0以上となるよう構成されることが好ましい。
【0074】感光性層は、形成成分を溶媒に分散又は溶
解して塗工液を調製し、前記中間層上に直接積層塗布・
乾燥するか、又は後述するカバーシート上に塗布・乾燥
して形成される。
【0075】上記塗工法に用いる溶媒としては、水、ア
ルコール類(例えばエタノール、プロパノール等)、セ
ロソルブ類(例えばメチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン、クロル
ベンゼン等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチ
ルケトン等)、エステル系溶剤(例えば酢酸エチル、酢
酸ブチル等)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等)、塩素系溶剤(例えばクロロホル
ム、トリクロルエチレン等)、アミド系溶剤(例えばジ
メチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等)、ジメチ
ルスルホキシド等が挙げられる。
【0076】塗工には、従来から公知のグラビアロール
による面順次塗別け塗布法、押出し塗布法、ワイヤーバ
ー塗布法、ロール塗布法等を採用することができる。
【0077】カバーシートは、感光性層表面に塗工法で
設けた樹脂層、転写箔のように樹脂層を転写したもの、
あるいは樹脂フィルムをラミネートしたものなど用途に
応じて適宜用いることができるが、特に好ましくは樹脂
フィルムである。カバーシートは酸素透過性が低く、か
つ露光光源の波長を吸収及び/又は散乱し難いものが用
いられる。特に波長凡そ300〜2000nmにおいて透過率が4
0%以上、好ましくは60%以上であり、表面平滑性が高
いものが好ましい。
【0078】カバーシートに用いられる樹脂は、ポリビ
ニルアルコール系樹脂、ポリエレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;メ
チルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙
げられ、更には基材として用いることのできる樹脂フィ
ルム、自己支持性のある離型層形成樹脂も好適に用いる
ことができる。
【0079】カバーシートに表面処理を施して置くこと
も好ましく、この表面処理の方法としては、コロナ放電
処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処
理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プ
ラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理など公知
の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。
具体的には「高分子表面の基礎と応用(下)」化学同
人,2章、及び/又は「高分子新素材便覧」丸善,8章
等に記載の方法を参照でき、それらを1種あるいは2種
以上を併用することもできる。特にコロナ放電処理、プ
ライマー処理が好ましい。カバーシートの厚みは通常1
〜200μmが好ましく、5〜125μmがより好ましい。
【0080】画像形成材料の作成方法は、基材上に形成
した中間層と、カバーシート上に塗布形成した感光性層
とを加熱及び/又は加圧下に積層することである。
【0081】本発明では、上述の基材、中間層、感光性
層、カバーシートの他に、接着性、剥離性、密着性、バ
リア性、保存性等の改良のために他の層を設けてもよ
い。
【0082】次に、本発明の画像形成材料を用いての画
像形成方法について説明する。
【0083】画像を形成させるための光源としては、光
重合開始剤に対し活性な電磁波を発生させるものは全て
用いることができる。例えばレーザー、発光ダイオー
ド、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カー
ボンアーク灯、メタルハライドランプ、タングステンラ
ンプ、高圧水銀ランプ等を挙げることができる。
【0084】キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボ
ンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンラン
プ、高圧水銀ランプ等を用いて一括露光する場合には、
画像形成材料のカバーシート側に、所望露光画像のネガ
パターンを遮光性材料で形成したマスク材料を重ね合わ
せ露光すればよい。
【0085】発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を
使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドラン
プ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等の光
学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像信号
に応じたデジタル露光をすることが可能である。この場
合はマスク材料を使用せず、直接書き込みを行うことが
できる。
【0086】レーザーの場合には、光をビーム状に絞
り、画像データに応じた走査露光が可能なため、マスク
材料を使用せず、直接書き込みを行うのに適している。
又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を
微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形
成が可能となる。
【0087】レーザー光源としては、アルゴンレーザ
ー、He-Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー
等を用いることが可能であり、特に前記の近赤外領域に
感度を有する光重合開始剤を用いた場合には、比較的小
型かつ安価で高出力の得られ易い半導体レーザーを好適
に使用することができる。好ましく用いられる半導体レ
ーザーの組成とその発振波長範囲を例示すれば、InGaP
レーザー(0.65〜1.0μm)、AlGaAsレーザー(0.7〜1.0
μm)、GaAsPレーザー(0.7〜1.0μm)、InGaAsレーザ
ー(1.0〜3.5μm)、InAsPレーザー(1.0〜3.5μm)、C
dSnP2レーザー(1.01μm)、GaSbレーザー(1.53μm)
等である。
【0088】露光後の画像形成材料は、感光性層の露光
部と未露光部のカバーシートへの接着性変化を利用し
て、露光後にカバーシートと基材とを必要に応じて加熱
及び/又は加圧しながら一定速度、一定角度で剥離する
ことで露光部又は未露光部よりなる画像をカバーシート
又は基材上に安定して形成することができる。剥離条件
は用いる画像形成材料により最適領域が異なるが、一般
的には90度以上の大きな剥離角度であることが好まし
い。
【0089】必要に応じて形成後の画像の重合を完了さ
せるため画像後露光を行うことができる。
【0090】後露光工程で照射される光は、レーザー、
キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボン
アーク灯、メタルハライドランプ、タングステンラン
プ、赤外線ランプ、高圧水銀灯、蛍光灯、日光等、感光
性層に添加されている光重合開始剤に作用するものであ
れば公知の如何なる光源も使用することができる。
【0091】露光強度、露光時間は、画像形成材料とし
て実用上問題ない程度に硬化することができれば、感光
性層の組成及び層構成、露光装置の条件により適宜設定
すればよい。この場合は一括露光であっても走査露光で
あっても同様の効果が得られる。
【0092】後加熱硬化は、公知の如何なる加熱方法も
使用できる。加熱温度、加熱時間は、少なくとも画像と
して実用上問題ない程度に硬化できれば、感光性層の組
成及び層構成、加熱装置の条件により適宜設定すればよ
い。
【0093】
【実施例】以下、実施例を以て本発明の説明を行うが、
これら実施例に限定されるものではない。なお、実施例
における「部」は「重量部」を示す。
【0094】実施例1 厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム(ダイアホイルヘキスト社製:T-100)上に、下
記の組成からなる中間層をワイヤーバー塗布により乾燥
膜厚が15μmとなるように塗工して中間層付き基材を作
成した。
【0095】中間層 エチレン/酢酸ビニル共重合体 15部 (三井デュポンポリケミカル製:エバフレックスEV-210) トルエン 85部 コロナ放電処理(80W/m2/min)を施した厚さ50μmの
PETフィルム(ダイアホイルヘキスト社製:T-100)
上に、下記組成からなる感光性層組成物をワイヤーバー
塗布により乾燥膜厚が4μmとなるように感光性層を設け
た。この時の画像形成材料の吸光度は350〜500nm以下の
範囲で最低3.2であった。
【0096】感光性層組成物 EO変性テトラブロモBPAジメタクリレート 15.0部 (第一工業製薬製:ニューフロンティアGX6094,融点72℃) ペンタエリスリトールトリアクリレート 15.0部 (東亜合成化学工業製:ARONIX M305,液体) ポリメチルメタクリレート樹脂 30.0部 (三菱レーヨン製:ダイアナールBR-83) イエロー顔料のメチルエチルケトン分散物 12.0部(固形分) (御国色素製 MHI-534) マゼンタ顔料のメチルエチルケトン分散物 12.0部(固形分) (御国色素製:MHI-890) シアン顔料のメチルエチルケトン分散物 12.0部(固形分) (御国色素製:MHI-454) シアニン色素(日本化薬製:Kayasorb CY-10) 0.6部 リチウムブチルトリフェニルボレート 1.7部 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.9部 メチルエチルケトン 400部 中間層付き基材の中間層面と感光性層面を重ね合わせ、
100℃・1.2kg/cm2・10mm/secの条件下で一対の熱圧ロ
ール間を通過させて画像形成材料を作成した。
【0097】作成した画像記録媒体のカバーシート側か
ら下記の条件で画像様に走査露光を行った。
【0098】 光源:LT090MD(シャープ製,出力100mW,主波長830n
m), 光学効率:67%,露光ビーム径:10μm,露光ピッチ:
6μm 露光後の画像形成材料の基材とカバーシートとを25℃・
80cm/secで剥離したところ、カバーシート側に露光部
よりなる画像が鮮明に得られ、未露光部は全て中間層上
に引き抜かれた。
【0099】上記のようにして得られた露光部画像の吸
光度は350〜500nmの波長域で最低3.2であり、露光前の
感光性層の吸光度を保持していた。解像性は10μmの線
幅を良好に再現していた。又、画像形成に必要な露光エ
ネルギーは20mJ/cm2であった。
【0100】実施例2 感光性層組成物を以下のものに変更し、乾燥膜厚2.5μm
となるように塗布形成した以外は実施例1と同様にして
画像形成材料を作成した。この感光性層の吸光度は350
〜500nmの範囲で最低4.3であった。
【0101】感光性組成物層 EO変性テトラブロモBPAジメタクリレート 20.0部 (ニューフロンティアGX6094:前出) ペンタエリスリトールトリアクリレート 20.0部 (ARONIX M305:前出) ポリエステル(三洋化成工業製:KSA83) 40.0部 カーボンブラックのメチルエチルケトン 20.0部(固形分) (MEK)分散物(御国色素製:DM-022) 2-メチルアントラキノン 2.0部 ハイドロキノン 0.05部 メチルエチルケトン 400部 作成した画像形成材料に、明室感材用プリンターにより
下記の条件で網ネガを感光性層支持体側より密着露光し
た。
【0102】光源:P-627-HA,大日本スクリーン製 露光チャート:コニカステップタブレットタイプTPS-B 露光量:60カウント(約30mJ/cm2) 露光後の画像形成材料の中間層付き基材とカバーシート
を、25℃・80cm/secで剥離した。中間層付き基材の中
間層上に感光性層の未露光部よりなる画像が、カバーシ
ート側には感光性層の露光部よりなる画像が形成され
た。
【0103】上記のようにして得られた画像の吸光度
は、両者共350〜500nmの波長域で4.0以上であり、解像
性は6μmの線幅を良好に再現しており、網点300線/吋
の10%〜80%までの網点を良好に再現していた。
【0104】更に、カバーシート側に形成された感光性
層露光部よりなる画像を、製版フィルムとして用いてネ
ガ型PS版へ密着焼付け現像を行ったところ、非画像部の
汚れの全くない良好な印刷版が作成できた。
【0105】実施例3〜7 実施例2の感光性組成物を以下のように変更した以外は
実施例2と同様にして画像形成材料を作成し、同様に画
像形成を行った。
【0106】感光性組成物層 (実施例3) EO変性テトラブロモBPAジメタクリレート 40.0部 (ニューフロンティアGX6094:前出) ポリエステル(KSA83:前出) 40.0部 カーボンブラックのMEK分散物(DM-022:前出) 20.0(固形分) 2-メチルアントラキノン 2.0部 ハイドロキノン 0.05部 メチルエチルケトン 400部感光性組成物層 (実施例4) EO変性テトラブロモBPAジメタクリレート 20.0部 (ニューフロンティアGX6094:前出) イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 20.0部 (東亜合成化学工業製:ARONIX M315,融点52℃) ポリエステル 40.0部 (KSA83:前出) カーボンブラックのMEK分散物(DM-022:前出) 20.0部(固形分) 2-メチルアントラキノン 2.0部 ハイドロキノン 0.05部 メチルエチルケトン 400部感光性組成物層 (実施例5) EO変性テトラブロモBPAジメタクリレート 40.0部 (ニューフロンティアGX6094:前出) ポリメチルメタクリレート樹脂 40.0部 (ダイアナールBR-80:前出) カーボンブラックのMEK分散物(DM-022:前出) 20.0部(固形分) 2-メチルアントラキノン 2.0部 ハイドロキノン 0.05部 メチルエチルケトン 400部感光性組成物層 (実施例6) イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 40.0部 (ARONIX M315:前出) ポリメチルメタクリレート樹脂 40.0部 (ダイアナールBR-80:前出) カーボンブラックのMEK分散物(DM-022:前出) 20.0部(固形分) 2-メチルアントラキノン 2.0部 ハイドロキノン 0.05部 メチルエチルケトン 400部感光性組成物層 (実施例7) トリブロモフェニルアクリレート 40.0部 (第一工業製薬製:ニューフロンティアBR30,融点75℃) ポリメチルメタクリレート樹脂 40.0部 (ダイアナールBR-80:前出) ポリビニルブチラール 5.0部 (積水化学工業製S-LEC BL1) カーボンブラックのMEK分散物(DM-022:前出) 20.0部(固形分) 2-メチルアントラキノン 2.0部 ハイドロキノン 0.05部 メチルエチルケトン 400部 比較例1,2 実施例2の感光性組成物を以下のように変更した以外は
実施例2と同様にして画像形成材料を作成し、同様に画
像形成を行った。
【0107】感光性組成物層 (比較例1) ペンタエリスリトールトリアクリレート 40.0部 (ARONIX M305:前出) ポリエステル(KSA83:前出) 40.0部 カーボンブラックのMEK分散物(DM-022:前出) 20.0部(固形分) 2-メチルアントラキノン 2.0部 ハイドロキノン 0.05部 メチルエチルケトン 400部感光性組成物層 (比較例2) ペンタエリスリトールトリアクリレート 40.0部 (ARONIX M305:前出) ポリメチルメタクリレート樹脂 40.0部 (ダイアナールBR-80:前出) カーボンブラックのMEK分散物(DM-022:前出) 20.0部 2-メチルアントラキノン 2.0部 ハイドロキノン 0.05部 メチルエチルケトン 400部 実施例3〜7及び比較例1,2で作成した画像形成材料
を使用して実施例2と同様の評価を行った。それらの剥
離現像画像の網点再現性、画像部の均一性(網点品質)
及び350〜500nmの波長域での画像濃度を評価した。
【0108】 画像形成 網点再現性 網点品質 画像濃度 材 料 (300線/吋) 実施例3 10〜90% 良好 4.0以上 実施例4 10〜90% 良好 4.0以上 実施例5 5〜95% 非常に良好 4.0以上 実施例6 5〜90% 良好 4.0以上 実施例7 5〜95% 非常に良好 4.0以上 比較例1 解像せず × × 比較例2 20〜80% エッジ凹凸発生 4.0以上
【0109】
【発明の効果】本発明の画像形成材料への画像露光と剥
離現像によるドライ処理を組み合わせることにより、環
境上の問題や廃液処理及び大きな処理装置が必須の液体
処理をすることなく、簡便に高濃度、高解像度の画像形
成を十分な速度で行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹山 敏久 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 駒村 大和良 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に中間層、少なくともエチレン性
    不飽和結合を有する重合可能な化合物と光重合開始剤及
    び着色剤を含有する感光性層、活性光線透過性のカバー
    シートを、この順に積層した画像形成材料において、前
    記感光性層中の重合可能な化合物の一部又は全てが常温
    固体の化合物であることを特徴とする剥離現像可能な画
    像形成材料。
  2. 【請求項2】 常温固体の重合可能な化合物が50℃以上
    の融点を有することを特徴とする請求項1記載の剥離現
    像可能な画像形成材料。
  3. 【請求項3】 常温固体の重合可能な化合物が、感光性
    層中の固形分全重量の15%以上を占めることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の剥離現像可能な画像形成材料。
  4. 【請求項4】 基材上に中間層、少なくともエチレン性
    不飽和結合を有する重合可能な化合物と光重合開始剤及
    び着色剤を含有する感光性層、活性光線透過性のカバー
    シートを、この順に積層した画像形成材料において、前
    記感光性層中の重合可能な化合物の一部又は全てが常温
    固体の化合物であり、かつ前記感光性層が、ポリ(メ
    タ)アクリル酸及び/又はポリ(メタ)アクリル酸エス
    テルを含有することを特徴とする剥離現像可能な画像形
    成材料。
  5. 【請求項5】 常温固体の重合可能な化合物が50℃以上
    の融点を有することを特徴とする請求項4記載の剥離現
    像可能な画像形成材料。
  6. 【請求項6】 常温固体の重合可能な化合物が、感光性
    層中の固形分全重量の15%以上を占めることを特徴とす
    る請求項4又は5記載の剥離現像可能な画像形成材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1098223A1 (en) * 1999-11-03 2001-05-09 Shipley Company LLC Dry film photopolymerizable compositions

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1098223A1 (en) * 1999-11-03 2001-05-09 Shipley Company LLC Dry film photopolymerizable compositions
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