JP2004505292A - レーザー誘起熱転写記録プロセス - Google Patents

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Abstract

改善されたレーザー熱画像形成プロセスおよび本発明の改善されたプロセスを用いて得られた画像形成されたレーザー処理集積体が記載される。これらの改善されたプロセスは高速で有効に作動し、またこれらの改善されたプロセスに従って実施された熱画像形成によりレシーバ要素上に存在する画像に、高い画像濃度および優れた耐久性を与える。改善されたプロセスの1つの適用によりカラーフィルタ要素が得られる。

Description

【0001】
(関連出願)
これは1997年7月14日に出願された米国特許出願第08/891,775号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明はレーザー誘起熱転写画像形成(laser−induced thermal transfer imaging)を実施する改善されたプロセスに関する。より詳細には、それは、高速で有効に作動し、熱画像形成によりレシーバ要素(receiver element)上に存在する画像に大きな画像濃度および優れた耐久性を与える改善されたプロセスに関する。
【0003】
(発明の背景)
レーザー誘起熱転写プロセスはカラープルーフィングおよびリソグラフィなどの応用でよく知られている。このようなレーザー誘起プロセスには、例えば染料昇華、染料転写、溶融転写、およびアブレーション材料転写が含まれる。これらのプロセスは、例えばBaldockの英国特許第2,083,726号;DeBoerの米国特許第4,942,141号;Kelloggの米国特許第5,019,549号;Evansの米国特許第4,948,776号;Foley他の米国特許第5,156,938号;Ellis他の米国特許第5,171,650号;およびKoshizuka他の米国特許第4,643,917号に記載されている。
【0004】
レーザー誘起プロセスは、(a)画像形成成分すなわち転写される材料を含むドナー要素(donor element)、および(b)接触しているレシーバ要素を備えるレーザー処理集積体(laserable assemblage)を用いる。レーザー処理集積体はレーザー、通常赤外レーザーで画像状に露光されて、その結果ドナー要素からレシーバ要素への材料の転写が起こる。この(画像状)露光は、1回あたりでは、レーザー処理集積体の小さな選択された部分においてのみ起こるので、ドナー要素からレシーバ要素への材料の転写を1回あたり1画素とすることができる。コンピュータ制御は高解像度で高速の転写を可能にする。前記のようにレーザーで画像状に露光された後、レーザー処理集積体は画像形成されたレーザー処理集積体と呼ばれる。
【0005】
プルーフィング用の画像調製のためにまたフォトマスク作製において画像形成成分は着色剤である。リソグラフィ印刷版の調製では、画像形成成分は印刷でインクを受け取り転写する親油性材料である。
【0006】
レーザー誘起プロセスは高速でまた高解像度で材料の転写が起こる。しかし、多くの場合、得られる転写された材料は転写された画像に求められる耐久性をもたない。染料昇華プロセスでは、光に対する堅牢度が不足することが多い。アブレーションおよび溶融転写プロセスでは、固着性および/または耐久性の無さが問題となりうる。米国特許第5,563,019号および米国特許第5,523,192号には、改良された多層熱画像形成要素および関連するプロセスが開示され、転写画像の固着性および/または耐久性は実際に改良される。しかし、画像転写効率が改良されまた集積体の感度がより高い、尚いっそう改良された熱画像形成集積体および関連するプロセスが引き続き求められている。
【0007】
レリーフ画像をつくるのに用いることができる感光要素はよく知られている。感光性組成物は通常光開始剤、および化学作用性放射を照射されて光開始剤が活性化された後で開始剤と反応しうる成分を含む。この開始剤と第2成分の反応は、露光部を非露光部と区別しうるような、層の物理的性質の変化を生じさせる。
【0008】
現在当分野で知られている感光要素の画像状の露光は通常、感光層(例えば光画像形成および/または光重合層)をカバーする、透明あるいは不透明部分があるマスク(フォトマスク)であるフォトツール(phototool)の使用を必要とする。フォトツールは非画像部の露光および光反応を妨げ、その結果その画像を後で現像できる。フォトツールは、画像部が露光されるように、画像部で透明、すなわち化学作用性放射を透過させる。フォトツールは通常望まれる印刷画像の写真ネガ(あるいはポジ)である。最終画像に修正が必要である場合、新しいネガ(あるいはポジ)をつくらねばならない。これは時間のかかるプロセスである。さらに、フォトツールは温度および湿度の変化によりわずかに寸法変化することがある。したがって、同一のフォトツールが、別なときに異なる環境で用いられた場合、異なる結果を与えるかもしれず、見当合わせに問題を引起こす可能性がある。
【0009】
したがって、感光要素上にフォトツールをディジタル方式で記録することにより、フォトツールを何度も使用することおよび見当合わせの問題を起こさないように画像状露光の前にフォトツールを正確に位置づける必要性をなくすことが望ましい。
【0010】
さらに、液晶ディスプレイ(LCD)デバイスが、電力消費が非常に少ないことを求められるか、あるいは軽量で、2次元のフラットな表面が求められる状況で、ディスプレイにおいてますます重要になってきた。例えば、LCDは腕時計、ポケットおよびパーソナルコンピュータ、飛行機のコックピットディスプレイなどのディスプレイデバイスに使用されている。しかし、これらのモノクロディスプレイデバイスをカラーディスプレイ化することが求められている。カラーフィルターアレイ要素には通常、黒いモザイク状のパターンに赤、緑、および青の加色法原色が含まれる。カラーデバイスでは、各画素をカラーフィルターアレイのカラー部分、例えば赤、緑、あるいは青に整列させなければならない。表示される画像に応じて、1つまたは複数の画素電極に表示操作の間電圧が加えられて、その画素に関連するカラーフィルタ部分を通して、光を全く透過させないか、あるいはすべてまたは部分的に透過させることができる。使用者に知覚される画像は隣接するカラーフィルタ部分を透過する光により形成される混色である。
【0011】
LCDで主にコストがかかるのはカラーフィルタである。プロセスの複雑性、色純度、温度の安定性、およびパターンの忠実度などの複数のファクタのために、LCDのカラーフィルタ製造コストを下げることは非常に困難である。4つの別の製造方法、染料ゼラチン、着色フォトレジスト、電析および印刷がカラーフィルタ製造に有用であると考えられている。染料は高い透過率と色純度を与えるが、光および熱安定性の問題を抱える。電析では、電析に用いられる電極の形状が画素の配置を制限する。印刷法にはまたかなりのアラインメントおよび形状の問題がある。後の2つの方法は細かいドットパターンを形成することができず、したがって高度情報ディスプレイには用いられない。技術的にも経済的にも、着色フォトレジストを用いることが優れた品質および性能のカラーフィルタのための最も実行可能な方法であるので、それは一般にカラーフィルタの製造の好ましい方法である。全体の寸法および解像度がフォトレジストの用途に対して従来のフォトリソグラフィ材料を使用することを可能にしている。しかし、好ましい着色フォトレジスト法に関連する問題は、その材料がカラーフィルタを製造するために多くの(連続する約20〜30の)ステップおよび湿式化学処理を必要とすることである。
【0012】
したがって、LCDのカラーフィルタ化に対する増え続ける要求に答えるために、カラーフィルタアレイの製造を大幅に単純化してコストを下げることが求められている。
【0013】
(発明の概要)
レーザー誘起熱画像形成を実施する改善されたプロセスおよび改善されたプロセスに従って生成した、画像形成されたレーザー処理集積体が本明細書で開示される。これらの改善されたプロセスは、比較(従来技術)のプロセスに対してより高い感度をもつことに特徴がある。さらに、レーザー画像形成でレシーバ要素に画像を形成するこれらの改善されたプロセスはまた、比較(従来技術)のプロセスに対して、より耐久性があり、光学濃度がより高く、また露光時間が変更されたときに光学濃度で測定される変化が少ないということに特徴がある。
【0014】
第1の実施形態において、本発明は、
(1)(A)(a)第1のポリマーを含む少なくとも1つの可撓性放出層(flexible ejection layer);
(b)少なくとも1つの加熱層;および
(c)外側表面を有しまた(i)分解温度T<350℃である第2のポリマーおよび(ii)画像形成成分を含む少なくとも1つの転写層を、転写プロセスの間ドナー要素は支持体を含まないという条件で、列挙された順序で含むドナー要素;および
(B)ドナー要素の転写層(c)の外側表面と接触するレシーバ要素を含むレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光することを含み、エネルギー密度が約440mJ/cm以下のレーザーで画像状レーザー露光が実施され、転写層の実質的な部分がレシーバ要素に転写され、さらに
(2)ドナー要素をレシーバ要素から引き離すこと
を含むレーザー誘起熱転写プロセスである。
【0015】
第2の実施形態において、本発明は(第1の実施形態としての)前記のプロセスに従って製造された耐久性がある画像形成されたレーザー処理集積体である。
【0016】
第3の実施形態において、本発明は、
(1)(A)(a)支持体
(b)第1のポリマーを含む少なくとも1つの可撓性放出層;
(c)少なくとも1つの加熱層;および
(d)外側表面を有しまた(i)分解温度T<350℃である第2のポリマーおよび(ii)画像形成成分を含む少なくとも1つの転写層を、列挙された順序で含むドナー要素;
(B)ドナー要素の転写層(d)の外側表面と接触するレシーバ要素を含むレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光することを含み、エネルギー密度が約440mJ/cm以下のレーザーで画像状レーザー露光が実施され、転写層の実質的な部分がレシーバ要素に転写され、さらに
(2)ドナー要素をレシーバ要素から引き離すこと
を含むレーザー誘起熱転写プロセスである。
【0017】
第4の実施形態において、本発明は(第3の実施形態としての)前記のプロセスに従って製造された耐久性がある画像形成されたレーザー処理集積体である。
【0018】
第5の実施形態において、本発明は、
(1)(A)(a)引張り弾性率が、<=2.5ギガパスカルである可撓性ボトム層;
(b)第1のポリマーを含む少なくとも1つの可撓性放出層;
(c)少なくとも1つの加熱層;および
(d)外側表面を有しまた(i)分解温度T<350℃である第2のポリマーおよび(ii)画像形成成分を含む少なくとも1つの転写層を、転写プロセスの間ドナー要素は支持体を含まないという条件で、列挙された順序で含むドナー要素;および
(B)ドナー要素の転写層(d)の外側表面と接触するレシーバ要素を含むレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光することを含み、画像状レーザー露光が約440mJ/cm以下のエネルギー密度のレーザーで実施され、転写層の実質的な部分がレシーバ要素に転写され、さらに
(2)ドナー要素をレシーバ要素から引き離すこと
を含むレーザー誘起熱転写プロセスである。
【0019】
第6の実施形態において、本発明は(第5の実施形態としての)前記のプロセスに従って製造された耐久性がある画像形成されたレーザー処理集積体である。
【0020】
第7の実施形態において、本発明は、
(1)(A)(A1)レシーバ支持体;
(A2)バインダ、少なくとも1種の光硬化成分、および開始剤を含む光硬化層;
(A3)任意選択で、バリヤ層;および
(A4)任意選択で、カバーシートを、順に含む感光性レシーバ要素;
(B)(B1)第1のポリマーを含む少なくとも1つの可撓性放出層;
(B2)少なくとも1つの加熱層;
(B3)外側表面を有しまた(i)分解温度T<350℃である第2のポリマーおよび(ii)画像形成成分を含む少なくとも1つの転写層を、順に含むドナー層を含むレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光することを含み、
転写層(B3)の外側表面が光硬化層(A2)、任意選択のバリヤ層(A3)、および任意選択のカバーシート(A4)から選択される、感光性レシーバ要素の1つの層に隣接しまた接触し;画像状の露光により転写層(B3)の露光部が感光性レシーバ要素の隣接層に転写され;またエネルギー密度が約440mJ/cm以下のレーザーで画像状のレーザー露光が実施され、転写層の実質的な部分がレシーバ要素に転写され、さらに、
(2)ドナー要素をレシーバ要素から引き離して、感光性レシーバ要素上にフォトマスクを形成すること
を含むレーザー誘起熱転写プロセスである。
【0021】
第8の実施形態において、本発明は(第7の実施形態としての)前記のプロセスに従って製造された耐久性がある画像形成されたレーザー処理集積体である。
【0022】
第9の実施形態において、本発明は前記のレーザー誘起熱転写プロセスを用いるカラーフィルタ要素の製造方法である。
【0023】
(発明の詳細な説明)
レーザー誘起熱転写画像形成を実施する改善されたプロセスが開示されている。本発明の改善されたプロセスを用いるレーザー画像形成はレーザー処理集積体を用いて実施され、レーザー処理集積体は、(a)画像形成成分、すなわち転写される材料を含むドナー要素、および(b)接触しているレシーバ要素を備える。レーザー処理集積体はレーザー、通常は赤外レーザーにより画像状に露光されて、ドナー要素からレシーバ要素に画像状に(例えば、一回あたり1画素で)材料の転写が起こる。露光および材料の画像状転写により得られたレーザー処理集積体は画像形成されたレーザー処理集積体と呼ばれる。画像形成の後多くの事例で画像形成されたレーザー処理集積体は2つの部分−画像形成されたドナー要素および画像形成されたレシーバ要素−に引き離される。画像形成されたドナー要素および/または画像形成されたレシーバ要素は通常、本発明に従ってつくられた画像形成された生成体を表す。
【0024】
本発明の改善されたプロセスをさらに詳細に説明する前に、いくつかの異なる代表的レーザー処理集積体を記載する。本発明のプロセスは高速であり、また好ましくはこれらの代表的レーザー処理集積体の1つを用いて実施され、レーザー画像形成に際して高感度で、比較のプロセス(従来技術)に比べて耐久性に優れまた光学濃度が大きい画像をもたらす。
【0025】
ドナー要素
本発明のプロセスに従う熱画像形成に有用な代表的ドナー要素は、少なくとも3つの独立した別個の層を含み、それらは放出層、加熱層、転写層である。これら3層のそれぞれは、以下に記載される独立した別個の機能をもつ。ある特定の実施形態では、ドナー支持体も存在してよい。
【0026】
1.放出層
好ましい実施形態において、可撓性放出層は3つの機能層の第1のものである。この層は画像形成成分がレシーバ要素に効果的に転写される力を提供する。加熱されたとき、この層はレシーバ要素上に画像形成成分を推進あるいは放出させるのに必要な圧力を与える気体分子に分解される。これは、比較的低い分解温度(約350℃より低く、好ましくは約325度より低く、またより好ましくは約280℃より低い)をもつポリマーを用いることにより成し遂げられる。1つより多い分解温度を持つポリマーの場合には、第1の分解温度が350℃より低くなければならない。さらに、放出層が適当に大きな可撓性および追従性をもつために、その引張り弾性率は、2.5ギガパスカル(GPa)以下、好ましくは1.5GPaより小さく、またより好ましくは1ギガパスカル(GPa)より小さくなければならない。選ばれたポリマーはまた寸法安定性のあるものでなければならない。レーザー処理集積体がドナーの可撓性放出層を通して画像形成される場合、その可撓性放出層はレーザー光を透過させることができ、またこの光から悪影響を受けるべきではない。
【0027】
適切なポリマーには、(a)ポリプロピレンカーボネートなどの分解温度(Td)が低いポリカーボネート;(b)ポリ(アルファ−メチルスチレン)などの分解温度が低い置換スチレンポリマー;(c)ポリメチルメタクリレートおよびポリブチルメタクリレートなどのポリアクリレートおよびポリメチルアクリレートエステル;(d)セルロースアセテートブチレートおよびニトロセルロースなどの分解温度(Td)が低いセルロース系材料、;および(e)他のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ(クロロビニルクロライド)ポリアセタール、ポリ塩化ビニリデン、Tdが低いポリウレタン、ポリエステル、ポリオルトエステル、アクリロニトリルおよび置換アクリロニトリルポリマー、マレイン酸樹脂、ならびに前記のコポリマーが含まれる。ポリマーの混合物を用いることもできる。Foley他の米国特許第5,156,938号に、分解温度が低いポリマーのさらなる例を見出すことができる。これらには酸触媒分解を受けるポリマーが含まれる。これらのポリマーでは、ポリマーと共に1種または複数の水素ドナーを含めることが望ましいことが多い。
【0028】
放出層に好ましいポリマーはポリアクリレートおよびポリメタクリレートエステル、低Tdポリカルボネート、ニトロセルロース、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ならびに塩素化ポリ(塩化ビニル)(CPVC)である。最も好ましいのは、ポリ(塩化ビニル)と塩素化ポリ(塩化ビニル)である。
【0029】
放出層の本質的な機能を妨げないかぎり、この層の添加剤として他の材料が存在してもよい。このような添加剤の例には、コーティング助剤、流動調整剤(flow additive)、スリップ剤、ハレーション防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、ならびにコーティング配合物に用いられることが知られている他のものが含まれる。
【0030】
ポリマー組成物の可撓性を増すために特定の放出層ポリマー組成物に1種または複数の可塑剤を添加してもよい。可撓性の増加は2つの鍵となる物理的パラメータ−引張り弾性率とガラス転移温度(GTT)−の値の変化により示される。可塑剤の量を増やすと、これらのパラメータの値は減少する傾向があり、これはポリマー組成物の可撓性が増加していることを示す。
【0031】
放出層組成物の可撓性を増すために、様々な可塑剤を用いることができる。適切な可塑剤には、限定はされないが、以下のものが含まれる:フタル酸誘導体、例えばジフェニルフタレートおよびジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、リシノール酸誘導体、例えばブチルリシノレートおよびプロピレングリコールリシノレート、セバシン酸誘導体、例えばジブチルセバケートおよびジメチルセバケート、ステアリン酸誘導体、例えばn−ブチルステアレートおよびプロピレングリコールモノステアレート、コハク酸誘導体、例えばジエチルサクシネート、スルホン酸誘導体、例えばN−エチルo,p−トルエン−スルホンアミド、リン酸誘導体、例えばトリクレジルホスフェートおよびトリブチルホスフェート、パラフィン誘導体、例えば約40から70%の塩素を含む塩素化パラフィン、パルミチン酸誘導体、例えばイソプロピルパルミテートおよびメチルパルミテート、オレイン酸誘導体、例えばブチルオレエートおよびグリセリントリオレエート、ミリスチン酸誘導体、例えばイソプロピルミリステート、メリテ−ト、例えばトリカプリルトリメリテートおよびトリイソデシルトリメリテート、マレイン酸誘導体、例えばジ−n−ブチルマレエートおよびジ−(2−エチルヘキシル)マレエート、リノレイン酸誘導体、例えばメチルリノレート、ラウリル酸誘導体、例えばメチルラウレート、イソフタル酸誘導体、例えばジフェニルイソフタレートおよびジメチルイソフタレート、イソブチレート誘導体、例えば2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジイソブチレート、グリセリン誘導体、例えばグリセリントリアセテート、フマル酸誘導体、例えばジブチルフマレート、エポキシ誘導体、例えばn−オクチルエポキシステアレート、クエン酸誘導体、例えばトリ−n−ブチルシトレートおよびアセチルトリエチルシトレート、安息香酸誘導体、例えばジエチレンブリコールジベンゾエートおよびジプロピレングリコールジベンゾエート、アゼライン酸誘導体、例えばジイソデシルアゼレートおよびジメチルアゼレート、ならびにアジピン酸誘導体、例えばジカプリルアジペートおよびジイソデシルアジペート。
【0032】
(複数の)バインダポリマーは通常、可塑剤あるいは他の賦形剤が添加されなければ、放出層の100重量パーセントである。バインダに対する可塑剤の相対的重量パーセンテージは、ポリマーバインダの可撓性に応じて変わる。可塑剤の重量パーセントは通常、放出層の全重量に対して0〜20パーセントの範囲にある。特定のポリマー組成物ならびに望まれる引張り弾性率と可撓性に応じて、このパーセンテージの範囲を超えて可塑剤の量を変えてもよい。有効に分解しまた転写層を推進させるために、十分なバインダが、少なくとも加熱層に隣接する近傍に存在しているべきである。
【0033】
3層システムのドナーの可撓性放出層の厚さは、それがさらなる可撓性ボトム層なしに単一あるいは複数の層として存在している場合、通常約25ミクロン(1ミル)から約200ミクロン(8ミル)である。この実施形態における(複数の)可撓性放出層の厚さは重要である。厚さが約25ミクロン(1ミル)より小さければ、可撓性放出層は適切に容易に取り扱うのに十分な強度がなく、厚さが約200ミクロン(8ミル)より大きければ、可撓性放出層は可撓性および追従性が小さい傾向がある。好ましい厚さは約25ミクロン(1ミル)から約100ミクロン(4ミル)である。最も好ましい厚さは約50ミクロン(2ミル)から約75ミクロン(3ミル)である。
【0034】
単一の放出層をもつことが好ましいが、1つより多い放出層、あるいは可撓性ボトム層上に1つの層または複数の層、例えば少なくとも4層のシステムをもつことも可能である。放出多層システムのそれぞれの放出層は、それらがすべて前記のように機能するかぎり、同一あるいは異なる組成であってよい。全放出層および/または(複数の)放出層と可撓性ボトム層の全体の厚さは前記の範囲、すなわち約25ミクロン(1ミル)から約200ミクロン(8ミル)にあるべきである。本発明の放出多層システムのいくつかの異なる実施形態は以下に記載される。本発明はこれらの特定の実施形態により例示されるが、これらの実施形態のみに限定されない。可撓性ボトム層が用いられる場合、その放出層は1ミルより小さい、例えば1ミルまでの極めて薄い層でありうる。
【0035】
一実施形態において、可撓性放出層は、それ自体可撓性であり(すなわち、2.5GPa以下の引張り弾性率もつことに特徴があり)、また比較的低い分解温度で(<約350℃、好ましくは<325℃、また最も好ましくは<280℃)アブレーション可能である少なくとも1種のポリマー(バインダ)を含み、本明細書内でさらに限定されるような均一な単一層である。好ましくは引張り弾性率は1.5ギガパスカルより小さく、より好ましくは1ギガパスカルより小さい。添加可塑剤が全くなく均一な単一層である、本発明による可撓性放出層の例は、ニトロ化エラストマー、例えばニトロ化ポリ(イソプレン)である。この実施形態は図1に示されている。図1に示されるように、この実施形態のドナー要素(1)は、ボトムからトップへと、図に示されるように、それ自体が可撓性である放出層(5)、加熱層(10)、および転写層(15)を備える。この実施形態の放出層はそれ自体が可撓性であるため、可撓性のために可塑剤を添加する必要はないが、望ましければ、よりいっそうの可撓性のためにあるいは他の理由で可塑剤を添加することもできる。
【0036】
別の実施形態において、可撓性放出層は、それ自体可撓性であるかあるいは非可撓性の少なくとも1種のポリマー(バインダ)を含み、また可塑化ポリマーバインダを本発明で必要とされる程度に〔すなわち、可撓性放出層の引張り弾性率が2.5ギガパスカル(GPa)以下、好ましくは1.5ギガパスカルより小さく、またより好ましくは1ギガパスカルより小さい程度に〕十分可撓性にするのに十分な量で存在する少なくとも1種の可塑剤をさらに含む均一な単一層である。(複数の)可塑剤が添加された均一な単一層をもつ、本発明による可撓性放出層の例は、ポリ(塩化ビニル)および塩素化ポリ(塩化ビニル)である。この実施形態も図1で表される。
【0037】
別の実施形態において、ドナー要素は支持体を含む4層構造である。図2に示されているこの実施形態では、ドナー要素(60)は順次、支持体(65)、可撓性であるかあるいは非可撓性でありうる放出層(70)、加熱層(75)、および転写層(80)からなる。
【0038】
別の実施形態において、放出層は可塑剤を含むかあるいは含まない薄いポリマー(バインダ)層であり、加熱層に接触する面と反対側の薄いポリマー(バインダ)層の面で、可撓性ボトム層と接触している。可撓性ボトム層は、薄いバインダ層の厚さに応じてアブレーションあるいは非アブレーション材料のいずれかからなる、すなわち、極めて薄いバインダ層に対しては、この実施形態のバインダ層および可撓性ボトム層のいずれも、十分な転写がおこなえるようにアブレーション可能でなければならない。「薄い」により、出願人は25ミクロン(1ミル)より小さい厚さを意味する。典型的な薄い層は0.5から1ミクロンである。この実施形態における最少の厚さは、選択された分解性バインダの具体的なアブレーション特性および可撓性ボトム層上に放出層をコートするのに用いられるコーティング方法に依存する。いかなる場合においても、アブレーション転写を実施するために、放出層あるいは放出層+可撓性ボトム層のいずれかに十分な分解性バインダが存在していなければならない。出願人は「極めて薄い」により、放出層が、完全に分解し、標準的なレーザーパルスで転写を達成するために可撓性ボトム層のさらなる分解性バインダを必要とするようなようなものであることを意味する。さらに、この実施形態において、ボトム層は(複数の)可撓性放出層を作り出すために可撓性であるべきである。ボトム層は薄いポリマー層と同一であるかもしくは異なるアブレーションバインダ(A)を含むか、あるいは不活性な非アブレーション性可撓性ボトム層、例えばポリエチレンであってよい。それは通常、可撓性であり薄いポリマー層〔アブレーション層(B)〕に適する何らかの材料である。この実施形態における可撓性ボトム層(および可撓性放出層)の引張り弾性率は、2.5ギガパスカル以下であり、好ましくは1.5ギガパスカルより小さく、またより好ましくは1ギガパスカルより小さい。この実施形態は図3に示されている。図3に示されるように、この実施形態のドナー要素(85)は、ボトムからトップへと、図に示されるように、可撓性ボトム層(90)、薄いアブレーション放出層(95)、加熱層(100)、および転写層(105)を備える。
【0039】
別の実施形態において、放出層は、高密度バインダ層が加熱層と可撓性ボトム層の間に位置する層構造をなして、可撓性ボトム層上に薄い高密度アブレーションバインダ層を備える。この実施形態における放出層の引張り弾性率は、2.5ギガパスカル以下であり、好ましくは1.5ギガパスカルより小さく、またより好ましくは1ギガパスカルより小さい。この実施形態も図3に示されている。図3に示されるように、この実施形態のドナー要素(85)は、ボトムからトップへと、図に示されるように、可撓性ボトム層(90)、薄い高密度アブレーション放出層(95)、加熱層(100)、および転写層(105)を備える。
【0040】
乾燥により結果として得られる(複数の)放出層が、レーザー光の散乱がほとんどあるいは全く起らない程度に十分透明であれば、一時的な支持体の上に(複数の)放出層を適切な溶剤分散体としてコートしてもよい。しかし、ほとんどの場合、結果として透明な(複数の)放出層が確実に得られるように、この(複数の)層を溶液からコートすることが好ましい。コーティング溶剤として、それが集積体の性質に有害な影響を及ぼさないかぎり、通常のコーティング技術あるいは印刷技術、例えばグラビア印刷などの技術を用い、いかなる適切な溶剤でも用いることができる。一時的な支持体が放出層のコーティングに用いられる全ての場合において、その支持体はドナー要素製造のある時点で取除かれる結果、本発明の最終のドナー要素は、作業段階中のどのような不活性で非可撓性の支持体もそこに存在せず、少なくとも1層の放出層、少なくとも1層の加熱層、および少なくとも1層の転写層を備える。
【0041】
任意選択で熱増幅添加剤が(複数の)放出層あるいは転写層に存在する。それはこれらの層の両方に存在してもよい。
【0042】
この添加剤の機能は加熱層で発生する熱の効果を増幅して、さらに感度をよくすることである。添加剤は室温で安定でなければならない。この添加剤は、(1)加熱されたとき、分解して気体の(複数の)副生成物を形成する化合物、(2)入射レーザー光を吸収する染料、あるいは(3)放熱性の熱誘起単分子転移を起こす化合物でありうる。これらのタイプの添加剤の組合せを用いてもよい。
【0043】
加熱により分解する熱増幅添加剤には、分解して窒素を生成するもの、例えばジアゾアルキル、ジアゾニウム塩、およびアジド(−N3)化合物;アンモニウム塩;分解して酸素を生成する酸化物;炭酸塩;過酸化物が含まれる。添加剤の混合物を用いてもよい。このタイプの好ましい熱増幅添加剤はジアゾ化合物、例えば4−ジアゾ−N,N′ジエチル−アニリンフルオロボレート(DAFB)である。
【0044】
吸収性染料が放出層に組み込まれた場合、その機能は入射光を吸収してそれを熱に変換し、加熱をより効率的にすることである。この染料は赤外領域で吸収することが好ましい。画像形成用途では、この染料の可視領域における吸収は非常に少ないことが好ましい。単独であるいは組合わせて用いることができる適切な赤外吸収染料の例には、ポリ(置換)フタロシアニン化合物および金属含有フタロシアニン化合物;シアニン染料;スクアリリウム染料;カルコゲノピリオアクリリデン(chalcogenopyryioacrylidene)染料;クロコニウム染料;金属チオレート染料;ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン(bis(chalcogenopyrylo)polymethine)染料;オキシインドリジン染料;ビス(アミノアリール)ポリメチン染料;メロシアニン染料;およびキノイド染料が含まれる。
【0045】
米国特許第4,778,128号;第4,942,141号:第4,948,778号;第4,950,639号;第5,019,549号;第4,948,776号;第4,948,777号および第4,952,552号に開示される赤外吸収材料もまたここで適切でありうる。例えば放出層組成物の全固形重量に対する、熱増幅添加剤の重量パーセントは通常、0〜20%の範囲にある。転写コーティングに存在する場合、熱増幅剤の重量パーセントは通常0.95〜11.5%のレベルである。このパーセンテージは転写コーティング全重量パーセントの25%までの範囲でありうる。このパーセンテージは非限定的で当分野の技術者は、放出層あるいは転写層の特定の組成に応じてそれを変えることができる。
【0046】
2.加熱層
加熱層は可撓性放出層上に堆積される。加熱層の機能はレーザー光を吸収して光を熱に変換することである。この層の適切な材料は無機あるいは有機であり、それ自体がレーザー光を吸収することができるか、あるいは添加されたレーザー光吸収化合物を含んでいてもよい。
【0047】
適切な無機材料の例は、遷移金属元素およびIIIa、IVa、Va、VIa、VIII、IIIb、およびVb族の金属元素、それらの互いの合金、およびそれらのIaおよびIIa族の元素との合金である。タングステン(W)は、適切で用いることができるVIa族金属の例である。炭素(IVb族非金属元素)を用いることもできる。好ましい金属には、Al、Cr、Sb、Ti、Bi、Zr、TiO、Ni、In、Zn、およびそれらの合金が含まれ、炭素は好ましい非金属である。より好ましい金属および非金属にはAl、Ni、Cr、ZrおよびCが含まれる。最も好ましい金属はAl、Ni、Cr、およびZrである。
【0048】
加熱層の厚さは通常約20オングストロームから0.1ミクロン、好ましくは約50から100オングストロームである。
【0049】
単一の加熱層をもつことが好ましいが、別個の層がすべて前記のように機能するかぎり、加熱層が1つより多いことも可能であり、またそれらの組成は同一であってもよいし異なっていてもよい。全加熱層の厚さは前記の範囲、すなわち20オングストロームから0.1ミクロンであるべきである。
【0050】
薄い金属層が得られるよく知られた技術、例えばスパッタリング、化学気相堆積、および電子線などの何らかの技術を用いて、(複数の)加熱層を付けることができる。
【0051】
3.転写層
転写層は、(i)放出層の(複数の)アブレーション部分のポリマーと異なるポリマーバインダ、および(ii)画像形成成分を含む。
【0052】
転写層のポリマー(バインダ)は、分解温度が350℃以下、好ましくは300℃より低いポリマー材料である。このバインダはフィルム形成性で、溶液あるいは分散体からコートできるべきである。融点が約250℃より低いかあるいはガラス転移温度が<70℃となる程度に可塑化されたバインダが好ましい。しかし、熱溶融性バインダ、例えばワックスなどは、トップ層の融点を下げるコバインダ(cobinder)として有用であるが、このようなバインダは耐久性がないかもしれず、単一バインダとしては避けるべきである。
【0053】
バインダ(ポリマー)は、画像形成成分およびバインダが、改善された耐久性が損なわれずに転写されるように、レーザー露光中に達する温度で自己酸化、分解あるいは劣化しないことが好ましい。適切なバインダの例には、スチレンと(メタ)アクリレートエステルとのコポリマー、例えばスチレン/メチル−メタクリレート;スチレンとオレフィンモノマーとのコポリマー、例えばスチレン/エチレン/ブチレン;スチレンとアクリロニトリルとのコポリマー;フルオロポリマー;(メタ)アクリレートエステルとエチレンおよび一酸化炭素とのコポリマー;分解温度が高いポリカーボネート;(メタ)アクリレートホモポリマーおよびコポリマー;ポリスルホン;ポリウレタン;ポリエステルが含まれる。前記ポリマーのモノマーは置換されていても置換されていなくてもよい。ポリマーの混合物を用いることもできる。
【0054】
転写層に好ましいポリマー、(メタ)アクリルポリマーには、これらに限定はされないが、アクリレートホモポリマーおよびコポリマー、メタクリレートホモポリマーおよびコポリマー、(メタ)アクリレートブロックコポリマー、およびスチレンなどの他のタイプのコモノマーを含む(メタ)アクリレートコポリマーが含まれる。
【0055】
バインダ(ポリマー)の濃度は、転写層の全重量に対して通常約15〜50重量%、好ましくは30〜40重量%である。
【0056】
カラーフィルタ用途では、転写層は任意選択で第2のポリマーバインダを含んでいてもよい。第2のバインダは分解温度が約395℃を超える高分解温度バインダである。高分解温度バインダの存在は、カラーフィルタ層がLCDデバイス用の基材に転写された後、カラーフィルタがLCDデバイスの形成に関連する加工ステップで確実に持ちこたえるようにする。分解温度が約395℃を超える適切なバインダの例には、C2からC6のポリアルキレンオキサイドおよびグリコールが含まれる。好ましいのはポリエチレンオキサイド(PEO)(分解温度は約402℃)およびポリエチレングリコール(PEG)(分解温度は約399℃)である。ポリエチレンアルキレンオキサイドおよびグリコールの分子量(MW)は通常、約300から約100,000の範囲にあり、好ましくは300から6800である。分子量は数平均あるいは重量平均分子量である。分解温度が約395℃を超えるバインダは通常、転写層の全重量に対して、0から15重量%、好ましくは3から15重量%、また最も好ましくは少なくとも6重量%の量で転写層に存在する。
【0057】
画像形成成分の性質は集積体の目指す用途によるであろう。プルーフィング、カラーフィルタアレイ、およびフォトマスク作製用途では、画像形成成分は、好ましくは分解温度が放出層のポリマー材料より高い。
【0058】
画像形成用途では、画像形成成分は着色剤であろう。着色剤は通常、顔料あるいは非昇華性染料である。安定性、カラー濃度、および高分解温度のために顔料を着色剤として用いることが好ましい。適切な無機顔料の例にはカーボンブラックおよびグラファイトが含まれる。適切な有機顔料の例には、Rubine F6B(C.I.NO.ピグメント184);クロモフタール(登録商標)Yellow 3G(C.I.No.ピグメントイエロー93);Hostapern(登録商標)Yellow 3G(C.I.No.ピグメントイエロー154);モナストラル(登録商標)Violet R(C.I.No.ピグメントバイレット19);2,9−ジメチルキナクリドン(C.I.No.ピグメントレッド122);Indofast(登録商標)Brilliant Scarlet R6300(C.I.No.ピグメントレッド123);Quindo Magenta RV 6803;モナストラル(登録商標)Blue G(C.I.No.ピグメントブルー15);モナストラル(登録商標)Blue BT 383D(C.I.No.ピグメントブルー15);モナストラル(登録商標)Blue G BT 284D(C.I.No.ピグメントブルー15);およびモナストラル(登録商標)Green GT 751D(C.I.No.ピグメントグリーン7)が含まれる。顔料および/または染料の組合せを用いることもできる。カラーフィルタアレイ用途では、画像形成成分は、好ましくは粒子径が小さい(すまわち、約100ナノメートル)高透明性顔料(すなわち、少なくとも約80%の光が顔料を透過する)である。
【0059】
当分野の技術者によく知られている原理に従って、着色剤の濃度は、最終画像に求められる光学濃度が得られるように選択されるであろう。着色剤の量は活性コーティングの厚さと着色剤の吸収に依存するでろう。最大吸収波長で1.3を超える光学濃度が通常必要とされる。よりいっそう高い濃度が好ましい。2〜3の範囲の光学濃度が本発明を適用することで達成できる。
【0060】
最大のカラー強度、透明性および光沢を得るために、顔料を転写しようとする場合分散剤が通常存在する。分散剤は通常有機ポリマー化合物であり、細かい顔料粒子を引き離し、フロック化および塊状化を避けるために用いられる。広範な分散剤が市販されている。分散剤は、当分野の技術者により実践されているように、顔料表面および組成物中の他の成分の特性により選択されるであろう。しかし、本発明を実施するのに適する分散剤の1つの種類はAB分散剤である。この分散剤のAセグメントは顔料の表面上に吸着する。Bセグメントは顔料を分散させる溶剤に伸びる。このBセグメントは、粒子の引力に対抗して塊状化を防ぐ、顔料粒子間のバリアを提供する。Bセグメントは用いられる溶剤と相溶性がよくなければならない。好ましいAB分散剤は、「Use of AB Block Polymers as Dispersants for Non−aqueous Coating Systems(非水系コーティングシステム用分散剤としてのABブロックポリマーの使用)」、H.C.Jakubauskas、Journal of Coating Technology、Vol.58、No.736、pages 71〜82、に一般的に記載されている。適切なAB分散剤はまた、英国特許1,339,930および米国特許第3,684,771号;第3,788,996号;第4,070,388号;第4,912,019号;および第4,032,698号に開示されている。通常の顔料分散技術、例えばボールミル法、サンドミル法などを用いることができる。カラーフィルタ用途では、転写層のバインダポリマー(i)も顔料の分散剤として機能しうる。
【0061】
リソグラフィ用途では、画像形成成分は親油性のインク受容材料である。親油性材料は通常フィルム形成性ポリマー材料であり、バインダと同じでよい。適切な親油性材料の例には、アクリレートおよびメタクリレートのポリマーおよびコポリマー;ポリオレフィン;ポリウレタン;ポリエステル;ポリアラミド(polyaramid);エポキシ樹脂;ノボラック樹脂;およびこれらの組合わせが含まれる。好ましい親油性材料はアクリルポリマーである。
【0062】
画像形成成分はまた、レシーバ要素への転写後に硬化あるいはキュアリング反応をさせることができる樹脂であってもよい。本明細書で用いられる場合、用語「樹脂」は、(a)重合反応をさせることができる低分子量モノマーあるいはオリゴマー、(b)架橋反応で互いに反応することができるペンダント反応基をもつポリマーあるいはオリゴマー、(c)別の架橋剤と反応することができるペンダント反応基をもつポリマーあるいはオリゴマー、および(d)これらの組合わせを含む。樹脂は、キュアリング反応が起るのに、キュアリング剤の存在を必要としてもしなくてもよい。キュアリング剤には、触媒、硬化剤、光開始剤および熱開始剤が含まれる。化学作用性放射、熱、あるいはこの2つの組合わせに曝すことにより、キュアリング反応を開始することができる。
【0063】
リソグラフィの用途で、転写層に着色剤が存在してもよい。着色剤は版(plate)がつくられた後その検査を容易にする。前記の着色剤のいずれも用いることができる。着色剤は熱、光、あるいは酸感応性カラーフォーマーであってもよい。
【0064】
フォトマスク用途では、画像形成成分として、染料、通常ブラック染料および/または顔料、例えばカーボンブラックあるいは他の暗色材料が転写層に存在する。フォトマスク用の(複数の)画像形成成分は、材料が転写された部分におけるレシーバ要素の光学濃度が好ましくは少なくとも2.0であり、またより好ましくは約3.0以上となるように選択される。
【0065】
一般に、カラープルーフィング、フォトマスク、およびリソグラフィ印刷用途では、画像形成成分は転写コーティングの全重量に対して約25から95重量%の量で存在する。カラープルーフィング用途では、画像形成成分の量は、好ましくは35〜65重量%;リソグラフィ印刷用途では、好ましくは65〜85重量%である。
【0066】
前記では、カラープルーフィング、フォトマスク、およびリソグラフィ印刷の用途を対象としたが、本発明の要素およびプロセスは別の用途における他のタイプの画像形成成分の転写にも同様に適切である。一般に、本発明の範囲は、固形材料がレセプタ(receptor)にパターン状に付けられようとするあらゆる応用を含むと想定されている。他の適切な画像形成成分の例には、これらに限定はされないが、磁性材料、蛍光材料、および導電性材料が含まれる。
【0067】
さらに、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス用のカラーフィルタ要素を製造するのに、本発明の要素およびプロセスを適用することができる。液晶ディスプレイデバイスは、その最も簡単な形態では、対向する側面をもつ液晶層、1組の液晶層各側の電極、および1組の電極の各々と液晶層との間のアラインメントポリマー層からなる。液晶分子のアラインメントは、2つの基板、例えばガラス板、プラスチックシート、石英板、あるいは電極を支えるその他のものの内側面に対して、傾き角(tilt angle)と呼ばれるある特定の角度で起こる。基板内部には組をなす透明電極(導電体)、通常インジウム−スズ酸化物(ITO)のコーティングがある。組をなす電極はLCDにより表示される情報に合うようにパターン化されている。2つの基板は、基板の間のスペースあるいはギャップを一定の厚さに保つ適当なスペーサを用いて合わせて固定されており、そして液晶材料の様々な混合物で満たされている。
【0068】
通常、カラーフィルタアレイ要素は、LCDデバイスを形成する前に電極を支える2つの基板の1つの外側に含められている。しかし、このような液晶ディスプレイデバイスを形成する際に、それに使用されるカラーフィルタアレイは、製造中にかなり過酷な加熱および処理ステップに曝されねばならない可能性がある。例えば、ITOなどの透明導電層は通常、そのときにキュアリングを受けるカラーフィルタアレイ要素がある基板上に真空でスパッタリング処理される。このキュアリングステップは1時間にもなりうる長時間、250℃にもなる高温で通常おこなわれる。この後、液晶のための薄いポリマーアラインメント層、例えばポリアミドのコーティングが続く。アラインメント層の表面仕上げは通常、研磨を必要とするか、あるいは高温での数時間にも上るキュアリングを必要とする。このように、基板上のカラーフィルタ層は、LCDデバイスの形成に関連する次々の加工ステップに持ちこたえなければならない。
【0069】
カラーフィルタ用途では、染料および/または顔料は、画像形成成分として転写層に存在する。カラーフィルタ用途での(複数の)画像形成成分は、材料が転写された部分におけるレシーバ要素上の光学濃度が、好ましくはレッド、ブルーおよびグリーンで1.0と2.0の間、ブラックで3.0から4.0の間であるように選択される。通常、画像形成成分は、転写コーティングの全重量に対して約20から80重量%、好ましくは30から50重量%の量で存在する。
【0070】
他の材料が転写層に、それらがこの層の本質的な機能を妨げないかぎり、添加剤として存在することができる。このような添加剤の例には、コーティング助剤、可塑剤、流動調整剤、スリップ剤、抗ハレーション剤、帯電防止剤、界面活性剤、およびコーティング配合物に用いられることが知られている他のものが含まれる。しかし、転写後の最終生成物に有害な影響を与える可能性があるので、この層の補助的な材料の量を最少にすることが好ましい。添加剤はカラープルーフィング用途で望まないカラーを付け加えたり、あるいはリソグラフィ印刷用途で耐久性およびプリント寿命を低下させる可能性がある。
【0071】
転写層の厚さは通常約0.1から5ミクロンの範囲、好ましくは約0.1から1.5ミクロンの範囲である。厚さが約5ミクロンより大きいと、それらを効率的にレシーバに転写させるために過大なエネルギーを必要とするので、通常好ましくない。
【0072】
単一の転写層をもつことが好ましいが、別個の層がすべて前記のように機能するかぎり、1つより多い転写層を持つことも可能であり、またそれらの組成は同一であってもよいし異なっていてもよい。合わせた全転写層の厚さは前記の範囲でなければならない。
【0073】
適切な溶剤中の分散体として(複数の)転写層を、ドナーの加熱層上あるいは一時的な支持体の上にコートすることが可能であるが、溶液からこの(複数の)層をコートすることが好ましい。何らかの適切な溶剤を、それが集積体の性質に有害な影響を与えない限り、通常のコーティング技術あるいは印刷技術、例えばグラビア印刷を用いて、コーティング溶剤として用いることができる。
【0074】
ドナー要素はまたさらなる層をもつことができる。例えば、転写層の反対側の可撓性放出層の側に抗ハレーション層を設けることができる。抗ハレーション剤として用いることができる材料は、当分野においてよく知られている。可撓性放出層のいずれかの側に、他のアンカーあるいは下塗り(subbing)層が存在してもよく、当分野においてよく知られている。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態において、顔料、例えばカーボンブラックがトップ層と呼ばれる単一の層に存在する。このタイプの顔料は熱吸収体としても着色剤としても機能し、このトップ層は加熱層でもあり転写層でもあるという2重の機能がある。トップ層の特性は転写層に関して記載されたものと同じである。好ましい着色剤/熱吸収剤はカーボンブラックである。
【0076】
レシーバ要素
レシーバ要素はレーザー処理集積体の第2の部分であり、これに画像形成成分および劣化しないポリマー(ポリマーバインダ)が転写される。たいていの場合、レシーバ要素がなければ、画像形成成分はドナー要素から取り去られないであろう。すなわち、ドナー要素をレーザー露光しただけで、材料が空気中へ除去あるいは移動するということはない。この材料、すなわち画像形成成分およびバインダは、それがレーザーで露光され、かつドナー要素がレシーバ要素に接触している、すなわちドナー要素が実際にレシーバ要素と触れ合っているときにのみドナー要素から取り去られる。これは、このような場合、複雑な転写メカニズムが働いていることを意味する。
【0077】
レシーバ要素は非感光性あるいは感光性であってよい。非感光性レシーバ要素は通常、レシーバ支持体、および任意選択で受像層(image−receiving layer)を備える。レシーバ支持体は寸法安定性のあるシート材料を含む。この支持体が透明であれば、レシーバ支持体を通して集積体に画像を形成できる。レシーバ支持体用の透明フィルムの例には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリ(ビニルアルコール−コ−アセタール)、ポリエチレン、あるいはセルロースアセテートなどのセルロースエステルが含まれる。不透明な支持体材料例には、例えば、二酸化チタンなどの白色顔料充填ポリエチレンテレフタレート、アイボリー紙、あるいはTyvek(登録商標)スパンボンドポリオレフィンなどの合成紙が含まれる。プルーフィング用途では紙支持体が通常でありまた好ましいが、医療用ハードコピーおよびカラーフィルタアレイ用途ではポリエステル支持体、例えばポリ(エチレンテレフタレート)が通常でありまた好ましい。リソグラフィ印刷用途では、支持体は通常薄いアルミニウム、例えば陽極処理アルミニウムのシート、あるいはポリエステルである。粗面化された支持体をレシーバ要素に用いてもよい。カラーフィルタ用途では、レシーバ要素は、任意選択で受像層をもつガラス基板などのレセプタ要素(すなわち、恒久性支持体)、ならびに偏光フィルタ要素および可撓性ガラスを含むことができる。
【0078】
画像形成成分を直接レシーバ支持体に転写することは可能であるが、レシーバ要素は通常その1つの表面にさらなる受像層をもつ。画像形成用途では、受像層は通常、例えばポリカーボネート;ポリウレタン;ポリエステル;ポリ塩化ビニル;スチレン/アクリロニトリルコポリマー;ポリ(カプロラクトン);エチレンおよび/または塩化ビニルとビニルアセテートのコポリマー;(メタ)アクリレートホモポリマー(例えばブチルメタクリレート)およびコポリマー;ならびにこれらの混合物のコーティングである。この受像層は目指す目的に有効な任意の量で存在することができる。通常、1から5g/mのコーティング重量で優れた結果が得られている。リソグラフィの用途では、レセプタ層として表面に陽極処理アルミニウムの層を形成するように、アルミニウムシートは通常処理される。このような処理はリソグラフィの分野でよく知られている。
【0079】
受像層に加えて、レシーバ要素は1つまたは複数の他の層をレシーバ支持体と受像層の間に任意選択で含めることができる。以下に説明されるように、レシーバ要素がカラーフィルタアレイをつくるのに用いられる中間体要素である場合に、追加の1層あるいは複数の層が特に望ましい。受像層と支持体の間の追加の層の1つは剥離層(release layer)である。剥離層はレシーバ要素に望ましい接着バランスを与えて、露光およびドナー要素から引き離す間は受像層はレシーバ要素に固着しているが、例えばラミネーションにより画像層(image layer)を恒久性支持体に転写するとき、レシーバ要素から受像層を引き離しやすくしている。このようにして、カラー画像層(color image layer)は恒久性支持体(例えば、ガラスあるいは偏光要素)と受像層の間にあり、そして受像層はLCDデバイスの平坦化層として機能しうる。剥離層として使用するのに適切な材料の例には、ポリアミド、シリコーン、塩化ビニルポリマーおよびコポリマー、ビニルアセテートポリマーおよびコポリマーならびに可塑化ポリビニルアルコールが含まれる。剥離層の厚さは通常1から50ミクロンの範囲である。変形性の層であるクッション層も、通常剥離層とレシーバ支持体の間で、レシーバ要素に存在してもよい。クッション層は、組み合されたときレシーバ要素とドナー要素の間の接触をよくするために通常存在する。クッション層として使用するのに適切な材料の例にはスチレンとオレフィンモノマーとのコポリマー、例えばスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン、スチレン/ブチレン/スチレンブロックコポリマー、およびフレキソ版用途でバインダとして有用な他のエラストマーが含まれる。カラーフィルタアレイ用途で使用するのに適するレシーバ要素が、米国特許第5,565,301号に転写要素として開示されており、これを参照によりここに組み込む。
【0080】
レシーバ要素は、画像形成成分の意図される最終の支持体である必要はない。別の言い方をすれば、レシーバ要素は中間体要素であってもよく、レーザー画像形成ステップの後に、それにより画像形成成分が最終の支持体に転写される1つまたは複数の転写ステップが続いてもよい。これは、多色画像がレシーバ要素につくり上げられて、次に恒久性紙支持体に転写される多色プルーフィング用途の場合に最もありうることである。同様に、カラーフィルタアレイ用途では通常、レシーバ要素は、加色法原色であるレッド、グリーン、およびブルーがブラックマトリックスにモザイク状パターンとして形成される多色画像がその上につくり上げられる中間体要素である。次に、カラー画像は通常、例えばラミネーションにより、例えばLCDデバイスに組み込まれる可撓性ガラス基板あるいは偏光フィルタ要素などのレセプタ要素に転写される。任意選択でガラス基板は、カラー画像層をガラスに受け止める/固着させるための1つあるいは複数の層をもっていてもよい。ガラス基板にカラー画像を受け止めるのに適切な材料の例には、エチレンコポリマー、接着促進剤、およびUV架橋性接着剤が含まれる。特に適切な偏光フィルタ要素は薄膜トランジスタ(TFT)カラーフィルタに用いられるものである。
【0081】
感光性レシーバ要素
感光性レシーバ要素は、感光要素上にフォトマスクを作製することおよびレリーフ画像を生成するためにそのフォトマスクを引き続いて使用することを含む本発明の実施形態においてレシーバ要素として使用するのに特に適しており、
(a)支持体;
(b)バインダ、少なくとも1種の光硬化成分、および化学作用性放射に感応する開始剤あるいは開始剤システムを含む光硬化層;
(c)任意選択のバリア層;および
(d)任意選択のカバーシート
を含む。このタイプの感光性レシーバ要素は図4に示されている。
【0082】
カバーシートは光硬化層および/または任意選択のバリア層との接着バランスが適切でなければならない。一般にカバーシートは寸法安定性のあるポリマーフィルムである。カバーシートは通常、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、フルオロポリマー、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいは他の剥がすことができる材料からなる薄い透明なフィルムである。好ましいカバーシートはポリエチレンテレフタレートである。カバーシートの厚さは通常、0.00025から0.025cm(0.1から10ミル)で、好ましい厚さは0.0013から0.013cm(0.5から5ミル)である。通常、このカバーシートは感光性レシーバ要素とドナー要素との集積体を形成する前に取り除かれる。カバーシートが集積体の一部分として残る場合、ドナー要素により形成されたフォトマスクを通して露光されたとき、強度がたいして減少することなく光がカバーシートを透過して光硬化層に達するように、カバーシートは化学作用性放射に対して透明でなければならない。
【0083】
例示的に、前記の(カバーシートが除去された後の)感光性レシーバ要素と(図1に示されるような)3層ドナー要素とを用いてつくられた本発明のレーザー処理集積体(190)が図5に示されている。ドナー要素(1)およびカバーシート(150)を取り除いた後の感光性レシーバ要素(110)を接触させる(例えば、一緒にプレスするかあるいはラミネートする)ことによりこのレーザー処理集積体をつくることができ、転写層(15)はバリア層(140)と接触している。レーザー処理集積体(190)は順に、支持体(120)、光硬化層(130)、バリア層(140)(これは任意選択)、転写層(15)、加熱層(10)、および可撓性放出層(5)からなる。
【0084】
レーザー処理集積体では、感光性レシーバ要素の光硬化層とドナー要素の転写あるいはトップ層との間に置かれる、少なくとも1つのバリア層(c)をもつことが望ましいことが多い。光硬化層は通常それ自体が粘着性であり、特にフレキソ印刷版をつくるときに用いられる感光層はそうである。バリア層は適正な接着バランスを得る助けとなる。さらに、バリア層は、モノマーが存在する場合、光硬化層から転写あるいはトップ層にそれが移行することを防ぐ。モノマーが転写あるいはトップ層に用いられている材料と相溶性があり、さらに/あるいは移行性である場合、モノマーの移行は通常時間と共に起こり、接着バランスを根本的に変える。モノマーが転写またはトップ層と実質的に相溶性がないか、あるいは実質的に非移行性である場合、通常移行はない。しかし、わずかな相溶性でもあれば、移行は起こる可能性がある。要素が一体化された後、要素が画像形成されず、直ちに現像されない場合、バリア層が存在することが好ましい。
【0085】
転写もしくはトップ層に、もしくはそれから、あるいはドナー要素に、形作られたフォトマスクを通して要素が化学作用性放射に曝されたとき、たいして強度が低下することなく、光がバリア層を透過して下側にある光硬化層に達するように、バリア層は化学作用性放射に対して透明でなければならない。
【0086】
バリア層はまた、もともとは(すなわち、化学作用性放射に曝す前)光重合層の現像溶剤に可溶性、膨潤性、あるいは分散性であるか、あるいはそれはその溶剤中で脱離性であるべきである。「脱離性(liftable)」により、少なくとも部分的にはそのままバリア層をその溶剤が持ち上げ離すことができることを意味する。
【0087】
2つのタイプのバリア層を用いることができる。第1のタイプは、化学作用性放射に対して非感応性であり、また化学作用性放射に曝す前にも後でも、光重合層の現像溶液に可溶性、膨潤性、分散性あるいは脱離性であるものである。このタイプのバリア層は露光および非露光部のいずれも、光重合層の非露光部とともに、現像液で処理中に完全に除去される。
【0088】
この第1のタイプのバリア層として用いるのに適する材料の例には、従来フレキソ印刷要素で剥離層として用いられている材料、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、両性インターポリマー、およびこれらの混合物が含まれる。ポリアミドが好ましい。
【0089】
バリア層の第2のタイプは、化学作用性放射に曝す前には、現像溶剤に可溶性、膨潤性、あるいは分散性であるが、化学作用性放射に曝した後には、現像溶剤により影響を受けないものである。このタイプのバリア層が用いられる場合、化学作用性放射に曝されていない部分においてのみ現像溶剤により除去される。化学作用性放射に曝されたバリア層は、光重合層の重合された部分の表面に残って、印刷版の実際の印刷面となる。
【0090】
このタイプのバリア層は通常それ自体感光性である、すなわちモノマーと開始剤を含んでいてもよく、あるいはそれは光重合層との接触時に感光性になってもよい。この第2のタイプのバリア層は通常エラストマー組成物の層である。この組成物は単純に光重合層のバインダに類似の非感光性エラストマーバインダからなっていてもよく、あるいはそれはモノマーと開始剤とを組合せたバインダであってもよい。好ましいバリア層は、エラストマーポリマーバインダ、第2のポリマーバインダおよび任意選択で非移行性染料あるいは顔料を含むエラストマー組成物である。エラストマー組成物のエラストマーポリマーバインダは通常、フォトポリマー層に存在するエラストマーバインダと同一であるかあるいは類似している。適切なバリア層組成物は、Gruetzmacher他の米国特許第4,427,759号および第4,460,675号に記載され、多層カバー要素のエラストマー組成物として開示されるものである。
【0091】
1つより多いバリア層を用いることも可能である。例えば、エラストマーバリア層が光硬化層の次に存在してもよく、そして次にこれを、化学作用性放射に曝される前および後のいずれにおいても可溶であるバリア層でオーバーコートすることができる。(複数の)バリア層の的確な選択は、感光要素の(複数の)光硬化層および転写層あるいはトップ層の性質ならびにレーザー処理集積体の他の物理的要件に依存するであろう。
【0092】
支持体は通常、従来感光要素とともに使用されている何らかの材料、特にフレキソ印刷版あるいはフォトレジストを調製するのに用いられるものである。適切な支持体材料の例には、ポリマーフィルム、例えば付加ポリマーおよび線状縮合ポリマーから形成されたもの、光を通す発泡体および編織物が含まれる。好ましい支持体はポリエステルフィルムであり、特に好ましいのはポリエチレンテレフタレートである。支持体の厚さは通常0.0051から0.025cm(2から10ミル)で、好ましい厚さは0.0076から0.020cm(3から8ミル)である。さらに、接着性をよくするために、支持体に下塗りあるいは表面処理をすることができる。
【0093】
光硬化層は通常、化学作用性放射に曝すことにより感応する光開始剤あるいは光開始剤システム、および開始剤が化学作用性放射に曝されることにより活性化された後、それと反応することができる成分を含む。開始剤とこの成分の相互作用は層の物理的性質に変化を生み出す。化学作用性放射に曝された光硬化層の部分は、露光および非露光部の物理的性質における光に誘起された違いに基づき、露光されなかった部分と区別される。本発明のプロセスで役立つように用いることができる、光硬化層における物理的性質の変化のタイプには、溶解性、膨潤性あるいは分散性の変化、軟化点の変化、粘着性の変化、処理溶液の浸透性の変化などが含まれる。
【0094】
化学作用性放射に曝すことが光硬化層の溶解性に変化を及ぼすシステムが、特にレリーフ画像の形成にとって、重要である。本明細書で用いられる場合、用語「溶解性」は、現像液の作用により除去される性能を意味すると見なされており、膨潤性および分散性も、完全溶解性と同様に含まれると見なされる。溶解性の変化は通常、光可溶化反応による向上、あるいは光架橋もしくは光重合のいずれかである光硬化反応による低下である。光可溶化は通常、予め形成されたポリマーとペンダント反応基あるいは他の分子とが反応し、感光性材料の溶解性(あるいは溶解速度)を増加させることにより起こる。光架橋は通常、予め形成されたポリマーを架橋して溶解性のより劣る架橋ポリマーネットワークを形成することにより起こる。これは通常、ポリマー鎖に直接付けられたペンダント反応基の2量化反応、あるいはポリマーが別の多官能光活性架橋剤と反応することにより起こる。光重合は通常、比較的低分子量のモノマーあるいはオリゴマーが光開始カチオンあるいはフリーラジカル重合を起こして、溶解性のより劣るポリマーを生成するときに起こる。
【0095】
本発明のプロセスで光硬化層として光硬化材料が用いられる。光硬化材料は光架橋性であるか、光重合性であるか、あるいはこの2つの組み合わせでありうる。光硬化性材料は通常、バインダ、光開始剤あるいは光開始剤システム(以後「光開始剤システム」と呼ばれる)および光硬化成分を含み、光硬化成分は、(i)重合性低分子量モノマーあるいはオリゴマー、(ii)互いに反応しうる、バインダの反応性ペンダント基あるいは(iii)バインダの反応性ペンダント基および反応基と反応しうる架橋剤、の少なくとも1つである。
【0096】
バインダとして用いることができる材料には、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、スチレン、ビニルアセテートおよびその部分水素化誘導体のポリマーおよびコポリマーが含まれ、両性インターポリマーも含まれる。また、ゼラチンとセルロースエステルおよびエーテル、ならびにエラストマー材料、例えばブタジエンとイソプレンのポリマーおよびコポリマーを用いることができる。光開始剤システムは、化学作用性放射に曝すことにより、フリーラジカルもしくはカチオン架橋あるいは重合反応のいずれかを開始する化学種を生成するものである。化学作用性の放射により、これらに限定はされないが、UV、可視、電子線、およびX線を含む高エネルギー放射を意味する。
【0097】
現在用いられているフリーラジカル反応のほとんどの光開始剤システムは、2つの機構、光フラグメント化と光誘起水素引抜き反応のうちの1つに基づいている。第1のタイプの適切な光開始剤システムには、過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル;アゾ化合物、例えば2,2′−アゾビス−(ブチロニトリル);ベンゾイン誘導体、例えばベンゾインおよびベンゾインメチルエーテル;アセトフェノン誘導体、例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン;ベンゾインのケトオキシムエステル;トリアジン;およびビイミダゾールが含まれる。第2のタイプの適切な光開始剤システムには、アントラキノンおよび水素供与体;ベンゾフェノンおよび第3級アミン;ミヒラーのケトン単体およびベンゾフェノンとの複合;チオキサントン;および3−ケトクマリンが含まれる。
【0098】
カチオン架橋あるいは重合反応に適する光開始剤システムは、照射により、エチレンオキサイドあるいはエポキシ誘導体の重合を開始させることができるルイス酸あるいはブレンステッドプロトン酸を生成するものである。このタイプのほとんどの光開始剤システムはオニウム塩、例えばジアゾニウム、ヨードニウムおよびスルホニウム塩である。
【0099】
前記の光開始剤システムに増感剤を含めることもできる。一般に、増感剤は反応開始成分とは異なる波長で光を吸収する材料であり、吸収したエネルギーを開始成分に移動させることができる。したがって、活性化光の波長を調節することができる。
【0100】
前記のように、バインダは、フリーラジカル誘起あるいはカチオン架橋反応をすることができるペンダント基をもつことができる。フリーラジカル誘起架橋反応をすることができるペンダント基は通常、エチレン性不飽和サイト、例えばモノ−およびポリ不飽和アルキル基;アクリルおよびメタクリル酸ならびにエステルを含むものである。いくつかの場合には、ペンダント架橋基は、シンナモイルあるいはN−アルキルスチルバゾリウムペンダント基をもつ場合のように、それ自体感光性でありうる。カチオン架橋反応をすることができるペンダント基には、置換および無置換エポキシドおよびアジリジン基が含まれる。
【0101】
フリーラジカル重合性モノマーは典型的にはエチレン性不飽和化合物である。その例にはアルコールのアクリレートおよびメタクリレートエステルおよびそれらの低分子量オリゴマーが含まれる。2つ以上のフリーラジカル誘起付加反応性不飽和サイトをもつ適切なモノマーおよびオリゴマーの例には、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、およびペンタエリスリトールなどのポリオールのポリアクリレートおよびポリメタクリレートエステル、ならびにそれらの低分子量モノマーが含まれる。各水酸基をいくつかのエチレンオキサイド分子と反応させたエトキシ化トリメチロールプロパンのエステル、ならびにビスフェノールAジグリシジルエーテルから誘導されたモノマーおよびウレタンから誘導されたモノマーも用いられている。カチオン重合性モノマーには、モノ−およびポリ官能性エポキシドおよびアジリジンが含まれる。ある場合には、バインダに残留反応サイト、例えば残留不飽和あるいはエポキサイド基があり、架橋剤はバインダとも反応しうる。
【0102】
前記感光性材料のいずれも本発明のプロセスに用いることができるが、フレキソ印刷版および/またはフォトレジストの調製に適する光硬化材料が好ましく、また通常用いられ、そして以下でより詳細に説明される。
【0103】
本発明によりフレキソ印刷版上にあるいはフォトレジストを用いてレリーフ画像を作り出すために、光硬化材料はバインダ、少なくとも1種の光硬化成分(例えばモノマー)および開始剤システムを含み、開始剤システムは化学作用性放射に対して感応性がある。たいていの場合、開始剤は可視あるいは紫外放射に対して感応性であろう。フレキソ印刷版あるいは画像形成されたレジストパターンを形作るのに適するいずれの光硬化組成物も本発明で用いることができる。フレキソ印刷版に適する組成物の例は、例えばChen他の米国特許第4,323,637号、Gruetzmacher他の米国特許第4,427,759号およびFeinberg他の米国特許第4,894、315号に開示されている。
【0104】
フレキソ印刷版上にレリーフ画像を作り出すために、エラストマーバインダが選択される。このエラストマーバインダは、水性、準水性あるいは有機溶剤現像液に溶解するかあるいは分散性である、単一ポリマーあるいはポリマー混合物である。水性、あるいは準水性現像液に溶解するかあるいは分散性であるバインダは、Allesの米国特許第3,458,311号;Pohlの米国特許第4,442,302号;Pineの米国特許第4,361,640号;Inoue他の米国特許第3,794,494号;Proskowの米国特許第4,177,074号;Proskowの米国特許第4,431,723号;およびWornsの米国特許第4,517,279号に開示されている。有機溶剤現像液に溶解するか分散性であるバインダには、ポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンを含む共役ジオレフィン炭化水素の天然あるいは合成ポリマー、ブタジエン/アクリロニトリル、ブタジエン/スチレンおよびイソプレン/スチレンブロックコポリマー熱可塑性エラストマーならびに他のコポリマーが含まれる。Chenの米国特許第4,323,636号;Heinz他の米国特許第4,430,417号;およびToda他の米国特許第4,045,231号に記載されるブロックコポリマーを用いることができる。バインダは光硬化層の少なくとも50重量%の量で存在することが好ましい。
【0105】
用語バインダは、本明細書で用いられる場合、Fryd他の米国特許第4,956,252号に開示されるもののような、コア−シェルマイクロゲルならびにマイクロゲルと予めつくられた高分子量ポリマーのブレンドを含む。
【0106】
本発明のフォトレジスト用途では、感光要素の感光および/または光硬化層のバインダ成分は、好ましくはカルボン酸含有コポリマー、例えば米国特許第3,458,311号および第4,273,857号に開示されるものなどであり、当分野の技術者に知られたそこに記載される付加重合技術の何れかにより、バインダ成分を調製することができる。カルボン酸基のレベルは、水性アルカリ現像液で優れた現像をするために必要とされる量を最適化することにより、特定の組成物に対して決められる。好ましいバインダは構造単位:
【0107】
【化1】
Figure 2004505292
【0108】
のコモノマーを含み、式中RはHまたはアルキル;RはフェニルまたはCO;またRはHあるいは無置換であるかまたはヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、カルボアルコキシ、および他の置換基で置換されているアルキルである。アルキル基は通常1から12個、好ましくは1から4個の炭素原子を含む。バインダコポリマーを形成するのに適しているコモノマーは、スチレンと不飽和カルボン酸ならびにこれらの誘導体、例えば(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリレートである。アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、スチレン、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびブチルアクリレートが好ましい。
【0109】
1種または複数のエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物、あるいは対応するアルキルジエステルと1種または複数の前記コモノマーとの直接共重合により、本発明のバインダコポリマーを形成することができる。適切なエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物は、例えば無水マレイン酸、イタコン酸無水物およびシトラコン酸無水物であり、また無水マレイン酸のジイソブチルエステルなどのアルキルジエステルである。酸無水物官能基を含むコポリマーバインダを第1級脂肪族あるいは芳香族アミンと反応させることができる。
【0110】
感光要素がレーザー処理集積体で用いられ、さらに進んでレジストレリーフ画像を作り出す場合、組成物の現像には、水性アルカリ現像液でフォトレジストコーティング組成物が処理できるようにするのに十分なカルボン酸基がバインダ材料に含まれていることが必要である。感光要素から形成されるコーティング層は、露光されない部分が除去されるであろうが、1重量%の炭酸ナトリウムあるいは炭酸カリウムを含む完全水性溶液などの水性アルカリ液による、温度30℃で2分間までの現像の間、曝された部分は実質的に影響を受けないであろう。コポリマーバインダの酸価は5から500、さらに好ましくは20から250の範囲内にあるべきである。
【0111】
光硬化層の全コポリマーバインダの量は、光硬化層組成物の約10から90重量部である。
【0112】
成形性、現像もしくは除去性、あるいは電解銅メッキあるいは銅エッチングなどの印刷回路処理工程における実用性能を最大化するために、1種または複数のコバインダが存在してもよい。
【0113】
光硬化層は通常、透明で曇りのない感光層が生成する程度にはバインダと相溶していなければならない単一のモノマーあるいはモノマーの混合物を含む。光硬化層に用いることができるモノマーは当分野においてよく知られている。Chenの米国特許第4,323,636号;Fryd他の米国特許第4,753,865号;Fryd他の米国特許第4,726,877号;およびFeinberg他の米国特許第4,894,315号に、このようなモノマーの例を見出すことができる。モノマーは光硬化層の少なくとも5重量%の量で存在することが好ましい。
【0114】
光開始剤システムは、化学作用性放射に感応し、過度に停止することなく1種のモノマーあるいは複数種のモノマーの重合を開始させるフリーラジカルを発生する何らかの単一の化合物あるいは化合物群である。光開始剤は一般に可視または紫外光、好ましくは紫外光に感応する。それは185℃以下では熱的に不活性であるべきである。適切な光開始剤の例には置換および無置換の多環式キノンが含まれる。適切なシステムの例が、Gruetzmacher他の米国特許第4,460,675号およびFeinberg他の米国特許第4,894,315号に開示されている。光開始剤は通常光硬化組成物の重量に対して0.001%から10.0%の量で存在する。
【0115】
光硬化層は望まれる最終的な性質に応じて他の添加剤を含むことができる。このような添加剤には、熱重合禁止剤、増感剤、可塑剤、着色剤、抗酸化剤、抗オゾン剤、フィラーあるいは強化剤が含まれる。
【0116】
バインダ、モノマー、開始剤、および他の添加成分を混合することにより、光硬化層を多くの仕方で調製することができる。光硬化混合物を高温溶融体にして、次に望みの厚さにカレンダー形成することが好ましい。組成物の溶融、混合、脱気および異物除去機能を果たすために押出機を用いることができる。次に、押出し混合物は支持体と一時的で除去可能なカバーシートの間でカレンダーにかけられる。一時的カバーシートは通常バリア層で前もってコートされている。通常レーザー処理集積体をつくるために使用する直前におこなわれる一時的カバーシートの除去の際に、バリア層が光硬化層にそのまま残るように、バリア層と一時的カバーシートの間の接着は弱くなければならない。別法として、モールド内で支持体とバリア層がコートされた一時的オーバーシートの間に光硬化材料を入れることもできる。次にこれらの材料層は熱および/または圧力を加えてプレスされて平らにされる。
【0117】
感光要素を連続印刷要素の形態にすると特に有利である。平面シート感光性レシーバ要素、すなわち支持体、感光層およびバリア層をシリンダ形、通常印刷スリーブあるいは印刷シリンダ自体の回りに巻き、そして感光層の端部を融合させてシームレス連続要素を形作ることにより、この要素を再加工することが可能である。次に、転写あるいはトップ層がバリア層に隣接するように、連続感光要素(レシーバ要素)の回りに、ドナー支持体上のドナー要素を巻くことができる。転写あるいはトップ層、ならびにドナー要素の他の層をスリーブ形にして、そして連続感光要素の上に滑り込ませることも可能である。得られる構造体は1つのレーザー処理集積体である。好ましい方法においては、光硬化層がシリンダ形の回りに巻かれ、そして端部が接合される。端部を接合する1つのプロセスがドイツ特許DE 2844426に開示されている。ここで少なくとも1バリア層とともに光硬化層をスプレコートすることができる。次にドナー要素が、転写あるいはトップ層がバリア層に隣接するようにこの要素の回りに巻かれる。次にドナー要素は、フォトマスクの製作では画像状にレーザーで露光され、ドナー支持体が取除かれ、そして連続要素は化学作用性放射に曝されて現像される。
【0118】
連続印刷要素は、壁紙、装飾および贈答用包装紙などの図柄が繰返されるフレキソ印刷に用途がある。さらに、このような連続印刷要素は通常のレーザー装置に装着するのによく適している。端部が融合されて印刷要素がその上に巻かれたスリーブあるいはシリンダを直接レーザー装置に装着することができ、それはレーザー露光ステップの間回転ドラムとしての役割を果たす。
【0119】
特に指摘されなければ、用語「フレキソ印刷版あるいは要素」は、これらに限定はされないが平らなシートおよびシームレス連続形態を含む、フレキソ印刷に適するいかなる形態の版あるいは要素も含む。
【0120】
前記のように、フレキソ印刷版を調製するためには、最初に、ドナー要素および感光要素(レシーバ要素)からなるレーザー処理集積体が、熱画像形成ステップにおいて画像状に赤外レーザー露光されて、感光要素のフォトマスクの作製が実施される。これにより、あるパターンで光硬化層(あるいはバリア層またはカバーシート)に固着した、化学作用性放射に不透明なマスクが得られる。感光要素全体にマスクを通して化学作用性放射、好ましくはUV光が照射され、次に光硬化層の非露光部、すなわち光硬化されなかった部分が除去されて現像される。バリア層が存在する場合、それは少なくとも非露光部では除去される。
【0121】
フレキソ印刷版を調製するのに用いられる光硬化要素に使用できる現像液には、有機溶剤現像液、水性および準−水性溶液が含まれる。適切な有機溶剤現像液には、芳香族もしくは脂肪族炭化水素および脂肪族もしくは芳香族ハロゲン化炭化水素溶剤、あるいはこれらの溶剤と適切なアルコールとの混合物が含まれる。他の有機溶剤現像液が公開ドイツ出願3828551に開示されている。適切な準−水性現像液は通常、水および水相溶性有機溶剤とアルカリ性材料を含む。適切な水性現像液は水とアルカリ性材料を含む。他の適切な水性現像液の組合せは米国特許第3,796,602号に記載されている。
【0122】
現像時間は変わるが、約2から25分の範囲にあることが好ましい。浸漬、スプレおよびブラシあるいはロール塗布を含む何らかの都合のよいやり方で、現像液を付けることができる。組成物の未重合部分をを除去するために、補助ブラシを用いることができる。光硬化システムでは、洗い出しは、現像液および機械的ブラシ運動を用いて版の非露光部を除去し、露光画像およびフロアからなるレリーフを得る自動処理ユニットでおこなわれることが多い。
【0123】
現像に続いて、レリーフ印刷版は通常水を吸い取るかあるいはふいて乾燥され、次に空気流あるいは赤外オーブンで乾燥される。乾燥温度と時間は変わるが通常フレキソ版は60℃で60から120分乾燥される。高温は、支持体が収縮してこれが見当合わせの問題を引起こすので勧められない。
【0124】
エラストマー光硬化要素からのフレキソ印刷版の調製において、さらなるプロセスステップを実施することができる。
【0125】
1つのさらなるステップはこの要素に支持体を通して化学作用性放射をブランケット露光することである。この露光は、一般にバックフラッシュ(backflash)露光と呼ばれており、光硬化層の支持体側に光硬化された材料の薄い層、あるいはフロアを作り出し光硬化層を増感するのに用いられる。フロアは光硬化層と支持体との間の接着性を改善し、また版レリーフの深度を決める。このバックフラッシュ露光は他の画像形成ステップの前、後あるいはその間におこなうことができる。このステップは遮光マスクを通して露光するステップの直前におこなうことが好ましい。この露光ステップでは通常の化学作用性放射源のいずれかを用いることができる。バックフラッシュの露光時間は通常数秒から約1分までの範囲である。
【0126】
ほとんどのフレキソ印刷版は均一に後露光されて、光硬化プロセス(例えば、光重合あるいは光架橋)が完結しまた版が印刷および保管中に安定していることを確かなものとする。この後露光ステップでは主露光と同じ放射源を用いる。
【0127】
非粘着化(detackification)は、表面が依然として粘着性である場合におこなうことができる、任意選択の現像後処理であり、このような粘着性は通常後露光でなくならない。当分野においてよく知られている方法、例えば臭素あるいは塩素溶液での処理などにより、粘着性をなくすことができる。このような処理は、例えば米国特許第4,400,459号、第4,400,460号およびドイツ特許28 23 300に開示されている。欧州公開特許出願0017927およびGibsonの米国特許第4,806,506号に開示されるように、300nm以下の波長の放射源を照射することにより、非粘着化を達成することも可能である。
【0128】
プロセスステップ
1.露光
本発明のプロセスにおける第1のステップは、レーザー処理集積体を画像状にレーザー露光することである。レーザー処理集積体は、前記のドナー要素とレシーバ要素を備える。
【0129】
集積体は通常、転写層あるいはトップ層コーティングがレシーバ要素のレシーバ支持体あるいは受像層に実際に触れているように、ドナー要素とレシーバ要素を接触させて置くことにより、(複数の)カバーシートを、存在する場合には、除去した後に調製される。いくつかの例ではカバーシートは取り除かれず、その場合には転写層あるいはトップコーティングはレシーバ要素のカバーシートに触れている。2つの要素を合わせ保持するために、真空および/または圧力が用いられる。1つの別法として、周辺部で層を融合することにより、ドナーおよびレシーバ要素を合わせて保持することができる。さらなる別法として、ドナーおよびレシーバ要素を一緒にテープ留めしてそしてテープ留めして画像形成装置に入れるか、あるいはピン/クランプシステムを用いることができる。さらなる別法として、ドナー要素をレシーバ要素にラミネートしてレーザー処理集積体とすることができる。レーザー画像形成を容易にするために、レーザー処理集積体をドラムに都合よく装着することができる。
【0130】
レーザー処理集積体を露光させるために、様々なタイプのレーザーを用いることができる。レーザーは好ましくは、赤外、近赤外あるいは可視領域で発光するものである。特に利点があるのは、750から870nmの領域で発光するダイオードレーザーであり、これはその小さなサイズ、低コスト、安定性、信頼性、頑丈さおよび変調の容易さによりかなりの利点をもたらす。780から850nm領域で発光するダイオードレーザーが最も好ましい。このようなレーザーは、例えばSpectra Diode Laboratories(San Jose、California)から入手できる。
【0131】
露光は、これらの層がレーザー光に対して実質的に透明であれば、ドナー要素の可撓性放出層を通してあるいはレシーバ要素を通しておこなうことができる。たいていの場合、ドナー可撓性放出層は赤外光に対して透明なフィルムであり、露光はその可撓性放出層を通して都合よく実施される。しかし、レシーバ要素が赤外光に対して実質的に透明であれば、レシーバ要素を赤外レーザーで画像状に露光することにより、本発明のプロセスを実施することもできる。
【0132】
レーザー処理集積体は画像状に露光されて材料、すなわちバインダおよび画像形成成分がパターンとしてレシーバ要素に転写される。そのパターン自体は、例えばコンピュータにより生成されるドットあるいはラインワークの形態、コピーすべきアートワークのスキャニングにより得られる形態、元のアートワークから取り込まれたデジタル画像の形態、あるいはレーザー露光の前にコンピュータで電子工学的に結合させることができるこれらの形態の何らかの組合せでありうる。レーザー光線とレーザー処理集積体は、集積体の各微小部分、すなわち「画素」がレーザーにより個々に照射されるように、互いに一定の運動を続ける。これは通常、レーザー処理集積体を回転式ドラムに装着することにより実施される。フラットベッドレコーダを用いることもできる。
【0133】
感光要素上にレリーフ画像を作るために続いて使用されるフォトマスクを作製するために用いられる本発明のドナー要素では、ドナーからレシーバに転写され、そしてマスク部になる材料、あるいは別法として、他の実施形態でマスク部としてドナー要素に残る材料は「化学作用性放射に対して実質的に不透明」でなければならない。この用語「化学作用性放射に対して実質的に不透明」は、下側の感光層あるいは光硬化層へと透過する化学作用性放射の量が極めて少ないので、感光あるいは光硬化層では認められるような量の光誘起反応は全く起らないということを意味する。ドナー要素の材料は感光性レシーバ要素のカバーシートあるいはバリア層あるいは光硬化層へ転写されうる。
【0134】
2.分離
本発明のプロセスにおける次のステップは、ドナー要素をレシーバ要素から引き離すことである。通常これは2つの要素を単に引き剥がすことによりおこなわれる。これには通常非常に小さい引き剥がし力しか必要とせず、単にドナー支持体をレシーバ要素から引き離すことにより成遂げられる。何らかの通常の分離技術を用いてこれをおこなうことができ、これは手作業あるいは作業者の介在のない自動式でありうる。
【0135】
前記を通して、目的とされる作製物は、レーザー露光後にその上に画像形成成分がパターンで転写されるレシーバ要素であった。しかし、目的とする作製物がレーザー露光後のドナー要素であるということもまた可能である。ドナー支持体が透明である場合、感光性材料、例えばフォトレジスト、フォトポリマー印刷版、感光性プルーフィング材料、医療用ハードコピーなどの通常のアナログ露光のためのフォトツールとしてこのドナー要素を用いることができる。フォトツールの用途では、ドナー要素の「透明」、すなわちレーザー露光部と「不透明」、すなわち非露光部の間の濃度差を最大化することが重要である。このため、ドナー要素に用いられる材料はこの用途に適合するように特別につくられる。
【0136】
3.多色画像の形成
プルーフィングとカラーフィルタアレイ用途では、レシーバ要素は通常その上に多色画像がつくり上げられる中間体要素である。転写層に第1の画像形成成分をもつドナー要素が露光され、前記のように引き離される。レシーバ要素は第1の画像形成成分により形成された1つの画像をもっている。この後、第1のドナー要素の画像形成成分と異なる画像形成成分を転写層にもつ第2のドナー要素が、第1の画像形成成分による画像をもつレシーバ要素とレーザー処理集積体を形成し、そして画像状に露光され、前記のように引き離される。(a)前に用いられたものと異なる画像形成成分をもつドナー要素と前に画像形成されたレシーバ要素とでレーザー処理集積体を形成すること、(b)露光すること、および(c)分離することからなるステップは、レシーバ要素上にカラープルーフあるいはカラーフィルタアレイの多色画像をつくり上げるために必要なだけ何度でも繰る返される。次に例えば、プルーフィング用途での紙などの恒久性基材、あるいはカラーフィルタアレイ用途でのLCDデバイスの可撓性ガラス基板あるいは偏光フィルタ要素からなるレセプタ要素にラミネートすることにより、レシーバ要素上のカラー画像(これは中間体レシーバ要素である)を転写することができる。ラミネートした後、中間体レシーバ要素を恒久性基材あるいはレセプタ(すなわち、紙、あるいはガラスもしくは偏光要素)から引き離して、カラー画像の転写を完結させる。分離に際して、受像層はLCD上のカラーフィルタを形成する着色層と共に残っていてもよい。そのとき受像層は、LCDデバイスの外側表面上に実質的な平面層を与える平坦化層として機能して、カラーフィルタ層の厚さのいかなる非均一性も目立たなくすることができる。
【0137】
4.フォトマスクの実施形態でのさらなるプロセス
感光要素上にフォトマスクを作製して次にそのフォトマスクを用いてレリーフ画像を作り出すことを含む本発明の実施形態では、以下に記載されるさらなるプロセスステップがある。これらのさらなるプロセスステップには、これらに限定されるわけではないが、感光要素を画像状に露光して、光硬化されないままの他の部分(光硬化性のままである部分)がそのまま存在しながら、光硬化された部分を作り出すことが含まれる。光硬化されていない材料を取り除く次の現像ステップは、光硬化された部分は現像の進展の間そのままであるような条件でおこなわれて、フォトマスクを用いて感光要素であったものの上にレリーフ画像を作り出す。さらなる詳細は以下に記載される。
【0138】
画像状露光は、これに限定されるわけではないが、感光要素上にフォトマスクを作製した後フォトマスクを通して化学作用性放射で感光要素全体を照射することにより成し遂げられる。用いられる放射のタイプは、光硬化層中の光開始剤のタイプに依存し、これらに限定されるわけではないが、紫外(UV)、可視、および近赤外光を通常含む。光硬化層上のフォトマスク中の化学作用性放射遮蔽材料は、その下の材料が化学作用性レーザー放射で露光されることを妨げる。光硬化システムでは、化学作用性放射遮蔽材料で覆われた部分は重合あるいは架橋しない。化学作用性放射遮蔽材料で覆われていない部分は化学作用性放射の照射を受けて光硬化する。ほとんどの光開始剤は可視あるいはUV光に感応する。適切な可視あるいはUV源の例には、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、電子フラッシュユニット電子ビームユニットおよび写真用フラッドランプ(flood lamp)が含まれる。最も適切なUV光源は水銀蒸気ランプ、特にサン(sun)ランプである。1つの標準的な光源は、Sylvania 350 Blacklight蛍光ランプ(FR48T12/350 VL/VHO/180、115w)であり、これは約354nmの中心発光波長をもつ。
【0139】
感光要素上にフォトマスクを作り出すために熱画像形成の間レーザー処理集積体を化学作用性放射で画像状に露光すること、および引き続き(光硬化された部分を生じるが他の部分は光硬化されないままであるように)化学作用性放射で全体を照射することのいずれも同一の装置で実施できるということが想定されている。これがドラムを用いておこなわれる、すなわち回転して要素の異なる部分を露光させることができるドラムに感光要素が装着されることが好ましい。
【0140】
光硬化システムでは、この露光ステップは酸素のない状態で実施されることが好ましい。光硬化反応は、酸素は存在しても起こるであろうが、その反応にはより長い露光時間が必要であり、結果は再現性に劣る。露光ステップでは要素を真空フレーム(frame)中に置くことができる。光硬化層の表面が粘着性である場合、それが真空フレームのカバーに付着することを防ぐために、あるタイプの剥離可能なカバー材を層の上に置かなければならない。不活性雰囲気、例えば窒素中で、あるいは不活性雰囲気で吹き払われた表面に露光することもできる。
【0141】
バリア層が存在する場合、それが効果的に酸素と光硬化層との相互作用を妨げるので、露光ステップを雰囲気酸素の存在下に実施することができる。
【0142】
化学作用性放射露光時間は、放射の強度およびスペクトルエネルギー分布、感光要素との距離、および感光性組成物(例えば光硬化組成物)の性質と量に応じて、数秒から数分へと変えることができる。本発明の感光要素では通常、水銀蒸気アークあるいはサンランプが、要素から約3.8から約153cm(1.5から60インチ)の距離で用いられる。露光温度は好ましくは室温あるいは少し高い、すなわち約20℃から約35℃である。
【0143】
化学作用性放射遮蔽材料により形成されるフォトマスクを通して化学作用性放射で全体を露光することに続いて、画像が現像されてレリーフが形成される。現像ステップは、化学作用性放射で照射された光硬化層部分と照射されなかった部分との間の物理的性質の違いに基づいている。現像には通常、例えば、光硬化層の比較的溶解しやすい部分を洗い流すこと、あるいは光硬化層の部分を別の基材に転写することが含まれる。化学作用性放射を照射することが結果として溶解性の違いとなるシステムが用いられた場合、現像は適切な現像溶剤で洗うことにより実施される。現像は通常室温近くで実施される。現像液は有機溶剤、水性あるいは凖−水性溶液でありうる。現像液の選択は、除去されるべき感光性材料(例えば、感光要素の光硬化層中の材料)の化学的性質に依存するであろう。
【0144】
以下の用語が本明細書および/または実施例を通じて用いられ、以下に記載される意味をもつ。
【0145】
定義
DSC−示差走査熱量測定、これはTg値および他の特性温度測定で有用なよく知られた熱分析技術である。
【0146】
Td−特定のポリマーの℃で測定された熱分解温度。この値は通常熱重量分析あるいは示差走査熱量測定(DSC)などの熱分析を用いて測定される。
【0147】
GTT−特定のポリマーのガラス転移温度。ポリマーのGTTすなわちTgはあるタイプの2次転移である。加熱されたポリマーがガラス状態(Tgより下)からゴム状で柔らかい状態(Tgより上)へ相転移を示す特性温度として定義される。一般に、あるポリマー鎖の屈曲性が大きければ、そのTgは低いであろうし、一方あるポリマーが剛直であれば、そのTgは高いであろう。そのTgより低い温度にある特定のポリマーでは、ポリマーは硬くてガラス状である;そのTgを超える温度にある特定のポリマーでは、それはソフトで柔軟である。ある特定のポリマーのTgはDSCにより測定されることが多い。
【0148】
Tg0−これは、可塑剤を含んでいない純粋なポリマーであるか、あるいは測定されたガラス転移温度が無可塑ポリマーのものの±3℃以内となる程度にせいぜい極わずかに可塑化されたポリマーであるかのいずれかであるポリマー試料についてDSCにより測定された特定のポリマーのガラス転移温度である。この温度は特定のポリマーの特性温度である。特に指定されなければ、この温度は℃で表されている。
【0149】
Tg1−これは、試料の測定されたガラス転移温度が、Tg0でなくここではTg1であって、Tg0−Tg1>3℃となるように1種または複数の既知の可塑剤を含むポリマー試料についてDSCにより測定された特定のポリマーのガラス転移温度である。この温度(Tg1)は、特定の(複数の)可塑剤で特定の度合い(可塑化度、添加可塑剤のパーセンテージなど)に可塑化されている特定のポリマーの特性温度である。
【0150】
弾性率(Mod)−これは、Instron(登録商標)ユニットで測定された試料の引張り弾性率あるいは簡単に弾性率(modulus)である。
【0151】
応力−歪曲線−これは、一定の伸長速度で伸ばした場合に試料に発生する力を連続的に測定することにより測定される。応力−歪曲線は、弾性率、降伏応力および破断伸びを含むいくつかの量を定めるのに使える。弾性率は曲線の勾配。
【0152】
感度(Sens)−これは、転写要素の感度、あるいはアブレーション限界値であり、転写あるいは材料の移動が起こるのに必要な最小のレーザーエネルギー密度に相当する。エネルギー密度は単位面積当たりのレーザーエネルギー(例えば、ミリジュール/cm)である。
【0153】
以下のバインダは本発明において直ちに利用されているか、あるいは比較例のバインダである。
【0154】
放出層バインダ:
CPVC   塩素化ポリ(塩化ビニル)
PVC    ポリ(塩化ビニル)
(Aldrich)Td1=282℃、Td2=465℃
PVC1−#=ポリ塩化ビニル Tg=84℃
(Flexmark Corporation)
PVC2−#=ポリ塩化ビニル Tg=33℃
(Plastic Film Corporation of America)
PVC3−#=ポリ塩化ビニル Tg=64℃
(VCF Film,Inc.)
実施例のセクションに示されているように、#はミル(約25ミクロン)単位での放出層の厚さである。
【0155】
転写層ポリマー:
PEO    ポリエチレンオキサイド
(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー、ウィミントン、DE(デュポン))Td=457℃
A//B   n−BMA(10)/MMA(5)//MAA(10)−GTPにより調製されたA//Bブロックコポリマー(米国特許第4,417,034号を参照)。
【0156】
他の材料:
CyHex  シクロヘキサノン(Aldrich)
MEK    メチルエチルケトン(Aldrich)
PET    ポリエチレンテレフタレート
(デュポン Mylar(登録商標)200D)
【0157】
(実施例)
これらの非限定的実施例は、本明細書で特許請求され記載されるプロセスおよび画像形成されたレーザー処理集積体を例示する。明細書を通じて、特に指定されなければ、全ての温度は℃(摂氏度)で表されており、全てのパーセンテージは重量パーセントである。
【0158】
特定のドナー要素の感度(フィルム感度またはドナー要素感度)、あるいはアブレーション限界値は、熱画像形成の間にレーザー処理集積体のドナー要素から所定のレシーバ要素に材料の転写が起こり、その転写された材料の濃度(光学濃度)が少なくとも0.005であるために必要な最小のレーザーエネルギー密度(LF、mJ/cmで測られる)として定義された。(アブレーション限界値では、転写された材料の光学濃度は非常に小さい(例えば、約0.005)が、それでも光学濃度ゼロを超えていると識別できる。)
【0159】
これらの実施例における熱画像形成はCREO露光エンジン(Creo Products Inc.、Vancouver、British Columbia、Canada)を用いて実施された。用いられたこのシステムは、長さ76.2cm(30インチ)で直径30.5cm(12インチ)の回転外部ドラム(rotating external drum)を含む。試料は回転外部ドラムに装着された。このCREO露光エンジンは、各々がほぼ70ミリワットで、個々に変調された32の光線を出力するレーザーヘッドを含み、これらの光線の焦点は個々に試料上のほぼ7ミクロンのスポットに合わせられていた。回転ドラムは周長が1メートルであった。回転ドラムを30から450RPMの範囲の速度で回転させて、0.5から7.5メートル/秒の範囲のドラム上での周速を生み出すことができる。試料は粘着テープと減圧の助けで適正な場所に保持された。レーザーヘッドは、米国特許第4,743,091号で特許を認められており、32個のほぼ830nmのレーザーダイオードからなり、それぞれはほぼ90ミリワットのシングルモード出力をもつ。レーザーダイオードは、1から5列には6個のレーザーがあり6列は2個のレーザーがある2次元の6x6パターンの行列に配列されている。各レーザー出力はコリメーションレンズを通され、コリメーションレンズはレンズから252mmの平面上に各レーザー出力の焦点を合わせるように調節されていた。2つの要素からなるズームレンズが試料表面に上に6x6のアレイを画像形成させるために用いられ、特定のスポットサイズとなるように調節された。特定の試料上での全出力はほぼ2240ミリワットであった。
【0160】
ドナー要素とレシーバ要素(すなわち、フレキソ印刷要素)からなるレーザー処理集積体に、830nmで1マイクロ秒のパルス幅で書き込む32個の赤外ダイオードレーザーの前記アレイを用いて書き込んだ。これらの実施例では、ビームサイズを5.8ミクロンに調節し、ドラムの速度を100RPMから300あるいは400RPMに25RPMずつ増加させた。
【0161】
これらの実施例では、それぞれの場合においてレシーバ要素はCyrel(登録商標)67HOSフレキソ印刷版(デュポン)であった。カバーシートを取り除き、印刷版の剥離(バリア)層をドナー要素の転写層と接触させて特定の実施例のレーザー処理集積体を形成した。このレーザー処理集積体をCREO露光ユニットのドラムに装着して各実施例で記載されるようにして画像形成した。
【0162】
実施例1〜3
これらの実施例では、分解温度が高いポリマー(バインダ)を含んでいるかあるいは含んでいないコーティング配合物転写層をもつ3層ドナー要素での、転写されたマスクの耐久性に及ぼすレーザーエネルギー密度の効果を例示する。これらの実施例で用いられる3層ドナー要素は列挙順に以下の層からなっていた:4ミル(102ミクロン)のポリ塩化ビニル(PVC)可撓性放出層、放出層の上のスパッタリングによる90Åのニッケル、および着色され以下に示される特定の配合の転写層(転写層A、転写層Bあるいは転写層C)。PVC放出層を、Niのスパッタリングにより、Flex,Inc.(Santa Rosa、CA)のニッケルで透過率が41%(〜90Å)となるまで被覆した。石英結晶を用いてin situで、また分解後金属被覆されたPVCの反射および透過を測定することにより、金属の厚さをモニタした。それぞれの場合において、室温で乾燥して約0.7から1.0ミクロンの範囲にある転写層の厚さが得られたワイヤロッド#4を用いて、転写層をハンドコートした。次にこの実施例のレーザー処理集積体を形成するために、この得られた3層ドナー要素とCyrel(登録商標)67HOSフレキソ印刷版とを一緒に用い、レーザー処理集積体に集積し、以下に記載される仕方でCREOドラム上に装着した。
【0163】
最初に、フォトポリマー層を外側にしてCREOドラム上にフレキソ印刷版を装着した。導入端部をテープ留めし、ドナー要素をフォトポリマー層に接触させながら導入端部から始めて終端部まで進むことにより、フレキソ印刷版のフォトポリマー層の上に直接3層ドナー要素を置いた。レーザー処理集積体がいったん形成されると、それをドラムにテープ留めし、減圧の助けで適正な位置に保持した。
【0164】
PVC放出層はガラス転移温度が64℃の高度に可塑化された医療用グレード材料であった。TA Instruments(ウィルミントン、DE)のDSC測定装置を用いて示差走査熱量測定によりガラス転移温度を測定した。熱重量分析(TGA)は、300℃までの重量損失がほぼ60%である分解曲線をフィルムがもつことを示した。認められた主な分解ピークは282℃と288℃の間の範囲にあった。
【0165】
以下に列挙された濃度は、CREO露光ユニットによるレーザー画像形成で、特定のドラム速度(従って、感度)でフレキソ版(レシーバ要素)の剥離(バリア)層上に転写された転写層の濃度を表す。濃度はMcBeth反射濃度計(MacBeth、New Burgh、NY)を用いて測定された。以下の実施例は転写層の配合の関数としてフィルム感度を示す。
【0166】
異なるドラム速度でフレキソ印刷版(レシーバ要素)上に転写されたブラック転写層の濃度が転写層A、転写層B、および転写層Cに対して表1に列挙されている。転写されたマスクの耐久性は最後の列に特定されている。(転写層A、転写層B、および転写層Cはそれぞれ転写コーティングA、転写コーティングB、および転写コーティングCをコーティング、乾燥することにより得られた。)
用いられたブラック分散体はカーボンブラック/分散剤を含む。用いられた分散剤は、AおよびBブロックのコモノマーとしてそれぞれ、n−ブチルメタクリレート(10)/メチルメタクリレート(5)//メタクリル酸(10)をもつ組成のA/B型ブロックコポリマーである。このブロックコポリマーは以後、n−BMA(10)/MMA(5)//MAA(10)として表記される。それは水酸化アンモニウムで中和されていた。それはグループ移動(group transfer)重合(米国特許第4,417,034号を参照)により調製された。
【0167】
転写コーティングA〜Cの組成物は以下に示されるものであった:
転写コーティングA(0%PEO)
50グラムのカーボンブラック顔料および15%のn−MBMA(10)/MMA(5)//MAA(10)水分散体
0.833グラムの炭酸アンモニウム
8.054グラムの水
%固形分=15%
転写コーティングB(PEO+転写コーティングAの量に対して20%PEO)
2.5グラムの水溶液(15%)としてのPEO
10グラムの転写コーティングAを前記のようにして調製
転写コーティングC(PEO+転写コーティングAの量に対して30%PEO)
4.26グラムの水溶液(15%)としてのPEO
10グラムの転写コーティングA、ここで転写コーティングAは前記のようにして調製された。
【0168】
この実施例でのカーボンブラック顔料とn−BMA(10)/MMA(5)//MAA(10)ブロックコポリマーの重量比は2:1である。カーボンブラック顔料は、Degussat FW18(Degussa Co.、Germany)であった。
【0169】
これらの実施例で得られた濃度の値および耐久性データが表1に与えられている。
【0170】
【表1】
Figure 2004505292
【0171】
DA、DB、およびDCに対しては、転写画像を指で擦り、何らかの認められる材料が取り去られたか(耐久性でない)あるいは取り去られない(耐久性)かに目視観察で注目することにより転写された画像の耐久性を評価した場合、それぞれ、n=耐久性でない、およびy=耐久性、である。
【0172】
実施例1において、転写コーティングAは、比較的分解温度の低いポリマー(すなわち、ブロックコポリマー分散剤)を含み、これは本発明の範囲内にある。実施例2あるいは実施例3では、転写コーティングBあるいは転写コーティングCは、分解温度が高い(Td〜457℃)さらなるポリマー(すなわち、PEO)を含み、これは本発明の範囲内ではなく、したがって比較例である。
【0173】
表1に示されるように、比較的分解温度が低いバインダ(Td=〜284℃、本発明の範囲内)だけを有する転写層A(TLA)を含むドナー要素は、分解温度が高いバインダを有する(本発明の範囲外の)転写層B(TLB)あるいは転写層C(TLC)を含む対応するドナー要素(例えば、表1で「TLB−Ex2」あるいは「TLC−Ex3」と表記された列を参照)に対して、かなり高い光学濃度の値(表1の「TLA−Ex1」と表記された列を参照)を示した。さらに、(転写層Aをもつ本発明のドナー要素で得られた)前者の光学濃度値は、(転写層Bあるいは転写層Cをもつ比較ドナー要素で得られた)後者の光学濃度値に比較して、ドラムの回転速度(RPM)を大きくしても大して低下しなかった。たいへん意義深いことに、転写層Aを含む熱画像形成により転写されたコーティングはレーザーエネルギー密度レベルが高い条件のもとでは(すなわち、100〜250rpmの範囲の低いドラム速度と308〜770mJ/cmの範囲の感度で)耐久性を示さなかったが、驚くべきことに、また予想外に、転写層Aを含む熱画像形成により転写されたコーティングは、比較的レーザーエネルギー密度レベルが低い条件のもとでは(すなわち、275〜400rpmの範囲の比較的大きなドラム速度と198〜280mJ/cmの範囲の比較的小さい感度で)実際に耐久性を示した。小さい感度で転写層Aを用いる後者の場合において、得られる転写された画像は、耐久性と(転写層Bあるいは転写層Cで見られたものと比較して)ドラム回転速度を増しても大きさがそれほど低下しなかった、予想外に大きな光学濃度値をもつということに特徴がある。これらのいずれの点もたいへん望ましい。
【0174】
実施例4〜5
これらの実施例では、分解温度が高いポリマー(バインダ)を含んでいるかあるいは含んでいないコーティング配合物転写層をもつ4層ドナー要素での、転写されたマスクの耐久性に及ぼすレーザーエネルギー密度の効果を例示する。これらの実施例で用いられる4層ドナー要素は列挙順に以下の層からなっていた:2ミル(51ミクロン)のPET支持体層(デュポン Mylar(登録商標)200D)、1ミクロンのPVC放出層、放出層の上のスパッタリングによる80Åのニッケルからなる加熱層、および着色され以下に示される特定の配合(転写層A、あるいは転写層C)の転写層コーティング。
【0175】
100フィート/分(30m/分)のラインスピードで運転される連続コーターを用いて、25cm(10インチ)幅のPET支持体上に放出層をコートした。4ミル(102ミクロン)のシム(shim)を用いてダイを組み立て、乾燥機の温度はすべてのセクションで華氏160度(71℃)であった。それぞれの場合にコーティングにより、放出層の厚さは20mg/dmのコーティング重量に相当する2ミクロンであった。試料の取扱い中に放出層にクラックが発生するのを避けるために、可塑剤として9.1重量%のジフェニルフタレートを配合物に加えた。このPVC配合物がコートされた試料のPVC層だけに対するTgは、約55℃であった。300〜400センチポイズの粘度となるように、PVC溶液の固形分を調節した。溶剤はメチルエチルケトン(60%)とシクロヘキサノン(40%)であった。5ミクロンのフィルタを用いライン内でこの溶液を濾過し、金属加熱層のスパッタリング前に放出層を引掻き傷と埃から守るために、1ミル(25ミクロン)のポリエチレンカバーシートをコーティング工程で放出層の外側表面にラミネートした。
【0176】
次に、Niのスパッタリングにより、Flex,Inc.(Santa Rosa、CA)のニッケルで得られた支持体/放出2層試料を透過率が40%(〜80Åで加熱層を形成)となるまで被覆した。石英結晶を用いてin situで、また分解後金属被覆されたPVCの反射および透過を測定することにより、金属の厚さをモニタした。それぞれの場合において、室温で乾燥して約1.0ミクロンの転写層の厚さが得られたワイヤロッド#4を用いて、転写層をハンドコートした。次に、この実施例のレーザー処理集積体を形成するために、この得られた4層ドナー要素とCyrel(登録商標)67HOSフレキソ印刷版とを接触している状態にした。実施例1〜3に記載されたのと同じ仕方でこのレーザー処理集積体をドラム上に装着した。
【0177】
以下に列挙された濃度は、レーザー画像形成により、特定のドラム速度(従って、感度)でフレキソ印刷版上に転写された(着色)転写層の濃度を表す。McBeth反射濃度計(MacBeth、New Burgh、NY)を用いて濃度を測定した。以下の実施例は転写層の配合の関数としてフィルム感度を示す。
【0178】
異なるドラム速度での熱画像形成によりフレキソ印刷版の剥離/バリア層上に転写されたブラック転写層の濃度が、転写層Aおよび転写層Cに対して、表2に列挙されている。転写されたマスクの耐久性は最後の列に特定されている。(転写層Aおよび転写層Cは、それぞれ転写コーティングAおよび転写コーティングCをコーティング、乾燥することにより得られた。)
【0179】
用いられたブラック分散体はカーボンブラック/分散剤を含む。用いられた分散剤は、AおよびBブロックのコモノマーとしてそれぞれ、n−ブチルメタクリレート(10)/メチルメタクリレート(5)//メタクリル酸(10)をもつ組成のA/B型ブロックコポリマーである。このブロックコポリマーは以後、n−BMA(10)/MMA(5)//MAA(10)として表記される。それは水酸化アンモニウムで中和されていた。それはグループ移動重合(米国特許第4,417,034号を参照)により調製された。
【0180】
放出層コーティングと転写コーティングAおよび転写コーティングCの組成は以下に示されるものであった。
放出層
PVC              1500グラム
ジフェニルフタレート        150グラム
メチルエチルケトン        9000グラム
シクロヘキサノン         6000グラム
転写コーティングA(0%PEO)
50グラムのカーボンブラック顔料および15%のn−BMA(10)/MMA(5)//MAA(10)水分散体
0.833グラムの炭酸アンモニウム
8.054グラムの水
%固形分=15%
転写コーティングC(PEO+転写コーティングAの量に対して30%PEO)
4.26グラムの水溶液(15%)としてPEO
10グラムの転写コーティングA、ここで転写コーティングAは前記のようにして調製された
カーボンブラック顔料とこの実施例で用いられた、n−BMA(10)/MMA(5)//MAA(10)ブロックコポリマーの重量比は2:1である。カーボンブラック顔料はCalvin Black(Degussa Co.、Germany)であった。
【0181】
これらの実施例で得られた濃度の値および耐久性データは表2に与えられている。
【0182】
【表2】
Figure 2004505292
【0183】
DAおよびDCに対しては、転写画像を指で擦り、何らかの認められる材料が取り去られたか(耐久性でない)あるいは取り去られない(耐久性)かに目視観察で注目することにより転写された画像の耐久性を評価した場合、それぞれ、n=耐久性でない、およびy=耐久性、である。
【0184】
実施例4において、転写コーティングAは比較的分解温度が低いポリマー(すなわち、ブロックコポリマー分散剤)を含み、これは本発明の範囲内である。実施例5においては、転写コーティングCは、分解温度が高い(Td〜457℃)さらなるポリマー(すなわち、PEO)を含み、これは本発明の範囲内ではなく、したがって比較例である。
【0185】
表2に示されるように、比較的分解温度が低いバインダ(Td=〜284℃、本発明の範囲内)だけを有する転写層A(TLA)を含むドナー要素は、分解温度が高いバインダを有する(本発明の範囲外の)転写層C(TLC)を含む対応するドナー要素(例えば、表2の「TLC−Ex5」と表記された列を参照)に対して、かなり高い光学濃度の値(表2の「TLA−Ex4」と表記された列を参照)を示した。さらに、(転写層Aをもつ本発明のドナー要素で得られた)前者の光学濃度値は、(転写層Cをもつ比較ドナー要素で得られた)後者の光学濃度値に比較して、ドラムの回転速度(rpm)を大きくしても大して低下しなかった。たいへん意義深いことに、転写層Aを含む熱画像形成により転写されたコーティングはレーザーエネルギー密度レベルが高い条件のもとでは(すなわち、100〜150rpmの範囲の低いドラム速度と513〜770mJ/cmの範囲の感度で)耐久性を示さなかったが、驚くべきことに、また予想外に、転写層Aを含む熱画像形成により転写されたコーティングは、比較的レーザーエネルギー密度レベルが低い条件のもとでは(すなわち、200〜400rpmの範囲の比較的大きなドラム速度と198〜440mJ/cmの範囲の比較的小さい感度で)実際に耐久性を示した。小さい感度で転写層Aを用いる後者の場合において、得られる転写された画像は、耐久性と(転写層Cで見られたものと比較して)ドラム回転速度を増しても大きさがそれほど低下しなかった、予想外に大きな光学濃度値をもつということに特徴がある。これらのいずれの点もたいへん望ましい。
【0186】
実施例6〜7
これらの実施例でも、分解温度が高いポリマー(バインダ)を含んでいるかあるいは含んでいない転写コーティング配合物をもつ4層ドナー要素での、転写されたマスクの耐久性に及ぼすレーザーエネルギー密度の効果を例示する。これらの実施例で用いられた4層ドナー要素は列挙順に以下の層からなっていた:2ミル(51ミクロン)のPET支持体層(デュポン Mylar(登録商標)200D)、1ミクロンのPVC放出層、放出層の上のスパッタリングによる80Åのニッケルからなる加熱層、および着色され以下に示される特定の配合(転写層A、あるいは転写層C)の転写層コーティング。
【0187】
100フィート/分(30m/分)のラインスピードで運転される連続コーターを用いて、25cm(10インチ)幅のPET支持体上に放出層をコートした。4ミル(102ミクロン)のシム(shim)を用いてダイを組み立て、乾燥機の温度はすべてのセクションで華氏160度(71℃)であった。それぞれの場合にコーティングにより、放出層の厚さは20mg/dmのコーティング重量に相当する2ミクロンであった。試料の取扱い中に放出層にクラックが発生するのを避けるために、可塑剤として9.1重量%のジフェニルフタレートを配合物に加えた。このPVC配合物がコートされた試料のPVC層だけのTgは、約55℃であった。300〜400センチポイズの粘度となるように、PVC溶液の固形分を調節した。溶剤はメチルエチルケトン(60%)とシクロヘキサノン(40%)であった。5ミクロンのフィルタを用いライン内でこの溶液を濾過し、金属加熱層のスパッタリングの前に放出層を引掻き傷と埃から守るために、1ミル(25ミクロン)のポリエチレンカバーシートをコーティング工程で放出層の外側表面にラミネートした。
【0188】
次に、Niのスパッタリングにより、Flex,Inc.(Santa Rosa、CA)のニッケルで得られた支持体/放出2層試料を透過率が40%(〜80Å)となるまで被覆して加熱層を形成した。石英結晶を用いてin situで、また分解後金属被覆されたPVCの反射および透過を測定することにより、金属の厚さをモニタした。それぞれの場合において、室温で乾燥して約1.1ミクロンの転写層の厚さが得られたワイヤロッド#5を用いて、転写層をハンドコートした。次に、この実施例のレーザー処理集積体を形成するために、この得られた4層ドナー要素とCyrel(登録商標)67HOSフレキソ印刷版とを接触している状態にした。実施例1〜3に記載されたものと同じ仕方でこのレーザー処理集積体をCREOドラム上に装着した。
【0189】
以下に列挙された濃度は、レーザー画像形成により、特定のドラム速度(従って、感度)でフレキソ印刷版上に転写された(着色)転写層の濃度を表す。McBeth反射濃度計(McBeth、New Burgh、NY)を用いて濃度を測定した。以下の実施例は転写層の配合の関数としてフィルム感度を示す。
【0190】
異なるドラム速度での熱画像形成によりフレキソ印刷版の剥離/バリア層上に転写されたブラック転写層の濃度が、転写層Aおよび転写層Cに対して、表3に列挙されている。転写されたマスクの耐久性は最後の列に特定されている。(転写コーティングAおよび転写コーティングCをそれぞれコーティング、乾燥することにより、転写層Aおよび転写層Cを得た。)
【0191】
用いられたブラック分散体はカーボンブラック/分散剤を含む。用いられた分散剤は、AおよびBブロックのコモノマーとしてそれぞれ、n−ブチルメタクリレート(10)/メチルメタクリレート(5)//メタクリル酸(10)をもつ組成のA/B型ブロックコポリマーである。このブロックコポリマーは以後、n−MBMA(10)/MMA(5)//MAA(10)として表記される。それは水酸化カリウムで中和されていた。それはグループ移動重合(米国特許第4,417,034号を参照)により調製された。
【0192】
放出層コーティングと転写コーティングAおよび転写コーティングCの組成は以下に示されるものであった。
放出層
PVC              1500グラム
ジフェニルフタレート        150グラム
メチルエチルケトン        9000グラム
シクロヘキサノン         6000グラム
転写コーティングA(0%PEO)
14.82グラムのカーボンブラック顔料および15.7%のn−MBMA(10)/MMA(5)//MAA(10)水分散体
0.57グラムの水酸化カリウム(KOH)
77.57グラムの水
0.093グラムのZonyl(登録商標)FSO界面活性剤(デュポン)
転写コーティングC(PEO+転写コーティングAの量に対して30%PEO)
4.46グラムの水(15%)としてPEO(Aldrich)
10グラムの転写コーティングA、ここで転写コーティングAは前記のようにして調製された
カーボンブラック顔料とこの実施例で用いられた、n−MBMA(10)/MMA(5)//MAA(10)ブロックコポリマーの重量比は2:1である。カーボンブラック顔料はCalvin Blackであった。
【0193】
これらの実施例で得られた濃度の値および耐久性データは表3に与えられている。
【0194】
【表3】
Figure 2004505292
【0195】
DAおよびDCに対しては、転写画像を指で擦り、何らかの認められる材料が取り去られたか(耐久性でない)あるいは取り去られない(耐久性)かに目視観察で注目することにより転写された画像の耐久性を評価した場合、それぞれ、n=耐久性でない、およびy=耐久性、である。
【0196】
実施例6において、転写コーティングAは比較的分解温度が低いポリマー(すなわち、ブロックコポリマー分散剤)を含み、これは本発明の範囲内である。実施例7においては、転写コーティングCは、分解温度が高い(Td〜457℃)さらなるポリマー(すなわち、PEO)を含み、これは本発明の範囲内ではなく、したがって比較例である。
【0197】
表3に示されるように、比較的分解温度が低いバインダ(Td=〜284℃、本発明の範囲内)だけを有する転写層A(TLA)を含むドナー要素は、分解温度が高いバインダを有する(本発明の範囲外の)転写層C(TLC)を含む対応するドナー要素(例えば、表3の「TLC−Ex7」と表記された列を参照)に対して、かなり高い光学濃度の値(表3の「TLA−Ex6」と表記された列を参照)を示した。さらに、(転写層Aをもつ本発明のドナー要素で得られた)前者の光学濃度値は、(転写層Cをもつ比較ドナー要素で得られた)後者の光学濃度値に比較して、ドラムの回転速度(rpm)を大きくしても大して低下しなかった。たいへん意義深いことに、転写層Aを含む熱画像形成により転写されたコーティングはレーザーエネルギー密度レベルが高い条件のもとでは(すなわち、100〜150rpmの範囲の低いドラム速度と513〜770mJ/cmの範囲の感度で)耐久性を示さなかったが、驚くべきことに、また予想外に、転写層Aを含む熱画像形成により転写されたコーティングは、比較的レーザーエネルギー密度レベルが低い条件のもとでは(すなわち、200〜400rpmの範囲の比較的大きなドラム速度と198〜440mJ/cmの範囲の比較的小さい感度で)実際に耐久性を示した。小さい感度で転写層Aを用いる後者の場合において、得られる転写された画像は、耐久性と(転写層Cで見られたものと比較して)ドラム回転速度を増しても大きさがそれほど低下しなかった、予想外に大きな光学濃度値をもつということに特徴がある。これらのいずれの点もたいへん望ましい。
【0198】
カラーフィルタ要素製造方法の実験的構成の説明
以下の実施例におけるデジタル画像は、選ばれた着色層をドナー要素からレシーバ要素上に転写し、そして次にその画像をレシーバ要素からガラス、偏光子あるいはカラーフィルタ用途の他の適切な基材上にラミネートすることにより得られた。より一般的には、ディスプレイのフェースプレート(face plate)の作製に部材として用いることができる何れの基材にも、レシーバ要素上の画像を転写することができる。
【0199】
ドナー要素と(以下に記載される)レシーバ要素からなるレーザー処理集積体は、ドナー要素の放出層と転写層(これは着色されている)の間に挟まれた加熱層上に赤外光線の焦点を合わせることにより書き込まれた。加熱層からの熱は、放出層を分解し、着色転写層をレシーバ要素上に推進させる気泡を作り出す。
【0200】
以下の実施例で記載される画像は、CREO 3244 Trendsetter露光ユニット(Creo inc.Vancouver、Canada)を用いて得られた。このシステムは、長さ81.2cmで周長91cmのドラムを備える。ドナー要素とレシーバ要素をリソグラフィアルミニウム板上に装着することにより、それらは自動的に装填され、次いでトップからアルミニウム板を挿入した。装填では、アルミニウム板の導入端部が自動的にクランプで掴まれ、そして終端部が磁気で保持された。自動装填の前にアルミニウム板上にレシーバ要素とドナー要素の両方をテープ留めした。最初に、アルミニウム板の導入および右端部から5cm離してレシーバ要素をアルミニウム板上にテープ留めし、そしてエマルジョンをレシーバ要素に向けてドナー要素をぴったりと付けて上に置いた。導入端部および終端部にドナー要素をテープ留めした。次に、ドナーおよびレシーバ要素を付けたこの板をドラム上に自動装填した。830nm、パルス幅5マイクロ秒で発光する20ワットの赤外ダイオードレーザー光線をライトバルブで分けて得られる、オーバーラップする2405x2ミクロンのスポットアレイで、ドナー要素を露光した。125から550mJ/cmの範囲の感度を達成するために、ドラム速度を60から170RPMに変えた。
【0201】
以下の実施例において、ドナー要素は4層を含んでいた:(1)MYLAR(登録商標)ポリエステル支持体、(2)(1)の上に直接コートされた1ミクロンのポリ塩化ビニル(PVC)放出層、(3)放出層(2)上にスパッタリングでつくられた薄い金属層からなる加熱層、および(4)スパッタリング金属層(3)上にグラビアでコートされた、各具体例に列挙される配合からなる1ミクロンの着色層である転写層。
【0202】
用語解説
BA:              ブチルアクリレート
BMA:             n−ブチルメタクリレート
Byk 345:         ポリエーテル変性シロキサン(Byk Chemieの界面活性剤兼消泡剤)
Castle Cyan:     水、水酸化カリウム、ジエチレングリコールおよびシアン顔料からなるシアン濃厚液(デュポン、ウィルミントン、DE)
Castle Magenta:  マゼンタ顔料の水分散体(固形分27.1%)(デュポン)
Castle Yellow:   イエロー顔料の水分散体(固形分29.7%)(デュポン)
Flexiverse blue: 水とブルー顔料/分散剤(Sun Chemical)
Flexiverse red:  水とレッド顔料/分散剤(Sun Chemical)
Flexiverse green:水とグリーン顔料/分散剤(Sun Chemical)
HEA:             ヘキサエチルアクリレート
HEMA:            ヘキサエチルメタクリレート
Hobbes:          ブラック濃厚顔料(デュポン)
IR 125:          赤外染料(Kodak)
MAA:             メタクリル酸
MMA:             メチルメタクリレート
MW:              分子量
MYLAR(登録商標):     ポリエチレンテレフタレート
PEG:             ポリエチレングルコール(Scientific Polymer Products)
RCP 11050:       Skyline樹脂、水系アクリルポリマー(デュポン)
RCP 26735:       Skyline樹脂、水系アクリルポリマー(デュポン)
RPM:             1分間当たりの回転数
【0203】
実施例8〜11
以下の実施例における配合物は、様々なレシーバ要素上に転写される4層ドナー試料を例示する。
【0204】
ドナー要素の、1ミクロンPVC(Aldrich,MW:78,000)放出層を、100FPM(30m/分)のラインスピードで、142D MYLAR(登録商標)ポリエステル(幅137cm(54インチ))上にリバースグラビアコートした。放出層の厚さは、15mg/dmコーティング重量に相当する約1ミクロン(10−4cm)であった。フィルムの取扱い中に放出層にクラックが発生するのを避けるために、10重量%のジフェニルフタレートを配合物に加えた。約300センチポイズの粘度となるように、PVC溶液の固形分を11.5%に調節した。溶剤はメチルエチルケトン(MEK)(80%)とシクロヘキサノン(Cy)(20%)からなっていた。後者は希釈を助けまたフィルムの乾燥を遅くするために用いられた。10ミクロンのフィルタを用いライン内でこの溶液を濾過した。放出層のコーティングが終了した後、透過率40%までスパッタリングによりクロムの金属加熱層を形成するように、Vacuum Deposit Inc.(Louisville、KY)にフィルム(すなわち、放出層付き支持体)を委託した。石英結晶を用いてin situで、また膜堆積後、フィルム(すなわち、支持体、放出層、および加熱層)の反射および透過を測定することにより、金属加熱層の厚さをモニタした。0.5から1.2ミクロンの間の範囲の厚さをもつフィルムが得られるワイヤロッド#4および#7を用いて、以下に指定される配合の着色転写層をそれぞれハンドコートした。
【0205】
【表4】
Figure 2004505292
【0206】
転写層の全重量に対するPEGの全重量%は2.3%であった。
【0207】
この実施例で用いられたレシーバ要素は、厚さ1ミル(25ミクロン)のポリエチレンシート(PEとして参照される)、WATERPROOF(登録商標)転写シート(WPTSとして参照)、および捕捉(capture)転写シート(CRTSとして参照)であった。WPTSは、5ミル(125ミクロン)のポリエステルベースおよびカバーシートの間の、ELVAX(登録商標)エチレン−ビニルアセテートコポリマーからなる4ミル(100ミクロン)の層で構成されていた。CRTSは、順に以下の構成であった:接着層(厚さ1〜2ミクロン);剥離層(厚さ〜10ミクロン);任意選択のクッション層(厚さ50〜600ミクロン);およびベース(ポリエステル支持体)。実施例において、CRTSは通常以下の組成の1つである。
【0208】
【表5】
Figure 2004505292
【0209】
【表6】
Figure 2004505292
【0210】
以下に列挙された濃度は、特定のドラム速度(従って、感度)でレシーバ要素に転写された顔料の濃度を表す。McBeth反射濃度計(Newburgh、N.Y.)を用いて濃度を透過で測定した。以下の実施例は支持体の関数としてフィルム感度を示す。
【0211】
【表7】
Figure 2004505292
【0212】
RISTON(登録商標)ラミネータを0.5m/分の速度で用いて、110℃でレシーバ要素上の画像をガラス上にラミネートした。CRTS(すなわちレシーバ要素)の構造は、恒久性支持体へラミネートした後支持体を除去することにより接着層と剥離層の間の境界面できれいに分割されるように設計されている。カラーフィルタ用途では、CRTSの接着層(すなわち、受像層)は、LCDの平坦化層として機能する。接着層は、着色層がガラスに転写された後、カラー層の上に残る。
【0213】
レシーバ要素がWPTSであった実施例において、画像をガラスに転写する際に、受像層が着色(カラーフィルタ)層と共に転写するように仕方で、受像層(すなわちELVAX(登録商標)層)は着色層と受像層の境界面でか、あるいは境界面に非常に近くで分割が起った。この時、受像層はガラスから離れて顔料の上に位置し、そして平坦化層として機能する。
【0214】
実施例12〜16
以下の実施例における配合物はドナー要素の着色転写層の厚さの関数としての転写画像の耐久性を例示する。
【0215】
メイヤーバーを用いて、ドナー要素の着色層を様々な厚さでハンドコートした。100FPM(30m/分)のラインスピードで、142D MYLAR(登録商標)ポリエステル(幅137cm(54インチ))上に、PVC放出層をリバースグラビアコートした。フィルムの厚さは、約100mg/dmのコーティング重量に相当する約1ミクロン(10−4cm)であった。フィルムの取扱い中に放出層にクラックが発生するのを避けるために、10重量%のジフェニルフタレートを配合物に加えた。約300センチポイズの粘度となるように、PVC(Aldrich,MW78,000)溶液の固形分を11.5%に調節した。溶剤はメチルエチルケトン(MEK)80%とシクロヘキサノン20%からなっていた。後者はフィルムの乾燥を遅くして前に見られた白濁部分をなくし、またMEK中のPVCの希釈を助けるために用いられた。10ミクロンのフィルタを用いライン内でこの溶液を濾過した。放出層のコーティングが終了した後、透過率40%までスパッタリングによりクロムの金属加熱層を形成するように、Vacuum Deposit Inc.(Louisville、KY)にフィルム(すなわち、支持体と放出層)を委託した。石英結晶を用いてin situで、また膜堆積後、フィルム(すなわち、支持体、放出層および加熱層)の反射および透過を測定することにより、金属加熱層の厚さをモニタした。0.6ミクロン(#5のバー)、0.8ミクロン(#6のバー)および1.1ミクロン(#7のバー)の厚さが得られるワイヤロッド#5、#6および#7を用いて、以下に指定される配合の着色転写層をハンドコートした。
【0216】
実施例12から16では、レシーバ要素はWATERPROOF(登録商標)転写シート(WPTS)であった。
【0217】
以下に列挙された濃度は、特定のドラム速度(従って、感度)でレシーバ要素に転写された顔料の濃度を表す。McBeth反射濃度計(Newburgh、N.Y.)を用いて濃度を測定した。以下の実施例は着色層の厚さの関数としてのフィルム感度、光学濃度および耐久性を示す。
【0218】
【表8】
Figure 2004505292
【0219】
転写層の全重量に対するPEGの全重量%は4.6%であった。
【0220】
【表9】
Figure 2004505292
【0221】
実施例17〜20
以下の実施例はカラーフィルタ用途に適切なレッド配合物を例示する。レッド顔料/分散体を用いるかあるいは適切な比率でマゼンタとイエロー分散体を混合するかのいずれかにより、適切なカラーは得られた。実施例19では、メチルオレンジはマゼンタ分散体のスペクトル応答を赤にシフトさせるだけでなくフィルム感度もまた増加させる。実施例20では、マゼンタとイエロー分散体を混合することにより適切なレッドの暗度(shade)が得られた。前の実施例と同様に、CREO Trendsetterを用いて、レシーバ要素上にドナー要素の着色転写層を転写した。これらの実施例ではレシーバ要素は、WATERPROOF(登録商標)転写シート(WPTS)かあるいは薄膜トランジスタ(TFT)カラーフィルタで用いられる構成の偏光子要素であった。偏光子要素の構成は順に、ポリエチレンテレフタレートのベース支持体;トリアセチルセルロース(TAC)の層;ポリビニルアルコール(PVA)の層;TACの第2の層、およびポリエチレンテレフタレートのカバーシートであった。WPTSレシーバ要素上に転写された画像は、後に、エチレンコポリマー(HP771、デュポンが市販)の1ミクロンフィルムでコートされたガラス上にラミナートされた。
【0222】
【表10】
Figure 2004505292
【0223】
転写層の全重量に対するPEGの全重量%は、実施例17で2.66%、実施例18で2%であった。
【0224】
【表11】
Figure 2004505292
【0225】
カラー層はうまく転写され、またガラス基板上で許容できる均一性および光学濃度があった。
【0226】
実施例21〜24
この実施例はカラーフィルタ用途のブルーの配合物を例示する。ブルー顔料/分散体を用いることにより適切なカラーは得られた。前の実施例と同様に、CREO Trendsetterを用いてレシーバ要素上に着色転写層を転写した。これらの実施例では、レシーバ要素は、WPTSかあるいは前の実施例で記載されたTFTカラーフィルタで用いられる構造の偏光子のいずれかであった。WPTS上に転写された画像は、後で、エチレンコポリマー(HP771)でコートされたガラス上にラミネートされた。
【0227】
【表12】
Figure 2004505292
【0228】
ガラス基板上のカラー層は、許容できる均一性および光学濃度があった。
【0229】
実施例25〜30
以下の実施例はカラーフィルタ用途のブルーの配合物を例示する。マゼンタとシアン分散体を混合することにより適切なカラーが得られた。前の実施例と同様に、CREO Trendsetterを用いてレシーバ要素上に着色転写層を転写した。これらの実施例では、レシーバ要素は、WPTSかあるいは前記のTFTカラーフィルタで用いられる構造の偏光子要素のいずれかであった。WPTS上に転写された画像は、後で、コートされたガラス上にラミネートされた。
【0230】
【表13】
Figure 2004505292
【0231】
転写層の全重量に対するPEGの全重量%は、実施例25で2.8%、実施例26で5.1%、実施例27で7.4%、実施例28で2.8%、実施例29で5.1%、実施例30で7.4%であった。
【0232】
カラー層は転写し、ガラス基板上で許容できる均一性および光学濃度があった。
【0233】
実施例31〜33
以下の実施例はカラーフィルタ用途のグリーンの配合物を例示する。イエローとシアン分散体を混合するかあるいはグリーン顔料の分散体を用いるかのいずれかによりグリーンフィルムは得られた。前の実施例と同様に、CREO Trendsetterを用いてレシーバ要素上に着色転写層を転写した。これらの実施例では、レシーバ要素は、WPTSかあるいは前記のTFTカラーフィルタで用いられる構造の偏光子要素のいずれかであった。WPTS上に転写された画像は、後で、コートされたガラス上にラミネートされた。
【0234】
【表14】
Figure 2004505292
【0235】
カラー層は転写し、ガラス基板上で許容できる均一性および光学濃度があった。
【0236】
実施例34〜40
以下の実施例のブラックの配合物は、様々な組成のラテックスを含みメイヤーバーを用いてハンドコートされ、そしてWPTS上に転写された4層試料を構成する。後者はガラス上にラミネートされてカラーフィルタ用途のマスクとして用いられる。
【0237】
100FPM(30m/分)のラインスピードで、142D MYLAR(登録商標)の支持体上に、ドナー要素のPVC放出層をリバースグラビアコートした。フィルムの厚さは、約100ミリグラム/dmのコーティング重量に相当する約1ミクロン(10−4cm)であった。フィルムの取扱い中に放出層にクラックが発生するのを避けるために、10重量%のジフェニルフタレートを配合物に加えた。約300センチポイズの粘度となるように、PVC(Aldrich、MW78,000)溶液の固形分を11.5%に調節した。溶剤はメチルエチルケトン(MEK)80%とシクロヘキサノン20%からなっていた。後者はフィルムの乾燥を遅くして前に見られた白濁部分をなくし、またMEK中のPVCの希釈を助けるために用いられた。10ミクロンのフィルタを用いライン内でこの溶液を濾過した。放出層のコーティングが終了した後、透過率40%までスパッタリングによりクロムの金属加熱層を形成するように、Vacuum Deposit Inc.(Louisville、KY)にフィルム(すなわち、支持体と放出層)を委託した。石英結晶を用いてin situで、また膜堆積後、フィルム(すなわち、支持体、放出層、および加熱層)の反射および透過を測定することにより、金属層の厚さをモニタした。約0.6ミクロンの厚さが得られるワイヤメイヤバー#5を用いて、以下に指定される配合の着色ドナー層をハンドコートした。以下に列挙された濃度は、特定のドラム速度(従って、感度)で転写シート上に転写された顔料の濃度を表す。McBeth反射濃度計(Newburgh、NY)を用いて濃度を測定した。
【0238】
以下の実施例はフィルム感度、光学濃度および耐久性を例示する。実施例に見られるように、0.5ミクロンのブラック層は250mJ/cmより下で露光された場合耐久性があり、1.0ミクロンの層は400mJ/cmより下で露光された場合耐久性があって、層の耐久性は転写層の厚さにおおよそ比例する。前の実施例で用いられたRCP26735を用いて、コントロールとなるブラック層をつくった。各実施例で用いられたラテックスの組成が以下に列挙される。
【0239】
【表15】
Figure 2004505292
【0240】
【表16】
Figure 2004505292
【0241】
転写層の全重量に対するPEGの全重量%は、5.6%であった。
【0242】
【表17】
Figure 2004505292
【0243】
前記の実施例は、フィルムの厚さが0.5ミクロン領域にあるブラック層では、225から250mJ/cmより小さいエネルギーで転写された場合に転写ブラックには耐久性があるということを示している。これらはすべて耐久性フィルムであった。
【0244】
カラー層はガラス基板上に転写され、許容できる均一性および光学濃度をもっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】
可撓性放出層(5)、加熱層(10)、および転写層(15)をもつ本発明の第1の実施形態において有用なドナー要素(1)を示す図である。
【図2】
支持体(65)、放出層(70)、加熱層(75)、および転写層(80)をもつ本発明の第3の実施形態で有用なドナー要素(60)を示す図である。
【図3】
可撓性ボトム層(90)、放出層(95)、加熱層(100)、および転写層(105)をもつ、本発明の第5の実施形態で有用なドナー要素(85)を示す図である。
【図4】
順に、支持体(120)、光硬化層(130)、バリヤ層(140)(任意選択である)、およびカバーシート(150)(任意選択である)からなる感光性レシーバ要素(110)を示す図である。
【図5】
ドナー要素(1)を、カバーシート(150)を除去した後に感光性レシーバ要素(110)と接触させてつくられた、転写層(15)がバリヤ層(140)と接触しているレーザー処理集積体(190)を示す図である。
【図6】
可塑剤のパーセンテージが増加するとTgが低下している、バインダ(PVC)+可塑剤(ジブチルフタレート)vs.Tg(℃)のプロットを示すグラフである。
【図7】
可塑剤のパーセンテージが増加すると引張り弾性率が低下している、バインダ(PVC)+可塑剤(ジブチルフタレート)vs.引張り弾性率(GPa)のプロットを示すグラフである。
【図8】
様々な可塑化PVC試料の引張り弾性率(GPa)とTgを示すグラフである。

Claims (11)

  1. カラーフィルタ要素の製造方法であって、
    (1)(A)(a)少なくとも1つの放出層;
    (b)少なくとも1つの加熱層;
    (c)外側表面を有しおよび約350℃より低い分解温度をもつ低分解温度ポリマーを含む少なくとも1つの転写層
    を、転写プロセスの間ドナー要素は支持体を含まないという条件で、列挙された順序で、備えるドナー要素;および
    (B)ドナー要素の転写層(c)の外側表面と接触するレシーバ要素
    を備えるレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光する露光ステップであって、エネルギー密度が約440mJ/cm以下のレーザーで実施される露光ステップと、
    (2)ドナー要素(A)をレシーバ要素(B)から引き離す分離ステップ
    を含むことを特徴とする方法。
  2. レシーバ要素が、ガラス基板、偏光基板、レシーバ支持体および中間体レシーバ要素から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 中間体レシーバ要素が、
    (a)受像層;および
    (b)レシーバ支持体
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. カラーフィルタ要素の製造方法であって、
    (1)(A)(a)少なくとも1つの放出層;
    (b)少なくとも1つの加熱層;
    (c)外側表面を有しおよび約350℃より低い分解温度をもつ低分解温度ポリマーを含む少なくとも1つの転写層
    を、転写プロセスの間ドナー要素は支持体を含まないという条件で、列挙された順序で、備えるドナー要素;および
    (B)ドナー要素の転写層(c)の外側表面と接触する中間体レシーバ要素であって、
    (a)受像層;および
    (b)中間体支持体;
    を備える中間体レシーバ要素
    を備えるレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光する露光ステップであって、エネルギー密度が約440mJ/cm以下のレーザーで実施されて、転写層の実質的な部分が中間体レシーバ要素に転写される露光ステップと、
    (2)ドナー要素(A)を中間体レシーバ要素(B)から引き離して、中間体レシーバ要素上の画像を露見させる分離ステップ
    を含むことを特徴とする方法。
  5. 転写層が第1のカラーで画像を形成する着色剤を含む請求項4に記載の方法において、
    (3)(A)(a)少なくとも1つの放出層;
    (b)少なくとも1つの加熱層;
    (c)外側表面を有しおよび約350℃より低い分解温度をもつ低分解温度ポリマーおよび前記着色剤と異なる着色剤を含む少なくとも1つの転写層
    を、転写プロセスの間ドナー要素は支持体を含まないという条件で、備える第2のドナー要素;および
    (B)ドナー要素の転写層(c)の外側表面と接触し、第1のカラーの画像を有する、ステップ2で生成した中間体レシーバ要素
    を列挙された順序で備えるレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光する露光ステップであって、エネルギー密度が約440mJ/cm以下のレーザーで実施されて、転写層の実質的な部分が中間体レシーバ要素に転写される露光ステップと、
    (4)第2のドナー要素を中間体レシーバ要素から引き離す分離ステップ
    をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. (5)(A)(a)少なくとも1つの放出層;
    (b)少なくとも1つの加熱層;
    (c)外側表面を有しおよび約350℃より低い分解温度をもつ低分解温度ポリマーおよび先行する複数の着色剤と異なる着色剤を含む少なくとも1つの転写層
    を、転写プロセスの間ドナー要素は支持体を含まないという条件で、列挙された順序で、備える第3のドナー要素;および、
    (B)ドナー要素の転写層(c)の外側表面と接触し、先行する複数のカラーの画像を有する、ステップ4で生成した中間体レシーバ要素
    を備えるレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光する露光ステップと、
    (6)第3のドナー要素を中間体レシーバ要素から引き離す分離ステップ
    をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. (7)(A)(a)少なくとも1つの放出層;
    (b)少なくとも1つの加熱層;
    (c)外側表面を有しおよび約350℃より低い分解温度をもつ低分解温度ポリマーおよび先行する複数の着色剤と異なる着色剤を含む少なくとも1つの転写層
    を、転写プロセスの間ドナー要素は支持体を含まないという条件で、列挙された順序で、備える第4のドナー要素;および、
    (B)ドナー要素の転写層(c)の外側表面と接触し、先行する複数のカラーの画像を有する、ステップ6で生成した中間体レシーバ要素
    を備えるレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光する露光ステップと、
    (8)第4のドナー要素を中間体レシーバ要素から引き離す分離ステップ
    をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 画像を中間体レシーバ要素からレセプタ要素に転写する転写ステップをさらに含むことを特徴とする請求項3または7に記載の方法。
  9. カラーフィルタ要素の製造方法であって、
    (1)(A)(a)少なくとも1つの放出層;
    (b)少なくとも1つの加熱層;
    (c)外側表面を有しおよび約350℃より低い分解温度をもつ低分解温度ポリマーである分散剤の存在下に、分解温度が約395℃より高い高分解温度ポリマーを少なくとも3重量%含む少なくとも1つの転写層
    を、転写プロセスの間ドナー要素は支持体を含まないという条件で、列挙された順序で、備えるドナー要素;および
    (B)ドナー要素の転写層(c)の外側表面と接触するレシーバ要素
    を備えるレーザー処理集積体を画像状にレーザー露光する露光ステップであって、エネルギー密度が約440mJ/cmより大きいレーザーで実施される露光ステップと、
    (2)ドナー要素(A)をレシーバ要素(B)から引き離す分離ステップ
    を含むことを特徴とする方法。
  10. レシーバ要素が、ガラス基板、偏光基板、レシーバ支持体および中間体レシーバ要素から選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 中間体レシーバ要素が、
    (a)受像層;および
    (b)レシーバ支持体
    を備えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
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