JP2697981B2 - 感光要素及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

感光要素及びそれを用いた画像形成方法

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JP2697981B2 JP3333336A JP33333691A JP2697981B2 JP 2697981 B2 JP2697981 B2 JP 2697981B2 JP 3333336 A JP3333336 A JP 3333336A JP 33333691 A JP33333691 A JP 33333691A JP 2697981 B2 JP2697981 B2 JP 2697981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾式現像法による多色
画像形成方法に関するものである。本発明の方法は、デ
ィジタル画像信号からレーザー記録により直接カラープ
ルーフを得る方法(Direct Digital C
olor Proof:DDCPと略記する)、多色デ
イスプレーを作成する場合等に特に有用である。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアーツ分野において、カラ
ー原稿からの一組の色分解フィルムを用いて印刷版焼き
付けが行なわれているが、本印刷を行なう前に、色分解
フィルムからカラープルーフを作成し、色分解工程での
誤りチェック、色補正の必要性チェックなどが一般に行
なわれている。このカラープルーフ用の材料としては、
印刷物との高い近似性から、印刷本紙上での画像形成と
共に、色材として顔料の使用が好ましいとされている。
更に中間調画像の高再現性を可能にする高解像力、及び
高い工程安定性と共に、近年は現像液を使用しない乾式
プルーフ作成法が必要とされている。
【0003】従来からのカラー印刷の校正方法として、
印刷校正機を使用して校正刷りを行ない色校正を行なう
方法がある。しかしながらこの方法は、手間と時間がか
かり、また高度に熟練性が必要とされ、その信頼性にも
限度があった。
【0004】一方これら印刷法に代わって、より手軽で
簡易に行なう方法として写真法による各種校正法が開発
されている。これら写真法による色校正法にはフォトポ
リマーを使用する色校正法(プリプレスプルーフ)があ
り、広く用いられている。フォトポリマーの代表的な系
である光重合系の場合、写真法による中間フィルムをマ
スクとして露光する従来プロセス用として、後述するよ
うな多くの方法が実用に供されている。高画質のカラー
プルーフを得るためには、一般的には150線/インチ
以上の網点画像を再現させる必要があるが、この方法で
は、解像力は基本的に十分高い性能を有している。ま
た、従来の光重合系の開始剤の多くは近紫外域に感光す
るが、一方で、特開昭54ー155292号公報に示さ
れるように、感光波長域を可視域まで広げる分光増感剤
が現在まで数多く開発されている。そのためアルゴンイ
オンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等の可視光
波長のレーザーに対して高い記録感度を実現することは
比較的容易になりつつある。
【0005】ここで、最近の印刷前工程(プリプレス分
野)における電子化システムの普及と、工程短縮化、フ
ィルム等の消耗品使用量低減の要求から、リスフィルム
のような中間材料を経由しないで、ディジタル画像信号
から直接カラープルーフを作成する材料と記録システム
に対する要求が高まっている。高画質のカラープルーフ
を得るには、上述した通り、一般的には150線/イン
チ以上の網点画像を再現させる必要がある。そのため、
ディジタル信号から高画質のプルーフを作成するには、
ディジタル信号で変調可能で、且つ記録光を細く絞り込
むことが可能なレーザー光を、記録ヘッドとして使用す
ることが好ましく、記録材料には、網点再現可能な高解
像力と共に、レーザー光に対する高い記録感度が必要と
される。しかし、本質的な問題として、ディジタル信号
の直接記録が可能で実用に供しうる品質の材料が未だ開
発されていない点が挙げられる。
【0006】上述した光重合系は、解像力、レーザー記
録感度の点でもディジタル画像記録に対し、高い潜在的
な可能性を有しているものの、未だ実用に供するものは
得られていない。以下に、光重合系材料を用いた写真法
による多色画像記録の従来技術につき概観し、本発明の
目的に照らした時の問題点を示す。
【0007】従来からの写真法によるカラー印刷の校正
方法としては、オーバーレイ法及びサープリント法があ
る。オーバーレイ法は、透明支持体上に各色の分解画像
が設けられた複数のカラープルーフィングシートを用意
し、これらのシートを重ね合わせることにより(得られ
たものをカラーテストシートという)校正を行なう方法
である。このオーバーレイ法は簡便で安価であり、その
都度2色または3色のみを重ねることにより連続検査に
使用できる等の利点を有するが、重ねられた合成樹脂シ
ートにより、カラーテストシートがやや暗くなり、また
入射光はいくつかのシートから反射し光沢を与え、その
ためにカラーテストシートから受ける印象が、印刷機に
よる印刷物に比べ非常に異なる欠点を有する。
【0008】一方、サープリント法は単一の支持体に数
色の着色画像を重ね合わせるものであり、このためには
種々の着色層を一枚の不透明ベース上にもたらすか、ま
たは相当するトナーを順次不透明ベース上に設ける。こ
の重ね合わせ法は色濃度が合成樹脂ベースにより影響さ
れないという利点を有するとともに、印刷インキに使用
される顔料と同一、もしくは色相が近い顔料を色材とし
て使用することが容易であるという特有の長所もあり、
広く用いられるようになっている。
【0009】この方法の一例として、仮支持体上に有機
重合体よりなる剥離層、色材層及び感光層が順次積層さ
れてなる感光性転写材料を像様露光したのち、これを湿
式現像することにより剥離層上に着色画像を形成し、次
いでこの着色画像を剥離層と共に、任意の支持体(永久
支持体)に接着剤を用いて転写する方法がすでに知られ
ている(特公昭46ー15326号、特公昭49ー44
1号)。この方法は、例えばカラープルーフとして、オ
ーバーレイタイプ、サープリントタイプなどの各種の操
作に使用できる長所を持っているが、寸度安定性に劣る
紙支持体の上で各色を順次転写するために、各色の位置
合わせ精度を維持することが難しく、また出来上がった
画像の機械的強度が弱い欠点を有している。
【0010】上記の欠点を改良する方法として、永久支
持体上に画像を転写する前に、一旦仮の受像シート(受
像要素)に画像を転写する方法が本願出願人の出願にか
かる特開昭59ー97140号に記載されている。すな
わち、この方法では、支持体上に光重合性材料からなる
画像受容層を設けた仮の受像要素を用意し、各色の画像
を永久支持体上に転写する前に一旦仮の受像要素の上に
各色の画像を転写する。次いで永久支持体上に再転写
し、次いで更に全面露光を行なって、転写された光重合
性受像層を硬化させる工程が含まれる。この方法によれ
ば、各色画像の位置合わせ、転写を寸度安定性の高いポ
リエチレンテレフタレートのような支持体の上で行なう
ことができるため、位置合わせ精度、品質安定性共に向
上し、また硬度の大きな光硬化層により最終画像が保護
されるため、画像の機械的強度にも優れる長所も有す
る。
【0011】しかしながらこの方法は原理上、湿式現像
法という本質的な課題を有している。更にレ−ザー記録
適性の観点からすれば、可視から赤外域に分光増感する
色素増感剤を使用すれば、原理的には記録することは可
能であるが、感光層と色材層が同一、もしくは接してお
り、受像層に両者とも転写されるため、得られる画像の
色相は着色増感剤のため大きく変化し、実用に供し得な
い問題を抱えている。
【0012】上記記載の方法に見られる湿式現像法の欠
点を解決した多色画像形成方法も従来多く提案され、そ
の一部が広く実用化されている。その例が米国特許第
3、060、024号、同第3、582、327号、同
第3、620、726号等により知られており、これら
の方法では支持体層と少なくとも一つの付加重合しうる
モノマーと光重合開始剤とを含む光重合可能層とからな
る、粘着性の光重合可能複製材料が画像状露光により硬
化され、その粘着性を失う。この潜像はついで適当な粉
末状トナー材料を付与することにより可視化される。こ
のトナーは未露光の粘着性の区域にだけ付着するが、露
光された非粘着性の画像区域からは付与後とり除くこと
ができる。この方式は現像液が不要な乾式現像法であ
り、その簡便性もあって色分解フィルムを用いた校正刷
りに広く用いられている。しかし、粉末状トナーを取り
扱うため作業周辺を汚しやすく、またトナー付与/除去
の仕方に個人差が出やすく、改善も強く望まれている。
【0013】上記粘着性光重合性感光層を用いる方式を
改良するための方法として、トナーをフィルム化する方
法が例えば、特開昭63−41847号に示されてい
る。この方法では上記方法と同様に、未露光状態で粘着
性を示し、露光/硬化により粘着性を失う感光層が光重
合性モノマーと光開始剤からなり、該感光層を支持体と
一緒に、紙などのレシーバーベースに積層した形で使用
する。画像状露光、感光層支持体の剥離により露出され
た潜像は、別の支持体上に設けられたフィルム状のトナ
ーと接触され、加熱及び/または加圧されることにより
トナーが転写され、現像される。上記の公報は、トナー
層の結合剤として互いに相溶しないポリマーを混合する
ことにより、得られる画質の向上を図っている。この方
法は、前述した粉末トナーを用いる方式の欠点を改良す
るもので、印刷物近似性で優れる(印刷本紙上での顔料
画像形成)と共に乾式現像可能であり、また品質安定性
が改良されるため、従来の方式に比較して著しく好まし
い方法と言える。
【0014】しかしながら、これらフィルム化したトナ
ーを用いる方法にも尚、解決すべき課題がある。先ず第
一に、寸法安定性の劣る紙支持体上で、感光層の画像露
光の位置合わせを繰り返すため、各色相画像の位置ずれ
が生じやすい。また最終画像は機械的強度が小さく、そ
のため耐スリ傷性、耐接着性等をもたせようとすると、
最終画像の上に保護層積層等の煩雑な工程を付加させる
必要があった。
【0015】更に、本発明の目的であるディジタル画像
信号から、中間フィルムを経由しないでダイレクトに高
画質のカラープルーフを得ようとする場合には、本方式
には基本的な制約が生じる。前記の特開昭63ー418
47号、及び特開平2ー176753号公報に記載の方
法を用いて、単にレーザー記録するだけならば、上記の
特開昭54ー155292号公報等に記載の光開始剤と
アルゴンレーザー等の可視レーザーを組み合わせること
により実現できる。しかしながら可視域以長の開始剤
は、可視域に強い吸収があるため、これらの開始剤を含
有する光重合性感光層も着色を避けられない。その結
果、これらの公報に示されている方法に準じてレーザー
記録、画像形成を実施しようとすると、画像と開始剤に
よる着色が混色すると共に、本来無色であるべき部分が
強く着色し、実用に供することは困難である。
【0016】これらの欠点を無くし、レーザー記録によ
り多色の画像をも形成することができる優れた方法が、
特願平3−272652号に記載されている。この方法
は、活性光線に対し非露光時に粘着性を示し、露光後に
非粘着性を示す感光層を支持体上に有する感光要素と、
色相(a)を有する色材と結合剤を含有するトナー層
(a’)を支持体上に有するトナー要素を用い、感光層
に画像状に活性光線を露光し潜像を形成させ、この画像
状に潜像が形成された感光層を、上記色相(a)を有す
るトナー層(a’)に面ー対ー面の関係で接触させるた
後、前記トナー要素と前記感光要素を相互に引き離し
て、感光層の非露光部に対応するトナー層の部分を感光
層に転写し、感光層の露光部に対応するトナー層の部分
をトナー層用支持体上に残留させる。次いで、トナー層
と接着性を有する表面を持つ受像層を支持体上に有する
受像要素の接着性面を、前記感光層の露光部に対応して
トナー層が残留したトナー要素のトナー層面に面ー対ー
面の関係で接触させた後、受像要素とトナー要素を相互
に引き離してトナー層を受像要素に転写する。この工程
を、異なる色相を有するトナー層を用いて複数回繰り返
すことにより、多色の画像を得ることができる。
【0017】しかしこの方法においても、感光層とトナ
ー層を面ー対ー面で接触させるときに両者の間に異物が
混入すると、感光層とトナー層の間に空隙が生じて、画
質が低下することがあつた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乾式
で高画質且つ、品質安定性に優れた多色画像を記録する
ための製造コストの低い感光要素、及びこれを用いた画
像形成方法、特にディジタル画像信号で変調されたレー
ザー光により、印刷物近似性の高いカラープルーフをダ
イレクトに形成する方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
画像形成方法により達成された。即ち、
【0020】
【0021】活性光線に対し非露光時に粘着性を示し、
露光後に非粘着性を示す感光層と、支持体の間に、ヴィ
カー(Vicat)法による軟化温度が80℃以下の層
を設けた感光要素と、色相(a)を有する色材と結合材
を含有するトナー層(a’)を支持体上に有するトナ
ー要素を用い、 A)前記感光層に画像状に活性光線を露光し潜像を形成
する段階、 B)前記画像状に潜像が形成された感光層を、上記色相
(a)を有するトナー層(a’)に面−対−面の関係で
接触させる段階、 C)前記トナー要素と前記感光要素を相互に引き離し
て、感光層の非露光部に対応するトナー層の部分を感光
層に転写し、感光層の露光部に対応するトナー層の部分
をトナー層用支持体上に残留させる段階、D)支持体上に、トナー層と接着性のある表面を有する
受像層を設けた受像要素と、前記トナー層が感光層の露
光部に対応して残留したトナー要素を、面−対−面の関
係で接触させる段階、 E)前記受像要素とトナー要素を相互に引き離して、前
記感光層の露光部に対応して残留したトナー層を受像層
に転写させる段階、 を含む画像形成方法、である。
【0022】以下、本発明で使用する好ましい感光要
素、及び画像形成方法の好ましい態様を列記する。
【0023】(1) 前記ヴイカー(Vicat)法に
よる軟化温度が80℃以下の層が、エチレン重合体もし
くは共重合体を含有することを特徴とする感光要素。
【0024】(2) 前記エチレン共重合体がエチレン
ー酢酸ビニル共重合体もしくはエチレンーアクリル酸エ
ステルであることを特徴とする感光要素。
【0025】(3) 前記ヴイカー(Vicat)法に
よる軟化温度が80℃以下の層の厚さが、3μm〜10
0μmであることを特徴とする感光要素。
【0026】(4) 前記感光層が光重合性層であるこ
とを特徴とする感光要素。
【0027】(5)活性光線に対し非露光時に粘着性を
示し、露光後に非粘着性を示す感光層と、支持体の間
に、ヴィカー(Vicat)法による軟化温度が80℃
以下の層を設けた感光要素と、色相(a)を有する色材
と結合材を含有するトナー層(a’)を支持体上に有
するトナー要素及び少なくとも色相(a)と異なる色相
(b)を有する色材と結合材を含有するトナー層
(b’)を支持体上に有するトナー要素を用い、 A)前記感光層に画像状に活性光線を露光し潜像を形成
する段階、 B)前記画像状に潜像が形成された感光層を、上記色相
(a)を有するトナー層(a’)に面−対−面の関係で
接触させる段階、 C)前記トナー要素と前記感光要素を相互に引き離し
て、感光層の非露光部に対応するトナー層の部分を感光
層に転写し、感光層の露光部に対応するトナー層の部分
をトナー層用支持体上に残留させる段階、 D)支持体上に、トナー層と接着性のある表面を有する
受像層を設けた受像要素と、前記トナー層が感光層の露
光部に対応して残留したトナー要素を、面−対−面の関
係で接触させる段階、 E)前記受像要素とトナー要素を相互に引き離して、前
記感光層の露光部に対応して残留したトナー層を受像層
に転写させる段階、 F)新しい感光層に活性光線を露光し潜像を形成する段
階、 G)前記画像状に潜像が形成された感光層を、上記色相
(b)を有するトナー層(b’)に面−対−面の関係で
接触させる段階、 H)前記C)と同様の段階、 I)前記H)で形成された、感光層の露光部に対応して
トナー層用支持体上に残留したトナー層の部分を、上記
E)で作成された、トナー層を有する受像層の上に転写
する段階、を含む画像形成方法。
【0028】(6) 前記I)で作成された複数の色相
のトナー層を有する受像要素を、加熱及び/又は加圧し
ながら最終支持体と面ー対ー面で接触させ、次いで前記
受像要素と最終支持体を相互に引き離して、受像要素上
の多色トナー層を支持体上に同時に転写する段階を含む
画像形成方法。
【0029】(7) レーザー光感光層上に集光、走査
させることにより上記活性光線露光を行う画像形成方
法。
【0030】(8) 前記レーザー光が、アルゴンイオ
ンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、ヘリウムカドミ
ウムレーザー、色素レーザー、半導体レーザー、YAG
レーザー、エキシマーレーザーからの出射レーザー光、
またはこれらの出射光を二次高調波素子により半分の波
長に変換した光である上記多色画像形成方法。
【0031】(9) 上記トナー層が色材、結合剤以外
に、少なくとも可塑剤を含有するトナー要素を用いる上
記画像形成方法。
【0032】(10) 前記トナー層の結合剤が分子量
1万以上の有機ポリマーである画像形成方法。
【0033】(11) 前記トナー層の結合剤として、
ガラス転移温度が室温以上の有機ポリマーを用いる画像
形成方法。
【0034】(12) 上記トナー層の可塑剤が燐酸エ
ステル類、アクリル酸エステル類、ポリオールエステル
類、エポキシ化合物から選ばれた一種、もしくは二種以
上の可塑剤からなる画像形成方法。
【0035】(13) 前記トナー層中における可塑剤
の量が、該トナー層を形成する色剤、結合剤の総量に対
し、2〜100重量%である画像形成方法。
【0036】ここで、図面を参照して本発明を詳細に説
明する。前記したカラープルーフプロセスにおいては、
一般的に4種の色相、即ちイエロー、マゼンタ、シア
ン、及びブラックの色を有する画像を形成する。この画
像を相互に重ね合わせることにより、フルカラーシミュ
レーション用画像が得られる。本発明で使用する、画像
状露光のための感光要素と、着色画像を形成するトナー
要素は例えば以下の工程により作成される。
【0037】図1は本発明で使用する感光要素の一例の
断面を模式的に示す断面図である。、感光要素11は、
支持体12の上に、ヴイカー(Vicat)法による軟
化温度が80℃以下の層14(以下、中間層と略記す
る)を介して、感光層13が設けられて構成されてい
る。
【0038】支持体12はフィルム状もしくは板状のも
のであれば特に限定されず、どのような物質から作った
ものであってもよい。支持体12の材料としては、一般
的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、スチレンーアクリロニトリル
共重合体などの高分子化合物を挙げることができ、特
に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが、機械的強
度、熱に対する寸法安定性の点で好ましい。また支持体
12の厚さは、フィルム状の場合一般的には10〜40
0μm、特に25〜200μmであることが好ましい。
用途によっては、支持体12としてガラス、金属板等も
使用することが可能である。また支持体12、もしくは
後述するカバーシートのいずれかはフィルム状である必
要があり、活性光線に対して透明であることが好まし
い。
【0039】支持体12の表面には、中間層14との密
着性をあげるためにグロー放電処理、コロナ放電処理な
どの物理的な表面処理がなされていてもよい。また、下
塗層を設けても良い。下塗層としては被膜性のあるポリ
マー材料から、支持体と中間層両者の間の密着性、中間
層を塗布により設ける場合には、溶剤に対する溶解性を
考慮して適宜選択される。その厚みには特に制限は無い
が、通常は0.01μmから2μmが好ましい。
【0040】この中間層としては、ヴィカー(Vica
t)法(具体的にはアメリカ材料試験法ASTMDー1
235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約
80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが好まし
い。この理由は、ラミネートの際通常加える圧力または
/及び熱により、非露光部感光層および中間層を変形さ
せ、現像時に発生する大きな欠陥の原因となる異物等の
表面の凹凸を埋め込ませ、感光層とトナー層との密着を
よくすることができるからである。軟化点が高いポリマ
ーを用いた場合には高い温度で転写する必要があり、画
像の寸度安定性に大きな影響を与える。
【0041】ポリエチレンテレフタレートフィルム等を
感光要素やトナー要素の支持体に用いた場合には、この
ような点で、Vicat法による有機高分子物質の軟化
点が約80℃以下、好ましくは60℃以下、特に好まし
くは50℃以下のものから選択する。軟化点が約80℃
以下のものの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルあ
るいはエチレンとアクリル酸エステルの如きエチレン共
重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルの如
き塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデンおよびその
共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル
酸エステルの如きスチレン共重合体、ポリビニルトルエ
ン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルの如
きビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の
(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、酢酸共重合体
ナイロン、共重合ナイロン、Nーアルコキシメチル化ナ
イロンの如きポリアミド樹脂、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン及びそれらの共重合体(ゴム系ポリマー)、塩
化ゴムなどの有機高分子物質から少なくとも1つ選ばれ
るのが好ましいが、更に「プラスチック性能便覧」(日
本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック工業連合
会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発
行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質を使
用することが出来る。これらの有機高分子物質中には該
高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質
的な軟化点を下げることも可能である。更には、軟化点
が80℃以上の有機高分子物質でも相溶性のある可塑剤
を添加することにより、実質的に軟化点を80℃以下に
下げることも可能である。またこれらの有機高分子物質
中に、支持体や感光層との接着力を調節するために、実
質的な軟化点が80℃を越えない範囲で各種のポリマー
や、密着改良剤あるいは界面活性剤、離型剤を加えるこ
とも可能である。一例として、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に、中間層としてエチレンー酢酸ビニル
共重合体を用いた場合、微量の塩素化ポリエチレンの添
加は特に有効である。
【0042】中間層の厚さについては、感光層の厚さと
の合計が約8μm以上あれば特に制限はないが、好まし
くは中間層厚が3μmから100μm、特に好ましくは
10μmから50μmである。
【0043】この中間層は、上述したポリマーを適当な
溶媒に溶かして支持体上に塗布することもできるし、あ
らかじめ別の仮支持体上に塗布・溶融押しだし等の方法
で形成した層を、支持体上に転写しても良い。
【0044】この中間層を設けることにより、感光要素
を、凹凸のある表面、例えば既にトナー層による画像が
形成されている受像要素に転写する際に凹凸を吸収し
て、表面同士が十分に密着するので、網点の欠落による
画質の低下を防ぐことができる。感光層の膜厚を大きく
しても同様の効果は得られる。即ち、感光層の膜厚を1
0μm以上に増すにつれ、この欠陥は減少し、15〜2
0μm程度になるとほぼ無くなる。しかし、感光層中に
使用する光重合開始剤、もしくは分光増感剤として有用
な材料は、一般的に極めて高価であり、感光層の膜厚を
大きくすると製造コストが大幅に上昇し、実用化の障害
となるので好ましくない。
【0045】感光層13は、活性光線に対し未露光状態
で粘着性を示し、露光状態で非粘着状態を示すものであ
れば種々の材料を使用しうる。そのような材料の例とし
て、桂皮酸ビニル、感光性アジド化合物などの感光性化
合物を、ポリマーにブレンドした系等が使用し得るが、
光感度等の点で最も好適な系は光重合系である。本発明
で使用する好適な光重合性感光層は、 i)付加重合によって光重合体を形成しうる多官能ビニ
ルまたはビニリデン化合物の少なくとも一種、 ii)有機重合体結合剤(ポリマーバインダー)、 iii)活性光線によって活性化される光重合開始剤、 を含有し、必要に応じて熱重合禁止剤、界面活性剤等の
添加剤を含有する。
【0046】本発明に使用出来る適当なビニルまたはビ
ニリデン化合物は、例えばポリオールの不飽和エステ
ル、特にアクリル酸又はメタクリル酸のエステル、例え
ばエチレングリコールジアクリレート、グリセリントリ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1、3ープロパンジオールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、1、2、4ーブタン
トリオールトリメタクリレート、トリメチロールエタン
トリアクリレート、ペンタエリトリットジメタクリレー
ト、ペンタエリトリットトリメタクリレート、ペンタエ
リトリットテトラメタクリレート、ペンタエリトリット
ジアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレー
ト、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ジペンタ
エリトリットーポリアクリレート、1、3ープロパンジ
オールージアクリレート、1、5ーペンタンジオールー
ジメタクリレート、200〜400の分子量を有するポ
リエチレングリコールのビスアクリレート及びビスーメ
タクリレート及び類似の化合物、不飽和アミド、特にそ
のアルキレン鎖が炭素原子によって開かれていてもよい
α,ωージアミンを有するアクリル酸及びメタクリル酸
の不飽和アミド及びエチレンビスーメタクリルアミドで
ある。更に、例えば多価アルコールと多価の有機酸のエ
ステルと、アクリル酸またはメタクリル酸との縮合によ
るポリエステルアクリレートも使用しうるが、これらに
限定されるものではない。
【0047】本発明の感光層は少なくとも一種の結合剤
を含む。この結合剤は感光層の硬さを決めるのみなら
ず、粘着性をも決める大きな要因の一つである。本発明
の感光層に適した結合剤は、熱可塑性樹脂またはその混
合物であり、その例としてはアクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のよ
うなアクリル系モノマーの単独重合体又は共重合体、メ
チルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテ
ートのようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニー
ルアルコール等のようなビニル系ポリマー及びそれらの
共重合体、ポリエステル、ポリアミドのような縮合系ポ
リマー、塩素化ゴム、ブタジエンースチレン共重合体の
ようなゴム系ポリマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマーなどが挙
げられる。これらの中で、各種アクリル系モノマーの共
重合体は、広い範囲で軟化点等の熱的性質を制御するこ
とが容易であり、また光重合性モノマーとの相溶性が良
好であり好ましい。これらのポリマーは、10、000
〜2、000、000の平均分子量を有する。ここで、
光重合性モノマーと有機重合体結合剤の混合比は、使用
されるモノマー化合物と結合剤の組み合わせによって適
性比は異なるが、一般的にはモノマー:結合剤比が0.
1:1.0〜2.0:1.0(重量比)が好ましい。
【0048】光重合性感光層に使用する光開始剤として
は可視域より長波に吸収、活性を有しレーザーに対し高
い感光性を有する光開始剤を使用することが特に好まし
い。このような開始剤としてはラジカル発生剤と分光増
感剤としての各種色素を組み合わせた系が数多く知られ
ている。例えばラジカル発生剤としてイミダゾール二量
体を用い、色素としてアクリジン色素(特開昭54ー1
55292号)、トリアジン系色素(TAGA Pro
ceedings,1985,p232)、ラジカル発
生剤としてNーフェニルグリシンを用い、色素としてケ
トクマリン系(Polymer Eng. Sci.,
23,1022(1983))、ラジカル発生剤とし
てヨードニウム塩を用い各種色素を組み合わせた系(特
開昭60ー76740、同60ー78443、同60ー
88005号等)、ラジカル開始剤としてトリアジン系
化合物、色素として芳香族ケトン誘導体(日本化学会
誌、1984、p.192)等が知られている。またシ
アニン、ローダミン、サフラニン等の色素のアルキル硼
酸塩も有効な可視光開始剤として知られている(特開昭
62ー143044、同62ー150242号)。本発
明ではこれら公知の光開始剤系を用いることが出来る。
【0049】本発明では、近紫外部に吸収、活性を有す
る開始剤も用途、目的に応じて単独に、もしくは上記開
始剤と併用して使用可能である。近紫外部に吸収、活性
を有する開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケ
トン[4,4’−ビスー(ジメチルアミノ)ベンゾフェ
ノン],4,4’−ビスー(ジメエルアミノ)ベンゾフ
ェノン、4ーメトキシー4’ージメチルアミノベンゾフ
ェノン、2ーエチルアントラキノン、フェノントラキノ
ン、及びその他の芳香族ケトンのような芳香族ケトン
類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインフェチルエーテルのよう
なベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベ
ンゾイン及びその他のベンゾイン類、並びに2ー(Oー
クロロフェニル)ー4、5ージフェニルイミダゾール二
量体、2ー(Oークロロフェニル)ー4、5ー(mーメ
トキシフェニル)イミダゾール二量体、2ー(Oーフル
オロフェニル)ー4、5ージフェニルイミダゾール二量
体、2ー(Oーメトキシフェニル)ー4、5ージフェニ
ルイミダゾール二量体、2ー(pーメトキシフェニル)
ー4、5ジフェニルイミダゾール二量体、2,4ージ
(pーメトキシフェニル)ー4、5ジフェニルイミダゾ
ール二量体、2ー(pーメチルメルカプトフェニル)ー
4、5ジフェニルイミダゾール二量体、及び米国特許第
3、476、185号、英国特許第1、047、569
号及び米国特許第3、784、557号の各明細書の同
様の二量体のような2、4、5ートリアクリールイミダ
ゾール二量体等が用いられる。光開始剤の添加量として
は、光重合性モノマー化合物に対して0.01〜30重
量%が好ましい。
【0050】感光層中には熱重合禁止剤を添加すること
が出来る。この例としては、pーメトキシフェノール、
ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキ
ノン、ターシャルブチルカテコール、ピロガロール、ナ
フチルアミン、βーナフトール、フェノチアジン、ピリ
ジン、ニトロベンゼン、φートルチノン、アリールフォ
スファイト等があるがこれらに限定されるものではな
い。更に、感光層中には、画像状活性光線露光の際に、
光発色し目視可能な画像を形成する焼き出し剤を添加す
ることも可能であり、その材料としては、公知のものか
ら選択して使用される。感光層に添加することが出来る
他の成分としては可塑剤、残留溶媒、界面活性剤、不活
性充填剤等がある。感光層の膜厚は約0.1μm〜10
0μm、好ましくは約1μm〜50μmの範囲内にあ
る。
【0051】図1には示されていないが、感光層13に
は、支持体12と反対側の面に、記録前の感光層を保護
すると共に露光の際に空気中の酸素による重合抑制効果
を小さくするために、カバーフィルムを設けることが好
ましい。この目的のためのカバーフィルムの材料は一般
的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンー
アクリロニトリル共重合体などの高分子化合物を挙げる
ことができ、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフテレートが好ましい。カバーフィルム
の厚さは一般的には5〜400μm、特に10〜200
μmであることが好ましい。カバーフィルムの感光層と
接する表面には、感光層との密着性を下げるためにシリ
コーン樹脂等による離型層を設けてもよい。その厚みに
は特に制限は無いが、通常は0.01μmから2μmが
好ましい。
【0052】図2は、本発明で使用するトナー要素の一
例の断面を模式的に示す断面図である。図2において、
トナー要素21は、支持体22の上にトナー層23が設
けられて構成されている。支持体22は、フィルム状で
あれば特に限定されず、どのような物質から作ったもの
であってもよい。支持体22の材料としては、一般的に
は例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリスチレン、スチレンーアクリロニトリル共重
合体などの高分子化合物を挙げることができ、特に、二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートが、機械的強度、熱
に対する寸法安定性の点で好ましい。また支持体22の
厚さは、一般的には5〜400μm、特に10〜100
μmであることが好ましい。
【0053】図2には示されていないが、支持体22の
表面には必要に応じて、トナー層との密着性を下げる、
もしくは上げる目的で下塗層の積層もしくは物理的な表
面処理がなされていてもよい。下塗層としては、トナー
層との密着性、トナー層を塗布する際の溶剤に対する溶
解性を考慮して、被膜性のある材料から適宜選択され
る。トナー層との密着性を下げるためには、ポリ(ジメ
チルシロキサン)等のシリコン樹脂、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコールなどの水溶性ポリマーなどが用いられ
る。その厚みには特に制限は無いが、通常は0.01μ
mから5μmが好ましい。密着性を上げる手段として
は、支持体表面のグロー放電処理、コロナ放電処理など
の物理的処理も特に好ましい。
【0054】トナー層は一般に、溶媒中に溶解及び/又
は分散されたトナー材料組成物を支持体表面に塗布、乾
燥して得られる。代表的なトナー層は少なくとも一種の
色材と結合剤とを含む。
【0055】色材としては、顔料または染料が使用され
る。顔料は一般に有機顔料と無機顔料に大別され、前者
は塗膜の透明性、後者は一般に隠蔽性に優れる特性を有
する。印刷色校正用に使用する場合には、印刷インキに
使用されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと一
致もしくは近い色調の有機顔料が好適に使用される。こ
の他金属粉、蛍光顔料等もその目的に応じて用いられ
る。好適に使用される顔料としては、アゾ系、フタロシ
アニン系、アントラキノン系などのスレン系、ジオキサ
ジン系、キナクリドン系、イソインドリノン系等が挙げ
られる。
【0056】顔料は代表的には有機溶媒、もしくは水系
分散媒の中に有機結合剤と共に分散される。この顔料は
対応する画像の色と画質を再現する程度までに粉砕され
る。一般的に平均粒径1ミクロン以下が好ましい。
【0057】次の例は、この技術分野で公知の多くの顔
料及び染料の内の若干例であるが、本発明に使用できる
顔料もしくは染料はこれらに限定されるものではない
(C.I.はカラーインデックスを意味する)。 ビクトリアピュアブルー(C.I.42593) オーラミンO(C.I.41000) カチロンブリリアントフラビン(C.I.ベーシック1
3) ローダミン6GCP(C.I.45160) ローダミンB(C.I.45170) サフラニンOK70:100(C.I.50240) エリオグラウシンX(C.I.42080) ファーストブラックHB(C.I.26150) No.1201リオノールイエロー(C.I.2109
0) リオノールイエローGRO(C.I.21090) シムラーファーストイエロー8GF(C.I.2110
5) ベンジジンイエロー4Tー564D(C.I.2109
5) シムラファーストレッド4015(C.I.1235
5) リオノールレッド7B4401(C.I.15850) ファーストゲンブルーーTGRーL(C.I.7416
0) リオノールブルーSM(C.I.26150) 三菱カーボンブラックMA−100 三菱カーボンブラック#40
【0058】これらの顔料以外に、チバガイギー(株)
等から製造、販売されているポリマーキャリヤー中に微
粒子顔料を分散させた加工顔料、例えばミクロリスイエ
ロー4GA、ミクロリスイエロー2R−A(C.I.2
1108)、ミクロリスイエローMX−A(C.I.2
1100)、ミクロリスブルー4G−A(C.I.74
160)、ミクロリスレッド3R−A、ミクロリスレッ
ド2C−A、ミクロリスレッド2BーA、ミクロリスブ
ラックC−A等も使用される。
【0059】トナー層は、その被膜性と脆さを制御する
ために少なくとも一種の結合剤を含む。また結合剤は上
記塗膜のレオロジカルな性質を制御すると共に、分散系
の顔料を安定させるためにも使用される。代表的には顔
料と結合剤または結合剤の一部が、所望の粒径と色が得
られるまでミルの中で粉砕される。粉砕されたペースト
を溶媒または溶媒混合物によって希釈して、所望の粘度
の分散物を得る。
【0060】感光層の画像状露光部、及び未露光部に対
応してトナー層を選択的に転写し、高画質を得るため
に、本発明に用いるトナー層塗膜のせん断破壊力及び伸
びは共に小さいことが好ましい。そのためにトナー層に
適した結合剤は、少なくともトナー現像温度において脆
性であることが好ましい。この観点から、結合剤として
は、ガラス転移温度Tgを有するポリマーの場合には、
Tgが少なくとも室温以上であることが好ましい。さら
に結合剤ポリマーの分子量が小さいと、トナー層を加
圧、加熱下、記録済みの感光層にラミネートする際に、
結合剤が軟化、もしくは融解を起こし易く、本来接着し
て欲しくない露光部感光層との粘着性が増大し、解像力
低下を招きやすい。そのため結合剤ポリマーとしては、
分子量が一万以上であることが好ましい。この層に適し
た結合剤は熱可塑性樹脂またはその混合物であり、混合
物の場合、二種以上の樹脂が相溶状態にあっても、非相
溶状態のいずれであってもよい。具体的に好ましいポリ
マーの例は、メチルセルロース、エチルセルロース、三
酢酸セルロースのようなセルロース誘導体、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル等のようなアクリル系モノマーの単独重合体又
は共重合体、スチレン/無水マレイン酸樹脂とそのハー
フエステル等がある。好ましい実施態様において顔料と
結合剤の混合比は、顔料と結合剤の組み合わせによって
異なるが、一般的には顔料:結合剤比が100:20〜
100:300(重量比)が好ましい。
【0061】このようにして形成されたトナー層は、顔
料および結合剤ともに脆く、一色のみの高画質を得る上
では十分な性能を有するが、トナー層同士を接着させて
多色化させることは困難である。トナー層の結合剤が加
圧、加熱により軟化するポリマーを使用すれば、トナー
層同士の接着力が高まると考えられるが、上記したよう
に画質低下を招き易く好ましくない。そこでトナー層へ
の添加剤を各種探索したところ、画質、多色化の両者を
満たすものとして、可塑剤添加が好ましいことが判明し
た。本発明における可塑剤の作用機構については未だ不
明であるが、顔料とポリマーとの複合系に於て、露光部
感光層との接着性、及びトナー層の旋断破壊力を著しく
増大させることなく、トナー層同士の接着性を強くして
いるためと推定している。更に、実施例で述べるよう
に、可塑剤はトナー層とその支持体との接着性を下げる
効果も有しており、トナー要素から受像層への転写を大
きく加速している点も、重要と考えられる。
【0062】即ち、可塑剤は、異なった色相のトナー層
同士の接着力を向上させ、受像要素への転写を促進する
ために添加される。使用される材料は、色材、結合剤と
の組み合わせにより適宜選択される。低分子可塑剤の例
としては、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジー
nーオクチル(DnOP)、フタル酸ジ(2ーエチルヘ
キシル)(DOP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フ
タル酸ジラウリル(DLP)、フタル酸ブチルラウリル
(BLP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)等のフ
タル酸エステル類、アジピン酸ジ(2ーエチルヘキシ
ル)(DOA),セバシン酸ジ(2ーエチルヘキシル)
(DOS)等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリク
レジル(TCP),リン酸トリ(2ーエチルヘキシル)
(TOF)等のリン酸トリエステル類、ポリエチレング
リコールエステル等のポリオールエステル類、エポキシ
脂肪酸エステルのようなエポキシ化合物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。上記の一般的な
可塑剤の他に、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1、2、4ーブタントリオールトリメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエ
リトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテト
ラアクリレート、ジペンタエリトリットーポリアクリレ
ートのようなアクリル酸エステル類も、結合剤の種類に
よって好適に使用される。これらの可塑剤は単独で、ま
た二種以上を混合して使用してもよい。またこれらの可
塑剤に、ポリ塩化パラフィンのような二次可塑剤(補助
可塑剤)を配合して使用してもよい。添加される可塑剤
の量は、顔料および結合剤との組み合わせによって異な
るが、一般的には(顔料と結合剤の総量):可塑剤の重
量比が100:1〜100:200、好ましくは10
0:2〜100:100である。
【0063】上に記載した成分に加えて、トナー層は界
面活性剤、増粘剤、分散安定剤、接着促進剤、その他の
添加剤を含むこともできる。トナー層の乾燥膜厚は、目
的とする用途によるが、一般的に10μmを越えること
はない。好ましくは0.1μm〜4μmである。
【0064】図2には示されていないが、本発明のトナ
ー層の表面には、取り扱い時の傷防止、保存時の膜面同
士の接着などをふせぐために、必要に応じてカバーフィ
ルムが設けられていてもよい。これらの目的のためのカ
バーフィルムの材料は一般的には例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリスチレン、スチレンーアクリロニトリル共重合体な
どの高分子化合物を挙げることができ、特に、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフテレートが
好ましい。カバーフィルムの厚さは一般的には5〜40
0μm、特に10〜100μmであることが好ましい。
これらのカバーフィルムのトナー層と接触する面には、
カバーフィルムの接着性を制御するために、感光層のカ
バーフィルムの表面処理と同じような処理がなされても
よい。
【0065】異なった色相の複数のトナー層を受像要素
上で接着させる方法としては更に、 1)トナー層の結合剤として、受像要素へのラミネート
の際の加熱、加圧等により軟化するポリマーを使用す
る、 2)トナー層の下塗り層として、現像の際にはトナー層
支持体から剥離されず、画像状トナー層を受像層に転写
する際には、トナー層と一緒に受像層へ転写され、か
つ、後から積層されるトナー層を接着させる機能を有す
る層(剥離層)を設ける、 等の方法も挙げられる。
【0066】図3は本発明で使用する受像要素の一例の
断面を模式的に示す断面図である。図3において、受像
要素31は、支持体32の上に受像層33が設けられて
構成されている。支持体32はフィルム状もしくは板状
のものであれば特に限定されず、どのような物質から作
ったものであってもよい。支持体32の材料としては、
一般的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンーアクリロニト
リル共重合体などの高分子化合物を挙げることができ、
特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが、水、熱
に対する寸法安定性の点で好ましい。また支持体32の
厚さは、フィルム状の場合一般的には10〜400μ
m、特に25〜200μmであることが好ましい。ま
た、用途によっては、支持体32としてガラス、金属板
等も使用することは可能である。
【0067】図3には図示されていないが、支持体32
の表面には、受像層33との密着性をあげるために下塗
層の積層もしくは物理適な表面処理がなされていてもよ
い。下塗層としては被膜性のあるポリマー材料から、支
持体及び受像層両者との密着性等をを考慮して適宜選択
される。その厚みには特に制限は無いが、通常は0.0
1μmから2μmが好ましい。密着性をあげる手段とし
て、支持体表面のグロー放電処理、コロナ放電処理など
の物理的処理も、特に好ましい。
【0068】受像層33としては、トナー層を受容する
ために、ビカー(Vicat)法による軟化温度が約8
0℃より低いポリマー層が好ましい。更に必要に応じて
印刷本紙に転写するため、適度のレリース性を得るため
には、特開昭59ー97140号公報に記載されている
光重合性材料からなることが好ましい。本発明に好適な
光重合性画像受像層は iv)付加重合によって光重合体を形成しうる多官能ビ
ニル又はビニリデン化合物の少なくとも一種、 v)有機重合体結合剤、 vi)光重合開始剤、及び必要に応じて熱重合禁止剤等
の添加剤、 を含有する。本発明に使用しうる適当なビニル又はビニ
リデン化合物(iv)の例には、本発明の感光層13に
使用される光重合性モノマーと同様の化合物が挙げられ
る。有機重合体結合剤(バインダー)(v)の例とし
て、同様に感光層13の結合剤に使用されるポリマーが
挙げられる。
【0069】光重合開始剤としては、近紫外部に吸収、
活性を有し、可視部に吸収が無い、もしくは小さな化合
物である必要がある。このような例としてベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン[4,4’−ビスー(ジメチルアミ
ノ)ベンゾフェノン],4,4’−ビスー(ジメエルア
ミノ)ベンゾフェノン、4ーメトキシー4’ージメチル
アミノベンゾフェノン、2ーエチルアントラキノン、フ
ェノントラキノン、及びその他の芳香族ケトンのような
芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェチルエ
ーテルのようなベンゾインエーテル類、メチルベンゾイ
ン、エチルベンゾイン及びその他のベンゾイン類、並び
に2ー(Oークロロフェニル)ー4、5ージフェニルイ
ミダゾール二量体、2ー(Oークロロフェニル)ー4、
5ー(mーメトキシフェニル)イミダゾール二量体等、
本発明の感光層13の光開始剤の項で例示した、近紫外
部に活性を有する光開始剤が挙げられる。ここで、光重
合性モノマーと、有機重合体結合剤の混合比は使用され
るモノマー化合物と結合剤の組み合わせによって適正比
は異なるが、一般的にはモノマー:結合剤比が0.1:
1.0〜2.0:1.0(重量比)が好ましい。光開始
剤の添加量はモノマー化合物に対して0.01〜20重
量%が好ましい。
【0070】受像層の膜厚は、画像形成後の4色の色像
を受容するために変形される必要があるが、そのための
十分な厚さが最低あれば良く、光重合性物質の適正な塗
布膜厚は、色像の膜厚によって異なるが、1〜50μm
が好適である。
【0071】図3には記載されていないが、本発明の受
像層33は必要に応じて、二層構成であっても良い。特
に、印刷本紙等の永久支持体に画像を転写する際、二層
のうち上層を画像と共に転写し、下層(支持体側)を受
像要素に残留させる方法が特開昭61ー189535
号、特開平2ー244146、同2ー244147号、
同2ー244148号公報に詳細に記載されている。こ
れらの公報に記載されている方法は、印刷物との近似
性、その他の点から好ましく、本発明の受像要素として
好適に使用される。
【0072】レーザー記録により、サープリント法で色
校正を行なうためのプロセスを以下、順を追って説明す
る。 1)色分解画像信号で変調されたレーザー光を、感光層
上で適当なビーム径に集光し走査する。レーザー光は支
持体側、カバーフィルム側いずれの方向からも入射する
ことができる。レーザー光を走査させるためには、一般
的には回転ドラム上で感光要素を高速で回転させつつ、
その走査方向と直交する方向に同期を取りつつレーザー
ビームを移動(副走査)させる方法(ドラム走査方式)
と、平面ステージ上の感光要素にレーザービームを高速
で走査しつつ、直交方向に感光要素を移動(副走査)さ
せる方法(平面走査方式)等がある。本発明では、これ
らいずれの方式、もしくはこれらの変形方式を用いるこ
とが出来る。
【0073】2)レーザー記録された感光層に、色分解
画像に対応する色相のトナー層が接するように重ね合わ
せ(必要に応じてカバーフイルムを除去した後で)、ラ
ミネーターを通過させる。通過時の加圧、必要によって
は加熱により、画像状露光パターンに対応して、トナー
層が未露光の感光層に転写、現像される。
【0074】3)順次、第2、第3、及び場合によって
は第4の色相の分解画像が、各々別の感光要素にレーザ
ー記録され、対応する色相のトナー要素を用いて転写、
現像される。この時、第1から第4の色相の分解画像を
現像する条件は、作業上の誤りを少なくし、処理効率を
上げる点から、同一となるように設定されていることが
好ましい。この際、各色のトナー要素に対して、新しい
感光層が必要である。この感光層としては、別々の感光
要素を準備しても良いが、同一の感光要素を用い、1色
を転写した後、塗布・ラミネート等の方法で新たな感光
層を設けることも可能である。中間層が吸収するので、
感光層表面に多少の凹凸があっても十分な密着性が得ら
れるためである。
【0075】4)上記操作により得られた第1色目のト
ナー要素上の画像を、受像要素の受像層と接するように
重ね合わせ、加熱、加圧下でラミネーターを通過させ
る。通過時の加熱、加圧により分解画像は受像層と強く
接着し、転写される。
【0076】5)順次、第2、第3及び場合によっては
第4の分解画像が第1色目の画像に整合され、同様の方
法で転写される。第2の分解画像のトナー層は、ラミネ
ーター通過時の加熱、加圧により受像層と直接に、もし
くは第1の分解画像のトナー層と強く接着し、転写され
る。第3の分解画像は同様に、受像層、第1のトナー
層、第2のトナー層のいずれかと接着し、受像要素に転
写される。この時、第1から第4の色相の分解画像を受
像要素に転写する条件は、各色相につき同一となるよう
に設定されていることが、作業上の誤りを少なくし、処
理効率を上げる点から好ましい。
【0077】図4は、中間層が無く、感光層膜厚が比較
的小さな感光要素を用い、トナー要素をラミネートした
後の様子を模式的に示した断面図である。41は感光層
塗布からトナー要素のラミネート迄のいずれかの工程で
混入した異物である。この異物の大きさによつては空隙
42が生じ、感光層側に転写すべきトナー層の内、空隙
部のトナー層が支持体側に残留して欠陥の原因となる。
【0078】図5は、中間層を設けた感光要素を用い、
トナー要素をラミネートした後の様子を模式的に示した
断面図である。異物41は柔らかな中間層14中に潜り
込み、トナー層と感光要素の間に空隙を生じないので画
像の欠陥が無い。
【0079】図6は、第1のトナー画像が転写された後
に、第2の分解画像を受像要素に転写する様子を示す。
32は受像要素の支持体、33は受像層、22はトナー
要素の支持体、51は第1の分解画像(色相a)、52
は第2の分解画像(色相b)を示す。またF1bは、第
2の分解画像(色相bのトナー層)と支持体22との接
着力、F2abは、第1、第2の分解画像トナー層の間
の接着力、第1、第2の分解画像の各々と受像層の間の
接着力をそれぞれF3a,F3b、第1、第2の分解画
像層の各々の凝集力をそれぞれF4a,F4bで示す。
ここで、F1bが、F2ab、F3a、F3b、F4
a、F4bの各々よりも小さいため、第1の分解画像の
上に、接着層等他の層を介在させることなく、第2の分
解画像を受像要素に転写させることができる。本発明に
おいては、後述する実施例に示すように、トナー層に可
塑剤を添加することにより、F1bを小さくすると共
に、トナー層a,b間の接着力を増大させることによ
り、上記の力関係を満足させることができる。
【0080】6)次いで、4色の分解画像が転写された
受像層を白色紙上に接するように重ね合わせ、加熱加圧
下で熱ラミネーターを通過させ、白色紙と接着させる。
【0081】7)受像層が光重合性の場合には、受像要
素の透明な支持体を通して全面に紫外線露光が与えら
れ、受像層を光硬化させる。
【0082】8)透明支持体を剥離することによって、
白色紙上に転写された4色の整合された画像が得られ
る。
【0083】最初のレーザー記録の段階は、アルゴンイ
オンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、ヘリウムカド
ミウムレーザー等のガスレーザー、YAGレーザーなど
の固体レーザー、半導体レーザーなどの他に、色素レー
ザー、エキシマーレーザーなどから直接出射された光、
もしくはこれらの出射光を二次高調波素子を通して、半
分の波長に変換した光で行なわれる。感光層の感光波
長、感度、必要とされる記録速度に応じて、これらのレ
ーザーから適宜選択される。画像信号によるレーザー光
の変調は、例えばアルゴンイオンレーザーの場合には外
部変調器にビームを通し、また半導体レーザーの場合に
は、レーザーに注入する電流を信号により制御(直接変
調)する等、公知の方法により行なわれる。また、変調
されたレーザー光を感光層上で集光し、走査するのも公
知の方法により行なわれる。尚、最終画像を紙上に転
写、形成して使用する場合、レーザー光を走査、記録す
るに際し、感光層(もしくはカバーフィルム)側から見
たとき、原稿画像に対し左右が反対の画像(逆像)とな
るように、走査、記録させる必要がある。
【0084】本発明の感光性要素を用いた画像形成にお
いては、トナー層が残留したトナー要素を、受像要素に
転写することなくそのまま使用するすることもでき、更
にトナー層が転写した感光要素も使用することができ
る。例えば、トナー層が残留するトナー要素は、欠陥の
少ない優れた画像を有するので、印刷版等に焼き付ける
ためのマスク、いわゆるリスフイルムを用いて作成した
マスクと同様のものとして使用できる。以下、実施例に
より本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0085】
【実施例】
実施例1 下記の組成を有する中間層用の塗布液を調製した。 ポリマー エチレン−エチルアクリレート共重合体 20重量部 (三井石油化学(株)製、商品名エバフレツクスA−709) 溶剤 100重量部 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フイルムを支持体として、回転塗布機を使用して上
記塗布液を、200rpmで1分間塗布し、100℃の
オーブン中で2分間乾燥した。得られた中間層の膜厚は
20μmであつた。
【0086】この中間層の上に、以下の処方の感光層用
塗布液を、回転塗布機を使用して、100rpmで1分
間塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥した。得
られた感光層の膜厚は2μmであつた。ここで光開始剤
A,Bは、クロロホルム1mlに0.45g溶解したも
のを使用した。この感光層の上にラミネーターを用い
て、ポリプロピレンフィルム(厚さ12μm)をカバー
し、感光要素とした。
【0087】 結合剤 4.0重量部 (メタクリル酸アリル/メタクリル酸共重合体、共重合組成比=80/2 0(モル比)、分子量=3.6万) ポリビニルピロリドン 5.0重量部 (五協産業(株)タイプ Kー15、分子量=1万) ジペンタエリスリトットヘキサアクリレート 1.2重量部 (光重合性モノマー、略称DPHA) 光開始剤A(構造式A) 0.045重量部(固形分)
【0088】
【化1】
【0089】 光開始剤B(構造式B) 0.045重量部(固形分)
【0090】
【化2】
【0091】 ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.01重量部 (熱重合禁止剤) 1ーメトキシー2ープロパノール 21重量部
【0092】次いで下記のトナー層用塗布液を調製し
た。 <黒用塗布液:記号 K1> 色材 ミクロリスブラック C−A 4.5重量部 (チバガイギー(株)製:注1) 添加剤 ペンタエリトリットテトラアクリレート 0.18重量部 (略称:PET−4A) 溶剤 メチルエチルケトン 200重量部 プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 100重量部 界面活性剤 大日本インキ(株)製、商品名マガフアツクF−176PF 0.5重量部 (注1) ミクロリスブラックCーA:カーボンブラック顔料とエ
チルセルロース(結合剤)からなる加工顔料。
【0093】厚さ75μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムを支持体として、回転塗布機(ホ
エラー)を使用して上記の塗布液を、120rpmで1
分間塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥し黒色
のトナー要素を作成した。得られたトナー層の膜厚は、
0.2μmであった。
【0094】上記の手順で得られた感光要素、トナー要
素を用い、下記の手順で画像形成、評価を行なった。先
ず、回転ドラム上に、感光要素をレーザー入射面がカバ
ーフィルムとなるように貼り付けた。次いで回転ドラム
を線速14m/秒の条件で回転し、試料面上パワー1.
5mW、ビーム径10μmの条件でアルゴンイオンレー
ザー(波長488nm)光を走査、露光を行なった。こ
の時、記録パターンが各線ピッチ20μmの直線となる
ようにレーザー走査を行なった。この感光要素のカバー
フィルムを剥いだ後、色相黒のトナー層と感光層を接し
ながら、100度C、圧力4.5kg/cm2に設定の
ラミネーターを、450mm/分の速度で通した。室温
に戻ったトナー要素を感光要素から引き剥がすことによ
り、感光層及びトナー層支持体上にトナー画像が形成さ
れた。得られた画像は、感度が良好であり、また、いず
れの画像も解像力に優れ、目視で観察される欠陥も非常
に少ないものであつた。
【0095】比較例1 中間層を設けない以外は実施例1と同様の方法により作
成した感光要素、及びトナー要素を用い、実施例1と同
様の画像形成、評価を行った。感光層上のトナー層には
異物による密着不良に起因する、大きさ数10μm〜数
100μm程度の白抜け、トナー要素上にはそれに対応
するトナー層の残留が多数あり、画質の低下が大きかつ
た。顕微鏡の観察によると、欠陥の多くのものには中心
部に異物の存在が認められた。
【0096】実施例2 下記の組成を有するシアン、マジエンタ、イエローのト
ナー層用の塗布液を調整した。 <シアン用塗布液:記号 C1> 色材 顔料分散液C1 10.8重量部 (注2) C1:下記の組成よりなる顔料分散液 顔料 No−700−10 FG Cyanine Blue (東洋インキ(株)製) 10重量部 結合剤 ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/アクリル酸共重合体 (組成比:50/35/15、分子量6万) 15重量部 溶剤 メチルエチルケトン 31重量部 メチルセロソルブアセテート 26重量部 メトキシプロパノール 17重量部 添加剤 ジオクチルフタレート 0.6 重量部 溶剤 nープロパノール 76重量部 シクロヘキサノール 2重量部 アセトン 7重量部
【0097】 <マジェンタ用塗布液:記号 M1> 色材 顔料分散液M1 7.2重量部 (注3) M1:下記の組成よりなる顔料分散液 顔料 リオノールレッド LXー235 12重量部 (東洋インキ(株)製) 結合剤 ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (組成比:67/33、分子量4.3万) 18重量部 溶剤 メチルセロソルブアセテート 37重量部 メトキシプロピルアセテート 33重量部 添加剤 CRP(構造式C) 0.6重量部
【0098】
【化3】
【0099】 溶剤 メチルエチルケトン 80重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40重量部
【0100】 <イエロー用塗布液:記号 Y1> 色材 ミクロリスイエロー2RーA 1.8重量部 (チバガイギー(株)製:注4) 添加剤 PET−4A 0.8重量部 溶剤 メチルエチルケトン 60重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 60重量部 (注4) ミクロリスイエロー2RーA:顔料(Pigment
yellow 83,C.I.21108)とエチルセ
ルロース(結合剤)からなる加工顔料)。
【0101】厚さ75μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムを支持体として、回転塗布機(ホ
エラー)を使用して上記各色の塗布液を、120rpm
で1分間塗布し、100℃のオーブン中で2分間乾燥し
各色相のトナー要素を作成した。得られたトナー層の膜
厚は、黒 0.2μm、シアン0.4μm、マジェンタ
0.4μm、イエロー0.2μmであった。
【0102】次に受像層用塗布液として下記を調製し
た。 <受像第一層> ポリ塩化ビニル 9重量部 (日本ゼオン(株)製、商品名 ゼオン25) 界面活性剤 0.1重料部 (大日本インキ(株)製、商品名メガファックF−177P) メチルエチルケトン 130重量部 トルエン 35重量部 シクロヘキサノン 20重量部 ディメチルフォルムアミド 20重量部
【0103】 <受像第二層> メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸共重合体 (三菱レーヨン(株)製、商品名ダイヤナールBRー77) 17重量部 アルキルアクリレート/アルキルメタクリレート共重合体 17重量部 (三菱レーヨン(株)製、商品名ダイヤナールBRー64) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 22重量部 (新中村化学(株)製、商品名A−TMMT) 界面活性剤 0.4重量部 (大日本インキ(株)製、商品名メガファックF−177P) メチルエチルケトン 100重量部 ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.05重量部 2,2ージメトキシー2ーフェニルアセトフェノン(光重合開始剤) 1.5重量部
【0104】厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムを支持体として、回転塗布機
(ホエラー)を使用して上記受像第一層塗布液を塗布
し、100℃のオーブン中で2分間乾燥した。得られた
第一層の膜厚は1μmであった。この第一層の上に、第
二層用塗布液を用いて同様の方法により塗布し、乾燥膜
厚26μmの受像第二層を積層し、受像要素を得た。
【0105】次いで、実施例1で作成した感光要素、黒
トナー要素を用い、以下の手順で多色画像の形成を行っ
た。先ず、実施例1と同様の方法により黒のトナー要素
上に黒色トナー画像を形成した後、受像要素の受像層と
重ね合わせ、125℃、圧力4.5kg/cm2、速度
900mm/分の条件でラミネートした。室温冷却後、
受像要素とトナー要素を相互に引き離したところ、トナ
ー層支持体上の画像が受像層上に転写されていた。
【0106】新しい感光層を用いて、同様の方法によ
り、トナー要素支持体上にシアンのトナー画像を形成し
た。上記黒色のトナー画像が形成された受像層上に、記
録線の方向が直交するように重ね合わせ、同条件でラミ
ネート、引き離しを行ったところ、受像層上に、直交し
た黒とシアンの画線が良好に転写された。マジエンタ、
イエローのトナー要素についても同様の操作を行い、受
像要素上に4色のトナー層から成る画像を形成した。
【0107】上記4色のトナー層が転写された受像層
を、印刷に用いられるアート紙と重ね合わせ、125
℃、圧力4.5kg/cm2、速度450mm/分の条
件でラミネートした。このラミネート物の受像要素側か
ら、2kW超高圧水銀灯、50cmの距離で全面光照射
を行い、次いで受像要素を剥いだところ、4色のトナー
画像層同士が良好に接着されながらアート紙上に転写さ
れているのが確認された。得られた画像は解像力に優
れ、色相の変化も無く、更に目視で観察される欠陥も非
常に少ない良好なものであった。
【0108】実施例3 下記の組成を有する感光層用の塗布液を調整した。 結合剤(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のメチルセロソルブ アセテート33%溶液、共重合組成比=67/33) 45.5重量部 光重合性モノマー テトラエチレングリコールジアクリレート 3.0重量部 ペンタエリスリトールテトラアクリレレート 5.0重量部 開始剤 D(構造式D) 0.6重量部
【0109】
【化4】
【0110】 界面活性剤(住友3M(株)製、商品名フロラードFCー430) 0.1重量部 メチルエチルケトン 110重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55重量部
【0111】この塗布液を用い、実施例1と同様の方法
により、感光要素を作成した。得られた感光層の膜厚は
2.0μmであった。感光要素以外のトナーフィルム、
受像要素は、実施例1及び実施例2と同様の方法により
作成した。この感光要素に、4色分解画像マスクを通し
て、2kW超高圧水銀灯により紫外線照射を行ない、対
応する色相のトナーフィルムを用い、実施例1と同様の
方法により現像を行なった。トナー要素上に形成された
画像を、4色の位置合わせを行ないつつ、実施例1と同
条件下、受像要素に転写を行ない、次いでアート紙上に
転写を行なった。得られた画像は、150線で2〜98
%の網点を解像しており、また耐すり傷性も良好であっ
た。
【0112】比較例2〜3 実施例2における各色相のトナー層用塗布液から、可塑
剤を除いた以外は、実施例1及び実施例2と同様の方法
により、トナー画像形成を行ない、受像要素及びアート
紙上に転写を行なった。1色目の画像は受像層に良好に
転写されたが、2色目以降は転写が不十分であり、画質
は使用に耐えないものであった。
【0113】実施例4 厚さ15μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(三井石
油化学(株)製、商品名エバフレツクス40Y)の中間
層を用いた以外は、実施例8と同様の方法で画像の形成
・評価を行った。感度、解像力と共に、欠陥の点でも良
好な結果が得られた。
【0114】実施例5 中間層用塗布液として、下記の組成の液を調製した。 ポリマー: 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15重量部 (日進化学(株)製、商品名MPR−T5,塩ビ/酢ビ=75/25 (重量%),重合度=約400) 塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体 5重量部 (日進化学(株)製、商品名MPR−TM,塩ビ/酢ビ/マレイン酸 =86/13/1 (重量%),重合度=約400) 可塑剤:フタル酸ジブチル 0.4重量部 界面活性剤:3M社製、商品名フロラードFC−430 0.25重量部 溶剤:メチルエチルケトン 100重量部 厚さ100μmのPETフイルムを支持体として、回転
塗布機を使用して上記液を塗布・乾燥し、厚さ20μm
の中間層を得た。この中間層の上に、実施例1と同様の
方法により感光層塗布を行い、感光要素を作成した。感
光層の膜厚は、3μmであつた。ついで、実施例1と同
様の方法で画像形成・評価を行ったところ、感度、解像
力と共に、欠陥の点でも良好な結果を示した。
【0115】実施例6 実施例3で作成した感光層用塗布液を用い、厚さ100
μmのPETフイルム上に直接、実施例1と同様の方法
で感光層塗布を行った。感光層の膜厚は3μmであつ
た。次に、厚さ75μmのPETフイルム上に張り合わ
せた、厚さ25μmのポリエチレンフイルムを、上記感
光層と接しながら、4.5kg/cm2、120℃、4
50mm/分の条件でラミネーターを通し、ついで実施
例10と同じ条件で紫外線露光を行った。感光要素から
ポリエチレンフイルムを剥すと、感光層がポリエチレン
側に転写した。実施例8で用いた黒色トナー要素を、実
施例8と同条件で感光層にラミネートし、現像を行っ
た。得られた画像は、解像力が良好であり、また、厚さ
25μmのポリエチレンフイルムが中間層の役割を果た
し、目視観察される欠陥も非常に少ないものであつた。
【0116】実施例7a〜7d、比較例4 マジェンタ用トナー層塗布液として、下記の分散液を調
製した。 色材 顔料分散液M1(実施例2のM1と同じ) 7.2重量部 添加剤(可塑剤) PET−4A 0重量部〜0.6重量部 (顔料と結合剤の総量に対し、0〜40重量%まで変化。各々をa〜eと した。) 溶剤 メチルエチルケトン 80重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40重量部
【0117】この塗布液を用い、実施例2と同様の方法
により、可塑剤含有量の異なるマジェンタトナー要素を
作成した。感光要素、黒およびイエローのトナー要素、
及び受像要素は実施例1もしくは実施例2と同様に作成
した。次いで実施例2と同様の方法により、黒、イエロ
ーの順にトナー層を受像要素に転写した。次いでイエロ
ー画像の上に、a〜eのトナーフィルムを、ラミネータ
ー温度を変えながら転写を行なった。受像要素に転写可
能であったラミネート温度を表1に示す。
【0118】 表1:転写可能温度の評価 試料 可塑剤添加量(重量%) 転写可能温度(℃) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− a(実施例7a) 10 120 b(実施例7b) 20 100 c(実施例7c) 30 80 d(実施例7d) 40 70 e(比較例4) 0 150℃で転写不可 (受像層支持体に変形)
【0119】実施例8f〜8h、比較例5 実施例2のシアントナー層用塗布液中の可塑剤として構
造式Eの化合物(大八化学(株)製タイプMP−14)
を用い、その含有量を変えた試料f〜iを作成した以外
は、実施例1もしくは実施例2と同様の方法により、感
光層、トナー要素、受像要素を作成した。
【0120】
【化5】
【0121】次いで、実施例2と同様の方法により、黒
画像の後に、受像要素へ転写テストを行なった。結果を
表2に示す。MPー14添加につれ転写性と共に、画質
も向上するが、量が多すぎると、現像の際にトナー層の
凝集破壊が生じ、画質が逆に劣化することが判る。
【0122】 表2:評価結果 試料 可塑剤添加量 受像要素への 画質 (顔料とモノマーの総量 転写 に対する重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− f(実施例8f) 12 良好 ほぼ良好 g(実施例8g) 24 良好 良好 h(実施例8h) 100 可能 非画線部やや 不良 (トナー層の凝集破壊) i(比較例5) 0 不可 シャドー部不良
【0123】実施例9、比較例6 実施例2において、マジェンタ層用可塑剤としてCRP
の代わりに、DOP,TPP,CDP(構造式F),B
DP(構造式G)を各々用いた以外は、実施例2と同様
の方法、条件で試料を作成し、シアン画像の次に受像要
素に転写、画像評価を行なった。このとき、これら可塑
剤を添加しない場合(比較例6)は、いづれも印刷本紙
上の画質は不良であったが、添加したもの(実施例9)
は、画質、色相いずれも良好で、かつ、目視による欠陥
も非常に少なかった。
【0124】
【化6】
【0125】
【化7】
【0126】実施例10、比較例7 実施例2において、シアン層用可塑剤としてDOPの代
わりに、MP10(大八化学(株)製可塑剤、構造式
H)、MP−16(大八化学(株)製可塑剤、構造式
I)を各々用いた以外は、実施例2と同様の方法、条件
で試料を作成し、黒画像の次に受像要素に転写、画像評
価を行なった。このとき、これら可塑剤を添加しない場
合(比較例7)は、いづれも印刷本紙上の画質は不良で
あったが、添加したもの(実施例10)は、画質、色相
いずれも良好で、かつ、目視による欠陥も非常に少なか
った。
【0127】
【化8】
【0128】
【化9】
【0129】実施例11、比較例8 実施例2のシアントナー層用塗布液中の可塑剤としてP
ET−4Aを用い、その含有量を変えた試料j〜nを作
成した以外は、実施例2と同様の方法により、感光層、
トナー要素、受像要素を作成した。次いで、実施例2と
同様の方法により、黒画像の後に、受像要素へ転写テス
トを行なった。更にシアントナー層の上に感圧粘着テー
プをラミネートした後、引っ張り試験機(テンシロン)
によりトナー要素支持体とトナー層の接着力をF1を測
定した。結果を表3に示す。可塑剤添加により受像要素
への転写が可能となり、添加量の増加につれ、転写に必
要なラミネート温度が低下する。この転写性の向上の一
つの要因が、トナー層と支持体との接着力F1の低下に
あることが判る。
【0130】 表3:評価結果 ──────────────────────────────────── 試料 j k l m n PET-4A添加量(注5) 0 10 20 30 40 (比較例) (実施例) (実施例) (実施例) (実施例) 4色転写可能温度(℃) 135℃で 同左 130 120 100 (注6) 転写不可 剥離力F1(g/cm) 170 160 155 90 30 ──────────────────────────────────── (注5)顔料と結合剤の総量に対する重量% (注6)受像要素に、黒、シアン、マジェンタ、イエローの順で転写
【0131】
【発明の効果】本発明の多色画像形成方法によれば、乾
式現像法によりカラー画像を得ることが出来る。特に画
像信号でディジタル変調されたレーザー光により、ダイ
レクトにカラープルーフを得ることができるという顕著
な効果を有する。本発明の画像形成方法により、顔料を
色材とする像を印刷本紙上に形成できるため、印刷物近
似性の高いプルーフが得られる。得られる画像は、増感
色素による変色を伴うことが無い。また寸度安定性に優
れるプラスチック支持体上で色合わせを行なうため、工
程安定性が高く、得られる画像の機械的強度も優れると
いう顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法において使用する、感
光要素の一例の断面を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の画像形成方法において使用する、ト
ナー要素の一例の断面を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明の画像形成方法において使用する、受
像要素の一例の断面を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明に成る感光要素を使用しない画像形成
方法において、大きな異物が混入した時の面接触の状態
の一例を模式的に示す断面図である。
【図5】 本発明に成る感光要素を用いた画像形成方法
において、大きな異物が混入した時の面接触の状態の例
を模式的に示す断面図である。
【図6】 本発明の画像形成方法において、第一のトナ
ー画像が受像要素に転写された後に、第二のトナー画像
を受像要素に転写する様子の一例を模式的に示す断面図
である。
【符号の説明】
11 感光要素 12 感光要素支持体 13 感光層 14 中間層 21 トナー要素 22 トナー要素支持体 23 トナー層 31 受像要素 32 受像要素支持体 33 受像層 41 異物 42 空隙 51 色相aのトナー層 52 色相bのトナー層 F1b トナー要素支持体と色相bのトナー層間の
接着力 F2ab 色相a,bのトナー層間の接着力 F3a 受像層と色相aのトナー層の間の接着力 F3b 受像層と色相bのトナー層の間の接着力 F4a 色相aのトナー層の凝集力 F4b 色相bのトナー層の凝集力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠崎 文明 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−176753(JP,A) 特開 昭63−41847(JP,A) 特開 昭59−97140(JP,A) 特開 昭62−267738(JP,A) 特開 平3−174159(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性光線に対し非露光時に粘着性を示
    し、露光後に非粘着性を示す感光層と、支持体の間に、
    ヴィカー(Vicat)法による軟化温度が80℃以下
    の層を設けた感光要素と、色相(a)を有する色材と結
    合材を含有するトナー層(a’)を支持体上に有する
    トナー要素を用い、 A)前記感光層に画像状に活性光線を露光し潜像を形成
    する段階、 B)前記画像状に潜像が形成された感光層を、上記色相
    (a)を有するトナー層(a’)に面−対−面の関係で
    接触させる段階、 C)前記トナー要素と前記感光要素を相互に引き離し
    て、感光層の非露光部に対応するトナー層の部分を感光
    層に転写し、感光層の露光部に対応するトナー層の部分
    をトナー層用支持体上に残留させる段階、D)支持体上に、トナー層と接着性のある表面を有する
    受像層を設けた受像要素と、前記トナー層が感光層の露
    光部に対応して残留したトナー要素を、面−対−面の関
    係で接触させる段階、 E)前記受像要素とトナー要素を相互に引き離して、前
    記感光層の露光部に対応して残留したトナー層を受像層
    に転写させる段階、 を含む画像形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ヴィカー(Vi
    cat)法による軟化温度が80℃以下の層が、エチレ
    ン重合体もしくは共重合体を含有することを特徴とする
    画像形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記エチレン共重合
    体がエチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはエチレン−
    アクリル酸エステルであることを特徴とする画像形成方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記ヴィカー(Vi
    cat)法による軟化温度が80℃以下の層の厚さが、
    3μm〜100μmであることを特徴とする画像形成方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記感光層が光重合
    性層であることを特徴とする画像形成方法。
  6. 【請求項6】 活性光線に対し非露光時に粘着性を示
    し、露光後に非粘着性を示す感光層と、支持体の間に、
    ヴィカー(Vicat)法による軟化温度が80℃以下
    の層を設けた感光要素と、色相(a)を有する色材と結
    合材を含有するトナー層(a’)を支持体上に有する
    トナー要素及び少なくとも色相(a)と異なる色相
    (b)を有する色材と結合材を含有するトナー層
    (b’)を支持体上に有するトナー要素を用い、 A)前記感光層に画像状に活性光線を露光し潜像を形成
    する段階、 B)前記画像状に潜像が形成された感光層を、上記色相
    (a)を有するトナー層(a’)に面−対−面の関係で
    接触させる段階、 C)前記トナー要素と前記感光要素を相互に引き離し
    て、感光層の非露光部に対応するトナー層の部分を感光
    層に転写し、感光層の露光部に対応するトナー層の部分
    をトナー層用支持体上に残留させる段階、 D)支持体上に、トナー層と接着性のある表面を有する
    受像層を設けた受像要素と、前記トナー層が感光層の露
    光部に対応して残留したトナー要素を、面−対−面の関
    係で接触させる段階、 E)前記受像要素とトナー要素を相互に引き離して、前
    記感光層の露光部に対応して残留したトナー層を受像層
    に転写させる段階、 F)新しい感光層に活性光線を露光し潜像を形成する段
    階、 G)前記画像状に潜像が形成された感光層を、上記色相
    (b)を有するトナー層(b’)に面−対−面の関係で
    接触させる段階、 H)前記C)と同様の段階、 I)前記H)で形成された、感光層の露光部に対応して
    トナー層用支持体上に残留したトナー層の部分を、上記
    E)で作成された、トナー層を有する受像層の上に転写
    する段階、 を含む画像形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、I)で作成された複
    数の色相のトナー層を有する受像要素を、加熱及び/又
    は加圧しながら最終支持体と面−対−面で接触させ、次
    いで前記受像要素と最終支持体を相互に引き離して、受
    像要素上の多色トナー層を支持体上に同時に転写する段
    階を含むことを特徴とする画像形成方法。
  8. 【請求項8】 レーザー光を用いて活性光線露光を行う
    ことを特徴とする請求項1、請求項6、もしくは請求項
    に記載の画像形成方法。
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