JPH09286899A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

Info

Publication number
JPH09286899A
JPH09286899A JP10218796A JP10218796A JPH09286899A JP H09286899 A JPH09286899 A JP H09286899A JP 10218796 A JP10218796 A JP 10218796A JP 10218796 A JP10218796 A JP 10218796A JP H09286899 A JPH09286899 A JP H09286899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyacetal resin
group
resin composition
meth
acrylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10218796A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutomo Takayama
勝智 高山
Osamu Shikato
修 鹿戸
Takanori Ueda
隆憲 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP10218796A priority Critical patent/JPH09286899A/ja
Publication of JPH09286899A publication Critical patent/JPH09286899A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた摩擦・摩耗特性、静粛性を有し、低騒
音ギアに好適なポリアセタール樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対
し、(B) 特定の構成単位からなる変性ポリオレフィン系
共重合体 0.5〜30重量部、(C) 特定の潤滑剤を 0.1〜10
重量部配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアセタール樹脂
に特定の変性ポリオレフィン系重合体、特定の潤滑剤を
配合し溶融混練することにより得られる、優れた摩擦・
摩耗特性を有し、低騒音ギアに好適なポリアセタール樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂は、バランスのとれた機械的性質を有し、
耐摩擦・摩耗特性、耐薬品性、耐熱性、電気特性等に優
れるため、自動車、電気・電子製品等の分野で広く利用
されている。しかし、かかる分野における要求特性は次
第に高度化しつつあり、その一例として一般物性と共に
摺動特性の一層の向上が望まれている。かかる摺動特性
とは、ギア摺動における耐摩耗性ならびに摺動騒音の向
上である。一般に、摺動特性を改善する目的で、ポリア
セタール樹脂にフッ素樹脂やポリオレフィン系樹脂の添
加、また脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーン、各種鉱
油などの潤滑剤の添加が行われている。フッ素樹脂やポ
リオレフィン系樹脂の添加は、摺動特性をある程度改善
するが、これらの樹脂はポリアセタール樹脂との相溶性
に乏しいため、高面圧下での摺動特性が不十分であり、
ギア摺動での耐摩耗性に乏しい。また、成形性において
も、成形品表面に剥離を生じさせたり、成形金型に析出
物を発生させ易い問題があった。また、かかる非相溶の
異樹脂は、成形品表層で比較的大きなドメインを形成
し、外観を甚だしく悪化させ、さらには摺動騒音などの
諸特性を悪化させる問題がある。また潤滑剤の添加は、
押出あるいは成型加工時の困難さ、あるいは使用時の滲
み出し等の種々の難点があるのみならず、かかる異樹脂
と併用した場合、異樹脂とポリアセタール樹脂の相溶性
を阻害し、摺動騒音や耐摩耗性を大幅に悪化させる問題
がある。とりわけ、成形ギアにおいては、金型析出物の
発生や、添加剤による表面阻度の悪化は、ギア歯先の寸
法精度を極端に悪化させるため、摺動騒音を著しく悪化
させる問題があった。従来より公知の方法は、摺動特
性、成型加工性、その他の実用性の見地から、かかる問
題に対しては未だ十分でなく、これらの諸性質を改良し
た材料が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂に対し
て、特定の変性ポリオレフィン系共重合体、特定の潤滑
剤を配合溶融混練することにより、良好な成形表面を有
すると共に、耐摩耗性に優れ、静粛性を示すポリアセタ
ール樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到っ
たものである。即ち、本発明は、(A) ポリアセタール樹
脂 100重量部に対し、(B) (b-1) オレフィン単位、(b-
2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸
エステル単位、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水
物単位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少
なくとも1種、より成る変性ポリオレフィン系共重合体
0.5〜30重量部、(C) シリコーン、α−オレフィンオリ
ゴマー、パラフィン及び置換ジフェニルエーテルから成
る群より選ばれる1種もしくは2種以上の潤滑剤 0.5〜
10重量部を配合し、溶融混練して成るポリアセタール樹
脂組成物、並びにかかるポリアセタール樹脂組成物より
なるギア部品を提供するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明の成分について説明
する。本発明で用いられるポリアセタール樹脂(A) と
は、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位とする
高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、又
はオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、これ以
外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、 1,3−
ジオキソラン、 1,4−ブタンジオール等のコモノマー単
位を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロック
ポリマーの何れにてもよく、また、分子が線状のみなら
ず分岐、架橋構造を有するものであってもよく、また、
他の有機基を導入した公知の変性ポリオキシメチレンで
あってもよい。また、その重合度に関しても特に制限は
なく、溶融成形加工性を有するものであればよい。好ま
しいポリアセタール樹脂は、メルトインデックス(ASTM
D1238-89E)が1〜50g/10分、更に好ましくは7〜30
g/10分のものである。
【0005】次に、本発明でポリアセタール樹脂に配合
される(B) 変性ポリオレフィン系共重合体について説明
する。変性ポリオレフィン系共重合体は、(b-1) オレフ
ィン単位、(b-2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メ
タ)アクリル酸エステル単位、(b-3) 不飽和カルボン酸
及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体からなる群
から選ばれた少なくとも1種、より成る共重合体であ
る。かかる(B) 変性ポリオレフィン系共重合体を構成す
る(b-1) オレフィン単位としては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、3−メチル
−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセ
ン、 2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセンなど
2〜20の不飽和炭化水素モノマーがあげられ、いずれも
好ましく使用される。(B) 変性ポリオレフィン系共重合
体を構成する(b-2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどのα,β−不
飽和酸及びその誘導体があげられる。かかる(b-2) (メ
タ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル
のうち、入手上好ましくは、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチルがあげられる。次に(B)
成分を構成する(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水
物単位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少
なくとも1種としては、マレイン酸、シトラコン酸、イ
タコン酸、テトラヒドロフタル酸、ナジック酸、メチル
ナジック酸、アリルコハク酸等、及び無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水シトラコン酸及びそれらの誘導体
があげられる。入手及び操作上好ましくは、無水マレイ
ン酸が用いられる。
【0006】本発明の(B) 変性ポリオレフィン系共重合
体としては、かかる(b-1) オレフィン単位、(b-2) (メ
タ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル
単位、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単位、
及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも
1種、それぞれ1種以上を含んで成る、ランダム、ブロ
ック、又はグラフト共重合体等が挙げられる。また、本
発明の効果を阻害しない範囲で、かかる成分以外に、
1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、 2,5−ノルボナジエン等の
非共役ジエン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等
の共役ジエン成分、α−メチルスチレン等の芳香族ビニ
ル化合物、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテルや
ポリジオルガノシロキサンとのビニルエーテル等が配合
されても良い。本発明の(B) 成分においては、かかる(b
-1) オレフィン単位、(b-2) (メタ)アクリル酸及び/
又は(メタ)アクリル酸エステル単位、(b-3) 不飽和カ
ルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体か
らなる群から選ばれた少なくとも1種、より成る(B) 変
性オレフィン系共重合体であれば、重合方法や精製方法
により何ら限定されることはなく使用可能であり、その
重合度、側鎖や分岐の有無や程度の如何を問わず、いず
れも好ましく使用される。変性ポリオレフィン系共重合
体を得る方法としては、例えば、(b-1) オレフィン単位
よりなるポリオレフィンに、(b-2) (メタ)アクリル酸
及び/又は(メタ)アクリル酸エステル、(b-3) 不飽和
カルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体
からなる群から選ばれた少なくとも1種を、溶液状態又
は溶融状態で適当な有機過酸化物等のラジカル開始剤と
加熱して反応させる方法、あらかじめ(b-1) オレフィン
単位と(b-2) (メタ) アクリル酸及び/又は(メタ)ア
クリル酸エステル単位の共重合体を得、かかる共重合体
に(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単位、及び
それらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種
をグラフト変性する方法、(b-1) オレフィン単位と(b-
2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸
エステル単位、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水
物単位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少
なくとも1種を同時にビニル重合する方法などがいずれ
も使用可能であり、好ましく用いられる。特に、(b-1)
成分と(b-2) 成分より成る(オレフィン(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体に、(b-3) 成分の不飽和カルボン
酸無水物をグラフト共重合させる方法は、各成分の組成
比をコントロールすることが容易であり、好ましく使用
される。かかる(B) 成分として、入手上、無水マレイン
酸変性エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体が
好ましく用いられ、特に好ましくは、無水マレイン酸変
性エチレンエチルアクリレート、無水マレイン酸変性エ
チレンメチルアクリレート、無水マレイン酸変性エチレ
ンメチルメタクリレート、無水マレイン酸変性エチレン
エチルメタクリレートが用いられる。
【0007】本発明は、(b-1) オレフィン単位、(b-2)
(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エス
テル単位、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単
位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なく
とも1種の組成比に限定されることなく、いずれの共重
合体も使用可能であるが、(b-1) オレフィン単位45〜99
重量%、(b-2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)
アクリル酸エステル単位 0.5〜50重量%、(b-3) 不飽和
カルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれらの誘導体
からなる群から選ばれた少なくとも1種 0.1〜10重量%
((b-1)+(b-2)+(b-3) = 100重量%)より成る(B) 変
性ポリオレフィン系共重合体が好ましく使用される。
【0008】特に、(B) 変性ポリオレフィン系重合体中
の有効な(b-3) 酸無水物の量が少なすぎる場合にはポリ
アセタール樹脂成分とポリオレフィン系重合体間の親和
性が十分に改善されないため、本発明の効果が得られ
ず、また、多すぎる場合には摺動特性等の改善すべき物
性を低下させる場合がある。(A) ポリアセタール樹脂と
(B) 変性オレフィン系共重合体との配合比率は、(A) ポ
リアセタール樹脂 100重量部に対し、(B) 変性オレフィ
ン系共重合体 0.5〜30重量部、好ましくは 0.5〜25重量
部、特に好ましくは1〜25重量部である。(B) 成分が少
なすぎると摺動特性等の改善すべき物性が不十分であ
り、多すぎると機械的物性を低下させ、好ましくない。
【0009】次に、本発明の(C) 潤滑剤について詳細に
説明する。本発明に用いられる(C)潤滑剤とは、シリコ
ーン、α−オレフィンオリゴマー、パラフィン、置換ジ
フェニルエーテルから成る群より選ばれる1種もしくは
2種以上である。かかる特定の潤滑油はいずれも好適に
使用可能であるが、かかる潤滑油の内、特定の粘度、平
均分子量、及び/又は置換基を有する潤滑油が、より好
ましく用いられる。以下、かかる潤滑剤について詳細に
説明する。シリコーンとしては、(2) の構造で示される
ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサ
ンが代表として好ましく用いられる。
【0010】
【化2】
【0011】(ここで、R はメチル基であるが、その一
部がアルキル基、フェニル基、ハロゲン化アルキル基、
ハロゲン化フェニル基、ポリアルキレングリコール等で
あっても良い。) また、ジメチルシロキサンのメチル基の一部が、クロロ
フェニル基に代表されるハロゲン化フェニル基、C8
上のアルキル基、ポリエチレングリコールに代表される
アルキレングリコール、C8 以上の脂肪族カルボン酸の
誘導体である高級脂肪族エステル基、トリフルオロメチ
ル基に代表されるハロゲン化アルキル基などの各種置換
基に代替された変性ポリオルガノシロキサンについても
使用可能である。本発明において、かかるシリコーン
は、動粘度(25℃)が 100〜10万cSt 、特に4000〜10万
cSt の範囲のものが好ましく使用される。
【0012】α−オレフィンオリゴマーは、主にC6
20のα−オレフィンを単独、もしくはエチレンとC3
〜C20のα−オレフィンを共重合した構造を有する脂肪
族炭化水素である。本発明においては、数平均分子量が
400〜4000のエチレン・α−オレフィンコオリゴマーが
好ましく使用される。
【0013】パラフィンは、主に石油留分を精製して得
られる、いわゆるパラフィン系鉱油を示す。本発明にお
いては、平均分子量 300〜800 の範囲のものが好ましく
使用される。
【0014】置換ジフェニルエーテルは、下記式(1) で
示される如くジフェニルエーテルのフェニル基に、炭素
数12以上のアルキル基、エステル基及びアシル基から選
ばれた少なくとも1種の置換基が導入されている化合物
を示す。特に分子量の規定はなく、いずれの置換ジフェ
ニルエーテルも好ましく使用される。
【0015】
【化3】
【0016】(R1は、2〜6位及び2'〜6'位の一部もし
くは全部に導入されたアルキル基、エステル基、又はア
シル基であり、p及びqはそれぞれ0〜5の整数であ
る。但し、pとqが同時に0であることはない) かかる置換ジフェニルエーテルの置換基としてのアルキ
ル基は、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基などの直鎖アルキル基、及び下記式
(3) で示される分岐アルキル基等が挙げられる。
【0017】
【化4】
【0018】また、エステル基(QOCO- 又はQCOO- )と
しては、ドデシロキシカルボニル基、テトラデシロキシ
カルボニル基、ヘキサデシロキシカルボニル基、オクタ
デシロキシカルボニル基、ラウロイルオキシ基、ミリス
トイルオキシ基、パルミトルオキシ基、ステアロイルオ
キシ基等があげられる。また、アシル基としては、ラウ
ロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロ
イル基等があげられる。さらには、かかるエステル基や
アシル基中の脂肪族炭化水素鎖が分岐構造を有する、例
えば、イソステアリルアルコールやイソステアリン酸等
の誘導体であっても良い。かかる置換ジフェニルエーテ
ルの効果は、置換基の位置に何ら限定されることはな
く、いずれの置換ジフェニルエーテルも好ましく用いら
れるが、合成上好ましくは、2,4,6,2',4',6'位
の何れか一部もしくは全部に置換基を有する置換ジフェ
ニルエーテルであり、特に好ましくは、4,4'位の2置
換体である。
【0019】本発明において、(C) 潤滑油の添加量は、
(A) 成分100 重量部に対し 0.1〜10重量部である。 0.1
重量部未満では潤滑剤本来の効果が発揮され難く、また
逆に10重量部より多い量では基体であるポリアセタール
の性質が損なわれるため好ましくない。より好ましく
は、 0.5〜5重量部である。本発明の組成物は、更に公
知の各種安定剤を添加して安定性を補強することができ
る。また、目的とする用途に応じてその物性を改善する
ために、更に公知の各種の添加剤を配合し得る。添加剤
の例を示せば、各種の着色剤、離型剤(前記の潤滑剤以
外)、核剤、帯電防止剤、その他の界面活性剤、異種ポ
リマー(前記のグラフト共重合体以外)等である。ま
た、本発明の目的とする組成物の性能を大幅に低下させ
ない範囲内であれば、無機・有機・金属等の繊維状、粉
粒状、板状の充填剤を1種又は2種混合使用することも
できる。
【0020】次に本発明の組成物の調製は、従来の樹脂
組成物調製法として一般に用いられる公知の方法により
容易に調製される。例えば、各成分を混合した後、一軸
又は二軸の押出機により練混み押出ししてペレットを調
製する方法、一旦組成の異なるペレット(マスターバッ
チ)を調製し、そのペレットを所定量混合(稀釈)する
方法等、何れも使用できる。また、斯かる組成物の調製
において、各成分の一部又は全部を粉砕し、これとその
他の成分を混合した後、押出等を行うことは添加物の分
散性を良くする上で好ましい方法である。また、(C) 潤
滑剤、特に液体状のものを用いる場合は、予め潤滑剤を
各成分と混合し、含浸させた後、これを混練し、押出等
を行う方法も組成物の調製を容易にし、加工性及び摺動
性改善の点で好ましい方法である。
【0021】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、
摩擦摩耗特性、摺動音の静粛性に優れ、AV、OA分野
の諸摺動部品、特にギア部品として好適に用いることが
できる。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜21及び比較例1〜11 表1に示す各種ポリアセタール樹脂、変性ポリオレフィ
ン系共重合体、潤滑剤を、表1で示す割合で混合した
後、二軸押出機により溶融混練し、ペレット状の組成物
を調製した。次いでこのペレットを用いて射出成形によ
り試験片を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
また比較のため、ポリアセタール樹脂に(B) 成分又は
(C) 成分を配合したもの、あるいは本願(B) 成分に属さ
ないポリオレフィン系共重合体を(C) 成分と併用したも
のについて、実施例と同様の評価を行った。結果を表2
に示す。尚、実施例中の各種物性の評価方法は以下の通
りである。 <成形品剥離・計量性>評価用試験片(50mm×50mm×1
mmt :φ1mmセンターピンゲート方式)を成形し、その
表面の剥離状況を5段階で評価した。また成形時に、各
組成物ペレットの成形性(計量性:成型機スクリューへ
の食い込み性)を評価し、5段階で示した。 成形機 (株)東芝製 EPN80 シリンダー温度(℃)= 200−200−170−150 金型温度(℃) = 85 射出速度(m/min) = 1.0 一次圧(MPa) = 90 二次圧(MPa) = 60 成形サイクル(s) = 20"−10" 成形品剥離 1 成形品全体の剥離多数あり 2 成形品全体に剥離あり 3 ゲート部にのみ剥離あり 4 ゲート部にのみ微少剥離あり 5 剥離無し 成形性(計量性) 1 計量不可 2 計量時間31秒以上 3 計量時間21秒〜30秒 4 計量時間15秒〜20秒 5 添加剤無配合ポリアセタール樹脂と同等(<15se
c) <耐摩耗性及び摺動騒音の測定>歯車摺動試験機を用
い、同材同士のギア摺動試験を行い、摺動前後のギアの
重量変化から摩耗量を、摺動時の騒音を精密騒音計にて
検出し、FFTアナライザーにてデータ処理を行うこと
で、騒音レベルを評価した。 試験機 歯車疲労試験機(小野測器(株)製) FFTアナライザー(アドバンテスト製 R9211B) 精密騒音計((株)リオン NA60) 歯車 モジュール 1.0 歯数比 23/54 かみ合い歯巾 5mm 標準平歯車 試験条件 トルク 0.55N・m 、回転数 600rpm 、繰り返し回数 150万回 <往復摺動試験>図1に示すように、移動するプレート
材1(厚み3mm)に評価用ポリアセタール樹脂組成物を
使用し、φ10のピン材2にポリアセタール樹脂(ポリプ
ラスチックス(株)製、ジュラコン(商品名)90−44)
を使用し、荷重80N、すべり線速度5cm/s、ストロー
ク5cmの条件で2万回の往復摺動を行い、摩擦係数
(μ)及び摩耗量(mg) を測定した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】(A-1):ポリオキシメチレンコポリマー(メ
ルトインデックス=9.0g/10 分) (A-2):ポリオキシメチレンホモポリマー(メルトインデ
ックス=15.0g/10分) (B-1):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =94:5:1 (B-2):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =84:15:1 (B-3):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =69:30:1 (B-4):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =87:10:3 (B-5):エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸=
(b-1):(b-2):(b-3) =84:15:1 (B-6):エチレン・アクリル酸・無水マレイン酸=(b-1):
(b-2):(b-3) =84:15:1 (B-7):エチレン・メタクリル酸メチル・無水マレイン酸
=(b-1):(b-2):(b-3) =84:15:1 (B'-1): エチレン・無水マレイン酸=(b-1):(b-3) =9
9:1 (B'-2): エチレン・アクリル酸エチル=(b-1):(b-2) =
85:15 (B'-3): エチレン・メタクリル酸メチル=(b-1):(b-2)
=85:15 (C-1):エチレン・α−オレフィンオリゴマー;Mw 2,6
00 (C-2):エチレン・α−オレフィンオリゴマー;Mw 1,0
00 (C-3):ポリジメチルシロキサン;粘度 1,000sSt (C-4):ポリジメチルシロキサン;粘度 60,000sSt (C-5):パラフィンオイル;Mw 750 (C-6):C18アルキルジフェニルエーテル((株)松村石
油化学研究所製)
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で行った往復摺動試験の状況を示す図
である。
【符号の説明】
1 プレート 2 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:26 83:04)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対
    し、(B) (b-1) オレフィン単位、(b-2) (メタ)アクリ
    ル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単位、(b-
    3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単位、及びそれ
    らの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種、よ
    り成る変性ポリオレフィン系共重合体 0.5〜30重量部、
    (C) シリコーン、α−オレフィンオリゴマー、パラフィ
    ン及び置換ジフェニルエーテルから成る群より選ばれる
    1種もしくは2種以上の潤滑剤 0.5〜10重量部を配合
    し、溶融混練して成るポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B) 変性ポリオレフィン系共重合体が、
    (b-1) オレフィン単位45〜99重量%、(b-2) (メタ)ア
    クリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単位
    0.5〜50重量%、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無
    水物単位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた
    少なくとも1種 0.1〜10重量%((b-1)+(b-2) +(b-3)
    = 100重量%)より成る共重合体である請求項1記載の
    ポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B) 変性ポリオレフィン系共重合体が、
    (b-1) オレフィン単位、(b-2) (メタ)アクリル酸及び
    /又は(メタ)アクリル酸エステル単位より成る共重合
    体に対し、(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単
    位、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なく
    とも1種をグラフト変性して成る共重合体である請求項
    1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B) 変性ポリオレフィン系共重合体を構
    成する(b-2) (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)ア
    クリル酸エステル単位が、アクリル酸メチル、アクリル
    酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メ
    タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
    プロピル、メタクリル酸ブチルから成る群より選ばれる
    1種以上である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 (B) 変性ポリオレフィン系共重合体を構
    成する(b-3) 不飽和カルボン酸及びその酸無水物単位、
    及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも
    1種が、無水マレイン酸である請求項1記載のポリアセ
    タール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (C) 成分のシリコーンが、動粘度(25
    ℃)4000〜10万cSt のポリジメチルシロキサンである請
    求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (C) 成分のα−オレフィンオリゴマー
    が、平均分子量 400〜4000のα−オレフィンオリゴマー
    及び/又はエチレン・α−オレフィンコオリゴマーであ
    る請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (C) 成分のパラフィンが、平均分子量 3
    00〜800 のパラフィンである請求項1記載のポリアセタ
    ール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (C) 成分の置換ジフェニルエーテルが、
    下記式(1) で示される置換ジフェニルエーテルである請
    求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。 【化1】 (R1は、2〜6位及び2'〜6'位の一部もしくは全部に導
    入されたアルキル基、エステル基、又はアシル基であ
    り、p及びqはそれぞれ0〜5の整数である。但し、p
    とqが同時に0であることはない)
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか1項記載のポリ
    アセタール樹脂組成物よりなる摺動部材。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9の何れか1項記載のポリ
    アセタール樹脂組成物よりなる、低騒音特性に優れるギ
    ア部品。
JP10218796A 1996-04-24 1996-04-24 ポリアセタール樹脂組成物 Pending JPH09286899A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10218796A JPH09286899A (ja) 1996-04-24 1996-04-24 ポリアセタール樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10218796A JPH09286899A (ja) 1996-04-24 1996-04-24 ポリアセタール樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09286899A true JPH09286899A (ja) 1997-11-04

Family

ID=14320671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10218796A Pending JPH09286899A (ja) 1996-04-24 1996-04-24 ポリアセタール樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09286899A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999043751A1 (fr) * 1998-02-24 1999-09-02 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisya Composition de resine a base de polyoxymethylene
JPH11279421A (ja) * 1998-01-27 1999-10-12 Oiles Ind Co Ltd 樹脂組成物
WO2001032775A1 (fr) * 1999-10-29 2001-05-10 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Composition a base de resine de polyoxymethylene
JP2005232404A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリアセタール樹脂組成物
WO2019187983A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11279421A (ja) * 1998-01-27 1999-10-12 Oiles Ind Co Ltd 樹脂組成物
WO1999043751A1 (fr) * 1998-02-24 1999-09-02 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisya Composition de resine a base de polyoxymethylene
US6391956B1 (en) 1998-02-24 2002-05-21 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Polyoxymethylene resin composition
WO2001032775A1 (fr) * 1999-10-29 2001-05-10 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Composition a base de resine de polyoxymethylene
US6602953B1 (en) 1999-10-29 2003-08-05 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Polyoxymethylene resin composition
JP2005232404A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリアセタール樹脂組成物
WO2019187983A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物
JP2019178186A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3285501B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
KR100408547B1 (ko) 폴리아세탈수지조성물
JP5847261B1 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材
WO2016051882A1 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材
WO2016051883A1 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材
JP3357552B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JPH09286899A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
KR100428916B1 (ko) 폴리아세탈수지조성물및그의성형물품
JP3285448B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JPH09286900A (ja) ポリアセタール樹脂摺動材用組成物
JP4828116B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3074568B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2001164085A (ja) 分岐ポリアセタール樹脂組成物
JP3577410B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP4916606B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
WO2002006397A1 (fr) Composition de resine thermoplastique presentant d'excellentes proprietes de glissement
KR0123043B1 (ko) 열가소성 수지 조성물
KR20240059904A (ko) 열가소성 수지 조성물
JP3114463B2 (ja) ポリオキシメチレン組成物
JPH08259766A (ja) ポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材
CN1125134C (zh) 聚缩醛树脂组合物
JPH11302530A (ja) 脂肪族ポリケトン樹脂組成物
JP2001164083A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
KR0137104B1 (ko) 열가소성 수지 조성물의 제조방법
JPH05140342A (ja) 摺動部材用ポリアセタール樹脂成形品