JPH05140342A - 摺動部材用ポリアセタール樹脂成形品 - Google Patents
摺動部材用ポリアセタール樹脂成形品Info
- Publication number
- JPH05140342A JPH05140342A JP30481291A JP30481291A JPH05140342A JP H05140342 A JPH05140342 A JP H05140342A JP 30481291 A JP30481291 A JP 30481291A JP 30481291 A JP30481291 A JP 30481291A JP H05140342 A JPH05140342 A JP H05140342A
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- Japan
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- resin
- molding
- molded product
- polyacetal
- polyacetal resin
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Lubricants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】持続性のある作動荷重、スムーズ性を有し、か
つ押出、成形加工性に優れ、特に異種樹脂製成形品と摺
動するような用途に好適に用いられる摺動部材用ポリア
セタール樹脂成形品を提供する。 【構成】(A) ポリアセタール樹脂100 重量部に (B) ポリエチレン又はポリプロピレンを主体とする重合
体50〜90重量%と、ポリスチレンを主体とする重合体50
〜10重量%からなる変性オレフィン系共重合体1〜50重
量部を配合した樹脂組成物を成形してなる、異種樹脂製
成形品との摺動に優れることを特徴とする摺動部材用ポ
リアセタール樹脂成形品。
つ押出、成形加工性に優れ、特に異種樹脂製成形品と摺
動するような用途に好適に用いられる摺動部材用ポリア
セタール樹脂成形品を提供する。 【構成】(A) ポリアセタール樹脂100 重量部に (B) ポリエチレン又はポリプロピレンを主体とする重合
体50〜90重量%と、ポリスチレンを主体とする重合体50
〜10重量%からなる変性オレフィン系共重合体1〜50重
量部を配合した樹脂組成物を成形してなる、異種樹脂製
成形品との摺動に優れることを特徴とする摺動部材用ポ
リアセタール樹脂成形品。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた摺動性能を有
し、かつ成形性に優れ、潤滑剤等のしみ出しのないポリ
アセタール組成物からなる摺動部材用成形品に関する。
し、かつ成形性に優れ、潤滑剤等のしみ出しのないポリ
アセタール組成物からなる摺動部材用成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂は、バランスのとれた機械特性を有し、摩
擦摩耗特性、耐薬品性、耐熱性、電気特性等に優れるた
め、自動車、電気・電子製品等に広く利用されている。
しかし、かかる分野における要求特性は、次第に高度化
しつつあり、その一例として、摺動特性の一層の向上の
他、成形性の向上が望まれている。かかる摺動特性と
は、摺動部品の低作動荷重(低摩擦係数)は勿論である
が、作動時のスムーズ性(スティックスリップが無いこ
と)や、長期作動後も、安定した作動荷重を維持してい
ること(持続性)も、重要な特性として取り上げられて
いる。これらのスムーズ性や、作動荷重の持続性が特に
求められる分野の一つとしてコンピューター、ワードプ
ロセッサー用のキーボードスイッチが挙げられる。これ
らの部品分野では、特にその摩擦摩耗特性からポリアセ
タール樹脂が多用されているが、ポリアセタール同士の
摩擦は、摩擦面の凝着現象が起因しスティックスリップ
が発生し、良好なスムーズ性が得られない。その為、ポ
リアセタール樹脂製摺動部材の相手材として、異種ポリ
マー〔例えば、ABS,ポリブチレンテレフタレート
(以下PBTと略称) 〕が通常用いられている。一方、
前記摺動特性を改善する目的で、ポリアセタール樹脂に
フッ素樹脂やポリオレフィン系樹脂の添加、又、脂肪
酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル、各種鉱油等の
潤滑剤の添加が行なわれている。フッ素樹脂やポリオレ
フィン系樹脂の添加は、摺動特性をある程度改善する
が、これらの樹脂はポリアセタール樹脂との相溶性に乏
しいため、成形表面に剥離を生じさせたり、成形金型に
析出物を発生させ易い。又、潤滑剤の添加は、初期作動
での荷重低減やスムーズ性には効果があるが、特に相手
材が上記キーボード部品の如き樹脂である場合、摺動面
に存在していた潤滑剤が相手材に吸収され、持続性のあ
る摺動性が得られにくく、又、押出加工時の困難さ、或
いは、射出成形時、潤滑剤自身によるモールドディポジ
ットの発生等、難点があった。
セタール樹脂は、バランスのとれた機械特性を有し、摩
擦摩耗特性、耐薬品性、耐熱性、電気特性等に優れるた
め、自動車、電気・電子製品等に広く利用されている。
しかし、かかる分野における要求特性は、次第に高度化
しつつあり、その一例として、摺動特性の一層の向上の
他、成形性の向上が望まれている。かかる摺動特性と
は、摺動部品の低作動荷重(低摩擦係数)は勿論である
が、作動時のスムーズ性(スティックスリップが無いこ
と)や、長期作動後も、安定した作動荷重を維持してい
ること(持続性)も、重要な特性として取り上げられて
いる。これらのスムーズ性や、作動荷重の持続性が特に
求められる分野の一つとしてコンピューター、ワードプ
ロセッサー用のキーボードスイッチが挙げられる。これ
らの部品分野では、特にその摩擦摩耗特性からポリアセ
タール樹脂が多用されているが、ポリアセタール同士の
摩擦は、摩擦面の凝着現象が起因しスティックスリップ
が発生し、良好なスムーズ性が得られない。その為、ポ
リアセタール樹脂製摺動部材の相手材として、異種ポリ
マー〔例えば、ABS,ポリブチレンテレフタレート
(以下PBTと略称) 〕が通常用いられている。一方、
前記摺動特性を改善する目的で、ポリアセタール樹脂に
フッ素樹脂やポリオレフィン系樹脂の添加、又、脂肪
酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル、各種鉱油等の
潤滑剤の添加が行なわれている。フッ素樹脂やポリオレ
フィン系樹脂の添加は、摺動特性をある程度改善する
が、これらの樹脂はポリアセタール樹脂との相溶性に乏
しいため、成形表面に剥離を生じさせたり、成形金型に
析出物を発生させ易い。又、潤滑剤の添加は、初期作動
での荷重低減やスムーズ性には効果があるが、特に相手
材が上記キーボード部品の如き樹脂である場合、摺動面
に存在していた潤滑剤が相手材に吸収され、持続性のあ
る摺動性が得られにくく、又、押出加工時の困難さ、或
いは、射出成形時、潤滑剤自身によるモールドディポジ
ットの発生等、難点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特にキー
ボード部品の如く、対樹脂における摺動において、優れ
た摺動性能を有するとともに、その諸特性においても良
好な性能を有するポリアセタール樹脂製摺動部材用成形
品の開発について、鋭意検討を重ねた結果、ポリアセタ
ール樹脂に特定の変性ポリオレフィン系共重合体を含有
せしめたポリアセタール樹脂組成物を使用することによ
り、持続性のある作動荷重、スムーズ性を有し、かつ押
出、成形加工性に優れた摺動部材用成形品が得られるこ
とを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、 (A) ポリアセタール樹脂100 重量部に (B) ポリエチレン又はポリプロピレンを主体とする重合
体50〜90重量%と、ポリスチレンを主体とする重合体50
〜10重量%からなる変性オレフィン系共重合体1〜50重
量部を配合した樹脂組成物を成形してなる、異種樹脂製
成形品特にABS樹脂製又はPBT樹脂製成形品との摺
動に優れることを特徴とする摺動部材用ポリアセタール
樹脂成形品を提供するものである。
ボード部品の如く、対樹脂における摺動において、優れ
た摺動性能を有するとともに、その諸特性においても良
好な性能を有するポリアセタール樹脂製摺動部材用成形
品の開発について、鋭意検討を重ねた結果、ポリアセタ
ール樹脂に特定の変性ポリオレフィン系共重合体を含有
せしめたポリアセタール樹脂組成物を使用することによ
り、持続性のある作動荷重、スムーズ性を有し、かつ押
出、成形加工性に優れた摺動部材用成形品が得られるこ
とを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、 (A) ポリアセタール樹脂100 重量部に (B) ポリエチレン又はポリプロピレンを主体とする重合
体50〜90重量%と、ポリスチレンを主体とする重合体50
〜10重量%からなる変性オレフィン系共重合体1〜50重
量部を配合した樹脂組成物を成形してなる、異種樹脂製
成形品特にABS樹脂製又はPBT樹脂製成形品との摺
動に優れることを特徴とする摺動部材用ポリアセタール
樹脂成形品を提供するものである。
【0004】以下、本発明の構成について説明する。ま
ず、本発明に用いられる(A) ポリアセタール樹脂として
は、ポリアセタールホモポリマー及び主鎖の大部分がオ
キシメチレン連鎖よりなるポリアセタールコポリマーの
いずれも使用できる。また、ポリアセタールを公知の方
法で架橋或いはグラフト共重合して変性させたものも基
体樹脂として使用でき、また重合度等も成形可能な限り
特に制限はない。
ず、本発明に用いられる(A) ポリアセタール樹脂として
は、ポリアセタールホモポリマー及び主鎖の大部分がオ
キシメチレン連鎖よりなるポリアセタールコポリマーの
いずれも使用できる。また、ポリアセタールを公知の方
法で架橋或いはグラフト共重合して変性させたものも基
体樹脂として使用でき、また重合度等も成形可能な限り
特に制限はない。
【0005】次に本発明で(B) 成分として用いられる変
性オレフィン系共重合体とは、ポリエチレン又はポリプ
ロピレンを主体とする重合体(a) 50〜90重量%とポリス
チレンを主体とする重合体(b) 50〜10重量%からなるブ
ロック共重合体、グラフト共重合体等であり、好ましく
はポリエチレン又はポリプロピレンを主体とする重合体
(a) とポリスチレンを主体とする重合体(b) とが分岐又
は架橋構造的に化学結合したグラフト共重合体である。
ここで、変性オレフィン系共重合体(B) を構成する(a)
の重合体としては、ポリエチレン又はポリプロピレンの
単独重合体、及びこれを主成分とするエチレン・プロピ
レン等の共重合体であり、好ましくは、ポリエチレンで
ある。又、 (b)の重合体としてはポリスチレン単独重合
体及びこれを主成分とする共重合体である。本発明の特
徴とする変性オレフィン系共重合体(B) は、前記(a) の
ポリエチレン又はポリプロピレン系重合体と、(b) のポ
リスチレン系重合体が単独で用いられるのではなく、性
質の異なった(a) の重合体と(b) の重合体よりなるブロ
ック共重合体又はグラフト共重合体である点にその特徴
を有し、単に(a) 又は(b) の単独配合にては得られない
顕著な効果を得るのである。かかる(a) セグメント及び
(b) セグメントよりなる共重合体の調製法は、特に限定
されるものではないが、通常よく知られたラジカル反応
によって容易に調製できる。例えば、重合体(a) と(b)
を構成するモノマーにラジカル触媒を加えて混練する方
法、或いは重合体(a) 又は(b) の何れかに過酸化物等の
ラジカル触媒を加えて、フリーラジカルを生成させ、こ
れを他の成分重合体と溶融混練する方法が挙げられる。
例えばエチレン系重合体(a) の存在下で、(b) 成分を構
成するスチレン単量体と、ラジカル(共)重合体性有機
過酸化物を共重合せしめて、過酸化基含有共重合体を生
成させ、これを加熱混練してスチレン系共重合体中の過
酸化基の反応によって両ポリマーを結合させることによ
り得られる多層構造体等も好ましい例として挙げられる
(例えば日本油脂株式会社製、商品名「モディパーA11
00」シリーズ等)。ここで(B) 成分の変性オレフィン系
共重合体を構成するための(a) セグメントと(b) セグメ
ントの割合は90:10〜50:50、好ましくは80:20〜60:
40である。又、(B) 成分の(A) 成分 100重量部に対する
量は1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部である。
(B) 成分が少なすぎると、本発明の目的とする特にAB
S樹脂製又はPBT樹脂製成形品との摺動特性の改良効
果が得られず、又、多過ぎると、剛性等の機械的性質を
阻害するため好ましくない。
性オレフィン系共重合体とは、ポリエチレン又はポリプ
ロピレンを主体とする重合体(a) 50〜90重量%とポリス
チレンを主体とする重合体(b) 50〜10重量%からなるブ
ロック共重合体、グラフト共重合体等であり、好ましく
はポリエチレン又はポリプロピレンを主体とする重合体
(a) とポリスチレンを主体とする重合体(b) とが分岐又
は架橋構造的に化学結合したグラフト共重合体である。
ここで、変性オレフィン系共重合体(B) を構成する(a)
の重合体としては、ポリエチレン又はポリプロピレンの
単独重合体、及びこれを主成分とするエチレン・プロピ
レン等の共重合体であり、好ましくは、ポリエチレンで
ある。又、 (b)の重合体としてはポリスチレン単独重合
体及びこれを主成分とする共重合体である。本発明の特
徴とする変性オレフィン系共重合体(B) は、前記(a) の
ポリエチレン又はポリプロピレン系重合体と、(b) のポ
リスチレン系重合体が単独で用いられるのではなく、性
質の異なった(a) の重合体と(b) の重合体よりなるブロ
ック共重合体又はグラフト共重合体である点にその特徴
を有し、単に(a) 又は(b) の単独配合にては得られない
顕著な効果を得るのである。かかる(a) セグメント及び
(b) セグメントよりなる共重合体の調製法は、特に限定
されるものではないが、通常よく知られたラジカル反応
によって容易に調製できる。例えば、重合体(a) と(b)
を構成するモノマーにラジカル触媒を加えて混練する方
法、或いは重合体(a) 又は(b) の何れかに過酸化物等の
ラジカル触媒を加えて、フリーラジカルを生成させ、こ
れを他の成分重合体と溶融混練する方法が挙げられる。
例えばエチレン系重合体(a) の存在下で、(b) 成分を構
成するスチレン単量体と、ラジカル(共)重合体性有機
過酸化物を共重合せしめて、過酸化基含有共重合体を生
成させ、これを加熱混練してスチレン系共重合体中の過
酸化基の反応によって両ポリマーを結合させることによ
り得られる多層構造体等も好ましい例として挙げられる
(例えば日本油脂株式会社製、商品名「モディパーA11
00」シリーズ等)。ここで(B) 成分の変性オレフィン系
共重合体を構成するための(a) セグメントと(b) セグメ
ントの割合は90:10〜50:50、好ましくは80:20〜60:
40である。又、(B) 成分の(A) 成分 100重量部に対する
量は1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部である。
(B) 成分が少なすぎると、本発明の目的とする特にAB
S樹脂製又はPBT樹脂製成形品との摺動特性の改良効
果が得られず、又、多過ぎると、剛性等の機械的性質を
阻害するため好ましくない。
【0006】本発明の組成物は、更に公知の各種添加剤
を配合し得る。例えば、各種の着色剤、離型剤、核剤、
帯電防止剤、その他の界面活性剤、異種ポリマー(前記
の共重合体以外)等である。又、本発明の目的とする摺
動部材用成形品の性能を大巾に低下させない範囲内であ
れば、無機・有機・金属等の繊維状、板状のフィラー或
いは他の粉粒状の充填剤を1種又は2種以上混合使用す
ることもできる。
を配合し得る。例えば、各種の着色剤、離型剤、核剤、
帯電防止剤、その他の界面活性剤、異種ポリマー(前記
の共重合体以外)等である。又、本発明の目的とする摺
動部材用成形品の性能を大巾に低下させない範囲内であ
れば、無機・有機・金属等の繊維状、板状のフィラー或
いは他の粉粒状の充填剤を1種又は2種以上混合使用す
ることもできる。
【0007】次に本発明の成形品の調製は、従来の樹脂
成形品調製法として一般に用いられる公知の方法により
容易に調製される。例えば、各成分を混合した後、一軸
又は二軸の押出機により練混み押出ししてペレットを調
製し、しかる後、成形する方法、一旦組成の異なるペレ
ット(マスターパッチ)を調製し、そのペレットを所定
量混合(稀釈)して成形に供し、成形後に目的組成の成
形品を得る方法等、何れも使用できる。又、斯かる成形
品に用いられる組成物の調製において、基体であるポリ
アセタール樹脂の一部又は全部を粉砕し、これとその他
の成分を混合した後、押出等を行うことは添加物の分散
性を良くする上で好ましい方法である。
成形品調製法として一般に用いられる公知の方法により
容易に調製される。例えば、各成分を混合した後、一軸
又は二軸の押出機により練混み押出ししてペレットを調
製し、しかる後、成形する方法、一旦組成の異なるペレ
ット(マスターパッチ)を調製し、そのペレットを所定
量混合(稀釈)して成形に供し、成形後に目的組成の成
形品を得る方法等、何れも使用できる。又、斯かる成形
品に用いられる組成物の調製において、基体であるポリ
アセタール樹脂の一部又は全部を粉砕し、これとその他
の成分を混合した後、押出等を行うことは添加物の分散
性を良くする上で好ましい方法である。
【0008】本発明のポリアセタール樹脂成形品の用途
は特に限定されず、具体例としてオーディオ、ビデオ関
係部品等のギア、カム、レバー等の種々の用途が考えら
れるが、好ましくはABS樹脂製、PBT樹脂製等の成
形品と摺動する部品、例えばコンピューター、ワードプ
ロセッサー等のキーボードスイッチ関係の摺動部品に有
用である。
は特に限定されず、具体例としてオーディオ、ビデオ関
係部品等のギア、カム、レバー等の種々の用途が考えら
れるが、好ましくはABS樹脂製、PBT樹脂製等の成
形品と摺動する部品、例えばコンピューター、ワードプ
ロセッサー等のキーボードスイッチ関係の摺動部品に有
用である。
【0009】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】実施例1〜6及び比較例1〜7 (A) 成分としてポリアセタール樹脂(ポリプラスチック
ス〔株〕製、商品名ジュラコン)、(B) 成分として変性
ポリオレフィン系共重合体を表1に示す割合で混合した
後、二軸押出機により、溶融混練しペレット状の組成物
を調製した。次いでこのペレットを用いて、射出成形に
より試験片を作成し評価した。結果を表1に示す。又、
比較の為、表2の如く、(B) 成分を構成する重合体(a)
又は(b)を単独でポリアセタール樹脂に添加混合した
ペレット、及び単に重合体(a) と(b) を共存添加し
て調製したペレットを用いて、同様に試験片を作成し評
価した。結果を表2に示す。 共重合体略号 PE:ポリエチレン PP:ポリプロピレン PS:ポリスチレン PE-g-PS :ポリエチレンとポリスチレンのグラフト共重
合体 PP-g-PS :ポリプロピレンとポリスチレンのグラフト共
重合体 尚、評価項目、及び評価方法は下記の通りである。 ・摩擦係数 鈴木式摩擦・磨耗試験機を用い、加圧下(0.9 kg/c
m2)、線速度180mm/sec 、接触面積2.0cm2で、相手材
を、PBT樹脂(ポリプラスチックス〔株〕製、商品名
ジュラネックス3300)、及びABS樹脂(日本合成ゴム
〔株〕製、商品名JSR-38)とし、初期の摩擦係数と24時
間摺動させた際の摩擦係数を測定した。 ・スムーズ性(ステックスリップの有無) 図1に示すキーボードスイッチモデルを使用し、初期及
び 300万回打鍵後のスムーズ性を、手動にてキーを作動
させて、以下の基準で判定を行った。 1 ←─────────────────────→5 スムーズ性劣る スムーズ性良好 (スティックスリップあり) (スティックスリップなし) ・表面状態 上記試験用試験片の表面を観察し、異常の有無を確認し
た。
ス〔株〕製、商品名ジュラコン)、(B) 成分として変性
ポリオレフィン系共重合体を表1に示す割合で混合した
後、二軸押出機により、溶融混練しペレット状の組成物
を調製した。次いでこのペレットを用いて、射出成形に
より試験片を作成し評価した。結果を表1に示す。又、
比較の為、表2の如く、(B) 成分を構成する重合体(a)
又は(b)を単独でポリアセタール樹脂に添加混合した
ペレット、及び単に重合体(a) と(b) を共存添加し
て調製したペレットを用いて、同様に試験片を作成し評
価した。結果を表2に示す。 共重合体略号 PE:ポリエチレン PP:ポリプロピレン PS:ポリスチレン PE-g-PS :ポリエチレンとポリスチレンのグラフト共重
合体 PP-g-PS :ポリプロピレンとポリスチレンのグラフト共
重合体 尚、評価項目、及び評価方法は下記の通りである。 ・摩擦係数 鈴木式摩擦・磨耗試験機を用い、加圧下(0.9 kg/c
m2)、線速度180mm/sec 、接触面積2.0cm2で、相手材
を、PBT樹脂(ポリプラスチックス〔株〕製、商品名
ジュラネックス3300)、及びABS樹脂(日本合成ゴム
〔株〕製、商品名JSR-38)とし、初期の摩擦係数と24時
間摺動させた際の摩擦係数を測定した。 ・スムーズ性(ステックスリップの有無) 図1に示すキーボードスイッチモデルを使用し、初期及
び 300万回打鍵後のスムーズ性を、手動にてキーを作動
させて、以下の基準で判定を行った。 1 ←─────────────────────→5 スムーズ性劣る スムーズ性良好 (スティックスリップあり) (スティックスリップなし) ・表面状態 上記試験用試験片の表面を観察し、異常の有無を確認し
た。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】以上の説明及び実施例により明らかなよ
うに、ポリアセタール樹脂(A) に特定の変性オレフィン
系共重合体(B) を配合してなるポリアセタール樹脂組成
物からなる成形品は、対異種樹脂特にABS樹脂製又は
PBT樹脂製成形品に対し良好な摺動性能を有する。
又、本発明で使用するポリアセタール樹脂組成物は、従
来より問題となっていた、成形加工上の難点もなく、し
かも、成形品の分離による表面剥離、粗化等の現象も認
められない。本発明の摺動部材用成形品は、上記の如き
摺動材として優れた性質を有するが故に、オーディオ、
ビデオ関係部品等のギア、カム、レバーの他、特にコン
ピューター、ワードプロセッサー等のキーボードスイッ
チ関係の摺動部品に好適に使用される。
うに、ポリアセタール樹脂(A) に特定の変性オレフィン
系共重合体(B) を配合してなるポリアセタール樹脂組成
物からなる成形品は、対異種樹脂特にABS樹脂製又は
PBT樹脂製成形品に対し良好な摺動性能を有する。
又、本発明で使用するポリアセタール樹脂組成物は、従
来より問題となっていた、成形加工上の難点もなく、し
かも、成形品の分離による表面剥離、粗化等の現象も認
められない。本発明の摺動部材用成形品は、上記の如き
摺動材として優れた性質を有するが故に、オーディオ、
ビデオ関係部品等のギア、カム、レバーの他、特にコン
ピューター、ワードプロセッサー等のキーボードスイッ
チ関係の摺動部品に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スムーズ性の試験に用いたキーボードスイッ
チモデルを示す図である。
チモデルを示す図である。
1 キー(ABS又はPBT) 2 バネ 3 キー受け(ポリアセタール)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 107:04 C08L 59:00 C10M 107:06 C10N 50:08 40:02 C10M 107:12)
Claims (4)
- 【請求項1】(A) ポリアセタール樹脂100 重量部に (B) ポリエチレン又はポリプロピレンを主体とする重合
体50〜90重量%と、ポリスチレンを主体とする重合体50
〜10重量%からなる変性オレフィン系共重合体1〜50重
量部を配合した樹脂組成物を成形してなる、異種樹脂製
成形品との摺動に優れることを特徴とする摺動部材用ポ
リアセタール樹脂成形品。 - 【請求項2】(B) 変性ポリオレフィン系共重合体が、グ
ラフト又はブロック共重合体である請求項1記載の摺動
部材用ポリアセタール樹脂成形品。 - 【請求項3】異種樹脂製成形品がABS樹脂製又はポリ
ブチレンテレフタレート樹脂製成形品である請求項1又
は2記載の摺動部材用ポリアセタール樹脂成形品。 - 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項記載の成形品か
らなるコンピューター、ワードプロセッサー用キーボー
ド部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30481291A JPH05140342A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 摺動部材用ポリアセタール樹脂成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30481291A JPH05140342A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 摺動部材用ポリアセタール樹脂成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140342A true JPH05140342A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=17937550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30481291A Pending JPH05140342A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 摺動部材用ポリアセタール樹脂成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05140342A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006143869A (ja) * | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Polyplastics Co | ポリオキシメチレン樹脂成形品 |
JP2011144378A (ja) * | 2011-01-27 | 2011-07-28 | Polyplastics Co | ポリオキシメチレン樹脂成形品 |
-
1991
- 1991-11-20 JP JP30481291A patent/JPH05140342A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006143869A (ja) * | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Polyplastics Co | ポリオキシメチレン樹脂成形品 |
JP2011144378A (ja) * | 2011-01-27 | 2011-07-28 | Polyplastics Co | ポリオキシメチレン樹脂成形品 |
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