JPH092819A - 高純度オキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方法 - Google Patents
高純度オキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方法Info
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- JPH092819A JPH092819A JP8037811A JP3781196A JPH092819A JP H092819 A JPH092819 A JP H092819A JP 8037811 A JP8037811 A JP 8037811A JP 3781196 A JP3781196 A JP 3781196A JP H092819 A JPH092819 A JP H092819A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ジルコニウム酸カルシウム、塩基性硫酸ジル
コニウム沈殿及び水酸化ジルコニウム等の中間体を製造
することを通じて、1回のみの結晶化工程により高純度
オキシ塩化ジルコニウム結晶を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 (a) 炭酸カルシウムとジルコン粉末との
発熱性分解反応により形成したジルコニウム酸カルシウ
ム(CaZrO3)を希塩酸で抽出する工程;(b) 硫酸及びア
ルカリ溶液を該ジルコニウム酸カルシウムの塩酸溶液に
添加して形成した塩基性硫酸ジルコニウム沈殿を濾過す
る工程;(c) 該塩基性硫酸ジルコニウムを水に分散し、
アンモニアを添加して製造した水酸化ジルコニウム沈殿
を濾過する工程;及び(d) 該水酸化ジルコニウムを塩酸
に溶解して製造したオキシ塩化ジルコニウム水溶液を蒸
発させ、濃塩酸を添加し、室温まで冷却し、濾過する一
連の工程により形成したオキシ塩化ジルコニウム結晶を
回収する工程を特徴とする、ジルコン(ZrSiO4)を原料
とするオキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方法。
コニウム沈殿及び水酸化ジルコニウム等の中間体を製造
することを通じて、1回のみの結晶化工程により高純度
オキシ塩化ジルコニウム結晶を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 (a) 炭酸カルシウムとジルコン粉末との
発熱性分解反応により形成したジルコニウム酸カルシウ
ム(CaZrO3)を希塩酸で抽出する工程;(b) 硫酸及びア
ルカリ溶液を該ジルコニウム酸カルシウムの塩酸溶液に
添加して形成した塩基性硫酸ジルコニウム沈殿を濾過す
る工程;(c) 該塩基性硫酸ジルコニウムを水に分散し、
アンモニアを添加して製造した水酸化ジルコニウム沈殿
を濾過する工程;及び(d) 該水酸化ジルコニウムを塩酸
に溶解して製造したオキシ塩化ジルコニウム水溶液を蒸
発させ、濃塩酸を添加し、室温まで冷却し、濾過する一
連の工程により形成したオキシ塩化ジルコニウム結晶を
回収する工程を特徴とする、ジルコン(ZrSiO4)を原料
とするオキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度オキシ塩化
ジルコニウム結晶の製造方法、特に、ジルコン鉱石と炭
酸カルシウムとの発熱性反応によりジルコニウム酸カル
シウム(CaZrO3)を製造する工程;該ジルコニウム酸カ
ルシウムを塩酸に溶解し、硫酸及びアルカリ溶液を順に
これに添加して、塩基性硫酸ジルコニウムを沈殿させる
工程;沈殿した塩基性硫酸ジルコニウムをアンモニアを
用いて水酸化ジルコニウムに転換する工程;水酸化ジル
コニウムを塩酸に溶解してオキシ塩化ジルコニウム水溶
液を製造する工程;該オキシ塩化ジルコニウム水溶液を
蒸発させ、これに濃塩酸を添加する工程;及び溶液を室
温まで冷却して結晶化させる工程を含む、1回のみの結
晶化工程による改良された高純度オキシ塩化ジルコニウ
ム(ZrOCl2・8H2O)結晶の製造方法に関する。
ジルコニウム結晶の製造方法、特に、ジルコン鉱石と炭
酸カルシウムとの発熱性反応によりジルコニウム酸カル
シウム(CaZrO3)を製造する工程;該ジルコニウム酸カ
ルシウムを塩酸に溶解し、硫酸及びアルカリ溶液を順に
これに添加して、塩基性硫酸ジルコニウムを沈殿させる
工程;沈殿した塩基性硫酸ジルコニウムをアンモニアを
用いて水酸化ジルコニウムに転換する工程;水酸化ジル
コニウムを塩酸に溶解してオキシ塩化ジルコニウム水溶
液を製造する工程;該オキシ塩化ジルコニウム水溶液を
蒸発させ、これに濃塩酸を添加する工程;及び溶液を室
温まで冷却して結晶化させる工程を含む、1回のみの結
晶化工程による改良された高純度オキシ塩化ジルコニウ
ム(ZrOCl2・8H2O)結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシ塩化ジルコニウムは、媒染剤及び
コーティング剤の原材料として広く使用され、高純度オ
キシ塩化ジルコニウムは、特にジルコニアセラミクスの
必須成分として使用される。ジルコンからのオキシ塩化
ジルコニウムの工業的製造方法は、2回の結晶化からな
る。1回めの結晶化は、水酸化ナトリウム又は炭酸ナト
リウム等のナトリウムイオンを含むアルカリ性分解剤を
用いて高温でジルコンを分解し、反応の間に生成した珪
酸ナトリウム及び酸化ナトリウム等の副生成物を水洗に
より除去して、ジルコニウム酸ナトリウム(Na2ZrO3 )
を製造する工程;該ジルコニウム酸ナトリウムを多量の
塩酸に溶解し、シリカ(SiO2)及び未反応鉱石(ジルコ
ン)等の非溶解成分を濾過により除去して、オキシ塩化
ジルコニウム及び塩化ナトリウムの溶液を製造する工
程;次いで、溶液を蒸発させ、冷却し、濾過して、オキ
シ塩化ジルコニウム結晶を単離する工程を含む。しか
し、1回めの結晶化工程により製造したオキシ塩化ジル
コニウム結晶には、シリカ又は塩化ナトリウム等の不純
物が混入している。従って、純粋なオキシ塩化ジルコニ
ウム結晶を得るために、1回めの結晶化工程から得た結
晶を水に溶解する工程;この溶液に塩酸を添加する工
程;これを加熱して濃縮する工程;及び冷却して結晶を
単離する工程を含む2回めの結晶化を行わなければなら
ない。しかし、上記従来の方法により製造したオキシ塩
化ジルコニウム結晶は、塩化ナトリウム等の不純物をな
お多量に含有しているため、不純物の量を低下させるた
めに多段階の結晶化が採用される。このため、オキシ塩
化ジルコニウム結晶の収率は非常に低い。従って、上記
従来の方法によると、オキシ塩化ジルコニウムのみなら
ず、塩酸に対する溶解性の低い塩化ナトリウムも前記ジ
ルコニウム酸ナトリウム溶液中に共存することとなり、
その結果濃塩酸中でオキシ塩化ジルコニウムを分離する
結晶化方法によっては高純度のオキシ塩化ジルコニウム
結晶は得られない。従って、結晶中の塩化ナトリウムの
含有量を低下させるため、1回めの結晶化から得たオキ
シ塩化ジルコニウム結晶を水に溶解して塩酸を添加し、
この溶液を蒸発させ、冷却して再結晶化させることから
なる2回の結晶化工程によりオキシ塩化ジルコニウム結
晶を製造する。その結果、多段階結晶化によるオキシ塩
化ジルコニウムの収率は70%未満となり、オキシ塩化
ジルコニウム結晶は0.7〜2%の塩化ナトリウムを不純
物として含有する。更にこの方法は、塩酸の大量消費及
び多大なエネルギー供給に関連する欠点を有している。
コーティング剤の原材料として広く使用され、高純度オ
キシ塩化ジルコニウムは、特にジルコニアセラミクスの
必須成分として使用される。ジルコンからのオキシ塩化
ジルコニウムの工業的製造方法は、2回の結晶化からな
る。1回めの結晶化は、水酸化ナトリウム又は炭酸ナト
リウム等のナトリウムイオンを含むアルカリ性分解剤を
用いて高温でジルコンを分解し、反応の間に生成した珪
酸ナトリウム及び酸化ナトリウム等の副生成物を水洗に
より除去して、ジルコニウム酸ナトリウム(Na2ZrO3 )
を製造する工程;該ジルコニウム酸ナトリウムを多量の
塩酸に溶解し、シリカ(SiO2)及び未反応鉱石(ジルコ
ン)等の非溶解成分を濾過により除去して、オキシ塩化
ジルコニウム及び塩化ナトリウムの溶液を製造する工
程;次いで、溶液を蒸発させ、冷却し、濾過して、オキ
シ塩化ジルコニウム結晶を単離する工程を含む。しか
し、1回めの結晶化工程により製造したオキシ塩化ジル
コニウム結晶には、シリカ又は塩化ナトリウム等の不純
物が混入している。従って、純粋なオキシ塩化ジルコニ
ウム結晶を得るために、1回めの結晶化工程から得た結
晶を水に溶解する工程;この溶液に塩酸を添加する工
程;これを加熱して濃縮する工程;及び冷却して結晶を
単離する工程を含む2回めの結晶化を行わなければなら
ない。しかし、上記従来の方法により製造したオキシ塩
化ジルコニウム結晶は、塩化ナトリウム等の不純物をな
お多量に含有しているため、不純物の量を低下させるた
めに多段階の結晶化が採用される。このため、オキシ塩
化ジルコニウム結晶の収率は非常に低い。従って、上記
従来の方法によると、オキシ塩化ジルコニウムのみなら
ず、塩酸に対する溶解性の低い塩化ナトリウムも前記ジ
ルコニウム酸ナトリウム溶液中に共存することとなり、
その結果濃塩酸中でオキシ塩化ジルコニウムを分離する
結晶化方法によっては高純度のオキシ塩化ジルコニウム
結晶は得られない。従って、結晶中の塩化ナトリウムの
含有量を低下させるため、1回めの結晶化から得たオキ
シ塩化ジルコニウム結晶を水に溶解して塩酸を添加し、
この溶液を蒸発させ、冷却して再結晶化させることから
なる2回の結晶化工程によりオキシ塩化ジルコニウム結
晶を製造する。その結果、多段階結晶化によるオキシ塩
化ジルコニウムの収率は70%未満となり、オキシ塩化
ジルコニウム結晶は0.7〜2%の塩化ナトリウムを不純
物として含有する。更にこの方法は、塩酸の大量消費及
び多大なエネルギー供給に関連する欠点を有している。
【0003】オキシ塩化ジルコニウム結晶の不純物に関
する問題を解決するため、特開昭61-215,217号公報は、
ジルコンと水酸化ナトリウムとの発熱性分解反応及びシ
リカ除去処理によりジルコニウム酸ナトリウムを製造す
る工程;該ジルコニウム酸ナトリウムを塩酸に溶解し、
塩化ナトリウム及びオキシ塩化ジルコニウムの溶液を製
造する工程;ピリジン又はアンモニア水を添加して、ジ
ルコニウム成分のみを沈殿させる工程;該ジルコニウム
沈殿を加熱しながら大量の塩酸に溶解し、次いで冷却す
る工程を含む、オキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方法
を開示している。この方法は再結晶化工程を有しない
が、非常に複雑であり、生成物中の不純物の含有量が高
いこと、及び生成物の収率が低いこと等の問題がある。
更に、この方法では大量の塩酸を使用するため、経済的
に実施可能性がない。更に、特開昭63- 21,222号公報
は、ジルコンと水酸化ナトリウムとの発熱性分解反応及
びシリカ除去処理によりジルコニウム酸ナトリウムを製
造する工程;該ジルコニウム酸ナトリウムを水酸化ナト
リウム中のナトリウムと当量の塩酸に溶解し、生成した
塩化ナトリウムを除去し、ジルコニウム成分を水酸化ジ
ルコニウムに転換する工程;該水酸化ジルコニウムを濃
塩酸に溶解してオキシ塩化ジルコニウムの溶液を製造
し、冷却する工程を含む、オキシ塩化ジルコニウム結晶
の製造方法を開示している。しかしながら、この方法
も、生成したオキシ塩化ジルコニウム結晶中の不純物レ
ベルが高く、オキシ塩化ジルコニウム結晶の収率も低
い。これに関して、本願発明者は、高純度オキシ塩化ジ
ルコニウム結晶の更に改良された製造方法についての研
究を行い、1回のみの結晶化工程により高い収率で高純
度のオキシ塩化ジルコニウムの針状結晶を製造すること
が可能な本発明を完成させたが、これは2つの事実によ
り可能となったものである。1つは、ジルコンをジルコ
ニウム酸ナトリウムではなくジルコニウム酸カルシウム
に転換し、塩化ナトリウムに比べて塩酸に対する溶解性
が比較的高い塩化カルシウムを形成することにより、オ
キシ塩化ジルコニウム結晶への不純物の混入を避けるこ
とができることである。他の1つは、この方法が、塩基
性硫酸ジルコニウムを沈殿させる工程、及びこれを水酸
化ジルコニウムに転換する工程からなることである。
する問題を解決するため、特開昭61-215,217号公報は、
ジルコンと水酸化ナトリウムとの発熱性分解反応及びシ
リカ除去処理によりジルコニウム酸ナトリウムを製造す
る工程;該ジルコニウム酸ナトリウムを塩酸に溶解し、
塩化ナトリウム及びオキシ塩化ジルコニウムの溶液を製
造する工程;ピリジン又はアンモニア水を添加して、ジ
ルコニウム成分のみを沈殿させる工程;該ジルコニウム
沈殿を加熱しながら大量の塩酸に溶解し、次いで冷却す
る工程を含む、オキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方法
を開示している。この方法は再結晶化工程を有しない
が、非常に複雑であり、生成物中の不純物の含有量が高
いこと、及び生成物の収率が低いこと等の問題がある。
更に、この方法では大量の塩酸を使用するため、経済的
に実施可能性がない。更に、特開昭63- 21,222号公報
は、ジルコンと水酸化ナトリウムとの発熱性分解反応及
びシリカ除去処理によりジルコニウム酸ナトリウムを製
造する工程;該ジルコニウム酸ナトリウムを水酸化ナト
リウム中のナトリウムと当量の塩酸に溶解し、生成した
塩化ナトリウムを除去し、ジルコニウム成分を水酸化ジ
ルコニウムに転換する工程;該水酸化ジルコニウムを濃
塩酸に溶解してオキシ塩化ジルコニウムの溶液を製造
し、冷却する工程を含む、オキシ塩化ジルコニウム結晶
の製造方法を開示している。しかしながら、この方法
も、生成したオキシ塩化ジルコニウム結晶中の不純物レ
ベルが高く、オキシ塩化ジルコニウム結晶の収率も低
い。これに関して、本願発明者は、高純度オキシ塩化ジ
ルコニウム結晶の更に改良された製造方法についての研
究を行い、1回のみの結晶化工程により高い収率で高純
度のオキシ塩化ジルコニウムの針状結晶を製造すること
が可能な本発明を完成させたが、これは2つの事実によ
り可能となったものである。1つは、ジルコンをジルコ
ニウム酸ナトリウムではなくジルコニウム酸カルシウム
に転換し、塩化ナトリウムに比べて塩酸に対する溶解性
が比較的高い塩化カルシウムを形成することにより、オ
キシ塩化ジルコニウム結晶への不純物の混入を避けるこ
とができることである。他の1つは、この方法が、塩基
性硫酸ジルコニウムを沈殿させる工程、及びこれを水酸
化ジルコニウムに転換する工程からなることである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジル
コニウム酸カルシウム、塩基性硫酸ジルコニウム沈殿及
び水酸化ジルコニウム等の中間体を製造することを通じ
て、1回のみの結晶化工程により高純度オキシ塩化ジル
コニウム結晶を製造する方法を提供することにある。
コニウム酸カルシウム、塩基性硫酸ジルコニウム沈殿及
び水酸化ジルコニウム等の中間体を製造することを通じ
て、1回のみの結晶化工程により高純度オキシ塩化ジル
コニウム結晶を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a) 炭酸カル
シウムとジルコン粉末との発熱性分解反応により形成し
たジルコニウム酸カルシウム(CaZrO3)を希塩酸で抽出
する工程;(b) 硫酸及びアルカリ溶液を該ジルコニウム
酸カルシウムの塩酸溶液に添加して形成した塩基性硫酸
ジルコニウム沈殿を濾過する工程;(c) 該塩基性硫酸ジ
ルコニウムを水に分散し、アンモニアを添加して製造し
た水酸化ジルコニウム沈殿を濾過する工程;及び(d) 該
水酸化ジルコニウムを塩酸に溶解して製造したオキシ塩
化ジルコニウム水溶液を蒸発させ、濃塩酸を添加し、室
温まで冷却し、濾過する一連の工程により形成したオキ
シ塩化ジルコニウム結晶を回収する工程を特徴とする、
ジルコン(ZrSiO4)を原料とするオキシ塩化ジルコニウ
ム結晶の製造方法に関する。
シウムとジルコン粉末との発熱性分解反応により形成し
たジルコニウム酸カルシウム(CaZrO3)を希塩酸で抽出
する工程;(b) 硫酸及びアルカリ溶液を該ジルコニウム
酸カルシウムの塩酸溶液に添加して形成した塩基性硫酸
ジルコニウム沈殿を濾過する工程;(c) 該塩基性硫酸ジ
ルコニウムを水に分散し、アンモニアを添加して製造し
た水酸化ジルコニウム沈殿を濾過する工程;及び(d) 該
水酸化ジルコニウムを塩酸に溶解して製造したオキシ塩
化ジルコニウム水溶液を蒸発させ、濃塩酸を添加し、室
温まで冷却し、濾過する一連の工程により形成したオキ
シ塩化ジルコニウム結晶を回収する工程を特徴とする、
ジルコン(ZrSiO4)を原料とするオキシ塩化ジルコニウ
ム結晶の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、1回のみの結晶化によ
り高純度オキシ塩化ジルコニウム結晶を製造する方法に
関する。以下に詳細に説明する。ジルコニア(ZrO2)及
びシリカ(SiO2)を含むジルコンを、モル比2以上、好
ましくはモル比2〜3の炭酸カルシウムと混合し、混合
物を約1250℃、好ましくは1350〜1450℃で反応させて、
ジルコンを生成し、ジルコニウム酸カルシウム及び珪酸
カルシウム等のいくつかのジルコン分解物に変換する。
炭酸カルシウムの使用量が、1モルのジルコンに対しモ
ル比2未満である場合には、ジルコニウム酸カルシウム
は生成しない。従って、ジルコン分解物を希塩酸で抽出
すると、珪酸カルシウムが溶解し、濾過により除去さ
れ、ジルコニウム酸カルシウムのみを製造することが可
能である。乾燥により粉末化したジルコニウム酸カルシ
ウムを濃塩酸に溶解した後、硫酸等の沈殿剤を添加し、
90℃に加熱しながらアンモニア、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム及び有機アミンからなる群から選ばれる
1種以上のアルカリ溶液をこの溶液に添加してそのpH
を1.4〜2.0に制御し、次いで該溶液中に存在する全て
のジルコニウムを塩基性硫酸ジルコニウムとして沈殿さ
せる。沈殿剤として使用する硫酸の量は、5モルのジル
コニウムに対し好ましくはモル比2である。2モル未満
の量では、塩基性硫酸ジルコニウムの収率が低くなり、
また2モルを超える量では、多量の硫酸により溶液のp
Hが低くなり、その結果塩基性硫酸ジルコニウムの収率
が低下する。アルカリ溶液を添加した溶液のpHが1.4
未満である場合、この溶液中に存在するジルコニウム化
合物は完全には沈殿することができずに溶液中にイオン
として残存する一方、2.0を超える場合には、全てのジ
ルコニウム化合物が沈殿するが、これとともにシリカ、
チタン及び鉄等の化合物が沈殿し、塩基性硫酸ジルコニ
ウム沈殿中に共存することとなる。塩基性硫酸ジルコニ
ウム沈殿を濾過した後、水で懸濁してその分散液を調製
する。アンモニア水又はアンモニアガスを添加して、こ
の液のpHを8〜10に調節すると、塩基性硫酸ジルコ
ニウム沈殿は水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2 ・xH2O] 沈
殿に転換する。このとき、液のpHが8未満であると、
塩基性硫酸ジルコニウムは完全には転換することができ
ず、沈殿中の残存硫酸根により水酸化ジルコニウムの溶
解性が悪化することとなる。また、10を超えること
も、アンモニアの過剰な使用の点から望ましくない。水
酸化ジルコニウム沈殿を濾過し、ジルコニウムと当量の
濃塩酸に溶解して、カルシウム化合物の存在しないオキ
シ塩化ジルコニウム溶液を調製する。次いで、得られた
溶液を90℃以上で蒸発させ、溶液のジルコニウムイオ
ン及び塩酸の各々の濃度が、85〜150 g/リットル及
び150 〜300 g/リットルの範囲に調節されるまで、塩
酸を添加する。これを室温まで冷却すると結晶化が起こ
り、結晶が溶液から分離する。これを遠心濾過して、高
純度オキシ塩化ジルコニウム結晶を回収する。但し、オ
キシ塩化ジルコニウム水溶液の濃縮及び塩酸の添加の過
程において、ジルコニウムイオン及び塩酸の濃度が上記
の範囲よりも低いと、結晶の収率は極端に低下する。ま
た、濃度が高いと収率は向上するが、更に多量の溶液を
蒸発させるためのエネルギー消費の点、及び、塩酸の添
加と同時に高温でも結晶化が起きることにより、結晶中
に更に多くの不純物が含有される点から望ましくない。
り高純度オキシ塩化ジルコニウム結晶を製造する方法に
関する。以下に詳細に説明する。ジルコニア(ZrO2)及
びシリカ(SiO2)を含むジルコンを、モル比2以上、好
ましくはモル比2〜3の炭酸カルシウムと混合し、混合
物を約1250℃、好ましくは1350〜1450℃で反応させて、
ジルコンを生成し、ジルコニウム酸カルシウム及び珪酸
カルシウム等のいくつかのジルコン分解物に変換する。
炭酸カルシウムの使用量が、1モルのジルコンに対しモ
ル比2未満である場合には、ジルコニウム酸カルシウム
は生成しない。従って、ジルコン分解物を希塩酸で抽出
すると、珪酸カルシウムが溶解し、濾過により除去さ
れ、ジルコニウム酸カルシウムのみを製造することが可
能である。乾燥により粉末化したジルコニウム酸カルシ
ウムを濃塩酸に溶解した後、硫酸等の沈殿剤を添加し、
90℃に加熱しながらアンモニア、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム及び有機アミンからなる群から選ばれる
1種以上のアルカリ溶液をこの溶液に添加してそのpH
を1.4〜2.0に制御し、次いで該溶液中に存在する全て
のジルコニウムを塩基性硫酸ジルコニウムとして沈殿さ
せる。沈殿剤として使用する硫酸の量は、5モルのジル
コニウムに対し好ましくはモル比2である。2モル未満
の量では、塩基性硫酸ジルコニウムの収率が低くなり、
また2モルを超える量では、多量の硫酸により溶液のp
Hが低くなり、その結果塩基性硫酸ジルコニウムの収率
が低下する。アルカリ溶液を添加した溶液のpHが1.4
未満である場合、この溶液中に存在するジルコニウム化
合物は完全には沈殿することができずに溶液中にイオン
として残存する一方、2.0を超える場合には、全てのジ
ルコニウム化合物が沈殿するが、これとともにシリカ、
チタン及び鉄等の化合物が沈殿し、塩基性硫酸ジルコニ
ウム沈殿中に共存することとなる。塩基性硫酸ジルコニ
ウム沈殿を濾過した後、水で懸濁してその分散液を調製
する。アンモニア水又はアンモニアガスを添加して、こ
の液のpHを8〜10に調節すると、塩基性硫酸ジルコ
ニウム沈殿は水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2 ・xH2O] 沈
殿に転換する。このとき、液のpHが8未満であると、
塩基性硫酸ジルコニウムは完全には転換することができ
ず、沈殿中の残存硫酸根により水酸化ジルコニウムの溶
解性が悪化することとなる。また、10を超えること
も、アンモニアの過剰な使用の点から望ましくない。水
酸化ジルコニウム沈殿を濾過し、ジルコニウムと当量の
濃塩酸に溶解して、カルシウム化合物の存在しないオキ
シ塩化ジルコニウム溶液を調製する。次いで、得られた
溶液を90℃以上で蒸発させ、溶液のジルコニウムイオ
ン及び塩酸の各々の濃度が、85〜150 g/リットル及
び150 〜300 g/リットルの範囲に調節されるまで、塩
酸を添加する。これを室温まで冷却すると結晶化が起こ
り、結晶が溶液から分離する。これを遠心濾過して、高
純度オキシ塩化ジルコニウム結晶を回収する。但し、オ
キシ塩化ジルコニウム水溶液の濃縮及び塩酸の添加の過
程において、ジルコニウムイオン及び塩酸の濃度が上記
の範囲よりも低いと、結晶の収率は極端に低下する。ま
た、濃度が高いと収率は向上するが、更に多量の溶液を
蒸発させるためのエネルギー消費の点、及び、塩酸の添
加と同時に高温でも結晶化が起きることにより、結晶中
に更に多くの不純物が含有される点から望ましくない。
【0007】上記のように、本発明の高純度オキシ塩化
ジルコニウム結晶の製造方法は、(a) 水酸化ナトリウム
又は炭酸ナトリウムの代わりに、分解剤として炭酸カル
シウムを使用して、完全な分解物を調製することによ
り、混合により容易にオキシ塩化物結晶中に共存しうる
ナトリウム化合物(塩化ナトリウム)等の不純物を当初
から排除し;(b) 塩基性硫酸ジルコニウムを沈殿させ、
これを水酸化ジルコニウムに転換することからなる中間
体製造工程により、カルシウムを含有する大部分の不純
物を分離して除去し;更に(c) 1回のみの結晶化工程に
より高純度オキシ塩化ジルコニウム結晶を高い収率で製
造することができる点で、有効である。以下の実施例に
より本発明を説明するが、本発明は以下の実施例によっ
て制限されるものではない。
ジルコニウム結晶の製造方法は、(a) 水酸化ナトリウム
又は炭酸ナトリウムの代わりに、分解剤として炭酸カル
シウムを使用して、完全な分解物を調製することによ
り、混合により容易にオキシ塩化物結晶中に共存しうる
ナトリウム化合物(塩化ナトリウム)等の不純物を当初
から排除し;(b) 塩基性硫酸ジルコニウムを沈殿させ、
これを水酸化ジルコニウムに転換することからなる中間
体製造工程により、カルシウムを含有する大部分の不純
物を分離して除去し;更に(c) 1回のみの結晶化工程に
より高純度オキシ塩化ジルコニウム結晶を高い収率で製
造することができる点で、有効である。以下の実施例に
より本発明を説明するが、本発明は以下の実施例によっ
て制限されるものではない。
【0008】
【実施例】実施例1 ジルコン(ZrSiO4)粉末を炭酸カルシウムとモル比1:
3で混合して、これを直径約1cmの球形ペレットに成形
し、温度を1350℃に維持したロータリーキルン中で30
分間分解反応を行った。該粒子を粉砕し、3.5%の塩酸
溶液で抽出して、珪酸カルシウムを除去してジルコニウ
ム酸カルシウム粉末を調製した。該ジルコニウム酸カル
シウム(200 g)粉末を25%の塩酸溶液(600 ミリリ
ットル)に溶解し、蒸留水で希釈して、濾過により未溶
解成分を除去した。温度を90℃に1時間維持し、アン
モニア水でpHを1.4に調整しながらこの溶液に95%
の硫酸(46g)を添加して、全てのジルコニウムイオ
ンを塩基性硫酸ジルコニウムとして沈殿させた。このよ
うに調製した沈殿を濾過し、蒸留水(1リットル)に分
散させた。25%のアンモニア水を添加し、分散した沈
殿スラリーのpHを8.5に調節して、塩基性硫酸ジルコ
ニウム沈殿を水酸化ジルコニウム沈殿に転換した。該水
酸化ジルコニウム沈殿を濾過し、水洗し、25%の塩酸
(300 ミリリットル)に溶解して、オキシ塩化ジルコニ
ウム水溶液を調製し、その体積が450ミリリットルとな
るまで加熱して濃縮した。次いで、35%の塩酸(500
ミリリットル)を添加して、そのジルコニウムイオン濃
度が115 g/リットルに、塩酸濃度が225 g/リットル
になるようにした。該溶液を室温まで冷却し、遠心濾過
して、オキシ塩化ジルコニウム結晶(320 g、収率89
%)を回収した。実施例2 上記実施例1と同様の方法で、ジルコニウム酸カルシウ
ムの酸性溶液(200 g)を調製し、塩基性硫酸ジルコニ
ウムの沈殿工程において、5Mの水酸化カリウム溶液を
用いて該溶液のpHを2.0に調整したことを除き、上記
実施例1と同様の方法でオキシ塩化ジルコニウム結晶
(315 g)を回収した。実施例3 上記実施例1と同様の方法で、ジルコニウム酸カルシウ
ムの酸性溶液(200 g)を調製した後、塩基性硫酸ジル
コニウムの沈殿工程において、5Mの水酸化カリウム溶
液を用いてそのpHを1.5に調整し、ジルコニウムイオ
ン濃度が95g/リットルに、塩酸濃度が255 g/リッ
トルになるようにした。これに続く工程は、上記実施例
1と同様の方法で行った。結果として、オキシ塩化ジル
コニウム結晶(290 g)を回収した。実施例4 上記実施例1と同様の方法で、ジルコニウム酸カルシウ
ムの酸性溶液(200 g)を調製した後、塩基性硫酸ジル
コニウムの沈殿工程において、5Mの水酸化カリウム溶
液を用いてそのpHを2.0に調整し、ジルコニウムイオ
ン濃度が135 g/リットルに、塩酸濃度が195 g/リッ
トルになるようにした。これに続く工程は、上記実施例
1と同様の方法で行った。結果として、オキシ塩化ジル
コニウム結晶(300 g)を回収した。
3で混合して、これを直径約1cmの球形ペレットに成形
し、温度を1350℃に維持したロータリーキルン中で30
分間分解反応を行った。該粒子を粉砕し、3.5%の塩酸
溶液で抽出して、珪酸カルシウムを除去してジルコニウ
ム酸カルシウム粉末を調製した。該ジルコニウム酸カル
シウム(200 g)粉末を25%の塩酸溶液(600 ミリリ
ットル)に溶解し、蒸留水で希釈して、濾過により未溶
解成分を除去した。温度を90℃に1時間維持し、アン
モニア水でpHを1.4に調整しながらこの溶液に95%
の硫酸(46g)を添加して、全てのジルコニウムイオ
ンを塩基性硫酸ジルコニウムとして沈殿させた。このよ
うに調製した沈殿を濾過し、蒸留水(1リットル)に分
散させた。25%のアンモニア水を添加し、分散した沈
殿スラリーのpHを8.5に調節して、塩基性硫酸ジルコ
ニウム沈殿を水酸化ジルコニウム沈殿に転換した。該水
酸化ジルコニウム沈殿を濾過し、水洗し、25%の塩酸
(300 ミリリットル)に溶解して、オキシ塩化ジルコニ
ウム水溶液を調製し、その体積が450ミリリットルとな
るまで加熱して濃縮した。次いで、35%の塩酸(500
ミリリットル)を添加して、そのジルコニウムイオン濃
度が115 g/リットルに、塩酸濃度が225 g/リットル
になるようにした。該溶液を室温まで冷却し、遠心濾過
して、オキシ塩化ジルコニウム結晶(320 g、収率89
%)を回収した。実施例2 上記実施例1と同様の方法で、ジルコニウム酸カルシウ
ムの酸性溶液(200 g)を調製し、塩基性硫酸ジルコニ
ウムの沈殿工程において、5Mの水酸化カリウム溶液を
用いて該溶液のpHを2.0に調整したことを除き、上記
実施例1と同様の方法でオキシ塩化ジルコニウム結晶
(315 g)を回収した。実施例3 上記実施例1と同様の方法で、ジルコニウム酸カルシウ
ムの酸性溶液(200 g)を調製した後、塩基性硫酸ジル
コニウムの沈殿工程において、5Mの水酸化カリウム溶
液を用いてそのpHを1.5に調整し、ジルコニウムイオ
ン濃度が95g/リットルに、塩酸濃度が255 g/リッ
トルになるようにした。これに続く工程は、上記実施例
1と同様の方法で行った。結果として、オキシ塩化ジル
コニウム結晶(290 g)を回収した。実施例4 上記実施例1と同様の方法で、ジルコニウム酸カルシウ
ムの酸性溶液(200 g)を調製した後、塩基性硫酸ジル
コニウムの沈殿工程において、5Mの水酸化カリウム溶
液を用いてそのpHを2.0に調整し、ジルコニウムイオ
ン濃度が135 g/リットルに、塩酸濃度が195 g/リッ
トルになるようにした。これに続く工程は、上記実施例
1と同様の方法で行った。結果として、オキシ塩化ジル
コニウム結晶(300 g)を回収した。
【0009】比較例1(特開昭61-215,217号公報の比較
例1の方法による) ジルコン及び水酸化ナトリウムの混合物(モル比1:
4)の分解反応の後、蒸留水で抽出した珪酸ソーダ(Na
SiO3)を濾過により除去した。残ったジルコニウム酸ナ
トリウム粉末(100 g)を35%の塩酸(200 ミリリッ
トル)に溶解し、濾過により未溶解成分を除去して、オ
キシ塩化ジルコニウム及び塩化ナトリウムの溶液を調製
した。このように調製した溶液を濃縮し、室温まで冷却
して、オキシ塩化ジルコニウム結晶を形成させた。単離
した結晶を水(200 ミリリットル)に溶解した後、溶液
中に沈殿が形成されるまで、室温において35%の塩酸
を添加した。加熱しながら沈殿を完全に溶解させた後、
結晶が形成されるまで室温まで冷却した。結晶を遠心濾
過して、オキシ塩化ジルコニウム結晶(116.7 g、収率
67%)を回収した。比較例2 (特開昭61-215,217号公報の比較例2の方法に
よる) バッデリ石(ZrO2、96%)を伴うジルコニウム酸ナト
リウム(100 g)を塩酸(200 ミリリットル)に溶解
し、濾過により未溶解成分を除去して、オキシ塩化ジル
コニウム及び塩化ナトリウムの溶液を調製した。このよ
うに調製した溶液を上記比較例1と同様の方法で処理
し、次いでオキシ塩化ジルコニウム結晶(111.5 g、収
率64%)を回収した。実験例 上記実施例1〜4及び比較例1〜2により調製したオキ
シ塩化ジルコニウム結晶の不純物を、ICP法により分
析した。結果を次の表1に示す。
例1の方法による) ジルコン及び水酸化ナトリウムの混合物(モル比1:
4)の分解反応の後、蒸留水で抽出した珪酸ソーダ(Na
SiO3)を濾過により除去した。残ったジルコニウム酸ナ
トリウム粉末(100 g)を35%の塩酸(200 ミリリッ
トル)に溶解し、濾過により未溶解成分を除去して、オ
キシ塩化ジルコニウム及び塩化ナトリウムの溶液を調製
した。このように調製した溶液を濃縮し、室温まで冷却
して、オキシ塩化ジルコニウム結晶を形成させた。単離
した結晶を水(200 ミリリットル)に溶解した後、溶液
中に沈殿が形成されるまで、室温において35%の塩酸
を添加した。加熱しながら沈殿を完全に溶解させた後、
結晶が形成されるまで室温まで冷却した。結晶を遠心濾
過して、オキシ塩化ジルコニウム結晶(116.7 g、収率
67%)を回収した。比較例2 (特開昭61-215,217号公報の比較例2の方法に
よる) バッデリ石(ZrO2、96%)を伴うジルコニウム酸ナト
リウム(100 g)を塩酸(200 ミリリットル)に溶解
し、濾過により未溶解成分を除去して、オキシ塩化ジル
コニウム及び塩化ナトリウムの溶液を調製した。このよ
うに調製した溶液を上記比較例1と同様の方法で処理
し、次いでオキシ塩化ジルコニウム結晶(111.5 g、収
率64%)を回収した。実験例 上記実施例1〜4及び比較例1〜2により調製したオキ
シ塩化ジルコニウム結晶の不純物を、ICP法により分
析した。結果を次の表1に示す。
【0010】
【表1】 表 1 区分 ZrO 2 不純物含有量 含有量 Si Ti Fe Al Ca Na 実施例1 37.4 0.0025 0.0015 0.0001 0.0004 0.0006 0.0005 実施例2 37.3 0.0040 0.0030 0.0015 0.0010 0.0012 0.0010 実施例3 37.2 0.0015 0.0022 0.0002 0.0006 0.0006 0.0012 実施例4 37.6 0.0034 0.0029 0.0016 0.0009 0.0011 0.0006 比較例1 37.5 0.0550 0.0135 0.0044 0.0078 0.0012 0.75 比較例2 37.2 0.009 0.008 0.004 0.002 0.001 0.36
【0011】上記表1に示すように、本発明の簡潔な方
法により製造した生成物は、従来法により製造した生成
物に比べて、不純物濃度に関して5〜10倍(Naの場
合には1000倍)の純度を示す。
法により製造した生成物は、従来法により製造した生成
物に比べて、不純物濃度に関して5〜10倍(Naの場
合には1000倍)の純度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 昌海 大韓民国大田市儒城區魚隠洞(番地なし) ハンビット アパートメント 138− 1402 (72)発明者 石 相日 大韓民国大田市儒城區新星洞(番地なし) ハンウール アパートメント 106−903
Claims (6)
- 【請求項1】 ジルコン(ZrSiO4)からオキシ塩化ジル
コニウム(ZrOCl2・8H2O)結晶を製造する方法であっ
て、 (a) 炭酸カルシウムとジルコン粉末との発熱性分解反応
により形成したジルコニウム酸カルシウム(CaZrO3)を
希塩酸で抽出する工程; (b) 硫酸及びアルカリ溶液を該ジルコニウム酸カルシウ
ム溶液に添加して形成した塩基性硫酸ジルコニウム沈殿
を濾過する工程; (c) 該塩基性硫酸ジルコニウムを水に分散し、アンモニ
アを添加して製造した水酸化ジルコニウム沈殿を濾過す
る工程;及び (d) 該水酸化ジルコニウムを塩酸に溶解して製造したオ
キシ塩化ジルコニウム水溶液を蒸発させ、濃塩酸を添加
し、室温まで冷却し、濾過する工程により形成したオキ
シ塩化ジルコニウム結晶を回収する工程を含む、前記方
法。 - 【請求項2】 前記工程(a) において1モルのジルコン
に対し炭酸カルシウムをモル比2〜3の量で使用する、
請求項1記載のオキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方
法。 - 【請求項3】 前記工程(b) において5モルの溶液中の
ジルコニウムイオンに対し硫酸をモル比2の量で使用す
る、請求項1記載のオキシ塩化ジルコニウム結晶の製造
方法。 - 【請求項4】 前記工程(b) において、アンモニア、水
酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群から選ば
れる1種以上の化合物を添加して、前記アルカリ溶液の
pHを1.4〜2.0に制御する、請求項1記載のオキシ塩
化ジルコニウム結晶の製造方法。 - 【請求項5】 前記工程(c) においてアンモニアを添加
して溶液のpHを8〜10に制御する、請求項1記載の
オキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方法。 - 【請求項6】 前記工程(d) において、濃塩酸と混合し
たオキシ塩化ジルコニウム水溶液のジルコニウムイオン
及び塩酸の各々の濃度を、85〜150 g/リットル及び
150 〜300 g/リットルの範囲に調節する、請求項1記
載のオキシ塩化ジルコニウム結晶の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
KR1019950016619A KR0142920B1 (ko) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 고순도 옥시염화지르코늄 결정의 제조방법 |
KR16619/1995 | 1995-06-21 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH092819A true JPH092819A (ja) | 1997-01-07 |
JP2823070B2 JP2823070B2 (ja) | 1998-11-11 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100343174C (zh) * | 2005-05-25 | 2007-10-17 | 宜兴新兴锆业有限公司 | 高纯超细氧化锆的生产工艺 |
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KR100473399B1 (ko) * | 2002-02-01 | 2005-03-08 | 주식회사 엠스 | 세라믹 분말의 제조방법 |
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CN103265072B (zh) * | 2013-05-29 | 2016-06-22 | 河南佰利联化学股份有限公司 | 一种氯氧化锆结晶方法 |
CN103950977B (zh) * | 2014-05-15 | 2015-10-21 | 李树昌 | 从含锆固溶体物质中提取氧化锆的方法 |
CN104524797B (zh) * | 2014-12-26 | 2016-01-27 | 淄博广通化工有限责任公司 | 二氯氧化锆生产过程中的节能浓缩蒸发方法 |
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FR2629070B1 (fr) * | 1988-03-22 | 1991-04-19 | Produits Refractaires | Nouveau derive reactif du zirconium et sa preparation |
JPH0492819A (ja) * | 1990-08-06 | 1992-03-25 | Tosoh Corp | 高純度オキシ塩化ジルコニウムの製造法 |
JPH04342419A (ja) * | 1990-10-26 | 1992-11-27 | Westinghouse Electric Corp <We> | Ivb族金属塩化物類の加水分解方法 |
JP3427211B2 (ja) * | 1992-10-16 | 2003-07-14 | 東ソー株式会社 | ジルコニウム塩化物水溶液の製造方法 |
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- 1995-06-21 KR KR1019950016619A patent/KR0142920B1/ko not_active IP Right Cessation
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1996
- 1996-02-08 AU AU44413/96A patent/AU685018B2/en not_active Ceased
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- 1996-03-15 CN CN96103606A patent/CN1045192C/zh not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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