JPH09264019A - グラウンドアンカー及びその施工方法 - Google Patents

グラウンドアンカー及びその施工方法

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JPH09264019A
JPH09264019A JP10315796A JP10315796A JPH09264019A JP H09264019 A JPH09264019 A JP H09264019A JP 10315796 A JP10315796 A JP 10315796A JP 10315796 A JP10315796 A JP 10315796A JP H09264019 A JPH09264019 A JP H09264019A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地山掘削に先立ち、地中構造物を確実に支保
できるようなグラウンドアンカーを提供する。 【解決手段】 地表から所定長さのガイド管17を埋設
し、このガイド管を利用してアンカー孔を削孔する。テ
ンドン10の先端位置に、引張鋼材11を心材として第
1のアンカー体を造成して引張鋼材先端を地山中にあら
かじめ定着して第1の定着長部20とする。第1の定着
長部20から所定長さの範囲をアンカー自由長部とする
ために引張鋼材11を覆うようにシース12を設ける。
シース12とシース13との間の引張鋼材11を心材と
して無加圧注入により第2のアンカー体を造成し、この
第2のアンカー体を、所定張力が導入された際に導入張
力を引張鋼材11内に保持するための第2の定着長部2
2とし、ガイド管17とシース13との間に余剰自由長
部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラウンドアンカー及
びその施工方法に係り、特に地中に造成した2箇所のア
ンカー体により地中構造物等を確実に定着可能なグラウ
ンドアンカー及び該グラウンドアンカーを効率よくする
ための施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既設管路等の地中構造物の周囲を掘削す
る場合に、掘削により地表に露出した地中構造物の浮き
上がりを防止するためにグラウンドアンカーが施工され
ることが多い。ところで、グラウンドアンカーのアンカ
ー頭部は、一般に地上部分の台座等に定着させる。この
ため、地中構造物の一部にアンカー定着部を設けて支持
を図る場合には、地中構造物のアンカー定着部となる部
分を、一旦地表に露出させるまで掘削し、グラウンドア
ンカーを施工しなければならなかった。したがって、地
中構造物の掘削進行過程では、構造物が一時的に無支保
状態に置かれ、部材応力が過大になり、構造物が破壊に
至るおそれもあった。
【0003】この問題を解決するために、出願人は地中
部に2箇所のアンカー定着部を造成し、これら2箇所の
アンカー定着部間に所定のアンカー緊張力を導入できる
ようにしたグラウンドアンカーおよびその施工方法を提
案している(特願平8−40463号明細書参照)。
【0004】このグラウンドアンカーの施工方法につい
て図3を参照して説明する。まず、図3(a)に示した
ように、設計アンカー長に相当する深さのアンカー孔1
30をケーシングパイプ131で孔壁を保護しながら削
孔する。その後、ケーシングパイプ131内を水洗浄
し、引張鋼材111の所定位置にシース112、113
が固定されたテンドン110をケーシングパイプ131
内に挿入する(図3(b)参照)。このときシース11
2のアンカー口元側には折り畳まれた状態の公知の布パ
ッカー115が装着されている。この状態から、「1期
注入」としての1次注入、2次注入を行う。まず、ケー
シングパイプ131内にグラウト材を充填する1次注入
を行う。さらに、所定本数のケーシングパイプ131を
引き抜き、ケーシング口元に加圧ヘッド133を取付
け、ポンプ(図示せず)により2次注入(ヘッド加圧)
を行う。これにより、アンカー先端の第1定着長部12
0にアンカー体が造成される(図3(c)参照)。
【0005】次いで、シース112の周囲にグラウトを
無加圧注入しながら、ケーシングパイプ131を順次引
き抜く(1次引抜)。ケーシングパイプ131をシース
112の孔口側端位置まで引き抜いた段階で、布パッカ
ー115内にセメントミルクを加圧注入し、アンカー孔
130の閉塞を行う(図3(d)参照)。閉塞後、布パ
ッカー115より口元側のケーシングパイプ内の水洗い
洗浄を行い、スライム及び孔壁、引張鋼材111の表面
の汚れを除去する。そして、アンカー先端の第1定着長
部120にアンカー体の強度がでるまで所定の養生期間
をおく。さらに、ケーシングパイプ131の引き抜き
(2次引抜)を行い、「2期注入」としてシース112
とシース113との間のアンカー孔内に加圧注入を行
い、第2のアンカー体を造成し、第2定着長部122を
形成する。さらにシース113の周囲に無加圧注入を行
う。これにより地表面位置までのアンカー孔130のグ
ラウト注入を行って余剰自由長部123を造成する。
(図3(e)参照)。このグラウト注入が完了したら、
緊張ジャッキ141により所定の緊張力をアンカーに導
入し、緊張を行う(図3(f)参照)。さらに、所定の
養生期間をあけて、緊張ジャッキ141を取り外し、地
上部に露出しているアンカー余長分を切断する(図3
(g)参照)。以上の手順でグラウンドアンカーを施工
することにより、グラウト注入及びアンカー緊張作業後
の所定の養生期間後に、図3(g)に示した余剰自由長
部123に相当する地山部分143の掘削を安全に行う
ことができ、適正に配置されたグラウンドアンカーによ
り地中構造物(図示せず)の浮き上がり等を確実に防止
することができる。なお、第2定着長部122に相当す
る地盤の強度が十分である場合や、この範囲に地盤改良
を行った場合には、2期注入作業である第2のアンカー
体の造成をを無加圧注入によって実施することができ
る。これにより、アンカー作業の工程の簡略化を図るこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の2期
注入を行う際、布パッカーより上部に埋設されているケ
ーシングパイプを引き抜く作業において、以下の問題が
ある。 (1)1期注入の定着材が地山とケーシングパイプとの隙
間に浸透すると、ケーシングパイプと地山とが密着して
引き抜きが困難になる。 (2)テンドンの緊張作業とケーシングパイプの引き抜き
作業とを並行して行う計画とすると、地上設備が大がか
りになり、作業も煩雑になる。 (3)ケーシングパイプの引き抜き作業が完了した後に、
テンドンの緊張作業を行う計画にすると、ケーシングパ
イプの引き抜き作業が遅れると、定着材が固化してしま
い、緊張力が導入できなくなる。
【0007】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、地中において2箇所のアン
カー定着部を確実に設けることができるようにしたグラ
ウンドアンカー及びこのグラウンドアンカーを確実かつ
効率よく施工できるようにした施工方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、地山中に削孔されたアンカー孔内に
挿入された引張鋼材を心材として前記アンカー孔内に定
着材を注入し、前記引張鋼材の先端位置に第1のアンカ
ー体を造成し、該第1のアンカー体を地中先端定着端と
した第1の定着長部と、該第1の定着長部からの所定の
範囲をアンカー自由長部とするために前記引張鋼材を覆
うように設けられた第1の遮断被覆体と、該第1の遮断
被覆体と所定の離れをとって前記引張鋼材を覆うように
アンカー孔口部側に設けられた第2の遮断被覆体と、前
記第1の遮断被覆体と第2の遮断被覆体との間に位置す
る前記引張鋼材を心材として定着材を注入して第2のア
ンカー体を造成して第2の定着長部とし、前記引張鋼材
に所定の張力が導入された際に、該張力を前記第1の定
着長部と前記第2の定着長部との間で保持するようにし
たグラウンドアンカーにおいて、前記地山中には、地表
面から所定深さの範囲に埋設され、内部に前記引張鋼材
の一部と前記第2の遮断被覆体とを位置させたガイド管
と、ケーシングパイプが引き抜かれた前記アンカー孔内
及び前記ガイド管で孔壁保護された地山範囲に定着材を
無加圧注入して造成された前記第2のアンカー体と余剰
自由長部とが位置させるようにしたものである。
【0009】また、前記グラウンドアンカーを施工する
ために、少なくとも地表面に近い側でアンカー体を造成
する地山範囲に地盤改良が施された地山中にアンカー孔
を削孔し、該アンカー孔内に、所定範囲をアンカー自由
長部とするための第1の遮断被覆体と、管内部に前記第
1の遮断被覆体と所定の離れをとってアンカー孔口部側
に取り付けられた第2の遮断被覆体とが取り付けられた
引張鋼材を挿入し、前記アンカー孔内に定着材を加圧注
入し、前記引張鋼材の先端位置を心材として第1のアン
カー体を造成して該第1のアンカー体を第1の定着長部
とし、その後、埋設されているケーシングパイプが完全
に引き抜かれたアンカー孔内及びガイド管で孔壁保護さ
れている範囲に定着材を無加圧注入し、前記引張鋼材を
心材とした第2のアンカー体を造成し、前記第2のアン
カー体を第2の定着長部とし、前記引張鋼材に導入され
た張力を第1の定着長部と第2の定着長部の間で保持さ
せるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の態様】以下、本発明によるグラウンドア
ンカーの構成及びその施工方法の一実施の態様について
添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に用いら
れるグラウンドアンカー1のテンドン10(本明細書で
は、所定長さのアンカー用引張材を所定本数に束ね、ア
ンカー孔に挿入できるようにユニット化したものをテン
ドンと呼ぶ)及びこのテンドン10を地山内に施工した
状態のグラウンドアンカー1の断面を示したものである
(以下、地中に完成したアンカーをグラウンドアンカー
1、引張材ユニットの状態をテンドン10と表す)。
【0011】同図(a)に示したテンドン10は、所定
の長さのアンカー長分の引張鋼材11と、この引張鋼材
11が内部に挿通され所定位置に固定された遮断被覆体
としてのシース12、13と、シース12の端部に取り
付けられた布パッカー15とから構成されている。この
うち引張鋼材11の鋼線本数及び断面積は、設計アンカ
ー力が許容アンカー引張力を越えないような範囲で設計
されている。引張鋼材11にはPC鋼線、異形PC鋼
線、PC鋼より線、PC鋼棒等、耐久性に富む種々の線
材、棒材を使用することができる。また、本実施の形態
では、第1の遮断被覆体及び第2の遮断被覆体として管
状体たるシース12、13が使用されている。このシー
ス12、13は、テンドン10が挿入されたアンカー孔
内にグラウト材を充填した際に、グラウト材とテンドン
10との縁を切る役割を果たし、この部分がアンカー自
由長部21、余剰自由長部23を構成する。シース1
2、13はポリエステル等の合成樹脂製管からなり、こ
のシース内には防錆オイル等が充填されている。これに
よりシース位置内に挿通されている引張鋼材11はアン
ボンド部材として機能する。なお、図示しないが、シー
ス12、13に代えて、引張鋼材11の表面に十分粘性
の高いグリースを所定厚さに塗布し、さらにその周囲を
防食テープで巻回して被覆した構成を遮断被覆体として
もよい。
【0012】さらに、シース12のアンカー口元側に
は、公知の布パッカー15が折り畳んだ状態で装着され
ている。そして、この布パッカー15には注入用ホース
16が連結され、テンドン10に沿ってアンカー口元側
まで延設されている。シース12から先端側にかけての
引張鋼材11部分は周囲にグラウト材が加圧注入された
場合に、アンカー体を構成するようになっている。この
アンカー体は本発明でいう第1定着長部20として機能
する。また、シース12とシース13との間には、引張
鋼材11が露出している。この露出部分が第2定着長部
22を構成する。
【0013】擁壁、土留壁のような抗土圧構造物では、
第1定着長部20はグラウンドアンカー1によって支持
される構造物等の外的安定を考慮して決定することが好
ましく、少なくとも構造物背面の主働すべり面より深い
位置にアンカー先端が定着されるようにアンカー長を設
定することが好ましい。
【0014】次に、図1(b)を参照して地山中に施工
されたグラウンドアンカー1の構成について説明する。
グラウンドアンカー1の先端周囲のアンカー孔内には定
着材としてのセメント系グラウトが加圧注入され、引張
鋼材11を心材としたアンカー体が造成されている。こ
のアンカー体が第1定着部20として機能する。さらに
第1の遮断被覆体としてのシース12の周囲のアンカー
孔内にはグラウト材が無加圧注入されている。これによ
り、地山とシース12との一体化が図られる。このとき
シース12内の引張鋼材11と地山とは確実に遮断され
て縁が切られている。これによりシース12の位置にア
ンカー自由長部21が形成される。
【0015】シース12とシース13との間の引張鋼材
11が露出した部分には第2定着長部22が形成されて
いる。この第2定着長部22は、すでにケーシングパイ
プが引き抜かれたアンカー孔内にセメントミルクを無加
圧注入して所定のアンカー体としたものである。本実施
の形態では、第2定着長部22が形成される地盤範囲に
公知の地盤改良対策工が施されている。対象地盤の土質
にもよるが、改良後の地山の一軸圧縮強度はqu=2〜
30kgf/cm2程度が見込まれる。したがって、第2定着
長部22となるアンカー体を造成する場合、定着材を加
圧注入しなくても、十分な定着効果が得られる。なお、
原地盤の地山状態が良好であれば、地盤改良を行わない
でも無加圧注入が可能である。
【0016】また、地表面から所定の深さの範囲にはガ
イド管17が埋設されている。このガイド管17は、ア
ンカー孔削孔時には、ケーシングパイプ(図示せず)が
精度よく地山内に圧入されるのを案内する役割を果た
す。さらに、2期注入においては、シース13位置の孔
壁保護の役割を果たし、セメントミルクが注入された際
に、シース13の周囲のガイド管17との間の一体化が
図られる。この部分が第2定着長部22と地表面との間
の余剰自由長部23となる。この余剰自由長部23で
は、セメントミルクと引張鋼材11との縁が切れている
ため、原地盤から所定深さの掘削盤までの掘削作業にお
いて、ガイド管17を撤去するとともに、固化したセメ
ントミルク部分を破砕して、容易に引張鋼材11を撤去
することができる。なお、本実施の形態では、ガイド管
17には既製の配管用炭素鋼鋼管(SGP)が使用され
ている。その寸法は、ケーシングパイプが挿通できる程
度の内径及び、余剰自由長部23の長さとほぼ等しい全
長に設定されている。
【0017】なお、アンカー体部分を造成する定着材は
アンカー緊張時及び設計地山荷重作用時において、モル
タルあるいはセメントペーストの圧縮強度が所定の設計
強度以上になるように配合することが好ましい。また、
第1定着長部20と第2定着長部22では、引張鋼材1
1と定着材とが直接付着するため、この部分における所
定の付着強度が発揮できるようにグラウト強度を設定し
たり、周辺地山の地盤改良を図ったりすることが重要で
ある。
【0018】次に、図1に示したグラウンドアンカー1
を地山に施工する手順について図2を参照して説明す
る。まず、図1(a)に示したように、グラウンドアン
カー施工位置の地山にガイド管17を埋設し、このガイ
ド管17をガイドとしてケーシングパイプ31を埋設し
ながら、設計アンカー長に相当するアンカー孔30を地
盤に削孔する。このアンカー孔30の削孔は、地上部に
設置されたクローラータイプのベースマシーンに搭載さ
れた削孔機(図示せず)を用いて行う。この削孔機によ
り削孔ロッドが内部に収容されたケーシングパイプ31
に回転と押し込み力とを加えて地中に圧入し、ケーシン
グパイプ31で孔壁が支保された所定長さのアンカー孔
30を構築する。ケーシングパイプ31の直径は設計ア
ンカーの本数、断面積に適した径に設定することが好ま
しい。
【0019】アンカー孔30の削孔において、地下水位
より深い位置までアンカー孔30を削孔する場合には、
地下水が逆流して地盤が乱れるのを防止するために、被
圧下削孔として所定の対策工をとることが好ましい。た
とえば、地下水の逆流を防止することができるクローネ
ンビットや、逆止弁がついたビットを使用して削孔した
り、アンカー孔30の口元位置に止水ボックスを設け、
孔口からの地下水の噴出を防止することが好ましい。所
定の深さまでアンカー孔30を削孔したら、アンカー孔
30内を水洗浄し、孔底に残った土砂と孔壁に付着した
スライムとを除去する。
【0020】次に、図2(b)に示したように、引張鋼
材11の所定の位置にシース12、シース13が取り付
けられたテンドン10(一例として図1(a)参照)を
アンカー孔30内に挿入する。引き続き、1期注入とし
てケーシングパイプ内に定着材としてのグラウト材の注
入を行う(1次注入)。さらに、この状態でアンカー口
元位置32にケーシング引抜き用ジャッキ(図示せず)
を配置し、ケーシングパイプ31の引き抜き作業を行
う。所定本数のケーシングパイプ31を取りはずした後
に、ケーシング引抜き用ジャッキの後端に加圧ヘッド3
3を取付け、ポンプ(図示せず)により加圧力P=2〜
5kgf/cm2で2次注入を行う。これにより、アンカー先
端位置の第1定着長部20には、アンカー体が造成され
る(図2(c)参照)。
【0021】次いで、シース12の周囲に無加圧グラウ
トを施しながら、すべてのケーシングパイプ31を順次
引き抜く(全長引抜)。ケーシングパイプ31が完全に
引き抜かれた段階で布パッカー15内にセメントミルク
を加圧注入し、アンカー孔30の閉塞を行う。閉塞後、
布パッカー15位置で閉塞された布パッカー15位置よ
り上側のアンカー孔30の水洗い洗浄を行い、孔内のス
ライム及び孔壁、引張鋼材11の表面の汚れを除去する
(図2(d)。このとき、ケーシングパイプはすでに除
去されているが、地盤改良がなされているため、地山孔
壁は崩落することなく、保持されている。さらに第1定
着長部20及びアンカー自由長部21のグラウト強度が
所定の圧縮強度に達するまで所定の養生期間をおく。
【0022】その後、地上のアンカー孔口付近に反力架
台40を据え付け、反力架台40上に緊張ジャッキ41
を装備する。緊張ジャッキ41によって第1定着長部2
0に一端が定着されているテンドン10に所定の緊張力
を導入し、アンカー緊張を行う(図2(e)参照)。緊
張後、2期注入としてシース12とシース13との間に
位置するアンカー孔内に無加圧注入を行ってアンカー体
を造成し、さらにシース13から地表面までの範囲の注
入を行い、余剰自由長部23を形成し、グラウンドアン
カーの打設を完了する。
【0023】アンカー孔内に注入されたグラウトが所定
強度に達するまで約1日程度の養生期間をおく。所定の
養生期間を経たら、緊張ジャッキ41を取り外し、地上
部に露出しているアンカー余長分を切断し(図2(f)
参照)、余剰自由長部23に相当する地山部分43の掘
削を行うことができる。この掘削の進行においても、グ
ラウンドアンカー1に導入された緊張力により地中構造
物は確実に地盤に保持される。
【0024】このグラウト材注入は、ヘッド加圧により
行う。以上に述べたグラウンドアンカーによって地中で
の安定化を図れる地中構造物としては、既設管路、新設
大断面トンネル、山留めの底盤工等、種々の構造物にが
挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるグラウンドアンカーの構造の一実
施の態様を示した説明図。
【図2】図1に示したグラウンドアンカーの施工フロー
を示した施工順序説明図。
【図3】従来のグラウンドアンカーの施工フローを示し
た施工順序説明図。
【符号の説明】
1 グラウンドアンカー 10 テンドン 11 引張鋼材 12,13 シース 17 ガイド管 20 第1の定着長部 21 アンカー自由長部 22 第2の定着長部 23 余剰自由長部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川原井 裕子 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地山中に削孔されたアンカー孔内に挿入さ
    れた引張鋼材を心材として前記アンカー孔内に定着材を
    注入し、前記引張鋼材の先端位置に第1のアンカー体を
    造成し、該第1のアンカー体を地中先端定着端とした第
    1の定着長部と、 該第1の定着長部からの所定の範囲をアンカー自由長部
    とするために前記引張鋼材を覆うように設けられた第1
    の遮断被覆体と、 該第1の遮断被覆体と所定の離れをとって前記引張鋼材
    を覆うようにアンカー孔口部側に設けられた第2の遮断
    被覆体と、 前記第1の遮断被覆体と第2の遮断被覆体との間に位置
    する前記引張鋼材を心材として定着材を注入して第2の
    アンカー体を造成して第2の定着長部とし、前記引張鋼
    材に所定の張力が導入された際に、該張力を前記第1の
    定着長部と前記第2の定着長部との間で保持するように
    したグラウンドアンカーにおいて、 前記地山中には、地表面から所定深さの範囲に埋設さ
    れ、内部に前記引張鋼材の一部と前記第2の遮断被覆体
    とを位置させたガイド管と、ケーシングパイプが引き抜
    かれた前記アンカー孔内及び前記ガイド管で孔壁保護さ
    れた地山範囲に定着材を無加圧注入して造成された前記
    第2のアンカー体と余剰自由長部とが位置するようにし
    たことを特徴とするグラウンドアンカー。
  2. 【請求項2】少なくとも地表面に近い側でアンカー体を
    造成する地山範囲に地盤改良が施された地山中にアンカ
    ー孔を削孔し、 該アンカー孔内に、所定範囲をアンカー自由長部とする
    ための第1の遮断被覆体と、管内部に前記第1の遮断被
    覆体と所定の離れをとってアンカー孔口部側に取り付け
    られた第2の遮断被覆体とが取り付けられた引張鋼材を
    挿入し、 前記アンカー孔内に定着材を加圧注入し、前記引張鋼材
    の先端位置を心材として第1のアンカー体を造成して該
    第1のアンカー体を第1の定着長部とし、 その後、埋設されているケーシングパイプが完全に引き
    抜かれたアンカー孔内及びガイド管で孔壁保護されてい
    る範囲に定着材を無加圧注入し、前記引張鋼材を心材と
    した第2のアンカー体を造成し、前記第2のアンカー体
    を第2の定着長部とし、 前記引張鋼材に導入された張力を第1の定着長部と第2
    の定着長部の間で保持させるようにしたことを特徴とす
    るグラウンドアンカーの施工方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109653199A (zh) * 2019-01-21 2019-04-19 吉林建筑大学 水泥基预应力岩土锚杆及锚杆锚固段和自由段的分区方法

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CN109653199A (zh) * 2019-01-21 2019-04-19 吉林建筑大学 水泥基预应力岩土锚杆及锚杆锚固段和自由段的分区方法

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