JP3594054B2 - グラウンドアンカー及びその施工方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、グラウンドアンカー及びその施工方法に係り、特に地中に造成した2箇所のアンカー体により地中構造物等を確実に定着可能なグラウンドアンカー及び該グラウンドアンカーを効率よくするための施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設管路等の地中構造物の周囲を掘削する場合に、掘削により地表に露出した地中構造物の浮き上がりを防止するためにグラウンドアンカーが施工されることが多い。ところで、グラウンドアンカーのアンカー頭部は、一般に地上部分の台座等に定着させる。このため、地中構造物の一部にアンカー定着部を設けて支持を図る場合には、地中構造物のアンカー定着部となる部分を、一旦地表に露出させるまで掘削し、グラウンドアンカーを施工しなければならなかった。したがって、地中構造物の掘削進行過程では、構造物が一時的に無支保状態に置かれ、部材応力が過大になり、構造物が破壊に至るおそれもあった。
【0003】
この問題を解決するために、出願人は地中部に2箇所のアンカー定着部を造成し、これら2箇所のアンカー定着部間に所定のアンカー緊張力を導入できるようにしたグラウンドアンカーおよびその施工方法を提案している(特願平8−40463号明細書参照)。
【0004】
このグラウンドアンカーの施工方法について図3を参照して説明する。
まず、図3(a)に示したように、設計アンカー長に相当する深さのアンカー孔130をケーシングパイプ131で孔壁を保護しながら削孔する。その後、ケーシングパイプ131内を水洗浄し、引張鋼材111の所定位置にシース112、113が固定されたテンドン110をケーシングパイプ131内に挿入する(図3(b)参照)。このときシース112のアンカー口元側には折り畳まれた状態の公知の布パッカー115が装着されている。この状態から、「1期注入」としての1次注入、2次注入を行う。まず、ケーシングパイプ131内にグラウト材を充填する1次注入を行う。さらに、所定本数のケーシングパイプ131を引き抜き、ケーシング口元に加圧ヘッド133を取付け、ポンプ(図示せず)により2次注入(ヘッド加圧)を行う。これにより、アンカー先端の第1定着長部120にアンカー体が造成される(図3(c)参照)。
【0005】
次いで、シース112の周囲にグラウトを無加圧注入しながら、ケーシングパイプ131を順次引き抜く(1次引抜)。ケーシングパイプ131をシース112の孔口側端位置まで引き抜いた段階で、布パッカー115内にセメントミルクを加圧注入し、アンカー孔130の閉塞を行う(図3(d)参照)。閉塞後、布パッカー115より口元側のケーシングパイプ内の水洗い洗浄を行い、スライム及び孔壁、引張鋼材111の表面の汚れを除去する。そして、アンカー先端の第1定着長部120にアンカー体の強度がでるまで所定の養生期間をおく。
さらに、ケーシングパイプ131の引き抜き(2次引抜)を行い、「2期注入」としてシース112とシース113との間のアンカー孔内に加圧注入を行い、第2のアンカー体を造成し、第2定着長部122を形成する。さらにシース113の周囲に無加圧注入を行う。これにより地表面位置までのアンカー孔130のグラウト注入を行って余剰自由長部123を造成する。(図3(e)参照)。
このグラウト注入が完了したら、緊張ジャッキ141により所定の緊張力をアンカーに導入し、緊張を行う(図3(f)参照)。
さらに、所定の養生期間をあけて、緊張ジャッキ141を取り外し、地上部に露出しているアンカー余長分を切断する(図3(g)参照)。
以上の手順でグラウンドアンカーを施工することにより、グラウト注入及びアンカー緊張作業後の所定の養生期間後に、図3(g)に示した余剰自由長部123に相当する地山部分143の掘削を安全に行うことができ、適正に配置されたグラウンドアンカーにより地中構造物(図示せず)の浮き上がり等を確実に防止することができる。
なお、第2定着長部122に相当する地盤の強度が十分である場合や、この範囲に地盤改良を行った場合には、2期注入作業である第2のアンカー体の造成をを無加圧注入によって実施することができる。これにより、アンカー作業の工程の簡略化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の2期注入を行う際、布パッカーより上部に埋設されているケーシングパイプを引き抜く作業において、以下の問題がある。
(1)1期注入の定着材が地山とケーシングパイプとの隙間に浸透すると、ケーシングパイプと地山とが密着して引き抜きが困難になる。
(2)テンドンの緊張作業とケーシングパイプの引き抜き作業とを並行して行う計画とすると、地上設備が大がかりになり、作業も煩雑になる。
(3)ケーシングパイプの引き抜き作業が完了した後に、テンドンの緊張作業を行う計画にすると、ケーシングパイプの引き抜き作業が遅れると、定着材が固化してしまい、緊張力が導入できなくなる。
【0007】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、地中において2箇所のアンカー定着部を確実に設けることができるようにしたグラウンドアンカー及びこのグラウンドアンカーを確実かつ効率よく施工できるようにした施工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、地山中に削孔されたアンカー孔内に挿入された引張鋼材を心材として前記アンカー孔内に定着材を注入し、前記引張鋼材の先端位置に第1のアンカー体を造成し、該第1のアンカー体を地中先端定着端とした第1の定着長部と、該第1の定着長部からの所定の範囲をアンカー自由長部とするために前記引張鋼材を覆うように設けられた第1の遮断被覆体と、該第1の遮断被覆体と所定の離れをとって前記引張鋼材を覆うようにアンカー孔口部側に設けられた第2の遮断被覆体と、前記第1の遮断被覆体と第2の遮断被覆体との間に位置する前記引張鋼材を心材として定着材を注入して第2のアンカー体を造成して第2の定着長部とし、前記引張鋼材に所定の張力が導入された際に、該張力を前記第1の定着長部と前記第2の定着長部との間で保持するようにしたグラウンドアンカーにおいて、前記地山中には、地表面から所定深さの範囲に埋設され、内部に前記引張鋼材の一部と前記第2の遮断被覆体とを位置させたガイド管と、ケーシングパイプが引き抜かれた前記アンカー孔内及び前記ガイド管で孔壁保護された地山範囲に定着材を無加圧注入して造成された前記第2のアンカー体と余剰自由長部とが位置させるようにしたものである。
【0009】
また、少なくとも地表面に近い側でアンカー体を造成する地山範囲に地盤改良が施された地山中にアンカー孔を削孔し、該アンカー孔内に、所定範囲をアンカー自由長部とするための第1の遮断被覆体と、管内部に前記第1の遮断被覆体と所定の離れをとってアンカー孔口部側に取り付けられた第2の遮断被覆体とが取り付けられた引張鋼材を挿入し、前記アンカー孔内に定着材を加圧注入し、前記引張鋼材の先端位置を心材として第1のアンカー体を造成して該第1のアンカー体を第1の定着長部とし、その後、埋設されているケーシングパイプが完全に引き抜かれたアンカー孔内及びガイド管で孔壁保護されている範囲に定着材を無加圧注入し、前記第1の定着長部を定着端として前記引張鋼材に所定の張力を導入し、さらにその地表面側に前記引張鋼材を心材とした第2のアンカー体を造成し、前記第2のアンカー体を第2の定着長部とし、前記引張鋼材に導入された張力を第1の定着長部と第2の定着長部の間で保持させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の態様】
以下、本発明によるグラウンドアンカーの構成及びその施工方法の一実施の態様について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に用いられるグラウンドアンカー1のテンドン10(本明細書では、所定長さのアンカー用引張材を所定本数に束ね、アンカー孔に挿入できるようにユニット化したものをテンドンと呼ぶ)及びこのテンドン10を地山内に施工した状態のグラウンドアンカー1の断面を示したものである(以下、地中に完成したアンカーをグラウンドアンカー1、引張材ユニットの状態をテンドン10と表す)。
【0011】
同図(a)に示したテンドン10は、所定の長さのアンカー長分の引張鋼材11と、この引張鋼材11が内部に挿通され所定位置に固定された遮断被覆体としてのシース12、13と、シース12の端部に取り付けられた布パッカー15とから構成されている。
このうち引張鋼材11の鋼線本数及び断面積は、設計アンカー力が許容アンカー引張力を越えないような範囲で設計されている。引張鋼材11にはPC鋼線、異形PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒等、耐久性に富む種々の線材、棒材を使用することができる。
また、本実施の形態では、第1の遮断被覆体及び第2の遮断被覆体として管状体たるシース12、13が使用されている。このシース12、13は、テンドン10が挿入されたアンカー孔内にグラウト材を充填した際に、グラウト材とテンドン10との縁を切る役割を果たし、この部分がアンカー自由長部21、余剰自由長部23を構成する。シース12、13はポリエステル等の合成樹脂製管からなり、このシース内には防錆オイル等が充填されている。これによりシース位置内に挿通されている引張鋼材11はアンボンド部材として機能する。なお、図示しないが、シース12、13に代えて、引張鋼材11の表面に十分粘性の高いグリースを所定厚さに塗布し、さらにその周囲を防食テープで巻回して被覆した構成を遮断被覆体としてもよい。
【0012】
さらに、シース12のアンカー口元側には、公知の布パッカー15が折り畳んだ状態で装着されている。そして、この布パッカー15には注入用ホース16が連結され、テンドン10に沿ってアンカー口元側まで延設されている。
シース12から先端側にかけての引張鋼材11部分は周囲にグラウト材が加圧注入された場合に、アンカー体を構成するようになっている。このアンカー体は本発明でいう第1定着長部20として機能する。また、シース12とシース13との間には、引張鋼材11が露出している。この露出部分が第2定着長部22を構成する。
【0013】
擁壁、土留壁のような抗土圧構造物では、第1定着長部20はグラウンドアンカー1によって支持される構造物等の外的安定を考慮して決定することが好ましく、少なくとも構造物背面の主働すべり面より深い位置にアンカー先端が定着されるようにアンカー長を設定することが好ましい。
【0014】
次に、図1(b)を参照して地山中に施工されたグラウンドアンカー1の構成について説明する。
グラウンドアンカー1の先端周囲のアンカー孔内には定着材としてのセメント系グラウトが加圧注入され、引張鋼材11を心材としたアンカー体が造成されている。このアンカー体が第1定着部20として機能する。さらに第1の遮断被覆体としてのシース12の周囲のアンカー孔内にはグラウト材が無加圧注入されている。これにより、地山とシース12との一体化が図られる。このときシース12内の引張鋼材11と地山とは確実に遮断されて縁が切られている。これによりシース12の位置にアンカー自由長部21が形成される。
【0015】
シース12とシース13との間の引張鋼材11が露出した部分には第2定着長部22が形成されている。この第2定着長部22は、すでにケーシングパイプが引き抜かれたアンカー孔内にセメントミルクを無加圧注入して所定のアンカー体としたものである。本実施の形態では、第2定着長部22が形成される地盤範囲に公知の地盤改良対策工が施されている。対象地盤の土質にもよるが、改良後の地山の一軸圧縮強度はqu=2〜30kgf/cm2程度が見込まれる。したがって、第2定着長部22となるアンカー体を造成する場合、定着材を加圧注入しなくても、十分な定着効果が得られる。なお、原地盤の地山状態が良好であれば、地盤改良を行わないでも無加圧注入が可能である。
【0016】
また、地表面から所定の深さの範囲にはガイド管17が埋設されている。このガイド管17は、アンカー孔削孔時には、ケーシングパイプ(図示せず)が精度よく地山内に圧入されるのを案内する役割を果たす。さらに、2期注入においては、シース13位置の孔壁保護の役割を果たし、セメントミルクが注入された際に、シース13の周囲のガイド管17との間の一体化が図られる。この部分が第2定着長部22と地表面との間の余剰自由長部23となる。この余剰自由長部23では、セメントミルクと引張鋼材11との縁が切れているため、原地盤から所定深さの掘削盤までの掘削作業において、ガイド管17を撤去するとともに、固化したセメントミルク部分を破砕して、容易に引張鋼材11を撤去することができる。
なお、本実施の形態では、ガイド管17には既製の配管用炭素鋼鋼管(SGP)が使用されている。その寸法は、ケーシングパイプが挿通できる程度の内径及び、余剰自由長部23の長さとほぼ等しい全長に設定されている。
【0017】
なお、アンカー体部分を造成する定着材はアンカー緊張時及び設計地山荷重作用時において、モルタルあるいはセメントペーストの圧縮強度が所定の設計強度以上になるように配合することが好ましい。
また、第1定着長部20と第2定着長部22では、引張鋼材11と定着材とが直接付着するため、この部分における所定の付着強度が発揮できるようにグラウト強度を設定したり、周辺地山の地盤改良を図ったりすることが重要である。
【0018】
次に、図1に示したグラウンドアンカー1を地山に施工する手順について図2を参照して説明する。
まず、図1(a)に示したように、グラウンドアンカー施工位置の地山にガイド管17を埋設し、このガイド管17をガイドとしてケーシングパイプ31を埋設しながら、設計アンカー長に相当するアンカー孔30を地盤に削孔する。このアンカー孔30の削孔は、地上部に設置されたクローラータイプのベースマシーンに搭載された削孔機(図示せず)を用いて行う。この削孔機により削孔ロッドが内部に収容されたケーシングパイプ31に回転と押し込み力とを加えて地中に圧入し、ケーシングパイプ31で孔壁が支保された所定長さのアンカー孔30を構築する。ケーシングパイプ31の直径は設計アンカーの本数、断面積に適した径に設定することが好ましい。
【0019】
アンカー孔30の削孔において、地下水位より深い位置までアンカー孔30を削孔する場合には、地下水が逆流して地盤が乱れるのを防止するために、被圧下削孔として所定の対策工をとることが好ましい。たとえば、地下水の逆流を防止することができるクローネンビットや、逆止弁がついたビットを使用して削孔したり、アンカー孔30の口元位置に止水ボックスを設け、孔口からの地下水の噴出を防止することが好ましい。
所定の深さまでアンカー孔30を削孔したら、アンカー孔30内を水洗浄し、孔底に残った土砂と孔壁に付着したスライムとを除去する。
【0020】
次に、図2(b)に示したように、引張鋼材11の所定の位置にシース12、シース13が取り付けられたテンドン10(一例として図1(a)参照)をアンカー孔30内に挿入する。引き続き、1期注入としてケーシングパイプ内に定着材としてのグラウト材の注入を行う(1次注入)。
さらに、この状態でアンカー口元位置32にケーシング引抜き用ジャッキ(図示せず)を配置し、ケーシングパイプ31の引き抜き作業を行う。所定本数のケーシングパイプ31を取りはずした後に、ケーシング引抜き用ジャッキの後端に加圧ヘッド33を取付け、ポンプ(図示せず)により加圧力P=2〜5kgf/cm2で2次注入を行う。これにより、アンカー先端位置の第1定着長部20には、アンカー体が造成される(図2(c)参照)。
【0021】
次いで、シース12の周囲に無加圧グラウトを施しながら、すべてのケーシングパイプ31を順次引き抜く(全長引抜)。ケーシングパイプ31が完全に引き抜かれた段階で布パッカー15内にセメントミルクを加圧注入し、アンカー孔30の閉塞を行う。閉塞後、布パッカー15位置で閉塞された布パッカー15位置より上側のアンカー孔30の水洗い洗浄を行い、孔内のスライム及び孔壁、引張鋼材11の表面の汚れを除去する(図2(d)。このとき、ケーシングパイプはすでに除去されているが、地盤改良がなされているため、地山孔壁は崩落することなく、保持されている。さらに第1定着長部20及びアンカー自由長部21のグラウト強度が所定の圧縮強度に達するまで所定の養生期間をおく。
【0022】
その後、地上のアンカー孔口付近に反力架台40を据え付け、反力架台40上に緊張ジャッキ41を装備する。緊張ジャッキ41によって第1定着長部20に一端が定着されているテンドン10に所定の緊張力を導入し、アンカー緊張を行う(図2(e)参照)。緊張後、2期注入としてシース12とシース13との間に位置するアンカー孔内に無加圧注入を行って第2の定着部としての第2のアンカー体を造成し、さらにシース13から地表面までの範囲の注入を行い、余剰自由長部23を形成し、グラウンドアンカーの打設を完了する。
【0023】
アンカー孔内に注入されたグラウトが所定強度に達するまで約1日程度の養生期間をおく。所定の養生期間を経たら、緊張ジャッキ41を取り外し、地上部に露出しているアンカー余長分を切断し(図2(f)参照)、余剰自由長部23に相当する地山部分43の掘削を行うことができる。この掘削の進行においても、グラウンドアンカー1に導入された緊張力により地中構造物は確実に地盤に保持される。
【0024】
このグラウト材注入は、ヘッド加圧により行う。
以上に述べたグラウンドアンカーによって地中での安定化を図れる地中構造物としては、既設管路、新設大断面トンネル、山留めの底盤工等、種々の構造物にが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるグラウンドアンカーの構造の一実施の態様を示した説明図。
【図2】図1に示したグラウンドアンカーの施工フローを示した施工順序説明図。
【図3】従来のグラウンドアンカーの施工フローを示した施工順序説明図。
【符号の説明】
1 グラウンドアンカー
10 テンドン
11 引張鋼材
12,13 シース
17 ガイド管
20 第1の定着長部
21 アンカー自由長部
22 第2の定着長部
23 余剰自由長部
【産業上の利用分野】
本発明は、グラウンドアンカー及びその施工方法に係り、特に地中に造成した2箇所のアンカー体により地中構造物等を確実に定着可能なグラウンドアンカー及び該グラウンドアンカーを効率よくするための施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設管路等の地中構造物の周囲を掘削する場合に、掘削により地表に露出した地中構造物の浮き上がりを防止するためにグラウンドアンカーが施工されることが多い。ところで、グラウンドアンカーのアンカー頭部は、一般に地上部分の台座等に定着させる。このため、地中構造物の一部にアンカー定着部を設けて支持を図る場合には、地中構造物のアンカー定着部となる部分を、一旦地表に露出させるまで掘削し、グラウンドアンカーを施工しなければならなかった。したがって、地中構造物の掘削進行過程では、構造物が一時的に無支保状態に置かれ、部材応力が過大になり、構造物が破壊に至るおそれもあった。
【0003】
この問題を解決するために、出願人は地中部に2箇所のアンカー定着部を造成し、これら2箇所のアンカー定着部間に所定のアンカー緊張力を導入できるようにしたグラウンドアンカーおよびその施工方法を提案している(特願平8−40463号明細書参照)。
【0004】
このグラウンドアンカーの施工方法について図3を参照して説明する。
まず、図3(a)に示したように、設計アンカー長に相当する深さのアンカー孔130をケーシングパイプ131で孔壁を保護しながら削孔する。その後、ケーシングパイプ131内を水洗浄し、引張鋼材111の所定位置にシース112、113が固定されたテンドン110をケーシングパイプ131内に挿入する(図3(b)参照)。このときシース112のアンカー口元側には折り畳まれた状態の公知の布パッカー115が装着されている。この状態から、「1期注入」としての1次注入、2次注入を行う。まず、ケーシングパイプ131内にグラウト材を充填する1次注入を行う。さらに、所定本数のケーシングパイプ131を引き抜き、ケーシング口元に加圧ヘッド133を取付け、ポンプ(図示せず)により2次注入(ヘッド加圧)を行う。これにより、アンカー先端の第1定着長部120にアンカー体が造成される(図3(c)参照)。
【0005】
次いで、シース112の周囲にグラウトを無加圧注入しながら、ケーシングパイプ131を順次引き抜く(1次引抜)。ケーシングパイプ131をシース112の孔口側端位置まで引き抜いた段階で、布パッカー115内にセメントミルクを加圧注入し、アンカー孔130の閉塞を行う(図3(d)参照)。閉塞後、布パッカー115より口元側のケーシングパイプ内の水洗い洗浄を行い、スライム及び孔壁、引張鋼材111の表面の汚れを除去する。そして、アンカー先端の第1定着長部120にアンカー体の強度がでるまで所定の養生期間をおく。
さらに、ケーシングパイプ131の引き抜き(2次引抜)を行い、「2期注入」としてシース112とシース113との間のアンカー孔内に加圧注入を行い、第2のアンカー体を造成し、第2定着長部122を形成する。さらにシース113の周囲に無加圧注入を行う。これにより地表面位置までのアンカー孔130のグラウト注入を行って余剰自由長部123を造成する。(図3(e)参照)。
このグラウト注入が完了したら、緊張ジャッキ141により所定の緊張力をアンカーに導入し、緊張を行う(図3(f)参照)。
さらに、所定の養生期間をあけて、緊張ジャッキ141を取り外し、地上部に露出しているアンカー余長分を切断する(図3(g)参照)。
以上の手順でグラウンドアンカーを施工することにより、グラウト注入及びアンカー緊張作業後の所定の養生期間後に、図3(g)に示した余剰自由長部123に相当する地山部分143の掘削を安全に行うことができ、適正に配置されたグラウンドアンカーにより地中構造物(図示せず)の浮き上がり等を確実に防止することができる。
なお、第2定着長部122に相当する地盤の強度が十分である場合や、この範囲に地盤改良を行った場合には、2期注入作業である第2のアンカー体の造成をを無加圧注入によって実施することができる。これにより、アンカー作業の工程の簡略化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の2期注入を行う際、布パッカーより上部に埋設されているケーシングパイプを引き抜く作業において、以下の問題がある。
(1)1期注入の定着材が地山とケーシングパイプとの隙間に浸透すると、ケーシングパイプと地山とが密着して引き抜きが困難になる。
(2)テンドンの緊張作業とケーシングパイプの引き抜き作業とを並行して行う計画とすると、地上設備が大がかりになり、作業も煩雑になる。
(3)ケーシングパイプの引き抜き作業が完了した後に、テンドンの緊張作業を行う計画にすると、ケーシングパイプの引き抜き作業が遅れると、定着材が固化してしまい、緊張力が導入できなくなる。
【0007】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、地中において2箇所のアンカー定着部を確実に設けることができるようにしたグラウンドアンカー及びこのグラウンドアンカーを確実かつ効率よく施工できるようにした施工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、地山中に削孔されたアンカー孔内に挿入された引張鋼材を心材として前記アンカー孔内に定着材を注入し、前記引張鋼材の先端位置に第1のアンカー体を造成し、該第1のアンカー体を地中先端定着端とした第1の定着長部と、該第1の定着長部からの所定の範囲をアンカー自由長部とするために前記引張鋼材を覆うように設けられた第1の遮断被覆体と、該第1の遮断被覆体と所定の離れをとって前記引張鋼材を覆うようにアンカー孔口部側に設けられた第2の遮断被覆体と、前記第1の遮断被覆体と第2の遮断被覆体との間に位置する前記引張鋼材を心材として定着材を注入して第2のアンカー体を造成して第2の定着長部とし、前記引張鋼材に所定の張力が導入された際に、該張力を前記第1の定着長部と前記第2の定着長部との間で保持するようにしたグラウンドアンカーにおいて、前記地山中には、地表面から所定深さの範囲に埋設され、内部に前記引張鋼材の一部と前記第2の遮断被覆体とを位置させたガイド管と、ケーシングパイプが引き抜かれた前記アンカー孔内及び前記ガイド管で孔壁保護された地山範囲に定着材を無加圧注入して造成された前記第2のアンカー体と余剰自由長部とが位置させるようにしたものである。
【0009】
また、少なくとも地表面に近い側でアンカー体を造成する地山範囲に地盤改良が施された地山中にアンカー孔を削孔し、該アンカー孔内に、所定範囲をアンカー自由長部とするための第1の遮断被覆体と、管内部に前記第1の遮断被覆体と所定の離れをとってアンカー孔口部側に取り付けられた第2の遮断被覆体とが取り付けられた引張鋼材を挿入し、前記アンカー孔内に定着材を加圧注入し、前記引張鋼材の先端位置を心材として第1のアンカー体を造成して該第1のアンカー体を第1の定着長部とし、その後、埋設されているケーシングパイプが完全に引き抜かれたアンカー孔内及びガイド管で孔壁保護されている範囲に定着材を無加圧注入し、前記第1の定着長部を定着端として前記引張鋼材に所定の張力を導入し、さらにその地表面側に前記引張鋼材を心材とした第2のアンカー体を造成し、前記第2のアンカー体を第2の定着長部とし、前記引張鋼材に導入された張力を第1の定着長部と第2の定着長部の間で保持させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の態様】
以下、本発明によるグラウンドアンカーの構成及びその施工方法の一実施の態様について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に用いられるグラウンドアンカー1のテンドン10(本明細書では、所定長さのアンカー用引張材を所定本数に束ね、アンカー孔に挿入できるようにユニット化したものをテンドンと呼ぶ)及びこのテンドン10を地山内に施工した状態のグラウンドアンカー1の断面を示したものである(以下、地中に完成したアンカーをグラウンドアンカー1、引張材ユニットの状態をテンドン10と表す)。
【0011】
同図(a)に示したテンドン10は、所定の長さのアンカー長分の引張鋼材11と、この引張鋼材11が内部に挿通され所定位置に固定された遮断被覆体としてのシース12、13と、シース12の端部に取り付けられた布パッカー15とから構成されている。
このうち引張鋼材11の鋼線本数及び断面積は、設計アンカー力が許容アンカー引張力を越えないような範囲で設計されている。引張鋼材11にはPC鋼線、異形PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒等、耐久性に富む種々の線材、棒材を使用することができる。
また、本実施の形態では、第1の遮断被覆体及び第2の遮断被覆体として管状体たるシース12、13が使用されている。このシース12、13は、テンドン10が挿入されたアンカー孔内にグラウト材を充填した際に、グラウト材とテンドン10との縁を切る役割を果たし、この部分がアンカー自由長部21、余剰自由長部23を構成する。シース12、13はポリエステル等の合成樹脂製管からなり、このシース内には防錆オイル等が充填されている。これによりシース位置内に挿通されている引張鋼材11はアンボンド部材として機能する。なお、図示しないが、シース12、13に代えて、引張鋼材11の表面に十分粘性の高いグリースを所定厚さに塗布し、さらにその周囲を防食テープで巻回して被覆した構成を遮断被覆体としてもよい。
【0012】
さらに、シース12のアンカー口元側には、公知の布パッカー15が折り畳んだ状態で装着されている。そして、この布パッカー15には注入用ホース16が連結され、テンドン10に沿ってアンカー口元側まで延設されている。
シース12から先端側にかけての引張鋼材11部分は周囲にグラウト材が加圧注入された場合に、アンカー体を構成するようになっている。このアンカー体は本発明でいう第1定着長部20として機能する。また、シース12とシース13との間には、引張鋼材11が露出している。この露出部分が第2定着長部22を構成する。
【0013】
擁壁、土留壁のような抗土圧構造物では、第1定着長部20はグラウンドアンカー1によって支持される構造物等の外的安定を考慮して決定することが好ましく、少なくとも構造物背面の主働すべり面より深い位置にアンカー先端が定着されるようにアンカー長を設定することが好ましい。
【0014】
次に、図1(b)を参照して地山中に施工されたグラウンドアンカー1の構成について説明する。
グラウンドアンカー1の先端周囲のアンカー孔内には定着材としてのセメント系グラウトが加圧注入され、引張鋼材11を心材としたアンカー体が造成されている。このアンカー体が第1定着部20として機能する。さらに第1の遮断被覆体としてのシース12の周囲のアンカー孔内にはグラウト材が無加圧注入されている。これにより、地山とシース12との一体化が図られる。このときシース12内の引張鋼材11と地山とは確実に遮断されて縁が切られている。これによりシース12の位置にアンカー自由長部21が形成される。
【0015】
シース12とシース13との間の引張鋼材11が露出した部分には第2定着長部22が形成されている。この第2定着長部22は、すでにケーシングパイプが引き抜かれたアンカー孔内にセメントミルクを無加圧注入して所定のアンカー体としたものである。本実施の形態では、第2定着長部22が形成される地盤範囲に公知の地盤改良対策工が施されている。対象地盤の土質にもよるが、改良後の地山の一軸圧縮強度はqu=2〜30kgf/cm2程度が見込まれる。したがって、第2定着長部22となるアンカー体を造成する場合、定着材を加圧注入しなくても、十分な定着効果が得られる。なお、原地盤の地山状態が良好であれば、地盤改良を行わないでも無加圧注入が可能である。
【0016】
また、地表面から所定の深さの範囲にはガイド管17が埋設されている。このガイド管17は、アンカー孔削孔時には、ケーシングパイプ(図示せず)が精度よく地山内に圧入されるのを案内する役割を果たす。さらに、2期注入においては、シース13位置の孔壁保護の役割を果たし、セメントミルクが注入された際に、シース13の周囲のガイド管17との間の一体化が図られる。この部分が第2定着長部22と地表面との間の余剰自由長部23となる。この余剰自由長部23では、セメントミルクと引張鋼材11との縁が切れているため、原地盤から所定深さの掘削盤までの掘削作業において、ガイド管17を撤去するとともに、固化したセメントミルク部分を破砕して、容易に引張鋼材11を撤去することができる。
なお、本実施の形態では、ガイド管17には既製の配管用炭素鋼鋼管(SGP)が使用されている。その寸法は、ケーシングパイプが挿通できる程度の内径及び、余剰自由長部23の長さとほぼ等しい全長に設定されている。
【0017】
なお、アンカー体部分を造成する定着材はアンカー緊張時及び設計地山荷重作用時において、モルタルあるいはセメントペーストの圧縮強度が所定の設計強度以上になるように配合することが好ましい。
また、第1定着長部20と第2定着長部22では、引張鋼材11と定着材とが直接付着するため、この部分における所定の付着強度が発揮できるようにグラウト強度を設定したり、周辺地山の地盤改良を図ったりすることが重要である。
【0018】
次に、図1に示したグラウンドアンカー1を地山に施工する手順について図2を参照して説明する。
まず、図1(a)に示したように、グラウンドアンカー施工位置の地山にガイド管17を埋設し、このガイド管17をガイドとしてケーシングパイプ31を埋設しながら、設計アンカー長に相当するアンカー孔30を地盤に削孔する。このアンカー孔30の削孔は、地上部に設置されたクローラータイプのベースマシーンに搭載された削孔機(図示せず)を用いて行う。この削孔機により削孔ロッドが内部に収容されたケーシングパイプ31に回転と押し込み力とを加えて地中に圧入し、ケーシングパイプ31で孔壁が支保された所定長さのアンカー孔30を構築する。ケーシングパイプ31の直径は設計アンカーの本数、断面積に適した径に設定することが好ましい。
【0019】
アンカー孔30の削孔において、地下水位より深い位置までアンカー孔30を削孔する場合には、地下水が逆流して地盤が乱れるのを防止するために、被圧下削孔として所定の対策工をとることが好ましい。たとえば、地下水の逆流を防止することができるクローネンビットや、逆止弁がついたビットを使用して削孔したり、アンカー孔30の口元位置に止水ボックスを設け、孔口からの地下水の噴出を防止することが好ましい。
所定の深さまでアンカー孔30を削孔したら、アンカー孔30内を水洗浄し、孔底に残った土砂と孔壁に付着したスライムとを除去する。
【0020】
次に、図2(b)に示したように、引張鋼材11の所定の位置にシース12、シース13が取り付けられたテンドン10(一例として図1(a)参照)をアンカー孔30内に挿入する。引き続き、1期注入としてケーシングパイプ内に定着材としてのグラウト材の注入を行う(1次注入)。
さらに、この状態でアンカー口元位置32にケーシング引抜き用ジャッキ(図示せず)を配置し、ケーシングパイプ31の引き抜き作業を行う。所定本数のケーシングパイプ31を取りはずした後に、ケーシング引抜き用ジャッキの後端に加圧ヘッド33を取付け、ポンプ(図示せず)により加圧力P=2〜5kgf/cm2で2次注入を行う。これにより、アンカー先端位置の第1定着長部20には、アンカー体が造成される(図2(c)参照)。
【0021】
次いで、シース12の周囲に無加圧グラウトを施しながら、すべてのケーシングパイプ31を順次引き抜く(全長引抜)。ケーシングパイプ31が完全に引き抜かれた段階で布パッカー15内にセメントミルクを加圧注入し、アンカー孔30の閉塞を行う。閉塞後、布パッカー15位置で閉塞された布パッカー15位置より上側のアンカー孔30の水洗い洗浄を行い、孔内のスライム及び孔壁、引張鋼材11の表面の汚れを除去する(図2(d)。このとき、ケーシングパイプはすでに除去されているが、地盤改良がなされているため、地山孔壁は崩落することなく、保持されている。さらに第1定着長部20及びアンカー自由長部21のグラウト強度が所定の圧縮強度に達するまで所定の養生期間をおく。
【0022】
その後、地上のアンカー孔口付近に反力架台40を据え付け、反力架台40上に緊張ジャッキ41を装備する。緊張ジャッキ41によって第1定着長部20に一端が定着されているテンドン10に所定の緊張力を導入し、アンカー緊張を行う(図2(e)参照)。緊張後、2期注入としてシース12とシース13との間に位置するアンカー孔内に無加圧注入を行って第2の定着部としての第2のアンカー体を造成し、さらにシース13から地表面までの範囲の注入を行い、余剰自由長部23を形成し、グラウンドアンカーの打設を完了する。
【0023】
アンカー孔内に注入されたグラウトが所定強度に達するまで約1日程度の養生期間をおく。所定の養生期間を経たら、緊張ジャッキ41を取り外し、地上部に露出しているアンカー余長分を切断し(図2(f)参照)、余剰自由長部23に相当する地山部分43の掘削を行うことができる。この掘削の進行においても、グラウンドアンカー1に導入された緊張力により地中構造物は確実に地盤に保持される。
【0024】
このグラウト材注入は、ヘッド加圧により行う。
以上に述べたグラウンドアンカーによって地中での安定化を図れる地中構造物としては、既設管路、新設大断面トンネル、山留めの底盤工等、種々の構造物にが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるグラウンドアンカーの構造の一実施の態様を示した説明図。
【図2】図1に示したグラウンドアンカーの施工フローを示した施工順序説明図。
【図3】従来のグラウンドアンカーの施工フローを示した施工順序説明図。
【符号の説明】
1 グラウンドアンカー
10 テンドン
11 引張鋼材
12,13 シース
17 ガイド管
20 第1の定着長部
21 アンカー自由長部
22 第2の定着長部
23 余剰自由長部
Claims (2)
- 地山中に削孔されたアンカー孔内に挿入された引張鋼材を心材として前記アンカー孔内に定着材を注入し、前記引張鋼材の先端位置に第1のアンカー体を造成し、該第1のアンカー体を地中先端定着端とした第1の定着長部と、
該第1の定着長部からの所定の範囲をアンカー自由長部とするために前記引張鋼材を覆うように設けられた第1の遮断被覆体と、
該第1の遮断被覆体と所定の離れをとって前記引張鋼材を覆うようにアンカー孔口部側に設けられた第2の遮断被覆体と、
前記第1の遮断被覆体と第2の遮断被覆体との間に位置する前記引張鋼材を心材として定着材を注入して第2のアンカー体を造成して第2の定着長部とし、前記引張鋼材に所定の張力が導入された際に、該張力を前記第1の定着長部と前記第2の定着長部との間で保持するようにしたグラウンドアンカーにおいて、
前記地山中には、地表面から所定深さの範囲に埋設され、内部に前記引張鋼材の一部と前記第2の遮断被覆体とを位置させたガイド管と、ケーシングパイプが引き抜かれた前記アンカー孔内及び前記ガイド管で孔壁保護された地山範囲に定着材を無加圧注入して造成された前記第2のアンカー体と余剰自由長部とが位置するようにしたことを特徴とするグラウンドアンカー。 - 少なくとも地表面に近い側でアンカー体を造成する地山範囲に地盤改良が施された地山中にアンカー孔を削孔し、
該アンカー孔内に、所定範囲をアンカー自由長部とするための第1の遮断被覆体と、管内部に前記第1の遮断被覆体と所定の離れをとってアンカー孔口部側に取り付けられた第2の遮断被覆体とが取り付けられた引張鋼材を挿入し、
前記アンカー孔内に定着材を加圧注入し、前記引張鋼材の先端位置を心材として第1のアンカー体を造成して該第1のアンカー体を第1の定着長部とし、
その後、埋設されているケーシングパイプが完全に引き抜かれたアンカー孔内及びガイド管で孔壁保護されている範囲に定着材を無加圧注入し、前記第1の定着長部を定着端として前記引張鋼材に所定の張力を導入し、さらにその地表面側に前記引張鋼材を心材とした第2のアンカー体を造成し、前記第2のアンカー体を第2の定着長部とし、
前記引張鋼材に導入された張力を第1の定着長部と第2の定着長部の間で保持させるようにしたことを特徴とするグラウンドアンカーの施工方法。
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