JP2013170378A - アンカー体、既存建物の補強構造、アンカー体の構築方法、アンカー体の施工方法、及び削孔機 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンカー体の張力により生じる圧縮力に対する地盤の耐力を効率よく高めることにより、アンカー体の施工コストを低減する。
【解決手段】地盤2に構築された構造体の下方に設けられ、前記構造体に定着されたPC鋼より線24の下部がグラウトにより地盤に定着されてなるボンド部12と、ボンド部12と前記構造体との間に設けられ、PC鋼より線24が被覆材39により被覆された状態でグラウトに埋設されてなるアンボンド部14とを備えるアンカー体10であって、アンボンド部14の全体とボンド部12の少なくとも一部とを含んでなり、グラウトの圧縮強度が、PC鋼より線24の張力によりグラウトに生じる圧縮応力を超えるように設定された大径部18を備える。
【選択図】図2
【解決手段】地盤2に構築された構造体の下方に設けられ、前記構造体に定着されたPC鋼より線24の下部がグラウトにより地盤に定着されてなるボンド部12と、ボンド部12と前記構造体との間に設けられ、PC鋼より線24が被覆材39により被覆された状態でグラウトに埋設されてなるアンボンド部14とを備えるアンカー体10であって、アンボンド部14の全体とボンド部12の少なくとも一部とを含んでなり、グラウトの圧縮強度が、PC鋼より線24の張力によりグラウトに生じる圧縮応力を超えるように設定された大径部18を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、アンカー体、既存建物の補強構造、アンカー体の構築方法、アンカー体の施工方法、及び削孔機に関する。
地盤に構築された構造物に耐震補強を施す方法として、アンカー体の下側を地盤に定着させ、アンカー体を緊張させた状態で、アンカー体の上側を構造物の基礎に定着させる方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1、2に記載のアンカー体による耐震補強方法では、アンカー体の張力により構造物の下方の地盤に圧縮力が作用するところ、その地盤の圧縮耐力が十分でない場合には、アンカー体の周囲を地盤改良したり、杭を新たに打設してその杭内を通してアンカー体を打設したりしている。
特許文献1、2に記載の耐震補強方法では、地盤改良や杭の打設等、アンカー体の打設とは別の工事が必要となるため、工事に要する時間や費用が増大する。また、アンカー体のボンド部(定着体)と地盤改良体や杭とが分離され、アンカー体の張力により生じる圧縮力に対する耐力を杭や地盤改良体の下端にもたせる構成になっていることから、アンカー体の張力を大きくするほど地盤改良体や杭を大径化しなければならず、コストが増大する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アンカー体の張力により生じる圧縮力に対する地盤の耐力を効率よく高めることにより、アンカー体の施工コストを低減することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係るアンカー体は、地盤に構築された構造体の下方に設けられ、前記構造体に定着された緊張材の下部がグラウトにより地盤に定着されてなるボンド部と、前記ボンド部と前記構造体との間に設けられ、前記緊張材が被覆材により被覆された状態でグラウトに埋設されてなるアンボンド部と、を備えるアンカー体であって、前記アンボンド部の全体と前記ボンド部の少なくとも一部とを含んでなり、圧縮強度が、前記緊張材の張力により生じる圧縮応力を超えるように設定された圧縮部を備える。
前記アンカー体において、前記圧縮部は、その下側よりも大径であってもよい。
また、本発明に係る既存建物の補強構造は、地盤に構築された既存建物の下方に設けられ、前記既存建物の基礎に定着された緊張材の下部がグラウトにより地盤に定着されてなるボンド部と、前記ボンド部と前記基礎との間に設けられ、前記緊張材が被覆材により被覆された状態でグラウトに埋設されてなるアンボンド部とを有するアンカー体を備える既存建物の補強構造であって、前記アンカー体が、前記アンボンド部の全体と前記ボンド部の少なくとも一部とを含んでなり、圧縮強度が、前記緊張材の張力により生じる圧縮応力を超えるように設定された圧縮部を備える。
また、本発明に係るアンカー体の構築方法は、地盤に構築された構造体の下方に、前記構造体に定着させる緊張材の下部をグラウトにより地盤に定着させてなるボンド部を構築し、前記ボンド部と前記構造体との間に、前記緊張材を被覆材により被覆した状態でグラウトに埋設してなるアンボンド部を構築するアンカー体の構築方法であって、前記アンボンド部の全体と前記ボンド部の少なくとも一部とを含む部分の圧縮強度を、前記緊張材の張力により生じる圧縮応力を超えるように設定する。
また、本発明に係るアンカー体の施工方法は、地盤に構築された構造体の下方に、前記構造体に定着させる緊張材の下部をグラウトにより地盤に定着させてなるボンド部を構築し、前記ボンド部と前記構造体との間に、前記緊張材を被覆材により被覆した状態でグラウトに埋設してなるアンボンド部を構築するアンカー体の施工方法であって、二重管掘削型の削孔機の外側ケーシングにその外周面から突出する掘削ビットを設け、該掘削ビットにより所定深さまで前記外側ケーシングよりも大径の孔を削孔し、当該所定深さからの深方まで前記削孔機の内側ケーシングにより削孔する削孔工程と、前記アンボンド部に配する部分を前記被覆材で被覆した緊張材をシース管に挿通した緊張装置を、前記削孔工程で形成した孔に、前記被覆材の下端が前記大径の孔の下端より上側に位置するように挿入する挿入工程と、前記シース管内、及び前記削孔工程で形成した孔と前記シース管との間にグラウトを、前記外側ケーシング及び前記内側ケーシングを引抜きながら充填する充填工程と、前記緊張材を前記構造体に定着させる定着工程と、を備え、前記大径の孔にグラウトを充填してなる部分の圧縮強度を、前記緊張材の張力により当該部分に生じる圧縮応力を超えるように設定する。
また、本発明に係る削孔機は、前記アンカー体の施工において使用されるロータリーパーカッション式の削孔機であって、前記圧縮部を構築するための孔を掘削する掘削ビットが、ケーシングの外周面から突出している。
本発明によれば、アンカー体の張力により生じる圧縮力に対する地盤の耐力を効率よく高めることにより、アンカー体の施工コストを低減することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係るアンカー体10を用いた既存建物1の耐震補強を示す立断面図である。この図に示すように、地盤2には既存基礎3が存在し、この既存基礎3の上には耐震補強の対象の既存建物1が存在する。また、地盤2の上層には軟弱地盤4が存在し、この軟弱地盤4の下層には硬質地盤(支持層)5が存在する。ここで、既存基礎3の下には杭11が打設されているが、後述するアンカー体10の張力により地盤2に生じる圧縮力に対する地盤2の耐力を確保できるものではない。
アンカー体10は、硬質地盤5に位置するボンド部12と、ボンド部12より上側のアンボンド部14とを備えている。また、アンカー体10は、全体が硬質地盤5に位置する小径部16と、下部が硬質地盤5に位置してその上側が軟弱地盤4に位置する大径部18とを備えている。ボンド部12とアンボンド部14との境界は大径部18に配されている。また、アンカー体10は、既存基礎3の両側に新設された新設基礎9にアンボンド部14が定着され、その鉛直下方でボンド部12が硬質地盤5に定着されている。
図2は、アンカー体10を示す立断面図である。この図に示すように、アンカー体10は、合成樹脂製のシース管22と、シース管22に挿通された複数本のPC鋼より線24と、シース管22に挿通された注入パイプ26、27と、アンカー20の上端に設けられた定着機構40とを備えている。地盤2には、新設基礎9及び軟弱地盤4を貫通し、硬質地盤5まで延びる孔6が、形成されており、シース管22は、孔6に挿通されて、新設基礎9から硬質地盤5まで延びている。ここで、孔6は、全体が硬質地盤5に位置する小径部8と、下部が硬質地盤5に位置してその上側が軟弱地盤4に位置する大径部7とを備えている。
定着機構40には保護キャップ28が取り付けられている。また、シース管22の中間部には複数のスペーサ32が設けられており、このスペーサ32により、複数本のPC鋼より線24と注入パイプ26、27とが位置決めされている。
PC鋼より線24は、硬質地盤5から新設基礎9の上側まで延びている。また、シース管22の下部には止水材34が詰められており、注入パイプ26は、シース管22の上部から止水材34の上側まで延び、注入パイプ27は、シース管22の上部から止水材34の下側まで延びている。
また、孔6の下端から上端までアウターグラウト38が充填されており、シース管22がアウターグラウト38で孔6の内壁に固着されている。また、シース管22内の下端から上端まで、インナーグラウト36が充填されている。ここで、ボンド部12では、PC鋼より線24が、露出されており、インナーグラウト36及びアウターグラウト38により硬質地盤5と一体化され、伸縮を拘束されている。また、アンボンド部14では、PC鋼より線24が被覆材39で被覆され、PC鋼より線24と被覆材39との間にグリース等の潤滑剤が充填されている。これにより、アンボンド部14では、PC鋼より線24が伸縮可能である。
定着機構40は、PC鋼より線24を挿通する孔が形成された支圧板42と、支圧板42上に載置され各PC鋼より線24が挿通される複数の孔44Aが形成されたアンカーヘッド44と、各孔44Aに対応して設けられたグリッパー46とを備えている。アンカーヘッド44の各孔44Aは、上側から下側へかけて縮径するテーパ孔であり、グリッパー46はこの孔44Aに挿入される楔部材である。
PC鋼より線24の上端は、被覆材39で被覆されることなく露出しており、このPC鋼より線24の上端が、アンカーヘッド44の孔44Aに挿通され、楔作用により孔44Aとグリッパー46と摩擦係合した状態になっている。これにより、PC鋼より線24の上端がアンカーヘッド44に定着されている。
ここで、PC鋼より線24のアンカーヘッド44に対する定着位置を調整することにより、PC鋼より線24の張力を調整できるところ、本実施形態では、当該張力が所定値F(例えば、130t)に設定されている。また、大径部18の圧縮強度Fsは、アンボンド部14におけるPC鋼より線24の張力Fにより大径部18に生じる圧縮応力F/S(Sは、大径部18の直径)より大きく設定されている。即ち、大径部18は、アンボンド部14におけるPC鋼より線24の張力Fにより生じる圧縮応力F/Sを負担する部分である。
図3〜図11は、アンカー体10の施工手順を説明するための立断面図である。図3に示すように、まず、二重管掘削型ロータリーパーカッション式の削孔機100を使用して削孔工程を実施する。当該掘削工程では、始めに、大径のケーシング102を使用して孔6の大径部7を硬質地盤5まで掘削する。
ここで、ケーシング102は、例えば直径216mmの既製品の先端に、外径方向に突出する複数の拡径羽104を取り付けたものである。この複数の拡径羽104は、周方向に所定間隔おきに配されると共に、軸方向にも複数配されている。各拡径羽104の先端には掘削ビットが設けられており、この掘削ビットにより、ケーシング102の直径よりも大径(例えば直径400mm)の大径部7の掘削が可能となっている。なお、大径部7の掘削において軟弱地盤4を拡径羽104で掘削する際には、ベントナイト等の安定液で孔壁を保持した状態にする。
次に、図4に示すように、小径(例えば、直径135mm)のケーシング108を使用して孔6の小径部8を硬質地盤5内で清水掘りする。
次に、図5に示すように、アンカー体挿入工程を実施する。当該工程では、予め組み立てておいたアンカー体10を、シース管22及びPC鋼より線24の先端が硬質地盤5内まで到達し、頭部が地表面から上側に突出するように、孔6に挿入する。
そして、図6に示すように、インナーグラウト注入工程を実施する。図6に示すように、インナーグラウト注入工程では、注入パイプ26を通してシース管22の内部にインナーグラウト36を注入する。注入パイプ26の下端は止水材34の上側に配されているため、インナーグラウト36は、止水材34で塞き止められてシース管22内で堆積する。
その後、図7〜図10に示すように、アウターグラウト注入工程を実施する。図8に示すように、アウターグラウト注入工程では、注入パイプ27を通してアウターグラウト38を注入する。注入パイプ27の下端は、止水材34の下側に配されているため、シース管22から流出して孔6の底部で塞き止められて孔6の小径部8内で堆積する。この際、孔6の小径部8内にアウターグラウト38を加圧注入しながらケーシング108を引抜く。
次に、図9に示すように、大径のケーシング102内にパイプ(不図示)を挿入して該パイプを通して大径部7とシース管22との間にアウターグラウト38を充填する。この際、図10に示すように、孔6の大径部7内にグラウト材を加圧注入しながらケーシング102を孔6の大径部7から引き抜く。
図11に示すように、新設基礎9を構築した後に、緊張・頭部処理工程を実施する。当該工程では、インナーグラウト36及びアウターグラウト38が硬化した後、油圧ジャッキを利用してPC鋼より線24をアンカーヘッド44に定着させ、保護キャップ28を定着機構40に取り付ける。この際、PC鋼より線24に上述の所定値Fの張力が付与されるように、PC鋼より線24のアンカーヘッド44に対する定着位置を調整する。
図12は、アンカー体10の応力分布を説明するための図である。なお、軟弱地盤4におけるアンカー体10の周面摩擦は0と仮定する。この図に示すように、アンボンド部14では、PC鋼より線24の張力が一様(等分布)であり、ボンド部12では、PC鋼より線24の張力が下方にいくにつれて小さくなる。なお、ボンド部12はPC鋼より線24の張力により微小量のみ伸びる。
また、大径部18は、圧縮強度Fcが圧縮応力F/Sより大きく設定されていることから、大径部18のグラウト内の軸方向の力は圧縮力となる。即ち、大径部18はPC鋼より線24の張力による圧縮力を負担する。また、アンボンド部14では、グラウト内の圧縮力が一様(等分布)であり、ボンド部12では、グラウト内の圧縮力が下方にいくにつれて小さくなる。
ここで、大径部18の下部であってボンド部12の上部である部分のグラウト内では、PC鋼より線24の張力による圧縮力のみならず、PC鋼より線24の張力による引張力も生じる。このため、当該部分のグラウト内では、圧縮力と引張力とが相殺する現象が生じることによって、大径部の下端にかけて圧縮力が減少する。従って、大径部18の下端にもたせる地盤の圧縮耐力を低減でき、ひいては大径部18に要求される圧縮耐力を低減できる。
そして、大径部18に要求される圧縮耐力を低減できることによって、アンカー体の張力により生じる圧縮力に対する軟弱地盤4の耐力を、アンカー体10自体(大径部18)にもたせることが可能となる。これにより、軟弱地盤4を地盤改良したり、新たに杭を打設したりする等のアンカー体の打設とは別の工事を要することなく、アンカー体の張力により生じる圧縮力に対する地盤等の耐力を確保することが可能となる。
また、アンカー体の張力により生じる圧縮力に対する軟弱地盤4の耐力を確保できることによって、常時、アンカー体10を緊張させた状態にすることができるため、地震時にPC鋼より線24の伸び量を最小限に抑えつつアンカー体10を引抜力に対して抵抗させることができる。また、大径部18が圧縮力を負担することにより、地震時に発生する押込み力に対してもアンカー体10を抵抗させることができる。
なお、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。例えば、上述の実施形態では、アンボンド部14とボンド部12の上部とを含む部分をボンド部12よりも大径としたが、当該部分とボンド部12とを同一の直径にする等してもよい。また、当該部分(大径部18とその下の小径部16との境界を硬質地盤5に配したが、軟弱地盤4に配してもよい。
また、ボンド部12とアンボンド部14との境界を軟弱地盤4と硬質地盤5との境界に配したが、前者が後者より上側だったり後者が前者より上側だったりしてもよい。また、アンカー体10を新設基礎9に定着させたが、既存基礎3に定着させてもよい。また、アンカー体10を新設基礎9や既存基礎3に定着させる方式は、マンション式(ねじ式)であってもよい。また、シース管22(コルゲートシース)は、アンカー体10の上端まで設けることは必須ではなく、アンカー体10の中間部まで設けるようにしてもよい。
また、既存建物の耐震補強を例に挙げて本発明を説明したが、新設建物の地震対策に本発明を適用してもよい。さらに、地上構造物の耐震補強を例に挙げて本発明を説明したが、地下構造物の耐震補強に本発明を適用してもよい。
1 既存建物(構造体)、2 地盤、3 既存基礎(構造体)、4 軟弱地盤、5 硬質地盤、6 孔、7 大径部、8 小径部、9 新設基礎(構造体)、10 アンカー体、11 杭、12 ボンド部、14 アンボンド部、16 小径部、18 大径部(圧縮部)、20 アンカー、22 シース管、24 PC鋼より線(緊張材)、26、27 注入パイプ、28 保護キャップ、32 スペーサ、34 止水材、36 インナーグラウト、38 アウターグラウト、39 被覆材、40 定着機構、42 支圧板、44 アンカーヘッド、44A 孔、46 グリッパー、100 削孔機、102 ケーシング、104 拡径羽(掘削ビット)、108 ケーシング
Claims (6)
- 地盤に構築された構造体の下方に設けられ、前記構造体に定着された緊張材の下部がグラウトにより地盤に定着されてなるボンド部と、
前記ボンド部と前記構造体との間に設けられ、前記緊張材が被覆材により被覆された状態でグラウトに埋設されてなるアンボンド部と、
を備えるアンカー体であって、
前記アンボンド部の全体と前記ボンド部の少なくとも一部とを含んでなり、圧縮強度が、前記緊張材の張力により生じる圧縮応力を超えるように設定された圧縮部を備えるアンカー体。 - 前記圧縮部は、その下側よりも大径である請求項1に記載のアンカー体。
- 地盤に構築された既存建物の下方に設けられ、前記既存建物の基礎に定着された緊張材の下部がグラウトにより地盤に定着されてなるボンド部と、前記ボンド部と前記基礎との間に設けられ、前記緊張材が被覆材により被覆された状態でグラウトに埋設されてなるアンボンド部とを有するアンカー体を備える既存建物の補強構造であって、
前記アンカー体が、前記アンボンド部の全体と前記ボンド部の少なくとも一部とを含んでなり、圧縮強度が、前記緊張材の張力により生じる圧縮応力を超えるように設定された圧縮部を備える既存建物の補強構造。 - 地盤に構築された構造体の下方に、前記構造体に定着させる緊張材の下部をグラウトにより地盤に定着させてなるボンド部を構築し、
前記ボンド部と前記構造体との間に、前記緊張材を被覆材により被覆した状態でグラウトに埋設してなるアンボンド部を構築するアンカー体の構築方法であって、
前記アンボンド部の全体と前記ボンド部の少なくとも一部とを含む部分の圧縮強度を、前記緊張材の張力により生じる圧縮応力を超えるように設定するアンカー体の構築方法。 - 地盤に構築された構造体の下方に、前記構造体に定着させる緊張材の下部をグラウトにより地盤に定着させてなるボンド部を構築し、前記ボンド部と前記構造体との間に、前記緊張材を被覆材により被覆した状態でグラウトに埋設してなるアンボンド部を構築するアンカー体の施工方法であって、
二重管掘削型の削孔機の外側ケーシングにその外周面から突出する掘削ビットを設け、該掘削ビットにより所定深さまで前記外側ケーシングよりも大径の孔を削孔し、当該所定深さからの深方まで前記削孔機の内側ケーシングにより削孔する削孔工程と、
前記アンボンド部に配する部分を前記被覆材で被覆した緊張材をシース管に挿通した緊張装置を、前記削孔工程で形成した孔に、前記被覆材の下端が前記大径の孔の下端より上側に位置するように挿入する挿入工程と、
前記シース管内、及び前記削孔工程で形成した孔と前記シース管との間にグラウトを、前記外側ケーシング及び前記内側ケーシングを引抜きながら充填する充填工程と、
前記緊張材を前記構造体に定着させる定着工程と、
を備え、
前記大径の孔にグラウトを充填してなる部分の圧縮強度を、前記緊張材の張力により当該部分に生じる圧縮応力を超えるように設定するアンカー体の施工方法。 - 請求項1又は請求項2に記載のアンカー体の施工において使用されるロータリーパーカッション式の削孔機であって、
前記圧縮部を構築するための孔を掘削する掘削ビットが、ケーシングの外周面から突出している削孔機。
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