JPH09263033A - 感熱孔版印刷用マスタ及びそれを用いた孔版印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁力により固着されて各印刷工程の所定の位
置に確実に搬送することが可能な感熱孔版印刷用マスタ
及びその感熱孔版印刷用マスタを磁力により固着した簡
単な装置で各印刷工程の所定の位置に確実に搬送して高
品質の印刷を得る軽くて小型の孔版印刷装置を提供す
る。 【解決手段】 感熱孔版印刷用マスタを使用して印刷す
る孔版印刷装置において、回転可能に支持された版胴１
と、上記版胴１の開口部１ａを有する外周面１ｂに熱可
塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した感熱孔版印刷用
マスタ２を係止して保持する感熱孔版印刷用マスタ係止
手段３を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は，感熱孔版印刷用マ
スタ及びそれを使用する孔版印刷装置に関するものであ
る。更に詳しくは，多数の加熱素子を有するサーマルヘ
ッドの接触加熱等により，有効に穿孔製版され，鮮明な
印刷画像を与える感熱孔版印刷用マスタ及びそれを使用
する孔版印刷装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の感熱孔版印刷用マスタ及びそれを
使用する孔版印刷装置は，熱可塑性樹脂フイルムの表面
が，サーマルヘッドに固着することを防止するステック
防止層を設けたり，インキ透過性支持体として多孔性薄
葉紙，実質的には麻繊維，麻繊維と合成繊維，又は木材
繊維等を混抄したもの等を貼りあわせた感熱孔版印刷用
マスタ及びそれを使用する孔版印刷装置は公知である。

【０００３】熱可塑性重合体よりなる感熱孔版用フィル
ムに貼り合わせてなるインク透過性多孔質多層樣支持体
よりなり，多孔質多層樣支持体の少なくともフィルムに
面した層が，繊度１デニール以下の繊維を主体とした層
である多層樣支持体を用いた感熱孔版印刷用原紙は公知
である（たとえば，特開平３−１９３４４５号の公
報）。

【０００４】表面に，多数の実質的に閉じた形状を密接
に，且つ独立して配列したパターンを残して，その余の
部分を触刻した凹部を有するグラビアロール等放射線硬
化型樹脂液を塗布し凹部以外の樹脂液を除去し，凹部に
のみ樹脂液を存在させた状態で熱可塑性樹脂フィルムを
密着させ熱可塑性樹脂フィルム側より放射線を照射し放
射線硬化型樹脂を硬化させると共に熱可塑性樹脂フィル
ムと放射線硬化型樹脂を接着させた後グラビアロール等
より熱可塑性フィルムとそれに接着された放射線硬化さ
れた樹脂を剥離して製造される感熱孔版原版も公知であ
る（たとえば，特開昭６２−１９８４５９号の公報）。

【０００５】点状の発熱素子を有する印字装置を用い
て，延伸された熱可塑性合成樹脂フィルムのみよりなる
シートに点状の穿孔画像を形成せしめ，シートの穿孔画
像部にてインキを通過せしめて記録画像を作成すること
も公知である（たとえば，特開昭５４−３３１１７号の
公報）。

【０００６】版胴の外周部に一つの母線に沿った帯状の
磁石板を溝内に嵌め込んで固定装着した第１の磁石と，
第１の磁石と対向して設けられた第２の磁石に選択的に
磁気的に吸着されるクランプ片によって印刷用原紙の一
端を版胴の外周部に係止するようにして，印刷用原紙の
給版及び排版を自動化することも公知である（たとえ
ば，特公平３−５７８７９号の公報）。然し，これらの
感熱孔版原版，又，使用される何れの感熱孔版原版も，
腰が弱い為に，カールが発生したり，気温や湿度等の環
境条件の変化によって静電気や皺等が発生したりするた
めに，感熱孔版原版を各印刷工程の所定の位置に確実に
搬送することが困難であった。

【０００７】そこで，版胴の周壁部に切断されることな
く長尺形状の孔版原紙を巻装して，孔版原紙の搬送を簡
略化することも公知である（たとえば，特公平５−７０
５９５号の公報）。しかし，孔版原紙及び着排版ユニッ
トが印刷時には，版胴と共に回転する構成になっている
為に，回転モーメントが大きくなり，又，重力中心が回
転軸からの変位が大きくなり，印刷装置全体か重く大型
になるという問題点があった。

【０００８】従って，これらの何れの感熱孔版原版も，
腰が弱い為に，カールが発生したり，気温や湿度等の環
境条件の変化によって静電気や皺等が発生したりするた
めに，感熱孔版原版を各印刷工程の所定の位置に確実に
搬送することが困難であったり，特に，感熱孔版原版が
実質的にフィルムのみからなる場合には，印刷画質は優
れているが，各印刷工程の所定の位置に確実に搬送する
ことが困難であったり装置全体か重く大型になるという
問題点があった。

【０００９】前述した従来のかかる感熱孔版印刷用マス
タ及びそれを使用する孔版印刷装置は，感熱孔版原版の
腰が弱い為に，カールが発生したり，気温や湿度等の環
境条件の変化によって静電気や皺等が発生したりするた
めに，感熱孔版原版を各印刷工程の所定の位置に確実に
搬送することが困難であったり，特に，感熱孔版原版が
実質的にフィルムのみからなる場合には，印刷画質は優
れているが，各印刷工程の所定の位置に確実に搬送する
ことが困難であったり装置全体か重く大型になるという
問題があった。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は，このような問題点を解決するものである。即ち，磁
力により固着されて各印刷工程の所定の位置に確実に搬
送することが可能な感熱孔版印刷用マスタ及びその感熱
孔版印刷用マスタを磁力により固着した簡単な装置で各
印刷工程の所定の位置に確実に搬送して高品質の印刷を
得る軽くて小型の孔版印刷装置を提供することを目的に
している。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に，請求項１の本発明は，熱可塑性樹脂フイルムと磁性
体を一体化した感熱孔版印刷用マスタである。

【００１２】請求項２の発明は，感熱孔版印刷用マスタ
を使用して印刷する孔版印刷装置において，回転可能に
支持された版胴と，上記版胴の開口部を有する外周面に
熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した感熱孔版印
刷用マスタを係止して保持する感熱孔版印刷用マスタ係
止手段を有する孔版印刷装置である。

【００１３】請求項３の発明は，請求項２記載の孔版印
刷装置において，上記感熱孔版印刷用マスタ係止手段
は，係脱可能な係止部材によって熱可塑性樹脂フイルム
と磁性体を一体化した上記感熱孔版印刷用マスタを挟み
込んで保持すると共に上記係止部材を係止する孔版印刷
装置である。

【００１４】請求項４の発明は，請求項２又は３記載の
孔版印刷装置において，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体
を一体化した上記感熱孔版印刷用マスタと磁性材料から
なる上記係止部材を，磁力により吸引して上記版胴の上
記開口部を有する上記外周面に搬送する感熱孔版印刷用
マスタ搬送手段を有する孔版印刷装置である。

【００１５】請求項５の発明は，請求項２，３又は４記
載の孔版印刷装置において，熱可塑性樹脂フイルムと磁
性体を一体化した上記感熱孔版印刷用マスタを，磁力に
より上記版胴の上記開口部を有する上記外周面から剥離
する感熱孔版印刷用マスタ排版手段を有する孔版印刷装
置である。

【００１６】請求項６の発明は，請求項２，３，４又は
５記載の孔版印刷装置において，上記感熱孔版印刷用マ
スタ搬送手段は，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体
化した上記感熱孔版印刷用マスタを先端部又は後端部を
感熱孔版印刷用マスタ切断手段によって所定のサイズに
切断して搬送する孔版印刷装置である。

【００１７】

【作用】上記のように構成された感熱孔版印刷用マスタ
及びそれを使用する孔版印刷装置は，請求項１において
は，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化して，磁力
により固着されて各印刷工程の所定の位置に確実に搬送
できる。

【００１８】請求項２においては，版胴の開口部を有す
る外周面に熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した
感熱孔版印刷用マスタを感熱孔版印刷用マスタ係止手段
で係止して保持するようにして，熱可塑性樹脂フイルム
と磁性体を一体化した感熱孔版印刷用マスタを磁力によ
り固着した簡単な装置で各印刷工程の所定の位置に確実
に搬送して高品質の印刷を得る軽くて小型の孔版印刷装
置を提供するものである。

【００１９】請求項３においては，版胴の開口部を有す
る外周面に熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した
感熱孔版印刷用マスタを感熱孔版印刷用マスタ係止手段
の係脱可能な係止部材の磁力によって挟み込むと共に係
止部材を係止するようにして，熱可塑性樹脂フイルムと
磁性体を一体化した感熱孔版印刷用マスタを磁力により
固着した簡単な装置で確実に保持する共に確実に係止し
て印刷工程の所定の位置に確実に搬送して高品質の印刷
を得る軽くて小型の孔版印刷装置を提供するものであ
る。

【００２０】請求項４においては，版胴の開口部を有す
る外周面に熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した
感熱孔版印刷用マスタと磁性材料からなる係止部材を感
熱孔版印刷用マスタ搬送手段の磁力による吸引で搬送し
感熱孔版印刷用マスタ係止手段で係止し保持するように
して，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した感熱
孔版印刷用マスタを磁力により固着した簡単な装置で確
実に保持して各印刷工程の所定の位置に確実に搬送して
高品質の印刷を得る軽くて小型の孔版印刷装置を提供す
るものである。

【００２１】請求項５においては，版胴の開口部を有す
る外周面から熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化し
た感熱孔版印刷用マスタを感熱孔版印刷用マスタ排版手
段の磁力による吸引で剥離するようにして，熱可塑性樹
脂フイルムと磁性体を一体化した感熱孔版印刷用マスタ
を磁力により固着した簡単な装置で確実に剥離されて所
定の位置に確実に搬送して高品質の印刷を得る軽くて小
型の孔版印刷装置を提供するものである。

【００２２】請求項６においては，版胴の開口部を有す
る外周面に熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した
感熱孔版印刷用マスタを感熱孔版印刷用マスタ切断手段
で所定のサイズに切断してから感熱孔版印刷用マスタ搬
送手段で搬送するようにして，熱可塑性樹脂フイルムと
磁性体を一体化した感熱孔版印刷用マスタを磁力により
固着した簡単な装置で確実なサイズに切断してから所定
の位置に確実に搬送して高品質の印刷を得る軽くて小型
の孔版印刷装置を提供するものである。

【００２３】

【発明の実施の形態】次に，本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図１において，本発明の感
熱孔版印刷用マスタ及びそれを使用する孔版印刷装置
は，時計方向又は反時計方向に回転可能に支持された版
胴１のインキが供給される開口部１ａを有する外周面１
ｂに，感熱孔版印刷用マスタ２を感熱孔版印刷用マスタ
係止手段３によって係止して保持されるように感熱孔版
印刷用マスタ搬送手段４によって搬送し，インキ供給手
段１０によって上記感熱孔版印刷用マスタ２の穿孔画像
部にてインキを通過せしめて記録画像を作成して印刷し
た後に，上記感熱孔版印刷用マスタ２を感熱孔版印刷用
マスタ排版手段５によって上記版胴１の上記外周面１ｂ
から剥離して排版出来るようになっている。

【００２４】上記感熱孔版印刷用マスタ２は，ロール形
状の上記感熱孔版印刷用マスタ２を感熱孔版印刷用マス
タ貯容手段７から引き出して，印字手段８によって穿孔
して製版した後に，感熱孔版印刷用マスタ切断手段６に
よって所定のサイズに切断されて上記感熱孔版印刷用マ
スタ搬送手段４によって搬送することができるようにな
っている。上記感熱孔版印刷用マスタ搬送手段４は，図
示しない移動手段によって，図示の矢印Ｇ方向に移動可
能であって，上記版胴１に押し付けることが可能になっ
ている。

【００２５】上記感熱孔版印刷用マスタ２は，熱可塑性
樹脂フイルムと磁性体を一体化したものである。ここ
で，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化したものは
種々あるが，これらを以下に説明する。熱可塑性樹脂フ
イルムと磁性体を一体化する第１の方法は，磁性体を，
熱可塑性樹脂と混合してフィルム状に成型して，上記感
熱孔版印刷用マスタ２を作成することが出来る。

【００２６】磁性体を熱可塑性樹脂であるポリエステル
と混合する場合には，エステル交換時，重縮合反応前，
溶融混練時に混合すれば良い。磁性体は，直径１μ〜
０．０１μのフェライトが適当である。又，ポリエステ
ルをフィルム状に製膜するには，例えば，２６０℃〜３
６０℃でダイからシート状に押出した後に，急冷固化し
て２軸延伸した後に，所定温度にてエイジングを行っ
て，寸法精度が安定化することが出来る。上記感熱孔版
印刷用マスタ２として用いられる熱可塑性樹脂フイルム
の厚さは，０．５μ〜１０μである。

【００２７】熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化す
る第２の方法は，磁性体が熱可塑性樹脂フィルムの外側
にあり，磁性体が熱可塑性樹脂フィルムの成形後にバイ
ンダーと共に塗工し，又はフィルムに蒸着することが出
来る。磁性体は，樹脂などのバインダーと混合して熱可
塑性樹脂フィルムに塗工しても良い。塗工方法は，熱可
塑性樹脂フィルム面に均一に塗っても良いし，特定のパ
ターンで塗っても良い。熱可塑性樹脂フィルムに塗工さ
れた皮膜が，印字手段８のサーマルヘッドによる上記感
熱孔版印刷用マスタ２の穿孔を妨げることのないよう
に，バインダーの種類，磁性体との混合比，塗工量など
を適切に選択することが出来る。例えば，バインダー
は，軟化温度の低いもの，塗工量の厚さは，２０μ以下
が適切である。

【００２８】熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化す
る第３の方法は，磁性体が支持体に含まれた状態で支持
体と共に熱可塑性樹脂フィルムにラミネートなどの手法
で一体化したり，熱可塑性樹脂フィルムに支持体が接合
された後に，磁性体を支持体に塗工することが出来る。
磁性体を支持体に含ませるには，例えば，支持体の原料
繊維の調整工程で，磁性体を混合したり，サイズプレス
でバインダーと共に加工したり，オフマシーンでバイン
ダーと共に加工したりすることが可能であるが，サイズ
プレスでの加工又はオフマシーンでの加工が通常は一般
的に使用出来る。熱可塑性樹脂フィルムに支持体が接合
された後に，磁性体を支持体に塗工するには，バインダ
ー及び磁性体の，水系又は溶剤系の分散体を一般の方法
で塗工することが出来る。

【００２９】ここで使用される磁性体は，一般にＦｅ，
Ｃｏ，Ｎｉ等の元素を含む合金や化合物であり，磁石に
より引き付けられるものであれば使用できる。磁性体の
使用量は，数ｇ〜数拾ｇ／ｍ²である。

【００３０】上記版胴１の内部には，支軸１ｃの供給口
１ｄから供給されるインキ９を，上記版胴１の上記開口
部１ａを通過して，上記感熱孔版印刷用マスタ係止手段
３によって上記版胴１の上記外周面１ｂに係止されて保
持された，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した
上記感熱孔版印刷用マスタ２へと供給する上記インキ供
給手段１０が配設されている。プレスローラ１２は，上
記版胴１の下方に配置されて，印刷時には図示しない押
圧手段によって，印刷用紙１３を図示の矢印Ｆ方向の上
記版胴１の上記外周面１ｂ上に押し付けることが出来る
ようになっている。

【００３１】上記インキ供給手段１０において，インキ
ローラ１０ａは，図示しないインキローラ側板に回転自
在に支持され，外周面１０ａ₁を上記版胴１の内周面１
ｅに接して，図示の矢印Ａ方向に回転駆動される。ドク
タローラ１０ｂは，上記ドクタローラ１０ｂの外周面１
０ｂ₁と上記インキローラ１０ａの上記外周面１０ａ₁と
の間に所定の僅かな隙間が形成されるように上記インキ
ローラ１０ａの上方に配設され，上記インキローラ１０
ａとで形成される空間に，上記支軸１ｃの複数の上記供
給口１ｄから供給される上記インキ９が溜るインキ溜り
９ａの上記インキ９を上記インキローラ１０ａの上記外
周面１０ａ₁に供給出来るようになっている。

【００３２】図２において，上記版胴１のインキが供給
される上記開口部１ａを有する上記外周面１ｂに配置さ
れて，上記感熱孔版印刷用マスタ２を係止して保持する
上記感熱孔版印刷用マスタ係止手段３は，係止部材３ａ
と，上記係止部材３ａが着脱自在なクランプ基台上３ｂ
と，クランプ基台下３ｃと，上記クランプ基台下３ｃ内
で移動自在なスライダー３ｄと，スプリング３ｅより構
成されている。上記係止部材３ａは，磁性材料からなり
磁力を有していて，両端側には固定ピン３ａ₁が固着さ
れている。

【００３３】上記固定ピン３ａ₁には，上記スライダー
３ｄの長穴３ｄ₁に係止される溝３ａ₂が設けてある。上
記固定ピン３ａ₁の先端にはテーパが形成されて，上記
クランプ基台上３ｂの両端側に設けられた穴３ｂ₁に容
易に挿入されるようになっている。上記穴３ｂ₁は，上
記固定ピン３ａ₁に対して余裕を持った穴径となってい
る。尚，両端の上記固定ピン３ａ₁間の距離は，図示し
ない上記印字手段８のサーマルヘッド８ａ又はロール状
の上記感熱孔版印刷用マスタ２の幅よりも長くしてあ
り，製版時に干渉することを防止出来る。

【００３４】上記クランプ基台上３ｂは，樹脂部３ｂ₂
とステンレス等の金属からなる剛体部３ｂ₃から構成さ
れている。上記係止部材３ａと図示しない手段によって
上記クランプ基台下３ｃに固定されている上記クランプ
基台上３ｂは，上記係止部材３ａに磁力より固着された
上記感熱孔版印刷用マスタ２を挟み込んで保持する際
に，上記樹脂部３ｂ₂が弾性変形して，上記感熱孔版印
刷用マスタ２を強力に挟み込んで保持することができ
る。

【００３５】上記クランプ基台上３ｂと上記クランプ基
台下３ｃの間には上記スライダー３ｄが両端のスライタ
ー案内部３ｃ₁に沿って移動自在に挟み込まれている。
上記スライダー３ｄの係合穴３ｄ₂には上記スプリング
３ｅの一方の一端が係合し，他方の一端が上記クランプ
基台下３ｃに固着されたピン３ｃ₂に係合されている。
上記スライダー３ｄは，上記スプリング３ｅにより，常
に図示の矢印Ｂ方向に付勢されている際に，ストッパ３
ｃ₃がスライダーストッパ３ｄ₃によって，標準位置Ｃに
係止される（図３を参照）。

【００３６】上記スライダー３ｄが，標準位置Ｃに係止
されて，上記係止部材３ａが挿入されている場合には，
上記長穴３ｄ₁のエッジ部が上記溝３ａ₂に係止されて，
上記係止部材３ａが上記樹脂部３ｂ₂に圧着出来るよう
になっている。製版時の上記スライダー３ｄは，図示さ
れない手段により，例えば，本体に備え付けられた図示
されないカム等の押圧手段によって突出部３ｄ₄を図示
の矢印Ｄ方向に押圧されて，製版時位置Ｅまで移動出来
るようになっている（図４を参照）。

【００３７】上記スライダー３ｄが製版時位置Ｅにおい
ては，上記固定ピン３ａ₁が長穴３ｄ₅に対応し，上記固
定ピン３ａ₁は上記スライダー３ｄと干渉することがな
いように出来ている。上記クランプ基台下３ｃには，上
記スプリング３ｅが干渉しないように溝３Ｃ₄が設けら
れ，又上記係止部材３ａが干渉しないように貫通孔３Ｃ
₅が設けられている。

【００３８】上記係止部材３ａが，上記版胴１の上記外
周面１ｂ上の上記感熱孔版印刷用マスタ２を挟み込んで
保持する前後には段差解消部材１１が配置されて，前後
の段差が解消されている（図５を参照）。

【００３９】図６において，上記印字手段８，上記感熱
孔版印刷用マスタ搬送手段４，上記感熱孔版印刷用マス
タ切断手段６，上記感熱孔版印刷用マスタ貯容手段７等
から構成される製版装置について説明する。上記印字手
段８の上記サーマルヘッド８ａは，サーマルヘッド基台
８ｂに固定されて，上記感熱孔版印刷用マスタ２を画像
情報に応じて選択的に加熱穿孔するようになっている。
上記サーマルヘッド基台８ｂは，一方の端部側に設けら
れた支軸８ｃにより図示しない製版装置側板に回転自在
に支持されている。

【００４０】上記サーマルヘッド基台８ｂの他方の端部
側に設けられタ係合ピン８ｄは，図示しない製版装置側
板に固定された固定部１４に一端が係止されたスプリン
グ８ｅに係合されている。従って，上記サーマルヘッド
基台８ｂは，スプリング８ｅにより，上記支軸８ｃを回
転中心にして図示の矢印Ｈ方向の時計まわり方向の回転
力が与えられる。通常は上記サーマルヘッド８ａは，上
記感熱孔版印刷用マスタ搬送手段４の無端搬送ベルト４
ａに上記感熱孔版印刷用マスタ２を介して押圧すること
ができるようになっている。

【００４１】上記感熱孔版印刷用マスタ貯容手段７は，
上記印字手段８の左方に配設されて，ロール形状の上記
感熱孔版印刷用マスタ２を支持し，常にロール形状の上
記感熱孔版印刷用マスタ２を上記感熱孔版印刷用マスタ
搬送手段４の上記無端搬送ベルト４ａに押圧しつつ供給
することことができる。ロール形状の上記感熱孔版印刷
用マスタ２が巻かれた軸７ａは，一端が係止されたスプ
リング７ｂに係合され，上記スプリング７ｂの他端は図
示しない製版装置側板に固定された固定部１５に係止さ
れ，図示しない製版装置側板に対して上下可動に支持さ
れ，上記感熱孔版印刷用マスタ搬送手段４の上記無端搬
送ベルト４ａに押圧されている。

【００４２】ロール形状の上記感熱孔版印刷用マスタ２
が巻かれた上記軸７ａは，一端に電磁クラッチ７ｃが取
り付けられて，手動又は制御情報に応じて，上記電磁ク
ラッチ７ｃがオン，オフされて回転駆動出来るようにな
っている。上記感熱孔版印刷用マスタ搬送手段４の上記
無端搬送ベルト４ａによって，製版装置内の上記感熱孔
版印刷用マスタ２を磁力により固着して，上記感熱孔版
印刷用マスタ貯容手段７から引き出されて，上記印字手
段８，上記感熱孔版印刷用マスタ切断手段６から順次搬
送することが出来るようになっている。

【００４３】図７において，上記感熱孔版印刷用マスタ
搬送手段４の上記無端搬送ベルト４ａは，磁性材料から
なり磁力を有し，例えば，プラスチック磁石のような部
材でできている。上記無端搬送ベルト４ａは，駆動ロー
ラ４ｂ，従動ローラ４ｃに張架されている。上記駆動ロ
ーラ４ｂを回転可能に支持する軸４ｂ₁，上記従動ロー
ラ４ｃを回転可能に支持する軸４ｃ₁は，図示しない製
版装置側板に支持され，上記軸４ｂ₁には図示しない歯
車が固着されていて，図示しないモータにより回転駆動
されるようになっている。上記感熱孔版印刷用マスタ搬
送手段４の上記無端搬送ベルト４ａの外周側に設けられ
溝４ｄには，製版時に磁力により上記係止部材３ａが圧
着されるようになっている。

【００４４】図８と図９において，上記版胴１の左上方
には，上記版胴１の上記外周面１ｂに保持された上記感
熱孔版印刷用マスタ２を，磁力により上記版胴１の上記
外周面１ｂより剥離して排版する上記感熱孔版印刷用マ
スタ排版手段５が配設されている。上記感熱孔版印刷用
マスタ排版手段５は，一対の図示の矢印Ｉ方向に回転す
る排版ローラ５ａと図示の矢印Ｊ方向に回転する排版ロ
ーラ５ｂは互いに圧接して，上記排版ローラ５ａを支持
する軸５ａ₁と上記排版ローラ５ｂを支持する軸５ｂ₁は
平行方向に延在して設けられている。

【００４５】上記排版ローラ５ａは磁性材料からなり磁
力を有していて，排版時には，熱可塑性樹脂フィルムと
磁性体を一体化した使用済みの上記感熱孔版印刷用マス
タ２を，図示の矢印Ｋ方向に図示しない駆動手段によっ
て回転駆動される上記版胴１より確実に剥離して排版出
来るようになっている。上記排版ローラ５ａと上記排版
ローラ５ｂは，上記軸５ａ₁と上記軸５ｂ₁と連結した図
示しない回転伝達部材を介して図示しない回転駆動モー
タにより回転駆動出来るようになっている。

【００４６】上記軸５ａ₁と上記軸５ｂ₁は，アーム５ｃ
に回転自在に支持されている。上記アーム５ｃの基端
は，印刷装置本体の図示しない機枠に固定された軸５ｄ
に図示の矢印Ｌ方向に所定角度揺動可能に支持されてい
る。上記排版ローラ５ａの直ぐ下には，剥離部材５ｅが
配設されていて，上記剥離部材５ｅの両端は，上記アー
ム５ｃに支持されている。前後の両上記アーム５ｃの間
には，使用済みの上記感熱孔版印刷用マスタ２を収納す
る収納ボックス５ｆが，上記排版ローラ５ａ，上記排版
ローラ５ｂ，上記軸５ａ₁，上記軸５ｂ₁と平行に延在し
て設けられている。

【００４７】上記収納ボックス５ｆの一側端には，上記
排版ローラ５ａと上記排版ローラ５ｂにより剥離，搬送
された使用済みの上記感熱孔版印刷用マスタ２を収納す
る為の収納開口部５ｇが設けられている。上記感熱孔版
印刷用マスタ排版手段５は，図示しない変位機構によ
り，上記軸５ｄを回転中心に上記排版ローラ５ａが上記
版胴１に押圧される剥離位置と上記排版ローラ５ａが上
記版胴１に押圧される剥離位置から離間した非剥離位置
とに選択的に変位が出来るようになっている。

【００４８】図１０において，上記印字手段８，上記感
熱孔版印刷用マスタ搬送手段４，上記感熱孔版印刷用マ
スタ切断手段６，上記感熱孔版印刷用マスタ貯容手段７
等から構成される製版装置は製版前の初期状態である。
このような製版前の初期状態では，上記係止部材３ａは
磁力により，上記感熱孔版印刷用マスタ搬送手段４の上
記無端搬送ベルト４ａに設けられた上記溝４ｄに磁力に
より圧着して収められており，反対側の上記版胴１には
上記感熱孔版印刷用マスタ係止手段３の上記係止部材３
ａ以外の部分が位置している。上記スライダー３ｄは，
製版時位置Ｅの状態にあり（図４を参照），いつでも上
記係止部材３ａを受け入れられる状態にある。

【００４９】次に，図示しない製版開始のスイッチがオ
ンされると，図示しない駆動モータの回転駆動により，
上記駆動ローラ４ｂが図示の矢印Ｍ方向の反時計回りに
回転駆動され，上記無端搬送ベルト４ａも図示の矢印Ｎ
方向の反時計回りに回転駆動される。上記無端搬送ベル
ト４ａが回転駆動される時は，上記感熱孔版印刷用マス
タ貯容手段７内のロール形状の上記感熱孔版印刷用マス
タ２が巻かれた上記軸７ａに設けられている図示しない
電磁クラッチにつながっており，上記軸７ａに巻かれた
ロール形状の上記感熱孔版印刷用マスタ２は回動しな
い。

【００５０】上記無端搬送ベルト４ａが回転駆動され
て，上記無端搬送ベルト４ａに設けられた上記溝４ｄに
磁力により収めらて圧着された上記係止部材３ａが，図
示の矢印Ｏの位置の，上記感熱孔版印刷用マスタ切断手
段６の配置された位置に到達すると，図示しない検知セ
ンサによって検知されると，図示しない制御部の指令に
より，上記感熱孔版印刷用マスタ貯容手段７内のロール
形状の上記感熱孔版印刷用マスタ２が巻かれた上記軸７
ａに設けられている図示しない電磁クラッチはオンさ
れ，上記軸７ａに巻かれたロール形状の上記感熱孔版印
刷用マスタ２が，回動を開始して，上記無端搬送ベルト
４ａ上に磁力により固着して確実に張り付られる。

【００５１】上記軸７ａに巻かれたロール形状の上記感
熱孔版印刷用マスタ２が上記無端搬送ベルト４ａ上に張
り付られていく時，上記無端搬送ベルト４ａは磁力によ
りロール形状の上記感熱孔版印刷用マスタ２を吸引し，
上記軸７ａに巻かれたロール形状の上記感熱孔版印刷用
マスタ２が常に上記無端搬送ベルト４ａに押圧されてい
るため，上記感熱孔版印刷用マスタ２が，常に皺の発生
が防止されて上記無端搬送ベルト４ａ上に磁力により固
着され，所定の位置に確実に張り付けることが出来る。

【００５２】次いで，図示しない制御部の信号により，
上記印字手段８の上記サーマルヘッド８ａは選択的に発
熱し，製版が開始される。上記サーマルヘッド８ａが選
択的に発熱して製版が行われて終了し，上記係止部材３
ａが製版前の初期状態の位置に到達した時，上記駆動ロ
ーラ４ｂを駆動していた図示しない駆動モータの回転駆
動を停止し，上記感熱孔版印刷用マスタ貯容手段７内の
ロール形状の上記感熱孔版印刷用マスタ２が巻かれた上
記軸７ａに設けられている図示しない電磁クラッチも停
止し，上記軸７ａに巻かれたロール形状の上記感熱孔版
印刷用マスタ２の回転駆動は停止され，上記感熱孔版印
刷用マスタ切断手段６によって所定のサイズに切断され
る。

【００５３】次に，図示しない移動手段によって，製版
装置の少なくと上記感熱孔版印刷用マスタ搬送手段４
が，図示の矢印Ｐ方向に移動して，上記版胴１に押し付
けられる。上記感熱孔版印刷用マスタ搬送手段４が上記
版胴１に押し付けられると，上記係止部材３ａの前後端
側に固着されている上記固定ピン３ａ₁が，上記クラン
プ基台上３ｂの上記穴３ｂ₁，上記スライダー３ｄの上
記長穴３ｄ₅，上記クランプ基台下３ｃの上記穴３ｃ₅等
に挿入され，上記係止部材３ａと上記クランプ基台上３
ｂによって，上記係止部材３ａに磁力により固着された
上記感熱孔版印刷用マスタ２が挟み込まれ，上記スライ
ダー３ｄを製版時位置Ｅの状態に保っていた図示しない
押圧手段は解除され標準位置Ｃに戻る（図２乃至図４を
参照）。

【００５４】この時，上記係止部材３ａの前後端側に固
着されている上記固定ピン３ａ₁の上記溝３ａ₂は，上記
スライダー３ｄの長穴３ｄ₁に挟み込まれており，上記
係止部材３ａは，上記版胴１に固定された上記感熱孔版
印刷用マスタ係止手段３の上記クランプ基台上３ｂや上
記クランプ基台下３ｃ等に固定されている。次に，上記
係止部材３ａが上記感熱孔版印刷用マスタ係止手段３に
固定された状態のままで，上記版胴１は図示の矢印Ｑ方
向の時計回りに回転駆動を開始し，上記感熱孔版印刷用
マスタ２が上記版胴１の上記外周面１ｂへの巻き換えが
行われる。

【００５５】上記駆動ローラ４ｂを駆動していた図示し
ない駆動モータの回転駆動を停止し，上記無端搬送ベル
ト４ａは，実質的には従動する。上記版胴１が，上記感
熱孔版印刷用マスタ２を全て巻き終わると，図示しない
移動手段により，製版装置の少なくと上記感熱孔版印刷
用マスタ搬送手段４が，図示の矢印Ｐの逆方向に移動し
て，再び初期状態の位置に戻る。上記無端搬送ベルト４
ａは，上記溝４ｄが初期状態の位置まで再び回転駆動さ
れて停止して，その位置で待機する。

【００５６】次ぎに，上記版胴１が図示しない矢印Ｑ方
向に回転されて，上記感熱孔版印刷用マスタ２を全て巻
き終わると，他方では，上記版胴１の下方に配置されて
いる上記プレスローラ１２は，これと図示しない矢印Ｑ
方向に回転する円筒上の上記版胴１の上記外周面１ｂと
の間に送られてくる上記印刷用紙１３を，上記版胴１の
上記外周面１ｂに巻き付け保持されている上記感熱孔版
印刷用マスタ２へ向けて，図示の矢印Ｆ方向に押し付け
られて，これにより上記印刷用紙１３に印刷画像が形成
されて印刷が行われてから，上記印刷用紙１３は図示の
矢印Ｒ方向に排紙されて収納される。

【００５７】次ぎに，上記版胴１の上記外周面１ｂ上の
上記係止部材３ａが初期状態の位置に移動すると，図示
しない移動手段によって，製版装置の少なくと上記感熱
孔版印刷用マスタ搬送手段４が，図示の矢印Ｐ方向に移
動して，上記版胴１に押し付けてから，図示しない移動
手段が解除されて，上記スライダー３ｄの上記突出部３
ｄ₄が製版時位置Ｅに落ち着くものである（図４を参
照）。そして再び図示しない移動手段により，上記感熱
孔版印刷用マスタ搬送手段４が，図示の矢印Ｐ方向の逆
方向に移動して上記版胴１から隔離される際には，上記
係止部材３ａは上記無端搬送ベルト４ａの外周側に設け
られ上記溝４ｄに磁力により移動して圧着する。

【００５８】次の排版時に，上記版胴１は図示の矢印Ｑ
方向の逆方向の反時計回りに回転し，上記感熱孔版印刷
用マスタ２の後端部が上記排版ローラ５ａが上記版胴１
の上記外周面１ｂに当接する位置の直前に到達したこと
を図示しない検知センサーが検知して，上記感熱孔版印
刷用マスタ排版手段５が，上記軸５ｄを回転中心に変位
して非剥離位置から剥離位置に変位する。

【００５９】ここから図示しない駆動モータが上記軸５
ａ₁と上記軸５ｂ₁とを連結した図示しない回転伝達部材
を駆動し，上記排版ローラ５ａと上記排版ローラ５ｂと
が回動し始めると，上記感熱孔版印刷用マスタ２は後端
部から剥離され，上記収納ボックス５ｆに収納される。
この時，上記排版ローラ５ａは磁力を有している為に，
使用済み上記感熱孔版印刷用マスタ２を，上記版胴１の
上記外周面１ｂから磁力により確実に剥離することがで
きる。

【００６０】上記版胴１の図示の矢印Ｓの位置は，上記
外周面１ｂ上に上記インキ９が通過して供給される開口
部１ａが設けてある境であり，上記感熱孔版印刷用マス
タ２を図示の矢印Ｓの位置まで剥離したところで，上記
感熱孔版印刷用マスタ排版手段５が，上記軸５ｄを回転
中心に変位して剥離位置から非剥離位置に変位する。上
記感熱孔版印刷用マスタ２を全て上記収納ボックス５ｆ
に収納したところで，上記排版ローラ５ａと上記排版ロ
ーラ５ｂは回転駆動していた図示しない駆動モータがオ
フされて，その回転が停止する。上記版胴１は，引き続
き回動し，上記版胴１の上記外周面１ｂ上の上記感熱孔
版印刷用マスタ係止手段３が初期状態の位置に戻ってか
ら停止して，次ぎの工程の製版の為に待機する。

【００６１】

【実施例】以下に本発明の上記感熱孔版印刷用マスタ２
を実施例により説明するが，本発明はこれにより限定さ
れるものではない。 実施例１ 塩ビ／酢ビ共重合樹脂（軟化温度１５０℃） ３重量部 フェライト粉末 １０重量部 溶媒（酢エチ） ８７重量部 を良く分散し，厚さ１．５μの熱可塑性樹脂フイルムに
塗工して乾燥後の付着量の厚さは，６μのロール状の上
記感熱孔版印刷用マスタ２を得ることが出来た。

【００６２】実施例２ 厚さ１．５μの熱可塑性樹脂フイルムに，主として０．
１デニールと０．１デニールのポリエステル繊維の混合
物よりなる，厚さ２０μ，重さ８ｇ／ｍ²の不織布を塩
ビ／酢ビ系接着剤で貼り合わせた。実施例１で使用した
磁性体を含む液を不織布側から塗工し乾燥後の付着量１
９ｇ／ｍ²ロール状の上記感熱孔版印刷用マスタ２を得
ることが出来た。

【００６３】

【発明の効果】本発明は，以上説明したように構成され
ているので，請求項１の発明によれば，熱可塑性樹脂フ
イルムと磁性体を一体化したので，磁力により固着され
て各印刷工程の所定の位置に確実に搬送することが可能
な感熱孔版印刷用マスタを提供することができる。

【００６４】請求項２の発明によれば，版胴の開口部を
有する外周面に熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化
した感熱孔版印刷用マスタを感熱孔版印刷用マスタ係止
手段で係止して保持するようにしたので，熱可塑性樹脂
フイルムと磁性体を一体化した感熱孔版印刷用マスタを
磁力により固着した簡単な装置で各印刷工程の所定の位
置に確実に搬送して高品質の印刷を得る軽くて小型の孔
版印刷装置を提供することができる。

【００６５】請求項３の発明によれば，版胴の開口部を
有する外周面に熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化
した感熱孔版印刷用マスタを感熱孔版印刷用マスタ係止
手段の係脱可能な係止部材の磁力によって挟み込むと共
に係止部材を係止するようにしたので，熱可塑性樹脂フ
イルムと磁性体を一体化した感熱孔版印刷用マスタを磁
力により固着した簡単な装置で確実に保持する共に確実
に係止して印刷工程の所定の位置に確実に搬送して高品
質の印刷を得る軽くて小型の孔版印刷装置を提供するこ
とができる。

【００６６】請求項４の発明によれば，版胴の開口部を
有する外周面に熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化
した感熱孔版印刷用マスタと磁性材料からなる係止部材
を感熱孔版印刷用マスタ搬送手段の磁力による吸引で搬
送して感熱孔版印刷用マスタ係止手段で係止して保持す
るようにしたので，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一
体化した感熱孔版印刷用マスタを磁力により固着した簡
単な装置で確実に保持して各印刷工程の所定の位置に確
実に搬送して高品質の印刷を得る軽くて小型の孔版印刷
装置を提供することができる。

【００６７】請求項５の発明によれば，版胴の開口部を
有する外周面から熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体
化した感熱孔版印刷用マスタを感熱孔版印刷用マスタ排
版手段の磁力による吸引で剥離するようにしたので，熱
可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した感熱孔版印刷
用マスタを磁力により固着した簡単な装置で確実に剥離
されて所定の位置に確実に搬送して高品質の印刷を得る
軽くて小型の孔版印刷装置を提供することができる。

【００６８】請求項６の発明によれば，版胴の開口部を
有する外周面に熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化
した感熱孔版印刷用マスタを感熱孔版印刷用マスタ切断
手段で所定のサイズに切断してから感熱孔版印刷用マス
タ搬送手段で搬送するようにしたので，熱可塑性樹脂フ
イルムと磁性体を一体化した感熱孔版印刷用マスタを磁
力により固着された簡単な装置で確実なサイズに切断さ
れてから所定の位置に確実に搬送して高品質の印刷を得
る軽くて小型の孔版印刷装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態例を示す感熱孔版印刷用マ
スタ及びそれを使用する孔版印刷装置の概略を説明する
説明図である。

【図２】本発明の実施の形態例を示す孔版印刷装置の要
部を説明する展開斜視図である。

【図３】本発明の実施の形態例を示す孔版印刷装置の他
の要部の状態を説明する斜視図である。

【図４】本発明の実施の形態例を示す孔版印刷装置の他
の要部の他の状態を説明する斜視図である。

【図５】本発明の実施の形態例を示す感熱孔版印刷用マ
スタ及びそれを使用する孔版印刷装置の他の要部を説明
する断面図である。

【図６】本発明の実施の形態例を示す感熱孔版印刷用マ
スタ及びそれを使用する孔版印刷装置の他の要部を説明
する説明図である。

【図７】本発明の実施の形態例を示す孔版印刷装置の他
の要部を説明する説明図である。

【図８】本発明の実施の形態例を示す感熱孔版印刷用マ
スタ及びそれを使用する孔版印刷装置の他の要部を説明
する説明図である。

【図９】本発明の実施の形態例を示す孔版印刷装置の他
の要部を説明する斜視図である。

【図１０】本発明の実施の形態例を示す感熱孔版印刷用
マスタ及びそれを使用する孔版印刷装置の動作の概略を
説明する説明図である。

【符号の説明】

１ 版胴 １ａ 開口部 １ｂ 外周面 １ｃ
支軸 １ｄ 供給口 １ｅ 内周面 ２ 感熱孔版印刷用
マスタ ２ａ 先端部 ２ｂ 後端部 ３ 感熱孔版印刷用
マスタ係止手段 ３ａ 係止部材 ３ａ₁ 固定ピン ３ａ₂ 溝 ３ｂ クランプ基台上 ３ｂ₁ 穴 ３ｂ₂ 樹脂部 ３ｂ₃ 剛体部 ３ｃ クランプ基台下 ３ｃ₁ ス
ライダー案内部 ３ｃ₂ ピン ３ｃ₃ ストッパ ３ｃ₄ 溝 ３
ｃ₅ 貫通穴 ３ｄ スライダー ３ｄ₁ 長穴 ３ｄ₂ 係合穴2 ３ｄ₃ スライダーストッパ ３ｄ₄ 突出部 ３ｄ
₅ 長穴 ４ 感熱孔版印刷用マスタ搬送手段 ４ａ 無端搬送
ベルト ４ｂ 駆動ローラ ４ｂ₁ 軸 ４ｃ 従動ローラ ４ｃ₁ 軸 ４ｄ 溝 ５ 感熱孔版印刷用マスタ
排版手段 ５ａ 排版ローラ ５ａ₁ 軸 ５ｂ 排版ローラ
５ｂ₁ 軸 ５ｃ アーム ５ｄ 軸 ５ｅ 剥離部材 ５ｆ
収納ボックス ５ｇ 収納開口部 ６ 感熱孔版印刷用マスタ切断手
段 ７ 感熱孔版印刷用マスタ貯容手段 ７ａ 軸 ７ｂ
スプリング ７ｃ 電磁クラッチ ８ 印字手段 ８ａ サーマ
ルヘッド ８ｂ サーマルヘッド基台 ８ｃ 支軸 ８ｄ 係
合ピン ８ｅ スプリング ９ インキ ９ａ インキ溜め １０ インキ供給手段 １０ａ インキローラ １
０ａ₁ 外周面 １０ｂ ドクタローラ １０ｂ₁ 外周面 １１
段差解消部材 １２ プレスローラ １３ 印刷用紙 １４ 固定
部 １５ 固定部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化
   したことを特徴とする感熱孔版印刷用マスタ。
2. 【請求項２】 感熱孔版印刷用マスタを使用して印刷す
   る孔版印刷装置において，回転可能に支持された版胴
   と，前記版胴の開口部を有する外周面に熱可塑性樹脂フ
   イルムと磁性体を一体化した感熱孔版印刷用マスタを係
   止して保持する感熱孔版印刷用マスタ係止手段を有する
   ことを特徴とする孔版印刷装置。
3. 【請求項３】 請求項２記載の孔版印刷装置において，
   前記感熱孔版印刷用マスタ係止手段は，係脱可能な係止
   部材によって熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化し
   た前記感熱孔版印刷用マスタを挟み込んで保持すると共
   に前記係止部材を係止することを特徴とする孔版印刷装
   置。
4. 【請求項４】 請求項２又は３記載の孔版印刷装置にお
   いて，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した前記
   感熱孔版印刷用マスタと磁性材料からなる前記係止部材
   を，磁力により吸引して前記版胴の前記開口部を有する
   前記外周面に搬送する感熱孔版印刷用マスタ搬送手段を
   有することを特徴とする孔版印刷装置。
5. 【請求項５】 請求項２，３又は４記載の孔版印刷装置
   において，熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した
   前記感熱孔版印刷用マスタを，磁力により前記版胴の前
   記開口部を有する前記外周面から剥離する感熱孔版印刷
   用マスタ排版手段を有することを特徴とする孔版印刷装
   置。
6. 【請求項６】 請求項２，３，４又は５記載の孔版印刷
   装置において，前記感熱孔版印刷用マスタ搬送手段は，
   熱可塑性樹脂フイルムと磁性体を一体化した前記感熱孔
   版印刷用マスタを先端部又は後端部を感熱孔版印刷用マ
   スタ切断手段によって所定のサイズに切断して搬送する
   ことを特徴とする孔版印刷装置。