JPH09262317A - スリーピースソリッドゴルフボール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドスピードの高低にかかわらず、安定し
た性能を確実に発揮することができる。 【解決手段】 ソリッドコアと中間層とカバーとの３層
構造からなるスリーピースソリッドゴルフボールにおい
て、ＪＩＳ−Ｃ型硬度計での測定で、コア表面硬度がコ
ア中心硬度より８度以上高硬度で、中間層硬度がコア表
面硬度より高く、かつカバー硬度が中間層硬度より高い
と共に、ボール重量が４１〜４４．５ｇの範囲であるこ
とを特徴とするスリーピースソリッドゴルフボール。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ソリッドコアと中
間層とカバーとの３層構造からなるスリーピースソリッ
ドゴルフボールに関し、更に詳述すると、コアの硬度分
布と、コア、中間層及びカバーを含めたボール全体の硬
度分布を適正化すると共に、ボール重量を軽量化するこ
とにより、低ヘッドスピード域から高ヘッドスピード域
で飛距離の増大及びフィーリングの向上を図ることがで
き、ヘッドスピードの高低にかかわりなく多くのプレー
ヤーが好適に使用することができるスリーピースソリッ
ドゴルフボールに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、種々の構造のゴルフボールが市場にでており、中で
もゴムを基材とするコアをアイオノマー樹脂等からなる
カバーで被覆したツーピースソリッドゴルフボールと、
ソリッド又はリキッドセンターに糸ゴムを巻回した糸巻
きコアをカバーで被覆した糸巻きゴルフボールとが市場
の大半を占めている。

【０００３】上記ツーピースソリッドゴルフボールは、
優れた飛び性能及び耐久性を有することから、多くの一
般ゴルファーに使用されているが、打感が非常に硬く感
じられ、また、打撃時の球離れの速さからコントロール
性能に劣るという欠点を有し、このためプロゴルファー
や上級者は、ツーピースソリッドゴルフボールよりも糸
巻きゴルフボールを使用する人が多い。一方、糸巻きゴ
ルフボールは、フィーリング、コントロール性に優れる
反面、飛距離、耐久性の点でツーピースソリッドゴルフ
ボールに劣るという欠点がある。

【０００４】このようにツーピースソリッドゴルフボー
ルと糸巻きゴルフボールとは、互いに相反する性能を有
しており、プレーヤーは自分の技倆や好みにより使用す
るゴルフボールを選択しているのが現状である。

【０００５】現在、ソリッドゴルフボールにおいて、糸
巻きゴルフボールに近いフィーリングを実現するため、
軟らかいタイプのツーピースソリッドゴルフボールが種
々提案されている。このような軟らかいタイプのツーピ
ースソリッドゴルフボールを得るためには、軟らかいコ
アを用いることになるが、コアを軟らかくすると、反発
性が低下して飛び性能が劣化すると共に、耐久性も著し
く低下し、ツーピースソリッドゴルフボールの特徴であ
る優れた飛び性能及び耐久性が得られないばかりでな
く、実際の使用に耐え難くなる場合があるという問題が
あった。

【０００６】このため、上記問題点を解決すべく、ソリ
ッドコアとカバーとの間に中間層を介在させた３層構造
からなるスリーピースソリッドゴルフボールも種々提案
されている。

【０００７】この場合、上記スリーピースソリッドゴル
フボールによれば、従来のツーピースソリッドゴルフボ
ールの持つ欠点を効果的に解決することができる。即
ち、優れた飛び性能及び耐久性を維持しつつ、打感及び
コントロール性を向上させ得ることができる。

【０００８】しかしながら、上記スリーピースソリッド
ゴルフボールは、対象をヘッドスピードが４５ｍ／ｓｅ
ｃ以上の速いヘッドスピードのゴルファーに絞ったもの
が多く、必然的に上級者レベルのプレーヤーに適したも
のとなっており、ヘッドスピードの速いプレーヤーが使
用した場合には飛距離の増大や良好なフィーリングを得
ることができるが、ヘッドスピードの遅いプレーヤー、
例えば、初級者、レディース、シニアプレーヤー等が同
じゴルフボールを使用しても、インパクト時にボールに
与える力が弱いため、ボールの変形量が小さく、ヘッド
スピードの依存性が大きくなり、飛距離の増大や、良好
なフィーリングが得られない場合がある。また更に、ゴ
ルフ人口の増大により、ボール特性（飛び性能、フィー
リング、コントロール性及び耐久性）に対するプレーヤ
ーの要望も多様化してきており、個々のプレーヤーの力
量や好み等に対応した、特にヘッドスピード依存性の少
ないゴルフボールの開発が望まれている。

【０００９】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、低ヘッドスピード域から高ヘッドスピード域までの
広いヘッドスピード域で、飛距離の増大及びフィーリン
グの向上を図ることができ、ヘッドスピードの高低にか
かわりなく多くのプレーヤーが好適に使用することがで
きるゴルフボールを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ね
た結果、ソリッドコアと中間層とカバーとの３層構造か
らなるスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、コ
ア表面硬度をコア中心硬度よりも高くしコアの硬度分布
を適正化すると共に、中間層硬度をコア表面硬度より高
く、カバー硬度を中間層硬度より高く形成すると共に、
ボール重量を軽量化することにより、低ヘッドスピード
での打撃でも高弾道及び高反発性が得られるボール構造
となり、特に低ヘッドスピードのプレーヤーがドライバ
ー等でフルショットした場合の飛び性能及びフィーリン
グを飛躍的に向上させることができ、ヘッドスピード依
存性の極めて少ないソリッドゴルフボールが得られるこ
とを知見した。

【００１１】即ち、ソリッドコアと中間層とカバーとの
３層構造からなるスリーピースソリッドゴルフボールに
おいて、ＪＩＳ−Ｃ型硬度計での測定で、コア表面硬度
をコア中心硬度より８度以上高硬度に、中間層硬度をコ
ア表面硬度より高く、かつカバー硬度を中間層硬度より
高く形成すると共に、ボール重量が４１〜４４．５ｇと
軽量化することにより、最適な硬度分布を有するコア
が形成でき、インパクト時のボール変形において、コア
中心より硬く形成されたコア表面によりコアの変形過多
を効果的に防止し、かつ歪みエネルギーを効率良く反発
エネルギーに置換し得、飛距離が増大すると共に、低ヘ
ッドスピードでの打撃でも軟らかいコア中心部により十
分な反発性及び軟らかい良好な打感を得ることができ、
かつこのコアをそれよりも硬い中間層、この中間層より
も更に硬いカバーで順次被覆することによりボール全体
が最適な硬度分布となり、打撃時の変形過多によるエネ
ルギーロスを最小限に抑え、効率的な反発性を有するゴ
ルフボールが得られることを知見した。また更に、ボ
ール重量を軽量化することにより、揚力が効果的に作用
して低ヘッドスピードでの打撃でも球が上がり易く高弾
道となること、及び、カバー硬度を中間層硬度及びコ
ア表面硬度よりも高く形成することにより、特に中、高
ヘッドスピード域におけるドライバー等でのフルショッ
ト時のスピン量を適正化することができ、ボールの軽量
化に伴う球のフケ上がりを抑え飛距離の低下を効果的に
防止できることを知見した。

【００１２】本発明者らは、軽量スリーピースソリッド
ゴルフボールの硬度分布を上記の通り設定することによ
り、上記〜の作用効果により、中、高ヘッドスピー
ド打撃時の性能を劣化させることなく、特に低ヘッドス
ピードのプレーヤーがドライバー等でフルショットした
際の飛距離及びフィーリングを飛躍的に向上させること
ができ、ヘッドスピード依存性の極めて少ないゴルフボ
ールが得られることを見い出し、本発明を完成したもの
である。

【００１３】従って、本発明は、ソリッドコアと中間層
とカバーとの３層構造からなるスリーピースソリッドゴ
ルフボールにおいて、ＪＩＳ−Ｃ型硬度計での測定で、
コア表面硬度がコア中心硬度より８度以上高硬度で、中
間層硬度がコア表面硬度より高く、かつカバー硬度が中
間層硬度より高いと共に、ボール重量が４１〜４４．５
ｇの範囲であることを特徴とするスリーピースソリッド
ゴルフボールを提供する。

【００１４】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の軽量スリーピースソリッドゴルフボール１
は、図１に示すように、硬度分布を適正化したソリッド
コア２と、該コア２の表面より硬い中間層３と、この中
間層３より硬いカバー４とからなるものである。

【００１５】本発明のスリーピースソリッドゴルフボー
ル１は、上述のように、ボール重量を４１〜４４．５ｇ
としたものであり、好ましくは４２〜４４ｇ、より好ま
しくは４３〜４４ｇとするものである。この場合、ボー
ル重量が４１ｇ未満では、打感は良好となるものの、飛
行中に風の影響を受けやすくなる上、バックスピンによ
り生じる揚力でボールがフケ上がり、更に、慣性力が小
さすぎて十分な飛距離が得られない場合がある。一方、
４４．５ｇを超えると従来のスリーピースソリッドゴル
フボールと大差がなくなり、揚力による高弾道が得られ
ずに低ヘッドスピードでの打撃に対して良好な性能が得
られなくなり、本発明の趣旨に反するものとなる。

【００１６】また、本発明のソリッドゴルフボール１
は、上記ボール重量条件を満たした上で、ソリッドコア
２の硬度分布を適正化する。即ち、ＪＩＳ−Ｃ型硬度計
での測定（以下、ＪＩＳ−Ｃ硬度という）で、コア表面
硬度をコア中心硬度より８度以上、好ましくは８〜２０
度、より好ましくは９〜１７度高く形成する。硬度差が
８度未満では良好なフィーリングと高反発性を共に満足
させることができない場合がある。このようにコアの表
面と中心の硬度差を設けた硬度分布とすることにより、
インパクト時のボール変形において、中心より硬く形成
した表面により、コアの変形過多を効果的に防ぐと共
に、歪みエネルギーを効率的に反発エネルギーに置換で
きる。また更に、コア表面より軟らかいコア中心部によ
り低ヘッドスピード域でも十分な変形量が得られ良好な
反発性が生じると共に、フィーリングを効果的に向上さ
せることができる。

【００１７】なお、上記ソリッドコア２の硬度分布は、
上述したようにコア表面をコア中心より８度以上硬く形
成すれば制限されないが、特に、コア表面から中心に向
かって漸次軟らかくなるように形成することが効率的な
エネルギー伝搬の点から好ましい。

【００１８】またこの場合、コア２の表面硬度と中心硬
度は、上記硬度差の範囲内であればよく特に制限される
ものではないが、コア表面硬度はＪＩＳ−Ｃ硬度で８０
度以下、特に６０〜８０度に形成することが好ましい。
コア表面硬度が８０度を超えるとコアが硬くなり過ぎ、
フィーリングが悪くなる。一方、６０度未満ではコアが
軟らかくなり過ぎ、ボールの反発性と耐久性が共に低下
する場合がある。なお、コア中心硬度はＪＩＳ−Ｃ硬度
で４０〜８０度、特に４５〜７５度に形成することが好
ましい。

【００１９】上記ソリッドコアの比重は特に制限される
ものではないが、１．０２〜１．２、特に１．０２〜
１．１５であることが好ましく、またソリッドコアの直
径、コア全体の硬度、重量等は、特に制限されず本発明
の目的を達成し得る範囲で適宜調整することができる
が、通常はソリッドコアの直径は３７〜４１ｍｍ、特に
３８〜４０ｍｍ、コア全体の硬度は１００ｋｇ荷重負荷
時の変形量で２．５〜５ｍｍ、特に２．８〜５ｍｍ、重
量は２７〜４０ｇ、特に３０〜３７ｇとすることができ
る。

【００２０】本発明においてソリッドコアを形成するた
めのコア用組成物としては、特に制限されず、通常ソリ
ッドコアの形成に用いられるゴム基材、架橋剤、共架橋
剤、不活性充填剤等を用いて形成することができる。こ
の場合、ゴム基材としては従来からソリッドゴルフボー
ルに用いられている天然ゴム及び／又は合成ゴムを使用
することができるが、本発明においては、シス構造を少
なくとも４０％以上有する１，４−シス−ポリブタジエ
ンが特に好ましい。この場合、所望により該ポリブタジ
エンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジ
エンゴム等を適宜配合してもよい。また、架橋剤として
はジクミルパーオキサイドやジ−ｔ−ブチルパーオキサ
イド、１，１−ビス（ｔ−ブチルパーオキシ）３，３，
５−トリメチルシクロヘキサンのような有機過酸化物等
が例示されるが、特に好ましくはジクミルパーオキサイ
ドと１，１−ビス（ｔ−ブチルパーオキシ）３，３，５
−トリメチルシクロヘキサンのブレンド物である。この
場合、ソリッドコアが上記硬度分布を持つように形成す
るには、架橋剤としてジクミルパーオキサイドと１，１
−ビス（ｔ−ブチルパーオキシ）３，３，５−トリメチ
ルシクロヘキサンをブレンドして用い、１６０℃で２０
分間加硫する方法等が採用することができ、加硫温度、
加硫時間を適宜変化させることによりコア中心硬度と表
面硬度の差を変化させることができる。

【００２１】また、共架橋剤としては特に制限されず、
不飽和脂肪酸の金属塩、特に、炭素原子数３〜８の不飽
和脂肪酸（例えばアクリル酸、メタクリル酸等）の亜鉛
塩やマグネシウム塩が例示されるが、アクリル酸亜鉛が
特に好適である。なお、架橋剤の配合量は適宜設定さ
れ、通常はゴム基材成分１００重量部に対して、０．５
〜３重量部程度とされる。更に、不活性充填剤としては
酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム及び
炭酸亜鉛等が例示されるが、酸化亜鉛、硫酸バリウムが
一般的であり、その配合量はコアとカバーの比重、ボー
ルの重量規格等に左右され、特に制限されないが、通常
はゴム基材１００重量部に対して４０重量部以下であ
る。なお、本発明においては上記架橋剤や酸化亜鉛、硫
酸バリウム等の充填剤の配合割合を適宜調整することに
より、コア全体の硬度及び重量を最適値に調整すること
ができる。

【００２２】上記成分を配合して得られるコア用組成物
は通常の混練機、例えばバンバリーミキサーやロール等
を用いて混練し、コア用金型で圧縮又は射出成形し、成
形体を上述した温度条件で加熱硬化して最適の硬度分布
を持つ本発明のソリッドコアを調製することができる。

【００２３】次に、上記コア２を被覆する中間層３は、
コア表面硬度よりも高く形成される。この場合、中間層
硬度はコア表面硬度より２〜１５度、好ましくは５〜１
０度高く形成することができる。また、中間層硬度は、
コア表面硬度よりも高ければよく、特に制限されるもの
ではないが、ＪＩＳ−Ｃ硬度で６５〜８５度、特に６８
〜８０度に形成することが好ましい。中間層硬度が６５
度未満ではボール全体として軟らかくなりすぎ、十分な
反発性が得られなくなる場合があり、一方、８５度を超
えると中間層が硬くなりすぎ、フィーリングが悪くなる
場合がある。

【００２４】また、中間層３の厚さ、比重等は、本発明
の目的を達成し得る範囲で適宜調整することができ、厚
さは０．２〜２．５ｍｍ、特に０．５〜２．３ｍｍ、比
重は０．９〜１．３、特に０．９５〜１．２とすること
ができる。

【００２５】上記中間層３は、軟らかく形成したソリッ
ドコアの反発性の低下を補うためのもので、上述した硬
度範囲内で、反発性に優れた材質を用いて形成すること
ができ、具体的にはハイミラン１６０１，１５５７（三
井・デュポンポリケミカル（株）製）、サーリン８１２
０（デュポン社製）、ハイトレル４７６７（東レ・デュ
ポン（株）製）等のアイオノマー樹脂を含む熱可塑性樹
脂が好ましく用いられる。この場合、上記アイオノマー
樹脂を含む熱可塑性樹脂に重量調整剤として酸化亜鉛、
硫酸バリウム等の無機充填剤や着色のために二酸化チタ
ン等の添加剤を添加することができる。

【００２６】中間層３を被覆するカバー４は、スピン量
を適度に抑制して軽量化によるボールのフケ上がりを抑
える点から中間層よりも硬く形成される。この場合、カ
バー硬度は中間層硬度より２〜１５度、特に５〜１０度
高く形成することが好ましい。硬度差が２度未満ではス
ピン量を抑えることができず、ボールがフケ上がってし
まう場合があり、一方、１５度を超えるとカバーが硬く
なりすぎて打感が悪くなる場合がある。また、カバー硬
度は中間層硬度よりも高ければよく、特に制限されるも
のではないが、ＪＩＳ−Ｃ硬度が７５〜９０度、好まし
くは７５〜８５度に形成する。カバー硬度が７５度未満
ではカバーとしては軟らか過ぎるために反発性が低下す
ると共に、スピン量が増加してボールのフケ上がりを生
じて飛距離の低下を招く場合がある。一方、９０度を超
えるとカバーが硬くなりすぎてフィーリング、耐久性共
に悪くなる場合がある。

【００２７】なお、カバー４の厚さ、比重等は、本発明
の目的を達成し得る範囲で適宜調整することができ、厚
さは０．２〜２．５ｍｍ、特に０．５〜２．３ｍｍ、比
重は０．９〜１．２、特に０．９５〜１．１５であるこ
とが好ましい。また、中間層とカバーとを合計した厚さ
は２ｍｍ以上、特に２．２〜４．２ｍｍであることが好
ましい。

【００２８】上記カバーを形成する材料は特に制限され
ず、ゴルフボールのカバー材として好適な公知の材料で
形成することができ、例えばアイオノマー樹脂、ポリエ
ステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等を単独
で、或いはこれらの樹脂にウレタン系樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等を混合した樹脂混合物を用いるこ
とができるが、特にアイオノマー樹脂が好ましく、２種
以上のアイオノマー樹脂を組合わせて用いることもでき
る。

【００２９】更に、上記カバー材には必要に応じてＵＶ
吸収剤、酸化防止剤、金属石鹸等の分散助剤などを添加
することもできる。なお、カバーを被覆する方法は特に
制限されず、通常は予め半球状に成形した２枚のカバー
でコアを包み加熱加圧成形するか、カバー材を射出成形
してコアを包みこんでもよい。

【００３０】このようにして得られたゴルフボールは、
常法に従って上記カバー表面にディンプルを成形するこ
とができ、また成形した後、その表面に対しバフ研磨、
塗装、スタンプ等の仕上げ作業を行うことができる。

【００３１】本発明のスリーピースソリッドゴルフボー
ルは、以上の構成を有するが、ボール全体の直径はゴル
フ規則に従い、４２．６７ｍｍ以上とすることができ
る。

【００３２】本発明のゴルフボールは、上述のように、
中、高ヘッドスピードのプレーヤーは勿論、低ヘッドス
ピードのプレーヤーでも優れた性能を発揮し得るように
したものであるが、ここで低ヘッドスピードとは、クラ
ブとしてドライバー（＃Ｗ１）を用いた場合のヘッドス
ピードが３５ｍ／ｓｅｃ以下の場合をいい、本発明のゴ
ルフボールはこのような低ヘッドスピード、特にヘッド
スピードが３５ｍ／ｓｅｃ程度のプレーヤーでも良好な
飛距離及びフィーリングが得られるヘッドスピード依存
性の極めて少ないものである。

【００３３】

【発明の効果】本発明のスリーピースソリッドゴルフボ
ールは、中、高ヘッドスピード打撃時の性能を劣化させ
ることなく、特に低ヘッドスピードのプレーヤーがドラ
イバー等でのフルショットした際の飛び性能及び打感を
向上させることができ、ヘッドスピードの高低にかかわ
りなく、良好な性能が確実に得られるものである。

【００３４】

【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。

【００３５】［実施例、比較例］表１に示した配合処方
によるソリッドコア用ゴム組成物を混練し、実施例１〜
４、及び比較例１は１６０℃で２０分間の条件で加硫
し、比較例２は１２０℃で８０分間の条件で加硫し、各
リッドコアを成形した。得られたコアにつき、ＪＩＳ−
Ｃ硬度、比重を測定し、結果を表２に示した。なお、コ
アのＪＩＳ−Ｃ硬度はコアを半分に切断し、その中心部
の硬度（中心硬度）と、コア表面（球面）硬度（表面硬
度）を測定した（測定値は５点の平均値である）。

【００３６】次に、表１に示した中間層及びカバー組成
物をそれぞれ混練し、上記ソリッドコア及び中間層に順
次射出成形により被覆して、表２に示したスリーピース
ソリッドゴルフボールを得た。このとき、中間層及びカ
バーを成形する毎に中間層及びカバーのＪＩＳ−Ｃ硬度
を測定した。結果を表２に記載する。なお、表１のコ
ア、中間層及びカバーの各成分の配合量はすべて重量部
である。

【００３７】

【表１】

【００３８】得られた各ゴルフボールについて、下記方
法により、飛び性能、及び打感を評価した。結果を表２
に併記する。飛び性能 ツルー・テンパー（Ｔｒｕｅ Ｔｅｍｐｅｒ）社製の打
撃マシンを用い、クラブはドライバー（＃Ｗ１）を用い
てヘッドスピード４０ｍ／ｓｅｃ（ＨＳ４０）と３５ｍ
／ｓｅｃ（ＨＳ３５）でそれぞれ実打した時のスピン、
キャリー、トータル距離、アングルを測定した。打感 ヘッドスピード４０ｍ／ｓｅｃ（ＨＳ４０）と３５ｍ／
ｓｅｃ（ＨＳ３５）のプレーヤー５名により実打しても
らい、下記基準で判定した。 ○：軟らかい △：普通 ×：硬い

【００３９】

【表２】

【００４０】表２の結果から、比較例１はボール重量が
重いために、低弾道となり飛距離が十分にでないもので
ある。また、比較例２はコア表面とコア中心の硬度差が
３度と小さく、コアの硬度分布が適正化されていないた
めに飛距離が十分でず、打感も劣るものである。

【００４１】これに対して、本発明のゴルフボールは、
ＨＳ４０，ＨＳ３５のいずれのヘッドスピードでもドラ
イバーでのフルショット時に、飛距離が増大すると共
に、打感も良好であることが確認できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスリーピースソリッドゴルフボールの
一実施例を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１ ゴルフボール ２ ソリッドコア ３ 中間層 ４ カバー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ソリッドコアと中間層とカバーとの３層
   構造からなるスリーピースソリッドゴルフボールにおい
   て、ＪＩＳ−Ｃ型硬度計での測定で、コア表面硬度がコ
   ア中心硬度より８度以上高硬度で、中間層硬度がコア表
   面硬度より高く、かつカバー硬度が中間層硬度より高い
   と共に、ボール重量が４１〜４４．５ｇの範囲であるこ
   とを特徴とするスリーピースソリッドゴルフボール。
2. 【請求項２】 コア表面硬度がＪＩＳ−Ｃ型硬度計での
   測定で８０度以下である請求項１記載のスリーピースソ
   リッドゴルフボール。
3. 【請求項３】 カバー硬度がＪＩＳ−Ｃ型硬度計での測
   定で７５〜９０度である請求項１又は２記載のスリーピ
   ースソリッドゴルフボール。
4. 【請求項４】 中間層が熱可塑性樹脂を主材としてなる
   請求項１乃至３のいずれか１項に記載のスリーピースソ
   リッドゴルフボール。
5. 【請求項５】 コアがシス−１，４−ポリブタジエンを
   主成分とするゴム基材から形成され、比重が１．０２〜
   １．２である請求項１乃至４のいずれか１項に記載のス
   リーピースソリッドゴルフボール。