JPH09262191A - 立上り補助装置付き便座装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 高齢者または足腰の弱い人でも苦労なく立上
ることができる便座装置を提供すること。 【解決手段】 便座２に、ばね１を組み込み、人がこの
便座から立上る際に便座がばね１の力によって回動し、
人の体重を支えることができる。また肘掛５があるの
で、立上り動作が容易にできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洋式便器、和式の
腰掛便器等に用いられる便座に関するものであり、用便
後立上る際の力を軽減できるような補助力を与える装置
である。

【０００２】

【従来の技術】従来の便座は、便座のみ、または便座と
蓋とがヒンジピンによって枢着されていて、上下に回動
できる機構になっている。しかし、これ等の便座で用を
達した後、高齢者または足腰の弱くなってきた人達は周
囲の手摺り等につかまって自力で立上る以外に立上る動
作を助ける手段はなかった。したがって、自力で立上る
ことができない時は第三者の介助を必要とする。介助者
が得られない場合、自力で立上るのが困難な者は、生理
的要求に対して心身的、肉体的苦痛を耐えなければなら
なかった。また、介助者も介助のために自分の生活の時
間的制約を受け、介助を受ける人と同様な心身的、肉体
的苦痛を避けることはできなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、便座に耐久
性の大きいばね、例えば、金属製の板ばね、ネジリば
ね、トーションバースプリング等を有する装置を設け、
自力で立上ることが不自由な人でも耐久性の大きいばね
の弾性を利用することにより立上りが非常に楽に出来る
ようにしようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は特許請求の範囲に記載のとおりの便座
装置である。

【０００５】すなわち、便座にばねを組み込み、人がこ
の便座から立上る際に便座が回動することによって体重
を支え、立上り動作を補助する機能を有する便座装置で
ある。

【０００６】この便座装置は、背もたれ機能を有する蓋
を備えていてもよく、更に、肘掛、脚部等を備えていて
もよい。脚部には上下アジャスターを備えていてもよ
い。

【０００７】本発明の便座装置に用いられるばねは板ば
ね、コイルばね、トーションバースプリング等があり、
その材料は弾性が充分あれば何でもよいが、金属製のば
ねが適当である。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を具
体的に説明する。

【０００９】実施例１ 図１ａに示したものは請求項３の本発明の便座装置の一
例の一部裁断説明図である。これは基本的には骨組３に
板ばね１を介して便座２を取りつけ、ヒンジ７を介して
ヒンジピン８によって背もたれ４を有する蓋９を取りつ
けたものである。更に両側に肘掛５を備え、この肘掛は
骨組３と一体になっている肘掛支柱６によって支えられ
ている。

【００１０】この便座装置は、洋式の便器に載せて用い
るものであり座っていた人が立上る時、板バネ１の力に
よって上方へ回動し、体重を支えるので、足が不自由な
人でも自力で容易に立上ることができる。

【００１１】図１ｂは図１ａに示した便座装置の板ばね
１の替りにつる巻ばね１６を用いた例である。この巻ば
ねのパイプ側の端部１８は骨組３のパイプに空けられた
孔に差し込まれて固定し、便座側の端１７は図に示すよ
うに便座の裏側に当てられている。これも巻ばね１６の
付勢力が便座を回動させ、人の体重を支える作用をす
る。

【００１２】実施例２ 図２に示したものは請求項５の本発明の一実施例で、前
脚１０がついた骨組３を有するもので、その他の構成は
実施例１のものと同じである。すなわち、骨組３に板ば
ね１を介して便座２を取付け、ヒンジ７を介してヒンジ
ピン８によって背もたれ４を有する蓋９を備えている。
両側の肘掛５は骨組３および前脚１０と一体になった肘
掛支柱６によって支えられている。また前脚１０には上
下アジャスター１１があるので前脚１０の長さを微調整
できる。

【００１３】この便座装置も洋式便器の上に載せて使用
するが前脚１０があるので安定がよく、また前脚１０に
上下アジャスター１１がついているので床面との接触を
調整することができるので安定性は一層優れている。

【００１４】実施例３ 図３に示したものは請求項４の本発明の一実施例で実施
例１および実施例２の骨組３の替りに便座２と同様の穴
を有する基板１３を備え、この基板に板ばね１を介して
便座２を取付け、ヒンジ７を介して、背もたれ４を有す
る蓋９を取付けたものである。基板１３には前脚１０、
後脚１１、肘掛５、肘掛支柱６が一体になった骨組が取
付けられパイプ椅子のような構成になっている。

【００１５】この便座装置は、通常の便器とは独立して
用いることができるのでベッドパン方式の便器にも用い
ることができる。また、人が便座から立上る時の補助作
用は実施例１および実施例２と同じである。

【００１６】実施例４ 図４は、請求項６の発明の一実施例である。金属製板ば
ね１の一端を便座２の前方に固着し、金属製板ばねの他
端を便座２の骨組３の前方に固着する。骨組３の後方に
２つ折り式の主蓋９−１とこれより幅が狭い従蓋９−２
からなる蓋９の一端部をブラケット（図示せず）とヒン
ジピン（図示せず）を介して回動自在に枢着する。

【００１７】ロッド１４の一端は便座２の右側後方に枢
着し他端はロッド１５の一端と枢着する。ロッド１５の
他端は主蓋９−１と枢着する。主蓋９−１の幅は骨組３
の幅とほぼ同一であり、従蓋９−２の幅は骨組３の幅よ
り狭く、ロッド１の内側に入る構造から成り立ってい
る。通常は蓋９が閉じて便座２が立上っている。従蓋９
−２を主蓋９−１の背面に折り畳む。便座２の上に着座
して体重を乗せると便座２は金属製板ばね１の付勢力に
抗して下降回動し同時にロッド１４を介してロッド１５
は前方に移動し（※２の矢印の反対方向）蓋９は開く
（又は手動により蓋９を開いてもよい）。便座２が骨組
３に当接して停止する。

【００１８】着座していた人が立ち上がると金属製板ば
ね１の付勢力により便座２が上昇回動しロッド１４を介
してロッド１５は後方に移動し（※２の矢印方向）、蓋
９は閉じていく。そして金属製板ばね１の補助力により
着座していた人が容易に立ち上がると同時に蓋９の主蓋
９−１は閉じているので従蓋９−２を手動で閉める。

【００１９】

【発明の効果】以上、説明したように本発明の便座装置
は、便座が回動する力が人が立上る時の体重の支持力に
なり、かつ、肘掛がついているので高齢者または足腰の
弱くなった人々の自力による動作を補助することができ
る。したがって、これ等の人々の苦痛、困難を軽減する
のに極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の便座装置の一具体例を示す一部裁断説
明図。

【図２】前方に脚部と上下アジャスターを有する、本発
明の便座装置の一具体例を示す一部裁断説明図。

【図３】脚を有する、本発明の便座装置の一具体例を示
す一部裁断説明図。

【図４】便座と連動する開閉蓋を有する、本発明の便座
装置の一具体例を示す一部裁断説明図。

【符号の説明】

１ 板ばね ２ 便座 ３ 骨組 ４ 背もたれ ５ 肘掛 ６ 肘掛支柱 ７ ブラケット ８ ヒンジピン ９ 蓋 １０ 前脚 １１ 上下アジャスター １２ 後脚 １３ 基板 １４ ロッド １５ ロッド １６ 巻ばね １７ 巻ばねの便座側端 １８ 巻ばねのパイプ側端 １９ クランク ２０ スライダー

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便座にばねを組み込み、人がこの便座か
   ら立上る際に便座が回動することによって体重を支え、
   立上り動作を補助する機能を有することを特徴とする便
   座装置。
2. 【請求項２】 背もたれ機能を有する蓋を有することを
   特徴とする請求項１記載の便座装置。
3. 【請求項３】 肘掛を有することを特徴とする請求項１
   または２記載の便座装置。
4. 【請求項４】 脚部を有することを特徴とする請求項１
   乃至３の何れかに記載の便座装置。
5. 【請求項５】 脚部に上下アジャスターを有することを
   特徴とする請求項４記載の便座装置。
6. 【請求項６】 便座と蓋とを連結材を介して連結し、便
   座の上下回動に従って蓋が閉開する構成を有することを
   特徴とする請求項１〜５の何れかに記載の便座装置。