JPH0925192A - 単結晶育成用るつぼおよび単結晶育成法 - Google Patents
単結晶育成用るつぼおよび単結晶育成法Info
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- JPH0925192A JPH0925192A JP7196089A JP19608995A JPH0925192A JP H0925192 A JPH0925192 A JP H0925192A JP 7196089 A JP7196089 A JP 7196089A JP 19608995 A JP19608995 A JP 19608995A JP H0925192 A JPH0925192 A JP H0925192A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】CZ法による単結晶育成において異方性の強い
結晶の場合に起き易い非中心対称成長の抑制、原料融液
の蒸発飛散による組成ずれの抑制。 【解決手段】(1)開放端側の径方向外周側領域を閉じ、
且つ中央開口端から底部側に延在して円筒形状の結晶径
制御枠を設けたるつぼ。(2)結晶育成用原料が粉末の場
合に、その原料粉末をプレス加工により、結晶径制御枠
の内径の70ないし90%の直径の棒状に整形し物質により
定まる所定の温度プログラムにより、加熱、溶解しるつ
ぼを満たすことを特徴とする結晶原料のるつぼへの充填
方法。(3)単結晶を育成するに際し、育成結晶の直胴部
の径が結晶径制御枠内径の略75%以下にならないように
制御しながら育成することを特徴とする単結晶育成方
法。
結晶の場合に起き易い非中心対称成長の抑制、原料融液
の蒸発飛散による組成ずれの抑制。 【解決手段】(1)開放端側の径方向外周側領域を閉じ、
且つ中央開口端から底部側に延在して円筒形状の結晶径
制御枠を設けたるつぼ。(2)結晶育成用原料が粉末の場
合に、その原料粉末をプレス加工により、結晶径制御枠
の内径の70ないし90%の直径の棒状に整形し物質により
定まる所定の温度プログラムにより、加熱、溶解しるつ
ぼを満たすことを特徴とする結晶原料のるつぼへの充填
方法。(3)単結晶を育成するに際し、育成結晶の直胴部
の径が結晶径制御枠内径の略75%以下にならないように
制御しながら育成することを特徴とする単結晶育成方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶育成方法に関
し、CZ法による単結晶の製造技術の改良に関する。
し、CZ法による単結晶の製造技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】CZ法(チョクラルスキイ法、引き上げ
法)はSi,Ge,GaAsなどの半導体結晶やサファ
イア、LN(LiNbO5),YAG(Y3Al5O12)
などの酸化物結晶の製造方法として広く用いられてい
る。
法)はSi,Ge,GaAsなどの半導体結晶やサファ
イア、LN(LiNbO5),YAG(Y3Al5O12)
などの酸化物結晶の製造方法として広く用いられてい
る。
【0003】よく知られているように、CZ法は種結晶
を用いて原料融液から単結晶を引き上げる方法であるた
め、ごく特殊な場合を除いて、原料を融解するためのる
つぼが必要である。
を用いて原料融液から単結晶を引き上げる方法であるた
め、ごく特殊な場合を除いて、原料を融解するためのる
つぼが必要である。
【0004】通常のCZ育成では、図5に示すような平
底型、または図6に示すような丸底の円筒形のるつぼが
多く用いられている。
底型、または図6に示すような丸底の円筒形のるつぼが
多く用いられている。
【0005】るつぼの材質は育成結晶の種類により、ガ
ラス、セラミックス、金属などさまざまなものが用いら
れている。たとえば、Si半導体結晶の場合のように抵
抗加熱炉の場合は石英ガラスを、またLN,YAGなど
の酸化物結晶の場合には、高周波誘導加熱に都合のよい
白銀、イリジウムなどの貴金属るつぼが多く用いられて
いる。
ラス、セラミックス、金属などさまざまなものが用いら
れている。たとえば、Si半導体結晶の場合のように抵
抗加熱炉の場合は石英ガラスを、またLN,YAGなど
の酸化物結晶の場合には、高周波誘導加熱に都合のよい
白銀、イリジウムなどの貴金属るつぼが多く用いられて
いる。
【0006】CZ育成では、るつぼ上方の温度環境が、
結晶の形状制御や育成される結晶の品質に大きな影響を
及ぼすためさまざまな保温構造が採用されており、その
中にはるつぼと同一もしくは類似の材質を用いた保温構
造を採用している場合もある。
結晶の形状制御や育成される結晶の品質に大きな影響を
及ぼすためさまざまな保温構造が採用されており、その
中にはるつぼと同一もしくは類似の材質を用いた保温構
造を採用している場合もある。
【0007】また、原料融液の温度や物質移動制御のた
め、るつぼ内または表面に隔壁(特開平4−30029
3号公報等)や、円盤(特開平2−233579号公報
等)を設けた例がある。前記特開平4−300293号
公報には、化学量論比を有するニオブ酸リチウム単結晶
を引き上げるためのるつぼ内に内壁から所定間隔あけて
るつぼと同心に円筒状隔壁が設けられ、隔壁の下部には
その周方向に複数個の孔が設けられた構成が記載され、
前記特開平2−233579号公報には、中心に円形の
孔を有する円盤を具備したるつぼの構成が記載されてい
る。
め、るつぼ内または表面に隔壁(特開平4−30029
3号公報等)や、円盤(特開平2−233579号公報
等)を設けた例がある。前記特開平4−300293号
公報には、化学量論比を有するニオブ酸リチウム単結晶
を引き上げるためのるつぼ内に内壁から所定間隔あけて
るつぼと同心に円筒状隔壁が設けられ、隔壁の下部には
その周方向に複数個の孔が設けられた構成が記載され、
前記特開平2−233579号公報には、中心に円形の
孔を有する円盤を具備したるつぼの構成が記載されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】CZ法による結晶育成
では、結晶の種類やその育成方位によっては結晶の異方
性が顕著に影響し、結晶育成時における形状制御を著し
く困難にする場合がある。
では、結晶の種類やその育成方位によっては結晶の異方
性が顕著に影響し、結晶育成時における形状制御を著し
く困難にする場合がある。
【0009】たとえば、YVO4,GdVO4などの希土
類バナデイト結晶の場合がこれに該当する。
類バナデイト結晶の場合がこれに該当する。
【0010】図7は、通常のCZ法でYVO4のc軸育
成を行なった場合に得られる結晶外形の典型的な例を示
したものであるが、育成開始後しばらくは他の結晶と同
じように断面が四角の中心対象で引き上がるが、やがて
一方向の成長が優勢となり、その結果、図7に示すよう
な外形と水平断面を持つようになり、もはや形状制御が
全くできなくなってしまうという不都合が生じていた。
成を行なった場合に得られる結晶外形の典型的な例を示
したものであるが、育成開始後しばらくは他の結晶と同
じように断面が四角の中心対象で引き上がるが、やがて
一方向の成長が優勢となり、その結果、図7に示すよう
な外形と水平断面を持つようになり、もはや形状制御が
全くできなくなってしまうという不都合が生じていた。
【0011】また、通常の育成では融液面のかなりの部
分が露出しているために原料成分が揮発して融液組成が
ずれたり、雰囲気ガスとの反応で融液組成が変化するな
どの好ましくない現象が見られた。
分が露出しているために原料成分が揮発して融液組成が
ずれたり、雰囲気ガスとの反応で融液組成が変化するな
どの好ましくない現象が見られた。
【0012】従って、本発明は、上記問題点を解消し、
CZ法による単結晶育成において異方性の強い結晶の場
合に起き易い非中心対称成長を抑制するようにした単結
晶育成用るつぼおよび単結晶育成方法を提供することを
目的とする。また、本発明は、原料融液の蒸発飛散によ
る組成ずれを抑制する単結晶育成用るつぼを提供するこ
とを目的とする。さらに、本発明の目的は、るつぼを使
用するのに好適なるつぼへの原料充填方法および効果的
な結晶育成方法を提供することにある。
CZ法による単結晶育成において異方性の強い結晶の場
合に起き易い非中心対称成長を抑制するようにした単結
晶育成用るつぼおよび単結晶育成方法を提供することを
目的とする。また、本発明は、原料融液の蒸発飛散によ
る組成ずれを抑制する単結晶育成用るつぼを提供するこ
とを目的とする。さらに、本発明の目的は、るつぼを使
用するのに好適なるつぼへの原料充填方法および効果的
な結晶育成方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、CZ法単結晶育成用のるつぼであって、
開放端から径方向内方に延在してなるフランジを備え、
該フランジは中央部に円形の開口部を有し、且つ該フラ
ンジの開口端から底部側に延在してなる中空円筒形状の
結晶径制御枠を備えたことを特徴とする単結晶育成用る
つぼを提供する。
め、本発明は、CZ法単結晶育成用のるつぼであって、
開放端から径方向内方に延在してなるフランジを備え、
該フランジは中央部に円形の開口部を有し、且つ該フラ
ンジの開口端から底部側に延在してなる中空円筒形状の
結晶径制御枠を備えたことを特徴とする単結晶育成用る
つぼを提供する。
【0014】本発明は、CZ法単結晶育成用のるつぼで
あって、中央部に円形の開口部を有し開放端側を覆うよ
うにした蓋を設け、該蓋の開口端に当接して底部側に延
在される中空円筒形状の結晶径制御枠を備えたことを特
徴とする単結晶育成用るつぼを提供する。
あって、中央部に円形の開口部を有し開放端側を覆うよ
うにした蓋を設け、該蓋の開口端に当接して底部側に延
在される中空円筒形状の結晶径制御枠を備えたことを特
徴とする単結晶育成用るつぼを提供する。
【0015】本発明は、好ましくは、前記るつぼが、金
属、ガラス、及びセラミックスのうちのいずれか一から
なることを特徴とする。
属、ガラス、及びセラミックスのうちのいずれか一から
なることを特徴とする。
【0016】本発明は、好ましくは、前記結晶径制御枠
の高さ方向の寸法が、るつぼ上端から結晶先端までの距
離よりも大とされ、且つ、該距離に所定長育成時点にお
ける液面から固液界面までの距離を所定倍したものを加
算した値よりも小とすることを特徴とする。
の高さ方向の寸法が、るつぼ上端から結晶先端までの距
離よりも大とされ、且つ、該距離に所定長育成時点にお
ける液面から固液界面までの距離を所定倍したものを加
算した値よりも小とすることを特徴とする。
【0017】本発明は、開放端側の径方向外周側領域を
閉じ、前記開放端側の開口端に当接して底部側に延在し
てなる中空円筒形状の結晶径制御枠を備えたるつぼを用
いて単結晶を育成するに際し、結晶育成用原料が粉末の
場合に、該原料粉末をプレス加工により、前記結晶径制
御枠の内径の所定比の直径を有する棒状に整形し、物質
に応じて定まる所定の温度プログラムにより、加熱、溶
解して前記るつぼに充填することを特徴とする、結晶原
料のるつぼへの充填方法を提供する。
閉じ、前記開放端側の開口端に当接して底部側に延在し
てなる中空円筒形状の結晶径制御枠を備えたるつぼを用
いて単結晶を育成するに際し、結晶育成用原料が粉末の
場合に、該原料粉末をプレス加工により、前記結晶径制
御枠の内径の所定比の直径を有する棒状に整形し、物質
に応じて定まる所定の温度プログラムにより、加熱、溶
解して前記るつぼに充填することを特徴とする、結晶原
料のるつぼへの充填方法を提供する。
【0018】また、本発明は、開放端側の径方向外周側
領域を閉じ、前記開放端側の開口端に当接して底部側に
延在してなる中空円筒形状の結晶径制御枠を備えたるつ
ぼを用いて単結晶を育成するに際し、育成結晶の直胴部
の径を、前記結晶径制御枠内径の所定比以上に保つよう
に制御しながら育成することを特徴とする単結晶育成方
法を提供する。
領域を閉じ、前記開放端側の開口端に当接して底部側に
延在してなる中空円筒形状の結晶径制御枠を備えたるつ
ぼを用いて単結晶を育成するに際し、育成結晶の直胴部
の径を、前記結晶径制御枠内径の所定比以上に保つよう
に制御しながら育成することを特徴とする単結晶育成方
法を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態とし
ての、CZ法単結晶育成用の円筒形るつぼの基本的な断
面構造を示したものである。
ての、CZ法単結晶育成用の円筒形るつぼの基本的な断
面構造を示したものである。
【0020】図1を参照して、本実施形態に係るるつぼ
3は、開放端から径方向内側に延在してなるフランジ11
を備え、上部の外周側が閉じた構成とされており、フラ
ンジ11の中央部に設けられた円形開口部の開口端に当接
して円筒形の結晶径制御枠12が設けられている。
3は、開放端から径方向内側に延在してなるフランジ11
を備え、上部の外周側が閉じた構成とされており、フラ
ンジ11の中央部に設けられた円形開口部の開口端に当接
して円筒形の結晶径制御枠12が設けられている。
【0021】図3は、所定の長さの結晶育成を終了した
時点でのるつぼ、育成結晶、原料融液面位置の関係を模
式的に示した図である。
時点でのるつぼ、育成結晶、原料融液面位置の関係を模
式的に示した図である。
【0022】図3を参照して、本発明の一実施形態にお
ける、るつぼの結晶径制御枠12の径と長さの関係につい
て説明する。
ける、るつぼの結晶径制御枠12の径と長さの関係につい
て説明する。
【0023】るつぼの上部の開口部の直径RCは、単結
晶1の必要径RXにより決まり、次式(1)の関係を満
たすように設定する。
晶1の必要径RXにより決まり、次式(1)の関係を満
たすように設定する。
【0024】1.1RX<RC<1.3RX …(1)
【0025】また、結晶径制御枠12の長さLCは、次式
(2)の関係を満たすように設定する。
(2)の関係を満たすように設定する。
【0026】LX<LC<LX+3LM …(2)
【0027】ここで、LXは、るつぼ上端から結晶1の
先端までの距離、LMは所定長育成時点での液面から固
液界面までの距離を示す。
先端までの距離、LMは所定長育成時点での液面から固
液界面までの距離を示す。
【0028】このLMは結晶の種類や育成径によって変
わるため、予備実験により決定する必要がある。
わるため、予備実験により決定する必要がある。
【0029】このるつぼ3に原料を充填するには、るつ
ぼを原料融点以上に加熱しておいて粉末状原料を上部開
口部により徐々に注ぎ込めばよい。
ぼを原料融点以上に加熱しておいて粉末状原料を上部開
口部により徐々に注ぎ込めばよい。
【0030】しかし、熱分解し易い原料の場合はプレス
加工により原料棒を作成し、これをるつぼ上部開口部か
ら立てて加熱溶融する。ただし、結晶の種類によっては
温度プログラムを厳密に管理しないと吹き出したりして
事故の原因となる。
加工により原料棒を作成し、これをるつぼ上部開口部か
ら立てて加熱溶融する。ただし、結晶の種類によっては
温度プログラムを厳密に管理しないと吹き出したりして
事故の原因となる。
【0031】図4は、原料充填温度プログラムの一例を
示し(横軸は時間(単位はHOUR)、縦軸は原料の融点
(melting point;MP)を単位とする温度)、融解を高
速度で行なうことにより、吹き出しを防止している。
示し(横軸は時間(単位はHOUR)、縦軸は原料の融点
(melting point;MP)を単位とする温度)、融解を高
速度で行なうことにより、吹き出しを防止している。
【0032】なお、プレス棒を作製する場合には、開口
部径の70ないし90%の直径に仕上げる必要がある。
部径の70ないし90%の直径に仕上げる必要がある。
【0033】このるつぼを用いて結晶育成を行なう際、
直胴部の結晶径が結晶径制御枠12の内径の75%以上に
保つ場合にのみ効果がみられるので、原料融液の温度制
御により、この条件を結晶育成終了まで保持する必要が
ある。
直胴部の結晶径が結晶径制御枠12の内径の75%以上に
保つ場合にのみ効果がみられるので、原料融液の温度制
御により、この条件を結晶育成終了まで保持する必要が
ある。
【0034】以上、図1に示した本発明の一実施形態に
係るるつぼについて説明してきたが、原料融液の蒸発分
解がさほど大きくない結晶育成の場合には、図2に示す
蓋のるつぼでも同様の効果が得られる。すなわち、図2
を参照して、るつぼ3の上端部の外周側は、蓋21で覆わ
れ、蓋21の中央開口の開口端に当接して結晶径制御枠22
が設けられている。
係るるつぼについて説明してきたが、原料融液の蒸発分
解がさほど大きくない結晶育成の場合には、図2に示す
蓋のるつぼでも同様の効果が得られる。すなわち、図2
を参照して、るつぼ3の上端部の外周側は、蓋21で覆わ
れ、蓋21の中央開口の開口端に当接して結晶径制御枠22
が設けられている。
【0035】また、るつぼの材質は結晶の種類やCZ育
成装置の加熱方式によって適宜選べばよい。たとえば、
高周波誘導加熱方式で酸化物結晶を引き上げる場合は貴
金属るつぼを、抵抗加熱方式で半導体結晶を引き上げる
場合は石英ガラスるつぼを用いればよい。また、金属材
料ではセラミックスのるつぼを用いることが可能であ
る。
成装置の加熱方式によって適宜選べばよい。たとえば、
高周波誘導加熱方式で酸化物結晶を引き上げる場合は貴
金属るつぼを、抵抗加熱方式で半導体結晶を引き上げる
場合は石英ガラスるつぼを用いればよい。また、金属材
料ではセラミックスのるつぼを用いることが可能であ
る。
【0036】本発明の実施形態によれば、隔壁による結
晶の成長制限効果と、結晶径制御枠近辺の融液の径方向
(水平方向)の大きな温度傾斜とにより、結晶径の暴走
を抑制することができる。また、本発明の実施形態にお
いては、融液が露出する部分が少ないために、原料の蒸
発飛散や雰囲気ガスとの反応も抑制することができる。
本発明の実施形態を以下の実施例で更に詳細に説明す
る。
晶の成長制限効果と、結晶径制御枠近辺の融液の径方向
(水平方向)の大きな温度傾斜とにより、結晶径の暴走
を抑制することができる。また、本発明の実施形態にお
いては、融液が露出する部分が少ないために、原料の蒸
発飛散や雰囲気ガスとの反応も抑制することができる。
本発明の実施形態を以下の実施例で更に詳細に説明す
る。
【0037】
【実施例】本実施例では、高周波誘導加熱方式の酸化物
単結晶引き上げ装置を用いて、YVO4の育成を行なっ
た。
単結晶引き上げ装置を用いて、YVO4の育成を行なっ
た。
【0038】本実施例においては、るつぼは直径50m
m、深さ50mmのイリジウム製、上部の開口部は直径
RC=25mm、直径制御枠は長さLC=20mm、板厚
は1.5mmとした。
m、深さ50mmのイリジウム製、上部の開口部は直径
RC=25mm、直径制御枠は長さLC=20mm、板厚
は1.5mmとした。
【0039】このるつぼに純度99.99%の原料35
0gを充填したところ原料融液面はるつぼ最上部より約
10mm下方であった。
0gを充填したところ原料融液面はるつぼ最上部より約
10mm下方であった。
【0040】c軸種結晶を用いて、育成速度1mm/
h、育成雰囲気は酸素0.1%を含む窒素中で結晶引き
上げを行なった。
h、育成雰囲気は酸素0.1%を含む窒素中で結晶引き
上げを行なった。
【0041】得られた結晶は直胴部平均径21mmで最
大径23mm、最小径約19mm、長さ約35mmで、
従来よくみられた平均径の1.5倍以上の直径の暴走は
なかった。
大径23mm、最小径約19mm、長さ約35mmで、
従来よくみられた平均径の1.5倍以上の直径の暴走は
なかった。
【0042】なお、結晶育成後のLX=17mm、LM=
3mmで、LX<LC<LX+3LMの条件を満たしている
ことが確認された。
3mmで、LX<LC<LX+3LMの条件を満たしている
ことが確認された。
【0043】原料充填は直径約23mm、長さ約8cm
のプレス原料棒5本を、図4に示す温度プログラムにし
たがって充填した。
のプレス原料棒5本を、図4に示す温度プログラムにし
たがって充填した。
【0044】得られた結晶は薄い褐色であったが、従来
の結晶よりも着色が弱く原料の分解飛散の抑制効果のた
めと考えられた。
の結晶よりも着色が弱く原料の分解飛散の抑制効果のた
めと考えられた。
【0045】以上、本発明を上記実施形態及び実施例を
参照して説明したが、本発明は上記態様にのみ限定され
ず、本発明の原理に準ずる各種態様を含むことは勿論で
ある。
参照して説明したが、本発明は上記態様にのみ限定され
ず、本発明の原理に準ずる各種態様を含むことは勿論で
ある。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
CZ法による結晶育成で、異方性の強い結晶の場合など
に、結晶育成中によくみられた、一方向に異常成長する
などの形状制御不能となる現象を回避することができ
る。
CZ法による結晶育成で、異方性の強い結晶の場合など
に、結晶育成中によくみられた、一方向に異常成長する
などの形状制御不能となる現象を回避することができ
る。
【0047】また、本発明によれば、原料融液の蒸発飛
散も抑制され、結晶品質を向上させることができる。さ
らに、本発明によれば、るつぼへの原料充填を安全に行
なうことを可能とする。
散も抑制され、結晶品質を向上させることができる。さ
らに、本発明によれば、るつぼへの原料充填を安全に行
なうことを可能とする。
【図1】本発明の一実施形態の一体型るつぼの断面を示
す図である。
す図である。
【図2】本発明の一実施形態の蓋付き型るつぼの断面図
である。
である。
【図3】本発明の一実施形態のるつぼの構造規定を説明
するための図である。
するための図である。
【図4】プレス原料棒をるつぼに充填するための温度プ
ログラムの一例を示す図である。
ログラムの一例を示す図である。
【図5】従来のるつぼの構成例を示す図である。
【図6】従来のるつぼの構成例を示す図である。
【図7】従来の方法による育成結晶例を示す図である。
1 育成結晶 2 原料融体 3 るつぼ 11 フランジ 21 蓋 12、22 結晶径制御枠
Claims (10)
- 【請求項1】CZ法単結晶育成用のるつぼであって、 開放端から径方向内方に延在してなるフランジを備え、 該フランジは中央部に円形の開口部を有し、且つ該フラ
ンジの開口端から底部側に延在してなる中空円筒形状の
結晶径制御枠を備えたことを特徴とする単結晶育成用る
つぼ。 - 【請求項2】CZ法単結晶育成用のるつぼであって、 中央部に円形の開口部を有し開放端側を覆うようにした
蓋を設け、 該蓋の開口端に当接して底部側に延在される中空円筒形
状の結晶径制御枠を備えたことを特徴とする単結晶育成
用るつぼ。 - 【請求項3】前記蓋が外周端に前記るつぼの底部側に突
出した縁を備えたことを特徴とする請求項2記載の単結
晶育成用るつぼ。 - 【請求項4】前記るつぼが、丸底又は平底型の円筒形状
とされたことを特徴とする請求項1又は2記載の単結晶
育成用るつぼ。 - 【請求項5】開放端側の径方向外周側領域を閉じ、前記
開放端側の開口端に当接して底部側に延在してなる中空
円筒形状の結晶径制御枠を備えたことを特徴とする単結
晶育成用るつぼ。 - 【請求項6】前記るつぼが、金属、ガラス、及びセラミ
ックスのうちのいずれか一からなることを特徴とする請
求項1から5のいずれか一に記載の単結晶育成用るつ
ぼ。 - 【請求項7】前記結晶径制御枠の高さ方向の寸法が、る
つぼ上端から結晶先端までの距離よりも大とされ、且
つ、該距離に所定長育成時点における液面から固液界面
までの距離を所定倍したものを加算した値よりも小とす
ることを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載
の単結晶育成用るつぼ。 - 【請求項8】開放端側の径方向外周側領域を閉じ、前記
開放端側の開口端に当接して底部側に延在してなる中空
円筒形状の結晶径制御枠を備えたるつぼを用いて単結晶
を育成するに際し、 結晶育成用原料が粉末の場合に、該原料粉末をプレス加
工により、前記結晶径制御枠の内径の所定比の直径を有
する棒状に整形し、 物質に応じて定まる所定の温度プログラムにより、加
熱、溶解して前記るつぼに充填することを特徴とする、
結晶原料のるつぼへの充填方法。 - 【請求項9】前記原料粉末を前記プレス加工により、前
記結晶径制御枠の内径の略70ないし90%の直径を有
する棒状に整形し、 物質に応じて定まる所定の温度プログラムにより、加
熱、溶解して前記結晶径制御枠の内径の略90%の直径
の棒状に整形し、 物質に応じて定まる所定の温度プログラムにより、加
熱、溶解して前記るつぼに充填することを特徴とする、
請求項8記載の結晶原料のるつぼへの充填方法。 - 【請求項10】開放端側の径方向外周側領域を閉じ、前
記開放端側の開口端に当接して底部側に延在してなる中
空円筒形状の結晶径制御枠を備えたるつぼを用いて単結
晶を育成するに際し、 育成結晶の直胴部の径を、前記結晶径制御枠内径の所定
比以上に保つように制御しながら育成することを特徴と
する単結晶育成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7196089A JPH0925192A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 単結晶育成用るつぼおよび単結晶育成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7196089A JPH0925192A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 単結晶育成用るつぼおよび単結晶育成法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0925192A true JPH0925192A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=16352035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7196089A Pending JPH0925192A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 単結晶育成用るつぼおよび単結晶育成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0925192A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013184835A (ja) * | 2012-03-06 | 2013-09-19 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | タンタル酸リチウム単結晶ウェーハ及びその製造に用いるルツボ |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5964590A (ja) * | 1982-09-30 | 1984-04-12 | Fujitsu Ltd | 結晶成長用坩堝 |
JPS6325291A (ja) * | 1986-07-17 | 1988-02-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 単結晶の製造方法 |
JPH04187588A (ja) * | 1990-11-21 | 1992-07-06 | Kawasaki Steel Corp | 単結晶引上装置 |
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-
1995
- 1995-07-07 JP JP7196089A patent/JPH0925192A/ja active Pending
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---|---|---|---|
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