JP2012036015A - 結晶成長方法 - Google Patents

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正弘 笹浦
Tadayuki Imai
欽之 今井
Munenori Kawamura
宗範 川村
Ikutake Yagi
生剛 八木
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Abstract

【課題】結晶成長過程における、結晶回転軸に垂直な方向の成長偏りを抑制し、高効率に単結晶を製造するための結晶成長方法を提供する。
【解決手段】炉内に設置されたるつぼ11内の原料溶融体に対して鉛直方向に上低下高の温度分布を形成し、種子結晶17を原料溶融体表面に接触させ、原料溶融体を冷却する事により、種子結晶17を核として結晶19を成長させる結晶成長方法であって、結晶回転軸に対する垂直面内で成長速度が異なる方位を有する結晶19を成長させる結晶成長方法において、種子結晶17の原料溶融体表面に接触している面は長方形であり、かつ、長方形の長辺を成長速度が早い方位と平行にすることを特徴とする結晶成長方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、結晶成長方法に関し、より詳細には、TSSG法またはカイロポーラス法による結晶成長において、結晶回転軸に対する垂直面内で成長速度が異なる方位を有する結晶を成長させたい場合、結晶回転軸に垂直な方向の成長偏りを抑制し、高効率に単結晶を製造するための結晶成長方法に関する。
従来、酸化物バルク単結晶の結晶成長方法として、溶融した融液表面に種子結晶を浸して引き上げながら結晶を育成するチョクラルスキー法(CZ法)が代表的であり、Si、GaAs、LiNbO3単結晶などの結晶成長法として知られている。また、結晶の引き上げを行わずに成長させるカイロポーラス法、原料溶融体に溶媒成分を付加した溶液成長法の1種である溶液引き上げ(TSSG:Top-Seeded Solution-Growth)法も知られている。その他に、固形原料を光学的に溶融し、溶融部分を移動させながら試料の精製、結晶の成長を行う浮遊帯域溶融(FZ:Floating Zone)法や、溶融した原料の融液もしくは溶液をるつぼの中で固化させる、ブリッジマン法、温度勾配凝固法などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図1に、従来のCZ法もしくはTSSG法による抵抗加熱型結晶成長装置を示す。抵抗加熱型結晶成長装置は、ヒータ4によって温度制御可能な電気炉5を有し、電気炉5内のるつぼ台2上に原料溶融体8を入れたるつぼ1を設置している。電気炉5は炉体ふた10により密閉され、内面に設置された均熱管3により、炉内の温度が炉内の部位によって大きく異なることのないようになっている。炉内の軸方向温度分布は、電気炉5の上端および下端が室温雰囲気と接しているので、均熱管3の中央部で最高温度であり、そこから上端および/もしくは下端に向かって低温となる軸方向温度分布となる。従って、るつぼ台2の高さを調整し、るつぼ1の炉内設置高さを調整することにより、原料溶融体8はるつぼ1内において、るつぼ1のるつぼ台2に接している位置で最も温度が高く、るつぼ台2から上方に離れるに従い温度が下がり、種子結晶7に接している位置で最も温度が低い温度環境を設定する。このような構成において、引き上げ軸6の先端に取り付けられた種子結晶7を、るつぼ1の中心軸上かつ原料溶融体8の表面に浸して、成長結晶9を育成する。引き上げ軸6には、一般的に、酸化物や貴金属材料で作製した引き上げ軸を用いる。
原料は、素原料である単元素や酸化物や炭化物を所望の組成比となるよう秤量し、るつぼ1に充填する。溶媒として、結晶の構成成分である元素や酸化物や炭化物を過剰に追加したり、結晶の構成成分と異なる元素や酸化物や炭化物を追加して充填したりすることもある。秤量した素原料が充填されたるつぼ1を、電気炉5内のるつぼ台2上に設置する。ヒータ4を加熱することで、充填原料を昇温溶融し、原料溶融体8を準備する。種子結晶7が先端に取り付けられた引き上げ軸6を電気炉5に導入し、原料溶融体8に接触させ、結晶育成を開始する。
種子結晶7を原料溶融体8の表面に接触させる、すなわち種子付け過程では、原料溶融体8の温度を調整し、種子結晶7が溶融せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸6を回転しながら引き上げると同時に、加熱量の調整により原料溶融体8を冷却して行く。この冷却により、原料溶融体8は、過冷却もしくは過飽和状態となる。結晶成長に十分な過冷却もしくは過飽和状態が原料溶融体8に実現すると、種子結晶7の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。そして、種子付け、肩拡げ、定径部と順に成長過程を進行させる。成長中は、結晶の成長状態を形状センサもしくは重量センサを用いて検出し、成長速度が早い場合には昇温、成長速度が遅い場合には冷却の微調整を加えて、成長結晶9の直径制御を行う。また、引き上げ軸6を引き上げずに、成長結晶9を原料溶融体8の中で成長させてもよい。
特開昭59−107996号公報 特開平07−082087号公報
結晶には晶癖により、特定の結晶面、いわゆるファセット面が存在する。ファセット面は結晶構造学的な低指数面であり、原子配列が稠密でエネルギー的に安定である。従って、ファセット面は成長中に結晶表面に表出し易い。温度勾配を極端に緩くした抵抗加熱型TSSG法結晶成長装置を用いて結晶を成長した場合には、ファセット面の表出が顕著になり、結晶表面全てがファセット面で囲まれた結晶外形となることもある。立方晶系ペロブスカイト構造のKTaxNb1-x3(0≦x≦1)やBaTiO3酸化物結晶がその代表例である。種子結晶の結晶回転軸方向を[001]方位とした場合、成長結晶は{100}ファセット面と{001}ファセット面で構成された直方体形状となる。また、種子結晶の結晶回転軸方向を[110]方位とした場合も、成長結晶は{100}ファセット面と{001}ファセット面で構成された直方体形状となる(例えば、特許文献2参照)。
種子結晶の結晶回転軸方向を[110]方位としてKTaxNb1-x3単結晶を製造することは、屈折率の不均一性が生じるセクターバウンダリの面数を少なくできるので、素子取得率向上の観点から重要である。
図2(a)に、従来のTSSG法による成長結晶の一例として、種子結晶の結晶回転軸方向を[110]方位としてKTaxNb1-x3単結晶を成長させた時の結晶形状の斜視図を示す。図2(b)に、この成長結晶9を結晶回転軸方向から見た結晶およびるつぼの上面図を示す。種子結晶7の結晶回転軸方向を[110]方位として結晶を成長させると、結晶回転軸に垂直な面内にある[001]方向と[1−10]方向の成長速度が異なり、成長速度の速い[001]方向に延びた結晶回転軸に垂直な断面が長方形の結晶9に成長する。また、種子結晶7はるつぼ1の中心軸上に設置されるため、結晶回転軸に垂直な面内にある成長速度の速い[001]方向とその逆方向の[00−1]方向は本来等価であるので、同じ長さだけ成長し、前記長方形断面は結晶回転軸に対して軸対称となるはずである。しかしながら、図2(b)に示すように、結晶が結晶回転軸に対して軸対称に成長せず、[001]方向と[00−1]方向の成長の長さが偏る頻度が高かった。この偏りの原因は、原料溶融体表面の結晶回転軸に対する径方向温度分布が正確には軸対称でない、すなわち結晶回転軸から同心円状に制御できていないことから生ずる。何故なら、結晶製造装置に用いる保温体や均熱管やるつぼ台等のセラミック部品類の形状精度の限界は1mm前後であり、装置構成部品の軸対称性を精度良く構成させることが難しいからである。2つの[001]方向と[00−1]方向への成長は一旦偏ると、優先的に延びた方向の結晶端が原料溶融体を攪拌する際の角速度はより早くなるので、さらに優先的に延びた方向へ成長が加速され、偏りが激しくなる。結果として、優先的に延びた結晶端がるつぼ内壁に到達し、成長結晶の結晶回転軸に対する径方向拡がりを制限してしまう。なお、種子結晶7と成長結晶9の境に位置するくびれ形状部位は、一般にネッキング11と呼ばれる部位であり、種子結晶7を原料溶融体表面に接触させる際に生じる転位等の結晶欠陥を成長結晶9内部に生じさせないためのものである。種子付け過程の際、種子結晶7の引き上げ速度、および原料溶融体8の温度を調整することによって作製する。作製方法は当業者によく知られており、本明細書においては詳細を述べない(特許文献2参照)。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、結晶回転軸に垂直な方向の成長偏りを抑制し、高効率に単結晶を製造するための結晶成長方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、炉内に設置されたるつぼ内の原料溶融体に対して鉛直方向に上低下高の温度分布を形成し、種子結晶を原料溶融体表面に接触させ、原料溶融体を冷却する事により、種子結晶を核として結晶を成長させる結晶成長方法であって、結晶回転軸に対する垂直面内で成長速度が異なる方位を有する結晶を成長させる結晶成長方法において、種子結晶の原料溶融体表面に接触している面は長方形であり、かつ、長方形の長辺を成長速度が早い方位と平行にすることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記成長させる結晶の結晶構造が立方晶であり、前記結晶回転軸が[110]方位であり、前記長方形の長辺を[001]方位と平行にすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記成長させる結晶が、KTaxNb1-x3(0≦x≦1)であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、種子結晶の原料溶融体表面に接触している面が、成長速度が早い方位と平行に長辺を有した長方形の板状の種子結晶を用いるので、結晶回転軸に垂直な方向の成長偏りを抑制でき、成長期間を短縮することが可能となる。
従来のTSSG法による結晶製造装置の構成を示す概略図である。 (a)は従来のTSSG法による成長結晶の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)に示した成長結晶を結晶回転軸方向から見た結晶およびるつぼの上面図である。 (a)は本発明の一実施形態にかかる結晶成長方法による成長結晶を示す斜視図であり、(b)は(a)に示した成長結晶を結晶回転軸方向から見た結晶およびるつぼの上面図である。 (a)は本発明の一実施形態にかかる結晶成長方法による成長結晶を示す斜視図であり、(b)は(a)に示した成長結晶を結晶回転軸方向から見た結晶およびるつぼの上面図である。 (a)は本発明の一実施形態にかかる結晶成長方法による成長結晶を示す斜視図であり、(b)は(a)に示した成長結晶を結晶回転軸方向から見た結晶およびるつぼの上面図である。 本発明の一実施形態にかかる結晶成長方法による結晶製造装置の構成を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、種子結晶として、従来の四角柱形状に代えて、成長速度の速い[001]方位に長い直方体の結晶を用いる。言い換えれば、種子結晶の結晶回転軸に垂直な断面の長方形の長辺を成長速度が早い[001]方位と平行にする。
図3(a)に、本発明の一実施形態にかかる結晶成長方法による、結晶の結晶回転軸方向を[110]方位としてKTaxNb1-x3単結晶を成長させた場合の結晶形状の斜視図を示す。図3(b)に、図3(a)に示した成長結晶を結晶回転軸方向から見た結晶およびるつぼの上面図を示す。種子結晶17には、従来の四角柱形状に代えて、成長速度の速い[001]方位に長い直方体の結晶を用いる。言い換えれば、種子結晶17の結晶回転軸に垂直な断面の長方形の長辺を成長速度が早い[001]方位と平行にする。原料溶融体18の表面は、結晶回転軸交点で最も低く、るつぼ壁で最大の径方向温度分布を有する。成長速度が早い[001]方向の結晶端は、種子付け過程である成長初期から温度の高い領域にあるので、[001]方向への成長が抑制される。また、図3(b)に示すように、2つの[001]方向と[00−1]方向の結晶端では、種子付け過程である成長初期から結晶回転軸に対して同じ長さで種子結晶が存在し、そこから成長を開始するので、偏りが発生しにくい。また、特許文献2で開示されているような結晶成長の初期の段階で、2つの[001]方向と[00−1]方向へ蒲鉾状に成長させる成長段階を必要としないので、成長期間を短縮することもできる。
図3に示した、成長結晶19の[001]方位に向かった長さは種子結晶17の[001]方位に向かった長さと等しい。上述したように、種子結晶17の[001]方位の長さは、[001]方向の結晶端が種子付け過程である成長初期から温度の高い領域にあり[001]方向への成長が抑制されるに十分な長さがあればよく、成長結晶19の[001]方位の長さより短くても良い。図4(a)に、本発明の一実施形態にかかる結晶成長方法による、成長結晶19の[001]方位の長さが種子結晶17の[001]方位の長さより長い場合の結晶形状の斜視図を示す。所与の内径を有するるつぼに対し、ある長さより長い種子結晶を用いれば[001]方向と[00−1]方向の成長の長さが偏る頻度が減少した。この詳細は以下の実施例で述べる。
さらに加えて、本発明は、種子付け過程における種子結晶17と原料溶融体18の表面との接触面形状を制御することが主旨であるから、種子結晶17が原料溶融体18の表面との接触面形状が、成長速度の速い方向に長辺を有する長方形であれば、種子結晶17が直方体である必要はない。図5に、本発明の一実施形態にかかる結晶成長方法による、種子結晶17の形状が、原料溶融体18の表面との接触面形状が成長速度の速い方向に長辺を有する長方形であるが、直方体ではない場合の結晶形状の1例の斜視図を示す。成長結晶19は図3に示した成長結晶19と同様に成長する。
KTaxNb1-x3単結晶の製造法の実施例を、以下に説明する。本実施例は、一例であり、発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の改良を行いうることは言うまでもない。
TSSG法によるKTaO3単結晶の製造法の実施例を、図6を用いて説明する。図6の抵抗加熱型結晶成長装置の構成は、ヒータ14によって温度制御可能な電気炉15を有し、電気炉15内のるつぼ台12上に原料溶融体18を入れたるつぼ11を設置している。電気炉15は炉体ふた20により密閉され、内面に設置された均熱管13により、炉内の温度が炉内の部位によって大きく異なることのないようになっている。炉内の軸方向温度分布は、電気炉5の上端および下端が室温雰囲気と接しているので、均熱管3の中央部で最高温度であり、そこから上端および/もしくは下端に向かって低温となる軸方向温度分布となる。従って、るつぼ台2の高さを調整し、るつぼ1の炉内設置高さを調整することにより、原料溶融体18はるつぼ11内において、るつぼ11のるつぼ台12に接している位置で最も温度が高く、るつぼ台12から上方に離れるに従い温度が下がり、種子結晶17に接している位置で最も温度が低い温度環境を設定する。このような構成において、引き上げ軸16の先端に取り付けられた種子結晶17を、原料溶融体18の表面に浸して、成長結晶19を育成する。引き上げ軸16には、一般的に、酸化物や貴金属材料で作製した引き上げ軸を用いる。
KTaO3溶質原料は、素原料であるK2CO3とTa25とを所望の組成比となるように秤量し、るつぼ11に充填する。溶媒としてKを選択し過剰のK2CO3も併せてるつぼ11に充填する。KTaO3溶質原料と過剰Kが投入されたるつぼ11を、電気炉15内に設置されたるつぼ台12上に設置する。ヒータ14を加熱することで、充填した原料を昇温溶融し、原料溶融体18を準備する。種子結晶17が先端に取り付けられた引き上げ軸16を電気炉15に導入し、原料溶融体18の表面に接触させ、結晶育成を開始する。なお、あらかじめ充填した原料は、昇温溶融中に、不要な炭酸基を脱ガスする為、結晶育成を開始する温度より高い状態を経験させ、過加熱処理を施した。
種子結晶17を原料溶融体18の表面に接触させる、すなわち種子付け過程では、原料溶融体18の温度を調整し、種子結晶17が溶融せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸16を回転しながら引き上げると同時に、加熱量の調整により原料溶融体18を冷却して行く。この冷却により、原料溶融体18は、過飽和状態となる。結晶成長に十分な過飽和状態が原料溶融体18に実現すると、種子結晶17の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。そして、種子付け、ネッキング、肩拡げ、定径部と順に成長過程を進行させる。成長中は、結晶の成長状態を形状センサもしくは重量センサを用いて検出し、成長速度が早い場合には昇温、成長速度が遅い場合には冷却の微調整を加えて、成長結晶19の直径制御を行う。また、引き上げ軸6を引き上げずに、成長結晶19を原料溶融体18の中で成長させてもよい。所望の長さ成長結晶19を引き上げた時点で、引き上げ軸16を高速で引き上げ、成長結晶19を原料溶融体18から切り離し、結晶成長を停止する。結晶成長後、ヒータ14の加熱量を下げ、電気炉15を室温まで冷却する。
結晶成長中[001]方向への成長は抑制され、ほとんど成長しなかった。従って、2つの[001]方向と[00−1]方向の結晶端から結晶回転軸までの長さは等しく、偏りが発生していなかった。成長期間は15日〜20日であった。
比較例として、四角柱形状の種子結晶を使用し、特許文献2で開示されているように2つの[001]方向と[00−1]方向へ蒲鉾状に成長させる段階を経て結晶を成長させた。成長期間は25日〜30日であった。よって、比較例に比べて、実施例1では成長期間を短縮することができた。
種子結晶17が原料溶融体18の表面に接触している面の長方形形状の効果を確認した。内径90mmのるつぼ11を使用し、種子結晶17の断面形状として[1−10]方向の短辺5mm、[001]方向の長辺6、10、20、30、40、50、60、70、80mmの長方形形状を有した9種類の種子結晶を準備し、結晶成長を行った。成長速度が早い[001]方向の結晶端が、種子付け過程である成長初期から温度の高い領域にあるために、長辺が30mm以上の長辺30、40、50、60、70、80mmの種子結晶において[001]方向と[00−1]方向の成長の長さが偏る頻度が減少し、[001]方向への成長が抑制される本願の効果は確認できた。
溶質原料に元素置換やドーパント添加を行うことも可能であった。例えば、溶質原料の炭酸カリウムに代えて炭酸カリウムと炭酸リチウムの混合物とすることによって、Ky1-yTaO3の置換型単結晶(M=Li、Na)を製造することができた。
TSSG法によるKTaxNb1-x3(0≦x<1)単結晶の製造法の実施例を、図6を用いて説明する。実施例2において使用する、図6に示す抵抗加熱型結晶成長装置の構成は、実施例1と同様である。
KTaxNb1-x3溶質原料は、素原料であるK2CO3とTa25とNb25とを所望の組成比となるように秤量し、るつぼ11に充填する。溶媒としてKを選択し過剰のK2CO3も併せてるつぼ11に充填する。KTaxNb1-x3溶質原料と過剰Kが投入されたるつぼ11を、電気炉15内に設置されたるつぼ台12上に設置する。ヒータ14を加熱することで、充填した原料を昇温溶融し、原料溶融体18を準備する。種子結晶17が先端に取り付けられた引き上げ軸16を電気炉15に導入し、原料溶融体18の表面に接触させ、結晶育成を開始する。なお、あらかじめ充填した原料は、昇温溶融中に、不要な炭酸基を脱ガスする為、結晶育成を開始する温度より高い状態を経験させ、過加熱処理を施した。
種子結晶17を原料溶融体18の表面に接触させる、すなわち種子付け過程では、原料溶融体18の温度を調整し、種子結晶17が溶融せずかつ結晶成長も生じない状態を実現する。その後、引き上げ軸16を回転しながら引き上げると同時に、加熱量の調整により原料溶融体18を冷却して行く。この冷却により、原料溶融体18は、過飽和状態となる。結晶成長に十分な過飽和状態が原料溶融体18に実現すると、種子結晶17の先端に結晶が析出し始め、結晶成長が始まる。そして、種子付け、ネッキング、肩拡げ、定径部と順に成長過程を進行させる。成長中は、結晶の成長状態を形状センサもしくは重量センサを用いて検出し、成長速度が早い場合には昇温、成長速度が遅い場合には冷却の微調整を加えて、成長結晶19の直径制御を行う。また、引き上げ軸6を引き上げずに、成長結晶19を原料溶融体18の中で成長させてもよい。所望の長さ成長結晶19を引き上げた時点で、引き上げ軸16を高速で引き上げ、成長結晶19を原料溶融体18から切り離し、結晶成長を停止する。結晶成長後、ヒータ14の加熱量を下げ、電気炉15を室温まで冷却する。
結晶成長中[001]方向への成長は抑制され、ほとんど成長しなかった。従って、2つの[001]方向と[00−1]方向の結晶端から結晶回転軸までの長さは等しく、偏りが発生していなかった。成長期間は20日〜25日であった。
比較例として、四角柱形状の種子結晶を使用し、特許文献2で開示されているように2つの[001]方向と[00−1]方向へ蒲鉾状に成長させる段階を経て結晶を成長させた。成長期間は30日〜35日であった。よって、比較例に比べて、実施例2では成長期間を短縮することができた。
種子結晶17が原料溶融体18の表面に接触している面の長方形形状の効果を確認した。内径90mmのるつぼ11を使用し、種子結晶17の断面形状として[1−10]方向の短辺5mm、[001]方向の長辺6、10、20、30、40、50、60、70、80mmの長方形形状を有した9種類の種子結晶を準備し、結晶成長を行った。成長速度が早い[001]方向の結晶端が、種子付け過程である成長初期から温度の高い領域にあるために、長辺が30mm以上の長辺30、40、50、60、70、80mmにおいて[001]方向と[00−1]方向の成長の長さが偏る頻度が減少し、[001]方向への成長が抑制される本願の効果は確認できた。
溶質原料に元素置換やドーパント添加を行うことも可能であった。例えば、溶質原料の炭酸カリウムに代えて炭酸カリウムと炭酸リチウムの混合物とすることによって、Ky1-yTaxNb1-x3の置換型単結晶(M=Li、Na)を製造することができた。
1,11 るつぼ
2,12 るつぼ台
3,13 均熱管
4,14 ヒータ
5,15 電気炉
6,16 引き上げ軸
7,17 種子結晶
8,18 原料溶融体
9,19 成長結晶
10,20 炉体ふた
11,21 ネッキング

Claims (3)

  1. 炉内に設置されたるつぼ内の原料溶融体に対して鉛直方向に上低下高の温度分布を形成し、種子結晶を前記原料溶融体表面に接触させ、前記原料溶融体を冷却する事により、前記種子結晶を核として結晶を成長させる結晶成長方法であって、結晶回転軸に対する垂直面内で成長速度が異なる方位を有する結晶を成長させる結晶成長方法において、
    前記種子結晶の前記原料溶融体表面に接触している面は長方形であり、
    かつ、前記長方形の長辺を成長速度が早い方位と平行にすることを特徴とする結晶成長方法。
  2. 前記成長させる結晶の結晶構造が立方晶であり、
    前記結晶回転軸が[110]方位であり、前記長方形の長辺を[001]方位と平行にすることを特徴とする請求項1に記載の結晶成長方法。
  3. 前記成長させる結晶が、KTaxNb1-x3(0≦x≦1)であることを特徴とする請求項1または2に記載の結晶成長方法。
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WO2017047536A1 (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 新日鐵住金株式会社 SiC単結晶の製造装置、SiC単結晶の製造方法及びSiC単結晶材

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