JP2008081367A - 単結晶の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二重ルツボ法によるLiNbO3、Y3Al512、Lu2SiO5、Gd2SiO5、YVO4等の酸化物、Si、GaAs等の半導体等の単結晶引き上げにおいて、簡単な装置構成で、単結晶の組成制御操作性に優れ、メンテナンスも容易であり、高品質の単結晶を低コストで効率的に得られる製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】側面に孔1aが形成された内ルツボ1と外ルツボ2とかならなる二重ルツボを用い、前記内ルツボ1と外ルツボ2に、異なる組成の原料融液4,5をそれぞれ充填し、前記孔1aを外ルツボ2内の原料融液5の液面より高い位置に保持して、内ルツボ1内の原料融液4と外ルツボ2内の原料融液5とを分離し、単結晶6引き上げ開始後、前記孔1aを外ルツボ2内の原料融液5の液面より低い位置にして、内ルツボ1内に外ルツボ2内の原料融液5を流入させて、内ルツボ1内の原料融液4の組成制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)による単結晶引上げにおいて、LiNbO3、Y3Al512、Lu2SiO5、Gd2SiO5、YVO4(以下、それぞれ、LN、YAG、LSO、GSO、YVOと略記する。)等の酸化物、Si、GaAs等の半導体等の種々の単結晶の育成に好適な二重ルツボ法による単結晶の製造方法および製造装置に関する。
通常の単一ルツボによるCZ法におけるシリコン単結晶の育成においては、単結晶の成長につれて、ルツボ内の原料融液が減少し、それに伴い、単結晶中のドーパント濃度が上昇する。すなわち、シリコン単結晶は、その成長方向において性質が変動する。結晶が大きくなるほど、成長方向におけるドーパントの偏析が大きくなり、有効単結晶化率が低下する。
また、LSO:Ce単結晶は、優れたシンチレータ材料であるが、成長する単結晶と原料融液との間のCeイオンの分配係数が0.2と小さいことから、CZ法により引き上げられた単結晶のCe濃度は、初期においては低く、引き上げの進行に伴い増加し、同一の単結晶内でのばらつきが大きい。
しかも、LSO:Ce単結晶の融点は2150℃と非常に高いため、単一ルツボによるCZ法においては、上記のようなCe濃度の不均一性を改善することは困難であった。
また、LN単結晶についても、組成の均質性の高い単結晶を得るために、結晶と融液が同じ組成で平衡共存する一致溶融(コングルエント)組成であるLi2O/(Nb25+Li2O)のモル分率が0.485である融液からCZ法により引き上げる等の工夫がなされていたが、組成の均質性の高い単結晶を得ることは難しかった。
このため、上記のような不純物組成や主成分組成の制御を目的として、例えば、特許文献1等に記載されているような二重ルツボを用いた単結晶引き上げ、いわゆる、二重ルツボ法が、従来から利用されている。
従来の二重ルツボ法のための一般的な単結晶製造装置の一例を図6に示す。図6に示す二重ルツボは、ルツボ12内に、側面に孔11aが形成された円筒状の仕切り部材11を設けることによって、単結晶16が引き上げられる原料融液14が充填されている内ルツボ部と、原料を融解する外ルツボ部とに区分されたものである。
この二重ルツボにおいては、単結晶の成長により消費された原料融液と同量の原料粉末15を、外部の原料供給機構17から外ルツボ部に連続して供給し、ヒータ17により融解し、内ルツボ部の原料融液14の組成変動の抑制を図るものである。
また、例えば、特許文献2には、原料を粉末で供給せずに、予め融液状態としてから、単結晶引き上げを行う二重ルツボ法が開示されている。
このような二重ルツボ法による単結晶製造装置を図7に示す。図7に示す二重ルツボは、内ルツボと外ルツボとが分離した構成からなり、底面から外部に連通する連通管21aが設けられた内ルツボ21が、外ルツボ22内に配置されたものである。
この二重ルツボにおいては、単結晶23の成長につれて減少する内ルツボ21内の原料融液24を、前記流通管21aを通じて供給される外ルツボ22内の原料融液25により補充する。このとき、流通管21aの外ルツボ22内にある開口部と外ルツボ22内の原料融液25の液面高さを調節することにより、内ルツボ21内への原料融液の流通を制御し、その原料融液組成の調整を図るものである。
米国特許第2,892,739号公報 特開平5−148077号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような二重ルツボは、原料を粉末で供給することから、別途、原料供給機構や原料粉末を均一に融解するための撹拌手段等を設ける必要があり、装置構造が複雑となり、コストアップや操作困難性等の課題を有するものであった。
また、原料供給機構や供給管から不純物が混入し、単結晶の結晶特性を低下させるおそれもある。
また、一般に、引き上げが困難な単結晶ほど、成長速度を遅く、かつ、結晶径を小さくする必要があり、単位時間当たりの結晶成長量が小さく、それに応じて、原料粉末の粒径を適度に調節し、その供給速度を遅くしなければならない。
しかしながら、前記原料粉末は、加熱により生じる気流により、舞い上がったり、ルツボ内に確実に落下せず、その落下位置で結晶が析出したりする等、原料の融解および融液の均質化が十分になされず、成長する単結晶の品質の不均一化を招くという課題も有していた。
一方、上記特許文献2に記載された二重ルツボにおいては、上記のような粉末原料に起因する問題は生じないものの、上記のような流通管をルツボに設けることは、加工困難性を有し、コストを要するという課題を有していた。
また、内ルツボと外ルツボとの間には、この流通管が配置されるスペースを設けておく必要があり、外ルツボ内の原料融液のうちの未使用残量が多くなり、高コストであり、効率的な方法とは言い難いものであった。
さらに、ルツボ内の原料入れ替えの際、流通管内の残留原料の除去が困難であるという課題も有していた。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、二重ルツボ法によるLN、YAG、LSO、GSO、YVO等の酸化物、Si、GaAs等の半導体等の単結晶引き上げにおいて、簡単な装置構成で、単結晶の組成制御操作性に優れ、メンテナンスも容易であり、高品質の単結晶を低コストで効率的に得られる製造方法および製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る単結晶の製造方法は、CZ法による単結晶引き上げにおいて、側面に孔が形成された内ルツボと外ルツボとからなる二重ルツボを用い、前記内ルツボと外ルツボに、異なる組成の原料融液をそれぞれ充填し、前記孔を外ルツボ内の原料融液の液面より高い位置に保持して、内ルツボ内の原料融液と外ルツボ内の原料融液とを分離し、単結晶引き上げ開始後、前記孔を外ルツボ内の原料融液の液面より低い位置にして、内ルツボ内に外ルツボ内の原料融液を流入させることを特徴とする。
このような本発明に係る二重ルツボ法によれば、単結晶原料を融液状態で供給することにより、原料融液の組成制御が容易となり、均一組成の単結晶を安定的に育成することができる。
また、本発明に係る単結晶製造装置は、CZ法による単結晶引き上げを行う単結晶製造装置であって、原料融液が充填されるルツボが、側面に孔が形成された内ルツボと外ルツボとからなる二重ルツボであり、内ルツボ内の原料融液から単結晶が引き上げられ、外ルツボ内の原料融液が、内ルツボ内に流入供給されるように構成されていることを特徴とする。
このように、内ルツボに形成された孔のみによって、外ルツボの原料融液を内ルツボに供給するという簡便な構成の二重ルツボであるため、ルツボの加工が容易で、繰り返し使用も可能であり、また、外ルツボに充填した原料を無駄なく使用することができる。
前記製造装置においては、前記内ルツボと外ルツボとが、単結晶引き上げ軸方向に相対的に移動可能であるように構成されていることが好ましい。
上記のように、内ルツボの側面に形成された孔と、外ルツボ内の原料融液の液面との相対的な高さ位置の関係により、原料融液組成が制御されるため、その高さ方向に対して、容易に移動可能な構成が好ましい。
また、前記製造装置においては、前記内ルツボ内の上方に、前記内ルツボ内の原料融液表面を覆うように、反射板が設置されていることが好ましい。
反射板の設置により、単結晶の径方向における温度勾配の調整が容易となるため、単結晶の形状の制御や品質の向上を図ることができる。
上述したとおり、本発明に係る単結晶の製造方法および製造装置は、従来の二重ルツボ法よりも、簡単な装置構成で、原料を融液状態でルツボ内に供給することができるため、原料融液組成の制御等の操作性に優れ、メンテナンスも容易であり、低コストで効率的に高品質の単結晶を引き上げることができる。
したがって、本発明によれば、CZ法による単結晶引き上げにおいて、LN、YAG、LSO、GSO、YVO等の酸化物、Si、GaAs等の半導体等の種々の単結晶の組成制御を効率的に行うことができる。
以下、本発明について、図面を参照して、より詳細に説明する。
本発明に係る単結晶の製造方法および製造装置は、CZ法による単結晶引き上げにおいて、内ルツボと外ルツボとからなる二重ルツボを用いる、いわゆる二重ルツボ法に係るものである。
図1に、本発明に係る単結晶製造装置の概略を示す。図1に示す単結晶製造装置における二重ルツボは、側面に孔1aが形成された内ルツボ1と外ルツボ2とからなる二重ルツボであり、炉(図示せず)内に配置され、前記二重ルツボの外周には、高周波コイル等によるヒータ3が設けられている。
前記内ルツボ1と外ルツボ2にはそれぞれ、単結晶引き上げ開始前に予め、原料融液4,5を調製し、充填しておく。
単結晶引き上げ開始後、各原料融液4,5は、内ルツボ1内の原料融液4から引き上げられる単結晶6の重量増加分に応じて、内ルツボ1内の原料融液組成が変動するため、外ルツボ2内の原料融液5によって、内ルツボ1内の原料融液組成が一定になるように制御する。
この内ルツボ1内の原料融液4の組成制御は、単結晶引き上げ工程の進行に伴い、内ルツボ1の側面に形成された孔1aを通じて、内ルツボ1内に外ルツボ2内の原料融液5を流入させることにより行う。
上記のように、本発明に係る二重ルツボは、内ルツボ1の側面に形成された孔1aを通じて、内ルツボ1内の原料融液4と外ルツボ内2の原料融液5とが流通可能に構成されている。
前記二重ルツボを使用する際、原料融解時は、前記孔1aを外ルツボ2内の原料融液5の液面より高い位置に保持して、内ルツボ1内の原料融液4と外ルツボ2内の原料融液5とが混合しないように分離した状態で原料融液を調製する。
そして、内ルツボ1の原料融液4からの単結晶引き上げ開始後、前記孔1aを外ルツボ2内の原料融液5の液面より低い位置にして、内ルツボ1内に外ルツボ2内の原料融液5を流入させる。
このように、本発明においては、単結晶原料を融液状態で供給することにより、粉末状態で供給する場合のような単結晶に対する擾乱を与えることなく、原料融液の組成制御を容易に行うことができ、均一組成の単結晶を安定的に育成することができる。
また、内ルツボに形成された孔のみによって、外ルツボの原料融液を内ルツボに供給するため、簡便な構成であり、ルツボの加工が容易で、繰り返し使用も可能であり、また、外ルツボに充填した原料を無駄なく使用することができるため、コストの低減化を図ることができる。
上記のように、内ルツボ1の側面に形成された孔1aと外ルツボ2の原料融液5の液面との高さ位置の調整が必要であるため、本発明に係る二重ルツボにおいては、内ルツボ1と外ルツボ2とが、単結晶引き上げ軸方向に相対的に移動可能であるように構成されていることが好ましい。
本発明において用いられる内ルツボおよび外ルツボの材質、サイズ等は、特に限定されるものではなく、製造する単結晶の種類、組成、サイズ等に応じて、適宜設計可能である。
また、内ルツボの側面に形成される孔のサイズ、位置、形状、数等も、特に限定されるものではなく、製造する単結晶の種類、組成、サイズ等に応じて、適宜設計可能であるが、孔から流入する原料融液によって、内ルツボ内の原料融液に乱流が生じ、単結晶の品質の低下を招かないように注意を払う必要がある。
なお、孔の高さ位置は、単結晶を引き上げることができる原料融液量を内ルツボ内に保持することができ、かつ、外ルツボ内に残留する未使用原料融液量をできる限り少なくすることができるような位置であることが好ましい。
さらに、前記製造装置においては、図2に示すように、内ルツボ1内の上方に、前記内ルツボ1内の原料融液2表面を覆うように、かつ、引き上げられる単結晶6に接触しないように、反射板7が設置されていることが好ましい。
通常、二重ルツボにおいては、内ルツボは外ルツボ内の溶液に浸漬されるため、内ルツボ内の原料融液の温度勾配は非常に小さい。このため、種結晶を原料融液に接触させる際、結晶径が急激に拡がりやすく、径の制御が困難となり、また、転位やインクルージョン等の欠陥も生じやすい。さらに、急激な径の拡がりにより、歪が蓄積され、単結晶の冷却時に、クラックや割れを生じる場合もある。
これに対して、前記反射板を設置して、融液からの輻射熱を再度融液へ戻すことにより、内ルツボ内の反射板下方の融液が、他の領域に比べて高温となり、融液表面の径方向における温度勾配を生じさせることが可能となる。これにより、引き上げる単結晶径の制御および品質の向上を図ることができる。
また、本発明に係る二重ルツボにおいては、単結晶引き上げによる内ルツボの原料融液の減少に伴い、外ルツボから内ルツボへ原料溶液が供給されるため、前記反射板と内ルツボ内の原料融液表面との位置関係を一定に保持することが可能であり、温度分布がほとんど変化しないため、単結晶引き上げ方向において均質な単結晶を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
内径100mm、深さ100mm、厚さ2mmのイリジウム製外ルツボ内に、内径80mm、深さ150mm、厚さ1.5mmであり、底面から30mmの位置に直径3mmの孔を側面に有するイリジウム製内ルツボが、その上端のフランジにより耐火物に引っ掛かるようにして配置されている図1に示したような構造の二重ルツボを用いて、LSO:Ce単結晶を引き上げた。
LSO:Ceの結晶原料として、純度99.99%以上のLu23、SiO2、CeO2をそれぞれ秤量し、混合してプレス成型した後、1400℃で10時間焼成し、内ルツボに投入する原料は、Ce濃度1.0at%(Ce/Lu比)、950gとし、外ルツボに投入する原料は、Ce濃度0.2at%、3216gとした。
原料溶融後、LSO:Ce単結晶からなる種結晶を、原料融液に浸し、20rpmで回転させながら引き上げ速度1mm/hで引き上げ、単結晶を育成した。
引き上げた単結晶は、引き上げ軸上に設置したロードセルにより、その重量をモニタリングした。
引き上げ開始時は、内ルツボ側面の孔は、外ルツボ内の原料融液の液面よりも高い位置とし、引き上げ開始後、外ルツボを上昇させ、結晶重量の増加分だけ、内ルツボ内に外ルツボ内の原料融液が流入するように制御して、引き上げを行なった。
得られたLSO:Ce単結晶は、直径50mm、長さ150mm、重量2303g、結晶化率55%であった。
また、得られた単結晶について、各位置における単結晶のCe濃度をICP−AESにより測定し、引き上げ工程における組成制御の評価を行った。その結果を、図3に、各時点における結晶化率とCe濃度との関係のグラフとして示す。なお、ここでいう結晶化率は、各時点で引き上げられた単結晶の重量の原料融液全重量に対する割合である。
さらに、単結晶引き上げ終了後、残留原料融液を冷却し、原料交換のため、固化した残留原料を叩き割って除去した。
外ルツボおよび内ルツボのいずれにも、割れや変形を生じることなく、これらのルツボは、そのまま繰り返し使用可能な状態であることが確認された。
[比較例1]
内径80mm、深さ80mm、厚さ2mmのイリジウム製の単一ルツボを用いて、LSO:Ce単結晶を引き上げた。
LSO:Ceの結晶原料として、実施例1において内ルツボに投入した原料と同様のCe濃度1.0at%のもの2216gをルツボ内に投入した。
原料溶融後、LSO:Ce単結晶からなる種結晶を、原料融液に浸し、20rpmで回転させながら引き上げ速度1mm/hで引き上げ、単結晶を育成した。
得られたLSO:Ce単結晶は、直径50mm、長さ100mm、重量1576g、結晶化率71.1%であった。
また、得られた単結晶について、各位置における単結晶のCe濃度を測定し、引き上げ工程における組成制御の評価を行った。その結果を、図3に、各時点における結晶化率とCe濃度との関係のグラフとして示す。
[比較例2]
図7に示すような連通管を備えた二重ルツボを用いて、実施例1と同様にして、LSO:Ce単結晶引き上げを行った。
上記引き上げにおいては、連通管の存在により、内ルツボと外ルツボとの引き上げ軸方向における相対位置の接近距離が、実施例1の場合よりも制限された。
得られたLSO:Ce単結晶は、直径50mm、長さ90mm、重量1430g、結晶化率34%であった。
また、得られた単結晶について、各位置における単結晶のCe濃度を測定し、引き上げ工程における組成制御の評価を行った。その結果を、図3に、各時点における結晶化率とCe濃度との関係のグラフとして示す。
さらに、単結晶引き上げ終了後、残留原料融液を冷却し、原料交換のため、固化した残留原料を叩き割って除去した。
しかしながら、連通管内部の残留原料は、取り出すことができなかった。
上記実施例1および比較例1,2における引き上げを比較すると、図3のグラフに示したように、本発明に係る二重ルツボを用いた場合(実施例1)は、従来の単一ルツボを用いた場合(比較例1)に比べて、組成制御性に優れていることが認められた。
また、従来の二重ルツボ法(比較例2)に比べても、均一組成の単結晶を高い結晶化率で歩留よく得られることが認められた。
[実施例2]
実施例1と同様の二重ルツボにおいて、内ルツボの上方に、内径60mm、外径78mm、厚さ1mmのイリジウム製反射板を図2に示すように設置し、それ以外については、実施例1と同様にして、単結晶引き上げを行なった。
このような反射板を設けることにより、引き上げ開始直後において、単結晶径の急激な拡がりが抑制され、クラックやインクルージョン、割れの発生も抑制されることが認められた。
[実施例3]
実施例1と同様の二重ルツボを用いて、GSO:Ce単結晶を引き上げた。
GSO:Ceの結晶原料として、純度99.99%以上のGd23、SiO2、CeO2をそれぞれ秤量し、混合してプレス成型した後、1400℃で10時間焼成し、内ルツボに投入する原料は、Ce濃度0.75at%(Ce/Gd比)、860gとし、外ルツボに投入する原料は、Ce濃度0.45at%、2912gとした。
原料溶融後、GSO:Ce単結晶からなる種結晶を、原料融液に浸し、20rpmで回転させながら引き上げ速度1.5mm/hで引き上げ、単結晶を育成した。
引き上げた単結晶は、引き上げ軸上に設置したロードセルにより、その重量をモニタリングした。
引き上げ開始時は、内ルツボ側面の孔は、外ルツボ内の原料融液の液面よりも高い位置とし、引き上げ開始後、外ルツボを上昇させ、結晶重量の増加分だけ、内ルツボ内に外ルツボ内の原料融液が流入するように制御して、引き上げを行なった。
得られたGSO:Ce単結晶は、直径50mm、長さ150mm、重量2085g、結晶化率55%であった。
また、得られた単結晶について、各位置における単結晶のCe濃度をICP−AESにより測定し、引き上げ工程における組成制御の評価を行った。その結果を、図4に、各時点における結晶化率とCe濃度との関係のグラフとして示す。なお、ここでいう結晶化率は、各時点で引き上げられた単結晶の重量の原料融液全重量に対する割合である。
[比較例3]
比較例1と同様の単一ルツボを用いて、GSO:Ce単結晶を引き上げた。
GSO:Ceの結晶原料として、実施例3において内ルツボに投入した原料と同様のCe濃度0.75at%のもの2006gをルツボ内に投入した。
原料溶融後、GSO:Ce単結晶からなる種結晶を、原料融液に浸し、20rpmで回転させながら引き上げ速度1.5mm/hで引き上げ、単結晶を育成した。
得られたGSO:Ce単結晶は、直径50mm、長さ100mm、重量1427g、結晶化率71.1%であった。
また、得られた単結晶について、各位置における単結晶のCe濃度を測定し、引き上げ工程における組成制御の評価を行った。その結果を、図4に、各時点における結晶化率とCe濃度との関係のグラフとして示す。
[実施例4]
内径60mm、深さ60mm、厚さ1.5mmのイリジウム製外ルツボ内に、内径50mm、深さ100mm、厚さ1.5mmであり、底面から20mmの位置に直径2mmの孔を側面に有するイリジウム製内ルツボが、その上端のフランジにより耐火物に引っ掛かるようにして配置されている図1に示したような構造の二重ルツボを用いて、Nd:YVO4単結晶を引き上げた。
Nd:YVO4の結晶原料として、純度99.99%以上のY23、V25、Nd23をそれぞれ秤量し、混合してプレス成型した後、1400℃で10時間焼成し、内ルツボに投入する原料は、Nd濃度1.75at%(Nd/Y比)、153gとし、外ルツボに投入する原料は、Nd濃度1.0at%、330gとした。
原料溶融後、Nd:YVO4単結晶からなる種結晶を、原料融液に浸し、10rpmで回転させながら引き上げ速度1mm/hで引き上げ、単結晶を育成した。
引き上げた単結晶は、引き上げ軸上に設置したロードセルにより、その重量をモニタリングした。
引き上げ開始時は、内ルツボ側面の孔は、外ルツボ内の原料融液の液面よりも高い位置とし、引き上げ開始後、外ルツボを上昇させ、結晶重量の増加分だけ、内ルツボ内に外ルツボ内の原料融液が流入するように制御して、引き上げを行なった。
得られたNd:YVO4単結晶は、直径25mm、長さ90mm、重量198g、結晶化率41%であった。
また、得られた単結晶について、各位置における単結晶のCe濃度をICP−AESにより測定し、引き上げ工程における組成制御の評価を行った。その結果を、図5に、各時点における結晶化率とCe濃度との関係のグラフとして示す。なお、ここでいう結晶化率は、各時点で引き上げられた単結晶の重量の原料融液全重量に対する割合である。
[比較例4]
内径50mm、深さ50mm、厚さ1.5mmのイリジウム製の単一ルツボを用いて、Nd:YVO4単結晶を引き上げた。
Nd:YVO4の結晶原料として、実施例4において内ルツボに投入した原料と同様のNd濃度1.75at%のもの257gをルツボ内に投入した。
原料溶融後、Nd:YVO4単結晶からなる種結晶を、原料融液に浸し、10rpmで回転させながら引き上げ速度1mm/hで引き上げ、単結晶を育成した。
得られたNd:YVO4単結晶は、直径25mm、長さ50mm、重量115g、結晶化率45%であった。
また、得られた単結晶について、各位置における単結晶のCe濃度を測定し、引き上げ工程における組成制御の評価を行った。その結果を、図5に、各時点における結晶化率とCe濃度との関係のグラフとして示す。
図4,5のグラフから明らかなように、GSO:Ce単結晶(実施例3および比較例3)またはNd:YVO4単結晶(実施例4および比較例4)の引き上げにおいても、本発明に係る二重ルツボを用いた場合(実施例3,4)は、従来の単一ルツボを用いた場合(比較例3,4)に比べて、組成制御性に優れていることが認められた。
本発明に係る単結晶製造装置の一例を示した概略断面図である。 本発明に係る他の態様の単結晶製造装置の概略断面図である。 実施例1および比較例1,2において引き上げた単結晶の結晶化率とCe濃度との関係を示したグラフである。 実施例3および比較例3において引き上げた単結晶の結晶化率とCe濃度との関係を示したグラフである。 実施例4および比較例4において引き上げた単結晶の結晶化率とNd濃度との関係を示したグラフである。 従来の二重ルツボ法における単結晶製造装置の一例を示した概略断面図である。 従来の二重ルツボ法における単結晶製造装置の他の一例を示した概略断面図である。
符号の説明
1,21 内ルツボ
1a,11a 孔
2,22 外ルツボ
3,13,23 ヒータ
4,5,14,24,25 原料融液
6,16,26 単結晶
7 反射板
11 仕切り部材
12 ルツボ
15 原料粉末
17 原料供給機構
21a 連通管

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法による単結晶引き上げにおいて、側面に孔が形成された内ルツボと外ルツボとかならなる二重ルツボを用い、
    前記内ルツボと外ルツボに、異なる組成の原料融液をそれぞれ充填し、前記孔を外ルツボ内の原料融液の液面より高い位置に保持して、内ルツボ内の原料融液と外ルツボ内の原料融液とを分離し、
    単結晶引き上げ開始後、前記孔を外ルツボ内の原料融液の液面より低い位置にして、内ルツボ内に外ルツボ内の原料融液を流入させることを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. チョクラルスキー法による単結晶引き上げを行う単結晶製造装置であって、原料融液が充填されるルツボが、側面に孔が形成された内ルツボと外ルツボとからなる二重ルツボであり、内ルツボ内の原料融液から単結晶が引き上げられ、外ルツボ内の原料融液が、内ルツボ内に流入供給されるように構成されていることを特徴とする単結晶製造装置。
  3. 前記内ルツボと外ルツボとが、単結晶引き上げ軸方向に相対的に移動可能であるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の単結晶製造装置。
  4. 前記内ルツボ内の上方に、前記内ルツボ内の原料融液表面を覆うように、反射板が設置されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の単結晶製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018527758A (ja) * 2015-07-16 2018-09-20 フィジカルニ ウースタヴ アーヴェー チェーエル ヴェーヴェーイーFyzikalni Ustav Av Cr, V.V.I. 高性能レーザシステムを構成するための光学素子およびその作製
CN111041553A (zh) * 2019-12-04 2020-04-21 山东天岳先进材料科技有限公司 一种晶体生长的装置及方法
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