JP2005089223A - 単結晶及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶を液相エピタキシャル成長によって形成するための高品質な単結晶基板を、生産性良く製造することができる単結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】 組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持つ単結晶をチョクラルスキー法(CZ法)により製造する方法であって、単結晶の内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となる条件で、結晶成長させることを特徴とする単結晶の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持つ単結晶を、生産性高く、製造することができる方法に関する。
近年、急速な普及が見込まれる光通信ネットワークにおいて不可欠な、光アイソレータや光サーキュレータ、光磁界センサー等に用いられるファラデー回転子の材料としては、主に液相エピタキシャル法によって単結晶基板上に成長させたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜が用いられている。このビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長によって高品質に成膜するためには、成膜温度から室温にまでのビスマス置換希土類鉄ガーネット膜と単結晶基板との格子定数差が極力小さいこと、すなわち格子定数と線膨張係数が近い事が必要条件とされる。この様な条件をみたす単結晶基板として、特許文献1に示されるCaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)単結晶(以下、CNGG単結晶と略す)が提案されている。この液相エピタキシャル法に用いられるCNGG単結晶基板は、一般にチョクラルスキー(CZ)法と呼ばれる、高品質で大型の単結晶の製造に適した方法で製造される。
しかしながら、CZ法により通常の条件で製造された2インチφ以上の大型のCNGG単結晶は、結晶の回転中心に、空隙を伴った欠陥が発生しやすく、品質が低下することがあった。
特開平10−139596号公報
本発明者らは、CZ法を用いて成長させたCNGG単結晶の空隙を伴った欠陥(インクルージョン)が、デンドライト(樹枝状)成長に伴って生じている事を見いだした。このデンドライト成長は、結晶凝固によって発生する凝固潜熱を十分に放熱できない状況下で発生していると考えられる。このため、結晶化速度や温度勾配を制御することで、上記欠陥を抑制する事ができると推定し、先に、結晶の成長速度を抑制することで上記欠陥を抑制する方法を提案した(特願2003−28067号)。
しかしながら、この特願2003−28067号の方法では、結晶成長速度を抑制するために、得られる単結晶の生産性が低下することがあった。
本発明の目的は、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶を液相エピタキシャル成長によって形成するための高品質な単結晶基板を、生産性良く製造することができる単結晶の製造方法及び該方法により製造された単結晶を提供することである。
本発明者らは、結晶成長界面の形状が特定形状となる条件で結晶成長させることにより、結晶の回転中心に空隙を伴った欠陥を発生させずに、生産性良く、高品質な単結晶を製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、
組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持つ単結晶をチョクラルスキー法(CZ法)により製造する方法であって、
単結晶の内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となる(好ましくは引き上げ方向に対して湾曲する)条件で、結晶成長させることを特徴とする単結晶の製造方法が提供される。
本発明によれば、
組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持ち、チョクラルスキー法(CZ法)により製造された単結晶であって、
内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となるように条件で、結晶成長させて得られたものである、単結晶が提供される。
本発明によれば、
組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持ち、チョクラルスキー法(CZ法)により製造された単結晶であって、
直胴部の直径が2インチ以上であり、
内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となっている
単結晶が提供される。
「単結晶の内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となる条件」は、たとえば、結晶回転引き上げ軸を、臨界回転数Ncrit以上の回転数で回転させながら引き上げることで得られる。このような条件とすることで、結晶引き上げ速度を比較的速くしても、単結晶中に空隙を伴った欠陥(インクルージョン)の発生を効果的に抑制することができる。その結果、単結晶の生産性が向上する。
臨界回転数Ncritは、直胴部が直径2インチφサイズの単結晶の育成の場合は13rpm程度であることが本発明者らにより確認されており、直胴部が直径3インチφサイズの単結晶の育成の場合は9rpm程度であることが確認されている。それ以上の大きさの単結晶を育成する場合でも、臨界回転数を適宜決定することは可能である。
本発明で製造される単結晶は、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶を液相エピタキシャル成長させるための単結晶基板として好適に用いることができる。
発明の作用
本発明者らは、上述した空隙を伴った欠陥について更なる観察を行った結果、全ての欠陥が結晶の回転中心(結晶引き上げ軸線上付近)でのみ発生し、回転中心で欠陥が発生する成長速度の3倍の成長速度でも、回転中心以外の位置ではこの欠陥が発生しない事が分かった。この結果から、結晶の回転中心において特異的な状況が発生し、欠陥の発生につながっているものと結論づけた。
デンドライト成長の原因としては、本来、3つの原因が考えられる。第1の原因としては、上述した様な凝固潜熱を十分に放熱できずに過冷却を維持できない場合であり、第2の原因としては組成的な過冷却による場合であり、第3の原因としては沿面成長と呼ばれる、成長速度の遅い二次元成長となる場合である。
ガーネット構造の単結晶をCZ法で成長させる場合に、結晶の回転中心付近に沿面成長によるコアを生じる場合がある。しかし、欠陥の発生した結晶の縦断面をクロスニコル法(結晶サンプルを2つの偏光板で挟み、おのおのの偏光面を垂直にする)にて観察すると、成長界面を現す成長縞が観察されるが、図1に示したように回転中心近傍に欠陥が観察されるものの、コアは観察されなかった。
また、組成的な過冷却に関しては、本出願人は、先に、融液と結晶との組成が一致する組成で結晶成長させる方法を提案した(特願2003−089790号)。しかしながら、この方法による場合、結晶引き上げ速度を1mm/時間以上とすると、回転中心で欠陥が観察されることがあった。
以上より、組成の影響が認められるものの、このデンドライト成長の原因としては、回転中心における局部的な温度勾配が影響していると結論づけた。
結晶の成長方向と熱の移動方向について図示すると図2の様に考えられる。
まず、結晶成長界面で発生した凝固潜熱及び融液からの熱は、等温面(2次元図では等温線にあたる)に垂直に伝わる。結晶成長時の過冷却が結晶の位置によって変わらないと仮定すると、温度が融点である等温面は、固液界面と一致する。回転軸対称を仮定して、断面図における鉛直方向zと半径方向rを図2の様に決めると、外側の方が温度が高いので固液界面近傍では、∂T/∂r>0、となる。
伝導伝熱においては温度の高い方向から低い方向に熱流束qが与えられるから、固液界面近傍では、∂q/∂r<0(但し、r>0)、∂q/∂r=0(但し、r=0)、となり、回転中心r=0近傍において特異的に熱流束が大きくなる事が示される。
以上の結果から考えられることは、結晶成長面の全てにおいて、∂T/∂r≦0、が満たされれば、この欠陥を抑制できるという事である。具体的に言うと、図3に示したように同じz位置において中心側から外側に対して温度は漸次低下し、融点を現す等温面は回転中心を含む断面に対してzが漸減した軌跡を描く。つまり回転中心を含む断面で見た場合に、固液界面と一致する結晶の成長縞が引き上げ方向に対して凸(上凸ともいう)の形状となる。
CNGGのような酸化物が対象の場合、結晶成長界面の形状を変化させる方法としては、結晶回転数を調整することが挙げられる。
一般的に、結晶成長界面の形状は、臨界回転数Ncritを越える回転数で、結晶引き上げ方向に対して凹(下凸ともいう)から凸に遷移し、例えば文献(Journal of Crystal Growth 89(1988)324−330)によれば、Ncrit=3.18(gβΔt)0.440.245 0.155 ν0.12−1.08 、として表されるNcrit以上の回転数で引き上げ方向に対して凸の形状が得られる事が示されている。
なお、ここでgは重力加速度、βは体積膨張率、Δtはルツボ壁と結晶との温度差、Dはルツボ直径、hは融液高さ、νは動粘度、dは結晶直径である。この式によれば、右辺において結晶直径dの−1乗にほぼ比例する事が示されており、その他の定数が一定であれば、ほぼNcrit・d=定数、となることが分かる。そのため、一般的に肩と呼ばれる結晶の径を拡大する部分においては、より大きな回転数を与えないと結晶成長界面の遷移が起こらない。
実際に結晶の胴部で結晶成長界面を下凸から上凸に遷移させる回転数で成長させた結晶を、結晶の回転中心を含む断面で縦にスライス、研磨し、クロスニコル法により観察した結果を図4に示した。この図4の様に、結晶の肩部で生じていた欠陥が、結晶の結晶成長界面の遷移に伴って消滅し、遷移後は二度と発生しない事が分かった。
以上の結果から、結晶成長界面、すなわち結晶の成長縞が上凸形状となるように条件(たとえば結晶回転数など)を調整して結晶成長を行う事で、生産性良く高品質なCNGG単結晶が得られる。
本発明方法により結晶を成長させることにより、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶を液相エピタキシャル成長によって形成するための高品質で欠陥のない単結晶を提供する事が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここにおいて、図1は従来法により成長させた単結晶を示した写真、図2は従来法による結晶成長界面の伝熱を説明した図、図3は本発明方法のメカニズムの説明図、図4は本発明方法により成長させた単結晶を示した写真、図5は本発明を実施するために用いる装置の一例を示す概略断面図、図6は直胴部の直径が2インチサイズの単結晶の育成条件と固液界面形状の関係を示す表、図7は直胴部の直径が3インチサイズの単結晶の育成条件と固液界面形状の関係を示す表、図8は本発明方法により成長させた単結晶を示した写真、図9は従来法により成長させた単結晶を示した写真、である。
本実施形態では、まず、本発明に係る単結晶の製造方法を実現可能な装置の構成を説明した後、この装置を用いて単結晶を製造する方法を説明する。
図5に示すように、単結晶の製造装置2は、ルツボ4を有する。ルツボ4は、白金、イリジウム等の金属で構成されており、断熱材6の略中心部分に形成された凹部62に配置してある。断熱材6は、中空球状のジルコニア等で構成される。断熱材6には、ルツボ4を被覆するように円筒状のアルミナ等のセラミックスで構成される第1耐火物構造体8が被せてある。断熱材6および第1耐火物構造体8には、円筒状の第2耐火物構造体(ハウジング)10が被せてある。
第1耐火物構造体8および第2耐火物構造体10の頂部壁略中心位置には、それぞれ開口部82,102が形成してある。開口部82,102には、所定の回転数で回転させながら上方(ルツボ4から離れる方向)に所定速度で移動自在な結晶引き上げ軸12が挿入してある。引き上げ軸12の下端には、種結晶122が取り付けてある。引き上げ軸12の上端には、動力源(図示省略)が連結される。
第2耐火物構造体10の外周には、本実施形態では高周波発振器としての高周波誘導コイル14が巻かれており、このコイル14に高周波電流を流すことで前記ルツボ4が誘導加熱され、その結果、前記ルツボ4中の融液42は所定温度に維持される。
次に、上述した単結晶の製造装置2を用いて、組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持つ単結晶を製造する方法を説明する。
まず、組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)を構成する元素の酸化物または炭酸塩(たとえば、CaCO、Nb、Gaなど)を、粉末状で所定の原子比になるように混合し、円柱状に圧縮成形した後、大気中、1000〜1400℃で焼結して焼結体を得る。
次いで、得られた焼結体を、気密性の保たれた上記製造装置2のルツボ4内に収容した後、少量の酸素を含む窒素雰囲気下で、前記焼結体を融解させて融液42とする。
次いで、結晶引き上げ軸12を下方に移動させることにより、その下端に取り付けられた種結晶122をルツボ4中の融液42に接触させる。
次いで、引き上げ軸12を回転させながら上方に引き上げることにより、種結晶122の下端に付着してくる融液42を凝固させつつ結晶成長させ、単結晶124を育成する。
本実施形態では、単結晶124の成長条件として、結晶回転数を、臨界回転数Ncrit以上とすればよく、2インチφの結晶育成を行う場合には好ましくは13〜30rpm、より好ましくは15〜20rpmとする。3インチφの結晶育成を行う場合には好ましくは9〜20rpm、より好ましくは10〜13rpmとする。このような結晶回転数とすることで、結晶の成長縞が引き上げ方向に対して凸となるような条件とすることができる。
本実施形態では、結晶引き上げ軸12を所定の結晶回転数で回転させるので、引き上げ速度を、好ましくは1〜5mm/hr、より好ましくは1.5〜3mm/hrと比較的速くしても、単結晶124中に空隙を伴った欠陥の発生を抑制することができる。その結果、単結晶124の生産性が向上する。
このようにして製造される単結晶124は、空隙を伴った欠陥が発生しておらず、高品質である。単結晶124は、たとえばビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶を液相エピタキシャル成長させるための単結晶基板材料として用いて好適である。
本実施形態では、単結晶124の内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となる条件で単結晶124を成長させる。具体的には、たとえば結晶引き上げ軸12を臨界回転数Ncrit以上に回転させて引き上げる。このため、ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶を液相エピタキシャル成長によって形成するための高品質な単結晶基板を、生産性良く製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
次に、本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
臨界回転数Ncritについて実験により求めた。本実施例では、図5に示す単結晶の製造装置2を用いた。高周波発振器として周波数70kHzのものを用いた。ルツボ4としては、直径100mm、高さ100mmおよび厚さ2.5mmのIr製ルツボを用いた。ルツボ4中には、CNGG原料(Ca、Nb、Gaのモル比、Ca:Nb:Ga=38.09:21.43:40.48)を約2200g挿入した。
以上の構成の装置2を用い、Nに1vol%のOを混入した雰囲気で、〈111〉方位のCNGG単結晶で構成される種結晶122を、ルツボ4内の融液42に接触させ、結晶引き上げ速度1.5mm/hrとし、結晶回転数だけが異なる条件で2インチφの結晶育成を行った。その結果を図6に示す。
図6によれば、結晶回転数12rpmまでは下凸の界面が得られたが、結晶回転数15rpmでは直胴部上端から上凸の界面として結晶が得られることが確認できた。この結果からこの2インチφ育成における臨界回転数は13rpm程度だという事が分かった。
次に、ルツボ4として、直径150mm、高さ150mmおよび厚さ2.5mmのIr製ルツボを用いた以外は、上記2インチφ育成と同じ装置2を用い、結晶引き上げ速度1.5mm/hrとし、結晶回転数だけが異なる条件で3インチφの結晶育成を行った。その結果を図7に示す。
図7によれば、結晶回転数8.5rpmまで下凸の界面だった結晶が、結晶回転数10rpmでは上凸の界面に遷移することが確認できた。この結果からこの3インチφ育成における臨界回転数は9rpm程度であることが分かる。
結果として、Ncrit・d=一定で見ると、3インチの臨界回転数は2インチの臨界回転数の2/3となると考えられるが、実際に双方の臨界回転数はこの式をほぼ満たすことが分かる。
この一連の2インチφ、3インチφの検討では、結晶とルツボ間の温度差Δtを調整した結果であり、炉内の温度分布を変更した場合には臨界回転数が変化するため、この臨界回転数だけで規定されるものではない。
実施例2
直径100mm、高さ100mmおよび厚さ2.5mmのIr製ルツボを用いた装置2を用い、結晶回転数を臨界回転数Ncrit以上の20rpmとした以外は、実施例1と同様にして、2インチφの結晶育成を行った。
その結果、図8に示した直径54mmφ、長さ70mmの透明CNGG単結晶が得られた。
結晶の一部を粉砕して粉末X線回折による相同定を行った結果、回折ピークは全てガーネット構造を有する相として指数付けでき、その他の異相ピークは全く認められず単一相であることが確認できた。結晶の表面状態は、荒れ、異物質の付着等は認められず、滑らかで光沢が認められる。結晶の直胴部には、気泡、割れ(クラック)、ネジレ及びインクルージョンなどの巨視的な欠陥は認められず、偏光顕微鏡によるオルソスコープ像から均一な単結晶になっていることが確認できた。
本実施例で得られた単結晶は、水晶とほぼ同程度の硬度であり、室温付近で化学的、物理的に安定である。また、水晶等で用いられる通常の加工条件で、クラック発生等の問題もなく、結晶切断及び研磨ができ、結晶の取り扱いが容易であることが確認できた。
比較例1
結晶回転数を臨界回転数Ncrit未満の5rpmとした以外は、実施例2と同様にして、2インチφの結晶育成を行った。
その結果、図9に示した直径52mmφ、長さ90mmの透明CNGG単結晶が得られたが、該結晶では、肩部から直胴部にかけて中心にインクルージョンが観察された。これにより、実施例2の優位性が確認できた。
図1は従来法により成長させた単結晶を示した写真である。 図2は従来法による結晶成長界面の伝熱を説明した図である。 図3は本発明方法のメカニズムの説明図である。 図4は本発明方法により成長させた単結晶を示した写真である。 図5は本発明を実施するために用いる装置の一例を示す概略断面図である。 図6は直胴部の直径が2インチサイズの単結晶の育成条件と固液界面形状の関係を示す表である。 図7は直胴部の直径が3インチサイズの単結晶の育成条件と固液界面形状の関係を示す表である。 図8は本発明方法により成長させた単結晶を示した写真である。 図9は従来法により成長させた単結晶を示した写真である。
符号の説明
2… 単結晶の製造装置
4… ルツボ
42… 融液
6… 断熱材
62… 凹部
8… 第1耐火物構造体
82… 開口部
10… 第2耐火物構造体
102… 開口部
12… 結晶引き上げ軸
122… 種結晶
124… 単結晶
14… 高周波誘導コイル

Claims (5)

  1. 組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持つ単結晶をチョクラルスキー法により製造する方法であって、
    単結晶の内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となる条件で、結晶成長させることを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持つ単結晶をチョクラルスキー法により製造する方法であって、
    結晶回転引き上げ軸を、臨界回転数Ncrit以上の回転数で回転させながら引き上げ、結晶成長させることを特徴とする単結晶の製造方法。
  3. 組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持ち、チョクラルスキー法により製造された単結晶であって、
    内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となるように条件で、結晶成長させて得られたものである、単結晶。
  4. 組成式CaNbGa12(2.9<x<3.1、1.6<y<1.8、3.1<z<3.3)で表され、ガーネット構造を持ち、チョクラルスキー法により製造された単結晶であって、
    直胴部の直径が2インチ以上であり、
    内部に現れる成長縞が引き上げ方向に対して凸となっている
    単結晶。
  5. 請求項3または4に記載の単結晶で構成される基板。
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