JPH0570281A - シリコン単結晶製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶製造方法

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JPH0570281A
JPH0570281A JP1905592A JP1905592A JPH0570281A JP H0570281 A JPH0570281 A JP H0570281A JP 1905592 A JP1905592 A JP 1905592A JP 1905592 A JP1905592 A JP 1905592A JP H0570281 A JPH0570281 A JP H0570281A
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granular
single crystal
granular polysilicon
silicon single
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JP1905592A
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Inventor
Yasumitsu Nakahama
泰光 中濱
Hiroshi Kamio
寛 神尾
Makoto Suzuki
真 鈴木
Shinji Ishii
伸治 石井
Masaki Omura
雅紀 大村
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、粒状ポリシリコン原料を連続して
供給しながら単結晶を製造する方法において、粒状ポリ
シリコン原料の特性を選択することにより、粒状ポリシ
リコン破片の発生数を低減し、シリコン単結晶の転位発
生確率を小さくすることを目的とする。 【構成】 本発明は、粒状ポリシリコン原料として、表
面粗さの平均が中心線平均粗さRa で 0.5μm 以下で、
直径2mm以上の粒子数が粒状原料1kg当り1000個以下で
あり、空隙面積率を3%以下の粒状原料を連続的に供給
しながらシリコン単結晶を育成する製造方法であり、更
に、洗浄液としてフッ酸系水溶液を用い、洗浄した粒状
ポリシリコンを用いることを特徴とするシリコン単結晶
の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粒状ポリシリコン原料を
連続的に供給しながらチョクラルスキ−法による大直径
のシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSI分野では、シリコン単結晶に要求
される直径は年々大きくなっている。今日、最新鋭デバ
イスでは、直径6インチのシリコン単結晶が使用されて
いる。これが将来直径8インチあるいはそれ以上の直径
のシリコン単結晶例えば直径12インチのシリコン単結
晶が必要になるだろうといわれている。チョクラルスキ
−法(以下CZ法という)においては、シリコン単結晶
の成長とともに、るつぼ内のシリコン溶融液が減少す
る。従って、シリコン単結晶の成長とともにシリコン単
結晶中のド−パント濃度が上昇し、酸素濃度が低下す
る。即ち、シリコン単結晶の成長とともに、シリコン単
結晶の性質がその成長方向により変動する。シリコン単
結晶の直径が大きくなるほど、シリコン単結晶の成長方
向のド−パント濃度偏析が大きくなるため、直径8イン
チ以上のシリコン単結晶では、有効単結晶化率が著しく
低下してしまう。
【0003】LSIの高密度化とともに、シリコン単結
晶の直径は大口径化されており、またシリコン単結晶に
要求される品質も年々厳しくなるので、上記のようなド
−パント濃度偏析の問題は解決されねばならない。
【0004】この問題を解決するための手段として、C
Z法における石英るつぼ内のシリコン溶融液を、小孔を
有する円筒状の石英製仕切り部材で仕切り、この仕切り
部材の外側に原料ポリシリコンを供給しながら、仕切り
部材の内側で円筒状のシリコン単結晶を育成する方法が
古くから行われており、例えば米国特許2,892,739 号に
開示されている。
【0005】一方、近年、直径 0.1〜5.0 mm程度の粒度
分布を持つ粒状多結晶シリコンが開発されたので、特に
これを用いて連続的に原料供給を行うCZ法が盛んに研
究開発されている(例えば特開平 2−80392 号公報)。
しかし、この方法は、結晶の有転位化率が通常のCZ法
に比べてまだ高いという問題点があり、そのため未だに
実用化レベルに至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、以上の
粒状ポリシリコン原料を連続的に供給しながらCZ法に
よるシリコン単結晶の引上げ方法において、得られた単
結晶の結晶転位に起因する点について詳細な調査研究し
た結果、以下のことを見知した。前記のCZ法によるシ
リコン単結晶の引上げ方法において、粒状ポリシリコン
原料をシリコン融液に供給する時に、大粒径の粒状ポリ
シリコン粒が割れを起こして弾け飛ぶ現象が見られた。
この粒状ポリシリコン破片は、時にはホットゾ−ンの上
部まで飛んでいることがあり、当然シリコン融液内にも
落下しているものと予想され、この様な状況下では、粒
状ポリシリコン破片が成長中の結晶に付着したり、結晶
付近の融液に落下し、転位が発生する。
【0007】本発明の目的は、原料特性の異なる粒状ポ
リシリコン原料を使用してCZ法により単結晶を成長す
るに当り、粒状ポリシリコン原料の特性を選択すること
により、前述の粒状ポリシリコン破片の発生数を低減
し、シリコン単結晶の転位発生確率を小さくし、もって
大口径のシリコン単結晶の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述した
知見に基づき、本発明の目的を達成するために種々検討
した結果、以下のことを発明したものである。本発明
は、粒状ポリシリコン原料を連続的に供給しながらチョ
クラルスキ−法によるシリコン単結晶の引上げ方法にお
いて、上記粒状ポリシリコン原料として、直径2mm以上
(好ましくは直径 1.5mm以上)の粒子数が粒状原料1kg
当り1000個以下の粒状原料を用いることを特徴とするシ
リコン単結晶製造方法であり、また、上記粒状ポリシリ
コン原料として、粒状原料の表面の粗さ平均が中心線平
均粗さRa で 0.5μm 以下の粒状原料を用いることを特
徴とするシリコン単結晶製造方法であり、また、上記粒
状ポリシリコン原料として、粒状原料の平均の空隙面積
率を3%以下の粒状原料を用いることを特徴とするシリ
コン単結晶の製造方法であり、さらに、上記粒状ポリシ
リコン原料として、直径2mm以上の粒子数が粒状原料1
kg当り1000個以下で、かつ粒状原料の表面の粗さ平均が
中心線平均粗さRa で0.5 μm 以下の粒状原料を用いる
ことを特徴とするシリコン単結晶製造方法であり、ま
た、上記粒状ポリシリコン原料として、直径2mm以上
(好ましくは直径 1.5mm以上)の粒子数が粒状原料1kg
当り1000個以下で、かつ粒状原料の表面の粗さ平均が中
心線平均粗さRa で 0.5μm 以下で、かつ粒状原料の平
均の空隙面積率を3%以下の粒状原料を用いることを特
徴とするシリコン単結晶の製造方法である。更に、上述
のシリコン単結晶を製造する方法において、洗浄した粒
状原料を用いることを特徴とするものであり、また、フ
ッ酸系水溶液で洗浄した粒状原料を用いることを特徴と
するシリコン単結晶の製造方法である。
【0009】
【作用】本発明のシリコン単結晶の製造方法は、粒状ポ
リシリコン原料を連続的に供給しながらシリコン単結晶
を引上げる方法において、用いる粒状ポリシリコン原料
として、直径2mm以上の粒子数が粒状原料1kg当り1000
個以下で、かつ粒状原料の表面粗さの平均が中心線平均
粗さRa で0.5μm 以下で、かつ粒状原料の平均の空隙
面積率が3%以下の粒状原料を用いることにより、粒状
ポリシリコン破片の発生数を低減し、粒状ポリシリコン
破片によるシリコン単結晶の転位発生確率を小さくし、
もって大口径のシリコン単結晶の製造を可能とするもの
である。
【0010】次に、粒状ポリシリコン原料の特性を限定
した理由について述べる。本発明者らは、後述する実験
により粒状ポリシリコン原料の物性と単結晶の割れにつ
いて詳しく調べた結果、大部分の粒状ポリシリコンの割
れは、直径2mm以上の粒子で起るので一定重量中の粒状
ポリシリコン原料に含まれる直径2mm以上好ましくは
1.5mm以上の粒状ポリシリコン数を減らすことにより、
粒状ポリシリコン破片の発生量も低減できる。粒度が直
径5mmを超えると、供給速度の変動幅が大きくなるの
で、粒状原料の粒径は5mm程度までに抑えておくことが
好ましい。
【0011】更に、粒状ポリシリコンの割れは粒子の表
面光沢度により違いが有ることを知見した。そこで、粒
状原料の外観の光沢度を定量化するために、中心線平均
粗さRa で表面粗さを調べた結果、後述する実施例の図
4に示すように、粒状原料の平均表面粗さRa が 0.5μ
m を超えると、粒状ポリシリコン破片の残留数は急激に
増加するので、粒状ポリシリコン原料の平均表面粗さR
a 値で 0.5μm 以下にすることによって、粒状ポリシリ
コン破片の発生確率を低減できることが判った。
【0012】更に、粒状ポリシリコン破片内の空隙は平
均的な粒状ポリシリコン粒子中の空隙よりも多いことを
知見した。粒状ポリシリコンの割れは、粒状ポリシリコ
ン原料の平均の空隙面積率を3%以下にすることによっ
て、粒状ポリシリコンの破片の発生確率を低減すること
が判った。このことによって、シリコン単結晶の転位発
生確率を少なくすることが可能である。
【0013】又、本発明者等は、後述する実施は例にお
いて、表面粗さは粒状ポリシリコン原料をフッ酸水溶液
で洗浄・表面エッチングすることにより光沢のある原料
にすることが可能であり、この原料を用いることにより
表面微小凹凸物の少ない単結晶が得られることを知見し
た。次に本発明の実施例について述べる。
【0014】
【実施例】図6は、本発明の実施例において用いたのシ
リコン単結晶育成装置の模式的断面図である。図におい
て、1は直径20インチの石英るつぼで、ペデスタル4で
支えられている黒鉛るつぼ2の中にセットされている。
ペデスタル4は炉外で電動モ−タ−(図示せず)に結合
されており、黒鉛るつぼ2に回転運動を与える働きをす
る。3は黒鉛るつぼ2を取り囲む電気抵抗加熱体(ヒー
ター)である。5はシリコン単結晶で、6はこの電気抵
抗加熱体3を取り囲む断熱材からなるホットゾーンの保
温部材で、7は石英るつぼ1内に入れられたシリコン溶
融原料液である。8は石英るつぼ1内にこれと同心円的
に配設された高純度石英からなるリング状の仕切り部材
で、その直径は35cmである。この仕切り部材8には小
孔10が開けられており、原料溶解部12の溶融原料は
この小孔10を通って単結晶育成部13に流入する。
【0015】この仕切り部材8の下縁部は石英るつぼ1
と予め融着されているか、シリコン原料を溶融する際の
熱により融着しており、原料溶解部12の高温の溶融原
料は、この小孔10のみを通り単結晶育成部13に流入
する。9は粒状ポリシリコン原料である。14は原料供
給管で、原料溶解部12の上部に開口を持っており、こ
の原料供給管14はチャンバー上蓋16の外部に設けた
原料供給チャンバ−(図示せず)に連結されており、1
5は保温カバ−であり、これらはチャンバー内に収容さ
れており、板厚 0.2mmのタンタル板で構成され、これは
仕切り部材8及び原料溶解部からの熱の放散を抑制す
る。17はチャンバ−胴でチャンバー上蓋16とでチャ
ンバー本体を形成し、19は排出口である。なお、本発
明においては、図示しないが原料溶解部12及び単結晶
育成部13の温度を確実に制御する制御手段、単結晶引
上げ及び回転手段、るつぼ回転手段、不活性ガスの供給
及び排出手段を備えることは勿論である。
【0016】次に、シリコン単結晶育成方法について述
べる。本発明に用いる粒状ポリシリコン原料9は、シラ
ンまたはトリクロルシランを流動層内に導入し熱分解に
より製造されたものを用いる。この粒状ポリシリコン原
料9は原料供給管14を通って原料溶解部12に連続的
に供給される。図6に示すように構成した単結晶製造装
置においては、石英るつぼ1内に配設した仕切り部材8
の内側と外側には、粒状ポリシリコン原料9を溶融原料
として入れて、電気抵抗加熱体3にて石英るつぼ1及び
黒鉛るつぼ2を加熱し、原料溶解部12の粒状ポリシリ
コン原料9を溶融する。この場合両者の溶融面は同一レ
ベルに保持されている。
【0017】いま、種結晶を単結晶育成部13の溶融液
面に接した後、回転手段(図示なし)により回転(20rp
m )させながら、また引上げ手段(図示なし)により、
シリコン溶融原料液7から柱状のシリコン単結晶5が回
転しながら、所定の速度(1mm/min )にて徐々に引き
上げると、凝固界面において結晶成長が行われ、円柱状
のシリコン単結晶5が得られる。この間、原料供給装置
14から原料溶解部12の溶融液表面上に粒状ポリシリ
コン原料9が連続的に供給され、この粒状ポリシリコン
原料9は原料溶解部12の溶融液によって溶解され、仕
切り部材8の小孔10を通って単結晶育成部13に静か
に移動し、溶融原料の粒状ポリシリコン原料9の液面レ
ベルを一定に保持する。
【0018】なお、当初の原料ポリシリコンの融解開始
から単結晶引上げ完了までの間、不活性ガスの供給及び
排出手段(図示なし)により、雰囲気ガスが導入され
る。雰囲気ガスは引上げチャンバ−20内から炉内に導
入され最終的に炉底の排出口19から減圧装置(図示せ
ず)により排出される。チャンバ−本体内(チャンバ−
上蓋16,及びチャンバ−胴17内)の圧力は0.01〜0.
03気圧である。
【0019】また、本発明において、粒状ポリシリコン
破片の残留数というのは、上記のようにシリコン単結晶
を育成した後、装置内を開放し、装置内のホットゾ−ン
部分に付着したり、乗っている粒状ポリシリコン破片及
び装置内底部に溜まっている粒状ポリシリコン破片を回
収し、その破片の残留数を指すものである。また、本発
明において、空隙面積率とは、粒状ポリシリコン断面の
空隙面積と断面積との比率を言う。
【0020】[実施例1]上記の装置を用いて、上記の
ように単結晶の育成を行い、粒状ポリシリコン原料の粒
度分布と粒状ポリシリコン破片の残留数との関係及び粒
状ポリシリコン原料の割れについて試験を行った。
【0021】図1に粒状ポリシリコン破片の残留数
(個)より得られる割れを起こした粒状ポリシリコン破
片の直径(mm)に対する度数分布を示す。図1に示すよ
うに、1回の実験で発生した粒状ポリシリコン破片の残
留数の個数の多い粒状ポリシリコン破片の直径は2mm以
上である。
【0022】一方、図2に供給原料の粒状ポリシリコン
原料全体の粒度分布の一例を示す。この図1と図2とを
考え合わせると、粒状ポリシリコン原料の割れは、直径
1.5mm以上の粒状ポリシリコン原料のみに起こり、大部
分の粒状ポリシリコン原料の割れは、直径2mm以上の粒
子で起っていることが判る。これより、粒状ポリシリコ
ン原料の割れと粒状ポリシリコン原料の直径との間に明
らかな相関が有り、CZ法によるシリコン単結晶を育成
する方法において、一定重量中の粒状ポリシリコン原料
に含まれる直径2mm以上好ましくは1.5mm以上の粒状ポ
リシリコン数を減らすことにより、粒状ポリシリコン破
片の発生量も低減でき大口径の単結晶が得られることが
判る。
【0023】[実施例2]粒状ポリシリコン原料中に
は、希には直径7mmと大きい粒子も存在し、このような
大きな粒子は原料供給装置の供給速度を大きく変動させ
てしまう。そこで、粒状ポリシリコン原料の最大粒径と
供給速度の変動幅の関係を調べる実験を行った。その結
果を図3に示す。この図3は粒状原料の平均供給速度を
45g/min で行った場合の粒状原料の最大粒径(mm)と
供給速度の変動幅(g/min )を示すものである。
【0024】この図3に示すように粒状原料の最大粒径
は5mm程度までが供給速度の変動幅が2.5g/min 程度と
少なく、それ以上の最大粒径の場合は 5g /min と変動
幅が大きくなることがことが判り、粒状原料の粒径は5
mm程度までに抑えておくことが望ましいことが判る。
【0025】[実施例3]次に、粒状ポリシリコン原料
を連続的に供給してCZ法により単結晶の成長実験を行
い、そして、実験終了後の装置内の粒状ポリシリコン破
片の残留数を調査し、この値と、得られたシリコン単結
晶の有転位化確率を調べこの値との関係を調べた。表1
に、供給原料供給量1kg当りの粒状ポリシリコン破片の
残留数(個)とそのときの転位の発生有無についての関
係を示す。
【0026】表1より、粒状ポリシリコン破片の残留数
が少ない実験4,5の場合、結晶の転位の発生が無く、
この結果、粒状ポリシリコン破片の残留数とそのときの
転位の発生との両者間には相関があることが判る。ま
た、表1の実験5は、実験4と同じ粒度分布を持った粒
状原料であるが、実験5の粒状ポリシリコン原料が全体
的に実験4の原料よりも外観の光沢度が違っていた。
【0027】
【表1】 表1に示されている通り、同じ粒度分布であっても、光
沢がある粒状ポリシリコン原料の方が粒状ポリシリコン
破片の残留数はかなり少ないことが判る。従って光沢度
と粒状ポリシリコン破片の残留数との関係を調べるため
に表面粗さを測定した。
【0028】光沢度を中心線平均粗さRa で定量化し、
表面粗さの表示法の1つである中心線平均粗さRa で表
面粗さを調べた結果、実験4の粒状ポリシリコン原料の
平均の表面粗さが中心線平均粗さRa で、 0.7μm であ
ったのに対して、実験5のRa は 0.4μm であった。
【0029】一方、特開平 1−282194号公報には、粒状
シリコン中の残留水素含有量を7.5ppm以下に低減すれ
ば、シリコン融液上で発生する粒状シリコンの破裂飛散
は防止できると開示されている。これに対して、本発明
者らは、粒状ポリシリコン原料中の水素含有量と原料供
給量1kg当りの粒状ポリシリコン破片の残留数との関係
を求める試験を実施し、表2の結果を得た。
【0030】表2は、粒状ポリシリコン原料中の水素含
有量(ppm )と原料供給量1kg当りの破片残留数(個)
との関係を示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示すように、粒状ポリシリコン原料
中の水素含有量が1ppm 以下と極めて微量な原料を使用
しても(実験6)、粒度分布がほぼ同じで10ppm 前後
と水素含有量が多い原料を使用しても(実験8)、粒径
の大きいポリシリコン粒子に限って割れが発生し、弾け
飛ぶ現象に変わりが無いことを知見した。この粒径の大
きいポリシリコン粒子の割れの原因は熱ショックによる
ものと考えられる。
【0033】[実施例4]粒状原料の粒子の表面光沢度
を中心線平均粗さRaで表面粗さとして、粒状のポリシ
リコン粒子の破片との関係を求める実験を前記のように
構成したシリコン単結晶引上げ装置にて、以下に示す1
1種類の粒状ポリシリコン原料1kg当りの直径(≧2mm
及び≧ 1.5mm)毎のケ−スについて単結晶育成の実験を
それぞれ3回ずつ行い転位本数と粒状ポリシリコン破片
の残留数(個)を調べた。なお、シリコン単結晶の育成
条件は直径6インチ、ボディ長さ1mであり、また、引
上げ速度は1mm/min で、粒状ポリシリコン原料の供給
速度は45g/min である。その実験結果を次の表3並び
に図4に示す。
【0034】
【表3】
【0035】ケ−ス1)からケ−ス6)の粒状ポリシリ
コン原料の平均の表面粗さはRa 値で 0.5μm 以下の光
沢のある原料であり、またケ−ス7)からケ−ス11)
の粒状ポリシリコン原料のRa 値は 0.5μm より粗い光
沢のない原料である。なお、実験で使用した粒状ポリシ
リコン原料の粒径範囲は 0.1mmから 5.0mmまでである。
【0036】表3に示すように、ケ−ス1),7)では
無転位単結晶が1本も引き上らず、その場合の粒状ポリ
シリコン破片の残留数は2.63及び5.19であり、ケ−ス
8)では無転位単結晶が3回中1本引き上り、粒状ポリ
シリコン破片の残留数は1.61であり、ケ−ス2),3)
及びケ−ス9)では無転位単結晶が3回中2本引き上
り、粒状ポリシリコン破片の残留数は0.98,0.48及び0.
68であり、ケ−ス4),5),6),10)及びケ−ス
11)では3回とも無転位単結晶が引き上り、粒状ポリ
シリコン破片の残留数は0.35,0.07,0.32,0.11及び0.
47と低かった。以上の如く、この一連の実験において
も、引き上った無転位単結晶の本数が多いほど粒状ポリ
シリコン原料1kg当りの粒状ポリシリコン破片の残留数
は少なくなっていることは明らかである。
【0037】また、図4に示すように、粒状原料の平均
表面粗さRa が0.5μm をこえると、供給原料1kg当り
の粒状ポリシリコン破片の残留数(個)は急激に増加す
る。表面の切欠き効果により割れ易くなるものと考えら
れる。従って、粒状ポリシリコン原料の平均表面粗さを
Ra 値で 0.5μm 以下にすることによっても、粒状ポリ
シリコン破片の発生確率を低減できることが判った。更
に、粒状ポリシリコン原料の平均の空隙面積率(%)と
粒状ポリシリコン粒子の割れとの関係を求める実験を、
直径2mm〜5mmの粒子数が原料1kg当り 930〜980 個で
あり、粒状原料の平均表面粗さRaが 0.5μm以下であ
る条件で行った。その結果を図5に示す。図5に示す如
く、粒状ポリシリコン原料の平均の空隙面積率が3%を
越えると、供給原料1kg当りの粒状ポリシリコン破片の
残留数は急激に増加する。このことから、粒状ポリシリ
コン原料の平均の空隙面積率を3%以下(好ましくは2
%以下)に抑えることによっても、粒状ポリシリコン破
片の発生確率を低減できることが判った。これらのこと
より、シリコン単結晶の転位発生確率も小さくなる。
【0038】以上の結果、シリコン単結晶引上げ中に供
給する粒状ポリシリコン原料が、直径2mm以上好ましく
は直径 1.5mm以上の粒子数が原料1kg当り1000個以下で
あり、しかも粒状原料の表面粗さの平均がRa で 0.5μ
m 以下の光沢のあるものであり、さらに粒状原料の空隙
面積率が3%以下であれば、シリコン単結晶の有転位化
率を大幅に低減できることが判った。また、粒状ポリシ
リコン原料が、直径 1.5mm以上の粒子数が原料1kg当り
1000個以下であれば、平均表面粗さRa が悪くても、即
ち表面の光沢がなくても、ケ−ス11)のように無転位
単結晶を確率高く引上げられることが判った。
【0039】[実施例5]実施例4でのポリシリコン原
料の平均表面粗さの効果を明らかにしたが、表面粗さは
ポリシリコン原料を洗浄・表面エッチングすることによ
り光沢のある原料にすることが可能である。具体的には
フッ酸4%水溶液中でRa 値が 1.1μm のポリシリコン
原料を10分洗浄した。本処理をしたポリシリコン原料
の平均表面粗さRa 値は 0.3μm となった。処理済みの
原料を用いて実施例4と同様の引き上げ実験を行ったと
ころ表4の結果となった。
【0040】
【表4】
【0041】表4と表3のケ−ス3),ケ−ス9)を比
較するとケ−ス3)より破片の残留数が少なくなってお
り、本処理法の効果は明らかである。本処理法は、表面
粗さの低減は勿論のこと付加的に表面汚れも低減出来る
効果を持つ。
【0042】本発明において用いる粒状ポリシリコン原
料は、モノシランまたはトリクロルシランのいずれの方
法によるものでも適用でき、さらに、単結晶製造装置は
図6に限定されるものでは無く、粒状ポリシリコン原料
を連続供給しながらシリコン単結晶を育成する装置であ
れば良い。
【0043】
【発明の効果】本発明では、連続的に粒状ポリシリコン
原料を供給しながら結晶を育成するタイプのCZ法にお
いて、供給する粒状ポリシリコン原料について、原料重
量1kg当りの直径2mm以上の粒子数を適正化すること
と、粒状原料の平均の表面粗さ並びに粒状原料の平均の
空隙面積率を適正化にすることにより、粒状ポリシリコ
ン破片の発生を抑制し、シリコン単結晶の有転位化率を
著しく低減させた。これは連続的に粒状ポリシリコン原
料を供給しながら結晶を育成するタイプのCZ法の製造
技術を確立するに当って効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒状ポリシリコン破片の残留数とその粒状ポリ
シリコン破片の直径との関係を示す説明図、
【図2】粒状ポリシリコン原料の粒度分布図、
【図3】粒状ポリシリコン原料の最大粒径と供給速度の
変動幅との関係を示す説明図、
【図4】粒状ポリシリコン原料の平均表面粗さRaと粒
状ポリシリコン破片の残留数との関係を示す説明図、
【図5】粒状ポリシリコン原料の空隙面積率と粒状ポリ
シリコン破片の残留数の関係とを示す説明図、
【図6】本発明の実施例において用いた単結晶製造装置
の模式的断面説明図。
【符号の説明】
1 石英るつぼ、 2 黒鉛るつぼ、 3 電気抵抗加熱体(ヒ−タ)、 4 ペディスタル、 5 シリコン単結晶、 6 保温部材、 7 溶融原料、 8 仕切り部材、 9 粒状ポリシリコン原料、 10 小孔、 12 原料溶解部、 13 単結晶育成部、 14 原料供給管、 15 保温カバ−、 16 チャンバ−上蓋、 17 チャンバ−胴、 19 排出口、 20 引上げチャンバ−。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 伸治 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 大村 雅紀 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状ポリシリコン原料を連続的に供給し
    ながらチョクラルスキ−法によるシリコン単結晶の引上
    げ方法において、 上記粒状ポリシリコン原料として、表面粗さの平均が中
    心線平均粗さRa で0.5μm 以下の粒状原料を用いるこ
    とを特徴とするシリコン単結晶製造方法。
  2. 【請求項2】 粒状ポリシリコン原料を連続的に供給し
    ながらチョクラルスキ−法によるシリコン単結晶の引上
    げ方法において、 上記粒状ポリシリコン原料として、直径2mm以上の粒子
    数が粒状原料1kg当り1000個以下の粒状原料を用いるこ
    とを特徴とするシリコン単結晶製造方法。
  3. 【請求項3】 粒状ポリシリコン原料を連続的に供給し
    ながらチョクラルスキ−法によるシリコン単結晶の引上
    げ方法において、 上記粒状ポリシリコン原料として、粒状原料の平均の空
    隙面積率を3%以下の粒状原料を用いることを特徴とす
    るシリコン単結晶製造方法。
  4. 【請求項4】 粒状ポリシリコン原料を連続的に供給し
    ながらチョクラルスキ−法によるシリコン単結晶の引上
    げ方法において、 上記粒状ポリシリコン原料として、直径2mm以上の粒子
    数が粒状原料1kg当り1000個以下で、かつ粒状原料の表
    面粗さの平均が中心線平均粗さRa で 0.5μm以下の粒
    状原料を用いることを特徴とするシリコン単結晶製造方
    法。
  5. 【請求項5】 粒状ポリシリコン原料を連続的に供給し
    ながらチョクラルスキ−法によるシリコン単結晶の引上
    げ方法において、 上記粒状ポリシリコン原料として、直径2mm以上の粒子
    数が粒状原料1kg当り1000個以下で、かつ粒状原料の表
    面粗さの平均が中心線平均粗さRa で 0.5μm以下で、
    かつ粒状原料の平均の空隙面積率を3%以下の粒状原料
    を用いることを特徴とするシリコン単結晶製造方法。
  6. 【請求項6】 粒状ポリシリコン原料を連続的に供給し
    ながらチョクラルスキ−法によるシリコン単結晶の引上
    げ方法において、 上記粒状ポリシリコン原料として、洗浄した粒状原料を
    用いることを請求項1記載のシリコン単結晶製造方法。
  7. 【請求項7】 前記粒状原料を洗浄する洗浄液がフッ酸
    系水溶液であることを特徴とする請求項6記載のシリコ
    ン単結晶製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0925192A (ja) * 1995-07-07 1997-01-28 Nec Corp 単結晶育成用るつぼおよび単結晶育成法

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