JPH09249642A - パーオキシカーボネート、硬化剤及びこれを使用する硬化方法 - Google Patents

パーオキシカーボネート、硬化剤及びこれを使用する硬化方法

Info

Publication number
JPH09249642A
JPH09249642A JP8904396A JP8904396A JPH09249642A JP H09249642 A JPH09249642 A JP H09249642A JP 8904396 A JP8904396 A JP 8904396A JP 8904396 A JP8904396 A JP 8904396A JP H09249642 A JPH09249642 A JP H09249642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curing
thermosetting resin
curing agent
odor
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8904396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3747090B2 (ja
Inventor
Shigeo Araki
重雄 荒木
Akihiro Fujimoto
昭博 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kayaku Akzo Corp
Original Assignee
Kayaku Akzo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaku Akzo Corp filed Critical Kayaku Akzo Corp
Priority to JP08904396A priority Critical patent/JP3747090B2/ja
Publication of JPH09249642A publication Critical patent/JPH09249642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3747090B2 publication Critical patent/JP3747090B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂
等からなる熱硬化性樹脂組成物から得られる成形硬化品
を、使用時発熱する電気部品、封止モーター等に使用し
た場合、熱を受けても臭気を発生しにくい成形硬化品を
与える硬化剤を開発する。 【解決手段】式(1)で表されるパ−オキシカ−ボネ−
トを硬化剤として不飽和ポリエステル樹脂やビニルエス
テル樹脂等の熱硬化性樹脂に配合し、加工成形する。 【化1】 (式中R1 、R2 は、炭素数4〜8の第3級アルキル
基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パ−オキシカ−ボ
ネ−ト、硬化剤及びこれを用いる不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂は、これに硬化剤、他の添
加剤を配合し、熱硬化性樹脂組成物としたうえで種々の
成形品の製造に用いられている。例えば、不飽和ポリエ
ステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂に増
粘剤、硬化剤、硬化促進剤、補強剤、充填剤、低収縮化
剤、離型剤、ビニル系単量体、着色剤等を混合し、熱硬
化性樹脂組成物とした後、シート状加工品(以下SMC
と略す)又はペレット状、ソーセージ状のバルク状加工
品(以下BMCと略す)に加工され、これらの加工品
は、圧縮、トランスファー、射出等各種成形法により成
形、硬化され、自動車部品、電機部品、住設資材等が製
造されている。
【0003】前記したような熱硬化性樹脂組成物から得
られた加工品の成形硬化温度は、成形品の大きさ、厚み
により異なるが、一般的には120℃〜160℃におい
て行われている。叉、使用される硬化剤の例としては種
々のパーオキサイド類が挙げられるが、最も広く用いら
れているものは、t−ブチルパーオキシベンゾエート
(以下TBPBと略す)である。SMC、BMC等の加
工品(以下において単に加工品と称す)は、前記した様
に幅広い用途の製品に用いられているが、特に使用時加
熱される部位に使用されるものにあって、高熱時に製品
より発生する臭気が問題として指摘されていた。例え
ば、封止モーター、電機部品ハウジング、自動車内装部
品等の発熱を伴うモーター、電機部品を収納する部材で
は、使用時60℃〜80℃程度に温度が上昇する場合が
あり、製品より異臭が発生する現象が度々みられ、この
改善が要望されていた。このように臭気が発生する原因
としては、低沸点未反応モノマー、硬化剤の分解生成
物、種々の添加剤等が考えられる。
【0004】このうち硬化剤は、一般に成形硬化時に熱
分解し、その結果生成した分解生成物が熱硬化性樹脂と
反応して硬化反応を開始せしめると考えられているが、
一般的に用いられているTBPBについてみると、熱分
解した後の分解生成物の全てが熱硬化性樹脂等に結合す
るのではなく、その一部が製品中に残留すると考えられ
ている。TBPBの熱分解生成物のうち、メタン、炭酸
ガス等の気体生成物、アセトン等の低沸点生成物につい
ては、成形、硬化中に揮散してしまうが、安息香酸等の
高沸点生成物の一部が硬化した製品中に残留し、これが
製品の使用時加熱されることにより除々に放出され、臭
気発生の原因になると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱硬化性樹脂用硬化剤
を使用して得た熱硬化性樹脂組成物の成形硬化品につい
て、加熱使用時に臭気が発生することのないような硬化
剤を開発する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱硬化性
樹脂を硬化させる性能を有し、且つ成形硬化品とした場
合、加熱使用時に臭気を発生させることのないような硬
化剤を開発すべく鋭意研究した結果、特定のパーオキシ
カーボネートが熱硬化性樹脂を硬化させる性能が優れ、
且つその成形硬化品の加熱使用時における臭気が格段に
少ないことを見出し本発明に到った。
【0007】即ち本発明は (1)式(1)で表されるパ−オキシカ−ボネ−ト
【化2】 (式中R1 、R2 は、炭素数4〜8の第3級アルキル
基) (2)前項(1)記載のパ−オキシカ−ボネ−トからな
る熱硬化性樹脂用硬化剤 (3)熱硬化性樹脂及び前項(1)記載のパ−オキシカ
−ボネ−ト叉は前項(2)記載の硬化剤を含有する熱硬
化性樹脂組成物 (4)前項(1)記載のパ−オキシカ−ボネ−ト叉は前
項(2)記載の硬化剤を使用することを特徴とする熱硬
化性樹脂の硬化方法 (5)前項(3)記載の熱硬化性樹脂組成物をシート状
及びバルク状に加工し、ついで硬化させることを特徴と
する熱硬化性樹脂の硬化方法 に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明
の式(1)で表されるパーオキシカーボネートは、通常
のパ−オキシカ−ボネ−トの製法により製造される。例
えば、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル
オキシ)ヘキサン(以下BTBPHと略す)の製造法
は、実施例1に示す。
【0009】本発明の式(1)で表されるパーオキシカ
ーボネートのその他の具体例としては、1,6−ビス
(t−アミルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン
(以下BTAPHと略す)、1,6−ビス(t−ヘキシ
ルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン(以下BTH
PHと略す)、1,6−ビス(t−オクチルパーオキシ
カルボニルオキシ)ヘキサン(以下BTOPHと略
す)、1−t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ−6
−t−アミルパーオキシカルボニルオキシ−ヘキサン
(以下TBTAPHと略す)、1−t−ブチルパーオキ
シカルボニルオキシ−6−t−ヘキシルパーオキシカル
ボニルオキシ−ヘキサン(以下TBTHPHと略す)、
1−t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ−6−t−
オクチルパーオキシカルボニルオキシ−ヘキサン(以下
TBTOPHと略す)、1−t−アミルパーオキシカル
ボニルオキシ−6−t−ヘキシルパーオキシカルボニル
オキシ−ヘキサン(以下TATHPHと略す)、1−t
−アミルパーオキシカルボニルオキシ−6−t−オクチ
ルパーオキシカルボニルオキシヘキサン(以下TATO
PHと略す)、1−t−ヘキシルパーオキシカルボニル
オキシ−6−t−オクチルパーオキシカルボニルオキシ
−ヘキサン(以下THTOPH)等が挙げられる。
【0010】本発明において硬化の対象とする熱硬化性
樹脂としては、樹脂組成物中に重合可能なビニル基を有
し、加熱により三次元硬化出来る樹脂であればいずれも
使用可能であるが、最も好ましい例は不飽和ポリエステ
ル樹脂及びビニルエステル樹脂である。
【0011】不飽和ポリエステル樹脂は、一般に不飽和
二塩基酸を必ず1成分として含み、必要により飽和二塩
基酸を併用してグリコール類と加熱脱水縮合反応させて
得られる樹脂で、通常スチレンモノマー等のビニル系単
量体で希釈して用いられる。ここで不飽和二塩基酸とし
ては、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロ
ロマレイン酸等が用いられ、飽和二塩基酸としては、無
水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、こはく酸、
アジピン酸、セバチン酸等が用いられる。叉、グリコー
ル類としては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、プロピレン
オキサイド付加物等が用いられる。更に、希釈用のビニ
ル単量体としては、スチレンモノマー以外にメチルメタ
クリレート、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ク
ロルスチレン等も用いることができる。
【0012】ビニルエステル樹脂は、一般にポリエポキ
シドとα,β−不飽和一塩基酸の当量反応物として得ら
れ、通常前記同様ビニル系単量体で希釈して用いられ
る。ポリエポキシドとしては、ビスフェノールA、ビス
フェノールF等のエピ・ビス型グリシジルエーテル、ノ
ボラック型グリシジルエーテル、臭素化グリシジルエー
テル、トリグリシジルイソシアヌレート等の含窒素ポリ
エポキシド、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のグリ
シジルエステル、グリコール型グリシジルエーテル等
が、叉不飽和一塩基酸としてはアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸等がそれぞれ用い
られる。
【0013】本発明の式(1)のパ−オキシカ−ボネ−
トからなる硬化剤は、熱硬化性樹脂100部(以下にお
いて、部は重量部を意味する)に対して、通常0.3〜
5部、好ましくは0.5〜3部使用される。
【0014】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性
樹脂、式(1)のパ−オキシカ−ボネ−ト、その他必要
によりガラス繊維又はカーボン繊維、ビニロン繊維の単
独又は複合で成り立つチョップドストランド、チョップ
ドストランドマット、クロス、ミルドファイバー等の補
強剤、炭酸カルシウム、ガラス粉末、水酸化アルミ、ク
レー、シリカ等の充填剤、酸化マグネシウム、イソシア
ネート等の増粘剤、酸化チタン、フタロシアニン顔料等
の顔料、ステアリン酸亜鉛、ゼレックUN(DuPon
t社製)等の離型剤、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等
のビニル単量体を撹拌混合して得られる。
【0015】本発明における熱硬化性樹脂組成物の好ま
しい配合割合の例としては、熱硬化性樹脂100部、硬
化剤0.3〜5部、補強剤15〜30部、充填剤100
〜300部、増粘剤0.5〜3部、各種顔料0.1〜1
0部、離型剤1〜10部、ビニル単量体1〜20部とい
うような配合割合である。尚、本発明の熱硬化性樹脂組
成物には、t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、p
−ベンゾキノン等の禁止剤、又、硬化製品の臭気の問題
にならない範囲(通常、熱硬化性樹脂100部に対して
1部以下)でTBPB、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート(以下TBPICと略す)、1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン(以下DTBTCと略す)、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下TBPOと
略す)等の通常のパーオキサイドを併用する事も可能で
ある。
【0016】本発明の熱硬化性樹脂組成物の成形硬化温
度は、通常100〜180℃、好ましくは120〜16
0℃である。
【0017】次に、好ましい成形硬化方法の例について
説明する。まず、本発明の熱硬化性樹脂組成物をシ−ト
状の加工品(SMC)あるいはバルク状の加工品(BM
C)に加工し、ついでこれらを成形硬化して製品を得る
方法である。加工品を製造するための樹脂組成物は、例
えば、不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂
等の熱硬化性樹脂成分100部にガラス繊維又はカーボ
ン繊維、ビニロン繊維の単独又は複合で成り立つチョッ
プドストランド、チョップドストランドマット、クロ
ス、ミルドファイバー等の補強剤15〜30部、炭酸カ
ルシウム、ガラス粉末、水酸化アルミニウム、クレー、
シリカ等の充填剤100〜300部、酸化マグネシウ
ム、イソシアネート等の増粘剤0.5〜3部、各種顔
料、ステアリン酸亜鉛、ゼレックUN(DuPont社
製)等の離型剤1〜10部、ポリスチレン、ポリ酢酸ビ
ニル等のビニル単量体1〜20部及び硬化剤を混合して
得られる。
【0018】前記のような樹脂組成物を十分混合して得
たペーストをポリエチレンフィルムに塗布し、その上に
ロービングチョップ等を吹きつける方法にてSMCを、
又はペーストにチョップドストランド等を入れ混合機
(プラネタリーミキサーやニーダー)で撹拌してBMC
を製造する。次いでこれらを用いて樹脂型、電鋳型、鋳
物又は金型などの型を使用して圧縮成形、射出成形、ト
ランスファー成形などが行われる。成形硬化温度は、通
常100℃〜180℃において行われるが、好ましくは
120℃〜160℃である。
【0019】本発明のパ−オキシカ−ボネ−トは、熱硬
化性樹脂の硬化剤として硬化性能にすぐれ、且つその成
形硬化物が高温にさらされた時の悪臭の発生が少ないと
いう特徴がある。
【0020】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、いずれも例示のためであって、本発
明を限定するものではない。実施例等において、部は重
量部を、%は重量%を意味する。
【0021】実施例1 攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた内容量500m
lの四つ口フラスコに濃度48%の水酸化カリウム11
6g(0.99モル)、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド(純度70%)128g(0.99モル)と水90
gをいれ、氷冷して攪拌、10℃に保ちながら1,6−
ヘキサンジオールビスクロロホーメート(純度98%)
115g(0.45モル)を40分で滴下、次いで10
℃で1時間反応を継続した。反応終了後有機層を取り出
し、5%水酸化ナトリウムで2回洗浄、次いで中性にな
るまで水洗後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過後
123.8gのBTBPHを得た。
【0022】実施例2〜4 BTAPH、BTHPH、BTOPHは、実施例1のt
−ブチルハイドロパーオキサイドに代えそれぞれ実施例
2ではt−アミルハイドロパーオキサイド(純度85
%)122.3g、実施例3ではt−ヘキシルハイドロ
パーオキサイド(純度85%)137.6g、実施例4
では2,4,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパ
ーオキサイド(純度90%)160.8g(何れも0.
99モル)に変更する以外は実施例1に準じてそれぞれ
合成した。
【0023】実施例5〜7 TBTAPH、TBTHPH,TBTOPHは、濃度4
8%の水酸化カリウムを実施例1の116gに代え58
gとし、実施例5〜7のそれぞれのt−ブチルハイドロ
パーオキサイド(純度70%)を実施例1の128gに
代え64g(0.50モル)、及び実施例1の1,6−
ヘキサンジオールビスクロロホーメートに代えそれぞれ
実施例5ではt−アミルハイドロパーオキサイド(純度
85%)61.2g、実施例6ではt−ヘキシルハイド
ロパーオキサイド(純度85%)68.8g、実施例7
では2,4,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパ
ーオキサイド(純度90%)80.4g(何れも0.5
0モル)に変更する以外は実施例1に準じて合成した。
【0024】実施例8〜10 TATHPH、TATOPH及びTHTOPHは、実施
例5〜7のt−ブチルハイドロパーオキサイドに代えt
−アミルハイドロパーオキサイド(純度85%)61.
2g(0.50モル)に変更する以外はそれぞれ実施例
5〜7同様にして合成した。
【0025】表1記載の配合成分を混合機により十分に
均一となるように混合含浸させ、セロファン紙にて包
み、これを40℃の恒温槽において24時間増粘させ
て、加工品を得た。
【0026】
【表1】 表1 加工品の配合組成 薬品名 配合量(部) 不飽和ポリエステル樹脂(リゴラックM531、 昭和高分子(株)製) 70 30%ポリスチレン スチレン溶液 30 炭酸カルシウム(NS−100,日東粉化(株)製) 150 ステアリン酸亜鉛 4 酸化マグネシウム 1 6mm長チョップドストランド(日東紡績(株)製) 64 硬化剤各種 (純品換算) 1
【0027】これらの加工品を用いて、SMCテクノロ
ジー社製プレス成形試験機(リアクトメーター、金型変
位センサー、圧力センサー、金型温度センサー付)によ
りプレス成形硬化した。成形硬化条件は、金型温度が上
型140℃、下型145℃、成形圧が75Kg/c
2 、成形時間が5分、得られた成形物は120mm×
250mm×4mmの平板である。
【0028】プレス成形の硬化特性は、前記リアクトメ
ーターにより得られる金型変位曲線より、プレス内圧7
0Kg/cm2 に達した後金型変位がピークになる時間
を最大型内流動時間(以下MFTと略す)、金型変位が
収束する時間を最小脱型時間(以下MMTと略す)とし
て表す。
【0029】硬化物の未反応スチレン量の測定は、前記
リアクトメーターによるプレス成形品(5分間プレス)
をダイアモンドカッターにて約2mm角の小片に切断
し、試料約3gを精秤、これに約10mlのジクロロメ
タンを加え、未反応スチレンモノマーを溶出し、これを
トルエンを内部標準にガスクロマトグラフィーを用いて
ピーク面積の比較計算によって行った。仕込スチレンモ
ノマーに対する割合(%)で表示する。
【0030】硬化物の臭気の官能試験は、前記リアクト
メーターによるプレス成形品(5分間プレス)をダイア
モンドカッターにて約2mm角の小片に切断し、試料約
20gを200ccガラスビーカーに入れ、上よりポリ
エチレンフィルムをかぶせ、これを80℃の恒温槽に6
0分間放置した後取り出し、ポリエチレンフィルムを取
り除き、官能テスト(ヒトの鼻)によって行った。
【0031】実施例10〜19 硬化剤として本発明のパーオキシカーボネートを用いて
表1の組成を有する加工品を作成、プレス成形を行っ
た。各々についてプレス成形硬化特性、未反応スチレン
量、臭気の官能試験を行った。
【0032】
【表2】 表2 実施例試験結果(プレス硬化特性) 未反応スチ MFT MMT レン量 実施例 硬化剤 (秒) (秒) (%) 臭気 10 BTBPH 40 80 0.10 ○ わずかに甘い臭気 11 BTAPH 35 70 0.05 ○ わずかに甘い臭気 12 BTHPH 35 70 0.05 ○ わずかに甘い臭気 13 BTOPH 30 60 0.05 ○ わずかに甘い臭気 14 TBTAPH 37 75 0.08 ○ わずかに甘い臭気 15 TBTHPH 37 75 0.08 ○ わずかに甘い臭気 16 TBTOPH 33 68 0.05 ○ わずかに甘い臭気 17 TATHPH 37 75 0.05 ○ わずかに甘い臭気 18 TATOPH 32 65 0.05 ○ わずかに甘い臭気 19 THTOPH 32 65 0.05 ○ わずかに甘い臭気
【0033】表2から、本発明の硬化剤を使用すると、
未反応スチレン量が後記の比較例の0.15〜0.45
%に比較して0.05〜0.10%と少なく、良好な硬
化反応を行い、又製品から発生する臭気も少なく、臭い
の種類についても刺激臭がないことが分かる。
【0034】比較例1〜3 公知の硬化剤を使用して前記同様に加工品を作成し硬化
試験を行い、表3に示す結果を得た。
【0035】
【表3】 表3 比較例試験結果 比較例1 比較例2 比較例3 硬化剤 TBPB DBPTC TBPO プレス硬化特性 MFT(秒) 45 37 25 MMT(秒) 90 75 57 未反応スチレン量(%) 0.15 0.30 0.45 臭気 × × × 刺激臭有 刺激臭有 刺激臭有
【0036】表3で使用した略語は、次の通りである。 TBPB:t−ブチルパーオキシベンゾエート DBPTC:1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン TBPO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート
【0037】表3から、公知の硬化剤を使用した製品
は、未反応スチレン量が0.15〜0.45%であり、
臭気が強いうえ、臭気の性質は刺激性が有るものであっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の硬化剤は、熱硬化性樹脂に対す
る硬化特性がすぐれ、また得られた硬化成形品が高温に
晒された時の悪臭の発生が少ない。従って熱硬化性樹脂
の高温において使用される製品、部材等の用途拡大に有
用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で表されるパ−オキシカ−ボネ−
    ト 【化1】 (式中R1 、R2 は、炭素数4〜8の第3級アルキル
    基)
  2. 【請求項2】請求項1記載のパ−オキシカ−ボネ−トか
    らなる熱硬化性樹脂用硬化剤
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂及び請求項1記載のパ−オキ
    シカ−ボネ−ト叉は請求項2記載の硬化剤を含有する熱
    硬化性樹脂組成物
  4. 【請求項4】請求項1記載のパ−オキシカ−ボネ−ト叉
    は請求項2記載の硬化剤を使用することを特徴とする熱
    硬化性樹脂の硬化方法
  5. 【請求項5】請求項3記載の熱硬化性樹脂組成物をシー
    ト状及びバルク状に加工し、ついで硬化させることを特
    徴とする熱硬化性樹脂の硬化方法
JP08904396A 1996-03-19 1996-03-19 パーオキシカーボネート、硬化剤及びこれを使用する硬化方法 Expired - Fee Related JP3747090B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08904396A JP3747090B2 (ja) 1996-03-19 1996-03-19 パーオキシカーボネート、硬化剤及びこれを使用する硬化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08904396A JP3747090B2 (ja) 1996-03-19 1996-03-19 パーオキシカーボネート、硬化剤及びこれを使用する硬化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09249642A true JPH09249642A (ja) 1997-09-22
JP3747090B2 JP3747090B2 (ja) 2006-02-22

Family

ID=13959872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08904396A Expired - Fee Related JP3747090B2 (ja) 1996-03-19 1996-03-19 パーオキシカーボネート、硬化剤及びこれを使用する硬化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3747090B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004104129A1 (ja) * 2003-05-22 2006-07-20 日本ゼオン株式会社 熱伝導性感圧接着剤組成物、熱伝導性シート状成形体および該成形体の製造方法
JP2010209142A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Daiso Co Ltd 絶縁用樹脂組成物および絶縁性被覆材料を製造する方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004104129A1 (ja) * 2003-05-22 2006-07-20 日本ゼオン株式会社 熱伝導性感圧接着剤組成物、熱伝導性シート状成形体および該成形体の製造方法
JP2010209142A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Daiso Co Ltd 絶縁用樹脂組成物および絶縁性被覆材料を製造する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3747090B2 (ja) 2006-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3572125B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂用硬化剤組成物及び硬化方法
JPH02368B2 (ja)
JPH09249642A (ja) パーオキシカーボネート、硬化剤及びこれを使用する硬化方法
JP2002105142A (ja) パーオキシカーボネート、樹脂組成物及び成形体
JPH09295965A (ja) パーオキサイド、成形用材料及びこれを用いた人造大理石成形硬化体の製造方法
JP3644608B2 (ja) 光硬化性複合材料組成物
JPH08157544A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂及び/又はビニルエステル樹脂の常温硬化方法および常温硬化剤組成物
JP3793606B2 (ja) パーオキサイド及びこれを含有する樹脂組成物、成形材料
JP6845472B2 (ja) 硬化剤組成物、樹脂組成物および樹脂硬化物
JP6853499B2 (ja) 硬化剤組成物、樹脂組成物および樹脂硬化物
JP3657059B2 (ja) パーオキサイド組成物及びそれを用いる硬化成形法
JPS59126417A (ja) 即硬化性組成物
JP2001226419A (ja) 注型硬化物の製造方法
JP6880493B2 (ja) 硬化剤組成物、樹脂組成物および樹脂硬化物
JP3640753B2 (ja) パーオキサイド組成物
JP5240006B2 (ja) 成形材料の硬化方法
JPH1135644A (ja) ジアルキルパーオキサイドを含有する樹脂組成物、成形材料
JPH0931314A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2003253042A (ja) 熱硬化性樹脂用硬化剤、成形材料、硬化成形品およびその製造方法
JP3497922B2 (ja) 光硬化性複合材料組成物及びその成形方法
JP2001114757A (ja) アルキルパーオキシメチル置換ベンゾエート、樹脂組成物及び成形体
JPH06220313A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2851413B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JPS6239612A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPH11148018A (ja) 抗菌樹脂混和物及び抗菌成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051128

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081202

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees