JPH09244247A - レジスト材料及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

レジスト材料及びレジストパターンの形成方法

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JPH09244247A
JPH09244247A JP8049874A JP4987496A JPH09244247A JP H09244247 A JPH09244247 A JP H09244247A JP 8049874 A JP8049874 A JP 8049874A JP 4987496 A JP4987496 A JP 4987496A JP H09244247 A JPH09244247 A JP H09244247A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化学増幅型レジストなどに使用されるレジスト
材料に関し、アクリレート樹脂を骨格にもつレジストよ
りもさらにエッチング耐性が高くすることを目的とす
る。 【解決手段】環状炭化水素および炭化水素のみからなる
骨格構造と、側鎖に保護されたアルカリ可溶性基とを有
する重合体又は共重合体を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジスト材料及び
レジストパターンの形成方法に関し、さらに詳しく述べ
ると、化学増幅型レジストおよびそれを使用してレジス
トパターンを形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路は集積化が進んでLSI
(large scale integrated circuit)やVLSI(very la
rge scale integrated circuit) が実用化されるととも
に、集積回路の最小パターン幅はサブミクロンオーダに
至り、さらに微細化する傾向にある。
【0003】微細パターンの形成には、パターニングし
ようとする薄膜又は基板をレジストで被覆し、選択露光
を行って所望のパターンの潜像をレジスト内に形成した
後にレジストを現像してレジストパターンを顕像化させ
る。続いて、レジストパターンをマスクに使用して薄膜
又は基板をドライエッチングし、その後にレジストを除
去することにより薄膜又は基板に所望のパターンが形成
される。このような技術は、一般にリソグラフィ技術と
呼ばれ、LSI、VLSIの形成には必須である。
【0004】リソグラフィ技術において使用される露光
光源として、g線(波長436nm)やi線(波長365nm)の紫
外線光が使用されるが、パターンの微細化に伴い、より
波長の短い遠紫外線光、真空紫外光、電子線、X 線など
が光源として使用されるようになってきている。特に最
近では、波長 248nmの KrFレーザーや波長 193mnのArF
レーザーなどのエキシマレーザが露光光源に使用するこ
とが注目されており、微細パターンの形成に有効である
と期待されている。
【0005】なお、本願明細書での“放射線" なる語
は、紫外線、遠紫外線、真空紫外線、電子線(EB)、X
線、各種レーザー光等の様々の光源からの光を意味する
ものである。ところで、より短波長である遠紫外・真空
紫外領域の露光光を用いてサブミクロンパターンを形成
するためには、特定波長の露光光の透明性に優れている
ことが必要である。さらに、レジストとして使用する材
料として、十分なドライエッチング耐性をもつことが求
められる。
【0006】そのようなレジストとして、本発明者ら
は、エステル部にアダマンタン骨格を有するアクリル酸
エステルまたはα置換アクリル酸エステルの重合体また
は共重合体からなることを特徴とする放射線感光材料を
特開平4-39665 号公報において提案している。また、本
発明者らは、同様なレジストとして、エステル部にノル
ボルナン骨格を有するアクリル酸エステルまたはα置換
アクリル酸エステルの重合体または共重合体からなるこ
とを特徴とする化学増幅型放射線感光材料を、特開平5-
257284号公報において提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のレジストにおい
てはドライエッチング耐性を得るために樹脂中に約50
mol%の脂環族ユニットを含んでいるが、エッチング対
象層の種類によってはさらにドライエッチング耐性が必
要とされることがある。しかしながら、従来のアクリレ
ート樹脂を骨格にもつレジストではより高いドライエチ
ング耐性を高めることは難しい。
【0008】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、アクリレート樹脂を骨格にもつレジスト
よりもさらにエッチング耐性が高い新たなレジスト材料
及びレジストパターンの形成方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(手段)上記した課題は、環状炭化水素および炭化水素
のみからなる骨格構造と、側鎖に保護されたアルカリ可
溶性基とを有する重合体又は共重合体を含むことを特徴
とするレジスト材料によって解決する。
【0010】そのレジスト材料において、前記重合体又
は前記共重合体は、以下の式(1)又は式(2)で示さ
れ、または、前記重合体又は前記共重合体は、該式
(1)又は該式(2)の誘導体からなることを特徴とす
る。そのレジスト材料において、前記重合体又は前記共
重合体の他に、放射線照射によって酸を発生する酸発生
剤を含むことを特徴とする。
【0011】上記した課題は、環状炭化水素および炭化
水素のみからなる骨格構造および保護基を側鎖にもつア
ルカリ可溶性基の繰り返し単位とを含む重合体又は共重
合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含
むレジストを被パターニング物上に塗布する工程と、前
記被パターニング物上の前記レジストをプリベークする
工程と、放射線を前記被パターニング物上の前記レジス
トの所望領域に照射して前記酸発生剤から酸の発生を惹
起することにより、前記レジストに含まれる前記保護基
を該酸により離脱させて前記レジストに潜像を形成する
工程と、前記放射線の照射後に、前記レジストをポスト
ベークする工程と、ポストベークされた前記レジストを
現像し、前記潜像を顕像化してレジストパターンを形成
する工程とを有することを特徴とするレジストパターン
形成方法によって解決する。
【0012】そのレジストパターン形成方法において、
前記重合体又は前記共重合体が以下の式(1)または
(2)で示される構造あるいはそれらの誘導体からなる
ことを特徴とする。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】(式(1)と式(2)中、Rは、酸により
脱離をする保護基、R1 はプロトン(H+ )又はアルキ
ル基(Cn 2n+1)である。) (作 用)次に、本発明の作用について説明する。本発
明は、レジスト材料として、環状炭化水素および炭化水
素のみからなる骨格構造と、側鎖に保護されたアルカリ
可溶性基とを有する重合体又は共重合体を用いている。
【0016】このレジスト材料は、溶媒中で酸発生剤を
混合してレジスト溶液の状態になされる。また、そのレ
ジスト溶液は、パターニングされるべき薄膜の上に塗布
され、さらにポストベークされててレジスト膜となる。
ついで、そのレジスト膜は露光されることになる。露光
によってレジスト膜には部分的に放射線が照射される。
そして、放射線が照射された部分のレジスト膜は、放射
線によって酸発生剤から酸が発生し、さらに、ポストベ
ークによって酸を触媒とした反応が促進される。この結
果、酸によって側鎖が離脱されたアルカリ可溶基と環状
炭化水素および炭化水素のみからなる骨格構造は、アル
カリ性の現像液によって溶けて除去される。
【0017】これにより、レジスト膜にはパターンが形
成されることになる。その後に、レジストパターンをマ
スクに使用して、薄膜がエッチングされる。環状炭化水
素を骨格にもつ樹脂は、アクリレート樹脂に比べて優れ
たエッチング耐性が良いことが実験により確認されたの
で、エッチングの際にレジストパターンが消滅したり変
形し難くなる。
【0018】従って、本発明のレジスト材料を使用する
ことにより、半導体集積回路等の半導体装置の製造に有
利に使用することができる。
【0019】
【発明の実施例】そこで、以下に本発明の実施例を説明
する。本発明のレジスト材は、骨格としてアクリレート
樹脂を用いるのではなく、骨格として環状炭化水素をも
ち、しかもアルカリ不溶にするための保護基を側鎖に有
するアルカリ可溶性基を有する樹脂を用い、これにより
良好なドライエッチング耐性を得た。
【0020】そのようなレジスト材として例えば式
(1)又は式(2)で示される樹脂がある。それらの樹
脂は、開環重合とこれに続く水素化反応によって容易に
得ることができるが、これらに限定きれるものではな
い。開環重合の一般的な方法は、例えば「高分子の合成
と反応(1) 」(共立出版刊)に記載されている。なお、
以下の化学構造式における「n」は自然数を示してい
る。
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】式(1)は、ノルボルネンを開環重合した
後に、水素化反応を行わせることによって得られる。そ
の反応過程を式(3)に示す。
【0024】
【化9】
【0025】また、式(2)は、2−ノルボルネン−2
置換体を開環重合した後に、水素化反応を行わせること
によって得られる。その反応過程を式(4)に示す。
【0026】
【化10】
【0027】式(1)又は式(2)で示される樹脂は骨
格が炭化水素であるため、従来のアクリレート樹脂に比
べ分解しにくく、より良好なドライエッチング耐性を達
成することが可能である。また各ユニットに感光基を有
しているため感光性も損なうことない。その感光基とい
うのは、酸発生剤が光により酸を発生し、その酸によっ
て保護基が脱離してアルカリ可溶になるアルカリ可溶基
のことを意味する。
【0028】(保護基)上述した保護基としては、例え
ば、t-ブチルエステル、t-アミルエステル、1−メチル
−1−シクロヘキシルエステル、2−メチル−2−アダ
マンチルエステルα、α−ジメチルベンジルエステル等
のような3級炭素エステル、または、テトラヒドロピラ
ニルエステルのようなアセタールからなるエステル、ま
たは、3−オキソシクロヘキシルエステル、3−オキソ
−1−イソブロピルブチルエステル基、3−オキソブチ
ルエステル基、3−オキソ−2−メチルブチルエステル
基、3−オキソ−1,1−ジメチルブチルエステル基、
3−オキソ−1−メチルブチルエステル基のような3−
オキソエステル、または、式(5)に示されるラクトン
環からなる式(6)に示されるラクトン環の誘導体のエ
ステル、などが挙げられる。しかし、保護基は、それら
に限定されるものではない。
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】(酸発生剤)上記した化学構造のレジスト
を化学増幅レジストとして使用する場合には、潜像形成
の際に側鎖である保護基を脱離させてアルカリ可溶性基
をアルカリ溶剤に変える必要がある。保護基を脱離させ
るためには、放射線照射により酸を発生する酸発生剤が
必要となる。
【0032】化学増幅レジストにおいて、式(1)又は
式(2)のような樹脂である重合体と組み合せて用いら
れる酸発生剤は、レジストの化学分野において一般的に
用いられている酸発生剤、すなわち、紫外線、遠紫外
線、真空紫外線、電子線、X線、レーザ光などの放射線
の照射によりプロトン酸(H+ )を生じる物質である。
本発明の実施において適当な酸発生剤としては、例えば
以下の〜に列挙する化合物を包含する材料が適用さ
れるが、それらに限定されない。 式(7)により表わされるジアゾニワム塩: Ar−N2 +X− (7) なお、式(7)において、Arは、置換もしくは非置換の
芳香族基(例えば、フェニル基)または脂環式基を表わ
し、Xは、ハロゲン、例えば、Cl,BIr,IあるいはF 、BF
4 、BF6 、PF6 、AsF6、SbF6、CF3SO3、ClO4または有機
スルホン酸アニオンを表わしている。 式(8)又は式(9)により表わされるヨードニウ
ム塩:
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】なお、式(8)、式(9)においてArお
よびXは、前記定義に同じである。 次式により表わされるスルホニウム塩:
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】式(10)〜式(15)において、Arお
よびXは、前記定義に同じであり、また、R、R1 、R
2 、R3 はArと同じ定義である。例えば、Rはメチル
基などであり、そしてR1 、R2 及びR3 はフェニル基
などである。 式(16)又は式(17)により表わされるスルホ
ン酸エステル: Ar−COCFH2 SO2 −Ar (16)
【0043】
【化21】
【0044】式(16)、式(17)において、Arおよ
びR は前記定義に同じである。 式(18)により表わされるオキサアゾール誘導
体:
【0045】
【化22】
【0046】式(18)において、Xは原則として前記
定義に同じであるが、−CX3 基の1つは置換もしくは
非置換のアリール基またはアルケニル基であってもよ
い。 式(19)により表わされるs-トリアジン誘導体:
【0047】
【化23】
【0048】式(19)において、X は原則として前記
定義に同じであるが、−CX3 基の1つは置換もしくは
非置換のアリール基またはアルケニル基であってもよ
い。 式(20)により表わされるジスルホン誘導体: Ar−SO2 −SO2 −Ar (20) 式(20)において、Arは前記定義に同じである。 式(21)〜式(24)により表わされるイミド化
合物:
【0049】
【化24】
【0050】
【化25】
【0051】
【化26】
【0052】
【化27】
【0053】式(21)〜式(24)において、Xは前
記定義に同じである。 その他:例えばオキシムスルホネート、ジアゾナフ
トキノン、ベンゾイントシレートなどがある。 〜の酸発生剤は、さらに具体的にいくつかの例を示
すと、(i) 〜 (iv) に示すような化合物がある。(i) 〜
(iv) には化合物名と一般式を示している。
【0054】(i) トリフェニルスルホニウムヘキサフル
オロアンチモネート
【0055】
【化28】
【0056】(ii)トリフェニルスルホニウムヘキサフル
オロホスフェート
【0057】
【化29】
【0058】(iii) ジフェニルヨードヘキサフルオロ
ホスフェート
【0059】
【化30】
【0060】(iv) ペンゾイントシレート
【0061】
【化31】
【0062】(レジストの合成)本発明を実施するにあ
たって、上記したような重合体若しくは共重合体又はそ
のいずれかの誘導体と酸発生剤とから化学増幅型レジス
トを調整する。なお、共重合体としては、例えば次の式
(28)と式(29)で示した重合体の主鎖を接合させ
たものがある。なお、それらの式中のtはターシャルを
示す。
【0063】かかるレジストの調整は、レジストの化学
において一般的に行われているように、重合体または共
重合体を形成するための選ばれた単量体、例えば、式
(29)あるいは式(30)を適当な重合開始剤の存在
において開環重合させる。その開環重合した物質をさら
に水素化する。この場合、重合開始剤としてはW(タン
グステン)系あるいはMo(モリブデン)系などの遷移
金属のハロゲン化物あるいは金属カルベンなどの触媒を
使用する。また、水素化のために貴金属触媒などを用い
る。
【0064】
【化32】
【0065】
【化33】
【0066】そして、これにより得られた重合体または
共重合体の溶液に酸発生剤を添加して化学増幅型レジス
ト溶液とすることができる。ここで、重合体または共重
合体こ添加する酸発生剤の量は、広い範囲にわたって変
更でき、一般には約1〜30重量%、好ましくは、約1
〜15重量%である。
【0067】また、レジスト溶液の調製に用いる溶媒
は、レジストの種類、塗布条件、その他のファクタに応
じていろいろに変更し得るというものの、好ましくは、
例えば、シクロヘキサノン、PGMEA(ブロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート) 、乳酸エチル
などの有機溶媒である。 (化学増幅型レジストのパターニング方法)次に、上記
した化学増幅型レジストを用いて半導体基板上の薄膜を
パターニングする工程を図1、図2に基づいて説明す
る。この場合、化学増幅レジストはポジ型として使用さ
れる。
【0068】まず、化学増幅型のレジスト溶液と、図1
(a) に示すような半導体基板1上に形成された薄膜2を
用意する。ここで使用する基板は、半導体装置及びその
他の装置において通常用いられている半導体、絶縁体、
導体のいかなる基板であってもよく、その基板には既に
電気回路が作りこまれていても、あるいは作りこまれて
いなくてもよい。また、パターニングされる薄膜とし
て、具体的には、シリコン、酸化膜、ポリシリコン、窒
化膜、アルミニウムなどからなる膜がある。パターニン
グ対象としては基板の場合もある。
【0069】次に、図1(b) に示すように、スピンコー
タ、ディッブコータ、ローラコータなどのような常用の
塗布装置を使用してレジスト溶液を薄膜の上に塗布し、
レジスト膜3を形成する。レジスト膜の膜厚は、そのレ
ジスト膜3の使途などのファクタに応じて広く変更でき
るが、約0.3〜2.0μm の範囲に設定されることが
多い。
【0070】なお、レジスト膜3と薄膜2との密着性を
向上させるために、図1(c) に示すように、例えばヘキ
サメチルジシラザン(HMDS)のような密着促進剤4
を薄膜2の上に塗布し、その密着促進剤4の上にレジス
ト膜3を形成することが好ましい。次いで、図1(d) に
示すように、レジスト膜3を約60〜150℃、好まし
くは60〜100℃の温度で約60〜180秒間にわた
ってプリベークする。このプリベークには、例えば、ホ
ットプレート5のような加熱手段を用いてもよい。
【0071】次に、図1(e) に示すように、レジスト膜
3の上にさらにトップコート膜(保護膜) 6を施す。例
えば、オレフィン樹脂の溶液をスピンコート法によりレ
ジスト膜3上に塗布し、100℃前後の温度でべーキン
グを行うことによって、トップコート膜6とすることが
できる。このトップコート膜6は省略してもよい。そし
て、レジスト膜3のプリベーク後に、図2(a) に示すよ
うに、常用の露光装置を用いて放射線でレジスト膜を選
択的に露光する。適当な露光装置は、市販の紫外線( 遠
紫外線・真空紫外線) 露光装置、X線露光装置、電子ビ
ーム露光装置、エキシマステッパ、その他がある。露光
条件は、その都度、適当な条件を選択することができ
る。
【0072】露光により放射線が照射された部分のレジ
スト膜3においては、その中に含まれる酸発生剤から酸
が発生する。次いで、図2(b) に示すように、露光後の
レジスト膜3を、露光後べーク(PEB:post exposur
e bake) することによって、酸を触媒としてアルカリ可
溶性基から側鎖(保護基)を離脱させる反応が生じる。
この露光後べークは、先のプリベークと同様に行っても
よい。例えば、ベーク温度は約60〜150℃、好まし
くは、約100〜150℃である。これにより、上記し
た式(1)のレジストは次の式(31)のように変化
し、式(2)のレジストは、次の式(32)のように変
化する。
【0073】
【化34】
【0074】
【化35】
【0075】なお、トップコート膜6を併用している場
合には、この露光後べークの後であって現像の前、例え
ば、有機溶剤によってトップコート膜6を剥離除去す
る。続いて、図2(c) に示すように、現像液により常法
にしたがってレジスト膜3を現像する。現像剤として
は、例えばアンモニウム化合物、モルフォリン化合物、
又はそのいずれかを含む混合物があり、これを水又はア
ルコールに溶かしたものを現像液として用いる。アルコ
ールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパ
ノールがある。溶解する現像剤の濃度は、広く変更する
ことができるけれども、一般的に約0.1〜15重量%
の範囲、好ましくは約.01〜10重量%の範囲であ
る。
【0076】現像液に使用するアンモニウム化合物の好
ましい例としては、テトラブチルアンモニウムハイドロ
キシド(TBAH), テトラエチルアンモニウムハイドロキシ
ド(TEAH)、テトラプロピルアンモニウムハイドロキシド
(TPAH)などがあるが、これらに限定されるものでもな
い。また、その他現像液に使用する好ましい例として
は、モルフォリンがある。
【0077】これらの現像液は上記したレジストをポジ
型として使用する場合に有効であるが、ネガ型として使
用する場合には、キシレン、ベンゼン、シクロヘキサン
のような極性が小さい炭化水素系の有機溶媒を使用すれ
ばよい。現像時間は、一般に約1〜5分間の範囲、好ま
しくは約1〜3分間の範囲であるが、これに特に限定き
れるわけではない。
【0078】現像の結果、レジスト膜3の放射線照射領
域が現像液に溶解して除去され、これにより所望のレジ
ストパターン3pが得られる。最後に、得られたレジス
トパターン3pも常法に従って純水でリンスし、そして
乾燥する。以上のような工程によって得られたレジスト
パターン3pをマスクに用いて、図2(d) に示すよう
に、レジストパターン3pに覆われない薄膜2をドライ
エッチングすると、レジストパターン3pの形状は薄膜
2に転写されることになる。ドライエッチングとして
は、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、ス
パッタエッチングなどがある。
【0079】そのエッチングの際には、パターニングさ
れたレジストも同時にエッチャントに曝されるので、レ
ジストのエッチング耐性が小さい場合にはマスクとして
機能しなくなる。上記したような環状炭化水素を骨格に
もつ樹脂から構成されるレジストは、アクリレート樹脂
から構成されたレジストに比べてエッチング耐性が良い
ことが確かめられた。
【0080】上記した化学増幅レジストのパターニング
結果の例を以下に示す。なお、下記の例はほんの一例で
あって、これによって本発明が限定きれるものではない
ことを理解されたい。 (第1例)まず、次の式(33)に表わされる環状炭化
水素樹脂に酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムヘ
キサフロロアンチモネートを5wt%添加し、これをシク
ロヘキサノンに溶解し、レジスト溶液を得た。
【0081】
【化36】
【0082】そのレジスト溶液を、シリコン基板上に膜
厚0.7μm でスピンコートした。なお、予めシリコン
基板の表面をヘキサメチルジシラン(HMDS)により
清浄化しておいた。次に、シリコン基板をホットプレー
ト上で100℃で100秒間プリベークした。
【0083】ニコン社製の KrFエキシマステッパ(開口
数(NA)=0.45)で波長 248nmの KrFレーザ光を
プリベークにより得られたレジスト膜に選択照射して潜
像パターンを形成した。この場合のレジスト膜には、透
明性に従来に比べて遜色はなかった。その後、露光後の
レジスト膜を150℃で60秒間ベークした。続いて、
0.27N(N:規定度)のテトラメチルアンモニウム
ハイドロキシド(TMAH)水溶液でレジスト膜を60
秒間現像し、さらに純水で30秒間リンスした。 露光
に用いたレーザー光が照射された領域のパターンに相当
するレジストパターンが剥がれや欠陥を生じることなく
得られた。
【0084】なお、本例での照射線量の閾エネルギーE
thは21.2mJ/cm2であり、これにより0.30μm のline&spa
ce( ライン・アンド・スペース) の解像力が得られた。 (第2例)本例では、現像液を変えた他は第1例に記載
した手法に沿ってレジストパターンを形成した。
【0085】その現像液として、0.27Nのテトラメ
チルアンモニウム(TBAH)水溶液を使用した。この
結果、第1例の場合と同様の満足し得るレジストバター
ンが得られた。ただし、本例での照射線量の閾エネルギ
ーEthは 25.6mJ/cm2 であり、これにより0.275μm のL
&S の解像力が得られた。 (第3例)本例では、現像液を変えた他は第1例に記載
した手法に沿ってレジストパターンを形成した。
【0086】その現像液として、0.27NのTMAH
水溶液とIPA(インプロピルアルコール) を混合した
液を使用した。その混合比は、TMAHを3とし、IP
Aを1とした。この結果、第1例の場合と同様の満足し
得るレジストバターンが得られた。ただし、本例での照
射線量の閾エネルギーEthは9.6mJ/cm2 であり、これに
より0.325 μm のL&S の解像力が得られた。 (第4例)まず、次の式(34)に表わされる環状炭化
水素樹脂に酸発生剤としてトリフェニルスルホニワムヘ
キサフロロアンチモネートを5wt%添加し、これをシク
ロヘキサノンに溶解し、レジスト溶液を得た。
【0087】
【化37】
【0088】そのレジスト溶液を、シリコン基板上に膜
厚0.7μm でスピンコートした。なお、予めシリコン
基板の表面をHMDSにより清浄化しておいた。次に、
シリコン基板をホットプレート上で100℃で100秒
間プリベークした。ニコン社製の KrFエキシマステッパ
(開口数(NA)=0.45)で波長 248nmの KrFレー
ザ光をプリベークにより得られたレジスト膜に選択照射
して潜像パターンを形成した。
【0089】その後、露光後のレジスト膜を150℃で
60秒間ベークした。続いて、0.27N(N:規定
度)のテトラメチルブチルアンモニウムハイドロキシド
(TMAH)溶液でレジスト膜を60秒間現像し、さら
に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光
が照射された領域のパターンに相当するレジストパター
ンが剥がれや欠陥を生じることなく得られた。
【0090】なお、本例での照射線量の閾エネルギーE
thは13.2mJ/cm2であり、これにより0.30μm のline&spa
ce( ライン・アンド.スペース) の解像力が得られた。 (第5例)本例では、現像液を変えた他は第1例に記載
した手法に沿ってレジストパターンを形成した。
【0091】その現像液として、0.27Nのテトラメ
チルアンモニウム(TBAH)水溶液を使用した。この
結果、第2例の場合と同様の満足し得るレジストバター
ンが得られた。ただし、本例での照射線量の閾エネルギ
ーEthは15.6mJ/cm2であり、これにより 0.275μm のL&
S の解像力が得られた。 (第6例)本例では、現像液を変えた他は第1例に記載
した手法に沿ってレジストパターンを形成した。
【0092】その現像液として、0.27NのTMAH
水溶液とIPAを混合した液を使用した。その混合比
は、TMAHを3とし、IPAを1とした。この結果、
第1例の場合と同様の満足し得るレジストバターンが得
られた。ただし、本例での照射線量の閾エネルギーEth
は5.6mJ/cm2 であり、これにより0.325 μm のL&S の解
像力が得られた。 (第7例)前記第1例に記載の樹脂(レジスト)の透過
率を調べたところ、KrF 露光波長である248nmで9
9.2T%/μm 、ArF 露光波長である193nmで85
T%/μm と高い透過率を示し、その樹脂はArF 露光に
も適用可能であることが確認できた。
【0093】なお、比較のためにアダマンチルメタクリ
レート−t−ブチルアクリレート1:1共重合体の透過
率は、波長248nmで95T%/μm、波長193nmで
56T%/μmであった。 (第8例)第1例で酸発生剤の添加量を2wt%とし、レ
ジストの膜厚を0.4μmとしてArF 露光を試みた。そ
の結果、照射線量の閾エネルギーEthが8mJ/cm 2 の場
合に 0.225μmのline & patternの解像性が得られた。 (第9例)第1例のレジストを用いてドライエッチング
耐性を調べた。
【0094】エッチングガスとしてCF4 を使用し、その
ガスの流量を100sccm、エッチング雰囲気の圧力を
0.02Torr、エッチング雰囲気を挟む電力に供給する
電力を200W、エッチング時間5分という条件で、第
1例のレジストとノボラックレジストのエッチング耐性
を比較した。この結果、エッチングレートはノボラック
樹脂を1とすると、第1例のレジストは0.95となっ
て若干良いエッチング耐性を得た。
【0095】そのエッチング条件で、アダマンチルメタ
クリレート-t- ブチルアクリレート1:1共重合体のエ
ッチングレートを調べたところ、エッチングレートは
1.1である。以上のことから、エッチング耐性はアク
リレート樹脂を骨格にするよりも環状炭化水素を骨格に
する方がエッチング耐性が良いことが分かった。表1
は、それらの化学構造式とエッチングレートを示した。
エッチングレートは、ノボラックレジストを1として規
格化した値である。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、環状
炭化水素骨格構造と、側鎖に保護されたアルカリ可溶性
基を有する重合体とを含むレジスト樹脂を用いているの
で、透明性、ドレインエッチング耐性がより優れている
ことが実験により確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のレジストを使用して薄膜をパ
ターニングする工程(その1)を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例のレジストを使用して薄膜をパ
ターニングする工程(その2)を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 薄膜 3 レジスト膜 3p レジストパターン 4 密着促進剤 5 ホットプレート 6 トップコート膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状炭化水素および炭化水素のみからなる
    骨格構造と、側鎖に保護されたアルカリ可溶性基とを有
    する重合体又は共重合体を含むことを特徴とするレジス
    ト材料。
  2. 【請求項2】前記重合体又は前記共重合体は、式(1)
    又は式(2)で示され、 【化1】 【化2】 (式(1)と式(2)中、Rは、酸により脱離をする保
    護基、R1 はプロトン(H+ )又はアルキル基(Cn
    2n+1)である。) または、前記重合体又は前記共重合体は、該式(1)又
    は該式(2)の誘導体からなることを特徴とするレジス
    ト材料。
  3. 【請求項3】前記重合体の他に、放射線照射によって酸
    を発生する酸発生剤を含むことを特徴とするレジスト材
    料。
  4. 【請求項4】環状炭化水素および炭化水素のみからなる
    骨格構造および保護基を側鎖にもつアルカリ可溶性基の
    繰り返し単位とを含む重合体又は共重合体と、放射線露
    光により酸を発生する酸発生剤とを含むレジストを被パ
    ターニング物上に塗布する工程と、 前記被パターニング物上の前記レジストをプリベークす
    る工程と、 放射線を前記被パターニング物上の前記レジストの所望
    領域に照射して前記酸発生剤から酸の発生を惹起するこ
    とにより、前記レジストに含まれる前記保護基を該酸に
    より離脱させて前記レジストに潜像を形成する工程と、 前記放射線の照射後に、前記レジストをポストベークす
    る工程と、 ポストベークされた前記レジストを現像し、前記潜像を
    顕像化してレジストパターンを形成する工程とを有する
    ことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  5. 【請求項5】前記重合体又は前記共重合体が式(1)ま
    たは(2)で示される構造あるいはそれらの誘導体から
    なることを特徴とする請求項4記載のレジストパターン
    の形成方法。 【化3】 【化4】
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