JPH1078658A - 化学増幅型レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

化学増幅型レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法

Info

Publication number
JPH1078658A
JPH1078658A JP8235247A JP23524796A JPH1078658A JP H1078658 A JPH1078658 A JP H1078658A JP 8235247 A JP8235247 A JP 8235247A JP 23524796 A JP23524796 A JP 23524796A JP H1078658 A JPH1078658 A JP H1078658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
resist
group
film
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8235247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3724890B2 (ja
Inventor
真 ▲高▼橋
Makoto Takahashi
Satoshi Takechi
敏 武智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP23524796A priority Critical patent/JP3724890B2/ja
Publication of JPH1078658A publication Critical patent/JPH1078658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3724890B2 publication Critical patent/JP3724890B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性及びドライエッチング耐性の両面に優
れた化学増幅型レジストを提供すること。 【解決手段】 酸感応性化合物が、その分子中に脂環式
炭化水素基を含む重合体又は共重合体であり、そして酸
発生剤が、次式(I)により表される化合物: 【化1】 (上式において、R1 及びR2 は、それぞれ独立してい
て、同一もしくは異なっていてもよく、置換もしくは非
置換のアルキル基を表すかもしくは、窒素原子と組合わ
さって、単環もしくは縮合の環系を完成しており、そし
てXはハロゲンを表すかもしくはF,BF4 ,BF6
PF6 ,AsF6 ,SbF6 ,CF3 SO3 ,ClO4
又は有機スルホン酸アニオンを表す)であるように、構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレジスト材料及びそ
れを使用したレジストパターンの形成方法に関し、さら
に詳しく述べると、高解像性、高感度、そして優れたド
ライエッチング耐性を有する化学増幅型レジスト組成
物、そしてこの新規なレジスト組成物を使用したレジス
トパターンの形成方法に関する。本発明によるレジスト
組成物では、その主たる構成成分である基材樹脂及び酸
発生剤の両方について、真空紫外領域でも高い透過率を
呈し得る材料を用いているので、超微細加工技術に必須
な短波長光を露光放射線として使用したレジストプロセ
スにおいて有利に使用することができ、また、したがっ
て、半導体集積回路等の半導体装置の製造に有利に利用
することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は集積化が進んで
LSIやVLSIが実用化されており、また、これとと
もに、集積回路の最小パターンはサブミクロン領域に及
び、更に微細化する傾向にある。微細パターンの形成に
は、薄膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、
選択露光を行って所望のパターンの潜像を形成した後に
現像してレジストパターンを作り、これをマスクとして
ドライエッチングを行い、その後にレジストを除去する
ことにより所望のパターンを得るリソグラフィ技術の使
用が必須である。そして、このリソグラフィに使用する
露光光源として、g線(波長436nm) 、i線(波長3
65nm)の紫外線光が使用されているが、パターンの微
細化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空紫外光、
電子線、X線などが光源として使用されるようになって
いる。特に最近では、エキシマレーザ(波長248nmの
KrFレーザ、波長193nmのArFレーザ)が光源と
して注目されており、微細パターンの形成に有効である
と期待されている。なお、本願明細書では、「放射線」
なる語を用いた場合、これらのいろいろな光源からの
光、すなわち、紫外線、遠紫外線、真空紫外光、電子線
(EB)、X線、各種レーザ光等を意味するものとす
る。
【0003】より短波長である遠紫外・真空紫外領域の
露光光を用いてサブミクロンのパターンを形成するに
は、露光光の波長において透明性に優れていることが必
要であり、さらにレジストとして使用するには、十分な
ドライエッチング耐性をもつことが求められている。こ
のような要求を満足させるレジストは、例えば、本発明
者らの発明した、エステル部にアダマンタン骨格を有す
るアクリル酸エステル又はα置換アクリル酸エステルの
重合体又は共重合体からなることを特徴とする放射線感
光材料である(特開平4−39665号公報参照)。ま
た、本発明者らは、同様なレジストとして、エステル部
にノルボルナン骨格を有するアクリル酸エステル又はα
置換アクリル酸エステルの重合体又は共重合体からなる
ことを特徴とする化学増幅型放射線感光材料(特開平5
−257281号公報参照)や、シクロヘキシルマレイ
ミドの重合体又は共重合体からなる化学増幅型放射線感
光材料(特開平5−257285号公報参照)も発明し
た。
【0004】上記したような脂環式炭化水素基を分子中
に有する重合体又は共重合体を含むレジスト材料は、エ
ッチング耐性基としての脂環式基の存在により、常用の
レジスト材料であるノボラック樹脂と同等なエッチング
耐性と、遠紫外領域での高い透明性の両立が可能であ
る。さらに、このようなレジスト材料を現像する際に、
本発明者らが先の特許出願(特開平6−276597号
公報参照)で提案するように、有機アルカリ水溶液とイ
ソプロピルアルコールの混合液を現像液として使用する
と、高感度化、高解像度化が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】露光光源としてArF
レーザを使用するレジスト材料では、波長193nmでの
高い透明性が要求される。本発明者らは、この要求を満
足させるために、上記したような脂環式炭化水素基を含
む化学増幅型レジストを発明した。この発明により、基
材樹脂に関しては、露光放射線に対する十分な透明性を
確保することが可能となった。しかし、化学増幅型レジ
ストを形成する際には、基材樹脂とともに、放射線照射
により酸を発生する酸発生剤の透明性も問題となってく
る。
【0006】従来の化学増幅型レジストでは、酸発生剤
として、トリフェニルスルホニウム塩やベンゼンスルホ
ン酸エステルといった、ベンゼン環を含んだ化合物が広
く使用されている。このような酸発生剤化合物は、しか
しながら、それに含まれるベンゼン環のために193nm
での吸収が大きくなってしまい、一緒に使用する基材樹
脂の高い透明性を生かすことが困難である。実際に、A
rFレーザを用いて露光を行う際の対策としては、酸発
生剤の添加量を少なくするか、さもなければ、レジスト
の膜厚を薄くすることが必要であった。しかし、酸発生
剤の添加量を少なくすると、感度やパターンプロファイ
ルに与える影響が少なからず発生し、また、レジストの
膜厚を薄くすると、エッチング耐性が十分に得られなく
なってしまう。
【0007】本発明の1つの目的は、したがって、エキ
シマ光を含めた各種の放射線に対して高い透明性を有す
る基材樹脂と、同様に高い透明性を有する酸発生剤を組
み合わせて使用して、透明性及びドライエッチング耐性
の両面において優れた化学増幅型レジストを提供するこ
とにある。本発明のもう1つの目的は、各種の露光線源
に対して安定したパターニング特性を示すことができ、
ドライエッチング耐性にも優れたレジストパターンを形
成する方法を提供することにある。
【0008】本発明のその他の目的は、以下の詳細な説
明から容易に理解することができるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、本発明
によれば、保護されたアルカリ可溶性基を有しかつその
保護基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性
とならしめる構造単位を含む酸感応性化合物と、放射線
露光により酸を発生する酸発生剤とを組み合わせて含む
化学増幅型レジスト組成物において、前記酸感応性化合
物が、その分子中に脂環式炭化水素基を含む重合体又は
共重合体であり、そして前記酸発生剤が、次式(I)に
より表される化合物:
【0010】
【化5】
【0011】(上式において、R1 及びR2 は、それぞ
れ独立していて、同一もしくは異なっていてもよく、置
換もしくは非置換のアルキル基を表すかもしくは、窒素
原子と組合わさって、1つの環状構造を完成しており、
そしてXはハロゲンを表すかもしくはF,BF4 ,BF
6 ,PF6 ,AsF6 ,SbF6 ,CF3 SO3 ,Cl
4 又は有機スルホン酸アニオンを表す)であることを
特徴とする化学増幅型レジスト組成物によって達成する
ことができる。
【0012】本発明によれば、また、下記の工程:本発
明による化学増幅型レジスト組成物を被処理基板上に塗
布し、前記被処理基板上のレジスト膜を前記酸発生剤か
らの酸の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光し、そ
して前記露光工程において形成された潜像を現像するこ
と、を含んでなることを特徴とするレジストパターンの
形成方法も提供される。
【0013】本発明による化学増幅型レジスト組成物で
は、脂環式炭化水素基を分子中に有する基材樹脂と、上
式(I)で示される構造を有し、かつベンゼン環を含ま
ない酸発生剤とを組み合わせて用いることにより、短波
長域でも高い透明性を確保することが容易になる。その
結果、酸発生剤についての可能な添加量の範囲が拡大
し、パターンプロファイルや感度に対する最適条件を、
より広範囲な条件から選択できるようになる。また、か
かるレジスト組成物は、透過率の向上により、レジスト
膜の厚膜化において有利な材料となり得る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による化学増幅型レジスト
組成物とそれを使用したレジストパターンの形成方法
は、好ましくは、以下に詳細に記載する形態で実施する
ことができる。なお、本発明は、これらの形態のみに限
定されるものではないことを理解されたい。
【0015】本発明による化学増幅型レジスト組成物に
おいて、基材樹脂として用いられる酸感応性化合物は、
上記したように、保護されたアルカリ可溶性基を有しか
つその保護基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ
可溶性とならしめる構造単位を含む酸感応性化合物であ
り、好ましくは、酸により保護基が脱離し、アルカリ可
溶性となる重合体又は共重合体である。ここで、「共重
合体」とは、二成分共重合体のほか、三成分もしくはそ
れよりも多成分の共重合体も含む。
【0016】これらの酸感応性重合体又は共重合体は、
前記した通り、保護されたアルカリ可溶性基を有する。
好ましいアルカリ可溶性基は、これに限定されるもので
はないが、カルボン酸基を包含する。保護されたカルボ
ン酸基は、いろいろな形態をとり得るというものの、好
ましくは、次式(II)により表される。
【0017】
【化6】
【0018】上式において、R3 は、アルキル基、好ま
しくはメチル基、エチル基、t−ブチル基などの低級ア
ルキル基を表し、そしてZは脂環式炭化水素基を完成す
るのに必要な原子を表す。式中のR3 のアルキル基は、
必要に応じて任意の置換基により置換されていてもよ
く、また、所期の効果に対して悪影響が現れないなら
ば、水素であってもよい。なお、Zにより完成される脂
環式炭化水素基は、以下において詳細に説明する。
【0019】前記式(II)により表される保護されたア
ルカリ可溶性基は、さらに好ましくは、以下に説明する
ように、脂環式炭化水素基がアダマンチル基あるいはそ
れに類するのものである。保護されたアダマンチル基
は、次式(III )により表される。
【0020】
【化7】
【0021】上式において、R3 は前記定義に同じであ
る。保護されたカルボン酸基についてさらに詳しく述べ
ると、このカルボン酸基は、酸によりその保護基が脱離
してカルボン酸を生じるユニットであり、例えば、t−
ブチルエステル、t−アミルエステル、α,α−ジメチ
ルベンジルエステル等の3級炭素エステル、テトラヒド
ロピラニルエステル等のアセタールからなるエステル、
3−オキソシクロヘキシルエステル等のβ−オキシケト
ンからなるエステル、その他を包含する。また、アルカ
リ可溶性基のための保護基は、上記の例から理解される
ように、好ましくは、3級炭素基、例えばt−ブチル基
など、又はβ−オキシケトン基、例えば3−オキソシク
ロヘキシル基など、である。
【0022】特に、本発明の化学増幅型レジスト組成物
において用いられる酸感応性重合体又は共重合体は、そ
の分子中に脂環式炭化水素基を含有する。かかる脂環式
炭化水素基は、前記保護されたアルカリ可溶性基の中に
その一部として含まれることが好ましく、しかし、例え
ばもしもそれが共重合体分子中に含まれる場合、保護さ
れたアルカリ可溶性基を含有する繰り返し単位とは別の
繰り返し単位中に含まれることが、さらに好ましい。適
当な脂環式炭化水素基は、その一例を示すと、次のよう
な化合物を骨格とするものである。
【0023】(1)アダマンタン及びその誘導体 (2)ノルボルナン及びその誘導体 (3)パーヒドロアントラセン及びその誘導体 (4)パーヒドロナフタレン及びその誘導体 (5)トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン及びそ
の誘導体 (6)ビシクロヘキサン及びその誘導体 (7)スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導体 (8)スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体 これらの化合物は、それぞれ、次のような構造式で表さ
れる:
【0024】
【化8】
【0025】本発明の実施に当たって、脂環式炭化水素
基としては、上記したように複数個の環構造を有するか
もしくは縮合環を有しているものが好ましく、単環であ
るシクロヘキシル環等では十分なドライエッチング耐性
を得ることができない。また、これらの化合物のうち
で、ノボラック系レジストと同等なドライエッチング耐
性を得るには、以下に示すものに限定されるわけではな
いけれども、アダマンタン等の縮合環が、特に好まし
い。
【0026】本発明において用いられる酸感応性重合体
又は共重合体は、多種多様なもののなかから任意に選択
して使用することができる。好ましくは、以下に列挙す
るものに限定されるわけではないけれども、次式(V)
により表される(メタ)アクリレート重合体、次式(V
I)により表される(メタ)アクリレート共重合体、そ
して次式(VII )により表される(メタ)アクリレート
三成分共重合体である。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】上式において、Rは、同一もしくは異なっ
ていてもよく、それぞれ、水素を表すかもしくは1〜約
20個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチ
ル基、エチル基などの低級アルキル基を表し、Yは、脂
環式炭化水素基、好ましくはアダマンチル、ノルボルニ
ル、トリシクロ〔5.2.1.0〕デカンなどを表し、
Zは、カルボン酸の保護基、好ましくは3級炭素基ある
いはβ−オキシケトン基、例えばt−ブチル基、t−ア
ミル基、3−オキシシクロヘキシル基などを表し、A
は、レジスト膜の密着性を促進するための密着性促進
基、例えばカルボキシル基、ヒドロキシエチル基などを
表し、そしてl,m及びnは、それぞれ、任意の正の整
数を表す。なお、上記のような基は、必要に応じて任意
の置換基、例えば、塩素等のハロゲン、メチル基、エチ
ル基、t−ブチル基などの低級アルキル基、メトキシ
基、エトキシ基などのアルコキシ基、その他により置換
されていてもよい。
【0031】上式で示されるような酸感応性重合体又は
共重合体のなかで、本発明の実施において有利に使用す
ることのできる酸感応性共重合体の一例を示すと、次式
(IV)により表される共重合体である。
【0032】
【化12】
【0033】上式において、R、R3 、m及びnは、そ
れぞれ、前記定義に同じである。本発明において有利に
用いられる酸感応性重合体又は共重合体は、さらに具体
的に説明すると、以下のものに限定されるわけではない
けれども、次のようなものを包含する。なお、式中の
l,m及びnは、それぞれ、前記定義に同じである。
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】
【化21】
【0043】
【化22】
【0044】また、化学増幅型レジストにおいてこれら
の酸感応性重合体又は共重合体と組み合わせて用いられ
る酸発生剤は、次式(I)により表される化合物であ
る。
【0045】
【化23】
【0046】上式において、R1 及びR2 は、それぞれ
独立していて、同一もしくは異なっていてもよく、置換
もしくは非置換の、直鎖もしくは分岐鎖の、1〜約20
個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル
基、エチル基などの低級アルキル基を表すかもしくは、
窒素原子と組合わさって、1つの環状構造、好ましくは
単環もしくは縮合の環系を完成しており、そしてXはハ
ロゲン、例えばCl,Br,Iを表すかもしくはF,B
4 ,BF6 ,PF6 ,AsF6 ,SbF6 ,CF3
3 ,ClO4 又は有機スルホン酸アニオン、例えばR
4 SO3 (式中、R4 は任意の置換基である)などを表
す。この酸発生剤に導入し得る置換基としては、特に限
定されないというものの、例えば、塩素等のハロゲン、
メチル基、エチル基、t−ブチル基などの低級アルキル
基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、その
他を挙げることができる。なお、「酸発生剤」とは、レ
ジストの化学において一般的に知られているものであ
り、すなわち、紫外線光、遠紫外線光、真空紫外線光、
電子線、X線、レーザ光などの放射線の照射によりプロ
トン酸を放出することが可能である。特に、本発明にお
いて用いられる酸発生剤は、先にも説明したように、露
光放射線として遠紫外線光、真空紫外線光等の短波長の
放射線を使用した時にその効果を有効に発揮することが
可能である。酸発生剤は、光酸発生剤あるいはPAGと
も呼ばれている。
【0047】本発明の実施において用いられる酸発生剤
は、それが環状構造を有する場合、好ましくは、次式
(VIII)により表すことができる。
【0048】
【化24】
【0049】上式において、Cy は、環状構造を完成す
るのに必要な複数個の原子を表し、そしてXは前記定義
に同じである。本発明の化学増幅型レジストにおいて酸
感応性重合体又は共重合体と組み合わせて用いられる酸
発生剤は、前式(I)により表され、かつベンゼン環を
含まないものとする。なお、「ベンゼン環」とは、それ
をここで用いた場合、狭義の意味を有し、1つの芳香族
環を有するものを指し、従って、ナフタレン環、アント
ラセン環あるいはさらに多数のベンゼン環が縮合し、共
役系を形成している芳香族化合物を包含しない。
【0050】本発明の実施において酸発生剤として好ま
しい化合物の例を一般式で示すと、以下に列挙するもの
に限定されないけれども、次のような化合物を包含す
る。
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】
【化28】
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】
【化31】
【0058】
【化32】
【0059】
【化33】
【0060】上式において、Xは前記定義に同じであ
る。これらの酸発生剤は、本発明のレジスト組成物にお
いていろいろな量で使用することができる。本発明者ら
の知見によれば、酸発生剤の使用量は、一般には、基材
樹脂としての酸感応性重合体又は共重合体の全量を基準
にして約1〜30重量%であり、好ましくは約1〜15
重量%である。この酸発生剤の量が約1重量%を下回る
と、感度の低下、得られるレジストパターンの劣化等の
問題を避けられないであろう。また、反対にこの酸発生
剤の量が30重量%を上回ると、レジスト溶液として溶
解した際に相分離が起こり易くなったりして、ウェハ上
に塗布することが困難となるであろう。
【0061】さらに、これらの酸発生剤は、上記したよ
うな脂環式炭化水素基を含む基材樹脂と組み合わせるこ
とで、特に顕著な効果を発揮することができる。本発明
の化学増幅型レジスト組成物は、それを基板上に施して
その基板上に使用膜厚の皮膜を形成した時、露光におい
て用いられる放射線の透過率が10%以上であることが
好ましい。この透過率が10%を下回ると、パターンを
解像できなくなる。レジスト膜の透過率は、さらに好ま
しくは、30%以上である。この要件は、使用する基材
樹脂及び酸発生剤の構造ならびに酸発生剤の使用量を適
宜選択することによって、満足させることができる。
【0062】本発明による化学増幅型レジスト組成物
は、上記した酸感応性重合体又は共重合体と酸発生剤と
から常用の技法を使用して調製することができる。例え
ば、かかる化学増幅型レジスト組成物の調製は、レジス
トの化学において一般的に行われているように、目的の
重合体又は共重合体を形成するための選ばれた単量体を
適当な重合開始剤の存在において重合せしめ、次いで得
られた重合体又は共重合体の溶液に酸発生剤を添加して
レジスト溶液とすることによって、行うことができる。
ここで使用する重合条件及び重合開始剤は、常用されて
いる広い範囲のもののなかから任意に選択して使用する
ことができる。例えば、適当な重合開始剤の一例とし
て、次のようなものを挙げることができる。AIBN
(アゾイソブチロニトリル):
【0063】
【化34】
【0064】MAIB(ジメチル−2,2−アゾイソビ
スブチラート):
【0065】
【化35】
【0066】ここで、重合体又は共重合体に添加する酸
発生剤の量は、広い範囲にわたって変更することがで
き、一般には約1〜30重量%、好ましくは約1〜15
重量%である。また、レジスト溶液の調製に用いる溶媒
は、レジストの種類、塗布条件、その他のファクタに応
じていろいろに変更し得るというものの、好ましくは、
例えばシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル、
メチルアミルケトン、メチル−3−メトキシプロピオネ
ート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどの有機
溶媒である。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、
あるいは必要に応じて2種類以上の溶媒を組み合わせて
使用してもよい。これらの溶媒の使用量は、特に限定さ
れないが、スピンコートなどの塗布に適当な粘度及び所
望のレジスト膜厚を得るのに十分な量で使用するのが好
ましい。
【0067】本発明は、また、上記したような本発明の
レジスト組成物を使用して、被処理基板上にレジストパ
ターンを形成する方法も提供する。本発明によるレジス
トパターンの形成方法は、好ましくは、次のような一連
の工程で実施することができる。 (1)本発明の化学増幅型レジスト組成物を被処理基板
上に塗布する工程。
【0068】(2)被処理基板上のレジスト膜を酸発生
剤からの酸の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光す
る工程。 (3)露光工程において形成された潜像を現像する工
程。 この本発明方法において、好ましくは、レジスト組成物
の塗布工程(1)と露光工程(2)の中間にプリベーク
工程を、そして露光工程(2)と現像工程(3)の中間
にポストベーク工程を、それぞれ設けることができる。
【0069】最初に、上記したようにして調製した化学
増幅型レジストの溶液を被処理基板上に塗布する。ここ
で使用する被処理基板は、半導体装置及びその他の装置
において通常用いられているいかなる基板であってもよ
く、具体的には、シリコン、酸化膜、ポリシリコン、窒
化膜、アルミニウムなどを挙げることができる。これら
の基板は、必要に応じて、その上に任意の層、例えばシ
リコン酸化物層、配線用金属層、層間絶縁膜、磁性層、
その他を有していてもよく、また、その他の加工が施さ
れていてもよい。さらに、これらの基板は、場合によっ
ては、レジスト膜の密着性を向上させるために、例えば
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などのような密着
促進剤で前処理しておくことが好ましい。
【0070】レジスト溶液の塗布は、スピンコータ、デ
ィップコータ、ローラコータなどのような常用の塗布装
置を使用して行うことができる。形成されるレジスト膜
の膜厚は、そのレジスト膜の使途などのファクタに応じ
て広く変更し得るというものの、通常約0.3〜2.0
μmの範囲である。次いで、形成されたレジスト膜を、
放射線を選択的に露光する前に、約60〜150℃、好
ましくは約60〜100℃の温度で約60〜180秒間
にわたってプリベークすることが好ましい。このプリベ
ークには、例えばホットプレートのような加熱手段を用
いることができる。
【0071】また、もしもレジスト膜の上にさらにトッ
プコート膜(保護膜)を施すような場合には、例えば、
オレフィン樹脂の溶液をスピンコート法によりレジスト
膜上に塗布し、100℃前後の温度でベーキングを行う
ことによって、トップコート膜とすることができる。レ
ジスト膜のプリベーク後、そのレジスト膜を常用の露光
装置で放射線に選択露光する。適当な露光装置は、市販
の紫外線(遠紫外線・真空紫外線)露光装置、X線露光
装置、電子ビーム露光装置、エキシマステッパ、その他
である。露光条件は、その都度、適当な条件を選択する
ことができる。この選択露光の結果、レジスト膜に含ま
れる酸発生剤から酸が発生せしめられる。
【0072】次いで、露光後のレジスト膜を、現像工程
に先がけてポストベーク(露光後ベーク、PEB;Po
st Exposure Bake)することが好まし
い。この露光後ベークによって、酸を触媒とした保護基
の脱離反応を生じさせることができる。この露光後ベー
クは、先のプリベークと同様にして行うことができる。
例えば、ベーク温度は約60〜150℃、好ましくは約
90〜150℃である。なお、トップコート膜を併用し
ている場合には、この露光後ベークの後であって現像の
前、例えば有機溶剤によってそれを剥離除去する。
【0073】露光後ベークを完了した後、露光後のレジ
スト膜を常法に従って液体現像する。ここで使用する現
像液は、この技術分野において一般的に用いられている
多数の現像液のなかから、適当なものを任意に選択して
使用することができる。とりわけ好ましい現像液は、現
像剤としての、次式により表されるアンモニウム化合
物:
【0074】
【化36】
【0075】(上式において、Rは前記定義に同じであ
る)、次式により表されるモルフォリン化合物:
【0076】
【化37】
【0077】又はその混合物の水溶液又はアルコール溶
液を含む現像液である。に従って現像する。現像剤とし
てのアンモニウム化合物の好ましい例は、以下に列挙す
るものに限定されるわけではないけれども、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)、テトラエ
チルアンモニウムハイドロキシド(TEAH)、テトラ
プロピルアンモニウムハイドロキジド(TPAH)、テ
トラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)、
などを包含する。
【0078】これらの現像剤を水に溶解するかもしく
は、例えばメタノール、エタール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコールに溶解して現像液となす。溶解する
現像剤の濃度は、広く変更することができるけれども、
一般的に約0.1〜15重量%の範囲、好ましくは約
0.1〜10重量%の範囲である。現像時間は、これも
特に限定されるわけではないけれども、一般的に約1〜
5分間の範囲、好ましくは約1〜3分間の範囲である。
現像の結果、レジスト膜の露光域が溶解除去せしめられ
て、所望とするポジ型レジストパターンを得ることがで
きる。最後に、得られたレジストパターンを常法に従っ
て純水でリンスし、そして乾燥する。
【0079】
【実施例】次いで、本発明をそのいくつかの実施例を参
照して説明する。なお、下記の実施例はほんの一例であ
って、これによって本発明が限定されるものではないこ
とを理解されたい。例1 次式により表され、かつその組成比(m:n)が49:
51であり、重量平均分子量(Mw)が8100であ
り、そして分散度(Mw/Mn)が2.02であるメタ
クリル酸2−メチル−2−アダマンチル−コ−メタクリ
ル酸メバロニックラクトン共重合体を用意した。
【0080】
【化38】
【0081】この共重合体を乳酸エチルに溶解して15
重量%の乳酸エチル溶液とした後、次式で表される酸発
生剤:
【0082】
【化39】
【0083】を共重合体に関して5重量%の量で添加
し、溶解した。得られたレジスト溶液を、ヘキサメチル
ジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に
膜厚0.5μmでスピンコートし、ホットプレート上で
120℃で60秒間プリベークした。この時、レジスト
膜の透過率は、上記の膜厚で測定して、波長193nmの
ArFレーザ光に関して60%であった。
【0084】プリベークの完了後、得られたレジスト膜
をArFエキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.5
5)で波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択
露光した。続いて、露光後のレジスト膜を100℃で6
0秒間PEB(露光後ベーク)した。その後、レジスト
膜を2.38重量%のテトラメチルアンモニウムハイド
ロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、さらに
純水で30秒間リンスした。
【0085】結果として、露光に用いたレーザ光パター
ンに相当する所望のレジストパターンが良好な形状で得
られた。また、照射線量19mJ/cm2 であり、0.16
μmのL&S(ライン・アンド・スペース)を解像でき
た。例2 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
酸発生剤の添加量を5重量%から10重量%に増加し
た。この時、レジスト膜の透過率は、記載の膜厚で測定
して、波長193nmのArFレーザ光に関して45%で
あった。前記例1の場合と同様の満足し得るレジストパ
ターンが得られた。照射線量9mJ/cm2 であり、0.1
65μmのL&S(ライン・アンド・スペース)を解像
できた。例3 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
レジスト膜の膜厚を0.5μm から0.6μm に増加し
た。この時、レジスト膜の透過率は、記載の膜厚で測定
して、波長193nmのArFレーザ光に関して56%で
あった。前記例1の場合と同様の満足し得るレジストパ
ターンが得られた。照射線量20mJ/cm 2 であり、0.
17μmのL&S(ライン・アンド・スペース)を解像
できた。 比較例1 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
比較のため、酸発生剤を次式のトリフェニルスルホニウ
ムトリフレート:
【0086】
【化40】
【0087】に変更し、そして酸発生剤の添加量を5重
量%から10重量%に増加した。この時、レジスト膜の
透過率は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのAr
Fレーザ光に関して9%であった。透過率の低下によ
り、レジストパターンを解像できなかった。比較例2 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
比較のため、酸発生剤をトリフェニルスルホニウムトリ
フレートに変更し、そしてレジスト膜の膜厚を0.5μ
m から0.6μm に増加した。この時、レジスト膜の透
過率は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのArF
レーザ光に関して23%であった。レジストパターンを
形成することはできたものの、プロファイルは不十分で
あり、所望のパターンを得ることができなかった。例4 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
酸発生剤を次式の酸発生剤:
【0088】
【化41】
【0089】に変更した。この時、レジスト膜の透過率
は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのArFレー
ザ光に関して45%であった。前記例1の場合と同様の
満足し得るレジストパターンが得られた。照射線量12
mJ/cm2 であり、0.16μmのL&S(ライン・アン
ド・スペース)を解像できた。例5 前記例4に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
酸発生剤の添加量を5重量%から10重量%に増加し
た。この時、レジスト膜の透過率は、記載の膜厚で測定
して、波長193nmのArFレーザ光に関して30%で
あった。前記例4の場合と同様の満足し得るレジストパ
ターンが得られた。照射線量7mJ/cm2 であり、0.1
65μmのL&S(ライン・アンド・スペース)を解像
できた。例6 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
酸発生剤を次式の酸発生剤:
【0090】
【化42】
【0091】に変更した。この時、レジスト膜の透過率
は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのArFレー
ザ光に関して48%であった。前記例1の場合と同様の
満足し得るレジストパターンが得られた。照射線量10
0mJ/cm2 であり、0.17μmのL&S(ライン・ア
ンド・スペース)を解像できた。例7 前記例1に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
酸発生剤を次式の酸発生剤:
【0092】
【化43】
【0093】に変更した。この時、レジスト膜の透過率
は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのArFレー
ザ光に関して65%であった。前記例1の場合と同様の
満足し得るレジストパターンが得られた。照射線量22
mJ/cm2 であり、0.17μmのL&S(ライン・アン
ド・スペース)を解像できた。例8 次式により表され、かつその組成比(m:n)が54:
46であり、重量平均分子量(Mw)が21000であ
り、そして分散度(Mw/Mn)が1.70であるメタ
クリル酸2−メチル−2−アダマンチル−コ−メタクリ
ル酸3−オキソシクロヘキシル共重合体を用意した。
【0094】
【化44】
【0095】この共重合体を乳酸エチルに溶解して15
重量%の乳酸エチル溶液とした後、次式で表される酸発
生剤:
【0096】
【化45】
【0097】を共重合体に関して5重量%の量で添加
し、溶解した。得られたレジスト溶液を、ヘキサメチル
ジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に
膜厚0.7μmでスピンコートし、ホットプレート上で
100℃で100秒間プリベークした。この時、レジス
ト膜の透過率は、上記の膜厚で測定して、波長193nm
のArFレーザ光に関して53%であった。
【0098】次いで、得られたレジスト膜上に、オレフ
ィン樹脂をt−ブチルシクロヘキサンに溶解した溶液を
スピンコートし、100℃で100秒間ベークして、レ
ジスト上保護膜を形成した。この後、得られたレジスト
膜をArFエキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.
55)で波長193nmのArFレーザ光のパターンに選
択露光した。続いて、露光後のレジスト膜を100℃で
60秒間PEB(露光後ベーク)した。次いで、シクロ
ヘキサンをスピンコートして保護膜の剥離を行った。そ
の後、レジスト膜を0.27規定のテトラブチルアンモ
ニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液で60秒間現
像し、さらに純水で30秒間リンスした。
【0099】結果として、露光に用いたレーザ光パター
ンに相当する所望のレジストパターンが良好な形状で得
られた。また、照射線量25mJ/cm2 であり、0.17
μmのL&S(ライン・アンド・スペース)を解像でき
た。例9 前記例8に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
酸発生剤を次式の酸発生剤:
【0100】
【化46】
【0101】に変更した。この時、レジスト膜の透過率
は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのArFレー
ザ光に関して54%であった。前記例8の場合と同様の
満足し得るレジストパターンが得られた。照射線量35
mJ/cm2 であり、0.17μmのL&S(ライン・アン
ド・スペース)を解像できた。例10 前記例8に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
酸発生剤を次式の酸発生剤:
【0102】
【化47】
【0103】に変更した。この時、レジスト膜の透過率
は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのArFレー
ザ光に関して58%であった。前記例8の場合と同様の
満足し得るレジストパターンが得られた。照射線量32
mJ/cm2 であり、0.17μmのL&S(ライン・アン
ド・スペース)を解像できた。例11 前記例8に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
酸発生剤を次式の酸発生剤:
【0104】
【化48】
【0105】に変更し、また、酸発生剤の添加量を5重
量%から10重量%に増加した。この時、レジスト膜の
透過率は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのAr
Fレーザ光に関して39%であった。前記例8の場合と
同様の満足し得るレジストパターンが得られた。照射線
量14mJ/cm2 であり、0.17μmのL&S(ライン
・アンド・スペース)を解像できた。比較例3 前記例8に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、
比較のため、酸発生剤を次式のトリフェニルスルホニウ
ムヘキサフルオロアンチモネート:
【0106】
【化49】
【0107】に変更し、そして酸発生剤の添加量を5重
量%から10重量%に増加した。この時、レジスト膜の
透過率は、記載の膜厚で測定して、波長193nmのAr
Fレーザ光に関して5%であった。透過率の低下によ
り、レジストパターンを全く解像できなかった。例12 次式により表され、かつその組成比(m:n)が51:
49であり、重量平均分子量(Mw)が4915であ
り、そして分散度(Mw/Mn)が1.46であるメタ
クリル酸アダマンチル−コ−メタクリル酸t−ブチル共
重合体を用意した。
【0108】
【化50】
【0109】この共重合体をシクロヘキサノンに溶解し
て15重量%のシクロヘキサノン溶液とした後、次式で
表される酸発生剤:
【0110】
【化51】
【0111】を共重合体に関して5重量%の量で添加
し、溶解した。得られたレジスト溶液を、ヘキサメチル
ジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に
膜厚0.7μmでスピンコートし、ホットプレート上で
100℃で100秒間プリベークした。この時、レジス
ト膜の透過率は、上記の膜厚で測定して、波長193nm
のArFレーザ光に関して60%であった。
【0112】次いで、得られたレジスト膜上に、オレフ
ィン樹脂をt−ブチルシクロヘキサンに溶解した溶液を
スピンコートし、100℃で100秒間ベークして、レ
ジスト上保護膜を形成した。この後、得られたレジスト
膜をArFエキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.
55)で波長193nmのArFレーザ光のパターンに選
択露光した。続いて、露光後のレジスト膜を100℃で
60秒間PEB(露光後ベーク)した。次いで、シクロ
ヘキサンをスピンコートして保護膜の剥離を行った。そ
の後、レジスト膜を0.27規定のテトラプロピルアン
モニウムハイドロキシド(TPAH)水溶液で60秒間
現像し、さらに純水で30秒間リンスした。
【0113】結果として、露光に用いたレーザ光パター
ンに相当する所望のレジストパターンが良好な形状で得
られた。また、照射線量30mJ/cm2 であり、0.17
μmのL&S(ライン・アンド・スペース)を解像でき
た。例13 前記例12に記載の手法を繰り返した。但し、本例で
は、酸発生剤を次式の酸発生剤:
【0114】
【化52】
【0115】に変更し、また、酸発生剤の添加量を15
重量%に、そしてレジスト膜厚を0.6μm に、それぞ
れ変更した。この時、レジスト膜の透過率は、記載の膜
厚で測定して、波長193nmのArFレーザ光に関して
41%であった。前記例12の場合と同様の満足し得る
レジストパターンが得られた。照射線量10mJ/cm2
あり、0.165μmのL&S(ライン・アンド・スペ
ース)を解像できた。比較例4 前記例12に記載の手法を繰り返した。但し、本例で
は、比較のため、酸発生剤を次式の酸発生剤:
【0116】
【化53】
【0117】に変更し、また、酸発生剤の添加量を15
重量%に、そしてレジスト膜厚を0.6μm に、それぞ
れ変更した。この時、レジスト膜の透過率は、記載の膜
厚で測定して、波長193nmのArFレーザ光に関して
7%であった。透過率の低下により、レジストパターン
を全く解像できなかった。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、化学増幅型レジスト組
成物を、例えばエステル部に脂環式化合物を有するよう
なアクリル酸又はメタアクリル酸エステル系重合体又は
共重合体と、前式(I)により表される構造を有する酸
発生剤とを組み合わせて構成したので、レジスト膜の透
過率を大きく向上させることができる。このため、使用
する酸発生剤の添加可能量の範囲を拡大し、パターンプ
ロファイルや感度に対する最適条件を、より広範な条件
より選択できるようになり、また、容易にレジスト膜の
厚膜化を行うことができるようにもなる。この結果、様
々な露光条件に対応した、良好な特性をもつレジスト材
料を提供することが可能となり、例えばArFリソグラ
フィにおいて、感度を低下させることなく、厚膜条件で
も0.2μm以下のL&Sでも、良好な形状のパターン
を安定して解像することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 566 571

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護されたアルカリ可溶性基を有しかつ
    その保護基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可
    溶性とならしめる構造単位を含む酸感応性化合物と、放
    射線露光により酸を発生する酸発生剤とを組み合わせて
    含む化学増幅型レジスト組成物において、 前記酸感応性化合物が、その分子中に脂環式炭化水素基
    を含む重合体又は共重合体であり、そして前記酸発生剤
    が、次式(I)により表される化合物: 【化1】 (上式において、R1 及びR2 は、それぞれ独立してい
    て、同一もしくは異なっていてもよく、置換もしくは非
    置換のアルキル基を表すかもしくは、窒素原子と組合わ
    さって、1つの環状構造を完成しており、そしてXはハ
    ロゲンを表すかもしくはF,BF4 ,BF6 ,PF6
    AsF6 ,SbF6 ,CF3 SO3 ,ClO4 又は有機
    スルホン酸アニオンを表す)であることを特徴とする化
    学増幅型レジスト組成物。
  2. 【請求項2】 前記保護されたアルカリ可溶性基が、次
    式(II)により表される基: 【化2】 (上式において、R3 はアルキル基を表し、そしてZは
    脂環式炭化水素基を完成するのに必要な原子を表す)で
    あることを特徴とする請求項1に記載の化学増幅型レジ
    スト組成物。
  3. 【請求項3】 前記保護されたアルカリ可溶性基が、次
    式(III )により表される基: 【化3】 (上式において、R3 は前記定義に同じである)である
    ことを特徴とする請求項2に記載の化学増幅型レジスト
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記酸感応性化合物が、次式(IV)によ
    り表される共重合体: 【化4】 (上式において、Rは、同一もしくは異なっていてもよ
    く、水素を表すかもしくは置換もしくは非置換のアルキ
    ル基を表し、R3 は前記定義に同じであり、そしてm及
    びnは、それぞれ、任意の正の整数を表す)であること
    を特徴とする請求項3に記載の化学増幅型レジスト組成
    物。
  5. 【請求項5】 基板上に使用膜厚で皮膜を形成した時、
    露光において用いられる放射線の透過率が10%以上で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の化学増幅型レジスト組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の化学増幅型レジスト組
    成物を被処理基板上に塗布し、 前記被処理基板上のレジスト膜を前記酸発生剤からの酸
    の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光し、そして前
    記露光工程において形成された潜像を現像すること、を
    含んでなることを特徴とするレジストパターンの形成方
    法。
  7. 【請求項7】 形成されたレジスト膜を前記露光工程に
    先がけてプリベークする工程、そして前記露光工程後の
    レジスト膜を前記現像工程に先がけてポストベークする
    工程をさらに含むことを特徴とするレジストパターンの
    形成方法。
JP23524796A 1996-09-05 1996-09-05 化学増幅型レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法 Expired - Lifetime JP3724890B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23524796A JP3724890B2 (ja) 1996-09-05 1996-09-05 化学増幅型レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23524796A JP3724890B2 (ja) 1996-09-05 1996-09-05 化学増幅型レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1078658A true JPH1078658A (ja) 1998-03-24
JP3724890B2 JP3724890B2 (ja) 2005-12-07

Family

ID=16983260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23524796A Expired - Lifetime JP3724890B2 (ja) 1996-09-05 1996-09-05 化学増幅型レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3724890B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001125268A (ja) * 1999-10-28 2001-05-11 Sony Corp 露光方法
JP2001188347A (ja) * 1999-10-18 2001-07-10 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物
US7374857B2 (en) 2001-11-30 2008-05-20 Wako Pure Chemical Industries Ltd. Bismide compound, acid generator and resist composition each containing the same, and method of forming pattern from the composition
US20130177848A1 (en) * 2010-09-14 2013-07-11 Central Glass Company Limited Polymer, Resist Material Containing Same, and Method for Forming Pattern Using Same
WO2013147315A1 (en) * 2012-03-28 2013-10-03 Fujifilm Corporation Method of forming pattern, photomask and nanoimprint mold master
KR101409614B1 (ko) * 2007-05-23 2014-06-18 제이에스알 가부시끼가이샤 감방사선성 수지 조성물, 액정 표시 소자의 스페이서 및보호막, 및 이들의 형성 방법

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001188347A (ja) * 1999-10-18 2001-07-10 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物
JP2001125268A (ja) * 1999-10-28 2001-05-11 Sony Corp 露光方法
US7374857B2 (en) 2001-11-30 2008-05-20 Wako Pure Chemical Industries Ltd. Bismide compound, acid generator and resist composition each containing the same, and method of forming pattern from the composition
KR101409614B1 (ko) * 2007-05-23 2014-06-18 제이에스알 가부시끼가이샤 감방사선성 수지 조성물, 액정 표시 소자의 스페이서 및보호막, 및 이들의 형성 방법
US20130177848A1 (en) * 2010-09-14 2013-07-11 Central Glass Company Limited Polymer, Resist Material Containing Same, and Method for Forming Pattern Using Same
WO2013147315A1 (en) * 2012-03-28 2013-10-03 Fujifilm Corporation Method of forming pattern, photomask and nanoimprint mold master
JP2013205653A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Fujifilm Corp パターン形成方法、フォトマスク及びナノインプリント用モールド原盤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3724890B2 (ja) 2005-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3429592B2 (ja) レジストパターンの形成方法
JP3380128B2 (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JP3751065B2 (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JP3676918B2 (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
TWI476531B (zh) 電子線用或euv用化學增幅正型光阻組成物及圖型之形成方法
JP3297272B2 (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法
JP3859353B2 (ja) ネガ型レジスト組成物およびレジストパターンの形成方法
TWI484291B (zh) 光阻材料及使用此光阻材料之圖案形成方法
TWI484292B (zh) 光阻材料及使用此光阻材料之圖案形成方法
TWI471702B (zh) 高分子化合物、正型光阻材料及利用此之圖案形成方法
TW201233666A (en) Lactone photoacid generators and resins and photoresists comprising same
TWI499867B (zh) 化學增幅正型光阻組成物及圖型之形成方法
TW201248325A (en) Chemically amplified negative resist composition and patterning process
TW201541189A (zh) 化學增幅型負型光阻組成物及光阻圖案形成方法
JPH0943848A (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JPH09244261A (ja) レジストパターンの形成方法
JP3979726B2 (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JP2000212221A (ja) 酸感応性共重合体、レジスト組成物及びレジストパタ―ンの形成方法
JP3724890B2 (ja) 化学増幅型レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法
JP2000330284A (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JP3803313B2 (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JP3815844B2 (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JP3770694B2 (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JP3919806B2 (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法
JP2006091898A (ja) レジスト材料及びレジストパターンの形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080930

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930

Year of fee payment: 4

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100930

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100930

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120930

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120930

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130930

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term