JPH09241496A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびシート状成形材料 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物およびシート状成形材料

Info

Publication number
JPH09241496A
JPH09241496A JP8055177A JP5517796A JPH09241496A JP H09241496 A JPH09241496 A JP H09241496A JP 8055177 A JP8055177 A JP 8055177A JP 5517796 A JP5517796 A JP 5517796A JP H09241496 A JPH09241496 A JP H09241496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsaturated polyester
polyester resin
resin composition
parts
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8055177A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Kono
貴昭 河野
Hirobumi Yagi
博文 八木
Takashi Yamamoto
隆史 山本
Shizuko Maeda
静子 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP8055177A priority Critical patent/JPH09241496A/ja
Priority to KR1019970707474A priority patent/KR19990007951A/ko
Priority to CN97190171A priority patent/CN1181772A/zh
Priority to PCT/JP1997/000673 priority patent/WO1997033942A1/ja
Publication of JPH09241496A publication Critical patent/JPH09241496A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • C08K7/02Fibres or whiskers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L25/00Compositions of, homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L25/02Homopolymers or copolymers of hydrocarbons
    • C08L25/04Homopolymers or copolymers of styrene
    • C08L25/06Polystyrene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L25/00Compositions of, homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L25/02Homopolymers or copolymers of hydrocarbons
    • C08L25/04Homopolymers or copolymers of styrene
    • C08L25/08Copolymers of styrene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L67/06Unsaturated polyesters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2325/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Derivatives of such polymers
    • C08J2325/02Homopolymers or copolymers of hydrocarbons
    • C08J2325/04Homopolymers or copolymers of styrene
    • C08J2325/06Polystyrene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/06Unsaturated polyesters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K2201/00Specific properties of additives
    • C08K2201/002Physical properties
    • C08K2201/004Additives being defined by their length
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2203/00Applications
    • C08L2203/16Applications used for films

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平滑性や光沢等の物性に優れた成形品を
得ることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 水素化ビスフェノール骨格を有する不飽
和ポリエステル樹脂と、三次元スチレンポリマーを含む
低収縮化剤と、減粘剤とを混合することにより不飽和ポ
リエステル樹脂組成物を得る。これにより、硬化時の収
縮に加えて、成形後の冷却時の収縮をも抑制することが
でき、よって、表面平滑性や光沢等の物性に優れた成形
品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばSMC(シ
ートモールディングコンパウンド)等のシート状成形材
料や、BMC(バルクモールディングコンパウンド)等
のバルク状成形材料に好適に用いられる不飽和ポリエス
テル樹脂組成物およびこれを含むシート状成形材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、不飽和ポリエステル樹脂は、
例えば、SMCやBMC等に好適に用いられている。し
かしながら、不飽和ポリエステル樹脂を用いたこのよう
な成形材料は、硬化時に収縮が起こり、補強用のガラス
繊維が浮き出すため、その硬化物(成形品)の表面平滑
性が失われるという問題点を有している。
【0003】そこで、補強用のガラス繊維の浮き出しを
防止し、上記表面平滑性を向上させるために、硬化時の
低収縮化剤として熱可塑性重合体を使用することが知ら
れている。ところが、ガラス繊維の浮きだしを充分に防
止するために上記熱可塑性重合体の添加量を増すと、熱
可塑性重合体の浮きだし(スカミンング)が起こり、か
えって表面平滑性を低下させるという問題が生じる。
【0004】そこで、例えば、特公昭51−1276号
公報、特公昭63−61344号公報等には、硬化時の
収縮を低減させ、このようなスカミンングを防止し、表
面平滑性を向上させるために、低収縮化剤として三次元
スチレンポリマーを用いた不飽和ポリエステル樹脂組成
物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、不飽和ポリエステル樹脂組成物は、硬化時以外に
も、成形品の成形後の冷却時にも収縮が起こる。このた
め、硬化時の収縮のみを低減しても、良好な表面平滑性
を得ることはできない。つまり、上記従来の不飽和ポリ
エステル樹脂組成物は、低収縮化剤として三次元スチレ
ンポリマーを用いることによって硬化時の収縮を低減さ
せることはできるものの、成形後の冷却時における収縮
を低減させることはできず、その表面平滑性は、未だ充
分であるとは言い難い。
【0006】さらに、低収縮化剤を多量に使用すること
は、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度の上昇を招く
ため、ガラス繊維等の補強材に対する含浸性が低下し、
成形品の膨れ等の欠陥を生じ易くなる。特に、不飽和ポ
リエステル樹脂組成物の粘度が高くなると、該不飽和ポ
リエステル樹脂組成物をSMC等のシート状成形材料に
用いる場合、ニーダー等を使用することにより、補強剤
を含んだ組成物の混練が可能なBMC等に比べて補強材
に対する含浸性の低下が顕著なため、成形が困難とな
る。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、表面平滑性や光沢等の物性
に優れた成形品を得ることができる不飽和ポリエステル
樹脂組成物およびシート状成形材料を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、水素化ビスフェノー
ル骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂と、三次元スチ
レンポリマーを含む低収縮化剤と、減粘剤とを含む不飽
和ポリエステル樹脂組成物およびこれを含むシート状成
形材料が、硬化時の収縮に加えて、成形後の冷却時の収
縮をも抑制することができ、これにより、表面平滑性や
光沢等の物性に優れた成形品を得ることができることを
見いだして本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、請求項1記載の発明の不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、水
素化ビスフェノール骨格を有する不飽和ポリエステル樹
脂と、三次元スチレンポリマーを含む低収縮化剤と、減
粘剤とを含むことを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明の不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、請求項1
記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物において、上記不
飽和ポリエステル樹脂 100重量部に対する低収縮化剤お
よび減粘剤の割合が、低収縮化剤11重量部〜20重量部の
範囲内および減粘剤1重量部〜8重量部の範囲内である
ことを特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明の不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、請求項1
または2記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物におい
て、さらに、補強材を含むことを特徴としている。
【0012】請求項4記載の発明の不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、請求項3
記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物において、上記補
強材が 1/4インチ以下の繊維長を有する繊維であること
を特徴としている。
【0013】請求項5記載の発明の不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、水素化ビ
スフェノール骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂 100
重量部に対して、三次元スチレンポリマーを含む低収縮
化剤11重量部〜20重量部および充填剤 190重量部〜 350
重量部を含む混合物を、減粘剤を用いて35℃における粘
度が1000ポイズ以下となるように調整してなることを特
徴としている。
【0014】請求項6記載の発明のシート状成形材料
は、上記の課題を解決するために、請求項1〜5の少な
くとも何れか1項に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成
物を含むことを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、硬化時の収縮に加え
て、成形後の冷却時の収縮をも抑制することができ、こ
れにより、表面平滑性や光沢等の物性に優れた成形品を
得ることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供
することができる。該不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、例えば、SMC等のシート状成形材料や、BMC等
のバルク状成形材料等に好適に用いることができる。該
不飽和ポリエステル樹脂組成物は、補強材に対する含浸
性に優れているため、補強材以外の成分(コンパウン
ド)の粘度が補強材に対する含浸性に大きく影響を及ぼ
すシート状成形材料に、特に好適に用いることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施の形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかる不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物は、水素化ビスフェノール骨格を有する不
飽和ポリエステル樹脂と、三次元スチレンポリマーを含
む低収縮化剤と、減粘剤とを含んでいる。
【0017】本発明において用いられる上記不飽和ポリ
エステル樹脂は、水素化ビスフェノール骨格を有するも
のであれば、特に限定されるものではない。該不飽和ポ
リエステル樹脂は、酸成分と、例えば水素化ビスフェノ
ールA等の水素化ビスフェノール類を含むアルコール成
分との縮合反応により得られた不飽和ポリエステルを、
重合性単量体に溶解させることにより容易に得ることが
できる。
【0018】上記の酸成分としては、特に限定されるも
のではないが、具体的には、例えば、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、およびこれらの無水物等の不飽和二
塩基酸;フタル酸、テトラヒドロフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット
酸、およびこれらの無水物等の飽和二塩基酸等が挙げら
れる。また、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等の3価以上の多塩基酸等を用いてもよい。これ
ら酸成分は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類
以上を適宜混合して用いてもよい。
【0019】水素化ビスフェノール類以外のアルコール
成分としては、特に限定されるものではないが、具体的
には、例えば、エチレングリコールおよびその多量体、
プロピレングリコールおよびその多量体、ネオペンチル
グリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、酸化
プロピレン、酸化エチレン等の2価アルコールが挙げら
れる。また、必要に応じて、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価
アルコールを用いてもよい。これらアルコール成分は、
一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混
合して用いてもよい。
【0020】全アルコール成分中における上記水素化ビ
スフェノール類の含有量は、特に限定されるものではな
いが、10モル%以上であることが好ましい。上記水素化
ビスフェノール類の含有量が10モル%未満であれば、得
られる不飽和ポリエステル樹脂組成物を含む成形材料を
成形後、冷却する際の成形品の収縮(以下、熱収縮と記
す)を充分に抑制することができなくなる虞れがある。
このように、酸性分と、水素化ビスフェノール類を含む
アルコール成分とを反応させることによって、熱変形温
度(HDT)が高く、よって上記熱収縮の抑制が可能な
不飽和ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0021】上記不飽和ポリエステルの製造方法は、特
に限定されるものではなく、常用の方法を用いることが
できる。また、各成分、即ち、酸成分とアルコール成分
との配合割合は特に限定されるものではなく、その他の
添加剤の有無並びにその使用量も特に限定されるもので
はない。さらに、上記反応における反応時間並びに反応
温度は、上記反応が完結するように適宜設定すればよ
く、特に限定されるものではない。
【0022】また、上記反応に際して、或いは反応後、
重合によるゲル化の防止や、得られる不飽和ポリエステ
ルの保存安定性または硬化性を調整するために、重合禁
止剤を添加することが好ましい。
【0023】上記重合禁止剤としては、特に限定される
ものではなく、従来公知の重合禁止剤を用いることがで
きる。上記重合禁止剤としては、具体的には、例えば、
ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p-t-ブチルカ
テコール、t-ブチルハイドロキノン、トルハイドロキノ
ン、p-ベンゾキノン、ナフトキノン、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル、フェノチアジン、ナフテン酸銅等が
挙げられる。これら重合禁止剤は、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。尚、上記重合禁止剤の添加量は、特に限定されるも
のではない。
【0024】上記不飽和ポリエステルを溶解するための
重合性単量体としては、特に限定されるものではない
が、具体的には、例えば、スチレン、メタクリル酸メチ
ル、酢酸ビニル、ビニルトルエン、ジアリルフタレート
等が挙げられる。これら重合性単量体は、一種類のみを
用いてもよいし、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。上記重合性単量体の配合量は、特に限定されるもの
ではないが、不飽和ポリエステルに対して、10重量%〜
70重量%の範囲内が好ましく、30重量%〜50重量%の範
囲内がさらに好ましい。
【0025】また、本発明において用いられる低収縮化
剤は、該不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた成形材
料の硬化時における収縮(以下、硬化収縮と記す)を充
分に抑制するために、三次元スチレンポリマーを含んで
いる。上記三次元スチレンポリマーとは、スチレンモノ
マーを単独で、あるいは、スチレンモノマーと該スチレ
ンモノマーと共重合可能な単量体とを、架橋剤の存在下
で重合させることにより得られる三次元の網目構造を有
する架橋重合体である。
【0026】上記スチレンモノマーと共重合可能な単量
体、即ち、三次元スチレンポリマーの製造において必要
に応じて用いられるその他の単量体としては、特に限定
されるものではないが、具体的には、例えば、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル
類、アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられ
る。これら単量体は、一種類のみを用いてもよいし、二
種類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、上記その他
の単量体の配合量は、特に限定されるものではない。
【0027】架橋剤としては、特に限定されるものでは
ないが、具体的には、例えば、ジビニルベンゼン、ジビ
ニルトルエン等のジビニルベンゼン誘導体;エチレング
リコールジアクリレート等のアルキングリコールジアク
リレート誘導体;エチレングリコールジメタクリレート
等のアルキングリコールジメタクリレート誘導体;ジア
リルフタレート等が挙げられる。これら架橋剤は、一種
類のみを用いてもよく、適宜、二種類以上を混合して用
いてもよい。
【0028】これら架橋剤の添加量は、特に限定される
ものではないが、得られる三次元スチレンポリマーの架
橋密度が 0.2%〜30%の範囲内となるように調整するこ
とが好ましく、 0.5%〜10%の範囲内となるように調整
することがさらに好ましい。
【0029】上記三次元スチレンポリマー以外の低収縮
化剤としては、具体的には、例えば、ポリスチレン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のオレフィン系付加重合体および共重合体;飽和ポ
リエステル、ナイロン、ポリウレタン等の縮合重合体等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、
これら低収縮化剤は、一種類のみを用いてもよく、適
宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0030】また、本発明において用いられる上記減粘
剤としては、得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物の
粘度を低下させることができるものであれば、特に限定
されるものではない。このような減粘剤としては、具体
的には、例えば、飽和ポリエステル系化合物、BYK
(登録商標;品名 W900、W905、W960、W
965、W980、W990、W995、W996、W
9010)等が挙げられる。これら減粘剤は、一種類の
みを用いてもよく、適宜二種類以上を混合して用いても
よい。
【0031】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、上記水素化ビスフェノール骨格を有する不飽和ポリ
エステル樹脂と、三次元スチレンポリマーを含む低収縮
化剤と、減粘剤とを含んでなる。また、該不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物が充填剤や補強材等の添加剤をさらに
含むことで、さらに優れた物性を有すると共に、種々の
用途に使用可能な成形材料として用いることができる。
【0032】上記充填剤としては、具体的には、例え
ば、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、石
粉、シリカ(珪砂)、ガラス粉、クレー、カオリン、タ
ルク等の無機充填剤、および、有機充填剤が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら充填剤は、一
種類のみを用いてもよく、適宜、二種類以上を混合して
用いてもよい。これら充填剤のなかでも、炭酸カルシウ
ムおよび水酸化アルミニウムが特に好ましい。また、充
填剤の平均粒径等の形態は、特に限定されるものではな
い。上記不飽和ポリエステル樹脂組成物がさらに充填剤
を含むことで、前記硬化収縮および熱収縮をさらに低減
させることができる。
【0033】補強材としては、具体的には、例えば、ガ
ラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックからなる繊
維等の無機繊維;アラミドやポリエステル等からなる有
機繊維;天然繊維等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。これら補強材は、一種類のみを用いてもよ
く、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。また、
繊維の形態は、例えば、ロービング、チョップトストラ
ンド、マット、クロス(織物)等が挙げられ、その繊維
長や収束本数等も特に限定されるものではない。そのな
かでも上記繊維長は、1/4 インチ以下であることが好ま
しく、上記補強材として1/4 インチ以下の繊維長を有す
る繊維を用いることで、最終的に得られる成形品の表面
平滑性を一層向上させることができる。このように、該
不飽和ポリエステル樹脂組成物がさらに補強材を含むこ
とで、例えばSMC等のシート状成形材料やBMC等の
バルク状成形材料等に好適に用いることができる。
【0034】また、本発明にかかる不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、上記不飽和ポリエステル樹脂、低収縮化
剤、減粘剤、充填剤、および補強材以外に、必要に応じ
て、その他の添加剤を含んでいてもよい。上記その他の
添加剤は、一般に用いられている各種の添加剤を採用す
ることができ、特に限定されるものではない。上記その
他の添加剤としては、所望する物性や用途にもよるが、
例えば、離型剤、硬化剤、重合禁止剤、重合性単量体、
着色剤等が挙げられる。また、作業性を向上させるため
に、使用時に増粘剤を用いてもよい。これらその他の添
加剤は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以
上を混合して用いてもよい。
【0035】上記離型剤としては、具体的には、例え
ば、ステアリン酸、ラウリル酸等の脂肪酸およびその金
属塩等が挙げられる。また、増粘剤としては、具体的に
は、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化
ベリリウム等のアルカリ土類金属酸化物;水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化
等が挙げられる。硬化剤(重合開始剤)としては、具体
的には、例えば、t-ブチルパーオキシベゾエート、t-ブ
チルパーオキシカーボネート等の有機過酸化物;アゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ化合物等、従来公知のラ
ジカル重合開始剤等が挙げられる。重合禁止剤や重合性
単量体としては、例えば、前記不飽和ポリエステル樹脂
の製造方法においてそれぞれ例示した化合物と同様の化
合物を用いることができる。また、着色剤としては、公
知の無機顔料や有機顔料等が挙げられる。
【0036】本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、上記水素化ビスフェノール骨格を有する不飽和
ポリエステル樹脂、三次元スチレンポリマーを含む低収
縮化剤、減粘剤、および、必要に応じて充填剤や補強
材、その他の添加剤等を混合(混練)することにより、
容易に得ることができる。
【0037】上記不飽和ポリエステル樹脂組成物におけ
る各原料の含有量、即ち、各原料の配合割合は、特に限
定されるものではないが、不飽和ポリエステル樹脂に対
する低収縮化剤、即ち、三次元スチレンポリマーとその
他の低収縮化剤との合計の配合割合は、不飽和ポリエス
テル樹脂 100重量部に対して、低収縮化剤11重量部〜20
重量部の範囲内が好ましい。上記低収縮化剤の配合割合
が11重量部未満であれば、硬化収縮を充分に抑制するこ
とができなくなるため好ましくない。上記低収縮化剤
は、その配合量が多い程、収縮抑制効果を顕著に発揮す
ることができるため、その配合量の上限としては、特に
限定されるものではない。しかしながら、上記低収縮化
剤の配合割合が20重量部を越えると、得られる不飽和ポ
リエステル樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、作業性が
低下したり、補強材等を用いた場合に、補強材等に対す
る含浸性が低下し、成形品の膨れ等を招く虞れがある。
このため、実使用上、20重量部以下であることが好まし
い。さらに、上記硬化収縮を充分に抑制するために、低
収縮化剤のなかでも、特に、三次元スチレンポリマーの
割合は、不飽和ポリエステル樹脂 100重量部に対して、
7重量部〜20重量部の範囲内で使用することが好まし
い。
【0038】また、上記不飽和ポリエステル樹脂に対す
る減粘剤の配合割合は、不飽和ポリエステル樹脂 100重
量部に対して、減粘剤1重量部〜8重量部の範囲内が好
ましい。本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂組成物
が減粘剤を含むことで、粘度を変えずに低収縮化剤や充
填剤等の添加量を増大させることができると共に、ガラ
ス繊維等の補強材に対する含浸性を維持し、最終的に得
られる成形品の表面平滑性を向上させることができる。
このため、本願の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、上
記減粘剤を含むことで補強材に対する含浸性に優れ、B
MC等のバルク状成形材料だけでなくSMC等のシート
状成形材料にも好適に用いることができる。上記減粘剤
の配合量は、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度、即
ち、各原料の混合時の粘度を、35℃で1000ポイズ以下に
調整することができる量であればよく、特に限定される
ものではない。但し、上記減粘剤の配合割合が1重量部
未満であれば、所望する物性を備えた不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物を得ることができなくなる虞れがあるので
好ましくない。上記減粘剤の添加割合が少なすぎると、
特に、成形材料としてSMC等のシート状成形材料を得
る場合には、BMC等のバルク状成形材料を得る場合に
比べてガラス繊維等の補強材に対する含浸性が低下す
る。このため、成形が困難となる虞れがある。また、上
記減粘剤の配合割合が8重量部を越えると、該不飽和ポ
リエステル樹脂組成物の増粘後の粘度が、成形作業等に
好適な所定の値に達しないか、若しくは達するまでに長
時間を有する虞れがある。このため、実使用上、上記範
囲内において用いることが好ましい。
【0039】また、充填剤を添加する場合には、該充填
剤の添加量は、特に限定されるものではないが、不飽和
ポリエステル樹脂組成物 100重量部に対して、 350重量
部以下であることが好ましい。但し、該充填剤を添加し
たことによる顕著な硬化収縮および熱収縮の抑制効果を
得るためには、 190重量部〜 350重量部の範囲内で用い
ることが特に好ましい。このように、上記充填剤を高充
填することで、上記硬化収縮および熱収縮を充分に抑制
することが可能となる。尚、上記不飽和ポリエステル樹
脂組成物に対する上記配合割合が 350重量部を越える
と、得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高
くなりすぎ、作業性が低下したり、補強材等を用いた場
合に、補強材等に対する含浸性が低下し、成形品の膨れ
等を招く虞れがあるので好ましくない。
【0040】このように、本発明の不飽和ポリエステル
樹脂組成物が、水素化ビスフェノール骨格を有する不飽
和ポリエステル樹脂 100重量部に対して、三次元スチレ
ンポリマーを含む低収縮化剤11重量部〜20重量部および
充填剤 190重量部〜 350重量部を含む場合、得られる混
合物の35℃における粘度は1000ポイズ以上となる。そこ
で、該混合物を、減粘剤を用いて35℃における粘度が10
00ポイズ以下となるように調整することによって、硬化
時の収縮に加えて、成形後の冷却時の収縮をも抑制する
ことができ、表面平滑性や光沢等の物性に優れた成形品
を得ることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物を得
ることができる。
【0041】また、必要に応じて用いられるその他の添
加剤の使用量も特に限定されるものではなく、その種類
や、不飽和ポリエステル樹脂、低収縮化剤、および減粘
剤等のその他の原料との組み合わせ、不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物の用途、並びに、所望する物性等に応じて
適宜設定すればよい。
【0042】また、補強材を添加する場合における補強
材の添加量は、不飽和ポリエステル樹脂組成物の組成や
用途、並びに、所望する物性等にもよるが、不飽和ポリ
エステル樹脂組成物における含有量が1重量%〜30重量
%の範囲内となるように添加することが好ましく、7重
量%〜15重量%の範囲内となるように添加することがさ
らに好ましい。
【0043】上記補強材を添加する場合の添加(混合)
方法は、特に限定されるものではなく、補強材の形態に
応じて適宜設定すればよい。例えば、補強材の形態がマ
ットやクロス等である場合には、該補強材に、補強材以
外の成分(以下、説明の便宜上、コンパウンドと称す
る)を含浸させればよい。また、例えば、補強材の形態
がロービングやチョップトストランド等である場合に
は、該補強材とコンパウンドとを混練すればよい。
【0044】このようにして得られた不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物は、それ自身、各種成形材料として用いる
ことができるが、シート状成形材料やバルク状成形材料
用の樹脂組成物としても好適に用いられる。
【0045】例えば、シート状成形材料は、常法に従
い、上記コンパウンドをシート状(マット状)の補強
材に含浸させる方法、コンパウンドをシート状に延伸
し、このシート状物で補強材を挟む方法、離型性フィ
ルム上にチョップトストランド状の補強材を落下させ、
その上にコンパウンドを均一な厚さに供給し、さらにコ
ンパウンドの上方から離型性フィルムを被せて脱泡させ
る方法、補強材を混合(混練)した不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物をシート状に延伸する方法等、種々の方法
によりシート状とすることで得ることができる。このよ
うにして得られたシート状成形材料は、ポリエチレン、
ポリプロピレン、アルミ蒸着フィルム等の離型性フィル
ムで包んで熟成させることにより、成形性に優れたシー
ト状成形材料とすることができる。
【0046】また、例えば、バルク状成形材料は、例え
ば補強材や充填剤、離型剤等を含む不飽和ポリエステル
樹脂組成物を双腕型ニーダ等の混練機を用いて混練する
ことによりバルク状とすることで、容易に得ることがで
きる。このようにして得られたバルク状成形材料は、上
記離型性フィルムで包んで熟成させることにより、成形
性に優れたバルク状成形材料とすることができる。
【0047】そして、これらシート状成形材料やバルク
状成形材料等の成形材料は、例えば圧縮成形や射出成
形、トランスファー成形等により成形することで、光沢
や表面平滑性等の物性に優れる成形品を得ることができ
る。
【0048】尚、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成
物およびこれを含む各種成形材料の硬化方法は、特に限
定されるものではない。即ち、本発明にかかる不飽和ポ
リエステル樹脂組成物は、種々の成形方法に適用可能で
ある。そして、このように、本発明にかかる不飽和ポリ
エステル樹脂組成物およびこれを含む成形材料を成形し
てなる成形品は、光沢や表面平滑性等の物性が従来より
も改善されている。
【0049】以上のように、本発明にかかる不飽和ポリ
エステル樹脂組成物は、水素化ビスフェノール骨格を有
する不飽和ポリエステル樹脂と、三次元スチレンポリマ
ーを含む低収縮化剤と、減粘剤とを含む構成である。ま
た、本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂組成物は、
上記不飽和ポリエステル樹脂 100重量部に対する低収縮
化剤および減粘剤の割合が、低収縮化剤11重量部〜20重
量部の範囲内および減粘剤1重量部〜8重量部の範囲内
である構成である。さらに、本発明にかかる不飽和ポリ
エステル樹脂組成物は、さらに、補強材を含む構成であ
り、上記補強材としては、 1/4インチ以下の繊維長を有
する繊維であることが望ましい。また、本発明にかかる
不飽和ポリエステル樹脂組成物は、水素化ビスフェノー
ル骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂 100重量部に対
して、三次元スチレンポリマーを含む低収縮化剤11重量
部〜20重量部および充填剤 190重量部〜 350重量部を含
む混合物を、減粘剤を用いて35℃における粘度が1000ポ
イズ以下となるように調整してなる構成である。そし
て、本発明にかかるシート状成形材料は、上記の不飽和
ポリエステル樹脂組成物を含む構成である。
【0050】従って、本発明によれば、硬化時の収縮に
加えて、成形後の冷却時の収縮をも抑制することがで
き、これにより、表面平滑性や光沢等の物性に優れた成
形品を得ることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物
を提供することができる。該不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、例えば、SMC等のシート状成形材料や、BM
C等のバルク状成形材料等に好適に用いることができ
る。該不飽和ポリエステル樹脂組成物は、補強材に対す
る含浸性に優れているため、コンパウンドの粘度が補強
材に対する含浸性に大きく影響を及ぼすシート状成形材
料に、特に好適に用いることができる。このため、該不
飽和ポリエステル樹脂組成物を含むシート状成形材料も
また、硬化時の収縮に加えて、成形後の冷却時の収縮を
も抑制することができ、これにより、表面平滑性や光沢
等の物性に優れた成形品を得ることができる。
【0051】本発明にかかる不飽和ポリエステル樹脂組
成物を用いてなる成形品としては、例えば、所謂採光ド
ーム、ベンチ、テーブル、タンク、公告板、防水板等
の、屋外で使用される各種物品;浄化槽、自動車、鉄道
車両、船舶等を構成する構成材;屋根・壁等の、構造物
の外装材;バスタブやキッチンカウンタとして好適な人
工大理石;電気部品等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。
【0052】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は、「重量部」を示している。
【0053】〔実施例1〕温度計、冷却器、窒素ガス導
入管、および攪拌機を備えた反応容器に、酸成分として
の無水マレイン酸 980g、および、アルコール成分とし
ての水素化ビスフェノールA 472g、プロピレングリコ
ール 473g、ジプロピレングリコール 157g、ネオペン
チルグリコール104 gを仕込んだ。次いで、該反応容器
内を窒素ガス置換した後、215 ℃に昇温し、該反応温度
を保ちながら約8時間攪拌することにより反応を完了さ
せて不飽和ポリエステルを得た。所定の方法により測定
した該不飽和ポリエステルの酸価は24mgKOH/gであ
った。その後、該不飽和ポリエステル 100部に対して、
重合禁止剤としてのハイドロキノン0.01部を加えた後、
重合性単量体としてのスチレンモノマー75部に溶解させ
ることにより、液状の不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0054】次に、上記不飽和ポリエステル樹脂80部、
スチレンモノマー25部、減粘剤(ビックケミー・ジャパ
ン株式会社製;商品名 BYK−W9010)4部、重
合禁止剤としてのパラベンゾキノン0.05部、硬化剤とし
てのt-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート1
部、低収縮化剤としての三次元スチレンポリマー(綜研
化学株式会社製;商品名 SGP−70C)15部、離型
剤としてのステアリン酸亜鉛5部、および充填剤として
の炭酸カルシウム 250部を混合し、均一に分散するまで
充分攪拌した。その後、該混合物に、さらに増粘剤とし
ての酸化マグネシウム1部を添加した後、得られた不飽
和ポリエステル樹脂組成物中の含有量が15重量%となる
ように、補強材としての繊維長1インチのガラス繊維を
さらに添加し、常法に基づいてSMCを作成した。
【0055】次いで、得られたSMCをアルミ蒸着フィ
ルムに包み、40℃で約20時間熟成した。その後、該SM
Cを上型 145℃、下型 135℃に調整した金型に供給し、
圧力70kgf/cm2 (面圧)で4分間加圧保持することに
より、30cm×30cmの平板に成形した。得られた成形品の
表面平滑性および光沢を目視により評価した。この結果
を表1に示す。
【0056】〔実施例2〕実施例1において、繊維長1
インチのガラス繊維に代えて繊維長 1/4インチのガラス
繊維を用いた以外は実施例1と同様の配合および操作を
行ってSMCを作成した。その後、該SMCを用いて、
実施例1と同様の方法により成形品を得た。得られた成
形品の表面平滑性および光沢を目視により評価した。こ
の結果を表1に示す。
【0057】〔比較例1〕実施例1と同様の反応容器
に、酸成分としてのフマル酸1161g、および、アルコー
ル成分としてのプロピレングリコール 837gを仕込ん
だ。次いで、該反応容器内を窒素ガス置換した後、200
℃に昇温し、該反応温度を保ちながら約9時間攪拌する
ことにより反応を完了させて不飽和ポリエステルを得
た。所定の方法により測定した該不飽和ポリエステルの
酸価は30mgKOH/gであった。その後、該不飽和ポリ
エステル 100部に対して、ハイドロキノン0.01部を加え
た後、スチレンモノマー75部に溶解させることにより、
比較用の液状の不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0058】次に、上記比較用の不飽和ポリエステル樹
脂80部、スチレンモノマー25部、パラベンゾキノン0.05
部、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート1
部、三次元スチレンポリマー(綜研化学株式会社製;商
品名 SGP−70C)10部、ステアリン酸亜鉛5部、
炭酸カルシウム 150部を混合し、均一に分散するまで充
分攪拌した。その後、該混合物に、さらに酸化マグネシ
ウム 1.5部を添加した後、得られた不飽和ポリエステル
樹脂組成物中の含有量が15重量%となるように、繊維長
1インチのガラス繊維をさらに添加し、常法に基づいて
SMCを作成した。次いで、得られた上記SMC、即
ち、比較用のSMCを用いて、実施例1と同様の方法に
より成形品を得た。得られた成形品の表面の平滑性およ
び光沢を目視により評価した。この結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1に記載の結果から明らかなように、本
実施例によれば、従来よりも、光沢および表面平滑性に
優れた成形品が得られることが判った。
【0061】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の不飽和ポリエス
テル樹脂組成物は、以上のように、水素化ビスフェノー
ル骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂と、三次元スチ
レンポリマーを含む低収縮化剤と、減粘剤とを含む構成
である。
【0062】本発明の請求項2記載の不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物は、以上のように、請求項1記載の不飽和
ポリエステル樹脂組成物において、上記不飽和ポリエス
テル樹脂 100重量部に対する低収縮化剤および減粘剤の
割合が、低収縮化剤11重量部〜20重量部の範囲内および
減粘剤1重量部〜8重量部の範囲内である構成である。
【0063】本発明の請求項3記載の不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物は、以上のように、請求項1または2記載
の不飽和ポリエステル樹脂組成物において、さらに、補
強材を含む構成である。
【0064】本発明の請求項4記載の不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物は、以上のように、請求項3記載の不飽和
ポリエステル樹脂組成物において、上記補強材が 1/4イ
ンチ以下の繊維長を有する繊維である構成である。
【0065】本発明の請求項5記載の不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物は、以上のように、水素化ビスフェノール
骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂 100重量部に対し
て、三次元スチレンポリマーを含む低収縮化剤11重量部
〜20重量部および充填剤 190重量部〜 350重量部を含む
混合物を、減粘剤を用いて35℃における粘度が1000ポイ
ズ以下となるように調整してなる構成である。
【0066】本発明の請求項6記載のシート状成形材料
は、以上のように、請求項1〜5の少なくとも何れか1
項に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含む構成で
ある。
【0067】上記の構成によれば、硬化時の収縮に加え
て、成形後の冷却時の収縮をも抑制することができ、こ
れにより、表面平滑性や光沢等の物性に優れた成形品を
得ることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供
することができる。該不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、例えば、SMC等のシート状成形材料や、BMC等
のバルク状成形材料等に好適に用いることができる。該
不飽和ポリエステル樹脂組成物は、補強材に対する含浸
性に優れているため、補強材以外の成分(コンパウン
ド)の粘度が補強材に対する含浸性に大きく影響を及ぼ
すシート状成形材料に、特に好適に用いることができる
という効果を併せて奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 静子 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素化ビスフェノール骨格を有する不飽和
    ポリエステル樹脂と、三次元スチレンポリマーを含む低
    収縮化剤と、減粘剤とを含むことを特徴とする不飽和ポ
    リエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記不飽和ポリエステル樹脂 100重量部に
    対する低収縮化剤および減粘剤の割合が、低収縮化剤11
    重量部〜20重量部の範囲内および減粘剤1重量部〜8重
    量部の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の不
    飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】さらに、補強材を含むことを特徴とする請
    求項1または2記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】上記補強材が 1/4インチ以下の繊維長を有
    する繊維であることを特徴とする請求項3記載の不飽和
    ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】水素化ビスフェノール骨格を有する不飽和
    ポリエステル樹脂 100重量部に対して、三次元スチレン
    ポリマーを含む低収縮化剤11重量部〜20重量部および充
    填剤190重量部〜 350重量部を含む混合物を、減粘剤を
    用いて35℃における粘度が1000ポイズ以下となるように
    調整してなることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の少なくとも何れか1項に記
    載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含むことを特徴と
    するシート状成形材料。
JP8055177A 1996-03-12 1996-03-12 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびシート状成形材料 Withdrawn JPH09241496A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8055177A JPH09241496A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびシート状成形材料
KR1019970707474A KR19990007951A (ko) 1996-03-12 1997-03-05 불포화 폴리에스테르수지 조성물 및 시트상 성형재료
CN97190171A CN1181772A (zh) 1996-03-12 1997-03-05 不饱和聚酯树脂组合物以及片状成型材料
PCT/JP1997/000673 WO1997033942A1 (fr) 1996-03-12 1997-03-05 Composition de resine polyester non saturee et materiau de moulage en feuille

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8055177A JPH09241496A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびシート状成形材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09241496A true JPH09241496A (ja) 1997-09-16

Family

ID=12991452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8055177A Withdrawn JPH09241496A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびシート状成形材料

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JPH09241496A (ja)
KR (1) KR19990007951A (ja)
CN (1) CN1181772A (ja)
WO (1) WO1997033942A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003020391A (ja) * 2001-07-10 2003-01-24 Nitto Boseki Co Ltd 難燃性ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂成形板及びその製造方法
JP2012504699A (ja) * 2009-10-22 2012-02-23 シャンハイ ヒューダ インベストメント アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド 樹脂ベースの複合材料製衛生陶器及び調製方法
JP2018090695A (ja) * 2016-12-02 2018-06-14 昭和電工株式会社 耐アーク性bmc
WO2021124626A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24 昭和電工株式会社 熱硬化性樹脂組成物

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100343599B1 (ko) * 1999-08-11 2002-07-11 정광수 천장판의 제조방법
KR100427555B1 (ko) * 2001-02-21 2004-04-27 주식회사 엘지화학 코어층을 가지는 쉬트 몰딩 콤파운드 방수판 및 그 제조방법
JP4749211B2 (ja) * 2006-04-21 2011-08-17 花王株式会社 トナー
CN101508828B (zh) * 2009-02-11 2011-07-20 常州市华润复合材料有限公司 一种用于模塑料做低收缩剂的饱和聚酯树脂及其制法
TWI453245B (zh) * 2010-07-13 2014-09-21 Shanghai Huda Invest & Dev Co Ltd 一種樹脂基複合材料潔具及其製備方法
CN102060985B (zh) * 2010-12-17 2013-04-17 常州华科树脂有限公司 片状或团状模塑料用不饱和聚酯树脂的制备方法
CN102060987A (zh) * 2010-12-21 2011-05-18 常州华日新材有限公司 高硬度高热变形温度浇注用不饱和聚酯树脂的制备方法
CN102358799B (zh) * 2011-09-16 2013-01-02 无锡创达电子有限公司 一种不饱和聚酯模塑料及其制备方法
CN103613715A (zh) * 2013-07-02 2014-03-05 大连当代兴达发展有限公司 一种高稳定高均匀片状模塑料及其制备方法
CN103410290A (zh) * 2013-08-28 2013-11-27 四川迪弗电工科技有限公司 Smc材料的新用途
CN105111769A (zh) * 2015-09-22 2015-12-02 无锡澳明威环保新材料有限公司 一种抗老化、抗紫外线smc膜塑料及其制备方法
CN108972929A (zh) * 2018-09-26 2018-12-11 上海应用技术大学 Dmc复合材料生产方法及系统
JP7186602B2 (ja) * 2018-12-25 2022-12-09 昭和電工株式会社 熱硬化性樹脂組成物、成形体およびランプリフレクター

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS511276B2 (ja) * 1972-02-07 1976-01-16
JPS5252989A (en) * 1975-10-27 1977-04-28 Kuraray Co Ltd Unsaturated polyester esin compositions
JPS52141890A (en) * 1976-05-21 1977-11-26 Dainippon Ink & Chem Inc Unsaturated polyester resin composition
JPS57143315A (en) * 1981-02-28 1982-09-04 Nitto Electric Ind Co Ltd Unsaturated polyester resin composition for molded article
JPS58127718A (ja) * 1982-01-27 1983-07-29 Toshiba Corp 不飽和ポリエステル樹脂組成物および着色成形品
JPH07126504A (ja) * 1993-11-02 1995-05-16 Sekisui Chem Co Ltd 不飽和ポリエステル樹脂組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003020391A (ja) * 2001-07-10 2003-01-24 Nitto Boseki Co Ltd 難燃性ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂成形板及びその製造方法
JP2012504699A (ja) * 2009-10-22 2012-02-23 シャンハイ ヒューダ インベストメント アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド 樹脂ベースの複合材料製衛生陶器及び調製方法
JP2018090695A (ja) * 2016-12-02 2018-06-14 昭和電工株式会社 耐アーク性bmc
WO2021124626A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24 昭和電工株式会社 熱硬化性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
CN1181772A (zh) 1998-05-13
KR19990007951A (ko) 1999-01-25
WO1997033942A1 (fr) 1997-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09241496A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびシート状成形材料
BRPI0608808B1 (pt) formulação de pasta de composto de moldagem de folha, composto de moldagem de folha, artigo de fabricação, processo para fabricar partes moldadas compósitas de veículos e construção, e , método para fabricar um artigo de fabricação
EP0412588A2 (en) Epoxy prepreg
JP4888027B2 (ja) ラジカル重合型熱硬化性樹脂用硬化剤、それを含む成形材料及びその硬化方法
EP0383609B1 (en) Resin composition and method of manufacturing the same
JP3072052B2 (ja) (メタ)アクリル系成形材料およびその製造方法
JP2005139221A (ja) シートモールディングコンパウンド及び成形品
JP3919894B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP3092201B2 (ja) 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP3435424B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JP2001115000A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物、シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JP3795538B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびその用途
JPH09176331A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂高強度シートモールディングコンパウンド及びその成形方法
JP2004346151A (ja) リサイクルポリエチレンテレフタレートを原材料とした、高分子量不飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル樹脂組成物、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を使用した成形材料、及びその製造方法
JP2001115001A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂材料、シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JPH09302010A (ja) (メタ)アクリル系樹脂組成物およびその製造方法
JP2007084701A (ja) 常温硬化性不飽和樹脂組成物
JPS61151226A (ja) 軽量電気絶縁材料組成物
JP2000143958A (ja) 軟質frpシート用不飽和ポリエステル樹脂とその用途
JP2022041470A (ja) 樹脂組成物、成形材料およびその成形品
JP3018452B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPH10158481A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂および低収縮化剤
JP3662058B2 (ja) 成形材料
JP2001114999A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた成形品
JP3907333B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物の成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040224