JPH09235124A - 光学素子成形用素材の製造装置、および、光学素子成形用素材 - Google Patents

光学素子成形用素材の製造装置、および、光学素子成形用素材

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JPH09235124A
JPH09235124A JP4587796A JP4587796A JPH09235124A JP H09235124 A JPH09235124 A JP H09235124A JP 4587796 A JP4587796 A JP 4587796A JP 4587796 A JP4587796 A JP 4587796A JP H09235124 A JPH09235124 A JP H09235124A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流出ガラスのシワ、ゴブインマークの生じな
い光学素子成形用素材を得ること。 【解決手段】 受け型を加熱ブロックで保持し、受け型
を多孔質型材料で形成し、受け型にガスを供給するため
の空間部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温軟化状態のガ
ラス塊を成形用素材とし、この成形用素材を一対の成形
型でプレス成形し、成形光学素子を得る技術に関するも
のであり、特に、この成形用素材となる高温軟化状態の
ガラス塊を、光学ガラスの溶融るつぼの流出パイプから
流出する溶融ガラス流から直接得る技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、高温軟化状態のガラス塊を成形用
素材とし、この成形用素材を一対の成形型でプレス成形
し、成形光学素子を得る技術が、特に、非球面レンズを
安いコストで製造する技術として、脚光を浴び、その開
発が進んでいる。
【0003】そして、さらに安いコストで、これらの成
形光学素子を製造するために、成形用素材のコストを低
減する技術が開発されている。
【0004】すなわち、当初の成形用素材は、光学ガラ
ス溶融るつぼの流出パイプから流出してくる溶融ガラス
流を、はさみ(シャー)で切断して得られた、高温軟化
状態のガラス塊を、直ちに、一対の成形型でプレスして
得たガラス成形体を、研削加工によって形状を加工し、
その後、研磨加工によって表面粗さを滑らかにしたもの
であった。
【0005】この様に、ガラス成形体から成形形用素材
を得るために、研削研磨加工が必要であった理由とし
て、この様にして得られたガラス成形体の表面には以下
に示す3つの欠陥があり、この欠陥部分を取り除く必要
があったからである。
【0006】すなわち、溶融ガラス流をはさみで切断し
た時に発生したシャーマークと呼ばれる微細な泡の巻き
込みによる外観上の欠陥、および、成形型の温度が比較
的低いためにガラス成形体の表面に発生するゴブインマ
ークと呼ばれる凸凹のウネリによる形状上の欠陥、およ
び、成形型とガラスとの焼き付きを防止するために使用
した離型材の窒化ボロン等がガラス成形体の表面に付着
していることによる外観上の欠陥、の3つの欠陥があっ
た。
【0007】そこで、これらの欠陥の発生を防止し、研
削研磨加工を必要とせず、直ちに成形素材として使用す
ることが可能な高品質のガラス塊を、光学ガラス溶融る
つぼの流出パイプから流出する溶融ガラス流から直接得
る技術が、近年開発されてきている。
【0008】例えば、特開平4-37614 号には、以下に示
す工程からなる光学素子の成形方法が開示されている。
【0009】ここでは、溶融ガラス流から溶融ガラス塊
を第1の型に受ける工程、溶融ガラス塊の表面を固化さ
せる工程、ガラス塊を第1の受け型から第2の受け型に
反転させて置き換える工程、第2の受け型の上でガラス
塊を再加熱する工程、ガラス塊を成形型でプレス成形し
成形光学素子を得る工程からなる成形光学素子の成形方
法を提案している。
【0010】本公知例において、第1の受け型の上に受
けられた溶融ガラス塊の上面は、溶融ガラスの自由表面
であるので非常に滑らかである。
【0011】一方、本公知例において、溶融ガラスと第
1の受け型との融着を防止するため、第1の受け型の温
度を高温に加熱していないので、第1の受け型の上に受
けられた溶融ガラス塊の下面は、凸凹のシワ状のゴブイ
ンマークが発生している。
【0012】第1の受け型の上にガラス塊を載せた状態
で、上方から第2の受け型を接触させ、その状態のまま
回転して上下を反転させ、そこで上方に来た第1の受け
型を取り除くことにより、ガラス塊の凸凹のシワ状のゴ
ブインマークの発生している面を上にすることができ
る。この状態で、ガラス塊を再加熱することにより、ガ
ラスの熱変形により、ガラス塊の表面を平滑にでき、凸
凹のシワ状のゴブインマークを平滑にしている。
【0013】一方、溶融ガラスと接触し溶融ガラスを成
形する工具、または、溶融ガラス塊を成形する型、また
は、溶融ガラス塊を受ける型として、多孔質材料からな
る型を用い、その多孔質性を利用し、これらの背部から
高圧のガスを送り、これらの成形型または工具と溶融ガ
ラスとの間に薄いガス層を形成することにより、これら
の成形型または工具と溶融ガラスが直接に接触しないよ
うにし、ガラスの融着を防止するとともに、溶融ガラス
とこれらの成形型または工具との接触面に発生するガラ
ス表面の凸凹のシワ状のゴブインマークの発生を防止で
きることは、古くから知られており、例えば、特公昭48
-22977号に開示されている。
【0014】そして、この多孔質材料からなる型を溶融
ガラス塊の受け型として用い、この受け型の背部から高
圧のガスを送り、型の細孔からの噴出気体の圧力によ
り、受け型から非接触状態で浮上保持した状態で溶融ガ
ラス塊を保持することにより、光学素子成形用素材を得
る技術は、特開平6-122526号に開示されている。
【0015】本公知例においては、背部から高圧のガス
を送っている状態の多孔質材料の受け型の上に、光学ガ
ラス溶融るつぼの流出パイプから流出する溶融ガラスを
受け、この受け型の上で受けている溶融ガラス塊の重量
が増えるにつれ、溶融ガラス塊と多孔質の受け型との接
触面積が増え、すなわち、受け型の背部から供給される
高圧ガスが自由に噴出できる面積が減少し、それに伴
い、受け型へ供給されている高圧ガスの、圧力が増加、
または、流量が減少、することに着目し、この高圧ガス
の圧力または流量の変化をモニタし、その値からガラス
塊の重量を演算し、その結果として一定重量のガラス塊
を得ることを目的としている。
【0016】すなわち、この多孔質の受け型に供給され
ている高圧ガスの圧力または流量の変化から演算された
ガラス塊の重量が所望の値になった時、受け型と溶融ガ
ラス流出パイプとの中間部に設置されているレーザ加熱
装置または赤外線加熱装置を用いて、溶融ガラス流出パ
イプから受け型へと流れている溶融ガラス流の中間部を
急速加熱し流動性を高め、この部分のガラスを細長く括
れさせ、最終的にこの括れ部分が切れて、一定重量のガ
ラス塊を得ることができる技術を開示している。
【0017】本公知例によって得られたガラス塊は、上
面は自由表面、下面は非接触浮上保持による自由表面、
の状態で冷却されているので、このガラス塊の表面粗さ
は、上下面ともに非常に滑らかであり、ゴブインマーク
の様な凹凸のシワは全く見られない。また、本公知例に
よって得られたガラス塊は、はさみ等の器具を使わず
に、シャーレスカットの状態で、溶融ガラス流から切断
して得られているので、シャーマークによる欠陥は無
い。
【0018】すなわち、本公知例によって得られたガラ
ス塊は、その表面は非常に滑らかであり、また、シャー
マークもないので、光学素子成形用素材としてそのまま
使用することが可能な品質を有している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例である特開平4-37614 号に開示されている、成形光
学素子の製造方法には、以下に示す様な問題点があっ
た。
【0020】溶融ガラスと第1の受け型との融着を防止
するため、第1の受け型の温度を高温に加熱していない
ので、第1の受け型の上に受けられた溶融ガラス塊の下
面は、凸凹のシワ状のゴブインマークが発生している。
【0021】そこで、第1の受け型の上にガラス塊を載
せた状態で、上方から第2の受け型を接触させ、その状
態のまま回転して上下を反転させ、そこで上方に来た第
1の受け型を取り除くことにより、ガラス塊の凸凹のシ
ワ状のゴブインマークの発生している面を上にし、この
状態で、ガラス塊を再加熱することにより、ガラスの熱
変形により、ガラス塊の表面を平滑にでき、凸凹のシワ
状のゴブインマークを平滑にしている。
【0022】そして、このガラス塊の表面に発生してい
る凸凹のシワ状のゴブインマークを平滑にし、かつ、次
工程において成形可能な温度になるまでガラス塊を加熱
する、ための再加熱工程に必要な時間は長く、7分ない
し20分の時間がかかっている。
【0023】この公知の成形光学素子の製造方法におい
ては、光学ガラスの溶融から光学素子の成形までを一貫
しておこなうので、その生産コストを大幅に下げること
が可能であるが、この再加熱工程に必要な時間が長い場
合、生産タクトが長くなり、生産個数が少なくなるの
で、生産コストが上がってしまう。
【0024】すなわち、第1の受け型に受けたガラス塊
の下面にゴブインマークが発生すること、および、次工
程においてプレス成形して成形光学素子を得るためにガ
ラス塊を再加熱する必要があること、の2点がこの従来
例による光学素子の成形方法における問題点である。
【0025】また、別の公知の方法である、上記従来例
である特開平6-122526号に開示されている、光学素子成
形用素材の製造方法には、以下に示す様な2つの問題点
があった。
【0026】本従来例において、溶融ガラス塊を受ける
多孔質の受け型、および、それを保持する保持部材、と
もに加熱手段であるヒータ等を具備しておらず、溶融ガ
ラス流を多孔質の受け型に受け溶融ガラス塊を得る時、
受け型の温度は室温である。また、多孔質の受け型へ供
給されるガスの供給系にはガス加熱装置は具備されてお
らず、室温のガスが多孔質の受け型へ供給される。室温
の受け型に室温のガスが供給されるのであるから、その
結果として、型の細孔を通って溶融ガラス受け面へ噴出
するガスの温度は室温である。
【0027】すなわち、この多孔質の受け型に受けられ
た溶融ガラス塊は、その上面は大気にさらされた自由表
面であるので、その上面は室温の空気と接触し直ちに冷
却される。一方、この溶融ガラス塊は室温のガスにより
浮上保持した状態の自由表面であるので、その下面は室
温のガスと接触して直ちに冷却される。
【0028】したがって、この方法で得られたガラス塊
は、その表面は、上下面とも、直ちに冷却され、表面だ
け固化し、内部は高温の軟化状態のガラスとなる。この
状態のガラス塊がさらに冷却されると、高温の軟化状態
のガラスの熱膨張率は非常に大きいので、このガラス塊
の内部の部分は収縮しようとする。しかし、その表面は
すでに固化しているので、ガラス塊が均一に収縮するこ
とができず、ガラス塊の強度的に弱い部分が大きく変形
し、ヒケと呼ばれる凹み部分がガラス塊の表面に発生す
る。
【0029】例えば、この方法で両凸形状のガラス塊を
製造した場合、最も肉厚の厚い中心部に、このヒケは発
生する。ヒケは、ガラス塊の上下両面に発生することも
あれば、片面のみに発生することもあり、ガラス塊の形
状や製造条件により異なる。
【0030】このようなヒケと呼ばれる凹み部分が発生
しているガラス塊を、成形光学素子用素材として用い
て、非酸化性雰囲気中で、上下一対の成形型でプレス成
形して、成形光学素子を成形した場合、成形型によって
ヒケの凹み部分に非酸化性雰囲気ガスがトラップされた
状態でプレス成形されることがあり、その場合、このヒ
ケの部分が成形され、成形光学面にガス残りと呼ばれる
凹み部分が発生する。もちろん、このようなガス残りの
ある成形光学素子は、不良品である。
【0031】すなわち、本従来例における第1の問題点
は、受け型および受け型に供給するガスともに室温であ
るために、溶融ガラス塊の表面がすぐに冷め、そのため
ガラス塊の表面にヒケが発生することである。すなわ
ち、本従来例によって得られたガラス塊は、上下面とも
非常に滑らかであるが、ヒケが発生しているという問題
点がある。
【0032】続いて、この従来例における他の問題点を
説明する。
【0033】本従来例において、受け型の上に受けられ
た溶融ガラス塊の重量が所望の重量になった時、受け型
と溶融ガラス流出パイプとの中間部に設置されているレ
ーザ加熱装置または赤外線加熱装置を用いて、溶融ガラ
ス流出パイプから受け型へと流れている溶融ガラス流の
中間部を急速加熱し続けることにより、この部分のガラ
スの流動性を高め、この部分のガラスを細長く括れさ
せ、この括れ部分がどんどん細くなり、最終的にこの括
れ部分が切れ、溶融ガラス塊を得ている。
【0034】本従来例において、溶融ガラス流から溶融
ガラス塊をシャーレスカットの状態で切断して得るため
に、この溶融ガラス流の中間部を加熱装置で加熱してい
るのは、多孔質の受け型の細孔から上方へ噴出している
室温のガスに晒されているために、この部分の溶融ガラ
ス流が冷却され粘度の高い状態になっているので、その
ままではシャーレスカットの状態でガラス流を切断でき
ないからである。
【0035】また、本実施例では、溶融ガラス流を加熱
して括れさせて切断するための加熱装置として、レーザ
加熱装置または赤外線加熱装置を用いているが、これら
の加熱装置でガラスをシャーレスカット可能な温度まで
即時に加熱することは不可能で、10秒程度の時間がかか
る。この間にも、受け型上の溶融ガラス塊および溶融ガ
ラス流の加熱されていない部分は、受け型から噴出する
室温のガスにより冷却されてしまう。
【0036】この状態で、溶融ガラス流の中間部が加熱
され切断された時、溶融ガラス塊の上に溶融ガラス流の
下半分の部分が立った状態になる。この時、溶融ガラス
塊および溶融ガラス流の部分ともに、その表面が冷却さ
れ固化した状態になっているので、溶融ガラス流の下半
分の部分は、溶融ガラス塊に吸い込まれるように吸収さ
れるのでは無く、溶融ガラス塊の上に倒れ、その後、溶
融ガラス塊と溶融ガラス流の下半分の部分が一体化す
る。しかし、この時、溶融ガラス流の部分はその直径が
小さいため速い速度で冷却され、その部分の屈折率は下
がってしまう。一方、溶融ガラス塊の部分は熱容量が大
きいので遅い速度で冷却され、屈折率は変化しない。す
なわち、このようにして得られたガラス塊は、屈折率の
低いガラス流の部分が折込んでおり、光学性能に問題が
ある。
【0037】すなわち、本実施例の第2の問題点とし
て、受け型から噴出される室温のガスのために溶融ガラ
ス流が冷却されてしまうことがある。その結果として、
溶融ガラス流をシャーレスカットの状態で切断するため
の加熱装置が必要となり、また、ガラス塊に折込みが発
生し光学性能上の問題が発生する。
【0038】上記の従来例の課題を解決するために、以
下の目的を達成する、光学素子成形用素材の製造装置、
および、光学素子成形用素材および成形光学素子の製造
方法、を提供する。
【0039】本出願にかかる第1の発明の目的は、受け
型に受けたガラス塊の下面に凸凹のシワ状のゴブインマ
ークが発生せず、上下面とも滑らかであり、ガラス塊の
表面にはヒケと呼ばれる凹み部分は無く、折込みによる
光学性能上の問題も無く、形状・外観・光学性能ともに
優れた光学素子成形用素材として最適のガラス塊を、ガ
ラス流を加熱すること無くシャーレスカットにより得、
このガラス塊を次工程で再加熱無しで成形加工できる、
光学素子成形用素材の製造装置を提供することである。
【0040】本出願にかかる第2の発明の目的は、第1
の発明の目的に加え、重量・形状の安定性に優れたガラ
ス塊を、確実にシャーレスカットの状態で得、光学素子
成形用素材とすることができる、光学素子成形用素材の
製造装置を提供することである。
【0041】本出願にかかる第3の発明の目的は、より
確実に第1の発明の目的を達成出来る、光学素子成形用
素材の製造装置を提供することである。
【0042】本出願にかかる第4の発明の目的は、受け
型に受けたガラス塊の下面に凸凹のシワ状のゴブインマ
ークが発生せず、上下面とも滑らかであり、ガラス塊の
表面にはヒケと呼ばれる凹み部分は無く、折込みによる
光学性能上の問題も無く、形状・外観・光学性能ともに
優れた光学素子成形用素材として最適のガラス塊を、ガ
ラス流を加熱すること無くシャーレスカットにより得、
このガラス塊を次工程で再加熱無しで成形加工できる、
光学素子成形用素材の製造方法を提供することである。
【0043】本出願にかかる第5の発明の目的は、より
確実に第4の発明の目的を達成出来る、光学素子成形用
素材の製造方法を提供することである。
【0044】本出願にかかる第6の発明の目的は、第4
の発明の目的に加え、重量・形状の安定性に優れたガラ
ス塊を、確実にシャーレスカットの状態で得、光学素子
成形用素材とすることができる、光学素子成形用素材の
製造方法を提供することである。
【0045】本出願にかかる第7の発明の目的は、第4
の発明の目的に加え、より形状の安定性に優れたガラス
塊を得、光学素子成形用素材とすることができる、光学
素子成形用素材の製造方法を提供することである。
【0046】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本出願にかかる第1の発明は、光学ガラ
ス溶融るつぼの流出パイプから流出する溶融ガラス流か
ら、光学素子成形用素材となる溶融ガラス塊を得るため
の装置において、溶融ガラス流を受けて、溶融ガラス塊
を得る、受け型の部分の構成が、溶融ガラス塊を受ける
受け型が多孔質の材料からなり、その受け型の溶融ガラ
ス塊を受ける面が凹形状に加工されており、受け型の周
囲および下部を加熱ブロックで保持し、この加熱ブロッ
クは内蔵のヒータおよび熱電対により温度制御可能な構
成になっており、受け型の溶融ガラスを受ける面の背面
と加熱ブロックとの間に、多孔質の材料からなる受け型
にガスを供給するための空間部であるガス供給室が設け
られており、このガス供給室へ、高温ガスを供給するた
めの、高温ガス供給装置が、加熱ブロックの下方からガ
ス供給室へ貫通結合した構成になっており、この高温ガ
ス供給装置は、ガス流路の内部に長いヒータを配置した
構成をしており、この高温ガス供給装置の高温ガス出口
部分には熱電対が設置され、高温ガスの温度を制御可能
な構成になっていることを特徴とする。
【0047】上記構成において、加熱ブロックは内蔵ヒ
ータにより所望の温度に加熱され、加熱ブロックに保持
されている受け型は、加熱ブロックからの伝熱により温
度の高い状態になる。一方、高温ガス供給装置に供給さ
れた高圧のガスは、高温ガス供給装置のガス流路内を流
れるにつれ、ガス流路内に配置された加熱された状態の
ヒータとの間で熱交換が行われ、高温のガスとなる。こ
の高温のガスは、受け型の背面に設置されたガス供給室
に供給される。ガス供給室に供給された高温高圧のガス
は、多孔質材料からなる受け型の細孔を通じて噴出す
る。
【0048】この時、高温ガス供給装置の出口部分は、
受け型の背部に近接して設置されているので、高温ガス
供給装置の出口から供給される高温のガスが、受け型に
到達するまでの温度低下は小さくてすむ。また、ガス供
給室の周囲を形成する加熱ブロックは高温に加熱されて
いるので、ガス供給室内に供給された高温ガスの温度が
大きく下がることはない。また、多孔質の受け型は、加
熱ブロックからの伝熱により高温の状態になっているの
で、ガス供給室に供給された高温高圧のガスが、この多
孔質の受け型の細孔を通って、受け型の受け面に噴出し
た時、受け型を通過することによる高温ガスの温度低下
は小さくてすむ。
【0049】すなわち、本第1の発明による構成からな
る光学素子成形用素材の製造装置において、多孔質の受
け型の受け面から高温ガスを噴出させることが可能にな
る。
【0050】その結果として、本第1の発明による構成
からなる光学素子成形用素材の製造装置を用いて、溶融
ガラス流から溶融ガラス塊を受け型の上に受け、光学素
子成形用素材として得る場合、以下に示すように、形状
・外観・光学性能とも優れた光学素子成形用素材を得る
ことができる。
【0051】受け型に受けたガラス塊の下面は、高温ガ
スによるガス層により受け型から浮上した状態で保持さ
れているので、凸凹のシワ状のゴブインマークが発生し
ない。
【0052】また、ガラス塊の上下面ともに、非接触の
自由表面状態に保持されているので、この面は非常に滑
らかである。
【0053】また、ガラス塊の周囲は、受け型の受け面
から上方へ噴出している高温のガスにより高温に保たれ
ているので、ガラス塊の表面だけ急に冷却されることも
なく、ガラス塊の表面にはヒケと呼ばれる凹み部分は発
生しない。
【0054】また、溶融ガラス流からガラス塊をシャー
レスカットの状態で得るために、ガラス塊を受けた受け
型を下方へ降下させ、ガラス流を括れさせた状態で保持
している工程において、括れたガラス流の周囲は、受け
型の受け面から上方に噴出している高温のガスにより高
温に保たれているので、この部分のガラスの温度は高く
粘度は低いので、ガラス流を括れさせた状態で保持する
と、直ちにガラス流をシャーレスカットの状態で切断す
ることが可能になる。このようにして切断された部分
は、温度が高く粘度が低いので、溶融ガラス塊に吸い込
まれるように吸収され、また、この部分は急冷されてい
ないので屈折率の変化は起きない。すなわち、折り込み
による光学性能上の問題は無い。
【0055】そして、このようにして得られた、形状・
外観・光学性能ともに優れた光学素子成形用素材である
ガラス塊を、そのまま、多孔質の受け型の上で高温のガ
スにより浮上保持された状態に保つことにより、このガ
ラス塊は高温の状態に保たれ、次工程において、このガ
ラス塊を再加熱すること無しに成形加工することができ
る。
【0056】上記目的を達成するために、本出願にかか
る第2の発明は、前記特許請求項1に記載の光学素子成
形用素材の製造装置において、受け型と、その周囲およ
び下部を保持する加熱ブロックと、その下方に結合して
いる高温ガス供給装置と、からなる光学素子成形用素材
の製造装置の部分が、少なくとも、光学ガラス溶融るつ
ぼの流出パイプから流出する溶融ガラス流を受け型に受
けて溶融ガラス塊を得る工程において、上下方向に、位
置および速度制御可能に、移動出来る構成になっている
ことを特徴とする。
【0057】上記構成の光学素子成形用素材の製造装置
において、受け型と加熱ブロックと高温ガス供給装置か
らなる部分は、位置制御および速度制御可能な駆動装置
に連結され、上下方向に移動できる。この駆動装置とし
て、好ましいのは、数値制御(NC)により位置制御お
よび速度制御可能な駆動装置であり、具体的には、1軸
NCロボット、または、サーボモータを利用した駆動装
置が、好ましい。
【0058】次に、上記構成の光学素子成形用素材の製
造装置を用いて、溶融ガラス流からガラス塊を得る時の
装置の動作を説明する。
【0059】まず、この動作に入る直前の状態におい
て、溶融るつぼの流出パイプから流出している溶融ガラ
スはシャーレスカットの状態で切断され、溶融ガラスは
流出パイプの出口から2mmほど飛び出した状態になっ
ている。この状態で、受け型と加熱ブロックと高温ガス
供給装置からなる部分は、流出パイプの出口の直下の位
置に移動し、その位置で静止する。その位置は、受け型
が流出パイプの出口の下方10mmくらいが望ましい。
【0060】その状態で保持していると、流出パイプの
出口からの溶融ガラスの流出が進み、溶融ガラスの先端
が下降し、受け型に到達する。その状態で保持すること
により、溶融ガラス流を受け型の上に受け溶融ガラス塊
を得ることができる。
【0061】所望のガラス塊の重量が小さい場合、受け
型を当初の位置に固定したままで、溶融ガラス流を受け
型に受けガラス塊を得て、問題は無い。しかし、所望の
ガラス塊の重量が大きい場合、受け型を当初の位置に固
定したまま、溶融ガラス流を受け型に受けガラス塊を得
ると、ガラス流を受け型に受けるに従いガラス塊が大き
くなり、ガラス塊の上面と流出パイプの出口が接近して
しまう。このように、ガラス塊の上面と流出パイプの出
口が接近した状態で、溶融ガラス流をシャーレスカット
の状態で切断するために、受け型を下降させると、溶融
ガラス流に発生するの括れの部分の発生位置や発生時期
にバラツキが生じやすく、その結果として、ガラス塊の
重量・形状がばらつく。
【0062】これを防止するためには、所望のガラス塊
の重量が大きい場合、受け型の上に溶融ガラス流を受け
始めると同時に、一定の微速で受け型を下降させ、受け
型に受けたガラス塊の上面と流出パイプの出口との距離
を、常にほぼ一定に保つことが望ましい。このようにし
て得られたガラス塊を、シャーレスカットの状態で溶融
ガラス流から切断するために、受け型を下降させた場
合、溶融ガラス流に発生する括れが、発生位置や発生時
期が安定して発生し、その結果として、ガラス塊の重量
・形状が安定する。
【0063】また、溶融ガラス流を受け型に受けて得た
ガラス塊が所望の重量になった時、ガラス流をシャーレ
スカットの状態で得るために受け型を下降させるに際
し、受け型の下降速度および下降端位置が常に一定であ
る必要がある。すなわち、受け型の下降速度および下降
位置にバラツキがある場合、シャーレスカットが確実に
行われず、括れ部分のガラスがガラス塊に折込んだりす
ることがある。
【0064】すなわち、溶融ガラス流を受け型に受けガ
ラス塊を得る工程において、受け型を上下方向に位置お
よび速度を制御して移動させることにより、重量・形状
の安定性に優れたガラス塊を、確実にシャーレスカット
の状態で得ることができる。
【0065】上記目的を達成するために、本出願にかか
る第3の発明は、前記特許請求項1に記載の光学素子成
形用素材の製造装置において、受け型と、その周囲およ
び下部を保持する加熱ブロックと、その下方に結合して
いる高温ガス供給装置と、からなる光学素子成形用素材
の製造装置の部分において、高温ガス供給装置が、金属
パイプからなるガス流路の内部に長いヒータを配置し、
この金属パイプとヒータの間に石英ガラスからなるパイ
プを配置した構成であり、この高温ガス供給装置を形成
している金属パイプと加熱ブロックとが固定されている
構成になっていることを特徴とする。
【0066】上記構成からなる光学素子成形用素材の製
造装置において、高温ガス供給装置のガス流路内に配置
した長いヒータを加熱し、その状態で高温ガス供給装置
のガス供給口からガスを供給すると、このガスは加熱さ
れたヒータが内部に配置されているガス流路を流れ、こ
のガス流路を流れる間に、ガスとヒータの間で熱交換が
行われ、ヒータの長さは十分に長いので、ガスの温度は
所望の温度まで加熱される。
【0067】また、ガス流路を構成する金属パイプとヒ
ータの間には、石英ガラスからなるパイプを配置してお
り、2つの作用を得ることができる。1つは、金属パイ
プとヒータとの接触による短絡を防止する安全上の作用
である。もう1つは、パイプを二重にすることによる断
熱の作用である。すなわち、パイプが一重の場合、ガス
流路を構成するパイプ内で加熱された高温のガスは、パ
イプ外部の室温の大気により冷却されてしまい、ガスの
加熱効率が下がる。パイプを、外側の金属パイプと内側
の石英ガラスパイプの二重構造にすることにより、断熱
性が上がり、加熱効率が上がり、ガスをより高い温度ま
で加熱することが可能になる。
【0068】また、二重のパイプの外側を金属パイプと
することで、金属で作られている加熱ブロックとの結合
が、容易に、また、より確実になる。例えば、金属パイ
プの外周にネジを切り、これを加熱ブロックの穴に切ら
れたネジに締め込んで止めることによって、加熱ブロッ
クと高温ガス供給装置との結合は非常に容易になり、部
品交換も容易にできる。また、金属パイプと加熱ブロッ
クを溶接によって結合した場合、この結合はより確実に
なり、ガスとして非酸化性ガスなどを用いる場合、リー
クなどによる純度低下が無いので好ましい。
【0069】すなわち、高温ガス供給装置の構成をこの
様にすることにより、より高温、より高純度の高温ガス
を、多孔質の受け型に供給することが可能になり、より
安全、より作業性の良い装置となるので、より確実に第
1の発明の目的を達成できる光学素子成形用素材の製造
装置となる。
【0070】上記目的を達成するために、本出願にかか
る第4の発明は、加熱ブロックに内蔵されているヒータ
により加熱ブロックを所望の温度に加熱し、続いて、加
熱された加熱ブロックからの伝熱により、多孔質材料か
らなる受け型を所望の温度に加熱し、さらに、加熱ブロ
ックの下方に結合されている高温ガス供給装置を通し
て、加熱ブロックと受け型の間に設けられたガス供給室
へ高温のガスを供給し、この高温のガスが多孔質の受け
型の細孔から上方へ噴出している状態で、光学ガラス溶
融るつぼの流出パイプから流出している溶融ガラス流
を、この状態の受け型に受け、光学素子成形用素材とな
る溶融ガラス塊を得ることを特徴とする。
【0071】すなわち、本第1の発明による構成からな
る光学素子成形用素材の製造装置において、多孔質の受
け型の受け面から高温ガスを噴出させることが可能にな
る。
【0072】その結果として、本第1の発明による構成
からなる光学素子成形用素材の製造装置を用いて、溶融
ガラス流から溶融ガラス塊を受け型の上に受け、光学素
子成形用素材として得る場合、以下に示すように、形状
・外観・光学性能とも優れた光学素子成形用素材を得る
ことができる。
【0073】受け型に受けたガラス塊の下面は、高温ガ
スによるガス層により受け型から浮上した状態で保持さ
れているので、凸凹のシワ状のゴブインマークが発生し
ない。
【0074】また、ガラス塊の上下面ともに、非接触の
自由表面状態に保持されているので、この面は非常に滑
らかである。
【0075】また、ガラス塊の周囲は、受け型の受け面
から上方へ噴出している高温のガスにより高温に保たれ
ているので、ガラス塊の表面だけ急に冷却されることも
なく、ガラス塊の表面にはヒケと呼ばれる凹み部分は発
生しない。
【0076】また、溶融ガラス流からガラス塊をシャー
レスカットの状態で得るために、ガラス塊を受けた受け
型を下方へ降下させ、ガラス流を括れさせた状態で保持
している工程において、括れたガラス流の周囲は、受け
型の受け面から上方に噴出している高温のガスにより高
温に保たれているので、この部分のガラスの温度は高く
粘度は低いので、ガラス流を括れさせた状態で保持する
と、直ちにガラス流をシャーレスカットの状態で切断す
ることが可能になる。このようにして切断された部分
は、温度が高く粘度が低いので、溶融ガラス塊に吸い込
まれるように吸収され、また、この部分は急冷されてい
ないので屈折率の変化は起きない。すなわち、折り込み
による光学性能上の問題は無い。
【0077】そして、このようにして得られた、形状・
外観・光学性能ともに優れた光学素子成形用素材である
ガラス塊を、そのまま、多孔質の受け型の上で高温のガ
スにより浮上保持された状態に保つことにより、このガ
ラス塊は高温の状態に保たれ、次工程において、このガ
ラス塊を再加熱すること無しに成形加工することができ
る。
【0078】上記目的を達成するために、本出願にかか
る第5の発明は、少なくとも、溶融ガラス流を受け型に
受け始める時点において、加熱ブロックの温度は、ガラ
スの歪点温度よりも高い温度に加熱されており、また、
高温ガス供給装置から供給されるガスの温度は、ガラス
の転移点温度よりも高い温度に加熱されていることを特
徴とする。
【0079】高温ガス供給装置から供給されるガスの温
度が、ガラスの転移点温度よりも低く、また、加熱ブロ
ックの温度がガラスの歪点温度温度よりも低い場合、多
孔質の受け型の温度も低くなり、その結果として、多孔
質の受け型の細孔から噴出するガスの温度は低くなる。
このような条件の下で、溶融ガラス流を受け型に受けて
ガラス塊を得ようとした場合、噴出ガスの温度が低いた
め、従来から知られている室温のガスを噴出してガラス
塊を得た場合と同様に、高温のガラス塊の表面が急冷さ
れるため、表面にヒケと呼ばれる凹みが発生する。ま
た、ガラス塊を溶融ガラス流から切断するために受け型
を下降させた時、ガラス流の括れ部分が冷却されるた
め、ガラスの温度が下がり、粘度が上がるため、そのま
まの状態で直ちにシャーレスカットの状態で切断するこ
とができず、ガラス流の括れ部を加熱装置で加熱する必
要がになり、また、ガラス塊に折込みが発生してしまう
こともある。
【0080】逆に、高温ガス供給装置から供給されるガ
スの温度が、ガラスの転移点温度よりも高く、また、加
熱ブロックの温度がガラスの歪点温度より高い場合、多
孔質の受け型の細孔から十分に高い温度のガスが噴出す
るので、より確実に、ガラス塊の表面にヒケと呼ばれる
凹み部分は無く、折込みによる光学性能上の問題も無
く、形状・外観・光学性能ともに優れた光学素子成形用
素材として最適のガラス塊を、ガラス流を加熱すること
なくシャーレスカットにより得ることができる。
【0081】上記目的を達成するために、本出願にかか
る第6の発明は、溶融ガラス流を受け型に受け始める直
前において、溶融ガラス流はシャーマークの無い状態に
切断されており、多孔質材料からなる受け型は、溶融ガ
ラス流の直下に位置して静止しており、溶融ガラス流が
下降し、溶融ガラス流が受け型と接触し、溶融ガラス流
を受け型に受け始めると同時に、受け型は微速での下降
を開始し、その状態で溶融ガラス流を受け型の上に受
け、受け型の上に受けた溶融ガラス塊の重量が所望の重
量になった後、溶融ガラス塊を載せた状態の受け型を下
方へ所定の距離を急速に下降させ、溶融るつぼの流出パ
イプと受け型の間で、溶融ガラス流を括れた状態にし、
その状態で受け型を静止させ、この状態でしばらく保持
し、溶融ガラス流の括れた部分が自然に切れた後、ガラ
ス塊を載せた受け型を下方の所定の位置まで下降させ、
ガラス塊を載せた受け型を、次工程へと搬送することを
特徴とする。
【0082】この一連の工程において、まず、溶融ガラ
ス流を受け型に受けガラス塊を得る動作に入る直前の状
態において、溶融るつぼの流出パイプから流出している
溶融ガラスはシャーレスカットの状態で切断され、溶融
ガラスは流出パイプの出口から2mmほど飛び出した状
態になっている。この状態で、受け型と加熱ブロックと
高温ガス供給装置からなる部分は、流出パイプの出口の
直下の位置に移動し、その位置で静止する。その位置
は、受け型が流出パイプの出口の下方10mmくらいが
望ましい。
【0083】その状態で保持していると、流出パイプの
出口からの溶融ガラスの流出が進み、溶融ガラスの先端
が下降し、受け型に到達する。その状態で保持すること
により、溶融ガラス流を受け型の上に受け溶融ガラス塊
を得ることができる。
【0084】所望のガラス塊の重量が小さい場合、受け
型を当初の位置に固定したままで、溶融ガラス流を受け
型に受けガラス塊を得て、問題は無い。しかし、所望の
ガラス塊の重量が大きい場合、受け型を当初の位置に固
定したまま、溶融ガラス流を受け型に受けガラス塊を得
ると、ガラス流を受け型に受けるに従いガラス塊が大き
くなり、ガラス塊の上面と流出パイプの出口が接近して
しまう。このように、ガラス塊の上面と流出パイプの出
口が接近した状態で、溶融ガラス流をシャーレスカット
の状態で切断するために、受け型を下降させると、溶融
ガラス流に発生するの括れの部分の発生位置や発生時期
にバラツキが生じやすく、その結果として、ガラス塊の
重量・形状がばらつく。これを防止するためには、所望
のガラス塊の重量が大きい場合、受け型の上に溶融ガラ
ス流を受け始めると同時に、一定の微速で受け型を下降
させ、受け型に受けたガラス塊の上面と流出パイプの出
口との距離を、常にほぼ一定に保つことが望ましい。こ
のようにして得られたガラス塊を、シャーレスカットの
状態で溶融ガラス流から切断するために、受け型を下降
させた場合、溶融ガラス流に発生する括れが、発生位置
や発生時期が安定して発生し、その結果として、ガラス
塊の重量・形状が安定する。
【0085】また、溶融ガラス流を受け型に受けて得た
ガラス塊が所望の重量になった時、ガラス流をシャーレ
スカットの状態で得るために受け型を下降させるに際
し、受け型の下降速度および下降端位置が常に一定であ
る必要がある。すなわち、受け型の下降速度および下降
位置にバラツキがある場合、シャーレスカットが確実に
行われず、括れ部分のガラスがガラス塊に折込んだりす
ることがある。
【0086】すなわち、溶融ガラス流を受け型に受けガ
ラス塊を得る工程において、受け型を上下方向に上記の
ように速度を制御して移動させることにより、重量・形
状の安定性に優れたガラス塊を、確実にシャーレスカッ
トの状態で得ることができる。
【0087】上記目的を達成するために、本出願にかか
る第7の発明は、多孔質の受け型の細孔から上方へ噴出
しているガスの流量は、溶融ガラス流を受け型に受け溶
融ガラス塊を得始めた後の工程において、減少されるこ
とを特徴とする。
【0088】溶融ガラス流を受け型に受ける初期の時点
においては、比較的多量のガスを受け型の細孔から噴出
させる必要があり、ガスの噴出量が少なく十分で無い場
合、溶融ガラス流の先端部と多孔質の受け型の受け面と
が接触してしまうことがあり、このように多孔質の受け
型の受け面と接触してしまったガラス塊は、受け型の細
孔の凸凹を転写してしまうので、光学素子成形用素材と
して使用することができない。
【0089】一方、溶融ガラス流を受け型に受け溶融ガ
ラス塊を得た後も、多量の高温のガスを受け型の細孔か
ら噴出し続けると、ガラス塊の下面がガスの圧力により
大きく凹んでしまう。
【0090】そこで、溶融ガラス流を受け型に受け始め
る時点において、多量のガスを噴出させて、溶融ガラス
流の先端と受け型が接触することを防ぎ、溶融ガラス塊
を得始めた後の工程において、ガラス塊を浮上させるの
に必要な範囲内で、ガスの噴出流量を減少させることに
より、受け型との接触痕も無く、ガス圧による変形の凹
みも無い、より形状の安定性に優れたガラス塊を得るこ
とができる。
【0091】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例にかか
る、光学素子成形用素材の製造装置の、多孔質の受け型
と、それを保持する加熱ブロックと、高温ガス供給装置
とからなる部分の構成を説明する図である。
【0092】また、図2は、本発明の第1の実施例にか
かる、光学素子成形用素材の製造装置の概略の構成を説
明する図である。
【0093】まず、本実施例における、装置の構成およ
び動作について、その概略を説明する。
【0094】図1において、多孔質の受け型1は、その
上面の溶融ガラスの受け面となる面は、球面形状に凹ん
だ形状に加工されている。多孔質の受け型1の側部およ
び底部は、加熱ブロック2により保持されている。
【0095】加熱ブロック2の内部には、カートリッジ
ヒータ3が設置され、これにより、加熱ブロック2は、
所望の温度まで加熱される。加熱ブロック2には、熱電
対4が設置され、これにより加熱ブロック2の温度を測
定し、加熱ブロック2の温度を制御している。加熱ブロ
ック2の温度が所望の温度まで加熱されると、加熱ブロ
ック2に密着した状態で保持されている、多孔質の受け
型1の温度も、加熱ブロック2からの伝熱により、所定
の温度まで加熱された状態になる。
【0096】多孔質の受け型1の底部には、多孔質の受
け型1と加熱ブロック2との間に、ガス供給室5となる
空間部が構成されている。ガス供給室5には、下方か
ら、加熱ブロック2を貫通して高温ガス供給装置が設置
されている。高温ガス供給装置からガス供給室5へガス
が供給され、ガス供給室5へ供給されたガスは、多孔質
の受け型1の細孔を通って、多孔質の受け型1の上面の
溶融ガラスの受け面に噴出する。
【0097】高温ガス供給装置は、金属パイプ6と石英
ガラスパイプ7と巻き線ヒータ8と熱電対9と固定治具
10により構成されている。金属パイプ6は、加熱ブロッ
ク2に挿入され、ガス供給室5まで貫通している。金属
パイプ6の内部には、石英ガラスパイプ7が設置されて
いる。石英ガラスパイプ7の内部には、上下方向に細長
い巻線ヒータ8が設置されている。高温ガス供給装置の
ガス出口に相当する位置、すなわち、細長い巻き線ヒー
タ8の上方に、熱電対9が設置されている。高温ガス供
給装置により供給されるガスの温度は、熱電対9により
測定され、制御される。金属パイプ6と石英ガラスパイ
プ7と巻き線ヒータ8と熱電対9は、高温ガス供給装置
の下部にて、固定治具10によって固定されている。固定
治具10の下部には、ガス導入口11が設置されており、そ
こから上方へ、ガス導入路が貫通している。ガス導入口
11から導入されたガスは、固定治具10内のガス導入路を
通って、金属パイプ6と石英ガラスパイプ7により構成
されているガス流路へ導入される。ガス流路を構成する
石英ガラスパイプ7の内部に設置された細長い巻線ヒー
タ8は、高温に加熱されているので、ガスがガス流路内
を流れる間に、高温の巻き線ヒータ8との間で熱交換が
行われ、ガスが高温ガス供給装置のガス出口に到達する
までに、ガスは十分に加熱される。
【0098】一方、図2において、光学ガラス溶融用白
金るつぼ21の内部で溶融された光学ガラスは、るつぼ21
の下部に設置された流出パイプ22を通って、流出され
る。
【0099】溶融ガラス流出パイプ22の出口は、成形室
23の内部に設置されており、成形室23の内部は非酸化性
雰囲気に保たれている。
【0100】成形室23の内部には、図1に示した構成
の、多孔質の受け型1と加熱ブロック2と高温ガス供給
装置からなる、光学素子成形用素材の製造装置の部分
(今後はガラス塊受け部と呼ぶ)が、設置されている。
ガラス塊受け部は、成形室23の内部で、上下および横方
向に移動できる。なお、図2において、構造を概略説明
するため簡略化して描いているため、多孔質の受け型1
のみを描いているが、実際には、ここには、多孔質の受
け型1と加熱ブロック2と高温ガス供給装置からなる、
ガラス塊受け部が設置されている。
【0101】本第1の実施例においては、成形室23の内
部における工程は、溶融状態のガラス塊12を多孔質の受
け型1の上に受けるガラス塊受け工程と、多孔質の受け
型1の上に載っている溶融状態のガラス塊12を上方から
上型24でプレス成形して光学素子成形用素材13を得る成
形用素材プレス工程と、得られた光学素子成形用素材13
を成形室23から取り出す取り出し工程の3つの工程から
なる。そして、これらの3工程は、成形室23の内部の左
方、中央部、右方の3か所で順次行われる。
【0102】成形室23の左方で行われるガラス塊受け工
程において、ガラス塊受け部は、当初、溶融ガラス流出
パイプ22の出口の直下に位置し、受け型1の受け面から
高温のガスを噴出している状態で、溶融ガラス流を受け
型1の上に受け溶融ガラス塊を得る。溶融ガラス塊の重
量が所望の重量になった時、ガラス塊受け部を下方へ所
定の距離下降させ、ガラス流に括れを作る。この状態
で、受け型1から噴出する高温のガスの影響で、括れ部
のガラスの温度が高く、粘度は低いので、この括れ部の
ガラスは直ちにシャーレスカットの状態で切断される。
シャーレスカットの状態でガラス流を切断し、溶融ガラ
ス塊12を受け型1の上に得た後、ガラス塊受け部は、下
方へ降下し、右方へ移動し、中央部まで移動する。な
お、この間、多孔質の受け型1の受け面からは、高温の
ガスが噴出し続けている。
【0103】成形室23の内部の中央部まで移動したガラ
ス塊受け部は、プレス工程を行なう所定の位置まで上方
へ上昇する。その後、直ちに、上方からプレス成形用の
上型24が下降してきて、多孔質の受け型1の上に浮上保
持されているガラス塊12をプレス成形して、光学素子成
形用素材13を得る。この時、多孔質の受け型1の上に浮
上保持されているガラス塊12は、温度が高いので、プレ
ス成形に際しての再加熱は不要である。
【0104】また、プレス成形用の上型24は、一般的な
成形型、例えば、金属、超硬合金、セラミック、カーボ
ンなどからなる成形型でも良く、また、多孔質の材料か
らなる型の背面から高圧ガスを供給する構造の型でも良
く、また、本発明でガラス塊受け部として使用している
ものと同構造の、多孔質の材料からなる型の背面から高
温高圧のガスを供給する構造の型でも良い。
【0105】光学素子成形用素材13をプレス成形した
後、上型24は上昇し、その後、光学素子成形用素材13を
載せた状態の受け型1は、下方へ下降し、右方へ移動す
る。
【0106】成形室23の内部の右方まで移動したガラス
塊受け部は、取り出し工程を行なう所定の位置まで上方
へ上昇する。その位置で、受け型1の上に載っている光
学素子成形用素材13は、取り出し用搬送装置(図示せ
ず)により取り出され、置換室25を介して、光学素子成
形用素材の製造装置の外部へと搬送される。
【0107】次に、本実施例における、より具体的な実
施形態を説明する。
【0108】まず、本実施例で使用したガラスおよび成
形した素材の形状を説明する。
【0109】本実施例において、使用した光学ガラス
は、屈折率nd =1.58、アッベ数νd=60の光学特性を
持つガラスであり、本ガラスの歪点温度は 470℃であ
り、転移点温度は 500℃である。
【0110】また、本実施例で得た光学素子成形用素材
の形状は、凸メニスカス形状であり、直径18mm、中心肉
厚 5mm、凸面R15mm、凹面R80mmである。
【0111】次に、本実施例における、ガラス塊受け部
の構成を詳細に説明する。
【0112】本実施例におけるガラス塊受け部は、ステ
ンレス製の多孔質の受け型1とステンレス製の加熱ブロ
ック2と高温ガス供給装置からなっている。
【0113】多孔質の受け型1は、微小なボール形状の
ステンレス鋼を燒結して得たもので、その穴径は10μm
であり、溶融ガラス受け面はR15mmの球形状の凹面に加
工されている。
【0114】加熱ブロック2は、内部に出力 300Wのカ
ートリッジヒータ3を2本内蔵している。
【0115】高温ガス供給装置のガス流路を形成する金
属パイプ6は、ステンレス製のパイプからなっている。
また、ガス流路内の巻線ヒータ8は一般的な巻線ヒータ
であり、その出力は 650Wである。また、この高温ガス
供給装置には窒素ガスを供給した。
【0116】高温ガス供給装置と加熱ブロック2は、高
温ガス供給装置の金属パイプの外周にネジを切り、これ
を加熱ブロックの下部に設けられたネジ穴に挿入し締め
付け固定した。
【0117】多孔質の受け型1と加熱ブロック2の間に
は、容積3cm2 のガス供給室5が設けられた。高温ガス
供給装置は、このガス供給室5の内部まで貫通した状態
で固定された。この時、高温ガス供給装置の先端部と多
孔質の受け型1の背面との距離は、約5mmであった。
【0118】次に、本実施例における、光学素子成形用
素材の製造装置の構成を詳細に説明する。
【0119】本実施例における、光学素子成形用素材の
製造装置は、ガラス塊受け部とこのガラス塊受け部を上
下に駆動させる装置および左右に駆動させる装置とガラ
ス塊12をプレス成形する上型24を、窒素雰囲気に保たれ
た成形室23の中に収納している。また、溶融ガラス流出
パイプ22の出口は、成形室23の内部に設置されている。
【0120】また、成形室23を形成する壁と流出パイプ
22は、気密性を有する構造で固定されており、成形室23
の内部の窒素雰囲気は保たれている。また、成形室23に
隣接して、成形された光学素子成形用素材13を取り出す
ための置換室25が設置されており、この置換室25で雰囲
気を窒素雰囲気から大気雰囲気へ置換することにより、
光学素子成形用素材13を取り出す時に成形室23の内部の
気密性を保っている。
【0121】また、成形室23の内部に設置された、ガラ
ス塊受け部を上下および左右に駆動する装置は、それぞ
れ1軸NCロボットから成っており、ガラス塊受け部の
位置および速度を制御して移動することが可能である。
【0122】以下、本実施例における、上記の光学素子
成形用素材の製造装置を用いて、上記の溶融光学ガラス
から、上記形状の形状の光学素子成形用素材を製造する
方法を説明する。
【0123】溶融るつぼ21内の光学ガラスは、1200℃に
加熱されている。そして、流出パイプ22の温度を1050℃
に保つことにより、流出パイプ22の出口から1000℃の溶
融光学ガラスを流出させた。
【0124】ガラス塊受け部の加熱ブロック2は、内蔵
のカートリッジヒータ3により 480℃に加熱されてい
る。また、高温ガス供給装置に、0.5MPaの圧力の窒素ガ
スを供給し、ガス流路内に設置された巻き線ヒータ8を
高温に加熱し、窒素ガスを加熱し、 700℃の高温の窒素
ガスをガス供給室5へ供給した。その結果、多孔質の受
け型1の溶融ガラス受け面の細孔から高温の窒素ガスが
噴出している状態になる。
【0125】ガラス塊受け工程を開始するに際して、溶
融ガラス流出パイプ22の出口から流出している溶融ガラ
ス流は、前工程におけるガラス塊受け工程により、シャ
ーレスカットの状態に切断されており、その溶融ガラス
流の先端は、流出パイプ22の出口から2mmほど下まで垂
れ下がっている。
【0126】この状態で、ガラス塊受け部を成形室23の
内部左方へ、横方向の移動をする。続いて、このガラス
塊受け部を、流出パイプ22の出口の直下まで上昇させ
る。この時、受け型1は、流出パイプ22の出口の下10mm
に位置している。この状態で、溶融ガラス流が受け型1
に接近するまで、受け型1を静止させた状態で待つ。こ
の時、受け型1から30l/分の流量の高温の窒素ガスが
噴出している状態である。
【0127】溶融ガラス流が下降し、その先端部が受け
型1と接近し、受け型1の溶融ガラス受け面から噴出し
ている高温の窒素ガスにより、溶融ガラス流の先端部が
浮上している状態になった後、受け型1を微速で下方へ
下降させる。この下降動作は、1軸NCロボットにより
速度および位置を正確に制御して行なわれる。具体的に
は、初期位置から2mm下方の位置まで、 0.1mm/秒の速
度で下降させた。この間に、受け型1の上に、所望の重
量のガラス塊12が得られた。
【0128】なお、この微速で下降しながらガラス塊12
を受け型1に受ける工程中に、受け型1から噴出してい
る高温の窒素ガスの流量を、30l/分から10l/分に減
少した。これは、受け型1から噴出している高温の窒素
ガスにより、受け型1に受けた溶融ガラス塊12の下面が
凹んでしまうのを防止するためである。なお、受け型1
から噴出している窒素ガスの流量が10l/分でも、ガラ
ス塊12は、受け型1から浮上した状態になっている。
【0129】受け型1を微速下降する工程において、所
定の重量の溶融ガラス塊12が受け型1の上に得られた
後、所定の距離を受け型1を急降下させ、溶融ガラス流
を括れさせた。具体的には、ガラス塊受け終了位置から
6mm下方の位置まで、20mm/秒の速度で下降させた。そ
の結果、流出パイプ22のの出口から流出する溶融ガラス
流は、流出パイプ22の出口と受け型1に受けられたガラ
ス塊12との間で、括れた状態になった。
【0130】溶融ガラス流が括れた状態で、受け型1を
静止させ、しばらくすると、表面張力の影響で、括れた
部分の溶融ガラス流が、流出パイプ22の出口方向と受け
型1の上のガラス塊12方向との2方向に分割され、シャ
ーレスカットの状態で切断される。具体的には、受け型
1を静止させると、ガラス流の括れ部分はどんどん細く
なり、1秒ほどでシャーレスカットの状態で切断され
た。
【0131】もちろん、この状態でも、多孔質の受け型
1からは、高温の窒素ガスが噴出しており、ガラス塊12
は、受け型1から浮上した状態になっている。
【0132】このようにして、受け型1の上に溶融ガラ
ス塊12を受けた後、ガラス塊受け部は下降し、成形室23
の内部を、右方へ移動し、中央部まで移動する。そし
て、ガラス塊受け部は、プレス工程を行なう所定の位置
まで上昇する。
【0133】本実施例において、光学素子成形用素材を
成形するための上型24は、ステンレスで作られており、
R80mmの凸球面形状に加工されている。
【0134】この上型24は、ガラス塊12をプレス成形す
るに際し、内蔵するヒータ(図示せず)により 450℃に
加熱されている。
【0135】プレス成形する直前、このガラス塊12の温
度は 620℃あり、粘度が低いので、この状態で直ちにプ
レス成形できる。本実施例においては、上型24を直ちに
下降させ、1000Nのプレス力で、ガラス塊12をプレス成
形して、光学素子成形用素材13を得た。
【0136】なお、ガラス塊12をプレス成形して成形用
素材13を得る間も、受け型1の表面からは高温の窒素ガ
スが噴出し続けている。
【0137】光学素子成形用素材13をプレス成形した
後、上型24は上昇し、その後、光学素子成形用素材13を
載せた状態の受け型1は、下方へ下降し、右方へ移動す
る。
【0138】成形室23の内部の右方まで移動したガラス
塊受け部は、取り出し工程を行なう所定の位置まで上方
へ上昇する。その位置で、受け型1の上に載っている光
学素子成形用素材13は、取り出し用搬送装置(図示せ
ず)により取り出され、置換室25を介して、光学素子成
形用素材の製造装置の外部へと搬送される。
【0139】本実施例によって得られた光学素子成形用
素材13は、その形状・外観・光学性能ともに非常に優れ
たもので、光学素子成形用素材として最適なものであっ
た。
【0140】また、本実施例においては、光学素子成形
用素材の形状が凸メニスカス形状のものについて説明し
たが、他の形状についても適用できることは言うまでも
ない。
【0141】本実施例に特有の効果としては、形状・外
観・光学性能ともに優れた光学素子成形用素材を、安い
コストで得ることができる点、および、ガラス塊をプレ
ス成形して光学素子成形用素材を得るので、所望の形状
の光学素子成形用素材を得ることができる点、および、
ガラス塊の受け型および成形用上型が窒素雰囲気の成形
室内に設置されているので、これらの型の耐久性が良く
なる点、等がある。
【0142】(第2の実施例)図3は、本発明の第2の
実施例にかかる、光学素子の製造装置の概略の構成を説
明する図である。
【0143】まず、本実施例における、装置の構成およ
び動作について、その概略を説明する。
【0144】なお、本実施例における、ガラス塊受け部
の構成および動作は、実施例1において用い、図1で説
明したものと同様である。
【0145】図3において、光学ガラス溶融用白金るつ
ぼ21の内部で溶融された光学ガラスは、るつぼ21の下部
に設置された流出パイプ22を通って、流出される。
【0146】溶融ガラス流出パイプ22の出口は、成形室
23の内部に設置されており、成形室23の内部は非酸化性
雰囲気に保たれている。
【0147】成形室23の内部には、図1に示した構成の
ガラス塊受け部が、設置されている。ガラス塊受け部
は、成形室23の内部で、上下および横方向に移動でき
る。なお、図3において、構造を概略説明するため簡略
化して描いているため、多孔質の受け型1のみを描いて
いるが、実際には、ここには、多孔質の受け型1と加熱
ブロック2と高温ガス供給装置からなる、ガラス塊受け
部が設置されている。
【0148】本第2の実施例においては、成形室23の内
部における工程は、溶融状態のガラス塊12を多孔質の受
け型1の上に受けるガラス塊受け工程と、多孔質の受け
型1の上に載っている溶融状態のガラス塊12を上方から
上型26でプレス成形して成形光学素子14を得る光学素子
プレス工程と、得られた光学素子14を成形室23から取り
出す取り出し工程の3つの工程からなる。そして、これ
らの3工程は、成形室23の内部の左方、中央部、右方の
3か所で順次行われる。
【0149】成形室23の左方で行われるガラス塊受け工
程において、ガラス塊受け部は、当初、溶融ガラス流出
パイプ22の出口の直下に位置し、受け型1の受け面から
高温のガスを噴出している状態で、溶融ガラス流を受け
型1の上に受け溶融ガラス塊を得る。溶融ガラス塊の重
量が所望の重量になった時、ガラス塊受け部を下方へ所
定の距離下降させ、ガラス流に括れを作る。この状態
で、受け型1から噴出する高温のガスの影響で、括れ部
のガラスの温度が高く、粘度は低いので、この括れ部の
ガラスは直ちにシャーレスカットの状態で切断される。
シャーレスカットの状態でガラス流を切断し、溶融ガラ
ス塊12を受け型1の上に得た後、ガラス塊受け部は、下
方へ降下し、右方へ移動し、中央部まで移動する。な
お、この間、多孔質の受け型1の受け面からは、高温の
ガスが噴出し続けている。
【0150】成形室23の内部の中央部まで移動したガラ
ス塊受け部は、プレス工程を行なう所定の位置まで上方
へ上昇する。その後、直ちに、上方から光学素子成形用
の上型26が下降してきて、多孔質の受け型1の上に浮上
保持されているガラス塊12をプレス成形して、成形光学
素子14を得る。この時、多孔質の受け型1の上に浮上保
持されているガラス塊12は、温度が高いので、プレス成
形に際しての再加熱は不要である。
【0151】また、光学素子成形用の上型26は、一般的
な成形型、例えば、超硬合金、セラミックなどからなる
成形型でも良く、また、多孔質の材料からなる型の背面
から高圧ガスを供給する構造の型でも良く、また、本発
明でガラス塊受け部として使用しているものと同構造
の、多孔質の材料からなる型の背面から高温高圧のガス
を供給する構造の型でも良い。
【0152】成形光学素子14をプレス成形した後、光学
素子成形用上型26は上昇し、その後、成形光学素子14を
載せた状態の受け型1は、下方へ下降し、右方へ移動す
る。
【0153】成形室23の内部の右方まで移動したガラス
塊受け部は、取り出し工程を行なう所定の位置まで上方
へ上昇する。その位置で、受け型1の上に載っている成
形光学素子14は、取り出し用搬送装置(図示せず)によ
り取り出され、置換室25を介して、光学素子の製造装置
の外部へと搬送される。
【0154】次に、本実施例における、より具体的な実
施形態を説明する。
【0155】まず、本実施例で使用したガラスおよび成
形した素材の形状を説明する。
【0156】本実施例において、使用した光学ガラス
は、実施例1で用いたものと同一である。
【0157】また、本実施例で得た光学素子の形状は、
両凸形状であり、直径12mm、中心肉厚 3mm、下面R30m
m、上面R10mmである。
【0158】次に、本実施例における、ガラス塊受け部
の構成を詳細に説明する。
【0159】本実施例におけるガラス塊受け部は、アル
ミナ製の多孔質の受け型1とステンレス製の加熱ブロッ
ク2と高温ガス供給装置からなっている。
【0160】多孔質の受け型1は、微小なボール形状の
アルミナを燒結して得たもので、その穴径は2μmであ
り、溶融ガラス受け面はR30mmの球形状の凹面に加工さ
れている。
【0161】加熱ブロック2は、内部に出力 300Wのカ
ートリッジヒータ3を2本内蔵している。
【0162】高温ガス供給装置のガス流路を形成する金
属パイプ6は、ステンレス製のパイプからなっている。
また、ガス流路内の巻線ヒータ8は白金製の巻線ヒータ
であり、その出力は1000Wである。また、この高温ガス
供給装置には窒素ガスを供給した。
【0163】高温ガス供給装置と加熱ブロック2は、高
温ガス供給装置の金属パイプ6を加熱ブロック2の下部
に設けられた穴に挿入し溶接して固定した。
【0164】多孔質の受け型1と加熱ブロック2の間に
は、容積3cm2 のガス供給室5が設けられた。高温ガス
供給装置は、このガス供給室5の内部まで貫通した状態
で固定された。この時、高温ガス供給装置の先端部と多
孔質の受け型1の背面との距離は、約5mmであった。
【0165】次に、本実施例における、光学素子の製造
装置の構成を詳細に説明する。
【0166】本実施例における、光学素子の製造装置
は、ガラス塊受け部とこのガラス塊受け部を上下に駆動
させる装置および左右に駆動させる装置とガラス塊12を
プレス成形する上型26を、窒素雰囲気に保たれた成形室
23の中に収納している。また、溶融ガラス流出パイプ22
の出口は、成形室23の内部に設置されている。
【0167】また、流出パイプ22と成形室23を形成する
壁は、気密性を有する構造で固定されており、成形室23
の内部の窒素雰囲気は保たれている。また、成形室23に
隣接して、成形された成形光学素子14を取り出すための
置換室25が設置されており、この置換室25で雰囲気を窒
素雰囲気から大気雰囲気へ置換することにより、成形光
学素子14を取り出す時に成形室23の内部の気密性を保っ
ている。
【0168】また、置換室23の内部に設置された、ガラ
ス塊受け部を上下および左右に駆動する装置は、それぞ
れ1軸NCロボットから成っており、ガラス塊受け部の
位置および速度を制御して移動することが可能である。
【0169】以下、本実施例における、上記の光学素子
の製造装置を用いて、上記の溶融光学ガラスから、上記
形状の形状の光学素子を製造する方法を説明する。
【0170】溶融るつぼ21内の光学ガラスは、1200℃に
加熱されている。そして、流出パイプ22の温度を1050℃
に保つことにより、流出パイプ22の出口から1000℃の溶
融光学ガラスを流出させた。
【0171】ガラス塊受け部の加熱ブロック2は、内蔵
のカートリッジヒータ3により 650℃に加熱されてい
る。また、高温ガス供給装置に、1.0MPaの圧力の窒素ガ
スを供給し、ガス流路内に設置された白金巻き線ヒータ
8を高温に加熱し、窒素ガスを加熱し、 900℃の高温の
窒素ガスをガス供給室5へ供給した。その結果、多孔質
の受け型1の溶融ガラス受け面の細孔から高温の窒素ガ
スが噴出している状態になる。
【0172】ガラス塊受け工程を開始するに際して、溶
融ガラス流出パイプ22の出口から流出している溶融ガラ
ス流は、前工程におけるガラス塊受け工程により、シャ
ーレスカットの状態に切断されており、その溶融ガラス
流の先端は、流出パイプ22の出口から2mmほど下まで垂
れ下がっている。
【0173】この状態で、ガラス塊受け部を成形室23の
内部左方へ、横方向の移動をする。続いて、このガラス
塊受け部を、流出パイプ22の出口の直下まで上昇させ
る。この時、受け型1は、流出パイプ22の出口の下10mm
に位置している。この状態で、溶融ガラス流が受け型1
に接近するまで、受け型1を静止させた状態で待つ。こ
の時、受け型1から30l/分の流量の高温の窒素ガスが
噴出している状態である。
【0174】溶融ガラス流が下降し、その先端部が受け
型1と接近し、受け型1の溶融ガラス受け面から噴出し
ている高温の窒素ガスにより、溶融ガラス流の先端部が
浮上している状態になった後、受け型1を微速で下方へ
下降させる。この下降動作は、1軸NCロボットにより
速度および位置を正確に制御して行なわれる。具体的に
は、初期位置から1mm下方の位置まで、 0.1mm/秒の速
度で下降させた。この間に、受け型1の上に、所望の重
量のガラス塊12が得られた。
【0175】なお、この微速で下降しながらガラス塊12
を受け型1に受ける工程中に、受け型1から噴出してい
る高温の窒素ガスの流量を、30l/分から10l/分に減
少した。これは、受け型1から噴出している高温の窒素
ガスにより、受け型1に受けた溶融ガラス塊12の下面が
凹んでしまうのを防止するためである。なお、受け型1
から噴出している窒素ガスの流量が10l/分でも、ガラ
ス塊12は、受け型1から浮上した状態になっている。
【0176】受け型1を微速下降する工程において、所
定の重量の溶融ガラス塊12が受け型1の上に得られた
後、所定の距離を受け型1を急降下させ、溶融ガラス流
を括れさせた。具体的には、ガラス塊受け終了位置から
5mm下方の位置まで、20mm/秒の速度で下降させた。そ
の結果、流出パイプ22の出口から流出する溶融ガラス流
は、流出パイプ22の出口と受け型1に受けられたガラス
塊12との間で、括れた状態になった。
【0177】溶融ガラス流が括れた状態で、受け型1を
静止させ、しばらくすると、表面張力の影響で、括れた
部分の溶融ガラス流が、流出パイプ22の出口方向と受け
型1の上のガラス塊12方向との2方向に分割され、シャ
ーレスカットの状態で切断される。具体的には、受け型
1を静止させると、ガラス流の括れ部分はどんどん細く
なり、1秒ほどでシャーレスカットの状態で切断され
た。
【0178】もちろん、この状態でも、多孔質の受け型
1からは、高温の窒素ガスが噴出しており、ガラス塊12
は、受け型1から浮上した状態になっている。
【0179】このようにして、受け型1の上に溶融ガラ
ス塊12を受けた後、ガラス塊受け部は下降し、成形室23
の内部を、右方へ移動し、中央部まで移動する。そし
て、ガラス塊受け部は、プレス工程を行なう所定の位置
まで上昇する。
【0180】本実施例において、成形光学素子を成形す
るための上型26は、ガラス塊受け部として使用している
ものと同構造の、多孔質の材料からなる型の背面から高
温高圧のガスを供給する構造の型である。すなわち、多
孔質の上型26とそれを保持する加熱ブロック(図示せ
ず)とそれに高温高圧のガスを供給するための高温ガス
供給装置(図示せず)からなっている。
【0181】この多孔質の上型26は、受け型1と同様
に、多孔質のアルミナで作られており、R10mmの凹球面
形状に加工されている。
【0182】ガラス塊12をプレス成形するに際し、上型
26の加熱ブロックは内蔵するカートリッジヒータにより
650℃に加熱されており、高温ガスの供給装置から1.0M
Paの窒素ガスが 900℃に加熱されて供給されている。
【0183】プレス成形する直前、このガラス塊12の温
度は 700℃あり、粘度が低いので、この状態で直ちにプ
レス成形できる。
【0184】本実施例においては、上型26を直ちに下降
させ、当初、 500Nのプレス力で、ガラス塊12のプレス
成形を開始し、プレス成形の進展にともない、受け型1
および上型26を保持する加熱ブロックの温度を 500℃に
下げるとともに、これらに高温ガス供給装置から供給さ
れる窒素ガスの温度を室温に下げ、それに伴い、プレス
力を徐々に上げ、最終的に3000Nの力でプレスし、成形
光学素子14を得た。
【0185】もちろん、このようにしてガラス塊12をプ
レス成形して成形光学素子14を得る間、常に受け型1お
よび上型26の表面から高圧のガスが噴出しているので、
ガラスがこれらの型と接触することはなく、これらの型
から僅かに浮上した状態でプレス成形されている。
【0186】成形光学素子14をプレス成形した後、上型
26は上昇し、その後、成形光学素子14を載せた状態の受
け型1は、下方へ下降し、右方へ移動する。
【0187】成形室23の内部の右方まで移動したガラス
塊受け部は、取り出し工程を行なう所定の位置まで上方
へ上昇する。その位置で、受け型1の上に載っている成
形光学素子14は、取り出し用搬送装置(図示せず)によ
り取り出され、置換室25を介して、光学素子の製造装置
の外部へと搬送される。
【0188】本実施例によって得られた成形光学素子13
は、その形状・外観・光学性能ともに非常に優れたもの
であった。
【0189】また、本実施例においては、成形光学素子
の形状が両凸形状のものについて説明したが、他の形状
についても適用できることは言うまでもない。
【0190】本実施例に特有の効果としては、形状・外
観・光学性能ともに優れた成形光学素子を、安いコスト
で得ることができる点、および、ガラス塊の受け型およ
び成形用上型が窒素雰囲気の成形室内に設置されている
ので、これらの型の耐久性が良くなる点、等がある。
【0191】(第3の実施例)図4は、本発明の第3の
実施例にかかる、光学素子の製造装置の概略の構成を説
明する図である。
【0192】まず、本実施例における、装置の構成およ
び動作について、その概略を説明する。
【0193】なお、本実施例における、ガラス塊受け部
の構成および動作は、実施例1において用い、図1で説
明したものと同様である。
【0194】本実施例において、溶融ガラス流から溶融
ガラス塊を受ける工程は大気雰囲気中で行なわれてお
り、、このガラス塊をプレス成形して成形光学素子を得
る工程は窒素雰囲気中の成形室内で行っている。
【0195】図4において、光学ガラス溶融用白金るつ
ぼ21の内部で溶融された光学ガラスは、るつぼ21の下部
に設置された流出パイプ22を通って、流出される。ま
た、溶融ガラス流出パイプ22の出口は、大気雰囲気中に
設置されている。
【0196】図1に示した構成のガラス塊受け部は、大
気雰囲気中に設置されている。このガラス塊受け部は、
上下および横方向に移動できる。なお、図4において、
構造を概略説明するため簡略化して描いているため、多
孔質の受け型1のみを描いているが、実際には、ここに
は、多孔質の受け型1と加熱ブロック2と高温ガス供給
装置からなる、ガラス塊受け部が設置されている。
【0197】本第3の実施例においては、大気雰囲気中
における工程は、溶融状態のガラス塊12を多孔質の受け
型1の上に受けるガラス塊受け工程と、得られたガラス
塊12を取り出す取り出し工程の2つの工程からなる。そ
して、これらの2工程は、左方、右方の2か所で順次行
われる。
【0198】ガラス塊受け工程において、ガラス塊受け
部は、当初、溶融ガラス流出パイプ22の出口の直下に位
置し、受け型1の受け面から高温のガスを噴出している
状態で、溶融ガラス流を受け型1の上に受け溶融ガラス
塊を得る。溶融ガラス塊の重量が所望の重量になった
時、ガラス塊受け部を下方へ所定の距離下降させ、ガラ
ス流に括れを作る。この状態で、受け型1から噴出する
高温のガスの影響で、括れ部のガラスの温度が高く、粘
度は低いので、この括れ部のガラスは直ちにシャーレス
カットの状態で切断される。シャーレスカットの状態で
ガラス流を切断し、溶融ガラス塊12を受け型1の上に得
た後、ガラス塊受け部は、下方へ降下し、右方へ移動す
る。なお、この間、多孔質の受け型1の受け面からは、
高温のガスが噴出し続けている。
【0199】右方まで移動したガラス塊受け部は、取り
出し工程を行なう所定の位置まで上方へ上昇する。その
位置で、受け型1の上に載っているガラス塊12は、取り
出し用搬送装置(図示せず)により取り出され、置換室
25を介して、窒素雰囲気の成形室23の内部へと搬送さ
れ、光学素子成形用下型27と光学素子成形用上型28の上
下一対の成形型の中に挿入される。
【0200】その後、直ちに、上方からプレス成形用の
上型28が下降してきて、ガラス塊12をプレス成形して、
成形光学素子14を得る。この時、成形型の中に挿入され
たガラス塊12は、温度が高いので、プレス成形に際して
の再加熱は不要である。また、プレス成形用の下型27お
よび上型28は、一般的な成形型、例えば、超硬合金など
からなる成形型でよい。
【0201】成形光学素子14をプレス成形した後、、上
型28は上昇し、成形光学素子14は、取り出し用搬送装置
(図示せず)により取り出され、置換室25を介して、光
学素子の製造装置の外部へ搬送される。
【0202】次に、本実施例における、より具体的な実
施形態を説明する。
【0203】まず、本実施例で使用したガラスおよび成
形した素材の形状を説明する。
【0204】本実施例において、使用した光学ガラス
は、実施例1で用いたものと同一である。
【0205】また、本実施例で得た光学素子の形状は、
実施例2で用いたものと同一であり、両凸形状であり、
直径12mm、中心肉厚 3mm、下面R30mm、上面R10mmであ
る。
【0206】次に、本実施例における、ガラス塊受け部
の構成を詳細に説明する。
【0207】本実施例におけるガラス塊受け部は、カー
ボン製の多孔質の受け型1とステンレス製の加熱ブロッ
ク2と高温ガス供給装置からなっている。
【0208】多孔質の受け型1は、微小なボール形状の
カーボンを燒結して得たもので、その穴径は10μmであ
り、溶融ガラス受け面はR30mmの球形状の凹面に加工さ
れている。
【0209】加熱ブロック2は、内部に出力 300Wのカ
ートリッジヒータ3を2本内蔵している。
【0210】高温ガス供給装置のガス流路を形成する金
属パイプ6は、ステンレス製のパイプからなっている。
また、ガス流路内の巻線ヒータ8は一般の巻線ヒータで
あり、その出力は 650Wである。また、この高温ガス供
給装置には空気を供給した。
【0211】高温ガス供給装置と加熱ブロック2は、高
温ガス供給装置の金属パイプの外周にネジを切り、これ
を加熱ブロックの下部に設けられたネジ穴に挿入し締め
付け固定した。
【0212】多孔質の受け型1と加熱ブロック2の間に
は、容積3cm2 のガス供給室5が設けられた。高温ガス
供給装置は、このガス供給室5の内部まで貫通した状態
で固定された。この時、高温ガス供給装置の先端部と多
孔質の受け型1の背面との距離は、約5mmであった。
【0213】次に、本実施例における、光学素子の製造
装置の構成を詳細に説明する。
【0214】本実施例における、光学素子の製造装置に
おいて、ガラス塊受け部とこのガラス塊受け部を上下に
駆動させる装置および左右に駆動させる装置は大気雰囲
気中に設置されている。また、ガラス塊12をプレス成形
して成形光学素子を得るための下型27と上型26を、窒素
雰囲気に保たれた成形室23の中に収納している。また、
溶融ガラス流出パイプ22の出口は、大気雰囲気中に設置
されている。
【0215】また、大気雰囲気中に設置された、ガラス
塊受け部を上下および左右に駆動する装置は、それぞれ
1軸NCロボットから成っており、ガラス塊受け部の位
置および速度を制御して移動することが可能である。
【0216】また、成形室23に隣接して、ガラス塊12を
搬入したり、成形光学素子14を搬出したりするための置
換室25がそれぞれ設置されており、この置換室25で雰囲
気を窒素雰囲気から大気雰囲気へ置換することにより、
成形室23の内部の気密性を保っている。
【0217】以下、本実施例における、上記の光学素子
の製造装置を用いて、上記の溶融光学ガラスから、上記
形状の形状の成形光学素子を製造する方法を説明する。
【0218】溶融るつぼ21内の光学ガラスは、1200℃に
加熱されている。そして、流出パイプ22の温度を1050℃
に保つことにより、流出パイプ22の出口から1000℃の溶
融光学ガラスを流出させた。
【0219】ガラス塊受け部の加熱ブロック2は、内蔵
のカートリッジヒータ3により 490℃に加熱されてい
る。また、高温ガス供給装置に、0.5MPaの圧力の窒素ガ
スを供給し、ガス流路内に設置された巻き線ヒータ8を
高温に加熱し、空気を加熱し、600℃の高温の空気をガ
ス供給室5へ供給した。その結果、多孔質の受け型1の
溶融ガラス受け面の細孔から高温の空気が噴出している
状態になる。
【0220】ガラス塊受け工程を開始するに際して、溶
融ガラス流出パイプ22の出口から流出している溶融ガラ
ス流は、前工程におけるガラス塊受け工程により、シャ
ーレスカットの状態に切断されており、その溶融ガラス
流の先端は、流出パイプ22の出口から2mmほど下まで垂
れ下がっている。
【0221】この状態で、ガラス塊受け部を左方へ、横
方向の移動をする。続いて、このガラス塊受け部を、流
出パイプ22の出口の直下まで上昇させる。この時、受け
型1は、流出パイプ22の出口の下10mmに位置している。
この状態で、溶融ガラス流が受け型1に接近するまで、
受け型1を静止させた状態で待つ。この時、受け型1か
ら30l/分の流量の高温の空気が噴出している状態であ
る。
【0222】溶融ガラス流が下降し、その先端部が受け
型1と接近し、受け型1の溶融ガラス受け面から噴出し
ている高温の空気により、溶融ガラス流の先端部が浮上
している状態になった後、受け型1を微速で下方へ下降
させる。この下降動作は、1軸NCロボットにより速度
および位置を正確に制御して行なわれる。具体的には、
初期位置から1mm下方の位置まで、 0.1mm/秒の速度で
下降させた。この間に、受け型1の上に、所望の重量の
ガラス塊12が得られた。
【0223】なお、この微速で下降しながらガラス塊12
を受け型1に受ける工程中に、受け型1から噴出してい
る高温の空気の流量を、30l/分から10l/分に減少し
た。これは、受け型1から噴出している高温の空気によ
り、受け型1に受けた溶融ガラス塊12の下面が凹んでし
まうのを防止するためである。なお、受け型1から噴出
している空気の流量が10l/分でも、ガラス塊12は、受
け型1から浮上した状態になっている。
【0224】受け型1を微速下降する工程において、所
定の重量の溶融ガラス塊12が受け型1の上に得られた
後、所定の距離を受け型1を急降下させ、溶融ガラス流
を括れさせた。具体的には、ガラス塊受け終了位置から
5mm下方の位置まで、20mm/秒の速度で下降させた。そ
の結果、流出パイプ22のの出口から流出する溶融ガラス
流は、流出パイプ22の出口と受け型1に受けられたガラ
ス塊12との間で、括れた状態になった。
【0225】溶融ガラス流が括れた状態で、受け型1を
静止させ、しばらくすると、表面張力の影響で、括れた
部分の溶融ガラス流が、流出パイプ22の出口方向と受け
型1の上のガラス塊12方向との2方向に分割され、シャ
ーレスカットの状態で切断される。具体的には、受け型
1を静止させると、ガラス流の括れ部分はどんどん細く
なり、1秒ほどでシャーレスカットの状態で切断され
た。
【0226】もちろん、この状態でも、多孔質の受け型
1からは、高温の空気が噴出しており、ガラス塊12は、
受け型1から浮上した状態になっている。
【0227】このようにして、受け型1の上に溶融ガラ
ス塊12を受けた後、ガラス塊受け部は下降し右方まで移
動する。そして、ガラス塊受け部は、取り出し工程を行
なう所定の位置まで上昇する。
【0228】本実施例において、成形光学素子を成形す
るための下型27および上型28は、超硬合金で作られてお
り、それらの成形面には、離型効果を有する薄いカーボ
ン膜がコーティングされている。
【0229】この下型27および上型28は、ガラス塊12を
プレス成形するに際し、内蔵するヒータ(図示せず)に
より 580℃に加熱されている。
【0230】プレス成形する直前、このガラス塊12の温
度は 600℃あり、粘度が低いので、この状態で直ちにプ
レス成形できる。本実施例においては、上型28を直ちに
下降させ、4000N のプレス力で、ガラス塊12をプレス成
形して、成形光学素子14を得た。
【0231】成形光学素子14をプレス成形した後、、上
型28は上昇し、成形光学素子14は、取り出し用搬送装置
(図示せず)により取り出され、置換室25を介して、光
学素子の製造装置の外部へ搬送される。
【0232】本実施例によって得られた成形光学素子14
は、その形状・外観・光学性能ともに非常に優れたもの
であった。
【0233】また、本実施例においては、成形光学素子
の形状が両凸形状のものについて説明したが、他の形状
についても適用できることは言うまでもない。
【0234】本実施例に特有の効果としては、形状・外
観・光学性能ともに優れた成形光学素子を、安いコスト
で得ることができる点、および、従来から使われている
成形装置を転用することにより装置コストが安くなる
点、および、溶融ガラスからガラス塊を受ける工程を大
気中で行うので、装置のメンテナンスが容易である点、
などがある。
【0235】
【発明の効果】以上説明したように、本出願にかかる第
1および第4の発明によれば、形状・外観・光学性能と
もに優れた光学素子成形用素材として最適のガラス塊
を、従来に比べ安価に得ることができるので、製造コス
トを低減できる。
【0236】また、ガラス流を加熱することなくシャー
レスカットによって、このガラス塊を得ることができる
ので、装置コストを低減できる。
【0237】また、本出願にかかる第2および第6の発
明によれば、第1の発明による効果に加え、光学素子成
形用素材として最適のガラス塊を、より確実に安定した
状態で得ることができるので、更に光学素子成形用素材
の製造コストを低減できる。
【0238】また、本出願にかかる第3の発明によれ
ば、第1の発明による効果に加え、光学素子成形用素材
として最適のガラス塊を、より確実に得ることができる
ので、更に光学素子成形用素材の製造コストを低減でき
る。
【0239】また、本出願にかかる第5の発明によれ
ば、第4の発明による効果に加え、光学素子成形用素材
として最適のガラス塊を、より確実に得ることができる
ので、更に光学素子成形用素材の製造コストを低減でき
る。
【0240】また、本出願にかかる第7の発明によれ
ば、第4の発明による効果に加え、光学素子成形用素材
として最適のガラス塊を、より安定して得ることができ
るので、更に光学素子成形用素材の製造コストを低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかる、光学素子成形
用素材の製造装置の、多孔質の受け型と、それを保持す
る加熱ブロックと、高温ガス供給装置とからなる部分の
構成を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施例にかかる、光学素子成形
用素材の製造装置の、全体の概略の構成を説明する図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施例にかかる、成形光学素子
の製造装置の、全体の概略の構成を説明する図である。
【図4】本発明の第3の実施例にかかる、成形光学素子
の製造装置の、全体の概略の構成を説明する図である。
【符号の説明】
1 多孔質の受け型 2 加熱ブロック 3 カートリッジヒータ 4 熱電対 5 ガス供給室 6 金属パイプ 7 石英ガラスパイプ 8 巻線ヒータ 9 熱電対 10 固定治具 11 ガス導入口 12 ガラス塊 13 光学素子成形用素材 14 成形光学素子 21 ガラス溶融るつぼ 22 流出パイプ 23 成形室 24 素材成形用上型 25 置換室 26 光学素子成形用上型 27 光学素子成形用下型 28 光学素子成形用上型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余語 瑞和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ガラス溶融るつぼの流出部から流出
    する溶融ガラス流から、光学素子成形用素材となる溶融
    ガラス塊を得るための装置において、 溶融ガラス流を受けて、溶融ガラス塊を得る、受け型の
    部分の構成が、 溶融ガラス塊を受ける受け型が多孔質の材料からなり、
    その受け型の溶融ガラス塊を受ける面が凹形状に加工さ
    れており、 受け型の周囲および下部を加熱ブロックで保持し、この
    加熱ブロックは内蔵のヒータおよび熱電対により温度制
    御可能な構成になっており、 受け型の溶融ガラスを受ける面の背面と加熱ブロックと
    の間に、多孔質の材料からなる受け型にガスを供給する
    ための空間部であるガス供給室が設けられており、 このガス供給室へ、高温ガスを供給するための、高温ガ
    ス供給装置が、加熱ブロックの下方からガス供給室へ貫
    通結合した構成になっており、 この高温ガス供給装置は、ガス流路の内部にヒータを配
    置した構成をしており、この高温ガス供給装置の高温ガ
    ス出口部分には熱電対が設置され、高温ガスの温度を制
    御可能な構成になっている、 ことを特徴とする光学素子成形用素材の製造装置。
  2. 【請求項2】 受け型と、その周囲および下部を保持す
    る加熱ブロックと、その下方に結合している高温ガス供
    給装置と、からなる光学素子成形用素材の製造装置の部
    分が、 少なくとも、光学ガラス溶融るつぼの流出部から流出す
    る溶融ガラス流を受け型に受けて溶融ガラス塊を得る工
    程において、 上下方向に、位置および速度制御可能に、移動出来る構
    成になっている、 ことを特徴とする前記特許請求項1に記載の光学素子成
    形用素材の製造装置。
  3. 【請求項3】 受け型と、その周囲および下部を保持す
    る加熱ブロックと、その下方に結合している高温ガス供
    給装置と、からなる光学素子成形用素材の製造装置の部
    分において、 高温ガス供給装置が、金属パイプからなるガス流炉の内
    部にヒータを配置し、 この金属パイプとヒータの間に石英ガラスからなるパイ
    プを配置した構成であり、 この高温ガス供給装置を形成している金属パイプと加熱
    ブロックとが固定された構成になっている、 ことを特徴とする前記特許請求項1に記載の光学素子成
    形用素材の製造装置。
  4. 【請求項4】 加熱ブロックに内蔵されているヒータに
    より加熱ブロックを所望の温度に加熱し、続いて、加熱
    された加熱ブロックからの伝熱により、多孔質材料から
    なる受け型を所望の温度に加熱し、さらに、加熱ブロッ
    クの下方に結合されている高温ガス供給装置を通して、
    加熱ブロックと受け型の間に設けられたガス供給室へ高
    温のガスを供給し、この高温のガスが多孔質の受け型の
    細孔から上方へ噴出している状態で、 光学ガラス溶融るつぼの流出部から流出している溶融ガ
    ラス流を、この状態の受け型に受け、光学素子成形用素
    材となる溶融ガラス塊を得る、 ことを特徴とする光学素子成形用素材の製造方法。
  5. 【請求項5】 溶融ガラス流を受け型に受け始める時点
    において、加熱ブロックの温度は、ガラスの歪点温度よ
    りも高い温度に加熱されており、また、高温ガス供給装
    置から供給されるガスの温度は、ガラスの転移点温度よ
    りも高い温度に加熱されている、 ことを特徴とする前記特許請求項4に記載の光学素子成
    形用素材の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶融ガラス流を受け型に受け始める直前
    において、溶融ガラス流はシャーマークの無い状態に切
    断されており、多孔質材料からなる受け型は、溶融ガラ
    ス流の直下に位置して静止しており、 溶融ガラス流が下降し、溶融ガラス流が受け型と接触
    し、溶融ガラス流を受け型に受け始めると同時に、受け
    型は微速での下降を開始し、その状態で溶融ガラス流を
    受け型の上に受け、 受け型の上に受けた溶融ガラス塊の重量が所望の重量に
    なった後、溶融ガラス塊を載せた状態の受け型を下方へ
    所定の距離を急速に下降させ、溶融るつぼの流出部と受
    け型の間で、溶融ガラス流を括れた状態にし、その状態
    で受け型を静止させ、 この状態でしばらく保持し、溶融ガラス流の括れた部分
    が自然に切れた後、ガラス塊を載せた受け型を下方の所
    定の位置まで下降させ、 ガラス塊を載せた受け型を、次工程へと搬送する、 ことを特徴とする前記特許請求項4に記載の光学素子成
    形用素材の製造方法。
  7. 【請求項7】 多孔質の受け型の細孔から上方へ噴出し
    ているガスの流量は、溶融ガラス流を受け型に受け溶融
    ガラス塊を得始めた後の工程において、減少される、 ことを特徴とする前記特許請求項4に記載の光学素子成
    形用素材の製造方法。
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