JP2010138052A - 光学素子の予備成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学素子成形品の近似形状、プリフォーム形成する高精度な光学素子成形品の予備成形体を、大気中で溶融ガラス流から連続安定成形することにより、安価かつ安定的に得る方法を提供する。
【解決手段】本発明は、溶融ガラスを成形型に供給する工程と、供給された該溶融ガラスを該成形型で加圧成形する工程と、成形された該溶融ガラスを該成形型から離型する工程と、を少なくとも有する光学素子の予備成形体の製造方法において、前記成形型を、少なくとも窒化ホウ素を含有するものとし、前記加圧成形する工程及び離型する工程では、前記成形型の型表面の温度を400℃以上720℃以下の範囲にすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズやプリズム等の高精度光学ガラス素子の予備成形体を製造する方法に関する。
従来、ガラスレンズは、所定寸法のガラスブロックに研削や研磨を施すことによって所定形状へと加工されていた。しかし、この方法は非球面形状及び自由曲面を有するレンズの製造においては高精度な加工技術を必要とするため多大な加工時間及び費用を要し、工業生産的には不向きであった。
そこで近年、非球面形状及び自由曲面を有する成形型を用いて加熱軟化したガラス素材を非酸化性の雰囲気中でプレス加工することにより、低コストで非球面形状レンズを得る光学素子精密成形品の製造方法が開発されてきた。さらには、同プレス加工における製造コストをより低減させることを目的とし、るつぼ内でガラス原料を高均質溶解し流出させ、同溶融ガラス流を直接成形加工する方法が研究されている。
例えば、前記プレス加工によるプレス品をガラス流から製造する従来技術としては、(1)非球面形状加工された成形型で直接精密成形を行う、いわゆるダイレクトプレス製法や、(2)精密成形用の予備成形体を成形する方法、などがある。
前記方法(1)を用いると、前記光学素子精密成形品の製造工程は最短となるが、ガラス溶融の低粘度領域から光学面精度を保証する高粘度領域のガラス成形制御が一連の製造工程において必要となる。よって、装置が制御的に複雑化し、また高耐久性能の型にコストがかかる場合が多い。
例として、特許文献1には、溶融流出ノズルからガラス流を熱加工治具へ供給してプレス成形し、それから取り出すまでの各工程が、全て非酸化雰囲気中の装置内で行われる方法が開示されている。しかし、これには各工程間の最適ガラス粘度と各装置の順送タイミングとを合せ込む調整が必要となり、さらには型の定期メンテナンス作業等を考慮すると、装置制御の複雑化及び大型化にともなう成形のコストアップを回避することができない。
また、特許文献2では、耐熱金属材料及び超硬合金系材料からなるプレス成形型を大気中にて用いる方法が開示されている。一般的に、成形型を用いてプレス成形する場合、用いるガラス粘度はガラスの軟化点10dPa・s以下の範囲とされ、これは転写面の良転写性(シワなし、良充填性)を確保するためであり、またガラスの軟化点温度付近まで型温度を上げる必要がある。なぜならば、まず、型温度がガラス温度より低すぎる場合、ガラスのプレス変形時に、型との接触部と非接触部との転延速度の差異が生じる。同時に、同転延速度の差が、ガラスと型界面との部分的な接触、つまり冷却固化が部分的に生じ、シワ状の転写不良(光学素子精密成形品の転写不良に直結する)が生じる。このシワ状の転写不良を防止するために、ガラスの軟化点温度付近まで型温度を上げる必要があるのである。
つまり、特許文献2に記載のように金属や貴金属系の一部を含有する型材を大気中で使用する場合、以上のような型温度上昇作業のために、型表面等が酸化劣化し易い。これによって、金属酸化物の脱離現象等による型破損とともにプレス成形品質の悪化が引き起こされる場合がある。さらに、型への良転写性を連続的に確保する為、型プレス時に所望量を超えた加圧力を負荷させたり、型温度を所望温度以上にしたりした場合、ガラスと型界面での融着不良現象が発生する。これも、型破損の原因となり、プレス成形品質の悪化に繋がる。
一方、前記方法(2)は、予備成型品をまず形成してから成型品を製造する方法であって、方法(1)と比較してより高い形状精度及び面粗さ精度を有する光学素子を得ることができる。例えば、特許文献3には、溶融ガラス流を一旦受け型等へ滴下流出し、高精度な光学素子成形品の予備成形体を得る製造方法が記載されている。
特開平2−225324号公報 特開昭63−307130号公報 特開平2−338265号公報
しかしながら、特許文献1及び2と比較してより高精度の成型品を得ることができる特許文献3に記載の方法も、前述の型耐久性能等に関する問題を有しており、これはその後の精密プレス成形時における光学品質の劣化へと繋がり、成形品歩留の低下を引き起こす。
すなわち、高精度な光学素子成形品の予備成形体を溶融ガラス流から得る方法においては、次のような課題がある。非酸化雰囲気中で成形加工する場合は、そのコストが増大するという問題が生じ、大気中で成形加工する場合は、耐高温酸化性能及びガラス材との耐反応性に優れた型材で成形しないと装置稼働性及び成形品質が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光学素子成形品の近似形状、プリフォーム形成する高精度な光学素子成形品の予備成形体を、大気中で溶融ガラス流から連続安定成形することにより、安価かつ安定的に得る方法を提供することを目的とする。
本発明は、溶融ガラスを成形型に供給する工程と、供給された該溶融ガラスを該成形型で加圧成形する工程と、成形された該溶融ガラスを該成形型から離型する工程と、を少なくとも有する光学素子の予備成形体の製造方法において、前記成形型を、少なくとも窒化ホウ素を含有するものとし、前記加圧成形する工程及び離型する工程では、前記成形型の型表面の温度を400℃以上720℃以下の範囲にすることを特徴とする。
本発明によれば、溶融ガラスを加圧成形し光学素子精密成形用の予備成形体を得る方法において、成形型へのガラス充填性の確保と、型とガラスの融着防止とを同時に実現できる。これによって、精密成形時の高転写性を満足する予備成形体を低コストかつ高効率に生産可能とすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。
本発明の光学素子成型用素材(予備成形体)の製造方法の一実施形態における装置構成の例、及び製造プロセスの例を図1に示す。同図中、参照番号1は溶融炉、参照番号1aはガラス流出パイプ、参照番号2は浮上型、参照番号3はプレス型を示している。ここで、プレス型3は、窒化ホウ素を含有するものとする。好ましくは、前記窒化ホウ素は20重量%以上70重量%以下の範囲で含有されている。この範囲が好ましい理由については後述する。
また、前記プレス型3が複合材である場合、上記規定の窒化ホウ素に加え、窒化アルミや窒化珪素を含有していることが好ましく、これによってプレス型の複合体としての強度安定性が増大し、同時に耐久性も向上する。その場合、窒化アルミを全体の28重量%以上78重量%以下、又は窒化珪素を全体の28重量%以上78重量%以下の範囲で含有していることが好ましい。
上記の窒化ホウ素、窒化アルミ及び窒化珪素の範囲が好ましい理由について、以下に述べる。
窒化ホウ素と窒化アルミ、又は窒化ホウ素と窒化珪素の各複合材は、大気中における高温安定性、高温強度に優れ、特に溶融ガラスとの化学的反応性が少なく、同溶融ガラスのプレス材として、その離型性に優れている。同離型のメカニズムとして型の最表面付近に存在する窒化ホウ素と大気中の酸素及びガラス酸化物とが部分的に結合し、極微量な酸化ホウ素が形成される。そして、このときに形成される極微量な酸化ホウ素が、型母材とガラスの離型材の役目となり良離型性を確保する。この離型メカニズムが溶融ガラスとのプレス時に繰り返し行われることとなる。
数値限定の理由として、窒化ホウ素下限値を20重量%未満とした場合、上述した形成される酸化ホウ素の量が少なくなり、型とガラスとの融着現象が起こり易くなる。また、
窒化ホウ素上限値を70重量%より多くした場合、同酸化ホウ素の形成量過多となり、ガラスへの付着量が所望の外観基準を超え、くもりやキズ汚れ等の不良品に繋がる。
上述した窒化ホウ素と窒化アルミ、又は窒化ホウ素と窒化珪素の各複合材は、窒化ホウ素20重量%以上に対し、窒化アルミ及び窒化珪素ともに78重量%以下の組成比率が安定である。また、窒化ホウ素70重量%以下に対しては、窒化アルミ及び窒化珪素ともに28重量%以上が同様に安定な配合比率となっている。
本実施形態の例では、快削性の窒化物セラミックス複合材(主成分として窒化ホウ素が28.1重量%、及び窒化アルミが70.1重量%の範囲で含有されている)を用いている。
また、本実施形態の例では、完成した予備成形体4は、ガラスの材質がランタン系ガラス(At=560℃、Tg=520℃)であり、その形状は、直径12mm、上面の球R=9mm、下面の球R=11mm、中心厚=3.5mmの凹メニス形状である。これらガラスの材料や完成した予備成形体の形状などは以上に限定されることはなく、当業者によって適宜変更されることが可能である。
次に、本発明の光学素子の予備成形体の製造方法の一実施形態におけるプロセスの例について、図1の(a)〜(e)を参照しながら順に説明する。本実施形態における予備成形体の製造は、大気中で行われるものとする。
・プロセス(a)
まず、図1(a)に示されているように、溶融炉1の中にあるガラス溶解るつぼ、加熱装置及び攪拌装置(いずれも不図示)で所望の溶解及び均質化がなされた溶融ガラス5がガラス流出パイプ1aから供給される。このとき、溶融ガラス5の表面粘度としては、10dPa・s以上103.5dPa・s以下の範囲が好ましい。同表面粘度10dPa・s未満の場合、表面からの揮発成分が多くなり、ガラス表面部と内部との組成成分差による屈折率変動(脈理不良)を引き起こし、また、浮上型との接触不良も引き起こす。また、粘度が103.5dPa・sより高い場合、浮上からプレス工程の間にガラス粘度がさらに高くなり、展延不良や充填不良と繋がる。
それから、前記溶融ガラス5は、Nが噴出している浮上型2によって一端保持される。浮上型2には気体噴出口が設けられており、該噴出口より噴出された気体によって溶融ガラス5が空中に保持されている。本実施形態では気体としてNを用いているが、それ以外にも大気ガスやアルゴンガスを用いることもできる。
浮上型2は、加熱ヒータ、制御熱電対、3軸NC駆動装置及びマスフローコントローラーなどによって、浮上ガスの加熱制御、ガス流量制御及び浮上型駆動制御がなされている。本実施形態の例では、浮上型2の受け面温度を350℃、噴出しているNの流量を0.2L/分とし、受け取ったガラス塊6の重量は1.3gである。
・プロセス(b)
次に、図1(b)に示されているように、浮上保持されたガラス塊6を上下プレス型3の間に搬送する。次に、Nの流量を0.4L/分に変更して5秒間保持する。このとき、浮上型2上に浮上保持されているガラス塊6の上表面の粘度を104.5dPa・sに維持する。特には、ガラス塊の上表面粘度を10dPa・s以上10dPa・s以下の範囲に維持することが好ましい。なぜなら、前述した型材でプレス成形をおこなう際に、ガラス塊の上表面粘度を10dPa・s未満の場合、前述の酸化ホウ素の形成量過多によるくもりやキズ汚れ等の成形品質不良に繋がるからである。また、型との密着力の増大によるガラス融着不良も引き起こされる。また、ガラス塊の上表面粘度が10dPa・sより高い場合は、プレス工程の間にガラス粘度がさらに高粘度化し、展延不良や充填不良に繋がる。
具体的な上表面粘度は、上記各パラメータ対応の粘度計測値を元に選択的に制御される。
・プロセス(c)
次に、浮上状態にあるガラスをプレス用の下型へ落下させる。本実施形態の例では、浮上型2は分割型(浮上ガス導入部を含む型の略中心から横方向に分割。縦方向に合わせ面を持つ)で構成されており、同分割型は不図示の各型開口用アクチュエーターと接続されている。また、同各アクチュエーターは、略対向的な駆動が行われ、その駆動速度は、溶融ガラスが自重落下する際に、浮上ガラスと浮上型とが接触しない、つまり重力加速度以上の駆動速度が同分割型に与えられる。同浮上型開口の形態として、同各浮上型は前記溶融ガラス外形寸法より大きな開き量で横方向若しくは斜め下方向へスライドする。浮上型2としては、以上の構成以外にも適切な構成を選択することが可能である。
下記の実施例1〜5においても、落下直後のガラス上面の粘度は10dPa・s以上10dPa・s以下の範囲である。
・プロセス(d)
次に、前記ガラス塊6を上型と下型によってプレスする。このとき、下記の実施例1〜5におけるように、プレス型の型表面温度を400℃以上720℃以下の範囲であることが好ましく、本実施形態及び実施例1では500℃としている。また、実施例1〜5におけるように、プレス圧力は50N/cm以上200N/cm以下の範囲であることが好ましく、本実施形態及び実施例1では60N/cmとしている。
上記プレス型表面温度の数値限定の理由として、前述した型材でプレス成形をおこなう際に、プレス型の型表面温度が400℃未満の場合、プレス工程の間にガラス粘度がさらに高粘度化し、展延不良、充填不良と繋がる。また、プレス型の型表面温度が720℃よりも高い場合、前述の酸化ホウ素の形成量過多によるくもりやキズ汚れ等の成形品質不良に繋がる。また、型との密着力の増大によるガラス融着不良を引き起こす。
上記プレス圧力の数値限定の理由として、前述した型材でプレス成形をおこなう際に、プレス圧力が50N/cm未満の場合、プレス時のガラス展延速度の低下を引き起こし、充填不良に繋がる。また、プレス圧力が200N/cmよりも大きい場合、前述の型とガラスの密着力の増大によるガラス融着不良を引き起こす。
ここで、プレス時間は5〜8秒間としている。また、下記の実施例1〜5では、上記のプレス型表面温度は、400℃以上720℃以下である。プレス型の表面をこのような温度に制御する理由は、一発でガラス塊に型形状を良転写させること、及びプレス型からガラスを離型させることを効果的に行うためである。つまり、高温のガラスを低温の型でプレスする際に、プレスによるガラスの変形が型内で終了した段階で、成形品がちょうどガラス転移点温度以下になるようにすることで、型とガラスの熱膨張係数の差で生じた応力で型から自然に離型するようにしてある。また、低圧力かつ短時間の型プレス保持時間にすることでも、前記ガラス塊の型への良転写性及び離型効果に寄与している。
ここで、型材に用いられている窒化物セラミックの主成分である窒化ホウ素による離型効果について説明する。前記成形型の成形型表面、つまりガラスとの接触界面においては、ガラス各温度と大気中環境とによって酸化ホウ素層が形成されている。生成された酸化ホウ素の溶解温度は460℃であることから、前記成形型の温度が460℃以上、又は被成形ガラス塊温度が約460℃以上であると、前記酸化ホウ素層が溶解する。このとき、溶解した酸化ホウ素が成形品に付着又は溶出すると同時に、成型品の成形型からの離脱がおこなわれる。酸化ホウ素層の離脱現象が著しい、つまり酸化ホウ素の溶出量が過多の場合、成形型表面の肌荒れ劣化が生じ、これによってプレス成形品へ汚れや転写不良などが引き起こされることがある。反対に、酸化ホウ素層の溶出量が少ない場合、型とプレス成形品の間の密着力が増加することで、微小な融着不良が生じることがある。本実施形態では、上記の離型メカニズムを考慮し、前述したガラス上下面の粘度、プレス型表面温度、プレス圧力及びプレス保持時間の各パラメータを選択的に制御することにより同離型効果を見出した(表1参照)。勿論、同成形品の品質は良好なものであった。すなわち、成形型の型表面の温度を400℃以上720℃以下にすることで、良好な転写及び離型を実現することが可能であることがわかった。
・プロセス(e)
最後に、型開きを行い、プレス成形された予備成形体を取り出す。成形型を上記した温度に設定しておくことで、良好に離型を行うことができる。
以上説明したプロセスで成形を行うことにより、融着が無く、うねりが小さい(PV値=40μm以下)、充填性良好な予備成形体を得ることが可能である。また、成形された予備成形体と型との融着が無いことから、型の耐久も向上する。
また、前記加圧成形する工程の前に、前記成形型に含有されるホウ素を酸化させて、該成形型の表面に酸化ホウ素層を予め形成しておいてもよい。成形型の表面に酸化ホウ素層を予め形成する方法としては、大気中雰囲気で800℃以上に加熱された温度で、前記酸化ホウ素含有複合材を2時間以上加熱することにより、所望の表面酸化層を成形初期段階より得ることが可能である。このことは、前記ガラスの予備成形における初期段階での品質安定性(成形品の離型性、展延性のバラツキが低減)に繋がり、より効率的な生産が可能となる。
また、前記加圧成形する工程の前に、前記成形型に酸化ホウ素を溶融含浸させて、該成形型の表面に酸化ホウ素層を予め形成しておいてもよい。
これより、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の例に限定されることはない。
(実施例1〜5)
下記の表1には、代表的制御パラメータである、型材主成分の配合比率、上下型温度、プレス開始時のガラス上面粘度及びプレス圧力が一覧で示されており、これらを組み合わせて前述した本発明の効果をテスト及び比較し検証を行った。なお、本実施例で用いた装置及びプロセスは、上記の実施形態の例と同様のため説明は省略する。
また、完成した予備成形体も同様、ガラスの材質はランタン系ガラス(At=560℃、Tg=520℃)であり、その形状は、直径12mm、上面の球R=9mm、下面の球R=11mm、中心厚=3.5mmの凹メニス形状である。
以下、テスト結果を説明する。
実施例1の成形条件並びに成形結果については、前述の最良の形態において説明したものと同様のため、説明は省略する。
実施例2では、型材主成分の配合比率が、窒化ホウ素20重量%+窒化アルミ78重量%の型材を用いた。そして、プレス上下型の表面温度400℃、プレス開始時のガラス上面粘度を10dPa・s、プレス圧力を200N/cmにして溶融ガラスの予備成形を連続的に行った。以上説明したプロセスで成形を行うことにより、型とガラス融着が無く、うねりが小さい(PV値=40μm以下)、充填性良好な予備成形体を連続的に得ることができた。また、型も表層部の脱離現象(微小な結晶粒の脱離)等の表面荒れもなく10,000ショット以上の耐久性が得られた。
実施例3では、型材主成分の配合比率が、窒化ホウ素70重量%+窒化アルミ28重量%の型材を用いた。そして、プレス上下型の表面温度720℃、プレス開始時のガラス上面粘度を10dPa・s、プレス圧力を50N/cmにして溶融ガラスの予備成形を連続的に行なった。以上説明したプロセスで成形を行うことにより、上記同様、型とガラス融着が無く、うねりが小さい、充填性良好な予備成形体を連続的に得ることができた。また、型も表層部の脱離現象等の表面荒れもなく10,000ショット以上の耐久性が得られた。
実施例4では、型材主成分の配合比率が、窒化ホウ素20重量%+窒化珪素78重量%の型材を用いた。そして、プレス上下型の表面温度400℃、プレス開始時のガラス上面粘度を10dPa・s、プレス圧力を200N/cmにして溶融ガラスの予備成形を連続的に行なった。以上説明したプロセスで成形を行うことにより、上記同様、型とガラス融着が無く、うねりが小さい、充填性良好な予備成形体を連続的に得ることができた。また、型も表層部の脱離現象等の表面荒れもなく10,000ショット以上の耐久性が得られた。
実施例5では、型材主成分の配合比率が、窒化ホウ素70重量%+窒化珪素28重量%の型材を用いた。そして、プレス上下型の表面温度720℃、プレス開始時のガラス上面粘度を106.5dPa・s、プレス圧力を50N/cmにして溶融ガラスの予備成形を連続的に行なった。以上説明したプロセスで成形を行うことにより、上記同様、型とガラス融着が無く、うねりが小さい、充填性良好な予備成形体を連続的に得ることができた。また、型も表層部の脱離現象等の表面荒れもなく10,000ショット以上の耐久性が得られた。
(比較例1〜15)
実施例1〜5に対する比較例として、前述の各成形パラメータを本発明の範囲から外してガラス予備成形品の製作を試みた。それ以外の条件は実施例1〜5で説明した内容に準じている。結果については、下記の表2〜5にまとめられている。
比較例1、2では、プレス上下型の表面温度400℃以上720℃以下、プレス開始時のガラス上面粘度を10dPa・s以上10dPa・s以下、プレス圧力を50N/cm以上200N/cm以下にした。そして、型材主成分の配合比率を、それぞれ、窒化ホウ素18重量%+窒化アルミ80重量%、窒化ホウ素71重量%+窒化アルミ27重量%として、本発明の範囲より外した。その結果、比較例1では型とガラス間に融着現象が生じ、それに伴なう成形品キズ不良が発生した。型耐久も3,000ショットで表面脱離不良が生じた。比較例2では、成形品に型表面脱離カスが混入し、不良が発生した。型耐久も3,000ショットで表面脱離不良が生じた。
比較例3、4では、型材主成分の配合比率を、窒化ホウ素20重量%以上70重量%以下+窒化アルミ28重量%以上78重量%以下、ガラス上面粘度を10dPa・s以上10dPa・s以下、プレス圧力を50N/cm以上200N/cm以下にした。そして、プレス上下型の表面温度を、それぞれ、390℃、730℃として、本発明の範囲より外した。その結果、比較例3では成形品の未充填不良が発生し、型耐久も1,500ショットで型表面にキズ不良が生じた。また、比較例4では比較例1と同様に型とガラス間に融着現象が生じ、それに伴う成形品キズ不良が発生した。型耐久も4,000ショットで表面脱離不良が生じた。
比較例5、6では、プレス開始時のガラス上面粘度のみを、それぞれ、103.8dPa・s、107.2dPa・sとして、本発明の範囲より外した。その結果、比較例5では型とガラス間に融着現象が生じ、それに伴なう成形品キズ不良が発生した。型耐久も200ショットで表面キズ不良が生じた。比較例6では成形品の未充填不良が発生し、型耐久も500ショットで型表面にキズ不良が生じた。
比較例7、8では、プレス圧力のみを、それぞれ、40N/cm、210N/cmとして、本発明の範囲より外した。その結果、比較例7では成形品の未充填不良が発生した。比較例8では型とガラス間に融着現象が生じ、それに伴なう成形品キズ不良が発生した。型耐久も7,200ショットで表面脱離不良が生じた。
比較例9〜15では、前記説明の比較例1〜8の型材主成分配合比率において窒化アルミを窒化珪素に置き換えて、同様にパラメータを変更してテストを行った。テスト結果は表4及び表5に記されているが、成形品並びに型耐久共に所望の外観基準をクリアーできず、全て不良品であった。
(実施例6)
本実施例では、型材主成分の配合比率が、窒化ホウ素70重量%+窒化珪素28重量%のイニシャル型材を、大気中雰囲気にて800℃以上で2.5時間加熱を施した型を使用した。それから、前述の他の成形パラメータを実施例3と同様にして成形を行なった。その結果、型とガラス間の融着が無く、うねりが小さい、充填性良好な予備成形体を連続的に得ることができた。また、型も表層部の脱離現象等の表面荒れもなく10,000ショット以上の耐久性が得られた。このとき、外観上良品レベルのバラツキ評価として、前記実施例3の成形品よりも5%以上高い結果を示した。よって、所望の表面酸化層を成形初期段階より得ることが可能である。
本発明の実施形態で用いた装置とプロセスの概略図を示す。
符号の説明
1 ガラス溶融炉
1a ガラス流出パイプ
2 浮上型
3 プレス型
4 予備成形体
5 溶融ガラス
6 ガラス塊

Claims (8)

  1. 溶融ガラスを成形型に供給する工程と、供給された該溶融ガラスを該成形型で加圧成形する工程と、成形された該溶融ガラスを該成形型から離型する工程と、を少なくとも有する光学素子の予備成形体の製造方法において、
    前記成形型を、少なくとも窒化ホウ素を含有するものとし、
    前記加圧成形する工程及び離型する工程では、前記成形型の型表面の温度を400℃以上720℃以下の範囲にすることを特徴とする予備成形体の製造方法。
  2. 前記成形型は、窒化ホウ素を20重量%以上70重量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の予備成形体の製造方法。
  3. 前記成形型は、窒化アルミ又は窒化珪素をさらに含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の予備成形体の製造方法。
  4. 前記成形型は、窒化アルミを28重量%以上78重量%以下、又は窒化珪素を28重量%以上78重量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項3に記載の予備成形体の製造方法。
  5. 前記加圧成形する工程は、大気中で行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法。
  6. 前記溶融ガラスを成形型に供給する工程は、該溶融ガラスを受け型で一端保持した後に該成形型に供給するものであり、及び、
    前記受け型に保持されている前記溶融ガラスの上表面の粘度を10dPa・s以上10dPa・s以下の範囲とすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法。
  7. 前記加圧成形する工程におけるプレス圧力は、50N/cm以上200N/cm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法。
  8. 前記加圧成形する工程の前に、前記成形型に含有されるホウ素を酸化させて、該成形型の表面に酸化ホウ素層を予め形成しておく工程を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の予備成形体の製造方法。
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