JPH11171555A - 光学素子成形用素材の製造方法 - Google Patents

光学素子成形用素材の製造方法

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JPH11171555A
JPH11171555A JP33401097A JP33401097A JPH11171555A JP H11171555 A JPH11171555 A JP H11171555A JP 33401097 A JP33401097 A JP 33401097A JP 33401097 A JP33401097 A JP 33401097A JP H11171555 A JPH11171555 A JP H11171555A
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molten glass
molding
optical element
mold
receiving
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JP33401097A
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Isamu Shigyo
勇 執行
Masayuki Tomita
昌之 冨田
Kunio Nakagawa
邦男 中川
Hiroyuki Kubo
裕之 久保
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B7/00Distributors for the molten glass; Means for taking-off charges of molten glass; Producing the gob, e.g. controlling the gob shape, weight or delivery tact
    • C03B7/10Cutting-off or severing the glass flow with the aid of knives or scissors or non-contacting cutting means, e.g. a gas jet; Construction of the blades used
    • C03B7/12Cutting-off or severing a free-hanging glass stream, e.g. by the combination of gravity and surface tension forces

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素子成形用素材に対して研削・研磨を行
って光学素子を製造する際に、光学素子成形用素材の表
面の削り込み、及び、光学素子の概略の形状出しに必要
な研削を排除して、しかも、所要精度の光学機能面を有
する光学素子を、研磨によって得られるようにした製造
法で、プレス成形の結果として、必要な表面粗さを有す
る光学素子成形用素材を得る。 【解決手段】 溶融炉で所定温度に溶融された溶融ガラ
スを流出ノズルから流出させ、上記ノズル下に配置した
受け型で溶融ガラスを受けて、一定重量の溶融ガラス塊
を分離し、プレス成形に供する光学素子に製造方法にお
いて、一定重量の溶融ガラス塊を得る際に、上記流出ノ
ズルの温度と、流出ノズルの流出先端と受け型との間の
距離の内の、少なくとも一つを制御すると共に、その後
の成形過程で、そのプレス成形の完成後の成形用素材
の、精研削・研磨時の光学機能面に相当する部分の表面
が、Rmax5〜10μmの粗さになるように処理する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、カメラや
ビデオカメラに用いられるレンズなどの高精度な光学機
能面を有する光学素子を、研削、研磨により製造するに
先立って、このための光学素子成形用素材を得るための
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学レンズなどの光学素子は、ガ
ラスを溶融し、それをある大きさのガラス塊として、一
旦、冷却固化した後に、切断・破砕・研削などの処理に
より、ほぼ一定範囲の大きさのガラス塊に分割し、それ
らを再度、加熱軟化してから、所望の光学素子形状より
も、ほぼ一回り大きい形状にプレス成形して光学素子成
形用素材を得ている。そして、その後に、それらを冷間
で研削・精研削・研磨の工程を加えることにより、最終
的に所要精度の光学機能面を持った光学素子を得てい
る。
【0003】また、上述の光学素子成形用素材を得る方
法として、ほぼ一定範囲の大きさのガラス塊を得て、こ
れを、再度加熱して、プレス成形する代わりに、溶融ガ
ラスより直接、所要大きさのガラス塊(ブランク)を得
て、それをプレス成形する方法も、既に行われている。
【0004】更に、近年になって、前者のような方法で
得られた光学素子成形用素材、あるいは、後者のような
方法で溶融ガラスより直接に得たガラス塊(ブランク)
を再加熱し、非酸化性の雰囲気中で、成形型を用いて、
プレス成形することにより、非球面レンズなどの光学素
子の製造を行うようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来方法、即ち、ガラス塊を再度軟化して、光学素子成
形用素材を得る方法では、重量バラツキが多く、また、
プレスの際に材料の折れ込みが起こり、更に、型からガ
ラスを離型するための離型材によって表面近傍に汚染が
生じるため、この方法で得られた光学素子成形用素材か
らレンズなどを作るには、まず、最初に前記素材の表面
近傍を、研削手段などにより、少なくとも0.5mm程
度、削除する必要があった。
【0006】また、この研削を行った結果、このまます
ぐに研磨して平滑な面を得るには、表面が粗すぎるの
で、研磨の前に、更に精研削を実施して、表面を所要の
粗さまで抑える必要があり、それだけ、プレス成形後の
素材の加工工程が多くなる。また、研削によって、ガラ
ススラッジが大量に発生するので、公害対策上でも、大
きな問題となっている。
【0007】また、第2の従来方法、即ち、溶融ガラス
から直接に光学素子成形用素材を得る方法では、前者の
従来方法に比較して、重量バラツキをかなり抑えること
が可能であるが、溶融ガラスの切断の際に切断痕が生
じ、また、冷却の際のガラスの部分的な収縮(ヒケ)が
生じ、前者と同様に、少なくとも、0.5mm程度の研
削が必要であった。
【0008】また、この場合、ガラスの種類やプレス成
形条件によっては、光学素子成形用素材の表面が平滑に
なって、逆に、所望の形状に磨き上げるための研磨加工
ができないという問題が生じる。そこで、上記素材の形
状を整えるとともに、表面粗さも整える必要から、矢張
り、研削加工が必須の条件となっていた。
【0009】また、第3の従来方法、即ち、第2の従来
方法で得たガラス塊(ブランク)を再加熱する方法で
は、一旦、ガラス塊(ブランク)の表面を加工する手間
暇がかかるばかりでなく、プレス加工が、非酸化性の雰
囲気中での熱間プレス成形となるから、それに耐えるた
めに、装置や型が高価になり、成形時間も長くなる。従
って、この方法は、高価な非球面レンズの製造には適し
ていても、通常の球面レンズなどの低価格対象の光学素
子の製造には、既述の研削・研磨方式に対して、コスト
的に、とても太刀打ちできるものではなかった。
【0010】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、その目的とするところは、光学素子成形用素材に
対して研削・研磨を行って光学素子を製造する際に、研
削、特に、CG(カーブジェネレータ)による光学素子
成形用素材の表面の削り込み、及び、光学素子の概略の
形状出しに必要な研削を排除して、しかも、所要精度の
光学機能面を有する光学素子を、研磨によって得られる
ように、プレス成形の結果として、必要な表面粗さを有
する光学素子成形用素材を製造する方法を提供すること
にある。
【0011】また、本発明の第2の目的とするところ
は、ガラススラッジの発生を回避し、産業廃棄物などの
公害原因を排除し、しかも、光学素子成形用素材の成形
加工時間を大幅に短縮して、生産性を向上した光学素子
成形用素材の製造方法を提供するにある。
【0012】また、本発明の第3の目的とするところ
は、前記目的を達成するための重要な要素であるところ
の、光学素子成形用素材の重量を厳密に制御する方法を
提供することである。
【0013】また、本発明の第4の目的とするところ
は、光学素子成形用素材を溶融ガラスより分離する際
に、光学素子成形用素材の表面近傍に分離による切断痕
を残さずに、精度よく分離させ、更に、流出した溶融ガ
ラスに、巻き込みによる品質の劣化を起こさせない方法
を提供することである。
【0014】また、本発明の第5の目的とするところ
は、このような光学素子成形用素材の製造法によって、
CGによる光学素子成形用素材を得る場合より効率的
に、所要精度の表面を持った光学素子成形用素材を得る
ことである。
【0015】更に、本発明の第6の目的とするところ
は、このような光学素子成形用素材を用いることで、以
後の光学素子の製造に際しての加工を容易にすることで
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明の光学素子成形用素材の製造方法
では、溶融炉で所定温度に溶融された溶融ガラスを流出
ノズルから流出させ、上記ノズル下に配置した受け型で
溶融ガラスを受けて、一定重量の溶融ガラス塊を分離
し、プレス成形に供する光学素子に製造方法において、
一定重量の溶融ガラス塊を得る際に、上記流出ノズルの
温度と、流出ノズルの流出先端と受け型との間の距離の
内の、少なくとも一つを制御すると共に、そのプレス成
形の完成後の成形用素材の、精研削・研磨時の光学機能
面に相当する部分の表面が、Rmax5〜10μmの粗
さになるように処理することを特徴とする。
【0017】この際に、他の制御要素として、流出する
溶融ガラスの流出圧力に関連する溶融炉内の溶融ガラス
液面高さや、上述の流出ノズルの温度に対して付帯的に
影響する流出口近傍の雰囲気温度なども管理することが
望ましい。更に、これら制御のために、流出するガラス
の量、または、流出分離した溶融ガラス塊や、成形され
た光学素子成形用素材そのものの重量を測定して、各制
御要素に対するフィードバック制御を行うことが最適で
ある。
【0018】この場合、上記ノズル下から上記受け型上
へ流出される溶融ガラスの表面張力及び自重によって与
えられる溶融ガラス自体のくびれによって、一定重量の
溶融ガラス塊の分離を行うことができる。これによっ
て、溶融ガラス塊を得る際に、分離される箇所に切断痕
を残さず、表面が平滑で、同時に、流出した溶融ガラス
の巻き込みによる品質の劣化を回避できる。
【0019】また、このために、上記ノズル下における
溶融ガラス自体の分離は、溶融ガラスを、上記流出ノズ
ルの流出口から受け型上に受ける際に、その一定量まで
上記受け型に溜める第1の工程と、上記流出口から流出
して上記受け型上に溜められる溶融ガラスの流下の間で
くびれを生成する第2の工程と、くびれを自重と表面張
力により成長させて、最終的に上記流出口からの流出溶
融ガラスと上記受け型上に形成された溶融ガラス塊とを
分離させる第3の工程とによって、達成されてもよい。
【0020】なお、上記第1〜第3の工程において、上
記受け型を降下し、その降下速度を、0≦第1の工程の
間の下降速度<第2の工程の間の下降速度に、また、第
2の工程の間の下降速度>第3の工程の間の下降速度≧
0に設定してあることが好ましい。
【0021】こうすることにより、分離のための切断刃
を使用する必要がなく、切断痕が残らず、切断の際の気
泡の巻き込みや、ガラス切り粉の発生を回避でき、更に
は、分離の際のガラスの糸引きを生じることがないの
で、これが再度溶融されることでガラス塊内に巻き込ま
れて屈折率の違う状態、即ち、脈理が発生するのを防止
することができる。
【0022】また、上記受け型を多孔質の材料で構成
し、上記流出口から流出した溶融ガラスを上記受け型で
受ける際に、上記受け型の多孔質面からガスを噴出させ
ることで、上記多孔質面に対して上記溶融ガラス塊を非
接触の状態とすると共に、上記非接触状態で上記受け型
に受けらている以外の上記溶融ガラス塊の部分に対し
て、その形状を規制するために、多孔質の材料で構成さ
れた成形型を接近させ、上記成形型の多孔質面からガス
を噴出させることで、非接触状態で成形し、上記溶融ガ
ラス塊の表面近傍の粘度が103〜108dPa・sの
時、上記受け型および成形型のそれぞれの多孔質面を上
記溶融ガラス塊の表面に接触させて、上記多孔質面を転
写させるのがよい。
【0023】あるいは、上記受け型を金属、セラミッ
ク、カーボンの何れかで構成し、その成形面をRmax
5〜20μmに仕上げており、上記流出口から流出した
溶融ガラスを上記受け型の成形面で受けて、一定重量の
溶融ガラス塊を分離すると共に、更に、上記受け型に受
けられている以外の上記溶融ガラス塊の部分に対して、
上記成形面と同様に仕上げられている成形面を持った成
形型を接近し、各成形面を上記溶融ガラス塊の表面に転
写することができる。
【0024】これらの方法で、光学素子成形用素材の表
面を、後の精研削や研磨に適した粗さに加工することが
できる。
【0025】即ち、前者の方法では、一旦、溶融ガラス
を受け型や成形型に非接触状態で、表面粗さを除いた所
望の形状にほぼ等しい形状にして、その後、未だガラス
塊が軟らかい内に、非接触成形に用いた型にガラスを接
触させ、所望形状と、所望表面粗さを得るのである。
【0026】この方法は、流出した溶融ガラスを受ける
受け型や、その後に受け型上の溶融ガラス塊をプレス成
形して所要形状を得るための成形型を、多孔質材料で構
成し、その多孔質の成形面からガスを噴出させて、成形
表面にガス膜を形成し、型表面と溶融ガラス塊とが非接
触状態で、形状について、先ず、成形する。この状態で
は、光学素子成形用素材の表面は、型表面とはガス膜を
介して非接触であるから、非常に平滑で、更に、接触に
よる冷却がないので、温度バランスも良好に保たれるか
ら、部分的な冷却収縮によるヒケなどの表面欠陥が生じ
ない。
【0027】そして、この状態で、表面転写の可能な温
度の内に、多孔質成形面に接触させることで、光学素子
成形用素材の表面に転写を行い、その後の精研削や研磨
に必要な程度の表面粗さを得るのである。
【0028】従って、一旦、全体としての形状を確定し
た後で、表面及びその近傍のみを変形・成形させるの
で、目的に叶った精度のよい光学素子成形用素材を容易
に得ることができるのである。加えるに、この方法で
は、溶融ガラス塊は、非常に高温の状態では、直接に型
表面には接触しないで、或る程度、温度降下した状態
で、始めて、型表面に接触するから、型表面とガラスと
の間で融着を生じることがなく、型の消耗が殆どないか
ら、型の耐久性を飛躍的に増大できる。また、このよう
な特徴から、大気中などの酸化性雰囲気の中でも良好な
成形が可能となる。
【0029】なお、この際の受け型や成形型は、その多
孔質の最大孔径が20μm以下、好ましくは、10μm
以下で、気孔率が10ないし35%であるとよく、ま
た、ガス膜の破れで光学素子成形用素材に傷が付かない
ように、その型表面を、出張りのない平滑な鏡面に加工
するのが望ましい。因みに、多孔質の最大口径をあまり
大きくすると、非接触状態での成形が難しくなり、接触
時の面状態の転写が粗くなりすぎ、目的の粗さが得られ
なくなる傾向がある。この点では、上述の範囲内の粗さ
であれば、同一の粗さの型でも、接触時の温度条件やプ
レス圧力を選ぶことで、任意の粗さを転写させることが
可能となる。
【0030】また、後者の方法では、型表面を、光学素
子成形用素材の所望とする表面粗さよりも粗くしておい
て、それを完全に転写させないように、比較低圧でプレ
ス成形することで、所望の粗さを得る。このように、低
圧でプレス成形することで、型とガラスとの融着をし辛
くすれば、高温の溶融ガラスを成形することが可能とな
ると同時に、型とガラスとの密着力も弱くでき、離型性
が向上するので、生産性が非常によくなる。
【0031】因みに、これを通常のプレス成形のよう
に、型の面粗さをそのまま転写させようとすると、プレ
ス圧力が高くなり、高温の溶融ガラスと型の融着が発生
し、また、型とガラスの密着力が強く、離型し辛くな
り、生産性が大幅に低減し、場合によっては、生産でき
なくなる虞もある。
【0032】この方法を実施する場合には、型の材質
を、その消耗を考慮して、上述のように、セラミックや
金属とすることが好ましく、また、離型性を考慮して、
表面にカーボン膜などの離型膜を施すことも好ましい。
また、短期間で使用する場合、あるいは形状にバラツキ
があってよいような余裕のある場合には、カーボン系の
型材などを選定することも可能である。
【0033】なお、上記受け型および成形型で所望形状
に成形された溶融ガラス塊の表面を、弗酸処理のような
化学的エッチングにより処理するか、あるいは、上記受
け型および成形型で所望形状に成形された溶融ガラス塊
の表面を、サンドブラストのような物理的処理を施すこ
とが好ましい。
【0034】この場合には、処理前の光学素子成形用素
材のブランクには、表層からあまり深いところまで欠陥
があってはならない。特に、光学有効面内に切断痕があ
ってはならないし、更に、ヒケやうねりなどの表面欠陥
を含んだ形状も、プレス成形で成形された最終形状に近
い方が、これらの処理時間の短縮などの目的を達成する
上で有利となる。
【0035】特に、処理時間の短縮、処理後の廃液や廃
材の量の削減、公害対策や加工時間の短縮のためには、
ガラスブランクの表面欠陥の深さを0.1mm以下にす
る必要があり、できれば、表面欠陥が存在せず、形状も
光学素子に最終形状にするために、後処理による除去分
が5〜10μm程度であることが望ましい。
【0036】また、このようなガラスブランクを得るに
は、前述の光学素子成形用素材の製造方法の幾つかを組
み合わせることが有利であり、表面粗さをRmax5〜
10μmとすることができる。
【0037】以上のような製造方法で得られる光学素子
成形用素材は、プレス成形後の精研削を可能とする所要
精度の表面精度に光学機能面を形成するため、上記プレ
ス成形の際に、そのプレス成形の完成後の成形用素材
の、精研削・研磨時の光学機能面に相当する部分の表面
が、Rmax5〜10μmの粗さになるように転写され
る。
【0038】また、この場合、プレス成形型の成形面か
ら転写された成形用素材の表面は、その表面欠陥が、
0.05mm以下であり、また、上記成形用素材の寸法
精度が、精研削時の光学素子の曲率半径および肉厚に対
して、それぞれ、±10μmおよび0.02mmの誤差
範囲になるように、プレス成形される。
【0039】これは、更に、以上のような製造方法で得
られた光学素子成形用素材に対して、精研削する工程お
よび/あるいは研磨する工程を行うことで、光学素子を
製造する上で有利である。因みに、通常、従来の方法で
作られた光学素子成形用素材は先ずカーブジェネレータ
(CG)による研削加工を必要とし、その後、精研削、
研磨を行うので、上記CGの研削加工で、前記素材の表
面欠陥の除去、レンズ曲率および中心肉厚の調整、粗さ
調整などのために、表面を0.5mm程度まで研削する
必要があるが、本発明によれば、上述のCGの研削加工
が省略でき、精研削により、多くても、0.03mm、
研磨で0.01mm以下の加工を行うだけでよい。更
に、場合によっては、精研削なしに、研磨だけで所望の
光学素子を得ることもできる。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、本発明の製造方法を図面を
参照して具体的に説明する。なお、ここで対象とする光
学素子は、両凸レンズであり、直径:φ15mm、ガラ
ス素材の質はsk12であって、上述のように、三段工
程で、シャーレス分離(速度込み)する上、次段で、非
接触+接触のプレス加工、更には、精研削、研磨を行う
ものである。
【0041】図1には、本発明の一実施に際して使用す
るガラス溶融炉の概略が示されており、ここで、符号1
は溶解清澄槽、2は流出槽、3は溶解清澄槽1と流出槽
2を結ぶ連結パイプ、4は流出槽2の下部に取り付けら
れている流出パイプであり、これらのもの1〜4は、全
て、白金または白金合金で作られている。
【0042】また、溶解清澄槽1〜連結パイプ3のまわ
りは、図示のように、耐火レンガで作られた断熱部材5
で覆われており、硝子溶融時の高熱が外部に漏れない様
になっている。また、溶解清澄槽1〜連結パイプ3の間
には、ヒーター(図示せず)が設置されており、流出パ
イプ4は、その上下に電極(図示せず)が取り付けられ
ており、その電極に電流を通すことにより、直接、流出
パイプ4が加熱制御できるようになっており、それぞれ
の機能に適した温度に設定することが出来る様になって
いる。
【0043】流出槽2には、溶融ガラスの均質化のため
に、攪拌ペラ6が設けられており、適当な駆動機構(図
示せず)により、矢印に示す方向に回転されるようにな
っている。また、符号7は、ガラス原料をストックして
おくホッパーであり、ホッパー7の下部には、ガラス原
料を秤量して溶解清澄槽1に供給するためのチャージャ
ー8が設けられている。
【0044】また、符号11と12は、溶解清澄槽1内
の液面レベルを検出するための、それぞれ、固定接針セ
ンサーと可動接針センサーとであり、固定接針センサー
11は、その先端が、図示のように、溶融ガラス31の
中に、十分に浸る状態で、断熱部材5に固定されてい
る。また、可動接針センサー12は、上下駆動メカ14
の駆動シャフト15に、クランプホルダー13を介し
て、取り付けられており、この上下駆動メカ14は、断
熱部材5の上部の架台16に取り付けられている。そし
て、モーター駆動の可動接針センサー12は、その先端
が溶融ガラス31の液面32に対して自由に接離するこ
とができるようになっている。なお、接針センサー11
と12とは、共に白金または白金合金で作られていて、
後者12の先端は、接触した溶融ガラスとの切れを良く
するために、先細りの形状となっている。
【0045】なお、図中、符号19はリニアスケールで
あり、駆動シャフト15の変位を測定することで可動接
針センサー12の位置を検出している。また、符号17
は導通検出器を内蔵した硝子液面レベル制御器であり、
接針センサー11と12の導通の有無を検出するための
リード線21、22と、リニアスケール19からの位置
情報を得るための信号線23と、上下駆動メカ14を駆
動して可動接針センサー12を上下に動かすための動力
線24と、ガラス原料33の供給をチャージャー8に指
示するための制御線25との、それぞれに、つながれて
いる。
【0046】図2は、本発明で用いられる光学素子成形
用素材のための成形装置の概略図であり、ここでは、符
号101が型ユニットであり、受け型102と上型10
3とから成り立っている。更に詳述すると、受け型10
2と上型103とは、それぞれ、受け型部材111と、
上型部材である121と、それらを保持する受け型ホル
ダー112と上型ホルダー122とで構成されている。
【0047】なお、ホルダー112,122には、不活
性ガスなどの流体を受け型部材111、121に、バラ
ンスよく分配・供給するための、圧力室112a、12
2aを備えている。そして、更には、ヒーター113、
123とが、測温手段(図示せず)が埋め込まれてい
て、受け型部材111、ホルダー112と流体の温度を
最終的に調整することができる。
【0048】また、符号111a、121aは、それぞ
れ、光学素子成形用素材の形状を決定する、受け型部材
111および上型部材121の成形面を示している。ま
た、受け型102および上型103には、駆動装置(図
示せず)が、それぞれ、取り付けられており、図に示す
矢印A、Bのように、受け型102、上型103が、そ
れぞれ、独立に上下左右方向に移動出来るようになって
いる。符号134a、134bは、流体の供給パイプで
あり、流体を受け型102、上型103へ供給するよう
になっており、受け型102および上型103と、供給
パイプ134aおよび134bとの間は、ジョイント1
14、124を介して、互いに接続されている。
【0049】次に、前述のシステムを使用して、光学素
子成形用素材の製造に用いるガラスの溶融を、図1につ
いて具体的に説明する。なお、溶融ガラスの原料には、
比重が3.05であり、温度が1200℃の時に、ガラ
ス粘度が101.6 dPa・s、110℃の時に、10
1.8 dPa・s、1000℃の時に、102.2 dPa・
s、890℃の時に1、02.9 dPa・s、610℃の
時に、107.6 dPa・s、498℃の時に1013dP
a・sとなる粘性特性を持ったB2 3 、SiO 2 、B
aO系のガラスを、一旦、ラフメルトしたものを用い
た。
【0050】まず図1において、その温度を、溶解清澄
槽1の一番高いガラスレベルの所で、1300℃、接針
センサー11、12のある、流出槽2に近い所を120
0℃、流出槽2を1100℃とし、更に、流出パイプ4
の先端部のみを1100℃すると共に、流出パイプ4の
全体を950〜1100℃の間で、後工程で必要となる
ガラス量が得られるように、任意に変化させ、流出槽2
の中で攪拌ペラ6を回転させ、攪拌を行って、溶融ガラ
ス31の均質化を図りながら、ガラスを流出させた。こ
の時の流出ガラス34の流量は、60〜150gf/分
であり、ガラス原料33を供給しないと、ガラス液面3
2のレベルは0.2〜0.5mm/分の速度で低下し、
同時に、レベルの低下につれて、流量も減少する状態で
あった。
【0051】次に、接針センサー12の下端が、所定の
液レベルの位置に来るようにした。その後、その位置を
中心に、接針センサー12の先端が、1分間に5回の上
下幅:20mmの振幅を描くように、ガラス液面レベル
制御器17の制御で、上下駆動メカ14を駆動し、接針
センサー12が振幅の最下端にきた時に、その先端がガ
ラス液面32に触れることにで、接針センサー11と1
2との導通が生じる迄、炉の溶融能力近くの供給量で、
ガラス原料33をチャージャー8より供給した。
【0052】その後、接針センサー12の動作をそのま
まとし、その先端がガラス液面32に触れ、接針センサ
ー11と導通するリニアスケール19の位置での計測デ
ーターの読み込みを、ガラス液面レベル制御器17で行
い、導通位置が所定の液面レベル位置より上であった場
合はガラス原料33の供給量をゼロとし、その位置より
下であった場合は、流出パイプ3の供給量を、その位置
と導通位置との距離に応じて、増減するように制御し
た。
【0053】なお、上記のような、ガラス原料33の供
給の制御は、所定の液面レベルの位置や、リニアスケー
ル19のデーターを読み込んだり、導通位置による供給
の量を演算し、供給量を決定したりするプログラムを、
予め、ガラス液面レベル制御器17にインプットしてお
くことにより、全て自動で行った。
【0054】以上のような操作を行って、溶融炉の溶融
ガラスの液面32のレベル変動を調べたところ、流出ガ
ラス34の流出量を、前述の60gf/分から150g
f/分に急激に増加させても、また、逆に急激に減少さ
せても、±1mm以下のレベル変動に収めることがで
き、更に、流出ガラス34の流量を、数gf/分程度に
変化させる、通常の流量調整の操作においては、レベル
変動が±0.2mmに収まるという、非常に良好な結果
が得られた。また、流出ガラス34の流出量は、ガラス
液面32の影響を受けずに、非常に安定したものが得ら
れた。
【0055】次に、このようにして得られた流出ガラス
34から光学素子成形用素材を加工する工程を、図3を
用いて説明する。図3の(a)では、溶融軟化状態の流
出ガラス34を流出パイプ4より受け型102に供給
し、更に、供給された溶融ガラスを流出パイプ4より切
断・分離し、更に、上型103を用いて、プレス成形す
るときの状況が示されている。図3の(b)において、
符号35aは、受け型部材111の成形面111aの上
に供給された切断前の溶融ガラス塊であり、また、符号
34aは切断のための流出ガラス34と切断前の溶融ガ
ラス塊35aの間に形成されるくびれであり、符号35
は、図3の(c)に示すように、成形面111a上に非
接触状態で保持された溶融ガラス塊を表わす。
【0056】なお、ここでの受け型部材111、上型部
材121の材料としては、気孔率が30%であり、最大
穴径が10ミクロンである多孔質カーボンが用いられ、
圧力流体には、型部材111、121の酸化を防ぐため
に、窒素ガスが用いられる。また、表面を所望の形状に
加工した後、更に、多孔質の成形面に出張りなどの欠陥
が無いようにするため、表面を平滑に仕上げた。
【0057】次いで、このように加工した型部材11
1、121を、図2に示すような成形装置に取り付け、
図3の(a)〜(e)に示すような手順で、光学素子成
形用素材36を得た。即ち、前述の方法で用意された溶
融ガラス34を、1200℃の温度に設定された、流出
パイプ4の先端部から流出させると共に、受け型102
を流出パイプ4の直下に保持して、図3の(a)に示す
ように、成形面111a上に所定の容量の溶融ガラスを
受けた後、図3の(b)に示すように、矢印Dの方向
(下方)に受け型102を少し下げ、溶融ガラス34と
受け型102上の溶融ガラス塊35aの間にクビレ34
aを発生させる。
【0058】そして、クビレ34aが、ガラスの自重と
表面張力により自然切断に到るまで待機し(図3の
(c)の状態)、軟化状態の溶融ガラス塊35を得る。
このように溶融ガラス34の切断工程において、最初に
ガラスを受ける時の受け型102の下降速度を0もしく
は微速に設定し、次いで、その速度よりも速い速度で受
け型102を下降させ、クビレ34aを発生させ、更
に、受け型102を一旦停止するか、または、その降下
速度を全段のそれよりも遅くすることにより、クビレ3
4aの部分が冷やされるのを抑制し、自重と表面張力に
より自然に切断されるようにする。このため、切断部に
破断痕が残らずに、溶融ガラス塊35の表面には、成形
上、有害な欠陥が生じることがない。
【0059】また、この時の流体(窒素ガス)の温度
は、溶融ガラスを成形面111aに受ける時、ガラスの
転移点付近の温度に、また、その直後には、それよりも
50〜100℃は高くなるように、ヒーター113の温
度を調整し、更に、窒素ガスの流量も、溶融ガラス34
を成形面111aに受ける直前までは毎分20リッタ
ー、その後は毎分5リッターとなるように、適当な装置
(図示せず)で制御する。このようにすることで、溶融
ガラス34が成形面111aに達する前に、溶融ガラス
34の先端が多少固化し、また、窒素ガスの流量も増え
るために、溶融ガラス34の先端が、全く成形面111
aに接触することなく、その成形面111a上で若干浮
き上がった状態となる。このような状況のために、前記
の切断方法を用いることと併せて、得られた溶融ガラス
塊の表面には、全く欠陥がない。
【0060】また、この工程において、溶融ガラス塊3
5の重量は、流出パイプ4の温度、もしくは、図3の
(a)〜(c)の、切断から次の切断までの時間、また
は、図3におけるLの寸法を、溶融ガラス塊35の重量
を測定した結果に基づき制御することにより、調整する
ことができる。より具体的に説明すると、溶融ガラス塊
35または光学素子成形用素材36の重量を測定し、所
望の重量よりも重い時には、流出パイプ4の温度を下
げ、流出ガラス34の流量を低下したり、受け型部材1
11にて溶融ガラスを受けている時間(成形タクト)を
短くしたりするのである。また、溶融ガラス塊35また
は光学素子成形用素材36の重量を測定し、所望の重量
よりも僅かに重い時には、Lの長さを短くすることによ
り、実質的に流出ガラス34の落下距離を短くして、重
量を減らし、逆に、重量が軽い時には逆の操作を行い、
光学素子成形用素材36の重量を±0.7%以下の変動
幅に収まるように制御するのである。
【0061】次に、受け型102を上型103の直下に
移動し、成形面111aで受けている溶融ガラス塊35
の下面近傍の粘度が106 〜107.5 dPa・s、その
他の表面近傍の粘度が103 〜106 dPa・sであ
り、中心付近が十分に柔らかい内に、成形面111aと
成形面121aとから噴出する窒素ガスを、その流量が
毎分20リッター、ガラスの粘度で106.5 dPa・s
に相当する温度となるように設定し、溶融ガラス塊35
のプレス品である中間ブランク35bが、その中心肉厚
が所望の値より0.1〜0.5mm厚くなるまで、毎秒
5mmの速度で、型ユニット101を閉じるように制御
する。
【0062】次いで、窒素ガスの温度と流量とを、成形
面と中間ブランク35bとの間のガスの膜厚が20ミク
ロン程度となるように、ガラスの粘度で107.6 dPa
・sに相当する温度、および、毎分10リッターの流量
に設定し、成形された中間ブランク35aの中心肉厚が
所望の値にほぼ等しくなるように、型ユニット101に
圧力を加えながら、閉じるのである(図3の(d)を参
照)。
【0063】その直後、中間ブランク35bの表面が、
ガラスの粘度で108 dPa・sとなる前に、ガスの噴
出を止め、型ユニット101を更に閉じ、中間ブランク
35bの表面と成形面111a、121aを互いに接触
させて、成形面を転写して、光学素子成形用素材36を
得るのである(図3の(e)を参照)。
【0064】そして、この光学素子成形用素材36を型
ユニット101の中に入れたまま、光学素子成形用素材
36が、ガラスの粘度で1014dPa・s以上となる相
当温度まで冷却を行い、その後、型ユニット101を開
放して、光学素子成形用素材36を取り出すのである。
【0065】実際に、この成形面111a、121aと
中間ブランク35bとの接触の条件を、種々、テストし
たが、中間ブランク35bの表面の粘度が103 dPa
・s以下の時には、成形面に粘着してしまったり、転写
形状を維持できなかったりして、良好な結果が得られな
かった。また、逆に、中間ブランク35bの表面の粘度
が108 dPa・s以上であると、転写が十分に行われ
ず、良い結果が得られなかった。
【0066】このようにして、できた光学素子成形用素
材を精研削し、表面を25μm程度研削し、更に研磨加
工を行い、表面を5〜10μm程度、除去すると共に平
滑化を行った。その結果として得られた光学素子は、通
常のCG加工をして得られた光学素子と比較し、精度面
や性能面でも、何の遜色の無いものである。また、上記
の方法で得られた光学素子成形用素材の内、精度の良い
ものを選んで、精研削無しで研磨だけを実施し、性能、
その他の評価を行ったところ、前記と同様の良好な結果
が得られた。
【0067】(第2の実施の形態)ここでは、第1の実
施の形態と同様に、ビデオカメラに用いられる凸メニス
カスレンズについて、その直径がφ12である光学レン
ズの成形を行った。なお、流出ガラス34を得るまで
は、第1の実施の形態と同様であるが、用いた型ユニッ
トの型部材は、図4(a)に示す形状のものを用いた。
ここで、符号211、221は第1の実施の形態と同様
に、受け型と上型とであり、符号221aは、成形され
た光学素子成形用素材の、側面を形成する胴型である。
また、型の材質にはSUSを選択し、その成形面をRm
ax15μmに仕上げ、更に、表面に融着防止のために
カーボン皮膜を薄く被せている。
【0068】型材料として、上述のようにSUSを用い
てもよいが、セラミックなどの耐熱性のあるものであれ
ば、特に限定されるものではない。
【0069】而して、第1の実施の形態と同様に、受け
型211を胴型221a内に組み込んだ型を流出パイプ
4の下に保持し、成形面に溶融ガラス34を接触の状態
で受け、溶融ガラス塊35を得た。その後、受け型22
1に上型221を降下して、プレス成形を行い、表面粗
さがRmax8μm程度の光学素子成形用素材236を
得た。この時、プレスは、通常のプレスに比較して圧力
を弱めに、例えば、0.1〜1MPaの圧力として、溶
融ガラス塊のプレス成形を行うのである。これは、この
圧力が高すぎると、型とガラスの融着が発生して、良好
な成形が行えないからである。この時も、型の表面粗さ
について、色々とテストしたが、表面粗さがRmax5
〜20μm程度において良い結果が得られた。
【0070】その後、第1の実施の形態と同様の工程
(精研削、研磨)を経て、光学レンズを得たが、その光
学機能面の精度に良好な結果が得られた。
【0071】(第3の実施の形態)第3の実施の形態と
して、コンパクトカメラに用いる両凸レンズ(直径:φ
18)の成形を行った。ここでは、第1の実施の形態と
同様の構成の型部材を用いて、非接触方式(窒素ガス噴
射)で、光学素子成形用素材を作った。これは、第1の
実施の形態における図3の(d)までの工程で得られる
ものに相当し、その結果、表面の滑らかな、欠陥のな
い、図3の(e)の最終形状とほぼ同形状の、ブランク
を得た。
【0072】このブランクを、弗酸と硝酸などからなる
エッチング液に浸し、表面を荒らし、表面粗さ:5μm
の光学素子成形用素材を得た。その後、この光学素子成
形用素材の表面を研磨加工し、光学レンズを作成したと
ころ、第1の実施の形態と同様の良好な結果が得られ
た。
【0073】(第4の実施の形態)第3の実施の形態と
同様のレンズの作成を行った。ここでは、第3の実施の
形態と同様にしてブランクを得た後で、サンドブラスト
により、表面を10μmほど削り取り、表面粗さ:Rm
ax=10μmである光学素子成形用素材を得た。そし
て、その後、第1の実施の形態と同様の精研削、研磨加
工を行った。結果は、第3の実施の形態と同様に良好で
あった。
【0074】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようになり、研
削によるガラススラッジが殆ど発生せず、環境にやさし
く、また、製造工程も、従来に比較して大幅に簡略化で
きるため、短時間かつ低コストで、しかも、従来と同等
の光学素子を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためのガラス溶
融炉の概略図である。
【図2】本発明で用いられる光学素子成形用素材成形機
の主要部の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態で用いられる工程
(a)〜(e)を表わす図である。
【図4】本発明の別の実施の形態に用いられる型の使用
状態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 溶解清澄槽 2 流出槽 3 連結パイプ 5 断熱部材 6 攪拌ペラ 7 ホッパー 12 可動接針センサー 14 上下駆動メカ 16 架台 17 ガラス液面レベル制御器 19 リニアスケール 31 溶融ガラス 32 ガラス液面 33 ガラス原料 34 流出ガラス 35 溶融ガラス塊 36、236 光学素子成形用素材 101 型ユニット 102、211 受け型 103、221 上型 111 受け型部材 111a 成形面 121 上型部材 121a 成形面 221a 胴型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 裕之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炉で所定温度に溶融された溶融ガラ
    スを流出ノズルから流出させ、上記ノズル下に配置した
    受け型で溶融ガラスを受けて、一定重量の溶融ガラス塊
    を分離し、プレス成形に供する光学素子に製造方法にお
    いて、一定重量の溶融ガラス塊を得る際に、上記流出ノ
    ズルの温度と、流出ノズルの流出先端と受け型との間の
    距離の内の、少なくとも一つを制御すると共に、その後
    の成形過程で、そのプレス成形の完成後の成形用素材
    の、精研削・研磨時の光学機能面に相当する部分の表面
    が、Rmax5〜10μmの粗さになるように処理する
    ことを特徴とする光学素子成形用素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ノズル下から上記受け型上へ流出さ
    れる溶融ガラスの表面張力及び自重によって与えられる
    溶融ガラス自体のくびれによって、一定重量の溶融ガラ
    ス塊の分離を行うことを特徴とする請求項1に記載の光
    学素子成形用素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ノズル下における溶融ガラス自体の
    分離は、溶融ガラスを、上記流出ノズルの流出口から受
    け型上に受ける際に、その一定量まで上記受け型に溜め
    る第1の工程と、上記流出口から流出して上記受け型上
    に溜められる溶融ガラスの流下の間でくびれを生成する
    第2の工程と、くびれを自重と表面張力により成長させ
    て、最終的に上記流出口からの流出溶融ガラスと上記受
    け型上に形成された溶融ガラス塊とを分離させる第3の
    工程とによって、達成されることを特徴とする請求項1
    に記載の光学素子成形用素材の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第1〜第3の工程において、上記受
    け型を降下し、その降下速度を、0≦第1の工程の間の
    下降速度<第2の工程の間の下降速度に、また、第2の
    工程の間の下降速度>第3の工程の間の下降速度≧0に
    設定してあることを特徴とする請求項3に記載の光学素
    子成形用素材の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記受け型を多孔質の材料で構成し、上
    記流出口から流出した溶融ガラスを上記受け型で受ける
    際に、上記受け型の多孔質面からガスを噴出させること
    で、上記多孔質面に対して上記溶融ガラス塊を非接触の
    状態とすると共に、上記非接触状態で上記受け型に受け
    らている以外の上記溶融ガラス塊の部分に対して、その
    形状を規制するために、多孔質の材料で構成された成形
    型を接近させ、上記成形型の多孔質面からガスを噴出さ
    せることで、非接触状態で成形し、上記溶融ガラス塊の
    表面近傍の粘度が103〜108dPa・sの時、上記受
    け型および成形型のそれぞれの多孔質面を上記溶融ガラ
    ス塊の表面に接触させて、上記多孔質面を転写させるこ
    とを特徴とする請求項1あるいは2に記載の光学素子成
    形用素材の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記受け型を金属、セラミック、カーボ
    ンの何れかで構成し、その成形面をRmax5〜20μ
    mに仕上げており、上記流出口から流出した溶融ガラス
    を上記受け型の成形面で受けて、一定重量の溶融ガラス
    塊を分離すると共に、更に、上記受け型に受けられてい
    る以外の上記溶融ガラス塊の部分に対して、上記成形面
    と同様に仕上げられている成形面を持った成形型を接近
    し、各成形面を上記溶融ガラス塊の表面に転写すること
    を特徴とする請求項1あるいは2に記載の光学素子成形
    用素材の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記受け型および成形型で所望形状に成
    形された溶融ガラス塊の表面を、弗酸処理のような化学
    的エッチングにより処理することを特徴とする請求項5
    あるいは6に記載の光学素子成形用素材の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記受け型および成形型で所望形状に成
    形された溶融ガラス塊の表面を、サンドブラストのよう
    な物理的処理を施すことを特徴とする請求項5あるいは
    6に記載の光学素子成形用素材の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の製造方法
    で得られ、プレス成形後の精研削を可能とする所要精度
    の表面精度に光学機能面を形成するための光学素子成形
    用素材であって、上記プレス成形の際に、そのプレス成
    形の完成後の成形用素材の、精研削・研磨時の光学機能
    面に相当する部分の表面が、Rmax5〜10μmの粗
    さになるように転写されたことを特徴とする光学素子成
    形用素材。
  10. 【請求項10】 プレス成形型の成形面から転写された
    成形用素材の表面は、その表面欠陥が、0.05mm以
    下であり、また、上記成形用素材の寸法精度が、精研削
    時の光学素子の曲率半径および肉厚に対して、それぞ
    れ、±10μmおよび0.02mmの誤差範囲になるよ
    うに、プレス成形されたことを特徴とする請求項9に記
    載の光学素子成形用素材。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8の何れかに記載の製造方
    法で得られた光学素子成形用素材に対して、精研削する
    工程および研磨する工程を行うことを特徴とする光学素
    子の製造方法。
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