JP2002128533A - 光学素子用ガラス塊の製造装置、および、そのガラス塊から光学素子を製造する方法 - Google Patents

光学素子用ガラス塊の製造装置、および、そのガラス塊から光学素子を製造する方法

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JP2002128533A JP2000321197A JP2000321197A JP2002128533A JP 2002128533 A JP2002128533 A JP 2002128533A JP 2000321197 A JP2000321197 A JP 2000321197A JP 2000321197 A JP2000321197 A JP 2000321197A JP 2002128533 A JP2002128533 A JP 2002128533A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大気中において高温の状態でも、上下の成形
用型部材の位置調整を可能にし、高精度の成形ガラス塊
を得ることができる光学素子用ガラス塊の製造装置を提
供する。 【解決手段】 光学素子用ガラス塊を成形する製造装置
であって、成形用型の上下型部材3,2の軸芯位置を調
整する機構を具備し、この軸芯位置調整機構が、少なく
とも、一方の型部材の軸芯位置を自在に動かすことがで
きる自在移動機構11と、上下各型部材の軸芯位置を、
所望の範囲内で一致させる位置決め機構とからなり、こ
の位置決め機構が、上下各型部材の位置決め用部材8
に、表面からガスが噴出し得る多孔質の部材を用いてお
り、また、上下各型部材に設けられた位置決め用部材
を、溶融光学ガラス塊1を非接触の状態で各型部材で保
持するように、所望する上下の範囲内で位置決めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子用ガラス
塊の製造装置、および、そのガラス塊から光学素子を製
造する方法に関する。特に、成形による光学素子用ガラ
ス塊の製造装置、および、そのガラス塊から光学素子を
製造する方法(例えば、研削研磨による一般の光学素子
の製造方法、あるいは、そのガラス塊を加熱軟化して、
プレス成形することで光学素子を得る製造方法)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、非球面レンズを安価に製造する技
術として、プレス成形によりガラス光学素子を得る方法
が提唱され、その具体的な技術が急速に発展している。
この成形用素材は、最終的な光学素子として有効に機能
するため、その表面が滑らかな必要がある。そこで、当
初は研磨加工して作ったガラス塊を用いていたが、近年
では、そのコストダウンのために、溶融ガラス流から直
接得られた、表面が滑らかなガラス塊を、成形用素材と
して用いる技術が提唱された。
【0003】しかしながら、この溶融ガラス流から得ら
れるガラス塊は、その形状が球形状に近いため、その後
のプレス成形で、光学素子としての必要な形状に成形す
るまでに、大きな変形量が必要となり、成形に時間が掛
かるだけでなく、成形用型にも大きな負担が加わる。そ
のため、最近では、溶融ガラス塊を多孔質の型を用いて
非接触状態でプレス成形して、成形光学素子形状に近似
した形状の成形用素材であるガラス塊を得る技術が展開
されている。
【0004】一方、従来から行われている研削・研磨加
工により光学素子を得る工程において用いられる、加工
用素材としての成形ガラス塊も、溶融ガラス塊を一対の
金属の成形用型部材でプレス成形して得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、以下に示すような欠点があった。例えば、研
削・研磨加工用素材としての成形ガラス塊を得るため
に、溶融ガラス塊を一対の金属の成形用型部材でプレス
成形する時、従来のプレス成形装置には、上型部材と下
型部材との位置を調整する機構が備えられていないの
で、プレス成形を行った場合、成形品の上下面の軸精度
が満足できる程度に高めることができない。
【0006】このように、従来、上下型部材の位置調整
を行わなかった理由として、以下の2点がある。1点目
として、適当な位置調整機構がなかった点が挙げられ
る。即ち、このように、溶融ガラス流から溶融ガラス塊
を得て、これをプレス成形して成形ガラス塊を得る工程
は、一般に大気中で行われる。そして、この成形に用い
る成形用型は、溶融ガラス塊の温度に合わせて、高温に
保たれている。従って、このような上下一対の成形用型
部材の位置調整に、従来から知られているピンによる位
置調整機構、即ち、先端がテーパ形状の位置決めピン
(型部材の一方)を位置決め穴(型部材の他方)に挿入
する方法を適用すると、大気中で、しかも、高温の状態
であるので、ピンがかじりを生じ易く(熱膨張差、組
立、製作誤差などが原因として挙げられる)、実際に
は、位置決めすることが、ほとんど不可能であった。
【0007】2点目として、高精度に位置決めする必要
がなかった点がある。即ち、従来、研削・研磨加工を施
す前提で、成形されるガラス塊を得た場合には、その表
面に離型材などの異物や、シャーマークと呼ばれる微細
な泡からなる切断痕などの欠陥があるので、その表面を
0.5mm程度、研削加工により除去していた。そのた
め、この加工除去量を考慮して、敢えて高精度の位置決
めは、必要とされていなかった。
【0008】しかしながら、溶融ガラス塊をプレス成形
して得たガラス塊を、そのまま、光学素子成形用素材と
して用いる場合には、高精度に位置決めをした上下一対
の型部材で、溶融ガラス塊をプレス成形する必要があ
る。なぜならば、その成形ガラス塊を成形用素材として
用いる場合、その表面を除去加工しないので、成形ガラ
ス塊の形状が、最終の光学素子の所望形状に近似するよ
うに成形されていないと、所望する高精度の光学素子を
得ることが困難になる。
【0009】また、高精度に位置決めされた上下一対の
成形用型部材でプレス成形された成形ガラス塊を、研削
および研磨による光学素子製造用素材として用いれば、
研削屑(スラッジ)の発生量を抑制することができる。
【0010】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、その第1の目的とするところは、大気中において
高温の状態でも、上下の成形用型部材の位置調整を可能
にし、高精度の成形ガラス塊を得ることができる光学素
子用ガラス塊の製造装置を提供することである。
【0011】また、本発明の第2の目的とするところ
は、上述のように、高精度に位置決めされた上下一対の
成形用型部材でプレス成形された成形ガラス塊を、研削
および研磨による光学素子製造用素材として用いること
で、研削屑(スラッジ)の発生量を大幅に抑制すること
ができる光学素子の製造方法を提供することである。
【0012】更に、本発明の第3の目的とするところ
は、上述のように、高精度に位置決めされた上下一対の
成形用型部材でプレス成形された成形ガラス塊を、プレ
ス成形により光学素子を得る素材として用いることで、
研削・研磨を必要としない光学素子の製造方法を提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、溶融光学ガラス塊を、上下一対の成形
用型部材を有する成形用型でプレス成形して、光学素子
用ガラス塊を成形する製造装置であって、前記成形用型
の上下型部材の軸芯位置を調整する機構を具備し、この
軸芯位置調整機構が、少なくとも、一方の型部材の軸芯
位置を自在に動かすことができる自在移動機構と、上下
各型部材の軸芯位置を、所望の範囲内で一致させる位置
決め機構とからなり、この位置決め機構が、上下各型部
材の少なくとも一方の位置決め用部材に、表面からガス
が噴出し得る多孔質の部材を用いており、また、上下各
型部材に設けられた位置決め用部材を用いて、上下各型
部材の位置決めを行なうに際し、多孔質の位置決め部材
からガスが噴出させ、上下一対の位置決め用部材を互い
に非接触の状態で、上下型部材の位置決めを行い、上下
型部材が所望の範囲で位置決めされた状態で、上下一対
の成形用型部材で溶融光学ガラス塊をプレス成形するこ
とを特徴とする。
【0014】このような構成では、表面からガスを噴出
することができる多孔質の部材を、上下各型部材の少な
くとも一方の位置決め用部材として用いることで、この
上下型部材を接近させると、仮に、上下型部材が相対的
に横方向にずれている場合、位置決め機構としての、こ
れら上下型部材の位置決め部材が、互いに非接触の状態
のまま、位置決めを行い、それに伴い、型部材を自在に
動かす自在移動機構により、上下型部材の位置が所望す
る範囲内に調整される。
【0015】即ち、上下型部材の位置がずれ、非接触状
態の位置決め部材が所望した距離より近接した状態であ
ると、この部分からのガスの流出量が小さくなり、ベル
ヌイの定理により、その部分のガスの圧力が高まり、こ
のガス圧により、上下型部材の位置ずれが補正される。
その結果、このように上下型部材の位置調整をした後、
溶融ガラス塊をガラス成形することで、高精度の光学素
子用ガラス塊(成形ガラス塊)を得ることができる。
【0016】また、このような位置決めは、上下型部材
の各位置決め部材が、互いに非接触の状態で行われるか
ら、大気中の雰囲気で、高温の状態でも、これらの位置
決め部材が相互にかじることなく、正確に位置決めが行
われる。
【0017】この場合、本発明の実施の形態として、多
孔質の位置決め用部材が、その内部に、ガス噴射方向別
に、複数のガス供給室を設置しており、これらの各ガス
供給室から多孔質の部材の表面にガスを噴出させて、上
下一対の位置決め用部材を互いに非接触の状態で、上下
型部材の位置決めを行なうことは有効である。
【0018】このように、多孔質の部材からなる位置決
め用部材が、その内部にその方向別に複数のガス供給室
を設置することにより、非接触位置決め作用がより強ま
る。即ち、仮に、多孔質の部材からなる位置決め用部材
の内部に、単一のガス供給室からなる場合、上下型の位
置がずれ、非接触位置決め部材が所望した距離より近接
した状態でも、ガスが反対側に逃げ、その近接部でガス
圧力が大きくならず、上下型部材の位置ずれが補正され
ない畏れがある。その点、上述のように、多孔質の部材
からなる位置決め用部材の内部に、その方向別に複数の
ガス供給室を設置した場合、上下型部材の位置がずれ、
非接触位置決め部材が所望した距離より近接した場合、
この近接した箇所に対応するガス供給がなされるので、
より詳細に正確な位置決めができるのである。
【0019】また、位置決め機構を用いて、上下型部材
の位置決めをした後、上下型部材で溶融光学ガラス塊を
プレス成形して、光学素子用ガラス塊を製造すること、
あるいは、位置決め機構を用いて、上下型部材の位置決
めをしながら、上下型部材で溶融光学ガラス塊をプレス
成形して、光学素子用ガラス塊を製造することは、その
好ましい実施の形態として、選択される。
【0020】更に、本発明の実施の形態として、上述の
光学素子用ガラス塊の製造装置において、上下一対の型
部材が多孔質の素材からなり、この型部材の成形面から
ガスが噴出している状態で、溶融光学ガラス塊を前記成
形面に非接触の状態で、プレス成形して、光学素子用ガ
ラス塊を製造することは、有効である。
【0021】このような構成では、溶融光学ガラス塊
を、型部材の成形面に非接触な状態で、プレス成形する
ので、得られた成形ガラス塊の成形面は、非常に滑らか
である。即ち、このようにして得られた成形ガラス塊
は、上下型部材の間の位置決めが、上下型部材について
の各位置決め部材が互いに非接触の状態で行われ、高精
度であり、同時に、そのプレス成形面が、非常に滑らか
であるから、光学素子を製造するための素材として大変
に適している。
【0022】また、本発明では、上述の光学素子用ガラ
ス塊の製造装置で得られたガラス塊の表層を、研磨加
工、または、研削加工および研磨加工により除去し、所
要の表面精度を有する光学素子を得ることを特徴とす
る。
【0023】このような構成では、研削研磨加工による
加工除去量を削減できるので、この成形ガラス塊は、従
来の研削・研磨加工により光学素子を製造する場合の素
材としても大変に適している。
【0024】更に、本発明では、上述の光学素子用ガラ
ス塊の製造装置で得られたガラス塊を加熱軟化し、この
軟化状態のガラス塊を、一対の型部材からなる成形用型
でプレス成形し、成形品としての光学素子を得ることを
特徴とする。
【0025】この場合、得られた成形ガラス塊は、その
上下面の軸精度が良好であり、また、その成形面も、最
終的な光学素子に近い所望の形状に成形されている。従
って、この成形ガラス塊を、光学素子製造用素材とし
て、軟化状態でプレス成形して、光学素子を得る場合、
そのプレス代が少なくても、所望する形状の光学素子
を、高精度で容易に得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明に係
わる第1の実施の形態では、非接触の位置決め機構を用
いて、上下型部材の位置決めをした後、多孔質の上下型
部材により、溶融ガラス塊を非接触の状態でプレス成形
して、光学素子用ガラス塊(成形ガラス塊=プレフォー
ム)を得て、さらに、この成形ガラス塊をプレス成形し
て、光学素子を得る事例について説明する。
【0027】ここで、非接触の位置決め機構は、位置決
めピンとピン穴とから構成されており、ピン穴の形成個
所が多孔質材料で作られており、ガスが噴出している状
態のピン穴に、位置決めピンを挿入し、ピンとピン穴
を、ガス膜を介して、非接触の状態で位置決めしてい
る。
【0028】図1は、この実施の形態で用いた上下型部
材を含むプレス成形装置の部分構成を説明するための断
面図である。図1には、多孔質材からなる上下一対の成
形用型部材、および、上型部材を自在に動かすことがで
きる自在移動機構と、上下型部材の位置を一致させる位
置決め機構とからなる位置調整機構が開示されている。
また、図2は、この実施の形態における位置決め機構
の、多孔質材からなるピン穴の形成個所の構造を説明す
るための平面断面図である。
【0029】図1において、符号1は溶融ガラス塊、2
は多孔質の下型部材、3は多孔質の上型部材、4は下型
部材2を保持する下型保持ブロック、5は上型部材3を
保持するための上型保持ブロック、6は下型部材2の背
面に設けられた下型ガス供給室、7は上型部材3の背面
に設けられた上型ガス供給室、8はピン穴を形成するた
め、下型保持ブロック4の内部に設けられた、多孔質の
材料からなるスリーブ、9は多孔質スリーブ8の背面に
設けられたピン穴ガス供給室、10は上型保持ブロック
5に設けられ、ピン穴に挿入される位置決めピンであ
る。
【0030】符号11は上型部材3を自在に動かすため
の自在移動機構であり、12は上型部材を動かすための
上軸である。また、符号13は、自在移動機構11と上
型保持ブロック5とを横方向に自在に動かすためのボー
ルであり、14は、自在移動機構11と上軸12を角度
方向に自在に動かすためのボール継手であり、また、1
5は下型を動かすための下軸である。
【0031】図2は、上述のピン穴ガス供給室9を開示
しており、ここでは、ピン穴ガス供給室9は12個に分
割されている。なお、符号16はピン穴ガス供給室9を
分割するための隔壁である。
【0032】次に、この実施の形態における装置の動作
を説明する。まず、上記構成からなる多孔質の下型部材
2の上に、非接触状態で、溶融ガラス塊1を受ける。即
ち、下型ガス供給室6には、ガス供給管(図示せず)が
接続されており、ここから高圧の窒素ガスが供給され、
多孔質の下型部材2の表面から噴出されている。
【0033】この状態の下型部材2を、溶融された光学
ガラスを、液滴状に流出している溶融ガラス流出口(図
示せず)の直下に設置する。そして、多孔質の下型部材
2の上に溶融ガラスを降下し、下型部材に対して非接触
の状態で、受けた後、この下型部材2を所定距離、下降
させる。すると、溶融ガラスは、括れて、自然切断され
る。このようにして、窒素ガスが噴出している状態の、
多孔質の下型部材2の上に、非接触の状態で、所要重量
の溶融ガラス塊1を得る。この溶融ガラス塊1は、その
上下面とも自由表面からなっており、表面が滑らかであ
る。
【0034】続いて、この溶融ガラス塊1を受けた状態
の下型部材2と、上型部材3との位置を、ピン穴を形成
する多孔質スリーブ8とピン10との嵌合動作(以下に
詳述するが)で、位置決めを行う。
【0035】上述の、ピン穴を形成する多孔質スリーブ
8には、図2に示すように、その外周部に設置されたピ
ン穴ガス供給室9が、隔壁16により、12個に分割さ
れている。そして、これらの12個のピン穴ガス供給室
9には、各々別のガス供給管(図示せず)が接続されて
おり、窒素ガスを供給している。即ち、この多孔質のピ
ン穴8の内部には、各々、12個のピン穴ガス供給室9
から窒素ガスが噴出している。
【0036】このように、多孔質のピン穴8からガスが
噴出している状態で、下型部材2を上型部材3の下方の
位置へ移動させた後、上型部材3を下降させ、下型部材
2と上型部材3を接近させ始める。しかし、上型保持ブ
ロック5に設けられたピン10の先端、および、多孔質
のピン穴8の入口は、共にテーパ形状に作られているの
で、下型部材2と上型部材3との位置がずれている場合
でも、このテーパ部に倣って、下型部材2と上型部材3
の位置決めが行われる。
【0037】これは、ピン穴8からガスが噴出している
ので、ピン穴8とピン10との位置がずれている場合、
ピン10とピン穴8とが接近している部位で、ガス膜が
薄くなり、ガスの圧力が高まり、ピン10が押し戻さ
れ、所望する正規の位置へと位置決めされるのであり、
この時、ピン10とピン穴8とは、ガス圧により、非接
触の状態に保たれ、接触によるかじりがない。特に、こ
の実施の形態では、ピン穴ガス供給室9が、その角度方
向に12分割されているので、ピン10とピン穴8が接
近している部分で、ガス圧が逃げることなく、より正確
に、その方向でガス圧が高まるので、非接触での位置決
めが確実に行われる。
【0038】なお、このようにピン10とピン穴8との
間で、非接触で位置決めが行われる時、上型保持ブロッ
ク5と上軸12とは、横方向に相対的に移動するが、こ
の実施の形態では、自在移動機構11と上型保持ブロッ
ク5との間の、横方向の移動を、その間に設けられたボ
ール13により行っている。また、自在機構11と上軸
12との間の、回転角度方向の移動を、その間に設けら
れたボール継手14により行っている。このような構成
の自在移動機構11を介することにより、ピン10とピ
ン穴8との間の非接触位置決めを、確実に、且つ、容易
に行うことができる。
【0039】続いて、下型部材2と上型部材3との接近
を更に続けて、溶融ガラス塊1のプレス成形を開始す
る。この時、ピン10とピン穴8との間は、非接触の状
態で位置決めされているので、下型部材2と上型部材3
とは、所望する位置精度に保たれている。この状態で、
下型部材2と上型部材3との接近が継続されるが、この
時、上型ガス供給室7にはガス供給管(図示せず)が接
続されていて、ここから供給された高圧の窒素ガスが、
多孔質の上型部材3の表面から噴出しており、一方、下
型部材2の表面からも窒素ガスが噴出しており、従っ
て、溶融ガラス塊1は、下型部材2の上に非接触の状態
で保持されている。
【0040】この状態で、さらに上下型部材の接近を続
けると、溶融ガラス塊1の上部に、上型部材3が薄いガ
ス膜を介して、近接した状態になり、さらに、上下型部
材の接近が進むと、溶融ガラス塊1は、上下型部材の表
面から噴出しているガスの圧力で、成形面と非接触の状
態に保たれたまま、成形面の形状に倣って、変形が進行
される。
【0041】さらに、上下型部材の接近を進め、最終的
に押し切ることにより、所望とする形状の成形ガラス塊
を得ることができる。特に、押し切った後、一度、成形
用型部材の温度、または、型部材の表面から噴出してい
るガスの温度を高くした後、この成形ガラス塊の内部に
おける、不均一な温度分布が生じないように、冷却し、
その後、型開きし、成形ガラス塊を取り出すと、特に、
成形面形状の精度の良い成形ガラス塊を得ることができ
る。
【0042】このようにして、特に、最終成形の光学素
子の形状に近似する、成形面形状の精度のよい成形ガラ
ス塊を得ることができる。続いて、この実施の形態で
は、このようにして得られた成形ガラス塊を、それが軟
化している状態で、上下一対の成形用型部材で、プレス
成形して、成形光学素子を得る。
【0043】次いで、この実施の形態を具体的な形で説
明する。ここでは、多孔質の下型部材2として、気孔
率:25%、平均孔径:10μmの多孔質カーボンを用
いた。下型部材2の成形面は、その直径が15mm、曲
率半径が20mmの凹球面である。上型部材3も、同一
の多孔質カーボンで製作し、その成形面は、その直径が
15mm、曲率半径が30mmの凸球面である。
【0044】下型保持ブロック4および上型保持ブロッ
ク5は、ステンレスで製作した。なお、これらの保持ブ
ロックの中には、加熱用ヒータ(図示せず)が設置され
ている。また、下型ガス供給室6および上型ガス供給室
7にガスを供給するガス供給管(図示せず)の内部に
は、白金ヒータからなる高温ガス供給装置(図示せず)
が設置されおり、所望の温度に加熱された高温のガス
を、各々のガス供給室に供給することができる。
【0045】多孔質のピン穴を形成するスリーブ8は、
気孔率:30%、平均孔径:15μmの多孔質カーボン
で製作した。このピン穴の内径は4.00mmである。
一方、上型保持ブロック5に設置されたピン10は、鋳
鉄で製作し、その外径は3.95mmである。また、こ
れらのピン10の先端、および、ピン穴8の入口は、各
々1mmの面取りがされ、テーパ形状(例えば、テーパ
ー角:30度)になっている。
【0046】自在移動機構11は、ステンレスで作られ
ており、その内部に設けられるボール13はアルミナを
研磨して作ったボールベアリング用のボールであり、自
在移動機構11と上型保持ブロック5とは、横方向に滑
らかに動くことができる。
【0047】この実施の形態では、成形ガラス塊を得る
ために、SK12相当の光学ガラスを用いた。このガラ
ス原料を、白金製のガラス溶融るつぼ(図示せず)の中
に入れ、1200℃まで加熱・溶融した。そして、この
溶融ガラスを、るつぼ(図示せず)の下部に設けた溶融
ガラス流出パイプ(図示せず)から液滴状に流出した。
この時、溶融ガラス流出パイプは1000℃に保たれて
おり、溶融ガラス流出口からは、1000℃の溶融ガラ
スが液滴状に流出している。
【0048】一方、下型保持ブロック4は、内蔵するヒ
ータ(図示せず)で500℃に加熱された。また、ガス
供給管(図示せず)に設けられた高温ガス供給装置(図
示せず)により、窒素ガスを500℃に加熱し、この高
温ガスを毎分5Lの流量で、多孔質の下型部材2から噴
出させている。この状態の多孔質の下型部材2を、溶融
ガラス流出口(図示せず)の直下10mmの位置に設置
し、この多孔質の下型部材2の上に、噴出ガスにより非
接触の状態に保ったままで、溶融ガラスを受け始めた。
そして、この状態で10秒経過したとき、この多孔質の
下型部材2を下方へ20mm下げると、溶融ガラス流は
括れ、直ちに、自然切断され、この多孔質の下型部材2
の上に、非接触状態で、所望する重量である1.5gの
溶融ガラスが得られた。続いて、この溶融ガラス塊1
を、下型部材2の上に非接触状態で浮上保持したまま、
多孔質の下型部材2を、多孔質の上型部材3の下に移動
した。
【0049】この際、上型保持ブロック5は、内蔵する
ヒータ(図示せず)で500℃に加熱されている。ま
た、ガス供給管(図示せず)に設けられた高温ガス供給
装置(図示せず)により、窒素ガスが500℃に加熱さ
れていて、この高温ガスを毎分2Lの流量で、多孔質の
下型2から噴出している。
【0050】また、多孔質部材からなるピン穴8の背面
に12個設けられたガス供給室9には、各々、毎分1.
0Lの流量の窒素ガスが供給された。その結果、非接触
状態で位置決めを行うピン穴を形成する多孔質部材8の
表面から、毎分12Lの流量の窒素ガスが噴出してい
る。
【0051】そして、溶融ガラス塊1を非接触状態で浮
上保持している状態の多孔質の下型部材2が、多孔質の
上型部材3の下に移動した後、多孔質の上型部材3の下
降を開始した。多孔質の上型部材3に自在移動機構11
を介して接続されている上軸12は、それを駆動するN
C(数値制御)駆動装置(図示せず)により、その速度
を制御されつつ下降した。
【0052】当初の位置から20mm下降させた所で、
上型保持ブロック5に設けられた位置決めピン10が、
下型保持ブロック4に設けられた多孔質のピン穴8の中
に入り始めた。ここで、多孔質の上型部材3の下降速度
を毎秒1mmにした。そして、5秒後には、多孔質のピ
ン穴8と位置決めピン10による、非接触での位置決め
が完了した。この時、多孔質のピン穴8から噴出してい
るガスの流量を、毎分12Lから毎分3Lに減じた。
【0053】その状態で、さらに上型部材3を下降させ
ると、5秒後に、多孔質の上型部材3がガス膜を介して
溶融ガラス塊10の上部に近接し、多孔質の上型部材3
および下型部材2と非接触の状態で、溶融ガラス塊10
の成形が開始される。なお、この時の溶融ガラス塊10
の温度は800℃であった。
【0054】この状態で、さらに7秒経過すると、上型
部材3と下型部材2が押し切り、互いの型部材が接触
し、ガラス塊に対して非接触状態での成形が完了した。
その後、この状態に保ったまま、多孔質の上型部材3お
よび下型部材2から噴出している窒素ガスの流量を、各
々毎分0.3Lに減じた。また、同時に、下型保持ブロ
ック4および上型保持ブロック5の内部に、各々設置さ
れている加熱用ヒータ(図示せず)と、上下の型のガス
供給室にガスを供給するガス供給管(図示せず)の内部
に設置されている高温ガス供給装置(図示せず)の白金
ヒータとを加熱し、各々の型保持ブロックを700℃に
加熱すると同時に、各々の多孔質の型部材から噴出して
いる窒素ガスの温度も700℃に加熱した。その後、こ
れらの温度を毎分80℃で低減し、300℃まで成形ガ
ラス塊を冷却したとき、これらの上下型部材を開き、成
形ガラス塊を取り出した。
【0055】このように、溶融ガラス塊10を押し切っ
た後、型保持ブロックおよび窒素ガスを、その温度が7
00℃になるまで、加熱した後、冷却しているのは、冷
却中の成形ガラス塊の内部での温度分布のバラ付きを小
さくするためである。
【0056】このようにして得られた成形ガラス塊は、
大変に精度が良好であった。即ち、この成形ガラス塊の
上下面の位置ずれは、50μm以下であった。また、上
下面の角度ずれは、10′以下であった。また、成形面
の形状は、最終の光学素子の成形で所望する形状に対し
て、10μm以内のウネリを有する形状であり、その表
面は、型部材の成形面と接触しておらず、自由表面から
なっているので、大変滑らかであった。
【0057】続いて、このようにして得られた高精度の
成形ガラス塊を、成形用型でプレス成形して、最終的な
成形光学素子を得た。なお、ここで用いた成形用型は、
超硬合金からなっており、その成形面は研磨加工されて
おり、その上に、離型作用を有するカーボン膜が形成さ
れている。この実施の形態では、成形用下型部材の成形
面は曲率半径:22mmの凹球面であり、成形用上型部
材の成形面は曲率半径:32mmの凸球面である。な
お、ここでは、得られた成形ガラス塊の中心厚が3.3
mmであり、所望する成形光学素子の中心厚が3.0m
mである。
【0058】本発明の1つの実施形態として、上述の成
形ガラス塊(プレフォーム)を、この上下一対の成形用
型部材の間に挿入した後、この成形用型部材を530℃
まで加熱し、この成形ガラス塊を軟化させた後、300
0Nのプレス力を加えて、プレス成形したところ、5秒
でプレス成形を完了し、成形光学素子を得た。その状態
で400℃まで冷却した後、上下の成形用型部材を開
き、成形光学素子を取り出した。なお、成形用型部材の
成形面に形成された、離型作用を有するカーボン膜は、
5000ショットを経ても、剥離することはなかった。
【0059】この実施の形態での特有の効果として、以
下の点を挙げることができる。まず、成形ガラス塊の形
状精度が高く、表面も滑らかなので、高精度・高品質の
成形光学素子を得ることができる。また、成形ガラス塊
の形状を、成形光学素子の形状に近似させることによ
り、プレス時間を短縮することができる。また、成形用
型部材への負荷も少なくなるため、型の寿命を長くする
ことができる。特に、成形型の成形面(表面)に付けら
れる保護膜や離型膜の寿命を長くすることが可能にな
る。
【0060】(第2の実施の形態)第2の実施の形態で
は、第1の実施の形態とほぼ同様の構成の装置を用いな
がら、さらに、高精度の位置決めを可能にする場合を説
明する。即ち、位置決めピンとピン穴のと構成を変え
て、第1の実施の形態よりも高精度の位置決めを可能に
する事例を説明する。なお、ここでは、このようにして
得られた成形ガラス塊の成形面を研磨して、光学素子を
得る場合を挙げる。
【0061】図3は、この実施の形態での位置決めピン
とピン穴との構成を説明する断面図である。なお、ここ
での製造装置の構成において、図3に示す位置決めピン
およびピン穴の部分以外の構成は、図1に示す装置の構
成と同一である。
【0062】図3において、符号4および5は、図1と
同一な下型保持ブロックおよび上型保持ブロックであ
り、17は上型保持ブロック5に設けられた多孔質材料
からなる位置決めピンであり、18は多孔質の位置決め
ピン17の内部に設けられたガス供給室であり、19は
下型保持ブロック4に設けられたピン穴の内部に設けら
れた多孔質材料からなる可動式の位置決めピンであり、
20は多孔質の可動式位置決めピンの内部に設けられた
ガス供給室であり、また、21は多孔質の可動式位置決
めピン19を下型保持ブロック4の所定の位置に固定す
るためのバネ部材である。
【0063】この実施の形態での動作は、第1の実施形
態の場合とほぼ同様である。ただし、多孔質の位置決め
ピンを用いて、非接触の状態で、位置決めピンとピン穴
の位置決めを行い、プレス成形をして行く時点での位置
決めピンの動作は異なる。その様子を以下に説明する。
【0064】この実施の形態においては、上型保持ブロ
ック5に設けられた多孔質の位置決めピン17の先端
は、テーパ形状に形成されている。そして、それに対応
する、下型保持ブロック4の位置決め穴の中に設けられ
た多孔質の可動式位置決めピン19の先端部は、位置決
めピン17の先端テーパ形状に対応する形状に形成され
ている。また、この多孔質の位置決めピン19は、その
背部に設けられたバネ部材21により、上方に持ち上げ
られ、下型保持ブロック4に接触し、所定の位置にあ
る。
【0065】そして、溶融ガラス塊をプレス成形するた
めに、上型部材と下型部材とを接近させると、図3に示
すように、上型保持ブロック5に設けられた多孔質の位
置決めピン17と、下型保持ブロック4の位置決め穴の
中に設けられた位置決めピン19との間で、非接触の状
態で、位置決めが行われる。この時、多孔質の位置決め
ピン17の内部に設けられたガス供給室18には高圧の
ガスが供給され、このガスが多孔質の位置決めピン17
の先端にあるテーパ部から噴出している。この噴出ガス
の発生圧力により、多孔質の位置決めピン17と可動式
の位置決めピン19との間で、非接触の状態で位置決め
が行われる。
【0066】このようにして、多孔質の位置決めピン1
7と可動式の位置決めピン19との間で、非接触の状態
で、位置決めが完了した状態を図4に示す。なお、図4
では、バネ部材21は省略されている。
【0067】この後、さらに上型部材と下型部材が接近
すると、図5に示すように、多孔質の位置決めピン17
と可動式の位置決めピン19とは、位置決めされた状態
を保ったまま、可動式の位置決めピン19が、下型保持
ブロック4に設けられたピン穴の中を下降して行く。こ
の時、この可動式の位置決めピン19は、多孔質材で作
られており、その中に設けられたガス供給室20には高
圧のガスが供給されており、このガスが、この可動式の
位置決めピン19の側面から噴出している状態である。
即ち、この可動式の位置決めピン19は、噴出ガスによ
り、下型保持ブロック4に設けられたピン穴と非接触の
状態のまま、下降して行く。このとき、バネ部材21は
縮んでいる。
【0068】そして、第1の実施の形態と同様に、溶融
ガラス塊を、多孔質の成形用型部材を用いて、非接触の
状態で、プレス成形し、成形ガラス塊を得るのである。
続いて、このようにして得られた高精度の成形ガラス塊
の成形面を、ここでは、特に研磨加工して、所要の光学
素子を得る。
【0069】以下、この実施の形態を、より具体的な事
例で説明する。なお、ここでは、多孔質の位置決めピン
17、多孔質の可動式の位置決めピン19、下型保持ブ
ロック4に設けられたピン穴、およびバネ部材21以外
の部分は、第1の実施の形態と同一であるから、その説
明を省略する。
【0070】ここで用いた多孔質の位置決めピン17
は、気孔率:30%、平均孔径:20μmの多孔質のス
テンレス材で作られており、その直径は4.0mmであ
り、その先端部は45°のテーパ形状に加工されてい
る。また、この多孔質の位置決めピン17の先端内部に
は、ガス供給室18が設けられているが、ここでは、こ
のガス供給室18は、位置決めピン17の周方向に、互
いに独立した4個のガス供給室の形で設置されている。
そして、これらの各々のガス供給室18には、各々独立
したガス供給管(図示せず)により、高圧の窒素ガスが
供給されている。
【0071】また、ここで用いた多孔質の可動式位置決
めピン19は、気孔率:30%、平均孔径:15μmの
多孔質のカーボンで作られており、その直径は4.98
mmであり、その先端部は、位置決めピン17の先端部
に一致するように、45°のテーパ形状に加工されてい
る。また、この多孔質の可動式位置決めピン19の内部
には、1つのガス供給室20が設けられており、このガ
ス供給室20には、ガス供給管(図示せず)により、高
圧の窒素ガスが供給されている。
【0072】また、下型保持ブロック4はステンレス材
で作られており、そこに設けられたピン穴は直径:5.
0mmである。また、可動式位置決めピン19を押し上
げるバネ部材21として、ジルコニアで作られた、バネ
定数100N/mmのバネを用いた。
【0073】このような構成からなる、位置決めピン1
7、可動式位置決めピン19およびピン穴を、第1の実
施の形態と同様に、図1に示すように、多孔質の成形型
の周囲に配置した。なお、ここでは、先の実施形態と同
様に、ガラス素材にSK12相当の光学ガラスを用い
た。このガラス原料を溶融し、その溶融ガラスを溶融ガ
ラス流出パイプ(図示せず)から液滴状に流出した。こ
の時、溶融ガラス流出パイプは1000℃に保たれてお
り、溶融ガラス流出口からは1000℃の溶融ガラスが
液滴状に流出される。
【0074】下型保持ブロック4を、内蔵するヒータ
(図示せず)で500℃に加熱した。また、ガス供給管
(図示せず)に設けられた高温ガス供給装置(図示せ
ず)により、窒素ガスを500℃に加熱し、この高温ガ
スを毎分5Lの流量で、多孔質の下型部材2から噴出し
ている。この状態の多孔質の下型部材2を、溶融ガラス
流出口(図示せず)の直下10mmの位置に設置し、こ
の多孔質の下型部材2の上に、噴出ガスによりガス膜を
形成し、非接触の状態に保ったまま、溶融ガラスを受け
始めた。そして、この状態で10秒経過したとき、この
多孔質の下型部材2を下方へ20mm下げた。すると、
溶融ガラス流は括れて、直ちに自然切断され、この多孔
質の下型2の上に、非接触状態で、所望する重量である
1.5gの溶融ガラスが得られた。
【0075】続いて、この溶融ガラス塊1を非接触状態
で浮上保持したまま、多孔質の下型部材2を、多孔質の
上型部材3の下に移動した。この時、上型保持ブロック
5は、内蔵するヒータ(図示せず)で500℃に加熱し
た。また、ガス供給管(図示せず)に設けられた高温ガ
ス供給装置(図示せず)により、窒素ガスを500℃に
加熱し、この高温ガスを毎分5Lの流量で、多孔質の下
型2から噴出している状態にした。
【0076】また、多孔質の位置決めピン17の内部に
設けられた、各々のガス供給室18には、各々、毎分1
Lの流量の窒素ガスが供給され、多孔質の位置決めピン
17の先端でのテーパ部から、合計:毎分4Lの窒素ガ
スが噴出している。
【0077】また、多孔質の可動式位置決めピン19の
内部に設けられたガス供給室20には、毎分5Lの流量
の窒素ガスが供給され、多孔質の可動式位置決めピン1
9の外周部から噴出している。そして、多孔質の可動式
位置決めピン19と下型保持ブロック4に設けられたピ
ン穴とを非接触の状態にした。
【0078】溶融ガラス塊1を非接触状態で浮上保持し
たまま、多孔質の下型部材2が、多孔質の上型部材3の
下に移動した後、多孔質の上型部材3の下降を開始し
た。多孔質の上型3に自在移動機構11を介して接続さ
れている上軸12を、それを駆動するNC(数値制御)
駆動装置(図示せず)により、その速度を制御しながら
下降した。
【0079】当初の位置から20mm下降させた所で、
上型保持ブロック5に設けられた多孔質の位置決めピン
17のテーパ部が、下型保持ブロック4に設けられた可
動式の多孔質のピン19でのテーパ部の中に、入り始め
た。ここで、多孔質の上型部材3の下降速度を毎秒1m
mにした。そして、2秒後には、多孔質の位置決めピン
17と可動式位置決めピン19のテーパ部とによる、非
接触での位置決めが完了した。この時、多孔質の位置決
めピン8から噴出しているガスの流量を、毎分4Lから
毎分0Lに減じた。
【0080】その状態で、さらに上型部材3を下降させ
ると、図5に示すような状態で、多孔質の位置決めピン
17と可動式の多孔質の位置決めピン19とは、そのテ
ーパ部で位置決めされた、一体となった状態のまま、可
動式の多孔質の位置決めピン19は、下型保持部材4に
設けられたピン孔の中を、可動式の多孔質の位置決めピ
ン19から噴出するガスにより、非接触の状態のまま、
下降して行く。
【0081】この状態で、多孔質の上型部材3の下降が
進み、5秒後に、多孔質の上型部材3が溶融ガラス塊1
0の上部にガス膜を介して近接し、多孔質の上型部材3
および下型部材2で、非接触の状態での溶融ガラス塊1
0の成形が開始される。なお、この時の溶融ガラス塊1
0の温度は800℃であった。
【0082】この状態で、さらに7秒経過すると、上型
部材3と下型部材2とが押し切り、互いの型部材が接触
し、薄いガス膜を介して、成形面間で、非接触状態での
ガラス塊の成形が完了した。その後、この状態に保った
まま、多孔質の上型部材3および下型部材2から噴出し
ている窒素ガスの流量を、各々毎分:0.1Lに減じ
た。また、同時に、下型保持ブロック4および上型保持
ブロック5の内部に、各々設置されている加熱用ヒータ
(図示せず)と、上下の型部材のガス供給室にガスを供
給するガス供給管(図示せず)の内部に設置されている
高温ガス供給装置(図示せず)の白金ヒータを加熱し、
各々の型保持ブロックを700℃に加熱すると同時に、
各々の多孔質の型部材から噴出している窒素ガスも70
0℃に加熱した。その後、これらの温度を、毎分60℃
で低減し、300℃まで冷却したとき、これらの上下型
部材を開き、成形ガラス塊を取り出した。
【0083】このように、溶融ガラス塊10を押し切っ
た後、型保持ブロックおよび窒素ガスを700℃まで加
熱した後、冷却しているのは、冷却中の成形ガラス塊の
内部での温度分布のバラ付きを小さくするためである。
【0084】このようにして得られた成形ガラス塊は、
精度が良好であった。即ち、この成形ガラス塊の上下面
の位置ずれは30μm以下であった。また、上下面の角
度ずれは10′以下であった。また、成形面の形状は、
所望する光学素子の形状に対して、5μm以内のウネリ
を有する形状であり、その表面は、型部材の成形面と接
触しておらず、自由表面からなっているので、大変に滑
らかであった。
【0085】続いて、このようにして得られた成形ガラ
ス塊の成形面を、この実施の形態では、研磨加工により
除去し、光学素子を得た。
【0086】すなわち、従来からの一般的な成形光学ガ
ラス塊から光学素子を得る場合は、その成形面の形状精
度、軸精度が低く、また、その成形面には異物も含まれ
ているため、その成形面を0.5mm程度除去加工する
必要があり、そのため、粗研削、精研削と言う2種類の
研削加工による除去工程の後、更に研磨加工による除去
工程を行いながら、その面精度を上げ、表面を滑らかに
して、所要の光学機能面を持った光学素子に仕上げてい
た。
【0087】しかしながら、この実施の形態で得られた
成形ガラス塊は、その成形面が、高い形状精度であるた
め、これら2種類の研削加工を行わず、研磨加工のみ
で、所期の光学素子に仕上げることができた。
【0088】また、通常、一般に粗研削と呼ばれる研削
除去加工では、カーブジェネレータと呼ばれる加工機を
用いて、円筒形状のダイヤモンド砥石を用いて、球面形
状になるよう研磨加工している。また、一般に精研削と
呼ばれる研削除去加工では、ペレット砥石と呼ばれる小
さな砥石を多数、球面形状の工具に貼り付け、この工具
を用いて、粗研削された面を、さらに研削加工してい
る。
【0089】これに対して、この実施の形態では、この
粗研削と精研削を行わず、直接、成形ガラス塊の成形面
を、研磨パットを貼り付けた研磨皿を用いて、研磨材を
供給しながら、単に研磨加工を行うだけで、所要の光学
素子が得られるのであるから、一つの成形面につき5分
間、研磨加工することにより、例えば、成形面が10μ
m、除去加工されることで、滑らかな光学研磨面が得ら
れ、生産性が向上できた。
【0090】例えば、この実施の形態において、中心肉
厚:3.3mm、直径:15mm、光学面の曲率半径が
20mmと30mmからなる凸メニスカス形状の光学素
子を研磨加工により得ることができる。なお、この場合
でも、研磨加工のみで光学研磨面を得ようとすると、加
工時間が掛かる場合もあるが、精研削を行った後に、研
磨加工を行っても良く、この選択は、主に製造コストの
観点から選択すればよい。
【0091】このように、本発明の実施の形態での効果
として以下の点を挙げることができる。即ち、成形ガラ
ス塊の形状精度が高く、表面も滑らかで、かつ、成形ガ
ラス塊の形状が所望する光学素子の形状に近似している
ので、この成形ガラス塊の成形面の表面層を除去加工
し、光学素子を得るに際して、成形面の除去加工量を減
少させることができる。従って、加工屑(スラッジ)の
排出量を削減し、地球環境保護に効果がある。特に、こ
こでは、成形ガラス塊の成形面形状精度が高く、研磨加
工のみで光学素子を得ることができるので、加工屑(ス
ラッジ)の排出量を大幅に削減することができる。
【0092】(第3の実施の形態)本発明に係わる第3
の実施の形態では、第1の実施の形態に比べ、より単純
な構成の装置を用い、上下型部材の位置決めを、非接触
の状態で行う事例について説明する。なお、ここでは、
得られた成形ガラス塊の成形面を、研削および研磨し
て、光学素子を得る場合について説明する。
【0093】図6は、この実施の形態で用いた装置の型
部分の構成を説明する断面図である。図において、符号
4は下型保持ブロック、5は上型保持ブロック、12は
上軸、13はベアリングボール、15は下軸、22は下
型部材、23は上型部材、24は位置決め用の多孔質部
材、25はガス供給室である。
【0094】図7は、ここでの、上型保持ブロック5、
上型部材23および位置決め用の多孔質部材24を、下
方から見た平面図である。また、図8は、ここでの、下
型保持ブロック4および下型22を、上方から見た平面
図である。
【0095】次に、この実施の形態での動作を説明す
る。まず、上記構成からなる下型部材22の上に、るつ
ぼからの溶融ガラス塊を受ける。即ち、下型部材22
を、溶融された光学ガラスを液滴状に流出している溶融
ガラス流出口(図示せず)の直下に設置する。下型部材
22の上に溶融ガラスが受けられた後、この下型部材2
2を所定距離下降させると、溶融ガラス流は括れて自然
切断される。このようにして、下型22の上に所要量の
溶融ガラス塊を得る。
【0096】続いて、溶融ガラス塊を受けた状態での下
型部材22と上型部材23の位置決めを行いながら、溶
融ガラス塊をプレス成形し、成形ガラス塊を得た。な
お、ここでは、上型保持ブロック5の周辺部に4箇所、
位置決めのための、多孔質の部材24が設けられてお
り、これらの背面には、各々、ガス供給室25が設けら
れている。これらのガス供給室25には、各々、別のガ
ス供給管(図示せず)が接続されており、ガスが供給さ
れている。即ち、これらの、多孔質の位置決め部材24
の表面には、各々のガス供給室25からのガスが噴出し
ている。
【0097】ここでは、上型保持ブロック5に設けられ
ている、これらの多孔質の位置決め部材24が、図6に
示すように、水平方向に対して45度傾斜した角度で、
設置されている。一方、下型保持ブロック4の外周部
は、上型保持ブロック5の多孔質の位置決め部材24に
対応する位置で、その形状に対応して、図6に示すよう
に、水平方向に45度傾いた角度に加工されている。
【0098】このように、4個の多孔質の位置決め部材
24からガスが噴出している状態で、上型部材23を下
降させ、上型部材23と下型部材22を接近させ始め
る。ここで、上型保持ブロック5と下型保持ブロック4
のと位置がずれている場合、そのずれている方向におい
て、上型保持ブロック5の多孔質の位置決め部材24
と、それに対応する下型保持ブロック4の45度のテー
パ部が近接し、その部分のガス圧力が高まり、下型保持
部材4が、自在移動機構であるベアリングボール13を
介して、その反対方向へと移動し、上型保持ブロック5
と下型保持ブロック4との位置を、非接触で正しい位置
へ調整する。
【0099】そして、このように、上型部材23と下型
部材22の位置を調整しながら、溶融ガラス塊が、プレ
ス成形され、その結果、所期の成形ガラス塊が得られ
る。そして、このようにして得られた上下型軸精度の良
い、成形ガラス塊の成形面を、ペレット砥石を用いて精
研削加工し、成形面のガラスを僅かに除去した後、その
面を仕上げ研磨加工し、所期の精度の光学機能面に仕上
げた。
【0100】次に、この実施の形態を、より具体的な事
例で説明する。ここでは、上型部材23および下型部材
22を、耐熱ステンレス鋼で製作し、その成形面の形状
を、上下型部材とも、直径が15mm、曲率半径が30
mmの凹面とする。また、下型保持ブロック4および上
型保持ブロック5は、ステンレスで製作し、これらの保
持ブロックの中には、加熱用ヒータ(図示せず)を設置
し、常時、400℃に加熱しておく。
【0101】また、これらの耐熱ステンレス製の上下型
部材を用いて、溶融ガラス塊をプレス成形して、成形ガ
ラス塊を得るに際して、これらの型部材の成形面に、窒
化ボロンの微粉末を噴射し、塗布した後で、使用に供し
た。
【0102】多孔質の位置決め部材24は、気孔率:3
0%、平均孔径:50μmの多孔質のステンレスで作ら
れている。そして、この多孔質の位置決め部材24は、
20mm×10mmの大きさである。また、この4個の
位置決め部材24の背面に設けられた4個のガス供給室
25には、各々、ガス供給管(図示せず)が接続されて
おり、各々に、常時、毎分:5Lの流量の空気が供給さ
れている。
【0103】一方、自在移動機構であるところのベアリ
ングボール13は、アルミナを研磨して作られており、
このベアリングボール13を介して、下型保持ブロック
4は水平方向に5mmの範囲内で自在に動くことができ
る。
【0104】上軸12は、1軸NC(数値制御)駆動装
置に連結されており、速度を所望の値に制御して、上型
部材23を下降させることができる。また、下軸15
は、横方向に移動できる構成になっており、下型部材2
2は、溶融ガラス流出パイプ(図示せず)の下の位置か
ら、上型部材23の下の位置まで、横方向に移動するこ
とができる。
【0105】なお、この実施の形態では、SK12相当
の光学ガラスを用いた。このガラス原料を、白金製のガ
ラス溶融るつぼ(図示せず)の中に入れ、1200℃ま
で加熱し溶融した。そして、この溶融ガラスを、るつぼ
(図示せず)の下部に設けられた溶融ガラス流出パイプ
(図示せず)から液滴状に流出した。この時、溶融ガラ
ス流出パイプは1000℃に保たれており、溶融ガラス
流出口からは1000℃の溶融ガラスが液滴状に流出し
ている。
【0106】400℃に加熱されている下型部材22
を、溶融ガラス流出口(図示せず)の直下10mmの位
置に設置し、この下型部材22の上に、溶融ガラスを受
け始めた。そして、この状態で10秒経過したとき、こ
の下型部材22を下方へ20mm下げた。すると、溶融
ガラス流は括れて、直ちに自然切断され、この下型部材
22の上に所望する重量である1.5gの溶融ガラスが
得られた。
【0107】続いて、この溶融ガラス塊を保持している
状態の下型部材22を、上型部材23の下に移動した。
その後、上型部材23の下降を開始した。上型部材23
に接続されている上軸12を、それを駆動するNC(数
値制御)駆動装置(図示せず)により、その速度を制御
しながら下降した。
【0108】当初の位置から20mm下降させた所で、
上型部材23が溶融ガラス塊の上部に近接し、溶融ガラ
ス塊の成形が開始される。それと同時に、上型保持ブロ
ック5に設けられた多孔質の位置決め部材24と、それ
に対応する下型保持ブロック4に設けられたテーパ部と
が、やや近接した状態にある。
【0109】ここで、上型部材23の下降速度を毎秒1
mmにした。その後、5秒後には、上型部材23と下型
部材22が接触してプレス成形が終了した。この間、プ
レス成形が進むにつれ、位置決め部材24とそれに対応
するテーパ部が接近し、上型23と下型22が横方向に
ずれている場合、それに対応する箇所で、位置決め部材
24とそれに対応するテーパ部がより近接するが、その
部分で噴出している空気の圧力が高くなり、この圧力に
より、下型保持ブロック4が適正な方向へと横方向へ移
動する。このようにして、プレス終了時には、上型部材
23と下型部材22とは適正な位置にある。そして、プ
レス終了後、15秒間その状態で保持した後、これらの
上下型部材を開き、成形ガラス塊を取り出した。
【0110】このようにして得られた成形ガラス塊の精
度は良好であった。この成形ガラス塊の上下面の位置ず
れは、150μm以下であった。また、上下面の角度ず
れは、20′以下であった。また、成形面の形状は、最
終の成形品である光学素子の所望する形状に対して、1
0μm以内のウネリを有する形状であった。
【0111】続いて、このようにして得られた良好な精
度の成形ガラス塊を、ペレット砥石を用いて精研削し
た。なお、この実施の形態では、片面に付き30秒間、
精研削を行い、成形ガラス塊の成形面表層を50μm研
削、除去した。その後、精研削した面を仕上げ研磨し
た。ここでは、片面に付き2分間、研磨加工を行った。
【0112】その結果、この実施の形態では、特有の効
果として、以下の点を挙げることができる。即ち、成形
ガラス塊の形状精度が高く、成形面形状精度、軸精度と
もに高いので、成形ガラス塊から研削および研磨により
光学素子を得るにあたり、粗研削工程を必要とせず、精
研削工程のみにより可能になり、その結果として、研削
除去量が、従来の成形ガラス塊から光学素子を製造する
場合に比べ、1/10に減少し、加工時に発生する研削
屑(スラッジ)の発生量を大幅に減らすことができる。
【0113】(第4の実施の形態)第4の実施の形態で
は、第3の実施の形態と比較し、自在移動機構を変更し
た事例について説明する。即ち、第3の実施の形態で
は、自在移動機構がベアリングボール13を介して、下
型保持ブロック4を移動させていたが、ここでは、下型
保持ブロック4を、その下方から噴出するガスにより浮
上させた状態で、移動させている。
【0114】図9は、この実施の形態における装置の型
部分の構成を説明する断面図である。
【0115】図9において、符号4は下型保持ブロッ
ク、5は上型保持ブロック、12は上軸、15は下軸、
22は下型部材、23は上型部材、24は位置決め用の
多孔質部材、25は位置決め用のガス供給室、26は下
型保持ブロック4浮上用の多孔質部材、27は下型保持
ブロック浮上用のガス供給室である。
【0116】次に、この実施の形態での動作を説明す
る。ここでは、下型保持ブロック4の自在移動機構によ
る横移動の動作を除いては、第3の実施の形態と同一で
あるから、異なる部分のみの動作を説明する。下型保持
ブロック浮上用のガス供給室27には、常時3Lの流量
の高圧空気が供給され、多孔質カーボンからなる下型保
持ブロック浮上用の多孔質部材26から噴出している。
この噴出空気により、下型保持ブロック4は上方へ0.
1mm程度浮上保持される。従って、下型保持ブロック
4は、横方向へ極めて弱い力で自在に動くことができ
る。
【0117】溶融ガラス塊をプレス成形して、成形ガラ
ス塊を成形する際に、上型部材23が下降するにつれ、
上型保持ブロック5の外周に設けられた多孔質の位置決
め部材24と、それに対応する下型保持ブロック4の外
周部でのテーパ部の接近により、上型部材23と下型部
材22の位置決めが行われる際に、下型保持ブロック4
の横移動が確実に行われる。
【0118】その結果のメリットは以下の通りである。
即ち、上述したように、極めて弱い力で確実に、上下型
部材の位置合わせが行えるので、上下の軸精度が高い成
形ガラス塊を確実に得ることができる。特に、型部材を
加熱して使う場合でも、自在移動機構がかじることがな
く、上下の軸精度の高い成形ガラス塊を確実に得ること
ができる。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高精度の成形ガラス塊を得ることができる。この成形ガ
ラス塊は、後の光学素子成形に際しての素材として最適
である。
【0120】また、光学素子を製造するに際に、排出す
る加工屑を大幅に削減することができ、成形光学素子を
安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1の実施の形態での、装置の
構成を概略説明する正面断面図である。
【図2】同じく、部分平面断面図である。
【図3】本発明に係わる第2の実施の形態での、装置の
構成を概略説明する部分正面断面図である。
【図4】同じく、部分正面断面図である。
【図5】同じく、装置の作動を概略説明する部分正面断
面図である。
【図6】本発明に係わる第3の実施の形態での、装置の
構成を概略説明する正面断面図である。
【図7】同じく、平面図である。
【図8】同じく、装置の構成を概略説明する平面図であ
る。
【図9】本発明に係わる第4の実施の形態での、装置の
構成を概略説明する正面断面図である。
【符号の説明】
1 溶融ガラス塊 2 多孔質の下型 3 多孔質の上型 8 多孔質のピン孔 10 位置決めピン 24 多孔質の位置決め部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融光学ガラス塊を、上下一対の成形用
    型部材を有する成形用型でプレス成形して、光学素子用
    ガラス塊を成形する製造装置であって、前記成形用型の
    上下型部材の軸芯位置を調整する機構を具備し、この軸
    芯位置調整機構が、少なくとも、一方の型部材の軸芯位
    置を自在に動かすことができる自在移動機構と、上下各
    型部材の軸芯位置を、所望の範囲内で一致させる位置決
    め機構とからなり、この位置決め機構が、上下各型部材
    の少なくとも一方の位置決め用部材に、表面からガスが
    噴出し得る多孔質の部材を用いており、また、上下各型
    部材に設けられた位置決め用部材を用いて、上下各型部
    材の位置決めを行なうに際し、多孔質の位置決め部材か
    らガスが噴出させ、上下一対の位置決め用部材を互いに
    非接触の状態で、上下型部材の位置決めを行い、上下型
    部材が所望の範囲で位置決めされた状態で、上下一対の
    成形型で溶融光学ガラス塊をプレス成形することを特徴
    とする、光学素子用ガラス塊の製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学素子用ガラス塊の
    製造装置において、多孔質の位置決め用部材が、その内
    部に、ガス噴射方向別に、複数のガス供給室を設置して
    おり、これらの各ガス供給室から多孔質の部材の表面に
    ガスを噴出させて、上下一対の位置決め用部材を互いに
    非接触の状態で、上下型部材の位置決めを行なうことを
    特徴とする、光学素子用ガラス塊の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光学素子用ガラス塊の
    製造装置において、位置決め機構を用いて、上下型部材
    の位置決めをした後、上下型部材で溶融光学ガラス塊を
    プレス成形して、光学素子用ガラス塊を製造することを
    特徴とする、光学素子用ガラス塊の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光学素子用ガラス塊の
    製造装置において、位置決め機構を用いて、上下型部材
    の位置決めをしながら、上下型部材で溶融光学ガラス塊
    をプレス成形して、光学素子用ガラス塊を製造すること
    を特徴とする、光学素子用ガラス塊の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の光学素子用ガラス塊の
    製造装置において、上下一対の型部材が多孔質の素材か
    らなり、この型部材の成形面からガスが噴出している状
    態で、溶融光学ガラス塊を前記成形面に非接触の状態
    で、プレス成形して、光学素子用ガラス塊を製造するこ
    とを特徴とする、光学素子用ガラス塊の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の光学素子用ガラス塊の
    製造装置で得られたガラス塊の表層を、研磨加工、また
    は、研削加工および研磨加工により除去し、所要の表面
    精度を有する光学素子を得ることを特徴とする光学素子
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の光学素子用ガラス塊の
    製造装置で得られたガラス塊を加熱軟化し、この軟化状
    態のガラス塊を、一対の型部材からなる成形用型でプレ
    ス成形し、成形品としての光学素子を得ることを特徴と
    する光学素子の製造方法。
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