JP4076251B2 - 光学素子成型用ガラスゴブ、その成形装置、その成形方法及びガラスゴブを用いた光学素子形成方法 - Google Patents

光学素子成型用ガラスゴブ、その成形装置、その成形方法及びガラスゴブを用いた光学素子形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器に使用されるレンズやプリズム等の光学素子の成形に用いるガラスゴブ、その成形装置、その成形方法及びガラスゴブを用いた光学素子形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトカメラのレンズ、VTRのカメラレンズの分野において、所定の形状に成形した光学レンズが用いられている。
この光学レンズを精密かつ大量に成形する観点から、溶融したガラス素材を最終の光学素子に近似した形状に予備成形し、この予備成形したガラスゴブを最終成形型に供給し、加熱、押圧成形する方法が一般的に採られている。
ここで、ガラスゴブを最終的なガラス製品に近似した形状にする目的は、光学素子を成形する最終プレスにおいて変形量をできるだけ小さくして、型との接触時間を短縮して型の耐久性を維持し、駄肉を極力少なくし、およびハンドリングしやすくするためである。
【0003】
このガラス素材の予備成形法として、溶融状態のガラス素材を最終形状に近似した成形面を有する下成形型に滴下し、下成形型内に噴出する加圧気体により所定の成形温度まで冷却し、下成形型内で所定の成形温度に冷却されたガラス素材に上方から最終形状に近似した成形面を有する上成形型を押しつけて適正時間冷却することで、ガラス素材を上下の成形型の成形面に応じた形状に成形し、これによって、最終形状に近似したガラスゴブを予備成形する方法が知られている(例えば、特開平9−52720号公報参照)。
【0004】
また、下成形型内で軟化点以上に保持したガラス素材を、上方からプレス金型で加圧して、プレス金型とガラス素材の接触面が軟化点以下になる前にプレス金型を開放して自由面とし、自由面の表面張力により最終型の形状に近似した滑らかな鏡面を得て、これによって、最終形状に近似したガラスゴブを予備成形する方法が知られている(例えば、特開平6−40730号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−52720号公報記載の上成形型を押しつける方法では、上成形型表面は、ガラス素材に長時間押しつけるため、酸化により激しく消耗する。一方、ガラス素材についても、上成形型に接触する部分で、急冷により大きく歪み、場合によっては、接触面の一部が剥離して上成形型に固着してしまうことから、十分に滑らかな鏡面を有するガラスゴブを得られないという問題を有する。さらに、下成形型では、加圧気体を噴出しながら溶融したガラス素材がガラス軟化点以下になるまで長時間プレスしなければならないため、噴出された気体が下成形型と溶融ガラス素材の間から抜けきれず、結果としてガラスゴブの加圧気体噴出側の面に凹部を生じてしまう。
【0006】
また、特開平6−40730号公報記載のプレス金型で加圧する方法では、プレス金型を溶融ガラスに接触させる時間は、上述の上成形型を押しつける方法よりも短いものの、溶融ガラスはプレス金型との接触により急激に急冷され、接触面の一部が剥離してしまい、完全に滑らかな鏡面を得ることができないという問題を生じてしまう。また、下成形型(受け皿)は、ガラスが加圧を終了するまで軟化点以下とならないように高温まで加圧しなければならないため、やはり成形型(受け皿)の酸化による消耗が激しいという問題は避けられない。
【0007】
以上のように、上述のような方法では、成形型は酸化により消耗し、ガラスゴブは、ゴブ面に凹部を発生し、急冷歪みにより剥離して十分に滑らかな鏡面を得られないという技術的課題を有する。
【0008】
また、上記方法で得られたガラスゴブは、最終のガラス製品に近似するものの、最終プレス成型する時、プレス成形型とガラスゴブの間に滞留する空気がプレス成形型とガラスゴブの間から抜けきれず、最終の光学素子に凹部を生じてしまう。
【0009】
そこで、本発明は以上の技術的課題を解決するためなされたものであって、その目的は、ガラスゴブの成形型の酸化による消耗を防止し、ゴブ面に凹部、剥離がなく、十分に滑らかな鏡面を形成するとともに、従来からある球状ガラスゴブよりもハンドリングを有利にし、プレス成形型の耐久性を維持し、中央部に凹部等のない滑らかな鏡面を有する光学素子が成形される、ガラスゴブ、その成形装置、その成形方法及びガラスゴブを用いた光学素子形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本課題を解決する手段は、請求項1に記載するように、少なくとも一方の面を凸状に形成した光学素子が成形されるレンズ状のガラスゴブであって、前記光学素子より大きな外径を有する偏平状部と、前記偏平状部の少なくとも一方の面に前記光学素子の凸状面より小さな曲率半径を有する凸状部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、光学素子は、一方の面を凸状に形成し、他方の面を凸状、平坦状、凹状にする場合のいずれも含まれる。また、ガラスゴブの凸状部は、偏平状部の一方の面に形成する場合、両面に形成する場合も含まれる。
【0012】
これによれば、凸状面を形成することで、ゴブ高さを低減し、光学素子のプレス成型時の変形量を少なくすることにより、ガラスゴブとプレス成形型の接触時間を極力短くして、プレス成形型の高温酸化を最小限にとどめる。また、光学素子より大きな外径を有することで、この光学素子より突出する部分を支持固定に利用し、最終プレス成型のプレス成形型に設置する際、効率的な作業工程を実現することが可能になる。また、光学素子の凸状面より曲率の小さい凸状部は、光学素子のプレス成形型とガラスゴブの凸状部の左右部分に隙間を形成し、プレス成形型とガラスゴブの間に滞留する気体を該隙間からプレス成形型の外部へ逃がす。
【0013】
したがって、プレス成形型の耐久性が維持され、また、従来からある球状ガラスゴブよりもハンドリングが有利となり、さらに、中央部に凹部等を生じず且つ滑らかな鏡面を有する光学素子が成形される。
【0014】
また、請求項2に記載するように、溶融したガラス素材を供給する供給パイプを備えたガラスゴブの成形装置において、
前記供給パイプから供給されたガラス素材を受け、且つ、前記光学素子の凸状面より小さな曲率半径の凹状成形面を形成し、前記凹状成形面に気体を噴出させる細孔を設けたゴブ受け型と、
前記ゴブ受け型に供給されたガラス素材を押圧する押圧面を形成し、前記押圧面に気体を噴出させる細孔を設けた押圧型と、を備えたことを特徴とする。
これによれば、請求項2の成形装置を用いて請求項1記載のガラスゴブが成形される。
【0015】
また、以上の成形装置を用いた成型方法は、請求項3に記載するように、溶融したガラス素材をガラスゴブに成形するガラスゴブの成形方法において、
下型としてのゴブ受け型の凹状成形面に設けられた細孔から気体を噴出させた状態で、前記ゴブ受け型の凹状成形面に前記溶融ガラス素材を供給する工程と、
前記ゴブ受け型に供給された溶融ガラス素材を前記噴出気体により前記凹状成形面と非接触に保持するとともに、上型としての押圧型の押圧面に設けた細孔から気体を噴出させた状態で、前記押圧型に対向する前記ガラス素材の解放面を前記光学素子より大きな外径によるように押圧し、軟化点以下になる前に開放する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
ここで、押圧型の押圧面は、平坦状、凸状、凹状のいずれも含まれ、最終のプレス成型において、プレス成形型とガラスゴブの間に気体の滞留を防止する観点から、ゴブ受け型と同様の凹状成形面を設ける方が好ましい。
また、噴出させる気体は、不活性気体であり、例えば、空気、N2 、アルゴン等が含まれる。
【0017】
これらよれば、ゴブ受け型の凹状成形面および押圧型の押圧面に設けた細孔から気体を噴出させているので、ガラス素材は、ゴブ受け型および押圧型との間に該噴出気体を介した状態で保持、押圧される。該噴出気体はガラス素材からゴブ受け型へ伝達される高熱を断熱し、また、ガラス素材とゴブ受け型および押圧型の直接接触を防止してガラス素材のゴブ受け型および押圧型への固着、剥離を防止する。したがって、ゴブ受け型および押圧型はともに高温で酸化されることもないので、耐久性が維持されるとともに、滑らかな鏡面を有するガラスゴブが成形される。
また、ガラス素材を押圧面により押圧することで、ガラス素材は、平坦に伸びて、光学素子より大きな外径になり、軟化点以上で解放されることで、解放面は表面張力の作用により曲面を回復して球面より大きな曲率半径を有する凸状面に形成される。また、ゴブ受け型の凹状成形面に応じて光学素子の凸状面より曲率半径の小さい凸状部が形成される。
【0018】
したがって、ゴブ受け型および押圧型の消耗は低減され、ガラスゴブの表面を滑らかな鏡面とすることができ、請求項1に記載の形状に特徴を持った光学素子成型用ガラスゴブが得られる。
また、請求項4には、少なくとも一方の面を凸状に形成した光学素子が成形されるレンズ状のガラスゴブであって、前記光学素子より大きな外径を有する偏平状部と、前記偏平状部の少なくとも一方の面に前記光学素子の凸状面より小さな曲率半径を有する凸状部と、を備えた光学素子成型用ガラスゴブを用いた光学素子形成方法であって、前記凸状部を下に向けた状態で、前記ガラスゴブの偏平状部よりも外径の小さな上下のプレス成形型により前記ガラスゴブをプレス成形することを特徴とする光学素子形成方法が記載されている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図7に基づいて、本実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明をガラスゴブの成形装置10に適用した実施の形態の斜視方向の構造の概略を示す。
本ガラス素材の成形装置10は、ターンテーブル11と、ターンテーブル11の上方に配置したゴブ受け型12,…12と、ゴブ受け型12と下部に固定された支持部材13と、ゴブ受け型12の上方に配設された供給パイプ21、押圧型22、取り出し器具23とを備える。
【0020】
ここで、ターンテーブル11は、図1に示すように円板状であり、中心に図示しない回転軸を取付け、この回転軸は例えば、図示しないモータを取り付けている。また、ターンテーブル11上には、合計6つのゴブ受け型12…12を配置し、それぞれ成形工程に合わせてA工程〜F工程とする。そして、ターンテーブル11はモーター駆動により成形工程に応じて図中矢印a方向に回転する。また、ターンテーブル11の周囲には、成型時にガラス素材の温度を保持する図示しないヒータが設置されている。
【0021】
ゴブ受け型12は、内部を中空にした略円柱状であり、例えば、SUS316のポーラスメタル製である。また、上面に最終の光学素子の凸状面より曲率半径の小さい凹状の成形面12aを形成し、凹状の成形面12aは、例えば、N2 、空気等の不活性気体を噴出するための細孔12b,…12b(図3、図4参照)を形成し、細孔12b…12bから例えば1.0l/minで不活性気体を噴出させる。
【0022】
支持部材13は、内部を中空とした棒状体であり、基端には図示しないモータが取り付けられている。そして、内部の空洞を不活性気体が流動するとともに、モーター駆動により成形段階に応じて上下に移動する。
【0023】
供給パイプ21は、円筒状であり、耐熱性金属で成形され、また、その側面には、図示しない加熱ヒータが取り付けられている。そして、溶融状態のガラス素材を加熱ヒータで適温に調整しながら、ゴブ受け型12に溶融ガラス素材を供給する。
【0024】
押圧型22は、支持棒22aと、支持棒22aに取り付けた円板状の押圧型本体22bからなる。押圧型本体22aおよび支持棒22aの内部は中空とし、不活性気体が流動可能としている。押圧型本体22bは、例えば、SUS316のポーラスメタル製であり、ガラス素材に対向して平坦状の押圧面22cを形成し、この押圧面22cに、不活性気体噴出用の細孔22d…22dを形成している(図4参照)。そして、細孔22d…22dから不活性気体を例えば、9.0l/minで噴出しながら下降させ、溶融ガラス素材の上面を平らに押圧する。
【0025】
取り出し器具23は、棒状の取り出し器具本体23aの先端に一対のくの字状のアーム23bを可動自在に取り付けている。そして、このアーム23bを用いて成形後のガラス素材をゴブ受け型12から取り出し最終プレス成型工程へ移動させる。
【0026】
次に、図2、図3に基づいて、前記成形装置10を用いたガラスゴブの成形工程について説明する。
図2、図3は本ガラス素材の成形工程を示すものであり、図2(a)、(b)はターンテーブル上のA工程、図2(c)はターンテーブル上のB工程を、図2(d)はターンテーブル上のC工程〜E工程の状況を示し、図4(a)、(b)、(c)はターンテーブル上のB工程の詳細な状況を示す。
【0027】
先ず、図2(a)に示すように、ターンテーブル11上のゴブ受け型12を供給パイプ21の直下に配置し、ゴブ受け型12を供給パイプ21に近づくように上昇させる。供給パイプ11を加熱ヒータで熱しながら溶融状態のガラス素材20をゴブ受け型12の凹状成形面12a上に、凹状成形面12aを満たし、さらに凹状成形面12aのより大きな外径になるまで滴下する。このとき、凹状成形面12aの細孔12b,…12bから、例えば、空気を噴出させておく。
【0028】
図2(b)に示すように、溶融ガラス素材20をゴブ受け型12に適量滴下した後、ゴブ受け型12を下降させ溶融ガラス素材を断ち切る。このとき、溶融ガラス素材20は、ゴブ受け型12の細孔12b,…12bから噴出する空気を介在させることにより、成形面12a上に非接触の状態で保持される。そして、溶融ガラス素材20の対向する面は成形面12aに直接接触して冷却されて成形面12aに固着することもないので、冷却後滑らかな鏡面が得られるとともに、介在する空気が断熱層の役割を果たすので、ゴブ受け型12の高温酸化は防止される(以上A工程)。
【0029】
次に、ターンテーブル11を回転させ、ゴブ受け型12をB工程に位置させる。図2(c)、図3(a)に示すように、押圧面22cの細孔22d,…22dから空気を噴出させながら押圧型22を下降させ、対向する溶融ガラス素材20の解放面20aを短時間若しくは複数回押圧する。押圧された溶融ガラス素材20の上部は、ゴブ受け型12の成形面12aの周辺部まで伸び、光学素子より外径の大きな平板状になる。このとき、図3(b)に示すように、溶融ガラス素材20の開放面20aと押圧型22の押圧面22cの間には噴出した空気が介在するので、溶融ガラス素材20の開放面20aは、押圧面22cに直接接触して急冷され固着することもなく、冷却後滑らかな鏡面となり、また、噴出した空気が断熱層になり、押圧型22の高温酸化が防止される。なお、溶融ガラス素材20の下部は、ゴブ受け型12の細孔12bから噴出する空気により、依然として凹状成形面12aと非接触の状態にある。そして、図3(c)に示すように、溶融ガラス素材20の開放面20aが軟化点に達する前に、押圧型22を上昇させ、溶融ガラス素材20から離反させる。このとき、自由面となった溶融ガラス素材20の開放面20aは表面張力の作用によって凸状に膨らみ且つ滑らかな鏡面となる(以上B工程)。
【0030】
最後に、ターンテーブル11をC〜F工程まで回転させる。図2(d)に示すように、溶融ガラス素材20は、除冷されて軟化点以下になり、形状が決定される。そして、取り出し器具23のアーム23bを可動させ、ガラスゴブをゴブ受け型12から取り出し、最終プレス成型工程へ移動させる(以上C〜F工程)。
【0031】
以上より、本実施の形態に係わるガラスゴブの成形方法、成形装置によれば、細孔12b、22dから噴出する空気は、ガラス素材20からゴブ受け型12へ伝達される高熱を断熱し、また、ガラス素材20とゴブ受け型12および押圧型22と直接接触を防止し、ガラス素材20がゴブ受け型12および押圧型22へ固着、剥離しないようにしたので、ゴブ受け型12および押圧型22はともに高温で酸化されることもなく、耐久性が維持されるとともに、滑らかな鏡面を有した特殊な形状のガラスゴブが成形される。
【0032】
図4は、以上の予備成形を行ったガラスゴブ30の断面形状を示す。ガラスゴブ30は、偏平状部30aと、この偏平状部30aに連続する凸状部30bからなる。偏平状部30aは、光学素子より大きな外径dを有し、押圧型22に対向する面30cは、凸状で、滑らかな鏡面を有する。凸状部30bは、ゴブ受け型12の凹状成形面12aに対応した半球状であり、凹状成形面12aに対向する面30dは、光学素子の凸状面より小さな曲率半径に形成されている。そして、偏平状部30aと凸状部30bを合わせたゴブ高さhは、従来の球状ゴブと比較して、著しく低減されている。
【0033】
次に、このガラスゴブ30を用いた最終のプレス成型方法を説明する。
図5は、ガラスゴブ30を用いた最終のプレス成型の工程を示す図である。
最終のプレス成型に用いる成形装置は、上プレス成形型31と、上プレス成形型31の対向し、上プレス成形型31の成形面より曲率半径の小さい成形面を有する下プレス成形型32と、両プレス成形型31,32の中間位置に配置した一対の支持器具33a,33bから構成されている。
【0034】
先ず、支持器具33a,33bによりガラスゴブ30の縁部を支持し、この支持器具33a,33bとともにガラスゴブ30を横方向へ移動させ、上プレス成形型31と下プレス成形型32の間に配置させる(同図(a))。支持器具33a,33bを下プレス成形型32周囲に下降させるとともに、ガラスゴブ30を下プレス成形型32上に配置させる(同図(b))。このとき、ガラスゴブ30の偏平状部30aの外径は、プレス成形型31,32の外径より大きいので、支持器具33a,33bを一旦外側へ移動させる必要がなく、従来の球状ガラスゴブよりもハンドリング工程を効率よく行うことが可能となる。
【0035】
上プレス成形型31を下プレス成形型32上のガラスゴブ30に向けて下降させ、ガラスゴブ30をプレス成型する(同図(c))。このとき、ガラスゴブ30の形状は、球状ゴブと比較してゴブ高さを低減したので、プレス成型時の変形量を少なくし、ガラスゴブ30とプレス成形型31,32の接触時間を短縮する。そして、プレス成形型31,32の高温酸化を最小限にとどめ、プレス成形型31,32の耐久性が維持される。また、光学素子の凸状面より曲率の小さい凸状部30bは、下プレス成形型32とガラスゴブ30の間に隙間を形成し、プレス成形型32とガラスゴブ30の間に滞留する気体を該隙間からプレス成形型31,32の外部へ逃がし、中央部に凹部等を生じない。
【0036】
上プレス成形型31を上昇させるとともに、再び、支持器具33a,33bを上昇させてガラスゴブ30の周縁の駄肉部を支持する(同図(d))。支持器具33a,33bを横方向へ移動させて、ガラスゴブ30を取り出す(同図(e))。このようにして、非球面の光学素子が作成される。
【0037】
次に、比較例として、従来の球状ゴブを用いた最終のプレス成型方法を説明する。
図6は、球状ゴブ41を用いた最終のプレス成型の工程を示す図である。
即ち、従来の球状ゴブ41は、最終の光学素子と略同径に成形しているので、支持器具33a、33bを球状ガラスゴブ41とともに、上プレス成形型31と下プレス成形型32の間に配置させた後(同図(b))、一度、支持器具33a,33bをプレス成形型31、32の外径より外側に移動させるというハンドリングが必要になる(同図(c))。
また、球状ゴブでは、上下方向のゴブ高さが大きく、プレス成型する際の変形量が大きいため、プレス時間を本実施の形態より長く必要とし、プレス成形型31,32の消耗を招き、生産性を向上させることができない。
【0038】
また、他の比較例としては、従来の偏平状ゴブを用いた最終のプレス成型方法を説明する。
図7は、偏平状ゴブ42を用いた最終のプレス成型の工程を示す図である。
即ち、従来の偏平状ゴブ42では、偏平状ゴブ42とプレス成形型31,32の間の曲率半径の差によって生じる空間に空気が滞留し、この空気はプレスの際にプレス成形型31、32の外部へ逃げることができず、最終の光学素子の成形面に凹部、若しくは、しわ状の凹凸を生じてしまう。
【0039】
以上より本実施の形態により得られたガラスゴブ30によれば、光学素子のプレス成型時に変形量を少なくして、ガラスゴブ30とプレス成形型31,32の接触時間を極力短くし、プレス成形型31,32の高温酸化を最小限にとどめるようにしたので、プレス成形型31,32の耐久性が維持される。
また、プレス成形型31,32より外側へ突出する部分を支持固定することで、従来からある球状ガラスゴブよりもハンドリング工程を効率よく行うことができる。
また、下プレス成形型32とガラスゴブ30の間に隙間を形成し、下プレス成形型32とガラスゴブ30との空間に滞留する空気を該隙間から下プレス成形型32の外部へ逃がすようにしたので、中央部に凹部等を生じず且つ滑らかな鏡面を有する光学素子が得られる。
また、本実施の形態に係わるガラスゴブ30は、従来の球状ゴブや偏平状ゴブでは得られない優位性を有しており、特に、非球面レンズのような非対称なレンズを成形するときに有用である。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、光学素子のプレス成型時に変形量を少なくして、ガラスゴブとプレス成形型の接触時間を極力短くし、プレス成形型の高温酸化を最小限にとどめるようにしたので、プレス成形型の耐久性が維持される。
また、この光学素子より突出する部分を支持固定に利用することで、従来からある球状ガラスゴブよりもハンドリング工程を効率よく行うことが可能となる。また、光学素子のプレス成形型とガラスゴブの間に隙間を形成し、プレス成形型とガラスゴブの間に滞留する気体を該隙間からプレス成形型の外部へ逃がすようにしたので、中央部に凹部等を生じず且つ滑らかな鏡面を有する光学素子が得られる。
【0041】
請求項2または請求項3記載の発明によれば、噴出気体はガラス素材からゴブ受け型へ伝達される高熱を断熱し、また、ガラス素材とゴブ受け型および押圧型の直接接触を防止し、ゴブ受け型および押圧型へ固着、剥離しないようにしたので、ゴブ受け型および押圧型はともに高温で酸化されることもなく、耐久性が維持される。また、滑らかな鏡面を有した請求項1記載の光学素子成型用ガラスゴブが成形される。
さらに、請求項4記載の発明は、下プレス成形型とガラスゴブの間に隙間を形成し、下プレス成形型とガラスゴブとの空間に滞留する空気を該隙間から下プレス成形型の外部へ逃がすようにしたので、中央部に凹部等を生じず且つ滑らかな鏡面を有する光学素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をガラス素材の成形装置に適用した実施の形態の斜視方向の構造を示す。
【図2】図3は、図1に係わるガラス素材の成形工程を示すものであり、(a)、(b)はターンテーブル上のA工程、(c)はターンテーブル上のB工程、(d)はターンテーブル上のC工程〜F工程の状況を示す。
【図3】図1に係わるガラス素材の成形工程を示すものであり、(a)は、ターンテーブル上のB工程でのガラス素材の押圧直前の状況、(b)は、ガラス素材の押圧中の状況、(c)は、ガラス素材の押圧後の状況を詳細に示す。
【図4】図1に係わる予備成形を行ったガラスゴブの形状を示す。
【図5】(a)(b)(c)(d)(e)は、本発明のガラスゴブを用いた最終プレス成型の各工程を示す。
【図6】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は球状ゴブを用いた最終のプレス成型の各工程を示す。
【図7】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は偏平状ゴブを用いた最終プレス成型の各工程を示す。
【符号の説明】
10 成形装置
11 ターンテーブル
12 ゴブ受け型
12a 成形面
12b 細孔
13 支持部材
20 ガラス素材
21 供給パイプ
22 押圧型
22c 押圧面
22d 細孔
23 取り出し器具
30 ガラスゴブ

Claims (4)

  1. 少なくとも一方の面を凸状に形成した光学素子が成形されるレンズ状のガラスゴブであって、前記光学素子より大きな外径を有する偏平状部と
    前記偏平状部の少なくとも一方の面に前記光学素子の凸状面より小さな曲率半径を有する凸状部と、を備えたことを特徴とする光学素子成型用ガラスゴブ
  2. 溶融したガラス素材を供給する供給パイプを備えたガラスゴブの成形装置において、
    前記供給パイプから供給されたガラス素材を受け、且つ、前記光学素子の凸状面より小さな曲率半径の凹状成形面を形成し、前記凹状成形面に気体を噴出させる細孔を設けたゴブ受け型と、
    前記ゴブ受け型に供給されたガラス素材を押圧する押圧面を形成し、前記押圧面に気体を噴出させる細孔を設けた押圧型と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の光学素子成型用ガラスゴブの成形装置。
  3. 溶融したガラス素材をガラスゴブに成形するガラスゴブの成形方法において、
    下型としてのゴブ受け型の凹状成形面に設けられた細孔から気体を噴出させた状態で、前記ゴブ受け型の凹状成形面に前記溶融ガラス素材を供給する工程と、
    前記ゴブ受け型に供給された溶融ガラス素材を前記噴出気体により前記凹状成形面と非接触に保持するとともに、上型としての押圧型の押圧面に設けた細孔から気体を噴出させた状態で、前記押圧型に対向する前記ガラス素材の解放面を前記光学素子より大きな外径によるように押圧し、軟化点以下になる前に開放する工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の光学素子成型用ガラスゴブの成形方法。
  4. 少なくとも一方の面を凸状に形成した光学素子が成形されるレンズ状のガラスゴブであって、前記光学素子より大きな外径を有する偏平状部と、前記偏平状部の少なくとも一方の面に前記光学素子の凸状面より小さな曲率半径を有する凸状部と、を備えた光学素子成型用ガラスゴブを用いた光学素子形成方法であって、
    前記凸状部を下に向けた状態で、前記ガラスゴブの偏平状部よりも外径の小さな上下のプレス成形型により前記ガラスゴブをプレス成形することを特徴とする光学素子形成方法。
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