JP3618936B2 - 光学素子の成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱軟化した光学用ガラス素材を、成形用型によって、プレス成形し、光学素子を得る成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、所定の表面精度を有する型部材で構成された成形用型内に、光学用ガラス素材を収容して、加熱軟化して、プレス成形することにより、従来のような研削、研磨などの後加工を必要としない、高精度の光学機能面(光学有効面)を有する光学素子を製造する方法が開発されている。
【0003】
このようなプレス成形法では、一般に、成形用の上・下型部材を、それぞれ、胴型部材内に摺動可能に可能に嵌挿した状態で、互いに、その成形面を対向配置し、これら上・下型部材及び胴型部材により構成される成形用型内のキャビティに、成形用ガラス素材を導入し、このガラスガラス素材を成形可能温度まで、即ち、ガラス粘度で10〜1012dPaSとなる温度まで型部材を加熱し、その後、成形用型を閉じ、適宜な時間、プレスする。
【0004】
このようにして、上・下型部材の成形面の形状を成形用ガラス素材表面に転写し、その後、型部材を、成形用ガラス転移温度よりも十分に低い温度まで冷却し、そして、プレス圧力を除去し、成形用型を開いて、成形済みの光学素子を取り出すのである。なお、この成形に際しては、型部材の酸化防止のために、成形室内では、非酸化性雰囲気、例えば、窒素雰囲気を採用する。
【0005】
この光学素子のプレス成形には、その形状により、上・下型部材の成形面によって形成される両光学機能面(光学有効面)以外、例えば、レンズの場合、その外周部分を自由表面とする場合と、胴型に代表されるような第3の型部材によって、非光学有効面が胴型の成形面で規制されて、形成される場合との二様の成形方法が採用される。
【0006】
後者の例としては、芯取りをしないで、レンズの外径部分を、型によって形成し、そのままのレンズを、鏡筒に組み込む場合の光学素子がある。さらに、シリンドリカルレンズやトーリックレンズなどのように、外周が円ではなく、矩形の場合には、光学素子の側面を、型によって規制し、形成するのである。
【0007】
以上のような、光学素子の外径部分や側面を、型によって形成する場合、その部分は、光学的に非有効面であることが多いため、光学機能面のように、高い光学的精度(形状精度:0.5μ、表面粗さ:Rms=5nm程度)を必要とせず、通常の機械的精度(形状精度:5μ程度、鏡面不要)があれば十分である。
【0008】
このような、光学素子の外径部分や側面部を、型によって形成する場合の幾つかの例をあげるならば、以下の通りである。即ち、特開昭58−84134号公報には、その第1図に示されるように、円筒形の胴型の内部と、これに摺動する上・下型部材により構成される、完全に密閉されたキャビティに、ガラス素材を充満させる成形方法が開示されている。この方法では、キャビティの容量が可変であり、得られるレンズの厚さは、ガラス素材の体積によって決定される。
【0009】
また、第2図においては、成形品の外径を形成するリング部材と、上・下型部材とによって、前記リング部材内面にガラス素材が部分的に当接することはあるが、成形品の肉厚を一定に保つように、形成されるキャビティに、完全にガラス素材を充満させないで、成形する方法が開示されている。この方法では、得られるレンズには、型によって制限されない幾らかの自由表面が存在し、このため、バリを形成しないという利点がある。
【0010】
また、特開昭60−118640号公報には、リング状の胴型に載せたガラス素材を、上・下型部材によりプレスした後、リング状胴型ごと、成形品を取り出す方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来の例においては、次のような欠点がある。即ち、前者の、特開昭58−84134号公報の、第1図に示す方法では、上・下型部材と胴型との嵌合箇所における隙間に、ガラス素材が入り込んで、所謂、バリが発生し、その結果、型部材の摺動が不可能になったり、それが原因で、型自体の破損につながることもある。また、仮に、具合良く成形できても、ガラス自体が胴型の内面に密着していて、成形品をスムーズに取り出すことが困難である。このような強い密着状態は、胴型を構成する材料の、ガラスに対する離型性が悪いことや、胴型の表面粗さのために、ガラスが表面の凹凸に食い込んで、外れなくなるなどが原因と考えられる。また、第2図に示す方法では、バリは発生しないが、矢張り、胴型からガラス成形品をスムーズに取り出せないという問題は解決されてないのである。
【0012】
また、後者の、特開昭60−118640号公報の方法でも、リング部材と上・下型部材との隙間に、ガラスが入り込んだり、リング部材から成形品がスムーズに取り出せなくなる、所謂、離型性の悪さという問題がある。
【0013】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、レンズの外径部分やその他の光学素子の側面部でのバリの発生を防止したり、胴型からのスムーズな成形品の取り出しが実現できる光学素子の成形方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発明者の鋭意努力によって、成形用型と成形品との離型性が、プレスする際の両者の界面の温度によって、大きく左右されることを発見したことから成されたもので、光学有効面を形成する型部材と非光学有効面を形成する型部材とを有する成形用型を用いて、ガラス素材をプレス変形し、光学素子を成形する方法において、上下型部材を移動して前記ガラス素材をプレス変形する際に、前記非光学有効面を形成する型部材の温度を、前記光学有効面を形成する型部材の温度よりも5〜50℃低くなるように、制御することを特徴とする。
【0015】
即ち、成形される光学素子の光学機能面(光学有効面)を形成する場合、一般に、型部材の界面の温度を高くした方が密着性がよくなって、型部材の成形面の形状の転写性が向上する。逆に、光学機能面が必要でない場合、離型性の方が重要であるから、界面の温度は低くした方がよい。然るに、界面の温度は、型部材の温度によって決定されるので、各型部材の温度を、成形される光学素子の対応する面によって、その要求される品質に応じて高くしたり、低くしたりすれば、最適な成形条件が得られると考えられるのである。例えば、光学素子の外径部分を、胴型で規制して、形成する場合、外径は光学機能面(光学有効面)ではなく、胴型からの取り出しがスムーズにできることが必要であるため、胴型の温度を低くすることが望ましい。
【0016】
さらに、胴型の温度を低くすることによって、上・下型部材と胴型との隙間にガラスが入り込むことを防止できる効果もあることを発見した。即ち、上・下型部材と胴型とが等温度であれば、隙間にガラスが入り込んで、光学素子にバリが発生するが、胴型の温度を低くすることによって、胴型に接触したガラス表面の温度が低下して、ガラスの粘性が部分的に増大し、前記隙間に入り込むことを防止できるのである。
【0017】
なお、本発明において、非光学有効面を形成する型部材の温度を、光学有効面を形成する型部材の温度より5〜50℃程度、低くする理由には、次のようなことがあげられる。即ち、光学素子を成形する場合、型の光学的精度を忠実にガラスに転写する必要があり、そのためには、型とガラスが完全にかつある程度の力で密着することが重要である。
【0018】
その密着状態を支配する大きな要因は、型とガラスの界面の温度である。このことを考慮して、通常、プレス成形は、そのガラス粘度で、10dPaSに相当する温度付近で行われるが、光学素子の形状やガラスの種類によって、個々に、その最適な条件が設定される。だだし、設定された最適条件とは、光学有効面を形成するのに好適な条件であって、非光学有効面を形成するためには必ずしも適しているとはいえない。
【0019】
次に、非光学有効面を型によって形成する場合、光学的な精度は必要でなく、ある程度の機械的精度が確保されていれば、十分である。即ち、必要なのは、型部材からの離型性であって、型部材とガラスとの密着性を弱くするのが好ましく、さらに、もう一つ必要なことは、型部材相互の隙間に、ガラスが入り込まないように、その隙間の近くで、ガラスの粘度が高く成るようにすることである。
【0020】
言い換えれば、光学有効面を形成する条件と、非光学有効面を形成する条件とは、互いに異なっているべきであって、このためには、両者の間に温度差を設けるのが有効であると言える。そのために、非光学有効面の界面の温度は、光学有効面の界面の温度よりも低くすることが必要であり、発明者の実験によれば、前者を後者より5〜50℃低くすれば、問題となるバリの発生回避と、離型性の両方を満足できるのである。
【0021】
通常、型部材およびガラスの界面の温度は、両者の熱容量の違いから、型部材の温度に等しいか近いものである。そこで、非光学有効面を形成する型部材の温度と、光学有効面を形成する型部材の温度との差を適宜選択して、実験したところ、それが5℃未満の場合、光学有効面界面と非光学有効面との界面での、ガラス粘度の差が小さく、非光学有効面での離型性をよくしたり、型部材間の隙間にガラスが入り込まないようにする効果は期待できなかった。
【0022】
また、非光学有効面を形成する型の温度と光学有効面を形成する型の温度の差が50℃を越える場合、非光学有効面界面における温度が、光学有効面界面に及ぼす影響が無視できなくなり、光学有効面の精度が確保されなくなる。
【0023】
非光学有効面を形成する型部材(胴型あるいはリング部材)の温度を、光学有効面を形成する型部材(上・下型部材)の温度よりも低くするには、型部材の熱容量や構造によって制御することもできるが、ヒーターの配置方法で制御する方法や、より積極的には、窒素ガスなどの冷媒を使って温度制御する方法も可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すための成形用型の構造図であり、また、図2は、その成形品の図である。ここで、符号1は上型部材、2は下型部材、3は胴型、4は冷却ガスの通路、5は成形されるべきガラス素材、6は上型部材を加熱するためのヒーター、7は下型部材を加熱するためのヒーター、8、9はリード線、10、11、12は熱電対、13は成形されたレンズ、14はそのレンズの上面(光学有効面)、15はそのレンズの下面(同じく、光学有効面)、16はそのレンズの外周面(非光学有効面)、17はそれら上面と外周面の稜線、18はそれら下面と外周面の稜線を示している。なお、図1に示す成形用型は、成形チャンバー(図示せず)の中で、N雰囲気下に置かれている。
【0025】
而して、光学有効面14、15を形成する上・下型部材1、2と非光学有効面16を形成する型部材(この実施の形態では、胴型3)とを有する成形用型を用いて、ガラス素材5をプレスし、光学素子、即ち、レンズ13を成形する際に、胴型3の温度を、上・下型部材1、2の温度よりも5〜50℃低くなるように、温度制御するのである。そのためには、熱電対10、11、12の測定結果で、ヒーター6、7を制御し、また、冷却ガスの通路4への冷媒の供給量の制御を行う必要があるので、そのための制御系(図示せず)も用意されている。
【0026】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態におけるリング部材の構成を示し、また、図4は、この実施の形態における成形用型の構造図である。ここで、符号19は非光学有効面を形成するための型部材(この実施の形態では、リング部材)であり、20はガラス素材、21は光学有効面を形成するための上型部材、22は、同じく、光学有効面を形成するための下型部材、23はリング部材19を保持するための円筒形のステージ、24は上型部材を加熱するためのヒーター、25は下型部材を加熱するためのヒーター、26、27はリード線、28、29、30、31は熱電対、32は冷却用の窒素ガスを噴出するためのノズル、33は成形されたレンズを示している。なお、図4に示す成形用型は、成形チャンバー(図示せず)の中でN雰囲気下に置かれている。
【0027】
而して、光学有効面を形成する上・下型部材21、22と非光学有効面を形成する型部材(この実施の形態では、リング部材19)とを有する成形用型を用いて、ガラス素材20をプレスし、光学素子、即ち、レンズ33を成形する際に、リング19の温度を、上・下型部材21、22の温度よりも5〜50℃低くなるように、温度制御するのである。そのためには、熱電対28、29、30、31の測定結果で、ヒーター24、25を制御し、また、冷却ガスの通路4への冷媒の供給量の制御を行う必要があるので、そのための制御系(図示せず)も用意されている。
【0028】
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態を示す成形用型の構造平面図である(ここでは、上型部材39を省略した状態が示されている)。また、図6はこの構造平面図におけるY1〜Y2の断面図である(ここでは、上型部材39も表示されている)。更に、図7は、同じくX1〜X2の断面図、図8は、成形された光学素子(シリンドリカルレンズ)40を示す。ここで、符号34、35は側壁部を、また、36、37は端壁部を示しており、これらによって、上・下型部材39、38の外周を囲んでいる。なお、成形品40は、その光学有効面を上・下型部材の成形面で形成され、また、非光学有効面を各側壁部および端壁部で形成されている。なお、このような成形用型は、成形チャンバー(図示せず)の中でN雰囲気下に置かれている。また、前述の実施の形態と同様に、熱電対、ヒーター、冷媒の通路、これらの制御系などを装備している(図示せず)。
【0029】
而して、光学有効面を形成する上・下型部材39、38と非光学有効面を形成する型部材(この実施の形態では、側壁部および端壁部からなる周壁部材)とを有する成形用型を用いて、ガラス素材をプレスし、光学素子、即ち、シリンドリカルレンズ40を成形する際に、周壁部材の温度を、上・下型部材39、38の温度よりも5〜50℃低くなるように、温度制御するのである。そのためには、当然、熱電対の測定結果で、ヒーターを制御し、また、冷却ガスの通路への冷媒の供給量の制御を行う必要があるので、そのための制御系(図示せず)も用意されている。
【0030】
【実施例】
(第一の実施例)
本発明の第1の実施の形態を具体的な事例で示すと、以下の通りである。即ち、ここでのレンズ成形用素材としては、SK12(nd=1.58313、vd=59.4、Tg=506℃、At=538℃)が用いられ、これによって、直径:11mm、中心厚:5mmのゴブを、予め作成して置く。このガラス素材からR1=17.57mm、R2=63.35mm、中心厚=1.3mm、外径=φ14mmの両凹レンズを成形する。
【0031】
成形工程としては、素材であるガラスゴブを、図1に示す成形用型のキャビティ内に置き、成形用型を加熱して、その上・下型部材を所定の温度に調整する。さらに、胴型3の温度を制御するために、窒素ガスを通路4に流し、その流量によって型温度を所望の温度に調節した。ガラスの温度が安定するのに必要な時間を要するが、その後に、上型部材1を下降させて、プレス成形し、光学素子を得た。その後、成形用型を冷却してから、上型部材1を胴型3から抜き、成形されたレンズ5を取り出した。
【0032】
この際、上・下型部材1、2と胴型3との温度差を、下表のように、種々の成形条件において設定し、実験を試みた。
【0033】
【表1】
Figure 0003618936
上記のようになり、胴型の温度が成形型の温度よりも5〜50℃低い場合に、バリの発生もなく、胴型からの成形品の取り出しもスムーズにできることが理解できる。その結果、本発明の成形条件では、図2に示すように、光学素子13の稜線17、18は、完全なシャープ・エッジ二は成らず、わずかに自由表面を持っており、バリの発生などはなかった。
【0034】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施の形態を具体的な事例で示すと、以下の通りである。即ち、ここでのレンズ成形用素材として、LAK12(nd=1.67790、vd=54.9、Tg=562℃、At=593℃)が用いられ、これによって、直径:13mm、肉厚:3.7mmの円板を作成した。このガラス素材から、R1=15mm、R2=20mm、中心厚:1.2mm、R2の面側の開口部の直径=11mm、外径=15mmの両凹レンズを成形する。
【0035】
成形工程としては、ガラス素材である円板を、リング部材19に載置して、ヒーターで成形可能温度まで加熱し、該リング部材を搬送して、ステージ23に載置した。ステージ23の上下部分には、予め、成形可能温度に保持した上型部材21と下型部材22が待機している。リング部材の搬送後、上・下型部材を互いに接近させて、ガラス素材をプレス変形させる。
【0036】
この変形開始と同時に、ノズル32からNガスを噴射して、リング部材19の温度を、所望値まで低下させた。この温度調節は、迅速に行われ、ガラスが変形して、その外周部がリング部材19に接触するまでに完了させる。変形完了後、転移点まで冷却した後に、上・下型部材を開離させ、成型用型を開放して、成形されたレンズを載せた状態のまま、リング部材19を取り出し、所定位置に搬送した後、リング部材19からレンズ33を取り出した。
【0037】
この際、上・下型部材とリング部材との温度差を、下表のように、種々の成形条件において設定し、実験を試みた。
【0038】
【表2】
Figure 0003618936
上記結果からリング部材の温度が成形型の温度よりも5〜50℃低い場合に、バリの発生もなくリング部材からの成形品の取り出しもスムーズにできることがわかる。その結果、本発明の成形条件では、得られたレンズの稜線にバリの発生はなく、また、リング部材からの取り出しもスムーズに行われた。
【0039】
(第3の実施例)
本発明の第3の実施の形態を具体的な事例で示すと、以下の通りである。即ち、ここでのレンズ成形用素材として、LaF010(nd=1.73310、vd=49.4、Tg=571℃、At=600℃)が用いられ、これによって、直径:3.7mm、長さ:31mmの円筒形ガラス素材を作成した。このガラス素材から、上面R=∞、下面の母線R=∞、子線R=28mmのシリンドリカル面を有する、長さ:32mm、幅:15mm、厚み:6.02mmのシリンドリカルレンズを成形する。
【0040】
成形工程としては、素材である円筒を、図5〜7に示す成形用型のキャビティ内に置き、成形用型を加熱して、各型部材が所定の温度になるようにする。なお、ここでは、個々の上・下型部材および周壁部材には、個別のヒーター(図示せず)がセットされていて、それぞれの型部材の温度を、ある程度、任意に設定できるのである。そして、ガラスの温度が安定するのに必要な時間の後に、上型部材39を下降させて、光学素子をプレス成形した。その後、各型部材を冷却してから、上型部材39を周壁部材から抜き、成形されたシリンドリカルレンズ40を取り出した。
【0041】
この際、上・下型部材と周壁部材との温度差を、下表のように、種々の成形条件において設定し、実験を試みた。
【0042】
【表3】
Figure 0003618936
上記結果から、周壁部材の温度が、上・下型部材の温度よりも5〜50℃低い場合に、バリの発生もなく、側壁型からの成形品の取り出しもスムーズにできることがわかる。その結果、本発明の成形条件では、図8に示すようなシリンドリカルレンズ40の各稜線は、完全なシャープ・エッジではなく、わずかに自由表面を持っており、バリの発生などがなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、光学有効面を形成する型部材と非光学有効面を形成する型部材とを有する成形用型を用いて、ガラス素材をプレス変形し、光学素子を成形する方法において、上下型部材を移動して前記ガラス素材をプレス変形する際に、前記非光学有効面を形成する型部材の温度を、前記光学有効面を形成する型部材の温度よりも5〜50℃低くなるように、制御することによって、型部材同士の隙間に、ガラスが入り込んで、バリになることを防止でき、しかも、成形品をスムーズに型から取り出すことが可能になったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す成形用型の構造図である。
【図2】同じく、その成形品の図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるリング部材の図である。
【図4】同じく、成形用型の構造図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す成形用型の構造平面図である。
【図6】同じく、Y1〜Y2の断面図である。
【図7】同じく、X1〜X2の断面図である。
【図8】同じく、その、成形された光学素子の図である。
【符号の説明】
1 上型部材
2 下型部材
3 胴型
4 冷却ガスの通路
5 ガラス素材
6 上型部材用ヒーター
7 下型部材用ヒーター
8、9 リード線
10、11、12 熱電対
13 成形されたレンズ
14 上面(光学有効面)
15 下面(光学有効面)
16 外周面(非光学有効面)
17、18 稜線
19 リング部材
20 ガラス素材
21 上型部材
22 下型部材
23 ステージ
24 上型部材用ヒーター
25 下型部材用ヒーター
26、27 リード線
28、29、30、31 熱電対
32 窒素ガス噴出ノズル
33 成形されたレンズ
34 側壁部
35 側壁部
36 端壁部
37 端壁型
38 下型部材
39 上型部材
40 成形品

Claims (4)

  1. 光学有効面を形成する型部材と非光学有効面を形成する型部材とを有する成形用型を用いて、ガラス素材をプレス変形し、光学素子を成形する方法において、上下型部材を移動して前記ガラス素材をプレス変形する際に、前記非光学有効面を形成する型部材の温度を、前記光学有効面を形成する型部材の温度よりも5〜50℃低くなるように、制御することを特徴とする光学素子の成形方法。
  2. 前記非光学有効面を形成する型部材が、光学素子の外径を形成するための胴型であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形方法。
  3. 前記非光学有効面を形成する型部材が、光学素子の外径を形成するためのリング部材であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形方法。
  4. プレス変形する際に、冷媒によって、前記非光学有効面を形成する型部材を冷却することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子の成形方法。
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