JPH09233360A - 水平偏向高圧発生回路 - Google Patents

水平偏向高圧発生回路

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JPH09233360A
JPH09233360A JP8060043A JP6004396A JPH09233360A JP H09233360 A JPH09233360 A JP H09233360A JP 8060043 A JP8060043 A JP 8060043A JP 6004396 A JP6004396 A JP 6004396A JP H09233360 A JPH09233360 A JP H09233360A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い耐圧のスイッチ素子で大きな偏向パワー
を扱うことができる水平偏向高圧発生回路を提供する。 【解決手段】 水平出力トランジスタ26,ダンバーダ
イオード28,帰線共振コンデンサ29は第1の水平パ
ルス発生回路を構成し、補助水平出力FET34,ダン
バーダイオード35,帰線共振コンデンサ36は第1の
水平パルス発生回路と直列に接続され、第2の水平パル
ス発生回路を構成している。第1及び第2の水平パルス
発生回路には水平偏向コイル30とS字補正コンデンサ
31との直列回路とフライバックトランス32が並列に
接続されている。高圧分圧抵抗37,38と演算増幅器
39とタイミング回路40によって、高圧HVの値に応
じて補助水平出力FET34のオン開始時点を変化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受像管ディスプレ
イ機器における電子ビームを水平偏向せしめると共に、
受像管に供給する高圧を発生する水平偏向高圧発生回路
の改良に係り、特に、低耐圧のスイッチ素子を組み合わ
せてより高いスイッチパルスに耐えるよう構成し、大き
な偏向パワーを扱えるようにすると共に、高圧変動に応
じてスイッチパルスの波高値を制御することによって、
偏向作用に影響を与えずに高圧を安定化することができ
る水平偏向高圧発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】受像管の水平偏向高圧発生回路におい
て、受像管が広角度偏向であったり、また、電子銃を大
口径にするためネック径を太くしたりすると、より大き
な偏向パワーを要するようになる。また、受像管ディス
プレイ機器をコンピュータ端末として使用する場合、近
年、水平偏向周波数がますます上昇する傾向にあり、こ
れによっても水平偏向パワーが増大する。この大パワー
を扱うためには、水平出力回路のスイッチ素子として、
耐圧の高さと許容電流の大きさとの両方が要求される。
もし、現状入手可能なスイッチ素子、即ち、バイポーラ
トランジスタやFETの定格が、単一でこの要求に対し
て不足であるならば、複数個のスイッチ素子を組み合わ
せてこの要求に対応しなければならない。
【0003】図3はこの要求に対応するための従来の水
平偏向高圧発生回路の一例を示す回路図である。図3に
おいて、励振トランス1の1次巻線1aには、図示して
いない前段より水平励振パルスVdが入力され、その2
次巻線1bには、水平励振パルスVdを変圧したパルス
が出力される。2次巻線1bには、ベース抵抗4を介し
て水平出力トランジスタ2が接続され、また、ベース抵
抗5を介して水平出力トランジスタ3が接続されてい
る。水平出力トランジスタ2のコレクタと水平出力トラ
ンジスタ3のコレクタが接続されている。水平出力トラ
ンジスタ2,3のコレクタには、ダンパーダイオード
6,帰線共振コンデンサ7,水平偏向コイル8とS字補
正コンデンサ9の直列回路,フライバックトランス10
が接続されている。フライバックトランス10の2次巻
線10bには高圧整流ダイオード11が接続されて高圧
HVが得られる。
【0004】もしここで、一方の水平出力トランジスタ
3とベース抵抗5がなければ、これは通常の水平出力回
路である。即ち、フライバックトランス10の1次巻線
10aの一端に直流電源電圧Eb1を加えると、水平励振
パルスVdに応じて水平出力トランジスタ2がスイッチ
ング動作を行う。そして、周知の原理によりそのコレク
タには帰線パルスVc1が発生し、水平偏向コイル8には
のこぎり波の水平偏向電流Iy1が流れ、図示していない
受像管の電子ビームを左右に偏向する。また、この図3
に示す回路は、水平偏向と同時に高圧発生も兼ねた水平
偏向高圧発生回路である。即ち、帰線パルスVcはフラ
イバックトランス10の2次巻線10bに昇圧された
後、高圧整流ダイオード11により整流されて高圧HV
となり、受像管の陽極に加えられる。
【0005】ここで、水平出力トランジスタ3のコレク
タ・エミッタ端子が水平出力トランジスタ2と並列に接
続され、ベース抵抗5によって同様に励振トランス1の
2次巻線1bより励振を加えると、本来のコレクタ電流
Ic1が二分されて水平出力トランジスタ2,3にそれぞ
れ流れる。従って、図3に示す水平偏向高圧発生回路
は、水平出力トランジスタ2単独の場合に比べて2倍の
大電流を扱うことができ、それだけ許容偏向パワーが大
きくなる。
【0006】図4は従来の水平偏向高圧発生回路の他の
例を示す回路図である。図4において、励振トランス1
2の1次巻線12aには、図示していない前段より水平
励振パルスVdが入力され、その2つの2次巻線12
b,12cには、水平励振パルスVdを変圧したパルス
が出力される。2次巻線12bには、ベース抵抗15を
介して水平出力トランジスタ13が接続され、2次巻線
12cには、ベース抵抗16を介して水平出力トランジ
スタ14が接続されている。
【0007】水平出力トランジスタ13のコレクタに
は、ダンパーダイオード17と18の直列回路,帰線共
振コンデンサ19と20の直列回路,水平偏向コイル2
1とS字補正コンデンサ22の直列回路,フライバック
トランス23が接続されている。フライバックトランス
23の1次巻線23aの一端に直流電源電圧Eb1が加え
られている。フライバックトランス23の2次巻線23
bには高圧整流ダイオード24が接続されて高圧HVが
得られる。なお、水平偏向コイル21にはのこぎり波の
水平偏向電流Iy2が流れる。この図4の構成では、図3
とは異なり、水平出力トランジスタ13のエミッタと水
平出力トランジスタ14のコレクタが接続されて、直列
接続されている。励振トランス12の2次巻線12bの
一端が、水平出力トランジスタ13,14とダンパーダ
イオード17,18と帰線共振コンデンサ19,20の
それぞれの接続点に接続されている。
【0008】このように構成すると、ここに発生する帰
線パルスVc2は水平出力トランジスタ13,14の両コ
レクタ・エミッタ間で約半分ずつ分担される。従って、
もしそれぞれの水平出力トランジスタ13,14の耐圧
が従来と同じであるなら、帰線パルスVc2は図3におけ
る帰線パルスVc1の倍の値まで許容することができ、そ
の分やはり大きな偏向パワーを扱うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
図3及び図4に示す従来の水平偏向高圧発生回路は、単
一の水平出力トランジスタを使った構成のものと比べ
て、取り扱い偏向パワーが2倍になる。しかしながら、
それぞれ以下のような問題点も抱えている。まず、図3
においては、水平出力トランジスタ2,3のバランスの
問題があって必ずしも総合コレクタ電流Ic1がそれぞれ
半分ずつ流れるとは限らず、その分、コレクタ電流Ic1
の値が単一の水平出力トランジスタを使った場合の2倍
以下に制限される。また、水平出力トランジスタ2,3
の蓄積時間に差がある場合には、蓄積時間の長い方のト
ランジスタにコレクタ電流Ic1の最後の部分が集中して
しまい、これも偏向パワーを単純に2倍にできない原因
の1つになっている。勿論これを解決するために種々の
バランス回路は考えられるが、いずれにしても回路構成
が複雑になってしまう。
【0010】さらに、図3においては、単一の水平出力
トランジスタを使った場合に比べて総合コレクタ電流I
c1を増加させて偏向パワーを増大させるため、回路各部
の電流値が増加してしまう。ところが、回路中の半導体
のオン電圧や回路接続の直流抵抗分等は簡単には減らす
ことができず、ほぼ一定値なので、電流の増加はそのま
ま回路損失の増大につながり、全体の消費電力が増えて
しまう。また、コレクタ電流Ic1ひいては水平偏向コイ
ル8の水平偏向電流Iy1を倍増させるため、水平偏向コ
イル8のインダクタンスを半減させなければならない。
これは、水平偏向コイル8の巻線のターン数を減少させ
ることにより行うが、これによって1ターン当たりの磁
界分布への影響が大きくなり、水平偏向コイル8の設計
が困難となる。
【0011】これに対して、図4においては、2つの水
平出力トランジスタ13,14を直列に接続しているの
で、単一の水平出力トランジスタを使った場合に比べて
総合コレクタ電流Ic2が増えることはなく、図3に比べ
て、偏向パワーを増しても電力増加の割合は少ない。耐
圧に配慮する以外は、水平偏向コイル21の設計が難し
くなる訳ではない。しかし、やはり両方の水平出力トラ
ンジスタ13,14の蓄積時間、電流降下時間を正確に
一致させないと帰線時間の始めで一方の遮断の遅いトラ
ンジスタの方に損失が集中してしまい、信頼性上問題が
生じてしまう。
【0012】また、図3,図4共、フライバックトラン
ス10,23の2次巻線10b,23bで昇圧したパル
スを整流して受像管用の高圧HVを得ているが、受像管
に映出される画像の輝度が上がって高圧HVの電流が増
えると、フライバックトランス10,23自身や電源の
内部インピーダンスの影響により、高圧HVが低下して
画像のサイズが変化してしまう この現象を解決するには、電源回路に新たに電圧制御回
路を設けて、電源電圧Eb1,Eb2を高圧HVの値に応じ
てその変化を補償するよう動かしてやればよい。しか
し、その場合、電源電圧Eb1,Eb2が変化すると今度は
そのことによって水平偏向電流Iy1,Iy2が変化してし
まい、さらにこの変化を補償するための別の対策が必要
となる。その結果として当然、回路はますます複雑化し
てしまうという問題がある。
【0013】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、低い耐圧のスイッチ素子で大きな偏向パワ
ーを扱うことができ、しかも、回路が複雑化することな
く、損失が少なく信頼性の大きい水平偏向高圧発生回路
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、受像管における電子ビー
ムを水平偏向せしめると共に、前記受像管に供給する高
圧を発生する水平偏向高圧発生回路において、水平偏向
周期でオン・オフする第1のスイッチ素子と、第1のダ
ンバーダイオードと、第1の帰線共振コンデンサが並列
に接続された第1の水平パルス発生回路と、前記第1の
スイッチ素子のオフ期間内にオンからオフに転じる第2
のスイッチ素子と、第2のダンバーダイオードと、第2
の帰線共振コンデンサが並列に接続され、その全体が前
記第1の水平パルス発生回路と直列に接続された第2の
水平パルス発生回路と、前記第1及び第2の水平パルス
発生回路の直列回路に並列に接続された水平偏向コイル
とS字補正コンデンサとの直列回路と、1次巻線が前記
第1及び第2の水平パルス発生回路の直列回路に等価的
に並列に接続され、2次巻線に接続された高圧整流ダイ
オードによって高圧を得るフライバックトランスと、前
記高圧の値に応じて前記第2のスイッチ素子のオン開始
時点を制御する制御回路とを設けて構成したことを特徴
とする水平偏向高圧発生回路を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水平偏向高圧発生
回路について、添付図面を参照して説明する。図1は本
発明の水平偏向高圧発生回路の一実施例を示す回路図、
図2は本発明の水平偏向高圧発生回路の動作を説明する
ための波形図である。
【0016】図1において、励振トランス25の1次巻
線25aには、図示していない前段より水平励振パルス
Vdが入力され、その2次巻線25bには、水平励振パ
ルスVdを変圧したパルスが出力される。2次巻線25
bには、ベース抵抗27を介して水平出力トランジスタ
26が接続されている。水平出力トランジスタ26のコ
レクタには、ダンパーダイオード28と35の直列回
路,帰線共振コンデンサ29と36の直列回路,水平偏
向コイル30とS字補正コンデンサ31の直列回路,フ
ライバックトランス32が接続されている。フライバッ
クトランス32の2次巻線32bには高圧整流ダイオー
ド33が接続されて高圧HVが得られる。
【0017】高圧HVは高圧分圧抵抗37,38により
分圧されて検知電圧Erとなり、演算増幅器39の非反
転入力端子に入力される。演算増幅器39の反転入力端
子には基準電圧Esが入力され、演算増幅器39は検知
電圧Erと基準電圧Esとを比較して電圧Eoを出力す
る。この電圧Eoはタイミング回路40に入力される。
タイミング回路40には、フライバックトランス32の
1次側に設けられた巻線32cより帰線パルスである3
次パルスVtが入力されている。タイミング回路40は
帰線パルスVtを基にしてゲートパルスVgを出力す
る。このゲートパルスVgは補助水平出力FET34に
入力される。補助水平出力FET34のドレイン端子は
励振トランス25の2次巻線25bの一端、水平出力ト
ランジスタ26のエミッタ、さらには、ダンパーダイオ
ード28,35及び帰線共振コンデンサ29,36のそ
れぞれの接続点に接続されている。
【0018】このように構成される本発明の水平偏向高
圧発生回路においては、水平偏向周期でオン・オフする
第1のスイッチ素子である水平出力トランジスタ26
と、第1のダンバーダイオード28と、第1の帰線共振
コンデンサ29が並列に接続されており、これらは第1
の水平パルス発生回路を構成している。また、第2のス
イッチ素子である補助水平出力FET34と、第2のダ
ンバーダイオード35と、第2の帰線共振コンデンサ3
6が並列に接続されており、これらは第2の水平パルス
発生回路を構成している。この第1の水平パルス発生回
路と第2の水平パルス発生回路とは直列に接続された構
成となっている。そして、第1及び第2の水平パルス発
生回路の直列回路に並列に、水平偏向コイル30とS字
補正コンデンサ31との直列回路が接続され、また、フ
ライバックトランス32が等価的に並列に接続された構
成となっている。
【0019】このように構成される本発明の水平偏向高
圧発生回路において、もし、補助水平出力FET34が
常時オン状態になっているとすると、実質的に水平出力
トランジスタ26のエミッタが接地されたことになるの
で、これは通常の水平偏向高圧発生回路であって、周知
の原理により水平偏向コイル30にのこぎり波の水平偏
向電流Iyが流れる。そして、図示していない受像管の
電子ビームを左右に偏向し、高圧整流ダイオード33の
カソードには高圧HVを発生して受像管の陽極電圧とす
ることができる。しかし、実際の動作は、補助水平出力
FET34は帰線期間の一部でオフ状態となり、そのド
レイン端子には補助パルスVmが発生する。
【0020】ここで、図2を用いて本発明の水平偏向高
圧発生回路の動作について説明する。図2において、
(A)は補助水平出力FET34が常時導通状態の時の
水平出力トランジスタ26のコレクタ・エミッタ間に発
生する帰線パルスVceを示している。(B)は補助水平
出力FET34のゲートに加えられる方形波であるゲー
トパルスVgを示している。補助水平出力FET34は
ゲートパルスVgのハイレベルの部分でドレイン・ソー
ス間が導通する。ここで、ゲートパルスVgがハイから
ローに移る時点、即ち、補助水平出力FET34がオン
からオフに変わる時点Taは必ず帰線期間tr内の前半
に位置しているものとする。
【0021】この時点Taからは補助水平出力FET3
4のドレインに図2の(C)に示すような補助パルスV
mが発生する。この補助パルスVmはほぼ正弦波状であ
って、その半サイクルが終了した後に自動的にダイオー
ド35が導通し、補助水平出力FET34のドレイン電
圧はゼロになる。このように補助パルスVmが発生する
と、水平出力トランジスタ26のコレクタと接地間に現
れる帰線パルスVcは、図2の(D)に示すように、帰
線パルスVceと補助パルスVmとが加算された形にな
り、これがフライバックトランス32で昇圧されて高圧
HVとなるので、その分、高圧HVの値が増加する。し
かし、水平出力トランジスタ26のコレクタ・エミッタ
間の電圧はVceのままであり、水平出力トランジスタ2
6の耐圧を増す必要はない。
【0022】また、この高い帰線パルスVcに対応して
定められた水平偏向電流Iyを流すため、水平偏向コイ
ル30のインダクタンスLはより高くなり、その分、大
きな偏向パワーを扱うことができる。なお、偏向パワー
は(1/2)×L×Iy2 で表される。同時に、水平偏
向コイル30のインダクタンスLが大きいため、水平偏
向コイル30の設計は容易となる。
【0023】ここで、図2の(B)に破線で示すよう
に、ゲートパルスVgがハイからローに切り換わる時点
Taが若干前に移動したとすると、その分、補助水平出
力FET34がオフしている時間が長くなり、直列接続
された帰線共振コンデンサ29,36の総合容量値が小
さくなり、図2の(C)に破線で示すように、補助パル
スVmの波高値が高くなる。この結果、図2の(D)に
示すように、水平偏向コイル30に加わる合成の帰線パ
ルスVcの波高値も高くなり、これを昇圧整流して得る
高圧HVの値もさらに上昇することになる。
【0024】このようにしてゲートパルスVgの位相を
動かすことによって高圧HVを変化させても、フライバ
ックトランス32の1次巻線32aの一端に供給される
電源電圧Ebが一定であるので、水平偏向コイル30に
流れる水平偏向電流Iyの値はほとんど変化することは
ない。帰線時間trが若干変わるだけとなる。従って、
図1に示す構成で高圧HVの低下を補うようにタイミン
グ回路40によってゲートパルスVgの位相を変えて帰
線パルスVcを上昇させても、画像の水平振幅には影響
がない。
【0025】従って、図1において、もし陽極電流が増
加して高圧HVが低下し、高圧分圧抵抗37,38によ
って分圧されて得た検知電圧Erが基準電圧Esを割り
込むと、演算増幅器39の出力電圧Eoが急減する。す
ると、この電圧Eoはタイミング回路40に作用してそ
の出力であるゲートパルスVgの位相を、図2の(B)
に破線で示すように変化させる。即ち、高圧分圧抵抗3
7,38と演算増幅器39とタイミング回路40は、高
圧HVの値に応じて補助水平出力FET34のオン開始
時点を制御する制御回路として動作している。なお、こ
の図1に示す構成では、タイミング回路40は、フライ
バックトランス32の巻線32cより得た3次パルスV
tを基準としてゲートパルスVgを生成しているが、タ
イミング回路40に入力する波形は、水平偏向周期の波
形であればよく、例えば水平励振パルスVd等でもよ
い。
【0026】このように、ゲートパルスVgの前縁が図
2の(B)に破線で示すように移動すると、前述したよ
うに帰線パルスVcが増加して、結局、低下しようとし
た高圧HVを増加させるように補償する。従って、高圧
HVは検知電圧Erが常に基準電圧Esに一致するよう
に安定化される。また、前述したように、帰線パルスV
cは水平出力トランジスタ26のコレクタ・エミッタ間
の帰線パルスVceと補助水平出力FET34の補助パル
スVmとの和になるので、水平出力トランジスタ26と
補助水平出力FET34それぞれの耐圧は小さくて済
む。
【0027】しかも、図4に示す従来例のように、それ
ぞれのスイッチ素子(図1では水平出力トランジスタ2
6と補助水平出力FET34)のオン・オフのタイミン
グを一致させるよう注意を払う必要もない。即ち、補助
水平出力FET34は必ず帰線時間trが始まってしば
らくしてからオフするよう、タイミング回路40より出
力されるゲートパルスVgが設定されているので、水平
出力トランジスタ26がオフする際、補助水平出力FE
T34はオン状態であり、図2の(E)に示すコレクタ
電流Icの降下時間tfの大小によって、帰線パルスV
cの電圧配分バランスが崩れることはない。
【0028】また、この図1において、補助水平出力F
ET34のドレイン電流Idrは図2の(F)に示すよう
に流れる。即ち、帰線時間trが始まるまでは水平出力
トランジスタ26のコレクタ電流Icと同じ電流が流れ
るが、帰線時間trのスタートから補助水平出力FET
34がオフする時点Taまでは帰線共振コンデンサ29
の電流が流れる。この補助水平出力FET34が再びオ
ンに転じる時点Tbは、図2の(B)及び(F)に示す
ように、帰線時間trの終了後、走査時間tsの2分の
1以内に入っていればよい。
【0029】従って、このことから、先に説明したよう
に、高圧HVを上昇させる方向で補償する際、図2の
(B)に示すゲートパルスVgの前縁を進ませるが、後
縁は任意である。この図2の(B)ではゲートパルスV
gのパルス幅toff を一定として、その後縁も一緒に進
ませているが、この後縁の時間位置である時点Tbは固
定であっても、あるいは前縁の動きと逆方向に動くよう
にしてもよい。帰線時間trの終了時点から時点Tbま
での間は、図2の(F)に破線で示すように、ダンパー
ダイオード35の方に電流Id2が流れる。
【0030】さらに、図1に示す本発明では、図3に示
す従来例と比べて、水平偏向コイル30に加わるパルス
電圧が高く、そこに流れる水平偏向電流Iyは小さくな
るので、その分、水平偏向コイル30のインピーダンス
を高く設計することができる。このことは、水平偏向コ
イル30の巻数を多くすることができることを意味し、
巻数当たりの磁界への影響が少ないので、設計が容易と
なり、所定の特性を出しやすいという特長を有すること
となる。また、電源電圧Ebも図3における電源電圧E
b1より高くなるので、電源部を含めた回路損失も少な
い。
【0031】以上説明した本実施例では、第2のスイッ
チ素子として、FETを用いているが、勿論、バイポー
ラトランジスタでも構成可能である。しかし、FETを
用いる方が、オンからオフに転じる際の時間的遅れが少
ない分、設計が容易である。
【0032】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の水
平偏向高圧発生回路は、水平偏向周期でオン・オフする
第1のスイッチ素子と、第1のダンバーダイオードと、
第1の帰線共振コンデンサが並列に接続された第1の水
平パルス発生回路と、前記第1のスイッチ素子のオフ期
間内にオンからオフに転じる第2のスイッチ素子と、第
2のダンバーダイオードと、第2の帰線共振コンデンサ
が並列に接続され、その全体が前記第1の水平パルス発
生回路と直列に接続された第2の水平パルス発生回路
と、前記第1及び第2の水平パルス発生回路の直列回路
に並列に接続された水平偏向コイルとS字補正コンデン
サとの直列回路と、1次巻線が前記第1及び第2の水平
パルス発生回路の直列回路に等価的に並列に接続され、
2次巻線に接続された高圧整流ダイオードによって高圧
を得るフライバックトランスと、前記高圧の値に応じて
前記第2のスイッチ素子のオン開始時点を制御する制御
回路とを設けて構成したので、低い耐圧のスイッチ素子
で大きな偏向パワーを扱うことが可能である。従って、
水平偏向周波数が高く、広角大口径の受像管を駆動する
場合に極めて有効である。しかも、同時に高圧を安定化
させることもでき、その高圧安定化の動作が水平偏向動
作に影響を及ぼさないので、回路が複雑化することもな
く、簡単な回路構成でよい。さらに、損失が少なく、信
頼性に悪影響を及ぼすことがないという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図である。
【図2】本発明の動作を説明するための波形図である。
【図3】従来例を示す回路図である。
【図4】他の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
25 励振トランス 26 水平出力トランジスタ(第1のスイッチ素子) 27 ベース抵抗 28,35 ダンパーダイオード 29,36 帰線共振コンデンサ 30 水平偏向コイル 31 S字補正コンデンサ 32 フライバックトランス 33 高圧整流ダイオード 34 補助水平出力FET(第2のスイッチ素子) 37,38 高圧分圧抵抗 39 演算増幅器 40 タイミング回路 HV 高圧 Vc,Vce 帰線パルス(水平パルス) Vm 補助パルス(水平パルス)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受像管における電子ビームを水平偏向せし
    めると共に、前記受像管に供給する高圧を発生する水平
    偏向高圧発生回路において、 水平偏向周期でオン・オフする第1のスイッチ素子と、
    第1のダンバーダイオードと、第1の帰線共振コンデン
    サが並列に接続された第1の水平パルス発生回路と、 前記第1のスイッチ素子のオフ期間内にオンからオフに
    転じる第2のスイッチ素子と、第2のダンバーダイオー
    ドと、第2の帰線共振コンデンサが並列に接続され、そ
    の全体が前記第1の水平パルス発生回路と直列に接続さ
    れた第2の水平パルス発生回路と、 前記第1及び第2の水平パルス発生回路の直列回路に並
    列に接続された水平偏向コイルとS字補正コンデンサと
    の直列回路と、 1次巻線が前記第1及び第2の水平パルス発生回路の直
    列回路に等価的に並列に接続され、2次巻線に接続され
    た高圧整流ダイオードによって高圧を得るフライバック
    トランスと、 前記高圧の値に応じて前記第2のスイッチ素子のオン開
    始時点を制御する制御回路とを設けて構成したことを特
    徴とする水平偏向高圧発生回路。
  2. 【請求項2】前記制御回路は、前記高圧が低下した時、
    前記第2の水平パルス発生回路に発生する水平パルスの
    値を増加せしめるよう、前記第2のスイッチ素子のオン
    開始時点を制御することを特徴とする請求項1記載の水
    平偏向高圧発生回路。
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