JPH09221867A - 屋根の接合構造 - Google Patents

屋根の接合構造

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Publication number
JPH09221867A
JPH09221867A JP3062996A JP3062996A JPH09221867A JP H09221867 A JPH09221867 A JP H09221867A JP 3062996 A JP3062996 A JP 3062996A JP 3062996 A JP3062996 A JP 3062996A JP H09221867 A JPH09221867 A JP H09221867A
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JP
Japan
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roof
buildings
building
joint structure
frame
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP3062996A
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English (en)
Inventor
Junichi Okabe
潤一 岡部
Yuji Higashiyama
裕治 東山
Hirochika Nakashiyouya
博規 中庄谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Misawa Homes Co Ltd
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エキスパンションジョイントの機能を有する
とともに、現場作業を容易に行うことができる屋根の接
合構造を提供すること。 【解決手段】 戸建て住宅10を構成する第1、第2建
物12,13の上部間に屋根14を水平方向に相対移動
自在に跨設した。これによると、地震発生時に第1、第
2建物12,13間で生じる層間変位量(D−d)が、
これら第1、第2建物12,13と屋根14との間で吸
収されるようになる。このため、第1、第2建物12,
13間に屋根14を跨設するだけで、エキスパンション
ジョイントの機能を有する戸建て住宅10が容易に得ら
れるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根の接合構造に
係り、互いに間隔を開けて建てられた複数の建物を含ん
で構成された住宅等に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、複数の建物を間隔を開けて建
て、これらの建物の屋根同士を接合して一つの大きな住
宅等にする場合がある。このような住宅では、各建物の
屋根の対向し合う妻側が可撓性のある笠木部材で相互に
接合されるのが一般的であり、こうすると、地震発生時
に各建物が個別に揺れることで、それら建物間に層間変
位が生じても、この変位量は笠木部材が撓むことで吸収
されるようになる。すなわち、この笠木部材による屋根
同士の接合構造は、各建物間で揺れの伝達が行われな
い、いわゆるエキスパンションジョイントとして機能す
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の接合構
造では、エキスパンションジョイントの機能を持たせる
必要性から、各建物毎に屋根を設ける作業とは別に、各
屋根同士を笠木部材で接合するという作業が生じ、現場
作業が煩雑になるという問題があった。
【0004】本発明の目的は、エキスパンションジョイ
ントの機能を有するとともに、現場作業を容易に行うこ
とができる屋根の接合構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の屋根の接合構造
は、図面を参照して説明すると、互いに間隔を開けて建
てられた複数の建物12,13の上部に跨って設けられ
る屋根14の接合構造であって、屋根14を各建物1
2,13に対して水平方向に相対移動自在に柔接合する
ことを特徴とするものである。このような本発明におい
ては、一つの屋根14が各建物12,13に跨って相対
移動自在に柔接合されるから、各建物12,13が個別
に揺れることで生じる層間変位量(D−d)は、各建物
12,13と屋根14との間で吸収され、エキスパンシ
ョンジョイントとして機能するようになる。この際、一
つの屋根14を各建物12,13に跨設するだけで、エ
キスパンションジョイントの機能が得られるから、笠木
部材を設置するという面倒な作業が不要となり、現場作
業が容易になる。
【0006】また、本発明の屋根の接合構造は、屋根1
4および各建物12,13のうちの少なくとも一方に長
孔32,40を設け、この長孔32,40にボルトを挿
通して屋根14と各建物12,13とを柔接合すること
を特徴とする。このような場合には、屋根14および各
建物12,13のうちの少なくとも一方に長孔32,4
0を設けるだけでよいから、接合構造が簡単となり、建
築コストの低減が図れるようになる。
【0007】そして、このような長孔32,40を屋根
14と各建物12,13との両方に設けるとともに、屋
根14の長孔40およびこの長孔40に対応する各建物
12,13の長孔32を各々の長手方向が直交するよう
に設けることが望ましい。このような場合には、各建物
12,13が水平方向のいかなる方向に揺れたとして
も、各建物12,13に生じる層間変位量(D−d)が
屋根14との間で確実に吸収されるようになる。
【0008】さらに、本発明の屋根の接合構造では、屋
根14および各建物12,13のうちの一方に、この屋
根14と各建物12,13との互いの位置決めを行うガ
イドピン33を設け、他方にこのガイドピン33が挿通
されるガイド孔41を設け、このガイド孔41の内周面
とガイドピン33の外周面との間に弾性部材42を介装
することが望ましい。このような場合には、ガイドピン
ト33をガイド孔41に挿通しながら屋根14を各建物
12,13に跨設することで、各建物12,13と屋根
14との位置決めを容易に行えるようになる。この際、
ガイドピン33の外周面とガイド孔41の内周面との間
に弾性部材42を介装するため、この弾性部材42が弾
性変形することにより、各建物12,13間の相対変位
量が吸収されるから、エキスパンションジョイントとし
ての機能が損なわれることもない。
【0009】また、本発明の屋根の接合構造では、各建
物12,13を基礎上で少なくとも水平方向に組み合わ
された複数の建物ユニット15を含んで構成し、各建物
12,13における複数の建物ユニット15のうちの少
なくとも一つの建物ユニット15を、基礎11上に固定
された位置決め部材68で位置決めすることが望まし
い。このような場合、各建物12,13が建てられる基
礎11部分の各々に、少なくとも一つの建物ユニット1
5の位置決めを行う位置決め部材68を所定の位置に固
定しておけば、先ず、これらの位置決め部材68を利用
して建物ユニット15を配設することにより、それらの
建物ユニット15が正確に位置決めされるから、これら
の建物ユニット15を基準にして他の建物ユニット15
を順次組み合わせれば、これによって建てられる各建物
12,13は互いの間隔Dが規定通りに確保されるよう
になる。なお、ここでの所定の位置とは、複数の建物ユ
ニット15を組み合わせて各建物12,13を建てた
際、各建物12,13間の間隔Dが規定通りとなるよう
に定められた位置をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る屋
根の接合構造が適用された戸建て住宅10を示す斜視図
である。戸建て住宅10は、一つの基礎11上に建てら
れた複数の建物である第1、第2建物12,13と、こ
れら第1、第2建物12,13の上部に跨設された屋根
14とを含んで構成されている。
【0011】第1、第2建物12,13は、互いに間隔
Dを開けて建てられたものであり、各々基礎11上に配
置された複数の一階建物ユニット15と、これら一階建
物ユニット15上に積重された二階建物ユニット16と
から構成されたユニット式建物である。これら一、二階
建物ユニット15,16は、図2にも示すように、四隅
に立設された四本の柱17と、これら四本の柱17の上
端間および下端間に各々架け渡された各四本の天井梁1
8および床梁19とを含んで構成された直方体状の骨組
み20を有している。
【0012】この骨組み20の長辺側に設けられた天井
梁18間には複数の天井小梁21が架け渡され、これら
天井小梁21の下面には天井梁18の下面にまで延びた
天井面材22が張られて天井が形成されるようになって
いる。また、長辺側の床梁19間には複数の根太23が
架け渡され、これら根太23の上面には床梁19の上面
にまで延びた床面材24が張られて床が形成されるよう
になっている。そして、骨組み20の上部には水平ブレ
ース25が張られて水平耐力の向上が図られているとと
もに、骨組み20の外部に臨む側面には、例えば、オー
トクレーブ養生された軽量気泡コンクリート(ALC)
製の外壁パネル26が取り付けられ、各外壁パネル26
で戸建て住宅10全体の外壁が形成されている。なお、
これら一階、二階建物ユニット15,16は、内部に内
壁パネルや間仕切りパネル等の必要な内部造作が施され
たり、あるいは、流し台や便器が設置され、内部が居室
やユーティリティールームとして使用されるようになっ
ている。
【0013】一方、屋根14は、いわゆるパラペット付
の陸屋根であり、各二階建物ユニット16の上部、およ
び、間隔Dとされた第1、第2建物12,13間の上部
に配置される複数の枠体27から構成された屋根用骨組
み28を備え、各枠体27の上部にはALC製の屋根パ
ネル29が配置され、外部に臨む側面にはパラペット形
成用のパネル30が設けられている。そして、各枠体2
7はチャンネル材を枠状に溶着して形成されたものであ
り、それらの枠体27同士はボルトおよびナットにより
相互に連結されている。
【0014】図3には、第1、第2建物12,13と屋
根14との接合構造、詳しくは、屋根14の屋根用骨組
み28と第1、第2建物12,13を構成する二階建物
ユニット16の骨組み20との接合構造が示されてい
る。二階建物ユニット16の骨組み20を構成する柱1
7の上端および二本の天井梁18の端部は仕口金物31
を介して互いに連結されており、この仕口金物31の上
面には長孔32および上方に突出したガイドピン33が
設けられている。これに対し、屋根用骨組み28を構成
する枠体27の隅部34には接合部材35が設けられて
いる。
【0015】この接合部材35は、図4にも示すよう
に、平面四角形の水平な基盤部36と、この基盤部36
の互いに直角をなす二辺縁から鉛直に立ち上がった平面
L字形の立片部37と、基盤部36の他の一辺縁から立
ち上がった台形状の補強片部38とから形成され、この
補強片部38には立片部37の上端と連続した水平な切
欠部39が設けられている。そして、立片部37の上部
が枠体27の下面に溶接等されて固着されるとともに、
補強片部38の上端が枠体27の上フランジに下方から
固着され、切欠部39が下フランジに嵌合して固着さ
れ、これにより、接合部材35が枠体27に取り付けら
れるようになっている。
【0016】また、接合部材35の基盤部36には、仕
口金物31の長孔32と上下に対応する位置に長孔40
が設けられ、ガイドピン33と対応する位置にガイド孔
41が設けられている。この長孔40は長手方向が長孔
32の長手方向に対して直交するように設けられ、ガイ
ド孔41には、図5に示すように、弾性部材であるゴム
製のブッシュ42がその円周方向に沿って設けられた溝
部42Aを利用して嵌め込まれており、ガイド孔41の
内周面および上下の周縁部分がこのブッシュ42で覆わ
れている。そして、このブッシュ42の開口部43には
上下端に外フランジを有する金属製のスリーブ44が嵌
合され、このスリーブ44にガイドピン33が挿通され
るようになっている。
【0017】図3に戻って、枠体27はガイドピン33
により案内されて二階建ユニット16の上部に配設され
るが、この際、仕口金物31の長孔32と接合部材35
の長孔40とには上方からボルト45が挿通され、この
ボルト45にはナット46が螺合され、これにより、二
階建物ユニット16の骨組み20と枠体27とが互いに
接合されるようになっている。また、ここでの図示を省
略するが、仕口金物31は、骨組み20の上部において
四隅に設けられているとともに、接合部材35も枠体2
7の四隅の各隅部34に設けられているものである。
【0018】そして、このような接合は、全ての二階建
物ユニット16と、これら二階建物ユニット16の上部
に配設される枠体27との間で行われるようになってい
る。すなわち、二階建物ユニット16を含んで構成され
た第1、第2建物12,13と、これら第1、第2建物
12,13の上部に跨設されかつ複数の枠体27から構
成された屋根14とは、各仕口金物31に設けられた長
孔32と各接合部材35に設けられた長孔40とに挿通
されるボルト45およびこれに螺合されるナット46に
よって互いに柔接合されることにより、第1、第2建物
12,13と屋根14とは、各長孔35,40の長手方
向に沿って互いに相対移動可能になっている。
【0019】ところで、図1において、第1、第2建物
12,13は間隔Dを有する空間に配置された複数の連
結枠50および連結部材51によっても互いに連結され
ており、第1、第2建物12,13間において水平方向
に対向し合う一、二階建物ユニット15,16の各下端
側同士が連結枠50で、各上端側同士が連結部材51で
各々連結されている。
【0020】連結枠50は、図6に示すように、四本の
チャンネル材からなる枠部材52が平面矩形の枠状に組
み立てられたものであり、その長辺方向の寸法が一、二
階建物ユニット15,16の長辺方向の寸法と略等し
く、短辺方向の寸法が間隔Dより若干小さくなってい
る。長辺側の二本の枠部材52間には補強部材53が架
け渡されているとともに、これら枠部材52の下フラン
ジにはその長手方向の両端側と中央とにボルト孔54が
設けられている。また、短辺側の一方の枠部材52にお
ける上フランジには、台形状の板金をL字形に折り曲げ
て形成されたブラケット55が別のL字形のブラケット
56を介してボルト止めされている。
【0021】このような連結枠50は、図7に示すよう
に、一階建物ユニット15の下方の仕口金物31に設け
られた支持部材57に載置される。そして、連結枠50
の長手方向の両端に設けられたボルト孔54と支持部材
57の上面に設けられた長孔58とには、ワッシャ59
を介してボルト60が上方から挿通され、このボルト6
0とこれに螺合されるナット61によって、連結枠50
が支持部材57に接合されるようになっている。また、
図8に示すように、一階建物ユニット15の長辺側の床
梁19にも同様な支持部材57が設けられ、この支持部
材57には連結枠50における長辺側の枠部材52の中
央部分が載置されるとともに、ボルト孔54と長孔58
とにワッシャ59を介して挿通されるボルト60および
これに螺合されるナット61によって連結枠50が支持
部材57に接合される。これにより、間隔Dを開けて対
向し合う一階建物ユニット15の下端側同士が連結枠5
0で連結されるようになっている。なお、対向し合う二
階建物ユニット16の下端同士の連結も同様である。
【0022】一方、連結部材51はチャンネル材からな
り、両端側が各々二枚のスチフナ62で補強されてい
る。この連結部材51の上フランジにおける長手方向の
両端側と下フランジの中央にはボルト孔54が設けられ
ている。
【0023】このような連結部材51は、図10に示す
ように、二階建物ユニット16の上方の仕口金物31に
設けられた支持部材57の下面にその端部が接合される
ようになっており、この支持部材57は図7で示した下
方の仕口金物31に取り付けられる場合と比して逆向き
になっている。そして、これらの連結部材51と支持部
材57とが、前述と同様に、ボルト孔54と長孔58と
にワッシャ59を介して挿通されるボルト60およびこ
れに螺合される図示略のナットによって接合されてい
る。これにより、間隔Dを開けて対向し合う二階建物ユ
ニット16の上端側同士が連結部材51で連結され、ま
た、対向し合う一階建物ユニット15の上端同士の連結
も同様である。
【0024】図11、図12には、連結枠50と外壁パ
ネル26との取付構造、および、連結部材51と外壁パ
ネル26との取付構造が示されている。図11、図12
において、連結枠50には前述したブラケット55,5
6がボルト63により取り付けられている。これらのボ
ルト63のうち、各ブラケット55,56を貫通するボ
ルト63は、外壁パネル26の下面側に予め埋設された
ナット64に螺入されており、このボルト63によって
外壁パネル26が連結枠50に取り付けられている。こ
の際、外壁パネル26の下面がブラケット55の水平部
55Aに載置されるようになっている。そして、連結部
材51の長手方向の中央における下フランジには、図9
で示したボルト孔54に挿通されるボルト63によって
L字形のブラケット65が取り付けられ、このブラケッ
ト65の長孔66に挿通される別のボルト63が外壁パ
ネル26の上面側に埋設されたナット64に螺合される
ことで、この外壁パネル26が連結部材51に取り付け
られるようになっている。
【0025】図13には、基礎11の平面図が示されて
いる。この図13および図7において、基礎11の上面
11Aには、一階建物ユニット15における下方の四隅
に設けられた仕口金物31と対応した位置に縦穴11B
が設けられ、この縦穴11Bには、一階建物ユニット1
5が載置する直前にコンクリートスラリーが打設され、
この後、このコンクリートスラリーが硬化するまでに、
各仕口金物31の下面から下方に突出したアンカーボル
ト67が一階建物ユニット15の載置と同時に挿入され
るようになっている。なお、このアンカーボルト67
は、仕口金物31の下面に螺設されるように、その上端
部がねじ部67Aとなっている。
【0026】この基礎11の上面11Aにおいて、一階
建物ユニット15が隣接する部分には、縦穴11B間で
あって各一階建物ユニット15の対向する短辺側に跨る
ように複数の位置決め部材68が設置されている。これ
らの位置決め部材68は、図14に示すように、面状部
69と、この面状部69上に間隔をおいて立設されたガ
イドピン70とを備えており、面状部69には丸孔71
が複数穿設され、また、縦穴11Bとの干渉を防ぐため
に切欠部72が設けられている。すなわち、一階建物ユ
ニット15における仕口金物31の下面には図示しない
ガイド孔が設けられており、このガイド孔をガイドピン
70に嵌合させるようにして、隣接する一階建物ユニッ
ト15間の位置出しが行われるようになっている。
【0027】この際、これら位置決め部材68のうちの
第1建物12側に設置された位置決め部材68Aと、第
2建物13側に設置された位置決め部材68Bとが基礎
11の上面11Aにおける所定位置に、例えば、丸孔7
1を貫通するコンクリートピン等によって固定されてい
る。すなわち、先ず、固定された位置決め部材68A,
68Bを利用して一階建物ユニット15を載置すること
で、これら一階建物ユニット15が正確に位置決めされ
るようになり、この後、それらの一階建物ユニット15
を基準として他の一、二階建物ユニット15,16を順
次組み合わせることで第1、第2建物12,13を建て
れば、これら第1、第2建物12,13の間隔Dが確実
に確保されるようになる。換言すれば、位置決め部材6
8A,68Bは、第1、第2建物12,13の間隔Dが
確実に確保されるように所定の位置に固定されるもので
ある。
【0028】図15は、地震時の戸建て住宅10におけ
る第1、第2建物12、13の揺れを説明するための誇
張された説明図である。図15において、第1建物12
と第2建物13とが、図中の二点鎖線および矢印で示す
ように、互いに接近するように水平に揺れたとしても、
屋根14が第1、第2建物12,13に対して水平方向
に相対移動可能に接合されているから、それら第1、第
2建物12,13の層間変位量(D−d)は各第1、第
2建物12,13と屋根14との間で吸収されるように
なる。なお、第1、第2建物12,13が互いに離隔す
る方向に揺れたとしても、層間変位量が同様に吸収され
る。
【0029】このような本実施の形態によれば以下のよ
うな効果がある。すなわち、屋根14が第1、第2建物
12,13に対して水平方向に相対移動可能に接合され
ているため、地震時に生じる第1、第2建物12,13
間の層間変位を屋根14との間で吸収することができ、
第1、第2建物12,13が個別に揺れたとしても、そ
れらの揺れが伝わることがない。従って、第1、第2建
物12,13と屋根14との接合構造をエキスパンショ
ンジョイントの機能を有するものにできる。
【0030】また、第1、第2建物12,13に屋根1
4を跨設するだけでエキスパンションジョイントの機能
が得られる構造になっているため、従来のように、各建
物の屋根間を笠木部材で接合するような面倒な作業を省
略でき、建築現場での作業を容易に行うことができる。
【0031】そして、第1、第2建物12,13と屋根
14との相対移動が各々に設けられた長孔32,40で
行われるため、構造が簡単で、建築コストの削減を図る
ことができる。
【0032】さらに、第1、第2建物12,13および
屋根14の長孔32,40はそれらの長手方向が互いに
直交しているため、第1、第2建物12,13が水平方
向のいかなる向きに揺れたとしても、第1、第2建物1
2,13間の層間変位量を屋根14との間で確実に吸収
できる。
【0033】また、は第1、第2建物12,13の二階
建物ユニット16にはガイドピン33が設けられ、屋根
14の接合部材35にはガイド孔41が設けられている
ため、屋根14を第1、第2建物12,13の上部に容
易かつ確実な位置で跨設できる。
【0034】この際、接合部材35のガイド孔41に
は、ゴム製のブッシュ42が嵌め込まれているため、地
震時の第1、第2建物12,13の揺れに伴ってガイド
ピン33が変位したとしても、その変位量をブッシュ4
2の弾性変形により吸収することができ、エキスパンシ
ョンジョイントの機能が損なわれることを防止できる。
【0035】そして、基礎11上における第1、第2建
物12,13が建てられる部分のそれぞれには、位置決
め部材68A,68Bが所定位置に固定されているた
め、第1、第2建物12,13を建てる際には、先ず、
この位置決め部材68A,68Bを利用して一階建物ユ
ニット15を配置し、これらの一階建物ユニット15を
基準にして他の一、二階建物ユニット15,16を組み
合わせることで、第1、第2建物12,13が建てられ
た時の互いの間隔Dを正確に確保することができる。
【0036】さらに、第1、第2建物12,13同士は
連結枠50や連結部材51によって互いに連結されてい
るが、これらの連結も支持部材57の長孔58を利用し
て行われているため、この長孔で第1、第2建物12,
13間の層間変位を吸収することができ、エキスパンシ
ョンジョイントとしの機能を維持することができる。
【0037】また、連結枠50や連結部材51に外壁パ
ネル26が取り付けられ、これにより、第1、第2建物
12,13間の空間が外部と仕切られているため、この
空間内に内廊下や収納庫を設けることで、空間の有効利
用を図ることができる。
【0038】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等
を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、位置決め部材68A,6
8Bが基礎11上に固定されていたが、これらの位置決
め部材68A,68Bを他の位置決め部材68と同様に
固定しない場合でも本発明に含まれる。しかし、そうす
ることで、前述の効果を得ることができるので好まし
い。
【0039】また、前記実施の形態では、接合部材35
のガイド孔40にはゴム製のブッシュ42が嵌め込まれ
ていたが、これに限らず、ガイド孔40に嵌め込まれる
弾性部材としては、弾性を有する合成樹脂製のブッシュ
等であってもよい。
【0040】そして、前記実施の形態では、第1、第2
建物12,13と屋根14との両方に互いに長手方向が
直交する長孔32,40が設けられていたが、長孔が第
1、第2建物12,13および屋根14のうちの一方に
設けられた場合でも本発明に含まれる。しかし、そうす
ることで、前述の効果を得ることができるので好まし
い。
【0041】さらに、前記実施の形態では各長孔32,
40により、屋根14が第1、第2建物12,13に対
して相対移動自在になっていたが、特に、長孔を利用し
た場合に限らず、例えば、第1、第2建物12,13と
屋根14との間に転動部材を介在させる等、その構造は
実施にあたって適宜に決められてよい。要するに、本発
明の屋根の接合構造は、屋根が各建物に対して相対移動
自在になっていればよい。
【0042】また、前記実施の形態では屋根14が陸屋
根であったが、勿論、本発明に係る屋根は切妻屋根、い
りもや屋根、寄せむね屋根等であってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、屋
根が各建物に対して相対移動自在に跨設されているた
め、地震時に各建物が個別に揺れたとしても、各建物の
層間変位量を屋根との間で吸収し、これにより、エキス
パンションジョイントとしての機能を満足することがで
きるうえ、一つの屋根を各建物上に跨設するだけでエキ
スパンションジョイントとしての機能が得られるから、
現場作業を容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る屋根の接合構造が
適用された戸建て住宅を示す分解斜視図である。
【図2】前記戸建て住宅を構成する建物ユニットの骨組
みを示す斜視図である。
【図3】図1における囲み円III で囲まれた部分を示す
斜視図である。
【図4】前記実施の形態で用いられる接合部材を示す斜
視図である。
【図5】前記接合部材の要部を示す断面図である。
【図6】前記実施の形態で用いられる連結枠を示す斜視
図である。
【図7】図1における囲み円VII で囲まれた部分を示す
分解斜視図である。
【図8】図1における囲み円VIIIで囲まれた部分を示す
分解斜視図である。
【図9】前記実施の形態で用いられる連結部材を示す斜
視図である。
【図10】図1における囲み円X で囲まれた部分を示す
斜視図である。
【図11】前記実施の形態で用いられる連結枠と外壁パ
ネルとの取付構造を示す斜視図である。
【図12】前記実施の形態で用いられる連結部材と外壁
パネルとの取付構造を示す斜視図である。
【図13】前記実施の形態における基礎の平面図であ
る。
【図14】前記実施の形態で用いられる位置決め部材を
示す斜視図である。
【図15】前記戸建て住宅の各建物における地震時の揺
れを説明する誇張された説明図である。
【符号の説明】
11 基礎 12,13 複数の建物である第1、第2建物 14 屋根 15 複数の建物ユニットである一階建物ユニット 32,40 長孔 33 ガイドピン 41 ガイド孔 42 弾性部材であるゴム製のブッシュ 68 置決め部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに間隔を開けて建てられた複数の建
    物の上部に跨って設けられる屋根の接合構造であって、
    前記屋根は前記各建物に対して水平方向に相対移動自在
    に柔接合されることを特徴とする屋根の接合構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された屋根の接合構造に
    おいて、前記屋根および前記各建物のうちの少なくとも
    一方には長孔が設けられ、この長孔に挿通されるボルト
    で前記屋根と前記各建物とが柔接合されることを特徴と
    する屋根の接合構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された屋根の接合構造に
    おいて、前記長孔は前記屋根と前記各建物との両方に設
    けられるとともに、前記屋根の長孔およびこの長孔に対
    応する前記各建物の長孔は各々の長手方向が直交するよ
    うに設けられることを特徴とする屋根の接合構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載された屋
    根の接合構造において、前記屋根および前記各建物のう
    ちの一方には、この屋根と各建物との互いの位置決めを
    行うガイドピンが設けられ、他方にはこのガイドピンが
    挿通されるガイド孔が設けられ、このガイド孔の内周面
    と前記ガイドピンの外周面との間には弾性部材が介装さ
    れることを特徴とする屋根の接合構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載された屋
    根の接合構造において、前記各建物は基礎上で少なくと
    も水平方向に組み合わされた複数の建物ユニットを含ん
    で構成され、前記各建物における前記複数の建物ユニッ
    トのうちの少なくとも一つの建物ユニットが、前記基礎
    上に固定された位置決め部材で位置決めされることを特
    徴とする屋根の接合構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005314996A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Misawa Homes Co Ltd 建物ユニットの締結構造
JP2006022639A (ja) * 2004-06-08 2006-01-26 Nippon Steel Corp 耐震構造

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