JPH09221520A - 光学活性メタ置換n,n−ジフェニルアクリルアミド重合体およびその製造法 - Google Patents
光学活性メタ置換n,n−ジフェニルアクリルアミド重合体およびその製造法Info
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- JPH09221520A JPH09221520A JP2767196A JP2767196A JPH09221520A JP H09221520 A JPH09221520 A JP H09221520A JP 2767196 A JP2767196 A JP 2767196A JP 2767196 A JP2767196 A JP 2767196A JP H09221520 A JPH09221520 A JP H09221520A
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F20/00—Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F20/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
- C08F20/52—Amides or imides
- C08F20/54—Amides, e.g. N,N-dimethylacrylamide or N-isopropylacrylamide
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- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光学材料としての利用が期待できる新規な光
学活性ポリマ−を提供する。 【解決手段】 下記の式(1)で表される構成単位を主
体とし、重合度が5以上である光学活性メタ置換N,N
−ジフェニルアクリルアミド重合体、およびその製造
法。 【化1】 (式中、Xは、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以
下のアルコキシ基、ハロゲン原子より選ばれる原子団,
または原子である。)
学活性ポリマ−を提供する。 【解決手段】 下記の式(1)で表される構成単位を主
体とし、重合度が5以上である光学活性メタ置換N,N
−ジフェニルアクリルアミド重合体、およびその製造
法。 【化1】 (式中、Xは、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以
下のアルコキシ基、ハロゲン原子より選ばれる原子団,
または原子である。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性メタ置換
N,N−ジフェニルアクリルアミド重合体およびその製
造法に関するものである。この光学活性メタ置換N,N
−ジフェニルアクリルアミド重合体は大きな旋光度を有
し、光学異性体分離用材料などの光学的機能材料として
期待できるものである。
N,N−ジフェニルアクリルアミド重合体およびその製
造法に関するものである。この光学活性メタ置換N,N
−ジフェニルアクリルアミド重合体は大きな旋光度を有
し、光学異性体分離用材料などの光学的機能材料として
期待できるものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学分
割剤、液晶、非線形光学材料などの機能材料として利用
されている光学活性な高分子物質は、従来から多く知ら
れている。例えば、特開昭56−106907号公報に
は光学活性なメタクリル酸トリフェニルメチルの重合体
が開示され、この物質はらせん構造を有しており、高い
旋光度を示し、光学分割剤として有用であることが記載
されている。また、特開昭56−167708号公報に
は光学活性なアクリル酸アミドの重合体が開示され、こ
の物質はその分子不斉に基づいて大きな旋光性を示し、
光学分割剤に用いられることが記載されている。さら
に、特開昭63−1446公報には光学活性なポリ(メ
タ)アクリルアミド化合物が開示され、この物質は側鎖
に光学活性基を有しており、ラセミ体混合物をそれらの
光学対掌体に分離するための吸着剤として有用なことが
記されている。そして、特開平1−79230公報には
光学活性な高分子化合物を用いた液晶組成物が開示され
ている。
割剤、液晶、非線形光学材料などの機能材料として利用
されている光学活性な高分子物質は、従来から多く知ら
れている。例えば、特開昭56−106907号公報に
は光学活性なメタクリル酸トリフェニルメチルの重合体
が開示され、この物質はらせん構造を有しており、高い
旋光度を示し、光学分割剤として有用であることが記載
されている。また、特開昭56−167708号公報に
は光学活性なアクリル酸アミドの重合体が開示され、こ
の物質はその分子不斉に基づいて大きな旋光性を示し、
光学分割剤に用いられることが記載されている。さら
に、特開昭63−1446公報には光学活性なポリ(メ
タ)アクリルアミド化合物が開示され、この物質は側鎖
に光学活性基を有しており、ラセミ体混合物をそれらの
光学対掌体に分離するための吸着剤として有用なことが
記されている。そして、特開平1−79230公報には
光学活性な高分子化合物を用いた液晶組成物が開示され
ている。
【0003】N,N−ジフェニルアクリルアミドは、キ
ラルなアニオン開始剤を用いて重合を行うことにより、
光学活性なポリマ−を与え、光学分割剤として有用であ
ることが、すでに前記の特開昭56−167708号公
報に報告されている。しかしながら、そのポリマ−の旋
光度は十分に大きな値であるとはいえず、光学分割剤と
しても分離対象とする化合物は限られている。
ラルなアニオン開始剤を用いて重合を行うことにより、
光学活性なポリマ−を与え、光学分割剤として有用であ
ることが、すでに前記の特開昭56−167708号公
報に報告されている。しかしながら、そのポリマ−の旋
光度は十分に大きな値であるとはいえず、光学分割剤と
しても分離対象とする化合物は限られている。
【0004】このような背景に基づき、本発明が解決し
ようとする課題は、N,N−ジフェニルアクリルアミド
重合体よりも優れた光学的物性が期待できる、N,N−
ジフェニルアクリルアミド誘導体の重合体およびその製
造法を提供することである。
ようとする課題は、N,N−ジフェニルアクリルアミド
重合体よりも優れた光学的物性が期待できる、N,N−
ジフェニルアクリルアミド誘導体の重合体およびその製
造法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、N,N−ジフェニルアクリルアミドの一
方のベンゼン環のメタ位に置換基を有するメタ置換N,
N−ジフェニルアクリルアミドの重合体が目的に適うこ
とを見い出だし、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は、下記の式(1)で表される構成単位を主体と
し、重合度が5以上である光学活性メタ置換N,N−ジ
フェニルアクリルアミド重合体およびその製造法を提供
するものである。
を重ねた結果、N,N−ジフェニルアクリルアミドの一
方のベンゼン環のメタ位に置換基を有するメタ置換N,
N−ジフェニルアクリルアミドの重合体が目的に適うこ
とを見い出だし、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は、下記の式(1)で表される構成単位を主体と
し、重合度が5以上である光学活性メタ置換N,N−ジ
フェニルアクリルアミド重合体およびその製造法を提供
するものである。
【0006】
【化2】 (式中、Xは、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以
下のアルコキシ基、ハロゲン原子より選ばれる原子団、
または原子である。)
下のアルコキシ基、ハロゲン原子より選ばれる原子団、
または原子である。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
【0008】本発明の光学活性メタ置換N,N−ジフェ
ニルアクリルアミド重合体は、上記の式(1)で表され
る構成単位を主体とするものであるが、Xで表される置
換基としては、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以
下のアルコキシ基、ハロゲン原子より選ばれる原子団、
または原子である。上記のアルキル基の具体例として
は、メチル基、エチル基、ブチル基などが挙げられる
が、好ましくはメチル基である。上記のアルコキシ基の
具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基などが挙げられるが、好ましくはメトキシ基である。
上記のハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、
臭素などが挙げられるが、好ましくは塩素である。
ニルアクリルアミド重合体は、上記の式(1)で表され
る構成単位を主体とするものであるが、Xで表される置
換基としては、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以
下のアルコキシ基、ハロゲン原子より選ばれる原子団、
または原子である。上記のアルキル基の具体例として
は、メチル基、エチル基、ブチル基などが挙げられる
が、好ましくはメチル基である。上記のアルコキシ基の
具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基などが挙げられるが、好ましくはメトキシ基である。
上記のハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、
臭素などが挙げられるが、好ましくは塩素である。
【0009】本発明の光学活性メタ置換N,N−ジフェ
ニルアクリルアミド重合体の構成単位を形成するモノマ
−であるメタ置換N,N−ジフェニルアクリルアミド
は、公知の方法で製造できる。即ち、それぞれ対応する
メタ置換ジフェニルアミンとアクリル酸クロリドを、過
剰のメタ置換ジフェニルアミンまたは他のアミンの存在
下に、反応させることによって得られる。
ニルアクリルアミド重合体の構成単位を形成するモノマ
−であるメタ置換N,N−ジフェニルアクリルアミド
は、公知の方法で製造できる。即ち、それぞれ対応する
メタ置換ジフェニルアミンとアクリル酸クロリドを、過
剰のメタ置換ジフェニルアミンまたは他のアミンの存在
下に、反応させることによって得られる。
【0010】本発明の光学活性メタ置換N,N−ジフェ
ニルアクリルアミド重合体を得るための重合法はイオン
重合である。重合に用いられる重合開始剤は、光学活性
なアニオン触媒であり、これはフルオレニルリチウムと
不斉配位子からなる錯体である。不斉配位子の具体例と
しては、(−)−スパルティン、(+)−(2S,3
S)−2,3−ジメトキシ−1,4−ビス(ジメチルア
ミノ)ブタン、(+)−(S)−1−(2−ピロジニル
メチル)ピロリジンなどが挙げられるが、好ましくは
(−)−スパルティンで、これは重合体の旋光度を大き
くするのに最も効果的である。
ニルアクリルアミド重合体を得るための重合法はイオン
重合である。重合に用いられる重合開始剤は、光学活性
なアニオン触媒であり、これはフルオレニルリチウムと
不斉配位子からなる錯体である。不斉配位子の具体例と
しては、(−)−スパルティン、(+)−(2S,3
S)−2,3−ジメトキシ−1,4−ビス(ジメチルア
ミノ)ブタン、(+)−(S)−1−(2−ピロジニル
メチル)ピロリジンなどが挙げられるが、好ましくは
(−)−スパルティンで、これは重合体の旋光度を大き
くするのに最も効果的である。
【0011】重合は、溶媒中で実施される。溶媒は、モ
ノマ−およびポリマ−を、少なくとも低重合体の間は、
溶解するものであればいかなるものでもよいが、アニオ
ン重合および光学活性な重合を阻害するものは、もちろ
ん使えない。使用される溶媒の具体例としては、ベンゼ
ン、トルエン、ジオキサン、ジエチルエ−テル、ヘキサ
ン−ベンゼン混合物、ヘキサン−トルエン混合物、テト
ラヒドロフランなどが挙げられる。
ノマ−およびポリマ−を、少なくとも低重合体の間は、
溶解するものであればいかなるものでもよいが、アニオ
ン重合および光学活性な重合を阻害するものは、もちろ
ん使えない。使用される溶媒の具体例としては、ベンゼ
ン、トルエン、ジオキサン、ジエチルエ−テル、ヘキサ
ン−ベンゼン混合物、ヘキサン−トルエン混合物、テト
ラヒドロフランなどが挙げられる。
【0012】重合温度は、−150〜0℃、好ましくは
−120〜−50℃である。
−120〜−50℃である。
【0013】本発明による光学活性メタ置換N,N−ジ
フェニルアクリルアミド重合体の製造は、リビング重合
で行われるので、反応終了後、アルコ−ルなどで末端封
鎖することが好ましい。
フェニルアクリルアミド重合体の製造は、リビング重合
で行われるので、反応終了後、アルコ−ルなどで末端封
鎖することが好ましい。
【0014】本発明の光学活性メタ置換N,N−ジフェ
ニルアクリルアミド重合体の重合度は、5以上であり、
好ましくは20以上である。そして、この重合体は、M
w/Mnの値が1に近く、狭い分子量分布を持つ。ま
た、高い旋光度を有する。
ニルアクリルアミド重合体の重合度は、5以上であり、
好ましくは20以上である。そして、この重合体は、M
w/Mnの値が1に近く、狭い分子量分布を持つ。ま
た、高い旋光度を有する。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】実施例1N−(3−メトキシフェニル)−N−フェニルアクリル
アミドの合成 乾燥、窒素置換した反応容器に、ベンゼン(300m
L)、N−(3−メトキシフェニル)−N−フェニルア
ミン(250mmol)、N,N−ジメチルアニリン
(32mL、252mmol)を加え、0℃に冷却した
後、撹拌下に、ゆっくりとアクリル酸クロリド(22m
L、271mmol)を滴下した。0℃で1時間、室温
で18時間撹拌した後、1N塩酸(200mL)を加え
た。水層をエ−テル(100mL×2)で抽出し、得ら
れた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300m
L)で洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。濾過
後、溶媒を濃縮することにより粗生成物を得た。この粗
生成物をエ−テル/ヘキサンより再結晶することにより
精製し、N−(3−メトキシフェニル)−N−フェニル
アクリルアミドを得た。
アミドの合成 乾燥、窒素置換した反応容器に、ベンゼン(300m
L)、N−(3−メトキシフェニル)−N−フェニルア
ミン(250mmol)、N,N−ジメチルアニリン
(32mL、252mmol)を加え、0℃に冷却した
後、撹拌下に、ゆっくりとアクリル酸クロリド(22m
L、271mmol)を滴下した。0℃で1時間、室温
で18時間撹拌した後、1N塩酸(200mL)を加え
た。水層をエ−テル(100mL×2)で抽出し、得ら
れた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300m
L)で洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。濾過
後、溶媒を濃縮することにより粗生成物を得た。この粗
生成物をエ−テル/ヘキサンより再結晶することにより
精製し、N−(3−メトキシフェニル)−N−フェニル
アクリルアミドを得た。
【0017】mp.…52.0−53.0℃ IR(KBr)…1669、1589、1491、14
06、1340、1232、702cm-1 1 H−NMR(500MHz)…δ3.78(s、3
H、CH3 )、5.63(dd、1H、J=2.0、1
0.5Hz、vinyl)、6.21(dd、1H、J
=10.5、16.5Hz、vinyl)、6.47
(dd、1H、J=2.0、16.5Hz、viny
l)、6.8−7.4(m.9H、aromatic) 元素分析…計算値C75.87、H5.97、N5.5
3 測定値C75.67、H5.96、N5.49N−(3−メトキシフェニル)−N−フェニルアクリル
アミドの重合 トルエンは精製しナトリウムで乾燥して蒸留したものに
少量のn−ブチルリチウムを加えて保存し、重合直前に
真空蒸留して用いた。また、(−)−スパルティンはC
aH2 で乾燥したものを真空蒸留して用いた。
06、1340、1232、702cm-1 1 H−NMR(500MHz)…δ3.78(s、3
H、CH3 )、5.63(dd、1H、J=2.0、1
0.5Hz、vinyl)、6.21(dd、1H、J
=10.5、16.5Hz、vinyl)、6.47
(dd、1H、J=2.0、16.5Hz、viny
l)、6.8−7.4(m.9H、aromatic) 元素分析…計算値C75.87、H5.97、N5.5
3 測定値C75.67、H5.96、N5.49N−(3−メトキシフェニル)−N−フェニルアクリル
アミドの重合 トルエンは精製しナトリウムで乾燥して蒸留したものに
少量のn−ブチルリチウムを加えて保存し、重合直前に
真空蒸留して用いた。また、(−)−スパルティンはC
aH2 で乾燥したものを真空蒸留して用いた。
【0018】重合開始剤は以下のように調製した。ガラ
スアンプル中、フルオレン0.10g(0.60mmo
l)のトルエン(1.9mL)溶液にn−ブチルリチウ
ムのヘプタン溶液0.50mL(1.23M)を加え、
よく撹拌した後、(−)−スパルティンのトルエン溶液
0.50mL(1.47M)を加えることにより、フル
オレニルリチウム−(−)−スパルティン錯体のトルエ
ン溶液(0.20M)を得た。
スアンプル中、フルオレン0.10g(0.60mmo
l)のトルエン(1.9mL)溶液にn−ブチルリチウ
ムのヘプタン溶液0.50mL(1.23M)を加え、
よく撹拌した後、(−)−スパルティンのトルエン溶液
0.50mL(1.47M)を加えることにより、フル
オレニルリチウム−(−)−スパルティン錯体のトルエ
ン溶液(0.20M)を得た。
【0019】乾燥したガラスアンプル中にN−(3−メ
トキシフェニル)−N−フェニルアクリルアミド0.5
0g(1.97mmol)を加え、乾燥窒素で置換した
後、三方コックを取り付けた。これにトルエン10mL
を加え、モノマ−を溶解した後、−98℃に冷却した。
アンプルをよく振り混ぜながら、上記錯体のトルエン溶
液0.50mL(0.10mmol)を添加し、重合を
開始した。2時間後、少量のメタノ−ルを加えて重合を
停止し、重合混合物を大量のメタノ−ル(約200m
L)に沈殿させ、不溶部を遠心分離により回収した。さ
らに、得られた不溶部を真空乾燥(60℃、7時間)す
ることにより、光学活性ポリ[N−(3−メトキシフェ
ニル)−N−フェニルアクリルアミド](465mg、
93%)を得た。得られたポリマ−の比旋光度は[α]
365 25=−130゜(CHCl3 、c=1.0)であっ
た。
トキシフェニル)−N−フェニルアクリルアミド0.5
0g(1.97mmol)を加え、乾燥窒素で置換した
後、三方コックを取り付けた。これにトルエン10mL
を加え、モノマ−を溶解した後、−98℃に冷却した。
アンプルをよく振り混ぜながら、上記錯体のトルエン溶
液0.50mL(0.10mmol)を添加し、重合を
開始した。2時間後、少量のメタノ−ルを加えて重合を
停止し、重合混合物を大量のメタノ−ル(約200m
L)に沈殿させ、不溶部を遠心分離により回収した。さ
らに、得られた不溶部を真空乾燥(60℃、7時間)す
ることにより、光学活性ポリ[N−(3−メトキシフェ
ニル)−N−フェニルアクリルアミド](465mg、
93%)を得た。得られたポリマ−の比旋光度は[α]
365 25=−130゜(CHCl3 、c=1.0)であっ
た。
【0020】得られたポリマ−20mgを反応容器にと
り、メタノ−ル0.4mLを加え、続いて冷却しなが
ら、ゆっくりと濃硫酸0.6mLを滴下した。反応混合
物を約90℃で24時間撹拌した後、1N塩酸(約10
mL)を加え、遠心分離によりポリマ−を回収した。さ
らに数回ポリマ−を1N塩酸で洗浄(約10mL×2)
し、真空乾燥(40℃、2時間)した。続いて、得られ
たポリマ−にベンゼン1mLを加え、ジアゾメタンのエ
−テル溶液を加え撹拌することにより、メチルエステル
へと変換した。ヘキサン10mLを加え、沈殿したポリ
マ−を遠心分離することにより回収した。さらに得られ
たポリマ−を真空乾燥(60℃、2時間)し、ポリ(ア
クリル酸メチル)(約8mg)を得た。得られたポリマ
−のNMR測定(500MHz、CDCl3 、60℃)
より、2連子のタクチシチ−(m:r=58:42)を
決定した。また、GPC分析(TSKG4000H8 +
Shodex802.5、CHCl3 、ポリスチレン
スタンダ−ド)により、平均重合度52、Mw/Mn=
1.06であることをそれぞれ決定した。
り、メタノ−ル0.4mLを加え、続いて冷却しなが
ら、ゆっくりと濃硫酸0.6mLを滴下した。反応混合
物を約90℃で24時間撹拌した後、1N塩酸(約10
mL)を加え、遠心分離によりポリマ−を回収した。さ
らに数回ポリマ−を1N塩酸で洗浄(約10mL×2)
し、真空乾燥(40℃、2時間)した。続いて、得られ
たポリマ−にベンゼン1mLを加え、ジアゾメタンのエ
−テル溶液を加え撹拌することにより、メチルエステル
へと変換した。ヘキサン10mLを加え、沈殿したポリ
マ−を遠心分離することにより回収した。さらに得られ
たポリマ−を真空乾燥(60℃、2時間)し、ポリ(ア
クリル酸メチル)(約8mg)を得た。得られたポリマ
−のNMR測定(500MHz、CDCl3 、60℃)
より、2連子のタクチシチ−(m:r=58:42)を
決定した。また、GPC分析(TSKG4000H8 +
Shodex802.5、CHCl3 、ポリスチレン
スタンダ−ド)により、平均重合度52、Mw/Mn=
1.06であることをそれぞれ決定した。
【0021】実施例2N−フェニル−N−(3−トリル)アクリルアミドの合
成 乾燥、窒素置換した反応容器に、ベンゼン(300m
L)、N−フェニル−N−(3−トリル)アミン(25
0mmol)、N,N−ジメチルアニリン(32mL、
252mmol)を加え、0℃に冷却した後、撹拌下
に、ゆっくりとアクリル酸クロリド(22mL、271
mmol)を滴下した。0℃で1時間、室温で18時間
撹拌した後、1N塩酸(200mL)を加えた。水層を
エ−テル(100mL×2)で抽出し、得られた有機層
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄
後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。濾過後、溶媒を
濃縮することにより粗生成物を得た。この粗生成物をカ
ラムクロマトグラフィ−(エ−テル/ヘキサン=1/
4)により精製し、N−フェニル−N−(3−トリル)
アクリルアミドを得た。
成 乾燥、窒素置換した反応容器に、ベンゼン(300m
L)、N−フェニル−N−(3−トリル)アミン(25
0mmol)、N,N−ジメチルアニリン(32mL、
252mmol)を加え、0℃に冷却した後、撹拌下
に、ゆっくりとアクリル酸クロリド(22mL、271
mmol)を滴下した。0℃で1時間、室温で18時間
撹拌した後、1N塩酸(200mL)を加えた。水層を
エ−テル(100mL×2)で抽出し、得られた有機層
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄
後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。濾過後、溶媒を
濃縮することにより粗生成物を得た。この粗生成物をカ
ラムクロマトグラフィ−(エ−テル/ヘキサン=1/
4)により精製し、N−フェニル−N−(3−トリル)
アクリルアミドを得た。
【0022】IR(neat)…1671、1605、
1493、1406、1330、982、787、70
2cm-1 1 H−NMR(500MHz)…δ2.33(s、3
H、CH3 )、5.62(dd、1H、J=2.0、1
0.5Hz、vinyl)、6.20(dd、1H、J
=10.5、16.5Hz、vinyl)、6.46
(dd、1H、J=2.0、16.5Hz、viny
l)、7.0−7.4(m.9H、aromatic) MS(FD)…m/z 237(M+ )N−フェニル−N−(3−トリル)アクリルアミドの重
合 実施例1と同様にして重合を行った。その結果、収率7
5%、[α]365 25=−142゜(CHCl3 、c=
1.0)、平均重合度43、Mw/Mn=1.10であ
った。
1493、1406、1330、982、787、70
2cm-1 1 H−NMR(500MHz)…δ2.33(s、3
H、CH3 )、5.62(dd、1H、J=2.0、1
0.5Hz、vinyl)、6.20(dd、1H、J
=10.5、16.5Hz、vinyl)、6.46
(dd、1H、J=2.0、16.5Hz、viny
l)、7.0−7.4(m.9H、aromatic) MS(FD)…m/z 237(M+ )N−フェニル−N−(3−トリル)アクリルアミドの重
合 実施例1と同様にして重合を行った。その結果、収率7
5%、[α]365 25=−142゜(CHCl3 、c=
1.0)、平均重合度43、Mw/Mn=1.10であ
った。
【0023】実施例3N−(3−クロロフェニル)−N−フェニルアクリルア
ミドの合成 乾燥、窒素置換した反応容器に、ベンゼン(300m
L)、N−(3−クロロフェニル)−N−フェニルアミ
ン(250mmol)、N,N−ジメチルアニリン(3
2mL、252mmol)を加え、0℃に冷却した後、
撹拌下に、ゆっくりとアクリル酸クロリド(22mL、
271mmol)を滴下した。0℃で1時間、室温で1
8時間撹拌した後、1N塩酸(200mL)を加えた。
水層をエ−テル(100mL×2)で抽出し、得られた
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)
で洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。濾過後、
溶媒を濃縮することにより粗生成物を得た。この粗生成
物をカラムクロマトグラフィ−(エ−テル/ヘキサン=
1/4)により精製し、N−(3−クロロフェニル)−
N−フェニルアクリルアミドを得た。
ミドの合成 乾燥、窒素置換した反応容器に、ベンゼン(300m
L)、N−(3−クロロフェニル)−N−フェニルアミ
ン(250mmol)、N,N−ジメチルアニリン(3
2mL、252mmol)を加え、0℃に冷却した後、
撹拌下に、ゆっくりとアクリル酸クロリド(22mL、
271mmol)を滴下した。0℃で1時間、室温で1
8時間撹拌した後、1N塩酸(200mL)を加えた。
水層をエ−テル(100mL×2)で抽出し、得られた
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)
で洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。濾過後、
溶媒を濃縮することにより粗生成物を得た。この粗生成
物をカラムクロマトグラフィ−(エ−テル/ヘキサン=
1/4)により精製し、N−(3−クロロフェニル)−
N−フェニルアクリルアミドを得た。
【0024】IR(neat)…1673、1591、
1477、1404、1325、1255、704cm
-1 1 H−NMR(500MHz)…δ 5.66(dd、
1H、J=2.0、10.5Hz、vinyl)、6.
27(dd、1H、J=10.5、17.5Hz、vi
nyl)、6.49(dd、1H、J=2.0、17.
5Hz、vinyl)、7.1−7.5(m.9H、a
romatic) MS(FD)…m/z 257(M+ )N−(3−クロロフェニル)−N−フェニルアクリルア
ミドの重合 実施例1と同様にして重合を行った。その結果、収率8
2%、[α]365 25=−343゜(CHCl3 、c=
1.0)、平均重合度38、Mw/Mn=1.15であ
った。
1477、1404、1325、1255、704cm
-1 1 H−NMR(500MHz)…δ 5.66(dd、
1H、J=2.0、10.5Hz、vinyl)、6.
27(dd、1H、J=10.5、17.5Hz、vi
nyl)、6.49(dd、1H、J=2.0、17.
5Hz、vinyl)、7.1−7.5(m.9H、a
romatic) MS(FD)…m/z 257(M+ )N−(3−クロロフェニル)−N−フェニルアクリルア
ミドの重合 実施例1と同様にして重合を行った。その結果、収率8
2%、[α]365 25=−343゜(CHCl3 、c=
1.0)、平均重合度38、Mw/Mn=1.15であ
った。
【0025】
【発明の効果】本発明による光学活性メタ置換N,N−
ジフェニルアクリルアミド重合体は、高い旋光度を有し
ており、光学異性体分離用充填剤などの光学的機能材料
としての応用が可能である。
ジフェニルアクリルアミド重合体は、高い旋光度を有し
ており、光学異性体分離用充填剤などの光学的機能材料
としての応用が可能である。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の式(1)で表される構成単位を主
体とし、重合度が5以上である光学活性メタ置換N,N
−ジフェニルアクリルアミド重合体。 【化1】 (式中、Xは、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以
下のアルコキシ基、ハロゲン原子より選ばれる原子団、
または原子である。) - 【請求項2】 フルオレニルリチウムと不斉配位子から
なる錯体を開始剤に用いた不斉アニオン重合反応により
光学活性メタ置換N,N−ジフェニルアクリルアミド重
合体を得ることを特徴とする光学活性メタ置換N,N−
ジフェニルアクリルアミド重合体の製造法。 - 【請求項3】 不斉配位子が(−)−スパルティンであ
る請求項2記載の光学活性メタ置換N,N−ジフェニル
アクリルアミド重合体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2767196A JPH09221520A (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 光学活性メタ置換n,n−ジフェニルアクリルアミド重合体およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2767196A JPH09221520A (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 光学活性メタ置換n,n−ジフェニルアクリルアミド重合体およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09221520A true JPH09221520A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=12227422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2767196A Pending JPH09221520A (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 光学活性メタ置換n,n−ジフェニルアクリルアミド重合体およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09221520A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112789341A (zh) * | 2018-10-05 | 2021-05-11 | 日本曹达株式会社 | 粘接性组合物 |
-
1996
- 1996-02-15 JP JP2767196A patent/JPH09221520A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112789341A (zh) * | 2018-10-05 | 2021-05-11 | 日本曹达株式会社 | 粘接性组合物 |
US20210347726A1 (en) * | 2018-10-05 | 2021-11-11 | Nippon Soda Co., Ltd. | Adhesive composition |
US11834390B2 (en) * | 2018-10-05 | 2023-12-05 | Nippon Soda Co., Ltd. | Adhesive composition |
CN112789341B (zh) * | 2018-10-05 | 2024-03-08 | 日本曹达株式会社 | 粘接性组合物 |
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