JPH09217133A - 希土類−ニッケル系合金からの有用元素の回収方法 - Google Patents

希土類−ニッケル系合金からの有用元素の回収方法

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JPH09217133A
JPH09217133A JP2555496A JP2555496A JPH09217133A JP H09217133 A JPH09217133 A JP H09217133A JP 2555496 A JP2555496 A JP 2555496A JP 2555496 A JP2555496 A JP 2555496A JP H09217133 A JPH09217133 A JP H09217133A
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nickel
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nitric acid
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    • Y02W30/84Recycling of batteries or fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】希土類−ニッケル系合金から安全、且つ経済的
に有効元素の回収ができる希土類−ニッケル系合金から
の有用元素の回収方法を提供すること。 【解決手段】希土類−ニッケル系合金のスラリーを撹拌
しながら、濃硝酸:水を体積比で1:1以上に希釈した
硝酸希釈溶液を添加してpH5以上に保持し、希土類金
属を含む溶解金属を50℃以下の温度で溶解させて希土
類含有硝酸塩溶液とし、該希土類含有硝酸塩溶液を、ニ
ッケルを含む不溶解元素化合物と濾別分離する希土類元
素含有物の回収方法、また前記希土類含有硝酸塩溶液
に、フッ素化合物や、蓚酸及び/又は蓚酸アンモニウム
を添加して希土類塩を沈澱させ分離する回収方法、更に
は前記希土類含有硝酸塩溶液に、炭酸水素アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、炭酸アルカリ又はこれらの混合
物を添加して得た沈澱物を利用して、希土類金属ニッケ
ル系母合金を回収する回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類−ニッケル
系合金から希土類元素含有物を有効元素として経済的に
回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、希土類−ニッケル系合金が高い水
素吸蔵能力を示すことから水素貯蔵容器、ヒートポンプ
等への応用が研究され、その一環としてニッケル水素電
池の負極として多量に使用されるようになってきてい
る。この希土類−ニッケル系合金には、通常コバルトが
含有されており、他にアルミニウムやマンガン等が含有
されている組成のものが知られている。
【0003】ところで、例えば前記ニッケル水素電池に
は寿命があり、性能劣化した電池が廃棄されると公害問
題を起こす恐れもあり、また製造工程から発生するスク
ラップ、スラグ等も高価な有用金属元素を多量に含有し
ているため、これらの有効元素を回収する必要に迫られ
ている。すでに回収法については、希土類元素の回収
方法(特公平7−72312号公報)、希土類元素含
有合金の再生方法(特開平2−22427号公報)、
ニッケル水素2次電池からの有効金属回収法(特開平6
−340930号公報)等が知られている。
【0004】しかしながら、これらの公知の方法では、
一長一短あり、大量に低コストで処理をするには、種々
の問題があることが判明してきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記希土類元素の回
収法においては、酸化剤の存在下にpH3〜5で希土類
元素含有合金を溶解し、希土類元素を選択的に浸出させ
ることが記載されている。しかし、希土類−鉄系合金に
ついては、このpH範囲で塩酸系であれば希土類元素の
み溶解することが可能であるが、希土類−ニッケル系合
金の場合、希土類金属以外のニッケル等の全ての金属が
溶解してしまい、酸による全溶解法の回収法と何ら変わ
らない。また希土類−ニッケル系合金からの回収法につ
いては具体的に全く記述されていない。前記希土類含
有合金の再生方法は、酸で合金を全部溶解して希土類元
素を分離後、母合金をpH調整して沈澱させる方法であ
り、多量の酸が必要である。また、希土類−ニッケル系
合金からの回収法については具体的に全く記述されてい
ない。前記ニッケル水素2次電池からの有効元素の回
収法には、ニッケル水素2次電池の負極に使用されてい
る希土類−ニッケル系水素吸蔵合金の回収法が記載され
ており、その一部に酸で合金を全部溶解してから希土類
元素をフッ化物として沈澱分離して、ニッケルを回収す
る方法が記載されている。この方法も酸の使用量が多
く、多量のニッケルイオン存在液から希土類フッ化物を
沈澱させるために、純度、収率共に悪く、経済性に問題
がある。
【0006】上記回収法においては、希土類元素含有合
金を酸で溶解して回収するものであるが、酸としては、
そのほとんどが塩酸を使用しており、また溶解条件もp
Hが5以下という金属が速やかに溶解できる高い酸濃度
に条件が設定されている。この溶解条件で、塩酸を用い
た場合、水素ガスが発生し、爆発の危険が伴うととも
に、回収物に塩素が残存し、良品質の金属が得られない
という問題がある。また酸として硝酸を使用する場合に
は、塩酸と異なり、下記式(1)及び式(2)に示すよ
うな特異な反応をすることが知られている。ここで発生
するNOは、空気と会合して極めて毒性の高い褐色とN
2ガスとなる。 3Ni+8HNO3→3Ni(NO3)2+2NO↑+4H2O・・・(1) 2R+8HNO3→2R(NO3)3+2NO↑+4H2O・・・(2) (以下式中RはLa等の希土類元素またはその混合物を
示す。) また、硝酸は高価であり、溶解時過剰の酸が必要となる
ので低コストが要求される処理の場合は、適当でないと
考えられている。
【0007】ニッケル水素2次電池負極用希土類金属
は、フッ化物浴酸化物投入溶融塩電解法により製造され
ることが知られている。この方法は、希土類−ニッケル
系合金からの有効元素回収法にも応用されることが知ら
れている(特開平6−340930号公報)。この場
合、合金を全溶液から炭酸塩等で沈澱させ、酸化物とし
た場合、合金組成そのままの例えばニッケル46重量
%、希土類元素34重量%、コバルト重量11%、マン
ガン8重量%、アルミニウム1重量%、といった組成の
酸化物が得られ、この酸化物を溶融塩電解しようとすれ
ば、1400℃以上の高温でないと電解できないという
問題がある。従って、新たに希土類酸化物を希土類元素
対遷移金属の重量比が50:50〜90:10、好まし
くは60:40〜80:20になるように混合して、1
000℃以下の温度で溶融塩電解をすることが提案され
ている。しかし、新たに混合する希土類酸化物の量が多
く必要とされる場合は、回収に供した以上の金属が得ら
れることになり、生産とのバランスが崩れるという問題
が生じる。
【0008】従って本発明の目的は、希土類−ニッケル
系合金から安全、且つ経済的に有効元素の回収ができる
希土類−ニッケル系合金からの有用元素の回収方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、希土類
−ニッケル系合金のスラリーを撹拌しながら、濃硝酸:
水を体積比で1:1以上に希釈した硝酸希釈溶液を添加
してpH5以上に保持し、希土類金属を含む溶解金属を
50℃以下の温度で溶解させて希土類含有硝酸塩溶液と
し、該希土類含有硝酸塩溶液を、ニッケルを含む不溶解
元素化合物と濾別分離することを特徴とする希土類−ニ
ッケル系合金からの希土類元素含有物の回収方法が提供
される。また、本発明によれば、前記回収方法で濾別分
離した希土類含有硝酸塩溶液に、フッ素化合物を添加し
て希土類フッ化物を沈澱させ、残存する金属を含む硝酸
塩溶液と濾別分離することを特徴とする希土類元素の回
収方法が提供される。更に、本発明によれば、前記回収
方法で濾別分離した希土類含有硝酸塩溶液に、蓚酸及び
/又は蓚酸アンモニウムを添加して希土類蓚酸塩を沈澱
させ、残存する金属を含む硝酸塩溶液と濾別分離するこ
とを特徴とする希土類元素の回収方法が提供される。更
にまた、本発明によれば、前記回収方法で濾別分離した
希土類含有硝酸塩溶液に、炭酸水素アンモニウム、炭酸
アンモニウム、炭酸アルカリ又はこれらの混合物を添加
して、希土類元素及び含有される他の遷移金属をそれぞ
れ炭酸塩として沈澱させ、濾別分離後、焼成して酸化物
とし、得られた酸化物に、希土類元素:ニッケルを含む
遷移金属が、重量比で50:50〜90:10となるよ
うに、希土類酸化物を添加混合し、得られた混合物をフ
ッ化物浴溶融塩電解法によって、希土類金属ニッケル系
母合金を得ることを特徴とする希土類−ニッケル系合金
からの希土類元素含有物の回収方法が提供される。
【0010】
【発明の形態】本発明の回収方法では、まず、希土類−
ニッケル系合金をスラリーとする。この希土類−ニッケ
ル系合金としては、通常、ニッケル水素電池の負極用合
金等の製造時に発生する合金屑、電池負極粉、スラグ等
を用いることができる。組成的には、希土類金属、ニッ
ケルの他に、通常コバルトが含有されており、他にA
l、Mg、Ti、Cr、Mo、W、Ga、Hf、Zr
等、更には不可避成分的に含まれる各種元素が含有され
たものであっても良い。希土類金属としてはLa、C
e、Pr、Nd又はこれらの混合物や、ミッシュメタル
(Mm)等を挙げることができる。
【0011】スラリーの調製は、希土類−ニッケル系合
金である合金屑、電池負極粉、スラグ等を、好ましくは
平均粒径1〜50μmに粉砕し、水に懸濁することによ
り得ることができる。前記粉砕方法は、通常の粉砕機を
用いて行なえるが、合金自体が発火性が高いので湿式ボ
ールミル粉砕機等を使用するのが適している。また、合
金に水素ガスを吸収させて粉砕する公知の方法も好まし
い。この粉砕は、希土類−ニッケル系合金が所定粒度に
細粉状態になっている場合は必ずしも行う必要がない。
水への懸濁は、好ましくは金属濃度が300〜600g
/リットルの範囲となるように行うのが望ましい。
【0012】本発明の回収方法では、前記スラリーを撹
拌しながら、特定濃度の硝酸希釈溶液を添加する。撹拌
は、添加する硝酸希釈溶液が混合溶解する程度の撹拌で
あれば特に限定されるものではない。硝酸希釈溶液の濃
度は、濃硝酸:水を体積比で1:1以上、好ましくは
1:2〜1:3に希釈したものを用いる。濃硝酸の濃度
が1:1未満の場合には、投入した硝酸が分解して有毒
のNOガス(空気と接触して即座に有毒のNO2ガスと
なる)を発生させる恐れがある。
【0013】硝酸希釈溶液の添加は、例えば、まずスラ
リー中に含有される希土類金属、またコバルト等の他の
硝酸に溶解する金属が存在する場合には、希土類金属及
び他の溶解金属を溶解するのに必要な理論量を、好まし
くは5〜20時間かけて連続的に投入する。この際ニッ
ケルは、pH7近傍で不溶解なオキシ水酸化物の沈澱物
となる。溶解は、発熱を伴うので液温が上昇する。液温
は好ましくは常時計測しておき、40℃を超えた時点で
硝酸希釈溶液の投入を一時停止し、液温が低下したら引
き続き硝酸希釈溶液を投入する方法により行うのが好ま
しい。またpHも好ましくは常時計測し、pHが5.5
程度になった時点で硝酸希釈溶液の投入を停止すると良
い。pHが5以下になる場合には、硝酸希釈溶液中の硝
酸量が過剰となり経済的でなく、投入した濃硝酸が分解
して、有毒のNO2ガスを発生させる恐れがあるのでp
Hは5以上に保持する必要がある。また、pHを5以上
に保持するために液温は50℃以下に保持する必要があ
る。硝酸希釈溶液の投入が終了した後、好ましくは1〜
5時間撹拌を続行することによって希土類金属等の溶解
を終了し、希土類含有硝酸塩溶液を得ることができる。
【0014】以上の希土類含有硝酸塩溶液を得るまでの
反応を以下に反応式により説明する。希土類−ニッケル
系合金のスラリーにおいて、合金中の粒子表面に露出し
ている希土類金属の一部は、以下の反応式にしたがって
水と反応して水酸化物に変化し、その一部は解離するの
で、pHは7以上となっている。 2R+6H2O→R2(OH)3+3H2↑・・・(3) 2R(OH)3→2R3++3(OH)- ・・・(4) 本発明者は、このスラリーに上記条件で硝酸希釈溶液を
投入すれば、実験結果から考察して下記反応式にしたが
って反応が進行するという新しい知見を得た。 R(OH)3+3HNO3→R(NO3)3+3H2O・・・(5) 8R+3OHNO3→8R(NO3)3+3NH4NO3+9H2O・・・(6) pH7近傍において希土類金属が存在すれば、希土類硝
酸塩は加水分解し、下記式(7)が進行し、生成した硝
酸が前記式(6)を進行させる。 R(NO3)3+3H2O→R(OH)3+3HNO3・・・(7) 即ち、硝酸の存在下に式(6)と式(7)とが結合して
下記式(8)が成立する。 8R+6HNO3+15H2O→8R(OH)3+3NH4NO3・・・(8) 要するに、希土類金属を水素の発生無しに安全に少量の
硝酸で水酸化物に変化させることができる。ここで生成
した希土類水酸化物は、硝酸の投入量が増えるに従って
式(5)が進行し、酸として塩酸を使用したときのよう
な水素ガスを発生させずに希土類硝酸塩となって溶解す
る。
【0015】一方、スラリー中に含有されるニッケルに
ついても従来知られていた反応と異なった挙動をして沈
澱となることが判明した。この沈澱を乾燥後、リガク電
気社製のX線回折装置で解析した結果、オキシ水酸化ニ
ッケルと水酸化ニッケルとの混合塩であることが判明し
た。即ち、スラリーを撹拌し徐々に硝酸希釈溶液を投入
した場合、溶液のpHは7近傍で推移し、下記式(9)
及び式(10)に示す反応を起こす。 3Ni+2HNO3+3H2O→2NiOOH+Ni(OH)2+NH4NO3・(9 )4Ni+2HNO3+5H2O→4Ni(OH)2+NH4NO3・・・(10) この際、式(9)、式(10)は同時に起こっている可
能性があり、オキシ水酸化ニッケルと水酸化ニッケルと
の沈澱物が生成する。また、コバルトが存在する場合に
は、コバルトは下記式(11)にしたがって希土類含有
硝酸塩溶液中に溶解するが、一部は水酸化物となってオ
キシ水酸化ニッケルと共沈する。 4Co+10HNO3→4Co(NO)3+NH4NO3+3H2O・・・(11) 更に、アルミニウムやマンガンが存在する場合には、こ
れらは不溶性水酸化物として沈澱する。
【0016】尚、前記式(6)、式(8)、式(9)、
式(10)及び式(11)については、溶液中のNH4+
を横河アナリティカルシステムズ社製のイオンクロマト
分析装置で定量分析し、確認している。
【0017】これら金属の溶解する反応は発熱反応であ
り、反応の進行に従って液温が上昇する。液温が50℃
以上になれば投入した硝酸希釈溶液の硝酸が下記式(1
2)の如くに分解し、 2HNO3→2NO2↑+H2O+1/2O2↑・・・(12) 有毒のNO2ガスを発生させるので、液温を50℃以下
に制御して進行させる必要がある。制御方法は、硝酸希
釈溶液投入を一時停止し、放熱するか投入速度を低下さ
せることにより行うことができる。大量に処理する場合
には、冷却装置付溶解槽等で反応させるのが好ましい。
【0018】反応が終了した処理物は、オキシ水酸化ニ
ッケル、不溶性アルミニウム水酸化物、場合によって一
部のコバルト水酸化物、マンガン水酸化物が沈澱とな
り、希土類元素、場合によりコバルト、一部ニッケルが
硝酸塩となって溶解している希土類含有硝酸塩溶液とな
る。この希土類含有硝酸塩溶液は、通常のフィルタープ
レス等で濾過し、沈澱物と溶液とを濾別分離することが
できる。この際、沈澱物中には有用なニッケルが存在す
るので、沈澱物は通常の化学処理法に従って塩酸または
硫酸に溶解し、塩化ニッケル溶液、硫酸ニッケルとして
回収することができる。
【0019】本発明の回収方法では、前記濾別分離した
希土類含有硝酸塩溶液に、フッ素化合物を添加すること
によって、希土類元素を希土類フッ化物として沈澱さ
せ、場合によって残存するコバルト等が溶解して含有さ
れる硝酸塩溶液と濾別分離することができる。
【0020】希土類含有硝酸塩溶液へ添加するフッ素化
合物の溶液としては、酸性フッ化アンモン溶液、フッ酸
溶液等を挙げることができる。フッ素化合物溶液は、濃
度0.5〜5規定であるのが好ましく、添加量は、含有
するフッ素イオン換算で、希土類含有硝酸塩溶液中に含
有される希土類元素の1.1〜1.3当量に相当する量
が好ましい。
【0021】前記希土類フッ化物を沈澱させた後、残存
する硝酸塩溶液と濾別分離するには、例えば、硝酸塩溶
液を、アンモニア水等で中和して好ましくはpHを3〜
4に調整し、沈澱物をフィルタープレス等の通常の濾過
機を用いて濾過する方法等により行うことができる。
【0022】分離された希土類フッ化物は、例えば20
0〜500℃の温度で1〜10時間乾燥し、無水希土類
フッ化物とすることによって、希土類金属電解製造用浴
塩材料等として好適に用いることができる。
【0023】また、希土類フッ化物を濾別した濾液中に
は、場合によってコバルト及び一部のニッケルが、硝酸
コバルト、硝酸ニッケルとして溶解しているので、この
濾液にソーダ灰(炭酸ナトリウム)又は苛性ソーダ(水
酸化ナトリウム)等を添加して炭酸コバルト、炭酸ニッ
ケル、もしくは水酸化コバルト、水酸化ニッケルを沈澱
させ濾別することができる。得られた水酸化コバルト、
水酸化ニッケル等は、塩酸に溶解して塩化コバルト溶
液、塩化ニッケル溶液等として回収することができる。
【0024】本発明の回収方法では、前記濾別分離した
希土類含有硝酸塩溶液に、蓚酸及び/又は蓚酸アンモニ
ウムを添加して希土類蓚酸塩を沈澱させることによっ
て、残存する金属を含む硝酸塩溶液と濾別分離すること
ができる。
【0025】希土類含有硝酸塩溶液へ添加する蓚酸及び
/又は蓚酸アンモニウムは、濃度1〜5規定の水溶液又
は粉状体として添加するのが好ましい。添加量は、粉末
蓚酸を蓚酸として換算して、希土類含有硝酸塩溶液中に
含有される希土類元素の1.1〜1.3当量に相当する
量が好ましい。
【0026】前記希土類蓚酸塩を沈澱させた後、残存す
る金属、例えばコバルトや一部のニッケル等を含む硝酸
塩溶液と濾別分離するには、例えば希土類蓚酸塩が沈澱
した硝酸塩溶液をアンモニア水等で中和して、好ましく
はpHを3〜4に調整し、沈澱反応を完結させる。次い
で、沈澱物をフィルタープレス等の通常の濾過機等を用
いて濾過する方法等により行うことができる。
【0027】分離された希土類蓚酸塩は、例えば、50
0〜1100℃で焼成して希土類酸化物とすることによ
って、希土類金属電解製造用材料として好適に用いるこ
とができる。
【0028】また、希土類蓚酸塩を濾別した濾液中に
は、場合によってコバルト及び一部ニッケル等が硝酸塩
として溶解しているので、この溶液に前述と同様にソー
ダ灰又は苛性ソーダを添加して、炭酸コバルト、炭酸ニ
ッケル、若しくは水酸化コバルト、水酸化ニッケル等を
沈澱させたり、更に濾別して、塩酸によって溶解するこ
とにより、塩化コバルト溶液、塩化ニッケル溶液等とし
て回収することができる。
【0029】本発明の回収方法では、前記濾別分離した
希土類含有硝酸塩溶液に、炭酸水素アンモニウム、炭酸
アンモニウム、炭酸アルカリ又はこれらの混合物を添加
して、希土類元素及び含有される他の遷移金属をそれぞ
れ炭酸塩として沈澱させ、濾別分離後、焼成して酸化物
とし、得られた酸化物に、希土類元素:ニッケルを含む
遷移金属が、特定重量比となるように、希土類酸化物を
添加混合し、得られた混合物をフッ化物浴溶融塩電解法
によって、希土類金属ニッケル系母合金を得ることがで
きる。
【0030】前記炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸アルカリ又はこれらの混合物の添加量は、前
記希土類含有硝酸塩溶液中に存在する全金属イオンを沈
澱させるに必要な量の1.1〜1.5当量が好ましい。
これにより、濾別分離した希土類含有硝酸塩溶液に溶解
している希土類元素並びにニッケル、コバルト等の他の
遷移金属を炭酸塩として沈澱させることができる。
【0031】沈澱させた炭酸塩を、濾過した後、酸化物
とするには、好ましくは500〜1000℃で焼成する
ことにより行うことができる。
【0032】次に、得られた酸化物に、希土類元素:ニ
ッケルを含む遷移金属が、特定重量比となるように、希
土類酸化物を添加混合するには、得られた酸化物を分析
し、希土類元素と遷移金属との比をICP分析法等によ
り求め、希土類元素:ニッケルを含む遷移金属が、重量
比で50:50〜90:10、好ましくは60:40〜
80:20になるように新たな希土類酸化物を混合す
る。
【0033】次いで、得られた混合物を電解用原料と
し、フッ化物浴溶融塩電解法によって電解処理すること
により希土類金属ニッケル系母合金を得ることができ
る。フッ化物浴溶融塩電解法は、公知の方法で行なうこ
とができる。例えば、フッ化物浴としては、希土類フッ
化物(RF3)、フッ化リチウム(以下LiFと称
す)、フッ化バリウム(以下BaF2と称す)の混合塩
を使用し、その配合割合は、RF3:LiF:BaF2
重量比で1:0.1〜0.4:0.08〜0.3である
のが好ましい。この浴塩を使用した溶融塩電解装置に前
述の電解原料を投入し、700℃〜1000℃の温度で
電解することによって行うことができる。
【0034】尚、合金を全溶解してこの方法で母合金を
回収しようとした場合、新たな希土類酸化物を回収酸化
物当たり重量比で1.2倍以上も混合しなければならな
いが、本発明では1倍以下でよく、回収金属のバランス
が改善される。
【0035】
【発明の効果】本発明の回収方法では、希土類水素吸蔵
合金等に利用される希土類−ニッケル系合金の屑、か
す、スクラップ、スラッジ等から希土類元素を含む溶解
金属を硝酸塩として、沈澱するニッケルを含む不溶解元
素化合物と高効率分離することができ、また希土類元素
は、フッ化物や酸化物として元の合金製造用原料に、含
有されるニッケルや、コバルト等は有効に再利用できる
塩化物として回収することができる。しかも、これまで
公害問題並びに高価であったために使用できなかった硝
酸を、実質的に希土類元素を含む溶解金属を溶解するに
必要な少量を用いるのみで、従来法より高効率且つ経済
的に、前記有効元素を回収することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】実施例1 金属分中の組成がミッシュメタル(混合希土類金属)で
ある希土類元素33.8重量%、ニッケル45.9重量
%、コバルト11.4重量%、アルミニウム1.3重量
%、マンガン7.6重量%の使用済みニッケル水素2次
電池負極金属スラッジを金属分にして500g分取し
た。このスラッジの粉末粒度をマイクロトラック粒度分
布測定したところ、平均粒径は11μmであったのでそ
のまま撹拌機付溶解槽に入れ、水で1リットルのスラリ
ー状のスラッジとした。次いで撹拌しながら5Nの硝酸
溶液(濃硝酸:水体積比で1:1.89)を毎分5ml
の速度で添加溶解した。添加開始40分間で液温が40
℃を越えたので、硝酸溶液の添加を一旦中止し、撹拌の
みで溶解反応を続行し、1時間経過時点の温度が35℃
まで低下したので再び硝酸溶液を毎分5mlの速度で添
加溶解した。pHが5.5まで低下した時点で硝酸溶液
の添加を停止し、以後2時間撹拌を続行した後、溶解を
終了した。硝酸溶液の総添加量は3110mlであっ
た。硝酸溶液投入時から終了までのpH挙動は、図1に
示すとおりpH5以上であった。また硝酸溶液投入時か
ら終了までの液温は、15〜45℃であり、50℃以下
を保持していた。
【0038】得られた溶解液をヌッチェ式濾過機で濾
過、洗浄し、沈澱物と溶液とを分離した。得られた溶液
は4500mlであり、重量分析法とICP分析法によ
り分析した結果、溶液中には希土類元素が収率98.6
%で溶解していることが判った。一方、分離した沈澱物
は、オキシ水酸化ニッケルであり、これを塩酸に溶解
し、不溶解物を濾過除去したところ、107.6g/リ
ットル濃度の塩化物溶液2767mlを得た。この塩化
物溶液の組成は、ニッケル68.5重量%、コバルト1
5.8重量%、希土類元素0.75重量%であり、この
塩化物溶液は、希土類元素を微量しか含まないので、そ
のままニッケル、コバルトの回収に使用できることが判
った。
【0039】前記溶液を二分し、一方は以下に示すフッ
化物による回収、もう一方は以下に示すシュウ酸塩によ
る回収に使用した。
【0040】〈フッ化物による回収〉前記回収溶液20
00mlを撹拌槽に入れ、酸性フッ化アンモン200g
/リットル溶液を245ml加え、希土類フッ化物を沈
澱させた。沈澱物を濾過洗浄した後600℃で乾燥さ
せ、希土類フッ化物を103.5g得た。沈澱物を分離
した後の濾液及び洗浄液を収集し、該濾液及び洗浄液に
苛性ソーダ156gを添加し、水酸化コバルト及び水酸
化ニッケルを沈澱させ濾別分離した。得られた水酸化コ
バルト及び水酸化ニッケルを洗浄後塩酸に溶解し、濃度
110g/リットルの塩化コバルト及び塩化ニッケルの
混合溶液1500mlを得た。希土類フッ化物及びコバ
ルト塩化物の純度並びに回収率を表1に示す。
【0041】〈シュウ酸塩による回収〉前記回収溶液2
000mlを撹拌槽に入れ、150g/リットルの蓚酸
溶液を563ml加え沈澱物を生成させ、更に苛性ソー
ダ溶液でpHを4に調節して希土類蓚酸塩を沈澱させ
た。沈澱物を濾過洗浄した後1000℃で焼成し、希土
類酸化物86.3gを得た。蓚酸塩を濾別した溶液に、
苛性ソーダ120gを添加し、水酸化コバルトと水酸化
ニッケルを沈澱させ、得られた沈澱物を濾別洗浄後塩酸
に溶解し、濃度103g/リットルの塩化コバルト、塩
化ニッケル混合溶液1640mlを得た。希土類酸化物
及びコバルト塩化物の純度並びに回収率を表1に示す。
【0042】実施例2 金属分中の組成がミッシュメタル(混合希土類金属)で
ある希土類元素33.4重量%、ニッケル49.9重量
%、コバルト9.6重量%、アルミニウム1.9重量
%、マンガン5.2重量%の使用済ニッケル水素2次電
池負極金属スラッジを金属分にして500g分取した。
このスラッジの粉末粒度をマイクロトラック粒度分布測
定したところ平均粒径は14μmであったので、そのま
ま撹拌機付溶解槽に入れ、水で1リットルのスラリー状
のスラッジとした。次いで撹拌しながら5Nの硝酸溶液
を毎分5mlの速度で添加溶解した。添加開始1時間で
液温が40℃を越えたので、硝酸溶液の添加を一旦中止
し、撹拌のみで溶解反応を続行し、1時間経過時点の温
度が35℃まで低下したので再び硝酸溶液を毎分5ml
の速度で添加溶解した。pHが5.5まで低下した時点
で硝酸溶液の添加を停止し、以後2時間撹拌を続行した
後、溶解を終了した。硝酸溶液の総添加量は3030m
lであった。硝酸溶液投入時から終了までのpH挙動は
pH5以上であった。また硝酸溶液投入時から終了まで
の液温は、15〜45℃であり、50℃以下を保持して
いた。
【0043】得られた溶解液をヌッチェ式濾過機で濾
過、洗浄し、沈澱物と溶液とを分離した。得られた溶液
は4800mlであり、重量分析法とIPC分析法によ
り分析した結果、溶液中には希土類元素が収率98.3
%で溶解していることが判った。 次いで、この溶液か
ら4600mlを分取し、粉状炭酸水素アンモニウム1
040gを投入し、同時にアンモニア水でpH6に調節
して、炭酸塩を沈澱させた。沈澱物を濾過洗浄した後7
00℃で焼成し、酸化物427.6gを得た。その組成
は、希土類酸化物42.2重量%、酸化ニッケル42.
0重量%、酸化コバルト8.4重量%、酸化マンガン
7.4重量%であった。この酸化物に新規希土類酸化物
423gを混合し、RF3:LiF:BaF2重量比1:
0.3:0.2の希土類金属溶融塩電解用浴塩に投入し
て温度930℃の条件で電気分解したところ、希土類金
属母合金649.1gが得られた。その組成は、希土類
金属73.6重量%、ニッケル19.5重量%、コバル
ト4.1重量%、マンガン2.8重量%であった。得ら
れた母合金は、ニッケル水素電池負極用合金製造に好適
であった。希土類酸化物の純度、回収率、新たな希土類
酸化物の混合比、希土類金属の回収率及び塩素含有率を
測定した。結果を表2に示す。
【0044】実施例3 希土類−ニッケル系水素吸蔵合金製造時の溶解スラグを
粗細後、湿式ボールミルで平均粒径18μmに粉砕し
て、撹拌機付溶解槽に入れ、水を加えて1リットルのス
ラリー状のスラッジとした。この回収用スラッジを分析
した結果、金属分の組成は、希土類元素36.3重量
%、ニッケル44.1重量%、コバルト11.0重量
%、アルミニウム1.3重量%、マンガン7.3重量%
で、総金属量は500gであった。このスラッジを撹拌
しながら5Nの硝酸溶液を毎分4mlの速度で添加溶解
した。添加開始から50分間経過した時点で、液温が4
0℃を越えたので硝酸溶液の添加を一旦中止し、2時間
撹拌するのみで反応を続行した。温度が35℃以下に下
がったところで再び硝酸溶液を毎分5mlの速度で添加
溶解した。pHが5.5まで低下した時点で硝酸溶液の
添加を停止し、以後2時間撹拌を続行した後、溶解を終
了した。硝酸溶液の総添加量は3070mlであった。
硝酸溶液投入時から終了までのpHは5以上であった。
また硝酸溶液投入時から終了までの液温は、15〜45
℃であり、50℃以下を保持していた。
【0045】得られた溶解液をヌッチェ式濾過機で濾
過、洗浄し、沈澱物と溶液とに分離した。得られた溶液
は5000mlであり、重量分析法とICP分析法によ
り分析した結果、溶液中には希土類元素が収率99.0
%で溶解していることが判った。一方、分離した沈澱物
は、オキシ水酸化ニッケルであり、これを塩酸に溶解
し、不溶解物を濾過除去したところ、122.4g/リ
ットル濃度の塩化物溶液2280mlを得た。この塩化
物溶液の組成は、ニッケル67.1重量%、コバルト1
5.5重量%、希土類元素0.6重量%であり、この塩
化物溶液は、希土類元素を微量しか含まないので、その
ままニッケル、コバルトの回収に使用できることが判っ
た。
【0046】前記溶液を二分し、実施例1と同様にフッ
化物による回収及び蓚酸酸塩による回収を実施した。結
果を表1に示す。
【0047】比較例1 実施例1に使用したと全く同一のニッケル水素2次電池
負極スラッジを金属分にして500g分取し、撹拌機付
溶解槽に入れ、水1リットルのスラリー状のスラッジと
した。このスラッジに溶解金属(希土類金属やコバル
ト)を溶解するに必要な理論量の1.1倍の7.5N硝
酸溶液(濃硝酸:水体積比1:0.93)3000ml
を投入し、pH5以下の条件で溶解させた。溶解にはN
Oガスが発生し、NOガスの洗浄除去が必要であった。
またスラッジ中の全量の金属が硝酸塩となり溶解した。
微量の不溶解物を濾過、除去した後、分離した溶液に1
25gの粉状フッ化アンモンを投入後、苛性ソーダでp
H4に調節し、希土類フッ化物を生成沈澱させた。沈澱
物を濾過、洗浄後、600℃で乾燥し、希土類フッ化物
109.8gを得た。また、濾液と洗浄液とを合わせて
苛性ソーダで中和し、ニッケル、コバルト、アルミニウ
ム、マンガンを水酸化物として沈澱させ、濾過、洗浄
後、塩酸に溶解して濃度112g/リットルの混合塩化
物溶液664mlを得た。得られた希土類元素の純度及
び回収率を測定した。結果を表1に示す。
【0048】比較例2 実施例1に使用したと全く同一のニッケル水素2次電池
負極金属スラッジを金属分にして500g分取し、撹拌
機付溶解槽に入れ、水で1リットルのスラリー状のスラ
ッジとした。このスラッジに6Nの塩酸2822mlを
投入し、溶解した。溶液は、水素ガスを発生し、慎重な
排気を必要とした。またスラッジ中の全量の金属が塩化
物となって溶解していた。溶液中の微量不溶解物を濾
過、除去した後、粉状炭酸水素アンモニウム1580g
を投入し、同時にアンモニア水でpH6に調節して、炭
酸塩を沈澱させた。沈澱物を濾過、洗浄後、700℃で
焼成し、酸化物621.6gを得た。その組成は希土類
酸化物31.1重量%、酸化ニッケル46.0重量%、
酸化コバルト11.5重量%、酸化アルミニウム1.9
重量%、酸化マンガン9.5重量%であった。この酸化
物を新たな希土類酸化物877gと混合し、実施例2で
用いた溶融塩浴中に投入して同一条件で電解し、希土類
ニッケル系母合金1060gを得た。その組成は、希土
類金属73.7重量%、ニッケル18.4重量%、コバ
ルト4.5重量%、アルミニウム0.4重量%、マンガ
ン3.0重量%であった。この合金は塩素を0.15%
含有し、ニッケル水素2次電池負極用合金製造に適さな
いと判定された。実施例2と同様な測定を行った。素の
結果を表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で行った硝酸溶液添加による反応時の
PHの推移を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類−ニッケル系合金のスラリーを撹
    拌しながら、濃硝酸:水を体積比で1:1以上に希釈し
    た硝酸希釈溶液を添加してpH5以上に保持し、希土類
    金属を含む溶解金属を50℃以下の温度で溶解させて希
    土類含有硝酸塩溶液とし、該希土類含有硝酸塩溶液を、
    ニッケルを含む不溶解元素化合物と濾別分離することを
    特徴とする希土類−ニッケル系合金からの希土類元素含
    有物の回収方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回収方法で濾別分離した
    希土類含有硝酸塩溶液に、フッ素化合物を添加して希土
    類フッ化物を沈澱させ、残存する金属を含む硝酸塩溶液
    と濾別分離することを特徴とする希土類元素の回収方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の回収方法で濾別分離した
    希土類含有硝酸塩溶液に、蓚酸及び/又は蓚酸アンモニ
    ウムを添加して希土類蓚酸塩を沈澱させ、残存する金属
    を含む硝酸塩溶液と濾別分離することを特徴とする希土
    類元素の回収方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の回収方法で濾別分離した
    希土類含有硝酸塩溶液に、炭酸水素アンモニウム、炭酸
    アンモニウム、炭酸アルカリ又はこれらの混合物を添加
    して、希土類元素及び含有される他の遷移金属をそれぞ
    れ炭酸塩として沈澱させ、濾別分離後、焼成して酸化物
    とし、得られた酸化物に、希土類元素:ニッケルを含む
    遷移金属が、重量比で50:50〜90:10となるよ
    うに、希土類酸化物を添加混合し、得られた混合物をフ
    ッ化物浴溶融塩電解法によって、希土類金属ニッケル系
    母合金を得ることを特徴とする希土類−ニッケル系合金
    からの希土類元素含有物の回収方法。
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