JPH09211824A - 処理液の攪拌装置 - Google Patents

処理液の攪拌装置

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JPH09211824A
JPH09211824A JP1517896A JP1517896A JPH09211824A JP H09211824 A JPH09211824 A JP H09211824A JP 1517896 A JP1517896 A JP 1517896A JP 1517896 A JP1517896 A JP 1517896A JP H09211824 A JPH09211824 A JP H09211824A
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JP
Japan
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processing
tank
liquid
solution
photosensitive material
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JP1517896A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Ishikawa
隆利 石川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリットの形状を特定することによって、攪
拌能力を上げると共に、温度変化によってスリットが閉
塞することがないようにする。 【解決手段】 チャンバー74に形成されたスリットS
から処理液が感光材料に噴射され、処理槽内の処理液が
攪拌される。スリットSは、感光材料の搬送方向に対し
て直交するように形成されており、スリットSの開口幅
は0.1〜2.0mmで、開口長さが40mm以下(好
ましくは10〜30mm)とされている。このように、
スリットSの開口幅を狭くすることによって、チャンバ
ー74へ送られる処理液の圧力を上げなくても、処理液
の噴射力を上げることができ、攪拌効率を向上させるこ
とができる。また、開口長さを短くすることで、スリッ
トSの加工が容易となり、温度変化によってスリットS
が閉塞することもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料用自動現像装置に備えられる処理液の攪拌装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動現像装置には、感光材料の処理ムラ
をなくすため、処理槽内の処理液を攪拌する攪拌装置が
設けられている。
【0003】この攪拌装置の方式として、処理槽内にチ
ャンバーを構成し、このチャンバーへ、循環ポンプで処
理槽から吸引した処理液をチャンバーに送って、チャン
バーに形成されたスリットやノズル等から感光材料へ処
理液を噴射させるものがある(特開平3−41447
号、特開平4−83251号、特開平5−281688
号、特開平7−199436号、及び特開平7−306
514号の公報参照)。
【0004】ところで、従来、スリットの開口幅は、通
常2.5mm以上とされていた。これは、スリットの開
口幅を余り狭くすると、チャンバーがコストの面からポ
リエチレン等の樹脂材で成形されている関係から、処理
液の温度変化によってスリットが閉塞することがあるた
めである。
【0005】このため、処理液の噴射力を上げるには、
大きな吐出力を有する循環ポンプが必要となるが、そも
そも、従来型の処理槽は貯留する処理液の容量が大きい
ため、噴射力を上げて攪拌能力を向上させなくても、写
真特性上それほど問題とはならなかった。
【0006】ところが、近年、容量の小さい処理槽で感
光材料を処理し、適宜、処理液を補充することによっ
て、液交換率を高め、処理安定性を上げるタイプの自動
現像装置が提案されている。
【0007】しかしながら、このようなタイプでは、均
一な攪拌が困難であり、攪拌能力を上げないと、処理ム
ラが生じる。
【0008】また、従来の攪拌装置では、ローラ等を取
り外さないと、チャンバーを引き出すことができなかっ
たため、スリット部分に溜まったゴミを取り除くといっ
た作業に手間を要していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を考
慮し、スリットの形状を特定することによって、攪拌能
力を上げると共に、温度変化によってスリットが閉塞す
ることがなく、また、スリットの清掃が容易な攪拌装置
を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、チャンバーに形成されたスリットから処理液がハロ
ゲン化銀写真感光材料に噴射され、処理槽内の処理液が
攪拌される。
【0011】このスリットは、感光材料の搬送方向に対
して直交するように形成されており、短時間で充分な現
像、脱銀処理、水洗等を行うことができる。
【0012】また、スリットの開口幅は0.1〜2.0
mmで、開口長さが40mm以下(好ましくは10〜3
0mm)とされている。
【0013】このように、スリットの開口幅を狭くする
ことによって、チャンバーへ送られる処理液の圧力を上
げなくても、処理液の噴射力を上げることができ、攪拌
効率を向上させることができる。また、開口長さを短く
することで、スリットの加工が容易となり、温度変化に
よってスリットが閉塞することもない。
【0014】請求項2に記載の発明では、処理槽に貯留
される処理液の容量Vと、感光材料が搬送される処理液
の入口側の液面から出口側の液面までのパス長Lとの関
係が、V/L≦25とされている。
【0015】すなわち、攪拌能力が処理ムラに与える影
響が大きい、小液量の処理槽において、特に効果を発揮
する。
【0016】請求項3に記載の発明では、リーダーがな
い搬送方式が採用されている。すなわち、搬送路の幅狭
のガイド部に、感光材料の幅方向の両端がガイドされ、
このガイド部に配設された搬送ローラによって、感光材
料が処理液中を搬送される。また、ガイド部より幅拡の
通過部を感光材料の両面が非接触状態で通過する。
【0017】このように、感光材料が大量に処理されな
い小型の自動現像装置では、リーダーレス搬送方式が適
しており、本攪拌装置は、このような小型の自動現像装
置に適したものとなっている。
【0018】請求項4に記載の発明では、処理槽の通過
部に、スリットが感光材料の乳剤面と対向するようにチ
ャンバーが脱着可能に取付けられる。
【0019】このように、通過部へチャンバーを脱着に
取付けることで、必要に応じてチャンバーのみを取外
し、スリットに溜まったゴミを取り除くことができる。
【0020】請求項5に記載の発明では、処理槽の下部
から処理液を吸引し、チャンバーへ圧送する循環系を構
成している。
【0021】このため、スリットから噴射される処理液
によって攪拌された処理槽内の、特に浮遊物を含む処理
液が効率よく、処理槽外へ排出され、ろ過することによ
って、処理液の処理能力が維持される。
【0022】また、チャンバーへ処理液を圧送すること
で、スリットから吹き出される処理液の噴射圧が均一と
なる。
【0023】請求項6に記載の発明では、処理液とし
て、現像液(発色現像液、黒白現像液)、漂白液、定着
液、あるいは漂白定着液、水洗液、あるいは安定液が対
象となっている。すなわち、本発明の攪拌装置は、現像
槽だけでなく、定着槽、漂白槽、漂白定着槽、水洗槽、
又は安定槽に使用することもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1及び図2には、本形態の攪拌
装置10が用いられた自動現像装置12が示されてい
る。この自動現像装置12には、側面視にて略V字状の
発色現像槽14、漂白定着槽16、安定(1)槽18、
安定(2)槽20、及び安定(3)槽22と、隣合うタ
ンクの出入口を連結するクロスオーバー部26とで感光
材料28の搬送路が形成されている。各タンクは、処理
時間に対応した大きさに設定されている。また、安定
(3)槽22の出口には、乾燥部24が配設されてお
り、乾燥ファン30で処理済の感光材料28を乾燥さ
せ、自動現像装置12の外へ排出するようになってい
る。
【0025】ここで、発色現像槽14を例にとってタン
クの構造を説明する。発色現像槽14は、図3〜図6に
示すように、内周部が凹設された略V字状の下部槽32
と、外周部が凹設された略V字状の上部槽34とで構成
される。この下部槽32と上部槽34とは、別体に射出
成形され、組合わせることによって、感光材料28が搬
送される略V字状の中空の搬送路が形成される。
【0026】上部槽34及び下部槽32の中央は、矩形
状に凹設され感光材料28の両面が非接触で通過する通
過部36とされている。この通過部36の両端から外側
へガイド片38が延びており、組み合わせられたとき、
感光材料28の幅方向の両端をガイドする幅狭のガイド
部40が形成される。
【0027】なお、発色現像槽14の容量をVml(ミ
リリットル)、発色現像槽14の入口(入口の液面)か
ら出口(出口の液面)までの搬送距離をLcmとする
と、V/L≦25であることが望ましい。
【0028】このように、タンクの容量を小さくするこ
とによって、液の交換効率が向上し、液安定が向上す
る。また、自動現像装置を小型化することができる。
【0029】ここで、好ましい範囲として、1≦V/L
≦25、また、50ml≦V≦5000ml、より好ま
しくは100ml≦V≦3000ml、さらに、2cm
≦L≦200cm、より好ましくは4cm≦L≦120
cmが望ましい。
【0030】また、タンクの厚みW(通過部36の壁面
間の距離)は0.1≦W≦10cmで、好ましくは0.
3≦W≦5cm、より好ましくは0.5≦W≦3cmで
あることが望ましい。
【0031】一方、発色現像槽14の下部及び側部に
は、略円筒状に外側へ膨出した収容部42が形成されて
いる。この収容部42には、ローラ軸44が配設されて
おり、ローラ軸44の両端には、ガイド部40と対応す
る位置に搬送ローラ46が固定されている。この搬送ロ
ーラ46によって、ガイド部40を通過する感光材料2
8の両端を挟持し、発色現像槽14内を搬送させるよう
になっている。
【0032】また、搬送ローラ46の一方には、内マグ
ネットカップリング48が同軸上に固定されている。こ
の内マグネットカップリング48は、磁力で収容部42
の外側に配置された外マグネットカップリング50と同
期して回転し、搬送ローラ46を回転させるようになっ
ている。このように、マグネットカップリングを用いる
ことによって、発色現像槽14の壁部に孔を開けなくて
もよいので、止水処理を施す必要がなくなる。また、駆
動系からタンクを容易に取り外すことができる。
【0033】さらに、外マグネットカップリング50と
同軸的にギア52が取付けられており、互いに噛み合っ
ている。このギア52の一方には、スプロケット54が
取付けられており、図1に示すように、このスプロケッ
ト54には、各タンクに配置されたスプロケット54へ
掛け渡すように、チェーン56が巻き掛けられている。
このチェーン56を、モータ58で駆動することによっ
て、各タンクに配置された搬送ローラ46が同期して回
転し、感光材料を搬送する。
【0034】また、発色現像槽14の出口側には、クロ
スオーバー部26が配設され、漂白定着槽16の入口側
とつながっている(図2参照)。このクロスオーバー部
26も、タンクと同様に、外周部が凹設された略V字状
の下部枠60と内周部が凹設された略V字状の上部枠6
2とで構成され、組合わせることによって、各タンクを
つなぐ略V字状の搬送路が形成される。
【0035】一方、図2に示すように、発色現像槽14
の底部には、吸引管64が接続されている。この吸引管
64から循環ポンプ66によって、発色現像槽14内の
処理液が吸引される。吸引された処理液は、ヒータ68
で加熱され、配管70、72によって、発色現像槽14
の通過部36へ装着されたチャンバー74へ圧送され
る。この循環量は、0.1〜20リットル/分、好まし
くは0.2〜10リットル/分が望ましい。
【0036】また、吸引管64には、補充管76が接続
されている。この補充管76には、レベル調整装置78
が設けられており、発色現像槽14内の処理液が減少す
ると、補充タンク80からベローズポンプ82によって
処理液を補充し、発色現像槽14の液面を一定に保持す
るようになっている。
【0037】図2、図6、図7に示すように、下部槽3
2側の通過部36には、上方の開口からチャンバー74
が挿入され、表立面84が感光材料28と対面した状態
で図示しないクリップで固定されるようになっている。
【0038】チャンバー74は中空の箱体で、表立面8
4には、感光材料28の搬送方向に対して直角となるよ
うに、スリットSが所定の間隔で形成されている。
【0039】このスリットの開口幅は0.1〜2.0m
m、好ましくは0.2〜1.2mmであり、また、開口
長さは好ましくは10〜40mmで、更に好ましくは、
15〜30mmであることが望ましい。
【0040】また、スリットSの間隔は、5〜100m
mで、好ましくは10〜50mmであることが望まし
い。さらに、スリットSの数は、各槽毎に、5〜100
個、好ましくは10〜50個が望ましい。
【0041】また、スリットSから感光材料28の乳剤
面へ噴射される処理液の方向は、表立面84から時計回
り(上部に向かう角度)の仰角度が、70〜100°、
好ましくは80〜100°であることが望ましい。
【0042】さらに、感光材料28とスリットSとの距
離は、0.2〜10mm、好ましくは0.5〜5mmで
あることが望ましい。
【0043】また、チャンバー74の中空部86の奥行
きAは、一例として5〜10mmとされ、板厚Bは2m
mとされている。
【0044】このように、スリットSの開口幅を狭くす
ることによって、チャンバー74へ送られる処理液の圧
力を上げなくても、処理液の噴射力を上げることができ
る。また、開口長さを短くすることで、スリットSの加
工が容易となり、温度変化によってスリットSが閉塞す
ることもない。
【0045】チャンバー74の裏立面88には、集水口
90が開口されている。この集水口90は、チャンバー
74が発色現像槽14の通過部36へ装着されたとき、
通過部36の壁面に開口された接続口92(図1参照)
と対応するようになっている。この接続口92を通じ
て、配管70、72の端部に設けられた継手管94が集
水口90へ接続されるようになっている。なお、図示は
省略するが、接続口92には、止水用のパッキンが取付
けられている。
【0046】また、本形態では、チャンバー74の裏立
面88から、中空部86内へ処理液を送るようにした
が、チャンバー74の取外しを容易にするため、図8に
示すチャンバー120のように、上部壁に集水部96を
形成し、処理液を送り込むようにしてもよい。
【0047】さらに、本形態では、V/L≦25を実現
させるために特殊な形状をもつタンクにチャンバー74
を取付けた例を説明した。しかし、チャンバー74の取
外しの容易さを考慮しなければ、図9及び図10に示す
ように、一般的なタンク100にラック102を入れ
て、V/L≦25となるような搬送路を形成し、中央に
チャンバー104を取付ける構造としてもよい。
【0048】このチャンバー104では、表立面、裏立
面の双方にスリットS(スリットの形状は上述したもの
と同じ)が形成されている。チャンバー104の中空部
106には、中央から上下端に向かって傾斜するテーパ
ー面108が形成されており、側面104Aの中央に形
成された集水口110から送り込まれた処理液を抵抗な
くスリットSへ均等に案内するようになっている。な
お、この形態でも、乳剤面がスリットSと対面するよう
に感光材料28が搬送されるようになっている。
【0049】また、図11及び図12に示すように、感
光材料28の搬送路をチャンバー112自体で構成する
ようにして、乳剤面を外側にして感光材料28を搬送す
るようにしてもよい。
【0050】いずれの形態でも、スリットSの開口幅、
開口長さを特定することによって、処理液の感度が高く
なり、処理ムラが少なくなる。
【0051】次に、第1形態で説明したタンクを使用
し、攪拌方法を変えて感光材料を処理した比較実験を示
す。
【0052】攪拌A:循環のみで噴射による攪拌なし。 攪拌B:チャンバーのスリットの開口幅が3mm、スリ
ットの長さ30mm、スリットの間隔が20mmで12
列、スリットから噴射される処理液を感光材料に直角に
当てる。
【0053】攪拌C:チャンバーのスリットの開口幅が
1.5mm、スリットの長さ30mm、スリットの間隔
が20mmで12列、スリットから噴射される処理液を
感光材料に直角に当てる。
【0054】攪拌D:チャンバーのスリットの開口幅が
0.7mm、スリットの長さ30mm、スリットの間隔
が20mmで12列、スリットから噴射される処理液を
感光材料に直角に当てる。
【0055】攪拌E:チャンバーのスリットの開口幅が
0.7mm、スリットの長さ30mm、スリットの間隔
が20mmで12列、スリットから噴射される処理液の
角度が感光材料に対して45°。
【0056】攪拌F:チャンバーに1mmΦの孔を横に
5mm間隔で6個あけた列を、20mm間隔で縦に12
列設け、スリットから噴射される処理液を感光材料に直
角に当てる。
【0057】試料は、像様露光後、各攪拌方法で各々1
00本処理し、100本の処理が終了した時点で、クサ
ビ型ウエッジを通して露光した試料を処理して、感度
(攪拌Aに対する相対値)を求めた。試料は、特開平7
−219187号の明細書第18頁の実施例1の試料1
03を、24mm幅に切断して用いた。
【0058】また、濃度1.0付近になるように均一濃
度を与えた試料を作成して処理し、マゼンタの濃度ムラ
(最大値と最少値の差、ΔDg)を求めた。
【0059】ここで、処理条件を示す。試料の線速度
(搬送速度)は100cm/分、タンクの厚みWは1.
0cm、タンクの幅は4.0cm、循環量1リットル/
分とした。
【0060】 処理工程 温度 パス時間 補充量 タンクの容量V V/L 発色現像 43℃ 90秒 300ml/m2 1000ml 6.7 漂白定着 40℃ 90秒 300ml/m2 1000ml 6.7 安定(1) 40℃ 20秒 − 300ml 9.0 安定(2) 40℃ 20秒 − 300ml 9.0 安定(3) 40℃ 20秒 300ml/m2 300ml 9.0 乾 燥 75℃ 40秒 (安定は(3)から(1)への3タンク向流方式とした。) 各処理液の組成は以下の通りである。 (発色現像液) タンク液(単位g) 補充液(単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1、 1−ジホスホン酸 3.0 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 6.7 炭酸カリウム 39.0 39.0 臭化カリウム 2.0 0 ヨウ化カリウム 0.0013 0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 10.0 15.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 8.0 11.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.35(漂白定着液) タンク液(単位g) 補充液(単位g) エチレンジアミン−(2−カルボキシフェニル)− N,N’,N’−三酢酸 0.15モル 0.18モル チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 250ml 280ml ヨウ化アンモニウム 1.0 亜硫酸アンモニウム 20.0 45.0 p−アミノベンゼンスルフィン酸 0.15モル 0.20モル コハク酸 12.0 12.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(硝酸とアンモニア水にて調整) 5.5 4.8 (安定液) タンク液と補充液は同じ処方(単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエテール (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1、2、4−トリアゾール 1.3 1、4−ビス(1、2、4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 安定液の容量 1000ml pH(NaOH/グリコール酸にて調整) 7.5 以下の表1に結果を示す
【0061】
【表1】このように、攪拌方式C、Dによれば、感度が
高く、また、処理ムラの少ないことが判る。
【0062】次に、本発明に適用可能な搬送機構を説明
する。搬送機構には、(1)ドラムの回転により狭い隙
間に満たされた液中に感光材料を挿入、搬送、送り出す
いわゆるドラム処理が知られているが、これらは写真工
業12月号(1974)p.45に記されている。
【0063】この方法では、ドラムの内壁又は外壁を利
用して感光材料を現像するが、小液量処理槽装置の作り
易さから外壁型が好ましい。
【0064】さらには、(2)対向ローラー、千鳥ロー
ラー等により、ローラーのニップ力のより感光材料を搬
送させるローラー搬送型処理機が知られており、これら
は写真工業2月号(1975)p.71に記されてい
る。
【0065】この方法は小さい装置の作り易さから本発
明に好ましく使用できる。また、特開平4−95953
号記載のように、感光材料が通過するような溝を設け
て、搬送ルートを制御する方法を加えて用いると尚、好
ましい。
【0066】この方法では、一般に支持体が厚い感光材
料の場合の搬送に適性があり、薄い支持体の場合には対
向ローラー型が好ましい。
【0067】更に薄い支持体の場合には、対向ローラー
の対をたくさん設置するとか、厚い支持体(タブリーダ
ーとも言う)の後端に感光材料を接合させて処理するの
が好ましい。場合にはよっては処理槽挿入部にフィード
機構(挿入機構)を設けても良い。
【0068】また(3)感光材料を処理する時に、予め
処理槽に前通ししてあるリーダーの後端に露光済み感光
材料を接合して、このレーダーを巻き取る等の駆動を掛
けて感光材料を処理する方法があるが、この方式は撮影
感光材料では一般にシネ式現像、プリント感光材料では
リーダートレーラー搬送現像と言われてており、これら
は写真工業3月号(1975)p.70や同4月号(1
975)p.40や同5月号(1975)p.36や同
6月号(1975)p.41に記されている。
【0069】これらの処理方式は感光材料の前後のいわ
ゆる長尺のリーダーを接合して処理する必要であるが、
プリント材料のように多量に生産する必要がある場合に
は、適した方法である。
【0070】これと類似した搬送法として、(4)エン
ドレスリーダーベルト方式、エンドレスチェーン方式が
知られている。
【0071】この方法は写真工業5月号(1975)
p.36や同6月号(1975)p.41に記載されて
いる。
【0072】これらの方法は液持ちだし、液持込みが多
く本発明には適さない。上述した(3)の方式でリーダ
ーが長尺でなく短い物を使い、このリーダー((5)シ
ョートリーダーとも言う)を特別な駆動で移動させる事
により結果として、感光材料を搬送する方法も最近用い
られ、本発明に適用することができ、好ましい態様の1
つである。
【0073】この方法には(5−1)ショートリーダー
に付けられた穴に対応する凸部を多数有するベルト(タ
イミングベルト)の回転移動でショートリーダーを動か
し、その結果感光材料を処理する方法である。
【0074】他の方法として(5−2)ショートリーダ
ーに付けられた穴に対応する凸部を有するギヤ(スプロ
ケット)の回転でショートリーダーを移動させ、感光材
料を処理する方法が知られている。例えば特開平4−1
01139に記載の方法である。
【0075】この方法は好ましい搬送方式の1つであ
る。特にスプロケットで搬送する方法は好ましい。
【0076】本発明のような、小液量の処理方式として
は、ベルト搬送方式として、特開平2−67551、特
開平2−103043がエンドレスベルト方式として特
開平2−67550、実開平2−58744が磁気搬送
方式として、特開平1−154155がスプロケット搬
送として特開平4−101139が知られている。
【0077】次に、循環方式としては、循環の速度は処
理タンクの大きさで異なるが、毎分0.1〜30リット
ル、好ましくは0.2〜10リットルである。循環が弱
すぎると、温度のコントリールが困難になり、強すぎる
と、液が劣化したり、溢れたりする場合が生じる。循環
は、温度のコントロールや浮遊物の除去のために必要で
ある。
【0078】循環方法においては、循環系は処理タンク
の底部よりタンク液を吸入し、タンクの上部に排出する
方法が望ましい。タンクの上部とは液面より深さ10c
m以内の箇所に排出される場合が特に好ましい。また、
液面の上部に圧力による液の溢れを防止する目的で、ワ
イパーブレード等により、液面付近を覆う方法か好まし
く用いることができる。同時にこのワイパーブレードは
スクイジーとしても作用することができる。
【0079】ポンプとしてはイワキ社製のマグネットポ
ンプMD−10、MD−20、MD−30等が好ましく
用いられる。
【0080】一般に現像処理は化学反応であるために、
現像中の温度を指定の温度で、一定の温度フレ幅の範囲
に管理する事が写真性能を安定に得るために必要な事で
ある。特に自動現像装置では人が温度を調べる事が無い
ために、温度の安定管理は重要である。
【0081】自動現像装置におけるこのような温度の自
動制御、均質制御の部分を温度調節(温調)と言う。
【0082】言い換えれば、温調は処理槽の液温を指定
の温度に、しかも均質に保つための機能である。
【0083】従って加熱する部分(H)と冷却する部分
(C)(これは空冷の場合にはいらない)と液を循環す
る部分(J)、さらには温度検出部分(S)とに機能を
分けることが出来る。Sは温度制御に必要で処理槽に設
置される事が好ましい。(特開平1−170944) それぞれのH、C、Jの機能の組み合わせを処理槽中で
行う場合と、別槽中で行う場合とその中間とがある。
【0084】小液量処理槽ではHとJは少なくとも処理
槽外が好ましく、Hはサブタンク(処理槽と直接つなか
った空気開放槽)中に配置するか、循環経路中に設置す
るか、循環経路中に設置されたハンプタンク(空気未開
放槽:補充混合槽)中に設置するのが好ましい。循環に
用いるポンプは軸流(プロペラ)ポンプ、いわゆるケミ
カルポンプが多用されるが、スクリューポンプ、ギヤポ
ンプ、ピストンポンプなども使用できる。
【0085】加熱する部分(H)に使用するヒーターは
ニクロム線を絶縁体で埋包したステンレスヒーター、セ
ラミックの発熱を利用したセラミックヒーター、カーボ
ン繊維の発熱を利用した面状ヒーター、鋳込みヒーター
(体積型ヒーターでヒーター中に空洞がありこの中に温
調液を通過させて加熱する方法)等があるが(特開昭6
2−246057)本目的には鋳込みヒーターを用い循
環系にヒーターを組み込む方法が液量の増加も少なく、
最も好ましい方法である。
【0086】この鋳込みヒーターは特開平5−8047
9、特開平5−204117に詳細な記載がある。
【0087】また、U字型上部より液を取り出し、他方
のU字型の上部に戻す場合でサブタンクが有る場合には
一般的にサブタンク側から液を取り出す方が温調の安定
化の為に好ましい。この場合には、戻す側の液面上部に
は液吹き出し防止用のブレードを設置すると良い。例え
ば、特開平3−257450の図2の78のワイパー部
材が好ましい。
【0088】この場合、サブタンクに温調安定化を施せ
ば、サブタンクが無い方のU字型の上部から取り出す方
式の循環の方が液出し防止用のブレードを設置する必要
が無くなる。
【0089】温度を一定に保つための制御も必要であ
る。感光材料が液に入った時、補充がなされた時の温度
低下に対する制御、ヒーターの加熱防止用の制御、省エ
ネルギー制御、外気温度予測、その他等が有る。例えば
特開昭58−211149、特開昭62−23855
6、特開昭62−238557、特開昭62−2460
58、特開平1−177542、特開平1−20042
1、特開平1−214850等である。
【0090】本発明では、露光済の感光材料の処理量に
応じて、補充される機能を有する場合が好ましい。
【0091】補充の方法は、各種方式を採用することが
できる。例えば、特開平5−173299号記載のよう
に、循環系の直接濃縮液を補充する方法、特開平6−1
94811号記載のようにストックタンクに濃縮液を一
度ストックし、その後補充する方法、特開昭64−55
560、同64−55561、同64−55562号記
載のように完成液のカートリッジから直接タンクに補充
する完成補充液方式、特開平3−134666号記載の
ように、カートリッジからストックタンクに一旦補充液
を自動供給し、その後、処理タンクに補充される方法、
EP−590583A1記載のように濃縮液と水を直接
タンクに補充する方法、特開平5−188533、同6
−202297、同7−169339号等に記載の固体
処理剤と水を補充する方法等が挙げられる。
【0092】本発明の処理機においては、液面の開口面
積は比較的小さいために、補充は循環系やサブタンクを
設けて、その箇所に補充するのが好ましい。また、循環
系に補充する場合には、循環経路の一部に膨らみを設け
(ハンプタンク)、その箇所に補充するのも好ましい方
法である。
【0093】また、処理液の補充に関しては、補充ポン
プが用いられるが、ベローズ式補充ポンプが好ましい。
また、補充精度を向上させる方法として、ポンプ停止時
の逆流を防止するため、補充ノズルへの送液チューブの
径を補足することは有効である。好ましい内径は1〜8
mm、特に好ましくは2〜5mmである。
【0094】本発明に用いられるが、好ましい材料を以
下に記載する。処理槽および温調槽等のタンク材質、処
理ラックや接液部のガイド類の材質としては、変性PP
O(変性ポリフェニレンオキサイド)、変性PPE(変
性ポリフェニレンエーテル)樹脂が好ましい。変性PP
Oは日本ジーイープラスチック社製「ノリル」、変性P
PEは旭化成工業製「ザイロン」、三菱瓦斯化学製「ユ
ピエース」等が挙げられる。これらの材質は現像液、定
着液、漂白定着液などに対して耐薬品性の優れた材料で
ある。これらの材料は射出形成に適しており、また低発
泡成形やシンプレス成形、ガスカウンタープレッシャー
成形などの各種の中空成形も行うことができる利点があ
る。これらの成形方法を利用して処理槽と温調槽の一体
成形化や複雑な構造のガイドやラック類の一体成形化が
可能になった、さらに肉厚な成形体やブロック等肉厚部
材を作ることが可能になった。エンジニアリングブロー
成形によって自動現像装置のカバー類などの大型ハウジ
ング部材などにも利用できる。これらの材質は、一般の
ABSよりも耐熱温度が高いため自動現像装置の乾燥部
材質にも使用できる。さらに耐熱や鋼性を必要な時はガ
ラス繊維強化やフィラー添加されたグレードを使用する
ことができる。
【0095】また、ABS(アクリロニトリル・ブタジ
エン・スチレン樹脂)は、処理液(例えば、カラー現像
液、漂白液、定着液、漂白定着液)に対する耐薬品性を
有しているため、タンクに一部やラック類に使用するこ
とができる。電気化学工業製「デンカ」、宇部興産製
「サイコラック」や三菱モンサント化成、日本合成ゴム
など各社のABS樹脂を使用できる。ABSは、80℃
以下の環境で使用することが好ましい。また、ABSは
射出成形による成形性が良好で、成形時のヒケが少なく
平面性良く成形できるため自動現像装置のハウジングに
も適した材料である。プロセサの供給部やカセット類に
も適した材質である。
【0096】また、オレフィン系樹脂のPE(ポリエチ
レン)、PP(ポリプロピレン)は、処理液一般に(例
えば、カラー現像液、漂白液、定着液、安定液)に対し
て高い耐薬品性を有している。PEは昭和電工、宇部興
産などで多数の製品がある。PPは宇部興産、チッソ、
三井東圧化学、旭化成など多数の製品がある。自動現像
装置では補充タンクや廃液タンクなどの材質として使用
されている。材料が安価で中空成形で容易に大型タンク
を製作できるため、高い寸法精度を必要としない部位に
好ましく用いることができる。
【0097】また、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂)は、
耐薬品性に優れ、安価で簡単に溶接できるため加工性に
すぐれている。
【0098】PVCとしては電気化学工業や理研ビニル
工業などのほかに各種モールダーメーカーなど多くの会
社より多品種が生産されている。タキロン工業「タキロ
ンプレート」や三菱樹脂「ヒシプレート」から押出成形
された板材が市販されており、また各種変性処理された
PVCも市販されており容易に用いることができる。ア
クリル変性PVCとしては、筒中プラスチック「カイダ
ック」やサンアロー化学などから市販されている。アク
リル変性PVCは、表面が平滑に仕上がり撥水性が良
く、タンクに使用した場合、処理液の析出(例 発色現
像液から主薬などの析出)をひきおこしにくく適した材
料である。PVCの押出や射出成形品の表面を平滑にす
るための工夫としては、変性PVCの他に大豆油などを
添加して成形時の流動性を向上させることは効果が高
い。大豆油(好ましくは変性大豆油)の添加は、樹脂表
面を平滑化し、スリキズなどによって感光材料の品質を
損ねないだけでなく、成形時の流動性を向上させる効果
がある。
【0099】発色現像主薬などの析出対策や感光材料の
搬送性向上のために処理槽や処理部のガイドの材質とし
て、結晶性ポリマーが用いることができる。PBT(ポ
リプチレンテレフタレート)、HDPE(超高密度ポリ
エチレン樹脂)、PTFE(ポリ四ふっ化エチレン樹
脂)、PFA(四ふっ化エチレン・パーフルオロアルコ
キシエチレン樹脂)、PVDF(ポリふっ化ビニリデン
樹脂)などが感光材料が接触するガイドや処理液(例え
ば、発色現像液)が析出しやすい液界面部分などに適し
ている。上記のふっ化物はPPEなどの他の材質にコー
ティングしても効果を発揮する。
【0100】処理部のローラー材質としては、PVC
(ポリ塩化ビニル樹脂)、PP(ポリプロピレン)、P
E(ポリエチレン)、UHMPE(超高分子量ポリエチ
レン)、PMP(ポリメチルペンテン)、PPS(ポリ
フェニレンサルファイド)、変性PPO(変性ポリフェ
ニレンオキサイド)、変性PPE(変性ポリフェニレン
エーテル)などの熱可塑性樹脂が適している。PP、P
E、PMPなどのオレフィン系樹脂はローラー表面を平
滑に射出成形でき、比重が小さいため回転負荷が小さく
できるため、搬送される感光材料の乳剤面側にキズがつ
きにくく適している。これらは、ターン部の鼓ローラー
などに良く使われている。UHMPEやPTFE(PF
AやPVDFを含む)などの材質は、感光材料がしゅう
どうする部分や処理液の撥水を必要とする部分に適して
いる。ローラーに処理液の析出部が付着して固化したも
のによって感光材料がきずつけられるのを防ぐ効果があ
る。これらの材質をローラー表面(コーティングを含
む)に備えたローラーは、処理液の界面に位置するロー
ラーやスクイズ部分のローラーに適している。PVC
は、押出成形によってローラーに加工しやすく適してい
る。また、2重押出成形によってローラーの表面に硬度
の低い軟質の樹脂部分を有したローラーを容易に製造す
ることができ、感光材料に対してソフトタッチで接触で
き好ましい。搬送力を伴うローラーにはPVCの他に変
性PPO、変性PPE、変性PPSなどが鋼性を高く、
高い回転トルクに耐えることができるため適している。
これらは、鋼性をさらに高めるためにガラス繊維強化や
マイカ、タルク、チタン酸カリウムなどのミネラル添加
の強化剤を使用することが好ましい。強化物を添加する
ことによってローラーの曲げ弾性率が向上して経時変化
によるクリープ変形を防止でき長期の使用によってロー
ラーがたわむことがなく安定した搬送性を確保すること
ができる。また、無機物を樹脂に添加して成形すること
でローラー表面に現れた無機質粒子によって表面を梨地
状に荒らして搬送物のスリップを防止することができ
る。添加する無機物の粒子径や添加量を調製しローラー
表面粗度をコントロールできる。
【0101】搬送ローラーの直径が小さいものや感光材
料の幅が広くローラー長の長いものには熱硬化性樹脂が
適している。PF(フェノール樹脂)、熱硬化性ウレタ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。エポキシ
樹脂もアルカリ性処理液以外の一部の処理液には適して
いる。PFとしてはレゾール系が好ましく、三井東圧化
学「OR−85」は特に適している。補強のためにグラ
ファイトを添加するとよい。このローラーは細く(例え
ば外径8mm)できるため、処理ラックを小型化でき
る。熱硬化性ウレタン樹脂としては、日本ユニポリマー
「ユニロン」、大日本インキ化学工業「パンデック
ス」、武田薬品工業「タケネート」などが適している。
【0102】現像液による耐汚染防止のためにはフッ素
径樹脂で被膜されたローラーも好ましい。具体的には、
特開平4−161955号に開示された樹脂などを用い
ることができる。
【0103】ニップローラー等の軟質ローラーには、エ
ラストマーを用いることができる。例えば、オレフィン
系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系
エラストマー、塩ビ系エラストマーなどが好ましい。処
理部のギヤ、スプロケットとしては、PA(ポリアミ
ド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、UHM
PE(超高分子量ポリエチレン)、PPS(ポリフェニ
レンサルファイド)、LCP(全芳香族ポリエステル樹
脂、液晶ポリマー)、PEEK(ポリエーテルエーテル
ケトン)など熱可塑性結晶性樹脂が適している。PAと
しては、66ナイロン、6ナイロン、12ナイロン等の
ポリアミド樹脂のほかに分子鎖中に芳香族環をもつ芳香
族系ポリアミドや変性ポリアミドが含まれる。66ナイ
ロン、6ナイロンとしては東レやデュポン「ザイテ
ル」、12ナイロンとしては東レ「リルサン」、ダイセ
ル・ヒュルス「ダイアミド」などが適している。芳香族
系ポリアミドとしては、三菱瓦斯化学「レニー」ポリア
ミドMXD6、変性ポリアミドでは三井石油化学「アー
レン」変性ポリアミド6Tなどが適している。PAは、
吸水率が高いため処理液中で膨潤しやすいためガラス繊
維強化や炭素繊維強化グレードが好ましい。芳香族系ポ
リアミドは、比較的吸水率が低いため膨潤しにくく、高
い寸法精度を得ることができる。そのほかコンプレッシ
ョン成形によって得られたMCナイロンのような高分子
量品は繊維強化なしでも十分な性能を得ることができ
る。そのほかに、「ポリスライダー」のような含油ナイ
ロン樹脂も使われる。PBTはPAとは反対に極めて吸
水率が低いため処理液に対して高い耐薬品性を有してい
る。東レや大日本インキ化学工業のPBTや日本ジーイ
ープラスチックス「バロックス」が用いられる。PBT
はガラス繊維強化品でも未強化品でも部位に応じて使用
される。ギヤの噛み合いを良化するためにはガラス強化
品と未強化品と組み合わせて使用することが好ましい。
UHMPEとしては、未強化品が適しており、三井石油
化学「リューブマー」、「ハイゼックスミリオン」、作
新工業「ニューライト」、旭化成「サンファイン」、大
日本印刷「超高分子ポリエチレンUHMW」が適してい
る。PPSとしては、ガラス繊維や炭素繊維強化のもの
が好ましい。LCPとしては、ICIジャパン「ビクト
レックス」、住友化学「エコノール」、日本石油「ザイ
ダー」、ポリプラスチックス「ベクトラ」などを用いる
ことができる。PEEKは、現像機のいずれの処理液に
対しても極めて耐薬品性や耐久性が良好で未強化品で十
分な性能を発揮する好適な材質である。
【0104】軸受などの材質としては、超高分子ポリエ
チレンなどが好ましい。自動現像装置の処理液中で使用
されるバネやスプリングとしては通常ステンレス(SU
S316)、チタンなとが使用される。チタンではバネ
やスプリングを適切につくることができない場合、プラ
スチックスプリングを用いることができる。荷重が加わ
った時の変形量が少ない(フック則の臨界歪が1.6%
以下)用途であれば、PBT(例 日本ジーイープラス
チックス「バロックス310」など)、PP(例 旭化
成「M−1500」など)、変性PPO(例 日本ジー
イープラスチックス「ノリル731J」など)、変性P
PE(例 旭化成「ザイロン220V」など)で使用が
用いられる。スプリング力が弱い場合、ガラス繊維強化
した材質を使用することも効果がある。スプリングが長
期にわたって安定したニップ力を得るためには、PSF
(ポリスルホン)、PAR(ポリアリレート)、PES
(ポリエーテルスルホン)、PEI(ポリエーテルイミ
ド)、PAI(ポリアミドイミド)が適している。特に
スーパーエンプラの非結晶性樹脂が優れておりPSF、
PES、PEIは、特に好ましい。PSFは、アモコ
「ユーデルP1700」、PESはICI「VICTR
EX 4800G」、PEIは日本ジーイープラスチッ
クス「ウルテム」などが使用できる。強い荷重で長期に
使用するスプリングの場合はPEEKやPPS、LCP
などの結晶性樹脂が使われる。非結晶樹脂はクリープが
少なく、成形時の寸法精度がきわめて良いため、低荷重
のバネにはきわめて適している。高い疲労限界応力を必
要とする部位では結晶性樹脂が適しておりPEEKは、
ICI「VICTREX 450G」、PPS「ライト
ン」、LCPI型 住友化学「エコノール E200
0」、LCPII型ポリプラスチック「ベクトラ A9
50」などが代表的なグレードである。
【0105】スクイズローラー等の軟質材料としては、
発泡、塩化ビニル樹脂や発泡シリコン樹脂、発泡ウレタ
ン樹脂が適している。発泡ウレタン樹脂としては東洋ポ
リマー(株)製「ルビセル」が挙げられる。
【0106】配管、配管の継手、アジテーションジェッ
トパイプの継手、シール材などのゴム材質およびエラス
トマーとしては、EPDMゴム、シリコンゴム、バイト
ンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラス
トマー、ウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー
などが好ましい。具体例としては、住友ベークライト
(株)製「スミフレックス」、三井石油化学(株)製
「ミラストマー」(オレフィン系エラストマー)、三菱
油化(株)製「サーモラン」(ゴム入りオレフィン系エ
ラストマー)、同「ラバロン」、日本モンサント化成
(株)又はエーイーエス・ジャパン(株)製「サントプ
レーン」、三菱化成ビニル(株)製「サンプレーン」
(高弾性塩ビ系エラストマー)、特開平3−19805
2号に記載のシリコンゴムやバイトンゴムなどを挙げる
ことができる。
【0107】搬送ベルトなどのベルトの芯材としては、
超高強度ポリエチレン樹脂繊維(例えば、特開平4−6
554号に記載)、ポリフッ化ビニリデン樹脂繊維(例
えば、特開平4−16941号に記載)、アラミド繊維
(例えば、東レ・デュポン(株)製「ケブラ」)などを
用いることができる。
【0108】以上述べてきた処理装置の処理槽を初めと
した各々の個所に用いられるプラスチックなどの材料に
ついては、「プラスチック成形材料商取引便覧−特性デ
ーターベース−1991年版」(株)合成樹脂工業新聞
社発行に基づいて容易に選択、入手することができる。
【0109】本発明に使用されるカラー現像タンク液や
カラー現像補充液は、芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p-フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用さ
れ、その代表例としては3-メチル-4- アミノ-N,Nジエチ
ルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒ
ドロキシエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチ
ル-N- β-メタンスルホンアミドエチルアニリン、3-メ
チル-4- アミノ-N- エチル- β- メトキシエチルアニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-
(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチ
ル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-
アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル
-N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキ
シブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル
-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エチ
ル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5-
ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N-エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビ
ス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プ
ロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩など
が挙げられる。これらの中で、特に、3-メチル-4- アミ
ノ-N- エチル-N -β-ヒドロキシエチルアニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)
アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、及びこれらの塩酸塩、p-トルエ
ンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好ましい。これらの化
合物は目的に応じ2種以上併用することもできる。
【0110】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量はカ
ラー現像液1リットル当たり好ましくは0.0002モ
ル〜0.2モル、さらに好ましくは0.001モル〜
0.1モルである。
【0111】カラー現像液(発色現像液)は、アルカリ
金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩5−スルフォ
サリチル酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミンの他、特開平3−144446号の一般式(I)
で表されるヒドロキシルアミン類、亜硫酸塩、N,N-ビス
カルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェ
ニルセミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテコ
ールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベンジル
アルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウ
ム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラ
ー、競争カプラー、1-フェニル-3-ピラゾリドンのよう
な補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、
アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノ
カルボン酸に代表されるような各種キレート剤、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロキシエチ
リデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-トリメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N- テトラメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o- ヒドロ
キシフェニル酢酸) 及びそれらの塩等に代表される各種
配合材を含むことができる。
【0112】上記のうち、保恒剤としては無置換ヒドロ
キシルアミンや置換ヒドロキシルアミンが最も好まし
く、中でもジエチルヒドロキシルアミン、モノメチルヒ
ドロキシルアミン或いはスルホ基やカルボキシ基、水酸
基などの水溶性基で置換されたアルキル基を置換基とし
て有するものが好ましい。最も好ましい例としては、
N,N−ビス(2−スルホエチル)ヒドロキシルアミン
及びそのアルカリ金属塩である。
【0113】また、キレート剤としては生分解性を有す
る化合物が好ましい。この例としては、特開昭63−1
46998号、同63−199295号、同63−26
7750号、同63−267751号、特開平2−22
9146号、同3−186841号、独国特許第3,7
39,610号、欧州特許第468,325号等に記載
のキレート剤を挙げることができる。
【0114】発色現像液の補充タンクや処理槽中の処理
液は高沸点有機溶剤などの液剤でシールドし、空気との
接触面積を減少させることが好ましい。この液体シール
ド剤としては流動パラフィンが最も好ましい。また、こ
の液体シールド剤を補充液に用いるのが特に好ましい。
【0115】本発明における発色現像液での処理温度は
20〜55℃、好ましくは30〜55℃である。処理時
間は30秒〜4分、好ましくは45秒〜3分20秒であ
る。最も好ましくは60秒〜120秒の範囲である。
【0116】本発明の処理方法において、感光材料は、
カラー現像の後、脱銀処理される。脱銀工程において
は、双方の感光材料は、共通のタンク液及び共通の補充
液で処理される場合が望ましい。但し、補充量は、各々
の感光材料において異なった設定することができる。以
下、脱銀工程について詳細を説明する。
【0117】脱銀工程においては、漂白工程、漂白定着
工程、定着工程を有することが一般的であり、各種工程
が存在する。具体的な工程を以下に示すが、これらに限
定されるものではない。
【0118】(工程1) 漂白定着 (工程2) 漂白−漂白定着 (工程3) 漂白−漂白定着−定着 (工程4) 定着−漂白定着 (工程5) 漂白−定着 上記記載の各処理浴は、必要に応じて2浴以上に分割さ
れてもよく、カスケード法にて補充されても良い。
【0119】漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤
としては、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯体、過
硫酸塩、臭素酸塩、過酸化水素、及び赤血塩等が用いら
れるが、アミノポリカルボン酸(III) 錯体を最も好まし
く用いることができきる。
【0120】本発明で使用される第二鉄錯塩は、予め錯
形成された鉄錯塩として添加して溶解してもよく、ま
た、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第二鉄、塩
化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)ア
ンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有する液中で
錯塩を形成させてもよい。
【0121】錯形成化合物は、第二鉄イオンとの錯形成
に必要とする量よりもやや過剰にしてもよく、過剰に添
加するときには通常0.01〜10%の範囲で過剰にす
ることが好ましい。
【0122】なお、本発明において、漂白能を有する液
中の第二鉄錯塩を形成する化合物としては、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、1,3−プロパンジアミン
四酢酸(1,3−PDTA)、ジエチレントリアミン五
酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ
二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミ
ド)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボ
キシエチル)イミノ二酢酸、N−(2−カルボキシメチ
ル)イミノジプロピオン酸、β−アラニンジ酢酸、αー
メチルーニトリロ三酢酸、1,4−ジアミノブタン四酢
酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N−(2−カ
ルボキシフェニル)イミノジ酢酸、エチレンジアミン−
N−(2−カルボキシフェニル)−N,N’,N’−三
酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、1,
3−ジアミノプロパン−N,N’−ジコハク酸、エチレ
ンジアミン−N,N’−ジマロン酸、1,3−ジアミノ
プロパン−N,N’−ジマロン酸等が挙げられるが、特
にこれらに限定されるものではない。
【0123】本発明の漂白能を有する処理液における第
二鉄錯塩の濃度としては、0.005〜1.0モル/リ
ットルの範囲が適当であり、0.01〜0.50モル/
リットルの範囲が好ましく、より好ましくは、0.02
〜0.30モル/リットルの範囲である。
【0124】また漂白能を有する処理液の補充液中の第
2鉄錯塩の濃度としては、好ましくは、0.005〜2
モル/リットル、より好ましくは0.01〜1.0モル
/リットルである。
【0125】漂白能を有する浴またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ドイツ特
許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公報、リサ
ーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7月号)に
記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化
合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832号、同53-3
2735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチオ尿素系化
合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が漂
白能に優れる点で好ましい。
【0126】その他、本発明に適用されうる漂白能を有
する浴には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナト
リウム、臭化アンモニウム)、又は塩化物(例えば、塩
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)、又
は沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン
化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタホウ酸
ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、マロン酸、コハク
酸、グルタール酸などのpH緩衝能を有する1種類以上
の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属またはア
ンモニウム塩、又は、硝酸アンモニウム、グアニジンな
どの腐蝕防止剤などを添加することができる。
【0127】また漂白能を有する浴には、その他各種の
蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピ
ロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることが
できる。
【0128】漂白定着液中や定着液中の定着剤成分は、
チオ硫酸塩を用いる場合が好ましい。チオ硫酸塩はチオ
硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニ
ウム等を挙げることができる。その他公知の定着剤、チ
オシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなど
のチオシアン酸塩;エチレンビスチオグリコール酸、
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオ
エーテル化合物、メソイオン化合物、およびチオ尿素類
などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤も使用することもで
きる。本発明においては、チオ硫酸塩、特にチオ硫酸ア
ンモニウム塩、チオ硫酸カリウム塩及び及びチオ硫酸ナ
トリウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着
剤の総量は、0.3〜3モルが好ましく、更に好ましく
は 0.5〜2.0 モルの範囲である。
【0129】本発明の漂白定着液や定着液には保恒剤と
して、亜硫酸塩(或いは重亜硫酸塩やメタ重亜硫酸塩
類)を含有するのが望ましいが、とりわけ0.03〜
0.5モル/リットル、更に好ましくは0.05〜0.
3モル/リットル含有するとが好ましい。
【0130】本発明の漂白定着液や定着液は、保恒剤と
して前述した亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例
えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重
亜硫酸カリウム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜
硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸
アンモニウム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有する
以外に、アルデヒド類(ベンズアルデキド、アセトアル
デヒド等)、ケトン類(アセトン等)、アスコルビン酸
類、ヒドロキシルアミン類、ベンゼンスルフィン酸類、
アルキルスルフィン酸類等を必要に応じて添加すること
ができる。特に、ベンゼンスルフィン酸、p−メチルベ
ンゼンスルフィン酸、p−アミノベンゼンスルフィン酸
等の使用も好ましい。好ましい添加量は0.005モル
〜0.3モル/リットル程度である。
【0131】さらに、漂白液、漂白定着液、定着液に
は、緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ
剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0132】本発明に用いられる漂白液、漂白定着液、
定着液において、好ましいpH領域は、4〜8であり、
更には4.5〜6.5が好ましい。
【0133】本発明に用いられる漂白液、漂白定着液、
定着液への補充量は感光材料1m2当たり、50〜20
00ミリリットルである。また、後浴である水洗水や安
定浴のオーバーフロー液を、必要に応じて補充しても良
い。
【0134】漂白液、漂白定着液、定着液の処理温度は
20〜50℃であり、好ましくは30〜45℃である。
各工程の処理時間は10秒〜3分、好ましくは20秒〜
2分である。
【0135】本発明の漂白能を有する処理液は、処理に
際し、エアレーションを実施することが写真性能をきわ
めて安定に保持するため特に好ましい。エアレーション
には当業界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処
理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空
気の吸収などが実施できる。
【0136】エアレーションは直接処理タンク内で実施
してもよいが、本発明の処理機は小タンク容量であるた
め、サブタンクを設けてサブタンク内でエアレーション
を実施するのが好ましい態様である。
【0137】空気の吹き込みに際しては、微細なポアを
有する散気管を通じて、液中に空気を放出させることが
好ましい。このような散気管は、活性汚泥処理における
曝気槽等に、広く使用されている。エアレーションに関
しては、イーストマン・コダック社発行のZ−121、
ユージング・プロセス・C−41第3版(1982
年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用でき
る。本発明の漂白能を有する処理液を用いた処理におい
ては、攪拌が強化されていることが好ましく、その実施
には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第
6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用で
きる。
【0138】本発明の処理装置において、エアレーショ
ンを行う場合には、循環系やサブタンク或いは循環系の
途中に設けたハンプタンク等で行う場合が好ましい。
【0139】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、前述したジェット攪拌方式が好ましい。
【0140】本発明の感光材料は、脱銀処理後、水洗及
び/又は安定工程を経るのが一般的である。本発明の水
洗及び/又は安定工程においては、処理済感光材料の残
存チオ硫酸濃度が30〜1500マイクロモル/m2
なるように調製することが必要である。
【0141】具体的には、最終浴のチオ硫酸塩の濃度
が、0.001〜0.04モル/リットル程度になるよ
うに調製するのが望ましい。即ち、最終浴に上記濃度を
添加しても良いし、定着成分としてチオ硫酸塩を使用し
ている場合には、後続する水洗や安定工程の補充量を低
減して、最終浴が上記濃度になるように調製すること
も、望ましい態様である。
【0142】具体的な補充量は、定着工程のチオ硫酸塩
の濃度、水洗工程や安定工程の浴数等により異なるが、
大略、感光材料1m2 あたり、100〜1000ミリリ
ットル、好ましくは130〜700ミリリットル程度で
ある。
【0143】また、水洗工程での水洗水量においては、
多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、Jo
urnal of the Society of Motion Picture and Televis
ionEngineers 第64巻、P. 248〜253 (1955 年5月号)
に記載の方法で、求めることができる。前記文献に記載
の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得る
が、タンク内における水の滞留時間の増加により、バク
テリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する
等の問題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理にお
いて、このような問題が解決策として、特開昭62-288,8
38号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを
低減させる方法を極めて有効に用いることができる。ま
た、特開昭57-8,542号に記載のイソチアゾロン化合物や
サイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリ
ウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、
堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛
生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982
年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事
典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0144】本発明の感光材料の処理における最終浴の
pHは、いかなる値にも設定できるが、好ましくは3.
5〜8、更に好ましくは4〜7である。上記pHは、処
理済感光材料の膜pHに反映するように設定するのが好
ましく、その目的で各種緩衝剤を用いることもできる。
具体的には、酢酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マ
レイン酸、フタール酸等を挙げることができる。
【0145】また、水洗水温、水洗時間も、感光材料の
特性、用途等で種々設定し得るが、一般には、20〜45℃
で20秒〜5 分、好ましくは25〜40℃で30秒〜3 分の範囲
が選択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に
代り、直接安定液によって処理することもできる。この
ような安定化処理においては、特開昭57-8543 号、同58
-14834号、同60-220345 号に記載の公知の方法はすべて
用いることができる。
【0146】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0147】水洗水及び/又は安定液には処理後の感光
材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活
性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活
性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエ
チレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノー
ルとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニル
フェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加
モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効
果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好まし
い。
【0148】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′
−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−
N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A
1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物など
を挙げることができる。
【0149】
【発明の効果】本発明は、スリットの形状を特定するこ
とによって、攪拌能力を上げると共に、温度変化によっ
てスリットが閉塞することがなく、また、チャンバーを
脱着可能としたことで、スリットの清掃が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態に係る攪拌装置の循環系を示した斜視図
である。
【図2】本形態に係る攪拌装置が備えられた自動現像装
置を示した概念斜視図である。
【図3】処理槽の分解斜視図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】図1の5−5線断面図である。
【図6】処理槽の側断面図である。
【図7】本形態に係る攪拌装置を構成するチャンバーの
斜視図である。
【図8】本形態に係る攪拌装置を構成するチャンバーの
変形例を示した斜視図である。
【図9】本形態に係る攪拌装置が他の処理槽に用いられ
た例を示した断面図である。
【図10】図8の処理槽に取付けられたチャンバーを示
す斜視図である。
【図11】本形態に係る攪拌装置が他の処理槽に用いら
れた例を示した断面図である。
【図12】図8の処理槽に取付けられたチャンバーを示
す斜視図である。
【符号の説明】
14 タンク(発色現像槽) 16 タンク(定着漂白槽) 18 タンク(安定槽) 20 タンク(安定槽) 22 タンク(安定槽) 36 通過部 40 ガイド部 64 吸引管 66 循環ポンプ 74 チャンバー S スリット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理槽内を搬送されるハロゲン化銀写真
    感光材料に処理液を噴射し該処理槽に貯水された処理液
    を攪拌する攪拌装置において、 前記処理槽内へ配置され処理液が送られるチャンバー
    と、前記チャンバーに前記感光材料の搬送方向に対して
    直交するように形成され感光材料に処理液を噴出する複
    数のスリットと、を有し、 前記スリットの開口幅が0.1〜2.0mmで、開口長
    さが40mm以下で、好ましくは10〜30mmである
    ことを特徴とする処理液の攪拌装置。
  2. 【請求項2】 処理槽の貯留される処理液の容量Vと、
    感光材料が搬送される前記処理液の入口側の液面から出
    口側の液面までのパス長Lと、の関係が、 V/L≦25である処理槽に用いられたことを特徴とす
    る請求項1に記載の処理液の攪拌装置。
  3. 【請求項3】 前記処理槽内での感光材料の搬送路が、
    搬送ローラが配設され前記感光材料の幅方向の両端をガ
    イドする幅狭のガイド部と、前記ガイド部より幅拡で前
    記感光材料の両面が非接触状態で通過する通過部と、で
    構成されたことを特徴とする請求項2に記載の処理液の
    攪拌装置。
  4. 【請求項4】 前記処理槽の通過部に、前記チャンバー
    が脱着可能に取付けられたことを特徴とする請求項3に
    記載の処理液の攪拌装置。
  5. 【請求項5】 前記処理槽の下部から吸引した処理液を
    前記チャンバーへ圧送する循環系を有することを特徴と
    する請求項1〜請求項4の何れかに記載の処理液の攪拌
    装置。
  6. 【請求項6】 前記処理液が、現像液、漂白液、定着
    液、漂白定着液、水洗液、あるいは安定液の何れかであ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載
    の処理液の攪拌装置。
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