JPH07261355A - カラー写真用処理装置および処理方法 - Google Patents

カラー写真用処理装置および処理方法

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JPH07261355A
JPH07261355A JP4732694A JP4732694A JPH07261355A JP H07261355 A JPH07261355 A JP H07261355A JP 4732694 A JP4732694 A JP 4732694A JP 4732694 A JP4732694 A JP 4732694A JP H07261355 A JPH07261355 A JP H07261355A
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JP
Japan
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group
bleaching
color photographic
processing
solution
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JP4732694A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Ishikawa
隆利 石川
Fumio Mogi
文雄 茂木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07261355A publication Critical patent/JPH07261355A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高電位の漂白剤を用いても耐久性、安定した駆
動を行なう。 【構成】特定のアミノポリカルボン酸等のFe(III)錯
体を含有した処理液を有した処理浴および超高分子量ポ
リエチレンまたはポリフェニレンサルファイドからなる
駆動用部材から構成された写真用処理装置及びこれを用
いた処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料用の処理装置に関するものであり、特に迅速処理に
おいても、十分に耐久性に優れ、安定した駆動性能が得
られる処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
方法において、昨今のカラーラボの分散化に伴い、ミニ
ラボと呼ばれる店頭処理が盛んに行われるようになり、
旧来の集配を前提とした集中処理方式に代わらんとする
勢いである。こういった店頭処理では、顧客の待ち時間
を短縮したり、プリント作業時間等に余裕を持つ必要か
ら、仕上がり時間の短縮化が重要な課題となっている。
こういった仕上がり時間の短縮化に対し、カラー処理工
程の現像時間や脱銀時間あるいは水洗時間を短縮するこ
は大変重要な課題であり、とりわけ脱銀時間を短縮する
には高酸化力の漂白剤を使用することが重要な技術とな
っている。すなわち、従来の漂白剤としては、エチレン
ジアミン四酢酸鉄(III)錯体が広汎に使用されてきた
が、昨今の迅速処理の要請により、1,3─プロパンジ
アミン四酢酸鉄錯体が一部使用され出し、その他の高電
位漂白剤として、コハク酸やモノアミン型のアミノポリ
カルボン酸鉄(III)錯体の使用が提案されてきた。これ
らの高電位漂白剤については特開平1−206342
号、同5−19430号及び特願平4−129769号
明細書等に記載されている。更には、より漂白力を高め
るために、漂白浴や漂白定着浴のpHを低く維持し脱銀
速度を加速する技術が提案されている。また、こういっ
た低pHを維持するために各種有機酸を使用する技術も
開示されている。
【0003】なるほど、こういった脱銀促進技術によ
り、大幅な漂白時間の短縮が可能となるが、他方では、
連続処理時において感光材料搬送用のドライブシャフト
(軸)が破損するという事故が頻発することが判明し
た。原因解析の結果、ドライブシャフトそのものが浸食
され強度が低下していること以外にも、ドライブシャフ
ト用の軸受けに著しい磨耗や破損が観測され、その結
果、回転抵抗が増大し、回転負荷がシャフトに生じ破損
にいたったものと結論するに到った。こういったドライ
ブシャフトには一般にステンレスが使用されており、ス
テンレスの中でもSUS304よりも腐食に強いSUS
316が用いられれきたが、それよりも耐腐食性の強い
SUS316LやSUS317でも本願の処理液に対し
ては腐食し、十分な耐久性を得るには到らなかった。更
にドライブシャフトの軸受けは、従来はポリ塩化ビニル
やポリブチレンテレフタレート、ガラス繊維強化ポリア
ミド等が使用されていたが、本発明に記載のような酸化
力の大な漂白剤を用いることにより、材質の劣化が加速
され、更には処理浴の低pH化がこれを加速し、また有
機酸の使用によっても、耐久性が著しく劣化するという
ことが判明した。こういった問題点は軸や軸受けのみな
らず、ギヤやスプロケットにまで及んでいることが判明
した。更に、上記劣化は、漂白能を有する浴のpHが
2.0〜5.5の酸性側で加速され、更には有機酸を使
用した組成程、劣化が激しいことが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、高電位の漂白剤を用いたりなど過酷な条件で用いた
りしても、耐久性に優れ、安定した駆動性能が得られる
処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題が解決するための手段】上記問題点は、以下の処
理装置にて達成されることを見出した。即ち、 (1) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理装置に
おいて、下記一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)
で表される化合物の鉄(III)錯体を少なくとも一種含有
する処理槽と超高分子量ポリエチレン(UHMW−P
E)またはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂
からなる駆動に関与する部材を有することを特徴とする
カラー写真用処理装置。 一般式(I)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれ
ぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基又はヒドロキシ基を
表す。W1は炭素原子を含む二価の連結基を表す。M1
M2、M3及びM4はそれぞれ水素原子又はカチオンを表
す。) 一般式(II)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R7はアルキル基を表し、M5及びM6
は、それぞれ水素原子又はカチオンを表す。) 一般式(III)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、M8、M9、M10 及びM11 はそれ
ぞれ水素原子又はカチオンを表す。n は3又は4の整数
を表す。) 一般式(IV)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、M12 、M13 、M14 及びM
15 はそれぞれ水素原子又はカチオンを表す。W2は炭
素原子を含む二価の連結基を表す。Xは水素原子または
置換基を表す。mは0、1〜4の整数を表わす。m=2
〜4の場合、Xは互いに異った置換基でもよい。) (2) 駆動に関与する部材が、ギア、スプロケット、
軸及び軸受けからなる群より選ばれたものであることを
特徴とする(1)に記載のカラー写真用処理装置。 (3) 超高分子量ポリエチレンの平均分子量が100
万〜600万であることを特徴とする(1)記載のカラ
ー写真用処理装置。 (4) 該処理槽の処理液のpHが2.0〜5.5であ
ることを特徴とする(2)に記載のカラー写真用処理装
置。 (5) 該処理槽の処理液が有機酸を含有することを特
徴とする(3)に記載のカラー写真用処理装置。 (6) 像露光されたハロゲン化銀カラー写真感光材料
を(1)に記載のカラー写真用処理装置を用いて処理す
ることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の
処理方法。
【0014】一般式(I)〜一般式(IV)で表される化
合物の鉄(III)錯体は、高電位で脱銀処理の迅速化に有
効な化合物であるが、このような腐食性や酸化作用の強
い漂白剤を有する処理浴において、超高分子量ポリエチ
レンの軸受けを使用することで著しく耐久性が向上した
ことは特筆に値する。
【0015】以下本発明の樹脂について詳細を説明す
る。本発明にかかわる現像処理装置には、漂白処理を行
なうタンク(例えば、漂白タンク、漂白定着タンク)以
外に写真感光材料を現像処理する場合に用いられる処理
タンクがあってもよい。例えば、現像タンク(黒白現
像、カラー現像)、定着タンク、水洗タンク、安定液タ
ンクなどを挙げることができる。また、自動現像処理装
置とする場合に必要な感光材料用搬送手段、各々の補充
液用タンク、温度コントロール手段、など通常用いられ
る手段などを有してもよい。前述の鉄(III) 錯体の中に
は高電位の化合物があったり、高温で処理したときなど
には、該錯体を含有した漂白能を有する処理液(例え
ば、漂白液、漂白定着液)が直接または間接的に駆動に
関与する部材に接するため連続的にまたは長期間用いる
場合などに部材の磨耗や破損が生じてしまう。ここで、
間接的にとは、例えばギアを介して処理液がはい上がる
場合、感光材料に付着した処理液によって接する場合、
などを挙げることができる。本発明において、駆動に関
与する部分とは直接駆動しているか、駆動部分に接触し
ている部分ならばどこでも良いが、とりわけ、荷重負荷
やトルク負荷のかかりやすい軸、軸受け、ギア及びスプ
ロケットが好ましい。一例としてカラーネガ処理機のク
ロスオーバーラックの場合を図1及び図2に示す。
【0016】本発明に使用されるポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)や超高分子量ポリエチレン(UHMW
−PE)は、単独で形成して使用してもよいが、チタン
軸をインサート成形して使用しても良い。PPSについ
ては、樹脂そのもので軸を形成しても良い。また、これ
らの樹脂にガラス繊維、炭素繊維、炭素繊維ウイスカ
ー、無機質フィラー等を添加しても良い。特に耐磨耗性
の強化が必要な軸受けには、PPSをベースに炭素繊
維、二硫化モリブデン、フッ素樹脂等をコンパウンドし
たものが好ましい。また、ポリアミド樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリフェニレンオキサイド(ポリフェニレン
エーテル樹脂)によるポリマアロイ樹脂が好ましい。こ
れらの樹脂は荷重や回転トルクが負荷される部材に最適
であるが、ラックを形成するその他の部分に使用するこ
ともできる。これらのPPS樹脂は、旭硝子「ASAH
I−PPS」、「ライトン」、信越ポリマー「信越PP
S」、大日本インキ化学工業「ディックPPS」、東レ
「東PPS樹脂」、保土ヶ谷化学工業「ライトン」「サ
スティール」として市販品を購入することができる。こ
れらのPPS樹脂の使用部分は軸、軸受け、ギア、及び
スプロケット等の駆動部分に直接接触する部分に適用す
るのが好ましいが、とりわけ回転トルク負荷のかかり易
い軸受けに適用するのが好ましい。ここでいう軸受けと
は特に滑り軸受けを意味し、滑りを良くすることで駆動
部との摩擦を小さくし、潤滑油を不用にしメンテナンス
を容易にするものであり、ボールベアリングによる転が
り軸受けとは異なるものである。また、成形方法として
は、一般の成形方法を用いることができる。例えば、押
し出し成形、射出成形などを用いることができる。
【0017】超高分子量ポリエチレン(UHMW−P
E)に関しては一般のポリエチレンと同じくエチレンが
直鎖状に重合したものであるが、一般のポリエチレンの
分子量が3〜30万に対し80万以上、好ましくは10
0万〜600万、最も好ましくは300万〜500万程
度という極めて大きな分子量を有しているのが特徴であ
る。また、成形方法は一般の樹脂と異なり圧縮成形が中
心であるが、押し出し成形や射出成形も可能である。U
HMW−PE樹脂はPPS樹脂同様に軸、軸受け、ギ
ア、及びスプロケット等の駆動部分に直接接触する部分
に適用するのが好ましいが、PPS樹脂ほど荷重の大き
い部位には適用できず、それより負荷が軽微な部分に適
用するのが好ましい。UHMW−PE樹脂は本願の処理
液に対しては特に耐薬品性が良好であり特に分子量10
0万〜600万の樹脂が好ましい。また、PPS樹脂の
軸やチタン軸の軸受けに用いたり、UHMW−PE樹脂
のギア同士の組合せや、PPS樹脂のギアとの組合せに
使用することが、最も好ましい態様である。これらの組
合せにより摩擦による負荷が著しく軽減され長期間にわ
たって安定した搬送性を保持することができる。UHM
W−PE樹脂は、三井石油科学工業「HI-ZEX MILLON
」、旭化成工業「SUNFINE-U 」、ヘキスト(ドイツ)
「HOSTALEN GUR」、Hercules社(米国) 「HI-FAX1900」
等として入手することができる。本発明で用いる樹脂を
用いた処理装置にて写真感光材料を現像処理しても写真
特性(感度、カブリなど)に悪影響を与えることはなか
った。
【0018】駆動に関する材質の耐久性試験は、実際に
処理機を試作して、感光材料を連続処理し、いわゆるラ
ンニング試験を行って確認するのが好ましい。しかし、
処理機の耐久年数に達するまでランニング試験を行うの
は、実際には困難である。従って、実際に使用される部
位に応じた加速試験を行って判断することが実用的であ
る。実用の温度より高めの温度に設定したり、より速い
速度や回転数にて試験したり、もしくはより高いPV値
で運転することにより、樹脂の劣化速度を加速し試験す
るのが望ましい。材質劣化の評価は、寸度変化(磨耗量
を含む)、重量変化、強度変化等で判断するのが一般的
である。
【0019】次に、一般式(I)〜(IV)の詳細につい
て説明する。一般式(I)〜(IV)の鉄(III)錯体は漂
白剤として使用される化合物で、漂白液や漂白定着液に
使用するのが一般的である。以下に、一般式(I)の詳
細を説明する。
【0020】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6
表される脂肪族基としては、直鎖、分岐または環状のア
ルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり、炭
素数1ないし10のものが好ましい。好ましくはアルキ
ル基であり、炭素数1ないし4のアルキル基がより好ま
しく、特にメチル基、エチル基が好ましい。R1 、R
2 、R3 、R4 、R5 及びR6 で表される芳香族基とし
ては、単環または2環のアリール基であり、例えばフェ
ニル基、ナフチル基が挙げられ、フェニル基がより好ま
しい。
【0021】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6
表される脂肪族基、芳香族基としては、置換基を有して
いてもよく、例えばアルキル基(例えばメチル、エチ
ル)、アラルキル基(例えばフェニルメチル)、アルケ
ニル基(例えばアリル)、アルキニル基、アルコキシ基
(例えばメトキシ、エトキシ)、アリール基(例えばフ
ェニル、p−メチルフェニル)、アミノ基(例えばジメ
チルアミノ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミ
ノ)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルア
ミノ)、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基
(例えばフェニルオキシ)、スルファモイル(例えばメ
チルスルファモイル)、カルバモイル基(例えばカルバ
モイル、メチルカルバモイル)、アルキルチオ基(メチ
ルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、ス
ルホニル基(例えばメタンスルホニル)、スルフィニル
基(例えばメタンスルフィニル)、ヒドロキシ基、ハロ
ゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリ
ールオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボ
ニル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、ア
ルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、
アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、カルボンアミド
基、スルホンアミド基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基な
どが挙げられ、可能な場合にはその解離体又は塩であっ
てもよい。
【0022】上記置換基で炭素原子を有する場合、好ま
しくは炭素数1ないし4のものである。R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 及びR6 として、好ましくは水素原子又
はヒドロキシ基であり、水素原子がより好ましい。W1
表される二価の連結基としては、好ましくは下記一般式
(W)で表すことができる。
【0023】一般式(W) −(W1 −D) m −(W2)n − 式中、W1 及びW2 は同じであっても異なっていてもよ
く、炭素数1から8の直鎖又は分岐のアルキレン基(例
えばエチレン、プロピレン)、炭素数5から10のシク
ロアルキレン基(例えば1,2-シクロヘキシル)、炭素数
6から10のアリーレン基(例えばo-フェニレン)、炭
素数7から10のアラルキレン基(例えばo-キシレニ
ル)、二価の含窒素ヘテロ環基又はカルボニル基を表
す。Dは−O−、−S−、−N(RW )−または二価の
含窒素ヘテロ環基を表す。RW は水素原子又は−COO
a 、−PO3b c 、−OHもしくは−SO3d
で置換されてもよい炭素数1から8のアルキル基(例え
ばメチル)もしくは炭素数6から10のアリール基(例
えばフェニル)を表す。Ma 、Mb 、Mc 及びMd はそ
れぞれ水素原子又はカチオンを表す。カチオンとして
は、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カ
リウム)、アンモニウム(例えば、アンモニウム、テト
ラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを挙げるこ
とができる。Wで表される連結基は置換基を有していて
もよく、置換基としては例えばR1 からR6の置換基と
して挙げたものが適用できる。
【0024】二価の含窒素ヘテロ環基としてはヘテロ原
子が窒素である5又は6員環のものが好ましく、イミダ
ゾリル基の如きとなりあった炭素原子にてW1 及びW2
と連結しているものが更に好ましい。W1 及びW2 とし
ては炭素数2から4のアルキレン基が好ましい。mは0
または1から3の整数を表し、mが2又は3の時にはW
1 −Dは同じであっても異なっていてもよい。mは0、
1または2が好ましく、0又は1が更に好ましく、0が
特に好ましい。nは1から3の整数を表し、nが2又は
3のときにはW2 は同じでも異なってもよい。nは好ま
しくは1又は2である。Wの具体例としては例えば以下
のものが挙げられる。
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】M1 、M2 、M3 及びM4 で表されるカチ
オンとしては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナト
リウム、カリウム)アンモニウム(例えば、アンモニウ
ム、テトラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを
挙げることができる。
【0028】本発明において、上述した一般式(I)で
表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】一般式(I)で表わされる化合物は、いか
なる光学異性体であってもよい。〔S,S〕体、〔S,
R〕体、〔R,S〕体、〔R,R〕体であってもよい
し、これらの異性体の混合物であってもよい。例えば、
例示化合物(I−1)の異性体は、下記の文献にも記載
の如き、〔S,S〕体でも、〔S,R〕体でも〔R,
R〕体でも、更にはこれらの異性体の混合物であっても
よい。
【0036】更に、本発明の目的である.部材の耐久性
の向上には、光学異性体のなかでも〔S,S〕体を選択
的に用いるのが好ましく、例示化合物(I−1)のよう
に、L体のアミノ酸を原料として合成される化合物が好
ましい。また、〔S,S〕体は、生分解がし易いという
点でも好ましい。ここで、“選択的”という意味は、光
学異性体の混合物のうちの70%以上が〔S,S〕体で
あることであり、更に好ましくは、90%以上が〔S,
S〕体で占める。
【0037】本発明の一般式(I)で表される化合物
は、特開昭63−199295号公報、特開平3−17
3857号公報等の記載に準じて合成することが出来
る。これらの文献は、本発明の一般式(I)で表される
化合物をキレート剤として用いた洗剤組成物に関するも
のであって、そのFe(III)錯塩がハロゲン化銀カラー写
真感光材料用の漂白剤等として有効であることは何ら記
述されていない。また、〔S,S〕体の選択合成方法
は、UMEZAWA らにより THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS ,
Vol, XXXVII, No.4, pp426(APR. 1984) 等に記載の方法
にて容易に合成することができる。次に、本発明に用い
られるFe(III)錯塩の具体例を以下に示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】次に、一般式(II)で表される化合物の詳
細を説明する。式中、R7 はアルキル基をあらわすが、
特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。該アルキル
基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、
カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、スルホ
ン酸基、ニトロ基、アミノ基等を挙げることができ、必
要に応じて2種以上の置換基を有しても良い。特にカル
ボキシル基及びヒドロキシ基が好ましい。M5 及びM6
はそれぞれ水素原子又はカチオンを表す。カチオンとし
ては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、
カリウム)、アンモニウム(例えば、アンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを挙げる
ことができる。以下に、一般式(II)で表される化合物
の具体例を示すがこれらに限定されるものではない。
【0041】
【化19】
【0042】
【化20】
【0043】一般式(II)の化合物は市販品にて入手可
能である。
【0044】次に一般式(III)で表される化合物につい
て詳細を説明する。式中、M8、M9、M10 及びM11
表されるカチオンとしては、アルカリ金属(例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム)アンモニウム(例え
ば、アンモニウム、テトラエチルアンモニウム)やピリ
ジニウムなどを挙げることができる。nは3〜5の整数
を表すが、特に3の場合が好ましい。以下に、一般式(I
II) で表される化合物の具体例を示すがこれらに限定さ
れるものではない。
【0045】
【化21】
【0046】一般式(III)の化合物は市販品にて入手可
能である。
【0047】次に一般式(IV)で表される化合物につい
て詳細を説明する。式中、M12、M13、M14及びM14
表されるカチオンとしては、アルカリ金属(例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム)アンモニウム(例え
ば、アンモニウム、テトラエチルアンモニウム)やピリ
ジニウムなどを挙げることができる。また、W2 は一般
式(I)のW1 と同じ意味を表す。Xはベンゼン環の置
換基を表す。例えば、水素原子、アルキル基、アラルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ア
リール基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、アシル
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ
基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオキシカルボ
ニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ニ
トロ基、ヒドロキサム酸基、複素環基等が挙げられる。
置換基としては、炭素原子を有する場合、総炭素数1〜
5のものが好ましい。また、Xは複数個あってもよくこ
のとき、各々のXは相互に異なっていてもよい。以下
に、一般式(IV)で表される化合物の具体例を示すがこ
れらに限定されるものではない。
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】前記一般式(IV)で表される化合物は、ジ
ャーナル オブ ザ アメリカンケミカル ソサエティ
ー、第80巻、800頁(1958)や、上野景平「キ
レート化学」第5巻、第1章(南江堂、1975年刊)
等の記載の方法を参照して合成することができる。
【0052】これらの化合物の鉄(III)錯体を生成する
には、鉄(III)錯体として単離して使用してもよいし、
上記有機酸と鉄(III)塩(例えば塩化鉄、硫酸鉄、硝酸
鉄、シュウ酸鉄等)を水溶液中で混合してそのまま使用
しても良い。また、鉄キレートを安定にするために多少
有機酸を過剰に添加するのが好ましい。具体的にはモル
比で1.01倍〜1.2倍程度である。本発明に用いら
れる鉄(III)錯体を有する処理液は脱銀工程の一つとし
て行われる。次にこの脱銀工程について詳細に説明す
る。脱銀工程においては、漂白と定着を別々の工程で行
なってもよいし、漂白工程という形で同時に行なっても
良く、これらの工程を複数組み合わせても良い。具体的
な工程を以下に示すが、これらに限定されるものではな
い。
【0053】(工程1) 漂白−定着 (工程2) 漂白定着 (工程3) 漂白−漂白定着 (工程4) 漂白−漂白定着−定着 (工程5) 定着−漂白定着 また、これらの漂白、漂白定着、定着工程の個々の工程
は、必要により複数浴に仕切られて、カスケード方式を
採用されてもよい。本発明においては、漂白能を有する
処理液が漂白液や漂白定着液であって、脱銀工程が上述
の工程1又は2である場合に著しい効果を発揮できるの
で好ましい。
【0054】漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤
としては、前述の一般式(I)〜(IV)の化合物の鉄(I
II) 錯体が用いられる。本発明で使用される第二鉄錯塩
は、予め錯形成された鉄錯塩として添加して溶解しても
よく、また、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第
二鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄
(III)アンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有す
る液中で錯塩を形成させてもよい。錯形成化合物は、第
二鉄イオンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰に
してもよく、過剰に添加するときには通常0.01〜1
0%の範囲で過剰にすることが好ましい。
【0055】本発明の漂白能を有する液(例、漂白液、
漂白定着液)中の第二鉄錯塩を形成する化合物として
は、好ましくはその50モル%以上が前記した一般式
(I)〜一般式(IV)で表される化合物であり、より好
ましくは、80モル%以上を占めると良い。なお、本発
明において、漂白能を有する液中の第二鉄錯塩を形成す
る化合物としては、上述した一般式(I)〜一般式(I
V)で表される化合物を、単独で使用しても、二種類以
上併用してもよい。また、本発明の効果を奏する範囲内
であれば、漂白能を有する液中の第二鉄錯塩を形成する
化合物としては、前記した一般式(I)〜一般式(IV)
で表される化合物以外の化合物を併用しても構わない。
このような化合物としては、EDTA、ジエチレントリ
アミン五酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。
【0056】本発明において、漂白能を有する液の漂白
剤としては、本発明の効果をそこなわない限りにおいて
上述した第二鉄錯塩に加え、無機酸化剤を漂白剤として
併用してもよい。このような無機酸化剤としては過酸化
水素や過硫酸塩、臭素酸塩などが挙げられるが、特にこ
れらに限定されるものではない。本発明の漂白能を有す
る処理液における第二鉄錯塩の濃度としては、0.00
5〜1.0モル/リットルの範囲が適当であり、0.0
1〜0.50モル/リットルの範囲が好ましく、より好
ましくは、0.02〜0.30モル/リットルの範囲で
ある。また漂白能を有する処理液の補充液中の第2鉄錯
塩の濃度としては、好ましくは、0.005〜2モル/
リットル、より好ましくは0.01〜1.0モル/リッ
トルである。本発明においては、下記一般式(V)で表
される有機酸を含有した漂白能を有する浴にて、本発明
の部材の重量変化や耐摩耗性といった点での効果がより
顕著に得られることが判明した。
【0057】
【化25】
【0058】式中、n=1のときAはアルキレン基また
はフェニル基を表し、n=2のときAは単結合又は2価
の連結基を表し、n=3のときAは3価の基を表す。M
は水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム塩を表す。
【0059】次に一般式(V)の化合物の詳細について
説明する。n=1のとき、Aのアルキレン基としては炭
素数1〜10が好ましく、更に好ましくは炭素数2〜5
である。アルキレン基及びフェニル基は、置換基を有し
てもよく置換基としてはヒドロキシ基、ハロゲン原子、
アミノ基、スルホ基、アシルアミノ基等をあげることが
できるが、ヒドロキシ基が特に好ましい。
【0060】n=2のとき、Aは具体的には置換、無置
換のアルキレン基、アルケニル基、フェニル基、シクロ
ヘキシル基、ヘテロ環基(例えばヘテロ原子としてN、
O、Sなどを少くとも1つ含んだ5〜8員環の化合物が
好ましく、特に、Nを含んだ5〜6員環の化合物が好ま
しい。例えば、ピロール、ピリジン、ピロリジン、ピペ
リジンなどを挙げることができる。)等を表す。n=3
のとき、Aは3価の連結基を表し、具体的には、フェニ
ル基、シクロヘキシル基、ヘテロ環基(例えばヘテロ原
子、N、O、Sなどを少くとも1つ含んだ5〜8員環の
化合物が好ましく、特に、Nを含んだ5〜6員環の化合
物が好ましい。例えば、ピロール、ピリジン、ピロリジ
ン、ピペリジンなどを挙げることができる。)等を表
す。n=2、n=3の場合のAで示される基の炭素数と
しては10以下が好ましい。また、n個のMは同一でも
異なってもよい。以下に具体例を示すが、これらに限定
されるものではない。
【0061】
【化26】
【0062】
【化27】
【0063】
【化28】
【0064】
【化29】
【0065】上記化合物中、本発明においては、n=2
のジカルボン酸が好ましい。具体的にはV−20、V−
21、V−22、V−23、V−24、Vー26、V−
27、V−28、V−29を挙げることができる。これ
らの有機酸の添加量は、漂白能を有する浴1リットルあ
たり0.005〜2.0モル好ましくは0.05モル〜
1.5モル含有する。また必要に応じて2種以上を併用
しても良い。一般式(V)の化合物は公知であるし、ま
た市販品を容易に購入することもできる。
【0066】漂白液、漂白定着液及び/またはこれらの
前浴には、漂白促進剤として種々の化合物を用いること
ができる。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ド
イツ特許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公
報、リサーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7
月号)に記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を
有する化合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832
号、同53-32735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチ
オ尿素系化合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲ
ン化物が漂白力に優れる点で好ましい。
【0067】その他、本発明に適用されうる漂白液又は
漂白定着液には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化
ナトリウム、臭化アンモニウム)または塩化物(例え
ば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウ
ム)または沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再
ハロゲン化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メ
タ硼酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、
クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能
を有する1種類以上の無機酸、有機酸およびこれらのア
ルカリ金属またはアンモニウム塩または、硝酸アンモニ
ウム、グアニジンなどの腐蝕防止剤などを添加すること
ができる。また漂白液や漂白定着液には、その他各種の
蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピ
ロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることが
できる。
【0068】漂白定着液又は定着液に使用される定着剤
は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
アンモニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;
エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,
8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物および
チオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、
これらを1種あるいは2種以上混合して使用することが
できる。また、特開昭55−155354号に記載された定着剤
と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合
わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることができ
る。本発明においては、チオ硫酸塩、特にチオ硫酸アン
モニウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着
剤の量は、0.3〜2モルが好ましく、更に好ましくは 0.
5〜1.0 モルの範囲である。
【0069】漂白定着液や定着液は、保恒剤として亜硫
酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜
硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸ア
ンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウ
ム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウ
ム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有するのが好まし
い。これらの化合物は亜硫酸イオンに換算して約0.02〜
0.05モル/リットル含有させることが好ましく、更に好
ましくは0.04〜0.40モル/リットルである。
【0070】漂白定着液や定着液には保恒剤としては、
亜硫酸塩の添加が一般的であるが、その他、アスコルビ
ン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、或いはカルボニル化
合物等を添加しても良く、またベンゼンスルフィン酸類
も有効である。更には漂白定着液や定着液には緩衝剤、
蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に
応じて添加しても良い。
【0071】本発明に用いられる漂白液、漂白定着液、
定着液において、好ましいpH領域は、1〜10であ
り、更には2〜8が好ましい。なかでも漂白液、漂白定
着液においては2〜5.5の低pH域において、本発明
の部材の重量変化や耐摩耗性という点においてより顕著
な効果を得ることができる。本発明に用いられる漂白
液、漂白定着浴、定着浴への補充量は感光材料1m2当た
り、20〜300ミリリットルである。特に好ましくは
25〜200ミリリットルであり、更に好ましくは30
〜150ミリリットルである。本発明に適用されうる漂
白液、漂白定着液、定着液の処理温度はそれぞれ20〜
50℃であり、好ましくは30〜40℃である。処理時
間はそれぞれ10秒〜3分、好ましくは10秒〜2分で
ある。
【0072】本発明に用いられる漂白能を有する処理液
は、処理に際し、エアレーションを実施することが写真
性能をきわめて安定に保持するので特に好ましい。エア
レーションには当業界で公知の手段が使用でき、漂白能
を有する処理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを
利用した空気の吸収などが実施できる。空気の吹き込み
に際しては、微細なポアを有する散気管を通じて、液中
に空気を放出させることが好ましい。このような散気管
は、活性汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されて
いる。エアレーションに関しては、イーストマン・コダ
ック社発行のZ−121、ユージング・プロセス・C−
41第3版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記
載の事項を利用できる。本発明の漂白能を有する処理液
を用いた処理に於いては、攪拌が強化されていることが
好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の
第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容
が、そのまま利用できる。
【0073】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭 62-183460号に記載の感光材料の乳剤
面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭 62-1834
61号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には
液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させ
ながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化すること
によってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の
循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪
拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれに
おいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白
剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高める
ものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白
促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著
しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消
させることができる。
【0074】本発明に用いられる自動現像機は、特開昭
60-191257号、同 60-191258号、同60-191259号に記載
の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記
の特開昭 60-191257号に記載のとおり、このような搬送
手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減で
き、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このよう
な効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充
量の低減に特に有効である。
【0075】また、本発明の漂白能を有する処理液は、
処理に使用後のオーバーフロー液を回収し、成分を添加
して組成を修正した後、再利用することが出来る。この
ような使用方法は、通常、再生と呼ばれるが、本発明は
このような再生も好ましくできる。再生の詳細に関して
は、富士写真フイルム株式会社発行の富士フイルム・プ
ロセシングマニュアル、フジカラーネガティブフィル
ム、CN−16処理(1990年8月改訂)第39頁〜
40頁に記載の事項が適用できる。本発明の漂白能を有
する処理液を調整するためのキットは、液体でも粉体で
も良いが、アンモニウム塩を排除した場合、ほとんどの
原料が粉体で供給され、また吸湿性も少ないことから、
粉体を作るのが容易になる。上記再生用のキットは、廃
液量削減の観点から、余分な水を用いず、直接添加でき
ることから、粉体が好ましい。
【0076】漂白能を有する処理液の再生に関しては、
前述のエアレーションの他、「写真工学の基礎−銀塩写
真編−」(日本写真学会編、コロナ社発行、1979
年)等に記載の方法が使用できる。具体的には電界再生
の他、臭素酸や亜鉛素酸、臭素、臭素プレカーサー、過
硫酸塩、過酸化水素、触媒を利用した過酸化水素、亜臭
素酸、オゾン等による漂白液の再生方法が挙げられる。
電解による再生においては、陰極及び陽極を同一漂白浴
に入れたり、或いは隔膜を用いて陽極槽と陰極槽を別浴
にして再生したりするほか、やはり隔膜を用いて漂白液
と現像液及び/又は定着液を同時に再生処理したりする
ことができる。定着液、漂白定着液の再生は、蓄積する
銀イオンを電解還元することでおこなわれる。その他、
蓄積するハロゲンイオンを陰イオン交換樹脂により除去
することも、定着性能を保つ上で好ましい。本発明に従
った感光材料は、前述のRD.No. 17643 の28〜29頁、
同No. 18716 の 651左欄〜右欄、および同No. 307105の
880 〜881 頁に記載された通常の方法によって現像処理
することができる。
【0077】本発明において、現像処理に用いる発色現
像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬
を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現像
主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用である
が、p-フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用さ
れ、その代表例としては3-メチル-4- アミノ-N,Nジエチ
ルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒ
ドロキシエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチ
ル-N- β- メタンスルホンアミドエチルアニリン、3-メ
チル-4- アミノ-N- エチル- β- メトキシエチルアニリ
ン、4-アミノ-3-メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-
(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチ
ル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-
アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル
-N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキ
シブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル
-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3-エチ
ル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5-
ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N- エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビ
ス(5-ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プ
ロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩など
が挙げられる。これらの中で、特に、3-メチル-4- アミ
ノ-N- エチル-N -β- ヒドロキシエチルアニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)
アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−
エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン
及びこれらの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは
硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以
上併用することもできる。
【0078】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量はカ
ラー現像液1リットル当たり好ましくは0.0002モ
ル〜0.2モル、さらに好ましくは0.001モル〜
0.1モルである。
【0079】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩5−スルフォサリチル酸塩のよ
うなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズ
イミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプ
ト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤などを
含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒドロキシ
ルアミン、ジエチルヒドロキシルアミンの他特開平3−
144446号の一般式(I)で表されるヒドロキシル
アミン類、亜硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメチルヒドラ
ジンの如きヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、
トリエタノールアミン、カテコールスルホン酸類の如き
各種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ルのような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレ
ングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような
現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1-フェ
ニル-3- ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与
剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、ア
ルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるよ
うな各種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢
酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シ
クロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ
ジ酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、
ニトリロ-N,N,N- トリメチレンホスホン酸、エチレンジ
アミン-N,N,N,N- テトラメチレンホスホン酸、エチレン
ジアミン- ジ(o- ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれ
らの塩を代表例として挙げることができる。
【0080】上記の内、保恒剤としては置換ヒドロキシ
ルアミンが最も好ましく、中でもジエチルヒドロキシル
アミン、モノメチルヒドロキシルアミン或いはスルホ基
やカルボキシ基、水酸基などの水溶性基で置換されたア
ルキル基を置換基として有するものが好ましい。最も好
ましい例としては、N,N−ビス(2−スルホエチル)
ヒドロキシルアミン及びそのアルカリ金属塩である。
【0081】また、キレート剤としては生分解性を有す
る化合物が好ましい。この例としては、特開昭63−1
46998号、特開昭63−199295号、特開昭6
3−267750号、特開昭63−267751号、特
開平2−229146号、特開平3−186841号、
独国特許3739610、欧州特許468325号等に
記載のキレート剤を挙げることができる。発色現像液の
補充タンクや処理槽中の処理液は高沸点有機溶剤などの
液剤でシールドし、空気との接触面積を減少させること
が好ましい。この液体シールド剤としては流動パラフィ
ンが最も好ましい。また、補充液に用いるのが特に好ま
しい。本発明における発色現像液での処理温度は20〜
55℃、好ましくは30〜55℃である。処理時間は撮
影用感材においては20秒〜5分、好ましくは30秒〜
3分20秒である。更に好ましくは40秒〜2分30秒
であり、プリント用材料においては10秒〜1分20
秒、好ましくは10秒〜60秒であり、更に好ましくは
10秒〜40秒である。
【0082】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1-フェニ
ル-3- ピラゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メ
チル-p- アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。これらの発色現像液及び黒白現像液
のpHは9〜12であることが一般的である。またこれらの
現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよ
るが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル
以下であり、補充液中の塩化物イオン濃度や臭化物イオ
ン濃度を低減させておくことにより 500ml以下にするこ
ともできる。補充量を低減する場合には処理槽の空気と
の接触面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸
化を防止することが好ましい。
【0083】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2) 〕÷〔処理
液の容量(cm3) 〕 上記の開口率は、0.1 以下であることが好ましく、より
好ましくは 0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平 1-82033号に記載さ
れた可動蓋を用いる方法、特開昭 63-216050号に記載さ
れたスリット現像処理方法を挙げることができる。開口
率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工程
のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、
定着、水洗、安定化などの全ての工程において適用する
ことが好ましい。また、現像液中の臭化物イオンや塩化
物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより補充量
を低減することもできる。
【0084】本発明の処理装置において、脱銀処理後、
水洗及び/又は安定工程を経るのが一般的である。水洗
工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー
等使用素材による)、用途、更には水洗水温、水洗タン
クの数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々
の条件によって広範囲に設定し得る。このうち、多段向
流方式における水洗タンク数と水量の関係は、Journal
of the Society of Motion Picture and Television En
gineers 第64巻、P. 248〜253 (1955 年5月号)に記載
の方法で、求めることができる。前記文献に記載の多段
向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タ
ンク内における水の滞留時間の増加により、バクテリア
が繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問
題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理において、
このような問題が解決策として、特開昭62-288,838号に
記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減さ
せる方法を極めて有効に用いることができる。また、特
開昭57-8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイア
ベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等
の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博
著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術
会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業
技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986
年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0085】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗水
温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し
得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは
25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発
明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって
処理することもできる。このような安定化処理において
は、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号
に記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0086】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0087】水洗水及び/又は安定液には処理後の感光
材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活
性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活
性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエ
チレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノー
ルとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニル
フェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加
モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効
果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好まし
い。
【0088】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′
−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−
N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A
1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物など
をあげることができる。
【0089】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。本発明の処理機について、駆動以外の
部分について記述する。カラー現像液、カラー現像補充
液は、処理槽及び補充液槽で、液が空気と接触する面積
(開口面積)はできるだけ小さい方が好ましい。例え
ば、開口面積(cm 2)を槽中の液体槽(cm3 )で割った値
を開口率とすると、開口率は0.01(cm -1)以下が好
ましく、0.005以下がより好ましく、特に0.00
1以下が最も好ましい。
【0090】本発明においては、迅速に処理を行うため
に、各処理液間を感光材料が移動する際の空中時間、即
ちクロスオーバー時間は短い程良く、好ましくは20秒
以下、より好ましくは10秒以下、更に好ましくは5秒
以下である。上記の様な短時のクロスオーバーを達成す
るため、本発明はシネ型の自動現像機を用いるのが好ま
しく、特にリーダー搬送方式やローラー搬送方式が好ま
しい。このような方式は、富士写真フイルム(株)製自
動現像機FP−560Bや同PP1820Vに用いられ
ている。また、搬送の線速度は大きい方が好ましいが、
毎分30cm〜30mが一般的であり、好ましくは50cm
〜10mである。リーダーや感光材料の搬送手段として
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載のベルト搬送方式
が好ましく、特に、搬送機構としては、特願平1−26
5794号、同1−266915号、同1−26691
6号に記載の各方式を採用することが好ましい。また、
クロスオーバー時間を短縮し、かつ処理液の混入を防止
するため、クロスオーバーラックの構造は特願平1−2
65795号に記載された混入防止板を有するものが好
ましい。
【0091】本発明における各処理液には、処理液の蒸
発分に相当する水を供給する、いわゆる蒸発補正を行う
ことが好ましい。特に、発色現像液や漂白液あるいは漂
白定着液において好ましい。このような水の補充を行う
具体的方法としては、特に制限はないが、中でも特開平
1−254959号や同1−254960号公報記載の
漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水槽内
の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽におけ
る水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白槽に
水を補充する方法や特願平2−46743号、同2−4
7777号、同2−47778号、同2−47779
号、同2−117972号明細書記載の液レベルセンサ
ーやオーバーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好
ましい。最も好ましい蒸発補正方式は、蒸発分に相当す
る水を予想して加えるもので、特願平2−103894
号に記載されているように自動現像機の運転時間、停止
時間及び温調時間の情報に基づいて予め求められた係数
により計算された加水量を添加するものである。
【0092】また、蒸発量を減少させる工夫も必要であ
り、開口面積を少なくしたり、排気ファンの風量を調節
することが要求される。例えば、発色現像液の好ましい
開口率は前記した通りであるが、他の処理液においても
同様に開口面積を低下させることが好ましい。排気ファ
ンは、温調時の結露防止のために取付けられているが、
好ましい排気量としては、毎分0.1m3〜1m3であり、
特に好ましい排気量としては、0.2m3〜0.4m3であ
る。また、感光材料の乾燥条件も処理液の蒸発に影響す
る。乾燥方式としては、セラミック温風ヒーターを用い
るのが好ましく、供給風量としては毎分4m3〜20m3
好ましく、特に6m3〜10m3が好ましい。セラミック温
風ヒーターの加熱防止用サーモスタットは、伝熱によっ
て動作させる方式が好ましく、取付け位置は、放熱フィ
ンや伝熱部を通じて風下または風上に取りつけるのが好
ましい。乾燥温度は、処理される感光材料の含水量によ
って調整することが好ましく、35mm幅のフィルムでは
45〜55℃、ブローニーフィルムでは55〜65℃、
プリント材料では60〜90℃が最適である。処理液の
補充に際しては補充ポンプが用いられるが、ベローズ式
の補充ポンプが好ましい。また、補充精度を向上させる
方法としては、ポンプ停止時の逆流を防止するため、補
充ノズルへの送液チューブの径を細くしておくことが有
効である。好ましい内径としては1〜8mm、特に好まし
い内径としては2から5mmである。
【0093】自動現像機には前述した駆動部以外にも種
々の部品材料が用いられるが、好ましい材料を以下に記
載する。処理槽及び温調槽等のタンク材質は、変性PP
O(変性ポリフェニレンオキサイド)、変性PPE(変
性ポリフェニレンエーテル)樹脂が好ましい。変性PP
Oは、日本ジーイープラスチック社製「ノリル」、変性
PPEは、旭化成工業製「ザイロン」、三菱瓦斯化学製
「ユピエース」等が挙げられる。また、これらの材質
は、処理ラック、クロスオーバー等の処理液に接触する
可能性のある部位に適している。
【0094】乾燥時間は10秒〜2分が好ましく、特に
20秒〜80秒がより好ましい。以上、主として補充方
式による連続処理について述べてきたが、本発明におい
ては、一定量の処理液で補充を行わずに処理を行い、そ
の後処理液の全量あるいは一部を新液に交換し再び処理
を行うバッチ処理方式も好ましく用いることができる。
次に本発明の処理装置にて処理される感光材料について
説明する。本発明の処理装置は如何なる感光材料にも適
用することができる。本発明において適用されるハロゲ
ン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真構
成層(層配置など)、並びにこの感材を処理するために
適用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特許
公報、特に欧州特許EP0,355,660A2号(特
願平1−107011号)に記載されているものが好ま
しく用いられる。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、臭化銀、
塩化銀等の各種ハロゲン組成の乳剤を用いることができ
る。また、塗布銀量としては、特に制限はなく0.2g
〜15g/m2程度の感光材料に適用するのが好ましい
が、とりわけ、0.4〜5.0g/m2程度が好ましい。
【0101】また、本発明に用いられる感光材料がカラ
ー感光材料である場合には、各種カプラーを含有すこと
ができるが詳細は表2に記載した通りである。更に、シ
アンカプラーとして、特開平2-33144 号に記載のジフェ
ニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧州特許EP
0,333,185A2 号に記載の3−ヒドロキシピリジン系シア
ンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー
(42)の4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当量
化したものや、カプラー(6)や(9)が特に好まし
い)や特開昭64-32260号に記載された環状活性メチレン
系シアンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカ
プラー例3、8、34が特に好ましい)の使用も好まし
い。
【0102】また、本発明に係わる感光材料には、画像
のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層
に、欧州特許EP0,337,490A2 号の第27〜76頁に記載
の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソノール
系染料)を感光材料の680nmに於ける光学反射濃度
が0.70以上になるように添加したり、支持体の耐水
性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリメチ
ロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを12重
量%以上(より好ましくは14重量%以上)含有させる
のが好ましい。また、本発明に係わるカラー写真感光材
料には、カプラーと共に欧州特許EP0,277,589A2 号に記
載のような色像保存性改良化合物を使用するのが好まし
い。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用が好まし
い。
【0103】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63-271247 号に記載のような
防黴剤を添加するのが好ましい。
【0104】本発明において、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料の支持体を除いた乾燥膜厚が25μm以下であ
る場合に、搬送が安定化するために好ましい。より好ま
しい膜厚は5μm〜20μmであり、特に好ましくは6
μm〜17μmである。これらの膜厚の低減はゼラチン
量、銀量、オイル量、カプラー量等を減少させることで
達成できるが、ゼラチン量の低減して達成するのが最も
好ましい。ここで、膜厚は、試料を25℃60RH%2
週間放置後、常法により測定することができる。
【0105】本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写
真感光材料においては、写真層の膜膨潤度が、1.5〜
4.0であることが、ステインの改良や画像保存性の改
良の点で好ましい。特に、1.5〜3.0において、よ
り一層の効果を得ることができる。本発明の膨潤度と
は、カラー感光材料を33℃の蒸留水に2分間浸漬した
後の写真層の膜厚を乾いた写真層の膜厚で割った値を言
う。
【0106】また、ここで写真層とは、少なくとも1層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含み、この層と相互に水
浸透性の関係にある積層された親水性コロイド群層をい
う。支持体を隔てて写真感光層と反対側に設けられたバ
ック層は含まない。写真層は写真画像形成に関与する通
常は複数の層から形成され、ハロゲン化銀乳剤層の外に
中間層、フィルター層、ハレーション防止層、保護層な
どが含まれる。
【0107】上記の膨潤度に調整するためにはいかなる
方法を用いても良いが、例えば写真膜に使用するゼラチ
ンの量及び種類、硬膜剤の量及び種類、または写真層塗
布後の乾燥条件や経時条件を変えることにより調節する
ことができる。写真層にはゼラチンを用いるのが有利で
あるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができ
る。たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子と
のグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルローズ硫酸エステル類等の如きセルロー
ス誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘導
体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分
アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの
ほか、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分
解物、ゼラチン酵素分解物も用いることができる。ゼラ
チン誘導体としては、ゼラチンにたとえば酸ハライド、
酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサ
ルトン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化
合物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類
等種々の化合物を反応させて得られるものが用いられ
る。
【0108】前記ゼラチン・グラフトポリマーとして
は、ゼラチンにアクリル酸、メタアクリク酸、それらの
エステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリル、ス
チレンなどの如き、ビニル系モノマーの単一(ホモ)ま
たは共重合体をグラフトさせたものを用いることができ
る。ことに、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー
たとえばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、ヒドロキシアクキルメタアク
リレート等の重合体とのグラフトポリマーが好ましい。
これらの例は米国特許2,763,625号、同2,8
31,767号、同2,956,884号などに記載が
ある。代表的な合成親水性高分子物質はたとえば西独特
許出願(OLS)2,312,708号、米国特許3,
620,751号、同3,879,205号、特公昭4
3−7561号に記載されている。
【0109】硬膜剤としては、例えばクロム塩(クロム
明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グリオキサール、グリタールアルデヒドな
ど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチ
ロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル
化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエ
ーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスル
ホニル)プロピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合
物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェ
ノキシクロル酸など)、イソオキサゾール類、ジアルデ
ヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル
化ゼラチンなどを、単独または組合わせて用いることが
できる。特に好ましい硬膜剤としては、アルデヒド類、
活性ビニル化合物及び活性ハロゲン化合物である。
【0110】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。本発明に係
わる感光材料は可視光で露光されても赤外光で露光され
てもよい。露光方法としては低照度露光でも高照度短時
間露光でもよく、特に後者の場合には一画素当りの露光
時間が10-4秒より短いレーザー走査露光方式が好まし
い。また、露光に際して、米国特許第4,880,726 号に記
載のバンド・ストップフイルターを用いるのが好まし
い。これによって光混色が取り除かれ、色再現性が著し
く向上する。本発明の処理方法は各種感光材料に適用す
ることができる。カラーネガフィルム、カラーネガパー
パー、カラー反転ペーパー、オートポジペーパー、カラ
ー反転フィルム、映画用ネガフィルム、映画用ポジフィ
ルム、レントゲンフィルム、リスフィルムなどの製版用
フィルム、黒白ネガフィルム等を挙げるころができる
が、とりわけ、カラーネガフィルムやカラーネガパーパ
ーへの適用が好ましい。
【0111】以下、本発明の効果を実施例にて示す。 実施例1.富士写真フィルム(株)製のフィルム処理用
ミニラボFP230Bの処理ラックに使用されている軸
受けや搬送を行う液中ベルトプーリー(スプロケットに
相当)は、ポリアミド樹脂(PA)でナイロン66樹脂
の30%ガラス繊維強化樹脂を使用している。この材質
を下記に示した漂白液A〜Lにて浸漬試験を行い浸漬試
験後の重量増加率でもって耐薬品性を判断した。即ち、
50℃に温調した漂白液に4カ月浸漬の後に重量変化率
を測定した。試験片の形状は、JIS K7113 1
号形試験片とした。使用した漂白液組成は以下の通り。
【0112】 漂白液A エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 0.2モル エチレンジアミン四酢酸 0.01モル 硝酸アンモニウム 15g 臭化アンモニウム 100g 水を加えて 1000ml pH(硝酸/アンモニア水で) 5.0 漂白液B ジエチレントリアミン五酢酸鉄(III)アンモニウム 0.2モル エチレンジアミン四酢酸 0.01モル 硝酸アンモニウム 15g 臭化アンモニウム 100g 水を加えて 1000ml pH(硝酸/アンモニア水で) 5.0 漂白液C 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのI−2の鉄(III)錯体を使用。 漂白液D 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのI−4の鉄(III)錯体を使用。 漂白液E 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのI−7の鉄(III)錯体を使用。 漂白液F 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのII−1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液G 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのII−3の鉄(III)錯体を使用。 漂白液H 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのII−7の鉄(III)錯体を使用。 漂白液I 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIII-1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液J 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIII-2の鉄(III)錯体を使用。 漂白液K 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIV−1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液L 漂白液Aのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIV−12の鉄(III)錯体を使用。 同様にして各種樹脂の浸漬試験を行い、重量変化率を求
めた。結果を第6表に示す。
【0113】
【表6】
【0114】第6表において、従来使用していたポリア
ミド樹脂(PA)は、本発明の漂白剤を有する液におい
ては(C〜L)、著しい重量変化を示し、耐久性に難点
があるのに対し(No.1〜4)、本発明のPPS樹脂
やUHMW−PE樹脂は本発明の漂白剤を有する液にお
いても重量変化が殆ど無く、充分な耐久性を示し(N
o.5〜9)、特にPPSや分子量100万以上のUH
MW−PEにおいてその効果は顕著である。(No.
5,6,8,9)
【0115】実施例2.実施例1と同様にして下記に示
す漂白液M〜Tにおいて、各種樹脂の浸漬試験を行い重
量変化を求めた。使用した漂白液の組成を下記に示す。 漂白液M エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 0.15モル エチレンジアミン四酢酸 0.01モル 硝酸アンモニウム 15g 臭化アンモニウム 80g 水を加えて 1000ml pH(硝酸/アンモニア水で) 4.5 漂白液N エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 0.15モル エチレンジアミン四酢酸 0.01モル 硝酸アンモニウム 15g 臭化アンモニウム 80g 有機酸(V−20) 1.0モル 水を加えて 1000ml pH(硝酸/アンモニア水で) 4.5 漂白液O 漂白液Mのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIII-1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液P 漂白液Nのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIII-1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液Q 漂白液Mのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIV−1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液R 漂白液Nのエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIV−1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液S 漂白液Rの有機酸V−20の代わりに等モルのV−23
の有機酸を使用。漂白液T 漂白液Rの有機酸V−20の代わりに等モルのV−24
の有機酸を使用。結果を第7表に示した。
【0116】
【表7】
【0117】第7表において、従来材質のPAは特に有
機酸を使用した漂白液P,R,S,Tにおいて重量変化
が甚だしく、材質の劣化を示しているのに対し、本発明
のPPSやUHMW−PEは劣化が殆ど生じていない。
【0118】実施例3.実施例2の漂白液OのpHを以
下の様に変更して漂白液U,V,W,X,Y及びZを調
合し、実施例2と同様に各種樹脂の経時による重量変化
を求めた。 漂白液U pH 1.5 漂白液V pH 2.0 漂白液W pH 3.0 漂白液X pH 4.0 漂白液Y pH 5.5 漂白液Z pH 6.0 尚、pH調整は全て硝酸とアンモニア水で行った。結果
を第8表に示す。
【0119】
【表8】
【0120】本発明においては、樹脂の重量変化が少な
く耐久性に優れていることを示し、特にpH2.0〜
5.5の領域で良好な結果を示した。 実施例4.シャフト径8.0mmΦ用に各種樹脂を用いて
軸受を作成し、一定負荷のもとで回転させ、耐久試験を
行った。実験条件は下記の通り。 条件:回転トルク 2.0kgfcm(0.196Nm) 回転数 60rpm 軸受寸法 摺動面のサイズ 8.0mm Φ×14.5mm 処理液温度 40 ℃ 軸受けの相手材質 チタン 6S 8.0mm Φ軸 処理液 各漂白液〜 (下記に示す) 処理液が大気に接触する部分は密閉し、処理液が変質し
ないように管理した。300時間後に軸受を回収し、内
径の寸法の変化(磨耗による拡大量)を測定した。使用
した漂白液の組成は以下の通り。
【0121】 漂白液 エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 0.25モル エチレンジアミン四酢酸 0.01モル 硝酸アンモニウム 15g 臭化アンモニウム 80g ヒドロキシ酢酸 25g 無水マロン酸 30g 水を加えて 1000ml pH(硝酸/アンモニア水で) 4.3 漂白液 漂白液のエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのI−4の鉄(III)錯体を使用。 漂白液 漂白液のエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのII−1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液 漂白液のエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIII-1の鉄(III)錯体を使用。 漂白液 漂白液のエチレンジアミン四酢酸鉄(III)の代わりに
等モルのIV−6の鉄(III)錯体を使用。 内径の寸法の変化(磨耗による拡大量)の測定結果を第
9表に示した。
【0122】
【表9】
【0123】本発明においては、酸化力の強い漂白剤
〜においても、軸受の磨耗は無く運転中の回転トルク
の増加もなく、優れた耐久性を示した。また、ポリブチ
レンテレフタレートやポリアミドの軸受は、従来の漂白
液においては、さほど問題なく使用することができた
が、本願の高電位漂白剤の使用化では、軸受が磨耗し、
回転トルクが増加し、無理に回転を続けると軸を傷めた
り、異常な磨耗が益々加速され、試験の続行が不可能で
あった。以上の結果、PPSやUHMW−PEで成形さ
れた軸受は、酸化力の強い高電位漂白剤の存在下でも、
膨潤が少なく、弾性率の低下が無く、且つ比較的摺動性
が良好であるため、0.2Nm以下の低トルクな条件で
は、ギアのみでなく、軸も一体に成形した部品で駆動を
伝達できることが分かった。
【0124】
【発明の効果】耐久性に優れ、安定した駆動を行なうこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施態様の写真用自動現像装
置の概略図である。
【図2】図2は、図1の中のクロスオーバーラック部分
を分解した概略図である。
【符号の説明】
1、2、5:クロスオーバーラック 6〜12:処理ラック 14:写真用自動現像処理装置 21、32、33:ローラー 23:フレーム 24、28:軸 25、27:ガイド 29、31、34:ギア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
    装置において、下記一般式(I)、(II)、(III)又は
    (IV)で表される化合物の鉄(III)錯体を少なくとも一
    種含有する処理槽と超高分子量ポリエチレン(UHMW
    −PE)またはポリフェニレンサルファイド(PPS)
    樹脂からなる駆動に関与する部材を有することを特徴と
    するカラー写真用処理装置。 一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ水素原
    子、脂肪族基、芳香族基又はヒドロキシ基を表す。W1
    炭素原子を含む二価の連結基を表す。M1、M2、M3及びM4
    はそれぞれ水素原子又はカチオンを表す。) 一般式(II) 【化2】 (式中、R7はアルキル基を表し、M5及びM6は、それぞれ
    水素原子又はカチオンを表す。) 一般式(III) 【化3】 (式中、M8、M9、M10 及びM11 はそれぞれ水素原子
    又はカチオンを表す。n は3又は4の整数を表す。) 一般式(IV) 【化4】 (式中、M12 、M13 、M14 及びM15 はそれぞれ
    水素原子又はカチオンを表す。W2は炭素原子を含む二価
    の連結基を表す。Xは水素原子または置換基を表す。m
    は0、1〜4の整数を表わす。m=2〜4の場合、Xは
    互いに異った置換基でもよい。)
  2. 【請求項2】 駆動に関与する部材が、ギア、スプロケ
    ット、軸及び軸受けからなる群より選ばれたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のカラー写真用処理装
    置。
  3. 【請求項3】 超高分子量ポリエチレンの平均分子量が
    100万〜600万であることを特徴とする請求項1記
    載のカラー写真用処理装置。
  4. 【請求項4】 該処理槽の処理液のpHが2.0〜5.
    5であることを特徴とする請求項2に記載のカラー写真
    用処理装置。
  5. 【請求項5】 該処理槽の処理液が有機酸を含有するこ
    とを特徴とする請求項3に記載のカラー写真用処理装
    置。
  6. 【請求項6】 像露光されたハロゲン化銀カラー写真感
    光材料を請求項1に記載のカラー写真用処理装置を用い
    て処理することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
    光材料の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6093849A (en) * 1996-05-30 2000-07-25 Kemira Chemicals Oy N-bis- or N-tris-[(1,2-dicarboxy-ethoxy)-ethyl]-amine derivatives and preparation and use of the same
US6264790B1 (en) 1996-05-30 2001-07-24 Kemira Chemicals Oy Process for the peracid bleaching of chelated chemical pulp
US6590120B1 (en) 1998-03-09 2003-07-08 Kemira Chemicals Oy Methods for the preparation of an N-bis-[2-(1,2-dicarboxy-ethoxy)-ethyl]amine derivative and products of the methods and their uses

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