JPH09211829A - 撮影感光材料用処理装置及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

撮影感光材料用処理装置及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JPH09211829A
JPH09211829A JP3734796A JP3734796A JPH09211829A JP H09211829 A JPH09211829 A JP H09211829A JP 3734796 A JP3734796 A JP 3734796A JP 3734796 A JP3734796 A JP 3734796A JP H09211829 A JPH09211829 A JP H09211829A
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processing
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acid
tank
light
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JP3734796A
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Hideaki Nomura
秀昭 野村
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で且つ処理液を低減しうるコンパク
トな処理機を用いた迅速な処理においても、安定した写
真性能の維持を可能にすることができる処理装置及び処
理方法を提供する。 【解決手段】 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に
おいて、処理部のタンク容量をVミリリットル、感光材
料の該処理部の入口から出口のパス長をLセンチメート
ルとしたとき、V/L≦25の条件を満たす処理タンク
を用いて、感光材料の短尺方向の幅が10〜25mm以
下であり、かつパーフォレーションが長尺方向に対して
1cm当たり0.1〜3個である撮影用ハロゲン化銀写
真感光材料を処理する。この感光材料を現像処理及び/
又は脱銀処理する際に、ジェットの吹き出し口の搬送方
向に対しての幅が0.2〜2mmであり、かつ、ジェッ
トの吹き出し口と感光材料の乳剤面との距離が0.1〜
5mmであるような条件で感光材料の乳剤面にジェット
攪拌を行う処理装置及び処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影用ハロゲン化
銀写真感光材料(以下、単に感光材料と言うこともあ
る)の処理装置及び処理方法に関するものであり、更に
詳しくは迅速処理においても優れた写真性能を得る処理
装置及び処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法においては、発色現像、脱銀、水洗及び安定化の
処理が施される。最近、ハロゲン化銀写真感光材料の処
理システムは、”CN−16L/CP−47L”(富士
写真フイルム(株)製)に代表される迅速用カラー処理
剤とミニラボの普及により処理システムの迅速性が図ら
れ当日仕上げが可能となってきている。但し、現像依頼
からプリントを得るには約20分は最低限待たなければ
ならず、取扱店に二度足を運んでいるのが実態であり、
更なる処理の迅速化が極めて重要な課題となっている。
また、この様なミニラボにおいてはコスト及び人手作業
の軽減、環境負荷の低減、処理装置の小型化、更には商
品価値の向上の為、できるだけ少量の処理液で安定かつ
優れた処理性能を得ることが要求される。
【0003】少量の処理液で安定した処理性能を得るた
めの方法として、処理槽の厚みを小さくし、処理タンク
の容積を著しく低減し、タンク液の交換率を高めて、処
理液の安定性を向上させる方法が、米国特許第5,31
1,325号、同5,420,659号、同5,38
6,261号、実開昭63−148944、実開平2−
69331、特開平1−129253、同2−1030
43、同2−230146号明細書に記載されている。
【0004】本発明者は、上記記載の各処理方法を適用
してみた結果、一応所望の処理液安定性の向上が図られ
た。しかし、従来の撮影用感光材料(感光材料の短尺方
向の幅は35mm)に適用した場合には、攪拌による著
しい現像ムラが発生することが判った。更に、迅速処理
を目的に上記記載の方法を行った場合、得られる画像の
感度及び階調が不安定となるという新たな問題が起きる
ことが明らかになった。この傾向は、発色現像時間を短
縮する手段である発色現像主薬濃度を高めた発色現像液
で処理した場合、顕著に現れることがわかった。以上の
通り、従来知られた感光材料及び処理装置及び処理方法
では、これらの種々の問題点があり、更なる処理装置及
び処理方法の開発が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は上記問題を解決することにあり、現像ムラがなく、か
つ処理時間を短縮化した処理においても、写真性(感
度、階調)の安定した画像を得ることができ、しかもコ
ンパクトな処理装置での処理を可能とする処理装置及び
処理方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の方
法によって達成された。即ち、(1)撮影用ハロゲン化
銀写真感光材料用処理装置であって、該感光材料の短尺
方向の幅が10〜25mmであり、かつパーフォレーシ
ョンが長尺方向に対して1cm当たり0.1〜3個であ
る撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を、現像処理及び/
又は脱銀処理する際に、感光材料の両端を支えるため搬
送方向に平行に設置されたガイドに沿って搬送し、ジェ
ットの吹き出し口の搬送方向に対しての幅が0.2〜2
mmであり、かつ、ジェットの吹き出し口と感光材料の
乳剤面との距離が0.1〜5mmであるような条件で前
記搬送される感光材料の乳剤面にジェット攪拌を行うこ
とを特徴とする撮影用ハロゲン化銀写真感光材料用処理
装置。(2)撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方
法において、処理部のタンク容量をVミリリットル、感
光材料の該処理部の入口から出口のパス長をLセンチメ
ートルとしたとき、V/L≦25の条件を満たす処理タ
ンクを用い、該感光材料の短尺方向の幅が10〜25m
mであり、かつパーフォレーションが長尺方向に対して
1cm当たり0.1〜3個である撮影用ハロゲン化銀写
真感光材料を処理することを特徴とする撮影用ハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法である。特にその効果は、
(3)該感光材料を現像処理及び/又は脱銀処理する際
に、感光材料の両端を支えるため搬送方向に平行に設置
されたガイドに沿って搬送し、ジェットの吹き出し口の
搬送方向に対しての幅が0.2〜2mmであり、かつ、
ジェットの吹き出し口と感光材料の乳剤面との距離が
0.1〜5mmであるような条件で前記搬送される感光
材料の乳剤面にジェット攪拌を行うことを特徴とする上
記(2)に記載の撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法。及び、(4)該感光材料の乾燥膜厚が10〜2
2μmであることを特徴とする上記(2)又は(3)に
記載の撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法、に
おいて顕著である。
【0007】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。以下、本発明の処理装置について説明す
る。本発明に係る感光材料の処理装置においては、処理
部のタンク容量をVミリリットル、感光材料の該処理部
の入口から出口のパス長をLセンチメートルとしたと
き、V/L≦25であるという条件を満たす処理タンク
を用いることが特徴であり、この条件を達成する好適な
態様としては、例えば、感光材料を処理する処理液が貯
留され且つV字状に形成された処理槽(処理タンク)
と、処理槽の内壁面の一部により形成され且つ感光材料
を案内すると共に感光材料の搬送経路を構成するガイド
部と、処理槽内に配置されて感光材料を搬送経路に沿っ
て搬送する搬送手段と、を有した感光材料処理装置や処
理槽がスリット状処理路を形成している感光材料処理装
置等が挙げられる。ここで、パス長とは、ハロゲン化銀
写真感光材料が処理タンク内の処理液に接触する点か
ら、該処理液から搬出される点までの長さを指し、ま
た、ここで、タンク容量(V)には、循環系の液量や現
像液の温調のために用いられることがあるサブタンク等
の容量は除外される。タンク容量(V)ミリリットルと
パス長(L)センチメートルとの間には、V/L≦25
の関係を満たすことを要し、好ましくは、1≦V/L≦
20である。タンク容量(V)は、50〜5000ミリ
リットルの範囲であることが好ましく、効果の観点から
は、100〜3000ミリリットルであることがより好
ましい。また、パス長(L)は、処理液の種類や処理に
要する時間により異なるが、一般的には2〜200セン
チメートルが好ましく、さらには4〜120センチメー
トルであることが好ましい。
【0008】本発明の処理方法に使用しうる好適な本発
明の感光材料処理装置の一実施形態の断面図を図1に示
す。図1に示すように、本実施の形態に係る感光材料処
理装置(撮影感光材料用処理装置)10は処理液量を低
減して簡易に処理するためにスリット状処理路12を設
けている。ここで用いられるスリット状処理路12と
は、感光材料が通過する処理タンク内の通路を 感光材
料の進行方向に対して直角に切断した断面が、横幅(感
光材料の幅方向)に対して厚みの薄い所謂スリット型で
あることを意味する。なお、このスリット型の形状は長
方形であっても、長円形であってもよい。ここで、この
処理タンク中において、感光材料の進行方向に対して直
交するタンク断面の厚みをWとしたとき、0.1≦W≦
10cmの条件を満たすことが好ましく、より好ましく
は、0.5≦W≦3cmである。また、処理タンク中に
おいて、処理タンク底部において処理路が形成する曲率
をRとしたとき、10≦R≦70mmφであることが好
ましく、さらに、20≦R≦50mmφであることが好
ましい。
【0009】この処理路12のパス長は処理液の種類や
処理に要する時間(処理液中の浸漬時間)に合わせて決
定される。スリット状の処理路12は感光材料処理装置
の全ての処理槽に設けてもよく、一部の処理槽に設け、
他の処理槽は従来と同様の処理槽とすることもできる。
この感光材料処理装置10においては、すべての処理槽
にスリット状の処理路12が設けてあり、処理時間に応
じたパス長を有する現像槽14、漂白槽16が隣接して
配置され、現像槽14にて現像処理された感光材料は一
対の搬送ローラ18により次の処理タンクである漂白槽
16に送り出される。さらに、漂白槽16に隣接して、
2つの定着槽20、水洗槽21、及び、2つの安定槽2
2がそれぞれ配置された構造となっている。そして、現
像槽14内には現像液が貯留され、漂白槽16内には漂
白液が貯留され、2つの定着槽20内にはそれぞれ定着
液が貯留され、水洗槽21内には水洗水が、2つの安定
槽22内にはそれぞれ安定液が貯留されている。所望に
よっては、漂白槽16と定着槽20とで、一つの漂白・
定着槽を構成していてもよい。従って、この感光材料処
理装置10の現像槽14の開放端側から撮影済のネガフ
ィルムFが挿入されると、処理槽であるこれら現像槽1
4、漂白槽16、2つの定着槽20、水洗槽21及び2
つの安定槽22に順にネガフィルムFが漬けられてネガ
フィルムFの現像処理がなされる。また、最後の安定槽
22の開放端側には乾燥ゾーン30が配置されており、
この乾燥ゾーン30に安定槽22内から出てきたネガフ
ィルムFが挿入されて乾燥ファンにより乾燥されること
になる。
【0010】以上より、現像槽14はスリット状のタン
クとされていて、この現像槽14のタンク容量をVミリ
リットルとし、現像液にネガフィルムFが接触し始める
位置(処理タンク入口)から現像液内よりネガフィルム
Fが排出される位置(処理タンク出口)までの距離であ
るパス長をLcmとしたときに、V/Lの値が25以下と
されて現像液の少量化が図られている。なお、ここでい
うタンク容量(V)には、循環系の液量や現像液の温調
のために用いられることがあるサブタンク等の容量は除
外する。さらに、定着槽20及び安定槽22等の他の処
理槽の内部も同様にスリット状の空間が形成されてお
り、現像槽14、漂白槽16、2つの定着槽20、水洗
槽21及び2つの安定槽22が接合してそれぞれ配置さ
れる。
【0011】また、本発明の方法における感光材料の搬
送速度は毎分0.1m〜5mであることが好ましく、毎
分0.2m〜3mであることがより好ましく、毎分0.
3m〜1.5mであることが特に好ましい。このような
処理装置を用いることにより、スリット状の処理路を備
えた現像槽14の厚みの極めて薄い処理路12でネガフ
ィルムFの搬送経路を構成するので、従来の現像槽14
と比較して現像液の少量化が図れ、現像液の特性を維持
するために多量の補充液を必要とすることがなく、感光
材料処理装置10のランニングコストが低減される。ま
た、上記の構造で現像液を少量化することにより、現像
液を貯留する現像槽14の小型化が図れ、これに伴って
感光材料処理装置10の小型化が図れる。そして、漂白
槽16、定着槽20、水洗槽21及び安定槽22等の他
の処理槽も上記と同様に作用することになる。
【0012】本発明の方法に用いる処理機に適用される
感光材料の搬送方法には特に制限はなく、下記に示す各
種搬送方法等を目的に応じて選択することができる。搬
送機構には、(1)ドラムの回転により狭い隙間に満た
された液中に感材を挿入、搬送、送り出すいわゆるドラ
ム処理が知られているが、これらは写真工業12月号
(1974)p.45に記されている。この方法では、
ドラムの内壁又は外壁を利用して感材を現像するが、小
液量処理槽装置の作り易さから外壁型が好ましい。さら
には、(2)対向ローラー、千鳥ローラー等により、ロ
ーラーのニップ力により感材を搬送させるローラー搬送
型処理機が知られており、これらは写真工業2月号(1
975)p.71に記されている。この方法は小さい装
置の作り易さから本発明に好ましく使用できる。また、
特開平4−95953号記載のように、感光材料が通過
するような溝を設けて、搬送ルートを制御する方法を加
えて用いると尚、好ましい。この方法では、一般に支持
体が厚い感材の場合の搬送に適性があり、薄い支持体の
場合には対向ローラー型が好ましい。更に薄い支持体の
場合には、対向ローラーの対をたくさん設置するとか、
厚い支持体(タブリーダーとも言う)の後端に感材を接
合させて処理するのが好ましい。場合にはよっては処理
槽挿入部にフィード機構(挿入機構)を設けても良い。
【0013】また(3)感材を処理する時に、予め処理
槽に前通ししてあるリーダーの後端に露光済み感材を接
合して、このリーダーを巻き取る等の駆動を掛けて感材
を処理する方法があるが、この方式は撮影感材では一般
にシネ式現像、プリント感材ではリーダートレーラー搬
送現像と言われてており、これらは写真工業3月号(1
975)p.70や同4月号(1975)p.40や同
5月号(1975)p.36や同6月号(1975)
p.41に記されている。(図A参照) これらの処理方式は感材の前後のいわゆる長尺のリーダ
ーを接合して処理する方法であるが、プリント材料のよ
うに多量に生産する必要がある場合には、適した方法で
ある。これと類似した搬送法として、(4)エンドレス
リーダーベルト方式、エンドレスチェーン方式が知られ
ている。この方法は写真工業5月号(1975)p.3
6や同6月号(1975)p.41に記載されている。
これらの方法は液持ちだし、液持込みが多く本発明には
適さない。上述した(3)の方式でリーダーが長尺でな
く短い物を使い、このリーダー((5)ショートリーダ
ーとも言う)を特別な駆動で移動させる事により結果と
して、感材を搬送する方法も最近用いられ、本発明に適
用することができ、好ましい態様の1つである。この方
法には(5−1)ショートリーダーに付けられた穴に対
応する凸部を多数有するベルト(タイミングベルト)の
回転移動でショートリーダーを動かし、その結果感材を
処理する方法である。他の方法として(5−2)ショー
トリーダーに付けられた穴に対応する凸部を有するギヤ
(スプロケット)の回転でショートリーダーを移動さ
せ、感材を処理する方法が知られている。例えば特開平
4−101139に記載の方法である。この方法は好ま
しい搬送方式の1つである。特にスプロケットで搬送す
る方法は好ましい。本発明のような、小液量の処理方式
としては、ベルト搬送方式として、特開平2−6755
1、特開平2−103043がエンドレスベルト方式と
して特開平2−67550、実開平2−58744が磁
気搬送方式として、特開平1−154155がスプロケ
ット搬送として特開平4−101139が知られてい
る。
【0014】本発明の処理タンクは温度のコントロール
や浮遊物の除去のために循環されるのが好ましい。循環
の速度は処理タンクの大きさで異なるが、毎分0.1〜
30リットル、好ましくは0.2〜10リットルであ
る。循環が弱すぎると、温度のコントロールが困難にな
り、強すぎると、液が劣化したり、溢れたりする場合が
生じる。本発明の循環方法においては、循環系は処理タ
ンクの底部よりタンク液を吸入し、タンクの上部に排出
する方法が望ましい。タンクの上部とは液面より深さ1
0cm以内の箇所に排出される場合が特に好ましい。ま
た、液面の上部に圧力による液の溢れを防止する目的
で、ワイパーブレード等により、液面付近を覆う方法か
好ましく用いることができる。同時にこのワイパーブレ
ードはスクイジーとしても作用することができる。ポン
プとしてはイワキ社製のマグネットポンプMD−10、
MD−20、MD−30等が好ましく用いられる。さら
に、上記循環系に、強力な噴射を設けて(ジェット攪
拌)、感光材料の膜面に当て、短時間で目標の写真特性
を得たり、脱銀速度を速めたり、水洗浴や安定浴での各
種成分の洗い出しを促進することができる。
【0015】本発明の処理装置及び処理方法の好ましい
態様であるジェット撹拌について説明する。本発明で好
ましいジェットの吹き出し口の搬送方向に対しての幅は
0.2〜2mmであり、好ましくは0.3〜1mmであ
る。現像ムラ及びカブリを抑止するという点から幅は狭
い方が好ましいが、狭すぎるとジェット吹き出しの圧力
損失が大きくなる為、ポンプ能力を非常に大きくしない
限り、所望の吹き出し量を維持するには困難となる。
【0016】一般にジェットの吹き出し量が一定のと
き、ジェットの吹き出し口と感光材料の乳剤面との距離
が大きいほど撹拌効果は減少する。しかしガイド付きの
搬送の場合、通常のリーダーを用いて、ガイドを用いな
い搬送の場合に比較して、通常のジェット撹拌では充分
な撹拌効果が得られず、迅速処理に対応できないことが
見出された。ジェットの吹き出し口と感光材料の乳剤面
との距離は5mm以下であることが必要であり、ジェッ
トの吹き出し口と乳剤面とが接触して感光材料を傷つけ
ない為には0.1mm以上であることが必要である。よ
って、吹き出し口と乳剤面との距離は0.1〜5mm、
好ましくは0.5〜4mm、より好ましくは1〜3mm
である。
【0017】このときのジェットの吹き出し量は、1分
間に1〜30リットル/cm2 であることが好ましく、
より好ましくは1分間に2〜25リットル/cm2 であ
る。これらのジェット撹拌の条件は通常の現像処理につ
いてはもちろんであるが、特に、現像の処理時間を2分
以下とした場合に、前記撹拌の発色に与える効果が明確
に現れる。このジェット撹拌は、特に、ハロゲン化銀写
真感光材料が現像液内に浸漬され、現像液を吸収して膨
潤する初期、例えば、感光材料の浸漬後、該処理槽での
処理時間の20%以内の時間に前記ジェット撹拌を施し
た場合に良好な画像が迅速処理によって得られることが
明らかとなった。ジェット撹拌は、前記処理時間の15
%以内の時間に行われることが好ましく、10〜3%の
時間内で行われることがより好ましい。
【0018】さらに、前記ジェット撹拌を、脱銀処理及
び水洗処理に用いる場合、特に感光材料中の残存主薬低
減の効果が高いことが見出された。現像処理後の感光材
料中の残存主薬の量は画像保存性に著しい影響を与える
が、この残存主薬量は、現像液中の現像主薬濃度、脱銀
処理工程及び水洗工程の時間及び前記各工程における撹
拌効果に影響される。本発明の如く、現像主薬の濃度が
高い現像液を用いる場合、通常の脱銀処理を通常の処理
時間行うのみでは、現像主薬が充分に除去されず、画像
保存性に悪影響を与えるが、本発明のジェット撹拌を脱
銀処理工程及び水洗工程において行ったところ残存主薬
の除去に著しい効果を発現することを見出した。
【0019】ジェット撹拌を行う処理槽において、ジェ
ット撹拌を感光材料が処理液に浸漬される初期に与える
ことが現像工程において特に好ましいことは前記の通り
であるが、処理液の液面近傍でジェット撹拌を行うと、
気液の接触面で液の撹拌による液面の上昇がおこり、処
理液が溢れたり、液面の振動によって空気を巻き込んだ
りする虞がある。これらは、隣接する他の処理層への処
理液の混入や空気の処理液への混入による液の劣化を引
き起こすため好ましくない。さらに、液面の上昇が起こ
ると、感光材料と処理液との接触時間が変化するため、
均一な処理が行えないという問題点も引き起こす。この
ため、液面近傍のジェット撹拌の吹き出し方向は、感光
材料搬送方向に直角方向より、液面に遠い方向(処理槽
底部方向)に向いていることが好ましい。液面近傍のジ
ェット撹拌の吹き出し口とは、感光材料が処理液内に搬
入される部分に最も近い吹き出し口と処理槽から搬出さ
れる部分に最も近い吹き出し口の2か所を指し、処理液
内に搬入される部分では、吹き出し方向は搬送方向と同
じ方向に、処理槽から搬出される部分では、搬送方向と
逆の方向にそれぞれ傾いていることが好ましい。
【0020】一般に本発明が適用される如き現像処理は
化学反応であるために、現像中の温度を指定の温度で、
一定の温度フレ幅の範囲に管理する事が写真性能を安定
に得るために必要な事である。特に自動現像機では人が
温度を調べる事が無いために、温度の安定管理は重要で
ある。自動現像機におけるこのような温度の自動制御、
均質制御の部分を温度調節(温調)と言う。言い換えれ
ば、温調は処理槽の液温を指定の温度に、しかも均質に
保つための機能である。従って加熱する部分(H)と冷
却する部分(C)(これは空冷の場合にはいらない)と
液を循環する部分(J)、さらには温度検出部分(S)
とに機能を分けることが出来る。Sは温度制御に必要で
処理槽に設置される事が好ましい。(特開平1−170
944) それぞれのH、C、Jの機能の組み合わせを処理槽中で
行う場合と、別槽中で行う場合とその中間とがある。小
液量処理槽ではHとJは少なくとも処理槽外が好まし
く、Hはサブタンク(処理槽と直接つなかった空気開放
槽)中に配置するか、循環経路中に設置するか、循環経
路中に設置されたハンプタンク(空気未開放槽:補充混
合槽)中に設置するのが好ましい。循環に用いるポンプ
は軸流(プロペラ)ポンプ、いわゆるケミカルポンプが
多用されるが、スクリューポンプ、ギヤポンプ、ピスト
ンポンプなども使用できる。加熱する部分(H)に使用
するヒーターはニクロム線を絶縁体で埋包したステンレ
スヒーター、セラミックの発熱を利用したセラミックヒ
ーター、カーボン繊維の発熱を利用した面状ヒーター、
鋳込みヒーター(体積型ヒーターでヒーター中に空洞が
ありこの中に温調液を通過させて加熱する方法)等があ
るが(特開昭62−246057)本目的には鋳込みヒ
ーターを用い循環系にヒーターを組み込む方法が液量の
増加も少なく、最も好ましい方法である。この鋳込みヒ
ーターは特開平5−80479、特開平5−20411
7に詳細な記載がある。
【0021】小液量処理槽の温調を効率よく行うための
循環の流れは前述した循環方法に準じるが、特開平4−
83251の図1の様に例えばU字型スリット型処理槽
であればU字型の下部より液を取り出し、両側のU字型
の上部に戻す方式が好ましい。この図に有るように戻す
時は感材の幅全面に均一に液が吹きかけられるように感
材幅方向にスリットになったノズルで吹き出すのが最も
好ましい。また、U字型上部より液を取り出し、他方の
U字型の上部に戻す場合でサブタンクが有る場合には一
般的にサブタンク側から液を取り出す方が温調の安定化
の為に好ましい。この場合には、戻す側の液面上部には
液吹き出し防止用のブレードを設置すると良い。例え
ば、特開平3−257450の図2の78のワイパー部
材が好ましい。この場合、サブタンクに温調安定化を施
せば、サブタンクが無い方のU字型の上部から取り出す
方式の循環の方が液出し防止用のブレードを設置する必
要が無くなる。温度を一定に保つための制御も必要であ
る。感材が液に入った時、補充がなされた時の温度低下
に対する制御、ヒーターの加熱防止用の制御、省エネル
ギー制御、外気温度予測、その他等が有る。例えば特開
昭58−211149、特開昭62−238556、特
開昭62−238557、特開昭62−246058、
特開平1−177542、特開平1−200421、特
開平1−214850等である。処理槽の構成として
は、(A)通常型の他、(B)サブタンク型、(C)レ
シーバータンク型等を用いることができる。
【0022】本発明の処理装置は、露光済の感光材料の
処理量に応じて、補充される機能を有する場合が好まし
い。補充の方法は、各種方式を採用することができる。
例えば、特開平5−173299号記載のように、循環
系の直接濃縮液を補充する方法、特開平6−19481
1号記載のようにストックタンクに濃縮液を一度ストッ
クし、その後補充する方法、特開昭64−55560、
同64−55561、同64−55562号記載のよう
に完成液のカートリッジから直接タンクに補充する完成
補充液方式、特開平3−134666号記載のように、
カートリッジからストックタンクに一旦補充液を自動供
給し、その後、処理タンクに補充される方法、EP−5
90583A1記載のように濃縮液と水を直接タンクに
補充する方法、特開平5−188533、同6−202
297、同7−169339号等に記載の固体処理剤と
水を補充する方法等が挙げられる。本発明の処理装置に
おいては、液面の開口面積は比較的小さいために、補充
は循環系やサブタンクを設けて、その箇所に補充するの
が好ましい。また、循環系に補充する場合には、循環経
路の一部に膨らみを設け(ハンプタンク)、その箇所に
補充するのも好ましい方法である。また、処理液の補充
に関しては、補充ポンプが用いられるが、ベローズ式補
充ポンプが好ましい。また、補充精度を向上させる方法
として、ポンプ停止時の逆流を防止するため、補充ノズ
ルへの送液チューブの径を補足することは有効である。
好ましい内径は1〜8mm、特に好ましくは2〜5mm
である。
【0023】本発明の方法に用いられる感光材料処理装
置、例えば、自動現像機等には種々の部品材料が用いら
れるが、好ましい材料を以下に記載する。処理槽および
温調槽等のタンク材質、処理ラックや接液部のガイド類
の材質としては、変性PPO(変性ポリフェニレンオキ
サイド)、変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル)
樹脂が好ましい。変性PPOは日本ジーイープラスチッ
ク社製「ノリル」、変性PPEは旭化成工業製「ザイロ
ン」、三菱瓦斯化学製「ユピエース」等が挙げられる。
これらの材質は現像液、定着液、漂白定着液などに対し
て耐薬品性の優れた材料である。これらの材料は射出形
成に適しており、また低発泡成形やシンプレス成形、ガ
スカウンタープレッシャー成形などの各種の中空成形も
行うことができる利点がある。これらの成形方法を利用
して処理槽と温調槽の一体成形化や複雑な構造のガイド
やラック類の一体成形化が可能になった、さらに肉厚な
成形体やブロック等肉厚部材を作ることが可能になっ
た。エンジニアリングブロー成形によって自動現像機の
カバー類などの大型ハウジング部材などにも利用でき
る。これらの材質は、一般のABSよりも耐熱温度が高
いため自動現像機の乾燥部材質にも使用できる。さらに
耐熱や鋼性を必要な時はガラス繊維強化やフィラー添加
されたグレードを使用することができる。また、ABS
(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)は、
処理液(例えば、カラー現像液、漂白液、定着液、漂白
定着液)に対する耐薬品性を有しているため、タンクに
一部やラック類に使用することができる。電気化学工業
製「デンカ」、宇部興産製「サイコラック」や三菱モン
サント化成、日本合成ゴムなど各社のABS樹脂を使用
できる。ABSは、80℃以下の環境で使用することが
好ましい。また、ABSは射出成形による成形性が良好
で、成形時のヒケが少なく平面性良く成形できるため自
動現像機のハウジングにも適した材料である。プロセサ
の供給部やカセット類にも適した材質である。また、オ
レフィン系樹脂のPE(ポリエチレン)、PP(ポリプ
ロピレン)は、処理液一般に(例えば、カラー現像液、
漂白液、定着液、安定液)に対して高い耐薬品性を有し
ている。PEは昭和電工、宇部興産などで多数の製品が
ある。PPは宇部興産、チッソ、三井東圧化学、旭化成
など多数の製品がある。自動現像機では補充タンクや廃
液タンクなどの材質として使用されている。材料が安価
で中空成形で容易に大型タンクを製作できるため、高い
寸法精度を必要としない部位に好ましく用いることがで
きる。また、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂)は、耐薬品
性に優れ、安価で簡単に溶接できるため加工性にすぐれ
ている。PVCとしては電気化学工業や理研ビニル工業
などのほかに各種モールダーメーカーなど多くの会社よ
り多品種が生産されている。タキロン工業「タキロンプ
レート」や三菱樹脂「ヒシプレート」から押出成形され
た板材が市販されており、また各種変性処理されたPV
Cも市販されており容易に用いることができる。アクリ
ル変性PVCとしては、筒中プラスチック「カイダッ
ク」やサンアロー化学などから市販されている。アクリ
ル変性PVCは、表面が平滑に仕上がり撥水性が良く、
タンクに使用した場合、処理液の析出(例 発色現像液
から主薬などの析出)をひきおこしにくく適した材料で
ある。PVCの押出や射出成形品の表面を平滑にするた
めの工夫としては、変性PVCの他に大豆油などを添加
して成形時の流動性を向上させることは効果が高い。大
豆油(好ましくは変性大豆油)の添加は、樹脂表面を平
滑化し、スリキズなどによって感材の品質を損ねないだ
けでなく、成形時の流動性を向上させる効果がある。
【0024】発色現像主薬などの析出対策や感材の搬送
性向上のために処理槽や処理部のガイドの材質として、
結晶性ポリマーが用いることができる。PBT(ポリブ
チレンテレフタレート)、HDPE(超高密度ポリエチ
レン樹脂)、PTFE(ポリ四ふっ化エチレン樹脂)、
PFA(四ふっ化エチレン・パーフルオロアルコキシエ
チレン樹脂)、PVDF(ポリふっ化ビニリデン樹脂)
などが感材が接触するガイドや処理液(例えば、発色現
像液)が析出しやすい液界面部分などに適している。上
記のふっ化物はPPEなどの他の材質にコーティングし
ても効果を発揮する。処理部のローラー材質としては、
PVC(ポリ塩化ビニル樹脂)、PP(ポリプロピレ
ン)、PE(ポリエチレン)、UHMPE(超高分子量
ポリエチレン)、PMP(ポリメチルペンテン)、PP
S(ポリフェニレンサルファイド)、変性PPO(変性
ポリフェニレンオキサイド)、変性PPE(変性ポリフ
ェニレンエーテル)などの熱可塑性樹脂が適している。
PP、PE、PMPなどのオレフィン系樹脂はローラー
表面を平滑に射出成形でき、比重が小さいため回転負荷
が小さくできるため、搬送される感材の乳剤面側にキズ
がつきにくく適している。これらは、ターン部の鼓ロー
ラーなどに良く使われている。UHMPEやPTFE
(PFAやPVDFを含む)などの材質は、感材がしゅ
うどうする部分や処理液の撥水を必要とする部分に適し
ている。ローラーに処理液の析出部が付着して固化した
ものによって感材がきずつけられるのを防ぐ効果があ
る。これらの材質をローラー表面(コーティングを含
む)に備えたローラーは、処理液の界面に位置するロー
ラーやスクイズ部分のローラーに適している。PVC
は、押出成形によってローラーに加工しやすく適してい
る。また、2重押出成形によってローラーの表面に硬度
の低い軟質の樹脂部分を有したローラーを容易に製造す
ることができ、感材に対してソフトタッチで接触でき好
ましい。搬送力を伴うローラーにはPVCの他に変性P
PO、変性PPE、変性PPSなどが鋼性を高く、高い
回転トルクに耐えることができるため適している。これ
らは、鋼性をさらに高めるためにガラス繊維強化やマイ
カ、タルク、チタン酸カリウムなどのミネラル添加の強
化剤を使用することが好ましい。強化物を添加すること
によってローラーの曲げ弾性率が向上して経時変化によ
るクリープ変形を防止でき長期の使用によってローラー
がたわむことがなく安定した搬送性を確保することがで
きる。また、無機物を樹脂に添加して成形することでロ
ーラー表面に現れた無機質粒子によって表面を梨地状に
荒らして搬送物のスリップを防止することができる。添
加する無機物の粒子径や添加量を調製しローラー表面粗
度をコントロールできる。搬送ローラーの直径が小さい
ものや感材の幅が広くローラー長の長いものには熱硬化
性樹脂が適している。PF(フェノール樹脂)、熱硬化
性ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂もアルカリ性処理液以外の一部の処理液に
は適している。PFとしてはレゾール系が好ましく、三
井東圧化学「OR−85」は特に適している。補強のた
めにグラファイトを添加するとよい。このローラーは細
く(例えば外径8mm)できるため、処理ラックを小型
化できる。熱硬化性ウレタン樹脂としては、日本ユニポ
リマー「ユニロン」、大日本インキ化学工業「パンデッ
クス」、武田薬品工業「タケネート」などが適してい
る。
【0025】現像液による耐汚染防止のためにはフッ素
系樹脂で被膜されたローラーも好ましい。具体的には、
特開平4−161955号に開示された樹脂などを用い
ることができる。ニップローラー等の軟質ローラーに
は、エラストマーを用いることができる。例えば、オレ
フィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレ
タン系エラストマー、塩ビ系エラストマーなどが好まし
い。処理部のギヤ、スプロケットとしては、PA(ポリ
アミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、U
HMPE(超高分子量ポリエチレン)、PPS(ポリフ
ェニレンサルファイド)、LCP(全芳香族ポリエステ
ル樹脂、液晶ポリマー)、PEEK(ポリエーテルエー
テルケトン)など熱可塑性結晶性樹脂が適している。P
Aとしては、66ナイロン、6ナイロン、12ナイロン
等のポリアミド樹脂のほかに分子鎖中に芳香族環をもつ
芳香族系ポリアミドや変性ポリアミドが含まれる。66
ナイロン、6ナイロンとしては東レやデュポン「ザイテ
ル」、12ナイロンとしては東レ「リルサン」、ダイセ
ル・ヒュルス「ダイアミド」などが適している。芳香族
系ポリアミドとしては、三菱瓦斯化学「レニー」ポリア
ミドMXD6、変性ポリアミドでは三井石油化学「アー
レン」変性ポリアミド6Tなどが適している。PAは、
吸水率が高いため処理液中で膨潤しやすいためガラス繊
維強化や炭素繊維強化グレードが好ましい。芳香族系ポ
リアミドは、比較的吸水率が低いため膨潤しにくく、高
い寸法精度を得ることができる。そのほかコンプレッシ
ョン成形によって得られたMCナイロンのような高分子
量品は繊維強化なしでも十分な性能を得ることができ
る。そのほかに、「ポリスライダー」のような含油ナイ
ロン樹脂も使われる。PBTはPAとは反対に極めて吸
水率が低いため処理液に対して高い耐薬品性を有してい
る。東レや大日本インキ化学工業のPBTや日本ジーイ
ープラスチックス「バロックス」が用いられる。PBT
はガラス繊維強化品でも未強化品でも部位に応じて使用
される。ギヤの噛み合いを良化するためにはガラス強化
品と未強化品と組み合わせて使用することが好ましい。
UHMPEとしては、未強化品が適しており、三井石油
化学「リューブマー」、「ハイゼックスミリオン」、作
新工業「ニューライト」、旭化成「サンファイン」、大
日本印刷「超高分子ポリエチレンUHMW」が適してい
る。PPSとしては、ガラス繊維や炭素繊維強化のもの
が好ましい。LCPとしては、ICIジャパン「ビクト
レックス」、住友化学「スミカスーパー」、日本石油
「ザイダー」、ポリプラスチックス「ベクトラ」などを
用いることができる。PEEKは、現像機のいずれの処
理液に対しても極めて耐薬品性や耐久性が良好で未強化
品で十分な性能を発揮する好適な材質である。
【0026】軸受などの材質としては、超高分子ポリエ
チレンなどが好ましい。自動現像機の処理液中で使用さ
れるバネやスプリングとしては通常ステンレス(SUS
316)、チタンなどが使用される。チタンではバネや
スプリングを適切につくることができない場合、プラス
チックスプリングを用いることができる。荷重が加わっ
た時の変形量が少ない(フック則の臨界歪が1.6%以
下)用途であれば、PBT(例 日本ジーイープラスチ
ックス「バロックス310」など)、PP(例 旭化成
「M−1500」など)、変性PPO(例 日本ジーイ
ープラスチックス「ノリル731J」など)、変性PP
E(例 旭化成「ザイロン220V」など)で使用が用
いられる。スプリング力が弱い場合、ガラス繊維強化し
た材質を使用することも効果がある。スプリングが長期
にわたって安定したニップ力を得るためには、PSF
(ポリスルホン)、PAR(ポリアリレート)、PES
(ポリエーテルスルホン)、PEI(ポリエーテルイミ
ド)、PAI(ポリアミドイミド)が適している。特に
スーパーエンプラの非結晶性樹脂が優れておりPSF、
PES、PEIは、特に好ましい。PSFは、アモコ
「ユーデルP1700」、PESはICI「VICTR
EX 4800G」、PEIは日本ジーイープラスチッ
クス「ウルテム」などが使用できる。強い荷重で長期に
使用するスプリングの場合はPEEKやPPS、LCP
などの結晶性樹脂が使われる。非結晶樹脂はクリープが
少なく、成形時の寸法精度がきわめて良いため、低荷重
のバネにはきわめて適している。高い疲労限界応力を必
要とする部位では結晶性樹脂が適しておりPEEKは、
ICI「VICTREX 450G」、PPS「ライト
ン」、LCPI型 住友化学「エコノール E200
0」、LCPII型ポリプラスチック「ベクトラ A95
0」などが代表的なグレードである。スクイズローラー
等の軟質材料としては、発泡、塩化ビニル樹脂や発泡シ
リコン樹脂、発泡ウレタン樹脂が適している。発泡ウレ
タン樹脂としては東洋ポリマー(株)製「ルビセル」が
挙げられる。配管、配管の継手、アジテーションジェッ
トパイプの継手、シール材などのゴム材質およびエラス
トマーとしては、EPDMゴム、シリコンゴム、バイト
ンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラス
トマー、ウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー
などが好ましい。具体例としては、住友ベークライト
(株)製「スミフレックス」、三井石油化学(株)製
「ミラストマー」(オレフィン系エラストマー)、三菱
油化(株)製「サーモラン」(ゴム入りオレフィン系エ
ラストマー)、同「ラバロン」、日本モンサント化成
(株)又はエーイーエス・ジャパン(株)製「サントプ
レーン」、三菱化成ビニル(株)製「サンプレーン」
(高弾性塩ビ系エラストマー)、特開平3−19805
2号に記載のシリコンゴムやバイトンゴムなどを挙げる
ことができる。搬送ベルトなどのベルトの芯材として
は、超高強度ポリエチレン樹脂繊維(例えば、特開平4
−6554号に記載)、ポリフッ化ビニリデン樹脂繊維
(例えば、特開平4−16941号に記載)、アラミド
繊維(例えば、東レ・デュポン(株)製「ケブラ」)な
どを用いることができる。以上述べてきた処理装置の処
理槽を初めとした各々の個所に用いられるプラスチック
などの材料については、「プラスチック成形材料商取引
便覧−特性データーベース−1991年版」(株)合成
樹脂工業新聞社発行に基づいて容易に選択、入手するこ
とができる。
【0027】次に、本発明の処理装置及び処理方法にお
いて用いられる撮影用ハロゲン化銀写真感光材料(以
下、適宜、感光材料と称する)について説明する。
【0028】本発明の処理装置並びに処理方法に適用さ
れる感光材料は、パーフォレーションの数が感光材料の
長尺方向に対して1cm当たり0.1〜3個であり、好
ましくは0.2〜2個、より好ましくは0.3〜1個で
ある。尚、均一露光部における現像濃度ムラの発生を抑
える点などでパーフォレーションの数は少ない方が好ま
しいが、あまり少なくすると逆に、カメラ内での巻き上
げに不都合が生じる恐れがあり、全くなくすことは好ま
しくない。また、パーフォレーションの位置は画像部に
かからなければどこに設けられてもよいが、画像部の片
側のみにパーフォレーションを設けることが本発明の効
果を顕著に発揮できる点で更に好ましい。本発明のパー
フォレーション1個の面積は0.5〜40mm2 である
が、好ましくは1〜20mm2 である。小さすぎると搬
送性に支障をきたし、大きすぎると感光材料の強度が低
下する。
【0029】本発明の感光材料は、感光材料の短尺方向
の幅が10〜25mmであり、好ましくは15〜24m
mである。短尺方向の幅は小さい方が攪拌による現像ム
ラを抑えるなどの点から好ましいが、小さすぎると撮影
用ハロゲン化銀カラー写真感光材料の高感度高画質を維
持するには困難となる。
【0030】更に、本発明で好ましい乾燥膜厚は10〜
22μmであり、好ましくは13〜19μmである。但
し、ここで言う感光材料の乾燥膜厚とは、乳剤層を有す
る側の全親水性コロイド層の膜厚の総和であり、25℃
相対湿度55%調湿下にて2日保存後、同雰囲気下で測
定した膜厚を意味する。乾燥膜厚は得られる画像の感度
及び階調の安定性が更に良好となる点から薄い方が好ま
しいが、薄過ぎると撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光
材料の高感度高画質を維持するには困難となる。
【0031】処理槽の厚み及び処理タンクの容積を小さ
くした小型の処理装置を用いた従来の撮影用ハロゲン化
銀写真感光材料における迅速処理では、上層と下層の現
像進行がアンバランスに成り易いため、攪拌などのバラ
ツキによる影響で、安定した良好な画質を得ることがで
きなかった。しかし、本発明の態様であるパーフォレー
ションの数、短尺方向の幅及び/又は乾燥膜厚を規定す
ることによって、小型の処理装置を用いた迅速処理にお
いても現像ムラの防止、及び安定した良好な画質を得る
ことができたことは、予想し得なかった効果である。こ
れにより、処理迅速化と処理装置の簡易化が可能となっ
た。
【0032】本発明に適用しうる感光材料は、支持体上
に少なくとも1層の感光性層が設けられていればよい。
典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同
じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層か
らなる感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写
真感光材料である。該感光性層は青色光、緑色光、およ
び赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であ
り、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、
一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色
性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しか
し、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一
感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順を
もとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらに
は、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含
まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハ
ロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045
に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の
2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配
列するのが好ましい。また、特開昭57-112751 、同62-
200350、同62-206541 、62-206543 に記載されているよ
うに支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い
側に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0033】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55-34932号公報に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列す
ることもできる。また特開昭56-25738号、同62-63936号
に記載されているように、支持体から最も遠い側から青
感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもでき
る。また特公昭49-15495号に載されているように上層を
最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれより
も低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも
更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体
に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層
から構成される配列が挙げられる。このような感光度の
異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-202464
号に記載されているように、同一感色性層中において支
持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低
感度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高感度乳
剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳
剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されてい
てもよい。 また、4層以上の場合にも、上記の如く配
列を変えてよい。色再現性を改良するために、US 4,66
3,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開昭62-160448
、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主
感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(C
L) を主感光層に隣接もしくは近接して配置することが
好ましい。
【0034】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ
塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいの
は約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ
臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロ
ゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規
則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な
結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するも
の、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の
粒径は、約 0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約
10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤
でも単分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン
化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22 〜23
頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and type
s)”、および同No. 18716 (1979 年11月), 648 頁、
同No.307105(1989年11月),863 〜865 頁、およびグラフ
キデ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社刊(P.
Glafkides, Chemie et Phisique Photographique, Paul
Montel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォー
カルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion
Chemistry,Focal Press, 1966) 、ゼリクマンら著「写
真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L.Z
elikman, et al., Making and Coating Photographic E
mulsion, Focal Press,1964)などに記載された方法を用
いて調製することができる。
【0035】US 3,574,628、同 3,655,394およびGB 1,4
13,748に記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutof
f, Photographic Science and Engineering)、第14巻
248〜257頁(1970年);US 4,434,226、同 4,414,310、
同 4,433,048、同 4,439,520およびGB 2,112,157に記載
の方法により簡単に調製することができる。結晶構造は
一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成か
らなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エ
ピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が
接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などの
ハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。ま
た種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。上記の
乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、
粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれ
にも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤
であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭 6
3-264740に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であっ
てもよく、この調製方法は特開昭59-133542に記載され
ている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって
異なるが、3 〜40nmが好ましく、5 〜20nmが特に好まし
い。
【0036】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRD(リサーチ ディス
クロジャー)No. 17643 、同No. 18716 および同No.307
105 に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまと
めた。本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤
の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の
形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上
の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
US 4,082,553に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子、US 4,626,498、特開昭 59-214852に記載の粒子
内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀を感光
性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的に非感光性
の親水性コロイド層に適用することが好ましい。粒子内
部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光
材料の未露光部および露光部を問わず、一様に(非像様
に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいい、
その調製法は、US 4,626,498、特開昭 59-214852に記載
されている。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハ
ロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、ハ
ロゲン組成が異なっていてもよい。粒子内部または表面
をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることがで
きる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の平均粒
子サイズとしては0.01〜0.75μm 、特に0.05〜0.6 μm
が好ましい。また、粒子形状は規則的な粒子でもよく、
多分散乳剤でもよいが、単分散性(ハロゲン化銀粒子の
重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40
%以内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0037】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好
ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン
化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表
面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も
不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立
ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベン
ゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または
亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好
ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイ
ド銀を含有させることができる。本発明の感光材料の塗
布銀量は、6.0g/ m2以下が好ましく、4.5g/ m2以下が最
も好ましい。
【0038】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5. 光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6. バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 7. 可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8. 塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9. スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10. マツト剤 878 〜879 頁
【0039】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わさ
れるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされる
カプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037Aのクレーム1
の式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム
1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開
平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラ
ー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー
(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表
わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41 頁)); US
4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わ
されるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラ
ム19))。 マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-
68(12 頁右下),L-77(13頁右下); EP 456,257 の[A-4]-6
3(134頁),[A-4]-73,-75(139頁); EP 486,965 のM-4,-6
(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19 頁);特開平
5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の段落0237のM-
22。 シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,1
4,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),3
4,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385
の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプ
ラー。 ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
【0040】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁
に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエ
ローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EP
に記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202
頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069
に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム
8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、
WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマ
スキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ま
しい。現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物
残基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以
下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 37
8,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わ
される化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36
頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP436,93
8A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-4
9(51 頁))、EP 568,037A の式(1) で表わされる化合物
(特に(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の
式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-
(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の
式(I),(I')で表わされる化合物(特に61頁の(60),(6
1)) 及び特開平6-59411 の請求項1の式(I) で表わされ
る化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合物:US
4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化
合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色
素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1
〜6;蛍光色素放出化合物:US4,774,181のクレーム1のC
OUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合
物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US
4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされ
る化合物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,637A2の
75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基
を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I)
で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19)
【0041】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,
16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,199,
363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャ
ー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わ
される化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜
5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4
頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24
〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特に
III-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-
2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,
42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させ
る素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-4
6; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁
のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の
17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式
(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-
214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜7
6),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合
物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-2
4,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載
の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US
4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,
9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,79
3のカラム6 〜16のI-1 〜(14),特にI-1,60,(2),(13), U
S 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36:
化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5-40324 の化合物50;染料: 特開平3-156450の15〜18
頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29
頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-
1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28
頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26の
Dye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の
化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ない
し(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,26
8,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜1
0), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜
(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式
(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜
9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(6
6)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1
〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物
(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0042】本発明の装置及び方法は、カラー、黒白等
の如何なる撮影用感光材料にも適用することができる
が、カラーネガフィルム及びカラー反転フィルムに適用
する場合が好ましく、とりわけ、カラーネガフィルムへ
の適用がより好ましい。また、特公平2-32615 、実公平
3-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット
用に好適である。本発明に使用できる適当な支持体は、
例えば、前述のRD.No. 17643 の28頁、同No. 18716
の 647頁右欄から 648頁左欄、および同No.307105 の 8
79頁に記載されている。
【0043】本発明に係る感光材料の膜膨潤速度T1/2
は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。T
1/2 は、発色現像液で30℃、3 分15秒処理した時に到達
する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたとき、膜厚そ
のが1/2 に到達するまでの時間と定義する。膜厚は、25
℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味
し、T1/2 は、エー・グリーン(A.Green)らのフォトグ
ラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング
(Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124 〜129 頁に記載の
型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測
定できる。T1/2 は、バインダーとしてのゼラチンに硬
膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変える
ことによって調整することができる。また、膨潤率は 1
50〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件
下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)
/膜厚 により計算できる。
【0044】本発明に係る感光材料は、乳剤層を有する
側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm 〜20μm の親水
性コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バイン
ダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有さ
せることが好ましい。このバック層の膨潤率は150 〜50
0 %が好ましい。本発明に係る感光材料は、乳剤層を有
する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm 〜20μm の
親水性コロイド層(バック層と称す)を設けることが好
ましい。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルタ
ー染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バ
インダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含
有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は150
〜500 %が好ましい。
【0045】本発明に係る感光材料は、前述のRD.N
o. 17643 の28〜29頁、同No. 18716の 651左欄〜右欄、
および同No. 307105の880 〜881 頁に記載された通常の
方法によって現像処理することができる。
【0046】本発明に係る感光材料をカラーネガフィル
ムとして使用する場合の支持体は、国際公開特許WO9
0/04205号公報、FIG.1Aに記載された磁気
記録層を有するものが好ましい。このような磁気記録層
とは、磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしく
は有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。
本発明で用いられる磁性体粒子は、γFe2O3 などの強磁
性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、、Co
含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、
強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、
Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着
γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状と
しては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれで
もよい。比表面積では SBET で20m2/g以上が好ましく、
30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)
は、好ましくは 3.0×104 〜 3.0×105A/mであり、特に
好ましくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mである。強磁性体
粒子を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材によ
る表面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開
平6-161032に記載された如くその表面にシランカップリ
ング剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。
又特開平4-259911、同5-81652 号に記載の表面に無機、
有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0047】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解
性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導
体など)およびそれらの混合物を使用することができ
る。上記の樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均分子量
は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セ
ルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルローストリプロピオネートなどの
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特に
セルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダ
ーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の
架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシア
ネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネ
ート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリ
レンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1m
olの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮
合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、
例えば特開平6-59357 に記載されている。
【0048】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、特開平6-35092 に記載されている方法のよう
に、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好
ましく併用も好ましい。特開平5-088283に記載の分散剤
や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の
厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜 5μ
m、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体粒
子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:100
からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁性
体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2、好ましくは0.01〜 2
g/m2、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2である。磁気記
録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.
03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。
磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によ
って全面またはストライプ状に設けることができる。磁
気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレ
ード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、
トランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、ス
プレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利
用でき、特開平5-341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0049】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同
5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されてい
る。
【0050】支持体の素材としては、特開平4−124
636号第5頁右上欄第1行〜第6頁右上欄第5行に記
載の各種プラスチックフィルムも使用でき、好ましいも
のとしては、セルロース誘導体(例えばジアセチル−,
トリアセチル−,プロピオニル−,ブタノイル−,アセ
チルプロピオニル−アセテート)や特公昭48−404
14号に記載のポリエステル(例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が挙げら
れる。本発明に係る感光材料として、カラーネガフィル
ムを使用する場合に使用されるフィルムの支持体は、よ
り高い液切り効果が得られ、次工程への前浴成分の混入
を減らせることから、ポリエチレンテレフタレートや、
機能材料,1991年,2月号,20〜28頁に記載の
ポリエチレンナフタレートが好ましい。
【0051】次に本発明に好ましく用いられるポリエス
テル支持体について記すが、後述する感材、処理、カー
トリッジ及び実施例なども含め詳細については、公開技
報、公技番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載され
ている。本発明に用いられるポリエステルはジオールと
芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族
ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及
び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げら
れる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキ
サンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙
げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステ
ルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,
6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000
ないし 200,000である。本発明のポリエステルのTgは50
℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0052】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しな
がら熱処理してもよい。この熱処理時間は、 0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時
間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施して
もよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。
表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無
機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端
部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻
芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望
ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、
バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布
後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防
止剤塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤
を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、
三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエ
ステル用として市販されている染料または顔料を練り込
むことにより目的を達成することが可能である。
【0053】次に、本発明では支持体と感材構成層を接
着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面
活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいの
は、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処
理である。次に下塗法について述べると、単層でもよく
2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、
アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から
選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとし
て、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼ
ラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支
持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロル
フェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としては
クロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルム
アルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネ
ート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリ
ン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることが
できる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤
として含有させてもよい。
【0054】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、 Z
nO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、 MgO、 BaO、
MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率
が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下であ
る粒子サイズ 0.001〜 1.0μm結晶性の金属酸化物ある
いはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C など)の微
粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合
酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、 5〜
500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2であ
る。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバイン
ダーの量の比は1/300 〜 100/1が好ましく、より好まし
くは 1/100〜 100/5である。
【0055】本発明に適用される感光材料には滑り性が
ある事が好ましい。滑り剤含有層は感光層面、バック面
ともに用いることが好ましい。好ましい滑り性としては
動摩擦係数で0.25以下0.01以上である。この時の測定は
直径 5mmのステンレス球に対し、 60cm/分で搬送した時
の値を表す(25℃、60%RH)。この評価において相手材
として感光層面に置き換えてももほぼ同レベルの値とな
る。本発明に使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノ
シロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高
級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオ
ルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、
ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサ
ン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いることがで
きる。添加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ま
しい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を
有するエステルが好ましい。
【0056】本発明の感光材料にはマット剤を添加する
ことが好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面と
どちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に
好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性で
もよく、好ましくは両者を併用することである。例えば
ポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレー
ト/メタクリル酸= 9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレ
ン粒子などが好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好
ましく、その粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径
の 0.9〜 1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有される
ことが好ましい。又 マット性を高めるために 0.8μm
以下の微粒子を同時に添加することも好ましく例えばポ
リメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタ
クリレート/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μ
m))、ポリスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリ
カ(0.03μm)が挙げられる。
【0057】また、本発明に係る感光材料を収納する包
装体(パトローネ)は、現用あるいは公知のいかなるも
のでもよいが、特には米国特許第4,834,306 号のFig.1
〜Fig.3に記載の形状のものや、米国特許第4,846,418
号のFig.1〜Fig.3に記載のもの、或いは、米国特許第
5,296,887 号のFig.1〜Fig.7に記載のものが好まし
い。本発明に使用されるフィルムのフォーマットは日本
工業規格「JIS.K-7519(1982 年」に定める135 型をはじ
め、特開平4-123047号、同4-123059号、同4-123051号、
同4-125560号、同4-156450号、同4-287040号に記載のフ
ォーマットのほか、公知のいかなるものも使用できる。
【0058】本発明においては、処理、乾燥後の感光材
料をロール状にしてカートリッジに収納することが好ま
しい。収納するカートリッジとしては、米国特許第5,25
1,840 号、同5,296,887 号、特開平4-121739号、同4-12
3047号、同4-123059号、同4-125560号、同4-287040号、
同6-19051 号、同6-19062 号、同6-35123 号に記載のカ
ートリッジ及び/又はパトローネが好ましいが、これら
に限定されるものではない。尚、その中でも米国特許5,
296,887 号に記載のカートリッジが特に好ましい。以下
に本発明において好ましいカートリッジの特徴を記す
が、これらに限定されるものではない。 ・処理後の感光材料をロール状にしてカートリッジに収
納することが好ましく、特には乳剤面を内側にしてロー
ル状にカートリッジに収納する事が好ましい。 ・収納するカートリッジの形状に特には制限はないが、
感光材料が接する内壁は感光材料ロールの外周に沿った
円柱状のものが、感光材料に不要な折り目が付き難く好
ましい。 ・取り扱い性や保存性の点から、底辺が 1.0〜5.0cm2
つ高さが 1.0〜5.0cm 、特には底辺が 2.2〜3.8cm2かつ
高さが 3.0〜4.0cm である円柱状または角柱状のものが
好ましい。 ・収納専用のカートリッジを用いてもよく、或いは撮影
前の感光材料が収納されていたカートリッジ(パトロー
ネともいう)と同じ形状のカートリッジでもよく、更に
は、処理した感光材料そのものが撮影前に収納されてい
た同一のカートリッジに該感光材料を収納してもよい。 ・予めロール状にしたものを収納してもよく、或いは、
カートリッジ中のスプールに巻き取っていく収納方法で
もよい。この時、ロール中心側が最初に撮影された画像
部であっても、ロール外周側が最初に撮影された画像部
であっても構わない。 ・画像保存性(特に光褪色)の点から、遮光性のカート
リッジの方が好ましく、更にカートリッジから感光材料
が露出していない方が好ましい。 ・底面及び/又は上面が解放出来てもよく、円柱又は角
柱を縦割りにする方向に分割できるような形状でもよ
い。 ・カートリッジ外部に、単体及び/又は其以外のものと
ジョイントすることが出来る突起及び/又は溝を有して
もよい。 ・スプールを有するカートリッジにおいては、取り扱い
性の点からスプールがカートリッジ本体から突出してい
ない方が好ましい。
【0059】本発明においては、フィルムパトローネの
主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ましい
プラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本
発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよ
くカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニ
オン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー
等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止さ
れたパトローネは特開平1-312537、同1-312538に記載さ
れている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好
ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与
するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプ
ラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは
現在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化に
は、現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm
以下とすることも有効である。パトローネのケースの容
積は、30cm3以下好ましくは 25cm3以下とすることが好
ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用され
るプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0060】更に本発明で用いられるフィルムパトロー
ネは、スプールを回転してフイルムを送り出すパトロー
ネでもよい。またフイルム先端がパトローネ本体内に収
納され、スプール軸をフイルム送り出し方向に回転させ
ることによってフイルム先端をパトローネのポート部か
ら外部に送り出す構造でもよい。これらはUS 4,834,30
6、同 5,226,613に開示されている。本発明に用いられ
る写真フイルムは現像前のいわゆる生フイルムでもよい
し、現像処理された写真フイルムでもよい。又、生フイ
ルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パトローネに収
納されていてもよいし、異なるパトローネでもよい。
【0061】本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料
には処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内
蔵しても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種
プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第
3,342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第 3,3
42,599号、リサーチ・ディスクロージャー No.14,850及
び同No.15,159 に記載のシッフ塩基型化合物、同13,924
号記載のアルドール化合物、米国特許第 3,719,492号記
載の金属塩錯体、特開昭53-135628 号記載のウレタン系
化合物を挙げることができる。本発明に係るハロゲン化
銀カラー感光材料は、必要に応じて、発色現像を促進す
る目的で、各種の1-フェニル-3- ピラゾリドン類を内蔵
しても良い。典型的な化合物は特開昭56-64339号、同57
-144547 号、および同58-115438号等に記載されてい
る。
【0062】本発明の処理装置及び処理方法において、
漂白能を有する処理液に好ましく用いられる一般式
(I)及び/又は一般式(II)で表される化合物につい
て説明する。 一般式(I)
【0063】
【化1】
【0064】(式中、Y1 は芳香族炭化水素環又は複素
環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R1 は置
換基を表す。nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整
数を表す場合にはR1 は同じであってもよく異なってい
てもよい。X1 は水素原子又は−L1 −A2 を表す。X
2 は水素原子又は−L4 −A4 を表す。L1 、L3 及び
4 はそれぞれアルキレン基又はアリーレン基を表す。
1 は二価の連結基を表す。A1 、A2 、A3 、A4
びA5 はそれぞれカルボン酸もしくはその塩、スルホン
酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、ヒドロ
キシ基、ヒドロキシアルキル基、カルバモイル基、アシ
ルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基又はアミノ基を表す。) 一般式(II)
【0065】
【化2】
【0066】(式中、R1 は脂肪族炭化水素基、アリー
ル基またはヘテロ環基を表す。R2 は水素原子、脂肪族
炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
1 、L2、L3 、L4 およびL5 は、それぞれアルキ
レン基を表す。mおよびnは、それぞれ0または1を表
す。W1 およびW2 は、それぞれアルキレン基、アリー
レン基、アラルキレン基または二価の含窒素ヘテロ環基
を表す。Dは単結合、−O−、−S−または−N(Rw
) −を表す。Rw は水素原子、脂肪族炭化水素基また
はアリール基を表す。vは0〜3の整数を表し、wは1
〜3の整数を表す。M1、M2 、M3 およびM4 は、そ
れぞれ水素原子またはカチオンを表す。)
【0067】本発明の一般式(I)で表される化合物の
うち、Y1 が、フェニレン基を形成する原子団であり、
1 が−L1 −A2 であり、X2 が−L4 −A4 であ
り、A1 〜A5 が、カルボン酸もしくはその塩であり、
1 、L3 及びL4 がそれぞれC数1〜3のアルキレン
基であり、W1 が、C数2〜4のアルキレン基であり、
1 が、ハロゲン原子、C数1〜4のアルキル基、C数
1〜4のアルコキシ基、C数1〜4のアミノ基、C数2
〜4のアシルアミノ基、C数1〜4のスルホンアミド
基、C数0〜4のスルファモイル基、C数1〜4のアル
キルチオ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基ま
たはホスホノ基であり、nが、0又は1である化合物が
特に好ましい。以下、一般式(I)で表わされる化合物
の具体例を示すがこれらに限定されるものではない。
【0068】
【化3】
【0069】
【化4】
【0070】
【化5】
【0071】
【化6】
【0072】本発明に係る一般式(I)で表される化合
物の金属キレート化合物(単に本発明に係る金属キレー
ト化合物ということあり)において配位子となる一般式
(I)で表される化合物は、市販されているものの他
に、例えば「ジャーナル オブジ アメリカン ソサエ
ティ」(Journal of the American Chemical Society)
,80 ,800(1958)などを参考にして合成して得ることが
できる。例えば、アントラニル酸誘導体にハロゲン置換
のカルボン酸誘導体を反応させる方法、ハロゲン置換芳
香族誘導体のハロゲン原子をジアミン誘導体で置換した
後、ハロゲン置換のアルキルカルボン酸と反応させるこ
とにより合成できる。一般式(I)で表される化合物
は、例えば、欧州特許公開第530828A1号に記載
されている。
【0073】また、以下に一般式(II)で表される化合
物の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではな
い。
【0074】
【化7】
【0075】
【化8】
【0076】
【化9】
【0077】
【化10】
【0078】
【化11】
【0079】上記化合物は塩の形で使用してもよい。本
発明の一般式(II)で表される化合物は、例えばインオ
ーガニック ケミストリー 第8巻(第6号)1374
頁(1969年)(Inorganic Chemis
try,8(6),1374(1969).)記載の方
法に準じて合成できる。
【0080】一般式(II)の構造上の特徴は、アミノポ
リカルボン酸のカルボキシル基とNの間に分岐型のアル
キレン基を導入した点である。これまで、N,N’間ア
ルキレン鎖を分岐状にしたものは開示されているが(特
開平3−192254号等)、カルボキシル基とN間と
いう特定の部位に分岐アルキレン基を導入することによ
り優れた処理性能が得られることは、予想しがたいこと
である。
【0081】本発明に係る金属キレート化合物に使用さ
れる中心金属としては例えばFe(III)、Mn(III)、Co
(III)、Rh(II) 、Rh(III)、Au(III)、Au(II) 、Ce
(IV)などがあげられる。好ましくはFe(III)である。本
発明の金属キレート化合物は一般式(I)及び/又は
(II)で表される化合物と金属塩を反応させることで合
成することができる。一般式(I)及び/又は(II)で
表される化合物と反応させる金属塩としては、例えば、
硫酸第二鉄塩、塩化第二鉄塩、硝酸第二鉄塩、硫酸第二
鉄アンモニウム、燐酸第二鉄塩、酸化第二鉄などが挙げ
られる。
【0082】本発明においては、漂白能を有する処理液
中の金属キレート化合物は、単独で使用しても2種以上
併用してもよいが、金属キレート化合物を形成する化合
物の20モル%以上が、上記一般式(I)及び/又は
(II)で表される化合物で占められることが好ましく、
より好ましくは25〜100モル%、最も好ましくは3
5〜100%を占めることがよい。
【0083】本発明に係る金属キレート化合物は、金属
キレート化合物として単離したものを用いてもよいし、
一般式(I)及び/又は(II)で表わされる化合物と金
属塩、例えば、硫酸第二鉄塩、塩化第二鉄塩、硝酸第二
鉄塩、燐酸第二鉄塩などとを、溶液中で反応させて使用
してもよい。一般式(I)及び/又は(II)で表わされ
る化合物は金属イオンに対してモル比で1.0以上で用
いられる。この比は金属キレート化合物の安定度が低い
場合には大きいほうが好ましく、通常1から30の範囲
で用いられる。
【0084】本発明に係る金属キレート化合物は漂白能
を有する処理液に上述のように処理液1リットル当り、
0.003〜1.00モル/リットルの範囲が適当であ
り、0.01〜0.50モル/リットルの範囲が好まし
く、より好ましくは0.05〜0.40モル/リットル
の範囲である。また、定着液や発色現像と脱銀工程の間
の中間浴に少量含有させてもよい。漂白剤としては、一
般式(I)及び/又は一般式(II)で表される金属キレ
ート化合物が好ましく用いられるが、既知の漂白剤を単
独使用又は併用してもよい。単独使用又は併用できる漂
白剤としては、例えば鉄(III)などの多価金属の化合
物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。
代表的漂白剤としては鉄(III)の有機錯塩、例えばエチ
レンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シ
クロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、グ
リコールエーテルジアミン四酢酸、特開平4−1217
39号、第4ペ−ジ右下欄から第5ペ−ジ左上欄の1,
3−プロピレンジアミン四酢酸鉄錯塩をはじめとする漂
白剤、特開平4−73647号に記載のカルバモイル系
の漂白剤、特開平4−174432号に記載のヘテロ環
を有する漂白剤、N−(2−カルボキシフェニル)イミ
ノ二酢酸第二鉄錯塩をはじめとする欧州特許公開第52
0457号に記載の漂白剤、欧州特許公開第50147
9号に記載の漂白剤、欧州特許公開第567126号に
記載の漂白剤、特開平4−127145号に記載の漂白
剤、特開平3−144446号公報の(11)ページに
記載のアミノポリカルボン酸第二鉄塩又はその塩を挙げ
ることができるがこれらに限定されるものではない。
【0085】漂白能を有する処理液に含有される漂白剤
としては、赤血塩、塩化第二鉄、重クロム酸塩、過硫酸
塩、臭素酸塩、過酸化水素等の無機酸化剤の他、有機酸
鉄(III)錯塩が知られている。
【0086】本発明に用いられる漂白能を有する処理液
に含有される有機酸鉄(III)錯塩はアルカリ金属塩又は
アンモニウム塩として用いてもよい。アルカリ金属塩と
してはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等、アン
モニウム塩としては、アンモニウム塩、テトラエチルア
ンモニウム塩等を挙げることが出来る。
【0087】本発明において、漂白能を有する処理液の
漂白剤として、上述した有機酸鉄(III)錯塩からなる漂
白剤に加え、上述した無機酸化剤を漂白剤として併用し
てもよい。無機酸化剤を併用する場合には鉄(III)錯塩
の総濃度としては0.005〜0.050モル/リット
ルの範囲が好ましい。
【0088】本発明においては、像様露光された感光材
料は、発色現像液で処理され、脱銀処理され、その後に
水洗及び/又は安定液で処理される。脱銀処理は、基本
的には漂白能を有する処理液で漂白処理した後、定着能
を有する処理液で定着処理される。このように漂白処理
と定着処理は個別に行なわれてもよいし、漂白能と定着
能を兼ね備えた漂白定着液で同時に行なわれてもよい
(漂白定着処理)。これらの漂白処理、定着処理及び漂
白定着処理は、それぞれ、1槽でもよいし、2槽以上で
あってもよい。
【0089】本発明における漂白能を有する処理液と
は、脱銀工程に用いられる処理液のうち、漂白剤を含有
する処理液のことを意味し、具体的には、漂白液と漂白
定着液をいう。本発明においては、その効果を顕著に発
揮する点から漂白能を有する処理液が漂白定着液である
ことが好ましい。また、定着能を有する処理液とは、脱
銀工程に用いられる処理液のうち、定着剤を含有する処
理液のことを意味し、具体的には、定着液と漂白定着液
をいう。本発明における脱銀処理の具体的な態様を以下
にあげるがこれらに限定されるものではない。 1.漂白−定着 2.漂白定着 3.漂白−漂白定着 4.漂白定着−漂白定着 5.漂白−漂白定着−定着 6.漂白−漂白定着−漂白定着 7.漂白−定着−定着 8.漂白−定着−漂白定着 9.漂白定着−定着 10.漂白定着−漂白 尚、これらの処理の間には任意、水洗工程をもうけても
よい。本発明においては、その効果を顕著に発揮する観
点から上記2.が最も好ましい。
【0090】本発明において、漂白能を有する処理液の
補充量は感光材料1m2 当り10〜1000mlに設定さ
れるが、好ましくは20〜800mlであり、更には、3
0〜450mlに低補充化したときが特に好ましい。本発
明における漂白能を有する処理液での処理温度は20〜
55℃、好ましくは30〜50℃である。処理時間は、
迅速性の観点から10秒〜2分の範囲が好ましく、特に
20秒〜1分30秒の範囲が好ましい。
【0091】漂白能を有する処理液は漂白剤として一般
式(I)及び/又は一般式(II)で表される金属キレー
ト化合物を好ましく含有する他、銀の酸化を促進する為
の再ハロゲン化剤として、塩化物、臭化物、ヨウ化物の
如きハロゲン化物を加えるのが好ましい。また、ハロゲ
ン化物の代わりに難溶性銀塩を形成する有機性配位子を
加えてもよい。ハロゲン化物はアルカリ金属塩あるいは
アンモニウム塩、あるいはグアニジン、アミンなどの塩
として加える。具体的には臭化ナトリウム、臭化アンモ
ニウム、塩化カリウム、塩酸グアニジン、臭化カリウ
ム、塩化カリウム等がある。本発明の漂白能を有する処
理液において再ハロゲン化剤の量は2モル/リットル以
下が適当であり、漂白液の場合には0.01〜2.0モ
ル/リットルが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.
7モル/リットルであり、特に好ましくは0.1〜0.
6モル/リットルである。漂白定着液においては、0.
001〜2.0モル/リットルが好ましく、0.001
〜1.0モル/リットルが更に好ましく、0.001〜
0.5モル/リットルが特に好ましい。
【0092】本発明による漂白能を有する処理液又はそ
の前浴には、漂白促進剤、処理浴槽の腐食を防ぐ腐食防
止剤、液のpHを保つための緩衝剤、蛍光増白剤、消泡
剤などが必要に応じて添加される。漂白促進剤について
は、例えば、米国特許第3,893,858号明細書、
ドイツ特許第1,290,821号明細書、英国特許第
1,138,842号明細書、特開昭53−95630
号公報、リサーチ・ディスクロージャー第17129号
(1978年7月号)に記載のメルカプト基またはジス
ルフィド基を有する化合物、特開昭50−140129
号公報に記載のチアゾリジン誘導体、米国特許第3,7
06,561号明細書に記載のチオ尿素誘導体、特開昭
58−16235号公報に記載の沃化物、ドイツ特許第
2,748,430号明細書に記載のポリエチレンオキ
サイド類、特公昭45−8836号公報に記載のポリア
ミン化合物などを用いることができる。更に、米国特許
第4,552,834 号に記載の化合物も好ましい。これらの漂
白促進剤は感光材料中に添加してもよい。撮影用のカラ
ー感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は
特に有効である。特に好ましくは英国特許第1,13
8,842号明細書、特開平2−190856号に記載
のようなメルカプト化合物が好ましい。
【0093】本発明における漂白能を有する処理液に
は、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸(以下、
単にジカルボン酸化合物という)含有させることが好ま
しい。ジカルボン酸化合物としては、1分子中にカルボ
キシル基を2個以上有する飽和炭化水素化合物、不飽和
炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、複素環化合物
が挙げられ、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、アスパラギン
酸、クエン酸、2、6−ピリジンジカルボン酸などが挙
げられる。これらは、2種〜4種組み合わせて用いても
よい。本発明における漂白能を有する処理液には、ジカ
ルボン酸化合物の他、酢酸、グリコール酸、プロピオン
酸等pKa2.0〜5.5の有機酸を使用することがで
きる。有機酸は単独で使用しても併用してもよく、バッ
ファー剤として0.05〜2.0モル/リットル含有す
ることが好ましく、0.1〜1.5モル/リットル含有
することがより好ましい。本発明におけるpKaは酸解
離定数の逆数の対数を表し、イオン強度0.1モル/リ
ットル、25℃で求められた値を示す。pKa2.0〜
5.5の有機酸の具体例としては、特開平3−1071
47号公報第5頁右下欄第2行目〜第6頁左上欄第10
行目に記載されている化合物が挙げられる。本発明にお
いては、ジカルボン酸以外で臭気の強い酢酸やプロピオ
ン酸等pKa2.0〜5.5の有機酸は、処理浴の液
(感光材料が直接触れる処理液)中の濃度として0.0
〜0.5モル/リットル、特には0.0〜0.3モル/
リットルの範囲にすることが作業環境の点で好ましい。
【0094】本発明に用いる漂白液或いは漂白定着液の
pHは2.0〜8.0、好ましくは3.0〜7.5であ
る。撮影用感光材料において発色現像後直ちに漂白或い
は漂白定着を行う場合には、漂白カブリ等を抑えるため
に液のpHを7.0以下、好ましくは6.4以下で用い
るのが良い。特に漂白液の場合には3.0〜5.0が好
ましい。pH2.0以下では、本発明になる金属キレー
トが不安定となり易く、pH2.0〜6.4が好まし
い。カラープリント材料ではpH3〜7の範囲が好まし
い。 このためのpH緩衝剤としては、漂白剤による酸
化を受け難く、上記pH範囲で緩衝作用のあるものであ
ればどのようなものでも用いることができる。例えば上
述のジカルボン酸化合物、酢酸、グリコール酸、乳酸、
プロピオン酸、酪酸、リンゴ酸、クロロ酢酸、レブリン
酸、ウレイドプロピオン酸、ギ酸、ピルビン酸、イソ酪
酸、ピバル酸、アミノ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、アス
パラギン、アラニン、アルギニン、エチオニン、グリシ
ン、グルタミン、システイン、セリン、メチオニン、ロ
イシン、ヒスチジン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、
ニコチン酸等の有機酸類、ピリジン、ジメチルピラゾー
ル、2−メチル−o−オキサゾリン、アミノアセトニト
リル、イミダゾール等の有機塩基類等が挙げられる。こ
れら緩衝剤は複数のものを併用しても良い。
【0095】漂白能を有する処理液のpHを前記領域に
調節するには、前記の酸とアルカリ剤(例えば、アンモ
ニア水、KOH、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、イミダゾール、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン)を併用してもよい。なかでも、アンモニア
水、KOH、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
が好ましい。
【0096】また、腐食防止剤としては、特開平3−3
3847号公報に記載されているように硝酸塩を用いる
のが好ましく、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウムや硝
酸カリウムなどが用いられる。その添加量は、0.01
〜2.0モル/リットル、好ましくは0.05〜0.5
モル/リットルである。
【0097】近年の地球環境の保全に対する認識の高ま
りから、環境中に排出される窒素原子を低減させる努力
が行なわれている。そのような観点からすると本発明の
処理液にも実質上アンモニウムイオンを含まないことが
望まれる。尚、本発明において、実質上アンモニウムイ
オンを含まないとは、アンモニウムイオンの濃度が0.
1モル/リットル以下の状態をさし、好ましくは0.0
8モル/リットル以下、より好ましくは0.01モル/
リットル以下、特に好ましくは全く含有しない状態を表
わす。アンモニウムイオン濃度を本発明の領域に減少す
るには、代わりのカチオン種としてアルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオンが好ましく、特にアルカリ
金属イオンが好ましく、中でも特にリチウムイオン、ナ
トリウムイオン、カリウムイオンが好ましいが、具体的
には、漂白剤としての有機酸第二鉄錯体のナトリウム塩
やカリウム塩、漂白能を有する処理液中の再ハロゲン化
剤としての臭化カリウム、臭化ナトリウムの他、硝酸カ
リウム、硝酸ナトリウム等が挙げられる。また、pH調
整用に使用するアルカリ剤としては、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が
好ましい。
【0098】本発明に用いられる漂白能を有する処理液
は、処理に際し、エアレーションを実施することが写真
性能をきわめて安定に保持するので特に好ましい。エア
レーションには当業界で公知の手段が使用でき、漂白能
を有する処理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを
利用した空気の吸収などが実施できる。空気の吹き込み
に際しては、微細なポアを有する散気管を通じて、液中
に空気を放出させることが好ましい。このような散気管
は、活性汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されて
いる。エアレーションに関しては、イーストマン・コダ
ック社発行のZ−121、ユージング・プロセス・C−
41第3版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記
載の事項を利用できる。本発明の漂白能を有する処理液
を用いた処理に於いては、攪拌が強化されていることが
好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の
第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容
が、そのまま利用できる。
【0099】また、本発明に係る漂白能を有する処理液
は、処理に使用後のオーバーフロー液を回収し、成分を
添加して組成を修正した後、再利用することが出来る。
このような使用方法は、通常、再生と呼ばれるが、本発
明はこのような再生も好ましくできる。再生の詳細に関
しては、富士写真フイルム株式会社発行の富士フイルム
・プロセシングマニュアル、フジカラーネガティブフィ
ルム、CN−16処理(1990年8月改訂)第39頁
〜40頁に記載の事項が適用できる。本発明に係る漂白
能を有する処理液を調整するためのキットは、液体でも
粉体でも良いが、アンモニウム塩を排除した場合、ほと
んどの原料が粉体で供給され、また吸湿性も少ないこと
から、粉体を作るのが容易になる。上記再生用のキット
は、廃液量削減の観点から、余分な水を用いず、直接添
加できることから、粉体が好ましい。
【0100】漂白能を有する処理液の再生に関しては、
前述のエアレーションの他、「写真工学の基礎−銀塩写
真編−」(日本写真学会編、コロナ社発行、1979
年)等に記載の方法が使用できる。具体的には電解再生
の他、臭素酸や亜鉛素酸、臭素、臭素プレカーサー、過
硫酸塩、過酸化水素、触媒を利用した過酸化水素、亜臭
素酸、オゾン等による漂白液の再生方法が挙げられる。
電解による再生においては、陰極及び陽極を同一漂白浴
に入れたり、或いは隔膜を用いて陽極槽と陰極槽を別浴
にして再生してりするほか、やはり隔膜を用いて漂白液
と現像液及び/又は定着液を同時に再生処理したりする
ことができる。定着液、漂白定着液の再生は、蓄積する
銀イオンを電解還元することでおこなわれる。その他、
蓄積するハロゲンイオンを陰イオン交換樹脂により除去
することも、定着性能を保つ上で好ましい。
【0101】尚、脱銀工程における定着剤としては、一
般にチオ硫酸アンモニウムが使用されてきたが、公知の
他の定着剤、例えば、メソイオン系化合物、チオエーテ
ル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物、ハイポ等に置
き換えてもよい。これらについては、特開昭60-61749
号、同60-147735 号、同64-21444号、特開平1-201659
号、同1-210951号、同2-44355 号、米国特許第4,378,42
4 号等に記載されている。例えば、チオ硫酸アンモニウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸
グアニジン、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸
ナトリウム、チオシアン酸カリウム、ジヒドロキシエチ
ル−チオエーテル、3,6−ジチア−1,8−オクタン
ジオール、イミダゾール等が挙げられる。なかでもチオ
硫酸塩やメソイオン類が好ましい。迅速な定着性の観点
からはチオ硫酸アンモニウムが好ましいが、前述したよ
うに環境問題上、処理液に実質上アンモニウムイオンを
含まないようにする観点からはチオ硫酸ナトリウムやメ
ソイオン類が更に好ましい。更には、二種類以上の定着
剤を併用する事で、更に迅速な定着を行うこともでき
る。例えば、チオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウ
ムに加えて、前記チオシアン酸アンモニウム、イミダゾ
ール、チオ尿素、チオエーテル等を併用するのも好まし
く、この場合、第二の定着剤はチオ硫酸アンモニウムや
チオ硫酸ナトリウムに対し0.01〜100モル%の範
囲で添加するのが好ましい。
【0102】定着剤の量は漂白定着液もしくは定着液1
リットル当り0.1〜3.0モル、好ましくは0.5〜
2.0モルである。定着液のpHは定着剤の種類による
が、一般的には3.0〜9.0であり、特にチオ硫酸塩
を用いる場合には、5.8〜8.0が安定な定着性能を
得る上で好ましい。
【0103】漂白定着液や定着液には、保恒剤を加え、
液の経時安定性を高めることも出来る。チオ硫酸塩を含
む漂白定着液あるいは定着液の場合には、保恒剤として
亜硫酸塩、および/またはヒドロキシルアミン、ヒドラ
ジン、アルデヒドの重亜硫酸塩付加物(例えば、アセト
アルデヒドの重亜硫酸付加物、特に好ましくは、特開平
3−158848号に記載の芳香族アルデヒドの重亜硫
酸付加物)が有効である。
【0104】また、本発明に係る金属キレート化合物を
含有する漂白定着液や定着液には、少なくとも一種のス
ルフィン酸およびその塩を含有することが好ましい。ス
ルフィン酸およびその塩の好ましい例としては、特開平
1−230039号、同1−224762号、同1−2
31051号、同1−271748号、同2−9164
3号、同2−251954号、同2−251955号、
同3−55542号、同3−158848号、同4−5
1237号、同4−329539号、米国特許第510
8876号、同4939072号、EP第255722
A号、同第463639号などに記載の化合物が挙げら
れ、より好ましくは置換されてもよいアリールスルフィ
ン酸またはその塩であり、更に好ましくは置換されても
よいフェニルスルフィン酸またはその塩である。置換基
としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10
のアリール基、炭素数1〜5のカルバモイル基、炭素数
1〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、スルフィン酸基、スルホン酸基、カルボン酸
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0105】本発明においては、定着能を有する処理液
におけるアンモニウムイオン濃度が0.0〜2.0モル
/リットルの範囲においてその効果を発揮するが、0.
0〜1.0モル/リットルの範囲が好ましく、更には
0.0〜0.5モル/リットルの範囲が好ましく、特に
はアンモニウムイオンを含まないような定着能を有する
処理液が好ましい。アンモニウムイオンも環境汚染要因
として排出規制がなされている現状からも、できるだけ
低濃度にすることが好ましい。また、本発明における定
着能を有する処理液の補充量は、感光材料1m2 当り1
0〜1000mlに設定されるが、好ましくは20〜80
0mlであり、更には、30〜500mlに低補充化したと
きが特に好ましい。本発明における定着能を有する処理
液での処理温度は20〜55℃、好ましくは30〜50
℃である。処理時間は、処理の迅速性の観点から10秒
から2分の範囲が好ましく、特に20秒〜1分30秒の
範囲が好ましい。
【0106】定着能を有する処理液には、各種の蛍光増
白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリド
ン、メタノール等の有機溶剤を含有させることができ
る。さらに定着能を有する処理液には処理液の安定化の
目的で各種アミノポリカルボン酸類や、有機ホスホン酸
類等のキレート剤の添加が好ましい。好ましいキレート
剤としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テ
トラキス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリメチレ
ンホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,
2−プロピレンジアミン四酢酸を挙げることができる。
また、定着能を有する処理液には液のpHを一定に保つ
ために、緩衝剤を添加するのも好ましい。例えば、リン
酸塩、あるいはイミダゾール、1−メチル−イミダゾー
ル、2−メチル−イミダゾール、1−エチル−イミダゾ
ールのようなイミダゾール類、トリエタノールアミン、
N−アリルモルホリン、N−ベンゾイルピペラジン等が
あげられる。
【0107】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は10秒〜
2分、更に好ましくは10秒〜1分30秒である。ま
た、処理温度は30℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃であ
る。好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、
かつ処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0108】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭 62-183460号に記載の感光材料の乳剤
面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭 62-1834
61号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には
液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させ
ながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化すること
によってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の
循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪
拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれに
おいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白
剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高める
ものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白
促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著
しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消
させることができる。
【0109】本発明に係る現像処理に用いる発色現像液
は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主
成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬
としては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、
p-フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、そ
の代表例としては、3-メチル-4- アミノ-N,N- ジエチル
アニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒド
ロキシエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル
-N- β- メタンスルホンアミドエチルアニリン、3-メチ
ル-4- アミノ-N- エチル- β- メトキシエチルアニリ
ン、4-アミノ-3-メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-
(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチ
ル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-
アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル
-N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキ
シブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル
-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3-エチ
ル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5-
ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N- エチル-N-(4-ヒドロ
キシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビ
ス(5-ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プ
ロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩など
が挙げられる。これらの中で、3-メチル-4- アミノ-N-
エチル-N -β- ヒドロキシエチルアニリン、4-アミノ-3
- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブ
チル)アニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β
- メタンスルホンアミドエチルアニリン及びこれらの塩
酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好まし
く、更には3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N -β- ヒド
ロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル
-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メ
チル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン及び
これらの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸
塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以上併
用することもできる。
【0110】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は発
色現像液1リットル当たり好ましくは0.0002モル
〜0.2モル、さらに好ましくは0.001モル〜0.
1モルである。
【0111】本発明において発色現像液には、ヒドロキ
シルアミンを実質的に含有しないことが好ましい。本発
明において実質的にヒドロキシルアミンを含まないと
は、ヒドロキシルアミンの濃度が0.01モル/リット
ル以下の状態をさし、好ましくは0.005モル/リッ
トル以下、より好ましくは0.001モル/リットル以
下、特に好ましくは全く含有しない状態を表わす。ヒド
ロキシルアミンの代わりの化合物として、アルキル基や
ヒドロキシアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシ
アルキル基などの置換基を有するヒドロキシルアミン誘
導体が好ましく、具体的にはN,N−ジ(スルホエチ
ル)ヒドロキルアミン、モノメチルヒドロキシルアミ
ン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキ
シルアミン、ジエチルヒドロキルアミン、N,N−ジ
(カルボキシエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。上
記の中でも、特にN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキ
ルアミンが好ましい。
【0112】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、
臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチ
アゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制
剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的である。ま
た必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロ
キシルアミンの他特開平3−144446号の一般式
(I)で表されるヒドロキシルアミン類、亜硫酸塩、N,
N-ビスカルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン
類、フェニルセミカルバジド類、トリエタノールアミ
ン、カテコールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールのような有機溶
剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四
級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素
形成カプラー、競争カプラー、1-フェニル-3−ピラゾリ
ドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカ
ルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン
酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレー
ト剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジア
ミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロ
キシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-
トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N-
テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o
- ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を代表例と
して挙げることができる。
【0113】本発明における発色現像液での処理温度は
20〜55℃、好ましくは30〜50℃である。処理時
間は、処理の迅速性の観点から10秒〜3分30秒、好
ましくは20秒〜2分30秒であり、更に好ましくは3
0秒〜1分30秒である。
【0114】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンやハイドロキノンモノスルホネートなどの
ジヒドロキシベンゼン類、1-フェニル-3- ピラゾリドン
や1-フェニル-4- メチル-4-ヒドロキシメチル-3- ピラ
ゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メチル-p-ア
ミノフェノールなどのアミノフェノール類など公知の黒
白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いることが
できる。これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜
12であることが一般的である。またこれらの現像液の補
充量は、感光材料1平方メートル当たり50〜600ミ
リリットルが好ましく、80〜300ミリリットルがよ
り好ましい。補充量を低減する場合には処理槽の空気と
の接触面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸
化を防止することが好ましい。
【0115】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm 2 ) 〕÷〔処
理液の容量(cm 3 ) 〕 上記の開口率は、0.1 以下であることが好ましく、より
好ましくは 0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平 1-82033号に記載さ
れた可動蓋を用いる方法を挙げることができる。また、
流動パラフィンのような処理液面を覆う液体や低酸化性
及び/又は非酸化性気体を処理液面に接触させる方法も
挙げられる。開口率を低減させることは、発色現像及び
黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例えば、
漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全ての工程
において適用することが好ましい。また、現像液中の臭
化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより補充
量を低減することもできる。
【0116】本発明に係る脱銀処理は、発色現像後に直
ちに行なうことが好ましいが、反転処理の場合には調整
浴(漂白促進浴、前漂白浴であってもよい。)等を介し
て行なうことが一般である。これらの調整浴に、前述の
画像安定剤を用いた調整安定液とすると画像安定性が向
上し好ましい。調整液としては、画像安定化剤以外に
は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、1,3−プロピレンジアミン四酢酸、シクロヘキ
サンジアミン四酢酸のようなアミノポリカルボン酸キレ
ート剤、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウムのよう
な亜硫酸塩及びチオグリセリン、アミノエタンチオー
ル、スルホエタンチオールなど後述する各種漂白促進剤
を含有させることができる。またスカム防止の目的で、
米国特許4,839,262号に記載のエチレンオキシ
ドで置換された脂肪酸のソルビタンエステル類、米国特
許4,059,446号及びリサーチ・ディスクロージ
ャー誌191巻、19104(1980)に記載された
ポリオキシエチレン化合物等を含有させることが好まし
い。これらの化合物は、調整液1リットル当たり0.1
g〜20gの範囲で使用することができるが、好ましく
は1g〜5gの範囲である。調整浴のpHは、通常3〜
11の範囲で用いられるが、好ましくは4〜9、更に好
ましくは4.5〜7である。調整浴での処理時間は、2
0秒〜5分であることが好ましい。より好ましくは20
秒〜100秒であり、最も好ましくは20秒〜60秒で
ある。また、調整浴の補充量は、感光材料1m2 当たり
30ml〜3000mlが好ましいが、特に50ml〜150
0mlであることが好ましい。調整浴の処理温度は20℃
〜50℃が好ましいが、特に30℃〜40℃であること
が好ましい。
【0117】本発明の処理方法では、脱銀処理後、水洗
及び/又は安定工程を経る。水洗工程での水洗水量は、
感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)、
用途、更には水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向
流、順流等の補充方式、その他種々の条件によって広範
囲に設定し得る。このうち、多段向流方式における水洗
タンク数と水量の関係は、Journal of the Society of
Motion Picture and Television Engineers第64巻、P.
248〜253 (1955年5月号)に記載の方法で、求めること
ができる。前記文献に記載の多段向流方式によれば、水
洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞
留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮
遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明の
カラー感光材料の処理において、このような問題が解決
策として、特開昭62-288,838号に記載のカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効
に用いることができる。また、特開昭57-8,542号に記載
のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素
化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その
他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化
学」(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅
菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌
防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌
剤を用いることもできる。
【0118】本発明の感光材料処理方法における水洗水
のpHは、3〜9であり、好ましくは4〜8である。水洗
水温、水洗時間も、迅速性の観点から、15〜50℃で5秒
〜1分、好ましくは25〜45℃で5秒〜40秒の範囲が選
択される。また、安定液には色素画像を安定化させる化
合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズアル
デヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重亜
硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0119】更に、本発明に係る脱銀工程が漂白定着液
の一槽構成の場合においては、漂白定着処理工程に続
き、実質的に水洗工程を経ずに直接安定化処理工程を行
うことが好ましい。本発明において実質的に水洗工程を
経ずに直接安定化処理工程を行うとは、安定化処理槽
(2以上の槽から成るときは漂白定着槽に一番近い槽)
に持ち込まれる漂白定着液の容量が安定液のそれに対
し、1%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは1
0%以上の場合をいう。該安定化処理槽の漂白定着液濃
度が1%未満にならない程度であれば、単槽または複数
槽向流方式による極く短時間のリンス処理、補助水洗及
び水洗促進浴などの処理を行ってもよい。このような安
定化処理においては、特開昭57-8543 号、同58-14834
号、同60-220345 号に記載の公知の方法はすべて用いる
ことができる。
【0120】本発明に係る感光材料の処理における安定
液のpHは4.0 〜5.5 の範囲が好ましく、より好ましく
は4.2 〜5.3 の範囲であり、この範囲において本発明の
効果が顕著となる。このような安定液には、2個以上の
カルボキシル基を有する有機酸(以下、単にジカルボン
酸化合物という)を含有させることが好ましい。ジカル
ボン酸化合物としては、1分子中にカルボキシル基を2
個以上有する飽和炭化水素化合物、不飽和炭化水素化合
物、芳香族炭化水素化合物、複素環化合物が挙げられ、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、マレイン酸、フマル酸、アスパラギン酸、クエン
酸、2、6−ピリジンジカルボン酸などが挙げられる。
これらは、2種〜4種組み合わせて用いてもよい。該安
定液には、ジカルボン酸化合物の他、酢酸、グリコール
酸、プロピオン酸等pKa2.0〜5.5の有機酸を使
用することができる。有機酸は単独で使用しても併用し
てもよく、バッファー剤として0.001 〜0.2モル/リッ
トル含有することが好ましく、0.005 〜0.15モル/リッ
トル含有することがより好ましい。本発明におけるpK
aは酸解離定数の逆数の対数を表し、イオン強度0.1
モル/リットル、25℃で求められた値を示す。pKa
2.0〜5.5の有機酸の具体例としては、特開平3−
107147号公報第5頁右下欄第2行目〜第6頁左上
欄第10行目に記載されている化合物が挙げられる。本
発明においては、ジカルボン酸以外で臭気の強い酢酸や
プロピオン酸等pKa2.0〜5.5の有機酸は、処理
浴の液(感光材料が直接触れる処理液)中の濃度として
0.0 〜0.2 モル/リットル、特には0.0 〜0.15モル/リ
ットルの範囲にすることが作業環境の点で好ましい。
【0121】該安定液のpHを前記領域に調節するに
は、前記の酸とアルカリ剤(例えば、アンモニア水、K
OH、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、イミ
ダゾール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン)を併用してもよい。なかでも、アンモニア水、KO
H、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好まし
い。
【0122】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0123】水洗水及び安定液には処理後の感光材料の
乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を
含有することができる。中でもノニオン性界面活性剤を
用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレン
オキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールとし
ては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノ
ールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル数
としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高
いシリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0124】水洗水及び安定液中には、各種キレート剤
を含有させることが好ましい。好ましいキレート剤とし
ては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′−トリ
メチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−N,N,
N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機ホス
ホン酸、あるいは、欧州特許345,172A1号に記
載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあげる
ことができる。
【0125】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
蒸発による濃縮を補正するために、適当量の水または補
正液ないし処理補充液を補充することが好ましい。水補
充を行う具体的方法としては、特に制限はないが、中で
も特開平1−254959号、同1−254960号公
報記載の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニ
ター水槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂
白槽における水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例し
て漂白槽に水を補充する方法や特開平3−248155
号、同3−249644号、同3−249645号、同
3−249646号公報記載の液レベルセンサーやオー
バーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。
各処理液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用い
てもよいが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオ
ン処理した水、殺菌された水とするのがよい。
【0126】本発明における各種処理液は10℃〜50℃に
おいて使用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的で
あるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮し
たり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性
の改良を達成することができる。
【0127】本発明に使用される処理剤の供給形態は、
使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは
顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形
態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63-1
7453には低酸素透過性の容器に収納した液剤、特開平4-
19655 、同4-230748には真空包装した粉末あるいは顆
粒、同4-221951には水溶性ポリマーを含有させた顆粒、
特開昭51-61837、特開平6-102628には錠剤、特表昭57-5
00485 にはペースト状の処理剤が開示されており、いず
れも好ましく使用できるが、使用時の簡便性の面から、
予め使用状態の濃度で調製してある液体を使用すること
が好ましい。これらの処理剤を収納する容器には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエ
チレンテレフタレート、ナイロンなどが、単独あるいは
複合材料として使用される。これらは要求される酸素透
過性のレベルに合わせて選択される。発色現像液などの
酸化されやすい液に対しては、低酸素透過性の素材が好
ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンとナイロンの複合材料が好ましい。これらの材
料は 500〜1500μmの厚さで、容器に使用され、酸素透
過性を20ミリリットル/m2・24hrs ・atm 以下にすることが好
ましい。
【0128】本発明において、各処理液は2種以上の感
光材料の処理に共通に使用することができる。例えば、
カラーネガフィルムとカラーペーパーの処理を同じ処理
液を用いて処理することにより、処理機のコスト低減や
処理の簡易化を行うことができる。
【0129】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0130】(実施例1) 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー 100
重量部と紫外線吸収剤としてチヌビン(Tinuvin) P.326
(商品名、チバ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部と
を乾燥した後、 300℃にて溶融後、T型ダイから押し出
し、 140℃で 3.3倍の縦延伸を行ない、続いて 130℃で
3.3倍の横延伸を行い、さらに 250℃で6秒間熱固定し
て厚さ90μmの PENフイルムを得た。なおこの PENフィ
ルムにはブルー染料,マゼンタ染料及びイエロー染料
(公開技報: 公技番号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-
24,I-26,I-27,II-5)を適当量添加した。さらに、直径20
cmのステンレス巻き芯に巻付けて、 110℃、48時間の熱
履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0131】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン 0.1g/m2、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘ
キシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p
−クロロフェノール 0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2
CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮
合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10cc/m2、バーコータ
ー使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は 1
15℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置
はすべて 115℃となっている)。 3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0132】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径 0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物
の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒
子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(C
H2 =CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度1
0)オキシエチレン−p−ノニルフェノール 0.005g/m2
及びレゾルシンと塗布した。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキシ
トリメトキシシラン(15 重量%)で被覆処理されたコバ
ルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単
軸0.03μm、飽和磁化 89emu/g、Fe+2/Fe +3=6/94 、表
面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理され
ている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC2H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)3
0.3g/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンを用いてバーコーターで塗布し、
膜厚 1.2μmの磁気記録層の得た。マット剤としてシリ
カ粒子(0.3μm)と3−ポリ(重合度15) オキシエチレン
−プロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処
理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
10mg/m2となるように添加した。乾燥は 115℃、6分実
施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDB の色濃度増加分は約 0.1、また磁気記録層の飽和
磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力 7.3×104A/m、角形
比は65%であった。
【0133】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20C
OOC40H81 (化合物a,6mg/m2) /C50H101O(CH2CH2O)16H
(化合物b,9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合
物は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル (1/1)
中で 105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエー
テル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中
で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マッ
ト剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重
合度15) オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシ
シラン(15重量%で被覆された酸化アルミ(0.15μm)を
それぞれ 15mg/m2となるように添加した。乾燥は 115
℃、6分行なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は
すべて 115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのス
テンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係
数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の
動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
【0134】4)感光層の塗設 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示
し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。た
だし、増感色素については同一層のハロゲン化銀1モル
に対する塗布量をモル単位で示す。
【0135】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0136】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0137】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0138】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.015 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0139】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0140】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0141】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0142】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0143】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33
【0144】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0145】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0146】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0147】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0148】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0149】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1乃至W−3、B−4乃至B−6、F−1
乃至F−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、パラジ
ウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0150】
【表1】
【0151】表1において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938の実施例に従い、二
酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に
還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450の実施例に従い、各
感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウム
の存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されてい
る。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426の実施例に
従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450に記載されている
ような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 に記載されている内部
高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0152】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキ
シエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリットル並びに5%
水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエ
−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリットルのポットミル
に入れ、染料ExF−2を 5.0gと酸化ジルコニウムビ
ーズ(直径1mm) 500ミリリットルを添加して内容物を2時間
分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボール
ミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラ
チン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料
のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44
μmであった。
【0153】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5はEP549,489Aの実施例1に記載の微小析出
(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均
粒径は0.06μmであった。以下に、本実施例に用いた化
合物の構造を示す。
【0154】
【化12】
【0155】
【化13】
【0156】
【化14】
【0157】
【化15】
【0158】
【化16】
【0159】
【化17】
【0160】
【化18】
【0161】
【化19】
【0162】
【化20】
【0163】
【化21】
【0164】
【化22】
【0165】
【化23】
【0166】
【化24】
【0167】
【化25】
【0168】
【化26】
【0169】
【化27】
【0170】上記の方法で作成した支持体上に(4)に
示す感光層を塗設した。以上のように作成した感光材料
を長尺方向に160cm、短尺方向は表2のように裁断
し、さらに感光材料の長尺方向の片側幅方向から 0.7mm
の所に2mm四方のパーフォレーションを表2に示したよ
うな長尺方向の間隔で設けたものを作成し、試料101
〜106とした。上記試料は、米国特許第5,296,
887号のFIG.1〜FIG.7に説明されているプ
ラスチック製のフィルムカートリッジに収納した。これ
らの試料を色温度4800Kで連続階調ウェッジ露光を
与え、以下に示す処理工程及び処理液でシネ式自動現像
機でランニング処理(発色現像液の累積補充量が、その
タンク容量の3倍になるまで)をした。尚、以下に記載
の方法で各々の処理を行なった後、上記記載の試料は再
び元のプラスチック製のフィルムカートリッジに収納し
た。
【0171】また、本発明の処理装置として図1に記載
のものを用いて処理工程Aとした。このとき、感光材料
の搬送速度は50cm/分であり、各浴のタンク容量及
びV/L値を下表に示した。比較処理機としては、富士
写真フイルム(株)製自動現像機FP−360Bを用い
処理工程Bとした。搬送速度47cm/分であり、各浴
のタンク容量及びV/L値は下表に示し、処理液組成は
同じ処理液を使用した。
【0172】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程A) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 V/L 発色現像 3分 5秒 38.0℃ 520ミリリットル 0.5リットル 3.3 漂 白 50秒 38.0℃ 130ミリリットル 0.2リットル 4.8 定 着(1) 50秒 38.0℃ − 0.2リットル 4.8 定 着(2) 50秒 38.0℃ 208ミリリットル 0.2リットル 4.8 水 洗 30秒 38.0℃ 442ミリリットル 0.15リットル 6.0 安 定(1) 20秒 38.0℃ − 0.15リットル 9.0 安 定(2) 20秒 38.0℃ 390ミリリットル 0.15リットル 9.0 乾 燥 1分30秒 60℃
【0173】 (処理工程B) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 V/L 発色現像 3分 5秒 38.0℃ 520ミリリットル 11.5リットル 82 漂 白 50秒 38.0℃ 130ミリリットル 4.0リットル 102 定 着(1) 50秒 38.0℃ − 4.0リットル 102 定 着(2) 50秒 38.0℃ 208ミリリットル 4.0リットル 102 水 洗 30秒 38.0℃ 442ミリリットル 3.0リットル 128 安 定(1) 20秒 38.0℃ − 3.0リットル 191 安 定(2) 20秒 38.0℃ 390ミリリットル 3.0リットル 191 乾 燥 1分30秒 60℃ *補充量は感光材料1m2 当たり 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着(2)へ導入した。ま
た、定着液も(2)から(1)へ向流配管で接続されて
いる。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液の
定着工程への持ち込み量及び定着液の水洗工程への持ち
込み量は感光材料1m2 当たりそれぞれ65ミリリットル、5
2ミリリットル、52ミリリットルであった。また、クロスオーバー
の時間はいずれも6秒であり、この時間は前工程の処理
時間に包含される。
【0174】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3 mg − ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 2.0 2.0 ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 4.5 6.4 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.18
【0175】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 138 207 臭化アンモニウム 80 115 硝酸アンモニウム 16 24 コハク酸 40 60 マレイン酸 33 50 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.6 4.0
【0176】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 メタンチオスルホン酸アンモニウム 4 12 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 280 ミリリットル 840 ミリリットル イミダゾール 7 20 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調製〕 7.4 7.45
【0177】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg
/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150
mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.
5の範囲にあった。
【0178】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.10 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0179】ランニング処理終了後、上記記載の試料に
色温度4800Kで5cmsの均一露光を与え、表2に
示すように2種の処理機と組み合わせて処理した。処理
済み試料の露光部分と未露光部分の濃度をX−Rite
310TR濃側計を用いて測定して、下記に示す現像ム
ラとカブリの評価を行った。測定開口は直径1mm、ブ
ルーフィルターを使用した。
【0180】・現像ムラ:均一露光部分上における短尺
方向の中心点から10mm間隔、及び長尺方向に20m
m間隔の点を測定して、それぞれ読み取ったイエロー濃
度の標準偏差で求めた。 ・カブリ :未露光部上における短尺方向の中心点、及
び長尺方向に20mm間隔の点を測定して、それぞれ読
み取ったランニング前後のイエロー濃度差で求めた。
【0181】上記方法で得られた結果を表2に示す。
【0182】
【表2】
【0183】表2の結果より、本発明の態様によれば、
現像ムラ及びカブリが抑えられることがが判った。
【0184】(実施例2)本実施例1で用いた試料10
6を色温度4800Kで連続階調ウェッジ露光を与え、
以下に示す処理工程及び処理液でシネ式自動現像機でラ
ンニング処理(発色現像液の累積補充量が、そのタンク
容量の3倍になるまで)をした。ジェット攪拌のスリッ
ト幅及び吹きだし口と乳剤面の距離は表3に示したよう
に変更し、その各々について順次ラック交換しランニン
グ処理を行った。尚、本願実施例で用いた処理装置は、
本願実施例1の本発明例の処理装置と同一態様を採用し
た。搬送速度50cm/分、各浴のタンク容量及びV/
L値を下表に示す。
【0185】実施した処理の詳細を以下に示す。
【0186】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 V/L 発色現像 1分00秒 45.0℃ 260ミリリットル 0.2リットル 4.0 漂白定着 1分00秒 40.0℃ 400ミリリットル 0.2リットル 4.0 水 洗(1) 15秒 40.0℃ − 0.15リットル 9.0 水 洗(2) 15秒 40.0℃ − 0.15リットル 9.0 水 洗(3) 15秒 40.0℃ 800ミリリットル 0.15リットル 9.0 乾 燥 50秒 65℃ *補充量は感光材料1m2 当たり 水洗浴は(3)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て漂白定着浴へ導入した。尚、
現像液の漂白定着工程への持ち込み量、漂白定着液の水
洗工程への持ち込み量は感光材料1m2 当たりそれぞれ
40ミリリットル、45ミリリットルであった。また、クロスオーバ
ーの時間はいずれも3秒であり、この時間は前工程の処
理時間に包含される。各槽には蒸発補正として特開平3
−280042号に記載の様に処理機外気の温湿度を温
湿度計にて検知し、蒸発量を算出して補正した。蒸発補
正用の水としては下記水洗水用のイオン交換水を用い
た。
【0187】以下に処理液の組成を示す。
【0188】 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 6.7 炭酸カリウム 40.0 40.0 臭化カリウム 2.0 − ヨウ化カリウム 1.3mg − ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 13.2 17.6 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 11.0 17.5 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.30
【0189】 (漂白定着液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 40.0 124.0 化(I−29)の第二鉄錯塩 0.10モル 0.31モル エチレンジアミン四酢酸 6.0 18.6 コハク酸 12.0 37.2 亜硫酸アンモニウム 20 100 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 750g/リットル) 260 806 パラアミノベンゼンスルフィン酸 5.0 30 沃化アンモニウム 1.0 2.5 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 6.0 5.8
【0190】(水洗水)本願実施例1の水洗水と同一組
成。
【0191】ランニング処理終了後、上記記載の試料に
色温度4800Kで5cmsの均一露光を与え、本願実
施例1と同様に現像ムラとカブリの評価を行った。
【0192】上記方法で得られた結果を表3に示す。
【0193】
【表3】
【0194】本実施例はいずれも本発明の態様である
が、迅速処理において、従来の攪拌方法では十分な写真
性能が得られない場合がある。しかし、ジェット攪拌の
スリット幅及び吹きだし口と乳剤面の距離を規定するこ
とによって、処理工程が変わっても迅速な処理が達成で
き、写真性が更に改良された処理が可能となる結果が本
発明では得られた。
【0195】(実施例3)下塗りを施した三酢酸セルロ
ースフィルム支持体上に、特開平6−347947号実
施例1の試料101に記載されている感光層を塗設し、
第1、2、6、10、13、14層のゼラチン塗布量を
調節し膜厚を変更した多層カラー感光材料である試料3
01〜303を作製した。尚、パーフォレーション及び
短尺幅の加工は、本願実施例1の試料106と同様に裁
断加工した。これらの試料を色温度4800Kで連続階
調ウェッジ露光を与え、以下に示す処理工程及び処理液
でシネ式自動現像機でランニング処理(発色現像液の累
積補充量が、そのタンク容量の3倍になるまで)をし
た。尚、漂白剤は表4に示したように変更し、その各々
について順次交換しランニング処理を行った。本実施例
で用いた処理装置は、実施例2の処理装置と同一形式を
採用した。搬送速度50cm/分、ジェット攪拌のスリ
ット幅0.5mm、吹きだし口と乳剤面の距離2mmと
し、各浴のタンク容量及びV/L値を下表に示す。
【0196】実施した処理の詳細を以下に示す。
【0197】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 V/L 発色現像 1分00秒 45.0℃ 260ミリリットル 0.2リットル 4.0 漂白定着 1分00秒 40.0℃ 600ミリリットル 0.2リットル 4.0 水 洗 20秒 40.0℃ 800ミリリットル 0.15リットル 9.0 安 定(1) 10秒 40.0℃ − 0.15リットル 9.0 安 定(2) 10秒 40.0℃ 400ミリリットル 0.15リットル 9.0 乾 燥 50秒 65℃ *補充量は感光材料1m2 当たり 安定浴は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て漂白定着浴へ導入した。尚、
現像液の漂白定着工程への持ち込み量、漂白定着液の水
洗工程への持ち込み量及び水洗液の安定工程への持ち込
み量は感光材料1m2 当たりそれぞれ40ミリリットル、45
ミリリットル、65ミリリットルであった。また、クロスオーバーの
時間はいずれも3秒であり、この時間は前工程の処理時
間に包含される。各槽には蒸発補正として特開平3−2
80042号に記載の様に処理装置外気の温湿度を温湿
度計にて検知し、蒸発量を算出して補正した。蒸発補正
用の水としては下記水洗水用のイオン交換水を用いた。
【0198】以下に処理液の組成を示す。
【0199】(発色現像液)本願実施例3の発色現像液
と同一組成。
【0200】 (漂白定着液) タンク液(g) 補充液(g) 表4に記載の第二鉄錯塩 0.15モル 0.36モル エチレンジアミン四酢酸 6.0 14.4 コハク酸 12.0 28.8 亜硫酸アンモニウム 20 80 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 750g/リットル) 280 672 パラアミノベンゼンスルフィン酸 5.0 20 沃化アンモニウム 2.0 1.7 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 6.0 5.8
【0201】(水洗水)本願実施例1の水洗水と同一組
成。
【0202】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) コハク酸 0.6 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 塩素化イソシアヌ−ル酸ナトリウム 0.02 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 5.0
【0203】ランニング処理終了後、上記記載の試料に
色温度4800Kで5cmsの均一露光を与え、本願実
施例1と同様に現像ムラとカブリの評価を行った。ま
た、下記に示すように濃度バランスについても評価し
た。
【0204】・濃度バランス:均一露光部分上における
短尺方向の中心点から10mm間隔、及び長尺方向に2
0mm間隔の点を測定して、それぞれ読み取ったイエロ
ー濃度とシアン濃度の平均濃度の比較で求めた。
【0205】上記方法で得られた結果を表4に示す。
【0206】
【表4】
【0207】本実施例はいずれも本発明の態様である
が、迅速処理において、従来の感光材料及び/又は漂白
剤の使用では十分な写真性能が得られない場合がある。
しかし、膜厚を22μm以下の感光材料及び/又は一般
式(I)〜(II)の漂白剤を用いることによって、処理
工程が変わっても迅速な処理が達成でき、写真性変動が
更に改良された処理が可能となる結果が本発明では得ら
れた。
【0208】
【発明の効果】本発明の構成に従えば、小型で且つ処理
液を低減しうるコンパクトな処理装置を用いた迅速な処
理においても、安定した写真性能の維持を可能にするも
のである。
【0209】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のハロゲン化銀写真感光材料処理方法
に適用しうる撮影感光材料用処理装置の一態様を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
10 感光材料処理装置(撮影感光材料用処理装置) 12 スリット状処理路 14 現像槽 16 漂白槽 20 定着槽 22 安定槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影用ハロゲン化銀写真感光材料用処理
    装置であって、 該感光材料の短尺方向の幅が10〜25mmであり、か
    つパーフォレーションが長尺方向に対して1cm当たり
    0.1〜3個である撮影用ハロゲン化銀写真感光材料
    を、 現像処理及び/又は脱銀処理する際に、感光材料の両端
    を支えるため搬送方向に平行に設置されたガイドに沿っ
    て搬送し、 ジェットの吹き出し口の搬送方向に対しての幅が0.2
    〜2mmであり、かつ、ジェットの吹き出し口と感光材
    料の乳剤面との距離が0.1〜5mmであるような条件
    で前記搬送される感光材料の乳剤面にジェット攪拌を行
    うことを特徴とする撮影用ハロゲン化銀写真感光材料用
    処理装置。
  2. 【請求項2】 撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法において、 処理部のタンク容量をVミリリットル、感光材料の該処
    理部の入口から出口のパス長をLセンチメートルとした
    とき、 V/L≦25 上記式の条件を満足する処理タンクを用い、 該感光材料の短尺方向の幅が10〜25mmであり、か
    つパーフォレーションが長尺方向に対して1cm当たり
    0.1〜3個である撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を
    処理する、 ことを特徴とする撮影用ハロゲン化銀写真感光材料の処
    理方法。
  3. 【請求項3】 該感光材料を現像処理及び/又は脱銀処
    理する際に、感光材料の両端を支えるため搬送方向に平
    行に設置されたガイドに沿って搬送し、ジェットの吹き
    出し口の搬送方向に対しての幅が0.2〜2mmであ
    り、かつ、ジェットの吹き出し口と感光材料の乳剤面と
    の距離が0.1〜5mmであるような条件で前記搬送さ
    れる感光材料の乳剤面にジェット攪拌を行うことを特徴
    とする請求項2に記載の撮影用ハロゲン化銀写真感光材
    料の処理方法。
  4. 【請求項4】 該感光材料の乾燥膜厚が10〜22μm
    であることを特徴とする請求項2又は3に記載の撮影用
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
JP3734796A 1996-01-31 1996-01-31 撮影感光材料用処理装置及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 Pending JPH09211829A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5890028A (en) * 1996-12-20 1999-03-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Apparatus for and method of development processing

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5890028A (en) * 1996-12-20 1999-03-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Apparatus for and method of development processing

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