JPH08328219A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JPH08328219A
JPH08328219A JP15120695A JP15120695A JPH08328219A JP H08328219 A JPH08328219 A JP H08328219A JP 15120695 A JP15120695 A JP 15120695A JP 15120695 A JP15120695 A JP 15120695A JP H08328219 A JPH08328219 A JP H08328219A
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acid
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JP15120695A
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Hideaki Nomura
秀昭 野村
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】漂白定着液又は定着液のトータル補充量を低減
させて、かつ脱銀時間を短縮化した処理においても、長
期間安定した連続処理を可能とする処理方法を提供す
る。 【構成】支持体上に、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少な
くとも1層が設けられているハロゲン化銀写真感光材料
を、像様露光後発色現像液で処理し、漂白能を有する処
理液で処理する方法において、該発色現像液に実質的に
ヒドロキシルアミンを含まず、該漂白能を有する処理液
のヨードイオン濃度が3×10-3〜2×10-2モル/リ
ットルの範囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料(以下、単に感光材料と言うこともある)の
処理方法に関するものであり、更に詳しくは脱銀性の改
良及び/又は長期間の連続処理の安定性に優れた処理方
法に関するものであり、処理時間の短縮化を可能にする
ものである。
【従来の技術】
【0002】一般に、カラー写真感光材料の処理の基本
工程は、発色現像工程と脱銀工程である。発色現像工程
では発色現像主薬により、露光されたハロゲン化銀が還
元されて銀を生じると共に、酸化された発色現像主薬は
カプラーと反応して色素画像を与える。ここに形成され
た銀は、引き続く脱銀工程において漂白剤により酸化さ
れ、更に定着剤の作用を受けて可溶性の銀錯体に変化
し、溶解除去される。
【0003】近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の
撮影システムは、いわゆる”写るんです”に代表される
レンズ付きフィルムの普及により、極めて便利になりい
つでも好きな時に手軽に写真が楽しめるようになった。
また、処理システムは、いわゆる迅速ミニラボシステム
の普及により、ネガの現像処理に限定すれば10分程度
の仕上げが可能になってきている。しかしながら、撮影
システムの利便性の向上に比較し、ネガ処理の10分仕
上げということは、最終的にプリントを得るには、幾ら
急いでも15分程度かかり、顧客の立場を考慮すると、
現像の依頼、プリントの受取と2度写真店に足を運ぶ事
を強いていることになる。従って、更なる処理の迅速化
は極めて重要であり、特に処理時間の半分近くを占める
脱銀工程の短縮化は、大きな課題となっている。また、
ミニラボシステムによる店頭処理の普及により、作業負
荷の低減、即ちメンテナンスフリ−化が望まれている。
【0004】カラー写真感光材料の脱銀工程において
は、処理の迅速化と環境汚染防止の観点から、第2鉄イ
オン錯塩(例えば、アミノポリカルボン酸第2鉄イオン
錯塩、特にエチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩)を主
体とした漂白処理処方が主に利用されており、更に漂白
を促進する技術としては種々の漂白促進剤が検討されて
きた。このような漂白促進剤としては、例えば英国特許
1,138,842号に記載されている如き5員環メル
カプト化合物、スイス特許第336,257号に記載さ
れている如きチアジアゾール誘導体、チオ尿素誘導体、
チアゾール誘導体等があるが、漂白液や漂白定着液に添
加しても充分な漂白促進効果が得られず、更に漂白定着
液中に存在する銀イオンと反応して沈殿してしまい、自
現機処理に用いた場合、循環系のフィルターの目詰まり
や感光材料の汚れなどの悪作用を引き起こす。
【0005】また、漂白力を高める目的でハロゲンイオ
ンを漂白定着液に含有させる技術として、特開昭51−
87036号及び同53−11854号等に開示されて
いるが、臭素イオンの添加は多量の添加量(NH4Br 50g
〜100g程度)を必要とする反面、漂白促進効果は小さ
く、またヨードイオンの添加は定着を遅らせるという欠
点を有するために満足できる技術ではなかった。
【0006】これに対して、特開平1−260442で
は漂白能を有する処理液のヨードイオン含有量を規定
し、かつ漂白促進剤の組み合わせによって、脱銀性を改
良する方法が記載されている。本発明者は、迅速処理の
目的で、漂白能を有する液をこのヨードイオン含有量の
範囲に適用してみたが、撮影用高感度カラー感光材料の
脱銀処理の場合等、必ずしも充分満足し得る脱銀時間の
短縮化を示さなかった場合があることを確認した。ま
た、この方法では、発色現像時間を短縮する手段である
発色現像主薬濃度を高めた発色現像液で処理後、中間に
浴を介することなく直接に脱銀処理し、かつ長期間連続
的に自現機処理を行うと、循環系のフィルターの目詰ま
り等が発生し定期的なメンテナンスの必要が生じた。更
に、処理後の経時による感材のマゼンタステインが悪化
することも判った。この傾向は、発色現像液を低補充
し、感光材料からの溶出物や発色現像液中の酸化分解物
が増加した場合、顕著に現れることがわかった。以上の
通り、従来知られた感光材料及び処理方法では、これら
の種々の問題点があり、更なる処理方法の開発が必要で
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、処理液(特に漂白定着液又は定着液)のトータル補
充量を低減させて、かつ処理時間(特に脱銀時間)を短
縮化した処理においても、長期間安定した連続処理を可
能とする処理方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の方
法によって達成された。即ち、 (1)支持体上に、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なく
とも1層が設けられているハロゲン化銀カラー写真感光
材料を、像様露光後発色現像液で処理し、漂白能を有す
る処理液で処理する方法において、該発色現像液に実質
的にヒドロキシルアミンを含まず、該漂白能を有する処
理液のヨードイオン濃度が3×10-3〜2×10-2モル
/リットルの範囲であることを特徴とするハロゲン化銀
カラー写真感光材料の処理方法。特にその効果は、 (2)該漂白能を有する処理液が、下記一般式(I)及
び/又は(II)で表される化合物の金属キレート化合物
の少なくとも1種を含有することを特徴とする上記
(1)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
方法。 一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Y1 は芳香族炭化水素環又は複素
環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R1 は置
換基を表す。nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整
数を表す場合にはR1 は同じであってもよく異なってい
てもよい。X1 は水素原子又は−L1 −A2 を表す。X
2 は水素原子又は−L4 −A4 を表す。L1 、L3 及び
4 はそれぞれアルキレン基又はアリーレン基を表す。
1 は二価の連結基を表す。A1 、A2 、A3 、A4
びA5 はそれぞれカルボン酸もしくはその塩、スルホン
酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、ヒドロ
キシ基、ヒドロキシアルキル基、カルバモイル基、アシ
ルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基又はアミノ基を表す。) 一般式(II)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1 は脂肪族炭化水素基、アリー
ル基またはヘテロ環基を表す。R2 は水素原子、脂肪族
炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
1 、L2、L3 、L4 およびL5 は、それぞれアルキ
レン基を表す。mおよびnは、それぞれ0または1を表
す。W1 およびW2 は、それぞれアルキレン基、アリー
レン基、アラルキレン基または二価の含窒素ヘテロ環基
を表す。Dは単結合、−O−、−S−または−N(Rw
) −を表す。Rw は水素原子、脂肪族炭化水素基また
はアリール基を表す。vは0〜3の整数を表し、wは1
〜3の整数を表す。M1、M2 、M3 およびM4 は、そ
れぞれ水素原子またはカチオンを表す。) (3)該漂白能を有する処理液で処理後、pHが4.0 〜
5.5 の範囲である安定化液で処理することを特徴とする
請求項1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
料の処理方法。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。尚、本願
明細書において、脂肪族基、芳香族炭化水素基、複素環
基は、別段の断りがないかぎり、以下の通りである。脂
肪族基とは、置換もしくは無置換の、直鎖、分岐もしく
は環状のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル
基、置換もしくは無置換のアルキニル基を表わす。二価
の脂肪族基とは、これらの脂肪族基の二価のもので、置
換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状のアルキレ
ン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もし
くは無置換のアルキニレン基を表わす。脂肪族基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソ
プロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、ヘキシル基、
オクチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ベ
ンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0014】芳香族炭化水素基とは、置換もしくは無置
換の、単環であっても更に芳香環や複素環と縮環してい
てもよいアリール基を表わす。二価の芳香族炭化水素基
とは、置換もしくは無置換の、単環であっても更に芳香
環や複素環と縮環していてもよいアリーレン基を表わ
す。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、2−クロ
ロフェニル基、3−メトキシフェニル基、ナフチル基な
どが挙げられる。
【0015】複素環基とは、ヘテロ原子として、窒素原
子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも一つ有する、
3〜10員環の、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは
無置換の、単環であっても更に芳香環や複素環と縮環し
ていてもよい、複素環基を表わす。複素環としては、ピ
ロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン
環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアゾール環、チア
ジアゾール環、オキサジアゾール環、キノキサリン環、
テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環等が挙
げられる。
【0016】また、本明細書における各基は別段の断り
の無いかぎり置換されていてもよく、それらが有しても
よい置換基としては、例えば、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリ
ール基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、アシル
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ
基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオキシカルボ
ニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ニ
トロ基、ヒドロキサム酸基、複素環基等が挙げられる。
【0017】本発明において発色現像液には、ヒドロキ
シルアミンを実質的に含有しないことが好ましい。本発
明において実質的にヒドロキシルアミンを含まないと
は、ヒドロキシルアミンの濃度が0.01モル/リット
ル以下の状態をさし、好ましくは0.005モル/リッ
トル以下、より好ましくは0.001モル/リットル以
下、特に好ましくは全く含有しない状態を表わす。ヒド
ロキシルアミンの代わりの化合物として、アルキル基や
ヒドロキシアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシ
アルキル基などの置換基を有するヒドロキシルアミン誘
導体が好ましく、具体的にはN,N−ジ(スルホエチ
ル)ヒドロキルアミン、モノメチルヒドロキシルアミ
ン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキ
シルアミン、ジエチルヒドロキルアミン、N,N−ジ
(カルボキシエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。上
記の中でも、特にN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキ
ルアミンが好ましい。
【0018】本発明において漂白能を有する液には、ヨ
ードイオンを3×10-3〜2×10-2モル/リットル、
より好ましくは3.5×10-3〜1.5×10-2モル/
リットル含有する。これより少ない場合は充分な漂白促
進効果が得られず、またこれより多い場合は定着阻害が
起こり望ましい脱銀促進効果が得られない。これらのヨ
ードイオンは沃化アンモニウム、沃化カリウム、沃化ナ
トリウム等各種の沃化物の形態で処理液中に添加するの
が好ましく、沃化アンモニウムを添加するのが特に好ま
しい。また、ヨードイオンを含有する感光材料を連続処
理することで、漂白能を有する液中に溶出した結果、上
記濃度となっても良い。後者の如く溶出される場合の好
ましい態様としては、ヨード含量0.3〜25モル%の
ハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀カラー感光材
料を漂白定着処理する場合において特に有効であり、前
者の如く添加する態様には漂白液に添加する場合におい
て特に有効である。
【0019】本発明の漂白能を有する処理液について説
明する。先ず、一般式(I)で表される化合物について
以下に詳細に説明する。式中、Y1 は、芳香族炭化水素
環又は複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表わ
す。Y1 で形成される芳香族炭化水素基としては、炭素
数5〜20のものが好ましく、単環であっても更に芳香
環や複素環と縮環していてもよいが、単環又は二環のも
のが好ましい。Y1 で形成される芳香族炭化水素基とし
ては、例えばフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ
る。Y1 で形成される複素環基は、ヘテロ原子として窒
素原子を少なくとも一つを含む5〜6員の単環の不飽和
複素環基が好ましい。好ましい複素環としては、イミダ
ゾール環、ピラゾール環、ピリジン環等において隣あっ
た炭素原子にて二価になったものが好ましい。本発明に
おいて、Y1 は、フェニレン基を形成する場合が特に好
ましい。
【0020】R1 の置換基としては、例えば、アルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アル
コキシ基、アリール基、アミノ基、アシルアミノ基、ス
ルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、アリールオ
キシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル
基、アシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ
基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオ
キシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオ
キシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、複素環基等が挙
げられる。置換基としては、炭素原子を有する場合、総
炭素数(以下、C数という。)1〜10のものが好まし
く、C数1〜4のものである。R1 としては、好ましく
はハロゲン原子、C数1〜4のアルキル基、C数1〜4
のアルコキシ基、C数1〜4のアミノ基、C数2〜4の
アシルアミノ基、C数1〜4のスルホンアミド基、C数
0〜4のスルファモイル基、C数1〜4のアルキルチオ
基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基またはホス
ホノ基であり、特に好ましくはハロゲン原子またはC数
1〜4のアルキル基、C数1〜4のアルコキシ基または
カルボキシ基である。nとしては、0又は1が好まし
く、0が特に好ましい。
【0021】本発明において、X1 としては−L1 −A
2 が好ましい。X2 としては−L4−A4 が好ましい。
1 〜A5 はそれぞれ、カルボン酸もしくはその塩、ス
ルホン酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、
ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルバモイル
基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基又はアミノ基を表
す。好ましくはA1 〜A5 のうち少なくとも1つがカル
ボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、ホ
スホン酸もしくはその塩またはヒドロキシル基を表す。
【0022】A1 〜A5 におけるカルボン酸、スルホン
酸、ホスホン酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩が挙げられ
る。A1 〜A5 におけるカルバモイル基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、スルファモイル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基及びアミノ基は置換基を有してもよ
く、置換基としてはR1 として挙げたものを適用でき
る。A1 〜A5 におけるカルバモイル基、スルファモイ
ル基としては、無置換のものやアルキル基、アリール
基、複素環基で置換されたものが好ましく、置換基を有
する場合C数1〜10、更に好ましくはC数1〜4であ
る。例えば、カルバモイル基としては、カルバモイル、
N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイ
ル、N−(4−スルホフェニル)カルバモイル等を挙げ
ることができる。スルファモイル基としては、スルファ
モイル、N−メチルスルファモイル等を挙げることがで
きる。A1 〜A5 におけるスルホンアミド基としては、
無置換のアルキルスルホンアミド基や置換基(好ましく
は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子)で置
換されたアルキルスルホンアミド基が好ましく、より好
ましくは、C数1〜5、更に好ましくはC数1〜3のも
のである。アルキルスルホンアミド基としては、メタン
スルホンアミド、トリフルオロメタンスルホンアミド等
が挙げられる。
【0023】A1 〜A5 におけるアシルアミノ基として
は、無置換のアルキルアシルアミノ基や置換基(好まし
くは、アルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原
子、カルボキシ基、ヒドロキシ基)で置換されたアルキ
ルアシルアミノ基が好ましく、より好ましくは、C数1
〜10のアルキルアシルアミノ基、C数6〜10のアリ
ールアシルアミノ基、C数1〜10の複素環アシルアミ
ノ基であり、更に好ましいのはC数1〜5のアルキルア
シルアミノ基である。アシルアミノ基としては、アセチ
ルアミノ、ベンゾイルアミノ、t−ブタンアミド、トリ
フルオロアセチルアミノ等が挙げられる。A1 〜A5
おけるアルコキシ基並びにアルキルチオ基は好ましく
は、C数1〜10、更に好ましいのはC数1〜5のもの
であり、メトキシ、エトキシ、メチルチオ等が挙げられ
る。A1 〜A5 におけるアミノ基としては、無置換のア
ミノ基、無置換のアルキルアミノ基又は置換基(好まし
くは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、スル
ホ基)で置換されたアルキルアミノ基が好ましく、より
好ましくは、C数1〜10、更に好ましくはC数1〜6
のものである。A1 としては、カルボン酸もしくはその
塩又はカルボン酸もしくはその塩で置換されたアルキル
チオ基またはアルコキシ基(即ち、−Z1 −L5 −CO
OM(Z1 は酸素原子又は硫黄原子を表わし、L5 はア
ルキレン基を表わす。Mは水素原子又はカチオンを表わ
す。))がより好ましく、カルボン酸もしくはその塩が
最も好ましい。A2 〜A5 としては、カルボン酸もしく
はその塩、ホスホン酸もしくはその塩、スルホン酸もし
くはその塩、ヒドロキシアルキル基がより好ましく、カ
ルボン酸もしくはその塩が最も好ましい。
【0024】L1 、L3 、L4 におけるアルキレン基
は、直鎖、分岐若しくは環状でもよく、R1 で挙げた如
き置換基(好ましくは、カルボン酸もしくはその塩、ヒ
ドロキシ基、ハロゲン原子)で置換されていてもよい。
好ましくは、C数1〜10のものであり、より好ましく
はC数1〜3のアルキレン基であり、更に好ましくは−
CH2 −,−CH(CH3 )−,−CH(C2 5 )−
である。L1 、L3 、L4 におけるアリーレン基は、単
環であっても更に芳香環や複素環と縮環していてもよ
く、R1 で挙げた如き置換基(好ましくは、アルキル
基、アシルアミノ基、アルキルスルホンアミド基、アル
コキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキ
ルチオ基、スルホ基、ホスホノ基、アシル基、アルコキ
シカルボニル基、ニトロ基、カルボキシ基、ヒドロキシ
基、ハロゲン原子、ヒドロキサム酸基)で置換されてい
てもよい。L1 、L3 、L4 としてはアルキレン基が好
ましい。W1 は、アルキレン基、アルケニレン基、アリ
ーレン基、二価の複素環基及び/又はそれらの組合せか
らなる基を含む二価の連結基が好ましい。更に好ましく
は、一般式(W)で表される。 一般式(W)
【0025】
【化5】
【0026】(式中、W2 、W3 及びW5 はそれぞれア
ルキレン基を表わし、W4
【0027】
【化6】
【0028】を表す。Y1 ’、R1 ’及びn’はそれぞ
れ一般式(I)におけるY1 、R1 及びnと同義であ
る。cは0〜3の整数を表わし、d及びeはそれぞれ0
又は1を表す。X1 は−O−、−S−又は−N(R3
−を表す。R3 は水素原子、アルキル基(例えば、メチ
ル、カルボキシメチル、ヒドロキシメチル)又はアリー
ル基(例えば、フェニル、4−スルホフェニル)を表
す。) W1 としては、cが0であるものが好ましく、d及びe
が0であるものが更に好ましい。尚、W1 のC数として
は、1〜20のものが好ましく、2〜10のものが更に
好ましく、2〜4のものが特に好ましい。W1 として
は、以下のものが挙げられる。
【0029】
【化7】
【0030】本発明の一般式(I)で表される化合物の
うち、Y1 が、フェニレン基を形成する原子団であり、
1 が−L1 −A2 であり、X2 が−L4 −A4 であ
り、A1 〜A5 が、カルボン酸もしくはその塩であり、
1 、L3 及びL4 がそれぞれC数1〜3のアルキレン
基であり、W1 が、C数2〜4のアルキレン基であり、
1 が、ハロゲン原子、C数1〜4のアルキル基、C数
1〜4のアルコキシ基、C数1〜4のアミノ基、C数2
〜4のアシルアミノ基、C数1〜4のスルホンアミド
基、C数0〜4のスルファモイル基、C数1〜4のアル
キルチオ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基ま
たはホスホノ基であり、nが、0又は1である化合物が
特に好ましい。以下、一般式(I)で表わされる化合物
の具体例を示す。
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】本発明の一般式(I)で表される化合物の
金属キレート化合物(単に本発明の金属キレート化合物
ということあり)において配位子となる一般式(I)で
表される化合物は、市販されているものの他に、例えば
「ジャーナル オブ ディアメリカン ソサエティ」
(Journal of the American Chemical Society) ,80,80
0(1958)などを参考にして合成して得ることができる。
例えば、アントラニル酸誘導体にハロゲン置換のカルボ
ン酸誘導体を反応させる方法、ハロゲン置換芳香族誘導
体のハロゲン原子をジアミン誘導体で置換した後、ハロ
ゲン置換のアルキルカルボン酸と反応させることにより
合成できる。一般式(I)で表される化合物は、例え
ば、欧州特許公開第530828A1号に記載されてい
る。
【0036】次に、一般式(II)で表される化合物につ
いて以下に詳細に説明する。R1 およびR2 で表される
脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基
(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1
〜7、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であ
り、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プ
ロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ヘプチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルなど
が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2
〜12、より好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは
炭素数2〜4のアルケニル基であり、例えばビニル、ア
リルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは
炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜6、特に好
ましくは炭素数2〜4のアルキニル基であり、例えばプ
ロパルギルなどが挙げられる。)である。
【0037】また、R1 およびR2 で表される脂肪族炭
化水素基は置換基を有してもよく、置換基としては、例
えばアリール基(好ましくは炭素数6〜12、より好ま
しくは炭素6〜10、特に好ましくは炭素数6〜8のア
リール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル
などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0
〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましく
は炭素数0〜6のアミノ基であり、例えばアミノ、メチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが挙げ
られる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8、
より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1
〜4のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ
などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは
炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10、特に
好ましくは炭素数6〜8のアリールオキシ基であり、例
えばフェニルオキシなどが挙げられる。)、アシル基
(好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2
〜10、特に好ましくは炭素数2〜8のアシル基であ
り、例えばアセチルなどが挙げられる。)、アルコキシ
カルボニル基(好ましくは炭素数2〜12、より好まし
くは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜8のア
ルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニ
ルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基
(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7
〜15、特に好ましくは炭素数7〜10のアリールオキ
シカルボニル基であり、例えばフェニルオキシカルボニ
ルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは
炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10、特に
好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基であり、例え
ばアセトキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基
(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素2〜
6、特に好ましくは炭素数2〜4のアシルアミノ基であ
り、例えばアセチルアミノなどが挙げられる。)、アル
コキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜1
2、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭
素数2〜8のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例
えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数
7〜20、より好ましくは炭素数7〜12、特に好まし
くは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニルアミノ
基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなど
が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭
素数1〜10、より好ましくは炭素1〜6、特に好まし
くは炭素数1〜4のスルホニルアミノ基であり、例えば
メタンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルフ
ァモイル基(好ましくは炭素数0〜10、より好ましく
は炭素0〜6、特に好ましくは炭素数0〜4のスルファ
モイル基であり、例えばスルファモイル、メチルスルフ
ァモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ま
しくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素1〜6、特
に好ましくは炭素数1〜4のカルバモイル基であり、例
えばカルバモイル、メチルカルバモイルなどが挙げられ
る。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜8、よ
り好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜
4のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチル
チオ、カルボキシメチルチオなどが挙げられる。)、ア
リールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好まし
くは炭素6〜10、特に好ましくは炭素数6〜8のアリ
ールチオ基であり、例えばフェニルチオなどが挙げられ
る。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜8、より
好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4
のスルホニル基であり、例えばメタンスルホニルなどが
挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1
〜8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭
素数1〜4のスルフィニル基であり、例えばメタンスル
フィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましく
は炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好
ましくは炭素数1〜4のウレイド基であり、例えばウレ
イド、メチルウレイドなどが挙げられる。)、ヒドロキ
シ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ス
ルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸
基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル、ピリジル)など
が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよ
い。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異な
ってもよい。置換基として好ましくは、アミノ基、アル
コキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基であり、より好ましくは、アル
コキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原
子であり、更に好ましくは、アミノ基、カルボキシル
基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくは、ヒドロキシ
基、カルボキシル基である。
【0038】R1 およびR2 で表される脂肪族炭化水素
基として好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であ
り、より好ましくは炭素数1〜7のアルキル基であり、
更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。具体
的には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロ
ピル、n−ブチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カル
ボキシメチル、5−イミダゾリルメチルが好ましく、特
にメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、
n−ブチルが好ましい。R1 およびR2 で表されるアリ
ール基は、単環であっても更に他の環と縮環を形成して
いてもよく、好ましくは炭素数6〜20、より好ましく
は炭素数6〜16、更に好ましくは炭素数6〜12のア
リール基である。
【0039】R1 およびR2 で表されるアリール基とし
ては、好ましくは単環または二環であり、例えばフェニ
ル、ナフチル等が挙げられ、より好ましくはフェニルで
ある。R1 およびR2 で表されるアリール基は置換基を
有してもよく、置換基としては、R1 、R2 で表される
脂肪族炭化水素の置換基として挙げたものの他、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
【0040】R1 およびR2 で表されるヘテロ環基は、
N、OまたはS原子の少なくとも一つを含む3ないし1
0員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環であり、これらは
単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成して
もよい。
【0041】ヘテロ環として好ましくは、5ないし6員
の芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは窒素原子を含
む5ないし6員の芳香族ヘテロ環であり、更に好ましく
は窒素原子を1ないし2原子含む5ないし6員の芳香族
ヘテロ環である。
【0042】ヘテロ環の具体例としては、例えばピロリ
ジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオフ
ェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、
ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリ
アジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジア
ゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナ
フチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジ
ン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾールなどが挙
げられる。ヘテロ環として好ましくは、ピロール、イミ
ダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジ
ン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾ
ール、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、
フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
テトラゾール、チアゾール、オキサゾールであり、より
好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピ
ラジン、インドール、インダゾール、チアジアゾール、
オキサジアゾール、キノリン、チアゾール、オキサゾー
ルであり、更に好ましくは、イミダゾール、ピリジン、
キノリンであり、特に好ましくは、イミダゾール、ピリ
ジンである。
【0043】R1 およびR2 で表されるヘテロ環基は置
換基を有してもよく、置換基としては、R1 、R2 で表
される脂肪族炭化水素の置換基として挙げたものの他、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ
る。
【0044】R1 としては炭素数1〜7のアルキル基ま
たはフェニル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基
またはフェニル基が更に好ましい。R2 としては水素原
子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、より好
ましくは水素原子である。
【0045】L1 〜L5 で表されるアルキレン基は、直
鎖、分岐もしくは環状でもよく、好ましくは直鎖または
分岐状のアルキレン基である。アルキレン基を形成する
炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6
であり、特に好ましくは1〜4である。
【0046】L1 、L5 として好ましくはメチレンであ
り、より好ましくは無置換メチレンである。L2
3 、L4 として好ましくは、メチレン、エチレンであ
り、より好ましくはメチレンである。また、L1 〜L5
で表されるアルキレン基は置換基を有してもよく、置換
基としては、R1 、R2 で表される脂肪族炭化水素の置
換基として挙げたものの他、アルケニル基、アルキニル
基等が挙げられる。
【0047】mおよびnは、0または1を表し、好まし
くは(m,n)=(1,0)、(m,n)=(0,
1)、(m,n)=(0,0)、であり、より好ましく
は(m,n)=(1,0)、(m,n)=(0,0)、
であり、特に好ましくは(m,n)=(0,0)であ
る。
【0048】W1 、W2 で表されるアルキレン基は、直
鎖、分岐もしくは環状でもよく、好ましくは直鎖または
分岐状のアルキレン基である。アルキレン基を形成する
炭素数は、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6で
あり、特に好ましくは2〜4である。W1 、W2 で表さ
れるアルキレン基としては、例えばエチレン、プロピレ
ン、トリメチレン、1,2−シクロヘキシレンなどが挙
げられ、好ましくはエチレン、プロピレン、トリメチレ
ン、テトラメチレンであり、より好ましくはエチレン、
トリメチレンである。W1 、W2 で表されるアリーレン
基は、単環であっても更に他の環と縮環を形成していて
もよく、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭
素数6〜16、更に好ましくは炭素数6〜12のアリー
レン基である。
【0049】W1 、W2 で表されるアリーレン基として
は、好ましくは単環または二環であり、例えばフェニレ
ン、ナフチレン等が挙げられ、より好ましくはフェニレ
ンである。W1 、W2 で表されるアラルキレン基は、好
ましくは炭素数7〜21、より好ましくは炭素数7〜1
7、更に好ましくは炭素数7〜13のアラルキレン基で
あり、例えばo−キシレニルなどが挙げられる。W1
2 で表される二価の含窒素ヘテロ環基としては、ヘテ
ロ原子が窒素である5または6員のものが好ましく、例
えばイミダゾリルなどが挙げられる。また、W1 、W2
は置換基を有してもよく、置換基としては、R1 、R2
で表される脂肪族炭化水素の置換基として挙げたものの
他、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
【0050】Dは、単結合、−O−、−S−、−N(R
w ) −を表す。Rw で表される脂肪族炭化水素基および
アリール基は、R1 、R2 で表される脂肪族炭化水素基
およびアリール基と同義である。Rw で表される脂肪族
炭化水素基およびアリール基は置換基を有してもよく、
置換基としてはR1 、R2 で表される脂肪族炭化水素の
置換基として挙げたものの他、アルケニル基、アルキニ
ル基等が挙げられる。
【0051】Rw の置換基として好ましくは、カルボキ
シル基、ホスホノ基、ヒドロキシ基、スルホ基であり、
より好ましくはカルボキシル基である。Rw として好ま
しくは、置換されてもよい炭素数1〜8のアルキル基
(例えばメチル、カルボキシメチル))もしくは炭素数
6〜10のアリール基(例えばフェニル)である。
【0052】vは0〜3の整数を表し、vが2または3
のときにはW1 −Dは同じであっても異なっていてもよ
い。vは0〜2が好ましく、0または1が更に好まし
く、0が特に好ましい。wは1〜3の整数を表し、wが
2または3のときにはW2 は同じでも異なってもよい。
wは好ましくは1または2である。(W1 −D)v −
(W2 )w −としては、例えば以下のものが挙げられ
る。
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】(W1 −D)v −(W2 )w −としてより
好ましくは、エチレン、プロピレン、トリメチレン、
2,2−ジメチルトリメチレンであり、エチレン、トリ
メチレンが特に好ましい。
【0056】M1 、M2 、M3 およびM4 で表されるカ
チオンとしては、有機性のカチオンでも無機性のカチオ
ンでもよい。またカチオンが同一分子中に2個以上ある
場合には、それぞれ異なるカチオンでもよい。カチオン
としては、例えばアルカリ金属(例えばLi+ 、N
+ 、K+ 、Cs+ など)、アルカリ土類金属(例えば
Ca2+、Mg2+など)、アンモニウム(例えばアンモニ
ウム、テトラエチルアンモニウムなど)、ピリジニウ
ム、ホスホニウム(例えばテトラブチルホスホニウム、
テトラフェニルホスホニウムなど)などが挙げられる。
好ましくは、無機性のカチオンであり、より好ましくは
アルカリ金属イオンである。一般式(II)で表される化
合物のうち、好ましくは下記一般式(III)または(IV)
で表される化合物である。 一般式(III)
【0057】
【化14】
【0058】(式中、R1 ' は脂肪族炭化水素基を表
す。R1 ' で表される脂肪族炭化水素基は、一般式(I
I)におけるR1 で表される脂肪族炭化水素基と同義で
あり、好ましい範囲も同様である。L1 、L3 、L4
5 、m、n、W1 、W2 、D、v、w、M1 、M2
3 およびM4 は、それぞれ一般式(II)におけるそれ
らと同義であり、また好ましい範囲も同様である。) 一般式(IV)
【0059】
【化15】
【0060】(式中、R1 ''はアリール基を表す。R
1 ''で表されるアリール基は、一般式(II)におけるR
1 で表されるアリール基と同義であり、好ましい範囲も
同様である。L1 、L2 、L3 、L4 、L5 、m、n、
1 、W2 、D、v、w、M1 、M2 、M3 およびM4
は、それぞれ一般式(II)におけるそれらと同義であ
り、また好ましい範囲も同様である。)
【0061】一般式(III)で表される化合物のうち、よ
り好ましくは下記一般式(V)で表される化合物であ
る。 一般式(V)
【0062】
【化16】
【0063】(式中、R1 ' は一般式(III)におけるR
1 ' と同義であり、好ましい範囲も同様である。L3
4 、m、W1 、W2 、D、v、w、M1 、M2 、M3
およびM4 は、それぞれ一般式(II)のそれらと同義で
あり、また好ましい範囲も同様である。)
【0064】一般式(IV)で表される化合物のうち、よ
り好ましくは下記一般式(VI)で表される化合物であ
る。 一般式(VI)
【0065】
【化17】
【0066】(式中、R1 ''は一般式(IV)におけるR
1 ''と同義であり、好ましい範囲も同様である。L2
3 、L4 、m、W1 、W2 、D、v、w、M1
2 、M3およびM4 は、それぞれ一般式(II)におけ
るそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様であ
る。)
【0067】一般式(V)で表される化合物のうち、更
に好ましくは下記一般式(VII)で表される化合物であ
る。 一般式(VII)
【0068】
【化18】
【0069】(式中、R1 ' は一般式(III)におけるR
1 ' と同義であり、好ましい範囲も同様である。W21
一般式(II)におけるW2 での炭素数2〜8のアルキレ
ン基であり、好ましい範囲も同様である。L3 、L4
1 、M2 、M3 およびM4 は、それぞれ一般式(II)
のそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様であ
る。)一般式(VI)で表される化合物のうち、より好ま
しくは下記一般式(VIII)で表される化合物である。 一般式(VIII)
【0070】
【化19】
【0071】(式中、R1 ''は一般式(IV)におけるR
1 ''と同義であり、好ましい範囲も同様である。W21
一般式(II)におけるW2 での炭素数2〜8のアルキレ
ン基であり、好ましい範囲も同様である。L2 、L3
4 、M1 、M2 、M3 およびM4 は、それぞれ一般式
(II)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲
も同様である。)
【0072】以下に一般式(II)で表される化合物の具
体例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0073】
【化20】
【0074】
【化21】
【0075】
【化22】
【0076】
【化23】
【0077】
【化24】
【0078】上記化合物は塩の形で使用してもよい。本
発明の一般式(II)で表される化合物は、例えばインオ
ーガニック ケミストリー 第8巻(第6号)1374
頁(1969年)(Inorganic Chemis
try,8(6),1374(1969).)記載の方
法に準じて合成できる。
【0079】一般式(II)の構造上の特徴は、アミノポ
リカルボン酸のカルボキシル基とNの間に分岐型のアル
キレン基を導入した点である。これまで、N,N’間ア
ルキレン鎖を分岐状にしたものは開示されているが(特
開平3−192254号等)、この化合物では上記問題
点の解決には至っておらず、カルボキシル基とN間とい
う特定の部位に分岐アルキレン基を導入することにより
問題点の解決が図れたことは、予想しがたいことであ
る。
【0080】本発明の金属キレート化合物に使用される
中心金属としては例えばFe(III)、Mn(III)、Co(II
I)、Rh(II) 、Rh(III)、Au(III)、Au(II) 、Ce(I
V) などがあげられる。好ましくはFe(III)である。本
発明の金属キレート化合物は一般式(I)及び/又は
(II)で表される化合物と金属塩を反応させることで合
成することができる。一般式(I)及び/又は(II)で
表される化合物と反応させる金属塩としては、例えば、
硫酸第二鉄塩、塩化第二鉄塩、硝酸第二鉄塩、硫酸第二
鉄アンモニウム、燐酸第二鉄塩、酸化第二鉄などが挙げ
られる。
【0081】本発明においては、漂白能を有する処理液
中の金属キレート化合物は、単独で使用しても2種以上
併用してもよいが、金属キレート化合物を形成する化合
物の20モル%以上が、上記一般式(I)及び/又は
(II)で表される化合物で占められることが好ましく、
より好ましくは25〜100モル%、最も好ましくは3
5〜100%を占めることがよい。
【0082】本発明の金属キレート化合物は、金属キレ
ート化合物として単離したものを用いてもよいし、一般
式(I)及び/又は(II)で表わされる化合物と金属
塩、例えば、硫酸第二鉄塩、塩化第二鉄塩、硝酸第二鉄
塩、燐酸第二鉄塩などとを、溶液中で反応させて使用し
てもよい。一般式(I)及び/又は(II)で表わされる
化合物は金属イオンに対してモル比で1.0以上で用い
られる。この比は金属キレート化合物の安定度が低い場
合には大きいほうが好ましく、通常1から30の範囲で
用いられる。
【0083】本発明の金属キレート化合物は漂白能を有
する処理液に上述のように処理液1リットル当り、0.
003〜1.00モル/リットルの範囲が適当であり、
0.01〜0.50モル/リットルの範囲が好ましく、
より好ましくは0.05〜0.40モル/リットルの範
囲である。また、定着液や発色現像と脱銀工程の間の中
間浴に少量含有させてもよい。漂白剤としては、本発明
の金属キレート化合物が用いられるが、既知の漂白剤を
本発明の効果をそこなわない程度(好ましくは、モル比
で2/3以下)で併用してもよい。併用できる漂白剤と
しては、例えば鉄(III)などの多価金属の化合物、過酸
類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。代表的漂
白剤としては鉄(III)の有機錯塩、例えばエチレンジア
ミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキ
サンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、グリコール
エーテルジアミン四酢酸、特開平4−121739号、
第4ペ−ジ右下欄から第5ペ−ジ左上欄の1,3−プロ
ピレンジアミン四酢酸鉄錯塩をはじめとする漂白剤、特
開平4−73647号に記載のカルバモイル系の漂白
剤、特開平4−174432号に記載のヘテロ環を有す
る漂白剤、N−(2−カルボキシフェニル)イミノ二酢
酸第二鉄錯塩をはじめとする欧州特許公開第52045
7号に記載の漂白剤、欧州特許公開第501479号に
記載の漂白剤、欧州特許公開第567126号に記載の
漂白剤、特開平4−127145号に記載の漂白剤、特
開平3−144446号公報の(11)ページに記載の
アミノポリカルボン酸第二鉄塩又はその塩を挙げること
ができるがこれらに限定されるものではない。
【0084】漂白能を有する処理液に含有される漂白剤
としては、赤血塩、塩化第二鉄、重クロム酸塩、過硫酸
塩、臭素酸塩、過酸化水素等の無機酸化剤の他、有機酸
鉄(III)錯塩が知られている。
【0085】本発明の漂白能を有する処理液に含有され
る有機酸鉄(III)錯塩はアルカリ金属塩又はアンモニウ
ム塩として用いてもよい。アルカリ金属塩としてはリチ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等、アンモニウム塩
としては、アンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
塩等を挙げることが出来る。
【0086】本発明において、漂白能を有する処理液の
漂白剤として、上述した有機酸鉄(III)錯塩からなる漂
白剤に加え、上述した無機酸化剤を漂白剤として併用し
てもよい。無機酸化剤を併用する場合には鉄(III)錯塩
の総濃度としては0.005〜0.050モル/リット
ルの範囲が好ましい。
【0087】本発明の現像処理に用いる発色現像液は、
好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分
とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬とし
ては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p-フ
ェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代
表例としては、3-メチル-4- アミノ-N,N- ジエチルアニ
リン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒドロキ
シエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N-
β- メタンスルホンアミドエチルアニリン、3-メチル-4
- アミノ-N- エチル- β- メトキシエチルアニリン、4-
アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒ
ドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-
エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ
-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニ
リン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-ヒドロキ
シプロピル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル -N-メチ
ル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3-
メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、
4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(4-
ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エチル-N-
エチル-N-(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシブチ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5- ヒド
ロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-(5-
ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メトキシ-N- エチル-N-(4-ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビス(5
- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プロピ
ル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれらの硫
酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩などが挙
げられる。これらの中で、3-メチル-4- アミノ-N- エチ
ル-N -β- ヒドロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メ
チル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、
4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチ
ル)アニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β-
メタンスルホンアミドエチルアニリン及びこれらの塩酸
塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好まし
く、更には3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N -β- ヒド
ロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル
-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メ
チル-N-エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン及び
これらの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸
塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以上併
用することもできる。
【0088】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は、
好ましくは発色現像液1リットル当たり0.01モル〜
0.2モル、さらに好ましくは0.02モル〜0.1モ
ルである。好ましい芳香族第一級アミン現像主薬の使用
量の範囲において、現像速度が向上し、かつ現像カブリ
が抑えられた迅速処理が可能となる。
【0089】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、
臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチ
アゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制
剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的である。ま
た必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロ
キシルアミンの他特開平3−144446号の一般式
(I)で表されるヒドロキシルアミン類、亜硫酸塩、N,
N-ビスカルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン
類、フェニルセミカルバジド類、トリエタノールアミ
ン、カテコールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールのような有機溶
剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四
級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素
形成カプラー、競争カプラー、1-フェニル-3−ピラゾリ
ドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカ
ルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン
酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレー
ト剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジア
ミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロ
キシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-
トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N-
テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o
- ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を代表例と
して挙げることができる。
【0090】本発明における発色現像液での処理温度は
20〜55℃、好ましくは30〜50℃である。処理時
間は、処理の迅速性の観点から10秒〜3分30秒、好
ましくは20秒〜2分30秒であり、更に好ましくは3
0秒〜1分30秒である。
【0091】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンやハイドロキノンモノスルホネートなどの
ジヒドロキシベンゼン類、1-フェニル-3- ピラゾリドン
や1-フェニル-4- メチル-4-ヒドロキシメチル-3- ピラ
ゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メチル-p-ア
ミノフェノールなどのアミノフェノール類など公知の黒
白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いることが
できる。これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜
12であることが一般的である。またこれらの現像液の補
充量は、感光材料1平方メートル当たり50〜600ミ
リリットルが好ましく、80〜300ミリリットルがよ
り好ましい。補充量を低減する場合には処理槽の空気と
の接触面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸
化を防止することが好ましい。
【0092】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm 2 ) 〕÷〔処
理液の容量(cm 3 ) 〕 上記の開口率は、0.1 以下であることが好ましく、より
好ましくは 0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平 1-82033号に記載さ
れた可動蓋を用いる方法、特開昭 63-216050号に記載さ
れたスリット現像処理方法を挙げることができる。ま
た、流動パラフィンのような処理液面を覆う液体や低酸
化性及び/又は非酸化性気体を処理液面に接触させる方
法も挙げられる。開口率を低減させることは、発色現像
及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例え
ば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全ての
工程において適用することが好ましい。また、現像液中
の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより
補充量を低減することもできる。
【0093】本発明の脱銀処理は、発色現像後に直ちに
行なうことが好ましいが、反転処理の場合には調整浴
(漂白促進浴、前漂白浴であってもよい。)等を介して
行なうことが一般である。これらの調整浴に、前述の画
像安定剤を用いた調整安定液とすると画像安定性が向上
し好ましい。調整液としては、画像安定化剤以外には、
エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、1,3−プロピレンジアミン四酢酸、シクロヘキサ
ンジアミン四酢酸のようなアミノポリカルボン酸キレー
ト剤、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウムのような
亜硫酸塩及びチオグリセリン、アミノエタンチオール、
スルホエタンチオールなど後述する各種漂白促進剤を含
有させることができる。またスカム防止の目的で、米国
特許4,839,262号に記載のエチレンオキシドで
置換された脂肪酸のソルビタンエステル類、米国特許
4,059,446号及びリサーチ・ディスクロージャ
ー誌191巻、19104(1980)に記載されたポ
リオキシエチレン化合物等を含有させることが好まし
い。これらの化合物は、調整液1リットル当たり0.1
g〜20gの範囲で使用することができるが、好ましく
は1g〜5gの範囲である。調整浴のpHは、通常3〜
11の範囲で用いられるが、好ましくは4〜9、更に好
ましくは4.5〜7である。調整浴での処理時間は、2
0秒〜5分であることが好ましい。より好ましくは20
秒〜100秒であり、最も好ましくは20秒〜60秒で
ある。また、調整浴の補充量は、感光材料1m2 当たり
30ml〜3000mlが好ましいが、特に50ml〜150
0mlであることが好ましい。調整浴の処理温度は20℃
〜50℃が好ましいが、特に30℃〜40℃であること
が好ましい。
【0094】本発明においては、像様露光された感光材
料は、発色現像液で処理され、脱銀処理され、その後に
水洗及び/又は安定液で処理される。脱銀処理は、基本
的には漂白能を有する処理液で漂白処理した後、定着能
を有する処理液で定着処理される。このように漂白処理
と定着処理は個別に行なわれてもよいし、漂白能と定着
能を兼ね備えた漂白定着液で同時に行なわれてもよい
(漂白定着処理)。これらの漂白処理、定着処理及び漂
白定着処理は、それぞれ、1槽でもよいし、2槽以上で
あってもよい。
【0095】本発明における漂白能を有する処理液と
は、脱銀工程に用いられる処理液のうち、漂白剤を含有
する処理液のことを意味し、具体的には、漂白液と漂白
定着液をいう。本発明においては、その効果を顕著に発
揮する点から漂白能を有する処理液が漂白定着液である
ことが好ましい。また、定着能を有する処理液とは、脱
銀工程に用いられる処理液のうち、定着剤を含有する処
理液のことを意味し、具体的には、定着液と漂白定着液
をいう。本発明における脱銀処理の具体的な態様を以下
にあげるがこれらに限定されるものではない。 1.漂白−定着 2.漂白定着 3.漂白−漂白定着 4.漂白定着−漂白定着 5.漂白−漂白定着−定着 6.漂白−漂白定着−漂白定着 7.漂白−定着−定着 8.漂白−定着−漂白定着 9.漂白定着−定着 10.漂白定着−漂白 尚、これらの処理の間には任意、水洗工程をもうけても
よい。本発明においては、その効果を顕著に発揮する観
点から上記2.が最も好ましい。
【0096】本発明において、漂白能を有する処理液の
補充量は感光材料1m2 当り10〜1000mlに設定さ
れるが、好ましくは20〜800mlであり、更には、3
0〜450mlに低補充化したときが特に好ましい。本発
明における漂白能を有する処理液での処理温度は20〜
55℃、好ましくは30〜50℃である。処理時間は、
迅速性の観点から10秒〜2分の範囲が好ましく、特に
20秒〜1分30秒の範囲が好ましい。
【0097】本発明による金属キレート化合物を含有す
る漂白能を有する処理液は漂白剤として該金属キレート
化合物を含有する他、銀の酸化を促進する為の再ハロゲ
ン化剤として、塩化物、臭化物、ヨウ化物の如きハロゲ
ン化物を加えるのが好ましい。また、ハロゲン化物の代
わりに難溶性銀塩を形成する有機性配位子を加えてもよ
い。ハロゲン化物はアルカリ金属塩あるいはアンモニウ
ム塩、あるいはグアニジン、アミンなどの塩として加え
る。具体的には臭化ナトリウム、臭化アンモニウム、塩
化カリウム、塩酸グアニジン、臭化カリウム、塩化カリ
ウム等がある。本発明の漂白能を有する処理液において
再ハロゲン化剤の量は2モル/リットル以下が適当であ
り、漂白液の場合には0.01〜2.0モル/リットル
が好ましく、更に好ましくは0.1〜1.7モル/リッ
トルであり、特に好ましくは0.1〜0.6モル/リッ
トルである。漂白定着液においては、0.001〜2.
0モル/リットルが好ましく、0.001〜1.0モル
/リットルが更に好ましく、0.001〜0.5モル/
リットルが特に好ましい。
【0098】本発明による漂白能を有する処理液又はそ
の前浴には、漂白促進剤、処理浴槽の腐食を防ぐ腐食防
止剤、液のpHを保つための緩衝剤、蛍光増白剤、消泡
剤などが必要に応じて添加される。漂白促進剤について
は、例えば、米国特許第3,893,858号明細書、
ドイツ特許第1,290,821号明細書、英国特許第
1,138,842号明細書、特開昭53−95630
号公報、リサーチ・ディスクロージャー第17129号
(1978年7月号)に記載のメルカプト基またはジス
ルフィド基を有する化合物、特開昭50−140129
号公報に記載のチアゾリジン誘導体、米国特許第3,7
06,561号明細書に記載のチオ尿素誘導体、特開昭
58−16235号公報に記載の沃化物、ドイツ特許第
2,748,430号明細書に記載のポリエチレンオキ
サイド類、特公昭45−8836号公報に記載のポリア
ミン化合物などを用いることができる。更に、米国特許
第4,552,834 号に記載の化合物も好ましい。これらの漂
白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感
光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に
有効である。特に好ましくは英国特許第1,138,8
42号明細書、特開平2−190856号に記載のよう
なメルカプト化合物が好ましい。
【0099】本発明における漂白能を有する処理液に
は、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸(以下、
単にジカルボン酸化合物という)含有させることが好ま
しい。ジカルボン酸化合物としては、1分子中にカルボ
キシル基を2個以上有する飽和炭化水素化合物、不飽和
炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、複素環化合物
が挙げられ、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、アスパラギン
酸、クエン酸、2、6−ピリジンジカルボン酸などが挙
げられる。これらは、2種〜4種組み合わせて用いても
よい。本発明における漂白能を有する処理液には、ジカ
ルボン酸化合物の他、酢酸、グリコール酸、プロピオン
酸等pKa2.0〜5.5の有機酸を使用することがで
きる。有機酸は単独で使用しても併用してもよく、バッ
ファー剤として0.05〜2.0モル/リットル含有す
ることが好ましく、0.1〜1.5モル/リットル含有
することがより好ましい。本発明におけるpKaは酸解
離定数の逆数の対数を表し、イオン強度0.1モル/リ
ットル、25℃で求められた値を示す。pKa2.0〜
5.5の有機酸の具体例としては、特開平3−1071
47号公報第5頁右下欄第2行目〜第6頁左上欄第10
行目に記載されている化合物が挙げられる。本発明にお
いては、ジカルボン酸以外で臭気の強い酢酸やプロピオ
ン酸等pKa2.0〜5.5の有機酸は、処理浴の液
(感光材料が直接触れる処理液)中の濃度として0.0
〜0.5モル/リットル、特には0.0〜0.3モル/
リットルの範囲にすることが作業環境の点で好ましい。
【0100】本発明の漂白液或いは漂白定着液のpHは
2.0〜8.0、好ましくは3.0〜7.5である。撮
影用感材において発色現像後直ちに漂白或いは漂白定着
を行う場合には、漂白カブリ等を抑えるために液のpH
を7.0以下、好ましくは6.4以下で用いるのが良
い。特に漂白液の場合には3.0〜5.0が好ましい。
pH2.0以下では、本発明になる金属キレートが不安
定となり易く、pH2.0〜6.4が好ましい。カラー
プリント材料ではpH3〜7の範囲が好ましい。このた
めのpH緩衝剤としては、漂白剤による酸化を受け難
く、上記pH範囲で緩衝作用のあるものであればどのよ
うなものでも用いることができる。例えば上述のジカル
ボン酸化合物、酢酸、グリコール酸、乳酸、プロピオン
酸、酪酸、リンゴ酸、クロロ酢酸、レブリン酸、ウレイ
ドプロピオン酸、ギ酸、ピルビン酸、イソ酪酸、ピバル
酸、アミノ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、アスパラギン、
アラニン、アルギニン、エチオニン、グリシン、グルタ
ミン、システイン、セリン、メチオニン、ロイシン、ヒ
スチジン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ニコチン酸
等の有機酸類、ピリジン、ジメチルピラゾール、2−メ
チル−o−オキサゾリン、アミノアセトニトリル、イミ
ダゾール等の有機塩基類等が挙げられる。これら緩衝剤
は複数の物を併用しても良い。
【0101】漂白能を有する処理液のpHを前記領域に
調節するには、前記の酸とアルカリ剤(例えば、アンモ
ニア水、KOH、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、イミダゾール、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン)を併用してもよい。なかでも、アンモニア
水、KOH、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
が好ましい。
【0102】また、腐食防止剤としては、特開平3−3
3847号公報に記載されているように硝酸塩を用いる
のが好ましく、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウムや硝
酸カリウムなどが用いられる。その添加量は、0.01
〜2.0モル/リットル、好ましくは0.05〜0.5
モル/リットルである。
【0103】近年の地球環境の保全に対する認識の高ま
りから、環境中に排出される窒素原子を低減させる努力
が行なわれている。そのような観点からすると本発明の
処理液にも実質上アンモニウムイオンを含まないことが
望まれる。尚、本発明において、実質上アンモニウムイ
オンを含まないとは、アンモニウムイオンの濃度が0.
1モル/リットル以下の状態をさし、好ましくは0.0
8モル/リットル以下、より好ましくは0.01モル/
リットル以下、特に好ましくは全く含有しない状態を表
わす。アンモニウムイオン濃度を本発明の領域に減少す
るには、代わりのカチオン種としてアルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオンが好ましく、特にアルカリ
金属イオンが好ましく、中でも特にリチウムイオン、ナ
トリウムイオン、カリウムイオンが好ましいが、具体的
には、漂白剤としての有機酸第二鉄錯体のナトリウム塩
やカリウム塩、漂白能を有する処理液中の再ハロゲン化
剤としての臭化カリウム、臭化ナトリウムの他、硝酸カ
リウム、硝酸ナトリウム等が挙げられる。また、pH調
整用に使用するアルカリ剤としては、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が
好ましい。
【0104】本発明の漂白能を有する処理液は、処理に
際し、エアレーションを実施することが写真性能をきわ
めて安定に保持するので特に好ましい。エアレーション
には当業界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処
理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空
気の吸収などが実施できる。空気の吹き込みに際して
は、微細なポアを有する散気管を通じて、液中に空気を
放出させることが好ましい。このような散気管は、活性
汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されている。エ
アレーションに関しては、イーストマン・コダック社発
行のZ−121、ユージング・プロセス・C−41第3
版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項
を利用できる。本発明の漂白能を有する処理液を用いた
処理に於いては、攪拌が強化されていることが好まし
く、その実施には特開平3−33847号公報の第8
頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、
そのまま利用できる。
【0105】また、本発明の漂白能を有する処理液は、
処理に使用後のオーバーフロー液を回収し、成分を添加
して組成を修正した後、再利用することが出来る。この
ような使用方法は、通常、再生と呼ばれるが、本発明は
このような再生も好ましくできる。再生の詳細に関して
は、富士写真フイルム株式会社発行の富士フイルム・プ
ロセシングマニュアル、フジカラーネガティブフィル
ム、CN−16処理(1990年8月改訂)第39頁〜
40頁に記載の事項が適用できる。本発明の漂白能を有
する処理液を調整するためのキットは、液体でも粉体で
も良いが、アンモニウム塩を排除した場合、ほとんどの
原料が粉体で供給され、また吸湿性も少ないことから、
粉体を作るのが容易になる。上記再生用のキットは、廃
液量削減の観点から、余分な水を用いず、直接添加でき
ることから、粉体が好ましい。
【0106】漂白能を有する処理液の再生に関しては、
前述のエアレーションの他、「写真工学の基礎−銀塩写
真編−」(日本写真学会編、コロナ社発行、1979
年)等に記載の方法が使用できる。具体的には電解再生
の他、臭素酸や亜鉛素酸、臭素、臭素プレカーサー、過
硫酸塩、過酸化水素、触媒を利用した過酸化水素、亜臭
素酸、オゾン等による漂白液の再生方法が挙げられる。
電解による再生においては、陰極及び陽極を同一漂白浴
に入れたり、或いは隔膜を用いて陽極槽と陰極槽を別浴
にして再生してりするほか、やはり隔膜を用いて漂白液
と現像液及び/又は定着液を同時に再生処理したりする
ことができる。定着液、漂白定着液の再生は、蓄積する
銀イオンを電解還元することでおこなわれる。その他、
蓄積するハロゲンイオンを陰イオン交換樹脂により除去
することも、定着性能を保つ上で好ましい。
【0107】定着能を有する処理液の定着剤濃度は漂白
定着液もしくは定着液1リットル当り0.2〜3.0モ
ル、好ましくは0.5〜2.0モル、より好ましくは
1.1〜1.8モルである。この好ましい定着剤濃度範
囲において、脱銀速度が向上し、かつ処理後のステイン
発生等が有効に防止される。
【0108】尚、脱銀工程における定着剤としては、一
般にチオ硫酸アンモニウムが使用されてきたが、公知の
他の定着剤、例えば、メソイオン系化合物、チオエーテ
ル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物、ハイポ等に置
き換えてもよい。これらについては、特開昭60-61749
号、同60-147735 号、同64-21444号、特開平1-201659
号、同1-210951号、同2-44355 号、米国特許第4,378,42
4 号等に記載されている。例えば、チオ硫酸アンモニウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸
グアニジン、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸
ナトリウム、チオシアン酸カリウム、ジヒドロキシエチ
ル−チオエーテル、3,6−ジチア−1,8−オクタン
ジオール、イミダゾール等が挙げられる。なかでもチオ
硫酸塩やメソイオン類が好ましい。迅速な定着性の観点
からはチオ硫酸アンモニウムが好ましいが、前述したよ
うに環境問題上、処理液に実質上アンモニウムイオンを
含まないようにする観点からはチオ硫酸ナトリウムやメ
ソイオン類が更に好ましい。更には、二種類以上の定着
剤を併用する事で、更に迅速な定着を行うこともでき
る。例えば、チオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウ
ムに加えて、前記チオシアン酸アンモニウム、イミダゾ
ール、チオ尿素、チオエーテル等を併用するのも好まし
く、この場合、第二の定着剤はチオ硫酸アンモニウムや
チオ硫酸ナトリウムに対し0.01〜100モル%の範
囲で添加するのが好ましい。
【0109】定着液のpHは定着剤の種類によるが、一
般的には3.0〜9.0であり、特にチオ硫酸塩を用い
る場合には、5.8〜8.0が安定な定着性能を得る上
で好ましい。
【0110】漂白定着液や定着液には、保恒剤を加え、
液の経時安定性を高めることも出来る。チオ硫酸塩を含
む漂白定着液あるいは定着液の場合には、保恒剤として
亜硫酸塩、および/またはヒドロキシルアミン、ヒドラ
ジン、アルデヒドの重亜硫酸塩付加物(例えば、アセト
アルデヒドの重亜硫酸付加物、特に好ましくは、特開平
3−158848号に記載の芳香族アルデヒドの重亜硫
酸付加物)が有効である。
【0111】また、本発明の金属キレート化合物を含有
する漂白定着液や定着液には、少なくとも一種のスルフ
ィン酸およびその塩を含有することが好ましい。スルフ
ィン酸およびその塩の好ましい例としては、特開平1−
230039号、同1−224762号、同1−231
051号、同1−271748号、同2−91643
号、同2−251954号、同2−251955号、同
3−55542号、同3−158848号、同4−51
237号、同4−329539号、米国特許第5108
876号、同4939072号、EP第255722A
号、同第463639号などに記載の化合物が挙げら
れ、より好ましくは置換されてもよいアリールスルフィ
ン酸またはその塩であり、更に好ましくは置換されても
よいフェニルスルフィン酸またはその塩である。置換基
としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10
のアリール基、炭素数1〜5のカルバモイル基、炭素数
1〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、スルフィン酸基、スルホン酸基、カルボン酸
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0112】本発明においては、定着能を有する処理液
におけるアンモニウムイオン濃度が0.0〜2.0モル
/リットルの範囲においてその効果を発揮するが、0.
0〜1.0モル/リットルの範囲が好ましく、更には
0.0〜0.5モル/リットルの範囲が好ましく、特に
はアンモニウムイオンを含まないような定着能を有する
処理液が好ましい。アンモニウムイオンも環境汚染要因
として排出規制がなされている現状からも、できるだけ
低濃度にすることが好ましい。また、本発明における定
着能を有する処理液の補充量は、感光材料1m2 当り1
0〜1000mlに設定されるが、好ましくは20〜80
0mlであり、更には、30〜500mlに低補充化したと
きが特に好ましい。本発明における定着能を有する処理
液での処理温度は20〜55℃、好ましくは30〜50
℃である。処理時間は、処理の迅速性の観点から10秒
から2分の範囲が好ましく、特に20秒〜1分30秒の
範囲が好ましい。
【0113】定着能を有する処理液には、各種の蛍光増
白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリド
ン、メタノール等の有機溶剤を含有させることができ
る。さらに定着能を有する処理液には処理液の安定化の
目的で各種アミノポリカルボン酸類や、有機ホスホン酸
類等のキレート剤の添加が好ましい。好ましいキレート
剤としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テ
トラキス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリメチレ
ンホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,
2−プロピレンジアミン四酢酸を挙げることができる。
また、定着能を有する処理液には液のpHを一定に保つ
ために、緩衝剤を添加するのも好ましい。例えば、リン
酸塩、あるいはイミダゾール、1−メチル−イミダゾー
ル、2−メチル−イミダゾール、1−エチル−イミダゾ
ールのようなイミダゾール類、トリエタノールアミン、
N−アリルモルホリン、N−ベンゾイルピペラジン等が
あげられる。
【0114】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は10秒〜
2分、更に好ましくは10秒〜1分30秒である。ま
た、処理温度は30℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃であ
る。好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、
かつ処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0115】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭 62-183460号に記載の感光材料の乳剤
面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭 62-1834
61号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には
液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させ
ながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化すること
によってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の
循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪
拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれに
おいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白
剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高める
ものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白
促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著
しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消
させることができる。
【0116】本発明は、脱銀処理後、水洗及び/又は安
定工程を経る。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特
性(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には
水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補
充方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得
る。このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水
量の関係は、Journal of the Society of Motion Pictu
re and Television Engineers 第64巻、P. 248〜253 (1
955 年5月号)に記載の方法で、求めることができる。
前記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大
幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増
加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光
材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光
材料の処理において、このような問題が解決策として、
特開昭62-288,838号に記載のカルシウムイオン、マグネ
シウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用いるこ
とができる。また、特開昭57-8,542号に記載のイソチア
ゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシア
ヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾト
リアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986
年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防
黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編
「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いる
こともできる。
【0117】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、3〜9であり、好ましくは4〜8である。水洗水
温、水洗時間も、迅速性の観点から、15〜50℃で5秒〜
1分、好ましくは25〜45℃で5秒〜40秒の範囲が選択
される。
【0118】更に、本発明の脱銀工程が漂白定着液の一
槽構成の場合においては、漂白定着処理工程に続き、実
質的に水洗工程を経ずに直接安定化処理工程を行うこと
が好ましい。本発明において実質的に水洗工程を経ずに
直接安定化処理工程を行うとは、安定化処理槽(2以上
の槽から成るときは漂白定着槽に一番近い槽)に持ち込
まれる漂白定着液の容量が安定液のそれに対し、1%以
上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上の
場合をいう。該安定化処理槽の漂白定着液濃度が1%未
満にならない程度であれば、単槽または複数槽向流方式
による極く短時間のリンス処理、補助水洗及び水洗促進
浴などの処理を行ってもよい。このような安定化処理に
おいては、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220
345 号に記載の公知の方法はすべて用いることができ
る。
【0119】本発明の感光材料の処理における安定液の
pHは4.0 〜5.5 の範囲が好ましく、より好ましくは4.
2 〜5.3 の範囲であり、この範囲において本発明の効果
が顕著となる。このような安定液には、2個以上のカル
ボキシル基を有する有機酸(以下、単にジカルボン酸化
合物という)を含有させることが好ましい。ジカルボン
酸化合物としては、1分子中にカルボキシル基を2個以
上有する飽和炭化水素化合物、不飽和炭化水素化合物、
芳香族炭化水素化合物、複素環化合物が挙げられ、シュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
マレイン酸、フマル酸、アスパラギン酸、クエン酸、
2、6−ピリジンジカルボン酸などが挙げられる。これ
らは、2種〜4種組み合わせて用いてもよい。該安定液
には、ジカルボン酸化合物の他、酢酸、グリコール酸、
プロピオン酸等pKa2.0〜5.5の有機酸を使用す
ることができる。有機酸は単独で使用しても併用しても
よく、バッファー剤として0.001 〜0.2モル/リットル
含有することが好ましく、0.005 〜0.15モル/リットル
含有することがより好ましい。本発明におけるpKaは
酸解離定数の逆数の対数を表し、イオン強度0.1モル
/リットル、25℃で求められた値を示す。pKa2.
0〜5.5の有機酸の具体例としては、特開平3−10
7147号公報第5頁右下欄第2行目〜第6頁左上欄第
10行目に記載されている化合物が挙げられる。本発明
においては、ジカルボン酸以外で臭気の強い酢酸やプロ
ピオン酸等pKa2.0〜5.5の有機酸は、処理浴の
液(感光材料が直接触れる処理液)中の濃度として0.0
〜0.2 モル/リットル、特には0.0 〜0.15モル/リット
ルの範囲にすることが作業環境の点で好ましい。
【0120】該安定液のpHを前記領域に調節するに
は、前記の酸とアルカリ剤(例えば、アンモニア水、K
OH、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、イミ
ダゾール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン)を併用してもよい。なかでも、アンモニア水、KO
H、NaOH、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好まし
い。
【0121】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0122】水洗水及び安定液には処理後の感光材料の
乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を
含有することができる。中でもノニオン性界面活性剤を
用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレン
オキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールとし
ては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノ
ールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル数
としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高
いシリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0123】水洗水及び安定液中には、各種キレート剤
を含有させることが好ましい。好ましいキレート剤とし
ては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′−トリ
メチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−N,N,
N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機ホス
ホン酸、あるいは、欧州特許345,172A1号に記
載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあげる
ことができる。
【0124】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
蒸発による濃縮を補正するために、適当量の水または補
正液ないし処理補充液を補充することが好ましい。水補
充を行う具体的方法としては、特に制限はないが、中で
も特開平1−254959号、同1−254960号公
報記載の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニ
ター水槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂
白槽における水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例し
て漂白槽に水を補充する方法や特開平3−248155
号、同3−249644号、同3−249645号、同
3−249646号公報記載の液レベルセンサーやオー
バーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。
各処理液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用い
てもよいが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオ
ン処理した水、殺菌された水とするのがよい。
【0125】本発明に用いられる自動現像機は、特開昭
60-191257号、同 60-191258号、同60-191259号に記載
の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記
の特開昭 60-191257号に記載のとおり、このような搬送
手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減で
き、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このよう
な効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充
量の低減に特に有効である。
【0126】本発明における各種処理液は10℃〜50℃に
おいて使用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的で
あるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮し
たり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性
の改良を達成することができる。
【0127】本発明に使用される処理剤の供給形態は、
使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは
顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形
態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63-1
7453には低酸素透過性の容器に収納した液剤、特開平4-
19655 、同4-230748には真空包装した粉末あるいは顆
粒、同4-221951には水溶性ポリマーを含有させた顆粒、
特開昭51-61837、特開平6-102628には錠剤、特表昭57-5
00485 にはペースト状の処理剤が開示されており、いず
れも好ましく使用できるが、使用時の簡便性の面から、
予め使用状態の濃度で調製してある液体を使用すること
が好ましい。これらの処理剤を収納する容器には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエ
チレンテレフタレート、ナイロンなどが、単独あるいは
複合材料として使用される。これらは要求される酸素透
過性のレベルに合わせて選択される。発色現像液などの
酸化されやすい液に対しては、低酸素透過性の素材が好
ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンとナイロンの複合材料が好ましい。これらの材
料は 500〜1500μmの厚さで、容器に使用され、酸素透
過性を20ミリリットル/m2・24hrs ・atm 以下にすることが好
ましい。
【0128】本発明において、各処理液は2種以上の感
光材料の処理に共通に使用することができる。例えば、
カラーネガフィルムとカラーペーパーの処理を同じ処理
液を用いて処理することにより、処理機のコスト低減や
処理の簡易化を行うことができる。
【0129】本発明の感光材料は、支持体上に少なくと
も1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例
としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが
感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光
性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料
である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の
何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感
光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色
性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じ
て上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異
なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上
記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層に
は非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプ
ラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよ
い。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤
層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されてい
るように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体
に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ま
しい。また、特開昭57-112751 、同62- 200350、同62-2
06541 、62-206543に記載されているように支持体より
離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤
層を設置してもよい。具体例として支持体から最も遠い
側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層
(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、また
はBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができ
る。また特公昭 55-34932 公報に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL
/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-2573
8、同62-63936に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列す
ることもできる。また特公昭49-15495に記載されている
ように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中
層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層
を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配
置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度
の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよ
うな感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開
昭59-202464 に記載されているように、同一感色性層中
において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度
乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その
他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、ある
いは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に
配置されていてもよい。 また、4層以上の場合にも、
上記の如く配列を変えてよい。色再現性を改良するため
に、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開
昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,
RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のド
ナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置す
ることが好ましい。
【0130】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ
塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいの
は約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ
臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロ
ゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規
則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な
結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するも
の、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の
粒径は、約 0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約
10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤
でも単分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン
化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22 〜23
頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and type
s)”、および同No.18716 (1979年11月),648 頁、同N
o.307105(1989年11月),863 〜865 頁、およびグラフキ
デ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社刊(P.Gl
afkides, Chemie et Phisique Photographique, Paul M
ontel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカ
ルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion C
hemistry,Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真
乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Ze
likman, et al., Making and Coating Photographic Em
ulsion, Focal Press, 1964)などに記載された方法を用
いて調製することができる。
【0131】US 3,574,628、同 3,655,394およびGB 1,4
13,748に記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutof
f, Photographic Science and Engineering)、第14巻
248〜257頁(1970年);US 4,434,226、同 4,414,310、
同 4,433,048、同 4,439,520およびGB 2,112,157に記載
の方法により簡単に調製することができる。結晶構造は
一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成か
らなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エ
ピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が
接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などの
ハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。ま
た種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。上記の
乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、
粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれ
にも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤
であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭 6
3-264740に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であっ
てもよく、この調製方法は特開昭59-133542に記載され
ている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって
異なるが、3 〜40nmが好ましく、5 〜20nmが特に好まし
い。
【0132】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同No.187
16および同No.307105 に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。本発明の感光材料には、感光性
ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロ
ゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の
異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用す
ることができる。US 4,082,553に記載の粒子表面をかぶ
らせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 59-21
4852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、
コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または
実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用することが
好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わ
ず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀
粒子のことをいい、その調製法は、US 4,626,498、特開
昭 59-214852に記載されている。粒子内部がかぶらされ
たコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成する
ハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよい。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀として
は、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれ
をも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲ
ン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm 、
特に0.05〜0.6 μm が好ましい。また、粒子形状は規則
的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性
(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95
%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)で
あることが好ましい。
【0133】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好
ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン
化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表
面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も
不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立
ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベン
ゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または
亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好
ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイ
ド銀を含有させることができる。本発明の感光材料の塗
布銀量は、6.0g/ m2以下が好ましく、4.5g/ m2以下が最
も好ましい。
【0134】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5. 光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6. バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 7. 可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8. 塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9. スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10. マツト剤 878 〜879 頁
【0135】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わさ
れるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされる
カプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037Aのクレーム1
の式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム
1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開
平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラ
ー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー
(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表
わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41 頁)); US
4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わ
されるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラ
ム19))。 マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-
68(12 頁右下),L-77(13頁右下); EP 456,257 の A-4 -6
3(134頁), A-4 -73,-75(139頁); EP 486,965 のM-4,-6
(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19 頁);特開平
5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の段落0237のM-
22。 シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,1
4,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),3
4,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385
の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプ
ラー。 ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
【0136】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁
に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエ
ローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EP
に記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202
頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069
に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム
8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、
WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマ
スキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ま
しい。現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物
残基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以
下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 37
8,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わ
される化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36
頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP43
6,938A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合
物(特にD-49(51頁))、EP 568,037A の式(1) で表わさ
れる化合物(特に(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5 〜6
頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に
29頁のI-(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2
の5 頁の式(I),(I')で表わされる化合物(特に61頁の(6
0),(61)) 及び特開平6-59411 の請求項1の式(I) で表
わされる化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合
物:US 4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わさ
れる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロ
イコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化
合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレー
ム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10
の化合物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合
物:US 4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表
わされる化合物(特にカラム25の(I-22))及びEP 450,63
7A2の75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素と
なる基を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の
式(I) で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜
Y-19) 。
【0137】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,
16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,199,
363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャ
ー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わ
される化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜
5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4
頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24
〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特に
III-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-
2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,
42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させ
る素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-4
6; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁
のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の
17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式
(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-
214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜7
6),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合
物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-2
4,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載
の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US
4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,
9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,79
3のカラム6 〜16のI-1 〜(14),特にI-1,60,(2),(13), U
S 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36:
化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5-40324 の化合物50;染料: 特開平3-156450の15〜18
頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29
頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-
1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28
頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26の
Dye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の
化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ない
し(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,26
8,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜1
0), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜
(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式
(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜
9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(6
6)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1
〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物
(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0138】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に
適用することができる。また、特公平2-32615 、実公平
3-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット
用に好適である。本発明に使用できる適当な支持体は、
例えば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の 6
47頁右欄から 648頁左欄、および同No.307105 の 879頁
に記載されている。
【0139】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下であるこ
とが好ましく、23μm 以下がより好ましく、18μm 以下
が更に好ましく、16μm 以下が特に好ましい。また膜膨
潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好
ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3 分15秒処理し
た時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたと
き、膜厚そのが1/2 に到達するまでの時間と定義する。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した
膜厚を意味し、T1/2 は、エー・グリーン(A.Green)ら
のフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニ
アリング (Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124 〜129 頁
に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用すること
により測定できる。T1/2 は、バインダーとしてのゼラ
チンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件
を変えることによって調整することができる。また、膨
潤率は 150〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さきに述
べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚
−膜厚)/膜厚 により計算できる。
【0140】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2 μm〜20μm の親水性コ
ロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。
このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、
紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダ
ー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させ
ることが好ましい。このバック層の膨潤率は150 〜500
%が好ましい。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側
の反対側に、乾燥膜厚の総和が2 μm〜20μm の親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バイン
ダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有さ
せることが好ましい。このバック層の膨潤率は150 〜50
0 %が好ましい。
【0141】本発明の感光材料は、前述のRD.No.176
43の28〜29頁、同No.18716の 651左欄〜右欄、および同
No.307105 の880 〜881 頁に記載された通常の方法によ
って現像処理することができる。
【0142】本発明の感光材料をカラーネガフィルムと
して使用する場合の支持体は、国際公開特許WO90/
04205号公報、FIG.1Aに記載された磁気記録
層を有するものが好ましい。このような磁気記録層と
は、磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは
有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。本
発明で用いられる磁性体粒子は、γFe2O3 などの強磁性
酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、、Co含
有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強
磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pb
フェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着γ
Fe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状とし
ては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでも
よい。比表面積では SBET で20m2/g以上が好ましく、30
m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)
は、好ましくは 3.0×104 〜 3.0×105A/mであり、特に
好ましくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mである。強磁性体
粒子を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材によ
る表面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開
平6-161032に記載された如くその表面にシランカップリ
ング剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。
又特開平4-259911、同5-81652 号に記載の表面に無機、
有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0143】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解
性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導
体など)およびそれらの混合物を使用することができ
る。上記の樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均分子量
は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セ
ルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルローストリプロピオネートなどの
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特に
セルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダ
ーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の
架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシア
ネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネ
ート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリ
レンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1m
olの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮
合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、
例えば特開平6-59357 に記載されている。
【0144】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、特開平6-35092 に記載されている方法のよう
に、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好
ましく併用も好ましい。特開平5-088283に記載の分散剤
や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の
厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜 5μ
m、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体粒
子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:100
からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁性
体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2、好ましくは0.01〜 2
g/m2、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2である。磁気記
録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.
03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。
磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によ
って全面またはストライプ状に設けることができる。磁
気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレ
ード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、
トランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、ス
プレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利
用でき、特開平5-341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0145】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同
5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されてい
る。
【0146】支持体の素材としては、特開平4−124
636号第5頁右上欄第1行〜第6頁右上欄第5行に記
載の各種プラスチックフィルムも使用でき、好ましいも
のとしては、セルロース誘導体(例えばジアセチル−,
トリアセチル−,プロピオニル−,ブタノイル−,アセ
チルプロピオニル−アセテート)や特公昭48−404
14号に記載のポリエステル(例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が挙げら
れる。本発明の感光材料をカラーネガフィルムとして使
用する場合に使用されるフィルムの支持体は、より高い
液切り効果が得られ、次工程への前浴成分の混入を減ら
せることから、ポリエチレンテレフタレートや、機能材
料,1991年,2月号,20〜28頁に記載のポリエ
チレンナフタレートが好ましい。
【0147】次に本発明に好ましく用いられるポリエス
テル支持体について記すが、後述する感材、処理、カー
トリッジ及び実施例なども含め詳細については、公開技
報、公技番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載され
ている。本発明に用いられるポリエステルはジオールと
芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族
ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及
び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げら
れる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキ
サンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙
げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステ
ルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,
6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000
ないし 200,000である。本発明のポリエステルのTgは50
℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0148】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しな
がら熱処理してもよい。この熱処理時間は、 0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時
間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施して
もよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。
表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無
機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端
部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻
芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望
ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、
バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布
後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防
止剤塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤
を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、
三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエ
ステル用として市販されている染料または顔料を練り込
むことにより目的を達成することが可能である。
【0149】次に、本発明では支持体と感材構成層を接
着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面
活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいの
は、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処
理である。次に下塗法について述べると、単層でもよく
2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、
アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から
選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとし
て、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼ
ラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支
持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロル
フェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としては
クロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルム
アルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネ
ート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリ
ン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることが
できる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤
として含有させてもよい。
【0150】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、 Z
nO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、 MgO、 BaO、
MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率
が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下であ
る粒子サイズ 0.001〜 1.0μm結晶性の金属酸化物ある
いはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C など)の微
粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合
酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、 5〜
500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2であ
る。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバイン
ダーの量の比は1/300 〜 100/1が好ましく、より好まし
くは 1/100〜 100/5である。
【0151】本発明の感材には滑り性がある事が好まし
い。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いるこ
とが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.
25以下0.01以上である。この時の測定は直径 5mmのステ
ンレス球に対し、 60cm/分で搬送した時の値を表す(25
℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面
に置き換えてももほぼ同レベルの値となる。本発明に使
用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高
級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級
アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサ
ンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシ
ロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサン等を用いることができる。添加層と
しては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリ
ジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステル
が好ましい。
【0152】本発明の感材にはマット剤が有る事が好ま
しい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでも
よいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。
マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好
ましくは両者を併用することである。例えばポリメチル
メタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタク
リル酸= 9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子など
が好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、そ
の粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9〜 1.
1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ま
しい。又 マット性を高めるために 0.8μm以下の微粒
子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメ
タクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート
/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μm))、ポリス
チレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)
が挙げられる。
【0153】また本発明の感光材料を収納する包装体
(パトローネ)は、現用あるいは公知のいかなるもので
もよいが、特には米国特許第4,834,306 号のFig.1〜Fi
g.3に記載の形状のものや、米国特許第4,846,418 号の
Fig.1〜Fig.3に記載のもの、或いは、米国特許第5,29
6,887 号のFig.1〜Fig.7に記載のものが好ましい。本
発明に使用されるフィルムのフォーマットは日本工業規
格「JIS.K-7519(1982 年」に定める135 型をはじめ、特
開平4-123047号、同4-123059号、同4-123051号、同4-12
5560号、同4-156450号、同4-287040号に記載のフォーマ
ットのほか、公知のいかなるものも使用できる。
【0154】本発明においては、処理、乾燥後の感光材
料をロール状にしてカートリッジに収納することが好ま
しい。収納するカートリッジとしては、米国特許第5,25
1,840 号、同5,296,887 号、特開平4-121739号、同4-12
3047号、同4-123059号、同4-125560号、同4-287040号、
同6-19051 号、同6-19062 号、同6-35123 号に記載のカ
ートリッジ及び/又はパトローネが好ましいが、これら
に限定されるものではない。尚、その中でも米国特許5,
296,887 号に記載のカートリッジが特に好ましい。以下
に本発明において好ましいカートリッジの特徴を記す
が、これらに限定されるものではない。 ・処理後の感光材料をロール状にしてカートリッジに収
納することが好ましく、特には乳剤面を内側にしてロー
ル状にカートリッジに収納する事が好ましい。 ・収納するカートリッジの形状に特には制限はないが、
感光材料が接する内壁は感光材料ロールの外周に沿った
円柱状のものが、感光材料に不要な折り目が付き難く好
ましい。 ・取り扱い性や保存性の点から、底辺が 1.0〜5.0cm2
つ高さが 1.0〜5.0cm 、特には底辺が 2.2〜3.8cm2かつ
高さが 3.0〜4.0cm である円柱状または角柱状のものが
好ましい。 ・収納専用のカートリッジを用いてもよく、或いは撮影
前の感光材料が収納されていたカートリッジ(パトロー
ネともいう)と同じ形状のカートリッジでもよく、更に
は、処理した感光材料そのものが撮影前に収納されてい
た同一のカートリッジに該感光材料を収納してもよい。 ・予めロール状にしたものを収納してもよく、或いは、
カートリッジ中のスプールに巻き取っていく収納方法で
もよい。この時、ロール中心側が最初に撮影された画像
部であっても、ロール外周側が最初に撮影された画像部
であっても構わない。 ・画像保存性(特に光褪色)の点から、遮光性のカート
リッジの方が好ましく、更にカートリッジから感光材料
が露出していない方が好ましい。 ・底面及び/又は上面が解放出来てもよく、円柱又は角
柱を縦割りにする方向に分割できるような形状でもよ
い。 ・カートリッジ外部に、単体及び/又は其以外のものと
ジョイントすることが出来る突起及び/又は溝を有して
もよい。 ・スプールを有するカートリッジにおいては、取り扱い
性の点からスプールがカートリッジ本体から突出してい
ない方が好ましい。
【0155】本発明においては、フィルムパトローネの
主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ましい
プラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本
発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよ
くカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニ
オン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー
等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止さ
れたパトローネは特開平1-312537、同1-312538に記載さ
れている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好
ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与
するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプ
ラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは
現在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化に
は、現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm
以下とすることも有効である。パトローネのケースの容
積は、30cm3以下好ましくは 25cm3以下とすることが好
ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用され
るプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0156】更に本発明で用いられるフィルムパトロー
ネは、スプールを回転してフイルムを送り出すパトロー
ネでもよい。またフイルム先端がパトローネ本体内に収
納され、スプール軸をフイルム送り出し方向に回転させ
ることによってフイルム先端をパトローネのポート部か
ら外部に送り出す構造でもよい。これらはUS 4,834,30
6、同 5,226,613に開示されている。本発明に用いられ
る写真フイルムは現像前のいわゆる生フイルムでもよい
し、現像処理された写真フイルムでもよい。又、生フイ
ルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パトローネに収
納されていてもよいし、異なるパトローネでもよい。
【0157】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
ても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第 3,3
42,597号記載のインドアニリン系化合物、同第 3,342,5
99号、リサーチ・ディスクロージャー No.14,850及び同
No.15,159 に記載のシッフ塩基型化合物、同13,924号記
載のアルドール化合物、米国特許第 3,719,492号記載の
金属塩錯体、特開昭53-135628 号記載のウレタン系化合
物を挙げることができる。本発明のハロゲン化銀カラー
感光材料は、必要に応じて、発色現像を促進する目的
で、各種の1-フェニル-3- ピラゾリドン類を内蔵しても
良い。典型的な化合物は特開昭56-64339号、同57-14454
7 号、および同58-115438号等に記載されている。
【0158】本発明に使用されるカラーネガフィルムの
フォーマットは、日本工業規格「JIS.K−7519
(1982年)」に定める135型をはじめ、特開平4
−287040号に記載のフォーマットの他公知のいか
なるものも使用できる。
【0159】本発明の感光材料は、特公平2-32615 号、
実公平3-39784 号などに記載されているレンズ付きフイ
ルムユニットに適用した場合にもより効果を発現しやす
く有効である。
【0160】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0161】実施例1 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記の組成の各層を重層塗布して感光層を塗設し、多層
カラー感光材料である試料101を作製した。
【0162】(感光層組成)各層に使用する素材の主な
ものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示
し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。た
だし、増感色素については同一層のハロゲン化銀1モル
に対する塗布量をモル単位で示す。
【0163】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0164】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0165】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0166】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.015 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0167】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0168】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0169】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0170】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0171】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33
【0172】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0173】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0174】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0175】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0176】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0177】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0178】
【表1】
【0179】表1において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938の実施例に従い、二
酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に
還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450の実施例に従い、各
感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウム
の存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されてい
る。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426の実施例に
従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450に記載されている
ような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 に記載されている内部
高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0180】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキ
シエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリットル並びに5%
水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエ
−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリットルのポットミル
に入れ、染料ExF−2を 5.0gと酸化ジルコニウムビ
ーズ(直径1mm) 500ミリリットルを添加して内容物を2時間
分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボール
ミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラ
チン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料
のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44
μmであった。
【0181】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5はEP549,489Aの実施例1に記載の微小析出
(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均
粒径は0.06μmであった。
【0182】
【化25】
【0183】
【化26】
【0184】
【化27】
【0185】
【化28】
【0186】
【化29】
【0187】
【化30】
【0188】
【化31】
【0189】
【化32】
【0190】
【化33】
【0191】
【化34】
【0192】
【化35】
【0193】
【化36】
【0194】
【化37】
【0195】
【化38】
【0196】
【化39】
【0197】
【化40】
【0198】上記記載の試料101を色温度4800K
で連続階調ウェッジ露光を与え、以下に示す処理工程及
び処理液でシネ式自動現像機でランニング処理(発色現
像液の累積補充量が、そのタンク容量の3倍になるま
で)をした。尚、発色現像液及び漂白定着液は表2に示
したように、使用保恒剤及び沃化アンモニウムの添加量
をそれぞれ変更し、その各々について順次交換しランニ
ング処理を行った。
【0199】処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0200】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 1分00秒 45.0℃ 130ミリリットル 2.5リットル 漂白定着 1分40秒 40.0℃ 600ミリリットル 4.0リットル 水 洗 20秒 40.0℃ 800ミリリットル 1.5リットル 安 定(1) 20秒 40.0℃ − 1.5リットル 安 定(2) 20秒 40.0℃ 400ミリリットル 1.5リットル 乾 燥 50秒 65℃ *補充量は感光材料1m2 当たり 安定浴は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て漂白定着浴へ導入した。尚、
現像液の漂白定着工程への持ち込み量、漂白定着液の水
洗工程への持ち込み量及び水洗液の安定工程への持ち込
み量は感光材料1m2 当たりそれぞれ40ミリリットル、38
ミリリットル、45ミリリットル、65ミリリットルであった。また、クロ
スオーバーの時間はいずれも3秒であり、この時間は前
工程の処理時間に包含される。各槽には蒸発補正として
特開平3−280042号に記載の様に処理機外気の温
湿度を温湿度計にて検知し、蒸発量を算出して補正し
た。蒸発補正用の水としては下記水洗水用のイオン交換
水を用いた。
【0201】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 9.5 炭酸カリウム 40.0 40.0 臭化カリウム 4.0 − ヨウ化カリウム 1.3mg − 表2記載の保恒剤 0.06 モル 0.11 モル 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 18.5 25.4 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.65
【0202】 (漂白定着液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 40.0 96.0 I−29の第二鉄錯塩 0.08モル 0.192モル エチレンジアミン四酢酸 6.0 14.4 コハク酸 12.0 28.8 亜硫酸アンモニウム 20 80 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 300 720 メタンスルフィン酸アンモニウム 5.0 20 沃化アンモニウム 表2に記載 表2に記載 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 6.0 5.8
【0203】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg
/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150
mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.
5の範囲にあった。
【0204】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) コハク酸 0.6 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 塩素化イソシアヌ−ル酸ナトリウム 0.02 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 5.0
【0205】ランニング処理終了後、試料101に色温
度4800Kで連続階調ウェッジ露光を与え、表2に示
すように2種の発色現像液と5種の漂白定着液をそれぞ
れ組み合わせて処理を行い、下記に示す方法でランニン
グによるマゼンタステインの経時変化を評価した。ま
た、ランニング終了後の漂白定着槽の循環フィルターの
状態を観察した。 ・マゼンタ:ランニング後の上記方法で処理された感光材料について濃度測定を ステイン 行ない、特性曲線から緑色光(G光)で測定したDmin をそれぞれ 読み取った。次いで、測定後の試料を下記条件で保存し、経時後の Dmin を同様に測定した。そして下記のようにしてマゼンタ色素の ステインの経時変化を求めた。 保存条件:60℃、相対湿度70%、4週間 ステインの経時変化(ΔDmin(G)) =(保存後のDmin(G))−(保存前のDmin(G)) 上記方法で得られた結果を表2に示す。
【0206】
【表2】
【0207】表2の結果より、漂白定着液中のヨードイ
オン濃度範囲が本発明の範囲内であれば、発色現像液に
ヒドロキシルアミンを用いないことによって、湿熱経時
におけるマゼンタステインの抑制、かつ循環フィルタ−
の目詰まりの防止が可能となることが判った。これは、
本発明の態様であるヨードイオン濃度範囲であれば脱銀
迅速化を図れることは知られていたものの、本発明の態
様である発色現像液との組み合わせで、画像保存性の悪
化を抑止でき、更に循環フィルターの交換頻度を低減可
能となる効果は、予想しえなかったことである。
【0208】実施例2 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
公技番号94−6023号の96頁左欄20行目から1
14頁に記載されている感光層を塗設し、多層カラー感
光材料である試料201を作製した。上記記載の試料2
01を色温度4800Kで連続階調ウェッジ露光を与
え、以下に示す処理工程及び処理液でシネ式自動現像機
でランニング処理(発色現像液の累積補充量が、そのタ
ンク容量の3倍になるまで)をした。尚、発色現像液及
び漂白定着液は表3に示したように、使用保恒剤、使用
漂白剤及び沃化アンモニウムの添加量をそれぞれ変更
し、その各々について順次交換しランニング処理を行っ
た。
【0209】ランニング処理終了後、試料201に色温
度4800Kで連続階調ウェッジ露光を与え、表3に示
すように各種組み合わせた処理を行い、実施例1と同様
に評価を行った。また、ランニング終了後の漂白定着槽
の循環フィルターの状態を観察した。結果を表3に示
す。
【0210】
【表3】
【0211】実験No.5,7,9〜12はいずれも本
発明の態様であるが、所望の迅速脱銀処理において、従
来の漂白剤では充分満足できる写真性能が得られない場
合がある。しかし、一般式(I)〜(II)の漂白剤を用
いることによって、充分満足できる画像保存性悪化の抑
止及び循環フィルター交換頻度の低減が可能となり、所
望の迅速脱銀処理の達成が可能となる。
【0212】実施した処理の詳細を以下に示す。漂白定
着液は、銀回収装置にてインラインで銀回収を行った。
銀回収装置としては小型の電解銀回収装置で、陽極がカ
ーボン、陰極がステンレスのもので、電流密度を0.5
A/dm2 で使用した。具体的には特開平6−17530
5号公報の図1に記載のものを用いた。但し、再生剤は
使用しなかった。つまり漂白定着槽20のオーバーフロ
ー21を銀回収装置22に直結し、オーバーフローのう
ち1分間当り100mlをポンプ23にてフィルター24
を通して元の漂白定着槽20に戻される。銀回収装置2
2からのオーバーフロー25は、オーバーフロー1リッ
トル当り300mlを再生用タンク26に回収し、回収量
が1リットルになった時点で約2時間空気を吹き込んだ
後にポンプ29によって漂白定着液の補充タンク30に
送られる。残りの液(100ml)は廃液として排出27
させた。
【0213】 処理工程 (工 程) (処理時間)(処理温度)(補充量)*1 (タンク容量/リットル) 発色現像 1分00秒 45℃ 260ミリリットル 2.5 漂白定着 1分00秒 40℃ 260ミリリットル 2.5 水 洗 20秒 40℃ 260ミリリットル 1.0 安 定(1) 20秒 40℃ − 1.0 安 定(2) 20秒 40℃ 420ミリリットル 1.0 乾 燥 50秒 65℃ *1 補充量は感光材料1m2当りの量 安定液は(2)から(1)への向流方式である。水洗水
のオーバーフロー液は全て廃液として排出した。クロス
オーバーの時間はいずれも3秒であり、この時間は前工
程の処理時間に包含される。各槽には蒸発補正として特
開平3−280042号に記載の様に処理機外気の温湿
度を温湿度計にて検知し、蒸発量を算出して補正した。
蒸発補正用の水としては下記水洗水用のイオン交換水を
用いた。以下に処理液の組成を示す。
【0214】 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 6.7 炭酸カリウム 40.0 40.0 臭化カリウム 2.0 − ヨウ化カリウム 1.3mg − 表3記載の保恒剤 0.06 モル 0.85 モル 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 11.0 14.3 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.30
【0215】 (漂白定着液) タンク液(g) 補充液(g) 表3記載の金属キレ−ト剤 0.16モル 0.184モル エチレンジアミン四酢酸 6.0 6.9 コハク酸 12.0 13.8 亜硫酸アンモニウム 20 40 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 300 345 メタンスルフィン酸アンモニウム 5.0 15 沃化アンモニウム 表3に記載 表3に記載 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(アンモニア水、硝酸で調製) 6.0 5.8
【0216】(水洗水)母液、補充液共通 本願実施例1の水洗水と同一組成。
【0217】(安定液)母液、補充液共通 本願実施例1の安定液と同一組成。
【0218】実施例3 本願実施例1に記載の試料101を色温度4800Kで
連続階調ウェッジ露光を与え、以下に示す処理工程及び
処理液でシネ式自動現像機でランニング処理(現像液の
累積補充量が、そのタンク容量の3倍になるまで)をし
た。尚、安定液は表4に示したように変更し、その各々
について順次交換しランニング処理を行った。ランニン
グ処理終了後、試料101に色温度4800Kで連続階
調ウェッジ露光を与え、表4に示すように4種の安定液
組成と組み合わせて処理を行い、実施例1と同様に評価
を行った。また、ランニング終了後の安定槽の循環フィ
ルターの状態を観察した。結果を表4に示す。
【0219】
【表4】
【0220】本実施例は、いずれも本発明の態様である
が、安定液のpHを4〜5.5の範囲にすることによっ
て、脱銀工程以降の低補充化が可能となり、かつ処理後
の写真性変動が改善され、更に安定槽の循環フィルター
の交換頻度の低減にもつながることが判った。
【0221】実施した処理の詳細を以下に示す。
【0222】漂白定着液は、実施例2と同様にインライ
ンで銀回収を行った。安定処理は5段の多室安定槽を横
に配置して使用し、向流カスケードを行った。具体的に
は特開平5−66540号明細書の図1に記載のものを
用いた。処理機の概略図は特開平6−175305号公
報の図2に示されている。但し、第1安定液のオーバー
フロー液は、前浴の漂白定着槽にカスケードさせずに廃
液として排出させ、第4安定及び第5安定の間の逆浸透
膜(RO)装置は設置しなかった。
【0223】処理工程を以下に示す。
【0224】 処理工程 (工 程) (処理時間)(処理温度)(補充量)*1 (タンク容量/リットル) 発色現像 1分00秒 45℃ 260ml 2.5 漂白定着 1分00秒 40℃ 260ml 2.5 安定 (1) 15秒 40℃ − 0.8 安定 (2) 15秒 40℃ − 0.8 安定 (3) 15秒 40℃ − 0.8 安定 (4) 15秒 40℃ − 0.8 安定 (5) 15秒 40℃ 260ml 0.8 乾 燥 50秒 70℃ − − *1 補充量は感光材料1m2当りの量
【0225】以下に処理液の組成を示す。
【0226】(発色現像液)本願実施例2の実験No.
7の発色現像液と同一組成。
【0227】(漂白定着液)本願実施例2の実験No.
7の漂白定着液と同一組成。
【0228】(安定液A)母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強
塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIRA−4
00)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及
びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理
し、続いて二塩化イソシアネート酸ナトリウム20mg/
リットル、硫酸ナトリウム150mg/リットル、ポリオ
キシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均
重合度10)200mg/リットルを添加した。この液の
pHは6.5−7.5の範囲であった。
【0229】 (安定液B)母液、補充液共通 (単位g) コハク酸 0.2 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 塩素化イソシアヌ−ル酸ナトリウム 0.02 水を加えて 1.0リットル pH(硝酸とアンモニア水で調整) 6.0
【0230】 (安定液C)母液、補充液共通 安定液Bと同一組成 pH(硝酸とアンモニア水で調整) 5.5
【0231】 (安定液D)母液、補充液共通 安定液Bと同一組成 pH(硝酸とアンモニア水で調整) 5.0
【0232】実施例4 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー 100
重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイ
ギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃
にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で 3.3倍の
縦延伸を行ない、続いて 130℃で 3.3倍の横延伸を行
い、さらに 250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmの PEN
フイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブルー染
料,マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公技番
号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,II-5)
を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き
芯に巻付けて、 110℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖
のつきにくい支持体とした。
【0233】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン 0.1g/m2、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘ
キシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p
−クロロフェノール 0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2
CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮
合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10cc/m2、バーコータ
ー使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は 1
15℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置
はすべて 115℃となっている)。 3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0234】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径 0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物
の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒
子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(C
H2 =CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度1
0)オキシエチレン−p−ノニルフェノール 0.005g/m2
及びレゾルシンと塗布した。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキシ
トリメトキシシラン(15 重量%)で被覆処理されたコバ
ルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単
軸0.03μm、飽和磁化 89emu/g、Fe+2/Fe +3=6/94 、表
面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理され
ている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC2H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)3
0.3g/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンを用いてバーコーターで塗布し、
膜厚 1.2μmの磁気記録層の得た。マット剤としてシリ
カ粒子(0.3μm)と3−ポリ(重合度15) オキシエチレン
−プロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処
理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
10mg/m2となるように添加した。乾燥は 115℃、6分実
施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDB の色濃度増加分は約 0.1、また磁気記録層の飽和
磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力 7.3×104A/m、角形
比は65%であった。
【0235】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20C
OOC40H81 (化合物a,6mg/m2) /C50H101O(CH2CH2O)16H
(化合物b,9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合
物は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル (1/1)
中で 105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエー
テル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中
で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マッ
ト剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重
合度15) オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシ
シラン(15重量%で被覆された酸化アルミ(0.15μm)を
それぞれ 15mg/m2となるように添加した。乾燥は 115
℃、6分行なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は
すべて 115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのス
テンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係
数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の
動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
【0236】4)感光層の塗設 次に、本願実施例1に記載の試料101に記載されてい
る感光層を塗設し、多層カラー感光材料である試料40
1を作成した。
【0237】以上のように作成した感光材料を24mm幅、
160cmに裁断し、さらに感光材料の長さ方向の片側幅方
向から 0.7mmの所に2mm四方のパーフォレーションを
5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセットを32mm間隔
で設けたものを作成し、US 5,296,887のFIG. 1〜FIG. 7
に説明されているプラスチック製のフィルムカートリッ
ジに収納した。この試料に磁気記録層の塗布面側からヘ
ッドギャップ5μm、ターン数 2,000の入出力可能なヘ
ッドを用いて、感光材料の上記パーフォレーションの間
に 1,000/sの送り速度でFM信号を記録した。FM信号記録
後、乳剤面に1,000cmsの全面均一露光を与えて以下に記
載の方法で各々の処理を行なった後、再び元のプラスチ
ック製のフィルムカートリッジに収納した。
【0238】上記記載の試料401は、本願実施例3と
同様な処理、並びに同様の評価を行った。尚、露光、処
理を終えた試料401は、再び元のプラスチック製のフ
ィルムカートリッジに収納した。本願実施例4の結果と
同様、乳剤層と反対側のバック面に磁気記録層を有する
感光材料においても、良好な結果が本発明では得られ
た。
【0239】
【発明の効果】本発明の構成に従えば、低補充かつ迅速
な処理においても、処理後の画像保存性を悪化させず、
かつ循環フィルタ−の交換頻度を低減することによっ
て、メンテナンスフリーを可能にするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 11/00 501 G03C 11/00 501

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、感光性ハロゲン化銀乳剤層
    の少なくとも1層が設けられているハロゲン化銀カラー
    写真感光材料を、像様露光後発色現像液で処理し、漂白
    能を有する処理液で処理する方法において、該発色現像
    液に実質的にヒドロキシルアミンを含まず、該漂白能を
    有する処理液のヨードイオン濃度が3×10-3〜2×1
    -2モル/リットルの範囲であることを特徴とするハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 該漂白能を有する処理液が、下記一般式
    (I)及び/又は(II)で表される化合物の金属キレー
    ト化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする
    請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処
    理方法。 一般式(I) 【化1】 (式中、Y1 は芳香族炭化水素環又は複素環を形成する
    のに必要な非金属原子群を表す。R1 は置換基を表す。
    nは0〜4の整数を表す。nが2〜4の整数を表す場合
    にはR1 は同じであってもよく異なっていてもよい。X
    1 は水素原子又は−L1 −A2 を表す。X2 は水素原子
    又は−L4 −A4 を表す。L1 、L3 及びL4 はそれぞ
    れアルキレン基又はアリーレン基を表す。W1 は二価の
    連結基を表す。A1 、A2 、A3 、A4 及びA5 はそれ
    ぞれカルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはそ
    の塩、ホスホン酸もしくはその塩、ヒドロキシ基、ヒド
    ロキシアルキル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、
    スルホンアミド基、スルファモイル基、アルコキシ基、
    アルキルチオ基又はアミノ基を表す。) 一般式(II) 【化2】 (式中、R1 は脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘ
    テロ環基を表す。R2 は水素原子、脂肪族炭化水素基、
    アリール基またはヘテロ環基を表す。L1 、L2
    3 、L4 およびL5 は、それぞれアルキレン基を表
    す。mおよびnは、それぞれ0または1を表す。W1
    よびW2 は、それぞれアルキレン基、アリーレン基、ア
    ラルキレン基または二価の含窒素ヘテロ環基を表す。D
    は単結合、−O−、−S−または−N(Rw ) −を表
    す。Rw は水素原子、脂肪族炭化水素基またはアリール
    基を表す。vは0〜3の整数を表し、wは1〜3の整数
    を表す。M1、M2 、M3 およびM4 は、それぞれ水素
    原子またはカチオンを表す。)
  3. 【請求項3】 該漂白能を有する処理液で処理後、pH
    が4.0 〜5.5 の範囲である安定化液で処理することを特
    徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写
    真感光材料の処理方法。
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