JPH09210883A - 電子顕微鏡用試料作成装置および方法 - Google Patents

電子顕微鏡用試料作成装置および方法

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JPH09210883A
JPH09210883A JP8016812A JP1681296A JPH09210883A JP H09210883 A JPH09210883 A JP H09210883A JP 8016812 A JP8016812 A JP 8016812A JP 1681296 A JP1681296 A JP 1681296A JP H09210883 A JPH09210883 A JP H09210883A
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幹夫 成瀬
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春巳 木原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄い電顕用試料を短時間で作成できるように
すること。 【解決手段】 試料加工面SAに入射するガスイオンビ
ームIBを横断し且つ前記試料加工面SAに接近して配
置され、前記ガスイオンビームIBの一部を遮断して前
記試料加工面SAにガスイオンビームIBが照射されな
い1か所のビーム非照射領域SA1を形成する線状のビー
ム遮断部材22と、前記試料Sおよび前記ビーム遮断部
材22を相対的に移動させて、前記ガスイオンビームI
Bに垂直な面内で前記試料加工面SA上のビーム非照射
領域SA1およびビーム照射領域SA2の境界線を平行移動
または回転移動させる試料・ビーム遮断部材相対移動装
置とを備えた電子顕微鏡用試料作成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡で観察
するための薄い試料(電子顕微鏡用試料、すなわち、電
顕用試料)を作成するための電子顕微鏡用試料作成装置
および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前記電顕用試料は、電子線が透過できる
ように薄膜化して200nm以下にする必要がある。従
来、イオンビームを用いて試料を薄膜化する技術として
下記の技術が知られている。 (J01)図20〜図22に示す方法 図20〜図22に示す方法は、電顕用試料作成の最終段
階で、試料に対し浅い角度でイオンビームを入射させ
て、試料表面をイオン研磨して薄い試料を作成してい
る。この方法は、イオン研磨工程に入る前に次のような
試料作成工程が必要である。なお、試料Sはシリコンウ
エハーWから切り出しており、図中「t」はシリコンウ
エハーの厚さ方向を示している。
【0003】例えば、集積回路が形成されたウエハーの
断面(厚さt方向の断面)を電子顕微鏡で観察したい場
合には、次の(1)〜(5)の工程を順次行う必要がある。 (1)図20において、シリコンウエハーWから複数の試
料素材S1の切り出しを行う。 (2)次に図21Aにおいて、前記切り出した複数の試料
素材S1を接着して図21Bの状態にする。 (3)図21Cにおいて、前記積層した試料素材を直径3m
mの円筒状に切り出して、図21Dの状態にする。 (4)図21Eにおいて、前記図21Dの円筒状の試料を
つ0.2mmの厚さにスライスして、図21Fに示す試料
Sを作成する。 (5)次に、図示しない機械研磨(粗研磨)して、厚さ7
0μm程度にしてから、図22Aに示すように試料を回
転させながらディンプリング研磨を行って、図22Bに
示すように電子顕微鏡での観察部分の試料厚さを10μ
m程度する。
【0004】前述の(1)〜(5)の工程を行ってから、電顕
用試料作成の最終段階で、試料に対し浅い角度でイオン
ビームを入射させて、試料表面をイオン研磨して、約2
00nm以下の薄い電顕用試料を作成している。この方
法で作成した試料は前記シリコンウエハーWの厚みt方
向の状態を観察することができる。
【0005】(J02)図23に示す技術 この図23に示す方法は、FIB(Focused Ion Beam)
を用いて薄い電顕用試料を作成する方法である。この方
法は例えば0.3mm厚さのシリコンウエハーWから、0.
1mm×3mmの長方形の試料を切り出す。そして、Ga
(ガリウム)イオンを30KVで加速し、イオンビーム
径を10nm〜200nmに収束し、試料Sに前記シリ
コンウエハーWの厚みtの方向からイオンビームを照射
する。そして、薄い試料観察部を残し前記FIBで試料
加工面(ビーム照射面)を走査する。前記FIBにより
走査された試料加工面はエッチングされ、走査されない
薄い試料観察部が形成される。このため、薄い電顕用試
料を作成することができる。
【0006】(J03)特開平4−345740号公報記
載の技術 この公開公報には、実効径100nm以下のFIB(Fo
cused Ion Beam)を用いて、試料表面を走査して凹部を
形成し、その凹部の側面に電顕用試料観察面を形成する
際、前記電顕用試料観察面の位置を正確に定めるため
に、正確に位置決めした遮蔽板を設置した状態で走査し
ながらミリング(微小部の加工)を行う方法が記載され
ている。
【0007】(J04)特開平5−28950号公報記載
の技術 この公開公報には、次の記載がある。 (第2欄第34行〜第3欄第17行の記載)「…図1は
本発明を利用した断面加工手順を示すデバイス上面図で
ある。以下、順を追って説明する。 (1)試料基板2(LSI基板)に、断面の斜め方向か
らの観察を可能とする角孔3をFIB加工する。 (2)マニュピレータ5先端に搭載したマスク4をマニ
ュピレータ5を駆動して仕上げ断面位置に移動する。こ
の際、マスク端面から多量の二次電子が放出されるため
試料表面にコントラストを合わせるとマスク端部でハレ
ーションが起こり、正確な位置決めが行えない。この対
策として二次電子信号強度を対数的に圧縮した。これに
より、ハレーションを防止でき、見やすいSIM像によ
る正確な断面位置設定が行えた。また、本実施例で用い
たマスクはシリコン結晶薄膜をへき開して作成したもの
で、マスクの端面形状が良好である。 (3)試料基板2とマスク4の境界線を含む帯状の領域
をFIB1により仕上げ加工する。これにより、チャー
ジアップ等で加工領域が多少シフトしても、正確な位置
に(マスク端面)に断面が形成できる。また、仕上げ加
工用のビームとして微細ビームを使用する必要が無いた
め、大電流で高速に仕上げ加工ができる利点がある。 (4)…。 …。 …本発明によれば、断面加工の断面形成位置精度が向上
し、所望場所の断面が効率良く正確に形成できる効果が
ある。」前記(J04)には、前記(J02)と同様のFI
B(Focused Ion Beam)を用いて、試料表面を走査する
ことにより凹部を形成し、その凹部の側面に正確に電顕
用試料観察面を形成するためマスク設置した状態でFI
B1の走査による仕上げ加工をする方法が記載されてい
る。そして、前記マスクを使用することにより仕上げ加
工のFIB1のビーム径として、微細ビームを使用しな
くても高速に仕上げ加工ができる。
【0008】(J05)特開平4−337445号公報記
載の技術 この公報には、試料表面に電子線誘起炭化水素系膜を線
幅約100nm、長さ約5μm、膜厚250nm蒸着
し、この試料の蒸着部を観察しながらイオン銃により試
料をエッチングして、顕微鏡用試料を作成する技術が示
されている。この公報記載の技術は、厚さの薄い顕微鏡
観察部分を高精度に作成することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
(前記(J01)の問題点)前記(J01)の技術では、電
顕用試料の作成工程が長く、各工程でノウハウがあるの
で熟練を要し、トータルの所要時間も8時間以上と長
い。また、観察目的位置を正確に決めて薄膜化すること
が困難である。
【0010】(前記(J02)の問題点)前記(J02)の
技術では、ビーム径が小さいため、エッチング時間が8
時間以上かかる。また、30KVの質量の大きなGaイ
オンでエッチングするため、試料にダメージ(不純物の
拡散、注入等)が生じ、真の試料情報が得られなくな
る。
【0011】(前記(J03)の問題点)前記(J03)の
技術では、前記(J02)と同様に、ビーム径が小さいF
IBを用いて試料表面(試料加工面)を走査するため、
前記(J02)と同様にエッチングに要する時間が長くか
かるという問題点を有している。また、(J03)には、
試料に形成した凹部の側面に走査電子顕微鏡で斜め方向
から観察するための試料断面を正確に位置決めして形成
する技術が記載されているが、透過型電子顕微鏡に利用
できる薄い試料の作成方法については全く考慮されてい
ない。
【0012】(前記(J04)の問題点)前記(J04)に
は、「仕上げ加工用のビームとして微細ビームを使用す
る必要が無いため、大電流で高速に仕上げ加工ができる
利点がある。」という記載が有るが、一般的に使用され
るFIBのビーム径は10nm〜200nmであり、最
大でも50μm程度と考えられる。したがって、前記
(J04)の技術も、前記(J02)と同様に、ビーム径が
小さいFIBを用いて試料表面(試料加工面)を走査す
るため、前記(J02)と同様にエッチングに要する時間
が長くかかるという問題点を有している。また、(J0
4)には、試料に形成した凹部の側面に試料断面を正確
に位置決めして形成する技術が記載されているが、透過
型電子顕微鏡に利用できる薄い試料の作成方法について
は全く記載されていない。
【0013】(前記(J05)の問題点)前記(J05)の
技術では、試料表面に炭化水素系膜を形成する工程が必
要であり、試料作成に要する時間が長くなる。また、試
料表面に観察対象とは無関係の炭化水素系膜が形成され
ているため、顕微鏡観察時に邪魔になる。これらの問題
点を有するためかどうかは分からないが、(J05)の技
術は実用化されていない。
【0014】本発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載
内容を課題とする。 (O01)薄い電顕用試料を短時間で容易に作成できるよ
うにすること。
【0015】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。ま
た、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0016】(第1発明)前記課題を解決するために、
本出願の第1発明の電子顕微鏡用試料作成装置は、下記
の要件を備えたことを特徴とする、(Y01)真空装置
(3)により内部が真空にされる壁部材(1)により囲
まれた試料加工室(2)内の試料作成位置に試料(S)
の加工面(SA)を保持する試料台(13)、(Y02)
イオンビーム発生装置(17)と、前記イオンビーム発
生装置(17)で発生したイオンビーム(IB)を試料
加工面(SA)の縦方向および横方向の全長のうち短い
方の1/2以上の幅の領域を同時にエッチング可能なビ
ーム径にして前記試料加工面(SA)に入射させる絞り
(21)とを有するイオン照射装置(16)、(Y03)
前記試料加工面(SA)に入射するイオンビーム(I
B)を横断し且つ前記試料加工面(SA)に接近して配
置され、前記イオンビーム(IB)の一部を遮断して前
記試料加工面(SA)にイオンビーム(IB)が照射さ
れない1か所のビーム非照射領域(SA1)を形成する線
状のビーム遮断部材(22,31)、(Y04)前記試料
台(13)および前記ビーム遮断部材(22,31)を
相対的に移動させて、前記イオンビーム(IB)に垂直
な面内で前記試料加工面(SA)上のビーム非照射領域
(SA1)およびビーム照射領域(SA2)の境界線を平行
移動または回転移動させる試料・ビーム遮断部材相対移
動装置(12;24;36)。
【0017】(第2発明)また、本出願の第2発明の電
子顕微鏡用試料作成装置は、前記第1発明において下記
の要件を備えたことを特徴とする、(Y03′)1か所の
線状のビーム非照射領域(SA1)を形成する線状の前記
ビーム遮断部材(22)、
【0018】(第3発明)また、本出願の第3発明の電
子顕微鏡用試料作成装置は、前記第1発明において下記
の要件を備えたことを特徴とする、(Y03″)イオンビ
ーム(IB)が照射される試料加工面(SA)の縦方向
の全長および横方向の全長のうち、全長の長い方に沿っ
た側縁(31a,31b,31c)を有し、前記試料加工
面(SA)に入射するイオンビーム(IB)を横断し且
つ前記試料加工面(SA)に接近して配置され、イオン
ビーム(IB)の一部を遮断して前記試料加工面(S
A)にイオンビーム(IB)が照射されない1か所のビ
ーム非照射領域(SA1)と1か所のビーム照射領域(S
A2)とを形成するビーム遮断部材(31)。
【0019】(第4発明)また、本出願の第4発明の電
子顕微鏡用試料作成装置は、前記第1〜3発明のいずれ
かにおいて下記の要件を備えたことを特徴とする、(Y
05)前記イオンビーム(IB)をビーム直径0.5〜2m
mにして前記試料加工面(SA)に入射させる前記イオン
照射装置(16)。
【0020】(第5発明)また、本出願の第5発明の電
子顕微鏡用試料作成方法は、下記の要件を備えたことを
特徴とする、(Y06)試料加工面(SA)の縦方向およ
び横方向の全長のうち短い方の全長の1/2以上の幅が
試料エッチング用のイオンビーム(IB)により一度に
照射される大きさとなるように、棒状の試料(S)を作
成する工程、すなわち、棒状試料作成工程、(Y07)壁
部材(1)により囲まれた試料加工室(2)内のイオン
ビーム(IB)が照射される試料作成位置に前記試料加
工面(SA)がイオンビーム照射方向に対向するように
保持してから、前記試料加工室(2)内を真空装置
(3)により真空にする工程、すなわち、試料セッティ
ング工程、(Y08)前記イオンビーム(IB)の一部を
遮断して前記試料加工面(SA)にイオンビーム(I
B)が照射されない1か所のビーム非照射領域(SA1)
を形成するビーム遮断部材(22;31)を、前記試料
加工面(SA)に入射するイオンビーム(IB)を横断
し且つ前記試料加工面(SA)に接近して配置した状態
で、前記試料加工面(SA)にイオンビーム(IB)を
照射して前記試料加工面(SA)をエッチングする第1
エッチング工程、(Y09)前記試料(S)およびビーム
遮断部材(22;31)を前記イオンビーム(IB)に
垂直な面内で相対的に移動させて前記第1エッチング工
程でエッチングされなかった試料加工面(SA)のうち
一部の細長い領域へのイオンビーム(IB)の照射を遮
断する状態で、前記試料加工面(SA)にイオンビーム
(IB)を照射して前記試料加工面(SA)をエッチン
グする第2エッチング工程。
【0021】(第5発明の実施態様1)また、本出願の
第5発明の実施態様1の電子顕微鏡用試料作成方法は、
前記第5発明において下記の要件を備えたことを特徴と
する、(Y06′)棒状の試料(S)の長手方向に沿う側
面に形成される試料加工面(SA)の縦方向および横方
向の全長のうち短い方の全長の1/2以上の幅が試料エ
ッチング用のイオンビーム(IB)の直径よりも小さな
前記棒状の試料(S)を作成する前記工程、すなわち、
前記棒状試料作成工程、
【0022】(第5発明の実施態様2)また、本出願の
第5発明の実施態様2の電子顕微鏡用試料作成方法は、
前記第5発明において下記の要件を備えたことを特徴と
する、(Y06″)棒状の試料(S)の長手方向の端面に
形成される試料加工面(SA)の縦方向および横方向の
全長のうち短い方の全長の1/2以上の幅が試料エッチ
ング用のイオンビーム(IB)の直径よりも小さな前記
棒状の試料(S)を作成する前記工程、すなわち、前記
棒状試料作成工程、
【0023】(第5発明の実施態様3)また、本出願の
第5発明の実施態様3の電子顕微鏡用試料作成方法は、
前記第5発明、第5発明の実施態様1または実施態様2
のいずれかの電子顕微鏡用試料作成方法において、下記
の要件を備えたことを特徴とする、(Y08′)前記イオ
ンビーム(IB)の一部を遮断して前記試料加工面(S
A)にイオンビーム(IB)が照射されない1か所の線
状のビーム非照射領域(SA1)を形成する線状のビーム
遮断部材(22)を、前記試料加工面(SA)に入射す
るイオンビーム(IB)を横断し且つ前記試料加工面
(SA)に接近して配置した状態で、前記試料加工面
(SA)にイオンビーム(IB)を照射して前記試料加
工面(SA)をエッチングする前記第1エッチング工
程。
【0024】(第5発明の実施態様4)また、本出願の
第5発明の実施態様4の電子顕微鏡用試料作成方法は、
前記第5発明、第5発明の実施態様2または実施態様3
のいずれかの電子顕微鏡用試料作成方法において、下記
の要件を備えたことを特徴とする、(Y08″)前記イオ
ンビーム(IB)の一部を遮断して前記試料加工面(S
A)にイオンビーム(IB)が照射されない1か所のビ
ーム非照射領域(SA1)を形成するビーム遮断部材(2
2;31)と試料(S)とを、前記ビーム非照射領域
(SA1)とビーム照射領域(SA2)との境界線に沿った
方向に相対的に振動させながらエッチングを行う前記第
1エッチング工程。
【0025】
【作用】次に、前述の特徴を備えた本発明の作用を説明
する。 (第1発明の作用)前述の特徴を備えた本出願の第1発
明の電子顕微鏡用試料作成装置では、試料台(13)
は、真空装置(3)により内部が真空にされる壁部材
(1)により囲まれた試料加工室(2)内の試料作成位
置に試料(S)の加工面(SA)を保持する。イオン照
射装置(16)は、イオンビーム発生装置(17)で発
生したイオンビーム(IB)を、絞り(21)により試
料加工面(SA)の縦方向および横方向の全長のうち短
い方の1/2以上の幅の領域を同時にエッチング可能な
ビーム径にして前記試料加工面(SA)に入射させる。
【0026】イオン照射装置(16)の出射イオン電流
量及び加速電圧が同一ならば、前記イオンビーム(I
B)のビーム直径は小さい程、試料加工面(SA)のエ
ッチング速度が速くなるので、作業効率が向上する。し
かしながら、ビーム直径を小さくし過ぎると、作成され
る試料の観察可能面積が小さくなる。その場合、イオン
ビーム(IB)で試料加工面(SA)を走査しながらエ
ッチングを行う必要がでてくるので、作業時間が返って
長くなってしまう。そこで、第1発明のイオン照射装置
(16)では、イオンビーム(IB)で試料加工面(S
A)を走査しなくても一度に必要な観察可能面積が得ら
れるように、前記イオンビーム(IB)を前記試料作成
位置において試料加工面(SA)面の縦方向および横方
向の全長のうち短い方の1/2以上の幅の領域を同時に
エッチング可能なビーム径にして前記試料加工面(S
A)に入射させる。
【0027】すなわち本発明では、イオンビーム(I
B)が照射される試料加工面(SA)の縦方向の全長お
よび横方向の全長のうち、短い方の全長は前記イオンビ
ーム(IB)により一度に全長の半分以上がエッチング
される程度の長さに形成された試料(S)を用いる。そ
の場合、イオンビーム(IB)は、前記試料加工面(S
A)の前記短い方の全長のうちの少なくとも片側の半分
以上の領域に照射可能である。このような試料(S)を
用いることにより、1回目のエッチング工程で、前記試
料加工面(SA)の前記短い方の全長のうちの少なくと
も片側の半分以上の領域を除去することが可能となり、
2回目のエッチング工程では、前記1回目のエッチング
工程で残った領域のうち、狭い領域が形成される一部の
領域(SA11)を残して他の領域(SA12)を全て除去す
ることが可能となる。前記2回目のエッチング工程で残
された前記一部の領域(SA11)は、薄い板状部分(S
a)となるのである。
【0028】前述のように、イオンビーム(IB)が照
射される試料加工面(SA)の縦方向の全長および横方
向の全長のうち、短い方の全長は前記イオンビーム(I
B)により一度に全長の半分以上がエッチングされる程
度の長さに形成された試料(S)を用いれば、本発明の
作用効果を奏することが可能であるが、前記短い方の全
長が前記イオンビーム(IB)の直径より長い場合は、
前記短い方の全長の両端をエッチングしたい場合に、イ
オンビーム(IB)に対して試料加工面(SA)を移動
させなければならない。したがって、実際は、前記試料
加工面(SA)の前記短い方の全長は前記イオンビーム
(IB)により一度に全長がエッチングされる程度の長
さ(すなわち、イオンビーム(IB)の直径よりも短い
長さ)に形成された試料(S)を用いることが好まし
い。その場合、イオンビーム(IB)は、イオンビーム
(IB)に対して試料(S)を移動させずに前記試料加
工面(SA)の前記短い方の全長を一度にエッチング可
能となる。
【0029】前記試料加工面(SA)に入射するイオン
ビーム(IB)を横断し且つ前記試料加工面(SA)に
接近して配置されるビーム遮断部材(22,31)は、
前記イオンビーム(IB)の一部を遮断して前記試料加
工面(SA)にイオンビーム(IB)が照射されない1
か所のビーム非照射領域(SA1)を形成する。その状態
で最初のイオンビーム(IB)の試料加工面(SA)へ
の照射により、試料加工面(SA)には1か所の非エッ
チング領域(SA1)が形成される。この非エッチング領
域は、前記試料加工面(SA)のエッチングされた領域
よりも突出している。
【0030】次に、前記最初のイオンビーム(IB)の
照射により形成された非エッチング領域(SA1)のう
ち、幅の狭い領域(SA11)を形成する部分を除いた領
域(SA12)にイオンビーム(IB)が照射されるよう
に、前記試料台(13)および前記ビーム遮断部材(2
2,31)を、相対的に移動させる。この相対的移動
は、前記試料・ビーム遮断部材相対移動装置(12,2
4;36)により行う。その状態でイオンビーム(I
B)を照射すると、前記最初のエッチングにより形成さ
れた非エッチング領域(SA1)のうち、前記幅の狭い領
域(SA11)のみがエッチングされずに、前記試料加工
面(SA)から突出した状態で残り、その部分は、試料
加工面(SA)に形成された突出した薄い板状部分(S
a)となる。前記薄い板状部分(Sa)は電子顕微鏡で観
察することが可能である。
【0031】(第2発明の作用)本出願の第2発明の電
子顕微鏡用試料作成装置では、前記試料加工面(SA)
の前記短い方の全長は前記イオンビーム(IB)により
一度に全長がエッチングされる程度の長さ(すなわち、
イオンビーム(IB)の直径よりも短い長さ)に形成さ
れた試料(S)を用いることが好ましい。したがって、
次に前記試料(S)を用いた場合の作用を説明する。前
記試料加工面(SA)に入射するイオンビーム(IB)
を横断し且つ前記試料加工面(SA)に接近して配置さ
れる線状のビーム遮断部材(22)は、前記イオンビー
ム(IB)の一部を遮断して前記試料加工面(SA)に
イオンビーム(IB)が照射されない1か所の線状のビ
ーム非照射領域(SA1)を形成する。前記線状のビーム
遮断部材(22)は、前記線状のビーム非照射領域(S
A1)の両側の試料(S)が全てエッチングで除去される
ように配置される。したがって、最初のイオンビーム
(IB)の試料加工面(SA)への照射により、試料加
工面(SA)には線状の非エッチング領域が形成され、
この非エッチング領域は、前記試料加工面(SA)のエ
ッチングされた領域よりも突出している。そして、前記
突出する線状の非エッチング領域(SA1)の両側の試料
(S)は全てエッチングされて除去される。
【0032】前記最初のエッチング工程で得られた線状
の非エッチング領域(SA1)に、電子顕微鏡により観察
可能な薄い領域を形成する方法としては、次の方法
(a),(b)がある。 (a)第1の方法 第1の方法は、前記最初のイオンビーム(IB)の照射
により形成された線状の非エッチング領域(SA1)のう
ち、その側縁に沿った薄い領域(SA11)を除いた領域
(SA12)にイオンビーム(IB)が照射されるように
する。すなわち、前記試料・ビーム遮断部材相対移動装
置(12;24;36)により、前記試料台(13)お
よび前記ビーム遮断部材(22)のいずれか一方を他方
に対して、前記イオンビーム(IB)に垂直な面内で前
記試料加工面(SA)上のビーム非照射領域(SA1)お
よびビーム照射領域(SA2)の境界線に垂直な方向に相
対的に移動させることにより行う。その状態でイオンビ
ーム(IB)を照射すると、前記最初のエッチングによ
り形成された線状の非エッチング領域(SA1)のうち、
その側縁に沿った薄い領域(SA11)のみがエッチング
されずに、前記試料加工面(SA)から突出した状態で
残り、薄い板状部分(Sa)が形成される。この試料加
工面(SA)に形成された突出した薄い板状部分(Sa)
は電子顕微鏡で観察することが可能である。 (b)第2の方法 第2の方法は、前記1回目のエッチング工程において、
イオンビーム(IB)の照射により線状の非エッチング
領域を形成した後、前記試料・ビーム遮断部材相対移動
装置(12)により、前記試料台(13)および前記ビ
ーム遮断部材(22)を、前記イオンビーム(IB)に
垂直な面内で相対的に回転移動させて、菱形状の領域
(SA11)を除いた領域(SA12)にイオンビーム(I
B)が照射されるようにする。その状態でイオンビーム
(IB)を照射すると、前記最初のエッチングにより形
成された線状の非エッチング領域のうち、菱形状の領域
のみがエッチングされずに、前記試料加工面(SA)か
ら突出した状態で残る。この試料加工面(SA)に残っ
た菱形状の突出部分(Sa)の両端の尖った部分(Sa
1,Sa2)は薄くなっているので、電子顕微鏡で観察す
ることが可能である。
【0033】(第3発明の作用)また、本出願の第3発
明の電子顕微鏡用試料作成装置では、イオンビーム(I
B)が照射される試料加工面(SA)の縦方向の全長お
よび横方向の全長のうち、全長の長い方に沿った側縁
(31a,31b,31c)を有するビーム遮断部を有す
るビーム遮断部材(31)は、前記試料加工面(SA)
に入射するイオンビーム(IB)を横断し且つ前記試料
加工面(SA)に接近して配置される。前記ビーム遮断
部材(31)は、イオンビーム(IB)の一部を遮断し
て前記試料加工面(SA)にイオンビーム(IB)が照
射されない1か所のビーム非照射領域(SA1)と1か所
のビーム照射領域(SA2)とを形成する。前記ビーム照
射領域(SA2)は、前記全長の長い方に沿った側縁(3
1a,31b,31c)によって前記ビーム非照射領域
(SA1)と分けられる領域(すなわち、イオンビーム
(IB)によって照射される領域)である。前記ビーム
照射領域(SA2)の幅を、前記試料加工面(SA)の前
記短い方の全長の1/2以上の幅とすれば、前記試料加
工面(SA)の前記短い方の全長の1/2以上の領域を
一度にビーム照射してエッチングすることができる。し
たがって、最初のイオンビーム(IB)の試料加工面
(SA)への照射により、前記試料加工面(SA)の前記
短い方の全長の約1/2の領域をエッチングして除去
し、残りの約1/2の非エッチング領域(SA1)を突出
した状態で残すことができる。
【0034】前記線状の非エッチング領域(SA1)に、
電子顕微鏡により観察可能な薄い領域を形成する方法と
しては、次の方法(a),(b)がある。 (a)第1の方法 第1の方法は、前記最初のイオンビーム(IB)の照射
により形成された非エッチング領域(SA1)のうち、前
記エッチング領域すなわちビーム照射領域(SA2)との
境界部に沿った薄い平行な領域を除いた領域にイオンビ
ーム(IB)が照射されるようにする。これは、前記試
料・ビーム遮断部材相対移動装置(12;24;36)
により、前記試料台(13)および前記ビーム遮断部材
(31)を、前記イオンビーム(IB)に垂直な面内で
前記試料加工面(SA)上のビーム非照射領域(SA1)
およびビーム照射領域(SA2)の境界線を平行移動させ
ることにより行う。その状態でイオンビーム(IB)を
照射すると、前記最初のエッチングにより形成された非
エッチング領域(SA1)のうち、前記エッチング領域
(SA2)との境界線に沿った薄い領域のみがエッチング
されずに、前記試料加工面(SA)から突出した状態で
残り、薄い板状部分(Sa)が形成される。この試料加
工面(SA)に突出して形成された薄い板状部分(Sa)
は電子顕微鏡で観察することが可能である。 (b)第2の方法 第2の方法は、前記1回目のエッチング工程において、
イオンビーム(IB)の照射により非エッチング領域
(SA1)を形成した後、前記試料・ビーム遮断部材相対
移動装置(12)により、前記試料台(13)および前
記ビーム遮断部材(22)を、前記イオンビーム(I
B)に垂直な面内で相対的に回転移動させて、楔状の領
域(SA11)を除いた領域(SA12)にイオンビーム(I
B)が照射されるようにする。その状態でイオンビーム
(IB)を照射すると、前記最初のエッチングにより形
成された非エッチング領域(SA1)のうち、楔状の領域
のみがエッチングされずに、前記試料加工面(SA)か
ら突出した状態で残る。この試料加工面(SA)に残っ
た楔状の突出部分(Sa)の尖った部分(Sa1)は薄く
なっているので、電子顕微鏡で観察することが可能であ
る。
【0035】(第4発明の作用)前述の特徴を備えた本
出願の第4発明の電子顕微鏡用試料作成装置では、イオ
ン照射装置(16)は、前記イオンビーム発生装置(1
7)で発生したイオンビーム(IB)を前記試料作成位
置においてビーム径0.5〜2mmに収束させて前記試料
加工面(SA)に入射させる。前記イオンビーム(I
B)のビーム径を0.5〜2mmとした理由は次のとお
りである。すなわち、イオンビーム(IB)で試料加工
面(SA)を走査せずに、イオンビーム(IB)の試料
加工面(SA)の照射領域を一度にエッチングするの
で、イオンビーム(IB)の径を小さく収束させる必要
がない。イオン照射装置(16)の出射イオン電流量及
び加速電圧が同一ならば、前記イオンビーム(IB)の
ビーム直径は小さい程、試料加工面(SA)のエッチン
グ速度が速くなるので、作業効率が向上する。しかしな
がら、ビーム直径を小さくし過ぎると、作成される試料
の観察可能面積が小さくなる。その場合、イオンビーム
(IB)で試料加工面(SA)を走査しながらエッチン
グを行う必要がでてくるので、作業時間が返って長くな
ってしまう。そこで、前記作成される試料の観察可能面
積が小さ過ぎにならないようにするために、イオンビー
ム(IB)のビーム径は0.5mm程度以上が望まし
い。また、電子顕微鏡の観察可能な面積の直径は一般に
2mm程度なので、観察面積の直径が2mm以上の試料は作
成する必要がない。そこで、第4本発明では、イオンビ
ーム(IB)で試料加工面(SA)を走査しなくても一
度に必要な観察可能面積が得られるように、前記イオン
ビーム(IB)の直径を0.5〜2mmとしている。この
第4発明によれば、試料加工面(SA)の短径が0.1〜
2mm程度の試料(S)に対して、前記第1発明と同様
の作用を奏することができる。そして、試料加工面(S
A)の短径が0.1〜2mm程度の試料(S)を短時間で
エッチング加工して透過型電子顕微鏡で観察可能な薄い
試料を作成することができる。
【0036】(第5発明の作用)また、本出願の第5発
明の電子顕微鏡用試料作成方法では、棒状試料作成工程
において、試料加工面(SA)の縦方向の全長および横
方向の全長のうち、短い方の全長の1/2以上の幅が試
料エッチング用のイオンビーム(IB)により一度に照
射される大きさとなるように、棒状の試料(S)を作成
する。その際、前記全長のうち、短い方の全長が試料エ
ッチング用のイオンビーム(IB)の前記直径よりも小
さな棒状の試料(S)を作成することが好ましい。この
場合、試料加工面(SA)の縦方向の全長および横方向
の全長のうち、短い方の全長に、イオンビーム(IB)
を一度に照射することが可能となる。次に、試料セッテ
ィング工程において、壁部材(1)により囲まれた試料
加工室(2)内のイオンビーム(IB)が照射される試
料作成位置に前記試料加工面(SA)がイオンビーム照
射方向に対向するように保持してから、前記試料加工室
(2)内を真空装置(3)により真空にする。次に、第
1エッチング工程において、前記イオンビーム(IB)
の一部を遮断して前記試料加工面(SA)にイオンビー
ム(IB)が照射されない1か所のビーム非照射領域
(SA1)を形成するビーム遮断部材(22;31)を、
前記試料加工面(SA)に入射するイオンビーム(I
B)を横断し且つ前記試料加工面(SA)に接近して配
置した状態で、前記試料加工面(SA)にイオンビーム
(IB)を照射して前記試料加工面(SA)をエッチン
グする。このとき、前記試料加工面(SA)のビーム非
照射領域(SA1)はエッチングされずに、前記試料加工
面(SA)から突出した状態で残る。次に、第2エッチ
ング工程において、前記試料(S)およびビーム遮断部
材(22;31)を前記イオンビーム(IB)に垂直な
面内で相対的に移動させて前記第1エッチング工程でエ
ッチングされなかった試料加工面(SA)のうち一部の
細長い領域(SA11)へのイオンビーム(IB)の照射
を遮断する状態で、前記試料加工面(SA)にイオンビ
ーム(IB)を照射して前記試料加工面(SA)をエッ
チングする。このとき、前記棒状試料(S)の試料加工
面(SA)のうちの前記一部の細長い領域(SA11)は、
エッチングされずに前記試料加工面(SA)から突出し
た状態で残り、薄い板状部分(Sa)が形成される。こ
の試料加工面(SA)上に突出して残った薄い板状部分
(Sa)は電子顕微鏡で観察可能である。
【0037】(第5発明の実施態様1の作用)また、本
出願の第5発明の実施態様1の電子顕微鏡用試料作成方
法では、棒状試料作成工程において、棒状の試料(S)
の長手方向に沿う側面により形成される試料加工面(S
A)の縦方向の全長および横方向の全長のうち、短い方
の全長の1/2以上の幅が試料エッチング用のイオンビ
ーム(IB)により一度に照射される大きさとなるよう
に、棒状の試料(S)を作成する。したがって、棒状の
試料(S)に形成される薄い板状部分(Sa)は棒状試
料の長手方向の側面に形成される。
【0038】(第5発明の実施態様2の作用)また、本
出願の第5発明の実施態様2の電子顕微鏡用試料作成方
法では、棒状試料作成工程において、棒状の試料(S)
の長手方向端面により形成される試料加工面(SA)の
縦方向の全長および横方向の全長のうち、短い方の全長
の1/2以上の幅が試料エッチング用のイオンビーム
(IB)により一度に照射される大きさとなるように、
棒状の試料(S)を作成する。したがって、棒状の試料
(S)に形成される薄い板状部分(Sa)は棒状試料の
長手方向の端面に形成される。
【0039】(第5発明の実施態様3の作用)また、本
出願の第5発明の実施態様3の電子顕微鏡用試料作成方
法では、前記第1エッチング工程において、前記イオン
ビーム(IB)の一部を遮断して前記試料加工面(S
A)にイオンビーム(IB)が照射されない1か所の線
状のビーム非照射領域(SA1)を形成する線状のビーム
遮断部材(22)を、前記試料加工面(SA)に入射す
るイオンビーム(IB)を横断し且つ前記試料加工面
(SA)に接近して配置した状態で、前記試料加工面
(SA)にイオンビーム(IB)を照射して前記試料加
工面(SA)をエッチングする。このとき、前記1か所
の線状のビーム非照射領域(SA1)は、エッチングされ
ずに、前記棒状の試料(S)の長手方向の端面により形
成される試料加工面(SA)に突出した状態で残る。
【0040】(第5発明の実施態様4の作用)また、本
出願の第5発明の実施態様4の電子顕微鏡用試料作成方
法では、前記第1エッチング工程は、前記イオンビーム
(IB)の一部を遮断して前記試料加工面(SA)にイ
オンビーム(IB)が照射されない1か所のビーム非照
射領域(SA1)を形成するビーム遮断部材(22;3
1)と試料(S)とを、前記ビーム非照射領域(SA1)
とビーム照射領域(SA2)との境界線に沿った方向に相
対的に振動させながらエッチングを行う。前記ビーム遮
断部材(22)と試料(S)との相対的振動は、ビーム
遮断部材(22)および試料(S)のいずれか一方を他
方に対して振動させるか、または両方を同時に振動させ
ることにより行うことができる。前記相対的振動によ
り、ビーム遮断部材(22,31)の側面の結晶粒子の
凹凸に沿って流れるイオンビーム(IB)により形成さ
れる試料加工面(SA)のビーム非照射領域(SA1)お
よびビーム照射領域(SA2)の境界線に凹凸が生じるの
を防ぐことができる。このため、凹凸の少ない試料観察
面を形成することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら、本発明
の電子顕微鏡用試料作成装置の実施の形態の例(実施
例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。なお、以後の説明の理解を容易にするた
めに、図面において互いに直交する矢印X,Y,Zの方
向に直交座標軸X軸、Y軸、Z軸を定義し、矢印X方向
を前方、矢印Y方向を左方、 矢印Z方向を上方とす
る。この場合、X方向(前方)と逆向き(−X方向)は
後方、Y方向(左方)と逆向き(−Y方向)は右方、Z
方向(上方)と逆向き(−Z方向)は下方となる。ま
た、前方(X方向)及び後方(−X方向)を含めて前後
方向又はX軸方向といい、左方(Y方向)及び右方(−
Y方向)を含めて左右方向又はY軸方向といい、上方
(Z方向)及び下方(−Z方向)を含めて上下方向又は
Z軸方向ということにする。さらに図中、「○」の中に
「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印
を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面
の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0042】(実施例1)図1は本発明の電子顕微鏡用
試料作成装置の実施例1の全体説明図である。図2は同
実施例1の要部である線状のビーム遮断部材の支持装置
および試料台の拡大説明図である。図3は同実施例1の
作用説明図である。図1、図2において、壁部材1によ
り囲まれた試料加工室2内は、真空ポンプ(すなわち、
真空装置)3により内部が真空にされるようになってい
る。前記試料加工室2内には、昇降テーブル4が、上下
方向(Z軸方向)に昇降自在に配置されている。昇降テ
ーブル4の下面にはナットブロック6が固定されてい
る。ナットブロック6は平面形状が長方形(図2参照)
であり、その2か所のコーナー部がそれぞれガイド7に
係合している。このため、ナットブロック6は、前記ガ
イド7により回転不能かつ上下方向にスライド可能であ
る。なお、ガイド7は、ガイド用のシャフトにより構成
することが可能であり、その場合は前記ナットブロック
6にシャフト貫通孔(被ガイド孔)を設ければよい。
【0043】前記ナットブロック6は、スクリュウシャ
フト8と螺合しており、スクリュウシャフト8の回転に
応じて昇降するように構成されている。前記スクリュー
シャフト8の下端部にはギヤボックス9の回転力伝達ギ
ヤ(図示せず)により回転力が伝達され、前記ギヤボッ
クス9には、前記壁部材1外部に配置されたモータユニ
ット11から回転軸11aを介して回転力が伝達される
ように構成されている。前記昇降テーブル4上には回転
テーブル12が回転図示しない回転駆動手段により回転
可能に支持されており、回転駆動手段としては従来公知
の種々の回転駆動手段を採用することが可能である。ま
た、前記回転テーブル12は、試料Sに後述のビーム遮
断部材とを相対的に回転させる手段、すなわち、試料・
ビーム遮断部材相対移動装置12を構成する。
【0044】前記回転テーブル12上には試料台13が
支持されている。試料台13は、直方体状の溝型部材に
より構成されており、その溝型内側面により試料保持部
13aが形成されている。前記溝型の試料台13には、
筒壁の外側面から内側面に到達する複数の試料固定用ネ
ジ14が設けられている。前記試料保持部13a内に試
料Sを挿入し、前記試料固定用ネジ14をねじ込むこと
により、試料台13に試料を固定することができるよう
になっている。前記試料台13に支持される試料Sは、
例えば前記図23Aに示すシリコンウエハーWから切り
出された試料Sと同じサイズのものであり、シリコンウ
エハーWの厚み方向はtで示されている。前記試料台1
3に試料を固定した状態で試料台13を昇降させること
により試料Sの加工面を試料作成位置に移動させること
ができる。
【0045】なお、前記回転テーブル12は省略して、
前記昇降テーブル4上に直接試料台13を支持するよう
に構成することも可能である。また、使用する試料の形
状、厚さ等が一定の場合には、前記試料台13を昇降さ
せる装置を省略することが可能である。その場合でも、
試料台13の底面にスペーサを挿入することにより、形
状の異なる試料Sの加工面を試料作成位置に保持するこ
とが可能となる。なお、この実施例1では前記試料保持
台4は、Z軸方向にのみ移動可能であるが、XY平面内
で移動可能なXYテーブルによりX軸方向およびY軸方
向にも移動可能に構成することが可能である。また、試
料台13は試料を所定位置に保持できる構成であれば、
実施例1に示した構成以外の種々の構成を採用すること
が可能である。
【0046】この実施例1では、試料Sの加工面SAは
棒状の試料の長手方向に沿った側面に形成されている。
そして、試料Sをその長手方向をX軸方向に沿って支持
するため、直方体状の溝型部材により構成された前記試
料台13はX軸方向に長く、高さは低く形成されてい
る。そして、上方に開口する溝型内側面により形成され
た試料保持部13aもX軸方向に長く形成されている。
そして、試料SはX軸方向に延びる姿勢で前記試料保持
部13a内に保持されている。
【0047】前記試料加工室2の上部には、イオン照射
装置16が配置されている。イオン照射装置16は、試
料加工室2の上端に設けたガスイオンビーム発生装置1
7を有している。ガスイオンビーム発生装置17は、放
電ガス(例えば、Arガス)導入部18および高圧が印
加される放電電極19等を有しており、放電によりAr
ガスイオンを発生させる機能を有している。なお、ガス
イオンビーム発生装置で使用する放電ガスとしてはネオ
ン、窒素等を採用することが可能である。
【0048】前記ガスイオン発生装置17の下方には、
前記ガスイオンビーム発生装置17で発生したガスイオ
ンビームIBを直径約1mmに絞って前記試料Sの加工面
SAに入射させるための絞り21が配置されている。前
記ガスイオン発生装置17、および絞り21等によりビ
ーム直径約1mmのガスイオンビームIBを前記試料Sの
加工面に入射させるイオン照射装置16が構成されてい
る。なお、この実施例1では、試料加工面SAの短い方
の全長が0.3mmの試料Sを使用するので、ガスイオ
ンビームIBのビーム径を1mm(試料加工面SAの短
い方の全長の1/2以上の幅が試料エッチング用のイオ
ンビームIBにより一度に照射される大きさのビーム
径)程度に絞っているが、ビーム径は1mmに限らず適
当な値を採用することが可能である。なお、ガスイオン
ビーム発生装置17から発生するガスイオンビームIB
の径が大きい場合には、静電レンズ、電磁レンズ等のビ
ーム収束レンズを用いて所望のビーム径に調整して試料
Sの加工面に入射させることが可能である。
【0049】前記試料台13の上方には線状ビーム遮断
部材22を支持するビーム遮断部材支持装置23が配置
されている。前記線状ビーム遮断部材22はW(タング
ステン)、ニッケル−リン合金、等により構成されてい
る。そして、本実施例1では前記線状ビーム遮断部材2
2は断面長方形であり、その幅は100μmである。な
お、線状ビーム遮断部材22の幅は10μm〜数100
μm程度とすることが可能であり、また、その断面形状
は円形とすることが可能である。なお、前記線状ビーム
遮断部材22のイオンビームでエッチングされる面は非
晶質金属を用いれば平滑面が得られる。例えば、非晶質
金属はニッケル−リン無電解メッキ等により作製でき
る。また、前記ビーム遮断部材支持装置23は、前記壁
部材1に支持されたマイクロメータ24を有している。
このマイクロメータ24は、後述の試料Sに対して、前
記ビーム遮断部材22を相対的に移動させる装置、すな
わち、試料・ビーム遮断部材相対移動装置24を構成し
ている。
【0050】マイクロメータ24は外端部(右端部、す
なわち、−Y側端部)にマイクロメータネジ26aが形
成され中央部に断面四角形状の被ガイド部26bが設け
られた移動ロッド26と、この移動ロッド26の前記被
ガイド部26bを軸方向に移動可能且つ軸回りに回転不
能に支持するガイド部材27と、前記マイクロメータネ
ジ26aに螺合するツマミ28とを有している。そし
て、ツマミ28を回転することにより前記移動ロッド2
6を左右方向(軸方向)に移動調節できるようになって
いる。なお、ツマミ28の左端部には傾斜面28aが形
成され、そこには目盛りが形成されており、その目盛り
に対応してガイド部材27外周面にも目盛りが形成され
ている。前記両目盛りの相対的回転移動量により、前記
移動ロッド26の軸方向の移動量が読み取れるように構
成されている。なお、このようなマイクロメータ24
は、市販のものを使用することができる。
【0051】前記移動ロッド26の内端(左端、すなわ
ち、Y側端)には、前記線状ビーム遮断部材22を支持
する遮断部材支持アーム29が設けられている。遮断部
材支持アーム29は、その左端部(Y側端部)に前後方
向(X軸方向)に別れた一対の遮断部材固定部29a,
29aが設けられている。前記一対の遮断部材固定部2
9a,29aの前後方向の間隔は、約10mmであり、それ
らの下面に前記線状ビーム遮断部材22が固定されてい
る。前記線状ビーム遮断部材22を遮断部材固定部下面
に支持した理由は、線状ビーム遮断部材22を遮断部材
固定部29aの上面に設けるとエッチング工程におい
て、線状ビーム遮断部材22と試料加工面SAとの間隔
が離れた状態となる。そして、前記線状ビーム遮断部材
22と試料加工面SAとの間隔が離れると、エッチング
加工精度が低下する。したがって、前記エッチング加工
精度の低下を避けるために、本実施例2では前記線状ビ
ーム遮断部材22を遮断部材固定部29aの下面に支持
しているのである。
【0052】なお、線状ビーム遮断部材22は前記一対
の遮断部材固定部材29a,29aの上面に支持すること
が可能であり、その場合、一対の遮断部材固定部材29
a,29aの前記約10mmの間隔内に前記試料Sの加工面
(上端面)が下方から進入可能に形成しておくと、エッ
チング精度の低下を防止できる。前記試料台13に支持
される図2に拡大表示した試料Sは、例えば前記図23
Aに示すシリコンウエハーWから切り出された試料Sと
同じサイズのものであり、シリコンウエハーWの厚み方
向はtで示されている。
【0053】(実施例1の作用)次に前述の構成を備え
た実施例1の作用を説明する。図2の試料Sの拡大図
は、シリコンウエハーW(図20参照)から切り出した
棒状の試料Sである。この試料Sの長手方向の側面によ
り形成される試料加工面SAの縦方向および横方向の全
長(大きさ)は0.1mm×3mmであり、試料Sの厚さは
0.3mmである。すなわち、試料加工面SAの大きさ0.
1mm×3mmは、その短い方の径(0.1mm)が試料エッ
チング用の直径1mmのガスイオンビームIBの前記直径
1mmよりも小さく形成されている。すなわち、ガスイオ
ンビームIBの直径は、試料加工面SAの短い方の径の
全長を一度にエッチング可能な大きさである。前記壁部
材1に設けられた開閉ドア(図示せず)を開けて、前記
試料Sを試料台13に固定し、前記開閉ドアを閉塞して
前記試料加工室2を密閉する。このとき、前記試料Sの
上端の加工面は、上方から照射されるガスイオンビーム
IB(図3参照)の中心に配置されるように、前記試料
台13のXY平面内の位置が定められている。その後、
真空ポンプ3により試料加工室2内を真空にする。
【0054】次に、前記マイクロメータ24により、前
記線状ビーム遮断部材22のY軸方向の位置を調節し
て、試料の断面観察位置に移動させる。次に前記昇降テ
ーブル4を上昇させて、前記試料Sの上端の加工面SA
が前記線状ビーム遮断部材22に隣接する位置まで上昇
させる。図3Aに示すように、試料加工面SAに線状ビ
ーム遮断部材22を隣接させた状態で、前記イオン照射
装置16によりガスイオンビームIBを照射して第1エ
ッチング工程を行う。その際、前記線状ビーム遮断部材
22により、試料加工面SAには線状のビーム非照射領
域SA1およびその両側のビーム照射領域SA2ができる。
所望のエッチング深さ(例えば数μm以上)までエッチ
ングしたらガスイオンビームIBの照射を停止する。こ
のとき、ビーム照射領域SA2の表面は、エッチングされ
て図3AのSBで示す表面となる。
【0055】次に図3Cに示すように、前記マイクロメ
ータ24により、前記線状ビーム遮断部材22を右方
(−Y方向)に移動させる。すなわち、線状ビーム遮断
部材22を、前記ビーム非照射領域SA1の右側縁(前記
ビーム非照射領域SA1とビーム照射領域SA2との境界
線)に垂直な方向に移動させる。そして、次に行う第2
エッチング工程において、前記ビーム非照射領域SA1の
前記ビーム照射領域SA2との境界線に沿った狭い領域S
A11がビーム非照射領域となるようにする。この状態
(図3Cに2点鎖線で示す状態)では、前記図3Aに示
すビーム非照射領域SA1は第2エッチング工程でのビー
ム非照射領域SA11およびビーム照射領域SA12に分けら
れる。また、前記図3Aに示す表面SBは第2エッチン
グ工程でのビーム非照射領域SB1およびビーム照射領域
SB2に分けられる。この図3Cの2点鎖線で示す状態
で、ガスイオンビームIBを照射して第2エッチング工
程を行う。所望のエッチング深さまでエッチングしたら
ガスイオンビームIBの照射を停止する。そうすると、
図3Cに示す第2エッチング工程でのビーム照射領域S
A12およびSB2はエッチングされて、図3Cの実線で示
すSCとなる。そして、前記第1エッチング工程および
第2エッチング工程でのビーム非照射領域SA11(図3
C参照)は、200nm以下の薄さの突出部分Saとし
て残る。そして、図3Dに示すような、棒状の長手方向
の端面に薄い突出部分Saを有する電子顕微鏡用試料S
が作成される。前記薄い突出部分Saは電子顕微鏡で観
察可能である。
【0056】(実施例1の装置を用いた試料作成方法の
別の方法)次に図4,図5により前記図2に示す本発明
の電子顕微鏡用試料作成装置の実施例1の回転テーブル
を使用して試料を作成する場合について説明する。図
4、図5は、前記図2に示す電子顕微鏡用試料作成装置
の実施例1を用いて試料を作成する前記図3とは別の方
法の説明図である。図4A〜図4Cに示すように、線状
ビーム遮断部材22を試料加工面SAに接近して配置し
た状態でガスイオンビームIBを照射し、第1エッチン
グ工程を行う。そうすると、ビーム照射領域がエッチン
グされて、図4Dに示すような突出部Sbを有する試料
Sが得られる。ところで、前記線状ビーム遮断部材22
を、前記図3の方法と同様に平行移動させて第2エッチ
ングを行った場合には、前記突出部Sbが薄膜となり電
子顕微鏡で観察可能となる。しかしながらその場合の試
料Sの突出した薄膜部分は、その両端が試料の厚い部分
に接続しており、薄膜部に応力が加わり、撓みを生じて
電子顕微鏡用試料として不具合を生じる場合がある。
【0057】このため、図5に示す方法では第2エッチ
ング工程は次のようにして行う。図5Aに示すように、
線状ビーム遮断部材22および試料Sを相対的に回転さ
せる。この回転は前記回転テーブル12により前記試料
Sを回転させる。この状態で第2エッチング工程を行う
と、図5Bにおいて斜線を施した菱形の部分Saがエッ
チングされずに突出した状態で残る。すなわち、断面菱
形の薄い突出部分Saが残る。このときの試料Sの斜視
図は図5Cに示されている。前記断面菱形の薄い突出部
分Saは、図5Cでは薄く見えないが実際の寸法は非常
に薄く形成されている。前記薄い突出部分Saの両端部
Sa1およびSa2は、薄膜に形成されており、電子顕微鏡
で観察可能である。
【0058】電子顕微鏡の観察可能領域が2mmの場合、
前記Sa1およびSa2間の距離を2mm以下とする必要があ
る。したがって、図5Dに示距離L0=約1mmとし、ま
た、電子顕微鏡の透過試料厚さを200nmとした場合
に、前記試料Sの突出部分Saの観察可能領域の大きさ
は次のようである。図5Dにおいて、θは小さいので、 θ=0.02mm/0.5mm=0.04 である。厚さ200nm以下の領域長さをLとすると、 Lθ=200nm となる。すなわち、 L=200nm/θ=200nm/0.04=5000
nm=5μm となる。すなわち、図5Dに示す観察可能領域Lは、5
μmであり、10万倍の電子顕微鏡で観察する場合に
は、5μm×100000=500mm=50cmとな
り、観察には十分な領域が得られる。
【0059】(実施例2)次に図6〜図8により本発明
の電子顕微鏡用試料作成装置の実施例2を説明する。図
6は本発明の電子顕微鏡用試料作成装置の実施例2の要
部であるビーム遮断部材の支持装置および試料台13の
拡大説明図である。図7は同実施例2の作用説明図であ
る。図8は同実施例2の別の使用方法での作用説明図で
ある。なお、この実施例2の説明において、前記実施例
1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付し
て、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記
の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記
実施例1と同様に構成されている。
【0060】この実施例2では、前記試料台13の形状
が実施例1と異なっている。すなわち、前記実施例1で
は、棒状の試料Sの長手方向に沿った側面(0.1×3m
mの側面)に加工面SAが形成されていたが、この実施例
5では、試料Sの加工面SAは棒状の試料の長手方向の
端面(0.1×0.3mmの端面)に形成されている。そし
て、試料Sをその長手方向をZ軸方向に沿って支持する
ため、直方体状の溝型部材により構成された試料台13
はX軸方向には短く、Z軸方向の高さが高く形成されて
いる。そして、上方に開口する溝型内側面により形成さ
れた試料保持部13aもZ軸方向の高さが高く形成され
ている。そして、試料SはZ軸方向に延びる姿勢で前記
試料保持部13a内に保持されている。この実施例5の
その他の構成は前記実施例1と同一である。
【0061】(実施例2の作用)図7は前記実施例1の
図3に対応する実施例2の作用説明図である。試料Sの
観察部分である平板状の薄い突出部分Saが、実施例1
の図3の場合には試料側面(0.1×3mmの側面)に形
成されたのに対し、実施例2の図7の場合には試料端面
(0.1×0.3mmの側面)に形成される。図8は前記実
施例1の図4、図5に対応する実施例2の作用説明図で
ある。試料Sの観察部分である平行四辺形状の薄い突出
部分Saが、実施例1の図4、図5の場合には試料側面
(0.1×3mmの側面)に形成されたのに対し、実施例
2の図7の場合には試料端面(0.1×0.3mmの側面)
に形成される。
【0062】(実施例3)次に、図9〜図11により本
発明の電子顕微鏡用試料作成装置の実施例3について説
明する。図9は本発明の電子顕微鏡用試料作成装置の実
施例3の要部であるビーム遮断部材の支持装置および試
料台13の拡大説明図である。図10は同実施例の作用
説明図である。図11は同実施例3の前記図10の場合
とは異なる使用方法での作用説明図である。なお、この
実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対
応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説
明を省略する。この実施例3は、下記の点で前記実施例
1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に
構成されている。この実施例3では、前記線状ビーム遮
断部材22およびこれを支持する遮断部材支持アーム2
9の代わりに、ガスイオンビームIBに垂直な面内に配
置されるプレート状ビーム遮断部材31が使用されてい
る。プレート状ビーム遮断部材31には、長方形の開口
32が形成されている。そして、プレート状ビーム遮断
部材31は、試料Sの加工面SAの全長の長い方に沿っ
た平行な側縁31a,31b,31cを有している。前記
開口32のY軸方向の内径は約2mm、X軸方向の内径は
約10mmである。この実施例3のその他の構成は、前記
実施例1と同様である。
【0063】(実施例3の作用)次に、前述の構成を備
えた本発明の実施例3の作用を説明する。図10Aに示
すように、試料加工面SAにプレート状ビーム遮断部材
31を隣接させた状態で、前記イオン照射装置16によ
りガスイオンビームIBを照射して第1エッチング工程
を行う。そうすると、試料加工面SAには前記プレート
状ビーム遮断部材31の側縁31aにより、1か所のビ
ーム非照射領域SA1および1か所のビーム照射領域SA2
ができる。そして、ビーム照射領域SA2の表面は、エッ
チングされて図10AのSBで示す表面となる。
【0064】次に前記マイクロメータ24により、図1
0Bに示すように、前記プレート状ビーム遮断部材31
を右方(Y方向)に移動させる。すなわち、プレート状
ビーム遮断部材31を、前記ビーム非照射領域SA1の左
側縁(前記ビーム非照射領域SA1とビーム照射領域SA2
との境界線)に垂直な方向に移動させる。そして、次に
行う第2エッチング工程において、前記ビーム非照射領
域SA1の前記ビーム照射領域SA2との境界線に沿った狭
い領域SA11がビーム非照射領域となるように、前記側
縁31bを配置する。この状態(図10Bに示す状態)
では、前記図10Aに示すビーム非照射領域SA1は前記
側縁31bにより第2エッチング工程でのビーム非照射
領域SA11およびビーム照射領域SA12に分けられる。ま
た、前記図10Aに示す表面SBは図10Bでは第2エ
ッチング工程でのビーム非照射領域となる。この図10
Bに示す状態で、ガスイオンビームIBを照射して第2
エッチング工程を行う。そうすると、図10Bに示す第
2エッチング工程でのビーム照射領域SA12はエッチン
グされて、図10Bの実線で示すSCとなる。そして、
前記第1エッチング工程および第2エッチング工程での
ビーム非照射領域SA11(図10B参照)は、200n
m以下の薄さの突出部分Saとして残る。そして、図1
0Cに示すような、棒状の長手方向の端面に薄い突出部
分Saを有する電子顕微鏡用試料Sが作成される。前記
薄い突出部分Saは電子顕微鏡で観察可能である。
【0065】次に図11により、実施例3の電子顕微鏡
用試料作成装置の前記図10とは別の使用方法での作用
を説明する。この図11に示す方法では、第1エッチン
グ工程でのイオンビームの非照射領域SA1および照射領
域SA2の境界を前記側縁31bにより形成し、第2エッ
チング工程でのイオンビームの非照射領域SA11および
照射領域SBの境界を前記側縁31cにより形成した点
で、図10に示す方法(側縁31a,31bを使用する方
法)とは異なっている。この図11に示す方法も前記図
10に示す方法と同様の試料S(図11D参照)を作成
することができる。
【0066】(実施例4)次に図12、図13により本
発明の電子顕微鏡用試料作成装置の実施例4を説明す
る。図12は本発明の電子顕微鏡用試料作成装置の実施
例4の要部であるプレート状ビーム遮断部材の支持装置
および試料台13の拡大説明図である。図13は同実施
例4の作用説明図である。なお、この実施例4の説明に
おいて、前記実施例3の構成要素に対応する構成要素に
は同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。こ
の実施例4は、下記の点で前記実施例3と相違している
が、他の点では前記実施例3と同様に構成されている。
【0067】この実施例4では、図12に示す試料台1
3の構成は前記図6に示す実施例2と同一であり、プレ
ート状ビーム遮断部材31の構成は前記図9に示す実施
例3のものに比べて前後方向の長さが短く形成されてい
る。すなわち、前記実施例3では、前記棒状の試料Sの
長手方向に沿った側面(0.1×3mmの側面)に加工面
SAが形成されていたが、この実施例4では、試料Sの
加工面SAは棒状の試料の長手方向の端面(0.1×0.
3mmの端面)に形成されている。
【0068】(実施例4の作用)図13は前記実施例3
の図10に対応する実施例4の作用説明図である。試料
Sの観察部分である平板状の薄い突出部分Saが、実施
例3の図10の場合には試料側面(0.1×3mmの側
面)に形成されたのに対し、実施例4の図13の場合に
は試料端面(0.1×0.3mmの側面)に形成される。
【0069】(実施例5)次に、図14〜図19により
本発明の電子顕微鏡用試料作成装置の実施例4について
説明する。図14は本発明の電子顕微鏡用試料作成装置
の実施例5の要部であるビーム遮断部材支持装置の拡大
説明図である。図15は前記図14に示すビーム遮断部
材支持装置を構成する3軸駆動用円筒型ピアゾアクチュ
エータの詳細説明図である。図16は前記図15に示す
3軸駆動用円筒型ピアゾアクチュエータの駆動回路の説
明図である。図17は同実施例5の作用説明図である。
図18は同実施例5の作用説明図で、図18Aは実施例
5により作成した試料の斜視図、図18Bは実施例5の
技術を使用しない場合に作成される試料の説明図、図1
8Cは前記図18Bの矢印XVIIICから見た図(平面
図)である。図19は実施例5の構成を採用した理由の
説明図であり、図19Aは実施例5の構成を採用しない
場合のエッチング工程の説明図、図19Bは本発明を行
う場合のエッチング工程の説明図である。
【0070】図19Aにおいて、ガスイオンビームIB
を遮断するビーム遮断部材Tの側面Taは微視的に見れ
ば結晶粒等の凹凸が有り、この凹凸の有る側面に沿って
流れるガスイオンビームIBが衝突する試料Sの加工面
SAのビーム非照射領域SA1およびビーム照射領域SA2
の境界線には凹凸が生じる。このため、試料Sのエッチ
ングされた側面SA3には凹凸の筋が形成されることにな
る。前記凹凸の前記境界線に沿う周期はビーム遮断部材
Tがタングステン線の場合には0.5μm程度である。
この凹凸の周期はビーム遮断部材Tの材質に応じて定ま
った周期となる。前記側面SA3は電子顕微鏡の試料観察
面であり、前記凹凸の筋は好ましくない。本発明者は、
前記ビーム遮断部材Tのビームを遮断する側面Taに沿
って試料Sおよびビーム遮断部材Tを相対的に振動させ
ながらエッチングを行うと、図19Bに示すように、前
記凹凸の筋の発生を防止できることを発見した。実施例
5に示す構成は前記発見に基づいてなされたものであ
る。
【0071】次に実施例5の構成を説明する。なお、こ
の実施例5の説明において、前記実施例1の構成要素に
対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な
説明を省略する。この実施例5は、下記の点で前記実施
例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様
に構成されている。
【0072】この実施例5は前記線状ビーム遮断部材2
2を支持するビーム遮断部材支持装置23の構成が前記
実施例1と相違している。すなわち図14において、こ
の実施例5のビーム遮断部材支持装置23は前記壁部材
1の内側面に固定されたベース部材33を有している。
ベース部材33の内面にはアクチュエータ支持プレート
34が固定されている。前記アクチュエータ支持プレー
ト34には3軸駆動用円筒型ピアゾアクチュエータ(試
料・ビーム遮断部材相対移動装置)36が支持されてい
る。3軸駆動用円筒型ピアゾアクチュエータ36は、圧
電体により構成された円筒部材37を有しており、その
円筒部材37の軸が左右に延びるように配置されてお
り、その右端(基準面)が前記アクチュエータ支持プレ
ート34に固定されている。前記円筒部材37の左端
(駆動面)は自由端となっている。前記円筒部材37に
は、その円筒状内面のほぼ全面に円筒状の電極Aが形成
されており、電極Aは接地されている。
【0073】前記円筒部材37の外側面には左端部分に
円筒状の電極Bが形成されている。電極Bに+(プラ
ス)または−(マイナス)の電圧を印加することによ
り、前記円筒部材37の左端(駆動面)を左右方向(Y
軸方向)に駆動することができるようになっている。ま
た、前記円筒部材37の外側面には前記電極Bの右側部
分に前後方向(X軸方向)に対向して一対の前後移動用
電極CおよびDが形成されている。前後移動用電極C,
Dに+(プラス)または−(マイナス)の電圧を印加す
ることにより、前記円筒部材37の左端(駆動面)を前
後方向(X軸方向)に駆動することができるようになっ
ている。また、前記円筒部材37の外側面には前記電極
Bの右側部分に上下方向(Z軸方向)に対向して一対の
上下移動用電極EおよびFが形成されている。上下移動
用電極E,Fに+(プラス)または−(マイナス)の電
圧を印加することにより、前記円筒部材37の左端(駆
動面)を上下方向(Z軸方向)に駆動することができる
ようになっている。
【0074】前記圧電体により構成された円筒部材37
および電極A〜Fにより構成された前記3軸駆動用円筒
型ピアゾアクチュエータ36は、線状ビーム遮断部材2
2を試料Sに対して相対的に移動させる装置、すなわ
ち、試料・ビーム遮断部材相対移動装置を構成してい
る。前記円筒部材37の左端(駆動面)には左方(Y方
向)に延びる遮断部材支持アーム38が固定支持されて
いる。遮断部材支持アーム38には、その左端部に開口
38aが形成されている。この開口38aの上面には左右
(Y軸方向)に延びる線状ビーム遮断部材22が支持さ
れている。
【0075】図16において、直流電源39と、円弧状
に形成された左右移動用抵抗R1、前後移動用抵抗R2、
および上下移動用抵抗R3が並列に接続されている。前
記直流電源39は、その電圧を1/2に分圧する点が接
地されている。前記電極Aは接地されている。前記電極
Bは、前記円筒部材37の左端(駆動面)を左右(Y軸
方向)に移動させるための左右移動用接触端子41に接
続されている。左右移動用接触端子41は、その先端が
前記円弧状に形成された左右移動用抵抗R1に接触しな
がら回転移動するように構成されている。前記左右移動
用接触端子41の移動はサーボモータMにより行われる
ように構成されている。前記3軸駆動用円筒型ピアゾア
クチュエータ36の特性は、左右上下の移動は0.4μ
m/V、前後方向移動は0.04μm/Vであり、微細
な位置調整コントロールも十分可能である。したがっ
て、線状ビーム遮断部材22の側面の凹凸の半周期に相
当する電位を周期的に発生させるため(すなわち、前記
円筒部材37の左端(駆動面)を0.4μm移動させる
ため)、前記サーボモータMには、周期的電圧変化、例
えば、設定電圧プラスマイナス0.5Vの変化を与えて
いる。なお、前記円筒部材37の左端(駆動面)を0.
4μm移動させるために、従来公知の電圧コントローラ
を使用することも可能である。
【0076】前記電極C,Dは、前記円筒部材37の左
端(駆動面)を前後(X軸方向)に移動させるための前
後移動用接触端子42に接続されている。前後移動用接
触端子42は、その先端が前記円弧状に形成された前後
移動用抵抗R2に接触しながら回転移動するように構成
されている。前記前後移動用接触端子42の移動は手動
により行われるように構成されている。また、前記電極
E,Fは、前記円筒部材37の左端(駆動面)を上下
(Z軸方向)に移動させるための上下移動用接触端子4
3に接続されている。上下移動用接触端子43は、前記
前後移動用接触端子42と同様に構成されており、前記
上下移動用接触端子43の移動は手動により行われるよ
うに構成されている。
【0077】(実施例5の作用)次に前述の構成を備え
た実施例5の作用を説明する。この実施例5において
も、試料加工面の大きさ0.1mm×3mmは、その短い方
の径が試料エッチング用の直径1mmのガスイオンビーム
IBの前記直径よりも小さく形成されている。この実施
例5においても前記実施例1と同様に、前記試料Sを試
料台13に固定し、その後、真空ポンプ3により試料加
工室2内を真空にする。次に、前記昇降テーブル4を上
昇させて、前記試料Sの上端の加工面SAが前記線状ビ
ーム遮断部材22に隣接する位置まで上昇させる。図3
Aに示すように、試料加工面SAに線状ビーム遮断部材
22を隣接させた状態で、前記3軸駆動用円筒型ピアゾ
アクチュエータ36の電極C,Dの電圧を調節して、前
記線状ビーム遮断部材22の前後方向(X軸方向)の位
置を調節する。次に、電極E,Fの電圧を調節して前記
線状ビーム遮断部材22の上下方向(Z軸方向)の位置
を下方に調節し、前記線状ビーム遮断部材22を前記試
料Sの長手方向端面の試料加工面SAにほぼ接触する位
置まで移動させる。
【0078】この状態で図17Aにおいて、前記イオン
照射装置16によりガスイオンビームIBを照射して第
1エッチング工程を行う。この第1エッチング工程は、
前記3軸駆動用円筒型ピアゾアクチュエータ36の電極
Bに電圧を印加して前記Y軸方向に延びる線状ビーム遮
断部材22をY軸方向に振動させながら行う。振動の振
幅は、線状ビーム遮断部材22の側面のY軸方向に沿う
結晶粒子の1/2の整数倍とするのが好ましい。なお、
これについては後述する。図17Aにおいて、前記線状
ビーム遮断部材22により、試料加工面SAには線状の
ビーム非照射領域SA1およびその両側のビーム照射領域
SA2ができる。そして、ビーム照射領域SA2の表面は、
エッチングされて図17AのSBで示す表面となる。
【0079】次に図17Cに示すように、前記3軸駆動
用円筒型ピアゾアクチュエータ36により、前記線状ビ
ーム遮断部材22を上方(Z方向)に移動させてから右
方(Y方向)に移動させる。その後線状ビーム遮断部材
22を下方に移動させて図17Dの状態(線状ビーム遮
断部材22が試料加工面SAにほぼ接触する位置)とす
る。前述のように、線状ビーム遮断部材22を上昇させ
てから右方に移動させる理由は、線状ビーム遮断部材2
2が試料加工面にほぼ接触する位置でエッチングを行っ
ているので、線状ビーム遮断部材22がその右方への移
動の際に試料加工面に接触するのを防止して試料が破損
するのを防止するためである。
【0080】図17Dにおいて、線状ビーム遮断部材2
2は、次に行う第2エッチング工程において、前記ビー
ム非照射領域SA1の前記ビーム照射領域SA2との境界線
に沿った狭い領域SA11がビーム非照射領域となるよう
に配置されている。この状態(図17Dに示す状態)で
は、前記図17Cに示すビーム非照射領域SA1は第2エ
ッチング工程でのビーム非照射領域SA11およびビーム
照射領域SA12に分けられる。また、前記図17Cに示
す表面SBは第2エッチング工程でのビーム非照射領域
SB1およびビーム照射領域SB2に分けられる。この図1
7Dの2点鎖線で示す状態で、ガスイオンビームIBを
照射して第2エッチング工程を行う。この第2エッチン
グ工程においても、前記第1エッチング工程と同様に線
状ビーム遮断部材22をY軸方向に振動させる。なお、
これについては後述する。前記第2エッチング工程によ
り、図1DCに示す第2エッチング工程でのビーム照射
領域SA12およびSB2はエッチングされて、図17Dの
実線で示すSCとなる。そして、前記第1エッチング工
程および第2エッチング工程でのビーム非照射領域SA1
1(図17D参照)は、200nm以下の薄さの突出部
分Saとして残る。そして、図18Aに示すような、棒
状の長手方向に沿った側面に薄い突出部分Saを有する
電子顕微鏡用試料Sが作成される。前記薄い突出部分S
aは電子顕微鏡で観察可能である。
【0081】前記図18Aは本実施例5すなわち、線状
ビーム遮断部材22をその延在する方向に振動させなが
ら、第1および第2エッチング工程を行った場合に得ら
れる試料Sの斜視図である。これに対し、図18Bは前
記振動をさせない場合に得られる試料Sの斜視図であ
り、図18Cは前記図18Bの矢印XVIIIから見た図
(平面図)図である。図18B、図18Cにおいて前記
第1および第2エッチング工程で残った薄い突出部分S
aに凹凸の筋が形成されている。前記図18A〜図18
Cでの説明から分かるように、前記線状ビーム遮断部材
22をその延びる方向に沿って振動させることにより、
試料Sに形成される薄い突出部分Saに凹凸の筋が発生
するのを防止することができる。
【0082】(前記各実施例特有の効果)前述の各実施
例では、ガスイオンビームIBを使用したので、Gaイ
オンを使用する従来の方法に比べて試料に対するダメー
ジ(不純物の拡散、注入等)が少ない。また、試料表面
をビーム遮断部材で覆うため、試料に対するダメージが
少ない。したがって、従来のFIB(Focused Ion Bea
m)を用いて薄い電顕用試料を作成する方法では、ビー
ムがガウス分布しており、ビームのスソの部分が試料表
面に当たりダメージがでるのに比べて、前記各実施例
は、ダメージ(不純物の拡散、注入)の少ない試料の観
察を行うことができる。また前述の各実施例では、静電
レンズ、電磁レンズ等のイオンビーム収束レンズを使用
していないので、装置を簡素化できコストを節約するこ
とができる。
【0083】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01)前記実施例5においては線状ビーム遮断部材2
2を振動させているが、試料台13を振動させるように
構成することが可能である。 (H02)試料台13を水平面(XY平面)内で移動調節
可能なXYテーブルを設けることが可能であり、その場
合には、前記XYテーブルにより試料・ビーム遮断部材
相対移動装置を構成することが可能である。 (H03)前記各実施例ではガスイオンビームを使用した
が、ガスイオンビーム以外のイオンビーム(例えばGa
イオンビーム等)を使用することが可能である。 (H04)ガスイオンビーム発生装置17から出射するガ
スイオンビームのビーム径が大きい場合にはイオンビー
ム収束レンズを使用することが可能である。
【0084】
【発明の効果】前述の本発明の電子顕微鏡用試料作成装
置は、下記の効果を奏することができる。 (E01)前記エッチング用のイオンビームIBにより試
料加工面の短い方の全長の1/2以上の幅を一度にエッ
チングできるので、1回目のエッチングにより試料加工
面の短い方の全長の約1/2をエッチングし、2回目の
エッチングにより残りの約1/2をエッチングすること
ができる。このため、透過型電子顕微鏡で観察可能な薄
い部分を有する試料を2回のエッチング工程で作製すこ
とができる。したがって、ビームを細く絞って走査を行
う従来のFIB(Focused Ion Beam)に比べて、薄い電
顕用試料を短時間で作成することができる。 (E02)エッチング工程に入る前に複雑な前処理工程を
行う必要がなく、また、熟練を要する作業を行う必要も
ないので、容易に短時間で電顕用試料を作成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の電子顕微鏡用試料作成装置の
実施例1の全体説明図である。
【図2】 図2は同実施例1の要部である線状のビーム
遮断部材の支持装置および試料台の拡大説明図である。
【図3】 図3は同実施例1の作用説明図である。
【図4】 図4は同実施例1の前記図3とは異なる使用
方法での作用説明図である。
【図5】 図5は同実施例1の作用説明図で、前記図4
の続きの説明図である。
【図6】 図6は本発明の電子顕微鏡用試料作成装置の
実施例2の要部であるビーム遮断部材の支持装置および
試料台13の拡大説明図である。
【図7】 図7は同実施例2の作用説明図である。
【図8】 図8は同実施例2の前記図7とは異なる使用
方法での作用説明図である。
【図9】 図9は本発明の電子顕微鏡用試料作成装置の
実施例3の要部であるビーム遮断部材の支持装置および
試料台13の拡大説明図である。
【図10】 図10は同実施例3の作用説明図である。
【図11】 図11は同実施例3の前記図10とは異な
る使用方法での作用説明図である。
【図12】 図12は本発明の電子顕微鏡用試料作成装
置の実施例4の要部であるビーム遮断部材の支持装置お
よび試料台13の拡大説明図である。
【図13】 図13は同実施例4の作用説明図である。
【図14】 図14は本発明の電子顕微鏡用試料作成装
置の実施例5の要部であるビーム遮断部材支持装置の拡
大説明図である。
【図15】 図15は前記図14に示すビーム遮断部材
支持装置を構成する3軸駆動用円筒型ピアゾアクチュエ
ータの詳細説明図である。
【図16】 図16は前記図15に示す3軸駆動用円筒
型ピアゾアクチュエータの駆動回路の説明図である。
【図17】 図17は同実施例5の作用説明図である。
【図18】 図18は同実施例5の作用説明図で、図1
8Aは実施例5により作成した試料の斜視図、図18B
は実施例5の技術を使用しない場合に作成される試料の
説明図、図18Cは前記図18Bの矢印XVIIICから
見た図(平面図)である。
【図19】 図19は実施例5の構成を採用した理由の
説明図であり、図19Aは実施例5の構成を採用しない
場合のエッチング工程の説明図、図19Bは本発明を行
う場合のエッチング工程の説明図である。
【図20】 図20は従来の電子顕微鏡用試料作成方法
の説明図である。
【図21】 図21は従来の電子顕微鏡用試料作成方法
の説明図で、前記図20の続きの工程の説明図である。
【図22】 図22は従来の電子顕微鏡用試料作成方法
の説明図で、前記図21の続きの工程の説明図である。
【図23】 図23は従来の電子顕微鏡用試料作成方法
の説明図で、FIB(Focused Ion Beam)を用いて薄い
電顕用試料を作成する方法の説明図である。
【符号の説明】
IB…ガスイオンビーム(イオンビーム)、S…試料、
SA…試料加工面(加工面)、SA1…ビーム非照射領
域、SA2…ビーム照射領域、1…壁部材、2…試料加工
室、3…真空装置、12…試料・ビーム遮断部材相対移
動装置(回転テーブル)、13…試料台、16…イオン
照射装置、17…イオンビーム発生装置(ガスイオンビ
ーム発生装置)、21…絞り、22…線状ビーム遮断部
材、24…試料・ビーム遮断部材相対移動装置、31…
ビーム遮断部材、31a…ビーム遮断部、36…試料・
ビーム遮断部材相対移動装置
フロントページの続き (72)発明者 木原 春巳 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とする電
    子顕微鏡用試料作成装置、(Y01)真空装置により内部
    が真空にされる壁部材により囲まれた試料加工室内の試
    料作成位置に試料の加工面を保持する試料台、(Y02)
    イオンビーム発生装置と、前記イオンビーム発生装置で
    発生したイオンビームを試料加工面の縦方向および横方
    向の全長のうち短い方の1/2以上の幅の領域を一度に
    エッチング可能なビーム径にして前記試料加工面に入射
    させる絞りとを有するイオン照射装置、(Y03)前記試
    料加工面に入射するイオンビームを横断し且つ前記試料
    加工面に接近して配置され、前記イオンビームの一部を
    遮断して前記試料加工面にイオンビームが照射されない
    1か所のビーム非照射領域を形成するビーム遮断部材、
    (Y04)前記試料台および前記ビーム遮断部材を相対的
    に移動させて、前記イオンビームに垂直な面内で前記試
    料加工面上のビーム非照射領域およびビーム照射領域の
    境界線を平行移動または回転移動させる試料・ビーム遮
    断部材相対移動装置。
  2. 【請求項2】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の電子顕微鏡用試料作成装置、(Y03′)1
    か所の線状のビーム非照射領域を形成する線状の前記ビ
    ーム遮断部材。
  3. 【請求項3】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の電子顕微鏡用試料作成装置、(Y03″)イ
    オンビームが照射される試料加工面の縦方向の全長およ
    び横方向の全長のうち、全長の長い方に沿った側縁を有
    し、前記試料加工面に入射するイオンビームを横断し且
    つ前記試料加工面に接近して配置され、イオンビームの
    一部を遮断して前記試料加工面にイオンビームが照射さ
    れない1か所のビーム非照射領域と1か所のビーム照射
    領域とを形成する前記ビーム遮断部材。
  4. 【請求項4】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか記載の電子顕微鏡用試料作成装
    置、(Y05)前記イオンビームをビーム直径0.5〜2m
    mにして前記試料加工面に入射させる前記イオン照射装
    置。
  5. 【請求項5】 下記の要件を備えたことを特徴とする電
    子顕微鏡用試料作成方法、(Y06)試料加工面の縦方向
    および横方向の全長のうち短い方の全長の1/2以上が
    試料エッチング用の直径0.5〜2mmのイオンビームに
    より一度に照射される大きさとなるように、棒状の試料
    を作成する工程、すなわち、棒状試料作成工程、(Y0
    7)壁部材により囲まれた試料加工室内のイオンビーム
    が照射される試料作成位置に前記試料加工面がイオンビ
    ーム照射方向に対向するように保持してから、前記試料
    加工室内を真空装置により真空にする工程、(Y08)前
    記イオンビームの一部を遮断して前記試料加工面にイオ
    ンビームが照射されない1か所のビーム非照射領域を形
    成するビーム遮断部材を、前記試料加工面に入射するイ
    オンビームを横断し且つ前記試料加工面に接近して配置
    した状態で、前記試料加工面にイオンビームを照射して
    前記試料加工面をエッチングする第1エッチング工程、
    (Y09)前記試料およびビーム遮断部材を前記イオンビ
    ームに垂直な面内で相対的に移動させて前記第1エッチ
    ング工程でエッチングされなかった試料加工面のうち一
    部の細長い領域へのイオンビームの照射を遮断する状態
    で、前記試料加工面にイオンビームを照射して前記試料
    加工面をエッチングする第2エッチング工程。
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