JP4612746B2 - 試料作製装置 - Google Patents
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Description
と略記)や、回路の断線や短絡など電気的不良を検出するプローバ装置などがある。
いるが、半導体の高集積化に伴い、対象物がSEMの分解能では観察できないほど極微細な
ものについても解析することが必要となっている。この場合、SEMに代って観察分解能が
高い透過型電子顕微鏡(以下、TEMと略記)が有力な装置となっている。
破壊しないようにウエハ30にダイアモンドペンなどで傷付け劈開するか、ダイシングソーで例えば切断線33に沿って分断する。図2(b)のような切り出した短冊状ペレット34を2枚、作製するTEM試料の中央部が観察領域となるようにするため、観察領域同士を向かい合うように接着剤35で貼り合わせて、貼り合わせ試料36を作る(図2(c))。次に、この貼り合わせ試料36をダイヤモンドカッターでスライスし、スライス試料37を切り出す(図2(d))。このスライス試料37の大きさは、3×3×0.5mm程度である。さらに、このスライス試料37を研磨材を用いて研磨盤上で薄く研磨し、厚さ20μm程度の研磨試料38を作製し、これをTEMステージに搭載する単孔型TEMホルダ39に固定する(図2(e))。次に、この研磨試料38の両面からにイオンビーム40照射(図2(f))して、イオンシニングを行い(図2(g))、中央部に穴が開いたらイオンビーム40照射を止めてTEM試料41とする(図2(h))。
示すようにウエハ30をダイシングを行って(符号33が切断線である。)短冊状ペレット34を切り出す(図3(b))。このペレットの大きさは、おおよそ3×0.05×0.5mm(ウ
エハの厚み)である。この短冊状ペレット34をやや半円形した薄い金属片からなるTEM
試料ホルダ37に固定する(図3(c))。この短冊状ペレット34の中の観察領域を、厚さ0.1ミクロン程度の薄片部(以下、ウォール部という)43を残すようにFIB24を照射し(図3(d))、薄壁部を形成する(以下、ウォール加工と言う。図3(e))。これをTEM試
料41として、TEMホルダをTEMステージに搭載し、TEM装置に導入してウォール部43を
観察する。この方法によって、観察部をミクロンレベルで位置出しすることが可能になった。また、この手法に関しては、例えば、E.C.G.Kirkらが、論文集 Microscopy of Semiconducting Materials 1989, Institute of Physics Series No.100., p.501-506(公知例1)において説明している。
う面を持ち合わせている。
らかになっても、実際に分析装置や観察装置、計測装置(以下、略して分析装置と代表させる)に入るような寸法に分断して分析試料片に加工しなければならず、先の不良箇所の正確な位置がわからなくなり、所望の解析ができないという問題が生じる。
の結果、ある位置に不良箇所を検出しても、ウエハから解析試料片を作製する時に、解析の目的とする微小異物が無くなったり変質したり、又は、別の損傷を引き起こし重畳して本来の目的とする不良箇所の原因究明ができなくなることがある。これは従来の試料作製方法が試料の切断や研磨、へき開など機械的や化学的な手法に依っていたためで、当初の不良箇所をそのまま状態で分析装置に導入して的確な解析結果を得る歩留りは高いものではなかった。また、このような的確な解析が長時間に及ぶために最終的な製品に不良品が続発して多大の損害をもたらす場合すらある。
明する。TEMは上述のように高分解能を有しているため、微小部分の解析には有力なツー
ルであるが、 不良領域の特定から解析結果が出るまでに非常に長い時間を要するため、
観察したいときに即座に結果の見えるSEMのようには普及していない。解析結果までに長
時間を要する原因の一つは、TEM観察以前の試料作製過程にある。TEM観察領域は厚さを100nm程度にまで薄片化しなければならないため、従来方法では研磨や機械加工など試料作製者の熟練を要する手作業が伴っている。しかも、観察領域がミクロンレベルで特定されると試料作製は極めて困難になる。また、事前に顕微鏡に依ってミクロンオーダで特定していた不良領域の位置を試料作製中に見失ったり、間違ってしまうことが多々ある。また、ウエハから所望の試料片を作製するには、ウエハ劈開や切断など機械的加工によっているため試料への新たな損傷が発生し、本来の不良領域との区別がつかなくなる場合がある。さらに、TEMの試料室は非常に小さく、試料片をミリオーダの大きさに細分化しなければならず、ウエハは必ず分断せざるを得ない。一旦、分析や観察を行った後に、さらに隣接した箇所を別の分析や観察の必要が出た場合には、先の試料作製の分断のために後の分析領域が破壊や損傷を受けていたり、正確な位置関係が分からなくなって継続した分析や観察情報が得られないという問題を発生する。
目的とする試料片を観察、分析、計測のうちの少なくともいずれかによって調べる試料解析方法であって、試料基板を検査手段によって検出した異物や欠陥など所望箇所の座標情報を記憶する工程と、上記所望箇所の座標情報を基にして上記試料基板から上記所望箇所を含む試料片を集束イオンビームによる加工を利用して摘出して、上記摘出した上記試料片を分析装置または観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかに対応する試料ホルダに固定し、上記試料ホルダに固定した上記試料片を分析または観察または計測のうちの少なくともいずれかに適する形状に加工する工程と、上記試料片を固定した上記試料ホルダを分析装置または観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかに導入して上記所望箇所の解析を行なう工程とからなる試料解析方法を用いて、
特に、上記検査手段が光学式ウエハ検査装置、ウエハ検査用走査電子顕微鏡、レーザ走査顕微鏡、光学式顕微鏡のうちの少なくともいずれかを用いる。
ウエハを検査して異物や欠陥など所望箇所の座標情報を記憶するウエハ検査部と、上記所望箇所の座標情報を基にして上記試料基板に対して集束イオンビームを利用して上記所望箇所を含む試料片を摘出して分析または観察または計測のうちの少なくともいずれかに適する試料ホルダに固定して加工する試料作製部とから構成され、上記ウエハ検査部と試
料作製部とは上記ウエハを移動するための真空搬送路によって連結した構造とする。または、
ウエハを検査して異物や欠陥など所望箇所の座標情報を記憶するウエハ検査部と、上記所望箇所の座標情報を基にして上記試料基板に対して集束イオンビームを利用して上記所望箇所を含む試料片を摘出して分析装置または観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかに適する試料ホルダに固定して、分析装置または観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかに適する形状の試料片に加工する試料作製部と、上記試料片の解析を行なう分析装置または観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかの解析部とを少なくとも有し、上記ウエハ検査部と試料作製部、解析部とは上記ウエハを移動するための真空搬送路によって連結した構造とする。または、
ウエハを検査して異物や欠陥など所望箇所の座標情報を記憶するウエハ検査部と、上記所望箇所の座標情報を基にして上記試料基板に対して集束イオンビームを利用して上記所望箇所を含む試料片を摘出して分析装置または観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかに適する試料ホルダに固定して、分析装置または観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかに適する形状の試料片に加工する試料作製部と、上記試料片の解析を行なう分析装置または観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかの解析部とが機械的に独立して構成され、少なくとも上記ウエハ検査部での上記所望箇所の座標情報を上記試料作製部と上記解析部に伝達する情報伝達手段によって連結した構造とする試料解析装置でもよい。また、この構造においては、さらに、ウエハ検査部と試料作製部と解析部の間は、ウエハおよび試料ホルダもしくは試料ホルダを搭載した治具を真空容器によって搬送する構造としてもよい。
このような試料作製装置を用いることで上記目的は達成される。
察始めその他の分析、計測、観察のための試料を作製することでき、解析結果を得るまでの時間を短縮させることができる。
以下に、その具体的実施形態例を示す。
図1は、本発明による試料解析方法を実現するための試料解析装置の一実施例を示す概略構成図である。
いる。ウエハ検査部101はウエハ外観検査装置や検査SEM、プローバ装置に該当する。
ウエハ検査によって不良箇所を検出して解析の必要がある場合、ウエハ検査部101と試料作製部102の間に設置したバルブ106を開いて、ウエハ12を試料作製部102へ搬送できる。試料作製部102で加工作製された試料片は別にあるTEM, SEMなど観察装置や分析装置や計測装置などに搬入して不良箇所を解析する。逆に、ウエハ検査の結果、異常がない場合にはウエハ12は試料作製部102に送る必要はなく、次の製造工程の装置に搬送する。
射光学系103、二次電子検出器104、試料室107内でウエハ12を載置して移動可能な試料ステージ105などから構成している。二次電子検出器104に流入する二次電子信号と電子ビーム照射光学系103のビーム偏向を同期させてウエハ表面形状を表示手段13’に表示でき、ウエハ検査部101全体の制御を計算処理装置17’によって行なう。ウエハ検査にはウエハ上に形成された複数個のデバイスを比較する方法や、デバイスの中のセル同士を比較する方法などがあるが、ここでは限定しない。このようなウエハ検査部100で検出された所望箇所の座標情報を一旦、計算処理装置17’に記憶し、情報伝達手段110によって試料作製部102の計算処理部17に伝達できる。また検査中のウエハ外観や座標情報は表示手段13’に表示できる。
このFIB照射によって試料から放出する二次電子や二次イオンを検出する二次粒子検出器
3、FIB照射領域にデポジション膜を形成するための元材料ガスを供給するデポガス源4
、半導体ウエハや半導体チップなどの試料基板12を載置する試料ステージ5、摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段8、試料基板12を観察するための光学顕微鏡9、この光学顕微鏡26による像や二次粒子検出器3による像を映す表示手段13、試料作製部102全体を制御する計算処理装置17、試料ステージ5を設置する試料室18などを少なくとも備えた構成である。さらに詳細を図4を用いて説明する。
21、集束レンズ22、対物レンズ23を通すことで10nm径程度から1ミクロン径程度のFIB24を形成する。FIB24を偏向器25を用いて試料基板12上を走査することで、走査形状に試料基板12にミクロンからサブミクロンレベルの加工ができる。ここでの加工とは、スパッタリングによる凹部や、FIBアシストデポジションによる凸部、もしくは、
これらを組み合わせて試料基板の形状を換える操作を指す。FIB照射によって形成するデ
ポジション膜は、移送手段8の先端にある接触部と試料基板12を接続したり、摘出試料を試料ホルダに固定するために使用する。また、FIB照射時に発生する二次電子や二次イ
オンを二次粒子検出器3で検出して画像化することで加工領域などを観察することができる。
れている。試料ステージ5は、試料ホルダ6を搭載した保持手段(試料ホルダカセット)
7が着脱でき、ステ−ジ制御装置10によって、3次元(X,Y,Z)方向の移動及び傾斜、
回転が制御される。試料基板12は必要に応じて試料基板搬送路19を用いて出入りする。
料の焦点からの蛍光のみによって像が形成される。視野を一様に励起する方法に比較して迷光は極めて少なく、焦点以外のからの蛍光が仮に発生しても、上記アパチャに妨げられてCCD29には到達せずクリヤな像が得られる。試料基板12とダイクロイックミラーの
間に2枚のミラーを設置して、X,Y方向に走査することで、試料表面像を得ることができ
表示手段13に表示する。この光学顕微鏡9は、試料基板12に予め設置していたマーク(図示せず)座標と、検査部101で得られた座標情報と、関係から
なお、集束イオンビーム装置にレーザー顕微鏡を備えた装置については、特開平9-1
34699号公報『集束イオンビーム装置』(公知例3)に示されているが、試料基板12の特定領域部分を摘出する移送手段8の存在については一切記載されていない。
成して、数mm程度のストロークで、数ミクロンの移動分解能を有している。微動部はできるだけコンパクトであることや、精密移動することが要求されるためバイモルフ圧電素子を用いてサブミクロンの移動分解能が得ている。図7は移送手段8の粗動部60と微動部61の構成例である。粗動部60は狭窄部62を支点として支柱63が3個のエンコーダ
64X、64Z、64Y(図示せず)によってXYZ軸方向に移動できる。粗動部60の駆動系は試料室壁66の横ポートを介して大気側にあり、真空はベローズ65によって遮断されている。バイモルフ圧電素子67の先端には直径50ミクロン程度の細く先鋭化したタングステン製のプローブ68を連結し、粗動部60とは延長棒69によって連結した。バイモルフ圧電素子67に電圧を与えることで、プローブ68先端は微動する。このように移送手段8には、構成、サイズ、設置位置を充分に考慮しなければず、本発明による試料作製装置ではこれらすべてを解決している。
法及びこの分離方法で得た分離試料の分析方法』(公知例2)がある。
軸に対応して構成しているが、その搬送手段の設置位置は不明で、唯一上記公報の図3からステージ上に設置されていると読み取れる。このように、搬送手段が試料ステージに設置されていると、対象試料が例えば直径300mmのウエハの中心部にある場合では、搬送手
段先端の移動ストロークが、搬送手段位置から試料の所望箇所までの距離に比べて遥かに小さいため、試料ステージに設置された搬送手段では届かないという致命的問題点を有することになる。さらに、この3軸がバイモルフ圧電素子の構成では、バイモルフ圧電素子は一端を支点にして他端がたわむ動きをするため、他端は印加電圧に従って円弧を描く。つまり、XY平面内の移動では1個のバイモルフ圧電素子の動作のみでは搬送手段先端のプローブが1軸方向に直線的に動作しない。従って、3個のバイモルフ圧電素子で微動部を構成してプローブ先端を所望の位置に移動させるためには3個のバイモルフ圧電素子を非常に複雑に制御しなければならないという特性を有している。
上記実施形態例1では、ウエハ検査部101と試料作製部102を機械的に結合させ、試料基板12であるウエハを両装置間で搬走させる例を説明した。本実施形態例2は図8のようにウエハ検査部101と試料作製部102が機械的に独立していて、不良箇所の座標情報が両者の計算処理装置17、17’を往来する例である。試料基板であるウエハ12は小型で真空状態にできる搬送用容器107に封入して運搬する。ウエハ検査部101での座標情報などは計算処理装置17’から情報伝達手段110を通じて試料作製部102の計算処理装置17に伝達できる。このような構成により、ウエハ検査部101で検出したウエハ12の不良箇所は試料作製部102において、各種解析装置で解析し易い形状に加工作製する。
次に、本発明による試料解析方法の一実施形態を説明する。ここでは、試料の例としてTEM観察すべき試料片の作製方法を取り上げ、ウエハ観察から試料片加工、TEM観察までの試料解析方法の具体的説明を行なう。また、手順を明確にするために以下にいくつかの工程に分割して、図を用いて説明する。
まず、検査すべきウエハの全面もしくはその一部について異常の有無を検査する。検査内容は、光(レーザ)によるウエハ検査装置や電子ビームによる検査SEMなどの外観検査
や、プローブ装置による電気回路検査などである。この検査によって異物や欠陥、配線異常など不良箇所の位置を知ることができる。この時、ウエハに予め設置した目印(ウエハマーク)を基準にして上記不良箇所の該当デバイス座標と、その該当デバイスに予め設置したマークを基準にした座標情報として計算処理装置に記憶する。
(a)マーキング工程:
上記ウエハを試料作製部に導入して、まず、先の該当デバイスの目印(デバイスマーク)を探し出す。ここで、デバイスマークは試料作製部に設置したレーザ顕微鏡で探す。さらに詳しい探索によって上記不良箇所を探し出すが、このとき、FIB照射による二次電子像によって探索すると、試料表面はFIBによってスパッタされるため表面損傷を受け、最悪の場合、所望の解析すべき不良物が無くなってしまうことが生じる。従って、ウエハ検査時のウエハマークとデバイスマークと不良箇所の座標および、試料作製部内でのウエハマークとデバイスマークの座標をもとに、試料作製装置内での不良箇所の座標を計算により導出した後、不良箇所が確認できるように複数ヵ所にFIBによってマークをつける。
した。上記2個のマークを結ぶ直線は試料ステージの傾斜軸と平行になるように事前に、試料ステージを回転調整しておく。
上記2個のマーク80を結ぶ直線上で、2個のマークの両側にFIB81によって2個の
矩形穴82を設けた。開口寸法は例えば10×7ミクロン、深さ15ミクロン程度で、両矩形穴の間隔を30ミクロンとした。いずれも、短時間に完了させるために直径0.15
ミクロン程度で電流約10nAの大電流FIBで加工した。
加工時間はおよそ5分であった。
次に、図9bのように上記マーク80を結ぶ直線より約2ミクロン 隔てて、かつ、一方の矩形穴82と交わるように、他方の矩形穴には交わらないように幅約2ミクロン 、長
さ約30ミクロン、深さ約10ミクロンの細長垂直溝83を形成する。ビームの走査方向は、FIBが試料を照射した時に発生するスパッタ粒子が形成した垂直溝や大矩形穴を埋め
ることがないようにする。一方の矩形穴82と交わらない小さな領域は、後に摘出すべき試料を支える支持部84になる。
上記(b)(c)工程の後、試料面を小さく傾斜(本実施例では20°)させる。ここで、上記2個のマーク80を結ぶ直線は試料ステージの傾斜軸に平行に設定している。そこで、図9cのように上記マーク80を結ぶ直線より約2ミクロン 隔てて、かつ、上記細長垂直溝83とは反対側に、上記両矩形穴82を結ぶように、幅約2ミクロン 、長さ約32ミ
クロン 、深さ約15ミクロンの溝を形成する。FIB照射によるスパッタ粒子が形成した矩形穴82を埋めることがないようにする。試料基板面に対して斜めから入射したFIB81
によって細長傾斜溝85が形成され、先に形成した細長垂直溝83と交わる。(b)から(d)の工程によって、支持部84を残してマーク80を含み、頂角が70°の直角三角形断面のクサビ型摘出試料が片持ち梁の状態で保持されている状態になる。
次に、図9dのように試料ステージを水平に戻し、摘出すべき試料86の支持部84と
は反対の端部に移送手段先端のプローブ87を接触させる。接触は試料とプローブとの導通や両者間の容量変化によって感知することができる。また、不注意なプローブ87の押し付けによって、摘出すべき試料86やプローブ87の破損を避けるために、プローブが試料に接触した時点で+Z方向駆動を停止させる機能を有している。次に、摘出すべき試
料86にプローブ88を固定するために、プローブ先端を含む約2ミクロン平方の領域に
、デポジション用ガスを流出させつつFIBを走査させる。このようにしてFIB照射領域にデポ膜88が形成され、プローブ87と摘出すべき試料86とは接続される。
摘出試料を試料基板から摘出するために、支持部84にFIB照射してスパッタ加工する
ことで、支持状態から開放される。支持部84は試料面上から見て2ミクロン平方、深さ約10ミクロンであるため2〜3分のFIB走査で除去できる。(図9e, f)
プローブ87の先端に接続されて摘出した摘出試料89は試料ホルダに移動させるが、実際には試料ステージを移動させ、FIB走査領域内に試料ホルダ90を移動させる。この
とき、不意の事故を避けるために、プローブを+Z方向に退避させておくとよい。ここで
、試料ホルダ90の設置状態は後述するように種々の形態があるが、本例では、サイドエントリ型のTEMステージ上に設置していることを想定している。(図9g)
FIB走査領域内に試料ホルダ90が入ってくると試料ステージ移動を停止し、プローブ
をーZ方向に移動させ、試料ホルダ90に接近させる。摘出試料89が試料ホルダ90に
接触した時、デポガスを導入しつつ摘出試料89と試料ホルダ90と接触部にFIBを照射
する。この操作によって摘出試料は試料ホルダに接続できる。本実施例では摘出試料89の長手方向の端面にデポ膜92を形成した。
摘出試料側面に付着し、両者が接続される。(図9h)
次に、デポ用のガスを導入を停止した後、プローブ87と摘出試料89を接続しているデポ膜にFIB81を照射してスパッタ除去することで、プローブ87を摘出試料89から
分離でき、摘出試料89は試料ホルダ90に自立する。(図9i)
最後に、FIB照射して、最終的に観察領域を厚さが100nm以下程度のウォール93に
なるように薄く仕上げ加工を施してTEM試料とする。このとき、摘出試料の長手方向の側
面の一方が垂直面であるため、ウォール加工のためにFIB照射領域を決定する際、この垂
直面を基準にすることで試料基板89表面にほぼ垂直なウォール93を形成することができる。また、FIB照射に先立ち、ウォール面をより平面的に加工するために、ウォール形
成領域を含む上面にFIBデポ膜を形成しておくとよい。この方法は既によく知られている
。上述の加工の結果、横幅約15ミクロン、深さ約10ミクロンのウォールが形成でき、TEM観察領域ができあがる。以上、マーキングからウォール加工完成まで、約1時間30
分で、従来のTEM試料作製方法に比べて数分の1に時間短縮できた。(図j)
ウォール加工後、サイドエントリ型TEMステージを引き抜き、TEMの試料室に導入する。このとき、電子線経路と、ウォール面が垂直に交わるようにTEMステージを回転させて挿
入する。その後のTEM観察技術についてはよく知られているので、ここでは省略する。
試料は移送手段とは別の部材である試料ホルダに固定することにあり、ウエハからも試料片が摘出できる試料作製装置と試料作製方法を提供している。
上記実施形態例の試料解析工程はTEM解析に限らず、他の観察手法、分析手法や観察手
法に用いることも可能である。
インレンズ型SEMは観察試料を対物レンズ内に入れる方式で、分解能がアウトレンズに
比べて非常に良いため表面観察の強力なツールであるが、試料をレンズ内に入れる都合上、数ミリ程度に小さくしなければならない。従って、ウエハ検査装置などで不良箇所を発見し、その部分をさらに詳しく観察しようとしてもウエハのままではインレンズ型の走査電子顕微鏡内に導入することはできず、ウエハを分断して細分化せざるを得なかった。本発明による試料解析方法によると、ウエハから所望の領域の試料片を摘出することができるため、インレンズ型SEMで高分解能観察をすることができる。観察領域はウエハ表面ばかりでなく、摘出する際に形成できる断面も観察できるため、試料片摘出時のFIB照射方向を適切に行なえば、不良箇所の断面も観察することができる。このような方法によって、座標の問題、試料作製の問題、ウエハ分割の問題を解決して試料解析を行なうことができる。また、その他、オージェ電子分光分析や二次イオン質量分析など元素分析を行なう試料解析についても同様に行なえる。
試料ホルダ、7…保持手段(ホルダカセット)、8…移送手段、9…光学顕微鏡、100…試料解析装置、101…ウエハ検査部、102…試料作製部、103…電子ビーム照射系、104…二次電子検出器、105…試料ステージ、107…搬送用容器、110…情報伝達手段。
Claims (1)
- 試料を載置する試料ステージと、
当該試料ステージが設置される試料室と、
前記試料に対してイオンビームを照射する照射光学系と、
前記試料室に設けられ、前記試料から摘出された試料片を載せる試料ホルダと、
前記試料から前記試料片を摘出する移送手段と、
前記試料ホルダを前記試料室内の所定の位置に移動する手段とを備え、
当該試料ホルダが移動するときに、前記移送手段は前記試料から離れていることを特徴とする試料作製装置。
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