JPH09208838A - 樹脂組成物、プリプレグおよびプリプレグの製造方法 - Google Patents
樹脂組成物、プリプレグおよびプリプレグの製造方法Info
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- JPH09208838A JPH09208838A JP8314731A JP31473196A JPH09208838A JP H09208838 A JPH09208838 A JP H09208838A JP 8314731 A JP8314731 A JP 8314731A JP 31473196 A JP31473196 A JP 31473196A JP H09208838 A JPH09208838 A JP H09208838A
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Abstract
では高粘度の要求されるマトリックス樹脂の粘度のトレ
ードオフを解決する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂(A1)、ラジカル重合性
不飽和化合物(A2)および加熱によりラジカルを発生
する重合開始剤(A3)からなる樹脂組成物、ならび
に、その樹脂組成物を強化繊維に含浸する工程(工程
1)と強化繊維に含浸させた樹脂組成物に対し熱処理を
行う工程(工程2)を経てプリプレグを製造するプリプ
レグの製造方法。
Description
舶、建造物などの構造材料、スポーツ用具などに使用さ
れる、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維などの強化
繊維と熱硬化性樹脂からなる繊維強化複合材料の製造に
用いるプリプレグおよびその製造方法に関するものであ
る。
維強化複合材料は、軽量で優れた機械特性を有するため
に、航空機、車両、船舶、建造物などの構造材料、ゴル
フシャフト、釣竿、テニスラケットなどのスポーツ用具
に広く用いられている。繊維強化複合材料の製造には、
各種の方式が用いられるが、強化繊維にマトリックス樹
脂を含浸されたシート状、テープ状、あるいは紐状の中
間基材であるプリプレグを用いる方法が広く用いられて
いる。この方法ではプリプレグを複数枚積層した後、加
熱することによって成形物が得られる。
としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂ともに使用され
るが、ほとんどの場合熱硬化性樹脂が用いられる。この
場合、未硬化の熱硬化性樹脂を強化繊維に含浸したもの
がプリプレグとして用いられ、これを積層後加熱して繊
維強化複合材料が製造される。
高めるためには強化繊維の体積含有率を高める必要があ
る。そのため、高性能の要求される分野では、体積含有
率を高めるために有利な長繊維を強化繊維として用いた
プリプレグ、なかんずく体積含有率を最も高めることの
できる一方向に引き揃えた長繊維を強化繊維として用い
たプリプレグが好んで用いられる。
の分野では、軽量化のために、強化繊維の体積含有率の
特に高いプリプレグや厚みの薄いプリプレグの需要が高
まりつつある。
トリックス樹脂の粘度が低いほうが有利な点が多い。
レグや薄いプリプレグの製造にあたっては、未硬化のマ
トリックス樹脂の粘度はできるだけ低いことが望まし
い。たとえば、シート状のプリプレグを製造する場合に
は強化繊維にマトリックス樹脂を含浸する方法として
は、マトリックス樹脂を塗布した離型紙2枚、またはマ
トリックス樹脂を塗布した離型紙と塗布しない離型紙で
強化繊維を上下からはさむという方法が一般的である
が、その際マトリックス樹脂粘度が高いと様々な問題が
生じる。
いと、強化繊維束の内部まで十分にマトリックス樹脂を
含浸させることが困難となる。したがって粘度の高いマ
トリックス樹脂を使用する場合に強化繊維への十分な含
浸を行うためには、温度を高くして樹脂粘度を低くする
必要があるが、熱硬化性樹脂にある程度以上の熱履歴を
加えると、樹脂組成物の効果反応が進行したり、樹脂組
成物中の硬化剤が溶解ないし変質してプリプレグの可使
時間を短くするという問題が生じる。これは特に硬化温
度の低いマトリックス樹脂を使用する場合に大きな問題
になる。マトリックス樹脂の粘度が低ければ、強化繊維
への含浸が容易となるためにそのような問題が生じにく
いし、製造ラインの速度を大きくすることができて、生
産性も良くなる。
と、含浸時に強化繊維のストランドが拡がりにくくなり
プリプレグの表面平滑性が不十分となる。特に、薄いプ
リプレグを製造する場合にそのような問題が生じること
が多い。そして、樹脂粘度が比較的高い状態でストラン
ドを拡げてマトリックス樹脂を十分に含浸させるために
は、ローラー圧力などの外圧を高くして含浸を行なう必
要があるが、繊維を高い圧力で押さえつけると、特に仮
撚りのような撚りがかかった強化繊維の場合には、繊維
束が圧力により一旦は拡げられるものの、得られたプリ
プレグを放置しておくと、経時的に繊維束が元の形態に
戻ろうとする現象、いわゆるスプリングバックが起きや
すくなる。スプリングバックが生じるとプリプレグ表面
の樹脂量が少なくなるため、経時的にプリプレグの粘着
性が低下することになる。
レグを製造する場合、マトリックス樹脂の粘度が低いと
含浸時に繊維束が拡がりやすいため単繊維数の多い繊維
束を使用することが可能になる。そうなれば、一般に強
化繊維は繊維束を構成する単繊維数の多いもののほうが
安価に入手可能であるので経済的に有利であるばかり
か、必要とする繊維束の本数が少なくて済むためにプリ
プレグの生産性も向上する。
低い場合には、離型紙を必ずしも必要としない方法、例
えば、強化繊維を樹脂組成物で満たした浸漬槽に通過さ
せる方法や、強化繊維を一定速度でマトリックス樹脂が
供給される口金に通過させる方法などでもプリプレグを
困難なく製造することができるようになる。そのような
方法を用いれば、大半が最終的には廃棄物となるだけで
ある離型紙を使用せずに済むために、経済的に有利なば
かりか、離型紙を用いた方法では製造することが困難
な、極めて厚いプリプレグを困難なく製造することもで
きるようになる。
リックス樹脂の粘度が低いと、様々な問題が生じる。
プレグを用いて繊維強化複合材料を製造する場合は、プ
リプレグを積層した後、加熱加圧してマトリックス樹脂
を硬化する方法が用いられる。このとき、加熱により粘
度が低下した樹脂が圧力により流出する現象、つまり樹
脂フローが起こる。マトリックス樹脂の粘度が低いもの
は樹脂フローが大きくなる。樹脂フローは十分に小さけ
れば問題はないが、大きすぎると、成形品の重量ばらつ
きが生じたり、成形品中に樹脂の不足する部分が生じた
り、成形品中のボイドが多くなったりして好ましくな
い。
レグのマトリックス樹脂があまりに低粘度であると、表
面のべたつきが大きく、取扱いが困難になる。たとえ
ば、プリプレグに触れた作業者の手や作業台などに樹脂
が付着したりする。さらに、マトリックス樹脂が低粘度
であると、積層したプリプレグを修正のために剥離する
場合に樹脂が糸を引くような剥離になり、修正作業が困
難になる。
たプリプレグ間に適度な粘着性が必要になるが、マトリ
ックス樹脂の粘度が低いと粘着性が不足する。粘着性が
不足すると重ねたプリプレグが簡単に剥がれてしまう。
これは、特に釣竿やゴルフシャフトの製造のように曲率
半径の小さいマンドレルにプリプレグを巻き付ける形で
積層を行う場合に特に問題になる。べたつきがなく、し
かも適度な粘着性を有するためには、マトリックス樹脂
はある程度以上の高い粘度が必要になる。さらに、マト
リックス樹脂の粘度が低いとプリプレグ表面の樹脂が繊
維束中に沈み込んでいきやすくなり、プリプレグの粘着
性が時間とともに次第に減少してしまうという問題も生
じる。
き付けたものからプリプレグを巻き出しながら、プリプ
レグの積層を行う製造方法が用いられる場合には、プリ
プレグの解舒性が問題になる。マトリックス樹脂の粘度
が低くなると、巻き付けられたプリプレグ同士が接着
し、解舒性が悪くなる。
ードオフを考慮してマトリックス樹脂の粘度は適当な値
に設定されるが、しばしば要求される条件をすべて満た
す樹脂粘度の範囲が存在せず、なんらかの性能を犠牲に
せざるを得ない、あるいは製造が不可能であるという場
合が少なからず存在する。たとえば、プリプレグの強化
繊維の体積含有率が大きい場合、マトリックス樹脂の硬
化温度が低い場合、樹脂フローに対する要求が厳しい場
合などにこのような問題が生じることが多い。
上記のようなトレードオフを解決するためには、低粘度
のマトリックス樹脂を用いて含浸を行い、その後なんら
かの処理でマトリックス樹脂の粘度を高める方法が有効
であり、そのために適用できる方法もいくつか提案され
ている。
ポキシ樹脂と光重合可能な化合物を配合したマトリック
ス樹脂を強化繊維に含浸させた後、光照射による光重合
を行いマトリックス樹脂の粘度を高める方法が開示され
ている。通常光重合には紫外線が用いられる。この方法
は、強化繊維がガラス繊維のように紫外線をよく透過す
るものである場合は有効であるが、紫外線を透過しない
強化繊維を用いる場合は、プリプレグ内部に紫外線が到
達せず、内部での増粘反応が起こらないため有効ではな
い。ところが、ガラス繊維よりも比強度、比弾性率が優
れ、構造材料等に用いるのに有用な炭素繊維、アラミド
繊維、ボロン繊維はいずれも紫外線を透過しないため、
これらを強化繊維とするプリプレグの製造についてこの
方法を用いることは困難である。
キシ樹脂とアクリレートモノマーを配合したマトリック
ス樹脂を強化繊維に含浸させた後、電子線照射によるア
クリレートモノマー重合を行いマトリックス樹脂の粘度
を高める方法が開示されている。この方法は、強化繊維
の透明度には依存しないが、厚いプリプレグに適用しよ
うとすると、加速電圧を大きくする必要がある。加速電
圧の大きい電子線照射装置は、電子線照射に伴い発生す
る有害なX線を遮蔽するために大掛かりなものになり、
通常の製造ラインに組み込むのが困難である。
法は、上記の光や放射線を用いる方法にみられる困難性
はない。実際に、樹脂を含浸したプリプレグに、マトリ
ックス樹脂の完全な硬化に至らない程度の熱を加えて粘
度を増加させる、いわゆるBステージ化という処理が行
われることもある。しかし、このような処理では、加熱
後の粘度を再現性よく制御するのが困難であるし、プリ
プレグの粘着性が失われたり、可使時間が短くなるなど
の弊害を避けることができない。
を加えた溶液を強化繊維に含浸させ、その後、加熱によ
り溶媒を除去してプリプレグを製造する方法も知られて
いる。この方法では、プリプレグ中の残留溶媒が繊維強
化複合材料中のボイドの原因になることがある。また、
マトリックス樹脂に溶媒に不溶の成分が含まれる場合は
適用が困難である。また、プリプレグの可使時間を長く
するために、潜在性の硬化剤や硬化触媒を使用すること
が多く行われるが、潜在性の硬化剤や硬化触媒は溶剤に
完全に、あるいは部分的に溶解すると潜在性を失うた
め、適用が困難である。さらに、この方法は、溶剤を除
去するための熱風オーブンなどの設備が必要であり、溶
剤除去のためにある程度の時間が必要になる。無溶剤型
のプリプレグの製造方法では、毎分15m以上のライン
速度での製造が実現可能であるが、溶剤を使う方法でこ
れと同等の生産性を実現しようとすると長大な加熱領域
を設ける必要があり、実現が困難である。
エポキシ樹脂にアミン系硬化剤とチオール系硬化剤と潜
在性硬化剤を配合した樹脂組成物をマトリックス樹脂と
して強化繊維に含浸させてプリプレグを作製した後、潜
在性硬化剤を反応させないよう短時間加熱してマトリッ
クス樹脂の粘度を増大させる方法が開示されている。こ
の方法は、単一の硬化剤を用いてBステージ化を行う方
法と比較すると、プリプレグの可使時間を損なうことが
少なく優れているが、粘度増大に数分間を要し、含浸工
程と粘度増大工程を同一ラインで行う場合は、ライン速
度を高めることが困難である。また、含浸前のマトリッ
クス樹脂の可使時間が短く、工程の自由度が低くなる点
も問題である。
−262903号公報には、エポキシ樹脂に室温で反応
する硬化剤と室温では安定で高温で反応する硬化剤を配
合したマトリックス樹脂を強化繊維に含浸させてプリプ
レグを作製した後、室温で放置してマトリックス樹脂の
粘度を増大させる方法が開示されている。この方法は、
余分な熱履歴を受けない点で優れた方法であるが、室温
放置の期間が1週間程度は必要であり、必然的に在庫が
多くなる点、また、含浸前のマトリックス樹脂の可使時
間が短く、工程の自由度が低くなる点も問題である。
時には低粘度が要求され、プリプレグ中では高粘度の要
求されるマトリックス樹脂の粘度のトレードオフを解決
し得る樹脂組成物およびその樹脂組成物を用いたプリプ
レグの製造方法を提供することにある。特に、強化繊維
に無溶媒で樹脂組成物を含浸できるとともに、紫外線に
対し実質的に不透明な強化繊維にも適用し得る、含浸時
には低粘度が要求され、プリプレグ中では高粘度の要求
されるマトリックス樹脂の粘度のトレードオフを解決し
得る樹脂組成物およびその樹脂組成物を用いたプリプレ
グの製造方法を提供することにある。
に、本発明の樹脂組成物は、次の構成を有する。すなわ
ち、熱硬化性樹脂(A1)、ラジカル重合性不飽和化合
物(A2)および加熱によりラジカルを発生する重合開
始剤(A3)からなる樹脂組成物である。
のプリプレグの製造方法は、次の構成を有する。すなわ
ち、上記樹脂組成物を、強化繊維に含浸する工程(工程
1)、および強化繊維に含浸された樹脂組成物に対し熱
処理を行う工程(工程2)を経てプリプレグを得ること
を特徴とするプリプレグの製造方法である。
マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂(A1)と、ラジカ
ル重合性不飽和化合物(A2)が加熱によりラジカルを
発生する重合開始剤(A3)により重合して得られる重
合体とからなり、該重合体が前記熱硬化性樹脂と均一相
を形成するか、または、前記熱硬化性樹脂と分離した連
続相として存在したものとなっているため、そのプリプ
レグは、取扱性や成形時の樹脂フローの良好なものとな
る。
する。
いれば後述するような方法を採用することにより、プリ
プレグの製造に際して、樹脂組成物の強化繊維への含浸
時には樹脂組成物は低粘度であるので、プリプレグの表
面平滑性を優れたものとすることができ、かつ、含浸後
に加熱すればA3成分から放出されるラジカルによりA
3成分が重合して高分子量化して重合体となるので、樹
脂組成物が増粘する。したがって、最終的に得られるプ
リプレグは取扱性や成形時の樹脂フローに優れたものと
なるのである。
は、実質的にラジカル重合性をもたないもの、すなわち
イオン的機構のみで硬化反応を行うプレポリマーの混合
物、あるいは、これに硬化剤または硬化触媒を配合した
組成物が用いられる。具体的には、エポキシ樹脂組成
物、イソシアネート樹脂組成物、フェノール樹脂組成
物、キシレン樹脂組成物、フラン樹脂組成物、メラミン
樹脂組成物、ベンゾグアナミン樹脂組成物、尿素樹脂組
成物などを用いることができる。このなかでも繊維強化
複合材料用途には、耐熱性と弾性率に優れるエポキシ樹
脂組成物が特に好ましく用いられる。
基を有するプレポリマーであるエポキシ樹脂と硬化剤を
配合したものである。
ポキシ基を有する化合物が用いられる。例えば、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポ
キシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジ
ルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキ
シ樹脂等、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エ
タンやトリス(グリシジルオキシ)メタンのようなグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂あるいはこれらの組合わ
せが好適に用いられる。
としては、例えば、ビスフェノールA型として、“エピ
コート”828、“エピコート”1001、“エピコー
ト”1004(油化シェルエポキシ(株)製)や“エポ
トート”YD128(東都化成(株)製)、“エピクロ
ン”840、“エピクロン”850、“エピクロン”8
55、“エピクロン”860、“エピクロン”1050
(大日本インキ化学工業(株)製)、ELA128(住
友化学(株)製)、DER331(ダウケミカル社製)
等、市販されているものが使用できる。また、ビスフェ
ノールF型として、“エピクロン”830(大日本イン
キ化学工業(株)製)、“エピコート”807(油化シ
ェルエポキシ(株)製)等がある。フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂としては、“エピコート”152、
“エピコート”154(油化シェルエポキシ(株)
製)、DER485(ダウケミカル社製)、EPN11
38、1139(チバガイギー社製)等の商品名で市販
されているものを用いることができる。
ン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香属アミ
ン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジア
ミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸
無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ノ
ボラック樹脂などのポリフェノール化合物、ポリメルカ
プタン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイ
ス酸錯体などを用いることができる。
めに適当な硬化助剤を組合わせることができる。好まし
い例としては、ジシアンジアミドに、3−(3,4−ジ
クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)
を硬化助剤として組合わせる例、カルボン酸無水物やノ
ボラック樹脂に第三アミンを硬化助剤として組合わせる
例などが挙げられる。ほとんどの硬化助剤は、ここに挙
げた例のように単独でもエポキシ樹脂を硬化させる能力
を持ち、実際は、同時に硬化剤として作用する場合が多
い。
物を組成物中に配合することもできる。
は、強化繊維Bに含浸させた樹脂組成物Aに対し熱処理
を行う工程(工程2)に対する安定性を実現するため、
および得られたプリプレグに十分な保存安定性をもたせ
るために熱活性型の潜在性を有することが好ましい。
は活性の低い状態であるが、一定の熱履歴を経ることに
より、相変化あるいは化学変化を起こして、活性の高い
状態に変わるという性質を意味する。なお、以下の記述
においては潜在性という用語は、熱活性型の潜在性を示
すものとする。
性を有することが好ましい。硬化助剤を用いる場合は、
少なくとも硬化助剤が潜在性を有することが好ましい。
潜在性硬化助剤とともに用いる硬化剤として、潜在性を
有する硬化剤が当然好ましく用いられるが、単独での反
応性が低いものであれば、特別に潜在性をもたない(す
なわち熱履歴により相変化や化学変化を起こさない)硬
化剤も好ましく用いられる。
て、粒子状の硬化剤や硬化助剤をエポキシ樹脂に溶解さ
せずに分散させた状態で配合する方法が好ましく用いら
れる。これらは、一定の熱履歴を経ることによりエポキ
シ樹脂に溶解して均一相となり、活性の高い状態にな
る。
アミドが好ましく用いられるが、単独では硬化温度が高
いため、特にこれと粒子状の潜在性硬化助剤を組み合わ
せて用いることが好ましい。ジシアンジアミドと好適に
組み合わせることができる粒子状の硬化助剤としては、
アリール基で置換された尿素誘導体が好ましく用いら
れ、特に1位がアリール基で置換され3位が2個のアル
キル基で置換された尿素誘導体が好ましく用いられる。
好ましく用いられるアリール基で置換された尿素誘導体
の具体例としては1−(3,4−ジクロロフェニル)−
3,3−ジメチル尿素、1−(4−クロロフェニル)−
3,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル−3−フェニ
ル尿素、1−(3,4−ジメチルフェニル)−3,3−
ジメチル尿素、1−(3,4−ジメチルフェニル)−
3,3−ジメチル尿素、1−(2−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3−ジメチル尿素、2,4−ビス(N,N−
ジメチルウレイド)−トルエンが挙げられる。
体のイミダゾール誘導体、例えば、2−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−
メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−
フェニルイミダゾールなど、またはイミダゾール誘導体
にグリシジル化合物を付加させたものや、イミダゾール
誘導体とトリメリット酸、イソシアヌル酸などの有機酸
との塩も用いることができる。
在性硬化助剤として硬化剤としてのジシアンジアミドと
組み合わせても好適に用いることができる。
機酸ヒドラジド類を好ましく用いることができる。好ま
しく用いられる固体の有機酸ヒドラジド類の例として
は、アジピン酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、
1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプ
ロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−
1,18−ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒド
ラジドなどを挙げることができる。
香族ポリアミン類を好ましく用いることができる。好ま
しく用いられる固体の芳香族ポリアミン類としては3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホンなどが挙げられる。
て粒子化したものや、別の物質で被覆してマイクロカプ
セル化したもの、粘度鉱物などの無機粒子に吸着させた
ものも、潜在性の硬化剤や硬化助剤として好適に用いる
ことができる。
助剤としては、熱による化学反応で活性成分を発生させ
るタイプのものを用いることもできる。この場合は、エ
ポキシ樹脂に溶解してもかまわない。このようなタイプ
の潜在性硬化剤、硬化助剤の例としては、イミダゾール
と遷移金属の錯体や、アミンイミド類などを挙げること
ができる。
化剤を組み合わせる場合は、硬化剤は粒子でも、エポキ
シ樹脂に均一に溶解したものでよい。そのような組合せ
の例としては、硬化剤として酸無水物、ポリフェノー
ル、ポリメルカプタンのいずれかと、硬化助剤として3
級アミンの塩、例えばトリス(ジメチルアミノメチル)
フェノールのトリス−エチルヘキシル酸塩を用いる場合
が挙げられる。
合物(A2)とは、ラジカル重合性の不飽和結合、すな
わち2重結合あるいは3重結合を分子内に含む低分子化
合物あるいは高分子化合物である。
用いても、複数種の化合物を混合して用いてもよい。単
一化合物を用いる場合は、分子内に複数のラジカル重合
性不飽和結合を有する化合物を用いるのが、また、複数
の化合物の混合物を用いる場合には、分子内に1つのラ
ジカル重合性不飽和結合を有する化合物と、分子内に複
数のラジカル重合性不飽和結合を有する化合物の少なく
とも1種を、分子内に複数のラジカル重合性不飽和結合
を有する化合物がA2成分中に50重量%以上含むよう
配合することが、ラジカル重合で生成する高分子量成分
を架橋構造を有するものとし、大きな粘度増大効果を得
るようにする上で好ましい。
を有する低分子化合物の好ましい例としては、フェノキ
シエチルアクリレート(例えば大阪有機化学工業(株)
製“ビスコート”#192)、エトキシジエチレングリ
コールアクリレート(例えば共栄社化学(株)製“ライ
トアクリレート”EC−A)、メトキシトリエチレング
リコールアクリレート(例えば共栄社化学(株)製“ラ
イトアクリレート”MTG−A)、メトキシジプロピレ
ングリコールアクリレート(例えば共栄社化学(株)製
“ライトアクリレート”DPM−A)、イソボルニルア
クリレート(例えば共栄社化学(株)製“ライトアクリ
レート”IB−XA)、フェニルグリシジルエーテルア
クリル酸付加物(例えばナガセ化成工業(株)製“デナ
コールアクリレート”DA−141)などが挙げられ
る。
を有する低分子化合物の好ましい例としては、2つのラ
ジカル重合性不飽和結合を有する低分子化合物として、
トリエチレングリコールジアクリレート(例えば共栄社
化学(株)製“ライトエステル”3EG−A)、テトラ
エチレングリコールジアクリレート(例えば東亜合成化
学工業(株)製“アロニックス”M−240)、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート(例えば共栄社化学
(株)製“ライトエステル”NP−A)、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート(例えば共栄社化学(株)
製“ライトエステル”1,6HX−A)、ビスフェノー
ルAプロピレンオキシド付加物ジアクリレート(例えば
共栄社化学(株)製“ライトエステル”BP−2P
A)、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジアク
リレート(例えば三洋化成(株)製“ネオマー”BA−
641)、水素化ビスフェノールAプロピレンオキシド
付加物ジアクリレート(例えば三洋化成(株)製“ネオ
マー”HA−605)、水素化ビスフェノールAエチレ
ンオキシド付加物ジアクリレート(例えば三洋化成
(株)製“ネオマー”HA−601)、ビスフェノール
Sエチレンオキシド付加物ジアクリレート(例えば東亜
合成化学工業(株)製“アロニックス”M−205)、
ジメチロールプロパントリシクロデカンジアクリレート
(例えば共栄社化学(株)製“ライトエステル”DCP
−A)、エチレングリコールジメタクリレート(例えば
共栄社化学(株)製“ライトエステル”EG)、ジエチ
レングリコールジメタクリレート(例えば共栄社化学
(株)製“ライトエステル”2EG)、トリエチレング
リコールジメタクリレート(例えば三洋化成(株)製
“ネオマー”PM−201)、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート(例えば共栄社化学(株)製“ライト
エステル”1・4BG)、1,6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート(例えば共栄社化学(株)製“ライトエ
ステル”1・6HX)、グリセリンジメタクリレート
(例えば共栄社化学(株)製“ライトエステル”G−1
01P)、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジ
メタクリレート(例えば共栄社化学(株)製ライトエス
テルBP−2EM)、ビスフェノールAプロピレンオキ
シド付加物ジメタクリレート、ビス(2−アクリロイル
オキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)シアヌレート
(例えば東亜合成化学工業(株)製“アロニックス”M
−215)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルア
クリル酸付加物(例えば共栄社化学(株)製エポキシエ
ステル3000A)、ビスフェノールAエチレンオキシ
ド付加物ジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビス
フェノールAエチレンオキシド付加物ジグリシジルエー
テルメタクリル酸付加物、ビスフェノールAプロピレン
オキシド付加物ジグリシジルエーテルアクリル酸付加物
(例えば共栄社化学(株)製エポキシエステル3002
A)、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物ジグ
リシジルエーテルメタクリル酸付加物(例えば共栄社化
学(株)製エポキシエステル3002M)、グリセロー
ルジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(例えば共栄
社化学(株)製エポキシエステル80MFA)、ジグリ
シジルフタレートアクリル酸付加物(例えばナガセ化成
工業(株)製“デナコールアクリレート”DA−72
1)、ジグリシジルテトラヒドロフタレートアクリル酸
付加物(例えばナガセ化成工業(株)製“デナコールア
クリレート”DA−722)、レゾルシノールジグリシ
ジルエーテルメタクリル酸付加物(例えばナガセ化成工
業(株)製“デナコールアクリレート”DA−20
1)、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、
ジアリルテレフタレートなど、3つのラジカル重合性不
飽和結合を有する低分子化合物として、トリメチロール
プロパントリアクリレート(例えば東亜合成化学工業
(株)製“アロニックス”M−309)、ペンタエリス
リトールトリアクリレート(例えば東亜合成化学工業
(株)製“アロニックス”M−305)、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート(例えば共栄社化学
(株)製“ライトエステル”TMP)、トリス(2−ア
クリロイルオキシエチル)シアヌレート(例えば東亜合
成化学工業(株)製“アロニックス”M−315)、ト
リス(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート
(例えば大阪有機化学工業(株)製“ビスコート”3P
A)、グリセロールトリグリシジルエーテルアクリル酸
付加物(例えばナガセ化成工業(株)製“デナコールア
クリレート”DA−314)、トリアリルシアヌレート
など、4つのラジカル重合性不飽和結合を有する低分子
化合物として、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト(例えば共栄社化学(株)製“ライトエステル”BP
−4A)、グリセリンジメタクリレートイソホロンジイ
ソシアネート付加物(例えば共栄社化学(株)製ウレタ
ンアクリレートUA−101I)、グリセリンジメタク
リレートヘキサメチレンジイソシアネート付加物(例え
ば共栄社化学(株)製ウレタンアクリレートUA−10
1H)、グリセリンジメタクリレートトリレンジイソシ
アネート付加物(例えば共栄社化学(株)製ウレタンア
クリレートUA−101T)など、5つのラジカル重合
性不飽和結合を有する低分子化合物として、ジペンタエ
リスリトールペンタアクリレート(例えば三洋化成
(株)製“ネオマー”DA−600)など、6つのラジ
カル重合性不飽和結合を有する低分子化合物として、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(例えば共栄
社化学(株)製“ライトエステル”DPE−6A)、ペ
ンタエリスリトールトリメタクリレートイソホロンジイ
ソシアネート付加物(例えば共栄社化学(株)製ウレタ
ンアクリレートUA−306I)、ペンタエリスリトー
ルトリメタクリレートヘキサメチレンジイソシアネート
付加物(例えば共栄社化学(株)製ウレタンアクリレー
トUA−306H)、ペンタエリスリトールトリメタク
リレートトリレンジイソシアネート付加物(例えば共栄
社化学(株)製ウレタンアクリレートUA−306T)
などが挙げられる。
の不飽和結合をもつ高分子化合物あるいはオリゴマーも
用いることができる。例えば、ポリエチレングリコール
またはポリプロピレングリコールの末端水酸基をアクリ
ル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの、酸成分
としてマレイン酸またはフマル酸を含むポリエステル、
ナジック酸無水物あるいはエチニル無水フタル酸などの
ラジカル重合性不飽和結合を有する酸無水物でアミノ末
端を封止したポリイミドなどを用いることができる。
もに、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アルコキ
シメチル基、第1または第2アミン、アミド、1,2−
ジカルボン酸無水物構造、窒素含有複素環などのA1成
分と反応しうる部分構造を有する低分子または高分子化
合物を用いることもできる。
ジカル重合性不飽和結合を有するものとして、2−アク
リロイルオキシエチル水素フタレート(例えば大阪有機
化学工業(株)製“ビスコート”#2000)、2−ア
クリロイルオキシプロピル水素フタレート(例えば大阪
有機化学工業(株)製“ビスコート”#2100)、2
−メタクリロイルオキシエチル水素フタレート(例えば
共栄社化学(株)製“ライトエステル”HO−MP)、
4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイル
オキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート(例え
ば大阪有機化学工業(株)製“ビスコート”#2311
HP)、無水マレイン酸、無水ナジック酸などを挙げる
ことができ、2つのラジカル重合性不飽和結合を有する
ものとして、ビスフェノールAジグリシジルエーテルア
クリル酸部分付加物(例えば昭和高分子(株)製“リポ
キシ”SP−1509H1)、ビス(2−アクリロイル
オキシエチル)2−ヒドロキシエチルシアヌレート(例
えば東亜合成化学工業(株)製“アロニックス”M−2
15)などを挙げることができる。これらの成分の配合
は、樹脂組成物Aの最終的な硬化物中でA2成分の重合
体とA1成分との間に化学結合を形成し、モルフォロジ
ーや物性を改良する効果をもつ。
れる粘度の増大効果に適するように配合されるが、通
常、A2成分の配合量は、A1成分100重量部に対し
て1〜20重量部とするのがよい。
生する重合開始剤(A3)としては、例えば、アゾ化合
物、有機過酸化物などを用いることができる。アゾ化合
物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)などを用いることができる。
ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,2,5−トリメチ
ルシクロヘキサン(例えば日本油脂(株)製“パーヘキ
サ”3M−95)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)シクロドデカン(例えば日本油脂(株)製“パーヘ
キサ”CD)、1,1,3,3−テトラメチルヒドロペ
ルオキシド(例えば日本油脂(株)製“パーオクタ”
H)、1,1−ジメチルブチルペルオキシド(例えば日
本油脂(株)製“パーヘキシル”H)、ビス(1−t−
ブチルペルオキシ−1−メチルエチル)ベンゼン(例え
ば日本油脂(株)製“パーブチル”P)、ジクミルペル
オキシド(例えば日本油脂(株)製“パークミル”
D)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)ヘキサン(例えば日本油脂(株)製“パーヘ
キサ”25B)、t−ブチルクミルペルオキシド(例え
ば日本油脂(株)製“パーブチル”C)、ジ−t−ブチ
ルペルオキシド(例えば日本油脂(株)製“パーブチ
ル”D)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチ
ルペルオキシ)ヘキシン(例えば日本油脂製(株)パー
ヘキシン25B)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル(例えば日本油脂(株)製“パーロイル”L)、過酸
化デカノイル(例えば三建化工(株)製“サンペロック
ス”−DPO)、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボ
ネート(例えば三建化工(株)製“サンペロックス”−
CD)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオ
キシジカーボネート(例えば日本油脂(株)製“パーロ
イル”TCP)、t−ブチル2−エチルペルヘキサノエ
ート(例えば日本油脂(株)製“パーブチル”O)、
(1,1−ジメチルプロピル)2−エチルペルヘキサノ
エート(例えば化薬アクゾ(株)製“トリゴノックス”
121)、(1,1−ジメチルブチル)2−エチルペル
ヘキサノエート(例えば化薬アクゾ(株)製“カヤエス
テル”HO)、t−ブチル3,5,5−トリメチルペル
ヘキサノエート(例えば日本油脂(株)製“パーブチ
ル”355)、過炭酸O−イソプロピル−OO−(1,
1−ジメチルブチル)(例えば日本油脂(株)製“パー
ヘキシル”I)、過炭酸OO−(t−ブチル)−O−イ
ソプロピル(例えば日本油脂(株)製“パーブチル”
I)、過炭酸OO−(t−ブチル)−O−(2−エチル
ヘキシル)(例えば日本油脂(株)製“パーブチル”
E)、過マレイン酸OO−t−ブチル(例えば日本油脂
(株)製“パーブチル”MA)、過ラウリン酸t−ブチ
ル(例えば日本油脂(株)製“パーブチル”L)、過安
息香酸t−ブチル(例えば日本油脂(株)製“パーブチ
ル”Z)などを用いることができる。これらのラジカル
重合開始剤は単独でも、複数混合して用いてもよい。
3成分以外に以下に述べるような成分を配合することが
できる。
(A3成分)の反応性を制御するために、樹脂組成物に
重合禁止剤や促進剤を加えることができる。
−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、ヒドロキノン、2−t−ブチルヒ
ドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、p
−ベンゾキノン、2−エチルアントラキノン、ジラウリ
ルチオジプロピオネート、クペロンなどを用いることが
できる。
塩、例えばナフテン酸コバルトなどを用いることができ
る。
エラストマー、熱可塑性エラストマーなどの高分子化合
物を加えることができる。これらの高分子化合物の添加
には、エポキシ樹脂組成物の粘度調整、プリプレグのタ
ック性調整、硬化物の靱性向上、強化繊維との接着性向
上などの効果がある。
が、樹脂組成物の他の成分に溶解が容易なものが好まし
く用いられる。また、樹脂組成物の他の成分に不溶の熱
可塑性樹脂であっても、微粒子化したものであれば、好
ましく配合することができる。具体的には、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール、フェノキシ樹脂、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリアリーレンオキシド、ポ
リスルホン、ポリアミド、ポリイミドが好ましく用いら
れる。
メタクリル酸エステルの重合体で、代表的なものは、ポ
リメタクリル酸メチルである。市販品としては、“デル
ペット”(旭化成工業(株)製)、“アクリペット”
(三菱レイヨン(株)製)などがある。ポリビニルアセ
タールはポリビニルアルコールをホルムアルデヒドやア
セトアルデヒドなどのカルボニル化合物でアセタール化
した樹脂で、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタ
ールが挙げられる。市販品には、“デンカブチラール”
および“デンカホルマール”(電気化学工業(株)
製)、“ビニレック”(チッソ(株)製)などがある。
フェノキシ樹脂はビスフェノールAとエポクロロヒドリ
ンを縮合させて得られる樹脂で、市販品には“UCA
R”PKHP(ユニオンカーバイド社製)などがある。
ポリエステルは、主鎖にカルボン酸エステル結合を有す
るポリマーである。市販品には“バイロン”(東洋紡績
(株)製)などが挙げられる。ポリカーボネートは、主
鎖に炭酸エステル結合を有するポリマーで、ビスフェノ
ールAカーボネートが代表的である。市販品には、“パ
ンライト”(帝人化成(株)製)などがある。ポリアリ
ーレンオキシドは、芳香族二価基と酸素原子が交互に配
列した主鎖構造を有する樹脂である。市販品には、“ノ
リル”(ジェネラル・エレクトリック社製)などがあ
る。ポリスルホンは主鎖にスルホニル基を有する樹脂で
ある。他にエーテル結合などを主鎖に有する場合が多
い。市販品には“Victrex”(三井東圧化学
(株)製)、“UDEL”(ユニオン・カーバイド社
製)がある。ポリアミドは、主鎖にカルボン酸アミド構
造を有する樹脂である。市販品には、“マクロメルト”
(ヘンケル白水(株)製)、“アミラン”CM4000
(東レ(株)製)がある。ポリイミドは、主鎖にジカル
ボン酸イミド構造を有する樹脂である。他にエーテル結
合やアミド結合を有する場合もある。市販品には“ウル
テム”(ジェネラル・エレクトリック社製)、“Mat
rimid”5218などがある。
レンオキシド、ポリイミドは、耐熱性と靱性をともに要
求される用途に適する。ポリスルホン、ポリビニルホル
マールは炭素繊維との接着性を向上させる効果があり、
層間剪断強度、圧縮強度、曲げ強度などの向上が得られ
る。
とブタジエンを原料とする共重合体が溶解性に優れるた
め好ましく用いられる。特に、カルボキシル基、アミノ
基、エポキシ基など熱硬化性樹脂またはその硬化剤と反
応しうる官能基を有するものを用いると、硬化物の靱性
向上効果が大きいため、特に好ましい。
ストマー相を含有する粒子も好ましく用いることができ
る。架橋したエラストマー粒子そのものを用いることも
できるが、特にエポキシ樹脂不溶のエラストマー粒子の
表面を非エラストマー成分で被覆したコアシェル型エラ
ストマー粒子を特に好ましく用いることができる。この
場合被覆する成分はポリメタクリル酸メチルのように溶
解、あるいは膨潤するものが、粒子のエポキシ樹脂中へ
の分散が良好になるため好ましい。不溶性のエラストマ
ー相を含有する粒子を用いた場合は、樹脂硬化物の耐熱
性が通常のエラストマーより優れるという利点がある。
向上効果がある。特に粒径が0.1〜0.3μm程度の
微細なコアシェル型エラストマー粒子を配合した場合、
靱性の向上効果が著しい。
物Aの他の成分に溶解が容易なものが好ましく用いられ
る。具体的には、ソフトセグメントとしてポリエーテル
構造、ハードセグメントとして、芳香族ポリエステルま
たは、脂肪族ポリアミド構造をもつブロック共重合体が
好ましい。市販のポリエステル系熱可塑性エラストマー
としては、東レ・デュポン社製“ハイトレル”、東洋紡
績(株)製“ペルプレン”、アクゾ社製“ARNITE
L”、ジェネラル・エレクトリックス社製“LOMON
D”を、市販のポリアミド系熱可塑性エラストマーとし
ては、ヒュルス社製“VESTAMID”、ATOCH
EM社製“PEBAX”、EMS社製“グリラックス
A”、三菱化成(株)製“NOVAMID”などを挙げ
ることができる。これらの熱可塑性エラストマーの添加
には、硬化物の靱性向上などの効果がある。また、通常
のエラストマーを添加した場合より、硬化物の耐熱性が
優れる。
アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、粘土鉱物、タル
ク、雲母、フェライトなどの無機粒子を配合することが
できる。これらの添加には、未硬化樹脂組成物に揺変性
を付与する効果、樹脂硬化物の弾性率、耐熱性を向上さ
せる効果、耐摩耗性を向上させる効果がある。また、金
属、カーボンブラック、酸化銅、酸化スズなどの粒子を
導電性向上のために配合することもできる。
に含浸する工程(工程1)、および強化繊維に含浸させ
た樹脂組成物Aに対し熱処理を行う工程(工程2)を経
てプリプレグを得る。
維、アラミド繊維、ボロン繊維など公知のものを使用す
ることができる。特に、本発明の特徴は、紫外線を照射
する従来技術と異なり、紫外線を透過しない強化繊維を
用いることができる点にある。比強度や比弾性率が優
れ、最終製品の優れた機械特性が得られるために好まし
く用いられる炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維はい
ずれも紫外線を透過しない強化繊維であり、本発明がこ
れらに適用できる意義は大きい。
ることができるため、長繊維であることが好ましい。強
化繊維の長繊維は、1本のストランド、複数のストラン
ドを束ねたもの、複数のストランドを平行に配列しシー
ト状にしたもの、織物、ニット、組紐などの形態で用い
られる。
(工程1)は、いくつかの方法で行うことが可能であ
る。強化繊維に樹脂組成物で満たした浸漬槽を通過させ
る方法、ロールに付着させた樹脂組成物と強化繊維を接
触させるリバースロール法やキスロール法、口金から一
定速度で樹脂組成物を吐出し、強化繊維に付着させる方
法、強化繊維に一定速度で樹脂組成物が供給される口金
を通過させる方法、樹脂組成物を塗布した離型紙2枚、
または樹脂組成物を塗布した離型紙と塗布しない離型紙
で強化繊維を上下からはさみ、圧力を加えて含浸させる
方法などを用いることができる。
0.01〜100ポイズ程度と十分低ければ室温でも良
いが、樹脂組成物の粘度を低下させるために、A1成分
およびA3成分の反応が実質的に起こらない温度、例え
ば40〜180℃程度に加温しても良い。また、A3成
分については逆に、含浸工程に要する温度、時間では安
定であるような反応性のものを選択して使用することが
できる。
処理を行う工程(工程2)は、樹脂組成物の粘度を増大
させるために行われる。この熱処理により、A3成分が
分解し、ラジカルが発生する。発生したラジカルにより
A2成分が重合反応を起こし、樹脂組成物の粘度が増大
する。工程2において、一旦、A3成分が分解して、ラ
ジカルが発生すれば、工程2を通過した後もA2成分の
重合反応は進行するため、工程2は極めて短時間で行う
ことができる。また、A2成分およびA3成分は樹脂組
成物の粘度が十分増大すれば、完全に反応して消費され
る必要はない。
応させるが、A1成分を実質的に反応させないことが、
プリプレグの可使時間を長くすることができるため好ま
しい。
件を見いだすためには、示差走査熱量分析(DSC)を
用いることができる。工程2が一定温度の熱履歴を一定
時間かける場合は、工程2で使用する温度でA1成分の
等温分析を行い、A1成分の発熱開始の始まる時間より
短い熱処理時間を用いればよい。工程2の熱処理が昇温
過程を含むばあいは、DSCにおいて同様の昇温を行い
発熱のないことを確認すればよい。そして、見いだされ
た熱処理条件によって分解し、ラジカルを十分に発生す
るような反応性のものをA3成分として使用することが
好ましい。
も、同様にDSCを用いることができる。工程2に相当
する熱履歴で樹脂組成物のDSC測定を行い、A3成分
の分解とA2成分の重合による発熱の開始が確認されれ
ばよい。発熱の開始が確認できれば、その熱履歴の範囲
内で完全にA3成分の分解とA2成分の重合の反応が終
了する必要はない。
3成分の反応の確認を行うこともできる。この方法は、
樹脂組成物に加熱プレス機などを用いて工程2に相当す
る熱履歴を与え、しばらく放置した後の特定温度の粘度
を測定し、熱処理なしの樹脂組成物の粘度と比較するこ
とにより行う。粘度の値としては、回転粘度計で求めた
粘度もしくは動的粘弾性測定装置で求めた複素粘性率を
用いることができる。粘度の増大効果は、使用目的に応
じた特定温度で10倍以上であることが好ましい。いず
れにしても、工程2における熱処理条件は上記手段によ
り選定できるが、通常は60〜200℃で1秒〜1分、
好ましくは80〜180℃で3秒〜30秒である。
ブン、赤外線ヒーター、熱ロール、熱板などを用いるこ
とができる。これらの手段は複数組合わせて使用するこ
とができる。
一旦巻き取って別の装置で行うこともできるが、工程1
と同一ラインで行うことが生産性が高くなるため好まし
い。工程1と工程2を同一ラインで行う場合、工程2の
熱処理に要する時間、複数の加熱手段を用いる場合はそ
れらの時間の合計、は短い方が好ましい。熱処理に要す
る時間が長いと、工程1と工程2を同一ラインで行う場
合、ライン速度を遅くするか、長大な加熱ゾーンを設置
する必要が生じる。熱処理に要する時間は具体的には1
分以内が好ましく、30秒以内であればさらに好まし
い。
ることにより、工程2の熱処理によってプリプレグ中の
マトリックス樹脂が増粘したことを確認することができ
る。プリプレグの曲げ弾性率は強化繊維中に含浸してい
るマトリックス樹脂の粘度をよく反映し、樹脂の粘度が
増大するとプリプレグの曲げ弾性率も増大する。
プリプレグは、通常の熱硬化性樹脂を用いたプリプレグ
と同様に使用して繊維強化複合材料を得ることができ
る。
トリックス樹脂が、ほぼ未反応の熱硬化性樹脂(A1成
分)と、ラジカル重合性不飽和化合物(A2成分)が前
記重合開始剤により重合した重合体からなり、かつ、該
重合体が、熱硬化性樹脂と均一相を形成するか、熱硬化
性樹脂と分離した連続相として存在したものとなる。
る前記重合体には、使用した重合開始剤(A3成分)に
由来する構造が含まれる。A3成分に由来する構造と
は、例えばA3成分が過ラウリン酸t−ブチルである場
合は、t−ブチルオキシ基とラウロイル基といったよう
に、A3成分が分解して生じるラジカル成分がA2成分
の不飽和結合と反応した結果、生成した重合体に組み込
まれた構造のことである。
結合を分子内に複数有する化合物を50%〜100%含
むものを用いることが好ましいことは前述したとおりで
あるが、このようなA2成分を用いた場合、前記重合体
は架橋構造を有するものになり、プリプレグのマトリッ
クス樹脂中で熱硬化性樹脂と均一相を形成するか、熱硬
化性樹脂と分離した連続相として存在するようになる。
ラジカル重合性不飽和結合を分子内に複数有する化合物
の(共)重合により架橋した構造を有する重合体、例え
ば架橋ゴム粒子などを、プリプレグのマトリックス樹脂
中に配合することは、従来より行われている。しかし、
架橋した構造を有する重合体は熱硬化性樹脂に溶解する
ことはできないため、粒子状の形態で添加することしか
できない。したがって、このようなプリプレグは本発明
のプリプレグとは重合体の存在する形態により区別され
る。
熱硬化性樹脂と均一相を形成するか、熱硬化性樹脂と分
離した連続相として存在することを確認するための簡単
な方法の一例としては、プリプレグから適当な溶剤を用
いて熱硬化性樹脂成分を抽出し、残った重合体が連続し
た形態を持つことを調べる方法が挙げられる。
化性樹脂成分は、含浸に用いた樹脂組成物のA1成分か
らほぼ変化しない。したがって、A1成分としてエポキ
シ樹脂組成物を用い、その成分として、粒子状の硬化剤
や硬化助剤を用いた場合、これらはプリプレグ中におい
てもほぼそのままの状態で見出される。このことは、例
えば、顕微鏡観察または、エポキシ樹脂のみを溶解する
適当な溶媒にプリプレグを浸漬し、強化繊維とA2成分
に由来する重合体を金網などで濾別し、その濾液をさら
に濾紙やメンブランフィルターなどで濾過して硬化剤や
硬化助剤の粒子を得ることにより確認することができ
る。
たシート状プリプレグ、テープ状あるいは紐状のプリプ
レグを積層後、加熱加圧して得られる。特に管状物を成
形する場合は積層はマンドレルにプリプレグを巻き付け
ることにより行われる。加熱加圧する方法は、オートク
レーブを用いる方法、真空バッグとヒーターを用いる方
法、ラッピングテープを巻き付けて圧力を付与しオーブ
ン中で加熱する方法、樹脂チューブにプリプレグを巻き
付けて金型に入れ、金型を加熱するとともに樹脂チュー
ブに高圧空気を導入して内側から加圧する方法などが用
いられる。
する。なお、実施例中の複素粘性率の測定は、測定装置
としてレオメトリックス社製動的粘弾性測定装置RDA
−IIを用い、温度35℃、周波数0.5s-1の条件で
行った。DSC測定には測定装置としてメトラー社製D
SC−30を用いた。
ンストロン社製万能試験機4201型を用い、50×5
0mmの大きさにカットした2枚のプリプレグを貼り合
わせて300Nの荷重で5秒間圧着し、その直後に2枚
のプリプレグを接触面に対して垂直方向に引き剥がすと
いう方法で行った。そして、引き剥がすときの最大荷重
をプリプレグの接触面積で割った値を、プリプレグの剥
離強度とした。測定条件は次の通りである。
ンストロン社製万能試験機4201型を用い、繊維方向
に長さ85mm、繊維方向に対して直角に幅15mmの
大きさにカットしたプリプレグについて次に示す条件で
3点曲げ試験を行って荷重−たわみ曲線を得る。
を用いて算出した弾性率をプリプレグの曲げ弾性率とし
た。
調製した。
った。発熱開始時間は90秒であった。
を調製した。
た。
ペーサーを2枚のポリエステルフィルムにはさみ、13
0℃に加熱したプレス機で20秒間はさんで熱処理し
た。熱処理後の樹脂組成物の複素粘性率は1.0×10
3 Pa・sであった。
物を調製した。
Pa・sであった。
ペーサーを2枚のポリエステルフィルムにはさみ、13
0℃に加熱したプレス機で20秒間はさんで熱処理し
た。熱処理後の樹脂組成物の複素粘性率は1.3×10
4 Pa・sであった。
物を調製した。
Pa・sであった。
ペーサーを2枚のポリエステルフィルムにはさみ、13
0℃に加熱したプレス機で20秒間はさんで熱処理し
た。熱処理後の樹脂組成物の複素粘性率は7.1×10
2 Pa・sであった。
物を調製した。
Pa・sであった。
ペーサーを2枚のポリエステルフィルムにはさみ、13
0℃に加熱したプレス機で20秒間はさんで熱処理し
た。熱処理後の樹脂組成物の複素粘性率は1.1×10
4 Pa・sであった。
物を調製した。
×102Pa・sであった。この樹脂組成物と厚さ1m
mのテフロンスペーサーを2枚のポリエステルフィルム
にはさみ、130℃に加熱したプレス機で20秒間はさ
んで熱処理した。熱処理後の樹脂組成物の複素粘性率は
3.1×103 Pa・sであった。
紙上に目付34g/m2 になるよう塗布する。続いて、
図1に示す装置を用いてプリプレグを製造する。クリー
ル1からくり出され、コーム2を通して一方向に引き揃
えられ、目付140g/m2 のシート状にした炭素繊維
101(“トレカ”M46JB(東レ(株)製))を巻
出しロール3、4から巻き出された離型紙102、およ
び樹脂組成物を塗布した離型紙103で挟み、100℃
の熱板で予熱して、100℃に加熱したニップロール6
で加圧して含浸させ、160℃の4枚の熱板7〜10
(合計長1.8m)をラインスピード10m/minで
通過させて、離型紙102を巻取ロール11に巻き取っ
た後、表面平滑性プリプレグ104を巻取ロール12と
して巻き取る。
よる熱処理を行なう前のプリプレグ(熱処理前プリプレ
グ)、および含浸後に熱処理を行って巻き取ったプリプ
レグ(熱処理後プリプレグ)のそれぞれについて曲げ弾
性率を測定したところ、熱処理前プリプレグが3.93
×104N/mm2であったのに対して、熱処理によりプ
リプレグ中のマトリックス樹脂の粘度が増大したために
曲げ弾性率も増大して、9.26×104N/mm2とな
った。また、熱処理前プリプレグの剥離強度を測定した
ところ106kPaであり、タックがやや弱い状態であ
ったのに対して、熱処理後プリプレグの剥離強度はマト
リックス樹脂粘度の増大に伴って増大して126kPa
となり、良好なタック性を有していた。
と、低粘度のマトリックス樹脂を強化繊維に含浸するた
め、生産性が良く、また得られたプリプレグの表面平滑
性もよい。含浸後の熱処理によりマトリックス樹脂の粘
度を高めることができるため、得られたプリプレグの取
扱性や成形時の樹脂フローも良好である。
装置の一例の概略構成図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂(A1)、ラジカル重合性
不飽和化合物(A2)および加熱によりラジカルを発生
する重合開始剤(A3)からなる樹脂組成物。 - 【請求項2】 ラジカル重合性の不飽和結合を複数有す
る化合物を、A2成分中に50〜100重量%有するこ
とを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 A1成分がエポキシ樹脂と硬化剤からな
ることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成
物。 - 【請求項4】 硬化剤が、イミダゾール誘導体、有機酸
ヒドラジド類、芳香族ジアミン類から選ばれる少なくと
も一種の粒子状硬化剤である請求項3に記載の樹脂組成
物。 - 【請求項5】 硬化剤が、ジシアンジアミドからなる粒
子状硬化剤であり、A1成分には、さらに、アリール基
で置換された尿素誘導体またはイミダゾール誘導体から
なる粒子状の硬化助剤が含有される請求項3に記載の樹
脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組
成物を、強化繊維に含浸する工程(工程1)、および強
化繊維に含浸された樹脂組成物に対し熱処理を行う工程
(工程2)を経てプリプレグを得ることを特徴とするプ
リプレグの製造方法。 - 【請求項7】 工程2の熱処理において、A3成分は反
応してラジカルを発生するがA1成分は実質的に反応し
ないことを特徴とする請求項6記載のプリプレグの製造
方法。 - 【請求項8】 工程1と工程2を同一製造ライン中で行
うことを特徴とする請求項6または7記載のプリプレグ
の製造方法。 - 【請求項9】 熱硬化性樹脂(A1)および重合体より
なるマトリックス樹脂と、強化繊維とからなるプリプレ
グにおいて、前記重合体は、ラジカル重合性不飽和化合
物(A2)が、加熱によりラジカルを発生する重合開始
剤(A3)により重合して得られる重合体であり、前記
熱硬化性樹脂と均一相を形成するか、または、前記熱硬
化性樹脂と分離した連続相として存在することを特徴と
するプリプレグ。
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